JP2002003491A - 3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンの製造法 - Google Patents

3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンの製造法

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JP2002003491A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルバペネム化合の2位の側鎖として利用さ
れている、3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン
−2−イル)アゼチジンについて、工業的に適用し得
る、より簡便な製造法の提供。 【解決手段】 次式(II): 【化1】 (式中、Raはスルホニル残基を表わし、Bzlはベン
ジル基を表す。)で表される化合物より、そのベンジル
基を除去し、次いでチオ硫酸ナトリウムと反応させて、
次式(IV): 【化2】 で表される化合物とした後、2−アルキルチオ−1,3
−チアゾリン誘導体との反応させ、その後酸処理、さら
に酸化を行い、次式(VII): 【化3】 で示される化合物とし、次いで還元反応に付すことから
なる次式(I): 【化4】 で示される3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン
−2−イル)アゼチジンの製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種医薬品の合成
中間体化合物として重要な、3−メルカプト−1−
(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンの新規な
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、窒素原子含有の4員環構造を有す
るアゼチジン化合物が、注目をあびてきており、各種医
薬品化合物の側鎖の修飾基として種々用いられてきてい
る。例えば、本発明が提供する製造法により得られる3
−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2−イル)
アゼチジンは、強力な抗菌活性を有するカルバペネム系
抗生物質の2位の側鎖置換基として利用されているもの
である(例えば、特許第2666118号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがってこれまで
に、このカルバペネム系抗生物質の2位の側鎖として利
用されている3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリ
ン−2−イル)アゼチジンについて、種々の製造方法が
提案されているが、本発明は、従来方法に比較し、工業
的に適用し得るより簡便な3−メルカプト−1−(1,
3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンの製造法を提供
することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明は、具体的態様として以下の製造法を提供
する。すなわち、次式(II):
【0005】
【化18】
【0006】(式中、Raはスルホニル残基を表わし、
Bzlはベンジル基を表す。)で表される化合物のベン
ジル基を除去して、次式(III):
【0007】
【化19】
【0008】(式中、Raはスルホニル残基を表す。)
で表される化合物とし、得られた式(III)の化合物
を単離するか、または単離することなくチオ硫酸ナトリ
ウムと反応させて、次式(IV):
【0009】
【化20】
【0010】で表される化合物とした後、得られた式
(IV)の化合物を、次式(V):
【0011】
【化21】
【0012】(式中、Rbは低級アルキル基を表す。)
で示される2−アルキルチオ−1,3−チアゾリン誘導
体と反応させて、次式(VI):
【0013】
【化22】
【0014】で示される化合物へ誘導し、得られた式
(VI)の化合物を酸処理した後、さらに酸化して、次
式(VII):
【0015】
【化23】
【0016】で示されるジスルフィド化合物とし、得ら
れた式(VII)のジスルフィド化合物を、還元反応に
付すことを特徴とする、次式(I):
【0017】
【化24】
【0018】で示される3−メルカプト−1−(1,3
−チアゾリン−2−イル)アゼチジンの製造法を提供す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明が提供する3−メルカプト
−1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンの
製造法は、本発明者らが提供した簡便な合成法により得
られる式(II)のN−ベンジル−アゼチジン誘導体を
出発原料として、その反応条件には苛酷な高圧、あるい
は高温度での加熱、さらには高価な試薬、溶媒等を使用
することなく、極めて簡便な操作により、高収率で目的
とする3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2
−イル)アゼチジンが製造できるという工業的製造法と
して、特に優れたものである。また、カラム精製などの
精製工程がなく、全ての中間体を結晶として得ることが
できる点においても優れた製造法である。
【0020】以下に本発明が提供する3−メルカプト−
1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンの製
造法について、さらに詳細に説明する。
【0021】本発明が新規に提供する3−メルカプト−
1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンの製
造法は、基本的には下記化学式で示される方法により実
施される。
【0022】
【化25】
【0023】(上記化学反応式中、Raはスルホニル残
基を表わし、Rbは低級アルキル基を表わし、Bzlは
ベンジル基を表す。また、○内の各数字は、工程ナンバ
ーを示す。)
【0024】すなわち本発明は、式(II)で示される
化合物のベンジル基を除去して式(III)で表される
化合物へ誘導する第1工程と、第1工程で得られた式
(III)の化合物にチオ硫酸ナトリウムを反応させて
式(IV)で表される化合物に導く第2工程と、第2工
程で得られた式(IV)の化合物に式(V)で表される
化合物を反応させて式(VI)で表される化合物を得る
第3工程と、次いで第3工程で得られた式(VI)化合
物を酸処理し、続けて酸化して式(VII)で示される
ジスルフィド化合物へ誘導する第4工程と、さらに第4
工程で得られたジスルフィド化合物(VII)を還元す
ることにより、目的とする式(I)の3−メルカプト−
1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンへ誘
導する第5工程からなるものである。以下に各工程を詳
細に説明することにより、本発明を明らかにする。
【0025】本発明の製造法である、式(II)で示さ
れる化合物のベンジル基を除去して式(III)で示さ
れる化合物へ誘導する第1工程は、通常の有機化学上用
いられている脱ベンジル化反応により実施される。具体
的には、ラネーニッケル、酸化パラジウム、パラジウム
-炭素等の触媒を用いる、水素添加反応等により、好ま
しく実施することができる。
【0026】本工程の水素添加反応等に使用する溶媒と
しては、反応に直接関与しない溶媒が挙げられ、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール等のアルコール系溶媒が好ましく、このアルコ
ール系溶媒と共に水を共存させた混合溶媒が、特に好ま
しく使用し得る。
【0027】なお本発明で使用する、出発化合物である
式(II)で示される化合物における置換基Raのスル
ホニル残基としては、低級アルキルスルホニル基あるい
はアリールスルホニル基等があげられる。低級アルキル
スルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンス
ルホニル基等を例示することができ、また、アリールス
ルホニル基としては、フェニルスルホニル基、p−トル
エンスルホニル基等を例示することができる。なかで
も、特に好ましい式(II)で示される化合物は、置換
基Raがメタンスルホニル基を有する化合物であり、こ
の化合物は、本発明者らによりすでに提案された方法に
より収率よく得ることができる。
【0028】この第1工程により製造される式(II
I)で表わされる化合物は、反応終了後、適宜所望によ
り、濾過、液性変換、濃縮、抽出、転溶、塩形成等、有
機化学上汎用される通常の処理手段を採用することによ
り、例えば、遊離塩基として、あるいは塩酸塩として単
離することもできる。しかしながら、式(III)の化
合物を反応溶液から単離することなく、そのまま次の第
2工程に付すことも可能であり、工業的製造法として
は、式(III)の化合物を単離することなく次の第2
工程に付すのが好ましい。
【0029】次いで上記工程により脱ベンジル化された
式(III)の化合物に、チオ硫酸ナトリウムを反応さ
せて式(IV)で示される化合物へ変換する第2工程
は、具体的には、式(III)の化合物を、適当な溶媒
に溶解させ、そこに当モル量ないしやや過剰量のチオ硫
酸ナトリウムを添加し、反応が完結するまで適宜攪拌等
の手段を行うことにより実施される。
【0030】反応に使用する溶媒としては、式(II
I)の化合物ならびにチオ硫酸ナトリウムを溶解する溶
媒であればどのようなものでもよく、例えば、メタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶媒とともに水を共存
させた混合溶媒が好ましく使用し得る。
【0031】さらに、本第2工程は、第1工程の反応終
了後、反応溶液から工程1で使用した触媒を除去した溶
液をそのまま用い、チオ硫酸ナトリウムと反応させるこ
ともできる。
【0032】これらの反応は、室温ないし加熱下に実施
することができ、例えば室温下にチオ硫酸ナトリウムを
添加し、攪拌した後、50℃程度の加熱条件下で攪拌を
行う等、適宜反応条件を選択することができる。反応終
了後、目的とする式(IV)の化合物は結晶として反応
溶液中から単離することができる。
【0033】次いで、以上の工程により得られた式(I
V)の化合物に、式(V)で示される2−アルキルチオ
−1,3−チアゾリン誘導体を反応させ、アゼチジン環
の窒素原子上に1,3−チアゾリル基を導入した式(V
I)で示される化合物へ誘導する第3工程は、以下のよ
うにして実施される。
【0034】すなわち、適当な溶媒中で式(IV)の化
合物に、ほぼ当モル量の式(V)の2−アルキルチオ−
1,3−チアゾリン誘導体を加え、例えば、反応溶液を
加熱還流することにより行うことができる。
【0035】反応に使用する溶媒としては、反応に対し
て不活性なものであれば特に限定はされず、例えば、メ
タノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系
溶媒、これら溶媒に水を共存させた混合溶媒が好ましく
使用される。反応温度もまた限定されるものではなく、
用いる溶媒の沸点近くで加熱還流することが好ましい。
【0036】反応は、加熱還流条件下にほぼ20時間程
度実施することで完結し、目的とする式(VI)で表わ
される化合物は、反応終了後、適宜所望により、濾過、
液性変換、濃縮、抽出、転溶、塩形成等、有機化学上汎
用される通常の処理手段を採用することにより、結晶と
して単離することができる。
【0037】なお、この第3工程において、式(IV)
で示される化合物と反応させる式(V)で示される2−
低級アルキルチオ−1,3−チアゾリン誘導体として
は、例えば、2−メチルチオ−1,3−チアゾリン;2
−エチルチオ−1,3−チアゾリン;2−プロピオチオ
−1,3−チアゾリン等を例示することができ、なかで
も2−メチルチオ−1,3−チアゾリンが好ましく使用
される。
【0038】かくして製造された式(VI)で示される
化合物は、次いで第4工程により酸処理、次いで酸化反
応に付され、式(VII)で示されるジスルフィド化合
物へ変換される。この場合の式(VI)の化合物に対す
る酸処理は、具体的には、水もしくはアルコール系の溶
媒中、塩酸、硫酸などの鉱酸;あるいはメタンスルホン
酸、エタンスルホン酸などの有機酸による酸処理を行う
ことにより実施される。また、酸化反応は、過酸化水
素、クロム酸、四酢酸鉛、有機過酸等の酸化剤を用いる
方法、あるいはFeなどの金属の触媒を用いて空気酸化
を行う方法により実施される。
【0039】かくして、製造された式(VII)で示さ
れるジスルフィド化合物は、次いで第5工程に付され、
本発明が目的とする式(I)で示される3−メルカプト
−1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンへ
誘導される。かかる第5工程は、具体的には以下のよう
にして実施される。
【0040】すなわち、第4工程で得られた式(VI
I)のジスルフィド化合物を、適当な溶媒中で、還元反
応に付すことにより実施される。還元反応の手法として
は、NaBH4、KBH4、B26、NaBH3CNなど
のハイドライド系還元試薬や、一般的な水素添加による
接触還元反応や、Zn、Feを用いた金属還元あるいは
トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイト、
トリエチルホスファイトなどのホスフィン系またはホス
ファイト系の試薬の使用が可能である。最も好ましくは
トリフェニルホスフィンと処理することにより実施され
る。そのような溶媒としては、反応に対して不活性なも
のであれば特に限定はされず、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、アセト
ニトリル等、さらにこれら溶媒に水を共存させた混合溶
媒が好ましく使用される。
【0041】上記の第5工程の反応は、好ましくは室温
条件下に行われ、反応終了後、適宜所望により、濾過、
液性変換、濃縮、抽出、転溶、塩形成等、有機化学上汎
用される通常の処理手段を採用することにより、本発明
の目的とする式(I)で示される3−メルカプト−1−
(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンを塩酸塩
の結晶として単離することができる。
【0042】以上のようにして製造された、本発明の目
的化合物である式(I)で示される3−メルカプト−1
−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジンは、例
えばカルバペネム系抗生物質の一つである(1R,5
S,6S)−2−[1−(1,3−チアゾリン−2−イ
ル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(R)−1−
ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸、またはそのエステル体であるピバ
ロイルオキシメチルエステルの2位の側鎖として使用さ
れる。
【0043】
【実施例】以下に本発明を、実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲の記載に包含される限り、種々
の変更例が可能であり、かかる変更例も本発明の権利範
囲に含まれるものである。
【0044】実施例1
【0045】
【化26】
【0046】N−ベンジル−3−メタンスルホニルオキ
シアゼチジンの塩酸塩[化合物(1)]55.56g
(200mmol)のメタノール150mlおよび水3
2ml混合液に、室温下に、10%パラジウム−炭素
(50%含水)11.11gを加え、次いで40℃に
て、水素ガス500Kpa加圧で19時間攪拌し、水素
添加を行い、化合物(2)を得た。反応終了後、触媒を
吸引濾過にて濾別し、さらにメタノール20mlにて洗
浄した。
【0047】次いで、得られた濾液中から化合物(2)
を単離することなく、濾液にチオ硫酸ナトリウム・5水
和物の49.63g(200mmol)を添加した後、
室温下で1時間攪拌し、さらに50〜60℃にて22時
間攪拌した。反応終了をTLCにて確認後、反応溶液を
0〜5℃まで冷却した。この反応液にイソプロパノール
400mlを加え、0〜5℃にて1時間攪拌し、結晶を
析出させた。析出した結晶を濾取し、イソプロパノール
140mlにて洗浄し、真空乾燥し、化合物(3)を無
色結晶として62.6g(純度:46.9%;収率:8
6.9%)得た。
【0048】1H−NMR(400MHz;D2O)δ:
4.44−4.54(3H,m),4.19−4.27
(2H,m).
【0049】実施例2
【0050】
【化27】
【0051】2−メチルチオ−1,3−チアゾリン[化
合物(4)]25.9g(195mmol)のメタノー
ル180ml溶液中に、室温にて、上記実施例1で得た
化合物(3)27.63g(163mmol)を添加
し、次いで3.5時間還流攪拌した。反応終了後、氷冷
下にてイソプロパノール180mlを加え、30分間攪
拌した。反応溶液を吸引濾過し、濾取した結晶をイソプ
ロパノール180mlにてリパルプ洗浄し、室温にて真
空乾燥し、化合物(5)を65.0g(純度:51.8
%;収率:81.1%)得た。
【0052】1H−NMR(400MHz;D2O)δ:
4.41−4.47(1H,m),4.34−4.38
(2H,m),3.92(2H,t,J=7.54H
z),3.56(2H,t,J=7.54Hz).
【0053】実施例3
【0054】
【化28】
【0055】濃塩酸54.8ml中に、上記実施例2で
得た化合物(5)33.06g(130mmol)を室
温にて加え、50〜60℃にて2時間攪拌した。反応終
了後、水27.4mlおよびメタノール27.4mを加
え、0℃に冷却し、続いて炭酸水素カリウム104.1
g(8当量)を25分間かけて加えた。1時間攪拌した
後、30%過酸化水素水7.39g(65mmol)
を、内温が25℃以下になるように45分間かけて加
え、さらに0℃にて40分間攪拌した後、Na2SO3
7H2Oを3.28g(13mmol)および水164
mlを加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を室温に
1日放置後、吸引濾取し、次いで30℃の温水164m
lで2回リパルプ洗浄した。さらにヘプタン164ml
で1回リパルプ洗浄後、7.5時間通気乾燥して恒量化
し、無色結晶として化合物(6)を25.17g(純
度:82.7%;収率:92.8%)得た。
【0056】1H−NMR(270MHz;CDCl3
δ:4.35(4H,t,J=8.1Hz),4.03
(4H,t,J=7.6Hz),3.83−4.01
(6H,m),3.38(4H,t,J=7.6Hz)
【0057】実施例4
【0058】
【化29】
【0059】上記実施例3で得た化合物(6)17.3
3g(50mmol)に、塩化水素をバブリングした8
mol/Lの塩化水素−メタノール溶液15.6ml
(125mmol)、トリフェニルホスフィン16.2
g(60mmol)、水1.92gおよびアセトニトリ
ル25mlを添加し、室温にて90分間攪拌した。次い
で、テトラヒドロフラン50mlおよび少量の化合物
(7)[108mg]を添加し、室温にて40分間攪拌
した。結晶の析出を確認した後、さらにテトラヒドロフ
ラン325mlを50分間かけて加え、室温にてさらに
60分間攪拌した。析出した結晶を濾取し、テトラヒド
ロフラン50mlにて洗浄し、真空乾燥し、無色結晶と
して目的物である3−メルカプト−1−(1,3−チア
ゾリン−2−イル)アゼチジンの塩酸塩[化合物
(7)]を20.22g(純度:96.6%;収率:9
2.7%)得た。本品の機器分析データは、標品のデー
タと完全に一致した。
【0060】
【発明の効果】以上に記載のように、本発明が提供する
製造法によれば、本発明者らが先に提供している、極め
て安価な化合物(II)から、特別高価な試薬あるいは
溶媒を使用することなく、高収率で目的とする式(I)
の3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン−2−イ
ル)アゼチジンを製造することができる。
【0061】そのうえ、各ステップにおける目的物は、
単離することなく次の工程に使用し得るものでもあり、
また、反応溶液中から結晶として単離することができる
ものである。したがって、その操作も簡便なものである
ことより、工業的製造方法として特に優れたものであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(II): 【化1】 (式中、Raはスルホニル残基を表わし、Bzlはベン
    ジル基を表す。)で表される化合物のベンジル基を除去
    して、次式(III): 【化2】 (式中、Raはスルホニル残基を表す。)で表される化
    合物とし、得られた式(III)の化合物を単離する
    か、または単離することなくチオ硫酸ナトリウムと反応
    させて、次式(IV): 【化3】 で表される化合物とした後、得られた式(IV)の化合
    物を、次式(V): 【化4】 (式中、Rbは低級アルキル基を表す。)で示される2
    −アルキルチオ−1,3−チアゾリン誘導体と反応させ
    て、次式(VI): 【化5】 で示される化合物へ誘導し、得られた式(VI)の化合
    物を酸処理した後、さらに酸化して、次式(VII): 【化6】 で示されるジスルフィド化合物とし、得られた式(VI
    I)のジスルフィド化合物を、還元反応に付すことを特
    徴とする、次式(I): 【化7】 で示される3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン
    −2−イル)アゼチジンの製造法。
  2. 【請求項2】 次式(IV): 【化8】 で表される化合物を、次式(V): 【化9】 (式中、Rbは低級アルキル基を表す。)で示される2
    −アルキルチオ−1,3−チアゾリン誘導体と反応させ
    て、次式(VI): 【化10】 で示される化合物へ誘導し、得られた式(VI)の化合
    物を酸処理した後、さらに酸化して、次式(VII): 【化11】 で示されるジスルフィド化合物とし、得られた式(VI
    I)のジスルフィド化合物を、還元反応に付すことを特
    徴とする、次式(I): 【化12】 で示される3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン
    −2−イル)アゼチジンの製造法。
  3. 【請求項3】 次式(VI): 【化13】 で示される化合物を酸処理した後、さらに酸化して、次
    式(VII): 【化14】 で示されるジスルフィド化合物とし、得られた式(VI
    I)のジスルフィド化合物を、還元反応に付すことを特
    徴とする、次式(I): 【化15】 で示される3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン
    −2−イル)アゼチジンの製造法。
  4. 【請求項4】 次式(VII): 【化16】 で示されるジスルフィド化合物を、還元反応に付すこと
    を特徴とする、次式(I): 【化17】 で示される3−メルカプト−1−(1,3−チアゾリン
    −2−イル)アゼチジンの製造法。
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