JP2002009323A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュールの製造方法

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JP2002009323A
JP2002009323A JP2000187171A JP2000187171A JP2002009323A JP 2002009323 A JP2002009323 A JP 2002009323A JP 2000187171 A JP2000187171 A JP 2000187171A JP 2000187171 A JP2000187171 A JP 2000187171A JP 2002009323 A JP2002009323 A JP 2002009323A
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solar cell
cell module
roll
heating
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Hidenori Shiozuka
秀則 塩塚
Ichiro Kataoka
一郎 片岡
Satoshi Yamada
聡 山田
Hidesato Yoshimitsu
秀聡 善光
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程におけるスループットを向上させる
とともに、信頼性が高く、電気特性を向上させる太陽電
池モジュールの製造方法を提供する。 【解決手段】 光起電力素子101を表面被覆材11
1、裏面被覆材112で被覆した太陽電池モジュールの
製造方法で、光起電力素子101を加熱する加熱炉10
2と光起電力素子101を樹脂被覆するための、光起電
力素子101を挟持する少なくとも1本の加熱、加圧を
行なうロール(107,108)を配置したロールラミ
ネーター装置113を有し、ロール(107,108)
が光起電力素子表面101の凸部に対応した凹部を有し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池モジュー
ルの製造方法に係り、特に光起電力素子を樹脂被覆した
太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の太陽電池モジュールとしては、大
別して、受光面側の最表面をガラスで覆うものと、透光
性フィルムで覆うものとが有る。さらに、分類するとガ
ラスで表面を覆う太陽電池モジュールには、ガラスと光
起電力素子とを封止材樹脂で接着する「サブストレート
方式」の太陽電池モジュールと、ガラス基板上に直接光
起電力素子を形成する「スーパースレート方式」の太陽
電池モジュールがある。また、透光性フィルムで覆う太
陽電池モジュールでは、透光性フィルムと光起電力素子
を封止材樹脂で接着する方法が一般的に採用されてい
る。
【0003】これら太陽電池モジュールの非受光面側の
構成は、絶縁性のフィルムを裏面絶縁材として、裏面封
止材を介して光起電力素子に接着している。特に、裏面
絶縁材が直接屋外に曝されるような場合には、耐侯性を
考慮してフッ素樹脂フィルムが好んで用いられている。
また、表面を透光性のフィルムからなる表面部材で被覆
している場合には、表裏面ともフィルムで覆うだけでは
剛性が不足する為、裏面絶縁材の外側に補強板を貼り付
けることも行なわれている。
【0004】従来、このように表面部材と裏面部材を光
起電力素子に貼り合わせて太陽電池モジュールを製造す
るためのラミネート装置として、ダイアフラムによって
仕切られた上チャンバと下チャンバからなるチャンバ部
を備えた、いわゆる二重真空室方式のラミネート装置が
公知になっている。二重真空室方式のラミネート装置に
関し、特公平4−65556号公報の「太陽電池モジュ
ールラミネート装置」、および特公平6−52801号
公報の「太陽電池パネルの製造方法」が開示されてい
る。これらに記載されたラミネート装置は、下方に向か
って膨張自在なダイアフラムを備えた上チャンバと、ヒ
ータ盤を備えた下チャンバによって構成されている。そ
して、下チャンバに設けられたヒータ盤に被ラミネート
体を載置した状態で上チャンバと下チャンバを減圧し、
被ラミネート体を加熱して、上チャンバに大気を導入す
ることにより被ラミネート体をヒータ盤の上面とダイア
フラムとの間で挟圧してラミネートする構成になってい
る。また、特開平9−141743号公報の「ラミネー
ト装置」には、チャンバに昇降機能を持たせラミネート
部を上下に二段以上重ねて生産性を向上させた二重真空
室方式のラミネート装置が開示されている。
【0005】また、一重真空室方式によっても太陽電池
モジュールを製造することができる。一重真空室方式と
は二重真空室方式の上室がないもので、特開平9−51
114号公報の「真空ラミネート装置」、特開平9−3
6405号公報の「太陽電池モジュール及びその製造方
法」などに開示されている。
【0006】また、光起電力素子の少なくとも一方の面
の被覆材、例えば樹脂フィルムを熱ローラーにより光起
電力素子に圧着する方法がある。このようなロールラミ
ネート装置に関し、特開平7−193266号公報の
「太陽電池モジュールラミネート装置」、特開平9−1
53631号公報の「太陽電池パネルの製造方法」、お
よび特開平10−264344号公報の「ラミネート方
法およびラミネート装置」が開示されている。
【0007】特開平7−193266号公報では、第1
および第2の加熱ロールを配置したラミネート装置を用
い、第2のロールの周速を第1のロールの周速よりも速
くすることで太陽電池モジュール内に気泡残りが少ない
太陽電池モジュールの製造方法を開示している。
【0008】特開平9−153631号公報および特開
平10−264344号公報では、支持板に封止材樹脂
を圧着させ、次に光起電力素子を圧着し、更にその後に
前記封止材樹脂を加熱加圧する工程を有する製造方法が
開示されている。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】前記の一重真空室方
式、二重真空室方式の製造方法では太陽電池モジュール
を大量生産することが困難であった。即ち、ラミネート
装置による貼り合わせ工程が枚葉処理であるために、貼
り合わせ工程中、次に処理される太陽電池モジュール積
層体を待機させて置かなければならない。そのため、連
続した生産ラインによって太陽電池モジュール積層体ま
で作製しても、ラミネート工程で一度ラインから外さな
ければならず、生産効率を落とす原因となっていた。ま
た、積層体の搬入手段及びラミネート後の太陽電池モジ
ュールの搬出手段をラミネート装置側方に配置した二重
真空室方式のラミネート装置も公知ではあるが、ラミネ
ート工程は最低でも数分間を要し、その間はラインを停
止しなければならず、完全な流れ作業による生産は困難
であった。
【0010】また、屋根材一体型太陽電池モジュールの
ような長尺太陽電池モジュールにあっては、上記の様な
被覆材を枚葉処理していては、被覆材の積層時のハンド
リングが困難である。また、モジュールサイズに合わせ
た長大なラミネート装置を必要とするので装置コストが
かさんでしまう。したがって、比較的小型の装置を用い
て長尺モジュールを連続搬送によってラミネートする技
術が望まれる。
【0011】一方、従来のロールラミネーター装置を用
いた製造方法は、被覆材を枚葉する必要がなく、小型な
装置でラミネートすることが可能である。しかし、集電
用グリッド電極、集電用バスバー電極が表面側または裏
面側に形成された光起電力素子をラミネートする際に、
光起電力素子表面の凹凸形状のために、光起電力素子上
にロール接触において圧力のばらつきが生じる。特に凸
部であるグリッド電極とバスバー電極の接合箇所である
取り出し電極部に圧力が集中する。この場合、ラミネー
ションの熱で溶融された流動性の高い封止樹脂は圧し流
され、グリッド電極上や取り出し電極部上の封止材厚み
が極端に薄くなったり、十分な樹脂封止できずに信頼性
を低下させる原因となる。また、生産力を向上させるた
めに、ロールの搬送速度を上げた場合、加熱ロールから
封止材樹脂に十分に熱が伝わらず接着力が確保できない
という問題が生じてしまう。
【0012】これに対して、特開平9−153631号
公報および特開平10−264344号公報では、光起
電力素子と被覆材の貼り合わせ工程の後に、被覆材を貼
り合わせた光起電力素子を加熱する工程を加える方法を
開示している。しかしながら、被覆材を貼り合わせた光
起電力素子を再度加熱すると樹脂フィルム等の被覆材に
雛が発生したり、太陽電池モジュール表面反射を軽減す
るためのエンボス加工が浅くなってしまい外観を損なっ
てしまう。この対策として、後工程の加熱工程において
大気圧と同じ圧力で加圧し加熱する方法や前述の二重真
空室方式を代表とする真空引きにより加圧し、加熱を行
なう方法が挙げられるが、装置や工程が煩雑となり、結
果として生産効率を低下させてしまう。
【0013】
【課題を解決しようとする手段】係る課題に対し、本発
明は、光起電力素子の少なくとも一方の面を封止材で被
覆した太陽電池モジュールの製造方法において、前記光
起電力素子を加熱する第1の工程と、前記光起電力素子
の少なくとも一方の面を前記封止材で被覆する第2の工
程を有し、前記第2の工程は、前記光起電力素子を挟持
する少なくとも1本の加熱、加圧を行なうロールを配置
したロールラミネーター装置により行われ、前記ロール
が前記光起電力素子表面の凸部に対応した凹部を有して
いることを特徴とする。
【0014】本発明においては、前記第2の工程へ投入
される直前の前記光起電力素子の表面温度が、前記封止
材の軟化点以上であることが好ましい。
【0015】また、前記光起電力素子の受光面に樹脂に
よる保護膜を設けている場合には、前記第2の工程へ投
入される直前の前記光起電力素子の表面温度が、前記封
止材および前記保護膜の軟化点以上であることが好まし
い。
【0016】また、前記光起電力素子の光電変換部が、
非晶質シリコンであることが好ましい。
【0017】また、前記第1の工程における加熱温度
が、120℃以上であることが好ましい。
【0018】また、前記第1の工程において、前記光起
電力素子を5分間以上加熱保持することが好ましい。
【0019】さらに、前記光起電力素子の凸部の高さ
が、前記封止材の厚みの1/3以上であることが好まし
い。
【0020】本発明は、生産性が高く、信頼性の高い太
陽電池モジュールの製造方法を得る為に、本発明者が実
験、及び詳細な検討により実現したものであり、以下の
効果が得られる。
【0021】光起電力素子の樹脂被覆を行なうロールラ
ミネーター装置の前工程に、予め光起電力素子を加熱す
る工程を設けることによって、後工程であるロールラミ
ネーションの時間を短縮し、生産性を向上することがで
きる。また、ロールが光起電力素子表面の凸部に対応し
た凹部を有することで、光起電力素子の凸部を外部の引
っ掻き等からの衝撃から保護するに十分な封止材厚みを
確保でき、信頼性を向上させることができる。
【0022】更に、ロールラミネート装置投入直前の光
起電力素子の表面温度を、被ラミネート材料である封止
材の軟化点以上に加熱することによって、封止材と光起
電力素子の界面の接着力を向上させることができる。こ
れにより、前述の生産性に加え、得られる太陽電池モジ
ュールの長期信頼性を向上させることができる。
【0023】更に、被ラミネート体である光起電力素子
が非結晶系シリコンで、且、ラミネート前の加熱工程で
120℃以上に加熱されることによって、熱アニール効
果によって得られる太陽電池モジュールの初期変換効率
を光起電力素子の変換効率より向上させることができ
る。これにより、前述の生産性の向上に加え、得られた
太陽電池モジュールの初期特性を向上させることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明に
係るラミネート装置の実施態様例を説明するが、本発明
はこれらの実施態様例に限定されるものではない。
【0025】図1に本発明のラミネート装置の概略側面
図の一例を示す。図1において、101は光起電力素
子、102は加熱炉、103は搬入コンベア、104は
炉内コンベア、105は運搬コンベア、106は搬出コ
ンベア、107は上段加熱ロール、108は下段加熱ロ
ール、109は表面部材および表面封止材からなる表面
被覆材を供給する表面被覆材供給ロール、110は少な
くとも裏面部材および裏面封止材からなる裏面被覆材を
供給する裏面被覆材供給ロール、111は表面被覆材、
112は裏面被覆材である。
【0026】また、図2は図1中のA−A’における挟
圧部の概略正面断面図を示している。尚、201は光起
電力素子101のプラス側バスバー電極、202は光起
電力素子101のマイナス側バスバー電極である。
【0027】光起電力素子101は搬入コンベア103
により供給され、所望の温度に設定された加熱炉102
内の炉内コンベア104に載置される。光起電力素子は
加熱炉102内で所望の時間保持された後、炉内コンベ
ア104により運搬コンベア105を経由して上段加熱
ロール107と下段加熱ロール108の間に投入され
る。表面被覆材供給ロール109から供給される表面被
覆材111を上段加熱ロール107と光起電力素子10
1との間で挟圧するとともに、上段加熱ロール107で
加熱し、表面被覆材111の封止材樹脂部を溶融させ光
起電力素子101と圧着させる。同様にして、裏面被覆
材供給ロール110から供給される裏面被覆材112を
下段加熱ロール108と光起電力素子101との間で挟
圧するとともに、下段加熱ロール108で加熱し、裏面
被覆材112の封止材樹脂部を溶融させ光起電力素子1
01と圧着させる。次いで、搬出コンベア106により
搬出される。このような表面被覆材および裏面被覆材の
光起電力素子への貼り合わせの工程により、太陽電池モ
ジュール100を得る。
【0028】加熱炉102は、加熱炉102内に多段の
保持棚を有し、自動搬入、自動搬出ができるものであれ
ば、装置面積を削減するとともに、生産効率を向上させ
ることができる。
【0029】上記の搬入コンベア103、炉内コンベア
104、運搬コンベア105は、1つのコンベアにする
ことができるが、加熱炉の熱ロスを小さくし熱使用効率
を向上させる為には別コンベアにすることが望ましい。
【0030】加熱炉の設定温度は、貼り合わせ材料であ
る被覆材料、特に封止材樹脂の融点、軟化点を考慮して
適宜選択することができる。特にアモルファスシリコン
系光起電力素子の場合、120℃以上で加熱することで
熱アニール効果により初期の光電変換効率が上昇する。
このことから120℃以上に設定することが望ましい。
中でもアニール効果が最も現われやすい150℃以上に
設定することがより望ましい。また、集電電極やバスバ
ー電極に用いる金属部材や光起電力素子上に薄膜樹脂の
保護層や種々の絶縁テープ等の高分子材料が劣化し、太
陽電池モジュールの信頼性を低下させることがないよう
に220℃以下であることが望ましく、200℃以下で
あることがより好ましい。光起電力素子を前記加熱条件
で5分間以上保持することで、変換効率の向上が得られ
る。中でも、150℃で加熱した場合の光起電力素子の
変換効率は、15分以上保持することにより加熱前の変
換効率に比べ1〜2%向上させることができ、30分以
上保持することで2〜3%以上向上させることができよ
り望ましい。
【0031】本発明の上段加熱ローラー107、下段加
熱ローラー108を加熱する方法としては、赤外線ヒー
ターや熱風によりローラー外部から加熱を行なう方法、
セラミックヒーターや誘導加熱ヒーターなどのローラー
内部に発熱体を設け加熱を行なう方法、ローター内部に
シリコンオイルなどの熱媒体を循環させる方法など公知
の方法から選択される。また、ローラー表面の温度ばら
つきを抑える手段としてローラー内部や、ローラー内に
設けたヒーター周りに熱媒体を保持する方法がある。
【0032】また、前記の上段加熱ローラー107、下
段加熱ローラー108と同様な加熱ロールをこれらの後
に複数段設けてもよい。加熱ロールを複数段にすること
で、加熱加圧できる範囲が大きくなり、ラミネーション
時の搬送速度を上げることができる。
【0033】光起電力素子上には、光起電力素子の光電
変換部で発生した電気を集電、または取出す為に、グリ
ッド電極やバスバー電極を配置することが一般的であ
る。これらの電極は、集電ロスを最小にする為にある厚
みを必要であり、結果として光起電力素子上に凸部が生
じる。そのような光起電力素子上の全ての凸部に対し
て、ロールに凹部加工することが好ましいが、コストが
増大してしまう。一方、従来問題となっていた光起電力
素子凸部とは、被覆材、特に封止材樹脂の厚みの1/3
以上である。例えば、光起電力素子上に封止材樹脂の厚
みの1/3以下の高さを有するグリッド電極上では、グ
リッド電極を外部からの引っ掻き等から保護する十分な
樹脂の厚みを確保するまではできないが、グリッド電極
周りを十分に封止材樹脂で充填できる。しかし、封止材
樹脂の厚みの1/3以上の高さを持つ、グリッド電極と
バスバー電極の接合部では、保護するに十分な封止材の
膜厚を確保することができない。従来のラミネーション
装置がこれらの光起電力素子の凸部を十分に封止する方
法としては、封止材の厚みを厚くする方法が挙げられる
が、コスト的な問題だけでなく、入射光低下の原因とな
る経時劣化による封止材の黄変は封止材の膜厚依存性が
あることが知られており、また屋根材として使用した場
合においても屋根材としての難(不)燃焼性に問題が残
る。
【0034】そこで、本発明では、上段加熱ロール10
7及び下段加熱ロール108は、図2に示すように、光
起電力素子101表面の凸部に合わせロール表面に凹部
を設け、光起電力素子101表面に均一に圧力がかかる
ように加工されている。これにより、光起電力素子10
1表面の凸部であるプラス側バスバー電極201、マイ
ナス側バスバー電極202に圧力が集中することが無
く、凸部の表面被覆材111及び裏面被覆材112の封
止材樹脂の膜厚が薄くなったり、樹脂材料に著しい引張
り力が働き亀裂が入るなどの不良を抑えることができ
る。尚、本発明においては、上記加熱ロールに、圧力検
出器及び圧力調節機構を設け、常に所望の圧力で光起電
力素子を加圧するようにしてもよい。
【0035】加熱ロールの材質としては、ゴム、金属の
中から適宜選択して用いることができる。光起電力素子
表面を保護し、表面の凹凸を追従する点において弾性の
あるゴム材料であることが望ましい。ゴム材料の場合、
表面硬度が60°以下であることがより望ましい。ま
た、60°以下とすることで柔軟性と硬度のバランスを
取ることができ、光起電力素子と被覆材との圧着を最適
化することができる。加えて、表面凹凸に対する追従性
をさらに向上させることができ、太陽電池モジュール積
層体内の脱気を促し、気泡残りを抑えることができる。
【0036】加熱ロール表面に使用するゴム材料の厚み
は、1mm以上10mm以下であることが好ましい。1
mm以下の場合、光起電力素子表面の凹凸に十分に追従
することができず、気泡残りを生じてしまう恐れがあ
る。10mmより厚い場合、熱伝導性が悪くなりロール
中に温度ばらつきを生じる恐れがある。
【0037】具体的な材質としては、シリコンゴム、ふ
っ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられるが、表面の面精
度や封止材樹脂などによる汚れの付きにくさ及び除去の
し易さ、そして耐熱性の点からふっ素ゴム、シリコンゴ
ムであることが望ましい。
【0038】これらの加熱ロールの後に、エンボスロー
ル等の表面形状加工用ロールを設けてもよい。エンボス
ロールの表面形状を種々選択することによって所望の表
面形状の太陽電池モジュールを得ることができる。エン
ボス加工は、封止材樹脂が溶融または軟化している状態
で行なうことが望ましい。
【0039】また、その後に冷却工程を設けても良い。
冷却方法としては外部から冷風を加える方法、冷却ロー
ルを用いる方法などがある。冷却ロールの冷却方法とし
ては、ローラー外部から冷風によりロールを冷却する方
法、ロール内部に冷却媒体を循環させる方法など公知の
方法から選択される。また、冷却ロールが前記エンボス
ロールを兼ねても良い。
【0040】更に、表面被覆材供給ロール109若しく
は裏面被覆材供給ロール110から上段加熱ロール10
7若しくは下段加熱ロール108の間に、表面被覆材若
しくは裏面被覆材を予備加熱する手段を設けても良い。
【0041】以上説明したラミネート装置を用いて好適
に製造されうる本発明の太陽電池モジュールの概略断面
図の一例を図3に示す。図3において、300は太陽電
池モジュール、301は光起電力素子、302は表面封
止材303及び表面部材304からなる表面被覆材、3
05は裏面封止材306及び裏面部材307からなる裏
面被覆材である。
【0042】光起電力素子301としては、従来公知の
光起電力素子が適宜用いられる。また、前記光起電力素
子上に保護膜として樹脂層を設けてもよい。
【0043】本発明において、保護膜は光起電力素子の
受光面側の少なくとも一部に設けられる。かかる保護膜
は、光起電力素子に到達する光量の減少を抑える為に4
00〜800nmの可視光波長領域においても80%以
上の光線透過率を有する事が望ましい。また、大気から
の光入射を容易にするために、屈折率が1.1〜2.0
である事が好ましく、1.2〜1.6である事がより好
ましい。また、光起電力素子を工程上の静電気などから
保護する為に3kV/10μm以上の耐圧性能を有する
ことが好ましい。
【0044】上記保護膜の具体的な材料としては、アク
リル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂を主成分とする樹
脂が挙げられる。防湿性を持たせる為には分子間を架橋
し網目構造を形成させた硬化塗膜とすることが望まし
い。硬化方法としては大気の湿気による湿気硬化型、イ
ソシアネートによる硬化、ブロッキングイソシアネート
による加熱硬化がある。これらの樹脂に無機系化合物を
添加して用いても構わない。また、接着性を付与する為
に、従来公知のシラン系、チタン系等のカップリング剤
を樹脂分に対して0.05〜10%添加する事も可能で
ある。より、好ましくはシラン系カップリング剤を0.
05〜8.0%添加して用いる。具体的な形成方法とし
ては、前記材料をコーティングとして光起電力素子上に
塗布する方法、前記材料をフィルム化してラミネートす
る方法が挙げられる。塗布の場合、コーティング樹脂溶
液をスプレーコーター、スピンコーター、カーテンコー
トにより光起電力素子上にコーティングを行ない、溶剤
を乾燥した後に加熱硬化させる。
【0045】次に、本発明で好適に用いられる表面封止
材、表面部材、裏面絶縁材、裏面封止材および裏面部材
について詳しく説明する。
【0046】[表面封止材]表面封止材303として
は、光起電力素子の凹凸を樹脂で被覆し、光起電力素子
を温度変化、湿度、衝撃などの過酷な外部環境から守
り、且つ表面部材と光起電力素子との接着を確保するた
めに必要である。従って、耐候性、接着性、充填性、耐
熱性、耐寒性、耐衝撃性が要求される。これらの要求を
満たす樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(E
MA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EE
A)、エチレン−アクリル酸共重合体(EMAA)、ポ
リビニルブチラール樹脂などのポリオレフィン系樹脂、
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げ
られる。
【0047】中でもEVAを始めとするエチレン系共重
合体は、太陽電池モジュール用としてバランスの取れた
物性を有しており好んで用いられる。しかし、軟化点温
度が低いために容易に高温使用下で変形やクリープを呈
するため、分子内架橋できるような予め架橋剤処方組み
するか、エチレン含有量を調整し耐熱性を高めておくこ
とが望ましい。
【0048】また、樹脂の耐侯性を上げる為に、紫外線
吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤を添加してもよい。こ
れらの添加剤は、公知の化合物から適宜選択して用いる
ことができるが、着色している物質は本発明の封止材料
の添加剤としては好ましくない。
【0049】[表面部材]表面部材304は太陽電池モ
ジュール300の最表層に位置するため耐候性、撥水
性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジ
ュールの屋外暴露における長期信頼性を確保するための
性能が必要である。
【0050】本発明に好適に用いられる材料としては、
フッ素樹脂、アクリル樹脂、ガラス基板などがある。樹
脂材料としては耐侯性の良いフッ素樹脂が好適に用いら
れる。具体的には、四フッ化エチレン−エチレン共重合
体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポ
リフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エ
チレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プ
ロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレ
ン樹脂(CTFE)がある。耐候性の観点ではポリフッ
化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および機械的
強度の両立では四フッ化エチレン−エチレン共重合体が
優れている。
【0051】前記封止材樹脂(表面封止材)との接着性
の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理を表面部材
に行うことが望ましい。また、機械的強度向上のために
延伸処理が施してあるフィルムを用いることも可能であ
る。
【0052】また、ガラス基板を用いても良い。表面部
材として用いられるガラス基板に求められる特徴として
は、波長350乃至1400nmの光の全光線透過率が
80%以上であることが好ましく、より好ましくは90
%以上である。赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用
するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが
3mm以下であれば太陽電池モジュールの出力特性への
影響は少ない。ガラス基板の機械的強度を高めるために
熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理
無しのフロート板ガラスを用いてもよい。また、ガラス
基板の受光面側に反射を抑えるために反射防止のコーテ
ィングをしても良い。
【0053】[裏面封止材]裏面封止材306として
は、光起電力素子301裏面と裏面部材307との接着
を図るためのものである。材料としては、光起電力素子
301裏面と十分な接着性を確保でき、しかも長期耐久
性に優れ熱膨張、熱収縮に耐えられる、柔軟性を兼ね備
えた材料が好ましい。好適に用いられる材料としては、
EVA、ポリビニルブチラール等のホットメルト材、両
面テープ、柔軟性を有するエポキシ接着剤が挙げられ
る。また、表面封止材303と同じ材料であっても良
い。
【0054】[裏面部材]裏面部材307としては、光
起電力素子と太陽電池モジュール外部との電気的絶縁を
保つために必要である。材料としては、導電性基体と充
分な電気絶縁性を確保でき、しかも長期耐久性に優れ熱
膨張、熱収縮に耐えられる、柔軟性を兼ね備えた材料が
好ましい。好適に用いられるフィルムとしては、ナイロ
ン、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。また、
太陽電池モジュールの機械的強度を増すために、あるい
は、温度変化による歪、ソリを防止するために、絶縁性
の補強板を張り付けても良い。例えば、絶縁材料を塗布
もしくはラミネートされた鋼板、プラスチック板、FR
P(ガラス繊維強化プラスチック)板が好ましい。
【0055】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて詳細を説
明する。なお、本発明に係る太陽電池モジュール製造方
法は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その
要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0056】(実施例1)本実施例では、まず図4に示
す構成のアモルファスシリコン(a−Si)光起電力素
子400を以下のように製造した。
【0057】[光起電力素子の製造]洗浄したステンレ
ス基板401上に、スパッタ法で裏面反射層402とし
てAl層(膜厚5000Å)とZnO層(膜厚5000
Å)を順次形成した。次いで、プラズマCVD法によ
り、SiH4とPH3とH2の混合ガスからn型a−Si
層を、SiH4とH2の混合ガスからi型a−Si層を、
SiH4とBF3とH2の混合ガスからp型微結晶μc−
Si層を形成し、n層膜厚150Å/i層膜厚4000
Å/p層膜厚100Å/n層膜厚100Å/i層膜厚8
00Å/p層膜厚100Åの層構成のタンデム型a−S
i光電変換半導体層403を形成した。透明導電層40
4として、In23薄膜(膜厚700Å)を、O2雰囲
気下でInを抵抗加熱法で蒸着することによって形成し
た。
【0058】この後、光起電力素子400の欠陥除去処
理を行った。すなわち、電導度が50乃至70mSとな
るように調整した塩化アルミニウムの水溶液中に、光起
電力素子と素子の透明導電層と対向するように電極板を
浸漬し、素子をアースとして電極板に3.5Vの正電位
を2秒間印加することによりシャントしている部分の透
明導電層を選択的に分解した。
【0059】次に、透明導電層404上に、銀ペースト
のスクリーン印刷によりグリッド電極(集電電極)40
5を形成した。
【0060】次に、マイナス側バスバー電極407とし
て銅タブを光起電力素子の裏面側のステンレス基板にス
テンレス用半田408を用いて取付け、プラス側バスバ
ー電極406として錫箔のテープを導電性接着材料によ
り集電電極405と電気的に接続できるように取り付
け、光起電力素子400を2体作製した。
【0061】得られた光起電力素子について、AM1.
5のグローバルの太陽光スペクトルで100mW/cm
2の光量の擬似太陽光光源を用いて電流−電圧特性を測
定し、変換効率を求めた。
【0062】前記光起電力素子を図5のラミネート装置
を用いてラミネートすることにより太陽電池モジュール
を得た。図5において、501は上記のようにして作製
した光起電力素子、502は加熱炉、503は搬入コン
ベア、504は炉内コンベア、505は運搬コンベア、
506は搬出コンベア、507は上段加熱ロール、50
8は下段加熱ロール、509は表面被覆材供給ロール、
510は裏面被覆材供給ロール、511は表面被覆材、
512は裏面被覆材、513は離型フィルムである。
【0063】[被覆材]本実施例で使用する表面被覆材
511および裏面被覆材512について説明する。
【0064】表面被覆材511は、表面部材であるET
FEフイルム(厚み50μm)と表面封止材EMAAシ
ート(厚み500μm)を予め仮貼り合わせした一体積
層フィルムを使用した。この一体積層フィルム511を
表面被覆材供給ロール509に配置した。また、表面被
覆材511と同じ一体積層フィルムを裏面被覆材512
として裏面被覆材供給ロール510に配置した。
【0065】ここで用いられるEMAAシートは、EM
AA(メタクリル酸含有率15%、軟化点温度92℃)
100重量部に対して紫外線吸収剤として2−ヒドロキ
シ−4−n−オクトキシベンゾフェノン0.15重量
部、光安定化剤としてビス(2、2、6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバゲート0.05重量部、酸化防
止剤としてトリス(モノ−ノニルフェニル)フォスファ
イト0.1重量部を配合したものである。
【0066】[ラミネーション]光起電力素子501を
搬入コンベア503上に配置し、内部の雰囲気温度が9
0℃の加熱炉502に搬入し、光起電力素子501を1
0分間保持する。次に炉内コンベア504、運搬コンベ
ア505を経由し、図2の断面図に示したような光起電
力素子501表面の凹凸に対応した凹凸部を表面に有す
る上段加熱ロール507と下段加熱ロール508(加熱
ロールの材質は、表面硬度60°のシリコンラバーと
し、ゴム厚は10mmとした。)を有するロールラミネ
ータ装置に投入する。ロールラミネータ装置の上段加熱
ロール507と下段加熱ロール508の間に、ガラス繊
維含浸フッ素樹脂(離型用シート)513/表面被覆材
511/光起電力素子501/裏面被覆材512/ガラ
ス繊維含浸フッ素樹脂513の順になるように積層さ
れ、上下段加熱ロールにより挟圧し、加熱圧着した。続
いて、排出コンベア506を駆動させ得られた太陽電池
モジュールを排出した。このときの上下段加熱ロールの
光起電力素子表面に対する圧力は約2×105Pa(G
auge)、ロールの表面温度は180℃、ロールの周
速度は0.2m/minとした。同様な方法により、太
陽電池モジュールを2体作製した。
【0067】(実施例2)本実施例では、加熱炉の温度
を110℃、ロールラミネーターの加熱ロールの周速を
0.4m/minとした以外は、実施例1と同様に太陽
電池モジュールを作製した。
【0068】(実施例3)本実施例では、先ず図6に示
す構成のアモルファスシリコン(a−Si)光起電力素
子600を以下のように製造した。
【0069】[光起電力素子の製造]洗浄したステンレ
ス基板601上に、スパッタ法で裏面反射層602とし
てAl層(膜厚5000Å)とZnO層(膜厚5000
Å)を順次形成した。次いで、プラズマCVD法によ
り、SiH4とPH3とH2の混合ガスからn型a−Si
層を、SiH4とH2の混合ガスからi型a−Si層を、
SiH4とBF3とH2の混合ガスからp型微結晶μc−
Si層を形成し、n層膜厚150Å/i層膜厚4000
Å/p層膜厚100Å/n層膜厚100Å/i層膜厚8
00Å/p層膜厚100Åの層構成のタンデム型a−S
i光電変換半導体層603を形成した。透明導電層60
4として、In23薄膜(膜厚700Å)を、O2雰囲
気下でInを抵抗加熱法で蒸着することによって形成し
た。
【0070】この後、欠陥除去処理を行った。すなわ
ち、電導度が50乃至70mSとなるように調整した塩
化アルミニウムの水溶液中に、光起電力素子と素子の透
明導電層と対向するように電極板を浸漬し、素子をアー
スとして電極板に3.5Vの正電位を2秒間印加するこ
とによりシャントしている部分の透明導電層604を選
択的に分解した。
【0071】次に、透明導電層604上に、銀ペースト
のスクリーン印刷によりグリッド電極(集電電極)60
5を形成した。
【0072】次に、マイナス側バスバー電極607とし
て銅タブを光起電力素子の裏面側のステンレス基板にス
テンレス用半田608を用いて取付け、プラス側バスバ
ー電極606として錫箔のテープを導電性接着材料によ
り集電電極605と電気的に接続できるように取り付け
た。
【0073】次に、前記透明導電層604上にアクリル
ウレタン塗料(固形分35%、20cps)で保護膜層
609(厚み:硬化後平板塗布換算で25μm、軟化点
135℃)を形成し光起電力素子600を2体作製し
た。
【0074】得られた光起電力素子について、AM1.
5のグローバルの太陽光スペクトルで100mW/cm
2の光量の擬似太陽光光源を用いて電流−電圧特性を測
定し、変換効率を求めた。
【0075】前記光起電力素子を図5のラミネート装置
を用いてラミネートすることにより太陽電池モジュール
を得た。
【0076】[被覆材]本実施例1と同じ材料を使用し
た。
【0077】[ラミネーション]加熱炉の炉内部の雰囲
気温度が150℃とした以外は実施例2と同じようにし
て太陽電池モジュールを得た。
【0078】(比較例1)本比較例は、加熱炉による加
熱工程を用いず、また被覆工程において図7に示したロ
ールを使用した以外は、実施例1と同様にして太陽電池
モジュールを作製した。尚、図7において、700は光
起電力素子、701は上段加熱ロール、702は下段加
熱ロール、703は表面被覆材、704は裏面被覆材、
706はプラス側バスバー電極、707はマイナス側バ
スバー電極である。
【0079】(比較例2)本比較例は、図7に示したロ
ールを使用した以外は実施例1と同様にして太陽電池モ
ジュールを作製した。
【0080】(比較例3)本比較例は、ロール周速度を
0.1m/minとした以外は、比較例1と同様にして
太陽電池モジュールを作製した。
【0081】[評価方法]実施例1〜3、および比較例
1〜3において各々作製した2個の太陽電池モジュール
に対して、まず(1)初期電気特性評価を行なった。次
に、(2)初期接着力、(3)耐スクラッチ試験の項目
ついてそれぞれ1体ずつで評価をおこなった。
【0082】(1)初期電気特性 得られた太陽電池モジュールについて、AM1.5のグ
ローバルの太陽光スペクトルで100mW/cm2の光
量の擬似太陽光光源を用いて電流−電圧特性を測定し、
変換効率を求めた。ラミネーション前の光起電力素子の
変換効率と比較した。評価結果は以下の基準で表1に示
す。 ◎:ラミネーション後の変換効率が1.05倍以上。 ○:ラミネーション後の変換効率が1.00倍以上1.
05倍未満。 △:ラミネーション後の変換効率が1.00倍未満。
【0083】(2)初期接着力 得られた太陽電池モジュールのうち1体について、発電
領域を25mm×150mmでサンプルを切り出し、表
面封止材と光起電力素子の界面の180°剥離試験を行
なった。評価結果は以下の基準で表1に示す。 ◎:剥離強度が19.6N/25mm以上。 ○:剥離強度が9.8N/25mm以上、19.6N/
25mm未満。 △:剥離強度が9.8N/25mm未満。
【0084】(3)耐スラッチ試験 外部からの引っ掻きに対する表面被覆材の光起電力素子
に対する保護能力を「耐スクラッチ試験」(UL規格)
により確認した。具体的には、図8に示すような台車装
置804を使用した。尚、図8において、(a)は台車
装置の平面図、(b)は台車装置の側面図、(c)は引
っ掻き部分の背面図、(d)はブレード刃先の拡大図で
ある。
【0085】台車装置804は以下の手順に従って使用
した。まず、約907gの錘801を、カーボンスチー
ル製ブレード802に設置する。ブレード802は、漸
次降下させて太陽電池モジュール受光面表面800から
表面封止材の最も薄い部分(本発明の実施例および比較
例の場合、グリッド電極とバスバー電極の接合点上)に
刃先803を接触させ、その状態で1分間静置させた。
次に、太陽電池モジュール800に刃先803を接触さ
せたまま、移動速度150mm/sで直線的に移動させ
た。刃先803の接触、移動により、約2cmの長さに
わたる引っ掻き傷が形成された。
【0086】合格判定は、その後に以下の高圧絶縁破壊
試験を行い、判定した。
【0087】まず、引っ掻き試験を行った太陽電池モジ
ュール800の正極と負極を短絡する。その太陽電池モ
ジュール800を電気伝導度3500Ω・cm以下の溶
液に浸す。その際太陽電池モジュールの出力端子は溶液
に浸さないようにする。そして、刃で引っ掻いたところ
を10秒程前記溶液でこすり溶液側に電源の負極をつ
け、太陽電池モジュールの出力端子に電源の正極をつな
ぐ。電源より2200Vの電圧をかけ50μA未満の電
流しか流れなかった場合を合格とする。合格した場合を
○、不合格を×として、結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】表1から明らかなように、光起電力素子の
凸部に対応した凹部をもつロールでラミネーションを行
なった実施例1〜3ではスクラッチ試験を合格し、高い
信頼性を示した。また、加熱炉において光起電力素子を
加熱し、光起電力素子の表面温度を封止材(EMAA)
の軟化点以上でロールラミネーション装置に投入した実
施例2、また保護膜であるアクリル−ウレタンの軟化点
以上でロールラミネーション装置に投入した実施例3で
は、ラミネーション時のロール周速速度が実施例1に比
べ速いにも拘わらず、接着力においても良好な結果が得
られ、さらに生産性に優れた製造方法とすることができ
る。加えて、実施例3では、非結晶型シリコン系の光起
電力素子が熱アニールするに十分な加熱をしたため、得
られた太陽電池モジュールの効率は光起電力素子の変換
効率に比較し、1.05倍となった。一方、比較例1〜
3で得られた太陽電池モジュールは、変換効率、スクラ
ッチ試験において実施例と同様な効果を得ることができ
なかった。比較例3において、実施例1と同様な接着力
の結果を得ることができたが、ロール周速度を1/2に
落とさなければならず、生産性の低下に繋がってしま
う。
【0090】
【発明の効果】本発明の太陽電池モジュールの製造方法
によれば、光起電力素子の凸部上を外部からの引っ掻き
等から十分保護できる樹脂厚みを確保でき、太陽電池モ
ジュールの信頼性を向上させることができる。また、従
来行なわれてきた真空ラミネーション方式と異なり、流
れ作業で生産効率を向上させ、スループットの高い製造
ラインを構築できる。さらに、非晶質系シリコン材料か
らなる光起電力素子の場合、第1の工程での加熱により
初期の太陽電池モジュールの発電特性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様例に係るラミネーション装置
の概略図である。
【図2】図1のロールラミネーション装置における挟圧
部の概略断面図である。
【図3】本発明の実施態様例に係る太陽電池モジュール
の概略断面図である。
【図4】本発明の実施例1の光起電力素子の概略断面図
である。
【図5】本発明の実施例1のラミネート装置の概略断面
図である。
【図6】本発明の実施例3の光起電力素子の概略断面図
である。
【図7】比較例2のロールラミネーション装置における
挟圧部の概略断面図である。
【図8】本発明の実施例及び比較例におけるスクラッチ
試験に使用した台車装置の概要図である。
【符号の説明】
101,301,400,501,600,700 光
起電力素子 102,502 加熱炉 103,503 搬入コンベア 104,504 炉内コンベア 105,505 運搬コンベア 106,506 搬出コンベア 107,507,701 上段加熱ロール 108,508,702 下段加熱ロール 109,509 表面被覆材供給ロール 110,510 裏面被覆材供給ロール 111,511,703 表面被覆材 112,512,704 裏面被覆材 113,514 ロールラミネーション装置 201,406,606,706 プラス側バスバー電
極 202,407,607,707 マイナス側バスバー
電極 300,800 太陽電池モジュール 302 表面被覆材 303 表面封止材 304 表面部材 305 裏面被覆材 306 裏面封止材 307 裏面部材 401,601 ステンレス基板 402,602 裏面反射層 403,603 半導体層 404,604 透明導電層(透明電極層) 405,605 グリッド電極 513 離型フィルム 609 保護膜 801 錘 802 ブレード 803 刃先 804 台車装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 善光 秀聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA05 BA14 EA18 JA02 JA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光起電力素子の少なくとも一方の面を封
    止材で被覆した太陽電池モジュールの製造方法におい
    て、 前記光起電力素子を加熱する第1の工程と、前記光起電
    力素子の少なくとも一方の面を前記封止材で被覆する第
    2の工程を有し、 前記第2の工程は、前記光起電力素子を挟持する少なく
    とも1本の加熱、加圧を行なうロールを配置したロール
    ラミネーター装置により行われ、前記ロールが前記光起
    電力素子表面の凸部に対応した凹部を有していること、
    を特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の工程へ投入される直前の前記
    光起電力素子の表面温度が、前記封止材の軟化点以上で
    あること特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュー
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光起電力素子は受光面に樹脂による
    保護膜を形成した光起電力素子であり、前記第2の工程
    へ投入される直前の前記光起電力素子の表面温度が、前
    記封止材および前記保護膜の軟化点以上であること特徴
    とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記光起電力素子の光電変換部が、非晶
    質シリコンであることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程における加熱温度が、1
    20℃以上であることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程において、前記光起電力
    素子を5分間以上加熱保持することを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記光起電力素子の凸部の高さが、前記
    封止材の厚みの1/3以上であることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製
    造方法。
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