JP2001267616A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール及びその製造方法

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JP2001267616A
JP2001267616A JP2000071880A JP2000071880A JP2001267616A JP 2001267616 A JP2001267616 A JP 2001267616A JP 2000071880 A JP2000071880 A JP 2000071880A JP 2000071880 A JP2000071880 A JP 2000071880A JP 2001267616 A JP2001267616 A JP 2001267616A
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cell module
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Hidenori Shiozuka
秀則 塩塚
Ichiro Kataoka
一郎 片岡
Hidesato Yoshimitsu
秀聡 善光
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋根として意匠性に優れ、高い信頼性を有す
る建材一体型太陽電池モジュールの生産性の向上及び低
コスト化を実現することができる太陽電池モジュール及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 補強板上に光起電力素子101を樹脂封
止してなる太陽電池モジュールの製造方法において、太
陽電池モジュール100を所望の形状に成形する工程を
有し、この成形工程の後に成形時に生じた歪を緩和する
歪み緩和工程を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、裏面部材上に光起
電力素子を樹脂封止してなる太陽電池モジュール及びそ
の製造方法に係り、特に建材の受光面に光起電力素子が
形成された太陽電池モジュール及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】太陽電池と建材を一体化した建材一体型
太陽電池モジュールは、従来の太陽電池と異なり、設置
するために架台を必要としない。例えば屋根材として使
用した場合、屋根の建設工事の一環として太陽電池モジ
ュールの設置で行なえるので、大幅なコストダウンが可
能である。このようなことから、光起電力素子の裏面側
に補強板となる裏面部材を有する太陽電池モジュールを
折り曲げ成形することで構造材として強度を持たせた建
材一体型太陽電池モジュールの開発が熱心に行なわれて
いる。
【0003】特開平7−30294号公報には、従来か
らの屋根材の一形態である横葺きタイプに適合するデザ
インの太陽電池モジュールが開示されている。この形態
の太陽電池モジュールは、一般の屋根材と互換性に優れ
ていることで、屋根工事も従来と同じ施工方法で行な
え、また施工に必要な備品もそのまま用いることができ
るため、低コスト化を図ることができる。
【0004】このような太陽電池モジュールを所望の形
状に成形する方法としては、従来よりベンダー成形、ロ
ール成形など成形機による折り曲げ加工が広く行なわれ
ている。
【0005】ところで太陽電池モジュールは、光起電力
素子を保護するため、ある程度の厚みを有する封止材を
設ける必要があり、そのために折り曲げ成形された太陽
電池モジュールでは以下のような問題が考えられた。
【0006】まず、封止材の亀裂の問題がある。太陽電
池モジュール600の裏面部材606を図6のように曲
げる場合、封止材602の厚みのため、曲げ外周側の曲
げ歪みが大きくなる。この曲げ歪みに封止材602が耐
えることが出来ず、表面部材603に亀裂607が生ず
る問題であり、折り曲げ時に問題のない場合でも屋外で
の長期使用で亀裂607を生ずるおそれがある。
【0007】また封止材602には、光起電力素子60
1を保護するために、衝撃を吸収するような弾性材料が
使用されている。したがって、太陽電池モジュール60
0を折り曲げ成形時に裏面部材606が塑性加工された
場合でも、封止材602は、塑性加工されず弾性回復し
平面状態に戻ろうとする。このような弾性回復力が封止
材602と裏面部材606との接着力を上回ると、その
部分で封止材602が裏面部材606と剥離608する
という問題が生ずる。
【0008】上述の亀裂607または封止材602の剥
離は外観上の問題だけでなく、毛細管現象によりモジュ
ール外部から光起電力素子601に水分を運び込む流路
となり、太陽電池モジュール600の発電能力劣化の原
因となる。
【0009】このような問題に対して、特登録2719
114号公報において、太陽電池モジュールの非発電領
域に封止材薄部を設け、前記封止材薄部において折り曲
げ成形を行なう太陽電池モジュールの製造方法が開示さ
れている。
【0010】これによれば、折り曲げ成形部が封止材薄
部であるので、折り曲げ外周部の曲げ歪みが減少し、亀
裂を無くすことができ、また封止材の弾性回復量が小さ
くなって、封止材の弾性回復力が裏面補強板との接着力
を上回ることが無く、同界面での剥離が生じないとい
う、高い信頼性を有する太陽電池モジュールが得られ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一方、太陽電池を普及
させるためには、より一層のコストダウンと信頼性の向
上が必要となっており、上記技術においても以下のよう
な課題がある。
【0012】即ち、封止材薄部を形成するために、ラミ
ネーション工程で薄部形成部に板状の治具を配置しなけ
ればならず、工程が増え生産性を低下させる要因となる
と共に板状治具の配置ズレに起因する外観不良が発生
し、歩留まりを低下させる。
【0013】また、封止材薄部を折り曲げ成形すること
により、折り曲げによる封止材樹脂への弾性回復力の値
が小さくなるため、封止材と裏面補強板の接着力を上回
ことがなくなり、その部分で剥離は生じることがない。
しかし、封止材中には弾性回復力などの内部応力が潜在
するため、屋外で20年以上の長期使用においての信頼
性に不安が残る。
【0014】本発明の目的は、上記の課題に鑑み、屋根
として意匠性に優れ、高い信頼性を有する建材一体型太
陽電池モジュールの生産性の向上及び低コスト化を実現
することができる太陽電池モジュール及びその製造方法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、裏
面部材上に光起電力素子を樹脂封止してなる太陽電池モ
ジュールの製造方法において、太陽電池モジュールを所
望の形状に成形する工程を有し、該成形工程の後に成形
時に生じた歪を緩和する歪み緩和工程を有するものであ
る。
【0016】上記太陽電池モジュールの製造方法におい
て、上記成形工程における成形が、封止する樹脂の弾性
領域で施され、且つ裏面部材の弾塑性もしくは塑性領域
において施されることが好ましい。
【0017】また、上記成形工程において、折り曲げ加
工が施されることが好ましい。
【0018】さらに、上記成形工程が、ロール成形によ
りなされることが好ましい。
【0019】或いは、上記成形工程が、プレス加工によ
りなされることが好ましい。
【0020】また、上記歪み緩和工程が加熱工程である
ことが好ましい。
【0021】さらに、加熱工程における加熱温度が、封
止する樹脂の軟化点以上で、且つ封止する樹脂及び太陽
電池モジュールに用いた樹脂材料が熱分解する温度以下
であることが好ましい。
【0022】一方、本発明に係る太陽電池モジュール
は、上記のいずれかに記載の製造方法により、製造され
るものである。
【0023】上記太陽電池モジュールにおいて、上記光
起電力素子の半導体層に少なくとも一層の非晶質系半導
体層が含まれていることが好ましい。
【0024】また、太陽電池と建材を一体化した建材一
体型太陽電池モジュールとして形成されていることが好
ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態を説明するが、本発明は本実施形態に限られない。
【0026】図1は、本実施形態の太陽電池モジュール
の外観図である。図2は、折り曲げ加工を施す前の本実
施形態の太陽電池モジュールを示す上面外観図である。
図3は、図2のA−A’線断面を示す概略図である。図
1において、100は太陽電池モジュール、101は光
起電力素子、102は係合部であり、図2において、2
00は太陽電池モジュール、201は光起電力素子であ
る。
【0027】本発明に用いられる折り曲げ成形前の太陽
電池モジュールについて、図3を用いて説明する。図3
は、最表面に透光性フィルムを用いたフィルム系太陽電
池モジュールの断面構造を示しており、301は光起電
力素子、302は表面封止材、303は表面部材、30
4は裏面封止材、305は裏面絶縁材、306は裏面部
材、307は表面保護強化材である。
【0028】以下、各構成要素について具体的に説明す
る。
【0029】〔光起電力素子〕光起電力素子301は、
従来公知の光起電力素子が用いることができ、特に限定
はないが、好ましくは薄膜多結晶シリコン太陽電池や非
結晶太陽電池等、可曲性を有する光起電力素子であり、
特に好ましくはステンレス基板上に形成された非結晶シ
リコン半導体である。そして、ステンレス基板上に形成
された非結晶シリコン半導体は、0.1mm程度の厚み
まで薄くすることができるため、光起電力素子を封止す
るための封止材の量を少なくすることができる。また、
ステンレス基板上に形成された非晶質シリコン半導体は
可曲性であり、光電力素子が割れることがないため、扱
い易く作業性を高めることが可能である。
【0030】〔表面封止材〕表面封止材302は、光起
電力素子301の凹凸を被覆し、光起電力素子301を
温度変化、湿度、衝撃などの過酷な外部環境から守り、
かつ光起電力素子301と表面部材303、および裏面
部材306との接着を確保するために必要である。従っ
て、耐候性、接着性、充填性、耐熱性、耐寒性、耐衝撃
性が要求される。
【0031】これらの要求を満たす樹脂としては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アク
リル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体(EEA)、ブチラール樹脂などのポ
リオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂な
どが挙げられる。なかでも、EVAは太陽電池用途とし
て好んで用いられる。またEVAは、そのままでは熱変
形温度が低いため、架橋して耐熱性を高めておくことが
望ましい。架橋剤としては、公知の有機過酸化物が用い
られる。これらの添加量は樹脂100重量部に対して
0.5乃至5重量部である。表面封止材302の架橋率
が70%以上であることが好ましい。
【0032】表面封止材302は、高温下での安定性を
さらに向上させるために熱酸化防止剤を添加してもよ
い。添加量は、樹脂100重量部に対して0.1〜1重
量部が適正である。従来公知である酸化防止剤の化学構
造をもつモノフェノール系、ビスフェノール系、高分子
型フェノール系、硫黄系、燐酸系が好適に用いられる。
【0033】更に、表面封止材302の光劣化を抑え耐
候性を向上させるために、紫外線吸収剤を添加すること
が望ましい。添加量は、樹脂100重量部に対して0.
1〜0.5重量部程度である。紫外線吸収剤としては、
公知の化合物が用いられる。
【0034】上記紫外線吸収剤以外に耐候性を付与する
方法としてはヒンダードアミン系光安定化剤を使用でき
ることが知られている。ヒンダードアミン系光安定化剤
は紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外
線吸収剤を併用することによって著しい相乗効果を示
す。添加量は樹脂100重量部に対して0.1〜0.3
重量部程度が一般的である。ヒンダードアミン系以外に
も光安定化剤として機能するものはあるが、着色してい
る場合が多く本発明の封止材には望ましくない。
【0035】なお、太陽電池モジュールの使用環境を考
慮して低揮発性の紫外線吸収剤、光安定化剤および熱酸
化防止剤を用いることが好ましい。
【0036】〔表面部材〕表面部材303は、耐候性、
機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴
露における長期信頼性を確保するための性能が必要であ
る。本発明に用いられる表面部材303としては、フッ
素樹脂、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂(PV
F)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロ
ンなどが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデ
ン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂(PV
F)、あるいは四フッ化エチレン−エチレン共重合体
(ETFE)などを用いることが好ましい。表面部材3
03としては、上記の樹脂シートを用いても、塗布など
により形成しても構わない。
【0037】表面封止材との接着力を向上させるため
に、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を行なう
ことが望ましい。具体的には、封止材との接着面側の濡
れ指数が30乃至55dynで有る事が好ましい。濡れ
指数が30dyn未満であると表面封止材との接着が十
分でないために、折り曲げ成形時の加圧や屋外での長期
使用において剥離を生じるおそれがある。濡れ指数を5
5dynより大きくする場合、表面処理のために多いな
電界を印加するが必要があり、表面部材の劣化の要因と
なる恐れがある。
【0038】〔裏面封止材〕裏面封止材304は、光起
電力素子301と裏面絶縁材305との接着を確保する
ために必要である。好適に用いられる材料としては、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ア
クリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体(EEA)、ポリビニルブチラール
等の熱可塑性樹脂、両面テープ、柔軟性を有するエポキ
シ接着剤が挙げられる。
【0039】〔裏面絶縁材〕裏面絶縁材305は、光起
電力素子301と外部との電気的絶縁を保つために必要
である。材料としては、十分な電気絶縁性を有し、長期
耐久性に優れ熱膨張、熱収縮に耐えられる、柔軟性を兼
ね備えた材料が好ましい。好適に用いられる材料として
は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリカーボネート(PC)が挙げられる。
【0040】〔裏面部材〕太陽電池モジュールの機械的
強度を増し、建材一体型太陽電池モジュールとするため
に裏面部材306を貼り付ける。例えば、耐候性、耐錆
性にすぐれた樹脂で被覆された塗装亜鉛アルミメッキ鋼
板、塗装亜鉛鋼板などが好ましい。
【0041】〔表面保護強化材〕表面保護強化材307
としては、具体的にはガラス繊維不織布、ガラス繊維織
布、ガラスフィラー、及び有機繊維不織布、有機繊維織
布等があげられる。特に、ガラス繊維不織布を用いるこ
とが好ましい。また、ガラス繊維やガラスフィラーを用
いる場合は、折り曲げ成形によりガラス繊維部が座屈し
たり、表面保護強化材307と表面封止材302との界
面で剥離を生じて白化する場合があるので、折り曲げ部
に表面保護強化材307を設けないことが好ましい。
【0042】次に本発明のラミネーション工程について
説明する。
【0043】〔ラミネーション〕裏面部材306、裏面
封止材304、裏面絶縁材305、次いで光起電力素子
群301を受光面が上を向くように積層し、更に表面封
止材302、表面部材303を順次積層し、ラミネーシ
ョン積層体を作製し、従来公知な真空ラミネーション装
置を用いて加熱圧着を行なう。
【0044】次に、本発明に用いられる折り曲げ成形工
程について説明する。
【0045】〔成形工程〕太陽電池モジュールを所望の
形状とするために折り曲げ成形を行なう。
【0046】折り曲げ成形には、建材としての係合部等
の機能的な部位を太陽電池モジュールに作り込む工程
と、更に建材としての意匠性を高めるための成形とがあ
る。
【0047】成形機としては、ローラーフォーマー等の
ロール成形機、ベンダー機、プレス機が用いられてい
る。特に、一般の屋根材の係合部の成形加工において、
ロール成形機、ベンダー機が広く用いられている。
【0048】しかしながら、ベンダー機を用いて所望の
形状を得ようとした場合、1つの折り曲げ部に対して、
1回刃を上下させなければならないため作業時間がかか
りコストアップの要因となる。また、材料の変形速度が
早いため各部材内に内在応力としてストレスが残る。そ
のため、太陽電池モジュールのように樹脂材料も成形す
る場合、信頼性に不安が残る。更に、長い太陽電池モジ
ュールを折り曲げ成形する際に、その太陽電池モジュー
ルよりも長い刃を有する装置が必要となってしまい、作
業性の問題が残る。
【0049】ロール成形は所望の折り曲げ形状に対し多
段階的に成形する成形ロール群を有し、被成形物である
太陽電池モジュールが成形ロール群内を移動することで
徐々に所望の形状に成形することが可能である。ロール
成形はベンダー加工やプレス加工と比較して作業性、生
産性が良く、多段階の成形ロールによる緩やかな成形を
行なうため、各部材の内部応力を軽減することができた
るめ好適に用いられる。
【0050】一方、プレス加工は、通常平面である太陽
電池モジュールの光起電力素子に凹凸をつける加工が可
能である。この加工においては、所望の加工形態に一度
にプレス加工しても良いが、複数回に分けて部分的にプ
レスする多段階プレス加工することが望ましい。
【0051】上記のような段階的に成形を行なうロール
成形、プレス成形においても、折り曲げ部の表面部材、
表面封止材には内部応力はベンダー加工などに比べ軽減
されているものの残存しており、屋外の長期使用におい
ては部材間で剥離を生じるおそれがある。このように建
材一体型太陽電池モジュールの折り曲げ部で各部材中に
潜在する内部応力による歪みを緩和することが長期信頼
性を確保するためには重要な課題となる。
【0052】以下に本発明の主題である歪み緩和工程に
ついて説明する。
【0053】〔歪み緩和工程〕歪み緩和工程は、折り曲
げ部において局所的に異常になった原子間距離を正常に
近い状態に戻す工程である。つまり、曲げ部近傍に原子
が移動できるエネルギーを与えることによって、曲げ部
中心に局在していた歪みを平均化することを目的として
いる。具体的には、赤外ランプ等のエネルギー照射法や
加熱方法等が挙げられるが、加熱による歪み緩和が作業
性も良く、低コストで行なうことができるため好まし
い。
【0054】加熱方法としては、バッチ式またはコンベ
ア式の加熱オーブン、温水浴槽などから所望に応じて選
択される。バッチ式オーブンは、コンベア式に比べて作
業の連続性については劣るが、一度に大量の太陽電池モ
ジュールを処理することが可能であり、またバッチ式で
あるので装置内の温度安定性にも優れる。コンベア式オ
ーブンは、前工程をロール成形機で成形した場合、連続
的に処理でき作業性が良いが、オーブン内の温度を安定
させるためには多くの熱量を必要としてしまう。
【0055】加熱温度としては、封止材樹脂の軟化点以
上で且つ封止材及び太陽電池モジュールに用いた樹脂材
料が熱分解する温度以下で加熱することが望ましい。例
えば、太陽電池モジュールの封止材に好適に用いられる
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)では、65乃
至200℃であることが好ましい。光起電力素子に非晶
質系半導体層を使用した場合、そのアニール効果も考慮
に入れ、80乃至130℃であることが望ましい。
【0056】加熱時間としては、封止材樹脂が十分に流
動できる時間を確保することが望ましい。上述のEVA
の場合、裏面部材等の太陽電池モジュールに用いた他の
部材の熱容量にもよるが、5乃至60分間程度であれば
十分である。
【0057】本発明は、生産性に優れ、信頼性が高い建
材一体型太陽電池モジュールを作製するために、本研究
者が実験及び詳細な検討により実現されたものであり、
以下の効果が得られる。
【0058】即ち、太陽電池モジュールを所望の形状に
成形する工程後に、封止樹脂の歪みを緩和する工程を有
するので、屋外での長期使用においても安定して使用で
きる信頼性の高い太陽電池モジュールとなる。
【0059】また、加熱工程を設けることにより、封止
材の歪みを軽減するとともに封止材の架橋反応を促進す
ることができ、耐侯性に優れた太陽電池モジュールを得
ることができる。
【0060】さらに、光起電力素子に非晶質系半導体層
を用いた場合、加熱工程により非晶質系半導体層がアニ
ールされ初期特性を向上することができる。
【0061】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例を詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0062】〔実施例1〕 〔光起電力素子群〕従来公知の光起電力素子を10個直
列して光起電力素子群を得た。この光起電力素子群をラ
ミネートすることにより太陽電池モジュールを得た。
【0063】以下、図4を用いてラミネート工程を説明
する。
【0064】〔ラミネーション〕一重真空方式のラミネ
ート装置のプレート410上に、裏面部材406として
ガルバリウム鋼板(厚み0.4mm)、裏面封止材40
4としてEVAシート(厚み225μm)、裏面絶縁材
405としてポリエチレンテレフタレート(厚み100
μm)、前述の裏面封止材404、次いで光起電力素子
群401を受光面が上を向くように積層し、更に表面保
護強化材407としてガラス繊維不織布(80g/
2)、表面封止材402としてEVAシート(厚み4
60μm)、保護層403としてETFEフィルム(厚
み50μm)を順次積層し、ラミネーション積層体を作
製した。
【0065】ここで用いたEVAシートは太陽電池の封
止材として広く用いられているものであり、EVA樹脂
(酢酸ビニル含有率33%)100重量部に対して架橋
剤として2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン1.5重量部、紫外線吸収剤とし
て2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン
0.3重量部、光安定化剤としてビス(2、2、6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケート0.1重量
部、酸化防止剤としてトリス(モノ−ノニルフェニル)
フォスファイト0.2重量部、シランカップリング剤γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.25
重量部を配合したものである。
【0066】次に、テフロンコートファイバーシート4
11(厚み0.2mm)、シリコンラバーシート412
(厚み2.3mm)を重ねた。次いで、真空ポンプを用
いてプレート上に設けた吸引用穴開き管413より積層
体内部を30分間排気し、その時の真空度は2.8×1
2Paであった。
【0067】なお、圧着時の加熱温度及び加熱時間は架
橋反応が十分に進行するよう、予め160℃雰囲気に加
熱したオーブン中に真空ポンプで排気したまま投入し、
50分間保持した後取り出し冷却する。
【0068】以上の工程により、本発明を実施した平板
太陽電池モジュールを得た。
【0069】〔成形工程〕係合部の成形は、18段の駆
動型の成形ロールと7段の非駆動型の成形ロールを有す
るローラーフォーマーを用いて成形した。
【0070】図5は、実施例1におけるロール成形工程
の一つの成形ロールの成形工程を模式的に示したもので
ある。図5において、501は太陽電池モジュール、5
02は上部成形ロール、503は下部成形ロールであ
る。
【0071】ローラーフォーマーは所望の折り曲げ形状
に対し多段階的に成形する上部成形ロール502及び下
部成形ロール503を有し、被成形物である太陽電池モ
ジュール501が上部成形ロール502と下部成形ロー
ル503との間を移動することで徐々に所望の形状に成
形するものである。ロール成形は、多段階の成形ロール
による緩やかな成形を行なうため、各部材の内部応力を
軽減することができる。
【0072】これにより、所望の係合部を有する建材一
体型太陽電池モジュールを得た。
【0073】〔歪み緩和工程〕上記で得られた建材一体
型太陽電池を85℃にて30分間加熱した。
【0074】以上の工程により、本発明を実施した建材
一体型太陽電池モジュールを得た。
【0075】〔実施例2〕実施例1と同様に係合部を有
する建材一体型太陽電池モジュールを得た後に、プレス
加工により、建材一体型太陽電池モジュールの受光面側
に凹凸加工を施した後に、実施例1と同様な(歪み緩和
工程)を行なった。
【0076】〔比較例1〕歪み緩和工程を行なわない以
外は実施例1と同様にして、建材一体型太陽電池モジュ
ールを得た。
【0077】〔比較例2〕歪み緩和工程を行なわない以
外は実施例2と同様にして、建材一体型太陽電池モジュ
ールを得た。
【0078】〔比較例3〕係合部成形する工程をベンダ
ー加工として、更に歪み緩和工程を行なわない以外は実
施例1と同様にして、建材一体型太陽電池モジュールを
得た。
【0079】〔評価方法〕上記実施例及び比較例で作製
した太陽電池モジュールについて以下の項目について評
価を行った。
【0080】(1)初期外観 得られた太陽電池モジュールの初期外観を評価した。評
価結果は、以下の基準で表1に示す。 ○:成形加工部において、表面部材に白化または亀裂が
生じない。 ×:成形加工部において、表面部材に白化または亀裂が
生じた。
【0081】(2)耐候性試験 超エネルギー照射試験機に太陽電池モジュールを投入
し、メタルハライドランプによる100mW/cm2
強度での300nm〜400nmの波長域の紫外線の照
射と結露を繰り返すデューサイクル試験を行い、500
0、10000時間後の外観上の変化をみた。 ○:成形加工部において亀裂、剥離がないもの △:成形加工部において僅かな白化部分が生じたが、実
使用上問題がない。 ×:成形加工部において亀裂、剥離が生じたもの。
【0082】(3)高温高湿試験 85℃、85%RH環境下に太陽電池モジュールを投入
し、1000、2000時間後の外観上の変化をみた。 ○:成形加工部において外観上問題なし。 △:成形加工部において僅かな白化部分が生じたが、実
使用上問題がない。 ×:成形加工部において表面部材と表面封止材、または
表面封止材と裏面部材で剥離が生じている。
【0083】
【表1】
【0084】実施例1、2においては、歪み緩和の加熱
工程によって封止材樹脂中の内部応力が軽減され、歪み
緩和工程を実施しない比較例1、2が実使用上問題無い
ことから、実施例1、2は信頼性がより向上した太陽電
池モジュールが得られたことが判る。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
太陽電池モジュールを所望の形状に成形する成形工程の
後に歪み緩和工程を有するので、封止材樹脂に潜在する
内部応力が緩和され、信頼性の高い建材一体型太陽電池
モジュールを得ることができる。
【0086】また、歪緩和工程が加熱工程であることに
より、封止材の歪みを軽減するとともに封止材の架橋反
応を促進することができ、耐侯性に優れた太陽電池モジ
ュールを得ることができる。
【0087】さらに、光起電力素子に非晶質系半導体層
を用いた場合、太陽電池モジュール成形後の加熱工程に
より非晶質系半導体層がアニールされ初期特性を向上す
ることができる。
【0088】そして、この製造方法によれば、平板太陽
電池モジュールの製造時に余分なエ程を加える必要がな
いため、歩留まりを落とすことなく生産性に優れた製造
方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の太陽電池モジュールの外観図であ
る。
【図2】折り曲げ加工前の本実施形態の太陽電池モジュ
ールを示す上面外観図である。
【図3】図2のA−A’線断面を示す概略図である。
【図4】ラミネーション工程の積層状態を示す概略図で
ある。
【図5】実施例1におけるロール成形工程を示してお
り、(a)はその斜視図、(b)はその加工状態を表す
正面図である。
【図6】従来の太陽電池モジュールにおける亀裂の発生
状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
100 太陽電池モジュール 101 光起電力素子 102 係合部 200 太陽電池モジュール 201 光起電力素子 301 光起電力素子 302 表面封止材 303 表面部材 304 裏面封止材 305 裏面絶縁材 306 裏面部材 307 表面保護強化材 401 光起電力素子 402 表面封止材 403 表面部材 404 裏面封止材 405 裏面絶縁材 406 裏面部材 407 表面保護強化材 410 プレート 411 エンボスシート 412 シリコンラバー 413 吸引用管 501 太陽電池モジュール 502 上部成形ロール 503 下部成形ロール 600 太陽電池モジュール 601 光起電力素子 602 封止材 603 表面部材 606 裏面補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 善光 秀聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2E108 GG16 KK01 LL04 MM00 NN07 5F051 AA05 BA03 BA14 BA17 BA18 EA01 EA20 JA02 JA03 JA04 JA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面部材上に光起電力素子を樹脂封止し
    てなる太陽電池モジュールの製造方法において、 太陽電池モジュールを所望の形状に成形する工程を有
    し、該成形工程の後に成形時に生じた歪を緩和する歪み
    緩和工程を有することを特徴とする太陽電池モジュール
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成形工程における成形が、封止する
    樹脂の弾性領域で施され、且つ裏面部材の弾塑性もしく
    は塑性領域において施されることを特徴とする請求項1
    に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成形工程において、折り曲げ加工が
    施されることを特徴とする請求項1または2に記載の太
    陽電池モジュールの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記成形工程が、ロール成形によりなさ
    れることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュ
    ールの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成形工程が、プレス加工によりなさ
    れることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュ
    ールの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記歪み緩和工程が加熱工程であること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電
    池モジュールの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記加熱工程における加熱温度が、封止
    する樹脂の軟化点以上で、且つ封止する樹脂及び太陽電
    池モジュールに用いた樹脂材料が熱分解する温度以下で
    あることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池モジュ
    ールの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の製造
    方法により、製造されることを特徴とする太陽電池モジ
    ュール。
  9. 【請求項9】 前記光起電力素子の半導体層に少なくと
    も一層の非晶質系半導体層が含まれていることを特徴と
    する請求項8に記載の太陽電池モジュール。
  10. 【請求項10】 太陽電池と建材を一体化した建材一体
    型太陽電池モジュールとして形成されていることを特徴
    とする請求項8または9に記載の太陽電池モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8841545B2 (en) 2008-02-12 2014-09-23 Tohoku University Solar cell wherein solar photovolatic thin film is directly formed on base

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8841545B2 (en) 2008-02-12 2014-09-23 Tohoku University Solar cell wherein solar photovolatic thin film is directly formed on base

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