JP3969140B2 - めっき方法およびめっき品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき方法およびめっき品に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に適用されるインクジェットヘッドのような、微細な構造を有する構造体の製造には、フォトリソグラフィー法等が用いられている。
【0003】
フォトリソグラフィー法は、一般に、基材の表面にフォトレジストを塗布しレジスト層を形成する工程と、露光により、フォトレジスト層を所定のパターンに硬化させる工程と、非硬化のフォトレジストを除去する工程とを有しており、その後、レジストが除去された部位等にめっき層を形成する。
【0004】
ところで、近年、インクジェットプリンタによる印刷の高画質化、高密度化は、著しい勢いで進んでいるが、さらなる高画質化、高密度化が求められている。このような要求に応えるために、インクジェットヘッドの構造のさらなる微細化が検討されている。このように、構造の微細化が進行するのに伴い、フォトリソグラフィー法で形成されるパターン(レジストパターン)の微細化も進行させる必要がある。
【0005】
しかしながら、レジストパターンを微細化させていくと、基材とレジストとの密着性が低下する傾向を示し、後のめっき工程等において、レジストが部分的または完全に剥離する等の問題を生じることがある。このようなレジストの剥離が発生すると、製造される構造体の性能の信頼性が低下したり、構造体を製造すること自体が困難になることもある。
【0006】
上記のような傾向は、アスペクト比(レジストパターンにおける、残存するレジストの幅(または、除去されたレジストの幅)に対するレジスト層の厚さの比)が大きい場合に、特に顕著なものとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、微細な構造を有するめっき品を提供すること、該めっき品を確実に製造することができるめっき方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(21)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 非金属の基材の表面の少なくとも一部に、導電性の材料で構成される導電膜を形成する工程と、
前記導電層の表面の少なくとも一部に、ドライエッチングにより除去することが可能であり、かつ、融点が1600℃以上の材料で構成される高融点材料層を形成する工程と、
前記高融点材料層の表面の少なくとも一部に、主としてシリコンで構成されるシリコン層を形成する工程と、
前記シリコン層の表面の少なくとも一部に、フォトレジスト材料で構成されるレジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層の一部を除去することにより、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジスト層が除去された部位の、前記シリコン層および前記高融点材料層を、ドライエッチングにより除去する工程と、
少なくとも、前記シリコン層および前記高融点材料層を除去した部位に、金属材料で構成されるめっき層を形成する工程とを有することを特徴とするめっき方法。
【0010】
(2) 前記導電膜は、2層以上の積層体である上記(1)に記載のめっき方法。
【0011】
(3) 前記導電膜は、融点が1600℃以上の材料を含むものである上記(1)または(2)に記載のめっき方法。
【0012】
(4) 前記基材が主としてシリコンで構成されたものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のめっき方法。
【0013】
(5) 前記めっき層を形成する工程の後に、前記基材および前記導電膜を除去する工程を有する上記(1)または(4)に記載のめっき方法。
【0014】
(6) 基材の表面の少なくとも一部に、主としてAlで構成されるアルミニウム層を形成する工程と、
前記アルミニウム層の表面の少なくとも一部に、ドライエッチングにより除去することが可能であり、かつ、融点が1600℃以上の材料で構成される高融点材料層を形成する工程と、
前記高融点材料層の表面の少なくとも一部に、主としてシリコンで構成されるシリコン層を形成する工程と、
前記シリコン層の表面の少なくとも一部に、フォトレジスト材料で構成されるレジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層の一部を除去することにより、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジスト層が除去された部位の、前記シリコン層および前記高融点材料層を、ドライエッチングにより除去する工程と、
少なくとも、前記シリコン層および前記高融点材料層を除去した部位に、金属材料で構成されるめっき層を形成する工程とを有することを特徴とするめっき方法。
【0015】
(7) アルカリ処理により、前記アルミニウム層を除去し、前記基材を分離する工程を有する上記(6)に記載のめっき方法。
【0016】
(8) 前記基材は、耐アルカリ性を有するものである上記(6)または(7)に記載のめっき方法。
【0017】
(9) 前記高融点材料層をスパッタリングにより形成する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のめっき方法。
【0018】
(10) 前記高融点材料層の平均厚さは、20〜500nmである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のめっき方法。
【0019】
(11) 前記高融点材料層は、主として、Tiおよび/またはWを含む金属または化合物で構成されたものである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のめっき方法。
【0020】
(12) 前記シリコン層をスパッタリングにより形成する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のめっき方法。
【0021】
(13) 前記シリコン層の平均厚さは、10nm〜1μmである上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のめっき方法。
【0022】
(14) 前記シリコン層を形成する工程と、前記シリコン層および前記高融点材料層を、ドライエッチングにより除去する工程との間に、
前記レジスト層を形成し、その一部を硬化させる操作を複数回繰り返し行い、その後、前記レジスト層の非硬化部分を除去することにより、レジストパターンを形成する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のめっき方法。
【0023】
(15) 前記レジスト層の平均厚さは、50〜500μmである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のめっき方法。
【0024】
(16) 前記めっき層を電解めっきにより形成する上記(1)ないし(15)のいずれかに記載のめっき方法。
【0025】
(17) 前記めっき層は、Niを含む材料で構成されたものである上記(1)ないし(16)のいずれかに記載のめっき方法。
【0026】
(18) 前記レジストパターンを形成する工程で、除去されずに残存する部位の前記レジスト層の幅をw1[μm]、高さをh1[μm]としたとき、h1/w1≧1の関係を満足する上記(1)ないし(17)のいずれかに記載のめっき方法。
【0027】
(19) 前記レジストパターンを形成する工程で、除去される部位の前記レジスト層の幅をw2[μm]、高さをh2[μm]としたとき、h2/w2≧1の関係を満足する上記(1)ないし(18)のいずれかに記載のめっき方法。
【0028】
(20) 上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とするめっき品。
【0029】
(21) インクジェットヘッド部品である上記(20)に記載のめっき品。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のめっき方法およびめっき品の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0031】
図1は、本発明のめっき方法の第1実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態のめっき方法は、基材2の表面の少なくとも一部(1a)に、導電膜3を形成する工程(1b)と、導電膜3の表面の少なくとも一部に高融点材料層4を形成する工程(1c)と、高融点材料層4の表面の少なくとも一部にシリコン層5を形成する工程(1d)と、シリコン層5の表面の少なくとも一部にレジスト層6を形成する工程(1e)と、露光・現像処理によりレジスト層6の一部を除去することによりレジストパターンを形成する工程(1f)と、レジスト層6が除去された部位の、シリコン層5および高融点材料層4を除去する工程(1g)と、シリコン層5および高融点材料層4を除去した部位に、金属材料で構成されるめっき層を形成する工程(1h)と、残存するレジスト層6を除去する工程(1i)とを有する。
【0032】
(1a)基材2
まず、非金属の材料で構成された基材2を用意する。
【0033】
基材2は、非金属の材料であればいかなるものであってもよいが、特に、主として、シリコンで構成されたものであるのが好ましい。シリコンは、熱伝導率が高く、耐熱性にも優れている。このため、これにより、熱処理の条件を幅広くとることができ、ホットプレートでの熱処理等にも適している。また、シリコンは、耐酸性に優れ、一般的な電気めっき液に侵されないという利点も有している。
【0034】
また、基材2と導電膜3との密着性の向上等を目的として、後述する導電膜3の形成に先立ち、基材2に対して、前処理を施してもよい。前処理としては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、エッチング処理、下地層の形成等が挙げられる。
【0035】
(1b)導電膜3の形成
基材2の表面に、導電膜3を形成する。
【0036】
導電膜3は、導電性を有する材料で構成されたものである。
導電膜3を構成する材料としては、例えば、Ti、W、Cr、Cu、Ni、Au、Ag、Al、Ta等の金属材料や、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む合金、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む金属化合物(例えば、TiN、WO2等)、またはこれらを2種以上組み合わせたもの等が挙げられる。
【0037】
図示の構成では、導電膜3は、基材2に接触する第1の層31と、第1の層31に積層された第2の層32とを有する積層体である。導電膜3がこのような積層体であると、各層の構成材料の特性を併有することができる。
【0038】
第1の層31は、基材2との密着性に優れた材料で構成されるものであるのが好ましい。このような材料としては、例えば、Ti、W、Cr、Ta等の金属材料や、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む合金、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む金属化合物(例えば、TiN、WO2等)、またはこれらを2種以上組み合わせたもの等が挙げられる。この中でも、第1の層31の構成材料としては、Ti、W、Crのような高融点の金属材料や、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む合金、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む金属化合物であるのが好ましい。このような材料で構成されることにより、第2の層32と基材2との密着性が特に優れたものとなる。また、第1の層31が前記のような材料で構成されることにより、第2の層32の構成材料と、基材2の構成材料とが反応するのを効果的に防止することができる。
【0039】
第1の層31の形成方法としては、例えば、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)等の乾式めっき法、溶射、金属箔の接合等が挙げられるが、この中でも特に、乾式めっき法が好ましく、スパッタリングがさらに好ましい。このような方法を用いることにより、基材2との密着性に優れた第1の層31を形成することができる。その結果、めっき品の製造工程中等において、基材2と第1の層31との間での不本意な剥離が発生するのを効果的に防止することができ、最終的に得られるめっき品1Aの性能の信頼性を特に高いものとすることができる。
【0040】
第1の層31の平均厚さは、特に限定されないが、5〜500nmであるのが好ましく、10〜200nmであるのがより好ましい。第1の層31の平均厚さが前記下限値未満であると、前述した効果が十分に得られない可能性がある。一方、第1の層31の平均厚さが前記上限値を超えると、第1の層31の内部応力が大きくなり過ぎ、基材2の変形破損や、基材2から導電膜3が剥離してしまう可能性がある。
【0041】
なお、第1の層31の各部位における組成は、一定であっても、一定でなくてもよい。例えば、第1の層31は、その厚さ方向に沿って、組成が順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。
【0042】
また、第1の層31と第2の層32との密着性の向上等を目的として、第2の層32の形成に先立ち、第1の層31に対して、前処理を施してもよい。前処理としては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、エッチング処理等が挙げられる。
【0043】
また、第1の層31は、図示の構成では基材2の全面に形成されているが、基材2の表面の少なくとも一部に形成されるものであればよい。
【0044】
また、第2の層32は、Cuで構成されたものであるのが好ましい。これにより、低抵抗で、かつ、後述する高融点材料層4との密着性が特に優れた薄膜を、低コストで形成できる。
【0045】
第2の層32の形成方法としては、例えば、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)等の乾式めっき法、溶射、金属箔の接合等が挙げられるが、この中でも特に、乾式めっき法が好ましく、スパッタリングがさらに好ましい。このような方法を用いることにより、第1の層31との密着性に優れた第2の層32を形成することができる。その結果、めっき品の製造工程中等において、第1の層31と第2の層32との間での不本意な剥離が発生するのを効果的に防止することができ、最終的に得られるめっき品1Aの性能の信頼性を特に高いものとすることができる。
【0046】
第2の層32の平均厚さは、特に限定されないが、5nm〜1μmであるのが好ましく、100〜500nmであるのがより好ましい。第2の層32の平均厚さが前記下限値未満であると、導電膜3の抵抗が大きくなるとともに、めっき品の厚みのばらつきが大きくなる傾向を示す。一方、第2の層32の平均厚さが前記上限値を超えると、膜形成工程が長くなるだけでなく、内部応力が大きくなり過ぎて基材2の変形・破損や、基材2から剥離が発生する可能性がある。
【0047】
なお、第2の層32の各部位における組成は、一定であっても、一定でなくてもよい。例えば、第2の層32は、その厚さ方向に沿って、組成が順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。
【0048】
また、第2の層32と高融点材料層4との密着性の向上等を目的として、後述する高融点材料層4の形成に先立ち、第2の層32に対して、前処理を施してもよい。前処理としては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、エッチング処理等が挙げられる。
【0049】
また、第2の層32は、図示の構成では基材2の全面に形成されているが、基材2の表面の少なくとも一部に形成されるものであればよい。
【0050】
(1c)高融点材料層4の形成
次に、導電膜3の表面(第2の層32の表面)に、高融点材料層4を形成する。
【0051】
高融点材料層4は、ドライエッチングにより除去することが可能で、かつ、融点が1600℃以上の材料で構成されている。
【0052】
このように、融点が1600℃以上の材料で構成された高融点材料層4を設けることにより、導電膜3の構成材料(特に、第2の層32の構成材料)がシリコン層5中に移行(拡散)するのを効果的に防止することができる。
【0053】
ところで、後に詳述するように、シリコン層5は、レジスト層6との密着性に優れたものであるが、シリコン層5中に、導電膜3の構成材料が移行(拡散)することにより、レジスト層6との密着性が著しく低下する。したがって、高融点材料層4を形成することにより、シリコン層5とレジスト層6との密着性を十分に高い状態に維持することができる。その結果、めっき品1Aの製造工程中等において、シリコン層5とレジスト層6との間での不本意な剥離が発生するのを効果的に防止することができ、最終的に得られるめっき品1Aの性能の信頼性を特に高いものとすることができる。
また、高融点材料層4をドライエッチング可能な材料で構成することにより、後述するめっき層7を導電膜3の表面に形成することができる。
【0054】
このような材料としては、例えば、Ti、W、Ta等の金属材料や、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む合金、前記金属材料のうち少なくとも1種を含む金属化合物(例えば、TiN、WO2等)、またはこれらを2種以上組み合わせたもの等が挙げられる。この中でも、高融点材料層4を構成する材料としては、Tiおよび/またはWを含む金属(合金を含む)または化合物(特に、TiW)であるのが好ましい。高融点材料層4がこのような材料で構成されることにより、導電膜3との密着性が特に優れたものになる。
【0055】
高融点材料層4の形成方法としては、例えば、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)等の乾式めっき法、溶射、金属箔の接合等が挙げられるが、この中でも特に、乾式めっき法が好ましく、スパッタリングがさらに好ましい。このような方法を用いることにより、導電膜3との密着性に優れた高融点材料層4を得ることができる。その結果、めっき品の製造工程中等において、導電膜3と高融点材料層4との間での不本意な剥離が発生するのを効果的に防止することができ、最終的に得られるめっき品1Aの性能の信頼性を特に高いものとすることができる。
【0056】
高融点材料層4の平均厚さは、特に限定されないが、20〜500nmであるのが好ましく、20〜200nmであるのがより好ましい。高融点材料層4の平均厚さが前記下限値未満であると、導電膜3の構成材料等によっては、シリコン層5中への導電膜3の構成材料の移行を十分に防止するのが困難になる可能性がある。一方、高融点材料層4の平均厚さが前記上限値を超えると、内部応力が大きくなり過ぎ、基材2の変形・破損や基材2からの剥離が発生する可能性がある。
【0057】
なお、高融点材料層4の各部位における組成は、一定であっても、一定でなくてもよい。例えば、高融点材料層4は、その厚さ方向に沿って、組成が順次変化するもの(傾斜材料)であってもよい。
【0058】
また、高融点材料層4とシリコン層5との密着性の向上等を目的として、後述するシリコン層5の形成に先立ち、高融点材料層4に対して、前処理を施してもよい。前処理としては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、エッチング処理等が挙げられる。
【0059】
また、高融点材料層4は、図示の構成では導電膜3の全面に形成されているが、導電膜3の表面の少なくとも一部に形成されるものであればよい。
【0060】
(1d)シリコン層5の形成
次に、高融点材料層4の表面に、主としてシリコンで構成されるシリコン層5を形成する。
【0061】
このようなシリコン層5は、後述するレジスト層6との密着性(特に、レジストパターン形成後のレジスト層6との密着性)に優れている。また、前述したように、シリコン層5と導電膜3との間には、高融点材料層4が形成されているため、少なくともめっき工程が完了するまで、シリコン層5とレジスト層6との間の優れた密着性を維持することができる。その結果、最終的に得られるめっき品1Aの性能の信頼性を特に高いものとすることができる。
【0062】
シリコン層5の形成方法としては、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)等の乾式めっき法、溶射等が挙げられるが、この中でも特に、乾式めっき法が好ましく、スパッタリングがさらに好ましい。このような方法を用いることにより、高融点材料層4との密着性に優れたシリコン層5を得ることができる。その結果、めっき品の製造工程中等において、高融点材料層4とシリコン層5との間での不本意な剥離が発生するのを効果的に防止することができ、最終的に得られるめっき品1Aの性能の信頼性を特に高いものとすることができる。
【0063】
シリコン層5の平均厚さは、特に限定されないが、10nm〜1μmであるのが好ましく、100〜500nmであるのがより好ましい。シリコン層5の平均厚さが前記下限値未満であると、シリコン層5が膜状にならず島状になってしまう可能性がある。その結果、高融点金属層4が露出し、レジスト層6との密着性が低下する。一方、シリコン層5の平均厚さが前記上限値を超えると、内部応力が大きくなり過ぎ、基材2の変形・破損や基材2からの剥離が発生する可能性がある。
【0064】
なお、シリコン層5とレジスト層6と間での密着性のさらなる向上等を目的として、後述するシリコン層5の形成に先立ち、シリコン層5に対して、前処理を施してもよい。前処理としては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、エッチング処理等が挙げられる。
【0065】
また、シリコン層5は、図示の構成では高融点材料層4の全面に形成されているが、高融点材料層4の表面の少なくとも一部に形成されるものであればよい。
【0066】
(1e)レジスト層6の形成
次に、シリコン層5の表面に、フォトレジスト材料で構成されるレジスト層6を形成する。
【0067】
レジスト層6は、後述するシリコン層5・高融点材料層4を除去する工程において、被覆した部位のシリコン層5・高融点材料層4を保護するマスクとして機能し、また、後述するめっき工程においては、被覆した部位にめっき層が形成されるのを防止するマスクとして機能する。その結果、所定のパターンのめっき層7を形成することが可能となる。
【0068】
レジスト層6を構成する材料としては、例えば、NANO XP SU−8(米国 MicroChem Corp製)や、JSR THB−430N(JSR株式会社製)等が挙げられる。
【0069】
レジスト層6の形成方法としては、例えば、スピンコート、ロールコート、ディッピング、刷毛塗り、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等が挙げられる。
【0070】
レジスト層6の平均厚さは、特に限定されないが、5μm〜2mmであるのが好ましく、50〜500μmであるのがより好ましい。レジスト層6の平均厚さが前記下限値未満であると、レジスト層6にピンホールが発生し易くなる傾向がある。このため、後述するめっき工程において、マスクとしての機能を十分に果たすのが困難になる可能性がある。一方、レジスト層6の平均厚さが前記上限値を超えると、レジスト層6の各部位における膜厚のバラツキが大きくなる傾向を示す。また、レジスト層6の内部応力が高くなり、結果として、レジスト層6とシリコン層5との密着性が低下したり、クラックが発生し易くなる。これにより、マスクとしての機能を十分に果たすのが困難になる可能性がある。
【0071】
なお、図示の構成では、レジスト層6はシリコン層5の全面に形成されているが、シリコン層5の表面の少なくとも一部に形成されるものであればよい。
このようにして形成されたレジスト層6は、後述する工程(1f)で、その一部が除去される。この工程において、レジスト層6の目的とする部位のみを選択的に除去するために、上記のようにして形成されたレジスト層6の一部を硬化させ(パターンを焼き付け)、硬化部61を形成する。
【0072】
レジスト層6の硬化は、例えば、フォトマスクを用いた密着露光、投影露光等の露光により行う。フォトマスクとしては、例えば、フィルムマスク、エマルジョンマスク、シースルーマスク等を用いることができる。また、露光に用いる光の波長は、特に限定されないが、通常、紫外線領域の波長に発光強度のピークを持つものが用いられる。
【0073】
上記のような露光に先立ち、レジスト層6中に含まれる溶媒の除去等を目的として、乾燥、加温処理(プレベーク処理)等を行う。
【0074】
また、露光後、硬化部61(パターン焼き付け部位)における硬化反応(重合反応)の進行、完結等を目的として、必要に応じて、加熱処理を施してもよい。
【0075】
(1f)レジスト層6(非硬化部)の除去(現像工程)
次に、シリコン層5の表面に形成されたレジスト層6のうち、硬化部61以外の部位(非硬化部)を除去する。これにより、前記工程で形成されたレジスト層6のうち硬化部61が、レジストパターンとしてシリコン層5上に残存することになる。この工程は、通常、有機溶剤や有機の弱アルカリ水溶液で非硬化部を溶解、除去することにより行う。
【0076】
ところで、従来のめっき方法では、いわゆるアスペクト比(形成されるレジストパターンの幅(除去されずに残存する部位のレジスト層6の幅、またはレジスト層6の除去された部位の幅)に対する、レジスト層6の厚さの比)の大きいレジストパターンを形成した場合、レジストの剥離等の問題を特に生じ易かった。これに対し、本発明は、レジストパターンのアスペクト比が比較的大きい場合であっても、優れた密着性を維持することができる。したがって、本発明は、アスペクト比の大きいレジストパターンを形成する場合において、特に顕著な効果を発揮するものであり、また、このような構成に適用するのが好ましい。
【0077】
具体的には、硬化部61(除去されずに残存する部位のレジスト層6)の幅をw1[μm]、高さ(厚さ)をh1[μm]としたとき、h1/w1≧1の関係を満足するのが好ましく、h1/w1≧2の関係を満足するのがより好ましい。また、除去された部位のレジスト層6の幅をw2[μm]、高さ(厚さ)をh2[μm]としたとき、h2/w2≧1の関係を満足するのが好ましく、h2/w2≧2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足する場合、前述した本発明の効果が特に顕著に現れる。
【0078】
また、上記のような現像工程(非硬化のレジスト層6の除去)後、除去されなかったレジスト層6(硬化部61)の硬化反応のさらなる進行、完結等を目的として、必要に応じて、加熱処理、ポストベーク処理を施してもよい。
【0079】
(1g)シリコン層5および高融点材料層4の除去
次に、前記工程でレジスト層6が除去された部位のシリコン層5および高融点材料層4を除去する。これにより、シリコン層5および高融点材料層4が除去された部位に対応する部位の導電膜3が露出する。
【0080】
シリコン層5および高融点材料層4は、ドライエッチングにより除去する。ドライエッチングを用いることにより、レジスト層6の開口部に対応する形状で導電膜3を露出させることができる。また、残存するレジスト層6に被覆された部位のシリコン層5がほとんど損なわれず、密着性の低下を効果的に防止することができる。
【0081】
シリコン層5と高融点材料層4とは、例えば、一工程で除去されるものであってもよいし、それぞれ、別の工程で除去されるものであってもよい。
【0082】
ドライエッチングの方法は、特に限定されないが、例えば、反応性イオンエッチング法(RIE法)等を用いることができる。
【0083】
RIE法を用いて、シリコン層5および高融点材料層4を単一の工程で除去する場合、ドライエッチングの条件は、例えば、チャンバー内圧力:40〜400Pa、O2流量:1〜5sccm、CF4流量:10〜100sccm、RF出力100〜300Wとすることができる。処理時間は、高融点材料層4とシリコン層5を完全に除去可能な時間でなければならないが、レジスト層6に対するプラズマのダメージを軽減するため、できるだけ短くするのが好ましい。例えば、高融点材料層4がTiWで厚さ100nm、シリコン層5の厚さが500nmの場合、約15分である。
【0084】
(1h)めっき層7の形成(めっき工程)
少なくとも、シリコン層5および高融点材料層4を除去した部位に、めっき層7を形成する。
【0085】
めっき層の構成材料としては、例えば、Ni、Cu、Au、Sn−Pb合金等が挙げられるが、この中でも特に、Niを主とするものであるのが好ましい。これにより、耐薬品性とコストのバランスがとれた条件で、めっき品を製造することができる。
【0086】
めっき層7の形成方法としては、例えば、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)等の乾式めっき法等が挙げられるが、この中でも、湿式めっき法が好ましく、電解めっきがより好ましい。
【0087】
このような方法でめっき層7を形成することにより、安定した組成、物性のめっき層7を、より確実に形成することができる。
【0088】
電解めっきは、例えば、以下のような条件で行うことができる。
液組成 スルファミン酸ニッケル 600g/リットル
ほう酸 35g/リットル
塩化ニッケル 2g/リットル
液温50℃、pH=4、電流密度0.2A/dm2
ただし、電解めっき条件は上記に限定されるものではなく、安定して均一にめっきできる条件であればよい。
【0089】
なお、このようにして形成されためっき層7に対して、例えば、研磨処理等の後処理を施してもよい。
【0090】
(1i)レジスト層6(硬化部61)の除去
その後、残存するレジスト層6(硬化部61)を除去することにより、本発明のめっき品1Aが得られる。
【0091】
この工程は、実質的に、残存するレジスト層6(硬化部61)のみを選択的に除去できる方法を用いるのが好ましい。このような方法としては、溶媒を用いる方法や、空気、酸素中等で加熱分解する方法、反応性イオンドライエッチング法(RIE法)等のドライエッチング法等が挙げられる。
【0092】
RIE法を用いて、レジスト層6を除去する場合、その条件は、例えば、チャンバー内圧力:100〜500Pa、酸素流量:10〜100sccm、CF4流量:5〜50sccm、RF出力:100〜500W、とすることができる。処理時間は、レジスト層6を完全に除去できる時間があれば良い。多少時間が長過ぎても、めっき層7や基材2はほとんど影響を受けない。
【0093】
以上、説明した本発明のめっき方法を用いることにより、微細な構造を有し、かつ構造欠陥のないめっき品1Aを、効率良く製造することができる。
【0094】
得られるめっき品1Aは、いかなるものであってもよいが、微細な構造を有することにより、優れた機能を発揮することができるものであるのが好ましく、例えば、インクジェットヘッド、マイクロモータ、マイクロタービン等のマイクロマシンやこれらの部品、および微細部品の射出成型用の型等が挙げられる。
【0095】
なお、以上のようにして製造されためっき品1Aに対しては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、研磨処理等の後処理を施してもよい。
【0096】
また、前記工程(1i)の後、基材2、シリコン層5、高融点材料層4、導電膜3の少なくとも一部を除去してもよい。
【0097】
次に、本発明のめっき方法およびめっき品(電鋳品)の第2実施形態について説明する。
【0098】
図2は、本発明のめっき方法の第2実施形態を示す断面図である。
以下、第2実施形態のめっき方法および該方法を用いて製造される第2実施形態のめっき品について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明については、その説明を省略する。
【0099】
図2に示すように、本実施形態のめっき方法は、基材8の表面の少なくとも一部(2a)に、主としてAlで構成されるアルミニウム層9を形成する工程(2b)と、アルミニウム層9の表面の少なくとも一部に高融点材料層4を形成する工程(2c)と、高融点材料層4の表面の少なくとも一部にシリコン層5を形成する工程(2d)と、シリコン層5の表面の少なくとも一部にレジスト層6を形成する工程(2e)と、レジスト層6の一部を除去することによりレジストパターンを形成する工程(2f)と、レジスト層6が除去された部位の、シリコン層5および高融点材料層4を除去する工程(2g)と、シリコン層5および高融点材料層4を除去した部位に、金属材料で構成されるめっき層を形成する工程(2h)と、残存するレジスト層6を除去する工程(2i)と、アルミニウム層9を除去し、基材8を分離する工程(2j)とを有する。
【0100】
(2a)基材8
まず、基材8を用意する。
【0101】
基材8の構成材料は、特に限定されず、例えば、前述した第1実施形態で用いた基材2と同様の材料で構成されるものであってもよいが、耐アルカリ性を有するものであるのが好ましい。これにより、後述するアルミニウム層9を除去する工程等において分離される基材8を、めっき品1Bの製造に繰り返し利用することが可能となる。その結果、複数個のめっき品1Bを製造した場合における、各個体間での、特性、品質のバラツキが小さくなるとともに、めっき品1Bの製造コストの低減を図ることができる。
【0102】
上記のような耐アルカリ性を有する基材8の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、Ti、酸化ケイ素や窒化ケイ素等の薄膜で被覆したシリコン、石英、ほうけい酸ガラス等が挙げられる。なお、石英、ほうけい酸ガラス等はアルカリ水溶液に徐々に溶解するが、その溶解速度は極めて小さいので、本発明にも十分使用可能である。
【0103】
ステンレス鋼としては、例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L等のFe−Cr−Ni系合金、SUS405、SUS420J2、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F等のFe−Cr系合金等が挙げられる。また、快削鋼としては、例えば、SUM11、SUM12、SUM21、SUM22、SUM22L、SUM23、SUM23L、SUM24L、SUM25、SUM31、SUM31L、SUM32、SUM41、SUM42、SUM43等が挙げられる。
【0104】
また、基材8とアルミニウム層9との密着性の向上等を目的として、後述するアルミニウム層9の形成に先立ち、基材8に対して、前処理を施してもよい。前処理としては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、エッチング処理、下地層の形成等が挙げられる。
【0105】
(2b)アルミニウム層9の形成
基材8の表面に、アルミニウム層9を形成する。
【0106】
アルミニウム層9は、主としてアルミニウムで構成されたものである。
アルミニウム層9の形成方法としては、例えば、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)等の乾式めっき法、溶射、金属箔の接合等が挙げられるが、この中でも特に、乾式めっき法が好ましく、スパッタリングがさらに好ましい。このような方法を用いることにより、基材8との密着性に優れたアルミニウム層9を形成することができる。その結果、めっき品の製造工程中等において、基材8とアルミニウム層9との間での不本意な剥離が発生するのを効果的に防止することができ、最終的に得られるめっき品1Bの性能の信頼性を特に高いものとすることができる。
【0107】
アルミニウム層9の平均厚さは、特に限定されないが、50nm〜2μmであるのが好ましく、100nm〜1μmであるのがより好ましい。アルミニウム層9の平均厚さが前記下限値未満であると、基材8が耐アルカリ性を有するものである場合、後述のアルミニウム層9の除去工程に非常に長い時間を要する。一方、アルミニウム層9の平均厚さが前記上限値を超えると、内部応力によって基材8の変形・破損やアルミニウム層9の基材8からの剥離が発生する可能性がある。
【0108】
なお、アルミニウム層9と高融点材料層4との密着性の向上等を目的として、高融点材料層4の形成に先立ち、アルミニウム層9に対して、前処理を施してもよい。前処理としては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、エッチング処理等が挙げられる。
【0109】
また、アルミニウム層9は、図示の構成では基材8の全面に形成されているが、基材8の表面の少なくとも一部に形成されるものであればよい。
【0110】
(2c)高融点材料層4の形成
前述した工程(1c)と同様。
【0111】
(2d)シリコン層5の形成
前述した工程(1d)と同様。
【0112】
(2e)レジスト層6の形成
前述した工程(1e)と同様。
【0113】
(2f)レジスト層6(非硬化部)の除去(現像工程)
前述した工程(1f)と同様。
【0114】
(2g)シリコン層5および高融点材料層4の除去
前述した工程(1g)と同様。
【0115】
(2h)めっき層7の形成(めっき工程)
前述した工程(1h)と同様。
【0116】
(2i)レジスト層6(硬化部61)の除去
前述した工程(1i)と同様。
【0117】
(2j)アルミニウム層9を除去する工程
【0118】
その後、アルミニウム層9を除去し、基材8を分離することにより、本発明のめっき品1Bが得られる。
アルミニウム層9は、アルカリ処理により除去することができる。
アルミニウム層9を除去するアルカリ処理の条件は、アルミニウム層9の厚さ等により異なるが、3〜30wt%KOH水溶液を用いた場合、例えば、温度:60〜80℃、浸漬時間:30〜240分間とすることができる。なお、浸漬時間等はめっき品1Bの形状・寸法等によっても適宜異ならせることができる。
【0119】
なお、以上のようにして製造されためっき品1Bに対しては、例えば、ブラスト処理、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗、有機溶剤洗浄、ボンバード処理等の清浄化処理、研磨処理等の後処理を施してもよい。
【0120】
また、前記工程(2j)の後、基材8、シリコン層5、高融点材料層4、アルミニウム層9の少なくとも一部を除去してもよい。
【0121】
次に、本発明のめっき方法およびめっき品(電鋳品)の第3実施形態について説明する。
【0122】
図3〜図9は、本発明のめっき方法の第3実施形態を示す斜視図であり、図10は、図9に示すめっき品1Cを上下反転させた状態を示す斜視図である。なお、図7〜図10中(後述する図11も同様)、導電膜3を構成する第1の層31と、第2の層32との境界は省略した。また、各図中では、各層の相対的な位置関係を説明するために、一部の層の厚さを誇張して示しており、実際のめっき品での寸法を反映するものではない。
【0123】
以下、第3実施形態のめっき方法および該方法を用いて製造される第3実施形態のめっき品について、前記第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明については、その説明を省略する。
【0124】
本実施形態のめっき方法では、前記第1実施形態のめっき方法の変形例であり、めっき品1Cとして、インクジェットヘッド部品を製造する方法である。
【0125】
まず、前記第1実施形態で説明したような基材2を用意し、この片側の面に、導電膜3(第1の層31および第2の層32)、高融点材料層4、シリコン層5をこの順に、前記と同様な方法で形成し、積層体を得る(図3参照)。
【0126】
次に、シリコン層5の表面に、レジスト層6を形成する。形成したレジスト層6に対して、例えば、フォトマスクを用いた露光処理を施すこと等により、レジスト層6の一部を硬化させ、後述するリザーバ室71、インク室72等に対応する所定のパターンの硬化部61を形成する(図4参照)。なお、図4中、レジスト層6の硬化部61は、斜線を施して示す(後述する図5、図8における硬化部61’も同様)。
【0127】
その後、硬化部61が形成されたレジスト層6の表面に、レジスト層6’を形成する。形成したレジスト層6’に対して、例えば、フォトマスクを用いた露光処理を施すこと等により、レジスト層6’の一部を硬化させ、後述するリザーバ室71、ノズル連通孔74に対応する所定のパターンの硬化部61’を形成する(図5参照)。
【0128】
その後、レジスト層6およびレジスト層6’の非硬化の部位(硬化部61、61’以外の部位)を前記と同様な方法で除去する(図6参照)。
【0129】
レジスト層6およびレジスト層6’の非硬化部を除去することにより露出したシリコン層5とそれに対応する部位の高融点材料層4とを前記と同様な方法で除去する(図7参照)。
【0130】
次に、シリコン層5および高融点材料層4を除去することにより露出した導電膜3(第2の層32)上に、めっき層7を前記と同様な方法で形成する(図8参照)。
【0131】
その後、残存するレジスト層6、6’(硬化部61、61’)を前記と同様な方法で除去し、さらに、基材2、導電膜3を除去することにより、めっき品1C(インクジェットヘッド部品)が得られる(図9、図10参照)。
【0132】
基材2、導電膜3の除去の方法は、特に限定されず、いかなる方法で行ってもよい。
【0133】
例えば、基材2がシリコンで構成されていて、その厚さが1mm程度の場合、80℃、10wt%のKOH水溶液に7時間程度浸漬することによって、溶解、除去することができる。
【0134】
また、例えば、導電膜3が、TiW合金で構成される第1の層31と、Cuで構成される第2の層32の積層体である場合、3〜30wt%のKOH水溶液に、温度:60〜80℃、浸漬時間:10〜60分間という条件で浸漬することにより、第1の層31を除去することができ、また、1〜2wt%の過硫酸アンモニウム水溶液に、温度:20〜30℃、浸漬時間:1〜5分間という条件で浸漬することにより、第2の層32を除去することができる。
【0135】
なお、基材2と導電膜3(第1の層31と第2の層32)とは、それぞれ、別々に(複数の工程に分けて)除去するものであってもよいし、一工程でまとめて除去するものであってもよい。
【0136】
このようにして得られためっき品1Cは、インクジェットヘッド部品として用いられる。めっき品1Cを用いたインクジェットヘッド10の構成を図11に示す。
【0137】
インクジェットヘッド10は、めっき品1Cと、振動板11と、複数の圧電素子12と、ノズルプレート13とを有している。
【0138】
ノズルプレート13は、めっき品1Cのノズル連通孔74が形成された側の面に取り付けられ、ノズル連通孔74と対応した位置にノズル孔131が形成されている。
【0139】
めっき品1Cは、図示しないインクカートリッジから供給されるインクを一時的に貯留するリザーバ室71と、リザーバ室71に連通する複数のインク室72とを有している。各インク室72には、リザーバ室71からインクが供給される構成になっている。リザーバ室71と各インク室72とは、側壁(隔壁)73および振動板11によりそれぞれが区画形成されている。
【0140】
また、めっき品1Cには、インクを吐出するためのノズル孔131に通じるノズル連通孔74が、インク室72の数に対応する数だけ形成されており、これらは、それぞれ各インク室72に連通している(図9、10参照)。
【0141】
各インク室72は、後述する振動板11の振動により容積が変化し、この容積変化により、ノズル孔131からインクを吐出するように構成されている。
【0142】
また、インク室72には、リザーバ室71側に、インクの流路面積を小さくするような凸部76が形成されている。このような凸部76を有することにより、振動板11の振動によりインク室72の容積変化を生じたときに、インク室72内のインクが、リザーバ室71に押し戻されるのを防止、抑制しつつ、インクをノズル孔131から効率よく吐出させることができる。
【0143】
振動板11には、その厚さ方向に貫通する連通孔111が形成されている。この連通孔111を介して、インクカートリッジからリザーバ室71にインクが供給可能とされている。
【0144】
また、振動板11の表面(めっき品1Cと接触する側の面とは反対側の面)には、複数個の圧電素子12が接合されている。各圧電素子12は、それぞれ、各インク室72の中央部に対応して配設されている。各圧電素子12は、図示しない圧電素子駆動回路に電気的に接続され、圧電素子駆動回路からの信号に基づいて作動するように構成されている。
【0145】
圧電素子12は、振動板11に接触する面側から、下部電極、圧電体、上部電極がこの順に積層された構成になっている(図示せず)。
【0146】
圧電素子12は、振動源として機能するものであり、振動板11は、圧電素子(振動源)12の振動により振動し、インク室72の内部圧力を瞬間的に高める機能を有するものである。
【0147】
このようなインクジェットヘッド10は、圧電素子駆動回路から所定の吐出信号が入力されていない状態、すなわち、圧電素子12の下部電極と上部電極との間に電圧が印加されていない状態では、圧電体層に変形が生じない。このため、振動板11にも変形が生じず、インク室72には容積変化が生じない。したがって、ノズル孔131からインク滴は吐出されない。
【0148】
一方、圧電素子駆動回路から所定の吐出信号が入力された状態、すなわち、圧電素子12の下部電極と上部電極との間に一定電圧(例えば、10〜50V程度)が印加された状態では、圧電体層に変形が生じる。これにより、振動板11が大きくたわみ(図11中下方にたわみ)、インク室72の容積の減少(変化)が生じる。このとき、インク室72内の圧力が瞬間的に高まり、ノズル孔131からインク滴が吐出される。
【0149】
1回のインクの吐出が終了すると、圧電素子駆動回路は、下部電極と上部電極との間への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子12は、ほぼ元の形状に戻り、インク室72の容積が増大する。なお、このとき、インクには、インクカートリッジからノズル孔131へ向かう圧力(正方向への圧力)が作用している。このため、空気がノズル孔131からインク室72へ入り込むことが防止され、インクの吐出量に見合った量のインクがインクカートリッジ(リザーバ室71)からインク室72へ供給される。
【0150】
このようにして、インクジェットヘッド10において、印刷させたい位置の圧電素子12に、圧電素子駆動回路から吐出信号を順次入力することにより、任意の(所望の)文字や図形等を印刷することができる。
【0151】
次に、本発明のめっき方法およびめっき品(電鋳品)の第4実施形態について説明する。
【0152】
以下、本実施形態のめっき方法およびめっき品について、前記第3実施形態と同様に、図3〜図10に基づいて説明する。なお、本実施形態のめっき方法およびめっき品について、前記第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明については、その説明を省略する。
【0153】
本実施形態のめっき方法は、前記第2実施形態のめっき方法の変形例であり、めっき品1Dとして、インクジェットヘッド部品を製造する方法である。
【0154】
まず、前記第2実施形態で説明したような基材8を用意し、この片側の面に、アルミニウム層9、高融点材料層4、シリコン層5をこの順に、前記と同様な方法で形成し、積層体を得る(図3参照)。
【0155】
次に、シリコン層5の表面に、レジスト層6を形成する。形成したレジスト層6に対して、例えば、フォトマスクを用いた露光処理を施すこと等により、レジスト層6の一部を硬化させ、リザーバ室71、インク室72等に対応する所定のパターンの硬化部61を形成する(図4参照)。
【0156】
その後、硬化部61が形成されたレジスト層6の表面に、レジスト層6’を形成する。形成したレジスト層6’に対して、例えば、フォトマスクを用いた露光処理を施すこと等により、レジスト層6’の一部を硬化させ、リザーバ室71、ノズル連通孔74に対応する所定のパターンの硬化部61’を形成する(図5参照)。
【0157】
その後、レジスト層6およびレジスト層6’の非硬化の部位(硬化部61、61’以外の部位)を前記と同様な方法で除去する(図6参照)。
【0158】
レジスト層6およびレジスト層6’の非硬化部を除去することにより露出したシリコン層5とそれに対応する部位の高融点材料層4とを前記と同様な方法で除去する(図7参照)。
【0159】
次に、シリコン層5および高融点材料層4を除去することにより露出したアルミニウム層9上に、めっき層7を前記と同様な方法で形成する(図8参照)。
【0160】
その後、残存するレジスト層6、6’(硬化部61、61’)を前記と同様な方法で除去する。さらに、アルミニウム層9を前記と同様な方法で除去することにより、基材8を分離し、めっき品1D(インクジェットヘッド部品)を得る(図9、図10参照)。
【0161】
このようにして得られためっき品1Dは、前記第3実施形態で説明したのと同様に、インクジェットヘッド10を構成するインクジェットヘッド部品として用いられる。
【0162】
以上、本発明のめっき方法およびめっき品の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0163】
例えば、前記第1実施形態では、導電膜が2層の積層体で構成されたものとして説明したが、導電膜は、1層からなるものであってもよいし、また、3層以上の積層体であってもよい。
【0164】
また、前記第2実施形態では、硬化したレジスト層を除去した後に、アルミニウム層を除去する構成について説明したが、アルミニウム層を先に除去してもよい。
【0165】
また、前記第2実施形態では、アルミニウム層の除去により、基材が分離する構成について説明したが、基材を溶解等により除去した後、アルミニウム層を除去してもよい。
【0166】
また、前記第2実施形態では、アルミニウム層を除去することにより、基材を分離する構成について説明したが、基材、アルミニウム層は、分離、除去することなく、そのまま、めっき品として用いてもよい。
【0167】
また、前記実施形態では、めっき層を形成した後に、硬化したレジストを除去する工程を有しているが、レジストの少なくとも一部は除去されずに残存するものであってもよい。
【0168】
また、めっき品の表面の少なくとも一部には、耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐摩耗性、耐変色性等を付与し、防錆、防汚、防曇、防傷等の効果を向上する保護層等が形成されていてもよい。
【0169】
また、前記実施形態では、ネガ型のフォトレジストを使用した例を説明したが、高アスペクト比のパターンが形成可能であれば、ポジ型のフォトレジストを使用してもよい。
【0170】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0171】
(実施例1)
以下に示すような方法によりサンプルNo.1〜10の10種のめっき品を製造した。
【0172】
<サンプルNo.1のめっき品の製造>
図1に示すような方法により、めっき品(サンプルNo.1)を製造した。
【0173】
まず、基材として、直径8インチ、厚さ1mmのシリコン基板を用意した。
このシリコン基板上に、スパッタリングにより、導電膜を形成した。導電膜は、Crからなる第1の層(基材に接触する側の層)と、Cuからなる第2の層とで構成される積層体として形成した。第1の層の平均厚さ、第2の層の平均厚さは、それぞれ、30nm、300nmであった。
【0174】
次に、第2の層の表面に、スパッタリングにより、高融点材料層を形成した。高融点材料層の構成材料としては、Ti−W合金を用いた。高融点材料層の平均厚さは、150nmであった。
【0175】
次に、高融点材料層の表面に、スパッタリングにより、シリコン層を形成した。シリコン層の平均厚さは、400nmであった。
【0176】
次に、シリコン層の表面に、スピンコートにより、レジスト層を形成した。レジスト層の構成材料としては、NANO XP SU−8(米国 MicroChem Corp.社製)を用いた。レジスト層の平均厚さは、500μmであった。
その後、形成したレジスト層に対して、プレベーク処理を95℃×60分間という条件で施した。
【0177】
冷却後、フォトマスクを用いた紫外線照射(露光)を行い、レジスト層へのパターンの焼き付けを行った。
その後、95℃×15分間という条件の加熱処理を施した。
【0178】
加熱処理後、レジスト層の非硬化部を除去した(現像工程)。レジスト層の除去は、専用現像液に30分間浸漬し、アセトンによるリンス、エタノールによるリンス、流水洗浄、乾燥を順次施すことにより行った。この現像工程により得られたレジストパターンは、残存する硬化部の幅w1が25μm、高さ(厚さ)h1が500μmであり、除去された部位の幅w2が25μm、高さ(厚さ)h2が500μmであった。
現像工程後、残存するレジスト層(硬化部)に対して、150℃×1分間という条件のポストベーク処理を施した。
【0179】
その後、レジスト層が除去された部位のシリコン層および高融点材料層をRIE法により除去した。RIE法の条件としては、チャンバー内圧力:120Pa、酸素流量:3sccm、CF4流量:30sccm、RF出力:300W、処理時間:15分間とした。
【0180】
シリコン層および高融点材料層を除去することにより露出した導電膜を電極として、電解めっきを行い、Niで構成されるめっき層を形成した。
【0181】
電解めっきは、液組成がスルファミン酸ニッケル600g/リットル、ほう酸35g/リットル、塩化ニッケル2g/リットルのめっき液を用いて、浴温:50℃、pH=4、電流密度:0.2A/dm2、時間:20.2時間という条件で行った。
【0182】
その後、残存するレジスト層(硬化部)を除去することにより、めっき品を得た。レジスト層の除去は、RIE法により行った。RIE法の条件は、チャンバー内圧力:400Pa、酸素流量:16sccm、CF4流量:8sccm、RF出力:300W、処理時間:12.5時間とした。
【0183】
<サンプルNo.2〜No.4のめっき品の製造>
高融点材料層の構成材料を表1に示すように変更した以外は、前記サンプルNo.1のめっき品と同様にして製造した。
【0184】
<サンプルNo.5のめっき品の製造>
高融点材料層を形成しないで、導電膜(第2の層)の表面に、シリコン層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.1のめっき品と同様にして製造した。
【0185】
<サンプルNo.6〜No.9のめっき品の製造>
シリコン層を形成しないで、高融点材料層の表面に、レジスト層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.1〜No.4のめっき品と同様にして製造した。
【0186】
<サンプルNo.10のめっき品の製造>
シリコン層を形成しないで、導電膜(第2の層)の表面に、レジスト層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.5のめっき品と同様にして製造した。
【0187】
(実施例2)
以下に示すような方法によりサンプルNo.11〜No.20の10種のめっき品を製造した。
【0188】
<サンプルNo.11のめっき品の製造>
図2に示すような方法により、めっき品(サンプルNo.11)を製造した。
【0189】
まず、ステンレス鋼(SUS304)で構成された基材(直径8インチ、厚さ1mm)を用意した。
【0190】
このシリコン基板上に、スパッタリングにより、アルミニウム層を形成した。アルミニウム層の平均厚さは、300nmであった。
【0191】
次に、アルミニウム層の表面に、スパッタリングにより、高融点材料層を形成した。高融点材料層の構成材料としては、Ti−W合金を用いた。高融点材料層の平均厚さは、100nmであった。
【0192】
次に、高融点材料層の表面に、スパッタリングにより、シリコン層を形成した。シリコン層の平均厚さは、500nmであった。
【0193】
次に、シリコン層の表面に、スピンコートにより、レジスト層を形成した。レジスト層の構成材料としては、NANO XP SU−8(米国 MicroChem Corp.社製)を用いた。レジスト層の平均厚さは、500μmであった。
その後、形成したレジスト層に対して、プレベーク処理を95℃×60分間という条件で施した。
【0194】
冷却後、フォトマスクを用いた紫外線照射(露光)を行い、レジスト層へのパターンの焼き付けを行った。
その後、95℃×15分間という条件の加熱処理を施した。
【0195】
加熱処理後、レジスト層の非硬化部を除去した(現像工程)。レジスト層の除去は、専用現像液に30分間浸漬し、アセトンによるリンス、エタノールによるリンス、流水洗浄、乾燥を順次施すことにより行った。この現像工程により得られたレジストパターンは、残存する硬化部の幅w1が25μm、高さ(厚さ)h1が500μmであり、除去された部位の幅w2が25μm、高さ(厚さ)h2が500μmであった。
現像工程後、残存するレジスト層に対して、150℃×1分間という条件のポストベーク処理を施した。
【0196】
その後、レジスト層が除去された部位のシリコン層および高融点材料層をRIE法により除去した。RIE法の条件としては、チャンバー内圧力:120Pa、酸素流量:3sccm、CF4流量:30sccm、RF出力:300W、処理時間:15分間とした。
【0197】
シリコン層および高融点材料層を除去することにより露出した導電膜を電極として、電解めっきを行い、Niで構成されるめっき層を形成した。
【0198】
電解めっきは、液組成がスルファミン酸ニッケル600g/リットル、ほう酸35g/リットル、塩化ニッケル2g/リットルのめっき液を用いて、浴温:50℃、pH=4、電流密度:0.2A/dm2、時間:20.2時間という条件で行った。
【0199】
その後、残存するレジスト層(硬化部)を除去した。レジスト層の除去は、RIE法により行った。RIE法の条件は、チャンバー内圧力:400Pa、酸素流量:16sccm、CF4流量:8sccm、RF出力:300W、処理時間:12.5時間とした。
【0200】
その後、アルミニウム層を除去し、基材を分離することにより、めっき品を得た。
【0201】
アルミニウム層の除去は、10wt%KOH水溶液を用いたアルカリ処理(温度:80℃、浸漬時間:4時間)により行った。
【0202】
なお、分離された基材は、外観上、利用前と比べてもなんら変化なく、洗浄することにより、前記と同様のめっき方法に再利用可能であった。
【0203】
<サンプルNo.12〜No.14のめっき品の製造>
高融点材料層の構成材料を表2に示すように変更した以外は、前記サンプルNo.11のめっき品と同様にして製造した。
【0204】
<サンプルNo.15のめっき品の製造>
高融点材料層を形成しないで、アルミニウム層の表面に、シリコン層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.11のめっき品と同様にして製造した。
【0205】
<サンプルNo.16〜No.19のめっき品の製造>
シリコン層を形成しないで、高融点材料層の表面に、レジスト層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.11〜No.14のめっき品と同様にして製造した。
【0206】
<サンプルNo.20のめっき品の製造>
シリコン層を形成しないで、アルミニウム層の表面に、レジスト層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.15のめっき品と同様にして製造した。
【0207】
(実施例3)
以下に示すような方法によりサンプルNo.21〜No.30の10種のめっき品を製造した。
【0208】
<サンプルNo.21のめっき品の製造>
図3〜図10に示すような方法により、めっき品(サンプルNo.21)を製造した。
【0209】
まず、基材として、直径8インチ×厚さ1mmのシリコン基板を用意した。
このシリコン基板上に、スパッタリングにより、導電膜を形成した。導電膜は、Ti−W合金で構成される第1の層(基材に接触する側の層)と、Cuで構成される第2の層とで構成される積層体として形成した。第1の層の平均厚さ、第2の層の平均厚さは、それぞれ、50nm、300nmであった。
【0210】
次に、第2の層の表面に、スパッタリングにより、高融点材料層を形成した。高融点材料層の構成材料としては、Ti−W合金を用いた。高融点材料層の平均厚さは、100nmであった。
【0211】
次に、高融点材料層の表面に、スパッタリングにより、シリコン層を形成した。シリコン層の平均厚さは、500nmであった。
【0212】
次に、シリコン層の表面に、スピンコートにより、レジスト層(第1のレジスト層)を形成した。レジスト層の構成材料としては、NANO XP SU−8(米国 MicroChem Corp.社製)を用いた。レジスト層の平均厚さは、80μmであった。
その後、形成したレジスト層に対して、プレベーク処理を95℃×30分間という条件で施した。
【0213】
冷却後、フォトマスクを用いた紫外線照射(露光)を行うことにより、レジスト層に、図4に示すような形状のパターンの硬化部を形成した。
【0214】
次に、リザーバ室、インク室等に対応する形状のパターンを焼き付けたレジスト層(第1のレジスト層)の表面に、スピンコートにより、レジスト層(第2のレジスト層)を積層した。レジスト層(第2のレジスト層)の構成材料としては、NANO XP SU−8(米国 MicroChem Corp.社製)を用いた。レジスト層(第2のレジスト層)の平均厚さは、220μmであった。その後、形成したレジスト層(第2のレジスト層)に対して、プレベーク処理を95℃×60分間という条件で施した。
【0215】
冷却後、フォトマスクを用いた紫外線照射(露光)を行うことにより、レジスト層に、リザーバ室、ノズル孔に対応する形状のパターンの硬化部を形成した(図5参照)。
その後、95℃×15分間という条件の加熱処理を施した。
【0216】
加熱処理後、レジスト層(第1のレジスト層および第2のレジスト層)の非硬化部を除去した(現像工程)。レジスト層の除去は、専用現像液に30分間浸漬し、アセトンによるリンス、エタノールによるリンス、流水洗浄、乾燥を順次施すことにより行った。この現像工程により得られたレジストパターンは、リザーバ室からインク室に通じるインク流路に相当する部位の幅w1が20μm、高さ(厚さ)h1が80μm、側壁(隔壁)に相当する部位の幅w2が40μm、高さ(厚さ)h2が80μm、ノズル連通孔に相当する部位の直径100μm、高さ(厚さ)220μmであった。
現像工程後、残存するレジスト層に対して、150℃×1分間という条件のポストベーク処理を施した。
【0217】
その後、レジスト層が除去された部位のシリコン層および高融点材料層をRIE法により除去した。RIE法の条件としては、チャンバー内圧力:120Pa、酸素流量:3sccm、CF4流量:30sccm、RF出力:300W、処理時間:15分間とした。
【0218】
シリコン層および高融点材料層を除去することにより露出した導電膜を電極として、電解めっきを行い、Niで構成されるめっき層を形成した。
【0219】
電解めっきは、液組成がスルファミン酸ニッケル600g/リットル、ほう酸35g/リットル、塩化ニッケル2g/リットルのめっき液を用いて、浴温:50℃、pH=4、電流密度:0.2A/dm2、時間:12.1時間という条件で行った。
【0220】
その後、残存するレジスト層(硬化部)を除去した。レジスト層の除去は、RIE法により行った。RIE法の条件は、チャンバー内圧力:400Pa、酸素流量:16sccm、CF4流量:8sccm、RF出力:300W、処理時間:8時間とした。
【0221】
その後、基材を除去した。基材の除去は、アルカリ水溶液によるエッチングにより行った。エッチングは、80℃の10wt%KOH水溶液に、8時間浸漬することにより行った。
【0222】
その後、導電膜を構成する第1の層および第2の層を、この順に除去し、得られためっき物を切り分け、図9、図10に示すような形状のめっき品を得た。
【0223】
本実施例においては、第1の層は、基材とともにアルカリ水溶液に溶解した。また、第2の層の除去は、2.5wt%の過硫酸アンモニウム水溶液を用いた処理(温度:25℃、浸漬時間:2分間)により行った。
【0224】
<サンプルNo.22〜No.24のめっき品の製造>
高融点材料層の構成材料を表1に示すように変更した以外は、前記サンプルNo.21のめっき品と同様にして製造した。
<サンプルNo.25のめっき品の製造>
高融点材料層を形成しないで、導電膜(第2の層)の表面に、シリコン層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.21のめっき品と同様にして製造した。
【0225】
<サンプルNo.26〜No.29のめっき品の製造>
シリコン層を形成しないで、高融点材料層の表面に、レジスト層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.21〜No.24のめっき品と同様にして製造した。
【0226】
<サンプルNo.30のめっき品の製造>
シリコン層を形成しないで、導電膜(第2の層)の表面に、レジスト層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.25のめっき品と同様にして製造した。
【0227】
(実施例4)
以下に示すような方法によりサンプルNo.31〜No.40の10種のめっき品を製造した。
【0228】
<サンプルNo.31のめっき品の製造>
図3〜図10に示すような方法により、めっき品(サンプルNo.31)を製造した。
【0229】
まず、ステンレス鋼(SUS304)で構成された基材(直径8インチ×厚さ1mm)を用意した。
【0230】
このシリコン基板上に、スパッタリングにより、アルミニウム層を形成した。アルミニウム層の平均厚さは、300nmであった。
【0231】
次に、アルミニウム層の表面に、スパッタリングにより、高融点材料層を形成した。高融点材料層の構成材料としては、Ti−W合金を用いた。高融点材料層の平均厚さは、100nmであった。
【0232】
次に、高融点材料層の表面に、スパッタリングにより、シリコン層を形成した。シリコン層の平均厚さは、500nmであった。
【0233】
次に、シリコン層の表面に、スピンコートにより、レジスト層(第1のレジスト層)を形成した。レジスト層の構成材料としては、NANO XP SU−8(米国 MicroChem Corp.社製)を用いた。レジスト層の平均厚さは、80μmであった。
その後、形成したレジスト層に対して、プレベーク処理を95℃×30分間という条件で施した。
【0234】
冷却後、フォトマスクを用いた紫外線照射(露光)を行うことにより、レジスト層に、図4に示すような形状のパターンの硬化部を形成した。
【0235】
次に、リザーバ室、インク室等に対応する形状のパターンを焼き付けたレジスト層(第1のレジスト層)の表面に、スピンコートにより、レジスト層(第2のレジスト層)を積層した。レジスト層(第2のレジスト層)の構成材料としては、NANO XP SU−8(米国 MicroChem Corp.社製)を用いた。レジスト層(第2のレジスト層)の平均厚さは、220μmであった。その後、形成したレジスト層(第2のレジスト層)に対して、プレベーク処理を95℃×60分間という条件で施した。
【0236】
冷却後、フォトマスクを用いた紫外線照射(露光)を行うことにより、レジスト層に、リザーバ室、ノズル孔に対応する形状のパターンの硬化部を形成した(図5参照)。
その後、95℃×15分間という条件の加熱処理を施した。
【0237】
加熱処理後、レジスト層(第1のレジスト層および第2のレジスト層)の非硬化部を除去した(現像工程)。レジスト層の除去は、専用現像液に30分間浸漬し、アセトンによるリンス、エタノールによるリンス、流水洗浄、乾燥を順次施すことにより行った。この現像工程により得られたレジストパターンは、リザーバ室からインク室に通じるインク流路に相当する部位の幅w1が20μm、高さ(厚さ)h1が80μm、側壁(隔壁)に相当する部位の幅w2が40μm、高さ(厚さ)h2が80μm、ノズル連通孔に相当する部位の直径が100μm、高さ(厚さ)が220μmであった。
現像工程後、残存するレジスト層に対して、150℃×1分間という条件のポストベーク処理を施した。
【0238】
その後、レジスト層が除去された部位のシリコン層および高融点材料層をRIE法により除去した。RIE法の条件としては、チャンバー内圧力:120Pa、酸素流量:3sccm、CF4流量:30sccm、RF出力:300W、処理時間:15分間とした。
【0239】
シリコン層および高融点材料層を除去することにより露出した導電膜を電極として、電解めっきを行い、Niで構成されるめっき層を形成した。
【0240】
電解めっきは、液組成がスルファミン酸ニッケル600g/リットル、ほう酸35g/リットル、塩化ニッケル2g/リットルのめっき液を用いて、浴温:50℃、pH=4、電流密度:0.2A/dm2、時間:12.1時間という条件で行った。
【0241】
その後、残存するレジスト層(硬化部)を除去した。レジスト層の除去は、RIE法により行った。RIE法の条件は、チャンバー内圧力:400Pa、酸素流量:16sccm、CF4流量:8sccm、RF出力:300W、処理時間:8時間とした。
【0242】
その後、アルミニウム層を除去することにより基材を分離し、さらに、得られためっき物を切り分けて、図9、図10に示すような形状のめっき品を得た。
【0243】
アルミニウム層の除去は、10wt%KOH水溶液を用いたアルカリ処理(温度:80℃、浸漬時間:4時間)により行った。
【0244】
なお、分離された基材は、外観上、利用前と比べてもなんら変化なく、洗浄することにより、前記と同様のめっき方法に再利用可能であった。
【0245】
<サンプルNo.32〜No.34のめっき品の製造>
高融点材料層の構成材料を表1に示すように変更した以外は、前記サンプルNo.31のめっき品と同様にして製造した。
【0246】
<サンプルNo.35のめっき品の製造>
高融点材料層を形成しないで、アルミニウム層の表面に、シリコン層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.31のめっき品と同様にして製造した。
【0247】
<サンプルNo.36〜No.39のめっき品の製造>
シリコン層を形成しないで、高融点材料層の表面に、レジスト層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.31〜No.34のめっき品と同様にして製造した。
【0248】
<サンプルNo.40のめっき品の製造>
シリコン層を形成しないで、アルミニウム層の表面に、レジスト層を直接形成した以外は、前記サンプルNo.35のめっき品と同様にして製造した。
【0249】
<評価>
以下のような評価を行った。
【0250】
1.レジストパターン
めっき品の製造工程において形成されるレジストパターン(非硬化部が除去されたレジスト層)とレジスト形成面との密着性を以下の4段階の基準にしたがい評価した。
【0251】
◎:密着性が特に優れており、レジスト層の浮き、剥がれ等は、一切認められない。
○:密着性にやや劣り、レジスト層またはシリコン層の浮きがわずかに認められる。
△:密着性に劣っており、レジスト層またはシリコン層の剥がれがはっきりと認められる。
×:密着性が極めて劣っており、レジスト層またはシリコン層の剥がれがはっきりと認められる。
【0252】
2.めっき品
得られためっき品の外観を以下の4段階の基準にしたがい評価した。
【0253】
◎:めっきの不良等は一切認められず、寸法バラツキ(3σ)が1μm未満である。
○:めっきの不良等は一切認められず、寸法バラツキ(3σ)が2μm以上5μm未満である。
△:めっき不良がわずかに認められる。
×:めっき不良がはっきりと認められる。
これらの結果を表1、表2に示す。
【0254】
【表1】
【0255】
【表2】
【0256】
表1、表2から明らかなように、本発明のめっき方法では、微細なレジストパターンを形成した場合であっても、レジストの浮き、剥がれ等の問題を生じることなく、目的とするめっき品を製造することができる。また、本発明で得られためっき品は、めっき不良等の発生もなく、寸法精度に優れたものであった。
【0257】
これに対し、比較例の製造方法では、レジストの浮き、剥がれ等の問題を生じた。また、得られためっき品も、めっき不良等を有しており、寸法精度にも劣っていた。
【0258】
また、サンプルNo.21〜No.24、No.31〜No.34のめっき品を用いて、図11に示すようなインクジェットヘッドを製造した。これらのインクジェットヘッドを用いて印字評価を行ったところ、良好な印字特性が得られた。
【0259】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、微細な構造を有するめっき品を精度良く製造することができる。
【0260】
また、本発明では、アスペクト比の大きいレジストパターンであっても、確実に形成することができるため、従来では、製造するのが困難であったような、特に微細な構造を有する構造体であっても、容易かつ確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のめっき方法の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明のめっき方法の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明のめっき方法の第3実施形態(第4実施形態)を示す斜視図である。
【図4】 本発明のめっき方法の第3実施形態(第4実施形態)を示す斜視図である。
【図5】 本発明のめっき方法の第3実施形態(第4実施形態)を示す斜視図である。
【図6】 本発明のめっき方法の第3実施形態(第4実施形態)を示す斜視図である。
【図7】 本発明のめっき方法の第3実施形態(第4実施形態)を示す斜視図である。
【図8】 本発明のめっき方法の第3実施形態(第4実施形態)を示す斜視図である。
【図9】 本発明のめっき方法の第3実施形態(第4実施形態)を示す斜視図である。
【図10】 図9に示すめっき品を上下反転させた状態を示す斜視図である。
【図11】 図9、図10に示すめっき品を有するインクヘッドの分解斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D……めっき品 2……基材 3……導電膜 31……第1の層 32……第2の層 4……高融点材料層 5……シリコン層 6、6’……レジスト層 61、61’……硬化部 7……めっき層 71……リザーバ室 72……インク室 73……側壁 74……ノズル連通孔 76……凸部8……基材 9……アルミニウム層 10……インクジェットヘッド 11……振動板 111……連通孔 12……圧電素子 13……ノズルプレート 131……ノズル孔
Claims (21)
- 非金属の基材の表面の少なくとも一部に、導電性の材料で構成される導電膜を形成する工程と、
前記導電層の表面の少なくとも一部に、ドライエッチングにより除去することが可能であり、かつ、融点が1600℃以上の材料で構成される高融点材料層を形成する工程と、
前記高融点材料層の表面の少なくとも一部に、主としてシリコンで構成されるシリコン層を形成する工程と、
前記シリコン層の表面の少なくとも一部に、フォトレジスト材料で構成されるレジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層の一部を除去することにより、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジスト層が除去された部位の、前記シリコン層および前記高融点材料層を、ドライエッチングにより除去する工程と、
少なくとも、前記シリコン層および前記高融点材料層を除去した部位に、金属材料で構成されるめっき層を形成する工程とを有することを特徴とするめっき方法。 - 前記導電膜は、2層以上の積層体である請求項1に記載のめっき方法。
- 前記導電膜は、融点が1600℃以上の材料を含むものである請求項1または2に記載のめっき方法。
- 前記基材が主としてシリコンで構成されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記めっき層を形成する工程の後に、前記基材および前記導電膜を除去する工程を有する請求項1または4に記載のめっき方法。
- 基材の表面の少なくとも一部に、主としてAlで構成されるアルミニウム層を形成する工程と、
前記アルミニウム層の表面の少なくとも一部に、ドライエッチングにより除去することが可能であり、かつ、融点が1600℃以上の材料で構成される高融点材料層を形成する工程と、
前記高融点材料層の表面の少なくとも一部に、主としてシリコンで構成されるシリコン層を形成する工程と、
前記シリコン層の表面の少なくとも一部に、フォトレジスト材料で構成されるレジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層の一部を除去することにより、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジスト層が除去された部位の、前記シリコン層および前記高融点材料層を、ドライエッチングにより除去する工程と、
少なくとも、前記シリコン層および前記高融点材料層を除去した部位に、金属材料で構成されるめっき層を形成する工程とを有することを特徴とするめっき方法。 - アルカリ処理により、前記アルミニウム層を除去し、前記基材を分離する工程を有する請求項6に記載のめっき方法。
- 前記基材は、耐アルカリ性を有するものである請求項6または7に記載のめっき方法。
- 前記高融点材料層をスパッタリングにより形成する請求項1ないし8のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記高融点材料層の平均厚さは、20〜500nmである請求項1ないし9のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記高融点材料層は、主として、Tiおよび/またはWを含む金属または化合物で構成されたものである請求項1ないし10のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記シリコン層をスパッタリングにより形成する請求項1ないし11のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記シリコン層の平均厚さは、10nm〜1μmである請求項1ないし12のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記シリコン層を形成する工程と、前記シリコン層および前記高融点材料層を、ドライエッチングにより除去する工程との間に、
前記レジスト層を形成し、その一部を硬化させる操作を複数回繰り返し行い、その後、前記レジスト層の非硬化部分を除去することにより、レジストパターンを形成する請求項1ないし13のいずれかに記載のめっき方法。 - 前記レジスト層の平均厚さは、50〜500μmである請求項1ないし14のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記めっき層を電解めっきにより形成する請求項1ないし15のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記めっき層は、Niを含む材料で構成されたものである請求項1ないし16のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記レジストパターンを形成する工程で、除去されずに残存する部位の前記レジスト層の幅をw1[μm]、高さをh1[μm]としたとき、h1/w1≧1の関係を満足する請求項1ないし17のいずれかに記載のめっき方法。
- 前記レジストパターンを形成する工程で、除去される部位の前記レジスト層の幅をw2[μm]、高さをh2[μm]としたとき、h2/w2≧1の関係を満足する請求項1ないし18のいずれかに記載のめっき方法。
- 請求項1ないし19のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とするめっき品。
- インクジェットヘッド部品である請求項20に記載のめっき品。
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