JP2002020473A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2002020473A
JP2002020473A JP2000211383A JP2000211383A JP2002020473A JP 2002020473 A JP2002020473 A JP 2002020473A JP 2000211383 A JP2000211383 A JP 2000211383A JP 2000211383 A JP2000211383 A JP 2000211383A JP 2002020473 A JP2002020473 A JP 2002020473A
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Yuji Taneda
祐路 種田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色調と透明性が良好で、環状三量体による金
型汚染の少ない成形用に好適なポリエステルの製造方法
を提供する。 【解決手段】 テレフタル酸とエチレングリコールを主
成分とするポリエステルの製造方法において、極限粘度
が0.50〜0.70、アンチモン元素をポリエステルの全酸成
分1モルに対して1×10-4〜5×10-4モル、リン元素を
ポリエステルの全酸成分1モルに対して1×10-4〜7×
10-4モルそれぞれ含有し、カルボキシル末端基量が10〜
30eq/106g 、ヒドロキシ末端基量が80〜120eq/106gであ
るプレポリマーを固相重合することにより、極限粘度が
0.65〜1.0 、環状三量体の含有量が0.4質量%以下であ
るポリエステルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調、透明性が良
好で、環状三量体による金型汚染が少なく、成形品用と
して好適なポリエステルを安価に製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下、P
ETと略称する。)などのポリエステルは機械的強度、
化学的安定性、透明性などに優れており、また、軽量、
安価であるため、各種のシート、フィルム、容器などに
幅広く用いられ、特に、炭酸飲料、果汁飲料、液体調味
料、食用油、酒、ワイン用などの容器用途の伸びが著し
い。
【0003】一般に中空容器は、PETを射出成形機な
どの成形機に供給してプリフォームを成形し、このプリ
フォームを加熱した後、所定形状の金型に挿入して延伸
ブローすることにより成形する。
【0004】しかし、成形品の原料として用いられる成
形品用ポリエステル(以下、ポリエステルと略称す
る。)中には、テレフタル酸とエチレングリコールの環
状三量体(以下、CTと略称する。)に代表されるオリ
ゴマーが含まれており、これらが金型の表面、ガス排気
口、排気管などに付着するため、金型汚染が発生しやす
かった。このような金型汚染は、得られる中空容器の表
面荒れや白化の原因となるため、金型汚染を頻繁に除去
する必要があり、生産性が著しく低下するという欠点が
あった。また、上記のような中空容器の成形用途以外に
も、フィルムの白化やドロップアウトなどの原因ともな
り、CT含有量の少ないポリエステルが望まれている。
【0005】ポリエステル中のCT含有量を減らす方法
として、単に固相重合する方法(例えば、特開昭53−10
1092号公報)以外に、固相重合時の窒素の流量や圧力等
を調節し、極限粘度の増加を抑制することにより固相重
合時間を延長し、脱CT化を行う方法(例えば、特開昭
55-89330号公報、特開昭55-89331号公報)などが提案さ
れている。しかし、これらの方法では、CT含有量を十
分に低減させるためには極めて長時間固相重合する必要
があるため生産性が悪く、得られるポリエステルの色調
も劣化するという問題があった。
【0006】また、ポリエステル中に特定量のリン元素
とゲルマニウム元素を含有させることで、ポリエステル
中のCT含有量やボトル成型時のCT副生を抑制する方
法が、特開平9-221540号公報で提案されている。しか
し、ゲルマニウム元素を含む化合物として用いられてい
る酸化ゲルマニウムは重合中に飛散しやすく、含有量を
多くするためには添加量を増やさねばならない。酸化ゲ
ルマニウムは非常に高価であるため、添加量を増やすこ
とでコストアップになるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、色調、透明性が良好で、CTによる金型汚染
の少ない成形用に好適なポリエステルを安価に製造する
方法を提供することを技術的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、テレフタル酸とエチレングリ
コールを主成分とするポリエステルの製造方法におい
て、極限粘度が0.50〜0.70、アンチモン元素をポリエス
テルの全酸成分1モルに対して1×10-4〜5×10-4
ル、リン元素をポリエステルの全酸成分1モルに対して
1×10-4〜7×10-4モルそれぞれ含有し、カルボキシル
末端基量が10〜30eq/106g 、ヒドロキシ末端基量が80〜
120eq/106gであるプレポリマーを固相重合することによ
り、極限粘度が0.65〜1.0 、環状三量体の含有量が 0.4
質量%以下であるポリエステルを得ることを特徴とする
ポリエステルの製造方法を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においては、溶融重縮合によりプレポリマ
ーを得た後、このプレポリマーを固相重合することによ
りポリエステルを得る。
【0010】本発明に供するプレポリマーは、常法によ
って製造することができる。例えば、テレフタル酸(以
下、TPAと略称する。)とエチレングリコール(以
下、EGと略称する。)をエステル化反応させるか、あ
るいはテレフタル酸ジメチルとEGとをエステル交換反
応させて得られる生成物(以下、ポリエステルオリゴマ
ーと略称する。)を重縮合反応させる方法が一般的であ
る。重縮合反応は、触媒の存在下に、通常1hPa の減圧
下で 265〜 300℃、好ましくは 270〜 290℃の温度で所
定の極限粘度が得られるまで行う。
【0011】なお、プレポリマーには、その特性を失わ
ない範囲で、他の共重合成分を含有させることができ
る。共重合成分の具体例としては、イソフタル酸、アジ
ピン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニ
ルジカルボン酸、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘ
キサンジメタノール、ビスフェノールA又はビスフェノ
ールSのエチレンオキシド付加体などが挙げられる。
【0012】本発明におけるプレポリマーの極限粘度は
0.50〜0.70が必要である。極限粘度が0.50未満では、プ
レポリマーをペレット化して固相重合を行うと粉状の高
融点化したポリエステルが多くなり、成形品中に白色異
物が発生する。また、0.70を超えると溶融時間が長くな
り、ポリエステルの色調や透明性が悪化する。さらに、
固相重合時間が短くなり、固相重合で十分にCTを低減
できない。
【0013】本発明で使用するプレポリマーは、特定量
のリン元素及びアンチモン元素を含有することが重要で
ある。すなわち、アンチモン元素をポリエステルの全酸
成分1モルに対して1×10-4〜5×10-4モル、リン元素
をポリエステルの全酸成分1モルに対して1×10-4モル
〜7×10-4モルをそれぞれ含有することが必要である。
アンチモン元素の含有量が1×10-4モル未満では重合速
度が遅く、重合時間が長くなり、その結果、色調と透明
性が悪化する、また、固相重合で十分にCTを低減でき
ない。一方、5×10-4モルを超えると、ポリエステルの
分解反応が起こりやすくなり、色調、透明性が悪化す
る。アンチモン元素としては、三酸化アンチモン、塩化
アンチモン、酢酸アンチモンなどが挙げられるが、色調
や透明性が優れたポリエステルが得られる点で、三酸化
アンチモンが好ましい。
【0014】次に、リン元素の含有量が1×10-4モル未
満では、ポリエステルの熱安定性が低下し、色調や透明
性が悪化する。一方、7×10-4モルを超えると、ジエチ
レングリコールが副生しやすくなり、ポリエステルの耐
熱性が低下し、色調が悪くなったり、成形品の耐熱性が
悪くなる。リン元素を含有する化合物としては、リン
酸、リン酸エステル、リン酸塩、亜リン酸、亜リン酸エ
ステルなどが挙げられるが、コストの点でリン酸又はリ
ン酸エステルが好ましい。
【0015】また、リン化合物の添加は、リン化合物の
EG溶液をあらかじめ熱処理して、リン化合物とEGを
反応させる、あるいは、リン化合物をポリエステルオリ
ゴマーに添加した後、例えば、常圧、反応温度 250〜28
0 ℃で 0.5〜3時間エステル化反応を行い、リン化合物
とポリエステルオリゴマーとを反応させることが好まし
い。
【0016】本発明におけるプレポリマーのカルボキシ
ル末端基量は、10〜30eq/106g とすることが必要であ
る。カルボキシル末端基量が10eq/106g 未満では、固相
重合が進み難くて固相重合時間が長くなり、生産性が悪
くなるばかりでなく、目標とする極限粘度のポリエステ
ルが得られない。一方、30eq/106g を超えると、固相重
合速度が速くて固相重合時間が短くなり、CTの含有量
を十分には低減できなくなる。
【0017】また、本発明におけるプレポリマーのヒド
ロキシ末端基量は80〜120eq/106gであることが必要であ
る。ヒドロキシ末端基量が80eq/106g 未満になると、固
相重合時のCTの減少速度が遅く、CT含有量の少ない
ポリエステルを得ることができない。一方、ヒドロキシ
末端基量が120eq/106gを超えると、極限粘度が低くなり
すぎ、プレポリマーをペレット化して固相重合を行うと
粉状の高融点化したポリエステルが多くなり、成形品中
に白色異物が発生する。
【0018】カルボキシル末端基量及びヒドロキシ末端
基量は、TPAとEGとのポリエステルオリゴマーの反
応率、溶融重縮合条件、又はプレポリマーの極限粘度な
どで調節することができる。ここで、ポリエステルオリ
ゴマーの反応率は、エステル化反応工程でのエステル化
反応の温度、時間、圧力、又は酸成分とグリコール成分
のモル比などにより調節することができる。さらに、溶
融重縮合反応の温度、時間、減圧度、触媒等の添加剤の
含有量などの条件、又はプレポリマーの極限粘度などで
調節することもできる。したがって、上記のエステル化
反応及び溶融重縮合での諸条件を適宜選択するか、又は
組み合わせることにより、所定のカルボキシル末端基量
と、所定のヒドロキシ末端基量を有するプレポリマーを
得ることができる。
【0019】本発明では、溶融重縮合により得られた前
記特性を有するプレポリマーを用いて固相重合を行う。
固相重合の温度は 180℃以上、融点未満、特に 195〜 2
35℃で行うことが好ましい。融点以上ではポリマーが溶
融するので固相重合ができず、 180℃未満ではCTの減
少速度が著しく遅くなるので好ましくない。
【0020】固相重合は、不活性気体流通下又は減圧下
で行う必要がある。この不活性気体とは、固相重合後に
得られるポリエステルの劣化を生じないような気体を意
味し、一般には安価な窒素を用いるのが好ましい。不活
性気体中の水分量は、固相重合中にポリエステルの極限
粘度が低下しない範囲であればよく、通常、500ppm以下
である。減圧下で固相重合する場合には、通常、減圧度
は0.07MPa 以下であればよい。固相重合の装置は、回転
式固相重合装置、塔式静置固相重合装置、流動床式固相
重合装置、種々の撹拌翼を有する固相重合装置などのプ
レポリマーを均一に加熱できるものが好ましい。
【0021】本発明で得られるポリエステルの極限粘度
は、0.65〜1.0 であることが必要である。極限粘度が0.
65未満では、加工後の成形品に十分な強度が付与されな
い。また、1.0 を超えると溶融粘度が高くなりすぎ、成
形温度が高温になるので分解反応が顕著となり、色調の
悪化や分子量の低下などが発生しやすくなる。また、得
られるポリエステルにおけるCTの含有量は、 0.4質量
%以下であることが必要である。CTの含有量が 0.4質
量%を超えると、成形時の金型などの汚染が顕著にな
る。
【0022】本発明で得られるポリエステルは、次の方
法によって中空容器などの成形品に成形することができ
る。例えば、射出成形又は押出成形によりプリフォーム
を成形し、このプリフォームを再加熱して二軸延伸する
ホットパリソン法、あるいは、プリフォームの口栓部及
び底部を予熱し、次いで二軸延伸するコールドパリソン
法などを適用することができる。この際、射出成形ある
いは押出成形時の成形温度、具体的には、成形機のシリ
ンダー各部及びノズルの温度は、通常 270〜 300℃の範
囲とする。また、延伸温度は、通常70〜 120℃、好まし
くは80〜 110℃で、延伸倍率は縦方向に 1.5〜 3.5倍、
円周方向に2〜5倍の範囲とするのが適当である。
【0023】上記の成形で得られる中空容器は、そのま
ま使用することができるが、特に果汁飲料などのように
熱充填を必要とする内容液の場合には、一般に、さら
に、成形に用いた同じブロー金型内、又は別途設けた金
型内で熱固定し、耐熱性を向上させて使用される。この
熱固定の方法は、一般的には圧縮空気、機械的伸長など
による緊張下、通常 100〜 200℃、好ましくは 120〜 1
80℃で2秒〜2時間、好ましくは10秒〜30分間行われ
る。
【0024】
【作用】通常、成形金型に析出するオリゴマーは、CT
を主成分とするものである。CTは溶融重合工程で生成
し、プレポリマー中のCT含有量は約1質量%となる。
CTを除去するには、プレポリマーを 180℃以上、融点
未満の温度で熱処理することが必要である。これは、C
Tが固体中でも環鎖平衡反応を行っており、ポリエステ
ルの溶融温度以下では、環状体の開環反応が進むためと
推定している。
【0025】そして、環状体の開環反応の速度には、ポ
リマー中のヒドロキシ末端基量が特に影響する。環状体
はヒドロキシ末端基が反応点となり開環するため、ヒド
ロキシ末端基量が多いほど、開環速度が速くなると推定
される。一方、ポリエステルの固相重合速度は、ヒドロ
キシ末端基量以外に触媒やカルボキシル末端基量にも影
響されるため、必ずしも環状体の開環速度が速いほどプ
レポリマーの固相重合速度が速いということにはならな
い。したがって、所定の極限粘度、触媒量、ヒドロキシ
末端基量及びカルボキシル末端基量のプレポリマーを固
相重合することで、所望の極限粘度を有し、かつCT量
の少ないポリエステルを得ることが可能になるものと認
められる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、ポリエステルの特性値は、次のようにして測
定した。 (a) 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (b) ポリマー中のアンチモン元素及びリン元素の含有量 リガク社製蛍光X線分析装置3270を用いて測定した。 (C) ポリマー中のカルボキシル末端基量 ポリマーをベンジルアルコールに加熱溶解し、これにク
ロロホルムを加えて希釈した後、フェノールレッドを指
示薬として0.1N水酸化カリウム/ベンジルアルコール溶
液により滴定し、定量した。 (d) ポリマー中のヒドロキシ末端基量 ポリマーを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと
重水素化クロロホルムとの容量比1/25の混合溶媒に溶解
し、日本電子社製JNM-LA400 型FT-NMR装置で1H-NMRを測
定した。得られたチャートのTPA残基のプロトンとE
G残基のプロトンのピークの積分強度からヒドロキシ末
端基量を求めた。 (e) ポリマー中のCT含有量 ポリマーをヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホ
ルム(1/1、体積比)に溶解し、さらにアセトニトリルを
加えてポリマー成分を沈澱させ、メンブランフィルター
で濾過した濾液を高速液体クロマトグラフ(ウォーター
ズ社製 600E)で分析することにより求めた。 (f) ポリマーの色調 日本電色工業社製の色差計ND−Σ80型を用いて測定し
た。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行い、b
値が 1.5以下を合格とした。 (g) プレートヘーズ 乾燥したポリエステルを、押し出し温度 285℃、金型温
度20℃、冷却時間30秒の条件で、射出成形機(日本製鋼
所製 J100SBII)を用いて、厚さ5mm×長さ10cm×幅6cm
のプレートに射出成形し、透明度を日本電色工業社製の
濁度計 MODEL 1001DP で評価した(空気:ヘーズ0
%)。この値が小さいほど透明性が良好であり、10%未
満であれば合格である。 (h) 金型汚染の有無 乾燥したポリエステルを押し出し温度 280℃、金型温度
20℃、冷却時間10秒の条件で、射出成形機(日精エーエ
スビー社製 ASB-50HT)を用いてプリフォームを成形し、
次いで、このプリフォームを、 110℃の雰囲気下、ブロ
ー圧力2MPaで延伸ブロー成形し、中空容器を作成した。
中空容器を10,000本連続成形した後の金型を目視で観察
し、オリゴマーの析出の有無を調べた。
【0027】実施例1 PETオリゴマーの存在するエステル化反応器に、TP
AとEGのスラリー(TPA/EGモル比=1/1.6)を連
続的に供給し、温度 250℃、圧力50hPaGの条件で反応さ
せ、滞留時間8時間としてエステル化反応率95%のポリ
エステルオリゴマーを連続的に得た。
【0028】このポリエステルオリゴマー2000kgを重合
反応器に移し、リン酸の濃度が3質量%のEG溶液を、
リン元素の含有量がポリエステルの全酸成分1モルに対
し2.9 ×10-4モルとなるように加え、 260℃で1時間、
ポリエステルオリゴマーとリン酸を反応させた後、アン
チモン元素の含有量がポリエステルの全酸成分1モルに
対し 3.4×10-4モルとなるように三酸化アンチモンを加
え、徐々に減圧にして、60分後に最終的に67Pa、 280℃
で重縮合を3時間行い、極限粘度0.58、カルボキシル末
端基量19.5eq/106g 、ヒドロキシ末端基量103.7eq/106g
のプレポリマーを得た。
【0029】このプレポリマーに予備乾燥を行い、引き
続き結晶化及び乾燥を行った後、230 ℃で20時間の固相
重合を行って、極限粘度0.81のポリエステルを得た。こ
のポリエステルのCT含有量は0.27質量%、b値は 0.7
であった。得られたポリエステルを乾燥した後、射出成
形を行い、プレートを得た。また、10,000本の中空容器
を連続成形したが、いずれも金型の汚染は認められなか
った。
【0030】実施例2〜10 リン酸及び三酸化アンチモンの含有量、プレポリマーの
極限粘度、カルボキシル末端基量及びヒドロキシ末端基
量を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様に
してプレートと中空容器を作製し、特性を評価した。
【0031】比較例1〜10 リン酸及び三酸化アンチモンの含有量、プレポリマーの
極限粘度、カルボキシル末端基量及びヒドロキシ末端基
量を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様に
してプレートと中空容器を作製し、特性を評価した。な
お、比較例5と7は固相重合時間が短くし、10時間の
固相重合を行った。実施例1〜10及び比較例1〜10
で得られたポリエステルの特性値を表1にまとめて示
す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、実施例1〜10
で得られたポリエステルは、極限粘度が0.65以上で、C
T含有量が0.40質量%以下であり、成形品のプレートヘ
ーズも5%以下で透明性が良好であり、金型の汚染も認
められなかった。
【0034】一方、比較例では、次のような問題があっ
た。まず、比較例1は、アンチモン元素の含有量が少な
かったため、重合時間が長くなり、色調と透明性が悪か
った。また、CT含有量の低減も十分でなく、金型汚染
が見られた。比較例2は、アンチモン元素の含有量が多
かったため、ポリエステルの分解反応が起こり、ポリエ
ステルの色調と透明性が悪かった。比較例3は、リン元
素の含有量が少なかったため、ポリエステルの色調、透
明性が悪かった。比較例4は、リン元素の含有量が多か
ったため、ポリエステルの熱安定性が低下し、ポリエス
テルの色調が悪かった。比較例5は、プレポリマーの極
限粘度が低く、また、ヒドロキシ末端基量も多かったた
め、固相重合時に高融点のポリエステル粉末が生成し、
プレート中に白色異物が見られ、透明性が劣っていた。
比較例6は、プレポリマーの極限粘度が高かったため、
ポリエステルの色調と透明性が悪かった。また、固相重
合時間が短くなり、CT含有量の低減が十分でなく、金
型汚染が見られた。比較例7は、プレポリマーのカルボ
キシル末端基量が少なかったため、固相重合が進み難く
て高重合度のポリエステルが得られず、また、中空容器
に成形ができなかった。比較例8は、プレポリマーのカ
ルボキシル末端基量が多かったため、固相重合時間が短
くてCT含有量の低減が十分でなく、金型汚染が見られ
た。比較例9は、プレポリマーのヒドロキシ末端基量が
少なかったため、固相重合でのCT含有量の低減が十分
でなく、金型汚染が見られた。比較例10は、ポリエス
テルの極限粘度が高かったため、プレート及び中空容器
に成形ができなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、色調、透明性が良好
で、CTの含有量が少ないポリエステルを安価に製造す
る方法が提供され、この製造方法で得られるポリエステ
ルを用いて中空容器を成形すれば、CTによる成形金型
の汚染が防止される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸とエチレングリコールを主
    成分とするポリエステルの製造方法において、極限粘度
    が0.50〜0.70、アンチモン元素をポリエステルの全酸成
    分1モルに対して1×10-4〜5×10-4モル、リン元素を
    ポリエステルの全酸成分1モルに対して1×10-4〜7×
    10-4モルそれぞれ含有し、カルボキシル末端基量が10〜
    30eq/106g 、ヒドロキシ末端基量が80〜120eq/106gであ
    るプレポリマーを固相重合することにより、極限粘度が
    0.65〜1.0 、環状三量体の含有量が 0.4質量%以下であ
    るポリエステルを得ることを特徴とするポリエステルの
    製造方法。
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