JP2002003686A - 塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂管状体 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂管状体

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JP2002003686A
JP2002003686A JP2000181799A JP2000181799A JP2002003686A JP 2002003686 A JP2002003686 A JP 2002003686A JP 2000181799 A JP2000181799 A JP 2000181799A JP 2000181799 A JP2000181799 A JP 2000181799A JP 2002003686 A JP2002003686 A JP 2002003686A
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vinyl chloride
chloride resin
resin composition
monomer
tubular body
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Application number
JP2000181799A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Okusako
芳明 奥迫
Yoshinobu Suenaga
義伸 末永
Toshifumi Sanji
敏文 三二
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた機械的強度と耐衝撃性を兼備し、施工
性にも優れる管状体を得るに適する塩化ビニル系樹脂組
成物及びその塩化ビニル系樹脂組成物を用いた塩化ビニ
ル系樹脂管状体の提供。 【解決手段】 単独重合体のガラス転移温度が−140
〜−20℃であるアルキル(メタ)アクリレートモノマ
ー50重量%以上及びその他のアクリル系モノマー50
重量%以下を含有してなるアクリル系モノマー成分10
0重量部及び多官能性モノマー成分0.01〜30重量
部を共重合したアクリル系共重合体10重量%超40重
量%以下に、塩化ビニルモノマー又は塩化ビニルモノマ
ー及びその他の共重合性モノマー90重量%未満60重
量%以上をグラフト共重合してなる平均重合度400〜
2500の複合塩化ビニル系樹脂に対し、該複合塩化ビ
ニル系樹脂と相溶し得る熱可塑性エラストマーが添加さ
れてなる塩化ビニル系樹脂組成物、及び、上記組成物か
らなる管状体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物及びその塩化ビニル系樹脂組成物を用いた塩化ビ
ニル系樹脂管状体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、老朽化した既設管が増加してお
り、この様な老朽化した既設管を更生(修復)する方法
の一つとして、機械的強度や耐薬品性等に優れる塩化ビ
ニル系樹脂管状体を用いる方法がある。
【0003】例えば、特表平6−508647号公報で
は、塩化ビニル樹脂に混合し得る熱可塑性エラストマー
を加えた塩化ビニル系樹脂管状体により既設管を更生
(修復)する方法が開示されている。しかし、この方法
の場合、輸送時や施工時における塩化ビニル系樹脂管状
体の破損を防止するに足る耐衝撃性、特に低温下での上
記耐衝撃性を発現させるためには、多量の熱可塑性エラ
ストマーや耐衝撃性改質剤等を添加する必要があり、得
られる塩化ビニル系樹脂管状体の機械的強度が不十分に
なるという問題点がある。
【0004】又、低温下での耐衝撃性と機械的強度を発
現させるために、例えば、特開平9−263673号公
報では、特定のアクリル系共重合体に特定量の塩化ビニ
ルをグラフト重合してなる塩化ビニル系樹脂を用いた塩
化ビニル系樹脂管状体が開示されている。しかし、この
塩化ビニル系樹脂管状体の場合、低温下での耐衝撃性は
発現するものの、更生(修復)を要する既設管中に挿入
し、加熱して既設管の内面に密着させる際に、十分な密
着性を得るためには長時間の加熱を行う必要があり、施
工性が良くないという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、優れた機械的強度と耐衝撃性を兼備し、
施工性にも優れる管状体を得るに適する塩化ビニル系樹
脂組成物及びその塩化ビニル系樹脂組成物を用いた塩化
ビニル系樹脂管状体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「本発明1」と記す)による塩化ビニル系樹脂
組成物は、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−1
40〜−20℃であるアルキル(メタ)アクリレートモ
ノマー50重量%以上及びその他のアクリル系モノマー
50重量%以下を含有してなるアクリル系モノマー成分
100重量部及び多官能性モノマー成分0.01〜30
重量部を共重合したアクリル系共重合体10重量%超4
0重量%以下に、塩化ビニルモノマー又は塩化ビニルモ
ノマー及びその他の共重合性モノマー90重量%未満6
0重量%以上をグラフト共重合してなる平均重合度40
0〜2500の複合塩化ビニル系樹脂に対し、該複合塩
化ビニル系樹脂と相溶し得る熱可塑性エラストマーが添
加されてなる塩化ビニル系樹脂組成物であり、且つ、上
記塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形体の曲げ弾性率
が、20℃において1470MPa以上であり、50℃
において196〜1470MPaであることを特徴とす
る。尚、ここで言う(メタ)アクリレートとはアクリレ
ート又はメタクリレートを意味する。
【0007】請求項2に記載の発明(以下、「本発明
2」と記す)による塩化ビニル系樹脂組成物は、上記本
発明1の塩化ビニル系樹脂組成物であって、更生を要す
る既設管を更生するための塩化ビニル系樹脂管状体(以
下、単に「管状体」と略記する)用として用いられるこ
とを特徴とする。
【0008】又、請求項3に記載の発明(以下、「本発
明3」と記す)による管状体は、上記本発明1又は本発
明2の塩化ビニル系樹脂組成物からなり、且つ、更生を
要する既設管中に挿入され、加熱されることにより該既
設管の内面に密着することを特徴とする。
【0009】本発明1で用いられるアクリル系モノマー
成分中に含有される単独重合体のTgが−140〜−2
0℃であるアルキル(メタ)アクリレートモノマーとし
ては、例えば、エチルアクリレート(−24℃)、n−
プロピルアクリレート(−37℃)、n−ブチルアクリ
レート(−54℃)、イソブチルアクリレート(−24
℃)、sec−ブチルアクリレート(−21℃)、n−
ヘキシルアクリレート(−57℃)、2−エチルヘキシ
ルアクリレート(−85℃)、n−オクチルアクリレー
ト(−85℃)、n−オクチルメタクリレート(−25
℃)、イソオクチルアクリレート(−45℃)、n−ノ
ニルアクリレート(−63℃)、n−ノニルメタクリレ
ート(−35℃)、イソノニルアクリレート(−85
℃)、n−デシルアクリレート(−70℃)、n−デシ
ルメタクリレート(−45℃)、ラウリルメタクリレー
ト(−65℃)等が挙げられる。これらのアルキル(メ
タ)アクリレートモノマーは、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。尚、括弧内は単独
重合体のTgを示す。
【0010】上記アルキル(メタ)アクリレートモノマ
ーの単独重合体のTgが−140℃未満であると、得ら
れる塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体の機械的強度が
不十分となり、逆にアルキル(メタ)アクリレートモノ
マーの単独重合体のTgが−20℃を超えると、得られ
る塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体の耐衝撃性が不十
分となる。
【0011】又、本発明1で用いられるアクリル系モノ
マー成分中に含有されても良いその他のアクリル系モノ
マーとしては、例えば、フェニルアクリレート、2−ク
ロロエチルアクリレート、フェニルメチルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。こ
れらのその他のアクリル系モノマーは、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0012】本発明1で用いられるアクリル系モノマー
成分中における前記単独重合体のTgが−140〜−2
0℃であるアルキル(メタ)アクリレートモノマーの含
有量が50重量%未満であるか、上記その他のアクリル
系モノマーの含有量が50重量%を超えると、得られる
塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体の耐衝撃性が不十分
となったり、成形体を既設管の更生用管状体として使用
する場合、既設管の内面に対する管状体の密着性が不十
分となる。
【0013】本発明1で用いられる多官能性モノマー成
分としては、上記アクリル系モノマー成分と共重合可能
なものであれば良く、例えば、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;ジアリ
ルフタレート、ジアリルマレート、トリアリルイソシア
ヌレート等の多官能アリル化合物;ブタジエン等の不飽
和化合物等が挙げられる。これらの多官能性モノマー成
分は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。
【0014】本発明1で用いられるアクリル系共重合体
は、前記アクリル系モノマー成分100重量部と上記多
官能性モノマー成分0.01〜30重量部とを共重合し
て得られるアクリル系共重合体である。アクリル系モノ
マー成分100重量部に対する多官能性モノマー成分の
共重合量が0.01重量部未満であるか、逆に30重量
部を超えると、アクリル系共重合体がエラストマー的機
能を十分に発揮せず、得られる塩化ビニル系樹脂組成物
及び成形体の耐衝撃性が不十分となる。
【0015】上記アクリル系共重合体は、例えば、乳化
重合法、懸濁重合法、分散重合法等により得ることがで
きるが、なかでも、共重合体の粒子径制御が容易なこと
から、乳化重合法が好ましく採用される。上記乳化重合
の方法は、従来公知の方法で良く、本発明の課題達成を
阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、乳化分散剤、
重合開始剤、pH調整剤、酸化防止剤等の各種添加剤の
1種もしくは2種以上を添加して乳化重合を行えば良
い。
【0016】乳化分散剤としては、例えば、アニオン系
界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分鹸化ポリビニ
ルアルコール、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げ
られるが、なかでもアニオン系界面活性剤が好適に用い
られる。アニオン系界面活性剤の市販品としては、例え
ば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフ
ェート(商品名「ハイテノールN−08」、第一工業製
薬社製)等が挙げられる。これらの乳化分散剤は、単独
で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0017】重合開始剤としては、例えば、過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素等の水溶性開始
剤;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、t−ブチルパーオキシデカネート、α−クミルパー
オキシネオデカネート等の有機過酸化物系開始剤;アゾ
ビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げられ
る。これらの重合開始剤は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0018】乳化重合法の具体的な方法としては、例え
ば、一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴下法
等が挙げられる。一括重合法は、ジャケット付重合反応
器内に純水、乳化分散剤、重合開始剤、アクリル系混合
モノマー(前記アクリル系モノマー成分+多官能性モノ
マー成分)を一括して仕込み、窒素気流中において加圧
下で攪拌して十分に乳化した後、重合反応器内をジャケ
ットで昇温して重合反応を開始させる方法である。又、
モノマー滴下法は、ジャケット付重合反応器内に純水、
乳化分散剤、重合開始剤を仕込み、窒素気流下で重合反
応器内を昇温した後、上記アクリル系混合モノマーを一
定量ずつ滴下して重合反応を開始させる方法である。さ
らに、エマルジョン滴下法は、上記アクリル系混合モノ
マー、乳化分散剤、純水を攪拌して予め乳化モノマー液
を調製し、次いで、ジャケット付重合反応器内に純水、
重合開始剤を仕込み、窒素気流下で重合反応器内を昇温
した後、上記乳化モノマー液を一定量ずつ滴下して重合
反応を開始させる方法である。
【0019】こうして得られるアクリル系共重合体(ア
クリル系樹脂)の構造や形態としては、特に限定される
ものではないが、樹脂粒子の安定性向上や塩化ビニル系
樹脂組成物及び成形体の機械的強度向上を図れることか
ら、例えば、樹脂粒子の表層部と内部とでモノマー組成
や架橋構造が異なる所謂コア−シェル構造を有するもの
が好ましい。
【0020】上記コア−シェル構造の形成方法として
は、例えば、コア部を構成する前記アクリル系混合モノ
マー、乳化分散剤、純水から予め調製した乳化モノマー
液に重合開始剤を添加して重合反応を行い、先ず、コア
部の樹脂粒子を形成する。次いで、シェル部を構成する
前記アクリル系混合モノマー、乳化分散剤、純水から予
め調製した乳化モノマー液を添加し、上記コア部にグラ
フト共重合させる方法等が挙げられる。
【0021】上記方法において、コア部に対するシェル
部のグラフト共重合は、コア部の重合と同一の重合工程
で連続的に行っても良い。コア部とシェル部の割合は、
コア部を形成するアクリル系混合モノマーとシェル部を
形成するアクリル系混合モノマーとの割合を調整するこ
とによって自在に調節可能である。又、シェル部に三次
元的な架橋構造を形成させるために、前記多官能性モノ
マー成分をシェル部のみに使用しても良いし、シェル部
に偏らせて使用しても良い。この場合も、多官能性モノ
マー成分の使用量は、アクリル系共重合体全体につい
て、前記アクリル系モノマー成分100重量部に対し
て、多官能性モノマー成分0.01〜30重量部とされ
る。
【0022】このような方法で得られるアクリル系共重
合体粒子は、コア部の表面をシェル部が三次元的に覆
い、シェル部を構成する樹脂とコア部を構成する樹脂と
が部分的に共有結合しており、シェル部が三次元的な架
橋構造を形成している。
【0023】本発明1で用いられる複合塩化ビニル系樹
脂は、上記アクリル系共重合体10重量%超40重量%
以下に対し、塩化ビニルモノマー又は塩化ビニルモノマ
ー及びその他の共重合性モノマー90重量%未満60重
量%以上をグラフト共重合して得られる。
【0024】塩化ビニルモノマーと併用されても良いそ
の他の共重合性モノマーとしては、塩化ビニルモノマー
と共重合可能なモノマーであれば良く、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;プロ
ピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;N−フェニル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置
換マレイミド類等が挙げられる。これらのその他の共重
合性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0025】塩化ビニルモノマーと上記その他の共重合
性モノマーとを併用する場合、その他の共重合性モノマ
ーの使用量は、塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体に付
与したい性能や目的に応じて適宜設定されれば良く、特
に限定されるものではないが、塩化ビニルモノマー及び
その他の共重合性モノマーからなる塩化ビニル系混合モ
ノマー中の20重量%以下であることが好ましい。その
他の共重合性モノマーの使用量が上記塩化ビニル系混合
モノマー中の20重量%を超えると、塩化ビニル系樹脂
が有する本来の特性を得られなくなることがある。
【0026】本発明1で用いられる複合塩化ビニル系樹
脂において、前記アクリル系共重合体の含有量が10重
量%以下であるか、塩化ビニルモノマー又は上記塩化ビ
ニル系混合モノマーのグラフト量が90重量%以上であ
ると、得られる塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体の耐
衝撃性が不十分となり、逆にアクリル系共重合体の含有
量が40重量%を超えるか、塩化ビニルモノマー又は塩
化ビニル系混合モノマーのグラフト量が60重量%未満
であると、塩化ビニル系樹脂が有する本来の特性を得ら
れなくなる。
【0027】アクリル系共重合体と塩化ビニルモノマー
又は前記塩化ビニル系混合モノマーとのグラフト共重合
方法としては、従来公知の方法で良く、例えば、懸濁重
合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げられるが、一般
的には、乳化状態(エマルジョン状態)にあるアクリル
系共重合体に塩化ビニルモノマー又は塩化ビニル系混合
モノマーを添加して、懸濁重合する方法が用いられる。
上記懸濁重合法には、前記乳化分散剤や重合開始剤等が
用いられる。
【0028】懸濁重合法の具体的な方法としては、例え
ば、攪拌機及び温度調整機を備えた重合反応器内に、純
水、乳化分散剤、重合開始剤、アクリル系共重合体エマ
ルジョンを仕込み、重合反応器内の空気を真空ポンプで
排除した後、塩化ビニルモノマー又は塩化ビニル系混合
モノマーを重合反応器内に添加する。次いで、重合反応
器を昇温して、所望の重合温度で重合反応を開始させ
る。重合反応終了後、残存モノマーを重合反応器外に排
出して複合塩化ビニル系樹脂のスラリーを得た後、脱水
機による脱水や乾燥機による乾燥等の工程を経て、所望
の複合塩化ビニル系樹脂を得ることができる。
【0029】本発明1においては、こうして得られる複
合塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400〜2500で
あることが必要である。尚、ここで言う平均重合度と
は、複合塩化ビニル系樹脂をテトラヒドロフラン(TH
F)に溶解させ、濾過により不溶解成分を除去した後、
濾液中のTHFを乾燥除去して得た樹脂を試料とし、J
IS K−6721「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠
して測定した平均重合度を意味する。
【0030】複合塩化ビニル系樹脂の上記平均重合度が
400未満であると、得られる塩化ビニル系樹脂組成物
及び成形体の機械的強度が不十分となり、逆に複合塩化
ビニル系樹脂の平均重合度が2500を超えると、得ら
れる塩化ビニル系樹脂組成物の成形性が損なわれる。
【0031】本発明1による塩化ビニル系樹脂組成物
は、上記複合塩化ビニル系樹脂に対し、該複合塩化ビニ
ル系樹脂と相溶し得る熱可塑性エラストマーが添加され
てなる。
【0032】上記熱可塑性エラストマーとしては、複合
塩化ビニル系樹脂と相溶し得る熱可塑性エラストマーで
あれば良く、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体(NBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体
(EVACO)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等の塩化ビニル系熱
可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマ
ー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱
可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられ
るが、なかでもNBR、EVA、EVACO等が好適に
用いられる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0033】複合塩化ビニル系樹脂に対する上記熱可塑
性エラストマーの添加量は、特に限定されるものではな
いが、複合塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、熱可
塑性エラストマー3〜30重量部であることが好まし
い。複合塩化ビニル系樹脂100重量部に対する熱可塑
性エラストマーの添加量が3重量部未満であると、得ら
れる塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形体を既設管の
更生用管状体として使用する場合、管状体を既設管中に
挿入し、加熱して既設管の内面に密着させる時の施工性
が損なわれることがあり、逆に複合塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対する熱可塑性エラストマーの添加量が3
0重量部を超えると、得られる塩化ビニル系樹脂組成物
及び成形体の機械的強度が不十分となることがある。
【0034】本発明1の塩化ビニル系樹脂組成物には、
本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、必
須成分である複合塩化ビニル系樹脂及び熱可塑性エラス
トマー以外に、充填剤、顔料、滑剤、加工助剤、安定
剤、安定化助剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤
(老化防止剤)、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の
1種もしくは2種以上が添加されていても良い。これら
の添加剤の添加方法や添加順序は、特に限定されるもの
ではなく、任意の添加方法や任意の添加順序であって良
い。
【0035】充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、シリカ等の無機充填剤が挙げられ
る。これらの充填剤は、単独で用いられても良いし、2
種類以上が併用されても良い。
【0036】顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシ
アニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;クロ
ム酸モリブデン系、フェロシアン化物系等の無機顔料等
が挙げられる。これらの顔料は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。
【0037】滑剤としては、例えば、ステアリン酸等の
脂肪酸類;脂肪酸エステル類;オレフィンワックス類等
が挙げられる。これらの滑剤は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。
【0038】加工助剤としては、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モ
ノマーの単独重合体もしくは共重合体;上記(メタ)ア
クリレート系モノマーとスチレン、ビニルトルエン、ア
クリロニトリル等のビニル系モノマーとの共重合体等が
挙げられる。これらの加工助剤は、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0039】安定剤としては、例えば、ジブチル錫マレ
ート、ジオクチル錫ラウレート等の有機錫系安定剤;鉛
白、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸
鉛、二塩基性亜燐酸鉛、シリカゲル共沈硅酸鉛、ステア
リン酸鉛、安息香酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフ
テン酸鉛等の鉛系安定剤;ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸系
安定剤;ハイドロタルサイト、ゼオライト等の無機系安
定剤等が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0040】安定化助剤としては、例えば、エポキシ化
大豆油、エポキシ化アマニ油、燐酸エステル等が挙げら
れる。これらの安定化助剤は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0041】光安定剤としては、例えば、ヒンダードア
ミン系光安定剤等が挙げられる。これらの光安定剤は、
単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても
良い。
【0042】紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル
酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられ
る。これらの紫外線吸収剤は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0043】本発明1の塩化ビニル系樹脂組成物から成
形体を得る方法としては、塩化ビニル系樹脂組成物が十
分に溶融混練され、良好な成形体が得られる方法であれ
ば如何なる方法であっても良く、例えば、押出成形法、
射出成形法、プレス成形法等が挙げられる。
【0044】本発明1においては、上記塩化ビニル系樹
脂組成物からなる成形体の曲げ弾性率が、20℃におい
て1470MPa以上であり、50℃において196〜
1470MPaであることが必要である。尚、ここで言
う曲げ弾性率とは、JISK−7203「硬質プラスチ
ックの曲げ試験方法」に準拠して、20℃及び50℃で
測定した曲げ弾性率を意味する。
【0045】成形体の上記曲げ弾性率が20℃において
1470MPa未満であると、成形体の機械的強度が不
十分となるので、成形体の肉厚を厚くする必要が生じ、
成形体が管状体である場合、管状体の流路断面積が狭く
なるという不具合が生じる。
【0046】又、成形体の上記曲げ弾性率が50℃にお
いて196MPa未満であると、成形体の耐熱性が不十
分で使用可能な温度範囲が狭くなるという不具合が生じ
る。逆に成形体の上記曲げ弾性率が50℃において14
70MPaを超えると、成形体が既設管の更生用管状体
である場合、その施工性が損なわれる。
【0047】次に、本発明2による塩化ビニル系樹脂組
成物は、上述した本発明1の塩化ビニル系樹脂組成物で
あって、更生を要する既設管を更生するための管状体用
として用いられることを特徴とする。
【0048】本発明1の塩化ビニル系樹脂組成物は、優
れた機械的強度と耐衝撃性を発現し得るものであり、且
つ、管状体とされた時の施工性にも優れるので、この塩
化ビニル系樹脂組成物を用いることにより、優れた機械
的強度と耐衝撃性を兼備し、施工性にも優れる既設管更
生用の管状体を得ることができる。
【0049】次に、本発明3による管状体は、本発明1
又は本発明2の塩化ビニル系樹脂組成物からなり、且
つ、更生を要する既設管中に挿入され、加熱されること
により該既設管の内面に密着することを特徴とする。
【0050】上記管状体は、押出機を用いて、本発明1
又は本発明2の塩化ビニル系樹脂組成物を溶融混練し、
押出し成形を行って、所望の断面形状の管状体に賦形す
ることにより作製される。上記管状体の断面形状は、更
生(修復)しようとする既設管中に挿入可能であって、
加熱により上記既設管の内面に密着し得る形状であれば
良く、特に限定されるものではない。
【0051】
【作用】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、特定のア
クリル系モノマー成分と多官能性モノマー成分との各特
定量を共重合したアクリル系共重合体の特定量に塩化ビ
ニルモノマー又は塩化ビニル系混合モノマーの特定量を
グラフト共重合してなり、且つ、特定の平均重合度を有
する複合塩化ビニル系樹脂に対して、上記複合塩化ビニ
ル系樹脂と相溶し得る熱可塑性エラストマーが添加され
てなり、且つ、上記塩化ビニル系樹脂組成物からなる成
形体は特定の曲げ弾性率を有するので、機械的強度と耐
衝撃性とを優れたバランスで発現し、管状体とされた時
の施工性にも優れる。従って、この塩化ビニル系樹脂組
成物を用いて、更生(修復)を要する既設管を更生(修
復)するための管状体を作製することにより、優れた機
械的強度と耐衝撃性を兼備し、施工性にも優れる既設管
更生用の管状体を得ることができる。
【0052】又、本発明の管状体は、上記本発明の塩化
ビニル系樹脂組成物からなるので、優れた機械的強度と
耐衝撃性とを兼備すると共に、施工性にも優れるもので
あり、更生(修復)しようとする既設管中に挿入され、
加熱されることにより該既設管の内面に容易に密着し得
る。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味し、「%」は「重量%」を意味する。
【0054】(実施例1)
【0055】(1)アクリル系共重合体の作製 アクリル系モノマー成分としてn−ブチルアクリレート
(単独重合体のTg:−54℃)95%及び多官能性モ
ノマー成分としてトリメチロールプロパントリアクリレ
ート5%を含有してなるアクリル系混合モノマー2.3
6kg、乳化分散剤として商品名「ハイテノールN−0
8」(第一工業製薬社製)の10%水溶液50g及び純
水1.5kgからなる乳化モノマー液を予め調製した。
【0056】攪拌機及び温度調整機を備えた重合反応器
(内容積10リットル)内に、純水4kg、重合開始剤
として過硫酸アンモニウムの10%水溶液24gを仕込
み、重合容器内を窒素ガスで置換した後、攪拌下、重合
反応器内を75℃に昇温した。次いで、予め調製した上
記乳化モノマー液を昇温後の重合反応器内に一定の滴下
速度で滴下した。乳化モノマー液の全量の滴下を3時間
で終了し、その後、1時間攪拌を続けた後、重合反応を
終了し、固形分の濃度が30%のアクリル系共重合体エ
マルジョンを作製した。
【0057】(2)複合塩化ビニル系樹脂の作製 攪拌機及び温度調整機を備えた重合反応器(内容積15
リットル)内に、純水7.5kg、上記で得られたアク
リル系共重合体エマルジョン1.5kg(固形分0.4
5kg)、乳化分散剤として部分鹸化ポリビニルアルコ
ール(商品名「クラレポバールL−8」、クラレ社製)
の3%水溶液330g、重合開始剤としてt−ブチルパ
ーオキシデカネート及びα−クミルパーオキシネオデカ
ネート1.1gを仕込み、重合反応器内の空気を真空ポ
ンプで排出した後、攪拌下、塩化ビニルモノマー3.2
kgを添加した。次いで、重合反応器内を64℃に昇温
して、グラフト重合反応を開始した。重合反応器内の圧
力の低下でグラフト重合反応の終了を確認した後、未反
応の塩化ビニルモノマーを排出して、複合塩化ビニル系
樹脂を作製した。得られた複合塩化ビニル系樹脂中の塩
化ビニルのグラフト量は85%であり、アクリル系共重
合体の含有量は15%であった。又、得られた複合塩化
ビニル系樹脂の平均重合度をJIS K−6721に準
拠して測定したところ、平均重合度は800であった。
【0058】(3)塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体
(管状体)の作製 内容積100リットルのヘンシェルミキサー(川田工業
社製)内に、上記で得られた複合塩化ビニル系樹脂10
0部、熱可塑性エラストマーとしてEVACO(商品名
「エルバロイ742」、三井デュポンポリケミカル社
製)10部、安定剤として有機錫系安定剤(商品名「O
NZ−142F」、三共有機社製)1部、滑剤としてポ
リエチレンワックス系滑剤(商品名「Hiwax220
MP」、三井石油化学工業社製)0.5部、同じく滑剤
としてステアリン酸(商品名「S−30」、花王社製)
0.5部及び加工助剤として商品名「メタブレンP50
1A」(三菱レイヨン社製)3部を仕込み、均一に攪拌
混合して、塩化ビニル系樹脂組成物を作製した。
【0059】上記で得られた塩化ビニル系樹脂組成物を
直径50mmの2軸異方向回転押出機(商品名「SLM
−50」、長田製作所社製)に供給し、外径50mmの
成形体を得た。得られた成形体を80℃に加熱されたギ
アオーブン内に20分間静置した後、管状体断面が4つ
折りの形状になるようにし、この形状を維持したまま成
形体の温度が20℃になるまで冷却して、管状体を作製
した。
【0060】(4)評価 上記で得られた更生管の性能(曲げ弾性率、耐衝撃
性、施工性)を以下の方法で評価した。その結果は表
1に示すとおりであった。
【0061】曲げ弾性率:JIS K−7203に準
拠して、管状体の曲げ弾性率を20℃の雰囲気下及び5
0℃の雰囲気下で測定した。
【0062】耐衝撃性:JIS K−7111「硬質
プラスチックのシャルピー衝撃試験方法」に準拠して、
ノッチ付き(切欠き付き)試験片を用い、管状体のシャ
ルピー衝撃値を測定した。尚、測定は23℃の雰囲気下
で行った。
【0063】施工性:管状体を内径50mmの鋼管内
に挿入し、管状体の一方の端部から管状体の内部に90
℃の熱風を10分間送風して鋼管の内面に管状体を密着
させた。次いで、20℃の空気を30分間送風して冷却
した後、鋼管と管状体との密着状態を目視で観察し、下
記判定基準により、施工性を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥鋼管に対し管状体が全面的に密着していた ×‥‥鋼管に対し管状体が部分的もしくは全面的に密着
していなかった
【0064】(実施例2)塩化ビニルのグラフト量が8
0%であり、アクリル系共重合体の含有量が20%であ
る複合塩化ビニル系樹脂を用いたこと以外は実施例1の
場合と同様にして、塩化ビニル系樹脂組成物及び管状体
を作製した。
【0065】(実施例3)JIS K−6721に準拠
して測定した平均重合度が1200の複合塩化ビニル系
樹脂を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、
塩化ビニル系樹脂組成物及び管状体を作製した。
【0066】(実施例4)塩化ビニル系樹脂組成物の作
製において、EVACO「エルバロイ742」の添加量
を15部としたこと以外は実施例1の場合と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂組成物及び管状体を作製した。
【0067】(実施例5)塩化ビニル系樹脂組成物の作
製において、熱可塑性エラストマーとして、EVACO
「エルバロイ742」10部の代わりに、NBR(商品
名「PN−20HA」、ジェイエスアール社製)10部
を添加したこと以外は実施例1の場合と同様にして、塩
化ビニル系樹脂組成物及び管状体を作製した。
【0068】(実施例6)塩化ビニル系樹脂組成物の作
製において、熱可塑性エラストマーとして、EVACO
「エルバロイ742」10部及びNBR「PN−20H
A」5部を添加したこと以外は実施例1の場合と同様に
して、塩化ビニル系樹脂組成物及び管状体を作製した。
【0069】(比較例1)塩化ビニルのグラフト量が9
8%であり、アクリル系共重合体の含有量が2%である
複合塩化ビニル系樹脂を用いたこと以外は実施例1の場
合と同様にして、塩化ビニル系樹脂組成物及び管状体を
作製した。
【0070】(比較例2)塩化ビニル系樹脂組成物の作
製において、熱可塑性エラストマーを添加しなかったこ
と以外は実施例1の場合と同様にして、塩化ビニル系樹
脂組成物及び管状体を作製した。
【0071】(比較例3)塩化ビニル系樹脂組成物の作
製において、EVACO「エルバロイ742」の添加量
を40部としたこと以外は、実施例1の場合と同様にし
て、塩化ビニル系樹脂組成物及び管状体を作製した。
【0072】(比較例4)複合塩化ビニル系樹脂を用い
ることなく、その代わりに、JIS K−6721に準
拠して測定した平均重合度が800の塩化ビニル単独重
合体を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、
塩化ビニル系樹脂組成物及び管状体を作製した。
【0073】実施例2〜実施例6、及び、比較例1〜比
較例4で得られた管状体の性能(曲げ弾性率、耐衝
撃性、施工性)を実施例1の場合と同様にして評価し
た。その結果は表1に示すとおりであった。
【0074】
【表1】
【0075】表1から明らかなように、本発明の塩化ビ
ニル系樹脂組成物を用いて作製した実施例1〜実施例6
の管状体は、曲げ弾性率(機械的強度)、耐衝撃性及び
施工性のいずれもが優れていた。
【0076】これに対し、塩化ビニルのグラフト量が9
0重量%以上(98重量%)であった複合塩化ビニル系
樹脂を用いて作製した塩化ビニル系樹脂組成物からなる
比較例1の管状体、及び、複合塩化ビニル系樹脂を用い
ることなく、その代わりに、塩化ビニル単独重合体を用
いて作製した塩化ビニル系樹脂組成物からなる比較例4
の管状体は、耐衝撃性が極端に悪かった。
【0077】又、複合塩化ビニル系樹脂に対し熱可塑性
エラストマーを添加しなかった塩化ビニル系樹脂組成物
からなる比較例2の管状体は、施工性が悪かった。さら
に、複合塩化ビニル系樹脂100重量部に対する熱可塑
性エラストマー(EVACO)の添加量が多かった(4
0重量部)塩化ビニル系樹脂組成物からなる比較例3の
更生管は、曲げ弾性率(機械的強度)が低かった。
【0078】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の塩化ビニル
系樹脂組成物は、優れた機械的強度と耐衝撃性を発現
し、且つ、更生(修復)を要する既設管を更生(修復)
するための管状体とされた時の施工性にも優れるので、
既設管更生用の管状体を始め、各種成形体を作製するた
めの成形用樹脂として好適に用いられる。
【0079】又、本発明の管状体は、上記本発明の塩化
ビニル系樹脂組成物からなるので、優れた機械的強度と
耐衝撃性を高水準で兼備すると共に、施工性にも優れる
ものであり、既設管の更生(修復)用として好適に用い
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 1/00 F16L 1/00 J // B29K 27:06 B29K 27:06 33:04 33:04 B29L 23:00 B29L 23:00 Fターム(参考) 4F071 AA10 AA24 AA24X AA33 AA33X AA71 AA77 AA86 AC09 AC18 AE05 AE10 AF20Y BB06 BC05 BC17 4F211 AA15G AA21 AA45 AD05 AD12 AE10 AG03 AG08 SA13 SC03 SD04 SG01 SH06 SJ01 SP21 SP25 4J002 AC072 BB002 BB062 BD082 BD102 BN121 BP012 CF102 CJ002 CK022 CL072 FD010 FD030 FD040 FD050 FD090 FD170 4J026 AA39 AA40 AA45 AA46 AA76 AC34 BA01 BA02 BA03 BA05 BA10 BA11 BA16 BA19 BA27 BA30 BA38 BA39 BB01 BB02 DA03 DA04 DA05 DA07 DA09 DA14 DA15 DB02 DB03 DB04 DB08 DB15 DB25 DB28 FA07 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独重合体のガラス転移温度が−140
    〜−20℃であるアルキル(メタ)アクリレートモノマ
    ー50重量%以上及びその他のアクリル系モノマー50
    重量%以下を含有してなるアクリル系モノマー成分10
    0重量部及び多官能性モノマー成分0.01〜30重量
    部を共重合したアクリル系共重合体10重量%超40重
    量%以下に、塩化ビニルモノマー又は塩化ビニルモノマ
    ー及びその他の共重合性モノマー90重量%未満60重
    量%以上をグラフト共重合してなる平均重合度400〜
    2500の複合塩化ビニル系樹脂に対し、該複合塩化ビ
    ニル系樹脂と相溶し得る熱可塑性エラストマーが添加さ
    れてなる塩化ビニル系樹脂組成物であり、且つ、上記塩
    化ビニル系樹脂組成物からなる成形体の曲げ弾性率が、
    20℃において1470MPa以上であり、50℃にお
    いて196〜1470MPaであることを特徴とする塩
    化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 更生を要する既設管を更生するための塩
    化ビニル系樹脂管状体用として用いられることを特徴と
    する請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の塩化ビニ
    ル系樹脂組成物からなり、且つ、更生を要する既設管中
    に挿入され、加熱されることにより該既設管の内面に密
    着することを特徴とする塩化ビニル系樹脂管状体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003073518A (ja) * 2001-09-06 2003-03-12 Sekisui Chem Co Ltd 更生管用塩化ビニル系樹脂組成物及ぶ更生管
JP2004026949A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Shin Etsu Chem Co Ltd 塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形体
JP2004143399A (ja) * 2002-08-29 2004-05-20 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2017132996A (ja) * 2016-01-22 2017-08-03 積水化学工業株式会社 ポリ塩化ビニル系樹脂組成物およびポリ塩化ビニル系樹脂シート

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