JP4957230B2 - 位相差フィルム - Google Patents
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Description
かし、それらの共重合体においてはエチレンなどのα−オレフィンに由来する構造単位の連鎖が結晶化する場合があり、透明性が低下するなど、光学材料に用いるには必ずしも十分ではない。また、環状オレフィンとα−オレフィンとの重合反応性に大きな差がある共重合体の組成に分布が生じ、透明性が低下する場合がある。
ム系メタロセン触媒を用いて重合されたノルボルネン重合体は不融で、一般的な溶媒に対し不溶であることが報告されている(非特許文献1参照)。また、ニッケル系触媒を用いて重合されたノルボルネンの付加重合体はシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒に対して良好な溶解性を示す(特許文献10参照)が、機械強度に劣り脆いことが報告されている(特許文献11参照)。
である。)
本発明の位相差フィルムは、延伸温度が、Tg〜(Tg−70)℃(ただし、Tgは、環状オレフィン系付加共重合体のガラス転移温度を表す。)を満たし、延伸倍率が1.1〜3.0倍の範囲であることを特徴とする。
[(Re(nm)/フィルム厚み(nm))/延伸倍率 ]>0.001
上記位相差フィルムは、環状オレフィン系付加共重合体を延伸してなるフィルムの厚みが0.1〜150μmであることが好ましい。
<環状オレフィン系付加共重合体>
〔単量体成分〕
本発明に用いる樹脂成形体が含有する重合体は、上記一般式(1)および(2)で表される構成単位を有している。
である。)
ここで、通常、構造単位(1)は、下記式(1m)で表される単量体(1m)に由来し、構造単位(2)は、下記式(2m)で表される単量体(2m)に由来し、必要に応じて
含まれる構造単位(3)は、下記式(3m)で表される構造単位(3m)に由来する。
りである。)
本発明の環状オレフィン系付加共重合体は、上記単量体(1m)と、単量体(2m)と、必要に応じて単量体(3m)とを含む単量体組成物を、付加共重合して得ることができる。
ンなどが挙げられる。なかでも、式(1m)中のpが0である、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンが好ましい。
.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヘプチル−テトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−オクチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ノニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
ドデカ−3−エン、8−デシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−
3−エン、8−ウンデシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−
エンおよび8−ドデシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エ
ンなどの直鎖アルキル基を有するもの、ならびに2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5−イル)デセンおよび8−メチル−1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5−イル)ノナンなどの分岐アルキル基を有するものが挙げられる。なかでも、式(2m)中のqが0である、炭素数5〜12の5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンが好ましい。さらに、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ドデシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンは、原料を工業的に入手しやすいため、より好ましい。アルキル基の炭素数が5以上のものを単量体(2m)として用いると、優れた溶融成形加工性を示し、成形加工時の温度を高くしすぎることなく成形加工することができ、成形体の劣化および着色を防止することができる。一方、アルキル基の炭素数が12を超えると、5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンの沸点が高くなりすぎるため、工業生産時の精製が困難となる。
どの目的で、式(3m)中のC1〜C4のうち少なくとも一つが、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、酸無水物基、オキセタニル基および加水分解性シリル基よりなる群から選ばれる官能基を用いることが好ましい。また、溶融成形の目的には、官能基を持たない構造単位(3)を含有させることが好ましい。
02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2
、3−無水カルボン酸、5−[(3−エチル−3−オキタセニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−[(3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル、5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンおよび5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンなどが挙げられる。
〔単量体組成物〕
本発明で用いられる単量体組成物は、上記単量体(1m)および単量体(2m)を必須成分としており、必要に応じて単量体(3m)を含んでいてもよい。単量体(2m)の割合が増加するにしたがい、該共重合体を用いて得られるフィルムやシートなどの成形体の柔軟性は増し、ガラス転移温度が低下する傾向がある。単量体(3m)の割合が増加するにしたがい、該共重合体を用いて得られるフィルムやシートなどの成形体の弾性率が向上する反面、柔軟性(伸び)が低下する傾向にある。また、官能基を有する単量体(3m)の割合が高いと、重合活性が低下し、生産性が悪化する場合がある。そのため単量体(3m)の使用量には限度がある。
本発明に関する環状オレフィン系付加共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が、動的粘弾性で測定される貯蔵弾性率(E’)および損失弾性率(E”)から導かれるTanδ=E”/E’の温度分散ピーク温度から求められ、120〜250℃、好ましくは150〜240℃である。このガラス転移温度が120℃未満の場合は、耐熱性が要求される用途に適さなくなり、一方、ガラス転移温度が250℃を超えると溶融成形が困難となる。
本発明に関する環状オレフィン系付加共重合体の製造方法としては、上記単量体組成物を、下記(a)、(b)および(d)を用いて得られる触媒、あるいは、下記(c)および(d)を用いて得られる触媒の存在下に付加共重合する方法が挙げられる。
(b)下記式(b)で表されるホスフィン化合物、
P(R1)2(R2) …(b)
[式(b)中、R1はシクロペンチル基、シクロヘキシル基およびイソプロピル基より
選ばれる置換基であり、R2は炭素数3〜10の炭化水素基を表す。]
(c)下記式(c)で表される2価パラジウムのホスフィン錯体、
Pd[P(R1)2(R2)]nX2 …(c)
[式(c)中、R1はシクロペンチル基、シクロヘキシル基およびイソプロピル基より選
ばれる置換基であり、R2は炭素数3〜10の炭化水素基を表し、Xは有機酸アニオンま
たはβ−ジケトネートアニオンであり、nは1または2を示す。]
(d)イオン性のホウ素化合物。
(a)パラジウムの有機酸塩またはパラジウムのβ−ジケトネート化合物とは、たとえば、2価パラジウムのカルボン酸塩、スルホン酸塩およびβ−ジケトネート化合物であり、具体的には、
酢酸パラジウム、クロロ酢酸パラジウム、フルオロ酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸パラジウム、酪酸パラジウム、3−メチル酪酸パラジウム、ペンタン酸パラジウム、ヘキサン酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸パラジウム、オクタン酸パラジウム、ドデカン酸パラジウム、2−メチルプロペン酸パラジウム、オクタデカ−9−エン酸パラジウム、シクロヘキサンカルボン酸パラジウム、安息香酸パラジウム、2−メチル安息香酸パラジウム、4−メチル安息香酸パラジウムおよびナフタレンカルボン酸パラジウムなどの炭素数1〜15の有機モノカルボン酸塩;
メタンスルホン酸パラジウム、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウム、p−トルエンスルホン酸パラジウム、ベンゼンスルホン酸パラジウム、ナフタレンスルホン酸パラジウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸パラジウムなどの炭素数1〜20の有機スルホン酸塩;
パラジウムの2,4−ペンタジオン(アセチルアセトネート)、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルおよびヘキサフルオロアセチルアセトンなどの炭素数5〜15のβ−ジケトネート化合物;
が挙げられる。なかでも酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸パラジウム、パラジウムビス(アセチルアセトネート)が好ましく、酢酸パラジウムがより好ましい。
(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)、〔ビス(トリシクロペンチルホスフィン)〕パラジウムジ(アセテート)、〔ジシクロペンチル(tert−ブ
チル)ホスフィン〕パラジウムジ(アセテート)、〔ジシクロペンチル(シクロヘキシル)ホスフィン〕パラジウムジ(アセテート)、〔ジシクロペンチル(2−メチルフェニル)ホスフィン〕パラジウムジ(アセテート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、〔ジシクロペンチル(シクロヘキシル)ホスフィン〕パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(プロピオネート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(プロピオネート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(2−エチルヘキサノエート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(2−エチルヘキサノエート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、〔ジシクロペンチル(シクロヘキシル)ホスフィン〕パラジウムビス(アセチルアセトネート)、
(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(プロピオネート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(2−エチルヘキサノエート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジ(プロピオネート)、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(2−エチルヘキサノエート)、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)および(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)が好ましく、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)および(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)がより好ましい。これらのホスフィン錯体
(c)の合成には、公知の方法を適宜用いることができ、精製または単離して用いてもよいし、合成後に単離せずに用いてもよい。たとえば、適切なパラジウム化合物と触媒成分(b)で例示されるホスフィン化合物とを、芳香族炭化水素溶媒またはハロゲン化炭化水素溶媒中で、0〜70℃の温度範囲で反応させることにより合成してもよい。
〔R3〕+〔M(R4)4〕- …(d)
[式(c)中、R3はカルベニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンおよびアニリニウムカチオンから選ばれた炭素数4〜25の有機カチオンを示し、Mはホウ素原子またはアルミニウム原子を示し、R4はフッ素原子置換またはフッ化アル
キル置換のフェニル基を示す。]
具体例としては、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボレート、トリ(p−トリル)カルベニウムテトラキス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよびN,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができる。なかでもカチオンがカルベニウムカチオンであり、アニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンまたはテトラキス(パーフルオロアルキルフェニル)ボレートアニオンであるイオン性ホウ素化合物が好ましく、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボレートがより好ましい。
(a)パラジウムの有機酸塩またはパラジウムのβ−ジケトネート化合物あるいは(c)2価パラジウムのホスフィン錯体は、単量体1モル当たり、パラジウム原子として0.0005〜0.02ミリモル、好ましくは0.001〜0.01ミリモル、より好ましくは0.001〜0.005ミリモルの範囲で用いる場合に、高い転化率を得ることができ、高い経済性および生産性を示す。また、付加共重合体中に残留する金属成分量を少なく抑えることができるため、着色が少なく、透明性に優れた成形体を得ることが可能であり、脱灰工程を省略できることもある。また、(b)ホスフィン化合物に関しては、触媒成分(a)に含まれるパラジウム原子1モルに対して、通常0.1〜5モル、好ましくは0.5〜2モルの範囲で使用すると、重合活性が高く、最適である。また、上記触媒成分(d)イオン性のホウ素化合物に関しては、触媒成分(a)に含まれるパラジウム原子1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.7〜5.0モル、より好ましくは1.0〜2.0モルの範囲で用いられる。上記(a)〜(d)の各触媒成分に関し、本発明においては添加順序などの調製法および使用法に特に制限はなく、本発明で重合反応に供される単量体と溶媒との混合物へ同時に、または逐次的に添加してもよい。
本発明において、付加共重合反応は、バッチ式で行ってもよく、たとえば、適当な単量体の供給口を装備した管型連続反応器を使用して行ってもよい。付加共重合反応は、必要に応じて窒素またはアルゴン雰囲気下で行なわれるが、空気中で行ってもよい。反応温度は0〜150℃、より好ましくは10〜100℃、特に好ましくは20〜80℃の範囲で
行なわれる。用いられる溶媒は特に限定されないが、シクロヘキサン、シクロペンタンおよびメチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼンおよびメシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンおよびジクロロべンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも脂環式炭化水素溶媒および芳香族炭化水素溶媒が好ましい。これらの溶媒は、全単量体100重量部に対し、通常、0〜2,000重量部の範囲で用いられる。
本発明に関する環状オレフィン系付加共重合体には、必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。たとえば、酸化安定性を向上させ、着色および劣化を防ぐため、フェノール系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびイオウ系酸化防止剤から選ばれる酸化防止剤を配合することができる。前記酸化防止剤は、前記共重合体100重量部当たり0.001〜5重量部の割合で配合することができる。酸化防止剤の具
体例としては、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−
tert−ブチル−3−メチル−フェニル)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオン酸ステアレート、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンお
よびペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤またはヒドロキノン系
酸化防止剤;
ビス (2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジ
ホスホナイト、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイトおよびトリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどのリン系2次酸化防止剤;
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネートおよび2−メルカプトベンズイミダゾールなど;
のイオウ系2次酸化防止剤などを挙げることができる。
ル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6'−ジエチルフェニル)ホスホ
リル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6’−ジイソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6’−ジブチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’−tert−ブチルフェニル)ホスフホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’−イソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン1,3−ビス[ジ(2’−メチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス(ジフェニルホスホリル)ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジメチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジエチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジイソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−tert−ブチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−イソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−メチルフェニル)ホスホリル]ベンゼンおよび4,4’−ビス[ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)ホスホリルフェニル]ジメチルメタンなどの縮合型リン酸エステル系難燃剤がより好ましい。配合量は選択される難燃剤および要求される難燃性の程度によって決まるが、環状オレフィン共重合体100重量部に対し0.5〜40重量部が好ましく、2〜30重量部がより好ましく、4〜20重量部が特に好ましい。上記難燃剤の配合量が0.5重量部より少ない場合には、効果が不十分であり、一方、40重量部を超えて使用すると透明性が損なわれたり、誘電率などの電気特性が悪化したり、吸水率が増大したり、耐熱性が悪化したりする。
<成形体>
本発明の位相差フィルムは、加熱延伸処理により位相差フィルムとすることのできる成形体を用いて製造する。成形体は、所望の形状であればよいが、フィルム状、シート状および板状など、光学用途に使用できる形状であるのが好ましく、フィルム状およびシート状などがより好ましい。
本発明の位相差フィルムを得るためには、環状オレフィン系付加共重合体からなるフィルムなどの成形体に対して加熱延伸処理を施す工程を要する。
[(Re(nm)/フィルム厚み(nm))/延伸倍率 ]>0.001
ここで、下記式の値αを位相差発現性とする。
α=1000×(Re/フィルム厚み)/延伸倍率
このようにして得られた本発明の位相差フィルムの厚みは、0.1〜150μm、好ましくは10〜150μmである。
本発明の位相差フィルムのイエローインデックス(YI)は、2.0以下、好ましくは1.0以下である。
O、ポリチオフェンおよびポリアニリンなどの導電性膜、二酸化ケイ素、窒化ケイ素および酸化アルミニウムなどのバリアー膜ならびにその他公知のハードコート層、反射防止層、防汚層、赤外線フィルター層、紫外線フィルター層および粘着剤層などを形成してもよい。これらの形成の手段としては、塗布および貼合による方法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法など挙げられる。
本発明に関する環状オレフィン系付加共重合体を延伸してなる位相差フィルムは、優れた透明性および耐熱性ならびに低い吸水性および誘電率を有するため、液晶表示素子、有機EL素子、プラズマディスプレイ、電子ペーパー、偏向フィルムおよび位相差フィルムなどの光学材料として好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、環状オレフィン系付加共重合体の分子量、ガラス転移温度、フィルムの透明性および位相差などの各種性状は、下記の方法で求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置(昭和電工(社)製Shodex GPC−101)により、THFを溶媒として測定し、標準ポリスチレン換算により分子量を求めた。
粘弾性測定装置(ティー・エー・インスツルメント・ジャパン製)を用い、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、引張モードで貯蔵弾性率(E')および損失弾性率(E")から導かれるTanδ(=E"/E')のピーク温度を共重合体のガラス転移温度とした。
重合反応溶液の一部を採取し、過剰のイソプロパノールで重合体を凝固した上澄みをガスクロマトグラフィ(島津製作所製GC−14B;キャピラリーカラム(膜厚1μm、内径0.25mmおよび長さ60m))により分析し、残留する単量体を定量することで、組成を算出した。
膜厚100μmのフィルムについて、可視・紫外分光光度計(日立製U−2010 Spectro Photo Meter)により、波長400nmでの光線透過率を測定した。
膜厚100μmのフィルムについて、Haze−Gard plus(BYK−Gardner製)を用い、JIS K7105に準じて測定した。
膜厚100μmのフィルムについて、TCSII分光測色計(BYK−Gardner製)を用い、ASTM D1925に準じて測定した。
RETS−1200VA(大塚電子株式会社製)により位相差を測定した。
(8)残留溶媒量(残留溶媒濃度)
ガスクロマトグラフ(GC)装置(島津製作所製GC−2100型)で、キャピラリー
カラム(ジーエルサイエンス(株)製TC−1)を用い、フィルム中の有機溶剤を塩化メチレンで抽出して測定した。残留溶媒量は検量線法にて決定した。
1リットルのステンレス製反応器に窒素雰囲気下で脱水したトルエン520g、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン83g(0.55mol)および5−デシ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを70g(0.30mol)仕込み、撹拌し
ながらエチレンを0.025MPaとなるまで導入した。容器内を30℃に昇温し、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)(3.40×10−3mmol)のトルエン溶液およびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(3.40×10−3mmol)のトルエン溶液を加えて重合を開始した。重合を計12時間行った結果、未反応の単量体の定量結果から、転化率は99%、共重合体中の5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン含量は34モル%と計算された。トルエンで希釈した反応溶液を4リットルのイソプロピルアルコールで凝固し、ついで真空下で加熱乾燥し151gの共重合体Aを得た。共重合体AのMnは82,000、Mwは283,000およびガラス転移温度は205℃であった。
1リットルのステンレス製反応器に窒素雰囲気下で脱水したトルエン450g、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.15mol)の乾燥トルエン溶液を21.3ml、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを69g(0.46mol)および5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを65g(0.28mol)仕
込み、撹拌しながらエチレンを0.037MPaとなるまで導入した。容器内を50℃に昇温し、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)(3.08×10−3mmol)のトルエン溶液およびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(3.08×10−3mmol)のトルエン溶液を加えて重合を開始した。重合開始後90分および210分経過した際に、上記ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンのトルエン溶液をそれぞれ4.00mlおよび1.33ml添加し、重合を計6時間行った結果、未反応の単量体の定量結果から、転化率は99%、共重合体中の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン含量は50モル%、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン含量は29モル%と計算された。トルエンで希釈した反応溶液を4リットルのイソプロピルアルコールで凝固し、ついで真空下で加熱乾燥し151gの共重合体Bを得た。共重合体BのMnは55,000、Mwは208,000およびガラス転移温度は193℃であった。
1リットルのステンレス製反応器に窒素雰囲気下で脱水したトルエン600g、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.50mol)の乾燥トルエン溶液を72.1mlおよび5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを50g(0.33mol)仕込み、撹拌しながらエチレンを0.069MPaとなるまで導入した。容器内を50℃に昇温し、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)(1.66×10−3mmol)のトルエン溶液およびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1.66×10−3mmol)のトルエン溶液を加えて重合を開始した。重合を計7時間行った結果、未反応の単量体の定量から転化率は99%、共重合体中の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン含量は39モル%と計算された。トルエンで希釈した反応溶液を4リットルのイソプロピルアルコールで凝固し、ついで真空下で加熱乾燥し96gの共重合体Cを得た。共重合体CのMnは45,000、Mwは192,000およびガラス転移温度は268℃であった。
共重合体A100重量部に対し、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート0.5重量部およびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイト0.5重量部を、トルエン350重量部に溶解した。この溶液を25℃でキャストし、残存溶媒濃度が15重量%となるまで徐々に溶剤を蒸発させた後、支持体から剥離し、続いて100℃にて180分間真空で保持し、残存溶媒濃度が0.1重量%、厚さ110μmのフィルムAを得た。
共重合体A100重量部に対し、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート0.5重量部およびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイト0.5重量部を、トルエン350重量部に溶解した。この溶液を25℃でキャストし、残存溶媒濃度が13重量%となるまで徐々に溶剤を蒸発させた後、支持体から剥離し、続いて100℃にて120分間真空で保持し、残存溶媒濃度が0.1重量%、厚さ144μmのフィルムBを得た。
共重合体A100重量部に対し、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート0.5重量部およびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイト0.5重量部を混合し、続いて単軸押出機により樹脂温度275℃で押し出し、フィルム化し、厚さ109μmのフィルムCを得た。
共重合体B100重量部に対し、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート0.5重量部およびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイト0.5重量部を、トルエン350重量部に溶解した。この溶液を25℃でキャストし、残存溶媒濃度が15重量%となるまで徐々に溶剤を蒸発させた後、支持体から剥離し、続いて100℃にて180分間真空で保持し、残存溶媒濃度が0.1重量%、厚さ77μmのフィルムDを得た。
共重合体C100重量部に対し、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート0.5重量部およびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイト0.5重量部を、トルエン350重量部に溶解した。この溶液を25℃でキャストし、残存溶媒濃度が15重量%となるまで徐々に溶剤を蒸発させた後、支持体から剥離し、続いて180℃にて90分間窒素下で保持し、残存溶媒濃度が0.1重量%、厚さ86μmのフィルムEを得た。
フィルムAをテンター内で、179℃(共重合体AのTg−26℃)に加熱して、延伸速度120%/分で1.52倍に延伸した後、室温まで冷却し、位相差フィルムA−1を得た。このフィルムA−1の加熱延伸処理後の分光光線透過率、ヘイズ、波長550nmにおける位相差値および厚みを測定した。これらの結果を表1に示す。このときの分光光線透過率は91%、ヘイズは0.3%、YIは0.4、波長550nmにおける位相差値は314nmとなり良好な結果を示した。また、厚さは96μmであった。
フィルムAをテンター内で、159℃(共重合体AのTg−46℃)に加熱して、延伸速度120%/分で1.59倍に延伸した後、室温まで冷却し、位相差フィルムA−2を作製した以外は実施例1と同様の方法で測定を行った。これらの結果を表1に示す。このときの分光光線透過率は91%、ヘイズは0.4%、YIは0.4および波長550nmにおける位相差値は386nmであり、良好な結果を示した。また、厚さは88μmであった。
フィルムBをテンター内で、149℃(共重合体AのTg−56℃)に加熱して、延伸速度120%/分で2.43倍に延伸した後、室温まで冷却し、位相差フィルムB−1を作製した以外は実施例1と同様の方法で測定を行った。これらの結果を表1に示す。このときの分光光線透過率は91%、ヘイズは0.4%、YIは0.4および波長550nmにおける位相差値は697nmであり、良好な結果を示した。また、厚さは101μmであった。
フィルムCをテンター内で、159℃(共重合体AのTg−46℃)に加熱して、延伸速度120%/分で1.50倍に延伸した後、室温まで冷却し、位相差フィルムC−1を作製した以外は実施例1と同様の方法で測定を行った。これらの結果を表1に示す。このときの分光光線透過率は91%、ヘイズは0.5%、YIは0.5および波長550nmにおける位相差値は344nmであり、良好な結果を示した。また、厚さは92μmであった。
フィルムDをテンター内で、158℃(共重合体CのTg−35℃)に加熱して、延伸速度120%/分で1.56倍に延伸した後、室温まで冷却し、位相差フィルムD−1を作製した以外は実施例1と同様の方法で測定を行った。これらの結果を表1に示す。このときの分光光線透過率は91%、ヘイズは0.7%、YIは0.4および波長550nmにおける位相差値は326nmであり、良好な結果を示した。また、厚さは63μmであった。
フィルムEをテンター内で、235℃(共重合体DのTg−33℃)に加熱して、延伸速度120%/分で1.63倍に延伸した後、室温まで冷却し、位相差フィルムE−1を得ようとしたが、酸化劣化によりフィルムが着色してしまい、このときの分光光線透過率は75%、ヘイズは0.4%およびYIは6.0となり、位相差フィルムとして評価に耐えられるものが得られなかった。
Claims (7)
- 構造単位(1)および構造単位(2)のモル比(構造単位(1)/構造単位(2))が、10/90〜90/10であり、構造単位(1)および構造単位(2)を、全構造単位中に合計80〜100mol%の量で含有する請求項1に記載の位相差フィルム。
- 延伸温度が、Tg〜(Tg−70)℃(ただし、Tgは、環状オレフィン系付加共重合体のガラス転移温度を表す。)を満たし、延伸倍率が1.1〜3.0倍の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の位相差フィルム。
- フィルムの位相差値(Re)、厚みおよび延伸倍率が下記式を満たす請求項1〜4のいずれかに記載の位相差フィルム。
[(Re(nm)/フィルム厚み(nm))/延伸倍率 ]>0.001 - 環状オレフィン系付加共重合体を延伸してなるフィルムの厚みが0.1〜150μmである請求項1〜3いずれかに記載の位相差フィルム。
- 環状オレフィン系付加共重合体のガラス転移温度(Tg)が120〜250℃であり、数平均分子量が20,000〜200,000の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の位相差フィルム。
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