JP2002012783A - ピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素及びそれを用いた熱転写色素供与材料。 - Google Patents
ピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素及びそれを用いた熱転写色素供与材料。Info
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Abstract
高い色素とそれを用いた熱転写色素供与材料を提供す
る。 【解決手段】下記一般式(I)で表わされる色素とそれ
を用いた熱転写色素供与材料。 【化1】 R1:炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の
アリール基。R2、R3:炭素数1〜6のアルキル基、炭
素数6〜12のアリール基、炭素数2〜6のアルコキシ
カルボニル基又は炭素数1〜6のアミノカルボニル基。
Ar:炭素数6〜12のアリール基又は炭素数3〜10
のヘテロ芳香族基。
Description
有し、光、熱、空気、薬品などに対する堅牢性が高く、
転写性が高いピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素及
びそれを用いた熱転写色素供与材料に関する。
フェノール類、p−ジアルキルアミノベンゼン類などの
いわゆるカプラー成分と、アミノアリール化合物やアミ
ノヘテロ芳香環化合物から調製された、ジアゾニウム
塩、いわゆるジアゾ成分とをアゾカップリングさせて形
成させた色素である。アゾ色素は、カプラー成分とアゾ
成分を様々な構造に選択できるため、その色調が多岐に
わたり、色素の中でも代表的なものである。その中でも
カプラー成分がヘテロ環のものとしては、ピラゾロトリ
アゾールアゾ色素、アミノピラゾールアゾ色素、ピリド
ンアゾ色素、ジアミノピリジンアゾ色素、などが知られ
ている。
式カラーコピー、熱転写方式カラーコピー、印刷用イン
ク、拡散転写方式銀塩写真などがさかんに研究され、こ
れらの画像形成用色素にアゾ色素が用いられている。
又、一方では、エレクトロイメージングの発展と相まっ
て、固体撮影管やカラー液晶テレビ用フィルターの需要
が増大しており、アゾ色素がフィルター用色素としても
研究されるようになった。
ゾ色素には、まだ解決されるべき問題点が残っていた。
例えば、吸収がまだ十分シャープではなく、画像の色再
現上又、フィルターの性能上問題があった。また、色素
の光、熱、空気、湿気、薬品に対する堅牢性が十分では
なく、画像の保存性、フィルターの耐久性上問題があっ
た。又、合成上困難が多くコストが高かった。
2T2方式と一般に呼ばれているものである)に用いる
と転写性が十分でなかったり、転写して形成した画像が
経時でにじんだり、ボケたりする現象があり問題になっ
ていた。上記の問題を解決するため、本発明者は、アゾ
色素について鋭意研究を行った。その結果、ピラゾロピ
リミジン−7−オン類をカプラー成分とする該アゾ色素
がシャープな吸収を有し、光、熱、大気、湿気、薬品な
どに対する堅牢性が高く、熱転写性が高いことを見い出
した。
プである新規なピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素
を提供することである。本発明の更なる目的は、光、
熱、大気、湿気、薬品に対する堅牢性が高く、コストの
低い新規なピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素を提
供することである。本発明の他の目的は、濃度が高く、
色再現が良く、光、熱、大気、湿気、薬品に対する堅牢
性が高い画像を与える、熱転写色素供与材料を提供する
ことである。本発明の更なる目的は、受像層上に転写さ
れ形成される画像の保存安定性が改良された熱転写色素
供与材料を提供することである。
(1)及び(2)の構成により達成されることが見出された。 (1)下記一般式(I)で表わされるピラゾロピリミジン−
7−オンアゾ色素。
炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜12のア
リール基を表わす。R2、R3は、各々独立に、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
ール基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基又は炭
素数1〜6のアミノカルボニル基を表わす。R2とR3は
互いに結合して環を形成していてもよい。Arは、炭素
数6〜12の置換アリール基又は炭素数3〜10のヘテ
ロ芳香族基を表わす。
(I)で表わされるピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色
素を含む色素供与層を有することを特徴とする熱転写色
素供与材料。
に説明する。本発明の一般式(I)で表される色素は、
色素として従来知られない全く新規なものである。これ
ら色素は、従来の知見から予想できないほど優れた性能
を持つものであった。その性能としては、色相の良さ、
分子吸光係数の高さ、光、湿気、熱、大気、薬品に対す
る堅牢性の高さ、転写性の良さなどが挙げられる。
基を有するものを含む。炭素数6〜12、例えばフェニ
ル、m−アセチルアミノフェニル、p−メトキシフェニ
ル)、アルキル基(置換基を有するものを含む。炭素数
1〜6、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブ
チル、n−オクチル)、アルコキシ基(置換基を有する
ものを含む。炭素数1〜12、例えばメトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキ
シ、イソプロポキシ、n−ドデシルオキシ)が挙げられ
る。R2およびR3の具体例としては、上記アリール基及
びアルキル基で挙げた具体例の他に、アルコキシカルボ
ニル基(置換基を有するものを含む。炭素数2〜6、例
えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプ
ロポキシカルボニル)、アミノカルボニル基(置換基を
有するものを含む。炭素数1〜6、例えば、アミノカル
ボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−
ジエチルアミノカルボニル、N−ブチルカルボニル)が
挙げられる。
していてもよい。その具体例としては、ベンゾ縮環、ピ
リド縮環、ピラゾロ縮環などが挙げられる。
又は、ヘテロ芳香族基を表わす。Arの好ましいもの
は、アリール基〔炭素数6〜12。置換基によって置換
されていてもよく、その置換基としては、アルキル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ア
リール基、ハロゲン原子、アリールオキシカルボニル
基、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ
基、カルバモイル基、アシル基、アシルアミノ基、アル
コキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニル
アミノ基、アミノカルボニルアミノ基、スルホニル基、
スルファモイル基、スルホニルアミノ基、アミノ基(置
換アミノ基を含む)、ヒドロキシ基、ヘテロ環基が挙げ
られる〕である。又、ヘテロ環基(炭素数3〜10)も
好ましい。好ましいヘテロ環基としては、イミダゾリル
基、ピリジル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾ
イミダゾリル基、キノリル基、ベンゾピラゾリル基、ベ
ンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチア
ゾリル基、ピリドイソチアゾリル基、チアジアゾリル基
が挙げられる。
〜12のアリール基、例えば、p−メトキシフェニル、
m−メトキシフェニル、o−メトキシフェニル、p−ク
ロロフェニル、m−クロロフェニル、o−クロロフェニ
ル、p−ニトロフェニル、p−シアノフェニル、p−
(N,N−ジエチル)フェニル、2,4−ジクロロフェ
ニル、m−クロロフェニル、p−トリル、p−メシルフ
ェニル、3,4−ジシアノフェニル、4−メトキシカル
ボニルフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル)、
2−クロロ−4−ニトロフェニル、2−メシル−4−ニ
トロフェニル、2−メシル−4−シアノフェニル、2−
シアノ−4−ニトロフェニル、2,4−ジクロロフェニ
ル、2,4,5−トリクロロフェニル、炭素数3〜10
のヘテロ環基、例えば、下記で表わされる基が挙げられ
る。
はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−
ブチル、n−ブチル、フェニル、p−メトキシフェニ
ル、o−クロロフェニル、トリル、2−ナフチル、メト
キシである。
じでも異なっていてもよく、水素原子、メチル、エチ
ル、n−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブ
チル、n−ヘキシル、フェニル、3,5−ジクロロフェ
ニル、o−クロロフェニル、m−メトキシフェニル、p
−ブロモフェニル、ナフチル、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、t−ブ
トキシカルボニル、アミノカルボニル、N,N−ジメチ
ルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニ
ル、N−ブチルカルボニルである。
吸引性基が置換したアリール基である。その中でも好ま
しくはアゾ値のp位にハメット置換基定数σp値0.3
以上の電子吸引性基が置換したアリール基が好ましい。
σp値が0.45以上が更に好ましく、σp 値が0.6
0以上が最も好ましい。
は、窒素原子を少なくとも1つ含有する5又は6員のヘ
テロ芳香族基である。このヘテロ芳香族基は、電子吸引
性基で置換されていると更に好ましい。
の置換基定数について若干説明する。ハメット則はベン
ゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定
量的に論ずるために1935年L.P.ハメットより提
唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認め
られている。ハメット則により求められた置換基定数に
はσp 値とσm 値があり、これらの値は多くの一般的な
成書に見出すことができるが、例えばJ.A.Dean編、
「Lange のハンドブック オブ ケミストリー」第12
版、1979年(McGraw-Hill)や「化学の領域」増刊、
122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳
しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換
基定数σp により限定したり、説明したりするが、これ
は上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基に
のみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知
であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範
囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまで
もない。今後、σp 値、σm値はこの意味を表わす。
電子吸引性基としては、アシル基、アシルオキシ基、カ
ルバモイル基、アルコキシカルバモイル基、アリールオ
キシカルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルス
ルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、
ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロ
ゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、
2つ以上のσp 値0.15以上の電子吸引性基で置換さ
れたアリール基、及びヘテロ環を挙げることができる。
する効果を持った原子団を有していてもよい。画像の堅
牢性が高いことが求められる場合には特に好ましい。褪
色を抑制する効果を持った原子団は、色素のR1、R2、
R3、Arのどの部位に結合してもよい。褪色を抑制す
る効果を持った原子団としては、特開平3−20518
9号明細書に記載の原子団が有効である。
しく用いられるものの例は、1〜19であり、拡散転写
方式ハロゲン化銀感光材料で、画像形成化合物から放出
されて使用される色素として好ましく用いられるものの
例は20〜24である。
する。本発明の色素は、化合物A(カプラー)と化合物
B(ジアゾ成分)をアゾカップリング反応させて合成す
ることができる。
るときはその熱拡散性の点から、分子量が500以下で
あることが好ましい。更には、400以下であることが
好ましい。
する場合、本発明の色素のpKaは、低いことが好まし
い。具体的には、水/テロラヒドロフラン=1:1中で
の25℃でのpKaが8以下であることが好ましく、7
以下であることが更に好ましく、5以下であることが最
も好ましい。
含有させられ、熱転写色素供与材料とされ、熱転写方式
の画像形成に用いられる。次に本発明の熱移行性色素を
熱転写方式の画像形成に用いた場合について、以下に詳
しく述べる。通常フルカラーの画像を構成するために
は、イエロー、マゼンタ、シアン3色の色素が必要であ
る。本発明の色素は中性および酸性条件下ではプロトン
が解離しない。この場合は、吸収極大が短波であり本発
明の色素はイエロー色素、赤色素として使用されること
が好ましい。そこで、本発明の化合物をイエロー色素と
して用い、他の2色を公知の色素から選択して、フルカ
ラーの画像形成を行うことができる。又、本発明の色素
から、イエロー色とマゼンタ色の2種の色素を用い、シ
アン色素は公知の色素から選択して使用してもよい。本
発明の色素は塩基性条件下ではプロトンが解離して非解
離のときより吸収極大が長波下し、同時に分子吸光係数
が大きくなる。そこで塩基性条件下では本発明の色素は
マゼンタ色素として使用することが好ましい。そこで、
本発明の化合物をマゼンタ色素として用い、他の2色を
公知の色素から選択して、フルカラーの画像形成を行う
ことができる。同一の色について、本発明の色素と従来
公知の色素とを混合して使用してもよい。また本発明の
色素の2種以上を同一の色として混合して使用してもよ
い。
べる。熱転写色素供与材料はシート状または連続したロ
ール状もしくはリボン状で使用できる。本発明のシアン
色素やマゼンタ色素およびそれと組み合わせて用いられ
るイエローの各色素は、通常各々独立な領域を形成する
ように支持体上に配置される。例えば、イエロー色素領
域、マゼンタ色素領域、シアン色素領域を面順次もしく
は線順次に一つの支持体上に配置する。また、上記のイ
エロー色素、マゼンタ色素、シアン色素を各々別々に支
持体上に設けた3種の熱転写色素供与材料を用意し、こ
れらから順次一つの熱転写受像材料に色素の熱転写を行
うこともできる。本発明の色素およびそれと組み合わせ
て用いられる色素は、各々バインダー樹脂と共に適当な
溶剤に溶解または分散させて支持体上に塗布するか、あ
るいはグラビア法などの印刷法により支持体上に印刷す
ることができる。これらの色素を含有する色素供与層の
厚みは乾燥膜厚で通常約0.2〜5μm、特に0.4〜
2μmの範囲に設定するのが好ましい。色素の塗布量は
0.03〜1.0g/m2が好ましい。その中でも、
0.1〜0.6g/m2が更に好ましい。
しては、このような目的に従来公知であるバインダー樹
脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が高く、
しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないものが選
択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアク
リル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリア
クリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリ
ル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン−ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルブチラールなどの部分ケン化ポリビニルアルコー
ル)、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン
樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが用いられ
る。本発明においてこのようなバインダー樹脂は、例え
ば色素100重量部当たり約20〜600重量部の割合
で使用するのが好ましい。
ダー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤として
は、従来公知のインキ溶剤がいずれも使用できる。熱転
写色素供与材料の支持体としては従来公知のものがいず
れも使用できる。例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリカーボネート、グラシン紙、コンデン
サー紙、セルロースエステル、弗素ポリマー、ポリエー
テル、ポリアセタール、ポリオレフィン、ポリイミド、
ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリス
ルフォン、セロファン等が挙げられる。熱転写色素供与
材料の支持体の厚みは、一般に2〜30μmである。
のを防止するためにスリッピング層を設けてもよい。こ
のスリッピング層はポリマーバインダーを含有したある
いは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固体ある
いは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成される。
色素供与材料には背面より印字するときにサーマルヘッ
ドの熱によるスティッキングを防止し、滑りをよくする
意味で、支持体の色素供与層を設けない側にスティッキ
ング防止処理を施すのがよい。
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。
い。
熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ま
しくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマル
ヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギ
ーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像
材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することがで
き、優れた鮮鋭性、解像性の階調のあるカラー画像を得
ることができる。また褪色防止剤も同様にして転写でき
る。加熱手段はサーマルヘッドに限らず、レーザー光
(例えば半導体レーザー)、赤外線フラッシュ、熱ペン
などの公知のものが使用できる。この熱源にレーザーを
用いる方法の場合は、熱転写色素供与材料に、レーザー
光を強く吸収する材料を含有することが好ましい。熱転
写色素供与材料にレーザー光を照射すると、この吸収性
材料が光エネルギーを熱エネルギーに変換し、すぐ近く
の色素にその熱を伝達し、色素が熱転写受像材料に転写
する温度まで加熱される。この吸収性材料は色素の下部
に層を成して存在し、及び/又は色素と混合される。本
プロセスの更に詳しい説明は、英国特許2,083,726A号に
記載されている。上記のレーザーとしては、数種のレー
ザーが使用可能であるが、小型、低コスト、安定性、信
頼性、耐久性及び変調の容易さの点で半導体レーザーが
好ましい。
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載を参照できる。
用いられる熱転写受像材料は支持体上に色素供与材料か
ら移行してくる色素を受容する受像層を設けたものであ
る。この受像層は、印字の際に熱転写色素供与材料から
移行してくる熱移行性色素を受け入れ、熱移行性色素が
染着する働きを有している熱移行性色素を受容しうる物
質を単独で、またはその他のバインダー物質とともに含
んでいる厚み0.5〜50μm程度の被膜であることが
好ましい。熱移行性色素を受容しうる物質の代表例であ
るポリマーとしては次のような物質が挙げられる。
テル樹脂など。 (ロ)ウレタン結合を有するものポリウレタン樹脂な
ど。 (ハ)アミド結合を有するものポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するものポリスルホン樹脂な
ど。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あ
るいは共重合体なども使用できる。
移行性色素を受容しうる物質として、または色素の拡散
助剤として高沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させるこ
とができる。また、色素を媒染させるための媒染剤また
は塩基性物質を含有させることが出来る。塩基性物質と
しては、無機および有機の塩基性物質が使用できる。無
機の塩基性物質としては、金属の水酸化物、や塩が挙げ
られる。有機の塩基性物質としては、含窒素ヘテロ環、
アミン類が挙げられる。塩基性物質のなかでも、アミン
類が好ましく使用される。アミン類の例を挙げると第一
アミン(アニリン、n-ブチルアミン、オクチルアミ
ン)、第二アミン(メチルアニリン、エチルアニリン、
ジブチルアミン)、第三アミン(トリブチルアミン、ト
リオクチルアミン)などである。アミン類は部分構造と
してアミノ基を持つポリマーであってもよい。アミノ基
を持つポリマーや媒染剤の具体例は公開特許広報 特開
平1−188391号、同3−83685号、特開昭6
1−64492号に記載されている。
化合物が例として挙げられる。
リビニルアセタール樹脂であるAEA(三共(株)社
製)が好ましい。熱転写受像材料の受像層は、熱移行性
色素を受容しうる物質を水溶性バインダーに分散して担
持する構成としてもよい。この場合に用いられる水溶性
バインダーとしては公知の種々の水溶性ポリマーを使用
しうるが、硬膜剤により架橋反応しうる基を有する水溶
性のポリマーが好ましい。受像層は2層以上の層で構成
してもよい。その場合、支持体に近い方の層にはガラス
転移点の低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱
溶剤を用いて色素に対する染着性を高めた構成にし、最
外層にはガラス転移点のより高い合成樹脂を用いたり、
高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限にするか
もしくは使用しないで表面のベタツキ、他の物質との接
着、転写後の他の物質への再転写、熱転写色素供与材料
とのブロッキング等の故障を防止する構成にすることが
望ましい。受像層の厚さは全体で0.5〜50μm、特
に3〜30μmの範囲が好ましい。2層構成の場合最外
層は0.1〜2μm、特に0.2〜1μmの範囲にする
のが好ましい。
中間層を有してもよい。中間層は構成する材質により、
クッション層、多孔層、色素の拡散防止層のいずれか又
はこれらの2つ以上の機能を備えた層であり、場合によ
っては接着剤の役目も兼ねている。
に耐えることができ、平滑性、白色度、滑り性、摩擦
性、帯電防止性、転写後のへこみなどの点で要求を満足
できるものならばどのようなものでも使用できる。
よい。蛍光増白剤は褪色防止剤と組み合わせて用いるこ
とができる。
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料及び/又は受像材料を構成する層中、特に好ましく
は両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を含
有させるのが好ましい。
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。
レン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンな
ど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素な
ど)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−23415
7号などに記載の化合物)が挙げられる。
褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。受像材料に転写された色素の褪色を防止する
ための褪色防止剤は予め受像材料に含有させておいても
よいし、色素供与材料から転写させるなどの方法で外部
から受像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸化
防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合
わせて使用してもよい。
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。熱転写色素
供与材料や熱転写受像材料にはマット剤を用いることが
できる。
する。
化合物D,0.77g、酢酸ソーダ2.0gを加え40
℃で30分反応させた。反応後、塩酸を加え反応液を酸
性にした後、水と酢酸エチルを加え抽出を行なった。抽
出液を乾燥し、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーを用いて精製し化合物1を0.70g
得た。(収率47.3%)化合物1は、酢酸エチル中で
黄色を呈した。色素化合物2〜32についても、実施例
1と同様にして容易に合成することができた。
裏面に耐熱滑性処理が施された厚さ6μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(帝人製)を使用し、フィル
ムの表面上に下記組成の熱転写色素供与層用塗料組成物
をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1.
5μmとなるように塗布形成し、熱転写色素供与材料
(2−1)を作成した。
変えた以外は、上記と同様にして、本発明の熱転写色素
供与材料及び比較用熱転写色素供与材料(2−2)〜
(2−12)をそれぞれ作成した。
み150μmの合成紙(王子油化製YUPO−FPG−
150)を用い、表面に下記組成物をワイヤーバーコー
ティングにより乾燥時の厚さが8μmとなるように塗布
して熱転写受像材料を作製した。乾燥は、ドライヤーで
仮乾燥後、温度100℃のオーブン中で30分間行っ
た。
材料(2−1)〜(2−12)と熱転写受像材料とを、
熱転写色素供与層と受像層とが接するようにして重ね合
わせ、熱転写色素供与材料の支持体側からサーマルヘッ
ドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドッ
ト、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドッ
ト/mmの条件で印字を行い、受像材料の受像層にイエロ
ーないし赤色の色素を像状に染着させたところ、転写む
らのない鮮明な画像記録が得られた。次に、上記のよう
にして得られた記録済の各熱転写受像材料を3日間、X
eライト(17000ルクス)で照射し、色像の光安定
性を調べた。ステータスA反射濃度1.0を示す部分の
照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射
濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度を評
価した。結果を表1に記した。
素と比較して光堅牢性にすぐれていた。又、色相も鮮で
あった。
表面に下記組成の受容層塗布用組成物(1)をワイヤー
バーコーターを用いて、乾燥時の厚さが5μmとなるよ
うに塗布して、熱転写受像材料(1)(以下、単に受像
材料ともいう)を作製した。乾燥はドライヤーで仮乾燥
後、80℃のオーブン中で1時間行った。
(媒染剤ポリマー)P−35と、バインダー樹脂を表−
2のものに変えて受像材料(2)〜(5)を作製した。
固定剤を除いた組成の組成物を用いて比較用の受像材料
(A)を作製した。
した熱転写色素供与材料(2−1)〜(2−6)を用い
て、実施例2に従って画像の転写を行った。結果を表−
3に記す。
5の実験では、鮮やかで濃度の高い黄色ないし赤色の画
像を与えた。一方、色素固定剤を含有しないNo. 6の比
較実験では、濃度の低い黄色の画像を与えた。また、N
o. 1〜5の画像は、熱強制試験を行っても、画像のボ
ケが起こらなかった。一方No. 6の画像は、ボケてしま
った。
あり、また、光、熱、大気、湿気、薬品に対する堅牢性
が高いため、濃度が高く、これにより、色再現が良く、
光、熱、大気、湿気、薬品に対する堅牢性に優れ、且つ
高い転写画像濃度を与える、熱転写色素供与材料を提供
することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされるピラゾロピ
リミジン−7−オンアゾ色素。 【化1】 式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜1
2のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表
わす。R2、R3は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜
6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数
2〜6のアルコキシカルボニル基又は炭素数1〜6のア
ミノカルボニル基を表わす。R2とR3は互いに結合して
環を形成していてもよい。Arは、炭素数6〜12の置
換アリール基又は炭素数3〜10のヘテロ芳香族基を表
わす。 - 【請求項2】 支持体上に請求項1記載の一般式(I)で
表わされるピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素を含
む色素供与層を有することを特徴とする熱転写色素供与
材料。
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JP2001149907A JP3614796B2 (ja) | 2001-05-18 | 2001-05-18 | ピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素及びそれを用いた熱転写色素供与材料。 |
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JP28502993A Division JP3233516B2 (ja) | 1993-11-15 | 1993-11-15 | ピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素を用いた熱転写色素供与材料、該色素を放出する化合物を用いたハロゲン化銀感光材料および新規なピラゾロピリミジン−7−オンアゾ色素 |
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JP3614796B2 JP3614796B2 (ja) | 2005-01-26 |
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JP (1) | JP3614796B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009119412A1 (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-01 | 日本化薬株式会社 | 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体 |
-
2001
- 2001-05-18 JP JP2001149907A patent/JP3614796B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2009119412A1 (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-01 | 日本化薬株式会社 | 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体 |
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