JP2001097895A - アルキルシクロペンタジエンの製造法 - Google Patents

アルキルシクロペンタジエンの製造法

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JP2001097895A
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克也 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファインケミカル中間体、医農薬中間体の合
成前駆体として、また、メタロセン触媒のようなオレフ
ィン重合用触媒の合成前駆体として有用な5−および1
−アルキルシクロペンタジエン化合物を、安価な試薬を
用い、極度の禁水条件を要しない簡便な操作で、かつア
ルキル化剤の種類を問わず高選択的に製造する。 【解決手段】 以下の2つの工程を含むことを特徴とす
る、5−および/または1−アルキルシクロペンタジエ
ン化合物の製造方法。 (I)シクロペンタジエンと、金属水酸化物とから、シ
クロペンタジエニル金属を調製する工程(シクロペンタ
ジエニル金属調製工程)。 (II)該シクロペンタジエニル金属とアルキル化剤と
を、生成物のアルキルシクロペンタジエンと二液相を形
成する非プロトン性極性溶媒の存在下、反応させて、5
−および/または1−アルキルシクロペンタジエンを取
得する工程(アルキル化工程)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキルシクロペ
ンタジエン化合物の製造法に関するものである。アルキ
ルシクロペンタジエン化合物は、ファインケミカル中間
体、医農薬中間体の合成前駆体として、また、メタロセ
ン触媒のようなオレフィン重合用触媒の合成前駆体とし
て有用である。特に5−および/または1−アルキルシ
クロペンタジエン、なかでも1−アルキルシクロペンタ
ジエンは、種々のファインケミカル中間体の合成前駆体
として重要度が高い。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルキルシクロペンタジエンに
は、先述したように、アルキル基の位置により、下記化
1に示す3種の異性体の存在が知られている。5−、1
−、および2−アルキルシクロペンタジエンである。熱
力学的に安定な平衡状態では、1−体と2−体がほぼ等
量と少量の5−体からなる異性体混合物である。
【化1】
【0003】アルキルシクロペンタジエン化合物の製造
法として、今まで種々の方法が知られている。 (1)シクロペンタジエンと脂肪族低級アルコールを触
媒の存在下に気相で反応させる方法(特公平4−272
15号公報)や炭化水素上でシクロペンタジエンとエチ
レンを気相で反応させる方法(日本化学会誌、1977
(3)、375頁(1977))。 (2)液体アンモニア中で金属ナトリウムとシクロペン
タジエンを反応させた後、等量のハロゲン化アルキルを
反応させる方法(Izv.Vyssh.Vchebn.
Zaved.,Khim.Khim.Techno
l.,19(10),1511頁(1970))。 (3)4級アンモニウム塩などの相間移動触媒存在下、
金属水酸化物の水溶液中でシクロペンタジエンとハロゲ
ン化アルキルを反応させる方法(米国特許第35605
83号明細書)や、酸化カルシウムのような脱水剤存在
下に有機溶媒中でシクロペンタジエンとアルカリ金属水
酸化物を反応させてシクロペンタジエニル金属を発生さ
せ、これにハロゲン化アルキルを作用させる方法(ロシ
ア特許第520341号明細書)。
【0004】(4)グリニャール試薬(アルキルマグネ
シウムブロマイド)を用いる方法であり、シクロペンタ
ジエンのグリニャール試薬とハロゲン化アルキルやアル
キル硫酸を反応させて1−アルキルシクロペンタジエン
を選択的に得る方法(Montasch.Chemi
e.,91,805頁,812頁(1960)。また同
様に、シクロペンタジエンにグリニャール試薬(エチル
マグネシウムブロマイド)とイソプロピルトシレートを
反応させて、1−イソプロピルシクロペンタジエンを高
選択的に得る方法がヒノキチオール製造の第一工程とし
て記載されている(特公昭51−33901号公報) (5)プロスタグランジン類の製造方法の第一工程とし
て、シクロペンタジエンとアルキルリチウムからシクロ
ペンタジエニルリチウムを得、これと7−ブロモヘプタ
ン酸エチルを反応させて1−体を得る方法(特公昭53
−33583号公報)が開示されている。また、同様の
方法として、シクロペンタジエン系化合物とアルキルリ
チウムを反応させた後、非プロトン性極性溶媒を添加
し、アルキル化剤を作用させることを特徴とするシクロ
ペンタジエン系化合物のアルキル化法が開示されている
(特開平10−25258号公報)。
【0005】(6)ジメトキシエタンやジグライムなど
の有機溶媒中、金属ナトリウムとシクロペンタジエンか
らシクロペンタジエニル金属溶液を得、これをアルキル
化剤に滴下して、1−体または5−体を得る方法(Te
trahedron,vol.21,2313頁(19
65))。 (7)ノルボルネン誘導体の製造方法の第一工程とし
て、テトラヒドロフラン溶媒中、水素化ナトリウムとシ
クロペンタジエンを反応させてシクロペンタジエニルナ
トリウムを生成させた後、これにアルキル化剤を低温で
滴下する方法が、実施例中に記載されている(特開昭5
4−63063号公報)。 (8)光学活性シクロペンテンジオールの製造方法の第
一工程として、塩基存在下、シクロペンタジエンとアル
キル化剤を反応させてアルキルシクロペンタジエンを得
る方法が開示されている(特開平6−239779号公
報)。アルキル化剤の種類が網羅的に例示され、塩基と
してアルカリ金属、アルカリ土類金属、金属水素化物、
アルカリ金属アルコキシドなど広範囲に渡って記載さ
れ、また反応溶媒についても、ジエチルエーテル、n−
ヘキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドなどが例示され、反応
に悪影響を及ぼさない限り、いかなる溶媒を用いても良
いとほとんど無制限に記載されている。しかし、実施例
には、テトラヒドロフラン溶媒中、水素化ナトリウムと
シクロペンタジエンを反応させてシクロペンタジエニル
ナトリウムを生成させた後、これにアルキル化剤を低温
で滴下する、という例しか記載がなく、これは上記従来
技術(7)と全く同じ方法である。
【0006】ここで(1)の方法は、気相反応のため特
別の装置が必要であり、また多置換アルキル体が生成す
るためモノアルキル体の収率が低く、さらに得られるア
ルキルシクロペンタジエンが平衡混合物であり、5−体
および/または1−体を選択的に得る方法ではない。
(2)の方法は、液体アンモニアや金属ナトリウムのよ
うに、使用する試薬に取り扱い上の難点がある上に、得
られるアルキルシクロペンタジエンは平衡混合物であ
る。(3)の方法は、金属ナトリウムや液体アンモニア
などの取り扱いに注意を要する試薬を使わない方法では
あるが、やはり平衡組成のアルキルシクロペンタジエン
しか得られない。
【0007】(4)から(6)の方法は、5−体および
/または1−体を高選択的に得る方法であるが、(4)
ではグリニャール試薬、(5)ではアルキルリチウム、
といずれも高価で、かつ極度の非水条件が必要な試薬を
用いなければならず、工業的に実施する上で困難を伴う
ものであった。さらに(6)の方法では、金属ナトリウ
ムを使用するので、極度の非水条件が必要な上、1級ア
ルキル基を付加する例しか記載が無く、一般に反応性の
低い2級または3級アルキル基を付加する場合には、5
−体および/または1−体の選択性が低いことが分かっ
ている。従って、2級アルキルや3級アルキルを含め
た、シクロペンタジエンの一般的なアルキル化には不適
である。
【0008】(7)の方法は、詳述すると、水素化ナト
リウムとシクロペンタジエンから調製したシクロペンタ
ジエニルナトリウムのテトラヒドロフラン溶液を、−4
5〜−55℃に冷却し、これに1級アルキルブロマイド
を加え、1時間撹拌後、さらに−30℃から−45℃で
4.5時間撹拌する方法が、参考例1に記載されてい
る。参考例1には、得られるアルキル基の位置の違いに
よる異性体の割合についての記載はないが、本文中にこ
の発明のアルキル化反応について、先ず生成した5−体
が、直ちに1−体、2−体に異性化する、と記載されて
いる。ところが、従来技術(8)の実施例1には、水素
化ナトリウムとシクロペンタジエンから調製したシクロ
ペンタジエニルナトリウムのテトラヒドロフラン溶液
に、−50℃で1級アルキルブロマイドを滴下する、と
いう記載があり、(7)と全く同じ方法であるにもかか
わらず、低温のままで5−体を、室温まで昇温して1−
体を選択的に得ている。2−体の生成については全く記
載が無い。以上のように、(7)と(8)で異性体に関
する記述は異なる。本発明者らが、(8)の実施例を検
討した限りにおいては、反応で得られた生成物が、実施
例記載の1H−NMRでは異性体種を判別できず、本当
に5−および/または1−アルキルシクロペンタジエン
を高選択的に得られるかを確認できなかった。
【0009】また、(7)と(8)の実施例中の方法
は、水素化ナトリウムを使用しており、これは極度の非
水条件を要求し、一般に高価な試薬であることから、工
業的に実施する上では、大きな困難を伴うものであっ
た。さらに、この方法でシクロペンタジエンにイソプロ
ピル基を付加する反応を本発明者らは行ったが、1−体
と2−体がほぼ等量の平衡組成のイソプロピルシクロペ
ンタジエン混合物しか得られなかった。従って、(7)
と(8)の方法は、5−および/または1−アルキルシ
クロペンタジエンを選択的に得る従来技術足り得ないも
のである。以上述べたように、安価な試薬を用い、極度
の非水条件が要らない簡便な操作でで、かつアルキル化
剤の種類を問わず高選択的に5−および/または1−ア
ルキルシクロペンタジエンを製造する方法は未だ開示さ
れていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価な試薬
を用い、極度の非水条件が要らない簡便な操作で、かつ
アルキル化剤の種類を問わず高選択的に5−および/ま
たは1−アルキルシクロペンタジエンを製造する方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。即ち、 (1)シクロペンタジエンと一般式R−X(Rは非置換
もしくは置換された脂肪族炭化水素基、Xはハロゲンま
たはトシル基またはアルキルスルホネート基)で表され
るアルキル化剤から5−および/または1−アルキルシ
クロペンタジエンを得る方法において、以下の2つの工
程を含むことを特徴とする、アルキルシクロペンタジエ
ンの製造方法。 (I)シクロペンタジエンと、金属水酸化物とから、シ
クロペンタジエニル金属を調製する工程(シクロペンタ
ジエニル金属調製工程)。 (II)該シクロペンタジエニル金属とアルキル化剤と
を、生成物のアルキルシクロペンタジエンと二液相を形
成する非プロトン性極性溶媒の存在下、反応させて、5
−および/または1−アルキルシクロペンタジエンを取
得する工程(アルキル化工程)。
【0012】(2)アルキル化工程に続いて、静置後下
層を抜液することにより、アルキルシクロペンタジエン
を主成分とする相を分離することを特徴とする、上記
(1)記載のアルキルシクロペンタジエンの製造方法。 (3)アルキル化工程において、生成物のアルキルシク
ロペンタジエンと二液相を形成する非プロトン性極性溶
媒がジメチルスルホキシドであることを特徴とする、上
記(1)又は(2)記載のアルキルシクロペンタジエン
の製造方法。 (4)シクロペンタジエニル金属調製工程において、金
属水酸化物が水酸化カリウムであることを特徴とする、
上記(1)から(3)のいずれかに記載のアルキルシク
ロペンタジエンの製造方法。
【0013】(5)生成物のアルキルシクロペンタジエ
ンと二液相を形成する非プロトン性極性溶媒に加えて、
脂肪族炭化水素を存在させて、アルキル化工程を実施す
ることを特徴とする、上記(1)から(4)のいずれか
に記載のアルキルシクロペンタジエンの製造方法。 (6)アルキル化工程において、生成物のアルキルシク
ロペンタジエンと二液相を形成する非プロトン性極性溶
媒を、シクロペンタジエニル金属に対して4倍モル以上
使用することを特徴とする、上記(1)から(5)のい
ずれかに記載のアルキルシクロペンタジエンの製造方
法。 (7)アルキル化工程において、生成物のアルキルシク
ロペンタジエンと二液相を形成する非プロトン性極性溶
媒を、シクロペンタジエニル金属に対して6倍モル以上
使用することを特徴とする、上記(1)から(5)のい
ずれかに記載のアルキルシクロペンタジエンの製造方
法。
【0014】(8)アルキル化工程において、生成物の
アルキルシクロペンタジエンと二液相を形成する非プロ
トン性極性溶媒を、シクロペンタジエニル金属に対して
10倍モル以上使用して、アルキル化剤にシクロペンタ
ジエニル金属を含む溶液を添加することを特徴とする、
上記(1)から(5)のいずれかに記載のアルキルシク
ロペンタジエンの製造方法。 (9)アルキル化工程において、反応温度が30℃を越
えないことを特徴とする、上記(1)から(8)のいず
れかに記載のアルキルシクロペンタジエンの製造方法。 (10)シクロペンタジエニル金属調製工程およびアル
キル化工程を、不活性ガス雰囲気下で行うことを特徴と
する、上記(1)から(9)のいずれかに記載のアルキ
ルシクロペンタジエンの製造方法。
【0015】一般的に、アルキルシクロペンタジエンに
は二重結合とアルキル基の位置の違いにより、1−体、
2−体および5−体の三種の異性体が存在し、シクロペ
ンタジエンと塩基からシクロペンタジエニル金属を得、
これとアルキル化剤を反応させると下記化2に示すよう
に先ず5−体が一旦生成したあと、1−体と2−体に異
性化し、平衡状態では少量の5−体とともに1−体と2
−体がほぼ等量で存在していることが知られている。
【化2】
【0016】V.A.Mironovらは、シクロペン
タジエニル金属へのアルキル付加は、下記化3に示すよ
うにまず5−体が生成し、5−体のアルキル基の付いて
いる炭素上の水素が隣接する炭素に1,2−水素移動し
て1−体に異性化、さらに1−体のメチレンプロトンが
同じように隣の炭素に1,2−水素移動して2−体に異
性化することを明らかにした。さらに5−体から1−体
への異性化はより低温でも進むが、1−体から2−体へ
の異性化はより高温が必要であることも示した(Tet
rahedron,vol.19,1939頁(196
3))。
【化3】
【0017】従って、異性化が1,2−水素移動により
進むものであれば、2−体の生成を最小限にして5−体
および/または1−体を生成することは可能である。
S.McLeanらは、上記の1,2−水素移動による
異性化は強塩基が存在しないときに有効であり、強塩基
が存在すると下記化4に示すように5−体からアルキル
シクロペンタジエニルアニオンが生成し、これは直接平
衡混合物に異性化すると述べている(Tetrahed
ron、vol.21,2313頁、2329頁(19
65))。
【化4】
【0018】すなわち、強塩基が存在すると、5−体お
よび/または1−体を選択的に合成することはできず、
1−体と2−体がほぼ等量の平衡混合物が生成すること
を意味している。従って、言い換えれば、5−体および
/または1−体を選択的に合成するには、一旦生成した
アルキルシクロペンタジエンと強塩基を接触させないこ
とが必須条件と言える。ここで言う強塩基とは、金属ナ
トリウムとシクロペンタジエンから得られるシクロペン
タジエニルナトリウムのようなシクロペンタジエニル金
属のことである。従来技術の(4)、(5)の方法で
は、均一溶媒中、シクロペンタジエンのグリニャール試
薬やシクロペンタジエニルリチウムのようなシクロペン
タジエニル金属を用いて5−体および/または1−体を
選択的に得ているが、この理由は、これらのシクロペン
タジエニル金属の塩基性が低いためにアルキルシクロペ
ンタジエニルアニオンを生成しないためではないかと本
発明者らは考えている。シクロペンタジエニル金属の金
属がナトリウムのようなアルカリ金属である場合、反応
原料として系内に必要であるにもかかわらずその存在自
体が平衡組成への異性化を促進する強塩基であるため、
反応操作にはある工夫が必要となってくる。従来技術の
(6)でMcLeanらは、アルキル化剤にシクロペン
タジエニルナトリウムのジメトキシエタンやジグライム
の溶液を滴下することで、5−体および/または1−体
を高選択的に得ている。滴下と同時にアルキル化反応を
起こさせ、系内には実質的にフリーのシクロペンタジエ
ニルナトリウムを存在させないようにすることで、アル
キルシクロペンタジエニルアニオン経由の平衡組成への
異性化を防いでいる、ものと本発明者らは考えている。
逆の滴下、すなわちシクロペンタジエニルナトリウムの
溶液にアルキル化剤を滴下して反応させた場合、滴下中
に生成するアルキルシクロペンタジエンがフリーのシク
ロペンタジエニルナトリウムと接触するため、平衡組成
か2−体の多い組成のアルキルシクロペンタジエンしか
得られていない。また従来技術(7)と(8)の実施例
中の方法は同じ方法であり、上記従来技術(6)とは逆
に、シクロペンタジエニルナトリウム溶液にアルキル化
剤を滴下する方法である。生成するアルキルシクロペン
タジエンの異性体比については記述が異なり、(7)で
はすぐに5−体は1−体と2−体に異性化すると述べ、
(8)では5−体または1−体が高選択的に得られると
述べている。滴下順序から考えれば、(13)の記載が
正しいように思われるが、(8)の方法で5−体と1−
体を高選択的に得ているとすれば、その理由は不明であ
る。
【0019】従来技術の(6)で5−体および/または
1−体を選択的に得るには、滴下したシクロペンタジエ
ニルナトリウムとアルキル化剤の反応が速いこと、すな
わちアルキル化剤の反応性が高いことが必要である、と
推測される。例えば従来技術の(6)の方法で反応させ
てもアルキル化剤の反応性が低ければ、実質的に系内に
シクロペンタジエニルナトリウムが存在することになっ
てしまい、反応系が均一系のため、この強塩基と生成物
のアルキルシクロペンタジエンが接触し、アルキルシク
ロペンタジエニルアニオン経由の異性化が進行すると考
えられるからである。実際、従来技術(6)の方法では
メチル基などのような1級アルキル基の付加の例しか記
載されていない。本発明者らも、これら従来技術に従っ
てアルキル化を試みたが、ジメチル硫酸やn−プロピル
ブロマイドなどの1級アルキル化剤では、5−体および
/または1−体が選択的に生成するが、反応性の低い2
級アルキルハライド、例えばイソプロピルブロマイドで
は、得られたイソプロピルシクロペンタジエンは1−体
と2−体がほぼ等量の混合物であった。従来技術(8)
の方法も、5−体および/または1−体が高選択的に得
られる理由は不明であるにしろ、同様、均一系の反応系
において、強塩基であるシクロペンタジエニルナトリウ
ムを用いている点は、従来技術(6)と同様であり、実
施例に記載されている3つのアルキル基は、全て1級ア
ルキル基であり、反応性の低い2級、3級アルキル基の
付加の例はない。この方法に従って本発明者らがイソプ
ロピルシクロペンタジエンの合成を実施したが、(1
2)と同様、1−体と2−体がほぼ等量の平衡混合物し
か得られなかった。
【0020】そこで本発明者らは、安価で取り扱い容易
な試剤を用い、滴下順序等の制約を受けず、かつ1級ア
ルキル化だけでなく、低反応性の2級または3級アルキ
ル化にも適用できる5−および/または1−アルキルシ
クロペンタジエンの製造法を鋭意検討した結果、極めて
安価で取扱いに困難のない金属水酸化物を用いてシクロ
ペンタジエニル金属を調製し、これの生成物のアルキル
シクロペンタジエンと二液相を形成する溶媒を用いてア
ルキル化を実施すると、極めて高選択的に5−および/
または1−シクロペンタジエンを得られることがわか
り、本発明に達したのである。
【0021】生成物のアルキルシクロペンタジエンと二
液相を形成する溶媒を用いると、なぜ5−および/また
は1−シクロペンタジエンが高選択的に得られるのか、
その理由は以下のようであると、本発明者らは考えてい
る。金属水酸化物より調製されたシクロペンタジエニル
金属とアルキル化剤の反応は該溶媒中で起こるが、反応
によって生成するアルキルシクロペンタジエンの該溶媒
に対する溶解度が低いため、該溶媒から相分離し、相分
離することにより生成物のアルキルシクロペンタジエン
とシクロペンタジエニル金属のような強塩基との接触が
妨げられ、その結果アルキルシクロペンタジエニルアニ
オン経由の異性化が起こらず、5−体および/または1
−体が選択的に得られるものと考えられる。本方法で
は、従来技術(6)とは異なり、アルキル化剤の反応性
が5−体および/または1−体の選択性に何ら影響を及
ぼさないこと、また滴下順序の影響がないこと、反応操
作に特殊な工夫が要らないことがわかった。これは生成
物のアルキルシクロペンタジエンと、強塩基であるシク
ロペンタジエニル金属とを、相分離により接触させない
という原理から理解できる。今まで述べたような相分離
により、生成物のアルキルシクロペンタジエンとシクロ
ペンタジエニル金属のような強塩基とを接触させないで
5−体および/または1−体の選択性を高めるという概
念は今までになく、本発明者らの鋭意検討した結果初め
て得られた概念である。5−体および/または1−体を
選択的に得る従来技術は全て均一系の反応であり、5−
体および/または1−体の選択性と反応場の相の状態を
関連づけたものは、従来、皆無であり、従来技術から容
易に類推されるものではない。
【0022】従来技術の(3)に記載した、4級アンモ
ニウム塩などの相間移動触媒の存在下、金属水酸化物た
とえば水酸化ナトリウムの水溶液中でシクロペンタジエ
ンを反応させてシクロペンタジエニルナトリウムを調製
し、これにハロゲン化アルキルを加える方法も、金属水
酸化物を使う点と反応が二液相という意味で、外見上類
似しているかのような印象があるが、反応システムは全
く異なるものである。従来技術(3)でも二液相である
が、アルキル化剤を添加する前は、水と金属水酸化物か
ら成る水相とシクロペンタジエンとシクロペンタジエニ
ルナトリウムから成る有機相の二相であり、静置状態で
は水相が下相となる。ここにアルキル化剤を添加すると
有機相中でシクロペンタジエニルナトリウムと反応し、
生成したアルキルシクロペンタジエンはそのまま有機相
にとどまるため、有機相中で生成物のアルキルシクロペ
ンタジエンとシクロペンタジエニルナトリウムが接触す
ることになり、アルキルシクロペンタジエニルアニオン
経由で異性化し、その結果平衡組成しか得られないこと
になる。本発明の反応系では、これとは相の構成成分が
異なり、シクロペンタジエニルアルカリ金属と有機溶媒
からなる均一相にアルキル化剤を添加すると、生成した
アルキルシクロペンタジエンはすぐさま相分離し、アル
キルシクロペンタジエン相を形成し、シクロペンタジエ
ニルアルカリ金属との接触を遮断されるのである。
【0023】金属水酸化物を用いて、5−および/また
は1−アルキルシクロペンタジエンを高選択的に得てい
る従来技術はなく、金属水酸化物を用いた場合には、得
られるアルキルシクロペンタジエンは、1−アルキルシ
クロペンタジエンと2−がほぼ等量の平衡混合物でしか
なかった。以上述べたように、安価で取り扱い容易なア
ルカリ金属水酸化物または金属アルコキシドから選ばれ
る少なくとも1種を用い、生成物のアルキルシクロペン
タジエンと二液相を形成する溶媒を用いることによっ
て、5−体および/または1−体を選択的に得る方法を
見出したのは、いかに生成物のアルキルシクロペンタジ
エンとシクロペンタジエニルアルカリ金属との接触を防
ぎ、アルキルシクロペンタジエニルアニオン経由の異性
化を防止するか、という本発明者らの詳細な検討による
ものであった。そして5−アルキルシクロペンタジエン
は、室温付近で熱により選択的に1−アルキルシクロペ
ンタジエンに異性化されるので、結局、1−アルキルシ
クロペンタジエンが高選択的に得られるのである。
【0024】以下、本発明の構成要件について詳述す
る。本発明のシクロペンタジエニル金属調製工程は、溶
媒中でシクロペンタジエンと金属水酸化物を反応させ、
シクロペンタジエニル金属を生成する工程である。シク
ロペンタジエニル金属は溶媒中では実際には、シクロペ
ンタジエニルアニオンと金属イオンとにイオン化して溶
解している。金属水酸化物はシクロペンタジエンから水
素を引き抜く塩基として作用している。本発明で用いら
れる金属水酸化物は、アルカリ金属の水酸化物、アルカ
リ土類金属の水酸化物であり、例えば、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化バリウム等が挙げられるが、好ましく
は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。た
だし水酸化ナトリウムの場合、シクロペンタジエンと反
応してシクロペンタジエニル金属を調製する際、析出物
の発生を伴う場合が多く、この場合は水酸化カリウムを
用いる方が好ましい。水酸化カリウムを用いる場合、フ
レーク状、粒状、水溶液を問わず、一般に市販されてい
るグレードでかまわない。
【0025】シクロペンタジエニル金属を調製する際に
用いる溶媒については、シクロペンタジエニル金属を溶
解するする溶媒であれば、どのような溶媒でも用いるこ
とができ、脱水等の特別な処理は必要ない。ただし次の
アルキル化工程でアルキル化剤との反応に悪影響を与え
るような溶媒の場合、シクロペンタジエニル金属調製
後、アルキル化剤との反応の前に一旦溶媒を留去する工
程が必要となり煩雑となる。従って、次工程のアルキル
化工程に用いる溶媒を、このシクロペンタジエニル金属
調製時にも使用することが、溶媒留去工程を省ける点か
ら好ましい。シクロペンタジエンと金属水酸化物との量
比は、特に限定されるものではない。通常、シクロペン
タジエンに対する金属水酸化物のモル比は、0.1から
10の範囲であり、好ましくは0.5から2の範囲であ
り、さらに好ましくは0.8から1.5の範囲である。
【0026】シクロペンタジエニル金属調整時の反応温
度は、−10℃から溶媒の沸点温度まで採用できるが、
低すぎると反応が進みにくく、高すぎるとシクロペンタ
ジエンの二量化が進みジシクロペンタジエンを生成しや
すいので、好ましくは0℃から80℃、さらに好ましく
は10℃から50℃である。圧力は常圧もしくは加圧下
で実施できる。シクロペンタジエンの常圧での沸点は約
40℃なので、常圧−開放系で行う場合には、シクロペ
ンタジエンのロスを防ぐために還流冷却器を備えた反応
器で実施する方がよい。またシクロペンタジエンと金属
水酸化物との反応は発熱反応であるため、所定の反応温
度を維持するための工夫を反応器に加えた方が良い。ま
たシクロペンタジエニル金属は空気中の酸素で容易に酸
化されやすいので、酸化を防ぐために窒素などのような
不活性ガスで反応系をシールした方が好ましい。反応時
間は通常10分から6時間である。シクロペンタジエニ
ル金属調製時の溶媒に、次工程のアルキル化工程で使う
ものと同じ溶媒を用いた場合、本工程で得られるシクロ
ペンタジエニル金属溶液をそのまま何の後処理をするこ
となくアルキル化工程に供することができる。ただしシ
クロペンタジエニル金属調製工程の反応で生成する水を
アルキル化工程に移る前に分離除去してもかまわない。
例えば水より高沸点の溶媒を用いたときには、蒸留によ
り水を除去することができる。アルキル化工程は、前の
工程で得られたシクロペンタジエニル金属とアルキル化
剤との反応により、アルキルシクロペンタジエンを得る
工程である。
【0027】本発明でいうアルキル化剤とは、一般式R
−Xで表される。ただし、Rは、水素、または直鎖また
は分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シ
クロアルキル基を表し、直鎖状または分岐状を問わな
い。また不飽和結合が含まれていてもかまわない。また
酸素、ケイ素、ハロゲンなどのヘテロ原子が含まれてい
てもかまわない。アルキル基としては例えば、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−
メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、
1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−
メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペン
チル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オ
クチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n
−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテ
ニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられ
る。アルケニル基としては一般式−CH=CR9 10
表され、アルキニル基としては一般式−CH=C−R9
で表される。R9 、R10は水素または炭化水素基であ
り、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、
3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メ
チルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチ
ル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n
−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、
n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−
ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセ
ニルなどが挙げられる。シクロアルキル基としては、例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
1−シクロペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−
1−イル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、1
−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1
−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1,3−シク
ロヘキサジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエ
ン−1−イル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテン−
1−イル、2−シクロヘプテン−1−イル、3−シクロ
ヘプテン−1−イル、4−シクロヘプテン−1−イル、
シクロオクチル、1−シクロオクテン−1−イル、2−
シクロオクテン−1−イル、シクロノニル、シクロデシ
ルなどが挙げられる。また酸素が含まれるものとして
は、今まで述べた基に一般式−OR11や一般式−COO
12で表される置換基が付いたものが挙げられる。R11
やR12は水素または炭化水素基であり例えば、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−
メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、
1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−
メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペン
チル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オ
クチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n
−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテ
ニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられ
る。また今まで述べた基にケイ素やフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素のようなハロゲンが含まれていてもかまわな
い。Xはハロゲン原子、パラトルエンスルホネート基ま
たはアルキルスルホネート基を表す。
【0028】アルキル化工程の溶媒は、生成物のアルキ
ルシクロペンタジエンと二液相を形成し、かつシクロペ
ンタジエニル金属を溶解するような溶媒である。さら
に、シクロペンタジエニル金属とアルキル化剤の反応
は、シクロペンタジエニル金属中のシクロペンタジエニ
ルアニオンがアルキル化剤を求核攻撃することが第一段
階なので、シクロペンタジエニルアニオンに対する溶媒
和が少ない溶媒が好ましい。従って、水素結合するよう
な酸性の水素を持たず、アニオンへの溶媒和が小さく、
かつ強い極性によりシクロペンタジエニル金属の金属イ
オンを強く溶媒和することでシクロペンタジエニル金属
を溶解するような溶媒、即ち、非プロトン性極性溶媒
で、かつ生成物のアルキルシクロペンタジエンと二液相
を形成するような溶媒が好ましい。このような溶媒とし
ては、スルホン化合物やスルホキシド化合物が挙げら
れ、例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシドやジエ
チルスルホキシドなどである。さらに好ましくはジメチ
ルスルホキシドである。非プロトン性極性溶媒であって
も生成物のアルキルシクロペンタジエンと二液相を形成
しない溶媒では、5−および/または1−アルキルシク
ロペンタジエンを高選択的に得ることはできない。例え
ば、アセトニトリルやテトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノンは代表的な非プロト
ン性極性溶媒であるが、生成物のアルキルシクロペンタ
ジエンとは二液相を形成せず、5−および/または1−
アルキルシクロペンタジエンを高選択的に得ることはで
きない。
【0029】また、生成物のアルキルシクロペンタジエ
ンと、アルキルシクロペンタジエンと二液相を形成する
溶媒との相分離を補助する目的で、炭化水素系溶媒を追
加的に添加して用いることは効果的である。アルキルシ
クロペンタジエンと二液相を形成する溶媒と均一相とな
ってしまう炭化水素系溶媒は好ましくなく、好ましくは
脂肪族炭化水素である。あまり沸点が低いと操作中のロ
スが多いので、さらに好ましくは炭素数6以上の脂肪族
炭化水素である。直鎖状もしくは分岐状を問わない。例
えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン
などが好適に挙げられる。なお、本発明の効果を阻害し
ない範囲で、上記以外の溶媒を併用してもかまわない。
【0030】生成物のアルキルシクロペンタジエンと二
液相を形成する非プロトン性極性溶媒の使用量は重要で
あり、目的とするアルキルシクロペンタジエンの異性体
を高い選択率で得るためには、シクロペンタジエニル金
属に対してモル比で4倍モル以上であり、好ましくは6
倍モル以上である。4倍モルより少ないと、2−アルキ
ルシクロペンタジエンの生成が増加する傾向にある。理
由は明確ではないが、溶媒が少ないと、相対的にアルキ
ルシクロペンタジエン相に含まれるシクロペンタジエニ
ル金属の量が増えるためではないかと、本発明者らは考
えている。さらに、炭化水素を追加的に添加せず、アル
キル化剤にシクロペンタジエニル金属溶液を滴下すると
きには、10倍モル以上用いることが好ましい。用いる
溶媒量によりアルキルシクロペンタジエンの異性体比が
変化する事実は、従来技術の均一系反応では観られなか
ったことであり、本発明のアルキル化工程が二相反応で
進むことに特有の事象である。
【0031】アルキル化工程における反応は、以下の二
相を形成しながら進行する。 (A相)アルキルシクロペンタジエンを主成分とする
相。炭化水素を共存させるときは、炭化水素とアルキル
シクロペンタジエンがA相の主成分となる。 (B相)アルキルシクロペンタジエンと二液相を形成す
る溶媒、とシクロペンタジエニル金属を主成分とする
相。アルキル化剤とシクロペンタジエニル金属はB相で
反応し、反応で生成したアルキルシクロペンタジエンは
すぐざまA相に移行し、強塩基であるシクロペンタジエ
ニル金属と接触しない。
【0032】シクロペンタジエニル金属とアルキル化剤
との量比は、特に限定されるものではない。シクロペン
タジエニル金属に対するアルキル化剤のモル比は、通
常、0.1から10の範囲である。好ましくは0.5か
ら3、さらに好ましくは0.8から1.2である。従来
技術(6)の場合、この比が1未満であると、反応系内
にシクロペンタジエニル金属がフリーで存在することに
なるため、結果的に5−体および/または1−体を高選
択的に得ることはできないが、本発明の場合には相分離
を利用するため、このような制限がない。このことは、
反応操作上、運転許容幅が広い、という意味で利点であ
る。特に、連続的に反応を行おうとする場合、大きな利
点となる。
【0033】アルキル化工程の反応温度は−20℃から
30℃の範囲であり、好ましくは−10℃から25℃の
範囲である。さらに好ましくは−5から10℃の範囲で
ある。−20℃より低い温度では反応が遅く、30℃よ
り高い温度では2−アルキルシクロペンタジエンの生成
が増加するからである。反応操作としては、シクロペン
タジエニル金属溶液にアルキル化剤を滴下または少量ず
つ添加しても良いし、アルキル化剤にシクロペンタジエ
ニル金属溶液を滴下または少量ずつ添加しても良い。ま
た−20℃より低い温度でシクロペンタジエニル金属と
アルキル化剤を混合後、−20℃から25℃に昇温させ
て反応させても良い。また反応による発熱を効果的に除
去でき、上記温度範囲内に反応温度を維持できる反応装
置であれば、シクロペンタジエニル金属とアルキル化剤
を一度に混合させ、それと同時に反応を起こさせても良
い。スタティックミキサーのような撹拌作用の付いた管
型反応器に、両者をフィードしながら反応させる形式で
も良い。本発明の方法は、5−体および/または1−体
の高選択的生成を相分離というシステムで実現している
ため、従来技術(6)のように反応操作に特別の工夫は
要らないのである。
【0034】反応系内に存在する水分量は、金属水酸化
物を用いてシクロペンタジエニル金属調製した時に生成
する水分も含め、特に制限はない。従って、本発明で
は、使用する溶媒や原料に関し、特別の脱水操作をする
必要はなく、溶媒等を回収使用する際に、大きな利点と
なる。シクロペンタジエニル金属とアルキル化剤との反
応は、槽型反応器で実施する場合には、撹拌下実施する
のが良い。好ましくは反応液1立方メートルあたり0.
1kW以上の撹拌強度で実施するのが好ましい。さらに
好ましくは、反応液1立方メートルあたり0.2kW以
上である。0.1kW/m3 より小さいと反応の進行が
遅くなるばかりか、5−および/または1−アルキルシ
クロペンタジエンの選択性が低下するからである。アル
キル化反応中は、窒素のような不活性ガスで反応系をシ
ールした方が好ましい。未反応のシクロペンタジエニル
金属が空気中の酸素により酸化されやすく、シクロペン
タジエニル金属の酸化が起こると、次に述べる後処理操
作において、二液相になっている反応液の液々界面付近
に不溶物が浮遊し、分層操作に困難をきたす場合がある
からである。
【0035】アルキル化終了後の後処理操作は以下の通
りである。反応終了後は、反応液は二液相を形成してお
り、先ず下相を抜液して上相のアルキルシクロペンタジ
エンを含む相を取り出し、この中に微量含まれるアルカ
リ分を除去するために、液がアルカリを呈しないまで水
洗を繰り返しても良いし、一旦塩酸や硫酸などの鉱酸を
加えて酸性にした後、水洗しても良い。この際ヘキサン
などの炭化水素を添加してもかまわない。また反応終了
後の二液相を形成している反応液に、先ず鉱酸を加えて
系全体を酸性にしたあと、下相を抜液しても良い。後処
理操作中の液温度も重要であり、30℃を越えないのが
好ましい。30℃を越えると2−アルキルシクロペンタ
ジエンの生成が後処理操作中に増大する傾向にあるから
である。実質的に1−アルキルシクロペンタジエンを得
ようとするときには、5−および1−アルキルシクロペ
ンタジエンの混合物中の5−アルキルシクロペンタジエ
ンを選択的に1−アルキルシクロペンタジエンに熱異性
化する、異性化工程を後処理後に追加すればよい。
【0036】異性化工程は、アルキル化工程で得られた
アルキルシクロペンタジエン中の5−アルキルシクロペ
ンタジエンをに熱により1−体に異性化する工程であ
る。後処理操作後に得られるアルキルシクロペンタジエ
ンを主成分とする液には、シクロペンタジエニル金属な
どの強塩基が存在しないため、異性化は熱による1,2
−水素移動により実現される。5−体から1−体への熱
による異性化は可逆反応であるが、1−体の方に平衡が
偏っているので、5−体は異性化後、非常に少量しか存
在し得ない。一方、1−体から2−体への異性化も起こ
り、これも可逆反応で、平衡組成は先に述べたように1
−体と2−体がほぼ1対1の比となるが、この異性化は
5−体から1−体への異性化に比べて遅い。従って、5
−体と1−体の混合物をある温度において必要な時間だ
け保つことにより、5−体から1−体への異性化のみを
進行させ、1−体を主生成物とすることができる。異性
化においては5−体と1−体を含む液を静置しても良い
し、撹拌しても良い。異性化の温度は、0℃から40℃
の範囲である。0℃より低いと異性化の進行が遅く実用
的でなく、高すぎると異性化の進行は速くなるが、同時
に望ましくない異性体である2−体の生成も促進されて
しまい、制御が困難になってしまう。異性化に必要な時
間は、温度条件や異性化開始時の異性体比等によって異
なるため一概には言えないが、おおよそ以下の通りであ
る。異性化温度10℃では8から40時間程度、20℃
では3から30時間程度、30℃では30分から10時
間程度である。異性化の時間がこれより短いと5−体の
残存が多く、長すぎると2−体の生成が増大する傾向に
ある。
【0037】本発明を実施する形態としては、回分方
式、半回分方式、または連続方式のいずれの形態でも実
施できる。本発明を連続方式で実施する場合のフロー図
を図1と図2に示すが、本発明の実施形態がこれに限定
されるものではない。図1はアルキルシクロペンタジエ
ンの脂肪族炭化水素溶液を取得するフローであり、図2
は精製されたアルキルシクロペンタジエンを単離するフ
ローである。図中番号(7)で表される、シクロペンタ
ジエニル金属とアルキル化剤との反応を行う反応器は、
撹拌機の付いた槽型反応器でも良いし、スタティックミ
キサー等の撹拌作用を持つ管型反応器でもかまわない。
図1、図2中の各番号が表すものは下記の通りである。
(1)金属水酸化物、(2)シクロペンタジエン、
(3)生成物のアルキルシクロペンタジエンと二液相を
形成する溶媒(フレッシュメークアップ分)、(4)シ
クロペンタジエニル金属調製槽、(5)アルキル化剤貯
糟、(6)相分離を補助する脂肪族炭化水素、(7)シ
クロペンタジエニル金属とアルキル化剤の反応器、
(8)デカンター、(9)デカンターでの下相:生成物
のアルキルシクロペンタジエンと二液相を形成する溶媒
が主成分、(10)デカンターでの上相:脂肪族炭化水
素とアルキルシクロペンタジエンが主成分、(11)溶
媒回収系:蒸留等の常法が採用できる、(12)抽出
塔、(13)酸および/または水、(14)アルキルシ
クロペンタジエンと脂肪族炭化水素、(15)廃水、
(16)アルキルシクロペンタジエンと二液相を形成す
る溶媒(リサイクル分)、(17)脂肪族炭化水素回収
塔、(18)回収された脂肪族炭化水素、(19)粗ア
ルキルシクロペンタジエン、(20)精製塔、(21)
精製アルキルシクロペンタジエン、(22)釜残。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明する
が、本発明は以下の例によって限定されるものではな
い。本発明の生成物のガスクロマトグラフィーによる分
析条件を次に示す。 ・アルキルシクロペンタジエンの分析 装置:島津製作所GC−14A、島津製作所クロマトパ
ックCR−4A カラム:J&Wサイエンティフィック社キャピラリーカ
ラムDB−1(長さ30m×内径0.25mm、液相膜
厚0.25μm) 温度条件:カラム40℃×5分→250℃(10℃/
分)。注入口60℃、検出器250℃(FID)
【0039】本発明の実施例で使用した試薬類は下記の
とおりである。 ・シクロペンタジエン ジシクロペンタジエン(和光純薬工業(株)製)を16
0℃で熱分解して製造した。 ・水酸化カリウム 85%水酸化カリウム:片山化学工業(株)製 96%水酸化カリウム:日本曹達(株)製 ・水酸化ナトリウム:片山化学工業(株)製 ・水酸化リチウム:和光純薬工業(株)製 ・水酸化ルビジウム:石津製薬(株)製 ・水酸化セシウム:キシダ化学(株)製 ・イソプロピルブロマイド:東京化成工業(株)製 ・n−エチルブロマイド:東京化成工業(株)製 ・n−プロピルブロマイド:東京化成工業(株)製 ・ジメチルスルホキシド:和光純薬工業(株)製 特級 ・アセトニトリル:和光純薬工業(株)製 特級 ・ジメチルホルムアミド:和光純薬工業(株)製 特級 ・1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン:和光純薬
工業(株)製 特級 ・n−ヘキサン:和光純薬工業(株)製 特級 ・n−ヘプタン:和光純薬工業(株)製 特級 ・nーオクタン:和光純薬工業(株)製 特級 ・ジクロロ酢酸クロライド:東京化成工業(株)製 ・トリエチルアミン:和光純薬工業(株)製 特級 ・酢酸:片山化学工業(株)製 特級 ・アセトン:片山化学工業(株)製 一級 ・ターシャリーブタノール:和光純薬工業(株)製 特
級 ・テトラヒドロフラン:和光純薬工業(株)製 特級 ・エタノール:和光純薬工業(株)製99.8%
【0040】
【実施例】(実施例1)ジメチルスルホキシド281.
3g(3.6mol)にシクロペンタジエン49.3g
(純度96.3%、0.72mol)、水酸化カリウム
39.6g(純度85%、0.60mol)を加え、窒
素気流下、室温で1.5時間撹拌することによってシク
ロペンタジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジ
エニルカリウムに対するジメチルスルホキシドの量はモ
ル比で6.0であった。また、シクロペンタジエニルカ
リウムに対する水分量はモル比で1.6であった。該シ
クロペンタジエニルカリウム溶液にn−ヘキサン14
0.0gを加えた後、溶液温度を5℃に保ち、撹拌しな
がら、イソプロピルブロマイド147.6g(1.2m
ol)を50分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸
およびn−ヘキサンを加えた後有機層を分離し、イソプ
ロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液309
gを得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、イソプロピルシクロペンタジエン
の収率95.9%(0.58mol)、異性体の比率は
1−体:5−体:2−体=27.0:65.1:7.9
であった。
【0041】(実施例2)ジメチルスルホキシド28
1.4g(3.602mol)にシクロペンタジエン4
9.8g(純度95.74%、0.721mol)、水
酸化カリウム39.66g(純度85%、0.601m
ol)を加え、窒素気流下、室温で1.5時間撹拌する
ことによってシクロペンタジエニルカリウム溶液を得
た。シクロペンタジエニルカリウムに対するジメチルス
ルホキシドの量はモル比で6.0であった。該シクロペ
ンタジエニルカリウム溶液の温度を5℃に保ちながら、
n−プロピルブロマイド88.78g(0.722mo
l)を50分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸お
よびn−ヘキサンを加えた後有機層を分離し、n−プロ
ピルシクロペンタジエン含有のn−ヘキサン溶液を得
た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィーで分
析したところ、n−プロピルシクロペンタジエンの収率
92.1%(0.554mol)、異性体の比率は1−
体:5−体:2−体=50.8:36.7:12.5で
あった。
【0042】(実施例3)ジメチルスルホキシド23
4.9g(3.01mol)にシクロペンタジエン4
1.3g(純度95.74%、0.598mol)、水
酸化カリウム33.07g(純度85%、0.501m
ol)を加え、窒素気流下、室温で1.5時間撹拌する
ことによってシクロペンタジエニルカリウム溶液を得
た。シクロペンタジエニルカリウムに対するジメチルス
ルホキシドの量はモル比で6.0であった。該シクロペ
ンタジエニルカリウム溶液の温度を5℃に保ちながら、
エチルブロマイド65.59g(0.602mol)を
50分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸およびn
−ヘキサンを加えた後有機層を分離し、エチルシクロペ
ンタジエン含有のn−ヘキサン溶液を得た。該n−ヘキ
サン溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
エチルシクロペンタジエンの収率92.9%(0.46
5mol)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=
35.7:46.4:17.9であった。
【0043】(実施例4)イソプロピル化工程におい
て、シクロペンタジエニルカリウムに対するジメチルス
ルホキシドのモル比を変え、かつイソプロピルブロマイ
ド滴下終了後1N塩酸およびヘキサンを加えずに下層を
抜液した例を以下に示す(それ以外の条件は実施例1と
同様にして行った)。ジメチルスルホキシド233.7
g(3.0mol)にシクロペンタジエン49.8g
(純度95.1%、0.72mol)、水酸化カリウム
39.5g(純度85%、0.60mol)を加え、窒
素気流下、室温で1.5時間撹拌することによってシク
ロペンタジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジ
エニルカリウムに対するジメチルスルホキシドの量はモ
ル比で5.0であった。該シクロペンタジエニルカリウ
ム溶液にn−ヘキサン140.5gを加えた後、溶液温
度を5℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド14
7.4g(1.2mol)を45分かけて滴下した。滴
下終了後、有機層を分離し、イソプロピルシクロペンタ
ジエン含有n−ヘキサン溶液270gを得た。該n−ヘ
キサン溶液をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、イソプロピルシクロペンタジエンの収率93.8%
(0.56mol)、異性体の比率は1−体:5−体:
2−体=22.2:65.0:12.8であった。
【0044】(実施例5)以下にシクロペンタジエニル
カリウムに対するジメチルスルホキシドのモル比を変え
てイソプロピル化を行った例を示す(それ以外の条件は
実施例1と同様にして行った)。ジメチルスルホキシド
140.7g(1.8mol)にシクロペンタジエン4
9.4g(純度95.1%、0.71mol)、水酸化
カリウム39.4(純度85%、0.60mol)を加
え、窒素気流下、室温で1.5時間撹拌することによっ
てシクロペンタジエニルカリウム溶液を得た。シクロペ
ンタジエニルカリウムに対するジメチルスルホキシドの
量はモル比で3.0であった。該シクロペンタジエニル
カリウム溶液にn−ヘキサン140.9gを加えた後、
溶液温度を5℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド
147.4g(1.2mol)を50分かけて滴下し
た。滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた
後有機層を分離し、イソプロピルシクロペンタジエン含
有n−ヘキサン溶液307gを得た。該n−ヘキサン溶
液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソプ
ロピルシクロペンタジエンの収率52.8%(0.31
mol)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=3
3.7:31.6:34.7であった。
【0045】(実施例6)以下に、シクロペンタジエニ
ルカリウム溶液を滴下してイソプロピル化を行った例を
示す(それ以外の条件は実施例1と同様にして行っ
た)。ジメチルスルホキシド281.3g(3.6mo
l)にシクロペンタジエン49.3g(純度95.7
%、0.71mol)、水酸化カリウム39.6g(純
度85%、0.60mol)を加え、窒素気流下、室温
で1.5時間撹拌することによってシクロペンタジエニ
ルカリウム溶液を得た。シクロペンタジエニルカリウム
に対するジメチルスルホキシドの量はモル比で6.0で
あった。イソプロピルブロマイド147.6g(1.2
mol)にn−ヘキサン140.0gを加えた後、溶液
温度を10℃に保ちながら、上記のシクロペンタジエニ
ルカリウム溶液を70分かけて滴下した。滴下終了後、
1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた後有機層を分離
し、イソプロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサン
溶液309gを得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、イソプロピルシクロペ
ンタジエンの収率94.9%(0.57mol)、異性
体の比率は1−体:5−体:2−体=40.9:50.
5:8.6であった。
【0046】(実施例7)以下に、脂肪族炭化水素を添
加せず、かつシクロペンタジエニルカリウムに対するジ
メチルスルホキシドのモル比を変えてイソプロピル化を
行った例を示す(それ以外の条件は実施例1と同様にし
て行った)。ジメチルスルホキシド469.3g(6.
0mol)にシクロペンタジエン42.1g(純度9
4.5%、0.60mol)、水酸化カリウム33.2
g(純度85%、0.50mol)を加え、窒素気流
下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロペン
タジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジエニル
カリウムに対するジメチルスルホキシドの量はモル比で
11.9であった。該シクロペンタジエニルカリウム溶
液の温度を5℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド
124.1g(1.0mol)を55分かけて滴下し
た。滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた
後有機層を分離し、イソプロピルシクロペンタジエン含
有n−ヘキサン溶液259gを得た。該n−ヘキサン溶
液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソプ
ロピルシクロペンタジエンの収率93.6%(0.47
mol)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=4
2.5:42.8:14.7であった。
【0047】(実施例8)以下に、脂肪族炭化水素を添
加せずにイソプロピル化を行った例を示す(それ以外の
条件は実施例1と同様にして行った)。ジメチルスルホ
キシド273.5g(3.5mol)にシクロペンタジ
エン49.4g(純度94.7%、0.71mol)、
水酸化カリウム38.5g(純度85%、0.58mo
l)を加え、窒素気流下、室温で1.5時間撹拌するこ
とによってシクロペンタジエニルカリウム溶液を得た。
シクロペンタジエニルカリウムに対するジメチルスルホ
キシドの量はモル比で6.0であった。該シクロペンタ
ジエニルカリウム溶液の温度を5℃に保ちながら、イソ
プロピルブロマイド143.3g(1.2mol)を5
0分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸およびn−
ヘキサンを加えた後有機層を分離し、イソプロピルシク
ロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液300gを得た。
該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、イソプロピルシクロペンタジエンの収率9
4.7%(0.55mol)、異性体の比率は1−体:
5−体:2−体=36.2:50.8:13.0であっ
た。
【0048】(実施例9)以下に、脂肪族炭化水素を添
加せず、かつシクロペンタジエニルカリウムに対するジ
メチルスルホキシドのモル比を変えてイソプロピル化を
行った例を示す(それ以外の条件は実施例1と同様にし
て行った)。ジメチルスルホキシド213.7g(2.
7mol)にシクロペンタジエン75.1g(純度9
4.5%、1.07mol)、水酸化カリウム59.2
g(純度85%、0.90mol)を加え、窒素気流
下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロペン
タジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジエニル
カリウムに対するジメチルスルホキシドの量はモル比で
3.0であった。該シクロペンタジエニルカリウム溶液
の温度を5℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド2
20.7g(1.8mol)を80分かけて滴下した。
滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた後有
機層を分離し、イソプロピルシクロペンタジエン含有n
−ヘキサン溶液462gを得た。該n−ヘキサン溶液を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソプロピ
ルシクロペンタジエンの収率99.0%(0.89mo
l)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=41.
6:28.7:29.7であった。
【0049】(実施例10)以下に、脂肪族炭化水素を
添加せず、かつシクロペンタジエニルカリウム溶液を滴
下してイソプロピル化を行った例を示す(それ以外の条
件は実施例1と同様にして行った)。ジメチルスルホキ
シド1342.3g(17.2mol)にシクロペンタ
ジエン128.5g(純度88.2%、1.72mo
l)、水酸化カリウム91.5g(純度88%、1.4
3mol)を加え、窒素気流下、室温で1.5時間撹拌
することによってシクロペンタジエニルカリウム溶液を
得た。シクロペンタジエニルカリウムに対するジメチル
スルホキシドの量はモル比で12.0であった。イソプ
ロピルブロマイド352.0g(2.9mol)に、液
温度を10℃に保ちながら、上記のシクロペンタジエニ
ルカリウム溶液を170分かけて滴下した。滴下終了
後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた後有機層を分
離し、イソプロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサ
ン溶液709gを得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロ
マトグラフィーで分析したところ、イソプロピルシクロ
ペンタジエンの収率93.0%(1.33mol)、異
性体の比率は1−体:5−体:2−体=49.8:4
3.4:6.8であった。
【0050】(実施例11)以下に、脂肪族炭化水素を
添加せず、かつシクロペンタジエニルカリウム溶液を滴
下してイソプロピル化を行った例を示す(それ以外の条
件は実施例1と同様にして行った)。ジメチルスルホキ
シド180.3g(2.3mol)にシクロペンタジエ
ン19.6g(純度94.0%、0.28mol)、水
酸化カリウム14.7g(純度87%、0.23mo
l)を加え、窒素気流下、室温で1.5時間撹拌するこ
とによってシクロペンタジエニルカリウム溶液を得た。
シクロペンタジエニルカリウムに対するジメチルスルホ
キシドの量はモル比で10.2であった。イソプロピル
ブロマイド49.6g(0.4mol)に、液温度を0
℃に保ちながら、上記のシクロペンタジエニルカリウム
溶液を120分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸
およびn−ヘキサンを加えた後有機層を分離し、イソプ
ロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液117
gを得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、イソプロピルシクロペンタジエン
の収率93.7%(0.21mol)、異性体の比率は
1−体:5−体:2−体=40.1:53.2:6.7
であった。
【0051】(実施例12)以下に、脂肪族炭化水素を
添加せず、かつシクロペンタジエニルカリウム溶液を滴
下してイソプロピル化を行った例を示す(それ以外の条
件は実施例1と同様にして行った)。ジメチルスルホキ
シド330.0g(4.2mol)にシクロペンタジエ
ン35.0g(純度95.0%、0.50mol)、水
酸化カリウム31.7g(純度85%、0.48mo
l)を加え、窒素気流下、室温で1.5時間撹拌するこ
とによってシクロペンタジエニルカリウム溶液を得た。
シクロペンタジエニルカリウムに対するジメチルスルホ
キシドの量はモル比で8.8であった。イソプロピルブ
ロマイド106.4g(0.9mol)に、液温度を5
℃に保ちながら、上記のシクロペンタジエニルカリウム
溶液を160分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸
およびn−ヘキサンを加えた後有機層を分離し、イソプ
ロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液247
gを得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、イソプロピルシクロペンタジエン
の収率99.0%(0.47mol)、異性体の比率は
1−体:5−体:2−体=43.9:18.8:37.
3であった。
【0052】(実施例13)以下に、イソプロピル化工
程を20℃で行った例を示す(それ以外の条件は実施例
1と同様)。ジメチルスルホキシド281.4g(3.
6mol)にシクロペンタジエン49.4g(純度9
5.12%、0.71mol)、水酸化カリウム39.
4g(純度85%、0.60mol)を加え、窒素気流
下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロペン
タジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジエニル
カリウムに対するジメチルスルホキシドの量はモル比で
6.0であった。該シクロペンタジエニルカリウム溶液
にn−ヘキサン140.0gを加えた後、溶液温度を2
0℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド147.5
g(1.2mol)を50分かけて滴下した。滴下終了
後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加た後有機層を分離
し、イソプロピルシクロペンタジエン含有のn−ヘキサ
ン溶液308gを得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロ
マトグラフィーで分析したところ、イソプロピルシクロ
ペンタジエンの収率93.1%(0.56mol)、異
性体の比率は1−体:5−体:2−体=39.0:4
6.9:14.1であった。
【0053】(実施例14)以下に、イソプロピル化工
程を30℃で行った例を示す(それ以外の条件は実施例
1と同様)。ジメチルスルホキシド281.2g(3.
6mol)にシクロペンタジエン49.4g(純度9
5.12%、0.71mol)、水酸化カリウム39.
6g(純度85%、0.60mol)を加え、窒素気流
下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロペン
タジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジエニル
カリウムに対するジメチルスルホキシドの量はモル比で
6.0であった。該シクロペンタジエニルカリウム溶液
にn−ヘキサン140.0gを加えた後、溶液温度を3
0℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド147.4
g(1.2mol)を50分かけて滴下した。滴下終了
後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた後有機層を分
離し、イソプロピルシクロペンタジエン含有のn−ヘキ
サン溶液309gを得た。該n−ヘキサン溶液をガスク
ロマトグラフィーで分析したところ、イソプロピルシク
ロペンタジエンの収率91.9%(0.55mol)、
異性体の比率は1−体:5−体:2−体=49.5:1
3.9:36.6であった。
【0054】(実施例15)含水率の低い水酸化カリウ
ムを用いることで、シクロペンタジエニルカリウム溶液
の水分率を低減した例を以下に示す(それ以外の条件は
実施例1と同様)。ジメチルスルホキシド281.3g
(3.6mol)にシクロペンタジエン50.3g(純
度96.3%、0.73mol)、水酸化カリウム3
5.1g(純度96%、0.60mol)を加え、窒素
気流下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロ
ペンタジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジエ
ニルカリウムに対するジメチルスルホキシドの量はモル
比で6.0であった。また、シクロペンタジエニルカリ
ウムに対する水分量はモル比で1.1であった。該シク
ロペンタジエニルカリウム溶液にn−ヘキサン140.
0gを加えた後、溶液温度を5℃に保ちながら、イソプ
ロピルブロマイド147.6g(1.2mol)を50
分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘ
キサンを加えた後有機層を分離し、イソプロピルシクロ
ペンタジエン含有n−ヘキサン溶液309gを得た。該
n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、イソプロピルシクロペンタジエンの収率90.
0%(0.54mol)、異性体の比率は1−体:5−
体:2−体=19.8:73.4:6.8であった。
【0055】(実施例16)イソプロピル化工程より回
収した高水分率のジメチルスルホキシドを用いてシクロ
ペンタジエニルカリウムを調製した例を以下に示す(そ
れ以外の条件は実施例1と同様)。ジメチルスルホキシ
ド296.0g(水分率5%、3.6mol)にシクロ
ペンタジエン49.0g(純度96.3%、0.71m
ol)、水酸化カリウム39.1g(純度85%、0.
59mol)を加え、窒素気流下、室温で1.5時間撹
拌することによってシクロペンタジエニルカリウム溶液
を得た。シクロペンタジエニルカリウムに対するジメチ
ルスルホキシドの量はモル比で6.1であった。また、
シクロペンタジエニルカリウムに対する水分量はモル比
で2.9であった。該シクロペンタジエニルカリウム溶
液にn−ヘキサン140.0gを加えた後、溶液温度を
5℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド148.0
g(1.2mol)を50分かけて滴下した。滴下終了
後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた後有機層を分
離し、イソプロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサ
ン溶液305gを得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロ
マトグラフィーで分析したところ、イソプロピルシクロ
ペンタジエンの収率89.0%(0.53mol)、異
性体の比率は1−体:5−体:2−体=45.0:3
5.0:20.0であった。
【0056】(実施例17)シクロペンタジエンのアニ
オン化において、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナト
リウムを用いた例を以下に示す(それ以外の条件は実施
例1と同様)。ジメチルスルホキシド281.3g
(3.6mol)にシクロペンタジエン49.4g(純
度96.0%、0.72mol)、水酸化ナトリウム2
5.0g(純度96%、0.60mol)を加え、窒素
気流下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロ
ペンタジエニルナトリウム溶液を得た。シクロペンタジ
エニルナトリウムに対するジメチルスルホキシドの量は
モル比で6.0であった。該シクロペンタジエニルナト
リウム溶液にn−ヘキサン140.0gを加えた後、溶
液温度を5℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド1
48.0g(1.2mol)を50分かけて滴下した。
滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた後有
機層を分離し、イソプロピルシクロペンタジエン含有n
−ヘキサン溶液309gを得た。該n−ヘキサン溶液を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソプロピ
ルシクロペンタジエンの収率51.0%(0.31mo
l)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=19.
9:73.4:6.7であった。
【0057】(実施例18)イソプロピル化工程におい
て、n−ヘキサンの代わりにn−ヘプタンを用いた例を
以下に示す(それ以外の条件は実施例1と同様)。ジメ
チルスルホキシド281.3g(3.6mol)にシク
ロペンタジエン49.7g(純度95.74%、0.7
2mol)、水酸化カリウム39.6g(純度85%、
0.60mol)を加え、窒素気流下、室温で1.5時
間撹拌することによってシクロペンタジエニルカリウム
溶液を得た。シクロペンタジエニルカリウムに対するジ
メチルスルホキシドの量はモル比で6.0であった。該
シクロペンタジエニルカリウム溶液にn−ヘプタン14
2.1gを加えた後、溶液温度を5℃に保ちながら、イ
ソプロピルブロマイド147.6g(1.2mol)を
70分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸およびn
−ヘキサンを加えた後有機層を分離し、イソプロピルシ
クロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液309gを得
た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィーで分
析したところ、イソプロピルシクロペンタジエンの収率
90.4%(0.54mol)、異性体の比率は1−
体:5−体:2−体=31.3:61.2:7.5であ
った。
【0058】(実施例19)イソプロピル化工程におい
て、n−ヘキサンの代わりにn−オクタンを用いた例を
以下に示す(それ以外の条件は実施例1と同様)。8
1.4g(3.6mol)にシクロペンタジエン49.
3g(純度95.74%、0.71mol)、水酸化カ
リウム39.7g(純度85%、0.60mol)を加
え、窒素気流下、室温で1.5時間撹拌することによっ
てシクロペンタジエニルカリウム溶液を得た。シクロペ
ンタジエニルカリウムに対するジメチルスルホキシドの
量はモル比で6.0であった。該シクロペンタジエニル
カリウム溶液にn−オクタン139.1gを加えた後、
溶液温度を5℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド
147.6g(1.2mol)を50分かけて滴下し
た。滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた
後有機層を分離し、イソプロピルシクロペンタジエン含
有n−ヘキサン溶液310gを得た。該n−ヘキサン溶
液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソプ
ロピルシクロペンタジエンの収率78.0%(0.47
mol)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=4
9.1:43.1:7.8であった。
【0059】(実施例20)イソプロピル化工程におい
て、水酸化カリウムの代わりに水酸化リチウム一水和物
を用いた例を以下に示す(それ以外の条件は実施例1と
同様にして行った)。ジメチルスルホキシド280g
(3.6mol)にシクロペンタジエン49.3g(純
度96.8%、0.72mol)、水酸化リチウム一水
和物25.18g(0.60mol)を加え、窒素気流
下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロペン
タジエニルリチウム溶液を得た。シクロペンタジエニル
リチウムに対するジメチルスルホキシドの量はモル比で
6.0であった。該シクロペンタジエニルリチウム溶液
にn−ヘキサン139.5gを加えた後、溶液温度を5
℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド147.6g
(1.2mol)を50分かけて滴下した。滴下終了
後、1N塩酸を加えて塩を溶解した後有機層を分離し、
イソプロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液
を得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィー
で分析したところ、異性体の比率は1−体:5−体:2
−体=21.5:75.2:3.3であった。
【0060】(実施例21)イソプロピル化工程におい
て、水酸化カリウムの代わりに水酸化ルビジウムを用い
た例を以下に示す(それ以外の条件は実施例1と同様に
して行った)。ジメチルスルホキシド22.6g(0.
29mol)にシクロペンタジエン4.05g(純度9
6.8%、0.059mol)、水酸化ルビジウム4.
92g(0.048mol)を加え、窒素気流下、室温
で2時間撹拌することによってシクロペンタジエニルル
ビジウム溶液を得た。シクロペンタジエニルルビジウム
に対するジメチルスルホキシドの量はモル比で6.0で
あった。該シクロペンタジエニルルビジウム溶液にn−
ヘキサン11.31gを加えた後、溶液温度を5℃に保
ちながら、イソプロピルブロマイド11.81g(0.
096mol)を50分かけて滴下した。滴下終了後、
1N塩酸を加えて塩を溶解した後有機層を分離し、イソ
プロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液を得
た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィーで分
析したところ、異性体の比率は1−体:5−体:2−体
=24.0:54.6:21.3であった。
【0061】(実施例22)イソプロピル化工程におい
て、水酸化カリウムの代わりに水酸化セシウム一水和物
を用いた例を以下に示す(それ以外の条件は実施例1と
同様にして行った)。ジメチルスルホキシド280g
(3.6mol)にシクロペンタジエン49.3g(純
度96.8%、0.72mol)、水酸化セシウム一水
和物100.76g(0.60mol)を加え、窒素気
流下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロペ
ンタジエニルセシウム溶液を得た。シクロペンタジエニ
ルセシウムに対するジメチルスルホキシドの量はモル比
で6.0であった。該シクロペンタジエニルセシウム溶
液にn−ヘキサン140.0gを加えた後、溶液温度を
5℃に保ちながら、イソプロピルブロマイド147.6
g(1.2mol)を50分かけて滴下した。滴下終了
後、1N塩酸を加えて塩を溶解した後有機層を分離し、
イソプロピルシクロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液
を得た。該n−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィー
で分析したところ、異性体の比率は1−体:5−体:2
−体=39.1:54.0:6.9であった。
【0062】(比較例1)以下に、イソプロピルシクロ
ペンタジエンと均一に混合する非プロトン性極性溶媒で
あるアセトニトリルを用い、かつ脂肪族炭化水素を添加
せずにイソプロピル化を行った例を示す。アセトニトリ
ル151.4g(3.69mol)にシクロペンタジエ
ン15.9g(純度96.1%、0.23mol)、水
酸化カリウム12.5g(純度85%、0.19mo
l)を加え、窒素気流下、室温で3.5時間撹拌し、さ
らに55℃で2時間加熱することによってシクロペンタ
ジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジエニルカ
リウムに対するアセトニトリルの量はモル比で19.4
であった。イソプロピルブロマイド47.5g(0.3
9mol)に、液温度を5℃に保ちながら、上記のシク
ロペンタジエニルカリウム溶液を120分かけて滴下し
た。滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた
後有機層を分離し、イソプロピルシクロペンタジエン含
有n−ヘキサン溶液を得た。該n−ヘキサン溶液をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、イソプロピルシ
クロペンタジエンの収率47.0%(0.089mo
l)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=44.
3:0.5:55.2であった。
【0063】(比較例2)以下に、イソプロピルシクロ
ペンタジエンと均一に混合する非プロトン性極性溶媒で
あるテトラヒドロフランを用い、かつ脂肪族炭化水素を
添加せずにイソプロピル化を行った例を示す。テトラヒ
ドロフラン180.3g(2.50mol)にシクロペ
ンタジエン19.08g(純度96.1%、0.28m
ol)、水酸化カリウム14.92g(純度85%、
0.23mol)を加え、窒素気流下、室温で2時間撹
拌したが全くシクロペンタジエニルカリウムが生成しな
かった。その後45℃で1時間ついで65℃で1時間加
熱したところ、不溶物が発生したためろ過した後にろ液
を分析するとシクロペンタジエニルカリウムは使用した
KOHに対して僅か0.4%しか生成していなかった。
上記で使用したKOHに対するテトラヒドロフランの量
はモル比で10.9であった。イソプロピルブロマイド
56.6g(0.46mol)に、液温度を5℃に保ち
ながら、上記のろ液を60分かけて滴下した。滴下終了
後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた後有機層を分
離し、n−ヘキサン溶液を得た。該n−ヘキサン溶液を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソプロピ
ルシクロペンタジエンは全く生成していなかった。
【0064】(比較例3)以下に、非プロトン性極性溶
媒以外の溶媒を用いてイソプロピル化を行った例を示
す。n−ヘキサン96.0g(1.1mol)にシクロ
ペンタジエン15.1g(純度96.1%、0.22m
ol)、水酸化カリウム12.5g(純度85%、0.
19mol)を加え、窒素気流下、室温で3時間撹拌し
たが、シクロペンタジエニルカリウムは全く生成しなか
った。
【0065】(比較例4)以下に、非プロトン性極性溶
媒以外の溶媒を用いてイソプロピル化を行った例を示
す。エタノール52.0g(1.1mol)にシクロペ
ンタジエン15.6g(純度96.1%、0.23mo
l)、水酸化カリウム12.5g(純度85%、0.1
9mol)を加え、窒素気流下、室温で3時間撹拌する
ことによってシクロペンタジエニルカリウム溶液を得
た。シクロペンタジエニルカリウムに対するエタノール
の量はモル比で6.0であった。上記のシクロペンタジ
エニルカリウム溶液に、液温度を5℃に保ちながら、イ
ソプロピルブロマイド47.0g(0.38mol)を
120分かけて滴下した。滴下終了後、1N塩酸および
n−ヘキサンを加えた後有機層を分離した。該有機層を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソプロピ
ルシクロペンタジエンは全く生成していなかった。
【0066】(比較例5)以下に、イソプロピルシクロ
ペンタジエンと均一に混合する非プロトン性極性溶媒で
あるジメチルホルムアミドと脂肪族炭化水素を用いてイ
ソプロピル化を行った例を示す。ジメチルホルムアミド
264.4g(3.6mol)にシクロペンタジエン5
0.2g(純度96.0%、0.73mol)、水酸化
カリウム39.6g(純度85%、0.60mol)を
加え、窒素気流下、30℃で2.5時間撹拌することに
よってシクロペンタジエニルカリウム溶液を得た。シク
ロペンタジエニルカリウムに対するジメチルホルムアミ
ドの量はモル比で6.0であった。該シクロペンタジエ
ニルカリウム溶液にn−ヘキサン139.3gを加えた
後、溶液温度を5℃に保ちながら、イソプロピルブロマ
イド147.6g(1.2mol)を60分かけて滴下
した。滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加え
た後有機層を分離し、イソプロピルシクロペンタジエン
含有n−ヘキサン溶液を得た。該n−ヘキサン溶液をガ
スクロマトグラフィーで分析したところ、イソプロピル
シクロペンタジエンの収率89.2%(0.54mo
l)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=40.
7:0.3:59.0であった。
【0067】(比較例6)以下に、イソプロピルシクロ
ペンタジエンと均一に混合する非プロトン性極性溶媒で
ある1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと脂肪族
炭化水素を用いてイソプロピル化を行った例を示す。
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン410.9g
(3.6mol)にシクロペンタジエン51.1g(純
度96.0%、0.74mol)、水酸化カリウム3
9.7g(純度85%、0.60mol)を加え、窒素
気流下、室温で1.5時間撹拌することによってシクロ
ペンタジエニルカリウム溶液を得た。シクロペンタジエ
ニルカリウムに対する1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノンの量はモル比で6.0であった。該シクロペン
タジエニルカリウム溶液にn−ヘキサン141.3gを
加えた後、溶液温度を5℃に保ちながら、イソプロピル
ブロマイド147.5g(1.2mol)を60分かけ
て滴下した。滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサン
を加えた後有機層を分離し、イソプロピルシクロペンタ
ジエン含有n−ヘキサン溶液を得た。該n−ヘキサン溶
液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソプ
ロピルシクロペンタジエンの収率86.7%(0.52
mol)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=4
0.1:1.7:58.2であった。
【0068】(比較例7)以下に、従来技術(イソプロ
ピルシクロペンタジエンと均一に混合する非プロトン性
極性溶媒であるテトラヒドロフランを用い、かつ脂肪族
炭化水素を添加せずにイソプロピル化を行った例を示
す。イソプロピルブロマイド34.4g(0.28mo
l)に、液温度を2℃に保ちながら、シクロペンタジエ
ニルナトリウム(0.14mol、2Mテトラヒドロフ
ラン溶液:Aldrich試薬)を7時間かけて滴下し
た。滴下終了後、1N塩酸およびn−ヘキサンを加えた
後有機層を分離し、イソプロピルシクロペンタジエン含
有n−ヘキサン溶液を得た。該n−ヘキサン溶液をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、イソプロピルシ
クロペンタジエンの収率60.3%(0.084mo
l)、異性体の比率は1−体:5−体:2−体=40.
9:0.7:58.4であった。
【0069】(比較例8)以下に、イソプロピルシクロ
ペンタジエンと均一に混合する非プロトン性極性溶媒を
テトラヒドロフラン用い、かつ脂肪族炭化水素を添加せ
ずにイソプロピル化を行った例を示す。本例は、従来技
術(7)、(8)の実施例記載を参考にして行った。水
素化ナトリウム3.6g(油性、純度60%、0.09
mol)をn−ヘキサンで洗浄したのち、水素化リチウ
ムアルミニウム存在下で還流して乾燥させたテトラヒド
ロフラン40mlを加え、液温度を5℃に保ちながら、
シクロペンタジエン9.2g(純度97.8%、0.1
4mol)を1時間かけて滴下し、シクロペンタジエニ
ルナトリウム溶液を得た。該シクロペンタジエニルナト
リウム溶液に、溶液温度を−50℃に保ちながら、イソ
プロピルブロマイド13.2g(0.11mol)を4
0分かけて滴下した。滴下終了後、溶液を1時間かけて
0℃まで昇温した。少量の液をサンプリングし、1N塩
酸、n−ヘキサンで処理後、ガスクロマトグラフィーで
分析したところ、イソプロピルシクロペンタジエンの収
率は、7.9%、異性体の比率は、1−体:5−体:2
−体=40.9:3.1:56.0であった。さらに、
0℃を保ちながら、2時間撹拌した後、1N塩酸および
n−ヘキサンを加えた後有機層を分離し、イソプロピル
シクロペンタジエン含有n−ヘキサン溶液を得た。該n
−ヘキサン溶液をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、イソプロピルシクロペンタジエンの収率58.3
%(0.053mol)、異性体の比率は1−体:5−
体:2−体=41.3:2.9:55.9であった。
【0070】
【発明の効果】本発明により、ファインケミカル中間
体、医農薬中間体の合成前駆体として、また、メタロセ
ン触媒のようなオレフィン重合用触媒の合成前駆体とし
て有用な5−および1−アルキルシクロペンタジエン化
合物を、安価な試薬を用い、極度の禁水条件を要しない
簡便な操作で、かつアルキル化剤の種類を問わず高い選
択率および収率で製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法におけるアルキルシクロペン
タジエンの脂肪族炭化水素溶液取得するフロー。
【図2】本発明の製造方法において精製されたアルキル
シクロペンタジエンを単離するフロー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC24 BA02 BA06 BA29 BA32 BB11 BB19 BB22 BB41 BC10 BC11 BC34 BD84 BJ20 FC22 FC76

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエンと一般式R−X(R
    は非置換もしくは置換された脂肪族炭化水素基、Xはハ
    ロゲンまたはトシル基またはアルキルスルホネート基)
    で表されるアルキル化剤から5−および/または1−ア
    ルキルシクロペンタジエンを得る方法において、以下の
    2つの工程を含むことを特徴とする、アルキルシクロペ
    ンタジエンの製造方法。 (I)シクロペンタジエンと、金属水酸化物とから、シ
    クロペンタジエニル金属を調製する工程(シクロペンタ
    ジエニル金属調製工程)。 (II)該シクロペンタジエニル金属とアルキル化剤と
    を、生成物のアルキルシクロペンタジエンと二液相を形
    成する非プロトン性極性溶媒の存在下、反応させて、5
    −および/または1−アルキルシクロペンタジエンを取
    得する工程(アルキル化工程)。
  2. 【請求項2】 アルキル化工程に続いて、静置後下層を
    抜液することにより、アルキルシクロペンタジエンを主
    成分とする相を分離することを特徴とする、請求項1記
    載のアルキルシクロペンタジエンの製造方法。
  3. 【請求項3】 アルキル化工程において、生成物のアル
    キルシクロペンタジエンと二液相を形成する非プロトン
    性極性溶媒がジメチルスルホキシドであることを特徴と
    する、請求項1又は請求項2記載のアルキルシクロペン
    タジエンの製造方法。
  4. 【請求項4】 シクロペンタジエニル金属調製工程にお
    いて、金属水酸化物が水酸化カリウムであることを特徴
    とする、請求項1から3のいずれかに記載のアルキルシ
    クロペンタジエンの製造方法。
  5. 【請求項5】 生成物のアルキルシクロペンタジエンと
    二液相を形成する非プロトン性極性溶媒に加えて、脂肪
    族炭化水素を存在させて、アルキル化工程を実施するこ
    とを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のア
    ルキルシクロペンタジエンの製造方法。
  6. 【請求項6】 アルキル化工程において、生成物のアル
    キルシクロペンタジエンと二液相を形成する非プロトン
    性極性溶媒を、シクロペンタジエニル金属に対して4倍
    モル以上使用することを特徴とする、請求項1から5の
    いずれかに記載のアルキルシクロペンタジエンの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 アルキル化工程において、生成物のアル
    キルシクロペンタジエンと二液相を形成する非プロトン
    性極性溶媒を、シクロペンタジエニル金属に対して6倍
    モル以上使用することを特徴とする、請求項1から5の
    いずれかに記載のアルキルシクロペンタジエンの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 アルキル化工程において、生成物のアル
    キルシクロペンタジエンと二液相を形成する非プロトン
    性極性溶媒を、シクロペンタジエニル金属に対して10
    倍モル以上使用して、アルキル化剤にシクロペンタジエ
    ニル金属を含む溶液を添加することを特徴とする、請求
    項1から5のいずれかに記載のアルキルシクロペンタジ
    エンの製造方法。
  9. 【請求項9】 アルキル化工程において、反応温度が3
    0℃を越えないことを特徴とする、請求項1から8のい
    ずれかに記載のアルキルシクロペンタジエンの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 シクロペンタジエニル金属調製工程お
    よびアルキル化工程を、不活性ガス雰囲気下で行うこと
    を特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載のアル
    キルシクロペンタジエンの製造方法。
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