JPH0853410A - メルカプツル酸の不斉スルホキシド誘導体の製造方法 - Google Patents

メルカプツル酸の不斉スルホキシド誘導体の製造方法

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JPH0853410A
JPH0853410A JP18702994A JP18702994A JPH0853410A JP H0853410 A JPH0853410 A JP H0853410A JP 18702994 A JP18702994 A JP 18702994A JP 18702994 A JP18702994 A JP 18702994A JP H0853410 A JPH0853410 A JP H0853410A
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acid
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mercapturic
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Shizuo Nakamura
静夫 中村
Kiyoto Goto
清人 後藤
Mitsuyoshi Kondo
光由 近藤
Shinsaku Naito
真策 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、一般式 【化1】 〔式中Rはフェニル低級アルキル基、シクロアルキル
基、低級アルキル基、1−アダマンチル基又はニトロ基
で置換されることのあるフェニル基を示し、*は不斉中
心を示す。〕で表される光学活性なメルカプツル酸エス
テル誘導体を過酸を用いて酸化させた後、酸で加水分解
することを特徴とする、一般式 【化2】 〔式中R及び*は上記に同じ。〕で表されるメルカプツ
ル酸の不斉スルホキシド誘導体の製造法を提供する。 【効果】本発明方法によれば、容易且つ効率よく立体選
択的にメルカプツル酸の不斉スルホキシド誘導体を収得
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メルカプツル酸の不斉
スルホキシド誘導体の新しい製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般式(1):
【0003】
【化3】
【0004】〔式中Rはフェニル低級アルキル基、シク
ロアルキル基、低級アルキル基、1−アダマンチル基又
はニトロ基で置換されることのあるフェニル基を示し、
*は不斉中心を示す。〕で表されるメルカプツル酸の不
斉スルホキシド誘導体は、抗腫瘍抗生物質であるスパル
ソマイシン(Sparsomycin )やその誘導体の合成中間体
として有用であり、またそれ自身抗腫瘍活性等の薬効が
期待できる化合物である。
【0005】該化合物を得るためには、その前駆体であ
るメルカプツル酸(スルフィド体)を不斉酸化する必要
があるが、かかるスルフィド体を化学的に効率よく不斉
酸化する方法は従来知られておらず、これまで、該化合
物は、一般の酸化反応により得られる酸化物(通常約
1:1のジアステレオマー混合物)を、カラムクロマト
グラフイー等の手段により分離して収得されており、か
かる方法では収率も悪く手間とコストがかかる不利があ
った。
【0006】従って、本発明の目的は、上記メルカプツ
ル酸の不斉スルホキシド誘導体を、容易に且つ効率よく
製造する新しい方法を提供する点にある。
【0007】本発明者らは、鋭意研究の結果、光学活性
なメルカプツル酸を直接酸化するのではなく、一旦メト
キシエトキシメチルエステルとした後、酸化する時に
は、極めて高立体選択的に所望のスルホキシドが得られ
ることを見出だし、ここに本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
一般式(2):
【0009】
【化4】
【0010】〔式中Rはフェニル低級アルキル基、シク
ロアルキル基、低級アルキル基、1−アダマンチル基又
はニトロ基で置換されることのあるフェニル基を示し、
*は不斉中心を示す。〕で表される光学活性なメルカプ
ツル酸エステル誘導体を過酸を用いて酸化させた後、酸
で加水分解することを特徴とする、一般式(1):
【0011】
【化5】
【0012】〔式中R及び*は上記に同じ。〕で表され
るメルカプツル酸の不斉スルホキシド誘導体の製造方法
が提供される。
【0013】本発明方法により得られる化合物を示す上
記一般式(1)において、Rで定義される各基として
は、以下の各基を例示できる。
【0014】即ち、フェニル低級アルキル基としては、
例えばベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエ
チル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5
−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル基等を例示
できる。シクロアルキル基としては、例えばシクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等を例示でき
る。低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基等を例示でき
る。
【0015】該置換基Rとしては、特にベンジル、シク
ロペンチル、n−ヘキシル及び1−アダマンチル基が好
ましく、之等の各基の場合、特に酸化の立体選択性が優
れている。
【0016】本発明方法によれば、まず、上記一般式
(2)で表される光学活性なメルカプツル酸エステル誘
導体を過酸を用いて酸化させる。該酸化反応は、適当な
不活性溶媒、例えば四塩化炭素、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等の溶媒中で、
適当な過酸、例えばメタクロロ過安息香酸、過安息香
酸、過酢酸等を用いて実施され、之等の内では特にメタ
クロロ過安息香酸の利用が好適である。之等過酸の使用
量は、通常原料化合物に対してほぼ当量程度とするのが
よい。上記反応の温度は、これが高くなると酸化の立体
選択性が低下するので好ましくなく、一般に−50℃以
下、より好ましくは−70℃以下とするのがよい。また
反応時間は、通常1〜10時間程度、好ましくは1〜5
時間程度とされ、かくして所望のエステル誘導体を得
る。
【0017】上記に引き続く、エステル誘導体の酸によ
る加水分解反応は、好ましくは塩酸、硫酸等の鉱酸を用
いて、適当な不活性溶媒中で実施できる。該溶媒として
は、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
メタノール、エタノール等を例示できる。反応温度は通
常30℃以下、一般には0℃〜室温程度の範囲とされる
のがよく、これが余りに高すぎると目的とする不斉スル
ホキシドのラセミ化が起こるおそれがあり好ましくな
い。反応時間は通常約2〜30時間、好ましくは約5〜
15時間とされるのがよい。
【0018】尚、本発明方法において、原料化合物とし
て利用する前記一般式(2)で表される化合物は、例え
ば下記反応式に示す方法により製造することができる。
【0019】
【化6】
【0020】〔各式中、R及び*は前記に同じ。Xはハ
ロゲン原子又はヒドロキシ基を、Yはハロゲン原子をそ
れぞれ示す。〕 上記方法において、化合物(3)のアセチル化反応は、
無溶媒で、又はジクロロメタン−水、ジクロロメタン等
の適当な溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン等の3級
アミン等の塩基の存在下、無水酢酸等のアセチル化剤を
用いて実施できる。上記塩基は通常原料化合物に対して
1〜5倍当量程度使用され、アセチル化剤は1〜少過剰
当量程度使用されるのがよい。反応は、約0℃〜室温の
温度条件下に、1〜5時間程度を要して行なわれ、かく
して化合物(6)を収得できる。
【0021】上記化合物(6)は、また化合物(4)と
化合物(5)との反応によっても製造できる。該反応
は、置換基Xがハロゲン原子である化合物(5)を用い
る場合、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルアセトアミド(DMA)、テトラヒドロフラン(T
HF)等の適当な溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カ
リウム等の2〜3倍当量を用いるか又はメタノール、エ
タノール等の溶媒中、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素
ナトリウム水溶液等の1〜5倍当量を用いて、0℃〜溶
媒の還流温度条件下に、1〜10時間程度を要して実施
される。また、置換基Xがヒドロキシ基である化合物
(5)を用いる場合、上記反応は好ましくはトリフルオ
ロ酢酸中、0℃〜室温下で約5〜20時間を要して行な
われる。いずれの場合も、化合物(5)は原料化合物に
対して当量〜少過剰当量使用されるのが望ましい。
【0022】かくして得られる化合物(6)と化合物
(7)との反応は、DMF、DMA等の適当な溶媒中、
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエ
チルアニリン等の3級アミン等の塩基を化合物(7)に
対して1〜少過剰当量用いて、0℃〜室温付近の温度下
に2〜10時間程度で実施される。化合物(6)の使用
量は、化合物(7)に対して1〜少過剰当量とされるの
がよい。
【0023】かくして、所望のメルカプツル酸の不斉ス
ルホキシド誘導体を収得できる。これは、再結晶操作等
の通常の手段により容易に、単離、精製できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0025】
【実施例1】ベンジルメルカプツル酸スルホキシドの製
造 (1)原料化合物の調製 S−ベンジル−L−システインをアセチル化してベンジ
ルメルカプツル酸(L体、既知物質)(融点:143〜
145℃、〔α〕D =−53.0°(c=0.37,メ
タノール))を得た。
【0026】上記化合物23gを無水N,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)80mlに溶解し、氷冷攪拌
下、これにジイソプロピルエチルアミン18.1ml及
びメトキシエトキシメチルクロライド12.5gを加
え、30分間攪拌した後、更に室温で4時間攪拌した。
反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル
層を集めて1N塩酸、水、飽和食塩水、次いで水で順次
洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液:酢酸エチル:n−ヘキサン=5:1)で精
製して、ベンジルメルカプツル酸メトキシエトキシメチ
ルエステル27gを得た。
【0027】融点:49〜51℃、〔α〕D =−59.
5°(c=0.62,メタノール)。
【0028】(2)工程1 上記(1)で調製した化合物500mgをジクロロメタ
ン30mlに溶解し、ドライアイス−アセトン浴中で−
78℃に冷却し、これに80%メタクロロ過安息香酸3
24mgを加え、−78℃で2.5時間攪拌した。水を
加え、ジクロロメタンで抽出し、ジクロロメタン層を集
めて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮してベンジルメルカ
プツル酸メトキシエトキシメチルエステルスルホキシド
の粗結晶515mgを得た。
【0029】得られた粗結晶につき、 1H−NMR分析
を行なった所、ジアステレオマーの混合比率は1:2
0.6であり、本酸化反応の立体選択性が極めて高いこ
とが明らかとなった。
【0030】上記粗結晶を酢酸エチル−ジエチルエーテ
ルから再結晶して、メジャーな異性体の結晶として、所
望のエステルのスルホキシド体390mgを単離した。
【0031】融点:94〜96℃、〔α〕D =−32.
8°(c=0.54,メタノール)。
【0032】(3)工程2 上記で得られた化合物400mgを、テトラヒドロフラ
ン3mlに懸濁させ、3N塩酸2.7mlを加え、室温
で14時間攪拌した。溶媒の一部を減圧留去し、析出し
た結晶を濾取し、ジクロロメタンで洗浄後、減圧下に4
0℃で4時間乾燥して、目的のベンジルメルカプツル酸
スルホキシドの光学活性体(純品)159mgを得た。
【0033】融点:168〜170℃、〔α〕D =−1
4.2°(c=0.58,メタノール)。
【0034】
【実施例2】シクロペンチルメルカプツル酸スルホキシ
ドの製造 (1)原料化合物の調製 60%水素化ナトリウムを無水DMF70mlに懸濁
し、氷冷攪拌下、これにN−アセチル−L−システイン
20gのDMF40ml溶液をゆっくりと滴下した。次
いで、シクロペンチルブロマイド20.2gを加え、3
0分間攪拌した後、更に室温で2時間攪拌した。反応混
合物を氷水にあけ、pHを2N塩酸で約2に調整し、酢
酸エチルで抽出した。抽出液を水洗後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧濃縮した後、残渣を酢酸エチルよ
り再結晶して、シクロペンチルメルカプツル酸の結晶1
3.8gを得た。
【0035】融点:164〜167℃、〔α〕D =−1
0.4°(c=1.1,メタノール)。
【0036】上記で得られた化合物を用いて、実施例1
の(1)に示すメトキシエトキシメチルクロライドとの
反応と同様の反応を行なわせて、シクロペンチルメルカ
プツル酸メトキシエトキシメチルエステルを得た。
【0037】油状物、〔α〕D =−26.0°(c=
0.66,メタノール)1 H−NMR(CDCl3 、δppm):1.40−
1.82(6H,m),1.91−2.08(2H,
m),2.05(3H,s),2.95−3.15(3
H,m),3.39(3H,s),3.50−3.61
(2H,m),3.77−3.84(2H,m),4.
79−4.88(1H,m),5.41(2H,s),
6.32(1H,d,J=7.6)。
【0038】(2)工程1 上記(1)で調製した化合物を用いて、実施例1の
(2)と同様にして、シクロペンチルメルカプツル酸メ
トキシエトキシメチルエステルスルホキシドの粗結晶を
得た。
【0039】得られた粗結晶につき、 1H−NMR分析
を行なった所、ジアステレオマーの混合比率は1:1
2.5であり、本酸化反応の立体選択性が極めて高いこ
とが明らかとなった。
【0040】上記粗結晶を酢酸エチル−ジエチルエーテ
ルから再結晶して、メジャーな異性体の結晶として、所
望のエステルのスルホキシド体を単離した。
【0041】融点:99〜101℃、〔α〕D =−5
1.8°(c=0.60,メタノール)。
【0042】(3)工程2 上記で得られた化合物を、実施例1の(3)と同様に加
水分解して、目的のシクロペンチルメルカプツル酸スル
ホキシドの光学活性体(純品)を得た。
【0043】
【実施例3】n−ヘキシルメルカプツル酸スルホキシド
の製造 (1)原料化合物の調製 L−n−ヘキシルメルカプツル酸(公知物質)を用い、
実施例1の(1)と同様にしてメトキシエトキシメチル
クロライドと反応させて、n−ヘキシルメルカプツル酸
メトキシエトキシメチルエステルを得た。
【0044】油状物、〔α〕D =−29.7°(c=
0.65,メタノール)1 H−NMR(CDCl3 、δppm):0.88(3
H,t,J=6.9),1.16−1.61(8H,
m),2.05(3H,s),2.53(3H,t,J
=7.3),2.90−3.09(2H,m),3.3
9(3H,s),3.48−3.60(2H,m),
3.75−3.86(2H,m),5.41(2H,
s),6.32(1H,d,J=7.6)。
【0045】(2)工程1 上記(1)で調製した化合物を用いて、実施例1の
(2)と同様にして、n−ヘキシルメルカプツル酸メト
キシエトキシメチルエステルスルホキシドの粗結晶を得
た。
【0046】得られた粗結晶につき、 1H−NMR分析
を行なった所、ジアステレオマーの混合比率は1:1
5.6であり、本酸化反応の立体選択性が極めて高いこ
とが明らかとなった。
【0047】上記粗結晶をジエチルエーテルから再結晶
して、メジャーな異性体の結晶として、所望のエステル
のスルホキシド体を単離した。
【0048】融点:68〜70℃、〔α〕D =−40.
9°(c=0.74,メタノール)。
【0049】(3)工程2 上記で得られた化合物を、実施例1の(3)と同様にし
加水分解して、目的のn−ヘキシルメルカプツル酸スル
ホキシドの光学活性体(純品)を得た。
【0050】
【実施例4】アダマンチルメルカプツル酸スルホキシド
の製造 (1)原料化合物の調製 1−アダマンタノール10gのトリフルオロ酢酸50m
l溶液にN−アセチル−L−システイン10.7gを氷
冷下に加えた後、室温で14時間攪拌した。トリフルオ
ロ酢酸を減圧留去した後、氷水及びジクロロメタン(3
0ml)を加え、析出した結晶を濾取し、充分水洗して
減圧下、60℃で5時間乾燥して、L−アダマンチルメ
ルカプツル酸19.0gを得た。
【0051】融点:186〜189℃、〔α〕D =+
8.5°(c=0.82,メタノール)。
【0052】得られた化合物を用い、実施例1の(1)
におけるメトキシエトキシメチルクロライドとの反応を
同様にして行なわせて、アダマンチルメルカプツル酸メ
トキシエトキシメチルエステルを得た。
【0053】油状物、〔α〕D =−7.9°(c=0.
95,メタノール)1 H−NMR(CDCl3 、δppm):1.55−
2.10(15H,m),2.04(3H,s),3.
00(2H,d,J=5.0),3.52−3.60
(2H,m),3.78−3.85(2H,m),4.
80−4.91(1H,m),5.39(1H,d,J
=12.9),5.41(1H,d,J=12.9),
6.26(1H,d,J=7.3)。
【0054】(2)工程1 上記(1)で調製した化合物を用いて、実施例1の
(2)と同様の酸化反応を行なって、アダマンチルメル
カプツル酸メトキシエトキシメチルエステルスルホキシ
ドの粗結晶を得た。
【0055】得られた粗結晶につき、 1H−NMR分析
を行なった所、ジアステレオマーの混合比率は1:1
7.1であり、本酸化反応の立体選択性が極めて高いこ
とが明らかとなった。
【0056】(3)工程2 上記で得られた粗生成物を、実施例1の(3)と同様に
加水分解した後、クロロホルム−酢酸エチルより再結晶
して、目的のアダマンチルメルカプツル酸スルホキシド
の光学活性体(純品)を得た。
【0057】融点:178〜180℃、〔α〕D =−4
6.2°(c=0.64,メタノール)。
【0058】
【実施例5】4−ニトロフェニルメルカプツル酸スルホ
キシドの製造 (1)原料化合物の調製 N−アセチル−L−システイン20g及び炭酸水素ナト
リウム29.9gを水100ml中に加え、p−ニトロ
フルオロベンゼン19gのエタノール200ml溶液を
添加し、攪拌下に4時間還流した。反応混合液より不溶
物を濾去し、濾液を約150mlまで減圧濃縮した後、
水150mlを加え、ジエチルエーテルで洗浄した。水
層に濃塩酸を加えてpHを2に調整し、析出した結晶を
濾取した。これを水洗し、減圧下、80℃で6時間乾燥
して、L−4−ニトロフェニルメルカプツル酸の結晶3
2.7gを得た。
【0059】融点:158〜160℃、〔α〕D =−
4.9°(c=0.76,メタノール)。
【0060】得られた化合物を用い、実施例1の(1)
におけるメトキシエトキシメチルクロライドとの反応を
同様に行なわせて、4−ニトロフェニルメルカプツル酸
メトキシエトキシメチルエステルを得た。
【0061】融点:78〜80℃、〔α〕D =−13.
0°(c=0.71,メタノール)。
【0062】(2)工程1 上記(1)で調製した化合物を用いて、実施例1の
(2)と同様の酸化反応を行なって、4−ニトロフェニ
ルメルカプツル酸メトキシエトキシメチルエステルスル
ホキシドの粗生成物を得た。
【0063】得られた粗生成物につき、 1H−NMR分
析を行なった所、ジアステレオマーの混合比率は1:
3.9であり、本酸化反応の立体選択性が極めて高いこ
とが明らかとなった。
【0064】上記粗生成物をクロロホルム−酢酸エチル
から再結晶して、メジャーな異性体の結晶として、所望
のエステルのスルホキシド体を単離した。
【0065】融点:135〜137℃、〔α〕D =−1
09.1°(c=0.63,メタノール)。
【0066】(3)工程2 上記で得られた粗生成物を、実施例1の(3)と同様に
加水分解して、目的の4−ニトロフェニルメルカプツル
酸スルホキシドの光学活性体(純品)を得た。
【0067】融点:153〜155℃、〔α〕D =−1
27.0°(c=0.46,メタノール)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中Rはフェニル低級アルキル基、シクロアルキル
    基、低級アルキル基、1−アダマンチル基又はニトロ基
    で置換されることのあるフェニル基を示し、*は不斉中
    心を示す。〕で表される光学活性なメルカプツル酸エス
    テル誘導体を過酸を用いて酸化させた後、酸で加水分解
    することを特徴とする、一般式 【化2】 〔式中R及び*は上記に同じ。〕で表されるメルカプツ
    ル酸の不斉スルホキシド誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】Rがベンジル基、シクロペンチル基、n−
    ヘキシル基又は1−アダマンチル基である請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】過酸を用いた酸化反応が、ハロゲン化炭化
    水素溶媒中、−50℃以下で行なわれる請求項1又は2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】加水分解が、鉱酸を用いて30℃以下で行
    なわれる請求項3に記載の方法。
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