JP3617805B2 - 眼鏡レンズ用画像撮像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に眼鏡レンズ(以下、レンズという)の縁摺り加工のためにレンズの加工中心等を決定し、この加工中心に加工治具を取付けるレンズ用レイアウト・ブロック装置に用いて好適な眼鏡レンズ用画像撮像処理装置に関し、特に被検レンズの2つのマークを結んだ中点位置、アイポイント位置、レンズ度数等の光学特性を検出する眼鏡レンズ用画像撮像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レンズ玉型(未加工のレンズ)を眼鏡フレームの枠形状に合った形状に加工する場合、その前工程として処方レンズの光学中心、幾何学中心、外径、アイポイント位置、レンズ度数、乱視軸等の光学特性を確認し、このレンズ情報とレンズ枠形状データおよび装用者の処方データから加工中心およびレンズに対する加工治具(通称レンズホルダと呼ばれる)の取付角度等を決定する(光学的レイアウト)。次に、これに基づいてレンズホルダの中心をレンズの加工中心に位置付けし、レンズホルダをレンズ面に取付ける(ブロック)。レンズの加工中心はレンズのアイポイント位置であり、加工する際は装用者の瞳孔中心(アイポイント)とレンズのアイポイント位置が一致するようにレンズの外周を砥石またはカッタによって縁摺り加工し、眼鏡フレームの枠形状に合った形状にする。
【0003】
ところで、従来はレンズの縁摺り加工のための前工程であるレンズの光学的レイアウトおよびブロックを作業者が専用の装置を用いて手作業によって行っていた。例えば、レンズメータと呼ばれる度数測定装置によって被検レンズのレンズ度数を測定している。
【0004】
また、被検レンズが累進多焦点レンズの場合は、図5に示すように幾何学中心Oから所定の位置離れた基準位置に隠しマークと呼ばれる凸状のマーク3A,3Bを表示しており、これらの隠しマーク3A,3Bの位置からレンズ1の幾何学中心O、遠用、近用部の光学中心、アイポイント11の位置等を導き出せるように設計されているため、これらの隠しマーク3A,3Bの位置からアイポイント11の位置を見つけてレンズホルダをアイポイント位置に装着することが行われる。
【0005】
隠しマーク3A,3Bからアイポイント11の位置を見つける場合、眼鏡店においては、通常目視によって隠しマークを見つけるかまたは光学的に検出している。目視の場合は、レンズ1を蛍光灯等の光源にかざして隠しマーク3A,3Bを見つけ、その位置にマーカーによって印を付けた後、例えばリマークチャートと呼ばれる累進多焦点レンズ用のシートを用いてアイポイント11の位置を決定する。リマークチャートは、隠しマークの位置、幾何学中心、遠用度数測定部分、近用度数測定部分、アイポイントの位置等を表示した実物大の累進多焦点レンズをレンズの種類毎に表示したもので、前記隠しマーク3A,3Bの位置に印が付けられたレンズ1が載置される。このとき、レンズ1をリマークチャートに表示されている各種レンズのうち当該被検レンズと同種のレンズの上に載置してリマークチャートに表示されている隠しマークとレンズ1にマークした隠しマーク3A,3Bの位置を一致させる。そして、リマークチャートに表示されているアイポイントの位置をレンズ1の凸面にマーカーによって表示する。しかる後、このマークしたアイポイント11の位置にレンズホルダの中心を位置付けしてレンズホルダを装着する。
【0006】
隠しマーク3A,3Bを光学的に検出してレンズとレンズホルダを位置決めする方法としては、例えば特開平11−295672号公報(以下、先行技術という)等に開示された眼鏡レンズの位置合わせ方法およびその装置が知られている。この先行技術は、眼鏡レンズの凸面側に設けた位置合わせマーク(隠しマーク、加入度数)の位置関係と位置情報から、眼鏡レンズの位置合わせを行うもので、照明装置と眼鏡レンズとの間に照明調整レンズを配置し、照明装置から出た光により眼鏡レンズを凹面側から照明調整レンズを介して照明し、その凸面側表面の画像をCCD等の画像入力手段によって取り込み、この取り込んだ画像を画像処理装置によって画像処理することにより、位置合わせマークを検出し、これらのマークの位置関係と位置情報から眼鏡レンズの水平基準線の方向と光学中心位置が所定の位置関係になるように演算し、その演算結果に基づいて眼鏡レンズの位置合わせを行うものである。
【0007】
被検レンズが多焦点レンズ(一般に二重焦点レンズ)の場合は、上記した累進多焦点レンズ1とは異なり隠しマークを表示していないため、図6に示すように小玉13Bの上縁17を基準として幾何学中心Oやアイポイント16の位置を求めることができるように設計されている。このため、アイポイント16の位置を目視によって見つける場合は上記した累進多焦点レンズ1と同様に多焦点レンズ用のリマークチャートを用いることによりアイポイント16の位置を決めることができる。一方、光学的に検出する場合は、上記した従来技術に開示されたレンズの位置合わせ方法およびその装置を用いることが可能である。なお、累進多焦点レンズ1と多焦点レンズ13についてはさらに後述する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来はレンズの縁摺り加工のための前工程であるレンズの光学的レイアウトおよびブロックを作業者が専用の装置を用いて手作業によって行っていたため、著しく非能率的で生産性が低く、省力化の大きな障害となっていた。また、レンズを汚したり、傷つけたり、破損したりしないようにその取扱いに細心の注意を払う必要があるため、作業者の負担が大きいという問題もあった。
【0009】
このため、最近ではレンズの光学的レイアウトとレンズホルダによるレンズのブロックを自動的に行うことにより作業能率を向上させるようにした、単焦点レンズ用と、累進多焦点および多焦点レンズ用のレイアウト・ブロック装置(ABS;Auto Blockerfor Single Visoion Lens 、ABM;Auto Blocker for
Multifocus Lens )の開発が要請されている。その場合、特にABM装置の設計に当たっては、取り扱うレンズの対象が累進多焦点レンズと多焦点レンズの2種類であるため、レンズ度数を測定するレンズメータの他に、レンズの凸面側表面の画像を撮像し、その画像を画像処理することにより隠しマークや小玉の上縁を検出し、これらの位置情報からレンズの光学特性(幾何学中心の位置、アイポイントの位置等)を検出するための装置を備えていることが要請される。
【0010】
レンズメータは従来から周知であり、例えば特開昭49−122355号公報、特開昭60−17355号公報、特公平8−20334号公報等に開示されたものを用いることができる。レンズの光学特性を検出するための装置としては、上記した先行技術に開示されている位置合わせ方法およびその装置を用いることも考えられる。しかしながら、この位置合わせ方法およびその装置は乱視度数の入ったレンズに対しては適用が難しく、実用的ではない。すなわち、先行技術は、レンズを挟んでその凸面側と凹面側に光源と画像撮像手段を配設しているため、乱視度数の入ったレンズの場合は、その乱視軸により画像撮像手段に取り込まれる画像に捩れが生じ、複雑な補正を加えないと画像処理することができないという問題があった。
【0011】
本発明は上記した従来の問題および要請に応えるためになされたもので、その目的とするところは、乱視度数の入ったレンズであっても画像処理が容易でレンズの光学特性、特に幾何学中心とアイポイント位置を検出し得るようにした眼鏡レンズ用画像撮像処理装置を提供することにある。
また、本発明は、レンズ度数の測定をも可能にした眼鏡レンズ用画像撮像処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、光源からの光によって被検レンズの凸面側表面を照射し、この凸面側表面の画像を被検レンズの凹面側に配設した画像表示手段に投影し、この画像表示手段に投影された前記凸面側表面の画像を撮像装置によって撮像し、この撮像装置によって撮像された前記凸面側表面の画像を画像処理装置によって画像処理することにより前記被検レンズの光学特性を検出する眼鏡レンズ用画像撮像処理装置において、前記撮像装置を前記光源とともに被検レンズの凸面側に配設し、前記画像表示手段を反射型のスクリーンで構成し、前記被検レンズの凸面側表面の画像を前記反射型スクリーンで反射して前記被検レンズの凸面側に戻し、前記撮像装置に結像させるものである。
【0013】
第2の発明は、被検レンズの凸面側に配設された光源、ハーフミラーおよび撮像装置と、前記被検レンズの凹面側に配設された集光レンズ、結像レンズおよび画像表示手段を備え、前記画像表示手段を反射型のスクリーンで構成し、前記被検レンズの凸面側表面の画像を前記反射型スクリーンで反射して前記被検レンズの凸面側に戻し、前記ハーフミラーによって前記撮像装置に導き、前記撮像装置によって撮像された前記凸面側表面の画像を画像処理装置によって画像処理することにより前記被検レンズの光学特性を検出するものである。
【0014】
第3の発明は、被検レンズの凸面側表面の画像を撮像し、画像処理することにより隠しマークを検出するマーク検出装置と、前記被検レンズのレンズ度数を測定する度数測定装置と、前記マーク検出装置の光路に対して進退自在に配設されマーク検出と度数測定を切り替える切替手段とを備え、前記マーク検出装置は、前記被検レンズを保持するレンズ保持装置と、前記被検レンズの凸面側に配設された累進多焦点レンズ用光源、ハーフミラーおよび撮像装置と、前記被検レンズの凹面側に配設された集光レンズ、結像レンズおよび反射型のスクリーンを有し、前記度数測定装置は、前記被検レンズが載置されるレンズ載置台と、前記被検レンズの凹面側に配設された度数測定用光源、送光レンズ、コリメータレンズおよび前記送光レンズと前記コリメータレンズの間に光軸方向に移動自在に配設されたターゲットと、前記被検レンズの凸面側に配設された結像レンズおよび透過型のスクリーンを有し、被検レンズのマーク検出時に前記切替手段を前記マーク検出装置から待避させ、前記反射型スクリーンによって反射した前記被検レンズの凸面側表面の画像を前記被検レンズの凸面側に戻して前記ハーフミラーにより前記撮像装置に導き、前記撮像装置によって撮像された前記凸面側表面の画像を画像処理装置によって画像処理することにより前記被検レンズの光学特性を検出し、被検レンズの度数測定時に前記切替手段を前記レンズ保持装置と前記ハーフミラーとの間に挿入し、前記透過型スクリーンに投影された前記ターゲットのパターン像を前記ハーフミラーを介して前記撮像装置に導き、前記撮像装置によって撮像された前記パターン像を前記画像処理装置に取り込んで前記被検レンズのレンズ度数を算出するものである。
【0015】
第4の発明は、上記第1、第2または第3の発明において、反射型スクリーンの前方側に配設され被検レンズの凹面側を照射する多焦点レンズ用光源を備えたものである。
【0016】
第5の発明は、上記第1、第2、第3または第4の発明において、反射型スクリーンを回転させる駆動装置を備えたものである。
【0017】
第1、第2の発明において、光源は被検レンズの凸面側表面を照射する。この凸面側表面の画像は、被検レンズを通って凹面側に配設されている反射型スクリーンに投影され、このスクリーンで反射すると被検レンズを通って凸面側に戻り、撮像装置に取り込まれる。このように凸面側表面の画像が被検レンズを2度通ると、乱視軸の入った被検レンズの場合、乱視軸による画像の捩れは相殺されるため、歪みのない画像が得られる。したがって、複雑な補正を加えなくても画像処理することができる。画像処理装置は、画像処理によって隠しマークや加入度数を検出し、その位置情報から被検レンズの光学特性(幾何学中心やアイポイントの位置)を検出する。画像処理装置によって検出された光学特性は、被検レンズの縁摺り加工を行なうためにレンズホルダと被検レンズを自動的に位置決めするためのレンズ情報として用いられる。
【0018】
第3の発明において、度数測定装置は被検レンズのレンズ度数を測定する。度数測定用の光源としては、例えば光軸を中心とする正方形の各頂点位置に配置された4つの点光源が用いられる。ターゲットとしてはピンホール板等が用いられる。4つの光源を用いてレンズ度数を測定する場合、被検レンズを所定の測定位置に設置する前に各光源を順次点灯してピンホール板のピンホール像を透過型スクリーンに投影し、このピンホール像を撮像装置で撮像し、この撮像された画像を画像処理装置に取り込んでその位置を検出し位置情報を記憶する。このとき、全てのピンホール像が略同一の位置になるようにピンホール板を移動調整する。次に、被検レンズを所定の測定位置に配置して各点光源を順次点灯し、ピンホール像を透過型スクリーンに投影して撮像装置に取り込む。このピンホールの位置は、被検レンズのプリズム作用によって変位し、その変位量を画像処理装置によって検出する。また、変位量が略零になるようにピンホール板を移動調整する。そして、これらの全ての情報から度数換算し、レンズ度数を算出する。
【0019】
第4の発明において、多焦点レンズ用光源は、被検レンズが多焦点レンズでそのアイポイント位置、幾何学中心等の光学特性を検出するとき、累進多焦点眼鏡用光源の代わりに用いられる。この光源から出た光は反射型スクリーンに当たって反射し多焦点レンズの凹面側を照射する。これにより凸面側表面の画像が撮像装置によって撮像され、この画像を画像処理装置で取り込んで画像処理することによりマークを検出し、このマークの位置情報からレンズの光学特性(幾何学中心やアイポイントの位置)を検出する。画像処理装置によって検出された光学特性は、被検レンズの縁摺り加工を行なうためにレンズホルダと被検レンズを自動的に位置決めするためのレンズ情報として用いられる
【0020】
第5の発明において、反射型スクリーンは、駆動装置によって回転されることで画像の背景となるスクリーン表面の明るさを平均化する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る眼鏡レンズ用画像撮像処理装置の一実施の形態を示す概略図である。本実施の形態においては、被検レンズAが累進多焦点レンズと多焦点レンズの2種類で、その光学特性(アイポイントの位置、幾何学中心等)の検出を可能にした眼鏡レンズ用画像撮像処理装置(以下、撮像処理装置という)30を示している。そこで、先ず図5および図6に基づいて累進多焦点レンズと多焦点レンズについて説明する。
【0022】
図5において、1は未加工のプラスチック製累進多焦点レンズ、2は幾何学中心Oを通る水平基準線、3A,3Bは隠しマークで、水平基準線2上で幾何学中心Oから等距離(例えば17mm)離れた2箇所に形成されている。これらの隠しマーク3A,3Bは、同一の小円または小円と文字で表示され、また、各マークの下にはレンズ1の加入度数(遠用部の外側頂点屈折力と近用部の外側頂点屈折力の差)を表示する数字4と、レンズの種類を表示する識別マーク5が同じく微小な突起の形で表示されている。加入度数を表示する数字4は、装用時に耳側に位置する隠しマークの下に3桁の数字(例えば300)で表示される。したがって、この3桁の数字が左右どちらの隠しマークの下に表示されているかを知ることにより、左眼用レンズであるか右眼用レンズであるかを識別することができる。この場合、図5においては、右眼用のレンズを示し、左側の隠しマーク3Aを小円「○」で、右側の隠しマーク3Bをローマ字「H」で表示している。なお、隠しマーク3A,3B、加入度数を表示する数字4および識別マーク5は、成形時にレンズの凸面に微小な突起(例えば、2〜4μm程度)の形で形成される。
【0023】
6は遠用度数測定部分、7は近用度数測定部分、8は遠くを見る部分(遠用部)、9は近くを見る部分(近用部)、10は度数が連続的に変わる部分(累進部)、11はアイポイントである。遠用度数測定部分6、近用度数測定部分7およびアイポイント11の位置は、レンズの設計によって異なるが、幾何学中心Oから離れた所定の基準位置、例えばアイポイント11は幾何学中心Oの上方に所定距離d1 (例えば、2mm)だけ離れた位置に、また遠用中心12はアイポイント11の位置から上方に所定距離d2 (例えば、4mm)だけ離れた位置に決められている。したがって、隠しマーク3A,3Bの画像を取り込み、画像処理によってその位置座標を算出すれば、幾何学中心Oやアイポイント11の位置を求めることができる。
【0024】
図6はプラスチック製の右眼用の多焦点(二重焦点)レンズ13を示し、13Aは台玉、13Bは小玉、14は遠用度数測定部、15は近用度数測定部の中心、Oは幾何学中心、16はアイポイントの位置である。プラスティック製レンズの場合、小玉13Bは台玉13Aの表面に側面視くさび形に突出した形で形成されており、その上縁17が幾何学中心Oを通る水平基準線18の下方に所定距離d3 (例えば、5mm)だけ離れるように形成されている。また、小玉13Bは、右眼用レンズの場合、近用度数測定部の中心14が幾何学中心Oから右方に所定距離d4 (例えば、5mm)だけずれるように形成されている。アイポイント16の位置は、水平基準線18上で幾何学中心Oから所定距離d5 (例えば、2.5mm)だけ小玉13B側にずれた位置に決められている。したがって、小玉13Bの画像を撮像し、その上縁17の中央の位置座標を画像処理によって算出すれば、幾何学中心Oやアイポイント16の位置を求めることができる。なお、多焦点レンズ13の場合は、小玉13Bの上縁17が、累進多焦点レンズ1における隠しマーク3A,3Bに相当するものである。また、小玉13Bが幾何学中心Oからどちら側にずれているかを知ることにより、左眼用か右眼用かを識別することができる。
【0025】
図1において、前記撮像処理装置30は、被検レンズAの凸面a側に配設された累進多焦点レンズ用の光源31と、この光源31と被検レンズA間の光路中に配設されたコンデンサレンズ32、絞り33、ハーフミラー44を備えている。前記光源31は、被検レンズAが図5に示した累進多焦点レンズ1の場合に用いられるもので、隠しマーク3A,3B、加入度数を表示する数字4および識別マーク5のシャープな画像を得るために、例えば波長幅が狭い赤色光を発するLEDが用いられる。前記ハーフミラー34は、例えば透過率と反射率の比が7対3のものが用いられる。
【0026】
また、前記撮像処理装置30は、被検レンズAの凹面b側に配設されたレンズ保持装置37、集光レンズ38、結像レンズ39、反射型のスクリーン(画像表示手段)40、多焦点レンズ用の光源41等を備えている。
【0027】
前記レンズ保持装置37は、被検レンズAの凹面側表面の中央を吸着固定するもので、両端が開放するレンズ支持筒42を備え、このレンズ支持筒42の内部を真空ポンプ43によって真空排気することにより、被検レンズAの凹面側表面の中央をレンズ支持筒42の上面に吸着固定するように構成されている。レンズ支持筒42は、累進多焦点レンズ1の隠しマーク3A,3B、加入度数を表示する数字4、識別マーク5および多焦点レンズ13の小玉13Bの投影の妨げにならないように、十分に小さい外径(例えば8mmφ)を有している。
【0028】
前記集光レンズ38は、前記被検レンズAの凸面側表面の画像を集光するもので、鏡筒44内に配設された第1、第2の凸レンズ38a,38bを有し、これら両凸レンズ38a,38bと前記鏡筒44とで囲まれた密閉空間が真空排気室45を形成し、前記真空ポンプ43に接続されている。前記凸レンズ38aの中央には、前記レンズ支持筒42の内部と前記真空排気室45を連通させる連通孔46が形成されている。
【0029】
前記結像レンズ39は凸レンズからなり、前記集光レンズ38によって集光された前記被検レンズAの凸面側表面の画像をこれと略同一の大きさで前記反射型スクリーン40に結像させる。なお、この結像レンズ39は、被検レンズAが多焦点レンズ13の場合、送光レンズとして用いられる。
【0030】
前記反射型スクリーン40は、反射率を高め、かつ光の散乱作用を高める粒子として基材の表面にガラス、アルミニウム等の微細な粉を塗布した反射シートが貼着されている。また、表面の明るさおよび背景を均一化させるためにモータ47によって高速回転(例えば、3400rpm)させ、被検レンズAの凸面側表面の画像を反射させる。このため、隠しマーク部と非隠しマーク部とのコントラストが明瞭になり被検レンズAの凸面側表面の画像は、元の光路を通って前記被検レンズAの凸面a側に戻り、前記ハーフミラー34によって反射することにより撮像装置48の受光面に結像される。そして、この画像はCCD等の画像処理装置49に取り込まれ、画像処理される。
【0031】
前記多焦点レンズ用光源41は、図6に示す多焦点レンズ13の撮像に用いられるもので、赤色光のLEDが用いられ、結像レンズ39の下方で外周寄りに周方向に等間隔おいて、例えば8個配設されている。この光源41から出た光は、前記反射型スクリーン40に当たって反射した後、結像レンズ39および集光レンズ38を通って多焦点レンズである被検レンズAの凹面bを照射し、その凸面側表面の画像を前記ハーフミラー34で反射して前記撮像装置48に結像させる。また、被検レンズAの撮像に際しては、前記ハーフミラー34と撮像装置48との間にピント補正用レンズ50が挿入される。なお、光源41によって多焦点レンズ13を凹面b側から照射する理由は、凸面a側から照射する場合に比べて小玉13Bの上縁17の影を鮮明に投影することができるからである。
【0032】
このような撮像処理装置30において、被検レンズAが図5に示す累進多焦点レンズ1の場合は、被検レンズAをその凸面1aを上にしてレンズ支持筒42の上面に載置する。次いで、真空排気装置43によってレンズ支持筒42の内部および真空排気室45を真空排気することにより、被検レンズAをレンズ支持筒42の上面開口部に吸着固定する。しかる後、光源31を点灯させその光によって被検レンズAの凸面aを照射し、隠しマーク3A,3B、加入度数を表示する数字4および識別マーク5が表示されている凸面側表面の画像を集光レンズ38によって集光し、結像レンズ39によって反射型スクリーン40に投影する。この反射型スクリーン40に投影された画像は、反射型スクリーン40で反射すると元の光路を通って被検レンズAの凸面a側に戻り、ハーフミラー34によって撮像装置48に結像される。そして、この画像を画像処理装置49が取り込んで画像処理することにより、隠しマーク3A,3Bおよび加入度数を表示する数字4および識別マーク5を検出し、隠しマーク3A、3Bの位置を算出する。また、加入度数を表示する数字4の位置によって左右どちら側のレンズであるかを識別し、識別マーク5によってレンズの種類を検出する。さらに、隠しマーク3A,3Bの位置情報からレンズの幾何学中心O、アイポイント11の位置等を演算処理することによって求める。そして、この求めたレンズ情報とレンズ枠形状データおよび装用者の処方データから加工中心およびレンズに対するレンズホルダの軸線回りの取付け角度等を決定する。
【0033】
一方、被検レンズAが図6に示す多焦点レンズ13の場合は、被検レンズAを上記した累進多焦点レンズ1の場合と同様にレンズ支持筒42の上面に載置して真空排気装置43によりレンズ支持筒42および真空排気室45を真空排気することにより、被検レンズAをレンズ支持筒42の上に吸着固定する。このときは、累進多焦点レンズ用の光源31を用いる代わりに多焦点レンズ用の光源41を用いる。また、ピント補正用レンズ50をハーフミラー34と撮像装置48の間の光路中に挿入して撮像装置48の焦点を被検レンズAの凸面aに合わせる。光源41を点灯すると、その光は反射型スクリーン40に当たって反射し結像レンズ39および投影レンズ38を透過した後、多焦点レンズ13をその凹面1b側から照射し、凸面a側に形成されている小玉13Bの上縁17の画像をハーフミラー34によって撮像装置48に導く。そして、この画像を画像処理装置49に取り込んで画像処理することにより前記上縁17を検出しその位置を算出する。また、この上縁17の位置情報から幾何学中心O、アイポイント16の位置等を算出する。そして、この得られたレンズ情報とレンズ枠形状データおよび装用者の処方データから加工中心およびレンズに対するレンズホルダの軸線回りの取付け角度等を決定する。
【0034】
このように、本発明による撮像処理装置30は、累進多焦点レンズ用の光源31と撮像装置48を被検レンズAの凸面a側に配置し、被検レンズAが累進多焦点レンズ1で、その凸面側表面の画像を撮像するとき、被検レンズAの凸面側表面の画像を凹面b側に配置した反射型スクリーン40に投影し、この反射型スクリーン40で反射した画像を被検レンズAの凸面a側に戻して撮像装置48に導くように構成したので、乱視度数の入った被検レンズAであっても乱視軸による画像の歪みが生じず、良好な画像を得ることができる。すなわち、凸面a側から照射すると、被検レンズAを透過するとき凸面側表面の画像は乱視軸によって歪みが生じて反射型スクリーン40に投影される。しかし、この歪んだ画像は反射型スクリーン40で反射すると被検レンズAを通って凸面a側に戻るため、このとき乱視軸によって画像が歪み、往路における画像の歪みを元の歪みのない画像に戻す。したがって、撮像装置48の受光面には歪みのない画像が結像され、画像処理装置49による画像処理において、複雑な補正を加える必要がなく、画像処理を容易に行うことができる。また、被検レンズAが多焦点レンズ13の場合は、凹面側表面から照射して凸面側の小玉13Bの上縁17の影を撮像装置48によって直接撮像するようにしているので、乱視軸による像の歪みが生じず、良好な画像を得ることができる。したがって、この場合も画像処理が容易である。
【0035】
また、本発明は、レンズ保持装置37によって被検レンズAの凹面bの中央部を吸着固定しているので、被検レンズAを確実に固定することができる。また、被検レンズAがプラスレンズとマイナスレンズの場合であっても、単にガラス板の上に載置した場合に比べて凸面の高さの差を小さくすることができる。すなわち、例えば、図2に示すように−10DのマイナスレンズA1と+6DのプラスレンズA2をレンズ保持装置37を用いて吸着固定した場合は、凸面aの高さの差dが6.8mmで、単にガラス板の上に載せた場合の凸面の高さの差(11.3mm)より小さくすることができる。これにより、光学系の焦点深度を小さくすることができ、明るくて見易い投影像を得ることができる。また、ガラス板の上に載置した場合は、ハレーションが発生するが、細いレンズ支持筒42を用いているので、ハレーションの発生も防止することができる。
【0036】
図3は本発明の他の実施の形態を示す眼鏡レンズ用画像撮像処理装置の概略構成図、図4は光学系のフローを示す図である。なお、上記した実施の形態と同一の構成部材については同一の符号をもって示し、その説明を適宜省略する。この眼鏡レンズ用画像撮像処理装置(以下、撮像処理装置という)52は、累進多焦点レンズ1と多焦点レンズ13のマーク検出によって、その光学特性(幾何学中心、アイポイントの位置)を検出するとともにレンズ度数を測定するもので、互いに近接して並設されたマーク検出装置53と、度数測定装置54と、これら両装置53,54を切り替える切替手段55とを備え、マーク検出装置53の撮像装置48および画像処理装置49を度数測定装置54に共用させている。
【0037】
前記マーク検出装置53は、図1に示した撮像処理装置30と全く同一であり、被検レンズAをその凸面a側から照射する累進多焦点レンズ用の光源31、コンデンサレンズ32、絞り33、ハーフミラー34、被検レンズAを吸着固定するレンズ保持装置37、集光レンズ38、結像レンズ39、反射型スクリーン40、撮像装置48、画像処理装置49、ピント補正用レンズ50等を備えている。
【0038】
前記度数測定装置54は、被検レンズAが凹面b側を下にして載置されるレンズ載置台57と、被検レンズAを凹面b側から照射する度数測定用の光源58と、この光源58から出た光を平行光にする送光レンズ59と、前記被検レンズAの凹面bに光源像を結像させるコリメータレンズ60と、このコリメータレンズ60と前記送光レンズ59との間に光軸方向に移動自在に配設されたターゲット61を備えている。また、被検レンズAの凸面a側に配設された3枚のミラー64a,64b,64cと、対物レンズ65と、透過型スクリーン66を備えている。この場合、本実施の形態においては、被検レンズAが上記した累進多焦点レンズ1または多焦点レンズ13であるため、その遠用度数が度数測定装置54によって測定される。度数測定装置54によるレンズ度数の測定範囲としては、例えば−20D〜+15Dとされる。
【0039】
前記レンズ載置台57としては、透明なガラス板が用いられる。
【0040】
前記光源58は、4個の超高輝度の発光ダイオード(LED)58a〜58dからなり、演算処理を容易にするために、光軸を中心とする正方形の各頂点位置に配置されている。光軸から各LED58a〜58dまでの距離は2mm程度である。LED58a〜58dのピーク波長は715.2nmである。
【0041】
前記ターゲット61としては、中心に直径が1mmφ程度のピンホール62を有するピンホール板が用いられ、前記ピンホール62がコリメータレンズ60と対物レンズ65の作用により前記透過型スクリーン66にターゲット61のパターン像として結像される。
【0042】
前記対物レンズ65は、前記ミラー64aとミラー64bとの間に配設される。
【0043】
前記透過型スクリーン66は、乳白色の合成樹脂板または摺りガラスからなり、前記マーク検出装置53のハーフミラー34を挟んで前記撮像装置48と対向するように配設されている。
【0044】
前記切替手段55は、シャッター68と、このシャッター68を前記ハーフミラー34とレンズ保持装置37の間の光路中に選択的に挿入するエアシリンダ等の駆動装置69とからなり、被検レンズAが累進多焦点レンズ1で、その隠しマーク3A,3B等を検出するとき、または多焦点レンズ13でその小玉13Bの上縁17を検出するときにおいては、シャッター68が駆動装置69によって光路外に待避され、レンズ度数の測定時に光路中に挿入されるように構成されている。これは、度数測定時にマーク検出装置53からの外来光がハーフミラー34を介して撮像装置48に入るのを防止するためである。
【0045】
このような撮像処理装置52において、マーク検出またはレンズ度数の測定を行う前は、図4に示すように原点復帰状態300に保持されている。この原点復帰状態300において、ピント補正用レンズ50と切替手段55はマーク検出装置53の光路外に待避している。また、光源31,41,58は全て消灯している。
【0046】
被検レンズAが累進多焦点レンズ1または多焦点レンズ13で、その光学特性を検出する場合は、マーク検出装置53によって上記した実施の形態と全く同様に行われる。すなわち、被検レンズAが累進多焦点レンズ1の場合は、累進多焦点レンズ用の光源31を点灯し、ピント補正用レンズ50と切替手段55をマーク検出装置53の光路外に待避した状態でマーク検出を行う(図4の301)。このとき、多焦点レンズ用光源41と度数測定用光源58を消灯しておく。被検レンズAが多焦点レンズ13の場合は、多焦点レンズ用光源41を点灯し、ピント補正用レンズ50を光路中に挿入し切替手段55を光路外に待避した状態で小玉の検出を行う(図4の302)。このとき、累進多焦点レンズ用光源31と度数測定用光源58を消灯しておく。
【0047】
被検レンズAが累進多焦点レンズ1または多焦点レンズ13で、そのレンズ度数を測定する場合は、ピント補正用レンズ50をマーク検出装置53の光路外に退出させ、切替手段55を光路中に挿入する(図4の303)。光源(光源像)58による透過型スクリーン66の照明において、光源58から出た光は、送光レンズ59によって平行光となりピンホール板61を照明してコリメータレンズ60に至り、コリメータレンズ60により被検レンズAの凹面bの位置で集光されて光源像を作る。そして、この光束は再び発散光となり対物レンズ65に至り透過型スクリーン66を照明する。一方、ピンホール板61のピンホール像62の透過型スクリーン66への結像では、被検レンズの度数作用がない場合(0.00D)、ピンホール板61のピンホール像62はコリメータレンズ60により平行光となり、対物レンズ65の作用により透過型スクリーン66にピンホール像が結像される。すなわち、被検レンズAをレンズ載置台57に設置しない状態でLED58a〜58dを順次点灯すると、その光は、送光レンズ59−ピンホール板61のピンホール62−コリメータレンズ60−ミラー64a−対物レンズ65−ミラー64b−ミラー64cを通り、透過型スクリーン66にピンホール像を投影させる。このとき、ピンホール板61は各LED58a〜58dを1つずつ点灯したときのピンホール像が略同一の位置に結像するように基準位置に保持されている。透過型スクリーン66に投影されたピンホール像は透過型スクリーン66を透過して撮像装置48によって撮像され、このピンホール像を画像処理装置49が取り込んで画像処理することにより、ピンホール像の位置を算出し基準位置として記憶しておく。なお、被検レンズが配置された場合、LED58a〜58dを1つずつ順次点灯したとき、ピンホール像が透過型スクリーン66の略同一の位置に結像しないので、通常のレンズメータと同様に略同一の位置に結像するようにピンホール板61を光軸方向に移動調整し結像させる機構を有する。
【0048】
次に、被検レンズAを測定する場合、レンズ載置台57の上に載置してLED58a〜58dを1つずつ順次点灯する。このときは、LED58a〜58dからの光が被検レンズAを透過するため、透過型スクリーン66に投影されるそれぞれのLEDからのピンホール像の位置は、被検レンズAのレンズ度数(光学特性))に応じたプリズム作用を受けることにより前述の基準位置から変位する。そして、このピンホール像を撮像装置48で撮像して画像処理装置49により画像処理することにより各LED58a〜58d毎のピンホール像の変位量を算出する。すなわち、ピンホール板61を移動調整してピンホール像が透過型スクリーン66の略同一位置に結像させ、このときのピンホール板61の移動量を画像処理装置49に記憶させ、ピンホール像の変位量と、ピンホール板61の移動量から度数換算することにより被検レンズAのレンズ度数を算出する。なお、基本的な光学的度数計算に関しては、本特許出願人による特開平2−2164428号公報と同一である。
【0049】
このような撮像処理装置52においては、マーク検出装置53と度数測定装置54を備えているので、被検レンズAを適宜なレンズ搬送機構によってレンズ保持装置37からレンズ載置台57(もしくはこの逆)に搬送することにより、被検レンズAの幾何学中心、アイポイントの位置等の検出と、レンズ度数の測定を連続して行うことができる。また、マーク検出装置53の撮像装置48と画像処理装置49を度数測定装置54に兼用させているので、撮像処理装置52の簡素化と低廉化を可能にする。
【0050】
なお、本実施の形態においては、度数測定装置54のターゲット61としてピンホール板を用い、そのピンホール像の変位量を測定することによりレンズ度数を測定するように構成した度数測定装置54を示したが、本発明はこれに何等限定されるものではなく、従来から知られている種々の度数測定法を用いることが可能であり、例えば上記した特公平8−20334号公報に記載されている度数測定法を採用した度数測定装置を用いてもよい。
また、レンズ保持装置37は真空吸着するものに限らず、度数測定装置54のレンズ載置台57と同様にガラス板からなり被検レンズが載置されるものであってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼鏡レンズ用画像撮像処理装置は、光源からの光によって被検レンズの凸面側表面を照射し、この凸面側表面の画像を被検レンズの凹面側に配設した画像表示手段に投影し、この画像表示手段に投影された前記凸面側表面の画像を撮像装置によって撮像し、この撮像装置
によって撮像された前記凸面側表面の画像を画像処理装置によって画像処理することにより前記被検レンズの光学特性を検出する眼鏡レンズ用画像撮像処理装置において、前記撮像装置を前記被検レンズの凸面側に配設し、前記画像表示手段を反射型のスクリーンで構成し、前記被検レンズの凸面側表面の画像を前記反射型スクリーンで反射して前記被検レンズの凸面側に戻し、前記撮像装置に結像させるように構成したので、乱視度数の入ったレンズであっても得られる画像が乱視軸によって歪んだりすることがなく、良好が画像を得ることができる。したがって、画像処理が容易で、画像処理回路の設計を容易にすることができ、特にABM装置に用いて好適である。
【0052】
また、本発明は、レンズの凸面側表面の画像を撮像し、画像処理することにより隠しマークを検出するマーク検出装置と、前記被検レンズのレンズ度数を測定する度数測定装置と、前記マーク検出装置に対して進退自在に配設されマーク検出と度数測定を切り替える切替手段とを備えているので、マーク検出と度数測定を連続して行うことができる。また、マーク検出装置の撮像装置と画像処理装置を度数測定装置に兼用させているので、装置構成の簡素化およびコスト低減を図ることができる。
【0053】
また、本発明は被検レンズの凹面側を照射する多焦点レンズ用光源を備えているので、被検レンズが多焦点レンズの場合、その小玉の画像を取込み画像処理することにより、そのアイポイント位置、幾何学中心等の光学特性を検出することができる。また、被検レンズの凹面側から照射して表面側の小玉の画像を撮像装置に導くように構成したので、乱視度数の入ったレンズであっても乱視軸による像の歪みが生じず、累進多焦点レンズの場合と同様に良好な画像を得ることができ、画像処理が容易である。
【0054】
また、本発明は光の散乱作用を発生させる表面処理した反射型スクリーンを駆動装置によって回転させるように構成したので、画像の背景となるスクリーン表面の明るさが平均化され、画像処理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る眼鏡レンズ用画像撮像処理装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】レンズ表面の高さの差を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す眼鏡レンズ用画像撮像処理装置の概略構成図である。
【図4】光学系のフローを示す図である。
【図5】累進多焦点レンズのマーク、幾何学中心等の位置関係を示す図である。
【図6】多焦点レンズの小玉、幾何学中心、アイポイント等の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1…累進多焦点レンズ、2…水平基準線、3A,3B…隠しマーク、4…加入度数、11…アイポイント、13…多焦点レンズ、13B…小玉、16…アイポイント、30…撮像処理装置、31…累進多焦点レンズ用光源、34…ハーフミラー、37…レンズ保持装置、38…集光レンズ、39…結像レンズ、40…反射型スクリーン、41…多焦点レンズ用光源、47…モータ、48…撮像装置、49…画像処理装置、52…撮像処理装置、53…マーク検出装置、54…度数測定装置、55…切替手段、57…レンズ載置台、58度数測定用光源、59…送光レンズ、60…コリメータレンズ、61…ターゲット、62…ピンホール、65…結像レンズ、66…透過型スクリーン。
Claims (5)
- 光源からの光によって被検レンズの凸面側表面を照射し、この凸面側表面の画像を被検レンズの凹面側に配設した画像表示手段に投影し、この画像表示手段に投影された前記凸面側表面の画像を撮像装置によって撮像し、この撮像装置によって撮像された前記凸面側表面の画像を画像処理装置によって画像処理することにより前記被検レンズの光学特性を検出する眼鏡レンズ用画像撮像処理装置において、
前記撮像装置を前記光源とともに被検レンズの凸面側に配設し、前記画像表示手段を反射型のスクリーンで構成し、前記被検レンズの凸面側表面の画像を前記反射型スクリーンで反射して前記被検レンズの凸面側に戻し、前記撮像装置に結像させることを特徴とする眼鏡レンズ用画像撮像処理装置。 - 被検レンズの凸面側に配設された光源、ハーフミラーおよび撮像装置と、前記被検レンズの凹面側に配設された集光レンズ、結像レンズおよび画像表示手段を備え、前記画像表示手段を反射型のスクリーンで構成し、前記被検レンズの凸面側表面の画像を前記反射型スクリーンで反射して前記被検レンズの凸面側に戻し、前記ハーフミラーによって前記撮像装置に導き、前記撮像装置によって撮像された前記凸面側表面の画像を画像処理装置によって画像処理することにより前記被検レンズの光学特性を検出することを特徴とする眼鏡レンズ用画像撮像処理装置。
- 被検レンズの凸面側表面の画像を撮像し、画像処理することにより隠しマークを検出するマーク検出装置と、前記被検レンズのレンズ度数を測定する度数測定装置と、前記マーク検出装置の光路に対して進退自在に配設されマーク検出と度数測定を切り替える切替手段とを備え、
前記マーク検出装置は、前記被検レンズを保持するレンズ保持装置と、前記被検レンズの凸面側に配設された累進多焦点レンズ用光源、ハーフミラーおよび撮像装置と、前記被検レンズの凹面側に配設された集光レンズ、結像レンズおよび反射型のスクリーンを有し、
前記度数測定装置は、前記被検レンズが載置されるレンズ載置台と、前記被検レンズの凹面側に配設された度数測定用光源、送光レンズ、コリメータレンズおよび前記送光レンズと前記コリメータレンズの間に光軸方向に移動自在に配設されたターゲットと、前記被検レンズの凸面側に配設された結像レンズおよび透過型のスクリーンを有し、
被検レンズのマーク検出時に前記切替手段を前記マーク検出装置から待避させ、前記反射型スクリーンによって反射した前記被検レンズの凸面側表面の画像を前記被検レンズの凸面側に戻して前記ハーフミラーにより前記撮像装置に導き、前記撮像装置によって撮像された前記凸面側表面の画像を画像処理装置によって画像処理することにより前記被検レンズの光学特性を検出し、
被検レンズの度数測定時に前記切替手段を前記レンズ保持装置と前記ハーフミラーとの間に挿入し、前記透過型スクリーンに投影された前記ターゲットのパターン像を前記ハーフミラーを介して前記撮像装置に導き、前記撮像装置によって撮像された前記パターン像を前記画像処理装置に取り込んで前記被検レンズのレンズ度数を算出することを特徴とする眼鏡レンズ用画像撮像処理装置。 - 請求項1,2または3記載の眼鏡レンズ用画像撮像処理装置において、
反射型スクリーンの前方側に配設され被検レンズの凹面側を照射する多焦点レンズ用光源を備えたことを特徴とする眼鏡レンズ用画像撮像処理装置。 - 請求項1,2,3または4記載の眼鏡レンズ用画像撮像処理装置において、
反射型スクリーンを回転させる駆動装置を備えたことを特徴とする眼鏡レンズ用画像撮像処理装置。
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