JP2002006451A - レンズ付きフイルムユニット用接写アダプタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 近接撮影において鮮明な被写体像を撮影す
る。 【解決手段】 接写アダプタ３０を、アダプタ本体３１
とアダプタフレーム３２とから構成する。アダプタ本体
３１には、クローズアップレンズ３７、減光板３９が取
り付けられ、レンズ付きフイルムユニット２への装着時
には、撮影レンズ３、ストロボ発光部５の前面にそれぞ
れ位置される。アダプタフレーム３２は、撮影枠４５と
支持部材４６，４７とから形成されている。撮影枠４５
は、その内側に配置される構図を撮影範囲に一致させて
いる。また、支持部材４６，４７の高さは、クローズア
ップレンズ３７に合わせた撮影距離（例えば０．１ｍ）
となる。クローズアップレンズ３７を取り付けること
で、撮影された被写体像は、印画紙上に拡大プリントさ
れることによってほぼ実物大とすることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレンズ付き
フイルムユニットに装着して近接撮影を可能とする接写
アダプタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】手軽に写真撮影が行える簡易カメラとし
て、レンズ付きフイルムユニットが本出願人から提供さ
れている。このレンズ付きフイルムユニットでは、スト
ロボ装置、露光装置等の簡単な撮影装置が組み込まれた
ユニット本体に予め未露光の写真フイルムが装填されて
いる。

【０００３】このレンズ付きフイルムユニットで近距離
にある被写体像を撮影した場合、焦点が合っていないぼ
やけた被写体像が写真フイルムに露光されてしまう。こ
の問題を解決するために、通常のレンズ付きフイルムユ
ニットに取り付けて近距離撮影を行えるようにしたクロ
ーズアップレンズ付きの接写アダプタが、「ツーショッ
トアダプター（商品名）」として本出願人から提供され
ている（特開平８−１５７６３号公報記載）。この接写
アダプタをレンズ付きフイルムユニットに装着すれば、
近距離撮影を行うことが可能になる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
布地や壁紙等のサンプル撮影や、昆虫、植物等の標本用
の撮影、また、シャーレ上の菌や結晶の成長等の時間的
変化の撮影等の至近距離での撮影を上記接写アダプタを
取り付けたレンズ付きフイルムユニットで行った場合、
被写体に対する撮影距離を特定することができないの
で、例えば撮影画像を通常のプリントサービスにおける
拡大倍率で拡大して得られたプリント画面が実物と比べ
て著しく大きさが異なってしまう可能性があるため、上
記用途のような撮影には好ましくない。また、市販のク
ローズアップレンズを使用すると歪曲収差や像面湾曲が
目立ってしまう。

【０００５】本発明は、至近距離でも鮮明な被写体像が
撮影できるようにした接写アダプタを提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のレンズ付きフイルムユニット用接写アダプ
タは、クローズアップ撮影時にレンズ付きフイルムユニ
ットの前面に装着して用いられるものであり、レンズ付
きフイルムユニットへの装着時に、レンズ付きフイルム
ユニットの撮影レンズの前面に位置するクローズアップ
レンズと、レンズ付きフイルムユニットのストロボ発光
窓の前面に位置してストロボ光を減光させる減光部材と
を有するアダプタ本体と、このアダプタ本体に取り付け
られ、クローズアップ撮影距離に応じた長さの支持部材
及びクローズアップ撮影距離位置における撮影範囲を示
す素通しの撮影枠とを備えたアダプタフレームとから構
成されるものである。また、レンズ付きフイルムユニッ
トのストロボ発光に同調して発光するストロボ装置を設
けたことが好ましい。また、前記クローズアップレンズ
の光軸上に偏光フイルタを保持するフイルタ保持部を設
けたことが好ましい。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は、本発明を実施した接写ア
ダプタと、この接写アダプタが用いられるレンズ付きフ
イルムユニットとの外観を示した斜視図である。レンズ
付きフイルムユニット２の前面には、撮影レンズ３、対
物用ファインダ４、ストロボ発光部５、ストロボ充電切
替スイッチ６が設けられている。また、その上面には、
レリーズボタン７、フイルムカウンタ板８、ライトガイ
ド９が設けられている。後面には、接眼用ファインダ１
０（図２参照）、巻き上げノブ１１の一部が露呈され
る。

【０００８】図２に示すように、レンズ付きフイルムユ
ニット２は、前カバー１３、本体基部１４、露光装置１
５、ストロボ装置１６、及び後カバー１７から構成され
ている。本体基部１４の両端には、カートリッジ室２０
とフイルムロール室２１とが形成されている。カートリ
ッジ室２０とフイルムロール室２１には、製造段階でそ
れぞれフイルムカートリッジ２２と、フイルムカートリ
ッジ２２から引き出したフイルム２３をロール状にした
フイルムロール２３ａとが装填される。

【０００９】後カバー１７には、カートリッジ室２０と
フイルムロール室２１との底を塞ぐためのプルトップ式
の底蓋１７ａ，１７ｂがそれぞれ設けられている。後カ
バー１７の取り付け後、これらの底蓋１７ａ，１７ｂで
各室の底を塞ぐことでフイルムカートリッジ２２が本体
基部１４との間で光密に収納される。カートリッジ室２
０の底を塞ぐ底蓋１７ａは、現像所で撮影済みの写真フ
イルム２３を収納したフイルムカートリッジ２２を取り
出すときに開かれる蓋でもある。

【００１０】カートリッジ室２０の上部には、巻上げノ
ブ１１が設けられている。巻上げ操作を行うと、巻き上
げノブ１１の回転で未露光の写真フイルム２３がフィル
ムロール２３ａから引き出され、同時に撮影済のフイル
ム部分がフイルムカートリッジ２２の内部に収納され
る。

【００１１】レリーズボタン７は、前カバー１３の上面
に一部を切り欠いて弾性変形自在に設けられており、押
下操作により露光装置１５のシャッタ機構を作動させ
る。シャッタ機構は、シャッタ開口の前面でシャッタ羽
根が一揺動するタイプである。シャッタ羽根が揺動する
と、被写体光が前カバーの撮影窓、及び露光装置１５の
撮影レンズ３を通り、更にシャッタ開口を通過してフイ
ルム通路にセットされた写真フイルム２３に入射する。
なお、この撮影レンズ３は準広角レンズが用いられてお
り、その撮影距離は０．９ｍ〜無限遠に設定されてい
る。

【００１２】ストロボ装置１６は、ストロボ基板２６、
メインコンデンサ２７、電池２８、トリガスイッチ２
９、ストロボスイッチ３０、及びストロボ発光部５等を
一体的に取り付けたユニット部品である。前カバー１３
の前面に設けたストロボ充電切替スイッチ６を上方にス
ライド操作すると、ストロボスイッチ３０がオンとな
る。これにより、メインコンデンサ３７が充電される。
充電完了後に、レリーズボタン７が押されると、露光装
置１５にあるシャッタ羽根が連動し全開になる。このと
き、シャッタ羽根によりトリガスイッチ２９のシンクロ
接片が短絡する。この短絡により、メインコンデンサ２
７に蓄積された充電電圧によって放電管が発光し、スト
ロボ発光部５からストロボ光が被写体に向けて照射され
る。このストロボ装置１６によるストロボ光の到達距離
は１〜４ｍに設定されている。

【００１３】図３に示すように、接写アダプタ３０は、
アダプタ本体３１と、アダプタフレーム３２とから構成
される。アダプタ本体３１は樹脂成形品であり、この裏
側の形状は、レンズ付きフイルムユニット２の前面の形
状に合わせて成形されている。このアダプタ本体３１に
は、クローズアップレンズ用開口３４、ストロボ充電切
替スイッチ用開口３５が形成されている。クローズアッ
プレンズ用開口３４は、レンズ付きフイルムユニット２
の撮影光軸に位置するように形成され、その裏側にはク
ローズアップレンズ３７が固着される。

【００１４】クローズアップレンズ３７は、樽型傾向の
歪曲収差を持つレンズが用いられる。レンズ付きフイル
ムユニット２に用いられる撮影レンズ３は、広角レンズ
を用いることで異なる撮影条件により極端な歪曲が発生
しないようにされているが、布地や壁紙等のサンプル撮
影や、シャーレ上の菌や結晶等の時間的変化の撮影等の
近接撮影を行った場合、糸巻き型の歪曲が目立つように
なる。このため、クローズアップレンズ３７を取り付け
ることにより、近接撮影時に発生する歪曲を防止するこ
とができる。また、このクローズアップレンズ３７は固
定倍率であり、レンズ付きフイルムユニット２に取り付
けて撮影を行った場合、現像され印画紙上に拡大プリン
トされた被写体像をほぼ実物大とすることが可能とな
る。

【００１５】このアダプタ本体３１の右上側には開口３
８が形成され、その裏側から減光板３９が固着される。
この減光板３９はストロボ光を減光させるものであり、
レンズ付きフイルムユニット２への装着時にはストロボ
発光部５の前面に位置し、接写撮影時の露光オーバーに
よる撮影の失敗を防止する。なお、減光板３９が保持さ
れる部分を開口３８としたが、この開口３８の代わりに
多数のスリットを形成させ、その後面から減光板３９を
固着させてもよい。

【００１６】アダプタ本体３１の上縁部にはゴム紐４２
が取り付けられるとともに、このゴム紐４２の掛かり止
め部となる一対の爪部４３がアダプタ本体３１の下縁部
に突出して形成されている。接写アダプタ３０のレンズ
付きフイルムユニット２への取付時には、接写アダプタ
３０をレンズ付きフイルムユニット２の前面に当接させ
る。その後、ゴム紐４２を上面から背面、そして下面へ
と一周させて、爪部４３に引っ掛ける。これにより、接
写アダプタ３０をレンズ付きフイルムユニット２に保持
させることができる。

【００１７】アダプタ本体３１の前面の左右には、接続
部４４がそれぞれ上下２個ずつ形成される。この接続部
４４は、断面形状が鍵形状に形成されており、後述する
アダプタフレーム３２の脱着を簡単に行うことができる
ようになっている。

【００１８】アダプタフレーム３２は、樹脂成形品から
形成されている。このアダプタフレーム３２は、方形形
状の撮影枠４５と、略コの字状の支持部材４６、４７と
から形成されている。この撮影枠４５は、接写撮影時の
被写体像の撮影範囲を決定させる。つまり接眼ファイン
ダ１１をのぞかなくても、この撮影枠４５の内部に入っ
た被写体像が鮮明に写真フイルム２３に露光することが
できる。また、撮影枠４５の左右には支持部材４６，４
７が一体に形成される。撮影距離はクローズアップレン
ズ３７で決まるため、この支持部材４６，４７の高さは
クローズアップレンズ３７で決められた撮影距離（例え
ば０．１ｍ）にあうように形成される。このため、クロ
ーズアップレンズ３７をレンズ付きフイルムユニット２
に装着して撮影する場合には、近接撮影を最適な撮影距
離で行えるようにしている。なお、このアダプタフレー
ムは、アダプタ本体に固定されていてもよく、この場合
折り畳み式にしてもよい。

【００１９】次に、本実施形態の作用について説明す
る。まず、図４に示すように、接写アダプタ３０をレン
ズ付きフイルムユニット２に固定する。ストロボ撮影の
場合には、撮影者は接写撮影の前にストロボ充電切替ス
イッチ６をスライド操作してストロボ装置１６への充電
を行う。この充電の終了は周知のようにライトガイド９
により確認することができる。図５に示すように、アダ
プタ本体３１に取り付けられたアダプタフレーム３２の
撮影枠４５内（図中斜線部）に被写体像を正確にフレー
ミングさせる。これにより、ファインダを覗かなくても
撮影される範囲がわかり、焦点距離の合った撮影が行う
ことができる。このとき、撮影された被写体像は、クロ
ーズアップレンズ３７により印画紙プリント上でほぼ実
物大となるように撮影することが可能となる。なお、デ
ート写し込み装置が内蔵されたレンズ付きフイルムユニ
ットに接写アダプタを用いた場合、昆虫や植物等の標本
用の撮影やシャーレ上の菌や結晶の成長などの経時変化
の撮影等を行うことができる。

【００２０】上記実施形態では、撮影枠を方形形状に形
成させたが、フレーム形状を左右のみとしてもよい。ま
た、電源をレンズ付きフイルムユニットに内蔵される電
池とするストロボ装置や、図６に示すように、レンズ付
きフイルムユニットのストロボ装置の発光に同調して発
光するスレーブストロボ４８，４９等を接写アダプタ５
０のアダプタフレーム５１，５２に取り付けてもよい。
また、接写用アダプタに片手保持用のグリップを設け、
このグリップにレリーズボタンを設けてもよい。

【００２１】また、接写用アダプタのクローズアップレ
ンズの光軸上に、偏光フイルタを着脱自在に装着できる
ようにしてもよい。この場合、図６に示すように、接写
アダプタ５０のアダプタ本体５３に、偏光フイルタ５４
用の保持部５５を形成する。そして、この保持部５５に
偏光フイルタ５４をスライドさせて装着させる。偏光フ
イルタ５２の装着により不必要な光を透過させることが
なくなり、レンズ付きフイルムユニットでの近接撮影時
には、より鮮明な画像を得ることが可能になる。

【００２２】また、アダプタ本体にレンズカバーを設
け、アダプタ本体をレンズ付きフイルムユニットからは
ずしたときには、クローズアップレンズをカバーできる
ようにしてもよい。これにより、塵等のゴミの付着を防
止することができる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように、本発明の接写用アダプタ
によれば、レンズ付きフイルムユニットへの装着時に、
レンズ付きフイルムユニットの撮影レンズの前面に位置
するクローズアップレンズと、レンズ付きフイルムユニ
ットのストロボ発光窓の前面に位置してストロボ光を減
光させる減光部材とを有するアダプタ本体と、このアダ
プタ本体に取り付けられ、クローズアップ撮影距離に応
じた長さの支持部材及びクローズアップ撮影距離位置に
おける撮影範囲を取り囲む撮影枠とを備えたアダプタフ
レームとから形成したので、布地や壁紙等のサンプル撮
影、昆虫や植物等の標本用の撮影、シャーレ上の菌や結
晶の成長等の時間変化の撮影等の近接距離の撮影を行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した接写アダプタと、レンズ付き
フイルムユニットとの外観を示す斜視図である。

【図２】レンズ付きフイルムユニットの構成を分解して
示す斜視図である。

【図３】接写アダプタの構成を分解して示すの斜視図で
ある。

【図４】接写アダプタを取り付けたレンズ付きフイルム
ユニットを示す斜視図である。

【図５】近接撮影時のレンズ付きフイルムユニットを示
す斜視図である。

【図６】偏光フイルタを接写アダプタに取り付ける場合
を示す斜視図である。

【符号の説明】

２ レンズ付きフイルムユニット ３ 撮影レンズ ４ 対物用ファインダ ５ ストロボ発光部 ６ ストロボ充電切替スイッチ ３０ 接写アダプタ ３１ アダプタ本体 ３２ アダプタフレーム ３７ クローズアップレンズ ３９ 減光板 ４４ 接続部 ４５ 撮影枠

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クローズアップ撮影時にレンズ付きフイ
   ルムユニットの前面に装着して用いられるレンズ付きフ
   イルムユニット用接写アダプタにおいて、 レンズ付きフイルムユニットへの装着時に、レンズ付き
   フイルムユニットの撮影レンズの前面に位置するクロー
   ズアップレンズと、レンズ付きフイルムユニットのスト
   ロボ発光窓の前面に位置してストロボ光を減光させる減
   光部材とを有するアダプタ本体と、 このアダプタ本体に取り付けられ、クローズアップ撮影
   距離に応じた長さの支持部材及びクローズアップ撮影距
   離位置における撮影範囲を示す素通しの撮影枠とを備え
   たアダプタフレームとからなることを特徴とするレンズ
   付きフイルムユニット用接写アダプタ。
2. 【請求項２】 レンズ付きフイルムユニットのストロボ
   発光に同調して発光するストロボ装置を設けたことを特
   徴とする請求項１記載のレンズ付きフイルムユニット用
   接写アダプタ。
3. 【請求項３】 前記クローズアップレンズの光軸上に偏
   光フイルタを保持するフイルタ保持部を設けたことを特
   徴とする請求項１又は２記載のレンズ付きフイルムユニ
   ット用接写アダプタ。