JP2002020435A - 環状オレフィン系共重合体及び光学材料 - Google Patents

環状オレフィン系共重合体及び光学材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学特性、耐熱性、接着性、密着性及び耐吸湿
性のいずれにも優れた環状オレフィン系共重合体及び光
学材料を提供する。 【解決手段】下記式(1)に示す繰り返し単位(a)及
び下記式(2)に示す繰り返し単位(b)を含む環状オ
レフィン系共重合体であって、ポリスチレン換算の数平
均分子量が10,000〜1,000,000であるこ
とを特徴とする環状オレフィン系共重合体。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状オレフィン系
共重合体及び光学材料に関する。さらに詳しくは、光学
特性、耐熱性、接着性、密着性及び耐吸湿性のいずれに
も優れた環状オレフィン系共重合体及びこの共重合体か
ら形成した光学材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量化、小型・高密度化の要求に
伴い、従来ガラスが用いられていた液晶表示による電子
部品をはじめとする多くの用途分野で、光学材料とし
て、さらに高度な光学特性を有するとともに、耐熱性、
接着性、密着性及び耐吸湿性のいずれにも優れた透明樹
脂材料が求められている。
【0003】このような優れた光学特性を有する透明樹
脂材料としては下記のような開環重合体の水素化物及び
付加重合体が提案されている。 (1)開環重合体の水素化物 (1−1)テトラシクロドデセン系化合物の開環共重合
体の水素化物(特開昭60−26024号公報、特許第
3050196号公報) (1−2)エステル基を含むノルボルネン系又はテトラ
シクロドデセン系化合物の開環共重合体の水素化物(特
開平1−132625号公報、特開平1−132626
号公報) (2)付加重合体 (2−1)エチレンとノルボルネン系化合物又はテトラ
シクロドデセン系化合物の共重合体(特開昭61−29
2601号公報、Makromol.Chem.Mac
romol.Symp.Vol.47,83(199
1)) (2−2)ノルボルネンの付加重合体、ノルボルネンと
アルキル置換ノルボルネンとの付加共重合体(MetC
on97,June4−5,1997 B.L.Goo
dallら、特開平4−63807号公報、特開平8−
198919号公報) (2−3)ノルボルネンのカルボン酸エステルの付加重
合体、ノルボルネンとノルボルネンのカルボン酸エステ
ルとの付加共重合体、ノルボルネンのカルボン酸の付加
重合体(Macromolecule,Vol.29,
2755(1996)、Macromol.Rapi
d.Commun.Vol.19,251(199
8)、及び国際特許公開WO96/37526号)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1−1)及び(1−2)の開環共重合体の水素化物に
関しては、同じモノマーであっても開環共重合体は付加
重合体に比べそのガラス転移温度が相対的に低く、ガラ
ス転移温度の高い重合体を得ることが困難である。ま
た、開環共重合体は、完全に水素化することが困難で、
その水素化物は、微量な不飽和結合を重合体中に含むこ
とになり、その結果、250℃以上の高温で薄膜、フィ
ルム又はシートへ成形加工をする際に着色することがあ
り、耐熱性の点で必ずしも十分ではなかった。また、上
記(2−1)のエチレンとノルボルネン系化合物又はテ
トラシクロドデセン系化合物との共重合体は、エチレン
の連鎖に分布があり、エチレン連鎖がすこしでも長いと
結晶化し、光学的透明性の点で不十分となることが多
く、また、極性基を含まないため、接着性及び密着性の
点で不十分なものである。また、上記(2−2)のMe
tCon97におけるB.L.Goodallらの発表
には、5−ヘキシル−2−ノルボルネン重合体、5−ド
デシル−2−ノルボルネン重合体、及び5−ドデシル−
2−ノルボルネンとノルボルネンとの共重合体が記載さ
れているが、ノルボルネンのアルキル置換基の光学特性
への作用効果については、何らの開示も示唆もない。ま
た、これらの共重合体は、極性基を含有していないた
め、接着性及び密着性の点で不十分である。また、特開
平4−63807号公報にも同様に、アルキル・ノルボ
ルネン重合体での光学特性への作用効果については、何
らの開示も示唆もない。また、極性基として、ハロゲン
原子、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、アルコキ
シカルボニル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基置換の
ノルボルネン重合体についての記載はあるが、接着性及
び密着性への作用効果については、何らの開示も示唆も
ない。また、特開平8−198919号公報には、短鎖
アルキル・ノルボルネンと長鎖アルキル・ノルボルネン
との共重合体が記載されているが、ガラス転移温度が1
40〜210℃と耐熱性が低い領域の共重合体であり、
極性基を含まないため、接着性及び密着性の点で不十分
なものである。ノルボルネンのカルボン酸エステルの付
加重合体、ノルボルネンとノルボルネンのカルボン酸エ
ステルとの付加共重合体、ノルボルネンのカルボン酸の
付加重合体は、極性基を多く含むため、接着性及び密着
性の点では優れるが、耐吸湿性の点では不十分なもので
ある。
【0005】本発明は、上述の問題に鑑みなされたもの
で、光学特性、耐熱性、接着性、密着性及び耐吸湿性の
いずれにも優れた環状オレフィン系共重合体及びこの共
重合体から形成した光学材料を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するためになされたものであり、以下の環状オレフ
ィン系共重合体、この共重合体から形成した光学材料及
び光学材料複合体を提供するものである。
【0007】[1]下記式(1)に示す繰り返し単位
(a)及び下記式(2)に示す繰り返し単位(b)を含
む環状オレフィン系共重合体であって、ポリスチレン換
算の数平均分子量が10,000〜1,000,000
であることを特徴とする環状オレフィン系共重合体。
【0008】
【化4】
【0009】[式(1)中、R1,R2はそれぞれ独立し
て、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアル
キル置換アルキル基、シクロアルキル基を示し、R1
びR2の少なくともいずれか一方は炭素数3〜8のアル
キル基を示し、nは、0又は1の整数である。]
【0010】
【化5】
【0011】[式(2)中、A1、A2、A3、A4は、そ
れぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、
アルケニル基、アリル基、シクロアルキル基、又は、−
(CH 2nXで表される極性基を示す(ここで、Xは、
−OH,−NH2,C(O)OR3,−OC(O)R4
−CO−NH−R3,−NH−C(O))R4,−SH,
又は−C(S)−OHであり、R3は、水素原子、炭素
数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリル基、シ
クロアルキル基を示し、R4は、炭素数1〜10のアル
キル基、アルケニル基、アリル基を示し、nは、0又は
1の整数である)。また、A1、A2、A3、A4のうちの
少なくとも1つは、前記極性基であり、また、A1
2、A3、A4は、A1とA2、A1とA3、A1とA4、A2
とA3、A2とA4又はA3とA4で形成される酸無水物、
又はイミド基であってもよい。]
【0012】[2]前記式(1)に示す繰り返し単位
(a)中の置換基R1及びR2の少なくともいずれか一方
が、炭素数4〜6のアルキル基である前記[1]に記載
の環状オレフィン系共重合体。
【0013】[3]前記式(1)に示す繰り返し単位
(a)を全繰り返し単位中5〜99.99モル%及び前
記式(2)に示す繰り返し単位(b)を全繰り返し単位
中0.01〜20モル%以下含む前記[1]又は[2]
に記載の環状オレフィン系共重合体。
【0014】[4]前記式(1)に示す繰り返し単位
(a)に加えて、又は前記式(1)に示す繰り返し単位
(a)及び前記式(2)に示す繰り返し単位(b)に加
えて、下記式(3)に示す繰り返し単位(c)を全繰り
返し単位中95モル%以下含む前記[1]〜[3]のい
ずれかに記載の環状オレフィン系共重合体。
【0015】
【化6】
【0016】[式(3)中、B1、B2は、それぞれ独立
して水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示し、nは
0又は1の整数を示す。]
【0017】[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記
載の環状オレフィン系共重合体から形成してなる光学材
料。
【0018】[6]前記環状オレフィン系共重合体が架
橋されてなるものである前記[5]に記載の光学材料。
【0019】[7]前記光学材料が、薄膜、フィルム又
はシート形状である前記[5]又は[6]に記載の光学
材料。
【0020】[8]前記[5]〜[7]のいずれかに記
載の光学材料と他の光学透明な熱可塑性樹脂からなる光
学材料とを複合化してなる光学材料複合体。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明の環状オレフィン系共重合体は、
前記式(1)に示す繰り返し単位(a)及び前記式
(2)に示す繰り返し単位(b)を含む環状オレフィン
系共重合体であって、ポリスチレン換算の数平均分子量
が10,000〜1,000,000、好ましくは、5
0,000〜500,000であることを特徴とする。
【0022】また、本発明の共重合体は、前記式(1)
に示す繰り返し単位(a)中の置換基R1及びR2の少な
くともいずれか一方が、炭素数4〜6のアルキル基であ
ることが、耐熱性及び光学特性(複屈折性)の点で好ま
しい。
【0023】また、本発明には、上記環状オレフィン系
共重合体から形成されてなる、好ましくは薄膜、フィル
ム又はシート形状の光学材料及びこの光学材料と他の熱
可塑性樹脂からなる光学材料を複合化してなる光学材料
複合体も含まれる。
【0024】以下、本発明の共重合体についてさらに具
体的に説明する。本発明の共重合体に用いられる繰り返
し単位(a)は、下記式(4)に示す環状オレフィン
(以下、「特定の環状オレフィン(1)」ということが
ある)の付加重合により形成することができる。
【0025】
【化7】
【0026】[式(4)中、R1、R2及びnは、それぞ
れ前記式(1)に示すものと同一である。]
【0027】このような特定の環状オレフィン(1)の
具体例としては、5−プロピル−ビシクロ〔2.2.
1〕ヘプト−2−エン、5−イソプロピル−ビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシク
ロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−メチル−6−
ブチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5
−メチル−6−プロピル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプ
ト−2−エン、5−イソブチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−ペンチル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−6−ペンチル
−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−ヘキ
シル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、5−
メチル−6−ヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト
−2−エン、5−エチル−6−ヘキシル−ビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−ヘプチル−ビシ
クロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−(2−エチ
ルヘキシル)−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エ
ン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン等を挙げることができる。
【0028】上記繰り返し単位(a)を形成する前記式
(4)に示す化合物は、1種単独で又は2種以上を組合
わせて用いることができる。
【0029】前記式(2)に示す繰り返し単位(b)
は、下記式(5)に示す特定の環状オレフィン(以下、
「特定の環状オレフィン(2)」ということがある)に
より形成することができる。
【0030】
【化8】
【0031】[式(5)中、A1、A2、A3、A4及びn
は、それぞれ前記式(2)に示すものと同一である。]
【0032】このような特定の環状オレフィン(2)の
具体例としては、 2−メチル−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテニル
メタノール アクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル
メタノールエステル メタクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニ
ルメタノールエステル 2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニ
ルメタノール アクリル酸2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エニルメタノールエステル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンカルボン酸 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボ
ン酸ビニルエステル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボ
ン酸イソプロペニルエステル 2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2−カルボン酸 2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2−カルボン酸ビニルエステル 2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2−カルボン酸イソプロペニルエステル 2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニ
ル酢酸 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニルアミン ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニルメチルアミ
ン アクリル酸ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテニルメ
チルアミド メタクリル酸ビシクロ[2.2.1]−5−エニルメチ
ルアミド ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボ
ン酸アミド 2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2−カルボン酸アミド ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−チオカ
ルボン酸 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニルメタンチオ
ール 2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
チオール 2,3−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−ジ
カルボン酸無水物 N−フェニル−2,3−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エン−ジカルボンイミド N−シクロヘキシル−2,3−ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−ジカルボンイミド 2,3−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−ジ
カルボンイミド ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボ
ン酸、2’−メチルカルボン酸 無水ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カ
ルボン酸、2’−メチルカルボン酸 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボ
ン、2’−メチルカルボンイミド N−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エ
ン−2−カルボン、2’−メチルカルボンイミド N−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−2−カルボン、2’−メチルカルボンイミド ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボ
ン酸メチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボ
ン酸エチル テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−
3−エン−8−カルボン酸 8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.1
7.10]ドデカ−3−カルボン酸メチル 等を挙げることができる。
【0033】上記繰り返し単位(b)を形成する前記式
(5)に示す化合物は、1種単独で又は2種以上を組合
わせて用いることができる。
【0034】繰り返し単位(a)の含有量は、全繰り返
し単位中、好ましくは、5〜99.99モル%以上、さ
らに好ましくは、20〜99.9モル%、特に好ましく
は、30〜99.8モル%である。5モル%未満である
と、複屈折性が低下することがあり、99.99モル%
を超えると、接着性及び密着性が低下することがある。
繰り返し単位(b)の含有量は、全繰り返し単位中、好
ましくは、0.01〜30モル%であるが、繰り返し単
位(b)の構造によって異なる。繰り返し単位(b)の
極性基が、カルボキシル基(−C(O)OH)、ヒドロ
キシル基(−OH)、チオカルボキシル基(−C(S)
OH)、酸無水物(−CO―O―CO−)、酸アミド基
(−CO−NH2)、カルボンイミド基(−CO−NR
−CO−、ここで、Rは水素原子、シクロアルキル基、
アリル基から選ばれる置換基を示す)、アミノ基、及び
アクリル基、メタクリル基等のラジカル重合が可能な不
飽和結合を含む基等では、全繰り返し単位中、繰り返し
単位(b)の含有量は、好ましくは、0.01〜10モ
ル%、さらに好ましくは、0.1〜7モル%、特に好ま
しくは、0.2〜5モル%である。0.01モル%未満
であると、接着性及び密着性が低下することがあり、1
0モル%を超えると、耐吸湿性が低下することがある。
アクリル基、メタクリル基等のラジカル重合する極性基
を有する繰り返し単位(b)は、ラジカル発生剤やジチ
オール化合物、ジオキシム化合物等により、成形・加工
工程で架橋することができ、寸法安定性のよい成形体と
することができる。また、他の極性基もアクリル基、メ
タクリル基等に変換することにより、架橋体に変換する
ことができる。
【0035】繰り返し単位(b)の極性基が、アルキル
エステル基、シクロアルキルエステル基、アリルエステ
ル基の場合は、全繰り返し単位中、繰り返し単位(b)
の含有量は、好ましくは、5〜30モル%、さらに好ま
しくは、10〜20モル%である。5モル%未満である
と、接着性及び密着性が低下することがあり、30モル
%を超えると、耐吸湿性が低下することがある。
【0036】本発明の共重合体においては、前記式
(1)に示す繰り返し単位(a)に加えて、又は前記式
(1)に示す繰り返し単位(a)及び前記式(2)に示
す繰り返し単位(b)に加えて、前記式(3)に示す繰
り返し単位(c)を95モル%以下含ませることができ
る。繰り返し単位(c)を共重合させることにより、耐
熱性を向上させることができる。
【0037】この繰り返し単位(c)は、下記式(6)
に示す特定の環状オレフィン(以下、「特定の環状オレ
フィン(3)」ということがある)を付加重合すること
により形成することができる。
【0038】
【化9】
【0039】[式(6)中、B1、B2及びnは、前記式
(3)に示すものと同一である。]
【0040】このような環状オレフィン(3)の具体例
としては、 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5−メチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン 5−メチル−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン 5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3−7−ジエ
ン(ジシクロペンタジエン) トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3−エン テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−
3−エン 8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]ドデカ−3−エン 8,9−ジ8−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5.17.10]ドデカ−3−エン 等を挙げることができる。
【0041】上記繰り返し単位(c)を形成する前記式
(6)に示す化合物は、1種単独で又は2種以上を組合
わせて用いることができる。前記式(6)に示す化合物
として、ジシクロペンタジエンを用いた場合は、共重合
の後、共重合体を水素化することにより繰り返し単位
(c)を形成することができる。
【0042】繰り返し単位(c)の含有量は、全繰り返
し単位(繰り返し単位(a)及び繰り返し単位(c)の
合計、又は繰り返し単位(a)、繰り返し単位(b)及
び繰り返し単位(c)の合計)100モル%に対して、
好ましくは、95モル%以下、さらに好ましくは、90
〜20モル%である。95モル%を超えると、複屈折性
が低下することがある。
【0043】本発明の環状オレフィン系共重合体は、上
述のように、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル・パ
ーミエションクロマトグラムで測定されるポリスチレン
換算の数平均分子量が10,000〜1,000,00
0で,好ましくは50,000〜500,000であ
る。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は15,
000〜1,500,000で好ましくは70,000
〜700,000である。ポリスチレン換算の数平均分
子量が10,000未満、重量平均分子量が15,00
0未満であると、破壊強度が不十分となることがあり、
ポリスチレン換算の数平均分子量が1,000,000
を超え、重量平均分子量が1,500,000を超える
と、シートとしての成形加工性が低下し、またキャスト
フィルム等とするときに溶液粘度が高くなり、扱い難く
なることがある。
【0044】本発明の環状オレフィン系共重合体の熱的
性質は、走査型示差熱量計(DSC)の測定では、ガラ
ス転移温度が不明確で測定されないことが多いため、動
的粘弾性のTanδ(貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”
との比E”/E’=Tanδ)のピーク温度で共重合体
のガラス転移温度を測定した。動的粘弾性の測定は、レ
オバイブロンDDV−01FP(オリエンテック(株)
製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/
分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmのも
のを用いて得られるTanδの温度分散のピーク温度で
求めた。本発明の環状オレフィン系共重合体のTanδ
のピーク温度は220〜400℃、好ましくは、250
〜380℃であり、220℃未満であると、光学材料と
して成形、加工するときに熱負荷に対して熱変形を生
じ、耐熱性が低下することがあり、400℃を超える
と、重合体が熱分解することがある。
【0045】本発明の共重合体には、2,6−ジ−t−
ブチル,4−メチルフェノール、4,4,−チオビス−
(6−t−ブチル−3−メチル−フェノール)、1,1
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
2,2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチル
フェノール)2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペ
ンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等
のフェノール系酸化防止剤、トリス(4−メトキシ−
3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニル
フェニル)フォスファイト等のリン系酸化防止剤等を添
加することができ、本発明の共重合体の安定性をさらに
向上させることができる。
【0046】本発明の共重合体は、過酸化物、イオウ、
ジスルフィド、ポリスルフィド化合物、ジオキシム化合
物、テトラスルフィド等を含むシランカップリング剤等
の架橋剤を、本発明の共重合体100重量部に対して
0.05〜5重量部を添加し、熱等により架橋体に変換
することもできるし、直接、光、電子線により架橋体に
変換することもできる。
【0047】本発明の共重合体は押し出し機により直接
フィルム、シート、薄膜とすることもできるし、また、
炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、ケトン、エー
テル、エステル、アミン、アミド、高級アルコール等の
溶媒の単独又は混合溶媒で溶解し、キャスティングを行
い、さらに蒸発除去して、薄膜、シート、フィルムにす
ることもできる。また、これら溶媒で膨潤させて押出し
機により溶媒を除去しながら、フィルム、シート、薄膜
に成形加工することもできる。
【0048】本発明の共重合体は優れた光学透明性、耐
熱性、接着性、密着性及び耐吸湿性を有するので、液晶
表示素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差フィル
ム、液晶バックライト、液晶パネル、OHP用フィル
ム、透明導電性フィルム等をはじめとして、光ディス
ク、光ファイバー、レンズ、プリズム等の光学材料、電
子部品さらに医療機器、容器等に好適に用いられる。
【0049】本発明の共重合体、すなわち、特定の環状
オレフィンから形成される共重合体は以下の製造方法で
得ることができる。[Pd(CH3CN)4][B
42、ジ−μ−クロロ−ビス−(6−メトキシビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−エンド−5σ,2
π)−Pd(以下、「I」と略す)とメチルアルモキサ
ン(MAO)、IとAgBF4、IとAgSbF6
[(η3−アリル)PdCl]2とAgSbF6、[(η3
−アリル)PdCl]2とAgBF4、[(η3−クロチ
ル)Pd(シクロオクタジエン)][PF6]、[(η3
−クロチル)Ni(シクロオクタジエン)][B((C
32 644]、[NiBr(NPMe3)]4とM
AO、Ni(オクトエート)2とMAO、Ni(オクト
エート)2とB(C653とAlEt3、Ni(オクト
エート)2と[ph3C][B(C654]とAli−
Bu3、Co(ネオデカノエート)とMAO等の周期律
表8族のNi、Pd.Co等のカチオン錯体又はカチオ
ン錯体を形成する触媒を用いて、シクロヘキサン、シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素
溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂
肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン等の
芳香族炭化水素溶媒ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プ
ロピレングリコールジメチルエーテル、ニトロメタン等
の極性溶媒から選ばれた溶媒中で−20〜100℃の範
囲で特定の環状オレフィン化合物を(共)重合することに
より得ることができる。
【0050】本発明の共重合体は、優れた光学透明性、
耐熱性、接着性、密着性及び耐吸湿性を有するため、従
来公知のノルボルネン系重合体(例えば、特開昭61−
29260号公報、特開昭60−16870号公報、特
開昭60−26024号公報、特開平2−51511号
公報、特開平1−132625号公報、特開平1−13
2626号公報、特開平4−202404号公報等)等
に優れた耐熱性、接着性、密着性と、光学特性(透明
性、低複屈折性)とを付与することができる。
【0051】本発明の共重合体と、ポリメチルメタクリ
レート、ポリアリレート、ポリカーボネート又はポリエ
ーテルスルホンとを含有してなる熱可塑性重合体組成物
も極性基間のグラフト化反応を通して、互いに相溶化し
て、光学特性、耐熱性が向上する。
【0052】このような熱可塑性重合体組成物におい
て、本発明の共重合体と他の重合体との配合割合は、本
発明の共重合体及び他の重合体の種類、両者の相溶性、
組成物の使用目的に応じて適宜選択されるが、各種接着
剤に対する優れた接着性及び各種基材に対する優れた密
着性を有する重合体組成物が得られる点で、組成物全体
における本発明の共重合体の割合が5〜95重量%であ
ることが好ましく、さらに好ましくは10〜90重量
%、特に好ましくは20〜80重量%である。
【0053】このような熱可塑性重合体組成物は、単軸
押出機又は二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ミキシングロール等を用いる通常の方法や溶液ブレ
ンドによる混合により、本発明の共重合体、他の重合体
及びその他の成分を混合することによって得ることがで
きる。このような熱可塑性重合体組成物から、本発明の
共重合体における場合と同様に薄膜、フィルム又はシー
トにすることができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限を受けるものではない。
【0055】なお、屈折率、全光線透過率、光弾性係
数、吸水率、接着性・密着性は下記の方法で測定した。 (1)屈折率:ASTM−D542に準拠し、25℃に
おけるD線(589nm)の屈折率n 25 Dを測定した。 (2)全光線透過率:ASTM−D1003に準拠し、
厚さが100μmの試験片にして全光線透過率を測定し
た。 (3)光弾性係数:エリプソメータにより、波長630
nmの光弾性係数を測定した。 (4)吸水率:23℃の水中に24時間浸漬させた後、
吸水率を測定した。 (5)接着性・密着性:10cm×10cmの試験片に
アルミニウムを蒸着し、この蒸着膜に対して、カッター
により、1mm×1mmの碁盤目が10個×10個形成
されるように切込みを入れ、セロハンテープによる剥離
試験を行い、25ブロック中における剥離したブロック
の数を測定した。
【0056】実施例1 窒素雰囲気下において500mlの反応容器内に、単量
体である5−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン125ミリモル、2−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸3
1.25ミリモル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン468.75ミリモルと、溶媒のクロロベンゼン
300gとを仕込んで30℃に反応系を調節した。次
に、[(η3−アリル)PdCl]22.5ミリモルとA
gBF42.8ミリモルとを加えて、重合を開始し、重
合を30℃、10時間行った。重合体への転化率は95
%であった。重合体溶液に乳酸5gを加え、触媒成分と
反応させ、さらに、酸化防止剤として、ペンタエリスリ
チル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を重合体10
0重量部に対して1.0重量部を添加した。重合体溶液
を4リットルのイソプロパノールに入れて重合体を凝固
し、重合体に存在する未反応の単量体と触媒残渣を除去
した。凝固した重合体を90℃で17時間、減圧下で乾
燥した。
【0057】得られた重合体をテトラヒドロフランに溶
解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフによる分子
量を測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量
は88,000、重量平均分子量は183,000であ
った。また、赤外吸収スペクトル法で720cm-1の5
−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ンから形成される構造体の特性吸収と、1700cm -1
の−C−(O)−OH基による2−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸から
形成される構造体の特性吸収とを用いて、重合体中、5
−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ンに由来する繰り返し単位は、全繰り返し単位(重合
体)中、19.3モル%、2−メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸に由来する
繰り返し単位は、全繰り返し単位(重合体)中、4.9
モル%であった。重合体をシクロヘキサン/トルエン
(80/20重量比)の混合溶媒に溶かし、キャストし
て厚さ100μmのフィルムを作製した。このフィルム
を用いて、粘弾性測定、光学測定、吸水率、接着性・密
着性を測定し評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0058】実施例2 実施例1において、単量体として5−n−ヘキシルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン312.5ミリモ
ル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン281.
75ミリモルを用い、かつ2−メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸の代わり
に、予めトリイソブチルアルミニウムでマスキング反応
したビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カ
ルボン酸アミド(−NH2/Al−iBu=1/1.5
モル比)を用い、重合後の脱触媒とトリイソブチルアル
ミニウムの脱マスキングのため、乳酸を10g用いたこ
と以外は実施例1と同様にした。酸アミドの含量は、赤
外吸収スペクトルの1680cm-1の特性吸収を用い
て、検量線法により定量した。重合体への転化率は80
%であった。重合体のポリスチレン換算の数平均分子量
は53,000、重量平均分子量は128,000であ
った。5−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エンに由来する繰り返し単位は47.2モル%、
ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン500ミリモル
を用いて共重合を行った。共重合体への転化率は100
%であった。ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2−カルボン酸アミドに由来する繰り返し単位は2.
3モル%であった。実施例1と同様にしてフィルムを作
製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0059】実施例3 実施例1において、単量体として2−メチル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸の代
わりに、メタクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エニルメタノールエステルを用いたこと以外は、実
施例1と同様にした。重合体への転化率は89%であっ
た。メタクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エニルメタノールエステルに由来する繰り返し単位の含
量は、赤外吸収スペクトルの1720cm-1の特性吸収
を用いて、検量線法により定量した。重合体のポリスチ
レン換算の数平均分子量は66,000、重量平均分子
量は119,000であった。5−n−ヘキシルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに由来する繰り返し
単位は24.3モル%、メタクリル酸ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エニルメタノールエステルに由来
する繰り返し単位は1.5モル%であった。実施例1と
同様にしてフィルムを作製し、評価を行った。評価結果
を表1に示す。フィルムに電子線を照射したところ、照
射前に溶解したシクロヘキサン、クロロベンゼン等の溶
剤に不溶なフィルムが得られた。
【0060】実施例4 実施例1において、単量体として5−n−ヘキシルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン593.75ミリ
モルを用い、かつビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エンは用いなかったこと以外は、実施例1と同様にし
た。重合体への転化率は94%であった。重合体のポリ
スチレン換算の数平均分子量は82,000、重量平均
分子量は186,000であった。2−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸に由
来する繰り返し単位は、全繰り返し単位(重合体)中、
4.9モル%であった。実施例1と同様にしてフィルム
を作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0061】比較例1 実施例4において、5−n−ヘキシルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エンの代わりに、5−n−デシル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを593.7
5ミリモル用いたこと以外は、実施例4と同様にした。
重合体への転化率は90%であった。2−メチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸に
由来する繰り返し単位は、全繰り返し単位(重合体)
中、4.8モル%であった。実施例1と同様にしてフィ
ルムを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0062】比較例2 実施例4において、5−n−ヘキシルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エンを625ミリモル用い、2−
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−
カルボン酸を用いなかったこと以外は、実施例4と同様
にした。重合体への転化率は97%であった。実施例1
と同様にしてフィルムを作製し、評価を行った。評価結
果を表1に示す。
【0063】比較例3 実施例1において、5−n−ヘキシルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エンの代わりに、5−n−デシル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを59.0ミ
リモル用い、かつビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エンを535.0ミリモル用いたこと以外は、実施例1
と同様にした。重合体への転化率は94%で、重合体の
ポリスチレン換算の数平均分子量は89,000、重量
平均分子量は190,000であった。5−n−デシル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに由来する繰
り返し単位は、全繰り返し単位(重合体)中、10.5
モル%、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2−カルボン酸に由来する繰り返し単位は、全
繰り返し単位(重合体)中、4.8モル%であった。実
施例1と同様にしてフィルムを作製し、評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
光学特性、耐熱性、接着性、密着性及び耐吸湿性のいず
れにも優れた環状オレフィン系共重合体及びこの共重合
体から形成した光学特性、耐熱性、接着性及び密着性が
向上した光学材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 克敏 東京都中央区築地二丁目11番24号ジェイエ スアール株式会社内 (72)発明者 坂部 延行 東京都中央区築地二丁目11番24号ジェイエ スアール株式会社内 Fターム(参考) 2H050 AB50X 4F071 AA21 AA81 AF29 AF45 AF58 AG05 AH19 BA01 BA02 BB02 BB06 BC01 4J100 AR21P AR21Q AR21R BA03Q BA20Q BA33Q BA34Q BA35Q BA50Q BA52Q BC02P BC02Q CA03 CA04 CA05 DA01 DA22 DA37 DA44 DA61 JA33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)に示す繰り返し単位(a)及
    び下記式(2)に示す繰り返し単位(b)を含む環状オ
    レフィン系共重合体であって、ポリスチレン換算の数平
    均分子量が10,000〜1,000,000であるこ
    とを特徴とする環状オレフィン系共重合体。 【化1】 [式(1)中、R1,R2はそれぞれ独立して、水素原
    子、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル置換ア
    ルキル基、シクロアルキル基を示し、R1及びR2の少な
    くともいずれか一方は炭素数3〜8のアルキル基を示
    し、nは、0又は1の整数である。] 【化2】 [式(2)中、A1、A2、A3、A4は、それぞれ独立し
    て水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル
    基、アリル基、シクロアルキル基、又は、−(CH 2n
    Xで表される極性基を示す(ここで、Xは、−OH,−
    NH2,C(O)OR3,−OC(O)R4,−CO−N
    H−R3,−NH−C(O))R4,−SH,又は−C
    (S)−OHであり、R3は、水素原子、炭素数1〜1
    0のアルキル基、アルケニル基、アリル基、シクロアル
    キル基を示し、R4は、炭素数1〜10のアルキル基、
    アルケニル基、アリル基を示し、nは、0又は1の整数
    である)。また、A1、A2、A3、A4のうちの少なくと
    も1つは、前記極性基であり、また、A1、A2、A3
    4は、A1とA2、A1とA3、A1とA4、A2とA3、A2
    とA4又はA3とA4で形成される酸無水物、又はイミド
    基であってもよい。]
  2. 【請求項2】前記式(1)に示す繰り返し単位(a)中
    の置換基R1及びR2の少なくともいずれか一方が、炭素
    数4〜6のアルキル基である請求項1に記載の環状オレ
    フィン系共重合体。
  3. 【請求項3】前記式(1)に示す繰り返し単位(a)を
    全繰り返し単位中5〜99.99モル%及び前記式
    (2)に示す繰り返し単位(b)を全繰り返し単位中
    0.01〜20モル%含む請求項1又は2に記載の環状
    オレフィン系共重合体。
  4. 【請求項4】前記式(1)に示す繰り返し単位(a)に
    加えて、又は前記式(1)に示す繰り返し単位(a)及
    び前記式(2)に示す繰り返し単位(b)に加えて、下
    記式(3)に示す繰り返し単位(c)を全繰り返し単位
    中95モル%以下含む請求項1〜3のいずれかに記載の
    環状オレフィン系共重合体。 【化3】 [式(3)中、B1、B2は、それぞれ独立して水素原
    子、炭素数1〜3のアルキル基を示し、nは0又は1の
    整数を示す。]
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の環状オレ
    フィン系共重合体から形成してなる光学材料。
  6. 【請求項6】前記環状オレフィン系共重合体が架橋され
    てなるものである請求項5に記載の光学材料。
  7. 【請求項7】前記光学材料が、薄膜、フィルム又はシー
    ト形状である請求項5又は6に記載の光学材料。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれかに記載の光学材料
    と他の光学透明な熱可塑性樹脂からなる光学材料とを複
    合化してなる光学材料複合体。
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