JP2001302775A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
ポリエステルの製造方法Info
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- JP2001302775A JP2001302775A JP2000122753A JP2000122753A JP2001302775A JP 2001302775 A JP2001302775 A JP 2001302775A JP 2000122753 A JP2000122753 A JP 2000122753A JP 2000122753 A JP2000122753 A JP 2000122753A JP 2001302775 A JP2001302775 A JP 2001302775A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 色調、透明性が良好で、環状三量体による金
型汚染の少ない成形用に好適なポリエステルの製造方法
を提供する。 【解決手段】 テレフタル酸及びエチレングリコールを
主成分とするポリエステルにおいて、極限粘度が0.50〜
0.70、リン元素をポリエステルの全酸成分1モルに対し
て1×10-4モル〜7×10-4モル、ゲルマニウム元素をポリ
エステルの全酸成分1モルに対して5×10-5モル〜2×10
-4モルそれぞれ含有し、カルボキシル末端基量が10〜30
eq/106g、ヒドロキシ末端基量が80〜120eq/106gである
プレポリマーを固相重合することにより、極限粘度が0.
65〜1.0、環状三量体の含有量が0.4質量%以下であるポ
リエステルを得る。
型汚染の少ない成形用に好適なポリエステルの製造方法
を提供する。 【解決手段】 テレフタル酸及びエチレングリコールを
主成分とするポリエステルにおいて、極限粘度が0.50〜
0.70、リン元素をポリエステルの全酸成分1モルに対し
て1×10-4モル〜7×10-4モル、ゲルマニウム元素をポリ
エステルの全酸成分1モルに対して5×10-5モル〜2×10
-4モルそれぞれ含有し、カルボキシル末端基量が10〜30
eq/106g、ヒドロキシ末端基量が80〜120eq/106gである
プレポリマーを固相重合することにより、極限粘度が0.
65〜1.0、環状三量体の含有量が0.4質量%以下であるポ
リエステルを得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調、透明性が良
好で、環状三量体による金型汚染が少なく、成形品用と
して好適なポリエステルの製造方法に関するものであ
る。
好で、環状三量体による金型汚染が少なく、成形品用と
して好適なポリエステルの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下、
「PET」と略称する)等のポリエステルは機械的強度、
化学的安定性、透明性などに優れており、また軽量、安
価であるために、各種のシート、フィルム、容器などに
幅広く用いられ、特に、炭酸飲料、果汁飲料、液体調味
料、食用油、酒、ワイン用などの容器用途の伸びが著し
い。一般に中空容器は、PETを射出成形機などの成形機
に供給してプレフォームを成形し、このプレフォームを
加熱したあと所定形状の金型に挿入して延伸ブローする
ことにより成形する。
「PET」と略称する)等のポリエステルは機械的強度、
化学的安定性、透明性などに優れており、また軽量、安
価であるために、各種のシート、フィルム、容器などに
幅広く用いられ、特に、炭酸飲料、果汁飲料、液体調味
料、食用油、酒、ワイン用などの容器用途の伸びが著し
い。一般に中空容器は、PETを射出成形機などの成形機
に供給してプレフォームを成形し、このプレフォームを
加熱したあと所定形状の金型に挿入して延伸ブローする
ことにより成形する。
【0003】しかし、成形品の原料として用いられる成
形品用ポリエステル(以下、「ポリエステル」と略称す
る)中には、テレフタル酸とエチレングリコールの環状
三量体(以下、「CT」と略称する)に代表されるオリゴ
マーが含まれており、これらが金型の表面、ガス排気
口、排気管などに付着するため金型汚染が発生しやすか
った。このような金型汚染は、得られる中空容器の表面
荒れや白化の原因となるため、金型汚染を頻繁に除去す
る必要があり、生産性が著しく低下するという欠点があ
った。また、上記のような中空容器以外の用途において
も、CTはポリエステルフィルムの白化やドロップアウト
などの原因ともなるため、CT含有量の少ないポリエステ
ルが望まれている。
形品用ポリエステル(以下、「ポリエステル」と略称す
る)中には、テレフタル酸とエチレングリコールの環状
三量体(以下、「CT」と略称する)に代表されるオリゴ
マーが含まれており、これらが金型の表面、ガス排気
口、排気管などに付着するため金型汚染が発生しやすか
った。このような金型汚染は、得られる中空容器の表面
荒れや白化の原因となるため、金型汚染を頻繁に除去す
る必要があり、生産性が著しく低下するという欠点があ
った。また、上記のような中空容器以外の用途において
も、CTはポリエステルフィルムの白化やドロップアウト
などの原因ともなるため、CT含有量の少ないポリエステ
ルが望まれている。
【0004】ポリエステル中のCT含有量を減らす方法と
して、単に固相重合する方法(例えば、特開昭53-10109
2号公報)以外に固相重合時の窒素の流量や圧力等を調
節し、極限粘度の増加を抑制することにより固相重合時
間を延長し、脱CT化を行う方法(例えば、特開昭55-893
30号公報、特開昭55-89331号公報等)等が提案されてい
る。これらの方法ではCT含有量を十分に低減させるため
には極めて長時間固相重合する必要があるため、生産性
が悪く、またポリエステルの色調も劣化するという問題
があった。
して、単に固相重合する方法(例えば、特開昭53-10109
2号公報)以外に固相重合時の窒素の流量や圧力等を調
節し、極限粘度の増加を抑制することにより固相重合時
間を延長し、脱CT化を行う方法(例えば、特開昭55-893
30号公報、特開昭55-89331号公報等)等が提案されてい
る。これらの方法ではCT含有量を十分に低減させるため
には極めて長時間固相重合する必要があるため、生産性
が悪く、またポリエステルの色調も劣化するという問題
があった。
【0005】また、ポリエステル中に特定量のリン元素
とゲルマニウム元素を含有させることで、ポリエステル
中のCT含有量やボトル成型時のCT副生を抑制する方法
が、特開平9-221540号公報で提案されている。しかし、
ボトルの成形時のCTの副生は少ないため重要ではなく、
ポリエステル中のCT含有量をできるだけ減らすことが重
要であるが、ここで示されたリン元素とゲルマニウム元
素との比率1.5以下では、CTの低減効果が十分でないた
め、ポリエステル中のCT含有量が少なくならないという
問題があった。
とゲルマニウム元素を含有させることで、ポリエステル
中のCT含有量やボトル成型時のCT副生を抑制する方法
が、特開平9-221540号公報で提案されている。しかし、
ボトルの成形時のCTの副生は少ないため重要ではなく、
ポリエステル中のCT含有量をできるだけ減らすことが重
要であるが、ここで示されたリン元素とゲルマニウム元
素との比率1.5以下では、CTの低減効果が十分でないた
め、ポリエステル中のCT含有量が少なくならないという
問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、色調が良好で、CTによる金型汚染の少ない成
形用に好適なポリエステルの製造方法を提供することを
目的とするものである。
を解決し、色調が良好で、CTによる金型汚染の少ない成
形用に好適なポリエステルの製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、次の構成を有するものである。テレフ
タル酸及びエチレングリコールを主成分とするポリエス
テルにおいて、極限粘度が0.50〜0.70、リン元素をポリ
エステルの全酸成分1モルに対して1×10 -4モル〜7×10
-4モル、ゲルマニウム元素をポリエステルの全酸成分1
モルに対して5×10-5モル〜2×10-4モルそれぞれ含有
し、カルボキシル末端基量が10〜30eq/106g、ヒドロキ
シ末端基量が80〜120eq/106gであるプレポリマーを固相
重合することにより、極限粘度が0.65〜1.0、環状三量
体の含有量が0.4質量%以下であるポリエステルを得る
ことを特徴とするポリエステルの製造方法。
解決するために、次の構成を有するものである。テレフ
タル酸及びエチレングリコールを主成分とするポリエス
テルにおいて、極限粘度が0.50〜0.70、リン元素をポリ
エステルの全酸成分1モルに対して1×10 -4モル〜7×10
-4モル、ゲルマニウム元素をポリエステルの全酸成分1
モルに対して5×10-5モル〜2×10-4モルそれぞれ含有
し、カルボキシル末端基量が10〜30eq/106g、ヒドロキ
シ末端基量が80〜120eq/106gであるプレポリマーを固相
重合することにより、極限粘度が0.65〜1.0、環状三量
体の含有量が0.4質量%以下であるポリエステルを得る
ことを特徴とするポリエステルの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、溶融重縮合によりプレポリマー
を得た後、このプレポリマーを固相重合することにより
ポリエステルを得る。本発明に共するプレポリマーは、
常法によって製造することができる。例えば、テレフタ
ル酸(以下、「TPA」と略称する)とエチレングリコー
ル(以下、「EG」と略称する)をエステル化反応させて
得られる生成物を、あるいはテレフタル酸ジメチルとEG
とをエステル交換反応させて得られる生成物を重縮合反
応させる方法が一般的である。重縮合反応は、触媒の存
在下に、通常1hPaの減圧下で265〜300℃、好ましくは27
0〜290℃の温度で所定の極限粘度が得られるまで行う。
なお、プレポリマーには、その特性を失わない範囲で、
他の共重合成分を含有させることができる。共重合成分
の具体例としては、アジピン酸、2,6-ナフタレンジカル
ボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸、ジエチレング
リコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェ
ノールAまたはビスフェノールSのエチレンオキシド付
加体等が挙げられる。
する。本発明において、溶融重縮合によりプレポリマー
を得た後、このプレポリマーを固相重合することにより
ポリエステルを得る。本発明に共するプレポリマーは、
常法によって製造することができる。例えば、テレフタ
ル酸(以下、「TPA」と略称する)とエチレングリコー
ル(以下、「EG」と略称する)をエステル化反応させて
得られる生成物を、あるいはテレフタル酸ジメチルとEG
とをエステル交換反応させて得られる生成物を重縮合反
応させる方法が一般的である。重縮合反応は、触媒の存
在下に、通常1hPaの減圧下で265〜300℃、好ましくは27
0〜290℃の温度で所定の極限粘度が得られるまで行う。
なお、プレポリマーには、その特性を失わない範囲で、
他の共重合成分を含有させることができる。共重合成分
の具体例としては、アジピン酸、2,6-ナフタレンジカル
ボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸、ジエチレング
リコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェ
ノールAまたはビスフェノールSのエチレンオキシド付
加体等が挙げられる。
【0009】本発明におけるプレポリマーの極限粘度は
0.50〜0.70が必要である。極限粘度が0.50未満では、プ
レポリマーをペレット化して固相重合を行うと粉状の高
融点化したポリエステルが多くなり、成形品中に白色異
物が発生するため好ましくない。また、0.70を超える
と、溶融時間が長くなり、ポリエステルの色調、透明性
が悪化する。また、固相重合時間が短くなり、固相重合
で十分にCTを低減できないため好ましくない。
0.50〜0.70が必要である。極限粘度が0.50未満では、プ
レポリマーをペレット化して固相重合を行うと粉状の高
融点化したポリエステルが多くなり、成形品中に白色異
物が発生するため好ましくない。また、0.70を超える
と、溶融時間が長くなり、ポリエステルの色調、透明性
が悪化する。また、固相重合時間が短くなり、固相重合
で十分にCTを低減できないため好ましくない。
【0010】本発明におけるプレポリマーは、特定量の
リン元素及びゲルマニウム元素を含有することが重要で
ある。リン元素をポリエステルの全酸成分1モルに対し
て1×10-4モル〜7×10-4モル、ゲルマニウム元素をポリ
エステルの全酸成分1モルに対して5×10-5モル〜2×10
-4モルをそれぞれ含有することが必要である。リン元素
の含有量が1×10-4モル未満では、ポリエステルの熱安
定性が低下し、色調が悪化するため好ましくない。一
方、7×10-4モルを超えると、ジエチレングリコールが
副生しやすくなり、ポリエステルの耐熱性が低下し、色
調が悪くなる、また、成形品の耐熱性が悪くなるため好
ましくない。リン元素としては、リン酸、リン酸エステ
ル、リン酸塩、亜リン酸、亜リン酸エステル等が挙げら
れるが、コストの点でリン酸が好ましい。ゲルマニウム
元素の含有量が5×10-5モル未満では、重合速度が遅
く、重合時間が長くなり、その結果、色調と透明性が悪
化する、また、固相重合で十分にCTを低減できないため
好ましくない。一方、2×10-4モルを超えると、ポリエ
ステルの分解反応が起こりやすくなり、色調、透明性が
悪化するため好ましくない。ゲルマニウム元素として
は、二酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニ
ウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ-n-ブトキ
シド等が挙げられるが、色調や透明性が優れたポリエス
テルが得られる点で、二酸化ゲルマニウムが好ましい。
リン元素及びゲルマニウム元素を含有することが重要で
ある。リン元素をポリエステルの全酸成分1モルに対し
て1×10-4モル〜7×10-4モル、ゲルマニウム元素をポリ
エステルの全酸成分1モルに対して5×10-5モル〜2×10
-4モルをそれぞれ含有することが必要である。リン元素
の含有量が1×10-4モル未満では、ポリエステルの熱安
定性が低下し、色調が悪化するため好ましくない。一
方、7×10-4モルを超えると、ジエチレングリコールが
副生しやすくなり、ポリエステルの耐熱性が低下し、色
調が悪くなる、また、成形品の耐熱性が悪くなるため好
ましくない。リン元素としては、リン酸、リン酸エステ
ル、リン酸塩、亜リン酸、亜リン酸エステル等が挙げら
れるが、コストの点でリン酸が好ましい。ゲルマニウム
元素の含有量が5×10-5モル未満では、重合速度が遅
く、重合時間が長くなり、その結果、色調と透明性が悪
化する、また、固相重合で十分にCTを低減できないため
好ましくない。一方、2×10-4モルを超えると、ポリエ
ステルの分解反応が起こりやすくなり、色調、透明性が
悪化するため好ましくない。ゲルマニウム元素として
は、二酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニ
ウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ-n-ブトキ
シド等が挙げられるが、色調や透明性が優れたポリエス
テルが得られる点で、二酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0011】本発明におけるプレポリマーのカルボキシ
ル末端基量は、10〜30eq/106gとすることが必要であ
る。カルボキシル末端基量が10eq/106g未満では、固相
重合が進みにくく、固相重合時間が長くなり、生産性が
悪くなるばかりでなく、目標とする極限粘度のポリエス
テルが得られない点で好ましくない。一方、30eq/106g
を超えると、固相重合速度が速く、固相重合時間が短く
なり、CT含有量の低減が十分でなくなるため好ましくな
い。
ル末端基量は、10〜30eq/106gとすることが必要であ
る。カルボキシル末端基量が10eq/106g未満では、固相
重合が進みにくく、固相重合時間が長くなり、生産性が
悪くなるばかりでなく、目標とする極限粘度のポリエス
テルが得られない点で好ましくない。一方、30eq/106g
を超えると、固相重合速度が速く、固相重合時間が短く
なり、CT含有量の低減が十分でなくなるため好ましくな
い。
【0012】本発明におけるプレポリマーのヒドロキシ
末端基はプレポリマー中に80〜120eq/106g含有する必要
がある。ヒドロキシ末端基量が80eq/106g未満である
と、固相重合時のCTの減少速度が遅く、CT含有量の少な
いポリエステルを得ることができないため好ましくな
い。又、ヒドロキシ末端基量が120eq/106gを超えると、
極限粘度が低くなりすぎ、プレポリマーをペレット化し
て固相重合を行うと粉状の高融点化したポリエステルが
多くなり、成形品中に白色異物が発生するため好ましく
ない。ヒドロキシ末端基量は、TPAとEGのポリエステル
オリゴマーの反応率、溶融重縮合条件、又はプレポリマ
ーの極限粘度等で調節できる。ここで、ポリエステルオ
リゴマーの反応率は、エステル化反応工程でのエステル
化反応の温度、時間、圧力、又は酸成分とグリコール成
分のモル比等により調節することが可能である。さら
に、溶融重縮合反応の温度、時間、減圧度、触媒等の添
加剤の含有量等の条件、又はプレポリマーの極限粘度等
で調節することでも可能である。よって、上記のエステ
ル化反応及び溶融重縮合での諸条件を適宜選択するか、
又は組み合わせることにより、所定のヒドロキシ末端基
を有するプレポリマーを得ることができる。
末端基はプレポリマー中に80〜120eq/106g含有する必要
がある。ヒドロキシ末端基量が80eq/106g未満である
と、固相重合時のCTの減少速度が遅く、CT含有量の少な
いポリエステルを得ることができないため好ましくな
い。又、ヒドロキシ末端基量が120eq/106gを超えると、
極限粘度が低くなりすぎ、プレポリマーをペレット化し
て固相重合を行うと粉状の高融点化したポリエステルが
多くなり、成形品中に白色異物が発生するため好ましく
ない。ヒドロキシ末端基量は、TPAとEGのポリエステル
オリゴマーの反応率、溶融重縮合条件、又はプレポリマ
ーの極限粘度等で調節できる。ここで、ポリエステルオ
リゴマーの反応率は、エステル化反応工程でのエステル
化反応の温度、時間、圧力、又は酸成分とグリコール成
分のモル比等により調節することが可能である。さら
に、溶融重縮合反応の温度、時間、減圧度、触媒等の添
加剤の含有量等の条件、又はプレポリマーの極限粘度等
で調節することでも可能である。よって、上記のエステ
ル化反応及び溶融重縮合での諸条件を適宜選択するか、
又は組み合わせることにより、所定のヒドロキシ末端基
を有するプレポリマーを得ることができる。
【0013】次に、溶融重縮合により得られたプレポリ
マーを用いて固相重合を行う。本発明において固相重合
の温度は、180℃以上、融点未満で行うことが好まし
く、195〜235℃がさらに好ましい。融点以上ではポリマ
ーが溶融するので実用的でない。また、180℃未満ではC
Tの減少速度が著しく遅いので好ましくない。本発明に
おいて固相重合は、不活性気体流通下又は減圧下で行う
ことが好ましい。この不活性気体とは、固相重合後に得
られるポリエステルの劣化を生じないような気体を意味
し、一般には安価な窒素を用いるのが好ましい。不活性
気体中の水分量は、固相重合中にポリエステルの極限粘
度が低下しない範囲であればよく、通常、500ppm以下で
ある。減圧下で固相重合する場合には、通常、減圧度は
0.07MPa以下であればよい。固相重合の装置は、回転式
固相重合装置、塔式静置固相重合装置、流動床式固相重
合装置、種々の撹拌翼を有する固相重合装置等のプレポ
リマーを均一に加熱できるものが好ましい。
マーを用いて固相重合を行う。本発明において固相重合
の温度は、180℃以上、融点未満で行うことが好まし
く、195〜235℃がさらに好ましい。融点以上ではポリマ
ーが溶融するので実用的でない。また、180℃未満ではC
Tの減少速度が著しく遅いので好ましくない。本発明に
おいて固相重合は、不活性気体流通下又は減圧下で行う
ことが好ましい。この不活性気体とは、固相重合後に得
られるポリエステルの劣化を生じないような気体を意味
し、一般には安価な窒素を用いるのが好ましい。不活性
気体中の水分量は、固相重合中にポリエステルの極限粘
度が低下しない範囲であればよく、通常、500ppm以下で
ある。減圧下で固相重合する場合には、通常、減圧度は
0.07MPa以下であればよい。固相重合の装置は、回転式
固相重合装置、塔式静置固相重合装置、流動床式固相重
合装置、種々の撹拌翼を有する固相重合装置等のプレポ
リマーを均一に加熱できるものが好ましい。
【0014】本発明で得られるポリエステルの極限粘度
は、0.65〜1.0であることが必要である。極限粘度が0.6
5未満では、成形品に加工後の十分な強度が得られない
ため好ましくない。また、1.0を超える場合は、溶融粘
度が高くなりすぎ、通常の成形条件では、成形ができな
い、あるいは、成形温度を上げることで、分解反応が顕
著となり、色調の悪化や分子量の低下等が起こり好まし
くない。
は、0.65〜1.0であることが必要である。極限粘度が0.6
5未満では、成形品に加工後の十分な強度が得られない
ため好ましくない。また、1.0を超える場合は、溶融粘
度が高くなりすぎ、通常の成形条件では、成形ができな
い、あるいは、成形温度を上げることで、分解反応が顕
著となり、色調の悪化や分子量の低下等が起こり好まし
くない。
【0015】本発明で得られるポリエステルのCTの含有
量は、0.4質量%以下であることが必要である。CTの含
有量が0.4質量%を超えると、成形時の金型等の汚染が
顕著になり好ましくない。
量は、0.4質量%以下であることが必要である。CTの含
有量が0.4質量%を超えると、成形時の金型等の汚染が
顕著になり好ましくない。
【0016】本発明で得られるポリエステルは、以下の
方法によって、中空容器等の成形品に成形することがで
きる。例えば、射出成形または押出成形によりプレフォ
ームを成形し、このプレフォームを再加熱して二軸延伸
するホットパリソン法、あるいは、プレフォームの口栓
部及び底部を予熱し、次いで二軸延伸するコールドパリ
ソン法等を適用することができる。この際、射出成形あ
るいは押出成形時の成形温度、具体的には、成形機のシ
リンダー各部及びノズルの温度は、通常、270〜300℃の
範囲とする。また、延伸温度は、通常70〜120℃、好ま
しくは80〜110℃で、延伸倍率は縦方向に1.5〜3.5倍、
円周方向に2〜5倍の範囲とするのが適当である。得られ
た中空容器はそのまま使用することができるが、特に果
汁飲料などのように熱充填を必要とする内容液の場合に
は、一般に、更に、成形に用いた同じブロー金型内、又
は別途設けた金型内で熱固定し、耐熱性を向上させて使
用される。この熱固定の方法は、一般的には圧縮空気、
機械的伸長などによる緊張下、通常、100〜200℃、好ま
しくは120〜180℃で、通常、2秒〜2時間、好ましくは
10秒〜30分間行われる。
方法によって、中空容器等の成形品に成形することがで
きる。例えば、射出成形または押出成形によりプレフォ
ームを成形し、このプレフォームを再加熱して二軸延伸
するホットパリソン法、あるいは、プレフォームの口栓
部及び底部を予熱し、次いで二軸延伸するコールドパリ
ソン法等を適用することができる。この際、射出成形あ
るいは押出成形時の成形温度、具体的には、成形機のシ
リンダー各部及びノズルの温度は、通常、270〜300℃の
範囲とする。また、延伸温度は、通常70〜120℃、好ま
しくは80〜110℃で、延伸倍率は縦方向に1.5〜3.5倍、
円周方向に2〜5倍の範囲とするのが適当である。得られ
た中空容器はそのまま使用することができるが、特に果
汁飲料などのように熱充填を必要とする内容液の場合に
は、一般に、更に、成形に用いた同じブロー金型内、又
は別途設けた金型内で熱固定し、耐熱性を向上させて使
用される。この熱固定の方法は、一般的には圧縮空気、
機械的伸長などによる緊張下、通常、100〜200℃、好ま
しくは120〜180℃で、通常、2秒〜2時間、好ましくは
10秒〜30分間行われる。
【0017】
【作用】通常、成形金型に析出するオリゴマーは、CTを
主成分とするものである。CTは溶融重合工程で生成し、
プレポリマー中のCT含有量は約1質量%となる。CTを除
去するには、プレポリマーを固相重合することが必要で
ある。これは、CTが固体中でも環鎖平衡反応を行ってお
り、ポリエステルの溶融温度以下では、環状体の開環反
応が進むためと推定している。そして、環状体の開環反
応の速度には、ポリマー中のヒドロキシ末端基量が特に
影響する。環状体はヒドロキシ末端基が反応点となり開
環するため、ヒドロキシ末端基量が多いほど、開環速度
が速くなると推定する。一方、ポリエステルの固相重合
速度は、ヒドロキシ末端基量以外に触媒やカルボキシル
末端基量にも影響されるため、必ずしも環状体の開環速
度が速いほどプレポリマーの固相重合速度が速いという
ことにはならない。従って、所定の極限粘度、触媒量、
ヒドロキシ末端基量及びカルボキシル末端基量のプレポ
リマーを固相重合することで、所望の極限粘度を有し、
かつCT量の少ないポリエステルを得ることが可能となる
のである。
主成分とするものである。CTは溶融重合工程で生成し、
プレポリマー中のCT含有量は約1質量%となる。CTを除
去するには、プレポリマーを固相重合することが必要で
ある。これは、CTが固体中でも環鎖平衡反応を行ってお
り、ポリエステルの溶融温度以下では、環状体の開環反
応が進むためと推定している。そして、環状体の開環反
応の速度には、ポリマー中のヒドロキシ末端基量が特に
影響する。環状体はヒドロキシ末端基が反応点となり開
環するため、ヒドロキシ末端基量が多いほど、開環速度
が速くなると推定する。一方、ポリエステルの固相重合
速度は、ヒドロキシ末端基量以外に触媒やカルボキシル
末端基量にも影響されるため、必ずしも環状体の開環速
度が速いほどプレポリマーの固相重合速度が速いという
ことにはならない。従って、所定の極限粘度、触媒量、
ヒドロキシ末端基量及びカルボキシル末端基量のプレポ
リマーを固相重合することで、所望の極限粘度を有し、
かつCT量の少ないポリエステルを得ることが可能となる
のである。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、ポリエステルの特性値は次のようにして測定
した。 (a)極限粘度[η] フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (b)ポリマー中のゲルマニウム元素及びリン元素の含有
量 リガク社製蛍光X線分析装置 3270 を用いて測定した。 (C)ポリマー中のカルボキシル末端基量 ポリマーをベンジルアルコールに加熱溶解し、これにク
ロロホルムを加えて希釈した後、フェノールレッドを指
示薬として0.1N水酸化カリウム/ベンジルアルコール溶
液により滴定し、定量した。 (d)ポリマー中のヒドロキシ末端基量 ポリマーを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと
重水素化クロロホルムとの容量比1/25の混合溶媒に溶解
し、日本電子社製JNM-LA400型 FT-NMR装置で1H-NMRを測
定した。得られたチャートのTPA残基のプロトンとEG残
基のプロトンのピークの積分強度からヒドロキシ末端基
量を求めた。 (e)ポリマー中のCT含有量 ポリマーをヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホ
ルム(1/1、容積比)に溶解し、さらにアセトニトリル
を加えてポリマー成分を沈澱させ、メンブランフィルタ
ーで濾過した濾液を高速液体クロマトグラフ(ウォータ
ーズ社製 600E)で分析することにより求めた。 (f)ポリマーの色調 日本電色工業社製の色差計ND-Σ80型を用いて測定し
た。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。
b値が1.0以下を合格とした。 (g)プレートヘーズ 乾燥したポリエステルを、押し出し温度285℃、金型温
度20℃、冷却時間30秒の条件で、射出成形機(日本製鋼
所社製 J100SB II)を用いて、厚さ5mm×長さ10cm×幅6
cmのプレートに射出成形し、透明度を日本電色工業社製
の濁度計 MODEL1001DPで評価した(空気:ヘーズ0%)。
この値が小さいほど透明性が良好であり、10%未満を合
格とした。 (g)金型汚染の有無 乾燥したポリエステルを押し出し温度280℃、金型温度2
0℃、冷却時間10秒の条件で、射出成形機(日精エーエ
スビー社製 ASB-50HT)を用いて、プリフォームを成形
し、次いで、このプリフォームを、110℃の雰囲気下、
ブロー圧力2MPaで延伸ブロー成形し、中空容器を作成し
た。中空容器を10,000本連続成形した後の金型を目視で
観察し、オリゴマーの析出の有無を調べた。
る。なお、ポリエステルの特性値は次のようにして測定
した。 (a)極限粘度[η] フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (b)ポリマー中のゲルマニウム元素及びリン元素の含有
量 リガク社製蛍光X線分析装置 3270 を用いて測定した。 (C)ポリマー中のカルボキシル末端基量 ポリマーをベンジルアルコールに加熱溶解し、これにク
ロロホルムを加えて希釈した後、フェノールレッドを指
示薬として0.1N水酸化カリウム/ベンジルアルコール溶
液により滴定し、定量した。 (d)ポリマー中のヒドロキシ末端基量 ポリマーを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと
重水素化クロロホルムとの容量比1/25の混合溶媒に溶解
し、日本電子社製JNM-LA400型 FT-NMR装置で1H-NMRを測
定した。得られたチャートのTPA残基のプロトンとEG残
基のプロトンのピークの積分強度からヒドロキシ末端基
量を求めた。 (e)ポリマー中のCT含有量 ポリマーをヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホ
ルム(1/1、容積比)に溶解し、さらにアセトニトリル
を加えてポリマー成分を沈澱させ、メンブランフィルタ
ーで濾過した濾液を高速液体クロマトグラフ(ウォータ
ーズ社製 600E)で分析することにより求めた。 (f)ポリマーの色調 日本電色工業社製の色差計ND-Σ80型を用いて測定し
た。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。
b値が1.0以下を合格とした。 (g)プレートヘーズ 乾燥したポリエステルを、押し出し温度285℃、金型温
度20℃、冷却時間30秒の条件で、射出成形機(日本製鋼
所社製 J100SB II)を用いて、厚さ5mm×長さ10cm×幅6
cmのプレートに射出成形し、透明度を日本電色工業社製
の濁度計 MODEL1001DPで評価した(空気:ヘーズ0%)。
この値が小さいほど透明性が良好であり、10%未満を合
格とした。 (g)金型汚染の有無 乾燥したポリエステルを押し出し温度280℃、金型温度2
0℃、冷却時間10秒の条件で、射出成形機(日精エーエ
スビー社製 ASB-50HT)を用いて、プリフォームを成形
し、次いで、このプリフォームを、110℃の雰囲気下、
ブロー圧力2MPaで延伸ブロー成形し、中空容器を作成し
た。中空容器を10,000本連続成形した後の金型を目視で
観察し、オリゴマーの析出の有無を調べた。
【0019】実施例1 PETオリゴマーの存在するエステル化反応器に、テレフ
タル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)のスラリー
(TPA/EGモル比=1/1.6)を連続的に供給し、温度250
℃、圧力50hPaGの条件で反応させ、滞留時間8時間とし
てエステル化反応率95%のポリエステルオリゴマーを連
続的に得た。このポリエステルオリゴマー2000kgに、ポ
リエステルの全酸成分1モルに対しゲルマニウム元素の
含有量が1.1×10-4モルとなるように二酸化ゲルマニウ
ムを加え、ポリエステルの全酸成分1モルに対しリン元
素の含有量が2.9×10-4モルとなるようにリン酸を加
え、重合反応器中で徐々に減圧にして、60分後に最終的
に67Pa、280℃で重縮合を3時間行い、極限粘度0.58、カ
ルボキシル末端基量20.5eq/106g、ヒドロキシ末端基量1
02.7eq/106gのプレポリマーを得た。このプレポリマー
の予備乾燥を行い、引き続き結晶化及び乾燥を行った
後、230℃で20時間固相重合を行って、極限粘度0.81の
ポリエステルを得た。CT含有量は0.30質量%、b値は0.4
であった。さらにこのポリエステルを乾燥した後、射出
成形を行いプレートを得た。また、10,000本の中空容器
を連続成形したが、金型の汚染は認められなかった。
タル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)のスラリー
(TPA/EGモル比=1/1.6)を連続的に供給し、温度250
℃、圧力50hPaGの条件で反応させ、滞留時間8時間とし
てエステル化反応率95%のポリエステルオリゴマーを連
続的に得た。このポリエステルオリゴマー2000kgに、ポ
リエステルの全酸成分1モルに対しゲルマニウム元素の
含有量が1.1×10-4モルとなるように二酸化ゲルマニウ
ムを加え、ポリエステルの全酸成分1モルに対しリン元
素の含有量が2.9×10-4モルとなるようにリン酸を加
え、重合反応器中で徐々に減圧にして、60分後に最終的
に67Pa、280℃で重縮合を3時間行い、極限粘度0.58、カ
ルボキシル末端基量20.5eq/106g、ヒドロキシ末端基量1
02.7eq/106gのプレポリマーを得た。このプレポリマー
の予備乾燥を行い、引き続き結晶化及び乾燥を行った
後、230℃で20時間固相重合を行って、極限粘度0.81の
ポリエステルを得た。CT含有量は0.30質量%、b値は0.4
であった。さらにこのポリエステルを乾燥した後、射出
成形を行いプレートを得た。また、10,000本の中空容器
を連続成形したが、金型の汚染は認められなかった。
【0020】実施例2〜10 リン酸及び二酸化ゲルマニウムの含有量、プレポリマー
の極限粘度、カルボキシル末端基量およびヒドロキシ末
端基量を表1に示す値に変えた以外は、実施例1と同様
にしてプレート、中空容器を作製し、特性を評価した。
の極限粘度、カルボキシル末端基量およびヒドロキシ末
端基量を表1に示す値に変えた以外は、実施例1と同様
にしてプレート、中空容器を作製し、特性を評価した。
【0021】比較例1〜10 リン酸及び二酸化ゲルマニウムの含有量、プレポリマー
の極限粘度、カルボキシル末端基量およびヒドロキシ末
端基量を表1に示す値に変えた以外は、実施例1と同様
にしてプレート、中空容器を作製し、特性を評価した。
なお、比較例5及び7は、固相重合時間を10時間とし
た。
の極限粘度、カルボキシル末端基量およびヒドロキシ末
端基量を表1に示す値に変えた以外は、実施例1と同様
にしてプレート、中空容器を作製し、特性を評価した。
なお、比較例5及び7は、固相重合時間を10時間とし
た。
【0022】実施例1〜10及び比較例1〜10で得ら
れたポリエステルの特性値の結果を表1にまとめて示
す。
れたポリエステルの特性値の結果を表1にまとめて示
す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例1〜10で得られたポリエステル
は、極限粘度が0.65以上で、CT含有量が0.40質量%以下
であり、成形品のプレートヘーズも5%以下で透明性が
良好であり、金型の汚染も認められなかったが、比較例
では次のような問題があった。比較例1は、ゲルマニウ
ム元素の含有量が少なかったため、重合時間が長くな
り、色調と透明性が悪かった。また、CT含有量の低減も
十分でなく、金型汚染が見られた。比較例2は、ゲルマ
ニウム元素の含有量が多かったため、ポリエステルの分
解反応が起こり、ポリエステルの色調と透明性が悪かっ
た。比較例3は、リン元素の含有量が少なかったため、
ポリエステルの色調が悪かった。比較例4は、リン元素
の含有量が多かったため、ポリエステルの耐熱性が低下
し、ポリエステルの色調が悪かった。比較例5は、プレ
ポリマーの極限粘度が低く、また、ヒドロキシ末端基量
も多かったため、固相重合時に高融点のポリエステル粉
末が生成し、金型汚染があり、また、透明性も劣ってい
た。比較例6は、プレポリマーの極限粘度が高かったた
め、ポリエステルの色調と透明性が悪かった。また、固
相重合時間が短くなり、CT含有量の低減が十分でなく、
金型汚染が見られた。比較例7は、プレポリマーのカル
ボキシル末端基量が少なかったため、固相重合が進みに
くく、高重合度のポリエステルが得られず、また、中空
容器に成形ができなかった。比較例8は、プレポリマー
のカルボキシル末端基量が多かったため、固相重合時間
が短く、CT含有量の低減が十分でなく、金型汚染が見ら
れた。比較例9は、プレポリマーのヒドロキシ末端基量
が少なかったため、固相重合でのCT含有量の低減が十分
でなく、金型汚染が見られた。比較例10は、ポリエス
テルの極限粘度が高かったため、プレート及び中空容器
に成形ができなかった。
は、極限粘度が0.65以上で、CT含有量が0.40質量%以下
であり、成形品のプレートヘーズも5%以下で透明性が
良好であり、金型の汚染も認められなかったが、比較例
では次のような問題があった。比較例1は、ゲルマニウ
ム元素の含有量が少なかったため、重合時間が長くな
り、色調と透明性が悪かった。また、CT含有量の低減も
十分でなく、金型汚染が見られた。比較例2は、ゲルマ
ニウム元素の含有量が多かったため、ポリエステルの分
解反応が起こり、ポリエステルの色調と透明性が悪かっ
た。比較例3は、リン元素の含有量が少なかったため、
ポリエステルの色調が悪かった。比較例4は、リン元素
の含有量が多かったため、ポリエステルの耐熱性が低下
し、ポリエステルの色調が悪かった。比較例5は、プレ
ポリマーの極限粘度が低く、また、ヒドロキシ末端基量
も多かったため、固相重合時に高融点のポリエステル粉
末が生成し、金型汚染があり、また、透明性も劣ってい
た。比較例6は、プレポリマーの極限粘度が高かったた
め、ポリエステルの色調と透明性が悪かった。また、固
相重合時間が短くなり、CT含有量の低減が十分でなく、
金型汚染が見られた。比較例7は、プレポリマーのカル
ボキシル末端基量が少なかったため、固相重合が進みに
くく、高重合度のポリエステルが得られず、また、中空
容器に成形ができなかった。比較例8は、プレポリマー
のカルボキシル末端基量が多かったため、固相重合時間
が短く、CT含有量の低減が十分でなく、金型汚染が見ら
れた。比較例9は、プレポリマーのヒドロキシ末端基量
が少なかったため、固相重合でのCT含有量の低減が十分
でなく、金型汚染が見られた。比較例10は、ポリエス
テルの極限粘度が高かったため、プレート及び中空容器
に成形ができなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、色調、透明性が良好
で、CTの含有量が少ないポリエステルの製造方法が提供
され、この製造方法で得られたポリエステルを用いて中
空容器を成形すれば、CTによる成形金型の汚染が防止さ
れる。
で、CTの含有量が少ないポリエステルの製造方法が提供
され、この製造方法で得られたポリエステルを用いて中
空容器を成形すれば、CTによる成形金型の汚染が防止さ
れる。
Claims (1)
- 【請求項1】 テレフタル酸及びエチレングリコールを
主成分とするポリエステルにおいて、極限粘度が0.50〜
0.70、リン元素をポリエステルの全酸成分1モルに対し
て1×10-4モル〜7×10-4モル、ゲルマニウム元素をポリ
エステルの全酸成分1モルに対して5×10-5モル〜2×10
-4モルそれぞれ含有し、カルボキシル末端基量が10〜30
eq/106g、ヒドロキシ末端基量が80〜120eq/106gである
プレポリマーを固相重合することにより、極限粘度が0.
65〜1.0、環状三量体の含有量が0.4質量%以下であるポ
リエステルを得ることを特徴とするポリエステルの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000122753A JP2001302775A (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000122753A JP2001302775A (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | ポリエステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001302775A true JP2001302775A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18633197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000122753A Pending JP2001302775A (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001302775A (ja) |
-
2000
- 2000-04-24 JP JP2000122753A patent/JP2001302775A/ja active Pending
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