JP2002015626A - ケーブル - Google Patents
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- JP2002015626A JP2002015626A JP2001022446A JP2001022446A JP2002015626A JP 2002015626 A JP2002015626 A JP 2002015626A JP 2001022446 A JP2001022446 A JP 2001022446A JP 2001022446 A JP2001022446 A JP 2001022446A JP 2002015626 A JP2002015626 A JP 2002015626A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
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- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
での変形時の復元性が高く、成形体との間に高い気密性
を保つことのできるケーブルを提供する。 【解決手段】 絶縁導体を複数本撚り合わせた多芯撚線
(1)の外側に被覆層(2)を設けたケーブル(3)に
おいて、前記被覆層(2)が少なくとも2層からなり、
前記被覆層の中で最外層に隣接する層(2a)を形成す
る樹脂組成物のベース樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸メチル共重合体及びエチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体からなる群から選ばれる少なくとも
1種の樹脂50〜95重量%と、エチレン−プロピレン
共重合ゴム及びエチレン−プロピレン−ブタジエン共重
合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴム5
〜50重量%からなり、前記被覆層の最外層(2b)が
熱可塑性エラストマーをベース樹脂とする樹脂組成物よ
り形成され、前記被覆層を被覆後に架橋処理したケーブ
ル。
Description
ト、電子機器用等に使用されるケーブルに関し、さらに
詳しくは、ケーブルの端末部分と各種センサーや電極端
子等との接続部を気密もしくは水密に保持するためにモ
ールド被覆する樹脂成形体との接着性に優れたケーブル
に関するものである。
もいう)、熱可塑性エステル系エラストマー(以下、T
PEEともいう)、熱可塑性スチレン系エラストマー
(以下、TPSともいう)等の熱可塑性エラストマー
は、優れた機械特性、低温での柔軟性を有することか
ら、これらの熱可塑性エラストマ−またはその樹脂組成
物は自動車、ロボット、電子機器用等に使用されるケー
ブル(電線)の絶縁被覆材料として広く用いられてい
る。このようなケーブルにセンサーなどの機器部品や電
極端子を接続する場合には、その接続部およびその近傍
の周囲を樹脂成形体で気密もしくは水密に被覆して保護
する。この樹脂成形体は、例えば射出成形により成形さ
れる。このような樹脂成形体には、成形のしやすさや機
械的強度に優れることから、ポリブチレンテレフタレー
ト(以下、PBTともいう)樹脂、ポリアミド(以下、
PAともいう)樹脂、TPU樹脂が成形体材料としてよ
く用いられている。さらに接続部樹脂成形体とケーブル
(電線)の最外層との間に気密性もしくは水密性を確保
するためには、樹脂成形体とケーブル(電線)の最外層
が射出成形時の熱と圧力で融着(接着)することが極め
て重要である。このため、ケーブル最外層には、それぞ
れの接続部成形樹脂と融着(接着)しやすいものを選択
する方法がある。例えば、PBTに対してはハードセグ
メントにPBTをもつTPEE、PAに対してはハード
セグメントにPAをもつ熱可塑性ポリアミドエラストマ
ー(以下、TPAEともいう)、TPUに対しては同物
質であるTPUを用いる方法などが挙げられる。これら
のケーブル用被覆材料は、所望の特性を得るため種々の
系や硬度の中から適宜選択すれば良い。また複数をブレ
ンドして用いても良い。
形による成形体でケーブル(電線)の端末部分とセンサ
ーや端子などとの接続部を被覆する場合、成形体射出成
形時に高温高圧となるためにケーブルが変形してしま
う。この変形した状態では、ケーブル最外層の樹脂と接
続部成形体が一見接着しているようでも実際は気密性が
十分に保たれないという問題があった。このような問題
を解決して気密性を確保するためには、ケーブルの被覆
層(被覆材料)を架橋させて、耐加熱変形性を付与し、
ケーブルを変形させない方法が広く知られている。被覆
層を架橋させる方法としては従来公知の電離性放射線に
よる架橋方法や化学架橋法が採用できるが、生産性の点
から電子線等の電離性放射線の照射による架橋方法が好
ましい。しかしながら条件によっては電子線照射による
架橋を行うとケーブル被覆層には強固なネットワーク構
造が形成され熱しても溶融しなくなる場合がある。この
ため樹脂成形材料とケーブル被覆材料との融着が不十分
となり、接続部成形体とケーブルの接着強度が低下する
場合があった。
形体に対する接着性を同時に向上させるには、ケーブル
被覆層を2層以上の構造とし、その内層部分のみに高い
架橋度をもたせ、一方被覆層の外層の架橋度を低く抑え
るという方法がある。このような方法として、1)内層
材料を被覆した後、電子線照射を施して内層材料を架橋
せしめ、さらにその上に外層材料押出被覆する方法と、
2)内層材料にのみ架橋剤として多官能モノマーを配合
して、内層と外層を被覆形成した後で電子線照射を行う
ことにより、外層の架橋度を低く抑えて内層の架橋度を
高くする方法がある。しかし前記1)の方法では、架橋
した内層材料上には外層材料が融着せず、容易に内層と
外層が剥離してしまうという問題があった。また、前記
2)の方法では、従来多官能モノマーとしてトリメチロ
ールプロパントリメタクリレートやトリアリルシアヌレ
ートなどが用いられていたが、これらの多官能モノマー
は常温で液体であって内層材料から外層材料に染み出し
てしまい、その結果、電子線照射時に外層材料の架橋反
応を促進して外層の架橋度が高くなってしまうという問
題があった。また、ケーブルには柔軟性が要求されるた
め、内層には柔軟な材料を用いることも考えられるが、
柔軟性に富む材料の多くは熱や圧力により容易に変形
し、この変形により成形体とケーブルとの間の気密性を
確保しにくくなるという難点がある。一方、耐加熱変形
性に優れた材料を被覆層に用いたケーブルでは、柔軟性
が劣り、また、被覆層が、変形に対する形状復元性が低
いため、やはり所望の気密性を得ることは困難であっ
た。したがって本発明の目的は、被覆層が柔軟性を有
し、かつ、高温、高圧下での変形時の復元性が高く、成
形体との間に高い気密性を保つことのできるケーブルを
提供することにある。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ケーブルの被
覆層を少なくとも2層とし、その最外層には接続部成形
材料と接着力がある熱可塑性エラストマーを用い、一
方、被覆層の最外層に隣接する内層材料にはエチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチ
レン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体及びエチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体からなる群から選ばれる
少なくとも1種の樹脂50〜95重量%と、エチレン−
プロピレン共重合ゴム及びエチレン−プロピレン−ブタ
ジエン共重合ゴムの群から選ばれる少なくとも1種のゴ
ム5〜50重量%をベース樹脂とする樹脂組成物を用
い、被覆後に架橋処理したことを特徴とするケーブル
が、柔軟性を有しながら、優れた形状復元性と成形体を
十分に押し返す力を有することを見いだし、この知見に
基づき本発明をなすに至った。
数本撚り合わせた多芯撚線の外側に被覆層を設けたケー
ブルにおいて、前記被覆層が少なくとも2層からなり、
前記被覆層の中で最外層に隣接する層を形成する樹脂組
成物のベース樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレ
ン−αオレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸メチル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂
50〜95重量%と、エチレン−プロピレン共重合ゴム
及びエチレン−プロピレン−ブタジエン共重合ゴムから
なる群から選ばれる少なくとも1種のゴム5〜50重量
%からなり、前記被覆層の最外層が熱可塑性エラストマ
ーをベース樹脂とする樹脂組成物より形成され、前記被
覆層を被覆後に架橋処理したことを特徴とするケーブ
ル、(2)前記最外層に隣接する層のベース樹脂中のエ
チレン−プロピレン−ブタジエン共重合ゴムが、不飽和
カルボン酸で変性されていることを特徴とする(1)項
記載のケーブル、(3)前記最外層に隣接する層を形成
する樹脂組成物がベース樹脂100重量部に対し多官能
モノマーを0.5〜10重量部含有することを特徴とす
る(1)又は(2)項記載のケーブル、(4)前記多官
能モノマーが1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒド
ロ−s−トリアジンであることを特徴とする(3)項記
載のケーブル、及び(5)前記最外層に隣接する層を形
成する樹脂組成物がベース樹脂100重量部に対しカー
ボンを5〜25重量部含有することを特徴とする(1)
〜(4)項のいずれか1項記載のケーブルを提供するも
のである。なお、本発明において「最外層」とは、複数
の被覆層のうち多芯撚線から最も離れた層をいう。
導体を撚り合わせた多芯撚線上に設ける被覆層は2層以
上の複数層とする。この複数層からなる被覆層を形成す
るためには、同時押出被覆をすることもできるし、内層
を被覆した後に次の外層を順次被覆しても良い。その際
少なくとも、被覆層の中で最外層に接する内層(以下単
に内層ともいう)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレ
ン−αオレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸メチル共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂
50〜95重量%と、エチレン−プロピレン共重合ゴム
及びエチレン−プロピレン−ブタジエン共重合ゴムから
なる群から選ばれる少なくとも1種のゴム5〜50重量
%をベース樹脂とする樹脂組成物(a)で形成される。
さらに、被覆層の最外層は熱可塑性エラストマーをベー
ス樹脂とする樹脂組成物(b)により形成される。
1は本発明のケーブルの一実施形態を示す概略断面図で
ある。図中、1は多芯撚線で、該多芯撚線1は導体(例
えば外径0.18mmφの錫メッキ軟銅線を20本撚り
合わせて導体径1mmφに仕上げた撚線導体)1aの上
に、ポリエチレン樹脂組成物、ポリ塩化ビニル樹脂組成
物等からなる絶縁層1bを設けた絶縁導体を複数本(図
1では2本)を撚り合わせた構成となっている。2は多
芯撚線1を被覆した被覆層で、該被覆層2は複数層(図
1では2a、2bの2層)からなり、内層2aは被覆層
2中で最外層2bに接する層であり、前記樹脂組成物
(a)の架橋体で形成されている。3はこのような構造
を有するケーブルである。さらに本発明のケーブルにお
いては、多芯撚線上に設けられる被覆層中の最外層に隣
接する内層が特定の多官能モノマーを含有する樹脂組成
物によって形成されている場合には、架橋度が高く、ケ
ーブルの耐加熱変形性の向上に寄与するため好ましい。
さらに、この多官能モノマーは融点が高く射出成形時の
高温高圧条件下においても外層材に染み出さないために
外層材の架橋度を低く抑えて外層が成形体材料と融着す
る性質を維持させることができるので、得られるケーブ
ルは成形体との接着性が高いものとなる。
内層に用いられる樹脂組成物(a)のベース樹脂は、柔
軟性や機械的強度、低温柔軟性に優れていることから、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAともい
う)、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、
エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−(メタ)
アクリル酸メチル共重合体、及びエチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1
種を用いる。ここでエチレン−αオレフィン共重合体と
しては、エチレンとプロピレン、1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
デセン、1−ドデセンなどのαオレフィンの少なくとも
1種との共重合体を挙げることができる。これらの樹脂
のみを樹脂組成物(a)のベース樹脂として用いた場
合、射出成形時の高温高圧によりケーブルが変形したま
まの形状を保持し、成形終了後もケーブルが接続部成形
体を押し返す十分な力(以下、反発力という)がなく、
目的の気密性が得られないが、これらの樹脂とエチレン
−プロピレン共重合ゴム及びエチレン−プロピレン−ブ
タジエン共重合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも
1種のゴムをベース樹脂に含有させることにより、ケー
ブルの柔軟性を確保しつつ被覆層の形状復元性と反発力
を向上させることができるため、成形体とケーブルの間
の気密性を向上させることができる。特にエチレン−プ
ロピレン−ブタジエン共重合ゴムを用いた場合には、電
子線照射による架橋が可能で、エチレン−プロピレン共
重合ゴムを用いた場合よりさらに高い耐加熱変形性と反
発力を発現させることができる。またさらに、不飽和カ
ルボン酸(特に好ましくは無水マレイン酸)で変性され
たエチレン−プロピレン−ブタジエン共重合ゴムを用い
た場合には、無変性のものよりも形状復元性が高く、反
発力が大きいばかりでなく、このような特性が長時間維
持されることが確認されている。このような変性EPD
Mとしては、「ロイヤルタフ」(商品名、ユニロイヤル
ケミカル社製)が挙げられる。不飽和カルボン酸の変性
率については、ケーブルの必要特性に応じ適宜選択すれ
ばよい。変性率が高いと抗張力や耐加熱変形性が向上す
るが、高すぎるとケーブルの柔軟性や伸びが低下するこ
とがある。
形成する樹脂組成物(a)のベース樹脂100重量%の
うち、EVA、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びエチレ
ン−αオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1
種を50〜95重量%、エチレン−プロピレン共重合ゴ
ム及びエチレン−プロピレン−ブタジエン共重合ゴムか
ら選ばれる少なくとも1種を5〜50重量%とする。前
記ゴム成分が5重量%未満の場合は、ケーブル被覆層の
形状復元性と反発力が小さく、ケーブルと成形体の気密
性を十分に確保できない。また、ゴム成分を50重量%
より多く添加してもケーブル被覆層の復元性や反発力は
飽和して向上が認められないばかりか、ケーブル被覆層
の押出成形時の押出負荷が高くなって生産性が著しく低
下する。前記ゴム成分の使用量は、ベース樹脂中10〜
30重量%が好ましい。
(a)に、多官能モノマーを、ベース樹脂100重量部
に対し0.5〜10重量部を添加することにより、内層
材料の架橋度が向上し、射出成形時の高温高圧に対して
変形しにくく、かつ、形状復元性や反発力が高いうえ、
耐熱性や機械的強度に優れたケーブルとすることができ
る。多官能モノマーとしては、隣接する層、特に被覆層
の最外層への染みだしを防ぐ目的から融点が好ましくは
40℃以上、さらに好ましくは52℃以上のものを用い
る。多官能モノマーの融点が低すぎる場合、多官能モノ
マーが外層材料へ染みだして外層材料の架橋反応を促進
し、ケーブルと成形体との接着性が著しく低下すること
がある。このような多官能モノマーとしては、1,3,
5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ
アクリレート、ジンクジメタアクリレート、N,N’−
m−フェニレンビスマレイミドなどが例として挙げられ
る。特に1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−
s−トリアジンは他の多官能モノマーよりも高い架橋効
率を有し、これを含んだ樹脂組成物(a)により形成さ
れる層の耐加熱変形性を著しく向上させることができる
ので好ましい。
樹脂組成物(a)中、ベース樹脂100重量部に対し
0.5〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜
5重量部である。多官能モノマーの配合量が少なすぎる
と、内層材料の架橋反応が促進されずケーブルの耐熱性
や機械的強度が向上しない。一方、多すぎる場合には、
架橋反応の促進効果が飽和したり、逆に架橋度が高くな
りすぎてケーブルの低温での柔軟性が損なわれたりする
場合があり、また、コスト的にも望ましくない。またさ
らに、内層の樹脂組成物(a)にカーボンを、ベース樹
脂100重量部に対し5〜25重量部含有させることに
より、内層材料の抗張力、伸び、耐摩耗性等の機械的強
度を向上させることができるばかりでなく、ケーブル被
覆層の復元性や反発力が向上する。カーボンが少なすぎ
ると前述の機械的強度や反発力の向上が認められず、ま
た、多すぎると上記効果が飽和するうえケーブル被覆層
の押出成形時に押出負荷が高くなって生産性が著しく低
下し、さらに完成品の低温での柔軟性が損なわれること
がある。本発明のケーブルにおいて、多芯撚線を被覆後
に被覆層を架橋させる方法としては、生産性の点から、
従来公知の電子線等電離性放射線の照射による架橋方法
が好ましい。電子線の照射量としては、5〜20Mra
dが適当である。
る樹脂組成物(b)のベース樹脂である熱可塑性エラス
トマーは、低温での柔軟性、機械的強度、耐油耐薬品性
に優れた樹脂である。このようなものとしてはTPU、
TPEE、TPSE、TPAEなどが例として挙げられ
る。これらはケーブルの必要特性に応じて1種または複
数種を混和したものを適宜選択して使用できるが、ケー
ブルの可撓性や機械的強度を考慮すると硬度ショアAで
75〜98を有するものが望ましい。本発明において用
いられる熱可塑性ポリウレタン(TPU)樹脂として
は、ポリエステル系ウレタン樹脂(アジペート系、カプ
ロラクトン系、ポリカーボネイト系)、ポリエーテル系
ウレタン樹脂が挙げられ、耐水性、耐カビ性などの点で
ポリエーテル系ウレタン樹脂が好ましい。また、熱可塑
性ポリウレタンの硬さ(タイプAデュロメーター、9.
8N(1kgf))は90以下が好ましい。
ステルエラストマー(TPEE)の例としては、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリブチレンイソフタレート等
の芳香族ポリエステルからなるハードセグメントと、ポ
リテトラメチレングリコール等の脂肪族ポリエーテルか
らなるソフトセグメントとのブロック共重合体が挙げら
れる。このような熱可塑性ポリエステルエラストマーと
しては、例えば、「ハイトレル」(商品名、東レデュポ
ン社製)、「ペルプレン」(商品名、東洋紡績社製)な
どが市販されており、市販品の各社グレードから適宜選
択して使用することができる。
チレンエラストマー(TPSE)の例としては、スチレ
ン(S)とブタジエン(B)からなるSB系ブロック共
重合体や、それらのブタジエンブロック中の不飽和二重
結合を水素添加により飽和させたSEB系ブロック共重
合体、スチレン(S)とエチレン−プロピレン(EP)
からなるSEP系ブロック共重合体などが挙げられ、こ
の他、スチレン(S)とブタジエン(B)のランダム共
重合体の末端部分をスチレンブロックとし、それを水素
添加したSEB系ブロック共重合体などについても使用
が可能である。このようなものとしては、「クレイト
ン」(商品名、シェル化学社製)、「タフプレン」「ア
サプレン」「タフテック」(商品名、旭化成社製)、
「セプトン」(商品名、クラレ社製)、「ダイナロン」
(商品名、日本合成ゴム社製)などが市販されており、
市販品の各種グレードから適宜選択して使用することが
できる。
ミドエラストマー(TPAE)の例としては、ポリアミ
ドをハードセグメントとするブロック共重合体であり、
ソフトセグメントとしてポリエーテルを有するものなど
が挙げられる。このようなものとしては、例えば、「ペ
バックス」(商品名、東レ社製)などが市販されてお
り、市販品の各種グレードから適宜選択して使用するこ
とができるがケーブルの柔軟性と耐熱性を考慮すると硬
度80〜90(ショアA)を有するものを用いることが
好ましい。
高めたい場合には、成形体樹脂と相溶性の良い熱可塑性
エラストマーをケーブル被覆層の最外層の樹脂組成物
(b)に用いることが好ましい。例えば、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)を成形体材料とする場合には
PBTをハードセグメントとするTPEEをケーブル最
外層に、ポリアミド(PA)を成形体材料とする場合に
はポリアミドをハードセグメントとするTPAEをケー
ブル最外層に使用すると良い。本発明において、被覆層
最外層の肉厚は、成形体とケーブル被覆材との接着性を
十分に保つために0.2mm以上、また、耐加熱変形性
を十分確保するために0.7mm以下の範囲に設定する
のが好ましい。また、最外層に隣接する内層の肉厚は、
0.5mm以上が好ましく、さらに好ましくは0.5〜
2.2mmとする。本発明において、ケーブルの被覆層
を3層以上の構造とすることもできるが、この場合、少
なくとも被覆層の最外層を前記樹脂組成物(b)で、最
外層に接する内層を前記樹脂組成物(a)で形成すれば
よい。前記内層よりもさらに内側(多芯撚線側)の各層
は特に制限はないが、例えば前記内層と接着性のよい熱
可塑性樹脂からなる樹脂組成物で形成することができ
る。
外層とそれに接する内層)を構成する樹脂組成物には、
絶縁電線やケーブルにおいて、一般的に使用されている
各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難
燃剤、分散剤、着色剤、充填剤、滑剤等を本発明の目的
を損なわない範囲で適宜配合することができる。特に自
動車用途では難燃剤を添加することが好ましい。酸化防
止剤としては、4, 4' −ジオクチル・ジフェニルアミ
ン、N, N' −ジフェニル−p−フェニレンジアミン、
2, 2, 4−トリメチル−1, 2−ジヒドロキノリンの
重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル
−テトラキス(3−(3, 5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−
3−(3, 5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、1, 3, 5−トリメチル−2,
4, 6−トリス(3, 5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、
ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピ
オニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィ
ド、2−メルカプトベンヅイミダゾールおよびその亜鉛
塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル
−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤など
が挙げられる。
(3−(3, 5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロ
イル)アミノ−1, 2, 4−トリアゾール、2, 2' −
オキサミドビス−(エチル3−(3, 5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが
挙げられる。難燃剤としては、テトラブロモビスフェノ
ールA(TBA)、デカブロモジフェニルオキサイド
(DBDPO)、オクタブロモジフェニルエーテル(O
BDPE)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBC
D)、ビストリブロモフェノキシエタン(BTBP
E)、トリブロモフェノール(TBP)、エチレンビス
テトラブロモフタルイミド、TBA・ポリカーボネイト
オリゴマー、臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ、エ
チレンビスペンタブロモジフェニール、塩素化パラフィ
ン、ドデカクロロオクタンなどのハロゲン系難燃剤、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機系難
燃剤、リン酸化合物、ポリリン酸酸化物、赤リン化合物
などのリン系難燃剤などが挙げられる。さらに難燃
(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜
鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリ
ブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、
タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ほう酸亜
鉛、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
説明する。 (実施例1〜19、参考例1)導体(導体径1mmφの
錫メッキ軟銅撚線 構成20本/0.18mmφ)の上
に、低密度ポリエチレンを外径1.7mmとなるように
押出被覆し、これに加速電圧500keV、照射量20
Mradの電子線を照射して架橋ポリエチレン絶縁層を
有する絶縁体を得、この絶縁導体を2本撚り合わせた多
芯撚線を用意した。次いで、上記多芯撚線上に、40m
mφ押出機(L/D=25)を用い、ダイス温度180
℃、以下フィーダー側へ、C3=170℃、C2=16
0℃、C1=140℃の条件により、表中に示す内層用
の樹脂組成物を外径が4.2mmφとなるように押出被
覆して内層被覆層を形成し、さらに、その上に表中に示
した外層樹脂組成物を外径5.0mmφとなるように内
層と同条件で押出被覆した。次いで、押出被覆後さらに
加速電圧750keV、照射量10Mradの電子線照
射を行い被覆層を架橋させて、図1に示すような被覆層
が2層からなるケーブルを得た。なお表中、内層及び外
層用樹脂組成物の各成分の使用量を重量部で示した。得
られた各ケーブルについて、下記の試験方法で各種の特
性を評価し、その結果も表1〜5に示した。
2b)および1bを除去して導体1aを露出させ、その
端部に電極端子5を接続した。次いで、接続部とその近
傍周囲をPBT樹脂によるモールド(射出成形)によ
り、コネクター4で覆った。コネクター部分を固定し、
定速型引張試験装置を用いて速度50mm/分でケーブ
ル部分を引き抜きその最大強度を測定した。 2)ヒートサイクル 1)で作製したサンプルを図3に示すような冷熱サイク
ルにかけた(縦軸は温度、横軸は時間を示し、4時間の
1サイクルを示す)。100サイクルまたは500サイ
クル実施し、それぞれサンプルを取り出し、図4に示す
ように、ケーブル13のコネクター14側を封止15で
封止し、水を入れた水槽11に入れ、もう一方の端末か
ら19.6N(2kgf)/cm2の圧縮空気を5分間
送り込んだ。その間にコネクター14付近より気泡12
が生じないものを合格とし、その合格数/試験数を示し
た。 3)成形体との接着強度(対PA) コネクター成形樹脂をPAに変更した以外は1)と全く
同様にして試験を行った。
く同様にして試験を行った。 5)低温巻き付け ケーブルを−65℃の雰囲気中に4時間以上放置した
後、その雰囲気中で12.5mmφのマンドレルに3タ
ーン以上巻き付けて被覆層の外観を目視で観察し、割れ
が生じなかったものを合格とした。 6)内層材料のゲル分率 ケーブルより内層材料のみを採取し、キシレンを用い1
10℃で24時間抽出した後の不溶分をゲル分率として
抽出前の重量に対する百分率で示した。 7)外層材料のゲル分率 ケーブルより外層材料のみを採取し、外層材料にTPU
を用いた場合には、ジメチルホルムアミド、その他の場
合にはキシレンを用い110℃で24時間抽出した後の
不溶分をゲル分率として抽出前の重量に対する百分率で
示した。TPUとその他の樹脂との混和物の場合はキシ
レンで抽出した後十分に乾燥し再度ジメチルホルムアミ
ドでそれぞれ110℃で24時間抽出した。 8)耐加熱変形性 JIS C 3005に準拠し、導体・絶縁層を含むケ
ーブルの状態で温度120℃、荷重19404N(19
80gf)で測定を行った。表に示した数値が小さいほ
うが加熱による変形が少ないことを示す。 9)反発力 長さ30mmのケーブルを490N(50kgf)の反
発力になるまで図5に示すように変形させ、その変形量
のまま15分放置したときの反発力を測定した。 10)復元量 9)の測定後、無荷重の状態で1分間放置し、有荷重の
状態から復元した量を測定し、図6に示す量を復元量と
した。 11)耐摩耗性 JASO D 608に準拠して、長さ約900mmの
試料をとり、23±5℃の室温でJIS R 6251
に規定する150番Gの摩耗テープに接するように、図
7のように試料を固定し450gのおもりを加え150
0mm/分の速さでテープを移動し、導体とテープが接
触するまでのテープの長さを読みとった。1箇所の測定
を行った後、試料を25mm移動し、時計方向に90度
回転させて固定し、上記の試験を行った。このようにし
て、1試料に対して8個の測定値を読みとり、平均値を
求めた。次に8個の測定値のうち平均値以下の測定値を
再平均し、この値を摩耗抵抗値とした。
使用した。 (1)TPU:熱可塑性ポリウレタン エーテル系 レザミンP−2088(商品名、大日精化工業社製) (2)TPEE:熱可塑性エステル系エラストマー ハイトレル2300X06(商品名、東レデュポン社
製) (3)TPAE:熱可塑性ポリアミドエラストマー ペバックス4033SAOO(商品名、東レ社製) (4)TPSE:熱可塑性スチレン系エラストマー セプトン2007(商品名、クラレ社製) (5)EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体 エバフレックス270(商品名、三井デュポンポリケミ
カル社製) (6)EEA:エチレン−アクリル酸エチル共重合体 NUC6510(商品名、日本ユニカー社製) (7)EMA:エチレン−アクリル酸メチル共重合体 ユカロンEMA XG−500M(商品名、三菱油化社
製) (8)EAA:エチレン−アクリル酸共重合体 ユカロンEAA A200K(商品名、三菱油化社製) (9)エチレン−αオレフィン共重合体 エンゲージCL−8003(商品名、ダウケミカル社
製)
重合ゴム EP−07(商品名、JSR社製) (11)EPDM:エチレン−プロピレン−ブタジエン
共重合ゴム EP−57(商品名、JSR社製) (12)EPDM−MAH:無水マレイン酸変性エチレ
ン−プロピレン−ブタジエン共重合ゴム ロイヤルタフ498(商品名、ユニロイヤルケミカル社
製) (13)1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−
s−トリアジントリアクリルホルマール TAF(商品名、ダイトーケミックス社製) 融点154℃ (14)トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ートトリアクリレート SR−368(商品名、日本化薬社製) 融点52℃ (15)ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート) イルガノックス1010(商品名、チバガイギー社製)
EVAのみとした参考例1のケーブルは、反発力と復元
量が低く、また、接着性が長時間維持されず、PBT、
PA、TPUのいずれに対しても500サイクルのヒー
トサイクル試験で合格数が0となっている。これに対し
表1〜4に示した各実施例のケーブルは低温巻き付けに
おいて押出成形性が高く割れの発生がなく、さらに接着
性、耐加熱変形性、反発力、復元力のいずれも高く、優
れた気密性を長時間にわたって発揮しうるものであるこ
とがわかる。内層材料にカーボンを含有させた実施例1
8及び19については、さらに耐摩耗性が極めて高い。
なお、各実施例のケーブルはいずれも、通常ケーブルに
要求される柔軟性を有するものであった。
レイン酸変性EPDM 55重量%、EVA 45重量
%とした以外は実施例5と全く同様にしてケーブルを作
製した。この場合は、押出負荷が大きくなって生産性は
極めて低下した。また、製造されたケーブルを用いて実
施例1〜19、参考例1と同様の試験を行ったところ、
低温巻き付けの試験で合格数が0となった。この結果よ
り、ゴム成分の含有量が多すぎると低温での柔軟性が損
なわれ、低温環境下での信頼性が著しく損なわれること
がわかる。
機械特性に優れ、被覆層の最外層が接続部成形体と良好
な接着状態を示し、しかも被覆層の最外層と隣接する内
層が、ケーブルが変形しても十分な形状復元性を有す
る。したがってケーブルを接続部成形体の射出成形時に
変形させても高い気密性を保持することができ、温度変
化や経時による気密性の低下も低減させることができる
という優れた効果を奏する。以上から本発明のケーブル
は、温度変化が大きかったり耐水性が要求されたりする
厳しい環境下で用いられる車両用もしくは電気・電子機
器用の配線材としても高い信頼性を有し、非常に有用な
ものである。
ある。
着強度試験の説明図である。
冷熱サイクルを示すグラフである。
説明図である。
ある。
ある。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 絶縁導体を複数本撚り合わせた多芯撚線
の外側に被覆層を設けたケーブルにおいて、前記被覆層
が少なくとも2層からなり、前記被覆層の中で最外層に
隣接する層を形成する樹脂組成物のベース樹脂が、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体及び
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体からなる群から
選ばれる少なくとも1種の樹脂50〜95重量%と、エ
チレン−プロピレン共重合ゴム及びエチレン−プロピレ
ン−ブタジエン共重合ゴムからなる群から選ばれる少な
くとも1種のゴム5〜50重量%からなり、前記被覆層
の最外層が熱可塑性エラストマーをベース樹脂とする樹
脂組成物より形成され、前記被覆層を被覆後に架橋処理
したことを特徴とするケーブル。 - 【請求項2】 前記最外層に隣接する層のベース樹脂中
のエチレン−プロピレン−ブタジエン共重合ゴムが、不
飽和カルボン酸で変性されていることを特徴とする請求
項1記載のケーブル。 - 【請求項3】 前記最外層に隣接する層を形成する樹脂
組成物がベース樹脂100重量部に対し多官能モノマー
を0.5〜10重量部含有することを特徴とする請求項
1又は2記載のケーブル。 - 【請求項4】 前記多官能モノマーが1,3,5−トリ
アクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジンであること
を特徴とする請求項3記載のケーブル。 - 【請求項5】 前記最外層に隣接する層を形成する樹脂
組成物がベース樹脂100重量部に対しカーボンを5〜
25重量部含有することを特徴とする請求項1〜4のい
ずれか1項記載のケーブル。
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