JP2002004079A - 電鋳原版,その製造方法,及び該方法を用いた部品製造方法 - Google Patents

電鋳原版,その製造方法,及び該方法を用いた部品製造方法

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JP2002004079A JP2000182008A JP2000182008A JP2002004079A JP 2002004079 A JP2002004079 A JP 2002004079A JP 2000182008 A JP2000182008 A JP 2000182008A JP 2000182008 A JP2000182008 A JP 2000182008A JP 2002004079 A JP2002004079 A JP 2002004079A
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Kunio Ikeda
邦夫 池田
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電鋳工程が合理化され、高い信頼性でくり返
し使用できる電鋳原版,その製造方法,及び該電鋳原版
を用いた部品製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム基板を陽極電解して、アル
ミニウム酸化膜2を生成し、電鋳時のめっき非析出部と
する(図(B))。レジストをパターン形成し(図
(C))、露光・現像する(図(D))。レジスト領域
を除くアルミニウム酸化膜2を除去し(図(E))、こ
こに厚付けめっきして(図(F))、研磨する(図
(G))ことにより、電鋳原版が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電鋳原版の作製方
法及び該方法を用いて作製した電鋳原版、より詳細に
は、インクジェットヘッドのノズル部品,振動板部品を
生産するための電鋳原版に関し、精密電鋳法,マイクロ
マシーンに応用できる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平6−143573号公報
の“インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録
ヘッド用振動板の製造方法”に開示された発明は、写真
製版技術とめっき・電鋳技術とを応用したフォトファブ
リケーション技術による振動板部品の製法に関する基本
発明であって、ダイアフラム部を構成する第一めっき
層、ダイアフラム部と圧電素子を連結する島状凸部(ア
イランド部)及び各チャンネル毎に区分する隔壁厚肉部
を、第二めっき層で一体的に積層したニッケル電鋳から
なる二層構成の振動板部品の製法,構造,特性などにつ
いて開示したものである。
【0003】また、特開平6−346271号公報の
“ニッケル積層体並びにその製造方法”の発明は、写真
製版技術とめっき電鋳技術による振動板部品の製法に関
するもので、基本的には上記の特開平6−143573
号公報同様、ダイアフラム部を構成する第一ニッケルめ
っき層、ダイアフラム部と圧電素子を連結する島状凸部
(アイランド部)及び各チャンネル毎に区分する隔壁厚
肉部を、第二めっき層で一体的に積層した二層構成の振
動板部品の製法に関し、第一層めっき部に光沢剤無添加
のニッケルめっきを用いることによりめっき層間の密着
性を改善したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平6−143573号公報及び特開平6−3462
71号公報に開示されたものは、いずれもフォトリソグ
ラフィ工程(以下、単にフォトリソとする)とめっき工
程とを2回づつ繰り返す電鋳法によるもので、振動板を
製造する上で以下の欠点を有する。
【0005】(1)振動板部品の基準孔,部品外形枠を
レジスト非めっきパターン(電気絶縁性を有し、電鋳時
にめっきが析出しないパターンで本明細においてこのパ
ターン領域を非析出領域とも表現する)で形成するの
で、工程中のコンタミ及び基板表面の熱酸化などにより
めっき不質層を生じやすく、結果として、振動板第一層
めっき膜にピンホールなどの膜欠陥が多発し、歩留まり
低下による部品コストの低減の障害となっている。
【0006】(2)上述したように、フォトリソグラフ
ィとめっきとを2回づつ繰り返すので工程が非常に長く
なり、さらには高度にクリーン環境を維持する必要があ
るため、省エネルギーなどの環境優先の意に反する。
【0007】(3)部品コストの低減策として、基板1
枚あたりの部品取り数(面付け数)を出来る限り多くす
るように工程設計を行うが、マルチチャンネルの振動板
部品では1個の部品サイズが比較的大きく、基板1枚あ
たりの部品取り数も限られ、例えば半導体部品のような
スケール効果を得ることができない。
【0008】(4)上記の特開平6−346271号公
報では、振動板部品の第一層めっきとして光沢剤無添加
のニッケルめっきを用いるため、ニッケル物性が限定さ
れ結果としてダイアフラム特性が限定されるという問題
がある。
【0009】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、請求項1の発明は、電鋳製品の寸法精度に
おける再現性が優れた繰り返し使用可能な電鋳原版であ
って、一旦電鋳原版を作成してしまえば、電鋳工程ごと
に非めっきパターンを形成する必要がないために電鋳工
程を短縮することができ、これにより省エネルギーと材
料の合理化による低コスト化を実現した電鋳原版の製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】請求項2の発明は、非めっきパターンと基
板との密着性に優れ、繰り返し使用において高い耐久性
を有する電鋳原版の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0011】請求項3及び4の発明は、非めっきパター
ンと基板との密着性に優れ、表面欠陥が少なく、かつ、
めっき・電鋳液に腐植されることなく機械的清浄化に耐
えうる繰り返し使用可能な電鋳原版の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】請求項5ないし18の発明は、非めっきパ
ターンと基板との密着性に優れ、表面欠陥が少なく、か
つ、めっき・電鋳液に腐植されることなく機械的清浄化
に耐えうる繰り返し使用可能な高耐久性を有する電鋳原
版の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】請求項19の発明は、請求項1ないし18
の方法によって製造した電鋳原版を提供することを目的
とする。
【0014】請求項20及び21の発明は、請求項19
の電鋳原版を用いて、繰り返し寸法精度のばらつきが小
さいインクジェットヘッド用のノズル部品または振動板
部品等を製造する方法であって、特にフォトリソ工程や
清浄仕上げ工程等が合理化され、従来の工程に比して工
程が短縮するとともに歩留まりが向上して低コスト化が
実現し、かつピンホールや液室形成面等の汚染がなく、
高い信頼性をもったインクジェット部品を得ることがで
きる部品製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0015】請求項22及び23の発明は、耐インク性
が良好で、ヘッド信頼性の高いインクジェット用の部品
製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電鋳
によって析出しためっき膜を用いて部品を製造するため
の電鋳原版の製造方法において、該電鋳原版の製造方法
は、電鋳によってめっき膜が析出する析出領域と、めっ
き膜が析出しない電気絶縁性の非析出領域とを基板上に
パターン化して形成するステップを有し、前記非析出領
域は、前記基板の材料に対して高密着性で硬質の電気絶
縁物質を用いて形成すること特徴としたものである。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記基板の材料として、アルミニウム及びアルミニ
ウムの合金を用い、前記非析出領域を、写真製版法及び
陽極酸化法を用いたアルミニウム酸化膜により形成する
ことを特徴としたものである。
【0018】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記析出領域を形成するために、前記アルミニウム
酸化膜の形成部を除く基板領域を深さ10〜100ミク
ロンの範囲でエッチング処理を行うことを特徴としたも
のである。
【0019】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記エッチング処理の後、該エッチング処理を行っ
た領域に対して、ニッケルもしくは銅の電気めっき膜、
またはニッケル、ニッケル−燐、もしくはニッケル−硼
素の無電解めっき膜を、厚さ10〜100ミクロンの範
囲で厚付けすることにより前記析出領域を形成すること
を特徴としたものである。
【0020】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記電気めっき膜または前記無電解めっき膜の厚付
け後、180〜200℃で1〜3時間の範囲で熱処理す
ることを特徴としたものである。
【0021】請求項6の発明は、請求項4または5の発
明において、前記非析出領域の表面と前記析出領域の表
面とが同一平面となるように研磨して仕上げることを特
徴としたものである。
【0022】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、前記基板の材料として導体金属板を用い、前記非析
出領域は、Si,SiO2,Al23,AlN,Ti
2,低融点ガラス,有機硬質膜、またはコルゲートの
電気絶縁性物質の硬質膜により、厚さ1〜100ミクロ
ンの範囲で形成することを特徴としたものである。
【0023】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記導体金属板に、非析出領域を形成するための溝
パターンを深さ1〜100ミクロンの範囲でエッチング
処理し、該エッチング処理した領域に前記電気絶縁物質
を充填成膜すること特徴としたものである。
【0024】請求項9の発明は、請求項8の発明におい
て、前記導体金属板としてアルミニウム板を用い、前記
エッチング処理は、前記溝パターンの形状で該アルミニ
ウム板を陽極酸化し、該陽極酸化した領域のみを選択的
に溶解除去することにより、前記深さ1〜100ミクロ
ンの前記溝パターンを得ることを特徴としたものであ
る。
【0025】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記溝パターンを形成した後、基板表面全体に無
電解ニッケルめっき膜を形成し、該無電解ニッケルめっ
き膜の形成後、前記電気絶縁性物質の充填成膜を行うこ
とを特徴としたものである。
【0026】請求項11の発明は、請求項1の発明にお
いて、前記基板としてエッチング可能なセラミックス基
板を用い、前記非析出領域は、写真製版法及びエッチン
グ法を用いて前記基板材料のセラミックスにより形成す
ることを特徴としたものである。
【0027】請求項12の発明は、請求項11の発明に
おいて、前記析出領域は、前記非析出領域を除く領域を
深さ10〜100ミクロンの範囲でエッチング処理した
後、該エッチング処理した領域にニッケル、銅、もしく
はクロムの電気めっき膜、または、ニッケル、ニッケル
−燐、もしくはニッケル−硼素の無電解めっき膜を、厚
さ10〜100ミクロンの範囲で厚付けすることにより
形成し、前記非析出領域の表面と前記析出領域の表面を
同一平面となるように研磨して仕上げることを特徴とし
たものである。
【0028】請求項13の発明は、請求項1の発明にお
いて、前記基板としてガラス板またはセラミックス板を
用い、前記非析出領域は、スクリーン印刷法により前記
電気絶縁物質を印刷して形成することを特徴としたもの
である。
【0029】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、前記非析出領域は、低融点ガラスペーストをス
クリーン印刷した後焼成することにより形成することを
特徴としたものである。
【0030】請求項15の発明は、請求項13または1
4の発明において、前記非析出領域以外の基板領域に、
クロムまたはニッケルのスパッタ膜を成膜した後、銅め
っき膜、ニッケルめっき膜、または無電解ニッケルめっ
き膜を厚付けして、前記析出領域を前記基板に一体的に
形成をすることを特徴としたものである。
【0031】請求項16の発明は、請求項1の発明にお
いて、前記基板の材料として高分子材料を用い、前記非
析出領域を前記高分子材料により形成し、前記析出部
は、前記高分子材料に、銅、またはニッケルを厚付けめ
っきして形成することを特徴としたものである。
【0032】請求項17の発明は、請求項1の発明にお
いて、前記基板の材料として金属材料を用い、前記非析
出領域を厚膜感光性樹脂により形成し、前記析出領域
は、前記金属材料に、銅、またはニッケルを厚付けめっ
きして形成することを特徴としたものである。
【0033】請求項18の発明は、請求項17の発明に
おいて、前記非析出領域の表面と前記析出領域の表面と
が同一平面となるように研磨して仕上げることを特徴と
したものである。
【0034】請求項19の発明は、請求項1ないし18
のいずれか1に記載の電鋳原版の製造方法にて製造した
ことを特徴としたものである。
【0035】請求項20の発明は、請求項19の発明を
用いて、インクジェットヘッドを構成するノズル部品ま
たは振動板部品を繰り返し製造することを特徴としたも
のである。
【0036】請求項21の発明は、請求項20の発明に
おいて、前記電鋳原版に対して電鋳を行って第1のめっ
き層パターンを形成した後、該第1のめっき層パターン
に対してフォトレジストによるパターンを形成し、該フ
ォトレジストの開口部の第1のニッケルめっき層の露出
部に更に第2のめっき層パターンを電鋳により形成する
ステップを含む処理により、ノズル部品または振動板部
品を得ることを特徴としたものである。
【0037】請求項22の発明は、請求項21の発明に
おいて、前記第1及び第2のめっき層パターンを形成し
た積層構造体を250〜350℃で1〜2時間の範囲で
加熱処理することを特徴としたものである。
【0038】請求項23の発明は、請求項21または2
2の発明において、前記第1のめっき層パターン及び第
2のめっき層パターンを、無光沢ニッケルめっき層、光
沢ニッケルめっき層、Ni−W合金めっき層、またはN
i−Co合金めっき層により形成することを特徴とした
ものである。
【0039】
【発明の実施の形態】(実施例1:ノズル部品電鋳原版
製作方法)図1は、本発明の電鋳原版の作成方法の第1
の実施例を説明するための図で、電鋳原版の形成工程に
従う側断面概略構成を順に図1(A)から図1(H)に
示すものである。本実施例のノズル用電鋳原版は、電鋳
原版のめっきの析出領域をアルミニウム基板に厚付けめ
っきして形成し、非めっきパターンを電気絶縁性の酸化
アルミニウムによって構成したものである。
【0040】原版素材としてはアルミニウム基板(JI
SA5000系)1を用い(図1(A))、脱脂・洗浄
した後、硫酸水溶液中で陽極電解する。すなわち、アル
ミニウム基板1を陽極、鉛板を陰極として硫酸水溶液中
で電気分解すると、アルミニウム基板1の表面にアルミ
ニウム酸化膜2が生成する(図1(B))。このときの
処理条件は、硫酸濃度;10〜20VoL%、液温度;
0〜20℃である。
【0041】上記のアルミニウム酸化膜2の厚さは、ほ
ぼ通電量に比例し、温度と電流密度の均一化により目標
膜厚の10%内に制御することができる。また、電解処
理温度の調節で膜硬度を制御することもできる。前述の
条件でビッカース硬度Hv250〜450レベルの硬質
膜を得ることができる。本発明の電鋳原版ではアルミニ
ウム酸化膜の非めっきパターンと後述の厚付けめっき面
とをほぼ同等の硬度に調整しておくことが必要である。
これは、めっき析出領域及び非めっきパターン(非析出
領域)を同時に機械的に清浄化するので、どちらか一方
が摩滅してしまうようでは目的とするリサイクル電鋳原
版として使用できないためである。
【0042】アルミニウムの陽極酸化膜(アルミニウム
酸化膜2)は電気絶縁性で同酸化膜上にはめっき析出し
ない。またこの陽極酸化膜は、アルミニウム基板1の母
材から膜成長したものであり、母材との密着性は極めて
優れ、リサイクル電鋳原版用の非めっきパターンとして
応用することができる。図1(C)では、アルミニウム
酸化膜2上に、ドライフイルムレジスト(DFR)3を
積層する。そして露光・現像工程を経てノズルの基とな
る円形状のレジストパターンを形成する(図1
(D))。次いで、レジストパターン以外のアルミニウ
ム酸化膜を燐酸液で溶解除去するとレジストで覆われた
部分には円形状のアルミニウム酸化膜2のパターンが残
る(図1(E))。
【0043】アルミニウムは、酸・アルカリの両方に反
応する両性金属で、このままでは電鋳液で腐食されるの
で電鋳原版として用いることができない。電鋳原版のめ
っき析出部とするにはアルミニウム露出部を他の金属で
被覆する必要がある。本実施例では、アルミニウムの露
出部を銅,ニッケル,クロムなどのスパッタ膜で被覆し
た後、銅,ニッケルなどの電気めっきを厚付けする。ア
ルミニウムは前述の理由で直にめっきできないので、亜
鉛置換処理やスパッタ膜で被覆した後、めっきする必要
がある。アルミニウム酸化膜の厚さとほぼ同等に厚付け
めっき層4を形成して(図1(G))、最終的に同一平
面状に機械的研磨すると、アルミニウム酸化膜2の非め
っきパターンと厚付けめっき面が同一平面上に仕上がっ
たノズル用の電鋳原版10が完成する(図1(H))。
【0044】図2は、図1の工程で作成した電鋳原版を
用いてノズルを製作する工程を説明するための図で、ノ
ズルの形成工程に従う側断面概略構成を順に図2(A)
から図2(C)に示し、図2(D)に図2(C)の平面
概略構成を示すものである。電鋳原版(図2(A))1
0の厚付けめっき層4側の面に電鋳すると、電気絶縁性
の円形パターン部ではめっきがパターン上にせり出すよ
うに析出し(図2(B))、結果として中空状のノズル
(オリフィス)12を有するノズル部品11ができる
(図2(C)〜(D))。めっきを続けるとノズルは塞
がれてしまうが、円形パターン寸法とめっき厚さの調節
により狙いの直径のノズルを作るのが本電鋳ノズル工法
である。本方法により得られるノズル12の直径は、円
形非めっきパターンの直径とめっきせり出し量により決
定される。通常、めっきせり出し量はめっき厚さで代用
され、ノズル直径は以下の式1で概略求めることができ
る。ノズル直径=非めっきパターン直径−2×めっき厚
さ…(式1)
【0045】図3は、本発明により作成するマルチノズ
ルプレート多数個取り電鋳原版の一例を概略的に示す平
面図である。上述した実施例では加工原理の説明上、非
めっきパターンが1個の例について示しているが、実際
は、本実施例の部品は、円形パターンを複数個配列した
マルチノズルプレート部品である。ここでは、マルチノ
ズル用の非めっきパターンを形成しておけば、狙いのマ
ルチ状の中空状オリフィスを配したマルチノズルプレー
トを製作することができる。また、同様の方法でインク
ジェットノズルに限らず、種々のフィルター,メッシュ
部品を繰り返し製作することができる。量産工程では一
枚の原版に多数のノズル非めっきパターン21を有する
ノズルプレートを面付けするが、それに伴い、個々の部
品に区分け分離する、外形枠パターン22、面付けされ
た部品同士を物理的に、かつ、電気通電的に繋ぐ連結端
(ランド)23などの非めっきパターンも前述の工程を
経て原版にパターニングしておく。
【0046】(実施例2:ノズル部品電鋳原版製作方
法)図4は、本発明の電鋳原版の作成方法の第2の実施
例を説明するための図で、電鋳原版の形成工程に従う側
断面概略構成を順に図4(A)から図4(G)に示すも
のである。本実施例のノズル用電鋳原版は、めっき析出
部をアルミニウムに厚付けめっきして形成し、非めっき
パターンを電気絶縁性の酸化アルミニウムによって構成
したもので、実施例1では基板全面を先に陽極酸化して
おき、狙いの円形パターン以外のアルミニウム酸化膜は
除去して所望の非めっきパターンを残す電鋳原版につい
て記したが、本実施例では、非めっきパターン部のみを
選択的に陽極酸化してアルミニウム酸化膜からなるパタ
ーンを付与した原版製作方法について述べる。
【0047】本実施例では、実施例1と同様にアルミニ
ウム基板31を脱脂・洗浄した後(図4(A))、DF
R33を積層してフォトリソ工程に供し、露光・現像工
程で円形状のレジスト開口パターンを形成する(図4
(B)〜図4(C))。この基板を実施例1と同様に陽
極電解すると、レジスト開口部のみが陽極酸化され円形
状のアルミニウム酸化膜パターンが形成される(図4
(D))。このアルミニウム酸化膜32のパターンは電
気絶縁性で直接にはめっきが析出しないため、他の金属
で覆う必要がある。従って、レジスト剥離を行って(図
4(E))、銅,ニッケル,クロムなどのスパッタ膜を
付与した後、銅,ニッケルなどの厚付けめっき層34を
形成する(図4(F))。
【0048】本実施例ではアルミニウム金属露出部のみ
をエッチングして、厚付けめっきのめっき代の拡大を図
った。硫酸浴を用いたアルミニウム陽極酸化の場合、酸
化膜厚さと寸法増加が一致しない。全体膜厚の35〜4
5%程度が寸法増加分で、残り55〜65%がアルミニ
ウム母材側への膜成長となる。55〜65%に相当する
部分のアルミニウムをエッチングすることで酸化膜厚さ
同等の厚めっき代が得られる。実施例1のように、エッ
チングしない場合はアルミニウム酸化膜の寸法増加分3
5〜45%分だけしかめっき代が得られないことにな
り、研磨後において、十分な厚付けめっき厚が確保でき
ず、結果として、電鋳原版としての耐久性に劣る。
【0049】図4(F)にて厚付けめっき後、アルミニ
ウム酸化膜パターンと厚付けめっき面を研磨して同一平
面に仕上げることにより、円形の非めっきパターンがレ
イアウトされたノズル電鋳原版40が得られる(図4
(G))。本実施例の電鋳原版は、実施例1で説明した
ように、図2に示すごとくの電鋳によりノズル部品を製
作することができ、図3に示すごとくのマルチノズルプ
レートを得ることができる。
【0050】(実施例3:振動板電鋳原版製作方法)図
5は、本発明の電鋳原版の製作方法の第3の実施例を説
明するための図で、電鋳原版の形成工程に従う側断面概
略構成を順に図5(A)から図5(G)に示すものであ
る。本実施例は、めっき析出部をアルミニウム基板に厚
付けめっきして形成し、非めっきパターンを酸化アルミ
ニウムによって構成したものである。ここではインクジ
ェットヘッドを構成するもう一方の部品、すなわち振動
板部品の電鋳原版について説明する。本電鋳原版はイン
クジェット部品のみならず、他の電鋳部品製作に応用で
きるものである。
【0051】前述したごとくに、従来の振動板部品の製
造方法は、フォトリソとめっきを2回づつ繰り返す工程
があった。すなわち、まず最初に、ダイアフラム,イン
ク流入孔,部品外形枠,連結端などを区分けする第一フ
ォトリソと第一層電鋳工程で、次ぎに、第一層めっき上
に重ねてフォトリソして、凸部・隔壁部などの部品厚肉
部と第一層めっき部を区分けする第二層フォトリソと第
二層電鋳工程である。
【0052】本実施例の電鋳原版は、従来の第一層レジ
ストパターンをアルミニウム酸化膜から成る硬質非めっ
きパターンに置き換え、第一層フォトリソ工程を省略か
つ繰り返し使用できるようにした新規な電鋳原版であ
る。
【0053】電鋳原版の作成方法としては、実施例1と
同様に基板全面を陽極酸化してから、エッチングで狙い
のアルミニウム酸化膜非めっきパターンを残す方法と、
実施例2のように狙いの非めっきパターンと反転一致し
たレジスト開口部のみを選択的に陽極酸化してアルミニ
ウム酸化膜からなる非めっきパターンを形成する2法が
ある。ここでは後者の実施例について振動板部品を多数
面付けした電鋳原版の例について説明する。
【0054】図5において、アルミニウム基板41上
に、DFR43を積層し露光・現像工程を経て、部品外
形枠,インク流入孔,アライメントマーク,部品連結端
など、振動板第一層のDFR開口部をもった開口パター
ンを形成する(図5(A)〜図5(C))。そしてこの
アルミニウム基板41を陽極酸化するとDFR開口部の
みが陽極酸化され、レジストパターンと反転一致した形
状のアルミニウム酸化膜42のパターンが形成される
(図5(D))。そして実施例2と同様、レジスト43
を剥離し、アルミニウム金属露出部のエッチング、厚付
けめっきなど一連の工程を経て、最終的にはアルミニウ
ム酸化膜42と厚付けめっき層44の面を同一平面上に
機械的に研磨して(図5(E)〜図5(G))、アルミ
ニウム酸化膜で形成された振動板外形枠,インク流入
孔,アライメントマーク、及び連結端などの非めっきパ
ターンと、厚付めっき層44で形成された第一層めっき
析出用導体面とからなる振動板第一層形成用電鋳原版5
0が得られる。図6は、図5に示す方法で作製した振動
板多数個取り電鋳原版50の平面図を概念的に示す図
で、図中、51は上記の振動板外形枠、52はインク流
入孔、53は連結端、54はアライメントマークであ
る。
【0055】得られた電鋳原版50は、硬質の電気絶縁
性の非めっきパターンが密着性よくパターニングされて
いるので、一度原版を製作しておけば振動板製作にあた
っては第一層めっき工程から始めることができるのが特
徴である。
【0056】図7は、本実施例3にて製作した電鋳原版
50を用いた振動板部品の製作について説明するための
図で、製作工程に従う構成を順に図7(A)〜図7
(D)に概念的に示すものである。本実施例の電鋳原版
の再利用にあたっては、原版表面を機械的に清浄研磨す
る工程から再開できる。電鋳原版50を用意してこれを
清浄研磨後、振動板第一層めっきとして、電気ニッケル
めっき膜55を厚さ3〜10ミクロンの範囲で成膜する
(図7(A))。この第一層めっき層は、振動板のダイ
アフラム、ダンパーの機能を持ち、薄膜かつピンホール
欠陥が無いなど、信頼性と歩留まりが求められる。図7
(A)において、51は外径枠パターン、54はアライ
メントマークである。
【0057】振動板第一層めっき後、従来法と同様に、
第二層用レジストパターンを成膜する(図7(B))。
レジストパターンにおける61は外形枠、62はダン
パ、63はダイアフラム、64はアライメントマーク、
65は厚肉部である。このように、本発明の電鋳原版を
用いれば、直接第一層めっきから始めることができ、フ
ォトリソは第二層パターンのみ1回で済ませることがで
きる。振動板第二層工程は、外形枠,インク流入孔,ア
ライメントマーク,ダイアフラム,ダンパー,隔壁部,
凸部,振動板厚肉部,連結端など、振動板部品の薄肉部
と厚肉部を区分するためのフォトリソとめっき工程であ
る。つまりレジストパターンの残った個所は第一層めっ
きのみか、流入孔のように第一層,第二層めっきの無い
貫通孔となる。第二層フォトリソ後、第一層ニッケルめ
っき面を活性処理して第二層のめっきを積層すると、上
記の外形枠81,ダンパー82,ダイアフラム83,ア
ライメントマーク84,厚肉部85,凸部86,隔壁部
87、及び図示しない連結端やインク流入孔などが一体
的に積層形成された振動板部品が得られる(図7
(C))。
【0058】第二層電鋳工程を経て多数の振動板部品が
連結された振動板シートが形成される。そして電鋳原版
から振動板シートを分離し、第二層レジストを除去して
各振動板に分離すると振動板部品80が完成する(図7
(D))。電鋳原版の非めっきパターンなどは原版に強
固に密着しているので機械的清浄化のみで振動板第一層
成膜用電鋳原版として繰り返し使用することができる。
本実施例によれば、第一層めっき工程と第二層フォトリ
ソ工程のみで2層積層構成の振動板を歩留まりよく製作
することができる。
【0059】(実施例4:振動板電鋳原版)図8は、本
発明の電鋳原版の作成方法の第4の実施例を説明するた
めの図で、電鋳原版の形成工程に従う側断面概略構成を
順に図8(A)から図8(G)に示すものである。本実
施例の振動板電鋳原版は、電鋳原版のめっき析出部を、
アルミニウム基板に厚付けめっきして形成し、非めっき
パターンを電気絶縁性の酸化アルミニウムにより構成し
たものである。
【0060】前述の実施例3においては、陽極酸化で非
めっきパターンを形成してから厚めっきする電鋳原版の
製造方法について記した。本実施例では、最初にアルミ
ニウム基板全面に、銅,ニッケルなどのめっきを成膜し
て、前述の非めっきパターンに相当する部分のめっき膜
を除去し、アルミニウム金属露出部を選択的に陽極酸化
してアルミニウム酸化膜からなる非めっきパターンを形
成するようにした。
【0061】図8において、アルミニウム基板91を亜
鉛置換処理して無電解ニッケルめっき後、銅,ニッケル
などの電気めっきの厚付けめっき94を成膜する(図8
(A)〜図8(B))。そして基板の厚付けめっき面に
DFR93を積層し(図8(C))、露光・現像などの
フォトリソ工程を経て、振動板外形枠,インク流入孔,
連結端,アライメントマークなどのレジスト93による
開口パターンを形成する(図8(D))。
【0062】次いで、レジスト開口部のめっきを除去す
るとアルミニウム基材面が露出する(図8(E))。こ
の状態で陽極酸化するとレジスト開口パターンに対応し
た形でアルミニウム酸化膜92が形成される(図8
(F))。そしてレジストを除去すると、厚付けめっき
94の導体面、アルミニウム酸化膜92からなる非めっ
きパターンが一体的に形成された振動板第一層形成用電
鋳原版100が得られる(図8(G))。原版めっき析
出面は一定の厚さを保ち、基板密着性のよいアルミニウ
ム酸化膜からなる非めっきパターンが一体的に形成され
ているので繰り返し原版として使用できる。
【0063】本実施例により、実施例3と同様に、アル
ミニウム酸化膜からなる外形枠,インク流入孔,連結
端,アライメントマークなどの非めっきパターンを付与
した図6に示すごとくの振動板第一層形成用電鋳原版5
0が得られる。本実施例の振動板電鋳原版は、硬質かつ
電気絶縁性の非めっきパターンが密着性よくパターニン
グされているので、一度原版を製作するとリサイクル使
用が可能で振動板製作にあたっては実施例3において説
明したごとくに、第一層めっき工程から始めることがで
きる。
【0064】(実施例5:電鋳原版製作方法)図9は、
本発明の電鋳原版の製作方法の第5の実施例を説明する
ための図で、電鋳原版の形成工程に従う側断面概略構成
を順に図9(A)から図9(G)に示すものである。本
実施例の電鋳原版は、めっき析出部を金属導体部とし、
非めっきパターンとして電気絶縁性薄膜を有するもので
ある。
【0065】本実施例の電鋳原版は、めっき,レジスト
を支持する電鋳支持基板に金属基板を用いてリサイクル
使用と工程短縮を図り、金属導体基板上に硬質の電気絶
縁性非めっきパターンを密着性よく成膜したものであ
る。本実施例では、ノズル部品の例でその原理を示す
が、実施例3に示した振動板第一層電鋳原版も同様に製
作することができる。
【0066】図9において、電鋳支持基板として直接め
っき可能な、銅板,ニッケル板,ステンレス板などの金
属基板101を用意する(図9(A))。そして金属基
板101を脱脂・洗浄後、DFR103の積層、露光・
現像と通常のフォトリソ工程を経て円形状のレジスト開
口パターンを形成する(図9(B)〜図9(C))。次
いでレジスト開口部を深さ1〜30ミクロンの範囲でエ
ッチングするとレジストと反転形状の凹パターンが形成
される(図9(D)〜図9(E))。この凹部に電気絶
縁性膜102を成膜充填する。すなわち、スパッタリン
グ法,イオンプレーテイング法などにより、Si,Si
,Al,AlN,TiOなどを充填する
(図9(F))。本実施例では、プラズマCVD膜でS
i系薄膜を5〜30ミクロンの範囲で成膜した。そして
研磨により基板面と充填物を同一表面状に研磨するとノ
ズル電鋳原版110が得られる(図9(G))。
【0067】(実施例6:電鋳原版作成方法)図10
は、本発明の電鋳原版の作成方法の第6の実施例を説明
するための図で、電鋳原版の形成工程に従う側断面概略
構成を順に図10(A)から図10(G)に示すもので
ある。本実施例の電鋳原版は、めっき析出部を基板金属
導体部として形成し、非めっきパターンを電気絶縁性物
質により構成したものである。
【0068】本実施例の電鋳原版は、めっき,レジスト
を支持する電鋳支持基板に金属基板を用いてリサイクル
使用と工程短縮を図り、金属導体基板上に硬質の電気絶
縁性非めっきパターンを密着性よく成膜したもので、実
施例3と同様、振動板第一層電鋳原版の実施例である。
【0069】図10において、まず電鋳支持基板として
直接めっき可能な、銅板,ステンレス板などの金属基板
111を用意する(図10(A))。この金属基板11
1を脱脂・洗浄後、DFR113の積層、露光・現像と
通常のフォトリソ工程を経て、外形枠,インク流入孔,
アライメントマーク,連結端などのレジスト開口部をパ
ターンを形成する(図10(B)〜図10(C))。そ
してレジスト開口部を深さ50〜200ミクロンの範囲
でエッチングするとレジストと反転形状の凹パターンが
形成される(図10(D))。
【0070】次いで上記の凹部に硬質の電気絶縁性膜1
12を充填成膜し、レジスト113を除去する(図10
(E))。電気絶縁性物質としては、アクリル樹脂,ポ
リエステル樹脂,エポキシ樹脂,紫外線硬化樹脂,低融
点ガラス,セラミック溶射膜などである。このときの溝
への樹脂充填は、前記エッチング凹パターンと一致した
形状のシルクスクリーンマスクを用いて刷り込む。そし
て、硬化,焼成すると硬質の電気絶縁性膜112が形成
され、研磨を行うことにより所望の電鋳原版120が得
られる(図10(F)〜図10(G))。
【0071】(実施例7:電鋳原版製作方法)図11
は、本発明の電鋳原版の作成方法の第7の実施例を説明
するための図で、電鋳原版の形成工程に従う側断面概略
構成を順に図11(A)から図11(G)に示すもので
ある。本実施例の電鋳原版は、めっき析出部を厚付けめ
っき面で形成し、非めっきパターンとして原版素材のセ
ラミックスを有するものである。
【0072】本実施例の電鋳原版は、めっき、レジスト
を支持する電鋳支持基板にエッチング可能なセラミック
ス基板を用いたリサイクル使用と工程短縮を図り、セラ
ミックスのような電気絶縁性基板材を非めっきパターン
として応用し、めっき析出導体部としては無電解めっ
き、電気めっきの厚付けめっきしたものである。
【0073】本実施例では、振動板部品の例でその原理
を示す。図11において、まず電鋳支持基板としてエッ
チング可能なセラミックス基板121を用意する(図1
1(A))。振動板部品多数個取り原版において、部品
外形枠に相当する非めっきパターンは絶縁性の基板材そ
のものからなり、めっき析出,支持する導体部はめっき
厚付けした電鋳原版である。
【0074】セラミックス基板121にDFR123を
積層し、振動板部品の外形枠パターン状にパターニング
する(図11(B)〜図11(C))。そしてレジスト
開口されている振動板の第一層電鋳部をエッチングする
(図11(D))。次いで無電解めっき、もしくは、ス
パッタ処理でメタライズ層124を形成した後、厚付け
めっき層123を形成する(図11(E)〜図11
(F))。厚付けめっき後研磨して前記外形枠のセラミ
ックと厚付けめっき面を同一平面に仕上げると振動板第
一層成膜用電鋳原版130を得ることができる(図11
(G))。第一層電鋳後は、実施例同様に従来法と同じ
く液状レジストでフォトリソして第二層レジストパター
ンを形成する。以降重複するのでその説明は割愛する。
【0075】(実施例8:電鋳原版製作法)図12は、
本発明の電鋳原版の作成方法の第8の実施例を説明する
ための図で、電鋳原版の形成工程に従う側断面概略構成
を順に図12(A)から図12(E)に示すものであ
る。本実施例の電鋳原版は、めっき析出部を厚付けめっ
き面として形成し、非めっきパターンとして低融点ガラ
スを有するものである。
【0076】本実施例の電鋳原版は、ガラス板もしくは
セラミックス板を用い、前記振動板部品の外形枠,イン
ク流入孔,アライメントマーク,連結端などの非めっき
パターンは低融点ガラスを印刷焼成してパターニングし
たものである。
【0077】図12において、まず電鋳支持基板として
ガラス基板131を用意する(図12(A))。そして
振動板第一層パターンの外形枠,インク流入孔,アライ
メントマーク,連結端などの非めっきパターンを形成し
たスクリーンマスクをガラス基板上に重ね低融点ガラス
ペースト132を印刷する。このとき、温度400〜6
50℃に制御した炉中を通過焼成させると低融点ガラス
ペースト132はガラス状になり前記ガラス基板上に密
着性良く成膜できる(図12(B))。低融点ガラスパ
ターン以外の領域にはクロム,ニッケルなどのスパッタ
膜134を成膜後、銅,ニッケルなどの厚付けめっき層
133を形成するが(図12(C)〜図12(D))、
あるいは、ガラス面を活性処理後、無電解めっきの厚付
けを行う。そして厚付けめっき面を研磨して前記低融点
ガラスパターンと厚付けめっき面を同一平面に仕上げる
と振動板第一層成膜用電鋳原版140ができる(図12
(E))。第一層電鋳後は前記の実施例同様、従来法と
同じく液状レジストを用いフォトリソして第二層レジス
トパターンを形成する。以降重複するのでその説明は割
愛する。
【0078】(実施例9:電鋳原版製作法)図13は、
本発明の電鋳原版の作成方法の第9の実施例を説明する
ための図で、電鋳原版の形成工程に従う側断面概略構成
を順に図13(A)から図13(E)に示すものであ
る。本実施例の電鋳原版は、めっき析出部を厚付けめっ
き面として形成し、非めっきパターンとして原版素材の
高分子材料を有するものである。
【0079】本実施例の電鋳原版は、電鋳支持基板に高
分子素材を用い、前記振動板部品外形枠,インク流入孔
などの非めっきパターンを基板素材の高分子素材をその
まま応用したものである。
【0080】図13において、まず振動板第一層パター
ンの前記部品外形枠,インク流入孔,アライメントマー
ク,連結端などの非めっきパターンを形成した高分子素
材基板141を成形する(図13(A)〜図13
(B))。ここでは、高分子素材としてはめっき容易な
ABS樹脂を用いて、電鋳原版のめっき析出導体部に相
当する部分が約100ミクロンほど窪んだ基版を加熱圧
縮成形法で製作する。そして基板全体を活性処理後(図
13(C))、無電解めっき処理を経て電気めっき層1
43を約100ミクロンに厚付けする(図13
(D))。次いでめっき面を研磨することにより、AB
S素材からなる非めっきパターン、厚付けめっき面を一
体化した電鋳原版150が得られる(図13(E))。
【0081】(実施例10:ノズル部品電鋳原版製作方
法)図14は、本発明の電鋳原版の作成方法の第10の
実施例を説明するための図で、電鋳原版の形成工程に従
う側断面概略構成を順に図14(A)から図14(E)
に示すものである。
【0082】銅,ステンレスなどの直接めっき可能な金
属基板151を用意し(図14(A))、この金属基板
151上に、厚膜の感光性樹脂でノズルの基となる円形
状の厚膜レジスト153のパターンを形成する(図14
(B)〜図14(C))。レジストパターン以外の金属
露出部には、銅,ニッケルなどの電気めっき152をレ
ジスト153の厚さまでめっきすると厚膜レジストパタ
ーンの周囲がめっきで覆われた状態となる(図14
(D))。
【0083】次いで、めっき面とレジスト面を同一平面
状に機械的に研磨すると前記レジストの非めっきパター
ンがめっき膜中に埋め込まれた状態となり、ノズル電鋳
原版160として用いることができる(図14
(E))。
【0084】本実施例では、厚膜のレジストでノズル用
の非めっきパターンを形成したので、繰り返しノズル部
品を製作できる。加工原理をノズル1個の例で説明した
が実際はマルチノズルプレートであること、さらには、
1枚の基板に複数面付けした多数個取りなので外形枠パ
ターン,連結端などの非めっきパターンを同様に作る。
【0085】(実施例11:振動板部品電鋳原版製作
法)図15は、本発明の電鋳原版の作成方法の第11の
実施例を説明するための図で、電鋳原版の形成工程に従
う側断面概略構成を順に図15(A)から図15(E)
に示すものである。振動板第一層電鋳用原版も実施例1
0と同様に製作することができる。ステンレス板161
上に、振動板外形枠,インク流入孔,アライメントマー
ク,連結端などの厚膜レジストパターン162を成膜す
る。厚付けめっき層163を形成後機械的に研磨すると
前記振動板第一層非めっきパターンを形成した電鋳原版
170が得られる。以下の説明については、前述の実施
例と同様なので省略する。
【0086】
【発明の効果】(請求項1の発明の効果) 1.硬質かつ基板密着性が極めてよい電気絶縁物質で非
めっきパターン部を形成するので、一度パターニングす
れば電鋳原版として繰り返し使用できるリサイクル性を
高める効果を有する。 2.繰り返し使用できる電鋳原版なので、工程短縮が可
能で溶剤使用量も低減でき、かつ、電鋳原版製作費及び
電鋳部品コストを低減できる効果を有する。 3.繰り返し使用できる電鋳原版なので、パターン起因
の寸法ばらつきの小さい電鋳部品を繰り返し製作できる
効果を有する。
【0087】(請求項2の発明の効果) 1.耐めっき薬品性の強い金属酸化膜で非めっきパター
ンを製作したので、繰り返し使用できる効果を有する。 2.原版のもととなるアルミニウム基板の表面を陽極酸
化して非めっきパターンを形成したので、極めて基板と
密着性が優れ、電鋳原版として繰り返し使用できる効果
を有する。 3.比較的簡単な設備で硬質かつ基板密着性のよい非め
っきパターンを成膜できる効果を有する。 4.硫酸水溶液の濃度と温度などを制御することによ
り、非めっきパターンの膜硬度を選択できる効果を有す
る。 5.アルミニウム酸化膜で非めっきパターンを形成した
ので、耐めっき薬品にすぐれ電鋳原版として繰り返し使
用できる効果を有する。
【0088】(請求請3の発明の効果) 1.陽極酸化後に非めっきパターン部のアルミニウム露
出部を予めエッチングしたので、厚付けめっき代を大き
くとることができ、原版の機械的清浄化において高耐久
性が得られる効果を有する。
【0089】(請求項4の発明の効果) 1.予め基板全面を陽極酸化するので、電解条件の設定
が容易で、結果としてアルミニウム酸化膜の厚さばらつ
きを極めて小さく制御できる効果を有する。 2.アルミニウム酸化膜の厚さばらつきが小さいので、
非めっきパターンをエッチング加工でパターニングする
際、パターン幅寸法のばらつきを小さくすることができ
る効果を有する。 3.厚付けめっきしたので、原版表面欠陥を改善できる
効果を有する。 4.アルミニウム酸化膜からなる非めっきパターン以外
のアルミニウム金属露出部にニッケル,クロムなどの電
気めっき、または、無電解めっきを成膜するので、アル
ミニウム金属の耐薬品性を改善できる効果を有する。
【0090】(請求項5の発明の効果) 1.基板に無電解めっき、厚付けめっきしてから熱処理
するので、基板とめっきの密着性を改善することがで
き、高耐久使用できる効果を有する。
【0091】(請求項6の発明の効果) 1.離型のよい電鋳原版が得られる。 2.同一平面に仕上げているので機械的清浄化が容易と
なる効果を有する。 3.非めっきパターンが同一平面に仕上がっているので
めっきオーバーハング量のばらつきが小さくなる効果を
有する。
【0092】(請求項7の発明の効果)硬質かつ高密着
性絶縁膜で非めっきパターンを形成したので、リサイク
ル性の優れた電鋳原版が得られる。
【0093】(請求項8の発明の効果)電鋳原版の基板
に非めっきパターンの溝を形成し、その溝に電気絶縁物
質を充填析出するようにしたので、機械的清浄化時の膜
剥離抵抗を低減できる効果を有する。
【0094】(請求項9の発明の効果)陽極酸化膜厚さ
を精度良く寸法制御できるので、結果として陽極酸化部
を選択的にエッチングすれば高精度の溝を形成できる効
果を有する。
【0095】(請求項10の発明の効果)溝形成後、基
板全体を無電解ニッケルめっきするので、マスキング不
用で全体をめっきでき、安価に基板を加工できる。
【0096】(請求項11及び12の発明の効果) 1.基板にエッチング容易なセラミックス基板を用いた
ので、基板材料によって非めっきパターンを形成できる
効果を有する。 2.原版導体部を予めエッチングしてから厚付けめっき
するようにしたのでめっき代を大きくとれ高耐久の効果
を有する。 3.基板材料としてセラミックスを用いたので、寸法安
定性の優れた電鋳原版が得られる効果を有する。
【0097】(請求項13ないし15の発明の効果) 1.ガラス,セラミックス基板に低融点ガラスを印刷し
て非めっきパターンを形成し、かつ、めっきで原版導体
部を形成するので、高密着性でリサイクル性の優れた電
鋳原版が得られる効果を有する。 2.ガラス状に厚付けめっきして原版導体部とするの
で、低欠陥の基板表面の電鋳原版が得られ、ピンホール
欠陥が少ないなど部品歩留まりが向上する効果を有す
る。
【0098】(請求項16の発明の効果)高分子素材に
よる非めっきパターンと厚付けめっきによる原版導体部
を形成するので、安価な電鋳原版,電鋳部品を形成でき
る効果を有する。
【0099】(請求項17及び18の発明の効果)厚膜
感光性樹脂で非めっきパターンと厚めっきで原版導体部
を形成するので、精度良く厚膜の非めっきパターン及び
原版導体部を形成可能で結果として高耐久、かつ、低欠
陥のリサイクル電鋳原版が得られる効果を有する。
【0100】(請求項19の発明の効果)電鋳工程を合
理化することができ、また高い信頼性で繰り返し使用で
きる電鋳原版が得られる。
【0101】(請求項20の発明の効果) 1.一度電鋳原版を製作しておくことにより、第一層原
版を用いた電鋳においては原版製作不用となり、部品製
造における工程短縮,省エネなどの環境優先等の効果を
有する。
【0102】(請求項21の発明の効果) 1.振動板においては第一層パターニングが不用で、部
品製造を第一層めっき工程から開始できるので、工程短
縮が可能になり部品を低コスト化することができる効果
を有する。 2.リサイクル可能な電鋳原版を用いることにより従来
法の第一層形成用のフォトリソ工程が不用となり、大幅
な工程短縮,省エネに加えてフォトリソコンタミなどが
無く基板汚染起因のピンホール欠陥などの不良低減が可
能で部品歩留まりを改善させる効果を有する。
【0103】(請求項22及び23の発明の効果) 1.大気中熱処理によるニッケル酸化膜の生成により、
部品の耐インク性を改善できる効果を有する。 2.熱処理において第一めっき層と第二めっき層との層
間密着力が向上することにより部品信頼性を高める効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電鋳原版の作成方法の第1の実施例
を説明するための図である。
【図2】 図1の工程で作成した電鋳原版を用いてノズ
ルを製作する工程を説明するための図である。
【図3】 本発明により作成するマルチノズルプレート
多数個取り電鋳原版の一例を概略的に示す平面図であ
る。
【図4】 本発明の電鋳原版の作成方法の第2の実施例
を説明するための図である。
【図5】 本発明の電鋳原版の製作方法の第3の実施例
を説明するための図である。
【図6】 図5に示す方法で作製した振動板多数個取り
電鋳原版の平面図を概念的に示す図である。
【図7】 本実施例3にて製作した電鋳原版を用いた振
動板部品の製作について説明するための図である。
【図8】 本発明の電鋳原版の作成方法の第4の実施例
を説明するための図である。
【図9】 本発明の電鋳原版の製作方法の第5の実施例
を説明するための図である。
【図10】 本発明の電鋳原版の作成方法の第6の実施
例を説明するための図である。
【図11】 本発明の電鋳原版の作成方法の第7の実施
例を説明するための図である。
【図12】 本発明の電鋳原版の作成方法の第8の実施
例を説明するための図である。
【図13】 本発明の電鋳原版の作成方法の第9の実施
例を説明するための図である。
【図14】 本発明の電鋳原版の作成方法の第10の実
施例を説明するための図である。
【図15】 本発明の電鋳原版の作成方法の第11の実
施例を説明するための図である。
【符号の説明】
1,31,41,91…アルミニウム基板、2,32,
42,92…アルミニウム酸化膜、3,33,43,9
3,103,113,123…DFR(ドライフィルム
レジスト)、4,34,44,94、123,133,
163…厚付けめっき層、10,40,50,100,
110,120,130,140,150,160,1
70…電鋳原版、11…ノズル部品、12…ノズル(オ
リフィス)、21…ノズル非めっきパターン、22…外
枠パターン、23,53…連結端(ランド)、51,6
1,81…振動板外形枠、52…インク流入孔、54,
64,84…アライメントマーク、55…電気ニッケル
めっき膜、62,82…ダンパ、63,83…ダイアフ
ラム、65,85…厚肉部、80…振動板部品、86…
凸部、87…隔壁部、101,111,151…金属基
板、102,112…電気絶縁性膜、121…セラミッ
クス基板、124…メタライズ層、131…ガラス基
板、132…ガラスペースト、134…スパッタ膜、1
41…高分子素材基板、143…電気めっき層、152
…電気めっき、153,162…厚膜レジスト、161
…ステンレス板。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電鋳によって析出しためっき膜を用いて
    部品を製造するための電鋳原版の製造方法において、該
    電鋳原版の製造方法は、電鋳によってめっき膜が析出す
    る析出領域と、めっき膜が析出しない電気絶縁性の非析
    出領域とを基板上にパターン化して形成するステップを
    有し、前記非析出領域は、前記基板の材料に対して高密
    着性で硬質の電気絶縁物質を用いて形成すること特徴と
    する電鋳原版の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電鋳原版の製造方法に
    おいて、前記基板の材料として、アルミニウム及びアル
    ミニウムの合金を用い、前記非析出領域を、写真製版法
    及び陽極酸化法を用いたアルミニウム酸化膜により形成
    することを特徴とする電鋳原版の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電鋳原版の製造方法に
    おいて、前記析出領域を形成するために、前記アルミニ
    ウム酸化膜の形成部を除く基板領域を深さ10〜100
    ミクロンの範囲でエッチング処理を行うことを特徴とす
    る電鋳原版の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電鋳原版の製造方法に
    おいて、前記エッチング処理の後、該エッチング処理を
    行った領域に対して、ニッケルもしくは銅の電気めっき
    膜、またはニッケル、ニッケル−燐、もしくはニッケル
    −硼素の無電解めっき膜を、厚さ10〜100ミクロン
    の範囲で厚付けすることにより前記析出領域を形成する
    ことを特徴とする電鋳原版の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電鋳原版の製造方法に
    おいて、前記電気めっき膜または前記無電解めっき膜の
    厚付け後、180〜200℃で1〜3時間の範囲で熱処
    理することを特徴とする電鋳原版の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の電鋳原版の製
    造方法において、前記非析出領域の表面と前記析出領域
    の表面とが同一平面となるように研磨して仕上げること
    を特徴とする電鋳原版の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の電鋳原版の製造方法お
    いて、前記基板の材料として導体金属板を用い、前記非
    析出領域は、Si,SiO2,Al23,AlN,Ti
    2,低融点ガラス,有機硬質膜、またはコルゲートの
    電気絶縁性物質の硬質膜により、厚さ1〜100ミクロ
    ンの範囲で形成することを特徴とする電鋳原版の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電鋳原版の製造方法に
    おいて、前記導体金属板に、非析出領域を形成するため
    の溝パターンを深さ1〜100ミクロンの範囲でエッチ
    ング処理し、該エッチング処理した領域に前記電気絶縁
    物質を充填成膜すること特徴とする電鋳原版の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電鋳原版の製造方法に
    おいて、前記導体金属板としてアルミニウム板を用い、
    前記エッチング処理は、前記溝パターンの形状で該アル
    ミニウム板を陽極酸化し、該陽極酸化した領域のみを選
    択的に溶解除去することにより、前記深さ1〜100ミ
    クロンの前記溝パターンを得ることを特徴とする電鋳原
    版の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電鋳原版の製造方法
    において、前記溝パターンを形成した後、基板表面全体
    に無電解ニッケルめっき膜を形成し、該無電解ニッケル
    めっき膜の形成後、前記電気絶縁性物質の充填成膜を行
    うことを特徴とする電鋳原版の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の電鋳原版の製造方法
    において、前記基板としてエッチング可能なセラミック
    ス基板を用い、前記非析出領域は、写真製版法及びエッ
    チング法を用いて前記基板材料のセラミックスにより形
    成することを特徴とする電鋳原版の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の電鋳原版の製造方
    法において、前記析出領域は、前記非析出領域を除く領
    域を深さ10〜100ミクロンの範囲でエッチング処理
    した後、該エッチング処理した領域にニッケル、銅、も
    しくはクロムの電気めっき膜、または、ニッケル、ニッ
    ケル−燐、もしくはニッケル−硼素の無電解めっき膜
    を、厚さ10〜100ミクロンの範囲で厚付けすること
    により形成し、前記非析出領域の表面と前記析出領域の
    表面を同一平面となるように研磨して仕上げることを特
    徴とする電鋳原版の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の電鋳原版の製造方法
    において、前記基板としてガラス板またはセラミックス
    板を用い、前記非析出領域は、スクリーン印刷法により
    前記電気絶縁物質を印刷して形成することを特徴とする
    電鋳原版の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の電鋳原版の製造方
    法において、前記非析出領域は、低融点ガラスペースト
    をスクリーン印刷した後焼成することにより形成するこ
    とを特徴とする電鋳原版の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13または14に記載の電鋳原
    版の製造方法において、前記非析出領域以外の基板領域
    に、クロムまたはニッケルのスパッタ膜を成膜した後、
    銅めっき膜、ニッケルめっき膜、または無電解ニッケル
    めっき膜を厚付けして、前記析出領域を前記基板に一体
    的に形成をすることを特徴とした電鋳原版の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の電鋳原版の製造方法
    において、前記基板の材料として高分子材料を用い、前
    記非析出領域を前記高分子材料により形成し、前記析出
    部は、前記高分子材料に、銅、またはニッケルを厚付け
    めっきして形成することを特徴とする電鋳原版の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の電鋳原版の製造方法
    において、前記基板の材料として金属材料を用い、前記
    非析出領域を厚膜感光性樹脂により形成し、前記析出領
    域は、前記金属材料に、銅、またはニッケルを厚付けめ
    っきして形成することを特徴とする電鋳原版の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の電鋳原版の製造方
    法において、前記非析出領域の表面と前記析出領域の表
    面とが同一平面となるように研磨して仕上げることを特
    徴とする電鋳原版の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし18のいずれか1に記
    載の電鋳原版の製造方法にて製造したことを特徴とする
    電鋳原版。
  20. 【請求項20】 請求項19の電鋳原版を用いて、イン
    クジェットヘッドを構成するノズル部品または振動板部
    品を繰り返し製造することを特徴とする部品製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の部品製造方法にお
    いて、前記電鋳原版に対して電鋳を行って第1のめっき
    層パターンを形成した後、該第1のめっき層パターンに
    対してフォトレジストによるパターンを形成し、該フォ
    トレジストの開口部の第1のニッケルめっき層の露出部
    に更に第2のめっき層パターンを電鋳により形成するス
    テップを含む処理により、ノズル部品または振動板部品
    を得ることを特徴とする部品製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の部品製造方法におい
    て、前記第1及び第2のめっき層パターンを形成した積
    層構造体を250〜350℃で1〜2時間の範囲で加熱
    処理することを特徴とする部品製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項21または22に記載の部品製
    造方法において、前記第1のめっき層パターン及び第2
    のめっき層パターンを、無光沢ニッケルめっき層、光沢
    ニッケルめっき層、Ni−W合金めっき層、またはNi
    −Co合金めっき層により形成することを特徴とする部
    品製造方法。
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