JP2002010617A - 可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装置 - Google Patents

可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装置

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JP2002010617A
JP2002010617A JP2000188358A JP2000188358A JP2002010617A JP 2002010617 A JP2002010617 A JP 2002010617A JP 2000188358 A JP2000188358 A JP 2000188358A JP 2000188358 A JP2000188358 A JP 2000188358A JP 2002010617 A JP2002010617 A JP 2002010617A
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bed
slide device
magnetic
sensor
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孝明 壺井
Masaji Fujisawa
正司 藤澤
Masaki Ono
正毅 大野
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、界磁マグネットのN極とされた一
方の磁極の外側に磁束のパターンを矯正させて磁気検知
素子でもって正確に位置検出を可能にする可動マグネッ
ト型リニアモータを内蔵したスライド装置を提供する。 【解決手段】 界磁マグネット13に対向してベッドに
配設された磁気検知素子によってテーブル3の位置を検
出する。界磁マグネット13の一方の端部に配置されて
いる一端磁極24aの外側には、テーブル3の推力に与
える影響が少ない範囲で極性が異なる補助マグネット4
1が配設されている。補助マグネット41は、配設され
ないときに外側に開放されてしまう一端磁極24aの磁
極パターンを矯正し、互いに隣接する磁極(例えば、2
4aと24b)の境界位置における磁束と同程度に設定
し、一端磁極24aの端部を正確に検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体・液晶関
連装置、測定器、組立機、工作機械、産業用ロボット、
又は搬送機等の機器に使用され、励磁コイルをベッドの
ような固定子側に配設し、マグネットをテーブルのよう
な可動子側に配設した可動マグネット型リニアモータを
内蔵したスライド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、上記各技術分野における
X−Y等多軸ステージや運動機構部において、ワーク、
工具、或いは物品や機器を高速で移動させ且つ高精度で
位置決めするため、コンパクトで軽量な構造を有し、高
推力、高速、高応答可能なスライド装置が求められてい
る。スライド装置にはリニアモータが使用されている
が、リニアモータには、ベース部材であるベッドに界磁
マグネットを固定子として設け、且つ所定の電気角だけ
ずらした位相差をもって順次配列された複数個の電機子
コイルをベッドに対して長手方向に摺動自在なテーブル
に可動子として設けた可動コイル型リニアモータと、電
機子コイルをベッドにその長手方向全長に渡って固定子
として配設し、テーブルに永久磁石から成る界磁マグネ
ットを可動子として取り付けた可動マグネット型のリニ
アモータとがある。
【0003】本出願人は、既に、工作機械や産業用ロボ
ットなどに用いられるスライド装置として、リニア電磁
アクチュエータを駆動源として備え、物体(被駆動体)
を高精度に位置決めする一軸の可動マグネット型リニア
モータを内蔵したスライド装置を開示している(特開平
9−266659号公報)。このスライド装置は、鋼製
(磁性材料)とされたベッドとテーブルとの間にリニア
電磁アクチュエータが配設され、ベッドとテーブルとの
少なくとも一方がリニア電磁アクチュエータの磁気回路
部分、具体的にはマグネットヨーク及びコイルヨークを
兼用させた構造を備えている。このスライド装置によれ
ば、磁気回路を構成する比較的大きな部材であるヨーク
を別途設ける必要がなく、部品点数を少なくすると共に
安価で小形なスライド装置が実現されている。
【0004】また、編み機の編み針を往復させる装置と
して好適なリニアモータが特開平8−322232号公
報に開示されている。この公報に開示されているリニア
モータは、可動コイル型リニアモータを複数内蔵した装
置であり、可動子組立体は、一方の側から他方の側に貫
通する空間部が形成された可動子支持体と、可動子支持
体の一側に接着等で固定された可撓性を有するシート状
部材と、該シート状部材の一方の面に配置され且つ可動
子支持体に形成されている空間部に一部が受け入れられ
た複数(3つ)の励磁コイル(可動子)とから構成され
ている。励磁コイルは、コイルの軸線方向を厚さ方向と
した長円形の平板の形に形成されている。可動子組立体
は、鋼材のような強磁性体からなる固定子支持体と、固
定子支持体に可動子の移動方向に並べて配置された6枚
の永久磁石(固定子)とから構成された一対の対向した
固定子組立体間において、移動自在に構成されている。
励磁コイルが、可動子支持体の空間部に収容されている
ことにより、可動子組立体の厚さ寸法を小さくしてい
る。位置センサは、可動子組立体の移動方向に延びるよ
うに配置された細長い被検知体と、一方の固定子組立体
に配置された感知ヘッドとを有する。
【0005】また、特開平8−47239号公報には、
界磁マグネットの最端判別素子に対して非検出磁極を設
けたリニア直流モータが開示されている。このリニア直
流モータにおいて、可動子であるテーブルは、その下面
側に固着されたマグネットヨークと、マグネットヨーク
の下面に取り付けられ且つベッドに設けられた一次側で
ある電機子コイルに対向して配設された界磁マグネット
とを有している。界磁マグネットは、長手方向にSN極
が交互に並んだ全体として略矩形状に形成されるが、一
方の最端磁極は、最端判別素子である位置検出用のホー
ル効果素子との対向面のみが非検出磁極とされ、実際に
推力を発生する電機子コイル導体部の数のバラツキ範囲
を小さくし、安定した推力を得ている。
【0006】更に、コイルごとに半導体整流装置が配設
された可動磁石型直流ブラシレスリニアモータが開示さ
れている(特開平1−298946号公報)。この公報
には、3相通電方式のリニアモータとして、4極マグネ
ット及び2組の3相コイル群を配設した構造のものが開
示されている。更に、特許第2960489号公報に
は、120度通電型の可動磁石型ブラシレスリニアモー
タが開示されている。
【0007】従来のスライド装置の一例が、図18及び
図19に示されている。図18は従来の可動マグネット
型リニアモータを内蔵するスライド装置の一例を示す平
面図であり、図19は図18に示すスライド装置のB−
B断面図である。このスライド装置は、前掲の特開平9
−266659号公報に開示されている小形リニアモー
タテーブル51を示し、ベッド52及びテーブル53を
鋼製(磁性材料)にして磁気回路部分(マグネットヨー
ク及びコイルヨーク)を兼用させて小形なリニアモータ
テーブル51を実現している。リニアモータテーブル5
1は、固定側とされる長手のベッド52と、直動案内ユ
ニット54によってベッド52の長手方向で直線的に往
復動するように設けられたテーブル53とを有してい
る。直動案内ユニット54は、ベッド52に並列に取り
付けられた2本の軌道レール55と、テーブル53に取
り付けられ且つ各軌道レール55についてスライド可能
な都合4つのスライダ56によって構成されている。直
動案内ユニット54は、軌道レール55の長手方向側面
に形成された軌道溝とスライダ56に形成された軌道溝
とが対向して負荷軌道路を形成しており、負荷軌道路を
転動体であるボールが転走することによってスライダ5
6が軌道レール55上をスムーズに案内する従来公知の
ものであってよく、これ以上の詳細な説明を省略する。
テーブル53の上面には、ワーク取付け用の複数のねじ
孔58が形成されている。
【0008】ベッド52の長手方向両端部にはエンドブ
ロック61及びコネクタブロック62が設けられてお
り、それぞれ、取付けボルト63,64によってベッド
52に取り付けられていて、テーブル53の作動ストロ
ークを大きく逸脱することがないようにテーブル53の
移動を規制している。ベッド52には、複数箇所におい
て取付け孔65が形成されており、取付け孔65に挿通
され且つ作業台等に係合される取付けボルト66によっ
て、ベッド52が作業台等に取り付けられる。
【0009】スライド装置1の一次側を構成する電機子
70は、コイル基板71と、コイル基板71の下面側に
テーブル53の移動方向に沿って一列に並べて貼着され
た8個の電機子コイル72とを有している。電機子70
は、ベッド52の上面側に長手方向に形成されている凹
部73内に絶縁シート74を介して配設されている。コ
イル基板71には各電機子コイル72に関連してホール
効果素子75が設けられており、ホール効果素子75
は、後述する二次側の界磁マグネット90が発する磁力
線について界磁マグネット90の接近時に検出する磁束
検出量に応じた信号を出力する。各電機子コイル72に
流される電流の給断電は、ホール効果素子75が出力し
た信号に基づいて制御される。各電機子70は、隣り合
う電機子70の取付け位置と千鳥状となる取付け位置に
おいて、ベッド52とコイル基板71とに当接するスペ
ーサ77に嵌挿された小ねじ76によってベッド52に
共締めされる。
【0010】ベッド52には、上側の凹部73とは反対
側の下側において、凹部79が形成されており、凹部7
9には絶縁シート81を介してドライブ基板80が配設
されている。ドライブ基板80は、電機子コイル72に
給電を行うものであり、種々の電子部品から成る駆動回
路82が設けられている。コイル基板71とドライブ基
板80とは、ベッド52に上下に貫通して形成されてい
る貫通孔85を通じて延びる雌雄のコネクタ83,84
によって接続されている。更に、ベッド52の凹部79
は、カバー86によって覆われている。
【0011】リニアモータの二次側である界磁マグネッ
ト90が、テーブル53に形成された凹部92内に配置
され、且つテーブル53の下面に固着されている。界磁
マグネット90は、テーブル53のスライド方向にN,
Sの磁極(5極)が交互に並んで設定された複数の板状
磁石91で構成されている。界磁マグネット90が装着
されている鋼等の磁性材から成るテーブル53は、マグ
ネットヨークとして磁気回路部分を構成している。一
方、磁性材から成るベッド52は、各電機子コイル72
に関するヨーク、即ち、コイルヨークとして磁気回路部
分を構成する。各電機子コイル72に所定の電流を供給
することにより、一次側と二次側とにフレミングの左手
の法則に基づく推力が生じ、二次側である界磁マグネッ
ト90と一体のテーブル53が直動案内ユニット54,
54に案内されてスライドする。
【0012】ベッド52とテーブル53の基準位置を検
出するため、左から2番目の電機子コイル72の内部に
ホール効果素子97が配設されている。ホール効果素子
97が、界磁マグネット90の左端の板状磁石91を検
出するときの信号が基準位置信号とされる。また、テー
ブル53がその作動ストロークを逸脱して作動すること
を検出する限界センサとして2つのホール効果素子9
8,99が左右両端の電機子コイル72,72の内部に
おいてコイル基板71に装着されている。テーブル53
がその作動ストロークを逸脱して作動したとき、ホール
効果素子98,99は、それぞれ界磁マグネット90の
左右両端の磁極に感応して信号を発する。リニアモータ
テーブル51においてベッド52とテーブル53との相
対位置を検出するため、テーブル53には、その側部に
おいて微細なピッチでN,S極が交互に並べられた磁気
スケールから成るリニアスケール95が取り付けられて
おり、リニアスケール95を検出するセンサ96がベッ
ド52取り付けられている。
【0013】スライド装置である上記のリニアモータテ
ーブル51は、各電機子コイル72毎の通電方式である
ために、ベッド52の下部にドライブ基板80及び駆動
回路82を内蔵する構造になっており、スライド装置が
複雑化し、且つ嵩高い構造になっている。リニアスケー
ルには磁気スケールが用いられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
半導体装置、測定器、組立機などで、従来のスライド装
置に比して、更にコンパクトで高精度・高速度に作動
し、クリーン、高推力、高速、高応答な位置決め機構と
してのスライド装置が要望されている。そこで、ベッド
に対して直動案内ユニットを介してテーブルをスライド
自在に設け、テーブルのベッドに対向する対向面に配設
されている界磁マグネットが生じる磁束と、ベッドに支
持されている電機子コイルに流れる電流との電磁相互作
用により、ベッドに対して界磁マグネットをテーブルと
共に移動可能にした可動マグネット型リニアモータを内
蔵したスライド装置において、テーブルのベッドに対す
る位置を検出するため、ベッド側に設けられているホー
ルIC等の磁気検知素子で、テーブルに設けられている
磁石を検出している。位置検出のためにテーブルに設け
る磁石を位置検出専用の磁石とすると、スライド装置の
製作コストを上昇させる原因になるので、テーブルの推
力を得るための界磁マグネットを位置検出のために利用
することが行われている。
【0015】しかしながら、複数の磁極を極性が交互に
異なるように並べて構成された界磁マグネットでは、両
端の磁極の外側については、隣接する異極同士の磁極間
でコンパクトに閉じた磁束の分布と異なり、磁束が開放
した分布を呈している。例えば、磁束の縦方向の強さが
ゼロになる位置は、両端の磁極の外側に大きくはみ出し
ている。従って、磁気検知素子は、界磁マグネットの両
端の磁極の位置を正確に検出することができない。そこ
で、同じ磁気検知素子が、界磁マグネットの隣接する異
極同士の磁極間の境界位置と同様の精度で、界磁マグネ
ットの両端の磁極の位置を検出可能にするため、両端の
磁極の外側に生じる磁束を矯正する点で解決すべき課題
がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決することであり、一般の磁気検知素子がN
極を検出している実情を考慮して、界磁マグネットのN
極とされた一方の磁極の外側に、当該一方の磁極の外側
に生じる磁束のパターンを、極性が異なる隣接する磁極
同士間で生じる磁束のパターンと同等に矯正させること
で、位置検出用の専用に磁石を配設することを要せず、
界磁マグネットの端部に磁極についても同じ磁気検知素
子でもって正確に位置検出を可能にする可動マグネット
型リニアモータを内蔵したスライド装置を提供すること
である。
【0017】この発明は、上記の目的を達成するため、
次のように構成されている。即ち、この発明は、相対的
に移動可能な一対の部材を構成する一方の前記部材に取
り付けられるベッド、他方の前記部材に取り付けられ且
つ前記ベッドの長手方向に直動案内ユニットを介してス
ライド自在に設けられたテーブル、前記テーブルの前記
ベッドに対する対向面に前記テーブルのスライド方向に
極性が交互に異なり且つ両端の極性が異なる態様で並設
された磁極から成る界磁マグネット、前記界磁マグネッ
トに対向して前記ベッドの前記テーブルに対する対向面
に配置された電機子コイルを有し且つ前記界磁マグネッ
トが生じさせる磁束と前記電機子コイルに流れる電流と
の電磁相互作用により前記界磁マグネットに推力を与え
て前記テーブルをスライド自在に位置決め駆動する電機
子組立体、及び前記ベッドに前記界磁マグネットに対向
して配設され磁束の強さと方向を検知する磁気検知素子
を具備し、前記磁極のうち前記界磁マグネットの一方の
端部に配置されている一端磁極の外側境界位置における
前記磁束の強さと方向を互いに隣接する前記磁極の境界
位置における前記磁束の強さと方向と同程度に設定する
ため、前記一端磁極の外側端部には、前記一端磁極と極
性が異なる補助マグネットが配設されていることから成
る可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装
置に関する。
【0018】この発明は、上記のように構成されている
ため、相対的に移動可能な一対の部材を構成する一方の
部材に取り付けられるベッドと、他方の部材に取り付け
られているテーブルとは、ベッドの長手方向に直動案内
ユニットを介してスライド自在である。テーブルのベッ
ドに対する推力は、電機子コイルに通電するとき、テー
ブルのベッドに対する対向面にテーブルのスライド方向
に極性が交互に異なり且つ両端の極性が異なる態様で並
設された磁極から成る界磁マグネットが生じさせる磁束
と、界磁マグネットに対向してベッドの前記テーブルに
対する対向面に配置された電機子組立体の電機子コイル
に流れる電流との電磁相互作用により与えられる。界磁
マグネットに対向してベッドに配設され磁束の強さと方
向を検知する磁気検知素子によってテーブルの位置を検
出し、電機子コイルに流される電流を制御することによ
り、テーブルはスライド自在に位置決め駆動される。界
磁マグネットの一方の端部に配置されている一端磁極と
極性が異なる補助マグネットは、補助マグネットが無い
としたときに外側に開放されてしまう磁極パターンを矯
正し、一端磁極の外側境界位置における磁束の強さと方
向を、互いに隣接する磁極の境界位置における磁束の強
さと方向と同程度に設定しているので、互いに隣接する
磁極の境界位置の場合と同様の精度で、磁極の端部を検
出する。
【0019】前記ベッド及び前記テーブルは、それぞ
れ、磁性材料である鋼から製作されている。ベッドはコ
イルヨークを兼ね、テーブルはマグネットヨークを兼ね
るので、電機子組立体と界磁マグネットとの配置が省ス
ペースに構成され且つ効率的な電磁相互作用が得られ
る。また、前記界磁マグネットとして、4の倍数の前記
磁極が交互に並べて配置された希土類磁石(ネオジウム
磁石)を用いているので、磁束密度が高まり、高推力
(電流×磁束密度)が得られて、一層、高速、高応答な
位置決めが可能になる。界磁マグネットの磁極数を4極
としているので、5極以上とした場合に比較して、実用
上、高推力を維持すると共に、テーブルの長さを一磁極
分長くし、ベッドの長さも短くして装置をコンンパクト
に構成される。
【0020】前記電機子組立体は、3相通電方式で各相
の電流が供給される3つの前記電機子コイルが前記ベッ
ドの長手方向に並べて構成された電機子コイル組を少な
くとも2組、前記ベッドの長手方向に並べて配設されて
おり、前記電機子コイルの総数は前記磁極の極数以上で
ある。電機子組立体を3相通電方式にし、3相の各電流
がそれぞれ供給される最小単位でなる3つの電機子コイ
ルで構成しているので、従来の構造のように各電機子コ
イル毎の通電方式であることに応じてベッドの下部に駆
動回路を内蔵する必要がなく、駆動回路をスライド装置
から駆動装置(電気装置)であるドライバ側に移設する
ことが可能になる。電機子コイル組は、並べてベッドに
配設されるので、スライド装置の構造がコンパクトに構
成される。この場合、前記界磁マグネットを構成する前
記磁極の数は4であり、前記電機子コイルの数は6であ
り、前記テーブルの長手方向の長さは5つまでの前記磁
極を配設することが可能な長さとすることが可能であ
る。
【0021】前記補助マグネットのスライド方向の幅
は、前記テーブルに及ぼされる推力への影響を制限する
ため、前記電機子コイルの腕の幅よりも小さい幅に設定
されている。電機子コイルに流れる電流によって生じる
磁束が界磁マグネットによって生じる磁束と相互作用を
起こしてテーブルに推力を与えるのは、電機子コイルの
腕の部分に流れる電流が起こす磁束である。従って、補
助マグネットのスライド方向の幅を、電機子コイルの腕
の幅よりも小さい幅に設定することで、電機子コイルが
補助マグネットとの相互作用によって、界磁マグネット
がテーブルに本来及ぼす推力への影響を最小限に抑えら
れる。
【0022】前記テーブルには、前記テーブルの原点を
規定する原点マークと、前記界磁マグネットの他方の端
部に配置されている他端磁極の外側に前記他端磁極と異
極のセンサ用マグネットとが配設されており、前記ベッ
ドには前記原点マークを検出する原点センサが配設さ
れ、前記電機子組立体には、前記テーブルが前記ベッド
に対してスライドするとき前記原点センサが前記原点マ
ークを検出する前の原点前位置において前記センサ用マ
グネットを検出する原点前センサ、及び前記テーブルの
前記ベッドに対するスライド限界位置に応じて前記一端
磁極又は前記センサ用マグネットを検出するリミットセ
ンサが配設されている。即ち、界磁マグネットの両端の
磁極が異なるので、リミットセンサ、及び原点前センサ
の設定については、異なる磁極に対応した設定を必要と
する。一端磁極については、補助マグネットが対応して
いるが、他端磁極については、一端磁極と異なる極性で
あるので、他端磁極と異極のセンサ用マグネットが設け
られている。リミットセンサ及び原点前センサが、セン
サ用マグネットを検出することにより、テーブルのベッ
ドに対するスライド位置、ストロークを制御することが
可能となる。
【0023】前記センサ用マグネットは、前記推力に及
ぼす影響を小さくするため、前記界磁マグネットの外側
において一つの前記磁極の半分以下の長さで配設されて
いる。センサ用マグネットを配設することによって、テ
ーブルへの推力への影響が無視できなくなるのを防止す
るため、センサ用マグネットの形状と界磁マグネットへ
の配置とが配慮される。また、前記センサ用マグネット
はフェライト磁石で製作されている。フェライト磁石の
磁力は希土類磁石と比較して弱いので、テーブルへの推
力への影響が小さい。
【0024】前記界磁マグネットの一方の端部に配置さ
れている前記一端磁極、前記補助マグネット、前記界磁
マグネットの他方の端部に配置されている前記他端磁
極、及び前記センサ用マグネットの極性は、それぞれ、
N極、S極、S極、N極である。一端磁極及びセンサ用
マグネットの極性がN極となり、磁気検知素子で、検出
可能となる。
【0025】前記ベッドに対する前記テーブルのスライ
ド方向の位置を検出するエンコーダを具備しており、前
記エンコーダは、前記テーブルに配設された光学式リニ
アスケールと前記光学式リニアスケールに対向して前記
ベッドに配設されて前記光学式リニアスケールを検出す
るセンサとから構成される光学式エンコーダである。光
学式エンコーダは、相互間変化に左右されにくく、高精
度化に適している。また、磁気エンコーダに代えて光学
式エンコーダを採用しているので、分解能が向上し高精
度になっている。光学式エンコーダを構成する光学式の
リニアスケールをテーブル下面に配設し、リニアスケー
ル用のセンサをベッドに配設したことによって、スライ
ド装置の稼働に伴ってセンサコードを動かすことがなく
なり、装置自体が低発塵となり、クリーンな環境で使用
することを可能にしている。
【0026】前記磁気検知素子は、前記電機子コイル毎
に配設されているホールICである。ホールICは、比
較的安価に入手できる磁気検知素子であり、電機子コイ
ルの製作時に同時に組み込むことで、容易に配設され
る。
【0027】前記テーブルには、前記補助マグネットの
端部において、前記界磁マグネットが発する磁束の外部
への漏れ防止用の端板が配設されている。端板は、界磁
マグネットが発する磁束がテーブルの端部から外部に漏
れ出るのを防止するので、界磁マグネットによって形成
される磁界の影響が、テーブルに接近するものに及ぶの
を防止する。
【0028】前記電機子組立体は、前記テーブルのスラ
イド方向に沿って前記ベッドに形成されている凹部内に
配置されており、前記直動案内ユニットは前記凹部を挟
んで前記テーブルのスライド方向に沿って並列に配設さ
れている。電機子組立体は、ベッドの形成されている凹
部に収容される状態で取り付けられ、ベッドの厚さを可
及的に薄くすることが可能となり、スライド装置のコン
パクト化に寄与する。直動案内ユニットを凹部を挟んで
テーブルのスライド方向に沿って並列に配設させること
により、テーブルはベッドに対して安定したスライド可
能となり、また、直動案内ユニットの高さの範囲を利用
して、界磁マグネットをテーブルに設けることが可能に
なる。また、前記エンコーダは、一方の前記直動案内ユ
ニットの外方において前記ベッド及び前記テーブルに配
設させることが可能である。
【0029】前記電機子組立体は、前記ベッドに取り付
けられ且つ前記凹部の開口を覆うコイル基板を有し、前
記電機子コイルは、前記コイル基板の前記凹部内に臨む
面において前記テーブルのスライド方向に並設された偏
平な電機子コイルである。コイル基板と偏平な電機子コ
イルとから成る電機子組立体は、極力薄い厚さに製作さ
れ、ベッドの凹部内に配設される。また、前記電機子コ
イルは、略矩形にまかれた巻線と前記巻線の内部に樹脂
モールド成形された芯部とから構成されている。樹脂モ
ールドで芯部を構成することにより、電機子コイルの一
層の保形性が得られる。
【0030】前記テーブルのスライド方向で見て、前記
ベッドの一方の端部にはエンドブロックが、また他方の
端部には、前記電機子組立体に接続される電源コードと
前記エンコーダの前記センサに接続されるセンサコード
とが連結されたコネクタブロックが取り付けられてお
り、前記エンドブロック及び前記コネクタブロックに
は、前記テーブルとの衝突を緩和するため、それぞれ、
弾性体から成るストッパが固着されている。テーブル
が、万一、ベッドに対して所定のストローク範囲を超え
てスライドしたときには、エンドブロック又はコネクタ
ブロックの内側端面、即ち、テーブルに面する側に設け
られている弾性体から成るストッパがテーブルとの衝突
を緩衝し、スライド装置の破損を防止する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライ
ド装置の実施例を説明する。図1はこの発明による可動
マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装置の平
面図、図2は図1に示したスライド装置の正面図、図3
は図1に示したスライド装置のA−A断面図、図4は図
1に示したスライド装置のテーブルの背面図、図5は図
4に示したテーブルの左側面図、図6は図1に示したス
ライド装置のコイル基板の背面図、図7は図6に示した
コイル基板の側面図、図8は図6に示したコイル基板の
背面から見た平面図、そして、図9は図1に示すスライ
ド装置の各構成部品の関係を示す平面図である。
【0032】この発明による可動マグネット型リニアモ
ータを内蔵したスライド装置1(以下、単に「スライド
装置1」という)は、図1〜図3に示すように、鋼製で
あり細長の矩形板状に形成されたベッド2と、ベッド2
上を長手方向に直線的にスライド自在な鋼製であり矩形
板状のテーブル3とを備えている。ベッド2は、相対的
に移動可能な一方の部材(通常、固定側の機器、図示せ
ず)に取り付けられる。ベッド2上面には、長手方向に
沿って互いに平行に且つ同じ高さに多数の取付けねじに
よってベッド2に固設された一対の軌道レール5と軌道
レール5に摺動自在に跨架してなる2つずつのスライダ
6とからなる直動転がり案内ユニット4が設けられてい
る。テーブル3は、直動転がり案内ユニット4の四つの
各スライダ6(図3参照)に固着されており、スライダ
6が軌道レール5を摺動することによって、ベッド3上
をスライド自在である。テーブル3を各スライダ6に固
着するための固着用の一対のねじ23が、テーブル3の
上面に埋設される形で挿通されてスライダ6にねじ込ま
れている。スライド装置1においては、図1に示される
ように、ベッド2には、基台などへの取付けのために複
数の取付孔7が形成されており、テーブル3には、その
上面に位置決め駆動するワーク、即ち、ベッドと共に相
対的に移動可能な一対の部材の他方の部材を取り付ける
ための複数(図示の例では4つ)ねじ孔8が形成されて
いる。スライド装置1は、特に図2に示すように、全体
的に高さが低い薄厚構造に構成されている。
【0033】直動転がり案内ユニット4は、従来周知の
ものであり、軌道レール5に跨架したスライダ6は、詳
細には図示しないが、ケーシングと、ケーシングの摺動
方向両端に取り付けられた一対のエンドキャップと、各
エンドキャップの外面にエンドキャップと共締めされた
状態でケーシングに取り付けられたエンドシールとを有
している。一方のエンドキャップには、グリースニップ
ルが取り付けられている。ケーシングには、軌道レール
5の長手方向両側面に形成された各軌道溝に対応して転
動体が循環するための循環路が形成されており、循環路
には転動体としての多数のボールが並べられて収容され
ている。循環路は、ケーシングに形成されており且つ軌
道レール5に形成された各軌道溝に対応して負荷軌道路
を構成する負荷軌道溝とリターン通路、及びエンドキャ
ップに形成され且つ負荷軌道路とリターン通路とを接続
する方向転換路から成っている。ボールが軌道レールと
ケーシングとの間に形成された負荷軌道路を転動しつつ
循環路を循環することにより、スライダ6が軌道レール
5上を滑らかに案内されて移動する。
【0034】スライド装置1において、図3に示すよう
に、ベッド2の上面には、一対の直動転がり案内ユニッ
ト4,4間の長手方向に沿って凹部9が形成されてお
り、凹部9には、コイル基板11とコイル基板11に固
着された複数の電機子コイル12(この実施例では6つ
の電機子コイル:図6参照)とから成る固定子としての
電機子組立体10が配設されている。電機子組立体10
に対向して、テーブル3の下面には、可動子として、矩
形板状に形成された複数の永久磁石を極性が交互に異な
らせて配設された界磁マグネット13(この実施例では
4極の界磁マグネット:図4参照)が固着されている。
スライド装置1は、界磁マグネット13が生じさせる磁
束と電機子コイル12に流れる3相電流との電磁相互作
用によるリニアモータによって、テーブル3をスライド
自在に駆動して、所望の位置に位置決めする。電源装
置、及び制御装置であるドライバ装置、及びコントロー
ル装置は、スライド装置1の外部に設けられている。
【0035】図3及び図4に示すように、ベッド2に対
するテーブル3の位置検知をするため、スライド装置1
には、光学式エンコーダ14が配設されている。光学式
エンコーダ14は、テーブル3の下面の一側に長手方向
に沿って配設された光学式リニアスケール15と光学式
リニアスケール15に対向してベッド2の中央部側部を
切り欠いて配設されたセンサ16とから構成されてい
る。図1及び図2に示すように、ベッド2には、その一
側において長手方向に沿ってセンサ取付けブロック16
aがブロック取付けボルト16bによって取り付けられ
ており、センサ16は、センサ取付けブロック16aに
センサ取付けボルト16cによって取り付けられてい
る。
【0036】スライド装置1は、図1及び図2に示すよ
うに、ベッド2の上面の長手方向の一方端部には、テー
ブル3がその作動ストロークを大きく逸脱してベッド2
の一方から外れることを防止する規制部材としてのエン
ドブロック17が埋込み型の固着手段である六角孔付き
の取付けボルト17aよって固設されている。エンドブ
ロック17には、テーブル3に対向する端面にウレタン
ゴムでなる弾性体のストッパ18が固着されている。ま
た、ベッド2の他方の端部には、コネクタブロック19
がエンドブロック17の場合と同様の埋込み型の取付け
ボルト19aによって固設されている。コネクタブロッ
ク19は、テーブル3がその作動ストロークを大きく逸
脱してベッド2の他方から外れることを防止する規制部
材として機能すると共に、リニアモータを駆動するため
に電機子コイル12への電力供給用の電源コードや後述
するリミットセンサや原点前センサのような磁気検知素
子の信号コード21と、後述する原点マークや光学式エ
ンコーダ14等のベッド2に対するテーブル3の位置を
検出した信号取り出し用のセンサコード22とを断線な
く案内する働きをしている。センサコード22には制御
装置が接続されており、制御装置は、信号コード21及
びセンサコード22を介して検出した位置情報に基づい
てモータ駆動用の電力を信号コード21を通じて供給す
る。コネクタブロック19には、テーブル3に対向する
端面にウレタンゴムでなる弾性体のストッパ20が固着
されている。ストッパ18,20は、テーブル3がベッ
ド2における作動ストロークの限界に接近したときの衝
突を緩衝する。
【0037】図4及び図5に示されるように、テーブル
3の下面30には、テーブル3のスライド方向に磁性が
交互に異なる矩形板状の4極の磁極24a〜24dが密
に配設されて構成されている界磁マグネット13が配設
されている。この実施例では、界磁マグネット13は、
希土類磁石であるネオジウム磁石から成る永久磁石であ
る。テーブル3は、鋼製でなる磁性材料から作られてお
り、界磁マグネット13が生じる磁束を通すマグネット
ヨークを兼ねている。そのため、テーブル3に取り付け
るべきマグネットヨークを別途用意する必要がなく、可
動子側の構造をコンパクトに構成することができる。
【0038】界磁マグネット13の一方の端部に配置さ
れている一端磁極24aの極性は、N極である。一端磁
極24aの外側端面に、補助マグネット41が並設され
ている。界磁マグネット13の他方の端部に配置されて
いる他端磁極24dの極性は、S極である。他端磁極2
4dの外側端面には、センサ用マグネット42が並設さ
れている。補助マグネット41の外端面には、磁束漏れ
防止用の鋼製でなる端板25が配設されている。鋼製の
端板25は、界磁マグネット13からの磁束がテーブル
3の端面より外へ漏れるのを防止して、テーブル3に近
接するものに磁界の影響を与えることなくするものであ
る。端板25の幅は電機子コイル12の腕(スライド方
向に交差する方向に延びるコイル巻線部分)の幅d(図
6参照)の半分程度(ここでは、2.5mm幅)になっ
ていて、端板25の厚さは界磁マグネット13の厚さと
同一である。端板25は、テーブル3と一体に形成され
たものであってもよい。テーブル3の下面30には、セ
ンサ16と対向した一側において、長手方向に光学式リ
ニアスケール15が貼着されており、反対側において
は、下面30にセンサ16の側面に対向するように(図
3参照)L字状金具27に取り付けられ且つテーブル3
の下面30に垂直になった状態で光学式リニアスケール
15に隣接して原点マーク28が取り付けられている。
原点マーク28は、センサ16に原点(基準位置)の信
号を与えるためのマークであり、中央部分に磁石29が
埋め込まれて構成されている。なお、スライド装置1に
おける、補助マグネット41及びセンサ用マグネット4
2の機能の詳細については、後述する。
【0039】電機子組立体10は、図6、図7及び図8
に示すように、平坦な薄板であるコイル基板11と、そ
の下面31にテーブル3のスライド方向に並んで接着剤
等で固着された扁平な都合6つの電機子コイル12とか
ら構成されている。電機子コイル12は、3相でなる3
つずつの電機子コイル12から成る電機子コイル組が、
2組(12a,12b)配置されている。電機子組立体
10は、電機子コイル12を界磁マグネット13に対向
して配置した状態でベッド2の凹部9内に配設される。
各電機子コイル12は、3相のコアレスコイルでなり、
それぞれが略矩形に巻かれた巻線32と巻線32内部に
樹脂モールド成形された芯部33とから成っている。コ
イル基板11には、各電機子コイル12内のスライド方
向の中央部に界磁マグネット13と対向して磁極(ここ
ではN極)を検知するホールIC(ホール効果素子)3
4が固設されている。ホールIC34は、特定の磁極
(ここではN極)に検知するものであり、スライド装置
1に電源をONさせた初期の時点で、いずれか検知した
ホールIC34から対向する界磁マグネット13の位置
を検出して、検出された界磁マグネット13の位置に合
わせて駆動電流を電機子コイル12に流すようにするた
めの検知信号を出力する。
【0040】コイル基板11には、また、下面31の一
方の端部において、界磁マグネット13と対向して磁極
(ここではN極)24を検知するリミットセンサ35a
が固設されており、他方の端部においては、センサ用マ
グネット42と対向してセンサ用マグネット42の磁極
(ここではN極)24を検知するリミットセンサ35b
が固設されている。また、コイル基板11の下面31に
は、リミットセンサ35bのスライド方向手前に隣接し
て原点前センサ36が固設されている。リミットセンサ
35a,35bは、界磁マグネット13のスライド方向
両端に位置するN極を検知してテーブル3のオーバラン
を防止するための検知素子である。原点前センサ36
は、テーブル3の接近に際して界磁マグネット13の端
部に設けられているセンサ用マグネット42のN極を検
知する。原点前センサ36がセンサ用マグネット42を
検知する位置は、ベッド2に設けられているセンサ16
がテーブル3の原点マーク28の側部に内蔵されている
原点(磁石29)を検知する僅かに前の位置であり、セ
ンサ16が原点マーク28に合致すべく、検知時点でテ
ーブル3を減速させるための検知素子である。
【0041】コイル基板11の下面31には、電機子コ
イル12の電源コード、並びにホールIC34、リミッ
トセンサ35a,35b及び原点前センサ36の信号コ
ード21と配線する端子37の列が固設されている。コ
イル基板11には、更にベッド2への取付けのために取
付け孔38が形成されている。このように構成されたコ
イル基板11は、図3及び図4に示すようにベッド2の
長手方向に形成された凹部9に嵌挿され、取付け孔38
に挿通した皿ねじ39(図1参照)をベッド2にねじ込
むことによってベッド2に固着される。コイル基板11
の両端部には、各電機子コイル12に高さに相当する高
さを有するスペーサ43が設けられており、電機子組立
体10を凹部9に取り付けたときの取付け安定性を向上
させている。図8に示すように、コイル基板11の裏面
には、取付け孔38に対応して基板孔44が形成されて
おり、取付け孔38の開口部は、皿ねじ39のための皿
ねじ座面45となっている。
【0042】ベッド2も、例えば、鉄系の強磁性材料
(S45C)のような鋼製の磁性材料であり、電機子組
立体10のためのコイルヨークを兼ねている。従って、
コイルヨークを別途設ける必要がなく且つ嵩高さが減少
されるので、固定子側のコンパクトを更に進めた構造に
することができる。なお、ベッド2の凹部9と電機子コ
イル12との間には絶縁シート40(図3)が配設され
ている。
【0043】スライド装置1は、次のようにして作動す
る。即ち、界磁マグネット13とコイルヨークとして機
能するベッド2とにより常に垂直方向に働く磁束と、電
機子コイル12への通電による電機子コイル12の腕
(巻線32のうち、電機子組立体10の長手方向と直交
する方向に延びる部分32a)のまわりに発生する回転
磁束とにより、電機子コイル12はフレミングの左手の
法則により水平方向に力を受けることになり、反作用で
可動子を構成する界磁マグネット13、即ちテーブル3
が駆動され、界磁マグネット13の移動に合わせて磁束
の向きに応じた方向に電機子コイル12に電流を切り替
えることで、テーブル3には一方向の連続した推力が得
られてテーブル3の直線運動が維持される。電流量によ
る加速度制御と光学式エンコーダ14による現在位置の
検出とに基づいて、テーブル3のスライドについて正確
な位置決めが行われる。なお、スライド装置1は、パソ
コン、シーケンンサ、及びドライバと組み合わせてシス
テム構成され、テーブル3の駆動及び位置決めが制御さ
れる。
【0044】ホールIC34、リミットセンサ35a,
35b及び原点前センサ36は、通常、磁極のN極を検
出するものとして構成されており、各種の装置もN極の
検出に応じて作動するように設定されている。S極を検
出するものであれば、以下の説明における磁極の説明は
すべて逆になる。補助マグネット41は、図4及び図9
に示されるように、テーブル3の下面30に設けられて
いて、界磁マグネット13を構成するN極の一端磁極2
4aの外端面に配設されている。補助マグネット41に
ついては、テーブル3の長手方向と直交する長さLam
は界磁マグネット13の長さLmと同じであり、厚みも
界磁マグネット13と同じであるが、界磁マグネット1
3の幅Wmより小さい幅Wamを有している。また、補
助マグネット41は、界磁マグネット13と同様に希土
類磁石(ネオジウム磁石)によって形成されており、表
側にS極の磁極を示している。S極を示す補助マグネッ
ト41を配設することによって、N極の界磁マグネット
13の外端面になる境の位置が、後述するように、正確
にホールIC34に検知される。
【0045】図10は、スライド装置1の電機子組立体
10に供給される電流の時間変化を示すグラフである。
図10に示すように、各電機子コイル12に供給される
電流は、それぞれに120°位相差を有する3相の交流
電流U相、V相、及びW相である。横軸は、各相の半波
長Pwに対する倍率で示されている。
【0046】図11は、このスライド装置1に用いられ
る補助マグネット41の作用を説明する説明図である。
図11に示すように、界磁マグネット13の交互に異な
る磁極が並設された境界部分(例えば、一端磁極24a
と磁極24bとの境界部分、磁極24bと磁極24cと
の境界部分等)は、N極成分の磁束とS極成分の磁束と
の和が零となる位置O2 ,O3 に一致するので問題な
い。しかしながら、界磁マグネット13の一端磁極24
aの外端面においては、補助マグネット41が設けられ
ていない従来の構造では、磁束が想像線で示すように外
側に広がっており、N極成分の磁束とS極成分の磁束と
の和(縦方向に磁束成分)が零となる位置が外端面であ
る境界部分から外側に外れて(図11にO1 ’で示す)
いるために、ホールIC34がその外れた位置を一端磁
極24aの外端面として検知していた。これに対して、
この発明では、図11に示すように、一端磁極24aの
外側にS極でなる補助マグネット41を配設したので、
一端磁極24aによるN極成分の磁束と補助マグネット
41によるS極成分の磁束との和が零となる位置O
1が、磁極24bと磁極24cとの境界部分と同様に、
一端磁極24aと補助マグネット41との境界部分と一
致させることができる。
【0047】補助マグネット41は、リニアモータによ
って得られる推力に影響を与えないような構成でなけれ
ばならないので、電機子コイル12の腕32aにかかる
部分を小さいものにしなければならない。そこで、補助
マグネット41のスライド方向の幅寸法Wamを変えて
ホールIC34の検知位置のずれ(A,B,C)を実験
したデータを図12〜図14に示す。図12は補助マグ
ネット41の幅Wam=3mm、図13は補助マグネッ
ト41の幅Wam=5mm、図14は補助マグネット無
しの各場合のホールIC34の反応(U,V,Wの各相
につき合計したもの)を示している。ホールIC34の
反応は、非検出状態では出力がハイ(High)であ
り、検出状態では出力がロー(Low)である。図1に
おいてテーブル3が左動するとき、補助マグネット41
の無い従来の構造では、図14に示すように界磁マグネ
ット13の開放端が通過する毎に検出位置A1 、B1
1が早い側にずれている。図12と図13とを比較す
ると補助マグネット41の幅Wamが大きくなっている
図13の方がその位置A0 、B0 、C0 が一致してい
る。しかしながら、補助マグネット41の幅Wamを5
mmとすると、リニアモータの推力に若干の影響が認め
られた。そこで、本発明では、推力に影響が少なく位置
精度も正確なもの(図12に示すように、位置A,B,
C)として補助マグネット41の幅Wamを3mmで実
施している。上記の実験結果から、補助マグネット41
の幅Wamは,電機子コイル12の腕32aの幅d(約
5mm)より小さいものがよい。
【0048】上記のように、補助マグネット41が配設
されているので、スライド装置1は、電源をONさせた
初期の時点で、ホールIC34が対向するN極の界磁マ
グネット13の位置を正確に検出し、その界磁マグネッ
ト13の位置に合わせて駆動電流を各電機子コイル12
に流すようにするので、テーブル3のベッド2に対する
高精度な位置決めを行うことができる。
【0049】次にセンサ用マグネット42の作用につい
て説明する。リミットセンサ35a,35b及び原点前
センサ36は、N極の磁界を検知するものである。図9
に示すように、テーブル3の下面30に配設された界磁
マグネット13において、一方の端部にはN極の一端磁
極24aが位置しているので、リミットセンサ35aは
磁極24aを検知することができ、その検出結果に基づ
いてリニアモータを制御することによりテーブル3がオ
ーバランすることを防止できる。しかしながら、界磁マ
グネット13の他方の端部にはS極の他方磁極24dが
位置しているので、リミットセンサ35b及び原点前セ
ンサ36は、S極の磁極24dを検知することができ
ず、他端磁極24dに隣接するN極の磁極24cを待っ
て検知することになる。そうすると、テーブル3は、電
機子コイル12の腕32aが生じさせる磁束と界磁マグ
ネット13の磁束との相互作用に基づいて得られる高推
力位置から外れてしまうことになり、効率的なテーブル
3の駆動制御ができない。リミットセンサ35b及び原
点前センサ36を隣接するN極の界磁マグネット側に寄
せれば、即ち、電機子コイル12内に配設できれば問題
は無いが、電機子コイル12もコンパクトになっている
ので、リミットセンサ35b及び原点前センサ36は、
電機子コイル12の外側に配設することが求められてい
る。
【0050】そこで、この発明によるスライド装置1で
は、界磁マグネット13のS極の他端磁極24dの外側
において、リミットセンサ35b及び原点前センサ36
に対向した位置に、リニアモータの推力への影響が小さ
いN極でなるセンサ用マグネット42が配設されてい
る。センサ用マグネット42は、リニアモータの推力に
影響しないように、磁力が弱いフェライト磁石で構成さ
れており、また、センサ用マグネット42の形状及び配
設位置は、センサ用マグネット42が対向する電機子コ
イル12の腕32aにかからないように、スライド方向
と直交する方向に寄った位置に配置され、その直交方向
で計った長さも短く形成されている。センサ用マグネッ
ト42が電機子コイル12の腕32aにかかるとして
も、かかる範囲はできるだけ小さいものが好ましい。そ
こで、実施例では、図4及び図9に示すように、スライ
ド方向の幅Wbmは界磁マグネット13の幅Wmとほぼ
同様になっている(Wbm=14.5)が、スライド方
向と直交する方向の長さLbmはリミットセンサ35b
及び原点前センサ36が検知できる長さ、即ち、リミッ
トセンサ35b及び原点前センサ36の幅程度(Lbm
=4mm)に設定されている。センサ用マグネット42
の長さLbmは、界磁マグネット13の磁極24の長さ
Lamの半分より短いことが望ましい。ここで、テーブ
ル3は、図9に示すように、既に本出願人がした特許出
願(特許願2000−166398号)と兼用できるよ
うに界磁マグネット13を5極並設することができる長
さLtとし、センサ用マグネット42を長手方向に配設
できるスペースが確保されている。
【0051】この発明によるスライド装置1の作動例が
図15〜図17に示されている。図15は、上側におい
てテーブル3が左端から右方へ移行する状況を示してお
り、下側においてテーブル3が右端から左方へ移行する
状況を示している。ここで、スライド装置1は、高推力
を維持するために、テーブル3の移動範囲は、テーブル
3に配設された界磁マグネット13のスライド方向の末
端が、上側の図に示すように、ストロークエンド側にあ
る3相の電機子コイル12のうち端部の腕32aの中心
位置(m1 )から外れることがないように設定されてお
り、他方が下側の図に示すように、界磁マグネット13
の反対端が反対のストロークエンド側にある3相の電機
子コイル12のうち端部の腕32aの中心位置(m2
から外れることないように設定されている。この構成に
よって、電機子コイル12に通電される電流を界磁マグ
ネット13が発する磁束と最大限に相互作用を働かせる
ことができ、テーブル3の高推力を維持することが可能
である。
【0052】図16及び図17は、テーブル3が任意の
位置で、図に示すように電機子コイル12に3相電流を
流すことによってテーブル3が左方へ移行する状態を示
している。各電機子コイル12への電流は、図10に示
すように、それぞれ120°位相差を有する3相の交流
電流U相、V相及びW相になっている。電機子コイル1
2は、界磁マグネット13の磁極境に位置している場合
は電流がゼロになっている。図16と図17とでは、電
機子コイル12の腕32aが、図16は4本が通電さ
れ、図17では6本が通電されているが、各磁極の中央
部が磁東密度が大きくなっていて電流量も磁極の位置に
合わせて変化しているので、電機子コイル12の腕32
aの数に依らず同一の高推力を維持するように構成され
ている。
【0053】図15に示すように、界磁マグネット13
の磁極幅Wmとして、各磁極ピッチPmも同一(Pm=
Wm)、電機子コイル12の腕32aの中心間距離BC
を磁極幅Wmと同一(Bc=Wm)、電機子コイル12
のピッチPcをPc=4/3Pm(Pc=4/3Wm)
に構成している。界磁マグネット13の長さLam(図
4)は、電機子コイル12の長さ中心間Lp(図6)程
度になっている。この実施例では、磁極幅Wm=15m
mであり、テーブル3のストロークSt=65mmとな
っている。また、スライド装置1は、高さH(図3)=
14mm、長さL(図1)=185mm、幅B(図1)
=60mmである。
【0054】この発明による、スライド装置1において
は、界磁マグネット13の磁極24は、極数が4×n
(nは1から始まる整数)であり、電機子組立体10の
電機子コイル12の数は3×(m+1)(mは1から始
まる整数)であり、且つ電機子コイル12の数{3×
(m+1)}は界磁マグネット13の磁極数{4×n}
以上である。
【0055】
【発明の効果】この発明による可動マグネット型リニア
モータを内蔵したスライド装置は、以上のように、一般
の磁気検知素子がN極を検出している実情を考慮して、
一端磁極の外側端部に、一端磁極と極性が異なる補助マ
グネットを配設することによって、界磁マグネットの一
方の端部に配置されている一端磁極の外側境界位置にお
ける磁束の強さと方向を、互いに隣接する磁極の境界位
置における磁束の強さと方向と同程度に設定することが
可能になり、その結果、界磁マグネットのN極とされた
一方の磁極の外側に、当該一方の磁極の外側に生じる磁
束のパターンを、極性が異なる隣接する磁極同士間で生
じる磁束のパターンと同等に矯正させることができ、界
磁マグネットの端部に磁極についても同じ磁気検知素子
でもってテーブルのベッドに対する位置を正確に検出す
ることができる。従って、スライダのベッドに対する高
速作動性、応答性が更に向上され、テーブルのベッドに
対する位置決めを一層高精度化することができる。ま
た、位置検出用の専用に磁石を配設することを要するこ
とがないので、既存の界磁マグネットと磁気検知素子と
を活用してテーブルの位置検出を行うことができ、スラ
イダ装置の製作コストを低下させることができる。
【0056】この発明による可動マグネット型リニアモ
ータを内蔵したスライダ装置によれば、電機子組立体を
構成する各電機子コイルへの電流の供給を3相通電方式
としたので、駆動回路をスライド装置内部から外部のド
ライバ側に移設することが可能になり、スライド装置の
全高さを低くすることができる。また、界磁マグネット
を希土類磁石(ネオジウム磁石)で構成したので、磁束
密度を高めることになり高推力(電流×磁束密度)を得
ることができ、更に、高速、高応答な位置決めが可能に
なっている。また、テーブルのベッドに対する位置検出
を行うエンコーダに光学式エンコーダが採用されている
ので、従来の磁気エンコーダに比較して分解能が向上
し、テーブルの位置決めを高精度に行うことができる。
また、光学式エンコーダを構成する光学式のリニアスケ
ールをテーブル下面に配設し、リニアスケール用のセン
サをベッドに配設したので、センサに接続されるセンサ
コードは、ベッドに設けられるだけであるので、テーブ
ルに設ける場合と異なり可動に構成することがなく、低
発塵であるクリーンな環境で使用可能になっている。電
機子組立体において、電機子コイルを6つの電機子コイ
ルとし、界磁マグネットを4極配設した場合には、実用
上、コンパクトで且つテーブルの充分なスライド距離が
提供される。このように、この発明による可動マグネッ
ト型リニアモータを内蔵したスライダ装置は、嵩高さを
抑えて最もコンパクトとなり、スライド装置の製造、保
管、運搬、据付け及び使用において、省スペースを実現
し、作業環境等の改善に寄与することができると共に、
クリーン、高推力、高速、高応答な位置決め機構として
のスライド装置となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による可動マグネット型リニアモータ
を内蔵したスライド装置の平面図である。
【図2】図1に示したスライド装置の正面図である。
【図3】図1に示したスライド装置のA−A断面図であ
る。
【図4】図1に示したスライド装置のテーブルの背面図
である。
【図5】図4に示したテーブルの左側面図である。
【図6】図1に示したスライド装置のコイル基板の背面
図である。
【図7】図6に示したコイル基板の側面図である。
【図8】図6に示したコイル基板の背面から見た平面図
である。
【図9】図1に示すスライド装置の各構成部品の関係を
示す平面図である。
【図10】スライド装置の電機子組立体に供給される電
流の時間変化を示すグラフである。
【図11】スライド装置に用いられる補助マグネットの
作用を説明する説明図である。
【図12】補助マグネットのスライド方向の幅寸法Wa
mを変えてホールICの検知位置のずれ(A,B,C)
を実験したデータを示すグラフであり、補助マグネット
の幅Wam=3mmとした場合のホールICの反応
(U,V,Wの各相につき合計したもの)を示す。
【図13】図12と同様のグラフであり、補助マグネッ
トの幅Wam=5mmとした場合のホールICの反応を
示す。
【図14】図12と同様のグラフであり、補助マグネッ
ト無しの各場合のホールICの反応を示している。
【図15】この発明によるスライド装置の作動の一例を
示す図である。
【図16】テーブルが任意の位置で電機子コイルに3相
電流を流すことによって左方へ移行する状態を示す説明
図である。
【図17】テーブルが別の位置で電機子コイルに3相電
流を流すことによって左方へ移行する状態を示す説明図
である。
【図18】従来の可動マグネット型リニアモータを内蔵
するスライド装置の一例を示す平面図である。
【図19】図18に示すスライド装置のB−B断面図で
ある。
【符号の説明】
1 可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライ
ド装置 2 ベッド 3 テーブル 3a,3b テーブルの端部 4 直動案内ユニット 9 凹部 10 電機子組立体 11 コイル基板 12 電機子コイル 12a 電機子コイルの端部の腕 13 界磁マグネット 14 エンコーダ(光学式エンコーダ) 15 光学式リニアスケール 16 センサ 17 エンドブロック 19 コネクタブロック 18,20 ストッパ 21 信号コード 22 センサコード 24 磁極 24a 一端磁極 24d 他端磁極 25 端板 28 原点マーク 30 下面 31 下面 32 巻線 33 芯部 34 ホールIC(磁気検知素子) 35a,35b リミットセンサ 36 原点前センサ 41 補助マグネット 42 センサ用マグネット St ストローク Wam 補助マグネットのスライド方向の幅 d 電機子コイルの腕の幅 Lam 界磁マグネットの長さ Lbm センサ用マグネットの長さ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月30日(2000.6.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 可動マグネット型リニアモータを内蔵
したスライド装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体・液晶関
連装置、測定器、組立機、工作機械、産業用ロボット、
又は搬送機等の機器に使用され、励磁コイルをベッドの
ような固定子側に配設し、マグネットをテーブルのよう
な可動子側に配設した可動マグネット型リニアモータを
内蔵したスライド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、上記各技術分野における
X−Y等多軸ステージや運動機構部において、ワーク、
工具、或いは物品や機器を高速で移動させ且つ高精度で
位置決めするため、コンパクトで軽量な構造を有し、高
推力、高速、高応答可能なスライド装置が求められてい
る。スライド装置にはリニアモータが使用されている
が、リニアモータには、ベース部材であるベッドに界磁
マグネットを固定子として設け、且つ所定の電気角だけ
ずらした位相差をもって順次配列された複数個の電機子
コイルをベッドに対して長手方向に摺動自在なテーブル
に可動子として設けた可動コイル型リニアモータと、電
機子コイルをベッドにその長手方向全長に渡って固定子
として配設し、テーブルに永久磁石から成る界磁マグネ
ットを可動子として取り付けた可動マグネット型のリニ
アモータとがある。
【0003】本出願人は、既に、工作機械や産業用ロボ
ットなどに用いられるスライド装置として、リニア電磁
アクチュエータを駆動源として備え、物体(被駆動体)
を高精度に位置決めする一軸の可動マグネット型リニア
モータを内蔵したスライド装置を開示している(特開平
9−266659号公報)。このスライド装置は、鋼製
(磁性材料)とされたベッドとテーブルとの間にリニア
電磁アクチュエータが配設され、ベッドとテーブルとの
少なくとも一方がリニア電磁アクチュエータの磁気回路
部分、具体的にはマグネットヨーク及びコイルヨークを
兼用させた構造を備えている。このスライド装置によれ
ば、磁気回路を構成する比較的大きな部材であるヨーク
を別途設ける必要がなく、部品点数を少なくすると共に
安価で小形なスライド装置が実現されている。
【0004】また、編み機の編み針を往復させる装置と
して好適なリニアモータが特開平8−322232号公
報に開示されている。この公報に開示されているリニア
モータは、可動コイル型リニアモータを複数内蔵した装
置であり、可動子組立体は、一方の側から他方の側に貫
通する空間部が形成された可動子支持体と、可動子支持
体の一側に接着等で固定された可撓性を有するシート状
部材と、該シート状部材の一方の面に配置され且つ可動
子支持体に形成されている空間部に一部が受け入れられ
た複数(3つ)の励磁コイル(可動子)とから構成され
ている。励磁コイルは、コイルの軸線方向を厚さ方向と
した長円形の平板の形に形成されている。可動子組立体
は、鋼材のような強磁性体からなる固定子支持体と、固
定子支持体に可動子の移動方向に並べて配置された6枚
の永久磁石(固定子)とから構成された一対の対向した
固定子組立体間において、移動自在に構成されている。
励磁コイルが、可動子支持体の空間部に収容されている
ことにより、可動子組立体の厚さ寸法を小さくしてい
る。位置センサは、可動子組立体の移動方向に延びるよ
うに配置された細長い被検知体と、一方の固定子組立体
に配置された感知ヘッドとを有する。
【0005】また、特開平8−47239号公報には、
界磁マグネットの最端判別素子に対して非検出磁極を設
けたリニア直流モータが開示されている。このリニア直
流モータにおいて、可動子であるテーブルは、その下面
側に固着されたマグネットヨークと、マグネットヨーク
の下面に取り付けられ且つベッドに設けられた一次側で
ある電機子コイルに対向して配設された界磁マグネット
とを有している。界磁マグネットは、長手方向にSN極
が交互に並んだ全体として略矩形状に形成されるが、一
方の最端磁極は、最端判別素子である位置検出用のホー
ル効果素子との対向面のみが非検出磁極とされ、実際に
推力を発生する電機子コイル導体部の数のバラツキ範囲
を小さくし、安定した推力を得ている。
【0006】更に、コイルごとに半導体整流装置が配設
された可動磁石型直流ブラシレスリニアモータが開示さ
れている(特開平1−298946号公報)。この公報
には、3相通電方式のリニアモータとして、4極マグネ
ット及び2組の3相コイル群を配設した構造のものが開
示されている。更に、特許第2960489号公報に
は、120度通電型の可動磁石型ブラシレスリニアモー
タが開示されている。
【0007】従来のスライド装置の一例が、図18及び
図19に示されている。図18は従来の可動マグネット
型リニアモータを内蔵するスライド装置の一例を示す平
面図であり、図19は図18に示すスライド装置のB−
B断面図である。このスライド装置は、前掲の特開平9
−266659号公報に開示されている小形リニアモー
タテーブル51を示し、ベッド52及びテーブル53を
鋼製(磁性材料)にして磁気回路部分(マグネットヨー
ク及びコイルヨーク)を兼用させて小形なリニアモータ
テーブル51を実現している。リニアモータテーブル5
1は、固定側とされる長手のベッド52と、直動案内ユ
ニット54によってベッド52の長手方向で直線的に往
復動するように設けられたテーブル53とを有してい
る。直動案内ユニット54は、ベッド52に並列に取り
付けられた2本の軌道レール55と、テーブル53に取
り付けられ且つ各軌道レール55についてスライド可能
な都合4つのスライダ56によって構成されている。直
動案内ユニット54は、軌道レール55の長手方向側面
に形成された軌道溝とスライダ56に形成された軌道溝
とが対向して負荷軌道路を形成しており、負荷軌道路を
転動体であるボールが転走することによってスライダ5
6が軌道レール55上をスムーズに案内する従来公知の
ものであってよく、これ以上の詳細な説明を省略する。
テーブル53の上面には、ワーク取付け用の複数のねじ
孔58が形成されている。
【0008】ベッド52の長手方向両端部にはエンドブ
ロック61及びコネクタブロック62が設けられてお
り、それぞれ、取付けボルト63,64によってベッド
52に取り付けられていて、テーブル53の作動ストロ
ークを大きく逸脱することがないようにテーブル53の
移動を規制している。ベッド52には、複数箇所におい
て取付け孔65が形成されており、取付け孔65に挿通
され且つ作業台等に係合される取付けボルト66によっ
て、ベッド52が作業台等に取り付けられる。
【0009】スライド装置1の一次側を構成する電機子
70は、コイル基板71と、コイル基板71の下面側に
テーブル53の移動方向に沿って一列に並べて貼着され
た8個の電機子コイル72とを有している。電機子70
は、ベッド52の上面側に長手方向に形成されている凹
部73内に絶縁シート74を介して配設されている。コ
イル基板71には各電機子コイル72に関連してホール
効果素子75が設けられており、ホール効果素子75
は、後述する二次側の界磁マグネット90が発する磁力
線について界磁マグネット90の接近時に検出する磁束
検出量に応じた信号を出力する。各電機子コイル72に
流される電流の給断電は、ホール効果素子75が出力し
た信号に基づいて制御される。各電機子70は、隣り合
う電機子70の取付け位置と千鳥状となる取付け位置に
おいて、ベッド52とコイル基板71とに当接するスペ
ーサ77に嵌挿された小ねじ76によってベッド52に
共締めされる。
【0010】ベッド52には、上側の凹部73とは反対
側の下側において、凹部79が形成されており、凹部7
9には絶縁シート81を介してドライブ基板80が配設
されている。ドライブ基板80は、電機子コイル72に
給電を行うものであり、種々の電子部品から成る駆動回
路82が設けられている。コイル基板71とドライブ基
板80とは、ベッド52に上下に貫通して形成されてい
る貫通孔85を通じて延びる雌雄のコネクタ83,84
によって接続されている。更に、ベッド52の凹部79
は、カバー86によって覆われている。
【0011】リニアモータの二次側である界磁マグネッ
ト90が、テーブル53に形成された凹部92内に配置
され、且つテーブル53の下面に固着されている。界磁
マグネット90は、テーブル53のスライド方向にN,
Sの磁極(5極)が交互に並んで設定された複数の板状
磁石91で構成されている。界磁マグネット90が装着
されている鋼等の磁性材から成るテーブル53は、マグ
ネットヨークとして磁気回路部分を構成している。一
方、磁性材から成るベッド52は、各電機子コイル72
に関するヨーク、即ち、コイルヨークとして磁気回路部
分を構成する。各電機子コイル72に所定の電流を供給
することにより、一次側と二次側とにフレミングの左手
の法則に基づく推力が生じ、二次側である界磁マグネッ
ト90と一体のテーブル53が直動案内ユニット54,
54に案内されてスライドする。
【0012】ベッド52とテーブル53の基準位置を検
出するため、左から2番目の電機子コイル72の内部に
ホール効果素子97が配設されている。ホール効果素子
97が、界磁マグネット90の左端の板状磁石91を検
出するときの信号が基準位置信号とされる。また、テー
ブル53がその作動ストロークを逸脱して作動すること
を検出する限界センサとして2つのホール効果素子9
8,99が左右両端の電機子コイル72,72の内部に
おいてコイル基板71に装着されている。テーブル53
がその作動ストロークを逸脱して作動したとき、ホール
効果素子98,99は、それぞれ界磁マグネット90の
左右両端の磁極に感応して信号を発する。リニアモータ
テーブル51においてベッド52とテーブル53との相
対位置を検出するため、テーブル53には、その側部に
おいて微細なピッチでN,S極が交互に並べられた磁気
スケールから成るリニアスケール95が取り付けられて
おり、リニアスケール95を検出するセンサ96がベッ
ド52取り付けられている。
【0013】スライド装置である上記のリニアモータテ
ーブル51は、各電機子コイル72毎の通電方式である
ために、ベッド52の下部にドライブ基板80及び駆動
回路82を内蔵する構造になっており、スライド装置が
複雑化し、且つ嵩高い構造になっている。リニアスケー
ルには磁気スケールが用いられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
半導体装置、測定器、組立機などで、従来のスライド装
置に比して、更にコンパクトで高精度・高速度に作動
し、クリーン、高推力、高速、高応答な位置決め機構と
してのスライド装置が要望されている。そこで、ベッド
に対して直動案内ユニットを介してテーブルをスライド
自在に設け、テーブルのベッドに対向する対向面に配設
されている界磁マグネットが生じる磁束と、ベッドに支
持されている電機子コイルに流れる電流との電磁相互作
用により、ベッドに対して界磁マグネットをテーブルと
共に移動可能にした可動マグネット型リニアモータを内
蔵したスライド装置において、テーブルのベッドに対す
る位置を検出するため、ベッド側に設けられているホー
ルIC等の磁気検知素子で、テーブルに設けられている
磁石を検出している。位置検出のためにテーブルに設け
る磁石を位置検出専用の磁石とすると、スライド装置の
製作コストを上昇させる原因になるので、テーブルの推
力を得るための界磁マグネットを位置検出のために利用
することが行われている。
【0015】しかしながら、複数の磁極を極性が交互に
異なるように並べて構成された界磁マグネットでは、両
端の磁極の外側については、隣接する異極同士の磁極間
でコンパクトに閉じた磁束の分布と異なり、磁束が開放
した分布を呈している。例えば、磁束の縦方向の強さが
ゼロになる位置は、両端の磁極の外側に大きくはみ出し
ている。従って、磁気検知素子は、界磁マグネットの両
端の磁極の位置を正確に検出することができない。そこ
で、同じ磁気検知素子が、界磁マグネットの隣接する異
極同士の磁極間の境界位置と同様の精度で、界磁マグネ
ットの両端の磁極の位置を検出可能にするため、両端の
磁極の外側に生じる磁束を矯正する点で解決すべき課題
がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決することであり、一般の磁気検知素子がN
極を検出している実情を考慮して、界磁マグネットのN
極とされた一方の磁極の外側に、当該一方の磁極の外側
に生じる磁束のパターンを、極性が異なる隣接する磁極
同士間で生じる磁束のパターンと同等に矯正させること
で、位置検出用の専用に磁石を配設することを要せず、
界磁マグネットの端部に磁極についても同じ磁気検知素
子でもって正確に位置検出を可能にする可動マグネット
型リニアモータを内蔵したスライド装置を提供すること
である。
【0017】この発明は、上記の目的を達成するため、
次のように構成されている。即ち、この発明は、相対的
に移動可能な一対の部材を構成する一方の前記部材に取
り付けられるベッド、他方の前記部材に取り付けられ且
つ前記ベッドの長手方向に直動案内ユニットを介してス
ライド自在に設けられたテーブル、前記テーブルの前記
ベッドに対する対向面に前記テーブルのスライド方向に
極性が交互に異なり且つ両端の極性が異なる態様で並設
された磁極から成る界磁マグネット、前記界磁マグネッ
トに対向して前記ベッドの前記テーブルに対する対向面
に配置された電機子コイルを有し且つ前記界磁マグネッ
トが生じさせる磁束と前記電機子コイルに流れる電流と
の電磁相互作用により前記界磁マグネットに推力を与え
て前記テーブルをスライド自在に位置決め駆動する電機
子組立体、及び前記ベッドに前記界磁マグネットに対向
して配設され磁束の強さと方向を検知する磁気検知素子
を具備し、前記磁極のうち前記界磁マグネットの一方の
端部に配置されている一端磁極の外側境界位置における
前記磁束の強さと方向を互いに隣接する前記磁極の境界
位置における前記磁束の強さと方向と同程度に設定する
ため、前記一端磁極の外側端部には、前記一端磁極と極
性が異なる補助マグネットが配設されていることから成
る可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装
置に関する。
【0018】この発明は、上記のように構成されている
ため、相対的に移動可能な一対の部材を構成する一方の
部材に取り付けられるベッドと、他方の部材に取り付け
られているテーブルとは、ベッドの長手方向に直動案内
ユニットを介してスライド自在である。テーブルのベッ
ドに対する推力は、電機子コイルに通電するとき、テー
ブルのベッドに対する対向面にテーブルのスライド方向
に極性が交互に異なり且つ両端の極性が異なる態様で並
設された磁極から成る界磁マグネットが生じさせる磁束
と、界磁マグネットに対向してベッドの前記テーブルに
対する対向面に配置された電機子組立体の電機子コイル
に流れる電流との電磁相互作用により与えられる。界磁
マグネットに対向してベッドに配設され磁束の強さと方
向を検知する磁気検知素子によってテーブルの位置を検
出し、電機子コイルに流される電流を制御することによ
り、テーブルはスライド自在に位置決め駆動される。界
磁マグネットの一方の端部に配置されている一端磁極と
極性が異なる補助マグネットは、補助マグネットが無い
としたときに外側に開放されてしまう磁極パターンを矯
正し、一端磁極の外側境界位置における磁束の強さと方
向を、互いに隣接する磁極の境界位置における磁束の強
さと方向と同程度に設定しているので、互いに隣接する
磁極の境界位置の場合と同様の精度で、磁極の端部を検
出する。
【0019】前記ベッド及び前記テーブルは、それぞ
れ、磁性材料である鋼から製作されている。ベッドはコ
イルヨークを兼ね、テーブルはマグネットヨークを兼ね
るので、電機子組立体と界磁マグネットとの配置が省ス
ペースに構成され且つ効率的な電磁相互作用が得られ
る。また、前記界磁マグネットとして、4の倍数の前記
磁極が交互に並べて配置された希土類磁石(ネオジウム
磁石)を用いているので、磁束密度が高まり、高推力
(電流×磁束密度)が得られて、一層、高速、高応答な
位置決めが可能になる。
【0020】前記電機子組立体は、3相通電方式で各相
の電流が供給される3つの前記電機子コイルが前記ベッ
ドの長手方向に並べて構成された電機子コイル組を少な
くとも2組、前記ベッドの長手方向に並べて配設されて
おり、前記電機子コイルの総数は前記磁極の極数以上で
ある。電機子組立体を3相通電方式にし、3相の各電流
がそれぞれ供給される最小単位でなる3つの電機子コイ
ルで構成しているので、従来の構造のように各電機子コ
イル毎の通電方式であることに応じてベッドの下部に駆
動回路を内蔵する必要がなく、駆動回路をスライド装置
から駆動装置(電気装置)であるドライバ側に移設する
ことが可能になる。電機子コイル組は、並べてベッドに
配設されるので、スライド装置の構造がコンパクトに構
成される。この場合、前記界磁マグネットを構成する前
記磁極の数は4であり、前記電機子コイルの数は6であ
り、前記テーブルの長手方向の長さは5つまでの前記磁
極を配設することが可能な長さとすることが可能であ
る。
【0021】前記補助マグネットのスライド方向の幅
は、前記テーブルに及ぼされる推力への影響を制限する
ため、前記電機子コイルの腕の幅よりも小さい幅に設定
されている。電機子コイルに流れる電流によって生じる
磁束が界磁マグネットによって生じる磁束と相互作用を
起こしてテーブルに推力を与えるのは、電機子コイルの
腕の部分に流れる電流が起こす磁束である。従って、補
助マグネットのスライド方向の幅を、電機子コイルの腕
の幅よりも小さい幅に設定することで、電機子コイルが
補助マグネットとの相互作用によって、界磁マグネット
がテーブルに本来及ぼす推力への影響を最小限に抑えら
れる。
【0022】前記テーブルには、前記テーブルの原点を
規定する原点マークと、前記界磁マグネットの他方の端
部に配置されている他端磁極の外側に前記他端磁極と異
極のセンサ用マグネットとが配設されており、前記ベッ
ドには前記原点マークを検出する原点センサが配設さ
れ、前記電機子組立体には、前記テーブルが前記ベッド
に対してスライドするとき前記原点センサが前記原点マ
ークを検出する前の原点前位置において前記センサ用マ
グネットを検出する原点前センサ、及び前記テーブルの
前記ベッドに対するスライド限界位置に応じて前記一端
磁極又は前記センサ用マグネットを検出するリミットセ
ンサが配設されている。即ち、界磁マグネットの両端の
磁極が異なるので、リミットセンサ、及び原点前センサ
の設定については、異なる磁極に対応した設定を必要と
する。一端磁極については、一方のリミットセンサが前
記一端磁極に対応しているが、他端磁極については、一
端磁極と異なる極性であるので、前記設定を不要とする
ために、前記一端磁極と同極でなる他端磁極と異極のセ
ンサ用マグネットが設けられている。リミットセンサ及
び原点前センサが、センサ用マグネットを検出すること
により、テーブルのベッドに対するスライド位置、スト
ロークを制御することが可能となる。
【0023】前記センサ用マグネットは、前記推力に及
ぼす影響を小さくするため、前記界磁マグネットの外側
において一つの前記磁極の半分以下の長さで配設されて
いる。センサ用マグネットを配設することによって、テ
ーブルへの推力への影響が無視できなくなるのを防止す
るため、センサ用マグネットの形状と界磁マグネットへ
の配置とが配慮される。また、前記センサ用マグネット
はフェライト磁石で製作されている。フェライト磁石の
磁力は希土類磁石と比較して弱いので、テーブルへの推
力への影響が小さい。
【0024】前記界磁マグネットの一方の端部に配置さ
れている前記一端磁極、前記補助マグネット、前記界磁
マグネットの他方の端部に配置されている前記他端磁
極、及び前記センサ用マグネットの極性は、それぞれ、
N極、S極、S極、N極である。一端磁極及びセンサ用
マグネットの極性がN極となり、磁気検知素子で、検出
可能となる。
【0025】前記ベッドに対する前記テーブルのスライ
ド方向の位置を検出するエンコーダを具備しており、前
記エンコーダは、前記テーブルに配設された光学式リニ
アスケールと前記光学式リニアスケールに対向して前記
ベッドに配設されて前記光学式リニアスケールを検出す
るセンサとから構成される光学式エンコーダである。光
学式エンコーダは、相互間変化に左右されにくく、高精
度化に適している。また、磁気エンコーダに代えて光学
式エンコーダを採用しているので、分解能が向上し高精
度になっている。光学式エンコーダを構成する光学式の
リニアスケールをテーブル下面に配設し、リニアスケー
ル用のセンサをベッドに配設したことによって、スライ
ド装置の稼働に伴ってセンサコードを動かすことがなく
なり、装置自体が低発塵となり、クリーンな環境で使用
することを可能にしている。
【0026】前記磁気検知素子は、前記電機子コイル毎
に配設されているホールICである。ホールICは、比
較的安価に入手できる磁気検知素子であり、電機子コイ
ルの製作時に同時に組み込むことで、容易に配設され
る。
【0027】前記テーブルには、前記補助マグネットの
端部において、前記界磁マグネットが発する磁束の外部
への漏れ防止用の端板が配設されている。端板は、界磁
マグネットが発する磁束がテーブルの端部から外部に漏
れ出るのを防止するので、界磁マグネットによって形成
される磁界の影響が、テーブルに接近するものに及ぶの
を防止する。
【0028】前記電機子組立体は、前記テーブルのスラ
イド方向に沿って前記ベッドに形成されている凹部内に
配置されており、前記直動案内ユニットは前記凹部を挟
んで前記テーブルのスライド方向に沿って並列に配設さ
れている。電機子組立体は、ベッドの形成されている凹
部に収容される状態で取り付けられ、ベッドの厚さを可
及的に薄くすることが可能となり、スライド装置のコン
パクト化に寄与する。直動案内ユニットを凹部を挟んで
テーブルのスライド方向に沿って並列に配設させること
により、テーブルはベッドに対して安定したスライド可
能となり、また、直動案内ユニットの高さの範囲を利用
して、界磁マグネットをテーブルに設けることが可能に
なる。また、前記エンコーダは、一方の前記直動案内ユ
ニットの外方において前記ベッド及び前記テーブルに配
設させることが可能である。
【0029】前記電機子組立体は、前記ベッドに取り付
けられ且つ前記凹部の開口を覆うコイル基板を有し、前
記電機子コイルは、前記コイル基板の前記凹部内に臨む
面において前記テーブルのスライド方向に並設された偏
平な電機子コイルである。コイル基板と偏平な電機子コ
イルとから成る電機子組立体は、極力薄い厚さに製作さ
れ、ベッドの凹部内に配設される。また、前記電機子コ
イルは、略矩形にまかれた巻線と前記巻線の内部に樹脂
モールド成形された芯部とから構成されている。樹脂モ
ールドで芯部を構成することにより、電機子コイルの一
層の保形性が得られる。
【0030】前記テーブルのスライド方向で見て、前記
ベッドの一方の端部にはエンドブロックが、また他方の
端部には、前記電機子組立体に接続される電源コードと
前記エンコーダの前記センサに接続されるセンサコード
とが連結されたコネクタブロックが取り付けられてお
り、前記エンドブロック及び前記コネクタブロックに
は、前記テーブルとの衝突を緩和するため、それぞれ、
弾性体から成るストッパが固着されている。テーブル
が、万一、ベッドに対して所定のストローク範囲を超え
てスライドしたときには、エンドブロック又はコネクタ
ブロックの内側端面、即ち、テーブルに面する側に設け
られている弾性体から成るストッパがテーブルとの衝突
を緩衝し、スライド装置の破損を防止する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライ
ド装置の実施例を説明する。図1はこの発明による可動
マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装置の平
面図、図2は図1に示したスライド装置の正面図、図3
は図1に示したスライド装置のA−A断面図、図4は図
1に示したスライド装置のテーブルの背面図、図5は図
4に示したテーブルの左側面図、図6は図1に示したス
ライド装置のコイル基板の背面図、図7は図6に示した
コイル基板の正面図、図8は図6に示したコイル基板の
背面から見た平面図、そして、図9は図1に示すスライ
ド装置の各構成部品の関係を示す平面図である。
【0032】この発明による可動マグネット型リニアモ
ータを内蔵したスライド装置1(以下、単に「スライド
装置1」という)は、図1〜図3に示すように、鋼製で
あり細長の矩形板状に形成されたベッド2と、ベッド2
上を長手方向に直線的にスライド自在な鋼製であり矩形
板状のテーブル3とを備えている。ベッド2は、相対的
に移動可能な一方の部材(通常、固定側の機器、図示せ
ず)に取り付けられる。ベッド2上面には、長手方向に
沿って互いに平行に且つ同じ高さに多数の取付けねじに
よってベッド2に固設された一対の軌道レール5と軌道
レール5に摺動自在に跨架してなる2つずつのスライダ
6とからなる直動転がり案内ユニット4が設けられてい
る。テーブル3は、直動転がり案内ユニット4の四つの
各スライダ6(図3参照)に固着されており、スライダ
6が軌道レール5を摺動することによって、ベッド3上
をスライド自在である。テーブル3を各スライダ6に固
着するための固着用の一対のねじ23が、テーブル3の
上面に埋設される形で挿通されてスライダ6にねじ込ま
れている。スライド装置1においては、図1に示される
ように、ベッド2には、基台などへの取付けのために複
数の取付孔7が形成されており、テーブル3には、その
上面に位置決め駆動するワーク、即ち、ベッドと共に相
対的に移動可能な一対の部材の他方の部材を取り付ける
ための複数(図示の例では4つ)ねじ孔8が形成されて
いる。スライド装置1は、特に図2に示すように、全体
的に高さが低い薄厚構造に構成されている。
【0033】直動転がり案内ユニット4は、従来周知の
ものであり、軌道レール5に跨架したスライダ6は、詳
細には図示しないが、ケーシングと、ケーシングの摺動
方向両端に取り付けられた一対のエンドキャップと、各
エンドキャップの外面にエンドキャップと共締めされた
状態でケーシングに取り付けられたエンドシールとを有
している。一方のエンドキャップには、グリースニップ
ルが取り付けられている。ケーシングには、軌道レール
5の長手方向両側面に形成された各軌道溝に対応して転
動体が循環するための循環路が形成されており、循環路
には転動体としての多数のボールが並べられて収容され
ている。循環路は、ケーシングに形成されており且つ軌
道レール5に形成された各軌道溝に対応して負荷軌道路
を構成する負荷軌道溝とリターン通路、及びエンドキャ
ップに形成され且つ負荷軌道路とリターン通路とを接続
する方向転換路から成っている。ボールが軌道レールと
ケーシングとの間に形成された負荷軌道路を転動しつつ
循環路を循環することにより、スライダ6が軌道レール
5上を滑らかに案内されて移動する。
【0034】スライド装置1において、図3に示すよう
に、ベッド2の上面には、一対の直動転がり案内ユニッ
ト4,4間の長手方向に沿って凹部9が形成されてお
り、凹部9には、コイル基板11とコイル基板11に固
着された複数の電機子コイル12(この実施例では6つ
の電機子コイル:図6参照)とから成る固定子としての
電機子組立体10が配設されている。電機子組立体10
に対向して、テーブル3の下面には、可動子として、矩
形板状に形成された複数の永久磁石を極性が交互に異な
らせて配設された界磁マグネット13(この実施例では
4極の界磁マグネット:図4参照)が固着されている。
スライド装置1は、界磁マグネット13が生じさせる磁
束と電機子コイル12に流れる3相電流との電磁相互作
用によるリニアモータによって、テーブル3をスライド
自在に駆動して、所望の位置に位置決めする。電源装
置、及び制御装置であるドライバ装置、及びコントロー
ル装置は、スライド装置1の外部に設けられている。
【0035】図3及び図4に示すように、ベッド2に対
するテーブル3の位置検知をするため、スライド装置1
には、光学式エンコーダ14が配設されている。光学式
エンコーダ14は、テーブル3の下面の一側に長手方向
に沿って配設された光学式リニアスケール15と光学式
リニアスケール15に対向してベッド2の中央部側部を
切り欠いて配設されたセンサ16とから構成されてい
る。図1及び図2に示すように、ベッド2には、その一
側において長手方向に沿ってセンサ取付けブロック16
aがブロック取付けボルト16bによって取り付けられ
ており、センサ16は、センサ取付けブロック16aに
センサ取付けボルト16cによって取り付けられてい
る。
【0036】スライド装置1は、図1及び図2に示すよ
うに、ベッド2の上面の長手方向の一方端部には、テー
ブル3がその作動ストロークを大きく逸脱してベッド2
の一方から外れることを防止する規制部材としてのエン
ドブロック17が埋込み型の固着手段である六角孔付き
の取付けボルト17aよって固設されている。エンドブ
ロック17には、テーブル3に対向する端面にウレタン
ゴムでなる弾性体のストッパ18が固着されている。ま
た、ベッド2の他方の端部には、コネクタブロック19
がエンドブロック17の場合と同様の埋込み型の取付け
ボルト19aによって固設されている。コネクタブロッ
ク19は、テーブル3がその作動ストロークを大きく逸
脱してベッド2の他方から外れることを防止する規制部
材として機能すると共に、リニアモータを駆動するため
に電機子コイル12への電力供給を行うと共に後述する
リミットセンサや原点前センサのような磁気検知素子の
ための電源コード及び信号コード21と、後述する原点
マークや光学式エンコーダ14等のベッド2に対するテ
ーブル3の位置を検出した信号取り出し用のセンサコー
ド22とを断線なく案内する働きをしている。センサコ
ード22には制御装置が接続されており、制御装置は、
電源コード及び信号コード21、並びにセンサコード2
2を介して検出した位置情報に基づいてモータ駆動用の
電力を電源コード及び信号コード21を通じて供給す
る。コネクタブロック19には、テーブル3に対向する
端面にウレタンゴムでなる弾性体のストッパ20が固着
されている。ストッパ18,20は、テーブル3がベッ
ド2における作動ストロークの限界に接近したときの衝
突を緩衝する。
【0037】図4及び図5に示されるように、テーブル
3の下面30には、テーブル3のスライド方向に磁性が
交互に異なる矩形板状の4極の磁極24a〜24dが密
に並設されて構成されている界磁マグネット13が配設
されている。この実施例では、界磁マグネット13は、
希土類磁石であるネオジウム磁石から成る永久磁石であ
る。テーブル3は、鋼製でなる磁性材料から作られてお
り、界磁マグネット13が生じる磁束を通すマグネット
ヨークを兼ねている。そのため、テーブル3に取り付け
るべきマグネットヨークを別途用意する必要がなく、可
動子側の構造をコンパクトに構成することができる。
【0038】界磁マグネット13の一方の端部に配置さ
れている一端磁極24aの極性は、N極である。一端磁
極24aの外側端面に、補助マグネット41が並設され
ている。界磁マグネット13の他方の端部に配置されて
いる他端磁極24dの極性は、S極である。他端磁極2
4dの外側端面には、センサ用マグネット42が並設さ
れている。補助マグネット41の外端面には、磁束漏れ
防止用の鋼製でなる端板25が配設されている。鋼製の
端板25は、界磁マグネット13からの磁束がテーブル
3の端面より外へ漏れるのを防止して、テーブル3に近
接するものに磁界の影響を与えることなくするものであ
る。端板25の幅は電機子コイル12の腕(スライド方
向に交差する方向に延びるコイル巻線部分)の幅d(図
6参照)の半分程度(ここでは、2.5mm幅)になっ
ていて、端板25の厚さは界磁マグネット13の厚さと
同一である。端板25は、テーブル3と一体に形成され
たものであってもよい。テーブル3の下面30には、セ
ンサ16と対向した一側において、長手方向に光学式リ
ニアスケール15が貼着されており、反対側において
は、下面30にセンサ16の側面に対向するように(図
3参照)L字状金具27に取り付けられ且つテーブル3
の下面30に垂直になった状態で光学式リニアスケール
15に隣接して原点マーク28が取り付けられている。
原点マーク28は、センサ16に原点(基準位置)の信
号を与えるためのマークであり、中央部分に磁石29が
埋め込まれて構成されている。なお、スライド装置1に
おける、補助マグネット41及びセンサ用マグネット4
2の機能の詳細については、後述する。
【0039】電機子組立体10は、図6、図7及び図8
に示すように、平坦な薄板であるコイル基板11と、そ
の下面31にテーブル3のスライド方向に並んで接着剤
等で固着された扁平な都合6つの電機子コイル12とか
ら構成されている。電機子コイル12は、3相でなる3
つずつの電機子コイル12から成る電機子コイル組が、
2組(12a,12b)配置されている。電機子組立体
10は、電機子コイル12を界磁マグネット13に対向
して配置した状態でベッド2の凹部9内に配設される。
各電機子コイル12は、3相のコアレスコイルでなり、
それぞれが略矩形に巻かれた巻線32と巻線32内部に
樹脂モールド成形された芯部33とから成っている。コ
イル基板11には、各電機子コイル12内のスライド方
向の中央部に界磁マグネット13と対向して磁極(ここ
ではN極)を検知するホールIC(ホール効果素子)3
4が固設されている。ホールIC34は、特定の磁極
(ここではN極)に検知するものであり、スライド装置
1に電源をONさせた初期の時点で、いずれか検知した
ホールIC34から対向する界磁マグネット13の位置
を検出して、検出された界磁マグネット13の位置に合
わせて駆動電流を電機子コイル12に流すようにするた
めの検知信号を出力する。
【0040】コイル基板11には、また、下面31の一
方の端部において、界磁マグネット13と対向して磁極
(ここではN極)24を検知するリミットセンサ35a
が固設されており、他方の端部においては、センサ用マ
グネット42と対向してセンサ用マグネット42の磁極
(ここではN極)24を検知するリミットセンサ35b
が固設されている。また、コイル基板11の下面31に
は、リミットセンサ35bのスライド方向手前に隣接し
て原点前センサ36が固設されている。リミットセンサ
35a,35bは、界磁マグネット13のスライド方向
両端に位置するN極を検知してテーブル3のオーバラン
を防止するための検知素子である。原点前センサ36
は、テーブル3の原点への接近に際して界磁マグネット
13の端部に設けられているセンサ用マグネット42の
N極を検知する。原点前センサ36がセンサ用マグネッ
ト42を検知する位置は、ベッド2に設けられているセ
ンサ16がテーブル3の原点マーク28の側部に内蔵さ
れている原点(磁石29)を検知する僅かに前の位置で
あり、原点前センサ36は、センサ16が原点マーク2
8に合致すべく、検知時点でテーブル3を減速させるた
めの検知素子である。
【0041】コイル基板11の下面31には、電機子コ
イル12への電源供給用、並びにホールIC34、リミ
ットセンサ35a,35b及び原点前センサ36の信号
伝達用の電源コード及び信号コード21と配線する端子
37の列が固設されている。コイル基板11には、更に
ベッド2への取付けのために取付け孔38が形成されて
いる。このように構成されたコイル基板11は、図3及
び図4に示すようにベッド2の長手方向に形成された凹
部9に嵌挿され、取付け孔38に挿通した皿ねじ39
(図1参照)をベッド2にねじ込むことによってベッド
2に固着される。コイル基板11の両端部には、各電機
子コイル12に高さに相当する高さを有するスペーサ4
3が設けられており、電機子組立体10を凹部9に取り
付けたときの取付け安定性を向上させている。図8に示
すように、コイル基板11の裏面には、取付け孔38に
対応して基板孔44が形成されており、取付け孔38の
開口部は、皿ねじ39のための皿ねじ座面45となって
いる。
【0042】ベッド2も、例えば、鉄系の強磁性材料
(S45C)のような鋼製の磁性材料であり、電機子組
立体10のためのコイルヨークを兼ねている。従って、
コイルヨークを別途設ける必要がなく且つ嵩高さが減少
されるので、固定子側のコンパクトを更に進めた構造に
することができる。なお、ベッド2の凹部9と電機子コ
イル12との間には絶縁シート40(図3)が配設され
ている。
【0043】スライド装置1は、次のようにして作動す
る。即ち、界磁マグネット13とコイルヨークとして機
能するベッド2とにより常に垂直方向に働く磁束と、電
機子コイル12への通電による電機子コイル12の腕
(巻線32のうち、電機子組立体10の長手方向と直交
する方向に延びる部分32a)のまわりに発生する回転
磁束とにより、電機子コイル12はフレミングの左手の
法則により水平方向に力を受けることになり、反作用で
可動子を構成する界磁マグネット13、即ちテーブル3
が駆動され、界磁マグネット13の移動に合わせて磁束
の向きに応じた方向に電機子コイル12に電流を切り替
えることで、テーブル3には一方向の連続した推力が得
られてテーブル3の直線運動が維持される。電流量によ
る加速度制御と光学式エンコーダ14による現在位置の
検出とに基づいて、テーブル3のスライドについて正確
な位置決めが行われる。なお、スライド装置1は、パソ
コン、シーケンンサ、及びドライバと組み合わせてシス
テム構成され、テーブル3の駆動及び位置決めが制御さ
れる。
【0044】ホールIC34、リミットセンサ35a,
35b及び原点前センサ36は、通常、磁極のN極を検
出するものとして構成されており、各種の装置もN極の
検出に応じて作動するように設定されている。S極を検
出するものであれば、以下の説明における磁極の説明は
すべて逆になる。補助マグネット41は、図4及び図9
に示されるように、テーブル3の下面30に設けられて
いて、界磁マグネット13を構成するN極の一端磁極2
4aの外端面に配設されている。補助マグネット41に
ついては、テーブル3の長手方向と直交する長さLam
は界磁マグネット13の長さLmと同じであり、厚みも
界磁マグネット13と同じであるが、界磁マグネット1
3の幅Wmより小さい幅Wamを有している。また、補
助マグネット41は、界磁マグネット13と同様に希土
類磁石(ネオジウム磁石)によって形成されており、表
側にS極の磁極を示している。S極を示す補助マグネッ
ト41を配設することによって、N極の界磁マグネット
13の外端面になる境の位置が、後述するように、正確
にホールIC34に検知される。
【0045】図10は、スライド装置1の電機子組立体
10に供給される電流の時間変化を示すグラフである。
図10に示すように、各電機子コイル12に供給される
電流は、それぞれに120°位相差を有する3相の交流
電流U相、V相、及びW相である。横軸は、各相の半波
長Pwに対する倍率で示されている。
【0046】図11は、このスライド装置1に用いられ
る補助マグネット41の作用を説明する説明図である。
図11に示すように、界磁マグネット13の交互に異な
る磁極が並設された境界部分(例えば、一端磁極24a
と磁極24bとの境界部分、磁極24bと磁極24cと
の境界部分等)は、N極成分の磁束とS極成分の磁束と
の和が零となる位置O2 ,O3 に一致するので問題な
い。しかしながら、界磁マグネット13の一端磁極24
aの外端面においては、補助マグネット41が設けられ
ていない従来の構造では、磁束が想像線で示すように外
側に広がっており、N極成分の磁束とS極成分の磁束と
の和(縦方向に磁束成分)が零となる位置が外端面であ
る境界部分から外側に外れて(図11にO1 ’で示す)
いるために、ホールIC34がその外れた位置を一端磁
極24aの外端面として検知していた。これに対して、
この発明では、図11に示すように、一端磁極24aの
外側にS極でなる補助マグネット41を配設したので、
一端磁極24aによるN極成分の磁束と補助マグネット
41によるS極成分の磁束との和が零となる位置O
1が、磁極24bと磁極24cとの境界部分と同様に、
一端磁極24aと補助マグネット41との境界部分と一
致させることができる。
【0047】補助マグネット41は、リニアモータによ
って得られる推力に影響を与えないような構成でなけれ
ばならないので、電機子コイル12の腕32aにかかる
部分を小さいものにしなければならない。そこで、補助
マグネット41のスライド方向の幅寸法Wamを変えて
ホールIC34の検知位置のずれ(A,B,C)を実験
したデータを図12〜図14に示す。図12は補助マグ
ネット41の幅Wam=3mm、図13は補助マグネッ
ト41の幅Wam=5mm、図14は補助マグネット無
しの各場合のホールIC34の反応(U,V,Wの各相
に位置するホールICにおいて)を示している。ホール
IC34の反応は、非検出状態では出力がハイ(Hig
h)であり、検出状態では出力がロー(Low)であ
る。図1においてテーブル3が左動するとき、補助マグ
ネット41の無い従来の構造では、図14に示すように
界磁マグネット13の開放端が通過する毎に検出位置A
1 、B1 、C1 が早い側にずれている。図12と図13
とを比較すると補助マグネット41の幅Wamが大きく
なっている図13の方がその位置A0 、B0 、C0 が一
致している。しかしながら、補助マグネット41の幅W
amを5mmとすると、リニアモータの推力に若干の影
響が認められた。そこで、本発明では、推力に影響が少
なく位置精度も正確なもの(図12に示すように、位置
A,B,C)として補助マグネット41の幅Wamを3
mmで実施している。上記の実験結果から、補助マグネ
ット41の幅Wamは,電機子コイル12の腕32aの
幅d(約5mm)より小さいものがよい。
【0048】上記のように、補助マグネット41が配設
されているので、スライド装置1は、電源をONさせた
初期の時点で、ホールIC34が対向するN極の界磁マ
グネット13の位置を正確に検出し、その界磁マグネッ
ト13の位置に合わせて駆動電流を各電機子コイル12
に流すようにするので、テーブル3のベッド2に対する
高精度な位置決めを行うことができる。
【0049】次にセンサ用マグネット42の作用につい
て説明する。リミットセンサ35a,35b及び原点前
センサ36は、N極の磁界を検知するものである。図9
に示すように、テーブル3の下面30に配設された界磁
マグネット13において、一方の端部にはN極の一端磁
極24aが位置しているので、リミットセンサ35aは
磁極24aを検知することができ、その検出結果に基づ
いてリニアモータを制御することによりテーブル3がオ
ーバランすることを防止できる。しかしながら、界磁マ
グネット13の他方の端部にはS極の他方磁極24dが
位置しているので、リミットセンサ35b及び原点前セ
ンサ36は、S極の磁極24dを検知することができ
ず、他端磁極24dに隣接するN極の磁極24cを待っ
て検知することになる。そうすると、テーブル3は、電
機子コイル12の腕32aが生じさせる磁束と界磁マグ
ネット13の磁束との相互作用に基づいて得られる高推
力位置から外れてしまうことになり、効率的なテーブル
3の駆動制御ができない。リミットセンサ35b及び原
点前センサ36を隣接するN極の界磁マグネット側に寄
せれば、即ち、電機子コイル12内に配設できれば問題
は無いが、電機子コイル12もコンパクトになっている
ので、リミットセンサ35b及び原点前センサ36は、
電機子コイル12の外側に配設することが求められてい
る。
【0050】そこで、この発明によるスライド装置1で
は、界磁マグネット13のS極の他端磁極24dの外側
において、リミットセンサ35b及び原点前センサ36
に対向した位置に、リニアモータの推力への影響が小さ
いN極でなるセンサ用マグネット42が配設されてい
る。センサ用マグネット42は、リニアモータの推力に
影響しないように、磁力が弱いフェライト磁石で構成さ
れており、また、センサ用マグネット42の形状及び配
設位置は、センサ用マグネット42が対向する電機子コ
イル12の腕32aにかからないように、スライド方向
と直交する方向に寄った位置に配置され、その直交方向
で計った長さも短く形成されている。センサ用マグネッ
ト42が電機子コイル12の腕32aにかかるとして
も、かかる範囲はできるだけ小さいものが好ましい。そ
こで、実施例では、図4及び図9に示すように、スライ
ド方向の幅Wbmは界磁マグネット13の幅Wmとほぼ
同様になっている(Wbm=14.5)が、スライド方
向と直交する方向の長さLbmはリミットセンサ35b
及び原点前センサ36が検知できる長さ、即ち、リミッ
トセンサ35b及び原点前センサ36の幅程度(Lbm
=4mm)に設定されている。センサ用マグネット42
の長さLbmは、界磁マグネット13の磁極24の長さ
Lamの半分より短いことが望ましい。ここで、テーブ
ル3は、図9に示すように、既に本出願人がした特許出
願(特許願2000−166398号)と兼用できるよ
うに界磁マグネット13を5極並設することができる長
さLtとし、センサ用マグネット42を長手方向に配設
できるスペースが確保されている。
【0051】この発明によるスライド装置1の作動例が
図15〜図17に示されている。図15は、上側におい
てテーブル3が左端から右方へ移行する状況を示してお
り、下側においてテーブル3が右端から左方へ移行する
状況を示している。ここで、スライド装置1は、高推力
を維持するために、テーブル3の移動範囲は、テーブル
3に配設された界磁マグネット13のスライド方向の末
端が、上側の図に示すように、ストロークエンド側にあ
る3相の電機子コイル12のうち端部の腕32aの中心
位置(m1 )から外れることがないように設定されてお
り、他方が下側の図に示すように、界磁マグネット13
の反対端が反対のストロークエンド側にある3相の電機
子コイル12のうち端部の腕32aの中心位置(m2
から外れることないように設定されている。この構成に
よって、電機子コイル12に通電される電流を界磁マグ
ネット13が発する磁束と最大限に相互作用を働かせる
ことができ、テーブル3の高推力を維持することが可能
である。
【0052】図16及び図17は、テーブル3が任意の
位置で、図に示すように電機子コイル12に3相電流を
流すことによってテーブル3が左方へ移行する状態を示
している。各電機子コイル12への電流は、図10に示
すように、それぞれ120°位相差を有する3相の交流
電流U相、V相及びW相になっている。電機子コイル1
2は、界磁マグネット13の磁極境に位置している場合
は電流がゼロになっている。図16と図17とでは、電
機子コイル12の腕32aが、図16は4本が通電さ
れ、図17では6本が通電されているが、各磁極の中央
部が磁東密度が大きくなっていて電流量も磁極の位置に
合わせて変化しているので、電機子コイル12の腕32
aの数に依らず同一の高推力を維持するように構成され
ている。
【0053】図15に示すように、界磁マグネット13
の磁極幅Wmとして、各磁極ピッチPmも同一(Pm=
Wm)、電機子コイル12の腕32aの中心間距離BC
を磁極幅Wmと同一(Bc=Wm)、電機子コイル12
のピッチPcをPc=4/3Pm(Pc=4/3Wm)
に構成している。界磁マグネット13の長さLam(図
4)は、電機子コイル12の長さ中心間Lp(図6)程
度になっている。この実施例では、磁極幅Wm=15m
mであり、テーブル3のストロークSt=65mmとな
っている。また、スライド装置1は、高さH(図3)=
14mm、長さL(図1)=185mm、幅B(図1)
=60mmである。
【0054】この発明による、スライド装置1において
は、界磁マグネット13の磁極24は、極数が4×n
(nは1から始まる整数)であり、電機子組立体10の
電機子コイル12の数は3×(m+1)(mは1から始
まる整数)であり、且つ電機子コイル12の数{3×
(m+1)}は界磁マグネット13の磁極数{4×n}
以上である。
【0055】
【発明の効果】この発明による可動マグネット型リニア
モータを内蔵したスライド装置は、以上のように、一般
の磁気検知素子がN極を検出している実情を考慮して、
一端磁極の外側端部に、一端磁極と極性が異なる補助マ
グネットを配設することによって、界磁マグネットの一
方の端部に配置されている一端磁極の外側境界位置にお
ける磁束の強さと方向を、互いに隣接する磁極の境界位
置における磁束の強さと方向と同程度に設定することが
可能になり、その結果、界磁マグネットのN極とされた
一方の磁極の外側に、当該一方の磁極の外側に生じる磁
束のパターンを、極性が異なる隣接する磁極同士間で生
じる磁束のパターンと同等に矯正させることができ、テ
ーブルのベッドに対する位置を正確に検出することがで
きる。従って、スライダのベッドに対する高速作動性、
応答性が更に向上され、テーブルのベッドに対する位置
決めを一層高精度化することができる。また、位置検出
用の専用に磁石を配設することを要することがないの
で、既存の界磁マグネットと磁気検知素子とを活用して
テーブルの位置検出を行うことができ、スライダ装置の
製作コストを低下させることができる。
【0056】この発明による可動マグネット型リニアモ
ータを内蔵したスライダ装置によれば、電機子組立体を
構成する各電機子コイルへの電流の供給を3相通電方式
としたので、駆動回路をスライド装置内部から外部のド
ライバ側に移設することが可能になり、スライド装置の
全高さを低くすることができる。また、界磁マグネット
を希土類磁石(ネオジウム磁石)で構成したので、磁束
密度を高めることになり高推力(電流×磁束密度)を得
ることができ、更に、高速、高応答な位置決めが可能に
なっている。また、テーブルのベッドに対する位置検出
を行うエンコーダに光学式エンコーダが採用されている
ので、従来の磁気エンコーダに比較して分解能が向上
し、テーブルの位置決めを高精度に行うことができる。
また、光学式エンコーダを構成する光学式のリニアスケ
ールをテーブル下面に配設し、リニアスケール用のセン
サをベッドに配設したので、センサに接続されるセンサ
コードは、ベッドに設けられるだけであるので、テーブ
ルに設ける場合と異なり可動に構成することがなく、低
発塵であるクリーンな環境で使用可能になっている。電
機子組立体において、電機子コイルを6つの電機子コイ
ルとし、界磁マグネットを4極配設した場合には、実用
上、コンパクトで且つテーブルの充分なスライド距離が
提供される。このように、この発明による可動マグネッ
ト型リニアモータを内蔵したスライダ装置は、嵩高さを
抑えて最もコンパクトとなり、スライド装置の製造、保
管、運搬、据付け及び使用において、省スペースを実現
し、作業環境等の改善に寄与することができると共に、
クリーン、高推力、高速、高応答な位置決め機構として
のスライド装置となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による可動マグネット型リニアモータ
を内蔵したスライド装置の平面図である。
【図2】図1に示したスライド装置の正面図である。
【図3】図1に示したスライド装置のA−A断面図であ
る。
【図4】図1に示したスライド装置のテーブルの背面図
である。
【図5】図4に示したテーブルの左側面図である。
【図6】図1に示したスライド装置のコイル基板の背面
図である。
【図7】図6に示したコイル基板の正面図である。
【図8】図6に示したコイル基板の背面から見た平面図
である。
【図9】図1に示すスライド装置の各構成部品の関係を
示す平面図である。
【図10】スライド装置の電機子組立体に供給される電
流の時間変化を示すグラフである。
【図11】スライド装置に用いられる補助マグネットの
作用を説明する説明図である。
【図12】補助マグネットのスライド方向の幅寸法Wa
mを変えてホールICの検知位置のずれ(A,B,C)
を実験したデータを示すグラフであり、補助マグネット
の幅Wam=3mmとした場合のホールICの反応
(U,V,Wの各相に位置するホールICにおいて)を
示す。
【図13】図12と同様のグラフであり、補助マグネッ
トの幅Wam=5mmとした場合のホールICの反応を
示す。
【図14】図12と同様のグラフであり、補助マグネッ
ト無しとした各場合のホールICの反応を示す。
【図15】この発明によるスライド装置の作動の一例を
示す図である。
【図16】テーブルが任意の位置で電機子コイルに3相
電流を流すことによって左方へ移行する状態を示す説明
図である。
【図17】テーブルが別の位置で電機子コイルに3相電
流を流すことによって左方へ移行する状態を示す説明図
である。
【図18】従来の可動マグネット型リニアモータを内蔵
するスライド装置の一例を示す平面図である。
【図19】図18に示すスライド装置のB−B断面図で
ある。
【符号の説明】 1 可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライ
ド装置 2 ベッド 3 テーブル 4 直動案内ユニット 9 凹部 10 電機子組立体 11 コイル基板 12 電機子コイル 12a,12b 電機子コイル組 13 界磁マグネット 14 エンコーダ(光学式エンコーダ) 15 光学式リニアスケール 16 センサ 17 エンドブロック 19 コネクタブロック 18,20 ストッパ 21 電源コード及び信号コード 22 センサコード 24 磁極 24a 一端磁極 24d 他端磁極 25 端板 28 原点マーク 30 下面 31 下面 32 巻線 33 芯部 34 ホールIC(磁気検知素子) 35a,35b リミットセンサ 36 原点前センサ 41 補助マグネット 42 センサ用マグネット St ストローク Wam 補助マグネットのスライド方向の幅 d 電機子コイルの腕の幅 Lam 界磁マグネットの長さ Lbm センサ用マグネットの長さ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 正毅 神奈川県鎌倉市常盤392番地 日本トムソ ン株式会社内 Fターム(参考) 3J104 AA02 AA23 AA70 AA73 AA76 AA79 DA13 DA16 DA17 DA20 EA01 EA02 EA04 EA06 5H641 BB06 GG02 GG05 GG07 GG26 GG28 HH03 JA09 JA13 JA14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に移動可能な一対の部材を構成す
    る一方の前記部材に取り付けられるベッド、他方の前記
    部材に取り付けられ且つ前記ベッドの長手方向に直動案
    内ユニットを介してスライド自在に設けられたテーブ
    ル、前記テーブルの前記ベッドに対する対向面に前記テ
    ーブルのスライド方向に極性が交互に異なり且つ両端の
    極性が異なる態様で並設された磁極から成る界磁マグネ
    ット、前記界磁マグネットに対向して前記ベッドの前記
    テーブルに対する対向面に配置された電機子コイルを有
    し且つ前記界磁マグネットが生じさせる磁束と前記電機
    子コイルに流れる電流との電磁相互作用により前記界磁
    マグネットに推力を与えて前記テーブルをスライド自在
    に位置決め駆動する電機子組立体、及び前記ベッドに前
    記界磁マグネットに対向して配設され磁束の強さと方向
    を検知する磁気検知素子を具備し、前記磁極のうち前記
    界磁マグネットの一方の端部に配置されている一端磁極
    の外側境界位置における前記磁束の強さと方向を互いに
    隣接する前記磁極の境界位置における前記磁束の強さと
    方向と同程度に設定するため、前記一端磁極の外側端部
    には、前記一端磁極と極性が異なる補助マグネットが配
    設されていることから成る可動マグネット型リニアモー
    タを内蔵したスライド装置。
  2. 【請求項2】 前記ベッド及び前記テーブルは、それぞ
    れ、磁性材料である鋼から製作されていることから成る
    請求項1に記載の可動マグネット型リニアモータを内蔵
    したスライド装置。
  3. 【請求項3】 前記界磁マグネットは、4の倍数の前記
    磁極が交互に並べて配置された希土類磁石であることか
    ら成る請求項1又は2に記載の可動マグネット型リニア
    モータを内蔵したスライド装置。
  4. 【請求項4】 前記電機子組立体は、3相通電方式で各
    相の電流が供給される3つの前記電機子コイルが前記ベ
    ッドの長手方向に並べて構成された電機子コイル組を少
    なくとも2組、前記ベッドの長手方向に並べて配設され
    ており、前記電機子コイルの総数は前記磁極の極数以上
    であることから成る請求項3に記載の可動マグネット型
    リニアモータを内蔵したスライド装置。
  5. 【請求項5】 前記界磁マグネットを構成する前記磁極
    の数は4であり、前記電機子コイルの数は6であり、前
    記テーブルの長手方向の長さは5つまでの前記磁極を配
    設することが可能な長さであることからなる請求項4に
    記載の可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライ
    ド装置。
  6. 【請求項6】 前記補助マグネットのスライド方向の幅
    は、前記テーブルに及ぼされる推力への影響を制限する
    ため、前記電機子コイルの腕の幅よりも小さい幅に設定
    されていることから成る請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライ
    ド装置。
  7. 【請求項7】 前記テーブルには、前記テーブルの原点
    を規定する原点マークと、前記界磁マグネットの他方の
    端部に配置されている他端磁極の外側に前記他端磁極と
    異極のセンサ用マグネットとが配設されており、前記ベ
    ッドには前記原点マークを検出する原点センサが配設さ
    れ、前記電機子組立体には、前記テーブルが前記ベッド
    に対してスライドするとき前記原点センサが前記原点マ
    ークを検出する前の原点前位置において前記センサ用マ
    グネットを検出する原点前センサ、及び前記テーブルの
    前記ベッドに対するスライド限界位置に応じて前記一端
    磁極又は前記センサ用マグネットを検出するリミットセ
    ンサが配設されていることから成る請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の可動マグネット型リニアモータを内蔵
    したスライド装置。
  8. 【請求項8】 前記センサ用マグネットは、前記推力に
    及ぼす影響を小さくするため、前記界磁マグネットの外
    側において一つの前記磁極の半分以下の長さで配設され
    ていることから成る請求項7に記載の可動マグネット型
    リニアモータを内蔵したスライド装置。
  9. 【請求項9】 前記センサ用マグネットは、フェライト
    磁石であることから成る請求項8に記載の可動マグネッ
    ト型リニアモータを内蔵したスライド装置。
  10. 【請求項10】 前記界磁マグネットの一方の端部に配
    置されている前記一端磁極、前記補助マグネット、前記
    界磁マグネットの他方の端部に配置されている前記他端
    磁極、及び前記センサ用マグネットの極性は、それぞ
    れ、N極、S極、S極、N極であることから成る請求項
    7〜9のいずれか1項に記載の可動マグネット型リニア
    モータを内蔵したスライド装置。
  11. 【請求項11】 前記ベッドに対する前記テーブルのス
    ライド方向の位置を検出するエンコーダを具備してお
    り、前記エンコーダは、前記テーブルに配設された光学
    式リニアスケールと前記光学式リニアスケールに対向し
    て前記ベッドに配設されて前記光学式リニアスケールを
    検出するセンサとから構成される光学式エンコーダであ
    ることから成る請求項1〜10のいずれか1項に記載の
    可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装
    置。
  12. 【請求項12】 前記磁気検知素子は、前記電機子コイ
    ル毎に配設されているホールICであることから成る請
    求項1〜11のいずれか1項に記載の可動マグネット型
    リニアモータを内蔵したスライド装置。
  13. 【請求項13】 前記テーブルには、前記補助マグネッ
    トの端部において、前記界磁マグネットが発する磁束の
    外部への漏れ防止用の端板が配設されていることから成
    る請求項1〜12のいずれか1項に記載の可動マグネッ
    ト型リニアモータを内蔵したスライド装置。
  14. 【請求項14】 前記電機子組立体は、前記テーブルの
    スライド方向に沿って前記ベッドに形成されている凹部
    内に配置されており、前記直動案内ユニットは前記凹部
    を挟んで前記テーブルのスライド方向に沿って並列に配
    設されていることから成る請求項1〜13のいずれか1
    項に記載の可動マグネット型リニアモータを内蔵したス
    ライド装置。
  15. 【請求項15】 前記電機子組立体は、前記ベッドに取
    り付けられ且つ前記凹部の開口を覆うコイル基板を有
    し、前記電機子コイルは、前記コイル基板の前記凹部内
    に臨む面において前記テーブルのスライド方向に並設さ
    れた偏平な電機子コイルであることから成る請求項14
    に記載の可動マグネット型リニアモータを内蔵したスラ
    イド装置。
  16. 【請求項16】 前記電機子コイルは、略矩形にまかれ
    た巻線と前記巻線の内部に樹脂モールド成形された芯部
    とから構成されていることから成る請求項15に記載の
    可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装
    置。
  17. 【請求項17】 前記テーブルのスライド方向で見て、
    前記ベッドの一方の端部にはエンドブロックが、また他
    方の端部には、前記電機子組立体に接続される電源コー
    ドと前記エンコーダの前記センサに接続されるセンサコ
    ードとが連結されたコネクタブロックが取り付けられて
    おり、前記エンドブロック及び前記コネクタブロックに
    は、前記テーブルとの衝突を緩和するため、それぞれ、
    弾性体から成るストッパが固着されていることから成る
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の可動マグネット
    型リニアモータを内蔵したスライド装置。
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