JPH06239779A - 光学活性シクロペンテンジオールの製造方法 - Google Patents

光学活性シクロペンテンジオールの製造方法

Info

Publication number
JPH06239779A
JPH06239779A JP5030518A JP3051893A JPH06239779A JP H06239779 A JPH06239779 A JP H06239779A JP 5030518 A JP5030518 A JP 5030518A JP 3051893 A JP3051893 A JP 3051893A JP H06239779 A JPH06239779 A JP H06239779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
reaction
following formula
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5030518A
Other languages
English (en)
Inventor
Junzo Nogami
潤造 野上
Atsuo Hasato
篤夫 羽里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP5030518A priority Critical patent/JPH06239779A/ja
Publication of JPH06239779A publication Critical patent/JPH06239779A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 抗癌活性等の活性を有する4―ヒドロキシ―
2―シクロペンテノン類の製造中間体である光学活性シ
クロペンテンジオール類の製造方法を提供する。 【構成】 以下の反応スキーム等による光学活性シクロ
ペンテンジオール類の製造方法を提供する。 (式中、Rは(置換)アルキル基、アルケニル基、アル
キニル基を表し、Rはアルキル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた抗癌活性あるい
は優れた骨粗鬆症治療活性を有する4―ヒドロキシ―2
―シクロペンテノン類化合物を製造するために必要な中
間体である光学活性シクロペンテンジオール類の収率、
純度などの点で優れ、操作なども簡便化された新規な工
業的製造法に関するものである。
【0002】
【背景技術】本発明者らは特開昭62―96438号に
おいて4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン類が抗癌
活性を有することを明らかにした。また特開平1―13
036号において、これらの化合物が骨形成促進作用を
持つことを明らかにした。また本発明者らは欧州公開公
報338796号及び国際公開番号WO91/0576
6号において2―置換―4―ヒドロキシ―2―シクロペ
ンテノン類が骨形成促進作用を有することを開示してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、光学活
性4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン類あるいは光
学活性2―置換―4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノ
ン類を合成するために必要となる、光学活性シクロペン
テンジオールの簡便で工業的な合成法について鋭意研究
を行った結果、本発明で示される新規な合成法に到達し
たものである。
【0004】
【発明の構成】本発明で得られる光学活性シクロペンテ
ンジオールは下記式[VIII]
【0005】
【化11】
【0006】(式中、Rは置換もしくは非置換の炭素数
1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を
表す。)あるいは下記式[X]
【0007】
【化12】
【0008】(式中、Rは上記定義に同じである。)で
表すことができる。これらの光学活性シクロペンテンジ
オールは次に示される一連の工程によって製造される。
【0009】
【化13】
【0010】(式中、Rは上記定義に同じである。R1
は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは脱離基を表
し、Yはハロゲン基を表す。)本発明に記載されている
種々の定義の好適な例及び説明を以下に詳細に説明す
る。
【0011】上記式I,II,III ,IV,VII ,VIII,I
X,Xにおいて、Rは置換または非置換の炭素数1〜1
0のアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表
す。これらは直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよ
い。
【0012】非置換のアルキル基としては、例えば、メ
チル、エチル、n―プロピル、iso―プロピル、n―
ブチル、sec―ブチル、tert―ブチル、n―ペン
チル、n―ヘキシル、n―ヘプチル、n―オクチル、n
―ノニル基またはn―デシル基等が挙げられる。
【0013】非置換のアルケニル基としては、例えば、
エテニル、1―プロペン―1―イル、2―プロペン―1
―イル、1―ブテン―1―イル、1,3―ブタジエン―
1―イル、2―ブテン―1―イル、1―ペンテン―1―
イル、2―ペンテン―1―イル、1―ヘキセン―1―イ
ル、2―ヘキセン―1―イル、1,5―ヘキサジエン―
1―イル、3―ヘキセン―1―イル、1―ヘプテン―1
―イル、1―オクテン―1―イル、1,7―オクタジエ
ン―1―イル、1―ノネン―1―イル基または1―デセ
ン―1―イル基等を挙げることができる。
【0014】非置換のアルキニル基としては、例えば、
エチニル、1―プロピン―1―イル、2―プロピン―1
―イル、1―ブチン―1―イル、3―ブテン―1―イン
―1―イル、2―ブチン―1―イル、1―ペンチル―1
―イル、2―ペンチン―1―イル、1―ヘキシン―1―
イル、2―ヘキシン―1―イル、5―ヘキセン―1―イ
ン―1―イル、3―ヘキシン―1―イル、1―ヘプチン
―1―イル、1―オクチン―1―イル、7―オクテン―
1―イン―1―イル、1―ノニン―1―イル基または1
―デシン―1―イル基を挙げることができる。
【0015】これらのアルキル基、アルケニル基、及び
アルキニル基は置換基を有していてもよい。この置換基
としては、―COOR2 (ここで、R2 は炭素数1〜1
0のアルキル基を表す。)あるいは―OR3 (ここで、
3 はハロゲン原子、炭素数1〜7のアシルオキシ基、
ハロゲン原子や炭素数1〜4のアルキル基や炭素数1〜
4のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基--
などで置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル
基;ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭
素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいフェ
ニル基;ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基また
は炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい
炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。)などが挙げ
られる。
【0016】―COOR2 における―R2 の例としては
前記したものと同様のC1 〜C10のアルキル基を挙げる
ことができる。
【0017】―OR3 の例として挙げられる、炭素数1
〜6のアルコキシ基としては例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、n―ブトキシ、n―
ペントキシまたはn―ヘキソキシ基など;炭素数1〜7
のアシルオキシ基としては、アセトキシ、プロピオニル
オキシ、n―ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、n
―バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、カプロイルオ
キシまたはベンゾイルオキシ基など;あるいはフェノキ
シ基などを挙げることができる。―OR3 においてハロ
ゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルコキシ基の例
としては、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリフ
ルオロメトキシ等を挙げることができる。―OR3 にお
けるフェノキシは置換されていてもよく、置換基として
は、塩素、臭素、フッ素などのハロゲン原子;メチル、
エチル、プロピル、またはブチル基などの炭素数1〜4
のアルキル基;あるいはメトキシ、エトキシ、プロポキ
シまたはブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基等
が挙げられる。
【0018】また上記した種々の脂肪族炭化水素基はさ
らに、フェニル基や炭素数3〜8のシクロアルキル基で
置換されていてもよく、この場合フェニル基や炭素数3
〜8のシクロアルキル基の置換基としては前述したごと
く例えばハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、ま
たは炭素数1〜4のアルコキシ基等を挙げることができ
る。
【0019】上記式V,VI,VII ,IXにおけるR1 は炭
素数1〜10のアルキル基を表す。これらは直鎖状であ
っても、分岐状であってもよい。特に非置換のものが好
ましく、例えば、メチル、エチル、n―プロピル、is
o―プロピル、n―ブチル、sec―ブチル、tert
―ブチル、n―ペンチル、n―ヘキシル、n―ヘプチ
ル、n―オクチル、n―ノニル基またはn―デシル基等
が挙げられる。これらの中でも炭素数が1〜5のものが
好ましい。
【0020】次に、本発明の上記式[VIII],[X]で
表される光学活性シクロペンテンジオールの製造法を以
下に詳細に説明する。
【0021】[工程1]化合物[II]はシクロペンタジ
エンモノマーを塩基存在下、化合物[I]と反応させる
ことにより合成することができる。この反応に用いられ
る塩基としては好適なものとして例えば、リチウム、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属やカルシウム等の
アルカリ土類金属、例えば水素化ナトリウム、水素化カ
リウム、水素化カルシウム等の金属水素化物、例えば水
酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の金属水酸化物、例えばナトリウムメトキサイド、ナト
リウムエトキサイド、カリウム―tert―ブトキサイ
ド等のアルカリ金属アルコキサイド等を挙げることがで
きる。反応は通常有機溶媒中で行われ、例えばジエチル
エーテル、n―ヘキサン、テトラヒドロフラン、N,N
―ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどや
これらの混合物が用いられるが、これらの溶媒以外でも
反応に悪影響を及ぼさない限り、いかなる溶媒を用いて
もよい。反応時間、反応温度は特に限定はされないが、
通常は室温、冷却あるいは加熱化において10分から1
日のあいだで反応は終結する。
【0022】[工程2、3]化合物[IV]は、化合物
[II]を1重項酸素酸化反応に付し、次いで得られた中
間体[III ]を還元反応に付すことにより合成すること
ができる。1重項酸素の発生については、光増感反応、
化学的な方法、マイクロ波放電などが知られているが、
光増感反応が簡便であり好適に用いられる。光増感反応
の場合は光増感剤を用い、例えばロースベンガル、エリ
スロシン、メチレンブルー、クロロフィル、ヘマトポル
フィリン、亜鉛テトラフェニルポルフィリンなどが好適
に用いられる。反応は通常有機溶媒中で行われ、例えば
n―ヘキサン、メタノール、エタノール、ベンゼン、ア
セトン、ピリジンなどやこれらの混合物が用いられる
が、これらの溶媒以外でも反応に悪影響を及ぼさない溶
媒なら何を使用してもよい。光源としては、高圧または
中圧水銀灯、ナトリウムランプ、タングステン―ハロゲ
ンランプ、蛍光灯、白熱電球などが好適に用いられる。
反応温度は特に限定されないが、通常は冷却下に反応が
行われる。反応の詳細については、「第4版実験化学講
座23 丸善株式会社 p.438―456」にそって
行われる。光増感反応で得られたエンドパーオキシド
[III ]は次いで還元反応に付すことにより化合物[I
V]に導かれる。エンドパーオキシドの還元剤として
は、例えば亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、
チオ尿素、ヨウ素化カリウム―酢酸、ジアルキルスルフ
ィド、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリアルキ
ル、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチ
ウムなどが用いられるが、本発明においてはチオ尿素等
が好適に用いられる。反応は通常有機溶媒中で行われ、
例えばメタノール、ジエチルエーテル、n―ヘキサン、
テトラヒドロフラン、N,N―ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシドなどやこれらの混合物が用いられ
るが、これらの溶媒以外でも反応に悪影響を及ぼさない
限り、いかなる溶媒を用いてもよい。反応時間、反応温
度は特に限定はされないが、通常は室温、冷却あるいは
加熱化において10分から1日のあいだで反応は終結す
る。
【0023】[工程4]化合物[VII ]は化合物[IV]
を触媒または塩基存在下化合物[V]と、または塩基存
在下化合物[VI]と反応させることにより合成すること
ができる。化合物[V]を用いた場合の触媒としては例
えば、硫酸、p―トルエンスルホン酸、塩化亜鉛、酢酸
ナトリウム等が用いられ、塩基としては好適なものとし
て例えば、ピリジン、4―ジメチルアミノピリジン、4
―ピロリジノピリジン、トリエチルアミンなどが用いら
れる。化合物[VI]を用いる場合の反応は通常有機溶媒
中で行われ、例えばジエチルエーテル、n―ヘキサン、
テトラヒドロフラン、N,N―ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシドなどやこれらの混合物が用いられ
るが、これらの溶媒以外でも反応に悪影響を及ぼさない
限り、いかなる溶媒を用いてもよい。反応時間、反応温
度は特に限定はされないが、通常は室温、冷却あるいは
加熱化において10分から1日のあいだで反応は終結す
る。
【0024】[工程5]化合物[VIII]と化合物[IX]
は化合物[VII ]を酵素加水分解することにより合成す
ることができる。ここで用いる酵素はエステラーゼであ
り、本発明におけるエステル類を不斉加水分解しうる能
力を有するものであればその起源は問わない。本発明で
用いられるエステラーゼとしては特にリパーゼが好まし
く、またこれらの酵素を固定化して用いてもよい。
【0025】例えば、該エステルを加水分解する際のリ
パーゼの量は、該エステルに対し0.1〜100重量%
である。反応は水中、有機溶媒中あるいはそれらの混合
溶媒中で行われる。例えば水中で行う場合には反応中の
pHを一定に保つために、燐酸系、酢酸系、またはクエ
ン酸系の緩衝液を使用することができ、pHは5〜8が
好ましい。この場合、反応系に有機溶媒を加えてもよ
く、例えばメタノール、エタノール、アセトン、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、などの水と親和性のある溶
媒が好ましく用いられる。一方、反応を有機溶媒中で行
う場合には、例えばジエチルエーテル、n―ヘキサン、
エタノール、テトラヒドロフラン、N,N―ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシドなどやこれらの混合
物が用いられるが、これらの溶媒以外でも反応に悪影響
を及ぼさない限り、いかなる溶媒を用いてもよい。反応
時間、反応温度は特に限定はされないが、通常は10〜
50℃、好ましくは20〜40℃の範囲で10分から1
日のあいだで反応は終結する。本特許における不斉加水
分解は、通常全体の加水分解率30〜70%の範囲で行
われるが、特にこれに限定されるものではなく、未反応
のエステル体単離後さらに同様の反応を行ってもよい。
得られた混合物は通常の単離方法によって分離精製す
る。この精製にはカラムクロマトグラフィー、再結晶、
溶媒抽出などを適宜採用することができる。
【0026】[工程6]化合物[X]は化合物[IX]を
通常の加水分解反応に付すことにより合成することがで
きる。加水分解反応は通常酸または塩基を用いて行わ
れ、一般には「新実験化学講座14 丸善株式会社
p.930―943」にそって行われる。本発明におい
ては塩基を用いたが、塩基としては好適なものとして例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムなどが好適に用いられる。反応は通
常水中または有機溶媒中で行われ、例えば有機溶媒とし
てはメタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒が
用いられるが、これらの溶媒以外でも反応に悪影響を及
ぼさない限り、いかなる溶媒を用いてもよい。反応時
間、反応温度は特に限定はされないが、通常は室温、冷
却あるいは加熱化において10分から1日のあいだで反
応は終結する。
【0027】こうして得られた光学活性化合物[VIII]
あるいは[IX]は、優れた抗癌活性あるいは優れた骨粗
鬆症治療活性を有する4―ヒドロキシ―2―シクロペン
テノン類化合物を製造するために必要な中間体として有
用な化合物である。また本発明の特徴は原料が安価なシ
クロペンタジエンであり、さらに高価な光学活性試薬を
使わないなど工業的に有利な製造法である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0029】
【実施例1】 シクロペンタジエン誘導体の合成
【0030】
【化14】
【0031】水素化ナトリウム1.80g(45mmol;
60% in oil)を反応器にとり、乾燥ヘキサン
で洗浄後反応器を窒素置換する。この反応器に乾燥TH
F約20mlを加え、氷冷下シクロペンタジエン4.44
g(67mmol)を滴下した。30分間攪拌後−50℃に
冷却して6―ブロモヘキサン酸エチルのTHF溶液を滴
下した。滴下後0℃まで反応系を昇温し、水を加えて反
応を終結させ、反応液をエーテルで抽出した。有機層を
無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下に濃縮して目的
の粗生成物を得た。
【0032】低温のまま処理すると1′の構造である
が、室温で取り扱うと異性化して1になる。粗生成物は
そのまま次の反応に用いることができる。原料が大量に
残っているときシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よって簡単に精製する。他の置換基についても同様の手
法により合成した。結果を表1に記す。
【0033】
【表1】
【0034】
【実施例2】 シクロペンタジエン誘導体の光酸化反応、アセチル化反
【0035】
【化15】
【0036】6(1―シクロペンタジエニル)ヘキサン
酸エチル8.3g(40mmol)、ローズベンガル0.2
2g、チオ尿素2.28g(30mmol)のメタノール溶
液を氷冷し、この溶液に5分間酸素を通じた後、450
W高圧水銀灯にて光照射をした。酸素を緩やかに通じな
がら、温度を15℃に保ち約2時間光照射を続けた。酸
素導入と光照射をやめ、さらに約10時間攪拌を続け
た。減圧下メタノールを留去した後、ローズベンガルを
取り除いた。ここで得られた粗生成物(シス―ジオー
ル)はそのままセチル化に用いた。またカラム精製をす
ることもできる。
【0037】
【化16】
【0038】得られたジオール体に2当量の無水酢酸を
加え、ピリジン中で5時間攪拌した。酢酸エチル、希塩
酸を加え抽出操作を行った。有機層を飽和食塩水で線状
し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後濃縮し油状生成
物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製し目的化合物を得た。各置換基での結果を表
2に列挙した。
【0039】
【表2】
【0040】
【実施例3】 (1)酸素を用いる立体選択的加水分解反応―1
【0041】
【化17】
【0042】5―アセトキシ―3―ヒドロキシ―3―フ
ェノキシブチルシクロペンテン2.01g(6.9mmo
l)のエタノール溶液(10ml)にヘキサン100mlを
加え、次いでリパーゼ(type II)30gを加え5
日間攪拌した。反応後反応溶液を濾別してリパーゼを除
去し、不溶物をジクロロメタンで洗浄した。濾液を減圧
下濃縮し、得られた反応粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにて精製し(3R,5S)―3,5―
ジヒドロキシ―3―フェノキシブチルシクロペンテン
(−体)と(3S,5F)―5―アセトキシ―3―ヒド
ロキシ―3―フェノキシブチルシクロペンテン(+体)
を分離した。得られた化合物のデータは下記のとおり。 (−体) Rf=0.14、収量:514mg(30%)、[α]D
−53.57 (+体) Rf=0.68(AcOEt/hexane=1/
1)、収量:1.09g(55%)[α]D +46.9
1 ここで得られた(+)−3(590mg)を3mlのエタノ
ールに溶かしヘキサン(30ml)リパーゼ(8.85
g)を加え3日間攪拌を続けた。反応終了後、先と同様
に処理し、−体と+体を得た。 (−体) 収量:57mg(10%)、[α]D −35.27 (+体) 収量:501mg(8.5%)、[α]D +62.36
【0043】 (2)酸素を用いる立体選択的加水分解反応―2 5―アセトキシ―3―ヒドロキシ―3―フェノキシブチ
ルシクロペンテン2.91g(10mmol)のエタノール
溶液(14ml)にヘキサン140mlを加え、次いでリパ
ーゼ(type II)46.65gを加え8日間攪拌し
た。反応後上記と同様に処理して(3R,5S)―3,
5―ジヒドロキシ―3―フェノキシブチルシクロペンテ
ン(−体)と(3S,5R)―5―アセトキシ―3―ヒ
ドロキシ―3―フェノキシブチルシクロペンテン(+
体)を得た。得られた化合物のデータは下記のとおり。 (−体) 収量:980mg(40%)、[α]D −50.00 (+体) 収量:1.13g(39%)、[α]D +78.09
【0044】
【実施例4】 光学活性アセテートの加水分解反応
【0045】
【化18】
【0046】(3S,5R)―5―アセトキシ―3―ヒ
ドロキシ―3―フェノキシブチルシクロペンテン(+
体)501ng(1.73mmol)のエタノール(7ml)溶
液に、炭酸ナトリウム溶液を加え室温で攪拌した。反応
収量後エタノールを減圧留去し、水層を酢酸エチルで抽
出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後溶媒
を減圧下留去し、(3S,5R)―3,5―ジヒドロキ
シ―3―フェノキシブチルシクロペンテン(+体)の粗
結晶生成物を得た。 Rf=0.14(酢酸エチル/ヘキサン=1/1)、収
量:399mg(93%)、[α]D +53.66(C
l,CHCl3 )84%ee 粗結晶生成物は、ベンゼンで再結晶してほぼ純粋な光学
活性体(+体)を得た。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、光学活性4―ヒ
ドロキシ―2―シクロペンテノン類や光学活性2―置換
―4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン類の合成に有
用な光学活性シクロペンテンジオールを工業的に高収率
で簡便に得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】―アセトキシ――ヒドロキシ―
4−フェノキシブチル)−2−シクロペンテン2.0
1g(6.9mmol)のエタノール溶液(10ml)
にヘキサン100mlを加え、次いでリパーゼ(typ
e II)30gを加え5日間攪拌した。反応後反応溶
液を濾別してリパーゼを除去し、不溶物をジクロロメタ
ンで洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、得られた反応粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し
R,S)―1,4―ジヒドロキシ―1―(4−
ェノキシブチル)−2−シクロペンテン(−体)と(
S,4R)――アセトキシ――ヒドロキシ―1―
(4−フェノキシブチル)−2−シクロペンテン(+
体)を分離した。得られた化合物のデータは下記のとお
り。 (−体) Rf=0.14、収量:514mg(30%)、[α]
D−53.57 (+体) Rf=0.68(AcOEt/hexane=1/
1)、収量:1.09g(55%)[α]D+46.9
1 ここで得られた(+)−3(590mg)を3mlのエ
タノールに溶かしヘキサン(30ml)リパーゼ(8.
85g)を加え3日間攪拌を続けた。反応終了後、先と
同様に処理し、−体と+体を得た。 (−体) 収量:57mg(10%)、[α]D−35.27 (+体) 収量:501mg(8.5%)、[α]D+62.36
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】 (2)酸素を用いる立体選択的加水分解反応―2 ―アセトキシ――ヒドロキシ―1―(4−フェノキ
シブチル)−2−シクロペンテン2.91g(10mm
ol)のエタノール溶液(14ml)にヘキサン140
mlを加え、次いでリパーゼ(type II)46.
65gを加え8日間攪拌した。反応後上記と同様に処理
して(R,S)―1,4―ジヒドロキシ―1―(4
フェノキシブチル)−2−シクロペンテン(−体)と
S,R)――アセトキシ――ヒドロキシ―
―(4−フェノキシブチル)−2−シクロペンテン(+
体)を得た。得られた化合物のデータは下記のとおり。 (−体) 収量:980mg(40%)、[α]D−50.00 (+体) 収量:1.13g(39%)、[α]D+78.09
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】(S,R)――アセトキシ――ヒ
ドロキシ―1―(4−フェノキシブチル)−2−シクロ
ペンテン(+体)501ng(1.73mmol)のエタノー
ル(7ml)溶液に、炭酸ナトリウム溶液を加え室温で攪
拌した。反応収量後エタノールを減圧留去し、水層を酢
酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾
燥した後溶媒を減圧下留去し、(S,R)―1,4
―ジヒドロキシ―1―(4−フェノキシブチル)−2−
シクロペンテン(+体)の粗結晶生成物を得た。 Rf=0.14(酢酸エチル/ヘキサン=1/1)、収
量:399mg(93%)、[α]D +53.66(C
l,CHCl3 )84%ee 粗結晶生成物は、ベンゼンで再結晶してほぼ純粋な光学
活性体(+体)を得た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエンモノマーに塩基存在
    下、下記式[I] 【化1】 (式中、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜10のア
    ルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、Xは脱
    離基を表す。)で表される化合物を反応させて下記式
    [II] 【化2】 (式中、Rは上記定義に同じ。)で示される化合物を生
    成させ、次いでその生成する化合物を1重項酸素酸化反
    応に付し、下記式[III ] 【化3】 (式中、Rは上記定義に同じ。)で示される化合物を生
    成させ、次いで還元反応に付して、下記式[IV] 【化4】 (式中、Rは上記定義に同じ。)で示される化合物を生
    成させ、得られた化合物を下記式[V] 【化5】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
    で示される酸無水物と触媒存在下または塩基存在下反応
    させるか、あるいは下記式[VI] 【化6】 (式中、R1 は上記定義に同じであり、Yはハロゲン基
    を表す。)で示される酸ハロゲン化物と塩基存在下に反
    応せしめることにより下記式[VII] 【化7】 (式中、R,R1 は、上記定義に同じ。)で示される化
    合物を得、次いで酵素加水分解反応に付すことを特徴と
    する、下記式[VIII] 【化8】 (式中、Rは上記定義に同じ。)で表される光学活性シ
    クロペンテンジオール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記式[VIII]のジオール類と下記式
    [IX]で表されるエステル類 【化9】 (式中、R1、Rは上記定義に同じ。)の混合物を得
    て、上記式[IX]を上記式[VIII]より分離した後、加
    水分解反応に付すことを特徴とする下記式[X] 【化10】 (式中、Rは上記定義に同じ。)で表される、光学活性
    シクロペンテンジオール類の製造方法。
  3. 【請求項3】 R1 がメチル、エチル、プロピル、ブチ
    ル基から選ばれたものである請求項1または2の光学活
    性シクロペンテンジオール類の製造方法。
JP5030518A 1993-02-19 1993-02-19 光学活性シクロペンテンジオールの製造方法 Pending JPH06239779A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5030518A JPH06239779A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 光学活性シクロペンテンジオールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5030518A JPH06239779A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 光学活性シクロペンテンジオールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06239779A true JPH06239779A (ja) 1994-08-30

Family

ID=12306038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5030518A Pending JPH06239779A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 光学活性シクロペンテンジオールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06239779A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999050215A1 (fr) * 1998-03-30 1999-10-07 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Procede de production d'hinokitiol
JP2001097895A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Asahi Kasei Corp アルキルシクロペンタジエンの製造法
WO2002098859A1 (fr) * 2001-05-30 2002-12-12 Daicel Chemical Industries, Ltd. Processus de preparation d'un quinolinecarbaldehyde
JP2003055272A (ja) * 2001-08-20 2003-02-26 Asahi Kasei Corp 置換シクロペンタジエンの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999050215A1 (fr) * 1998-03-30 1999-10-07 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Procede de production d'hinokitiol
US6310255B1 (en) 1998-03-30 2001-10-30 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Process for producing hinokitiol
JP2001097895A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Asahi Kasei Corp アルキルシクロペンタジエンの製造法
WO2002098859A1 (fr) * 2001-05-30 2002-12-12 Daicel Chemical Industries, Ltd. Processus de preparation d'un quinolinecarbaldehyde
US7193086B2 (en) 2001-05-30 2007-03-20 Nissan Chemical Industries, Ltd. Process for preparation of a quinolinecarbaldehyde
JP2003055272A (ja) * 2001-08-20 2003-02-26 Asahi Kasei Corp 置換シクロペンタジエンの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3635247B2 (ja) 光学活性な中間体および該製造法
FR2545490A1 (fr) Procede de production de chlorhydrate de diltiazem en tant que produit antagoniste du calcium
JP4440506B2 (ja) ケミカルプロセス
US4645854A (en) Process for preparing HMG-CoA reductase inhibitors with a 3,5-dihydroxypentanoate subunit
JPH06239779A (ja) 光学活性シクロペンテンジオールの製造方法
JPH09328498A (ja) 24,25−ジヒドロキシコレステロールの製造法およびその合成中間体
CA1282425C (en) Process for preparing hmg-coa reductase inhibitors with a 3,5-dihydroxypentanoate subunit
CN112479967B (zh) 胆绿素类化合物及其制备方法和用途
JP3673603B2 (ja) 光学活性2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オール及びそのエステル類の製造方法
JPS635056A (ja) (1r,4s)−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテニルエステル類の製造方法
JPH05286894A (ja) カルボン酸エステル又はカルボン酸チオエステルの新規製造方法
JP3726332B2 (ja) 光学活性ジシクロペンタジエン誘導体の製造法
JPH0222254A (ja) 2,3―ジアミノプロピオン酸誘導体
JP2974181B2 (ja) シクロブタノールの新規な製造法
EP0718407B1 (fr) Intermédiaires de synthèse des énantiomères de l'éliprodil et leur procédé de préparation
JPS6054361A (ja) インド−ル誘導体の製造方法
JPH08332095A (ja) インデノールの製造法
US20070219389A1 (en) Process for Production of Cyclopentenenitrile Derivatives
JP2893473B2 (ja) (+)―エキレニンの製造法および中間体
KR20030025394A (ko) N-[3-{3-(1-피페리디닐메틸)페녹시}프로필]아세톡시아세트아미드의 제조방법
JPS6140243A (ja) 3,5−ジヒドロキシペンタノエ−トサブユニツトを有するHMG−CoAレダクタ−ゼ阻害剤の製造方法
JPH01319496A (ja) ウラシル誘導体
JPH0227996A (ja) 光学活性なシクロペンテノール誘導体の製造方法
JPH09169780A (ja) 3−クロロ−4−シリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン類の製造法
FR2579595A1 (fr) Procede de preparation de derives d'azetidinone