JP2004186011A - 難燃電線・ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】特性や取り扱い性の向上を図ることが可能な難燃電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】被覆最外層14は、熱可塑性スチレン系エラストマー5〜35重量%、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴム5〜15重量%、プロセスオイル5〜25重量%、金属水酸化物35〜65重量%を配合するとともに、架橋剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物からなる。また、被覆内層15は、オレフィン系樹脂45〜75重量%、金属水酸化物25〜55重量%を配合するとともに、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】被覆最外層14は、熱可塑性スチレン系エラストマー5〜35重量%、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴム5〜15重量%、プロセスオイル5〜25重量%、金属水酸化物35〜65重量%を配合するとともに、架橋剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物からなる。また、被覆内層15は、オレフィン系樹脂45〜75重量%、金属水酸化物25〜55重量%を配合するとともに、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物からなる。
【選択図】 図1
Description
【0001 】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車や屋内配線等、様々な分野に使用され、被覆が少なくとも二層で構成された難燃電線・ケーブルに関する。
【0002 】
【従来の技術】
被覆が少なくとも二層で構成されたケーブルとしては、例えば図4に示されるようなものが知られている(例えば特許文献1参照)。図4において、引用符号1で示されるケーブルは、絶縁線心2と、その絶縁線心2を被覆する被覆3とを備えて構成されている。絶縁線心2は、導体4の上に絶縁体5を被覆して形成されている。導体4は撚線導体であり、絶縁体5はポリ塩化ビニル樹脂組成物等から形成されている。
【0003 】
被覆3は、内層6及び外層7を有する二層構造で形成されている。内層6は、エチレン酢酸ビニル・塩化ビニルグラフト共重合体、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンの群から選ばれた少なくとも一種をベース樹脂とする樹脂組成物、又は、密度が0.86〜0.90g/cm3であるエチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種をベース樹脂とする樹脂組成物から形成されている。外層7は、上記熱可塑性ポリエステルエラストマー5〜40重量%及び熱可塑性スチレン系エラストマー5〜40重量%を樹脂成分として含有する樹脂組成物を適度に架橋して形成されている。
【0004 】
上記構成のケーブル1は、外層7が上記樹脂成分を含有する樹脂組成物から形成されていることから、ケーブル1の端末部分をPBT樹脂やPA樹脂等の熱可塑性樹脂でモールドする際に、ケーブル被覆材とモールド材とが強固に接着され、特別なシール対策を施さなくても、ケーブル1と成形体(不図示)との界面の気密性、水密性が長期にわたって保たれ、ケーブル1内部の導体4の腐食や接続された機械部品の性能劣化が防止される。
【0005 】
【特許文献1】
特開平11−53947号公報 (第3頁、第2図)
【0006 】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ケーブル本来の特性や取り扱い性を考えた場合、外層(最外層)の強度、難燃性、外傷性、摩耗性等の機能は重要である。しかしながら、上記従来技術にあっては、エラストマーが多く難燃剤が少ない配合であることから、ケーブル最外層の機能向上を目的とするには、強度、難燃性が弱くて適さないという問題点を有している。
【0007 】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、特性や取り扱い性の向上を図ることが可能な難燃電線・ケーブルを提供することを課題とする。
【0008 】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、次のような課題解決手段を提案する。すなわち、
(1)被覆最外層と、該被覆最外層の内側直下に形成される被覆内層と、を有する少なくとも二層構造の被覆を備え、前記被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー5〜35重量%、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴム5〜15重量%、プロセスオイル5〜25重量%、金属水酸化物35〜65重量%を配合するとともに、架橋剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤を配合した組成物からなり、前記被覆内層がオレフィン系樹脂45〜75重量%、金属水酸化物25〜55重量%を配合するとともに、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤を配合した組成物からなることを特徴とする難燃電線・ケーブルを提案する(請求項1)。
【0009 】
上記(1)の難燃電線・ケーブルによれば、被覆最外層を熱可塑性スチレン系エラストマーの配合及び架橋体としたことにより、被覆最外層の耐外傷性や耐摩耗性が向上する。また、被覆最外層を架橋体にしたことにより、フレキシブル性が向上し取り扱いがし易くなる。また、耐外傷性や耐摩耗性を向上させたことにより、電線・ケーブル表面の白色化防止に寄与する。また、被覆最外層及び被覆内層に用いられる各組成物の配合を上記のような配合にしたことにより、柔軟で且つ難燃性にも優れ且つノンハロゲンの電線・ケーブルになる。上記(1)の難燃電線・ケーブルとして適用されるものには、絶縁電線や平型ケーブルやトリプレックス形ケーブルなどがある。
【0010 】
ここで、被覆最外層に用いられる組成物に関して言えば、オレフィン系樹脂は、LDPE、LLDPE、メタロセン系PE、EEA、EVA、エチレン−プロピレン共重合体、変性PP等を一種若しくは複数種使用することが可能である。また、プロセスオイルは、パラフィン、ナフテン等を使用することが可能である。また、金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を使用することが可能である。熱可塑性スチレン系エラストマーが5重量%を下回ると、外傷性や摩耗性に影響を来すことになり、熱可塑性スチレン系エラストマーが35重量%を上回ると、その35重量%且つプロセスオイルが15重量%以上となる条件の場合に特性に影響を来すことになる。また、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴムが5重量%を下回ると、抗張力に影響を来すことになる。また、プロセスオイルが25重量%を上回ると、酸素指数に影響を来すことになる。また、金属水酸化物が35重量%を下回ると、酸素指数に影響を来すことになり、金属水酸化物が65重量%を上回ると、NGとならないレベルで外傷性や摩耗性に影響を来すことになる。
【0011 】
被覆内層に用いられる組成物に関して言えば、オレフィン系樹脂は、EEA、EVA、LDPE、LLDPE、PP等を一種若しくは複数種使用することが可能である。また、金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を使用することが可能である。オレフィン系樹脂が45重量%を下回ると、外傷性や摩耗性や抗張力に影響を来すことになり、オレフィン系樹脂が75重量%を上回ると、酸素指数に影響を来すことになる。また、金属水酸化物が25重量%を下回ると、酸素指数に影響を来すことになり、金属水酸化物が55重量%を上回ると、外傷性や摩耗性に影響を来すことになる。
【0012 】
(2)特性や取り扱い性の向上を図ることが可能な上記(1)の難燃電線・ケーブルは、前記被覆最外層が少なくとも0.1mm厚以上であることをより好ましい提案とする(請求項2)。このような提案により、被覆最外層としての強度、難燃性、外傷性、摩耗性をより一層配慮することが可能になる。
【0013 】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の難燃電線・ケーブルの一実施の形態を示す図である。
【0014 】
図1において、引用符号11で示される難燃電線(絶縁電線)は、既知の導体12と、その導体12の上に被覆形成される絶縁体13とを備えて構成されている。絶縁体13は、少なくとも二層構造(ここでは二層で図示した)となるように形成されており、被覆最外層14と、その被覆最外層14の内側直下に形成される被覆内層15とを有している。
【0015 】
被覆最外層14は、熱可塑性スチレン系エラストマー5〜35重量%、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴム5〜15重量%、プロセスオイル5〜25重量%、金属水酸化物35〜65重量%を配合するとともに、架橋剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物からなっている。また、被覆内層15は、オレフィン系樹脂45〜75重量%、金属水酸化物25〜55重量%を配合するとともに、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物からなっている。
【0016 】
被覆最外層14のオレフィン系樹脂としては、LDPE、LLDPE、メタロセン系PE、EEA、EVA、エチレン−プロピレン共重合体、変性PP等が一種若しくは複数種使用されている。また、被覆最外層14のプロセスオイルとしては、パラフィン、ナフテン等が使用されている。また、被覆最外層14の金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が使用されている。一方、被覆内層15のオレフィン系樹脂としては、EEA、EVA、LDPE、LLDPE、PP等が一種若しくは複数種使用されている。また、被覆内層15の金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が使用されている。
【0017 】
難燃電線11は、被覆最外層14を熱可塑性スチレン系エラストマーの配合及び架橋体としたことにより、被覆最外層14の耐外傷性や耐摩耗性を向上させることができる。また、被覆最外層14を架橋体にしたことにより、フレキシブル性を向上させ取り扱いをし易くすることができる。また、耐外傷性や耐摩耗性を向上させたことにより、電線・ケーブル表面の白色化防止に寄与することができる。また、被覆最外層14及び被覆内層15に用いられる各組成物の配合を上記のような配合にしたことにより、柔軟で且つ難燃性にも優れ且つノンハロゲンとなる電線にすることができる。
【0018 】
次に、図2を参照しながら本発明による難燃電線・ケーブルの他の一実施の形態を説明する。図2は他の一実施の形態を示す断面図である。
【0019 】
図2において、引用符号21で示される平型ケーブルは、平行に並んで配置される絶縁線心22、22と、これら絶縁線心22、22の上に被覆形成される被覆23とを備えて構成されている。絶縁線心22は、既知の導体24と、その導体24の上に被覆形成される既知の絶縁体25とを有している。被覆23は、少なくとも二層構造(ここでは二層で図示した)であって、被覆最外層26と、その被覆最外層26の内側直下に形成される被覆内層27とを有している。
【0020 】
被覆最外層26は、上記被覆最外層14と同じ組成物で形成されている。また、被覆内層27も上記被覆内層15と同じ組成物で形成されている。このような平型ケーブル21によれば、上記難燃電線11と同様に特性や取り扱い性の向上を図ることができる。
【0021 】
続いて、図3を参照しながら本発明による難燃電線・ケーブルの更に他の一実施の形態を説明する。図3は他の一実施の形態を示す断面図である。
【0022 】
図3において、引用符号31で示されるトリプレックス形ケーブルは、絶縁線心32と、その絶縁線心32の上に被覆形成される被覆33と、を備えて構成される難燃電線を三本撚り合わせて形成されている。絶縁線心32は、既知の導体34と、その導体34の上に被覆形成される既知の絶縁体35とを有している。また、被覆33は、少なくとも二層構造であって、被覆最外層36と、その被覆最外層36の内側直下に形成される被覆内層37とを有している。
【0023 】
被覆最外層36は、上記被覆最外層14及び上記被覆最外層26と同じ組成物で形成されている。また、被覆内層37も上記被覆内層15及び被覆内層27と同じ組成物で形成されている。このようなトリプレックス形ケーブル31によれば、上記難燃電線11及び上記平型ケーブル21と同様に、特性や取り扱い性の向上を図ることができる。
【0024 】
以上、三つの例を挙げて説明してきたが、これら三つの電線・ケーブルにかかわらず、様々な形態の電線・ケーブルに適用することができるものとする。
【0025 】
【実施例】
〈実施例1〉実施例1は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー25重量%、LLDPE10重量%、変性PP5重量%、パラフィン10重量%、水酸化マグネシウム50重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE25重量%、EEA45重量%、水酸化マグネシウム30重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0026 】
〈実施例2〉実施例2は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー20重量%、LLDPE10重量%、変性PP5重量%、パラフィン10重量%、水酸化マグネシウム55重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE15重量%、EEA50重量%、水酸化マグネシウム35重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0027 】
〈実施例3〉実施例3は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー10重量%、LLDPE10重量%、変性PP5重量%、パラフィン15重量%、水酸化マグネシウム60重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE30重量%、EEA30重量%、水酸化マグネシウム40重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0028 】
〈実施例4〉実施例4は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー5重量%、LLDPE5重量%、変性PP10重量%、パラフィン15重量%、水酸化マグネシウム65重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE15重量%、EEA55重量%、水酸化マグネシウム30重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0029 】
〈比較例1〉比較例1は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー40重量%、パラフィン20重量%、水酸化マグネシウム40重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がEEA70重量%、水酸化マグネシウム30重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0030 】
〈比較例2〉比較例2は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー5重量%、LLDPE5重量%、変性PP5重量%、パラフィン15重量%、水酸化マグネシウム70重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE10重量%、EEA65重量%、水酸化マグネシウム25重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0031 】
上記熱可塑性スチレン系エラストマー(SEPS、SEBS)は、クラレ製のセプトンである。また、上記LLDPEは、日本ポリケム製、日本ユニカー製のLLDPEである。また、上記変性PPは、チッソ製の変性PPである。また、上記パラフィンは、新日本石油化学製のノルマルパラフィンである。また、上記水酸化マグネシウムは、協和化学製のキスマ5Aである。また、上記酸化防止剤は、チバスペシャリティケミカルス製のイルガノックス1010である。また、上記EEAは、日本ユニカー製、日本ポリオレフィン製のEEAである。
【0032 】
上記実施例1〜4、比較例1、2の組成物からなる被覆最外層及び被覆内層を有する難燃電線・ケーブルについて、外傷性、摩耗性、抗張力、酸素指数のそれぞれを測定し、その試験結果を表1に示した。
【0033 】
【表1】
【0034 】
表1中の外傷性に係る試験は、許容側圧150kg/mトリプレックス形ケーブルで被覆最外層が裂けないことを目標にした。また、摩耗性に係る試験は、試料長60cm、重り2kgの条件において、50回転未満で絶縁体が露出しないこと(40℃)を目標にした(日本工業規格JIS C 3005の耐摩耗性試験を準拠)。また、抗張力に係る試験は、10MPa以上を目標にした(日本工業規格JIS C 3005の引張試験を準拠。目標値は電線工業規格)。また、酸素指数に係る試験は、22以上を目標にした(日本工業規格JIS K 7201の試験を準拠)。試験結果は、良い:『○』、普通:『△』、悪い:『×』で表1中に示した。
【0035 】
外傷性についての試験結果を見ると、実施例1〜実施例3は良いの『○』であった。また、実施例4は普通の『△』であった。これに対し、比較例1、2はいずれも普通の『△』であった。
【0036 】
摩耗性についての試験結果を見ると、実施例1〜実施例3は良いの『○』であった。また、実施例4は普通の『△』であった。これに対し、比較例1、2はいずれも普通の『△』であった。
【0037 】
抗張力についての試験結果を見ると、実施例1〜実施例4はいずれも良いの『○』であった。これに対し、比較例1は悪いの『×』であった。また、比較例2は普通の『△』であった。
【0038 】
酸素指数についての試験結果を見ると、実施例1〜実施例4はいずれも良いの『○』であった。これに対し、比較例1、2はいずれも悪いの『×』であった。
【0039 】
比較例1の試験結果を見ると、熱可塑性スチレン系エラストマー及びパラフィンの配合条件により影響が出ている。また、LLDPE、変性PPの配合がないことにより影響が出ている。比較例2の試験結果を見ると、被覆最外層及び被覆内層とも水酸化マグネシウムの配合により影響が出ている。
【0040 】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0041 】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された本発明によれば、特性や取り扱い性の向上を図ることが可能な難燃電線・ケーブルを提供することができるという効果を奏する。
【0042 】
請求項2に記載された本発明によれば、被覆最外層としての強度、難燃性、外傷性、摩耗性をより一層配慮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による難燃電線・ケーブルの一実施の形態を示す断面図(電線の断面図)である。
【図2】本発明による難燃電線・ケーブルの他の一実施の形態を示す断面図(平型ケーブルの断面図)である。
【図3】本発明による難燃電線・ケーブルの更に他の一実施の形態を示す断面図(トリプレックス形ケーブルの断面図)である。
【図4】従来例のケーブルの断面図である。
【符号の説明】
11 難燃電線
12 導体
13 絶縁体
14 被覆最外層
15 被覆内層
21 平型ケーブル
22 絶縁線心
23 被覆
24 導体
25 絶縁体
26 被覆最外層
27 被覆内層
31 トリプレックス形ケーブル
32 絶縁線心
33 被覆
34 導体
35 絶縁体
36 被覆最外層
37 被覆内層
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車や屋内配線等、様々な分野に使用され、被覆が少なくとも二層で構成された難燃電線・ケーブルに関する。
【0002 】
【従来の技術】
被覆が少なくとも二層で構成されたケーブルとしては、例えば図4に示されるようなものが知られている(例えば特許文献1参照)。図4において、引用符号1で示されるケーブルは、絶縁線心2と、その絶縁線心2を被覆する被覆3とを備えて構成されている。絶縁線心2は、導体4の上に絶縁体5を被覆して形成されている。導体4は撚線導体であり、絶縁体5はポリ塩化ビニル樹脂組成物等から形成されている。
【0003 】
被覆3は、内層6及び外層7を有する二層構造で形成されている。内層6は、エチレン酢酸ビニル・塩化ビニルグラフト共重合体、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンの群から選ばれた少なくとも一種をベース樹脂とする樹脂組成物、又は、密度が0.86〜0.90g/cm3であるエチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種をベース樹脂とする樹脂組成物から形成されている。外層7は、上記熱可塑性ポリエステルエラストマー5〜40重量%及び熱可塑性スチレン系エラストマー5〜40重量%を樹脂成分として含有する樹脂組成物を適度に架橋して形成されている。
【0004 】
上記構成のケーブル1は、外層7が上記樹脂成分を含有する樹脂組成物から形成されていることから、ケーブル1の端末部分をPBT樹脂やPA樹脂等の熱可塑性樹脂でモールドする際に、ケーブル被覆材とモールド材とが強固に接着され、特別なシール対策を施さなくても、ケーブル1と成形体(不図示)との界面の気密性、水密性が長期にわたって保たれ、ケーブル1内部の導体4の腐食や接続された機械部品の性能劣化が防止される。
【0005 】
【特許文献1】
特開平11−53947号公報 (第3頁、第2図)
【0006 】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ケーブル本来の特性や取り扱い性を考えた場合、外層(最外層)の強度、難燃性、外傷性、摩耗性等の機能は重要である。しかしながら、上記従来技術にあっては、エラストマーが多く難燃剤が少ない配合であることから、ケーブル最外層の機能向上を目的とするには、強度、難燃性が弱くて適さないという問題点を有している。
【0007 】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、特性や取り扱い性の向上を図ることが可能な難燃電線・ケーブルを提供することを課題とする。
【0008 】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、次のような課題解決手段を提案する。すなわち、
(1)被覆最外層と、該被覆最外層の内側直下に形成される被覆内層と、を有する少なくとも二層構造の被覆を備え、前記被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー5〜35重量%、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴム5〜15重量%、プロセスオイル5〜25重量%、金属水酸化物35〜65重量%を配合するとともに、架橋剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤を配合した組成物からなり、前記被覆内層がオレフィン系樹脂45〜75重量%、金属水酸化物25〜55重量%を配合するとともに、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤を配合した組成物からなることを特徴とする難燃電線・ケーブルを提案する(請求項1)。
【0009 】
上記(1)の難燃電線・ケーブルによれば、被覆最外層を熱可塑性スチレン系エラストマーの配合及び架橋体としたことにより、被覆最外層の耐外傷性や耐摩耗性が向上する。また、被覆最外層を架橋体にしたことにより、フレキシブル性が向上し取り扱いがし易くなる。また、耐外傷性や耐摩耗性を向上させたことにより、電線・ケーブル表面の白色化防止に寄与する。また、被覆最外層及び被覆内層に用いられる各組成物の配合を上記のような配合にしたことにより、柔軟で且つ難燃性にも優れ且つノンハロゲンの電線・ケーブルになる。上記(1)の難燃電線・ケーブルとして適用されるものには、絶縁電線や平型ケーブルやトリプレックス形ケーブルなどがある。
【0010 】
ここで、被覆最外層に用いられる組成物に関して言えば、オレフィン系樹脂は、LDPE、LLDPE、メタロセン系PE、EEA、EVA、エチレン−プロピレン共重合体、変性PP等を一種若しくは複数種使用することが可能である。また、プロセスオイルは、パラフィン、ナフテン等を使用することが可能である。また、金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を使用することが可能である。熱可塑性スチレン系エラストマーが5重量%を下回ると、外傷性や摩耗性に影響を来すことになり、熱可塑性スチレン系エラストマーが35重量%を上回ると、その35重量%且つプロセスオイルが15重量%以上となる条件の場合に特性に影響を来すことになる。また、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴムが5重量%を下回ると、抗張力に影響を来すことになる。また、プロセスオイルが25重量%を上回ると、酸素指数に影響を来すことになる。また、金属水酸化物が35重量%を下回ると、酸素指数に影響を来すことになり、金属水酸化物が65重量%を上回ると、NGとならないレベルで外傷性や摩耗性に影響を来すことになる。
【0011 】
被覆内層に用いられる組成物に関して言えば、オレフィン系樹脂は、EEA、EVA、LDPE、LLDPE、PP等を一種若しくは複数種使用することが可能である。また、金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を使用することが可能である。オレフィン系樹脂が45重量%を下回ると、外傷性や摩耗性や抗張力に影響を来すことになり、オレフィン系樹脂が75重量%を上回ると、酸素指数に影響を来すことになる。また、金属水酸化物が25重量%を下回ると、酸素指数に影響を来すことになり、金属水酸化物が55重量%を上回ると、外傷性や摩耗性に影響を来すことになる。
【0012 】
(2)特性や取り扱い性の向上を図ることが可能な上記(1)の難燃電線・ケーブルは、前記被覆最外層が少なくとも0.1mm厚以上であることをより好ましい提案とする(請求項2)。このような提案により、被覆最外層としての強度、難燃性、外傷性、摩耗性をより一層配慮することが可能になる。
【0013 】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の難燃電線・ケーブルの一実施の形態を示す図である。
【0014 】
図1において、引用符号11で示される難燃電線(絶縁電線)は、既知の導体12と、その導体12の上に被覆形成される絶縁体13とを備えて構成されている。絶縁体13は、少なくとも二層構造(ここでは二層で図示した)となるように形成されており、被覆最外層14と、その被覆最外層14の内側直下に形成される被覆内層15とを有している。
【0015 】
被覆最外層14は、熱可塑性スチレン系エラストマー5〜35重量%、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴム5〜15重量%、プロセスオイル5〜25重量%、金属水酸化物35〜65重量%を配合するとともに、架橋剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物からなっている。また、被覆内層15は、オレフィン系樹脂45〜75重量%、金属水酸化物25〜55重量%を配合するとともに、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物からなっている。
【0016 】
被覆最外層14のオレフィン系樹脂としては、LDPE、LLDPE、メタロセン系PE、EEA、EVA、エチレン−プロピレン共重合体、変性PP等が一種若しくは複数種使用されている。また、被覆最外層14のプロセスオイルとしては、パラフィン、ナフテン等が使用されている。また、被覆最外層14の金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が使用されている。一方、被覆内層15のオレフィン系樹脂としては、EEA、EVA、LDPE、LLDPE、PP等が一種若しくは複数種使用されている。また、被覆内層15の金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が使用されている。
【0017 】
難燃電線11は、被覆最外層14を熱可塑性スチレン系エラストマーの配合及び架橋体としたことにより、被覆最外層14の耐外傷性や耐摩耗性を向上させることができる。また、被覆最外層14を架橋体にしたことにより、フレキシブル性を向上させ取り扱いをし易くすることができる。また、耐外傷性や耐摩耗性を向上させたことにより、電線・ケーブル表面の白色化防止に寄与することができる。また、被覆最外層14及び被覆内層15に用いられる各組成物の配合を上記のような配合にしたことにより、柔軟で且つ難燃性にも優れ且つノンハロゲンとなる電線にすることができる。
【0018 】
次に、図2を参照しながら本発明による難燃電線・ケーブルの他の一実施の形態を説明する。図2は他の一実施の形態を示す断面図である。
【0019 】
図2において、引用符号21で示される平型ケーブルは、平行に並んで配置される絶縁線心22、22と、これら絶縁線心22、22の上に被覆形成される被覆23とを備えて構成されている。絶縁線心22は、既知の導体24と、その導体24の上に被覆形成される既知の絶縁体25とを有している。被覆23は、少なくとも二層構造(ここでは二層で図示した)であって、被覆最外層26と、その被覆最外層26の内側直下に形成される被覆内層27とを有している。
【0020 】
被覆最外層26は、上記被覆最外層14と同じ組成物で形成されている。また、被覆内層27も上記被覆内層15と同じ組成物で形成されている。このような平型ケーブル21によれば、上記難燃電線11と同様に特性や取り扱い性の向上を図ることができる。
【0021 】
続いて、図3を参照しながら本発明による難燃電線・ケーブルの更に他の一実施の形態を説明する。図3は他の一実施の形態を示す断面図である。
【0022 】
図3において、引用符号31で示されるトリプレックス形ケーブルは、絶縁線心32と、その絶縁線心32の上に被覆形成される被覆33と、を備えて構成される難燃電線を三本撚り合わせて形成されている。絶縁線心32は、既知の導体34と、その導体34の上に被覆形成される既知の絶縁体35とを有している。また、被覆33は、少なくとも二層構造であって、被覆最外層36と、その被覆最外層36の内側直下に形成される被覆内層37とを有している。
【0023 】
被覆最外層36は、上記被覆最外層14及び上記被覆最外層26と同じ組成物で形成されている。また、被覆内層37も上記被覆内層15及び被覆内層27と同じ組成物で形成されている。このようなトリプレックス形ケーブル31によれば、上記難燃電線11及び上記平型ケーブル21と同様に、特性や取り扱い性の向上を図ることができる。
【0024 】
以上、三つの例を挙げて説明してきたが、これら三つの電線・ケーブルにかかわらず、様々な形態の電線・ケーブルに適用することができるものとする。
【0025 】
【実施例】
〈実施例1〉実施例1は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー25重量%、LLDPE10重量%、変性PP5重量%、パラフィン10重量%、水酸化マグネシウム50重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE25重量%、EEA45重量%、水酸化マグネシウム30重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0026 】
〈実施例2〉実施例2は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー20重量%、LLDPE10重量%、変性PP5重量%、パラフィン10重量%、水酸化マグネシウム55重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE15重量%、EEA50重量%、水酸化マグネシウム35重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0027 】
〈実施例3〉実施例3は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー10重量%、LLDPE10重量%、変性PP5重量%、パラフィン15重量%、水酸化マグネシウム60重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE30重量%、EEA30重量%、水酸化マグネシウム40重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0028 】
〈実施例4〉実施例4は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー5重量%、LLDPE5重量%、変性PP10重量%、パラフィン15重量%、水酸化マグネシウム65重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE15重量%、EEA55重量%、水酸化マグネシウム30重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0029 】
〈比較例1〉比較例1は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー40重量%、パラフィン20重量%、水酸化マグネシウム40重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がEEA70重量%、水酸化マグネシウム30重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0030 】
〈比較例2〉比較例2は、被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー5重量%、LLDPE5重量%、変性PP5重量%、パラフィン15重量%、水酸化マグネシウム70重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な架橋剤、難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなり、被覆内層がLLDPE10重量%、EEA65重量%、水酸化マグネシウム25重量%、酸化防止剤0.5重量%を配合するとともに、その他必要な難燃助剤、滑剤を適宜配合した組成物からなる。
【0031 】
上記熱可塑性スチレン系エラストマー(SEPS、SEBS)は、クラレ製のセプトンである。また、上記LLDPEは、日本ポリケム製、日本ユニカー製のLLDPEである。また、上記変性PPは、チッソ製の変性PPである。また、上記パラフィンは、新日本石油化学製のノルマルパラフィンである。また、上記水酸化マグネシウムは、協和化学製のキスマ5Aである。また、上記酸化防止剤は、チバスペシャリティケミカルス製のイルガノックス1010である。また、上記EEAは、日本ユニカー製、日本ポリオレフィン製のEEAである。
【0032 】
上記実施例1〜4、比較例1、2の組成物からなる被覆最外層及び被覆内層を有する難燃電線・ケーブルについて、外傷性、摩耗性、抗張力、酸素指数のそれぞれを測定し、その試験結果を表1に示した。
【0033 】
【表1】
【0034 】
表1中の外傷性に係る試験は、許容側圧150kg/mトリプレックス形ケーブルで被覆最外層が裂けないことを目標にした。また、摩耗性に係る試験は、試料長60cm、重り2kgの条件において、50回転未満で絶縁体が露出しないこと(40℃)を目標にした(日本工業規格JIS C 3005の耐摩耗性試験を準拠)。また、抗張力に係る試験は、10MPa以上を目標にした(日本工業規格JIS C 3005の引張試験を準拠。目標値は電線工業規格)。また、酸素指数に係る試験は、22以上を目標にした(日本工業規格JIS K 7201の試験を準拠)。試験結果は、良い:『○』、普通:『△』、悪い:『×』で表1中に示した。
【0035 】
外傷性についての試験結果を見ると、実施例1〜実施例3は良いの『○』であった。また、実施例4は普通の『△』であった。これに対し、比較例1、2はいずれも普通の『△』であった。
【0036 】
摩耗性についての試験結果を見ると、実施例1〜実施例3は良いの『○』であった。また、実施例4は普通の『△』であった。これに対し、比較例1、2はいずれも普通の『△』であった。
【0037 】
抗張力についての試験結果を見ると、実施例1〜実施例4はいずれも良いの『○』であった。これに対し、比較例1は悪いの『×』であった。また、比較例2は普通の『△』であった。
【0038 】
酸素指数についての試験結果を見ると、実施例1〜実施例4はいずれも良いの『○』であった。これに対し、比較例1、2はいずれも悪いの『×』であった。
【0039 】
比較例1の試験結果を見ると、熱可塑性スチレン系エラストマー及びパラフィンの配合条件により影響が出ている。また、LLDPE、変性PPの配合がないことにより影響が出ている。比較例2の試験結果を見ると、被覆最外層及び被覆内層とも水酸化マグネシウムの配合により影響が出ている。
【0040 】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0041 】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された本発明によれば、特性や取り扱い性の向上を図ることが可能な難燃電線・ケーブルを提供することができるという効果を奏する。
【0042 】
請求項2に記載された本発明によれば、被覆最外層としての強度、難燃性、外傷性、摩耗性をより一層配慮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による難燃電線・ケーブルの一実施の形態を示す断面図(電線の断面図)である。
【図2】本発明による難燃電線・ケーブルの他の一実施の形態を示す断面図(平型ケーブルの断面図)である。
【図3】本発明による難燃電線・ケーブルの更に他の一実施の形態を示す断面図(トリプレックス形ケーブルの断面図)である。
【図4】従来例のケーブルの断面図である。
【符号の説明】
11 難燃電線
12 導体
13 絶縁体
14 被覆最外層
15 被覆内層
21 平型ケーブル
22 絶縁線心
23 被覆
24 導体
25 絶縁体
26 被覆最外層
27 被覆内層
31 トリプレックス形ケーブル
32 絶縁線心
33 被覆
34 導体
35 絶縁体
36 被覆最外層
37 被覆内層
Claims (2)
- 被覆最外層と、該被覆最外層の内側直下に形成される被覆内層と、を有する少なくとも二層構造の被覆を備え、
前記被覆最外層が熱可塑性スチレン系エラストマー5〜35重量%、オレフィン系樹脂又はエチレン−プロピレンゴム5〜15重量%、プロセスオイル5〜25重量%、金属水酸化物35〜65重量%を配合するとともに、架橋剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤を配合した組成物からなり、
前記被覆内層がオレフィン系樹脂45〜75重量%、金属水酸化物25〜55重量%を配合するとともに、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤を配合した組成物からなる
ことを特徴とする難燃電線・ケーブル。 - 請求項1に記載の難燃電線・ケーブルにおいて、
前記被覆最外層が少なくとも0.1mm厚以上である
ことを特徴とする難燃電線・ケーブル。
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