JP2002022598A - 眼鏡レンズの測定方法およびその装置 - Google Patents

眼鏡レンズの測定方法およびその装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼鏡レンズの凹面高さ、光学中心、幾何学中
心、アイポイント位置、遠用度数測定位置、度数等の光
学特性の測定を良好かつ的確に行う。 【解決手段】 ブロック位置A1 において、累進多焦点
または多焦点レンズからなる被検レンズS1の凸面の複数
箇所をレンズ保持搬送装置32によって吸着保持し、マ
ーク検出位置A3 に搬送する。この位置で被検レンズS1
の凸面に表示されているマークを撮像し、この画像を画
像処理することによりマークの位置を算出し、このマー
ク情報からアイポイントの位置等を算出する。次に、被
検レンズS1を高さ兼度数測定位置A4 に搬送して凹面の
高さを測定する。さらに、この位置で被検レンズS1の凹
面高さを測定基準高さにして度数を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に眼鏡レンズ
(以下、レンズという)の縁摺り加工のためにレンズの
加工中心等を決定し、この加工中心に加工治具を取付け
るレンズ用レイアウト・ブロック装置に用いて好適な眼
鏡レンズの測定方法およびその装置に関する。さらに詳
しくは、被検レンズの凹面高さ、光学中心、幾何学中
心、外径、アイポイント位置、遠用度数測定位置、レン
ズ度数等の光学特性を測定する眼鏡レンズの測定方法お
よびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、レンズ玉型(未加工の眼鏡レン
ズ)を眼鏡フレームの枠形状に適合した形状に加工する
場合、その前工程として処方レンズの光学中心、幾何学
中心、アイポイント位置、遠用度数測定位置、レンズ度
数、乱視軸等の光学特性を確認し、このレンズ情報とレ
ンズ枠形状データおよび装用者の処方データから加工中
心およびレンズに対する加工治具(以下、レンズホルダ
という)の取付角度等を決定する(光学的レイアウ
ト)。次に、これに基づいてレンズホルダの中心をレン
ズの加工中心に位置付けし、レンズホルダをレンズに取
付ける(ブロック)。レンズの加工中心は、レンズが単
焦点レンズの場合、その光学中心であり、累進多焦点レ
ンズと多焦点レンズ(一般的には二重焦点レンズ)の場
合、レンズのアイポイント位置である。加工する際は、
装用者の瞳孔中心(アイポイント)とレンズの光学中心
またはアイポイント位置が一致するようにレンズの外周
を砥石またはカッタによって縁摺り加工し、眼鏡フレー
ムの枠形状に適合した形状にする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来はレンズの縁摺り
加工のための前工程であるレンズの光学的レイアウトお
よびブロックを作業者が専用の装置を用いて手作業によ
って行っていた。しかしながら、このような作業は著し
く非能率的で生産性が低く、省力化の大きな障害となっ
ていた。また、レンズを汚したり、傷つけたり、破損し
たりしないようにその取扱いに細心の注意を払う必要が
あるため、作業者の負担が大きいという問題もあった。
【0004】このため、最近ではレンズの光学的レイア
ウトとレンズホルダによるレンズのブロックを自動的に
行うことにより作業能率を向上させるようにした、単焦
点レンズ用と累進、多焦点レンズ用のレイアウト・ブロ
ック装置(ABS;AutoBlocker for Single Visoion L
ens 、ABM;Auto Blocker for MultifocusLens)の
開発が要請されている。
【0005】この場合、特に装置設計に当たっては、レ
ンズの種類によって形状、光学特性が異なるため、レン
ズの種類に応じた測定方法およびその装置の開発が重要
な課題となる。すなわち、レンズは、球面レンズからな
る単焦点レンズと、非球面レンズからなる累進多焦点レ
ンズおよび多焦点レンズの3種類に分類される。また、
多焦点レンズは二重焦点レンズと三重焦点レンズの2種
類あるが、本発明においては単焦点レンズ、累進多焦点
レンズおよび二重焦点レンズを対象としており、三重焦
点レンズは対象外であるため、以下の説明においては二
重焦点レンズを多焦点レンズと呼ぶ。
【0006】このようなレンズの度数は、単焦点レンズ
の場合、その光学中心におけるレンズ度数で表示され
る。度数測定を行う場合は、レンズの光軸に平行な光を
レンズに照射し、プリズム量が零になるようにレンズを
X,Y方向に移動調整しながら測定する。しかしなが
ら、レンズをプラスチックからなるレンズ載置台の上に
載置して測定すると、X,Y方向に移動調整したとき、
レンズに傷が付き易いという問題が生じる。
【0007】一方、累進多焦点レンズの場合は、図11
に示すように幾何学中心Oから所定の位置離れた基準位
置に隠しマークと呼ばれる凸状のマーク3A,3Bを表
示しており、これらの隠しマーク3A,3Bの位置から
レンズ1の幾何学中心O、遠用、近用部の光学中心、ア
イポイント11の位置等を導き出せるように設計されて
いるため、これらの隠しマーク3A,3Bの位置から遠
用度数測定部分を見つけて度数(遠用度数)の測定を行
うようにしている。
【0008】多焦点レンズ、特にプラスティック製の多
焦点レンズの場合は、累進多焦点レンズ1とは異なり、
図12に示すように小玉13Bの上縁17を基準マーク
として幾何学中心O、近用部の光学中心15、アイポイ
ント16の位置を求めることができるように設計されて
いため、小玉13Bの上縁17の位置からアイポイント
16の位置を見つけて度数(遠用度数)の測定を行うよ
うにしている。このため、累進多焦点レンズ1と多焦点
レンズ13の度数測定に際しては、単焦点レンズの度数
測定と異なり予めマークを検出し、そのマーク位置から
遠用度数測定位置6またはアイポイント16の位置を算
出する必要がある。なお、累進多焦点レンズ1と多焦点
レンズ13についてはさらに後述する。
【0009】また、レンズメータにおけるレンズの度数
測定は、レンズの裏面を基準として測定することがJI
Sの規格によって決められている。しかし、レンズの裏
面は凹面に形成されているので、レンズの測定中心部に
おいてプラス強度のレンズとマイナス強度のレンズとで
はレンズの測定位置の高さが異なる。例えば、プラスチ
ックからなるレンズ載置台として用い、その上にレンズ
を凹面を下にして載置すると、プラスレンズを載置した
ときとマイナスレンズを載置したときとでは、凹面の高
さ(度数測定部分の高さ)が大きく異なる。例えば、プ
ラス15ディオプター(D)のレンズとマイナス15D
のレンズとでは、凹面の高さの差が約8mmとなる。そ
の結果、基準位置に誤差が生じ、測定度数に誤差が生じ
る。それ故、レンズの種類に関係なくレンズ度数を正確
に測定するためにはレンズの凹面bの高さを測定し、こ
の凹面bが測定基準高さ位置と一致するようにレンズを
設置して測定を行う必要がある。
【0010】したがって、レンズ用レイアウト・ブロッ
ク装置の実用化を実現するためには、レンズの種類に応
じてその測定を良好かつ的確に行い得るようにした測定
方法およびその装置の開発が急務とされる。
【0011】本発明は上記した従来の問題および要請に
応えるためになされたもので、その目的とするところ
は、レンズの凹面高さ、光学中心、幾何学中心、アイポ
イント位置、遠用度数測定位置、度数等の光学特性の測
定を良好かつ的確に行い得るように眼鏡レンズの測定方
法およびその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、レンズ保持搬送装置と、高さ測定装置
と度数測定装置を備え、前記レンズ保持搬送装置によっ
て被検レンズの凸面の中心よりずれた複数箇所を吸着保
持して高さ測定位置の上方に搬送し、その凹面高さを前
記高さ測定装置によって測定する工程と、前記レンズ保
持搬送装置によって前記被検レンズを度数測定位置の上
方に搬送して凹面の度数測定部分が測定基準高さ位置と
なるように高さを調整し、前記度数測定装置によって前
記被検レンズの度数を測定する工程を備えたものであ
る。
【0013】第2の発明は、被検レンズの凸面の中心よ
りずれた複数箇所を吸着保持して搬送するレンズ保持搬
送装置と、前記被検レンズの凹面高さを測定する高さ測
定装置と、前記被検レンズの度数を測定する度数測定装
置を備えたものである。
【0014】第3の発明は、レンズ保持搬送装置と、画
像撮像処理装置と、高さ測定装置と度数測定装置を備
え、前記レンズ保持搬送装置によって被検レンズの凸面
の中心よりずれた複数箇所を吸着保持してマーク検出位
置の上方に搬送し、前記被検レンズの凸面に形成されて
いるマークを撮像し、この撮像された画像の情報から度
数測定位置を算出する工程と、前記被検レンズを高さ測
定位置の上方に搬送してその凹面高さを測定する工程
と、前記被検レンズの凹面の度数測定部分を測定基準高
さ位置にして前記被検レンズの度数を測定する工程とを
備えたものである。
【0015】第4の発明は、被検レンズの凸面の中心よ
りずれた複数箇所を吸着保持して搬送するレンズ保持搬
送装置と、前記被検レンズの凸面に形成されているマー
クを撮像し、その画像を処理して度数測定位置を算出す
る画像撮像処理装置と、前記被検レンズの凹面高さを測
定する高さ測定装置と、前記被検レンズの度数を測定す
る度数測定装置を備えたものである。
【0016】第1、第2の発明において、レンズ保持搬
送装置は被検レンズの凸面の中心よりずれた複数箇所を
吸着保持して搬送する。したがって、度数測定時にX,
Y方向に移動してもレンズに傷が付くおそれがない。ま
た、凹面高さが測定基準高さ位置に保持されるので、基
準位置がずれることがない。被検レンズは単焦点レンズ
で、度数測定位置は光学中心である。
【0017】第3、第4の発明において、レンズ保持搬
送装置は被検レンズの凸面の中心よりずれた複数箇所を
吸着保持して搬送する。したがって、X,Y方向に移動
してもレンズに傷が付くおそれがない。被検レンズは累
進多焦点レンズまたは多焦点レンズで、累進多焦点レン
ズの場合、度数測定位置は遠用度数測定位置である。多
焦点レンズの場合は、アイポイントの位置が度数測定位
置である。累進多焦点レンズのマークは、隠しマーク、
識別マーク等である。多焦点レンズのマークは、小玉の
上縁である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る眼
鏡レンズ用測定装置と位置関係を示す図、図2は累進多
焦点および多焦点レンズ用のレンズ保持搬送装置の一実
施の形態を示す要部の平面図、図3は図2のIII −III
線断面図、図4は吸着手段を示す図、図5(a)、
(b)、(c)はレンズ載置台の平面図、断面図および
底面図、図6はレンズ保持装置の断面図、図7は画像撮
像処理装置と度数測定装置の概略図、図8は光学系のフ
ロー図、図9は単焦点レンズ用の高さ測定装置の正面
図、図10は度数測定装置の要部を示す図である。
【0019】これらの図において、本実施の形態におい
ては、被検レンズがプラスチック製の累進多焦点レン
ズ、多焦点レンズおよび単焦点レンズの3種類で、その
光学的レイアウトとブロックを自動的に行うようにした
レンズ用レイアウト・ブロック装置に用いられる眼鏡レ
ンズ用測定装置に適用した例を示す。このため、累進多
焦点レンズと多焦点レンズのマーク検出および光学特性
(アイポイント位置、幾何学中心、度数、凹面高さ等)
の測定を可能にした眼鏡レンズ用測定装置30と、単焦
点レンズの光学特性(光学中心、幾何学中心、度数、凹
面高さ等)の測定を可能にした眼鏡レンズ用測定装置3
1を備えている。
【0020】先ず、図11および図12に基づいて累進
多焦点レンズと多焦点レンズについて説明する。
【0021】図11において、1は未加工のプラスチッ
ク製累進多焦点レンズ(以下、レンズ、被検レンズとも
いう)、2は幾何学中心Oを通る水平基準線、3A,3
Bは隠しマークで、水平基準線2上で幾何学中心Oから
等距離(例えば17mm)離れた2箇所に形成されてい
る。これらの隠しマーク3A,3Bは、同一の小円また
は小円と文字で表示され、また、各マークの下にはレン
ズ1の加入度数(遠用部の外側頂点屈折力と近用部の外
側頂点屈折力の差)を表示する数字4と、レンズ1の種
類を表示する識別マーク5が表示されている。加入度数
を表示する数字4は、装用時に耳側に位置する隠しマー
クの下に3桁の数字(例えば300)で表示される。し
たがって、この3桁の数字が左右どちらの隠しマークの
下に表示されているかを知ることにより、左眼用レンズ
であるか右眼用レンズであるかを識別することができ
る。この場合、図11においては、右眼用のレンズを示
し、左側の隠しマーク3Aを小円「○」で、右側の隠し
マーク3Bをローマ字「H」で表示している。なお、隠
しマーク3A,3B、加入度数を表示する数字4および
識別マーク5は、成形時にレンズの凸面に微小な突起
(2〜4μm程度)の形で形成される。
【0022】6は遠用度数測定部分、7は近用度数測定
部分、8は遠くを見る部分(遠用部)、9は近くを見る
部分(近用部)、10は度数が連続的に変わる部分(累
進部)、11はアイポイントの位置である。遠用度数測
定部分6、近用度数測定部分7およびアイポイント11
の位置は、レンズ1の種類、大きさによって異なるが、
幾何学中心Oから離れた所定の基準位置、例えばアイポ
イント11の位置は幾何学中心Oの上方に所定距離d1
(例えば、2mm)だけ離れた位置に、また遠用中心1
2はアイポイント11の位置から上方に所定距離d2
(例えば、4mm)だけ離れた位置に決められている。
したがって、隠しマーク3A,3Bの画像を取り込み、
画像処理してその位置座標を算出すれば、幾何学中心
O、アイポイント11および遠用中心12の位置等を求
めることができる。
【0023】図12において、13はプラスチック製の
右眼用多焦点レンズ(以下、レンズ、被検レンズともい
う)、13Aは台玉、13Bは小玉、14は遠用度数測
定部、15は近用度数測定部の中心、Oは幾何学中心、
16はアイポイントの位置(遠用度数測定位置)であ
る。レンズ13がプラスティック製の場合、小玉13B
は台玉13Aの表面に側面視くさび形に突出した形で形
成されており、その上縁17が幾何学中心Oを通る水平
基準線18の下方に所定距離d3 (例えば、5mm)だ
け離れるように形成されている。また、小玉13Bは、
右眼用レンズの場合、近用度数測定部の中心15が幾何
学中心Oから右方に所定距離d4 (例えば、5mm)だ
けずれるように形成されている。また、アイポイント1
6の位置は、水平基準線18上で幾何学中心Oから所定
距離d5 (例えば、2.5mm)だけ小玉13B側にず
れた位置に決められている。したがって、小玉13Bの
画像を撮像し、その上縁17の中央の位置座標を画像処
理によって算出すれば、幾何学中心Oやアイポイント1
6の位置を求めることができる。この場合、小玉13B
の上縁17は前記累進多焦点レンズ1における隠しマー
ク3A,3Bに相当している。また、小玉13Bが幾何
学中心Oから左右のどちら側にずれているかを知ること
により、左眼用か右眼用かを識別することができる。
【0024】単焦点レンズは球面レンズからなり、光学
中心がアイポイントの位置で幾何学中心と略一致してお
り、上記した遠用度数測定部、近用度数測定部等を有し
ていないため、その図示を省略する。
【0025】図1において、被検レンズS1が前記累進多
焦点レンズ1または多焦点レンズ13で、そのマークの
検出と光学特性の測定を行う前記眼鏡レンズ用測定装置
30は、レンズ保持搬送装置32を備えている。A1 ,
A2 ,A3 ,A4 は被検レンズS1のブロック位置、原点
位置、マーク検出位置および高さ兼度数測定位置であ
る。
【0026】前記ブロック位置A1 、原点位置A2 、マ
ーク検出位置A3 および高さ兼度数測定位置A4 は、X
方向に延在する同一直線上に位置付けられている。ブロ
ック位置A1 は、被検レンズS1が供給される位置である
とともに、光学特性の測定が終わった検査済みの被検レ
ンズS1に対してレンズホルダ33(図4)を弾性シール
34を介して取付ける位置である。この位置には、後述
するレンズ載置台35が設けられている。原点位置A2
は、後述する吸着手段66の初期位置である。マーク検
出位置A3 は、被検レンズS1に形成されているマークを
撮像し、その画像を処理することによりマーク位置を検
出し、このマーク情報から被検レンズS1の幾何学中心、
アイポイントの位置等を算出するための位置であり、後
述するレンズ保持装置36(図6)が設けられている。
この場合、被検レンズS1のマーク検出は、上記した累進
多焦点レンズ1の場合、凸面aに形成されている隠しマ
ーク3A,3B、加入度数を表示する数字4およびレン
ズの種類を表示するマーク5(図11)の検出であり、
多焦点レンズ13の場合は小玉13Bの上縁17をマー
クとして検出する。高さ兼度数測定位置A4 は、被検レ
ンズS1の凹面bの高さとレンズ度数(遠用度数)を測定
する位置であり、後述する高さ測定装置37(図3)が
設けられている。
【0027】図1〜図4において、前記レンズ保持搬送
装置32は、前記ブロック位置A1に供給される被検レ
ンズS1を吸着保持してマーク検出位置A3 と高さ兼度数
測定位置A4 に順次搬送し、レンズS1の光学特性の測定
が終了すると、被検レンズS1を再び元のブロック位置A
1 に戻すもので、水平面内において直交する2方向
(X,Y方向)にそれぞれ独立して移動自在な2つのテ
ーブル、すなわちXテーブル40およびYテーブル41
を備えている。
【0028】前記Xテーブル40は、Yテーブル41の
上面に設置した前後一対のガイドレール42とボールね
じ43に沿って移動自在に配設され、図示しないXテー
ブル用ステッピングモータによって駆動されるように構
成されている。前記ボールねじ43の一端には歯付プー
リ44が取付けられており、この歯付プーリ44に前記
Xテーブル用ステッピングモータの回転がタイミングベ
ルトを介して伝達されるように構成されている。
【0029】前記Yテーブル41は、架台46上に設置
した左右一対のガイドレール47とボールねじ48に沿
って移動自在に配設され、図示しないYテーブル用ステ
ッピングモータによって駆動されるように構成されてい
る。
【0030】また、前記Xテーブル40の上面には、左
右一対の側板50と、上下動自在なZテーブル51と、
Zテーブル用ステッピングモータ52およびこのステッ
ピングモータ52の回転を前記Zテーブル51に伝達す
るねじ棒53が配設されている。前記ステッピングモー
タ52は、Xテーブル40の上面に下向きに設置され、
その出力軸54がXテーブル40の下方に突出して歯付
プーリ55を有し、このプーリ55と前記ねじ棒53の
下端に設けた歯付プーリ56にタイミングベルト57が
張設されている。前記ねじ棒53は、下端部が前記Xテ
ーブル40に設けた軸受58によって回転自在に軸支さ
れ、上端側に前記Zテーブル51の下面側に取付けたナ
ット59が螺合している。
【0031】前記Zテーブル51は、前記側板50に近
接して対向する一対の側壁61A,61Aを一体的に有
し、リニアガイド62によって上下動自在に保持されて
おり、前記ステッピングモータ52の回転が前記ねじ棒
53に伝達されると、前記ナット59とともに上下動す
るように構成されている。
【0032】前記Zテーブル51の先端部には、フレー
ム64の基端部64Aが複数個の止めねじ65によって
固定されている。フレーム64の先端部64Bは、平面
視コ字状に形成されることにより前後に対向する水平な
一対の腕部64a,64bと、これらの腕部の一端を連
結する連結部64cとからなり、各腕部64a,64b
の対向する内側面に被検レンズS1の凸面aの外周寄りを
吸着保持する吸着手段66がそれぞれ2個ずつ配設され
ている。
【0033】前記吸着手段66は、前記ブロック位置A
1 、原点位置A2 、マーク検出位置A3 および高さ兼度
数測定位置A4 に移動されるもので、図3および図4に
示すように吸引筒68と、この吸引筒68の下端側に一
体的に設けられたゴム等の弾性材からなる吸着パッド6
9を有し、前記腕部64a,64bに対して上下動自在
に配設したスライド部材67に取付けられている。ま
た、吸着手段66は、図示しない真空ポンプに配管を介
して接続されている。前記スライド部材67は、前記腕
部64a(64b)に取付けたガイドレール70に上下
動自在に取付けられ、引張りコイルばね71によって下
方に付勢されていることにより、上端が通常腕部64a
(64b)の上面に圧接されている。なお、4つの吸着
手段66は、前記先端部64Bの略中央を中心O(図
2)とする仮想の同一円周上に略等間隔おいて位置する
ように前記各腕部64a,64bに取付けられている。
前記中心Oから各吸着手段66までの距離Rは、マーク
検出、凹面高さの測定、度数測定およびレンズホルダ3
3の装着の妨げとならないように十分大きく設定されて
いる。
【0034】さらに、前記各腕部64a,64bには、
それぞれ2個ずつ合計4個のセンサ73が前記各吸着手
段66に対応して取付けられている。このセンサ73
は、前記吸着手段66が被検レンズS1の凸面aに押し付
けられたことを検出するもので、発光ダイオード74と
受光ダイオード75(図4)を備え、これら両ダイオー
ド間に前記スライド部材67に折り曲げ形成した折曲片
76が通常上方から挿入されることにより発光ダイオー
ド74から出た光を遮り、センサ73をOFFの状態に
保持している。なお、各センサ73の検出信号はレンズ
用レイアウト・ブロック装置の制御部に送出される。
【0035】図4において、前記レンズホルダ33は金
属製の円筒体からなり、先端面に凹球面状のレンズ保持
面80を有し、被検レンズS1を保持するときこのレンズ
保持面80に予め薄いリング状の弾性シール34を貼着
しておき、この弾性シール34を被検レンズS1の凸面a
に押し付けて貼着する。レンズ保持面80には、弾性シ
ール34との密着結合力を高めるとともに弾性シール3
4の回転を防止するために断面形状が三角形からなる多
数の微小な突状体81が全周にわたって放射状に形成さ
れている。弾性シール34の両面には、粘着剤が塗布さ
れている。なお、このようなレンズホルダ33は、従来
から周知である(例:実開平6−24854号公報、特
願平11−224598号等)。
【0036】図4および図5において、前記ブロック位
置A1 に配設した前記レンズ載置台35は、基台85上
に設置された金属製の円筒体86と、この円筒体86の
上端開口部に取付けられたゴム等の弾性材からなるリン
グ87を備え、このリング87の上に被検レンズS1が凹
面b側を下にして載置されるように構成されている。ま
た、レンズ載置台35の内部には、レンズ支持機構88
が組み込まれている。
【0037】前記レンズ支持機構88は、レンズ載置台
35上に載置された被検レンズS1を前記吸着手段66に
よって押圧して吸着保持するとき、およびレンズホルダ
33によるブロッキング時に被検レンズS1の傾きを防止
し凸面aを水平に保持させるためのもので、ジンバル機
構を採用している。このため、同一平面上で交差する2
本の軸(カルダン軸)90,91を用いて揺動板92と
首振り環93を直交する2方向に揺動自在に支持してい
る。揺動板92は円板状に形成されており前記基台85
の下方に配設され、外周が首振り環93によって取り囲
まれ、さらにその外周を固定リング94によって取り囲
んでいる。2本の軸のうち第1の軸90は、首振り環9
3の内面に対向して設けた一対の水平な支持ピンからな
り、前記揺動板92を揺動自在に軸支している。第2の
軸91は固定リング94の内面に対向して設けた一対の
水平な支持ピンからなり、前記首振り環93を前記揺動
板92の揺動方向と直交する方向に揺動自在に軸支して
いる。前記固定リング94は、前記基台85に対して固
定されている。
【0038】また、前記レンズ支持機構88は、前記揺
動板92の上に上下動自在に配設された3本のサポート
96を備えている。これらのサポート96は全て同一長
さで、前記揺動板92の中心を中心とする同一円周上に
周方向に等距離離間して配置され、前記基台85に設け
た挿通孔97を摺動自在に貫通している。各サポート9
6の上端部は、前記円筒体86を通り前記リング87の
内部で上端開口部付近に位置している。
【0039】図6において、前記マーク検出位置A3 に
配設した前記レンズ保持装置36は、両端が開放するレ
ンズ支持筒100を備え、このレンズ支持筒100の内
部を真空ポンプ101によって真空排気することによ
り、被検レンズS1の凹面bの中央をレンズ支持筒100
の上面に吸着固定するように構成されている。レンズ支
持筒100は、累進多焦点レンズ1の隠しマーク3A,
3B、加入度数を表示する数字4、識別マーク5および
多焦点レンズ13の小玉13Bの投影の妨げにならない
ように、十分に小さい外径(例えば8mmφ)を有し、
集光レンズ102の上面中央に立設されている。前記集
光レンズ102は他の集光レンズ103とともに鏡筒1
04内にシール部材を介して組み込まれており、これら
両レンズ102,103および鏡筒104によって囲ま
れた密閉空間が真空吸着室105を形成し、前記真空ポ
ンプ101に配管を介して接続されている。前記集光レ
ンズ102は中央に形成された貫通孔106を有し、こ
の貫通孔106によって前記レンズ支持筒100の内部
と前記真空吸着室105を連通させている。
【0040】このように細いレンズ支持筒100で被検
レンズS1の凹面bを吸着保持すると、被検レンズS1を確
実に固定することができる。また、被検レンズS1がプラ
スレンズとマイナスレンズの場合であっても、単に透明
なプラスチック等の載置台に載置した場合に比べて凸面
の高さの差を小さくすることができる。すなわち、例え
ば、−10Dのマイナスレンズと+6Dのプラスレンズ
をレンズ支持筒100の上面に吸着固定した場合は、凸
面aの高さの差dが6.8mmとなり、プラスチック等
の載置台に載置した場合の凸面の高さの差(11.3m
m)より小さくすることができる。これにより、光学系
の焦点深度を小さくすることができ、明るくて見易い投
影像を得ることができる。
【0041】図3において、前記高さ兼度数測定位置A
4 に配設されている前記高さ測定装置37は、上面が凸
状の球面に形成され下面が開放する異径の円筒体110
を備え、この円筒体110を上下動可能な可動プレート
111の上に複数個の止めねじによって固定している。
また、円筒体110の上面で軸心から所定距離離間した
位置には、度数測定用光源からの光112を透過させる
4つの小孔113が同一円周上に周方向に等間隔おいて
形成されている。円筒体110の中心から各小孔113
までの距離は、2mm程度である。
【0042】前記可動プレート111は、下面外周部が
複数本の支持ピン114によって支持され、中央に前記
度数測定用光源からの光112が透過する挿通孔122
を有している。前記支持ピン114は、基台85に設け
た挿通孔116を摺動自在に貫通し、圧縮コイルばね1
17によって上方に付勢されており、下端側には前記挿
通孔116から上方に抜けるのを防止する止め輪118
が装着されている。また、前記基台85の下面側には、
前記支持ピン114の下降を検出するセンサ120が配
設されている。前記基台85には前記光112を集光す
るコリメータレンズ121が組み込まれており、このコ
リメータレンズ121の焦点は前記円筒体110の上面
で前記小孔113の上端側開口面とされる。なお、前記
円筒体110はレンズ度数の測定時において被検レンズ
S1の下面を支持するレンズ支持台として用いられる。
【0043】前記高さ測定装置37による被検レンズS1
の凹面bの高さ測定は、前記Zテーブル用ステッピング
モータ52の駆動によってZテーブル52を作動させる
ことにより吸着手段66を所定の基準高さ位置から下降
させて被検レンズS1を円筒体110の上面に接触させた
とき、プラスレンズとマイナスレンズおよびレンズ度数
により中心厚が異なるため、凹面bの高さによって接触
するまでの時間が異なる。そこで、前記ステッピングモ
ータ52の駆動開始から、被検レンズS1によって円筒体
110および支持ピン114が押し下げられ、センサ1
20が支持ピン114を検出するまでの時間、前記ステ
ッピングモータ52に加えられるパルスの数をカウント
することにより、凹面bの高さを測定することができ
る。この場合、凹面bの高さが高い被検レンズほどパル
ス数は増加する。測定に際しては、被検レンズS1の凹面
bで遠用度数測定位置が円筒体110の4つの小孔11
3と対応するようにX,Y方向に位置決めして円筒体1
10の上面に被検レンズS1を押し付け、センサ120が
支持ピン114を検出するまで被検レンズS1を押し下げ
る。なお、被検レンズS1の凹面bの高さの測定が終了し
た後は、予め基準測定位置があり、その位置情報はパル
ス数により与えられているので、その測定結果に基づい
て凹面bが前記コリメータレンズ121の焦点位置(基
準測定位置)となるように被検レンズS1の高さを補正す
る。すなわち、具体的には、ステッピングモータの駆動
パルスの差分を補正して基準測定位置に一致させる。し
たがって、光学度数が変化しても測定時の高さ基準位置
は一定となる。
【0044】図7において、130は前記マーク検出位
置A3 に配設された画像撮像処理装置、131は前記高
さ兼度数測定位置A4 に配設された度数測定装置であ
る。
【0045】前記画像撮像処理装置130は、被検レン
ズS1のマークを検出し、そのマークの位置情報から光学
特性(マーク間の中心、アイポイントの位置等)を演算
処理によって算出するもので、被検レンズS1の凸面a側
に配設された光源135と、この光源135と被検レン
ズS1間の光路中に配設されたコンデンサレンズ136、
絞り137、ハーフミラー138を備えている。前記光
源135は、図11に示した累進多焦点レンズ1のマー
ク検出に用いられるもので、隠しマーク3A,3B、加
入度数を表示する数字4および識別マーク5のシャープ
な画像を得るために、例えば波長幅が狭い赤色光を発す
るLEDが用いられる。前記ハーフミラー138は、例
えば透過率と反射率の比が7対3のものが用いられる。
【0046】また、前記画像撮像処理装置130は、被
検レンズS1の凸面a側に配設された切替手段140、C
CD等の撮像装置141、画像処理装置142、ピント
補正用レンズ143と、凹面b側に配設された前記レン
ズ保持装置36、集光レンズ102,103、結像レン
ズ144、画像表示手段としての反射型スクリーン14
5、光源146等を備えている。
【0047】前記切替手段140は、シャッター150
と、このシャッター150を前記ハーフミラー138と
レンズ保持装置36の間の光路中に選択的に挿入するエ
アシリンダ等の駆動装置151とからなり、被検レンズ
S1が累進多焦点レンズ1で、その隠しマーク3A,3B
等を検出するとき、または多焦点レンズ13でその小玉
13Bの上縁17を検出するときにおいては、シャッタ
ー150を光路外に待避させ、レンズ度数の測定時に光
路中に挿入するように構成されている。これは、度数測
定時に画像撮像処理装置からの外来光がハーフミラー1
38を介して撮像装置141に入るのを防止するためで
ある。
【0048】前記ピント補正用レンズ143は、累進多
焦点レンズ1のマーク検出時においては光路外に待避し
ており、多焦点レンズ13の小玉13Bの上縁17の検
出時に撮像装置141の焦点を被検レンズS1の凸面aに
合わせるために、ハーフミラー138と撮像装置141
の間の光路中に挿入され、使用されるものである。
【0049】前記結像レンズ144は凸レンズからな
り、前記集光レンズ103によって集光された前記被検
レンズS1の凸面側表面の画像をこれと略同一の大きさで
前記反射型スクリーン145に結像させる。なお、結像
レンズ144は、被検レンズS1が多焦点レンズ13の場
合、送光レンズとして用いられる。
【0050】前記反射型スクリーン145は、反射率を
高め、かつ光の散乱作用を高める粒子として基材の表面
にガラス、アルミニウム等の微細な粉を塗布した反射シ
ートが貼着されている。また、表面の明るさおよび背景
を均一化させるためにモータ153によって高速回転
(例えば、3400rpm)させ、被検レンズS1の凸面
側表面の画像を反射させる。このため、隠しマーク部と
非隠しマーク部とのコントラストが明瞭になり、被検レ
ンズS1の凸面側表面の画像は元の光路を通って前記被検
レンズS1の凸面a側に戻り、前記ハーフミラー138に
よって反射することにより撮像装置141の受光面に結
像される。そして、この画像は前記画像処理装置142
に取り込まれることにより画像処理される。
【0051】前記光源146は、図12に示す多焦点レ
ンズ13の撮像に用いられるもので、赤色光のLEDが
用いられ、結像レンズ144の下方で外周寄りに周方向
に等間隔おいて、例えば8個配設されている。この光源
146から出た光は、前記反射型スクリーン145に当
たって反射した後、結像レンズ144および集光レンズ
103,102を通って被検レンズS1の凹面bを照射
し、その凸面側表面の画像を前記ハーフミラー138で
反射してピント補正用レンズ143を経て前記撮像装置
141に結像させる。なお、光源146によって多焦点
レンズ13を凹面b側から照射する理由は、凸面a側か
ら照射する場合に比べて小玉13Bの上縁17の影を鮮
明に撮像することができるからである。
【0052】前記度数測定装置131は、被検レンズS1
が凹面b側を下にして載置される前記高さ測定装置37
と、被検レンズS1を凹面b側から照射する度数測定用の
光源160と、この光源160から出た光112を平行
光にする送光レンズ161と、前記被検レンズS1の凸面
aに光源像を結像させるコリメータレンズ121と、こ
のコリメータレンズ121と前記送光レンズ161との
間に光軸方向に移動自在に配設されたターゲット162
を備えている。また、被検レンズS1の凸面a側に配設さ
れた3枚のミラー165a,165b,165cと、対
物レンズ166と、透過型スクリーン167を備えてい
る。この場合、本実施の形態においては、被検レンズS1
が上記した累進多焦点レンズ1または多焦点レンズ13
であるため、その遠用度数が度数測定装置131によっ
て測定される。度数測定装置131によるレンズ度数の
測定範囲としては、例えば−20D〜+15Dとされ
る。
【0053】前記光源160は、4個の超高輝度の発光
ダイオード(LED)160a〜160dからなり、演
算処理を容易にするために、光軸を中心とする正方形の
各頂点位置に配置されている。光軸から各LED160
a〜160dまでの距離は2mm程度である。LED1
60a〜160dのピーク波長は715.2nmであ
る。
【0054】前記ターゲット162としては、中心に直
径が1mmφ程度のピンホール163を有するピンホー
ル板が用いられ、前記ピンホール163の像がコリメー
タレンズ121と対物レンズ166の作用により前記透
過型スクリーン167にターゲット162のパターン像
として投影される。
【0055】前記対物レンズ166は、前記ミラー16
5aとミラー165bとの間に配設されている。
【0056】前記透過型スクリーン167は、乳白色の
合成樹脂板または摺りガラスからなり、前記画像撮像処
理装置130の撮像装置141とハーフミラー138を
挟んで対向するように配設されている。
【0057】再び図1において、前記眼鏡レンズ用測定
装置31は、単焦点レンズからなる被検レンズS2の光学
特性(レンズ度数、凹面高さ等)を測定するもので、レ
ンズ保持搬送装置170を備えている。B1 ,B2 ,B
3 ,B4 は被検レンズS2のブロック位置、原点位置、高
さ測定位置および度数測定位置である。
【0058】前記ブロック位置B1 、原点位置B2 、高
さ測定位置B3 および度数測定位置B4 は、X方向に延
在する同一直線上に位置付けられている。ブロック位置
A1は、被検レンズS2が供給される位置であるととも
に、光学特性の測定が終わった検査済みの被検レンズS2
に対してレンズホルダ33(図4)を弾性シール34を
介して取付ける位置である。この位置には、上記したブ
ロック位置A1 に配設されている前記レンズ載置台35
(図5)と同一構造のレンズ載置台35が配設されてい
る。原点位置B2 は、吸着手段180の初期位置であ
る。高さ測定位置B3 は、被検レンズS2の凹面の高さを
測定する位置で、図9に示す高さ測定装置190を備え
ている。度数測定位置B4 は、被検レンズS2の光学特性
(レンズ度数)を測定する位置で、度数測定装置200
(図10)が配設されている。
【0059】前記レンズ保持搬送装置170は、前述し
た被検レンズS1用のレンズ保持装置32と略同一構造
で、直交する3方向(X,Y,Z方向)にそれぞれ独立
して移動自在なXテーブル172、Yテーブル173お
よびZテーブル174を備えている。
【0060】前記Xテーブル172は、Yテーブル17
3の上面に設置した前後一対のガイドレール175とボ
ールねじ176に沿って移動自在に配設され、図示しな
いXテーブル用ステッピングモータによって駆動される
ように構成されている。
【0061】前記Yテーブル173は、架台46(図
2)上に設置した左右一対のガイドレール177とボー
ルねじ178に沿って移動自在に配設され、図示しない
Yテーブル用ステッピングモータによって駆動されるよ
うに構成されている。
【0062】前記Zテーブル174は、前記Xテーブル
40の上面にリニアガイドによって上下動自在に配設さ
れ、図示しないZテーブル用ステッピングモータによっ
て駆動されるように構成されている。また、Zテーブル
174はフレーム179を備え、このフレーム179の
先端部には、前記被検レンズS2の凸面aの外周寄りを吸
着保持する4つの吸着手段180と、各吸着手段180
が被検レンズS2に押し付けられたことを検出するセンサ
181とが配設されている。フレーム179、吸着手段
180およびセンサ181は、図2および図4に示した
フレーム64、吸着手段66およびセンサ73と全く同
一構造である。
【0063】図9において、前記高さ測定装置190
は、上記した高さ測定装置37(図3)と基本的に構造
が同じで、前記基台85に上下動自在に配設された支持
ピン191と、この支持ピン191を上方に付勢する圧
縮コイルばね192と、支持ピン191の上端に取付け
られたレンズ受部材193と、前記支持ピン191の下
降を検出するセンサ194とを備えている。レンズ受部
材193の上面は凸状の球面に形成され、被検レンズS2
が設置される。
【0064】ステッピングモータの駆動によってZテー
ブル174を下降させ、吸着手段180を所定の基準高
さから下降させたとき、被検レンズS2がレンズ受部材1
93の上面に接触するまでの時間は、凹面bの高さによ
って異なるので、前記ステッピングモータに加えられる
駆動パルスの数をカウントすることにより、被検レンズ
S2の凹面bの高さを測定することができる。測定に際し
ては、被検レンズS2の凹面bの略中央をレンズ受部材1
93の上面に押し付け、センサ194が支持ピン191
を検出するまでレンズ受部材193を押し下げ、ステッ
ピングモータの駆動開始からセンサ194が支持ピン1
91を検出するまでの時間、ステッピングモータに加え
られる駆動パルスの数をカウントする。
【0065】図10において、前記度数測定装置200
は、レンズ載置台を備えていない点、およびターゲット
のパターン像をラインセンサによって検出する点が上記
した被検レンズS1用の度数測定装置131(図7)と異
なるだけで、基本的には同じであるため、装置全体の図
示を省略する。このようなラインセンサ方式による度数
測定装置は、特公平8−20334号公報等に開示され
ているレンズメータ同一であり、従来から周知である。
【0066】被検レンズS2の度数測定に際しては、吸着
手段180によって被検レンズS2を度数測定位置B4 の
上方に搬送し、凹面bがコリメータレンズ201の焦点
と一致するように高さを調整し、この状態で被検レンズ
S2をX,Y方向に移動させて度数測定を行う。
【0067】次に、被検レンズS1の測定方法について説
明する。眼鏡レンズ用測定装置30が初期状態にあると
き、Xテーブル40は原点位置A2 (図1)に待機して
いる。この状態において、レンズ用レイアウト・ブロッ
ク装置に供給された被検レンズS1を適宜な搬送ロボット
によって搬送し、ブロック位置A1 のレンズ載置台35
上に載置する。被検レンズS1がレンズ載置台35上に載
置されると、Xテーブル用ステッピングモータの駆動に
よってXテーブル40を作動させることにより、原点位
置A2 に待機している吸着手段66をブロック位置A1
の上方に移動させる。そして、Xテーブル40がその位
置で停止すると、Zテーブル用ステッピングモータ52
を駆動してZテーブル51を下降させ、吸着手段66を
被検レンズS1の凸面aに押し付けて吸着保持させる(図
4)。
【0068】被検レンズS1の吸着保持に当たっては、フ
レーム64を徐々に下降させていき、4つの吸着手段6
6を被検レンズS1の凸面aに押し付ける。このとき、被
検レンズS1は凸面aが例えば非球面からなる累進多焦点
レンズ1または多焦点レンズ13では曲率が一定でない
ので、各吸着手段66によって吸着保持される被吸着位
置の表面高さがそれぞれ異なり、高さが最も高い表面部
分に対応する吸着手段66が当該表面部分に先ず接触し
て被検レンズS1を押圧する。このため、当該吸着手段6
6のスライド部材67が引張りコイルばね71に抗して
上昇し、折曲片76が当該吸着手段66に対応するセン
サ73の発光ダイオード74と受光ダイオード75の間
から上方に待避する。したがって、当該吸着手段66の
センサ73は、発光ダイオード74から出た光を受光ダ
イオード75が受光することによりON状態となって吸
着手段66が被検レンズS1の凸面aに押し付けられたこ
とを検知し、この検知信号を制御部に送出する。制御部
はセンサ73からの検知信号を確認すると、前記フレー
ム64をさらに所定量(約3〜7mm程度で、レンズ曲
面での各吸着位置の高さ方正が可能な量)下降させて残
り3個の吸着手段66を被検レンズS1の凸面aに押し付
けて接触させる。このため、これら3個の吸着手段66
のセンサ73もON状態になって吸着手段66が凸面a
に押し付けられたことを検知し、この検知信号を制御部
に送出する。制御部は全てのセンサ73がON状態にな
ったことを確認すると、真空ポンプを作動させて全ての
吸着手段66を真空排気する。これにより、吸着手段6
6は被検レンズS1の凸面aを吸着保持する。
【0069】この場合、吸着手段66はフレーム64に
対して上下動自在に配設され、引張りコイルばね71に
よるばね力によって被検レンズS1の凸面aに押し付けら
れているので、吸着位置の表面高さが異なっていても全
ての吸着手段66を略一定の押圧力で押し付けることが
できる。したがって、被検レンズS1の吸着保持が良好で
レンズS1の破損を防止することができる。
【0070】また、レンズ載置台35はレンズ支持機構
88(図5)を備えているので、被検レンズS1を吸着手
段66に対して水平に吸着保持させることができる。す
なわち、吸着手段66を被検レンズS1に押し付けるとリ
ング87が圧縮されるため、被検レンズS1の凹面bがサ
ポート96に押し付けられる。このとき、被検レンズS1
が傾くと、傾き側とは反対側のサポート96が押し下げ
られることにより、揺動板92および首振り環93が揺
動してサポート96の高さを全て等しい高さとし、被検
レンズS1の傾きを補正する。したがって、被検レンズS1
は水平な状態で吸着保持される。
【0071】吸着手段66による被検レンズS1の吸着保
持が終了した後も真空ポンプを作動し続け、Zテーブル
用ステッピングモータ52を駆動してZテーブル51を
上昇させ、被検レンズS1をレンズ載置台35の上方に持
ち上げる。被検レンズS1をレンズ載置台35の上方に持
ち上げると、全ての吸着手段66は引張りコイルばね7
1の力によって引き下げられて元の同一高さに戻る。こ
の状態でXテーブル40を駆動して吸着保持している被
検レンズS1をマーク検出位置A3 の上方に搬送してレン
ズ保持装置36の上に載置し、吸着手段66による保持
を解除する(図6)。そして、真空ポンプ101によっ
て真空排気室105およびレンズ支持筒100の内部を
真空排気し、被検レンズS1をレンズ支持筒100の上面
に吸着固定し、被検レンズS1のマーク検出を行う。
【0072】画像撮像処理装置130と度数測定装置1
31は、マーク検出またはレンズ度数の測定を行う前の
初期状態において、図8に示す原点復帰状態300に保
持されている。この原点復帰状態300において、切替
手段140とピント補正用レンズ143は画像撮像処理
装置130の光路外に待避している。また、光源13
5,146,160は全て消灯している。
【0073】前記レンズ支持筒100の上面に吸着固定
された被検レンズS1が図11に示す累進多焦点レンズ1
の場合は、累進多焦点レンズ用の光源135を点灯し、
切替手段140およびピント補正用レンズ143を画像
撮像処理装置130の光路外に待避させたままの状態で
マーク検出を行う(図8の301)。このとき、光源1
46,160は消灯しておく。
【0074】光源135を点灯すると、その光が被検レ
ンズS1を照射し、隠しマーク3A,3B、加入度数を表
示する数字4および識別マーク5が表示されている凸面
側表面の画像を集光レンズ102,103によって集光
し、結像レンズ144によって反射型スクリーン145
に投影する。この投影画像は、反射型スクリーン145
で反射すると元の光路を通って被検レンズS1の凸面a側
に戻り、ハーフミラー138によって撮像装置141に
結像される。そして、この画像を画像処理装置142が
取り込んで画像処理することにより、隠しマーク3A,
3B、加入度数を表示する数字4および識別マーク5を
検出し、隠しマーク3A、3Bの位置を算出する。ま
た、加入度数を表示する数字4の位置によって左右どち
ら側のレンズであるかを識別し、識別マーク5によって
レンズの種類を検出する。さらに、隠しマーク3A,3
Bの位置情報から被検レンズS1の幾何学中心O、アイポ
イント11の位置等を演算処理することによって求め
る。そして、この求めたレンズ情報とレンズ枠形状デー
タおよび装用者の処方データから加工中心およびレンズ
S1に対するレンズホルダ33の軸線回りの取付け角度等
を決定する。
【0075】一方、被検レンズS1が図12に示す多焦点
レンズ13の場合は、累進多焦点レンズ用の光源135
を用いる代わりに多焦点レンズ用の光源146を用い
る。また、ピント補正用レンズ143をハーフミラー1
38と撮像装置141の間の光路中に挿入して撮像装置
141の焦点を被検レンズS1の凸面aに合わせる(図8
の302)。光源146を点灯すると、その光は反射型
スクリーン145に当たって反射し結像レンズ144お
よび投影レンズ103,102を透過した後、被検レン
ズS1をその凹面1b側から照射し、凸面a側に形成され
ている小玉13Bの上縁17の画像をハーフミラー13
8によって反射して撮像装置141に導く。そして、こ
の画像を画像処理装置142に取り込んで画像処理する
ことにより前記上縁17を検出しその位置を算出する。
また、この上縁17の位置情報から幾何学中心O、アイ
ポイント16の位置等を算出する。そして、この得られ
たレンズ情報とレンズ枠形状データおよび装用者の処方
データから加工中心およびレンズS1に対するレンズホル
ダ33の軸線回りの取付け角度等を決定する。
【0076】被検レンズS1のマーク検出が終了すると、
吸着手段66によって被検レンズS1を再び吸着保持して
高さ兼度数測定位置A4 に搬送し、図3に示す高さ測定
装置37の円筒体110に上方から押し付け、被検レン
ズS1の凹面bの遠用度数測定部分の高さを測定する。高
さ測定が終了すると度数を測定する。
【0077】被検レンズS1のレンズ度数を測定する場合
は、ピント補正用レンズ143を画像撮像処理装置13
0の光路外に退出させ、切替手段140を光路中に挿入
する(図8の303)。レンズ度数の測定において、光
源(光源像)160の透過型スクリーン167への照明
において、光源160から出た光は、送光レンズ161
によって平行光となりピンホール板162を照明してコ
リメータレンズ121に至り、コリメータレンズ121
により被検レンズS1の凹面bの位置で集光されて光源像
を作る。そして、この光束は再び発散光となり対物レン
ズ166に至り透過型スクリーン167を照明する。一
方、ピンホール板162のピンホール像163の透過型
スクリーン167への結像では、被検レンズの度数作用
がない場合(0.00D)、ピンホール板162のピン
ホール像163はコリメータレンズ121により平行光
となり、対物レンズ166の作用により透過型スクリー
ン167にピンホール像が結像される。すなわち、被検
レンズS1を光路中に設置しない状態でLED160a〜
160dを順次点灯すると、その光は、送光レンズ16
1−ピンホール板162のピンホール163−コリメー
タレンズ121−ミラー165a−対物レンズ166−
ミラー165b−ミラー165cを通り、透過型スクリ
ーン167にピンホール像を投影させる。このとき、ピ
ンホール板162は各LED160a〜160dを1つ
ずつ点灯したときのピンホール像が略同一の位置に結像
するように基準位置に保持されている。透過型スクリー
ン167に投影されたピンホール像は透過型スクリーン
167を透過して撮像装置141によって撮像され、こ
のピンホール像を画像処理装置142が取り込んで画像
処理することにより、ピンホール像の位置を算出し基準
位置として記憶しておく。なお、被検レンズS1が配置さ
れた場合、LED160a〜160dを1つずつ順次点
灯したとき、ピンホール像が透過型スクリーン167の
略同一の位置に結像しないので、通常のレンズメータと
同様に略同一の位置に結像するようにピンホール板16
2を光軸方向に移動調整し結像させる機構を有する。
【0078】次に、被検レンズS1を測定する場合、高さ
測定装置37の上に載置してLED160a〜160d
を1つずつ順次点灯する。このときは、LED160a
〜160dからの光が被検レンズS1を透過するため、透
過型スクリーン167に投影されるそれぞれのLEDか
らのピンホール像の位置は、被検レンズS1のレンズ度数
(光学特性))に応じたプリズム作用を受けることによ
り前述の基準位置から変位する。そして、このピンホー
ル像を撮像装置141で撮像して画像処理装置142に
より画像処理することにより各LED160a〜160
d毎のピンホール像の変位量を算出する。すなわち、ピ
ンホール板162を移動調整してピンホール像が透過型
スクリーン167の略同一位置に結像させ、このときの
ピンホール板162の移動量を画像処理装置142に記
憶させ、ピンホール像の変位量と、ピンホール板162
の移動量から度数換算することにより被検レンズS1のレ
ンズ度数を算出する。なお、基本的な光学的度数計算に
関しては、本特許出願人による特開平2−216442
8号公報と同一である。
【0079】レンズ度数の測定が終了すると、Zテーブ
ル51を再び上昇させて被検レンズS1を吸着保持してい
る吸着手段66をブロック位置A1 の上方に搬送する。
このとき、Xテーブル40およびYテーブル41を移動
調整して被検レンズS1の加工中心(アイポイント)がレ
ンズ載置台35の中心と略一致するように位置決めす
る。また、被検レンズS1をレンズ載置台35の上面から
数mm浮いた状態とする。
【0080】次に、レンズホルダ33を被検レンズS1の
上方に搬送して中心を被検レンズS1の加工中心に位置付
け、レンズホルダ33を上方から垂直に下降させて被検
レンズS1の凸面aに押し付け、その下降押圧力で吸着手
段66による被検レンズS1の吸着保持を解除し、レンズ
載置台35に接触、押圧しながら被検レンズS1を下方か
ら弾性シール34に貼着させる。このときもレンズ支持
機構88(図5)によって下方から被検レンズS1を支持
することで、被検レンズS1が傾いて取付けられることが
なく、被検レンズS1のブロッキングを良好に行うことが
できる。
【0081】レンズホルダ33が弾性シール34を介し
て被検レンズS1を吸着保持すると、吸着保持が解除され
た状態をセンサで確認し、吸着手段66を再び原点位置
A2に復帰させる。そして、レンズホルダ33を搬送ロ
ボットにより縁摺り加工装置に搬送して被検レンズS1の
縁摺り加工を行う。
【0082】次に、被検レンズS2の測定方法について説
明する。眼鏡レンズ用測定装置31が初期状態にあると
き、Xテーブル172は原点位置B2 (図1)に待機し
ている。この状態において、レンズ用レイアウト・ブロ
ック装置に供給された被検レンズS2を適宜な搬送ロボッ
トによって搬送し、ブロック位置B1 のレンズ載置台3
5(図4、図5)上に載置する。被検レンズS2がレンズ
載置台35上に載置されると、Xテーブル用ステッピン
グモータが駆動して原点位置B2 に待機しているXテー
ブル172をブロック位置B1 に移動させ、吸着手段1
80を被検レンズS2の上方に位置させる。そして、Xテ
ーブル172がその位置で停止すると、Zテーブル用ス
テッピングモータの駆動によってZテーブル174を下
降させ、吸着手段180を被検レンズS2の凸面aに押し
付けて吸着保持する。この吸着手段180による被検レ
ンズS2の吸着保持は、上記した吸着手段66による被検
レンズS1の吸着保持と全く同じである。
【0083】吸着手段180による被検レンズS2の吸着
保持が終了すると、Zテーブル用ステッピングモータを
駆動してフレーム179を上昇させて被検レンズS2をレ
ンズ載置台35の上方に持ち上げ、高さ測定位置B3 の
上方に搬送し、被検レンズS2を図9に示す高さ測定装置
190のレンズ受部材193に押し付け、被検レンズS2
の凹面bの高さを測定する。この高さ測定位置は、凹面
bの略中央(好ましくは遠用部の中心)である。
【0084】被検レンズS2の凹面bの高さ測定が終了す
ると、被検レンズS2を再び上昇させて度数測定位置B4
の上方に搬送し、度数測定装置200によってレンズ度
数を測定する。この度数測定は、図10に示すように吸
着手段180によって被検レンズS2を吸着保持したまま
の状態で行う。このとき、被検レンズS2は凹面bの度数
測定部部分測定基準高さ、具体的にはコリメータレンズ
201の焦点と一致する高さに保持される。なお、度数
測定装置200による度数測定は、上記した度数測定装
置131による度数測定と同様に行われるため、その説
明を省略する。
【0085】被検レンズS2の度数測定が終了すると、被
検レンズS2を再び所定の高さまで上昇させてブロック位
置B1 に搬送し、レンズ載置台35の上方に搬送する。
このとき、Xテーブル172およびYテーブル173を
移動調整して被検レンズS2の加工中心(光学中心)がレ
ンズ載置台35の中心と略一致するように位置決めす
る。また、被検レンズS2をレンズ載置台35の上面から
数mm浮いた状態とする。
【0086】次に、レンズホルダ33を被検レンズS2の
上方に搬送して中心を被検レンズS2の加工中心に位置付
け、レンズホルダ33を上方から垂直に下降させて被検
レンズS2の凸面aに押し付け、その下降押圧力で吸着手
段66による被検レンズS2の吸着保持を解除し、レンズ
載置台35に接触、押圧しながら被検レンズS2を下方か
ら弾性シール34に貼着させる。このときも、レンズ支
持機構88(図5)によって下方から被検レンズS2を支
持することで、被検レンズS2が傾いて取付けられること
がなく、被検レンズS2のブロッキングを良好に行うこと
ができる。
【0087】レンズホルダ33が弾性シール34を介し
て被検レンズS2に装着されると、吸着保持が解除された
状態をセンサで確認し、吸着手段66を再び原点位置B2
に復帰させる。そして、レンズホルダ33を搬送ロボッ
トにより縁摺り加工装置に搬送して被検レンズS2の縁摺
り加工を行う。
【0088】しかる後、レンズホルダ33を被検レンズ
S2の上方に搬送して中心を被検レンズS2の加工中心に位
置付け、レンズホルダ33を上方から垂直に下降させて
被検レンズS2の凸面aに押し付けることにより、被検レ
ンズS2を弾性シール34に貼着させる。レンズホルダ3
3が弾性シール34を介して被検レンズS2に装着される
と、レンズホルダ33を縁摺り加工装置に搬送して被検
レンズS2の縁摺り加工を行う。
【0089】なお、本発明の実施に当たっては、種々の
度数測定装置を使用することが可能である。
【0090】
【発明の効果】上記したように本発明に係る眼鏡レンズ
の測定方法およびその装置は、被検レンズの凸面をレン
ズ保持搬送装置によって保持した状態で度数測定を行う
ようにしたので、被検レンズをプラスチック等のレンズ
載置台の上に載置する必要がなく、したがって度数測定
のために被検レンズをX,Y方向に移動させても凹面に
傷が付くおそれがなく、レンズの凹面高さを測定し、凹
面を測定基準高さに一致させて度数測定を行うため、レ
ンズの凹面高さが異なるレンズであっても度数測定を良
好に行うことができる。また、レンズ保持搬送装置を備
えているので、作業者の手を介在させることなくレンズ
のマーク検出、高さ測定および度数測定を連続して行う
ことができる。また、凹面高さを測定する場合は、被検
レンズの凹面を高さ測定装置に上方から押し付けるだけ
でよいので、度数測定と同様に凹面に傷が付くことが少
なく、良好に高さ測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る眼鏡レンズ用測定装置と位置関
係を示す図である。
【図2】 累進多焦点および多焦点レンズ用のレンズ保
持搬送装置の一実施の形態を示す要部の平面図である。
【図3】 図2のIII −III 線断面図である。
【図4】 吸着手段を示す図である。
【図5】 (a)、(b)、(c)はレンズ載置台の平
面図、断面図および底面図である。
【図6】 レンズ保持装置の断面図である。
【図7】 単焦点レンズ用の高さ測定装置の正面図であ
る。
【図8】 単焦点レンズの度数測定状態を示す図であ
る。
【図9】 画像撮像処理装置と度数測定装置の概略図で
ある。
【図10】 光学系のフロー図である。
【図11】 累進多焦点レンズのマーク、幾何学中心等
の位置関係を示す図である。
【図12】 多焦点レンズの小玉、幾何学中心、アイポ
イント等の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1…累進多焦点レンズ、13…多焦点レンズ、30,3
1…眼鏡レンズ用測定装置、32…レンズ保持搬送装
置、33…レンズホルダ、34…弾性シール、35…レ
ンズ載置台、36…レンズ保持装置、37…高さ測定装
置、130…画像撮像処理装置、131…度数測定装
置、140…撮像装置、142…画像処理装置、170
…レンズ保持搬送装置、190…高さ測定装置、200
…度数測定装置、A1 …ブロック位置、A2 …原点位
置、A3 …マーク検出位置、A4 …高さ兼度数測定位
置、B1 …ブロック位置、B2 …原点位置、B3 …高さ
測定位置、B4 …度数測定位置、S1,S2…被検レンズ。
フロントページの続き (72)発明者 寒川 正彦 東京都新宿区中落合二丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 Fターム(参考) 2G086 FF01 2H006 DA05 3C049 AA02 AB03 AB05 AC02 BA07 BA14 CA01 CB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ保持搬送装置と、高さ測定装置と
    度数測定装置を備え、前記レンズ保持搬送装置によって
    被検レンズの凸面の中心よりずれた複数箇所を吸着保持
    して高さ測定位置の上方に搬送し、その凹面高さを前記
    高さ測定装置によって測定する工程と、前記レンズ保持
    搬送装置によって前記被検レンズを度数測定位置の上方
    に搬送して凹面の度数測定部分が測定基準高さ位置とな
    るように高さを調整し、前記度数測定装置によって前記
    被検レンズの度数を測定する工程を備えたことを特徴と
    する眼鏡レンズの測定方法。
  2. 【請求項2】 被検レンズの凸面の中心よりずれた複数
    箇所を吸着保持して搬送するレンズ保持搬送装置と、前
    記被検レンズの凹面高さを測定する高さ測定装置と、前
    記被検レンズの度数を測定する度数測定装置を備えたこ
    とを特徴とする眼鏡レンズ用測定装置。
  3. 【請求項3】 レンズ保持搬送装置と、画像撮像処理装
    置と、高さ測定装置と度数測定装置を備え、前記レンズ
    保持搬送装置によって被検レンズの凸面の中心よりずれ
    た複数箇所を吸着保持してマーク検出位置の上方に搬送
    し、前記被検レンズの凸面に形成されているマークを撮
    像し、この撮像された画像の情報から度数測定位置を算
    出する工程と、前記被検レンズを高さ測定位置の上方に
    搬送してその凹面高さを測定する工程と、前記被検レン
    ズの凹面の度数測定部分を測定基準高さ位置にして前記
    被検レンズの度数を測定する工程とを備えたことを特徴
    とする眼鏡レンズの測定方法。
  4. 【請求項4】 被検レンズの凸面の中心よりずれた複数
    箇所を吸着保持して搬送するレンズ保持搬送装置と、前
    記被検レンズの凸面に形成されているマークを撮像し、
    その画像を処理して度数測定位置を算出する画像撮像処
    理装置と、前記被検レンズの凹面高さを測定する高さ測
    定装置と、前記被検レンズの度数を測定する度数測定装
    置を備えたことを特徴とする眼鏡レンズ用測定装置。
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