JP2002002739A - レトルトチューブ容器 - Google Patents

レトルトチューブ容器

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JP2002002739A JP2000193916A JP2000193916A JP2002002739A JP 2002002739 A JP2002002739 A JP 2002002739A JP 2000193916 A JP2000193916 A JP 2000193916A JP 2000193916 A JP2000193916 A JP 2000193916A JP 2002002739 A JP2002002739 A JP 2002002739A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レトルト殺菌処理中におけるキャップの弛み
を防止できる反面、片手でも簡単に開蓋することができ
るとともに、容器に直接口を付けて内容物を摂取する際
の違和感を無くすことができるレトルト殺菌可能なチュ
ーブ容器を提供する。 【解決手段】 胴部11にヘッドピース12が連設され
たチューブ本体10と、これに装着されるキャップ20
とを備え、ヘッドピース12の口頸部14の下端付近の
外周面に形成された係合用凹部15と、キャップ20の
環状部27の下端に形成された係合用凸部28とが係合
することで閉蓋される。また、キャップの密閉部21に
は、内周壁23、天面部24、外周スカート部25から
なる湾曲した薄板状の可撓部22を有し、この可撓部2
2の上部に複数の貫通孔30が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内容物が充填され
て密封された後に、レトルト釜内で加熱殺菌処理が施さ
れるようなチューブ容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ペースト状の食品を内容物として充填し
て密封した後で、レトルト釜内に入れて100℃以上の
温度で加熱殺菌処理(例えば、120〜130℃で20
〜30分程度)を施すような場合に使用される容器の一
つとして、容器本体とキャップが共に熱可塑性樹脂から
なるチューブ容器が従来から知られている。
【0003】かかるチューブ容器では、口頸部上端の開
口部(注出口)がアルミ箔入りの薄膜でシールされ、底
部が開放された状態の容器本体に対して、その口頸部に
キャップを螺合してから、キャップが螺合された状態の
容器を倒置して、開放された底部からペースト状の食品
を充填し、その後、開放された底部を扁平に潰しヒート
シールして密封してから、レトルト釜に入れて加熱殺菌
処理を施すということで、食品入りの容器としている。
【0004】ところで、上記のように容器本体とキャッ
プが共に熱可塑性樹脂からなり、両者が螺合されている
ような押し出しチューブ容器では、レトルト釜内での加
熱殺菌処理中に、殺菌および冷却のために熱水や冷却水
を吹き付けられる際の水圧や、容器内容物の熱伝導促進
の撹拌のためにレトルト釜内で容器が回転される際に熱
水や冷却水から受ける抵抗力などにより、容器本体とキ
ャップの間に相対的に回転力が働くことによって、殆ど
全ての容器において両者の螺合が弛んでしまい、甚だし
い場合にはキャップが外れてしまうことがある。
【0005】なお、そのようなチューブ容器では、キャ
ップによって覆われている口頸部上端の容器本体開口部
(注出口)が、例えば、アルミ箔入りポリプロピレンテ
ープのヒートシールなど、ガスバリアー性を有するアル
ミ箔入りの薄膜でシールされているため、キャップの弛
みや外れによって内容物が漏れるというようなことはな
い。
【0006】一方、容器本体とキャップの螺合が緩まな
いようにするための手段として、例えば、熱可塑性樹脂
製の口頸部が肩部上端に連設され、口頸部の下端付近の
外周面にネジ部が形成されている容器本体と、頂壁部の
外周縁からスカート部が下方に延ばされ、スカート部の
下端付近の内周面に、口頸部のネジ部と螺合するネジ部
が形成されている熱可塑性樹脂製のキャップとを備えた
レトルト殺菌可能な容器において、容器本体口頸部の上
端付近の外周面に、口頸部下端付近のネジ部の谷の径よ
りもその外径が小さくなるように、外方に突出した係止
用凸部が形成されており、キャップの頂壁部下面に、ス
カート部とは間隔を置いた状態で、内方に突出した係合
部分を下端に一体的に形成した係合部が垂設されてい
て、口頸部のネジ部とキャップのネジ部の螺合が完了さ
れた位置で、キャップの係合部下端の係合部分が、口頸
部の係止用凸部の下側に接触して係合するように構成し
たレトルト殺菌可能な容器が従来公知となっている(特
開平10−24942号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】レトルト釜内での加熱
殺菌処理によりキャップが外れてしまった場合には、キ
ャップを再螺合することが必要となる。また、螺合が弛
んだだけの場合でも、該容器入りの食品を購入した消費
者にとっては、容器本体とキャップの螺合が弛んでいる
ことにより、不良品ではないかというような疑いを持っ
て、商品に対する不信感を抱くこともあるため、販売前
にキャップが弛んでいることは好ましいことではなく、
そのため、レトルト殺菌可能な容器においては、レトル
ト殺菌処理を施してもキャップが外れたり容器本体とキ
ャップの螺合が弛むことのないものが望まれている。
【0008】上記公報に記載されたレトルト殺菌可能な
容器によれば、キャップの係合部下端の係合部分が、口
頸部の係止用凸部の下側に接触して係合するように構成
されているため、レトルト殺菌処理中におけるキャップ
の外れの問題を解消できる。また、容器本体の口頸部に
形成されるネジ部をできるだけ短いものとすることがで
きるため、消費者が容器から直接に内容物を摂取するよ
うな場合の容器に対する口当たり性を向上させることが
できる。
【0009】しかしながら、上記公報に記載されたレト
ルト殺菌可能な容器では、以下のような問題が懸念され
る。 .構造上、口頸部のネジ部とキャップのネジ部が最後
まで完全に螺合された位置と、キャップの係合部下端の
係合部分が口頸部の係止用凸部の下側に当接している位
置とを完全に一致させることは難しいため、レトルト殺
菌処理中における容器本体とキャップの螺合の弛みを完
全に無くすことは難しい。 .キャップを外すためには、キャップの係合部下端の
係合部分が口頸部の係止用凸部の下側に衝突している状
態で更にキャップを強く回転させる必要があるため、片
手で簡単にキャップを外すことは難しい。 .容器本体の口頸部に係止用凸部およびネジ部を有す
るため、消費者が容器から直接に内容物を摂取する場合
に違和感(ざらざらした感じ)を与えることがあり、ま
た、口頸部の外周面に内容物が残り易い。
【0010】本発明は、上記事情を鑑み、レトルト殺菌
処理中におけるキャップの弛みを防止でき、且つ、片手
でも簡単に開蓋することができるとともに、容器に直接
口を付けて内容物を摂取する際の違和感を無くすことが
でき、さらに口頸部の外周面に内容物が残るのを防止で
きるレトルト殺菌可能なチューブ容器を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
成された本発明の構成は、以下のとおりである。
【0012】すなわち、本発明は、胴部にヘッドピース
が連設された熱可塑性樹脂製のチューブ本体と、該チュ
ーブ本体に装着される熱可塑性樹脂製のキャップとを備
えたレトルト殺菌可能なレトルトチューブ容器におい
て、前記ヘッドピースは、肩部上端に口頸部が連設され
てなり、該口頸部の下端付近の外周面に係合用凹部が形
成されており、前記キャップは、前記口頸部の頂部に設
けられた注出口を密閉する密閉部と、該密閉部の外縁上
部に連設された内周壁、該内周壁の上部外周縁に連設さ
れた天面部、該天面部の外周縁から垂下する外周スカー
ト部からなる可撓部とを有し、前記密閉部は、前記口頸
部の上面を覆う頂壁部と、前記口頸部の側面を囲う環状
部とを有し、該環状部の下端に前記係合用凹部に係合す
る係合用凸部が形成されており、さらに、前記可撓部の
上部に複数の貫通孔が形成されている、ことを特徴とす
るものである。
【0013】上記本発明のレトルトチューブ容器は、更
なる特徴として、「前記密閉部の頂壁部に、前記注出口
の内壁面に当接する第1のシール用突起と、前記口頸部
の上面に当接する第2のシール用突起が設けられている
こと」、「前記密閉部の環状部は、複数の切欠部によっ
て分離されて前記係合用凸部がそれぞれに形成された複
数の係合片を有すること」、「前記密閉部の環状部に複
数の補強リブが形成されていること」、「前記内周壁に
複数の補強リブが形成されていること」、「前記貫通孔
は、前記天面部、若しくは、前記外周スカート部又は前
記内周壁の上端部に形成されていること」、「前記熱可
塑性樹脂製のチューブ本体は、ポリオレフィン系樹脂フ
ィルムを主体とする積層体からなること」、を含む。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレトルトチューブ
容器の実施形態例を図面に基づいて詳細に説明するが、
本発明はこれらの形態例に限定されるものではなく、本
発明の要旨の範囲内で適宜設計変更することができる。
【0015】図1〜図3は、本発明の一実施形態に係る
レトルトチューブ容器を示すもので、図1は、部分的に
断面で示したチューブ本体の上部外観図、図2(a)
は、キャップの上面図、図2(b)は、部分的に断面で
示したキャップの外観図、図3は、キャップとチューブ
本体との係合が完了した状態を部分的に断面で示した外
観図である。
【0016】本発明のレトルトチューブ容器の基本的な
構成は、胴部11にヘッドピース12が連設された熱可
塑性樹脂製のチューブ本体10と、このチューブ本体1
0に装着される熱可塑性樹脂製のキャップ20とからな
る。
【0017】チューブ本体10は、胴部11の上端とヘ
ッドピース12の下端(肩部13の外周部)を溶着する
ことによって一体的に結合されている。
【0018】胴部11は、例えば、表面側から無延伸ポ
リプロピレン/乳白無延伸ポリプロピレン/アルミ箔/
無延伸ポリプロピレンを順次ラミネートしたようなポリ
オレフィン系樹脂フィルムを主体とする積層体で構成す
ることができ、該積層体の両端同士を溶着することによ
って円筒体に形成される。なお、所定の印刷を施す場合
には、最表面層である無延伸ポリプロピレンの表面側も
しくは裏面側に印刷層が形成される。
【0019】また、胴部11の下端(チューブ本体の底
部)は、図示していないが、当初は開放された状態とさ
れていて、当該部分からペースト状の食品を充填した後
で、扁平に潰してヒートシールすることにより密封され
る。
【0020】ヘッドピース12は、肩部13の上端に口
頸部14が連設されてなり、口頸部14の下端付近の外
周面には係合用凹部15が形成されている。また、口頸
部14の頂部には、内容物(食品)を取り出すための注
出口16が開口されている。
【0021】ヘッドピース12の内側面には、注出口1
6をシールしておくと共に、耐気体透過性を向上させる
ために、例えば、アルミ箔の両面に無延伸ポリオレフィ
ン系樹脂フィルムを積層したような薄膜のシール材17
が、該シール材17をヘッドピースの形に成形して、該
成形品をヘッドピース成形用金型内に装着してから、ポ
リプロピレン樹脂を射出成形するような方法によって、
注出口16を内側からシールして口頸部14の上端頂面
から肩部13に渡って密着するように設けられている。
【0022】上記のように構成されたチューブ本体10
に装着されるキャップ20は、ヘッドピース12と同様
に、例えばポリプロピレン樹脂のような耐熱性のある熱
可塑性樹脂を材料として、射出成形により全体が一体的
に形成されているものである。
【0023】このキャップ20は、チューブ本体の口頸
部14の頂部に設けられた注出口16を密閉する密閉部
21と、この密閉部21の外縁上部に連設された内周壁
23、この内周壁23の上部外周縁に連設された天面部
24、この天面部24の外周縁から垂下する外周スカー
ト部25からなる可撓部22とが一体的に設けられてい
る。
【0024】密閉部21は、チューブ本体の口頸部14
の上面を覆う頂壁部26と、口頸部14の側面を囲う環
状部27とを有している。
【0025】頂壁部26の上面中央には、シール部材1
7によって封緘されているチューブ本体10の注出口1
6を開封するための開封用突起29が、その高さが天面
部24の高さよりも低くなるように、頂壁部26から一
体的に突出形成されている。なお、本例の頂壁部26に
は、チューブ本体の注出口16の内壁面に当接する環状
の第1シール用突起31と、口頸部14の上面に当接す
る環状の第2シール用突起32が設けられている。
【0026】環状部27の下端には前記係合用凹部15
に係合する係合用凸部28が形成されている。なお、本
例の環状部27は、複数の切欠部33によって分離され
て係合用凸部28がそれぞれに形成された複数の係合片
34を有しており、また、各係合片34の上部には、こ
の環状部の剛性を高めるための複数の補強リブ35が形
成されている。
【0027】湾曲形状をなす薄板で構成される可撓部2
2の上部(本例では天面部24)には、複数(本例では
16個)の貫通孔30が形成されている。なお、本例の
内周壁23には、注出口16を開封するときの剛性を高
めるための補強リブ36が形成されている。
【0028】上記のような構成のチューブ本体10とキ
ャップ20からなる本実施形態のチューブ容器によれ
ば、チューブ本体10にキャップ20を装着して閉蓋す
るときには、環状部27の内側に口頸部14が位置する
状態でキャップ20を押し込むことによって、環状部2
7の先端に形成されている係合片34が係合用凹部15
の手前で拡径されている部分によって若干外方に変形
し、最終的には図3に示すように、口頸部14の係合用
凹部15に係合片34の先端部分に形成されている係合
用凸部28が係合されることによって閉蓋される。
【0029】一方、チューブ本体10とキャップ20の
係合を解除して開蓋するときには、例えばキャップ20
の外周スカート部25を両側から指で押圧して可撓部2
2を若干変形させ、外周スカート部25の下端部を肩部
13の傾斜面に突き当てると、この時に生じる上向きの
力によって係合片34が若干外方に変形し、係合用凸部
28が上方に移動して最終的には係合用凹部15から外
れて開蓋される。
【0030】このように、本発明のチューブ容器は従来
のような螺合方式ではなく、口頸部14の係合用凹部1
5と環状部27の係合用凸部28の係合によって閉蓋さ
れるものであるため、レトルト釜内での加熱殺菌処理が
施される際に、チューブ本体10とキャップ20の間に
相対的に回転力が働いたとしても、この回転力によりキ
ャップ20がチューブ本体10に対して上方に移動する
ようなことはなく、レトルト殺菌処理中におけるキャッ
プの弛みを完全に無くすことができる。
【0031】また、キャップ20は、密閉部21に連設
された湾曲形状をなす薄板で構成された可撓部22を有
しており、この可撓部22を変形させることによって前
述のように片手で簡単にキャップを外すこともできる。
尚、本例では、内周壁23に補強リブ36を形成するこ
とで、可撓部22が過大に変形するのを防止している。
これにより、可撓部22の変形により環状部27も変形
してしまうことを防ぎ、開蓋時の抵抗が増大することを
防止することができるとともに、可撓部全体の強度を高
めることができる。
【0032】また、湾曲形状をなす薄板で構成される可
撓部22の上部(本例では天面部24)に複数の貫通孔
30が形成されているため、この貫通孔30によってレ
トルト殺菌処理中に口頸部14とキャップ20の間に侵
入した水を簡単に排出することができる。特に本例で
は、口頸部14を囲う環状部27に複数の切欠部33が
設けられているため、口頸部14と環状部27の間に侵
入した水を極めて効率良く排出することができる。
【0033】さらに、チューブ本体10の口頸部14に
は、螺合方式を採用している従来のもののように凸部お
よびネジ部が無いため、消費者がチューブ本体10の口
頸部14に口を付けて注出口16から直接内容物を摂取
するような場合に、消費者に対して違和感(ざらざらし
た感じ)を与えるようなことがなく、且つ、口頸部14
の外周面に内容物が残ることもなく極めて衛生的であ
る。
【0034】本発明のようなレトルトチューブ容器に
は、前述のように注出口16をシールするためのシール
材17が設けられるため、チューブ本体の注入口16の
内壁面に当接する環状の第1シール用突起31を無闇に
高く形成することができない。このため、第1シール用
突起31のみでは、シール部材17を開封用突起29で
突き破って一度開封した後の密封性の低下が懸念され
る。また、口頸部14の上面に当接する環状の第2シー
ル用突起32のみでも高い密封性を得ることは難しい。
【0035】しかしながら、本例では、密閉部21の頂
壁部26の下面に、チューブ本体の注出口16の内壁面
に当接する環状の第1シール用突起31と、口頸部14
の上面に当接する環状の第2シール用突起32の双方を
設けることにより、一度開封した後でも、高い密封性を
実現可能ならしめている。
【0036】また、本例では、複数の切欠部33によっ
て分離されて係合用凸部28がそれぞれに形成された複
数の係合片34を有する環状部27としているため、各
係合片34に適度な弾性を持たせることができ、閉蓋及
び開蓋に必要な力を適宜所望する程度に設計することが
できる。それに加え、本例では、各係合片34の上部
に、環状部27の機械的強度を高めるための補強リブ3
5を形成しているため、チューブ本体10の口頸部14
に対するキャップ20の着脱を繰り返し行っても、キャ
ップ20の環状部27が容易に永久変形してキャップ2
0と口頸部14の係合が甘くなったりすることを防止す
ることができる。
【0037】本発明のようなレトルトチューブ容器に充
填される内容物は、開封後多少でも注出口16から空気
が入る可能性が有るため、チューブ容器を倒立状態(キ
ャップ20を下にした状態)で保管することで内容物が
下にさがり、その後の注出を比較的容易に行うことがで
きる。
【0038】上記のように倒立状態で保管するには、キ
ャップ20の上全体が面で構成されているよりも、本例
のようにキャップ20の外縁部(天面部24)のみに設
置面が形成されている方が安定性が高い。また、例え
ば、天面部24に外周部が高くなるような傾斜を持たせ
ることにより、倒立状態で保管する際のより高い安定性
を得ることができる。
【0039】以上、本発明のレトルトチューブ容器の一
実施形態について説明したが、例えばキャップ20の可
撓部22に形成する貫通孔30に関しては、天面部24
に限らず、図4に示すように外周スカート部25の上端
部に形成したり、図5に示すように内周壁23の上端部
に形成することも可能である。
【0040】この場合、特に図4のように外周スカート
部25の上端部に貫通孔30を形成することにより、例
えば倒立状態での保管時に口頸部14とキャップ20の
間に結露が生じたとしても、設置面とキャップとの間に
結露水が停滞するようなことがなく、極めて衛生的に保
管することができる。
【0041】また、先の例では、キャップ20の環状部
27と内周壁23との間に段差が形成されているが、図
6に示すように、かかる段差を無くした形態とすること
もできる。このような形態にすることにより、レトルト
殺菌処理中に口頸部14とキャップ20の間に侵入した
水が段差部分に停滞するようなことが無くなり、貫通孔
30からの水の排出が極めて効率良く行われるようにな
る。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0043】(実施例)本発明の一実施例として図1乃
至図3に示したようなレトルトチューブ容器を製造し
た。
【0044】チューブ本体の胴部11は、無延伸ポリプ
ロピレンフィルム(商品名:トレファン No.ZK9
3K)60μm/乳白無延伸ポリプロピレンフィルム
(商品名:トレファン No.3701WF)70μm
/アルミニウム箔30μm/無延伸ポリプロピレンフィ
ルム(商品名:トレファン No.3821)100μ
mを積層した多層シートを用いて作製した。本実施例で
は、レトルト殺菌時の応力に十分耐えることができるよ
うに、特にシール層となる内層(無延伸ポリプロピレン
フィルム(商品名:トレファン No.3821))に
は熱による硬度変化が小さいものを選定している。
【0045】シール材17は、無延伸ポリプロピレンフ
ィルム30μm/ポリエチレンテレフタレートフィルム
12μm/アルミニウム箔80μm/ポリエチレンテレ
フタレートフィルム12μm/無延伸ポリプロピレンフ
ィルム30μmを積層した多層シートを、深絞り成形し
てカップ状に成形した。
【0046】そして、ポリプロピレン樹脂から成形した
口頸部14と肩部13からなるヘッドピース12の内面
側に上記シール材17を装着し、肩部13と胴部11と
熱融着させて、このとき同時にシール材17もヘッドピ
ース内面に熱融着させてチューブ本体10を作製した。
尚、本実施例では、口頸部14の上部外径を12.5m
m、係合用凹部15の上部拡径部の外径を14.4m
m、係合用凹部15部分の外径を12.5mmとした。
【0047】このように、本実施例のチューブ本体10
は、レトルト殺菌処理を可能にするため、内・外面の接
する樹脂を全てポリプロピレン樹脂で構成している。
【0048】キャップ20は、ポリプロピレン樹脂から
成形した。本実施例では、環状部27に8本の切欠部3
3を形成し、係合用凸部28がそれぞれに形成された8
つの係合片34を設け、係合用凸部28の最内径を1
2.7mmとした。また、頂壁部26の下面には、高さ
1.8mmの第1シール用突起と、高さ0.5mmの第
2シール用突起を設けた。さらに、各係合片34の上部
に、環状部27の機械的強度を高めるため、補強リブ3
5を形成した。
【0049】そして、胴部11は内容物を充填後、尻部
をシールし、チューブ本体10にキャップ20を装着し
て、125℃で30分、レトルト殺菌処理を行った。
【0050】その結果、レトルト殺菌処理中にチューブ
本体10とキャップ20の間に働く回転力によってもキ
ャップ20がチューブ本体10に対して上方に移動する
ようなことはなく、レトルト殺菌処理中におけるキャッ
プの弛みは全く発生しなかった。
【0051】また、本実施例のチューブ容器では、片手
で胴部11を握った状態で外周スカート部25を両側か
ら指で押圧することにより、比較的簡単に開蓋すること
ができた。さらに、チューブ本体10の口頸部14に対
するキャップ20の着脱を数十回繰り返し行っても、キ
ャップ20と口頸部14の係合が甘くなることはなかっ
た。
【0052】
【発明の効果】以上説明したような本発明のレトルトチ
ューブ容器によれば、レトルト殺菌処理中におけるキャ
ップの弛みを防止できる反面、片手でも簡単に開蓋する
ことができる。また、レトルト殺菌処理時の問題解決以
外にも、実際の使用時にリクローズできる機能を備えて
おり、キャップの着脱を繰り返し行っても、キャップと
口頸部の係合が甘くなることもない。さらに、容器に直
接口を付けて内容物を摂取する際の違和感を無くすこと
ができるとともに、口頸部の外周面に内容物が残るのを
防止でき極めて衛生的である。
【0053】また、特に密閉部の頂壁部に、注入口の内
壁面に当接する第1のシール用突起と、口頸部の上面に
当接する第2のシール用突起を設けたものにあっては、
一度シール材の開封を行った後でも、高い密封性を実現
することができる。
【0054】また、特に密閉部の環状部に複数の切欠部
を設け、それぞれに係合用凸部が形成された複数の係合
片を有するものにあっては、各係合片に適度な弾性を持
たせることができ、より密閉性を高めることができると
ともに、口頸部と環状部の間に侵入した水を極めて効率
良く排出することもできる。
【0055】また、特に密閉部の環状部に複数の補強リ
ブを設けたものにあっては、環状部の機械的強度が高
く、繰り返しキャップの着脱を行っても、キャップと口
頸部の係合が甘くなるのをより効果的に防止することが
できる。
【0056】また、特に内周壁に複数の補強リブを設け
たものにあっては、開蓋時に可撓部が過大に変形するこ
とで環状部も変形してしまうことが無く、開蓋時の抵抗
増大を防止することができるとともに、可撓部全体の強
度を高めることができる。
【0057】また、本発明のレトルトチューブ容器によ
れば、可撓部の上部に複数の貫通孔が形成されているた
め、この貫通孔によってレトルト殺菌処理中に口頸部と
キャップの間に侵入した水を簡単に排出することができ
る。それに加え、特に外周スカート部の上端部に貫通孔
を形成したものにあっては、倒立状態での保管時に口頸
部とキャップの間に結露が生じたとしても、設置面とキ
ャップとの間に結露水が停滞するようなことがなく、極
めて衛生的に保管することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るチューブ本体を部分
的に断面で示した上部外観図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るキャップを示し、
(a)はキャップの上面図、(b)は部分的に断面で示
したキャップの外観図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るチューブ本体とキャ
ップとの係合が完了した状態を部分的に断面で示した外
観図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係るキャップを部分的
に断面で示した外観図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係るキャップを部分的
に断面で示した外観図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係るキャップを部分的
に断面で示した外観図である。
【符号の説明】
10 チューブ本体 11 胴部 12ヘッドピース 13 肩部 14 口頸部 15 係合用凹部 16 注出口 17 シール材 20 キャップ 21 密閉部 22 可撓部 23 内周壁 24 天面部 25 外周スカート部 26 頂壁部 27 環状部 28 係合用凸部 29 開封用突起 30 貫通口 31 第1のシール用突起 32 第2のシール用突起 33 切欠部 34 係合片 35、36 補強リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 肇 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 Fターム(参考) 3E065 AA02 BA02 BA18 BB03 CA01 DA05 DB02 DC01 DD05 FA20 GA10 HA06 3E084 AA03 AA12 AA24 AB06 BA01 CA01 CC05 DA01 DB13 DC05 FA09 FC02 FC09 GA08 GB09 GB12 GB16 HA03 HB02 HC03 HD01 HD04 LA18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴部にヘッドピースが連設された熱可塑
    性樹脂製のチューブ本体と、該チューブ本体に装着され
    る熱可塑性樹脂製のキャップとを備えたレトルト殺菌可
    能なレトルトチューブ容器において、 前記ヘッドピースは、肩部上端に口頸部が連設されてな
    り、該口頸部の下端付近の外周面に係合用凹部が形成さ
    れており、 前記キャップは、前記口頸部の頂部に設けられた注出口
    を密閉する密閉部と、該密閉部の外縁上部に連設された
    内周壁、該内周壁の上部外周縁に連設された天面部、該
    天面部の外周縁から垂下する外周スカート部からなる可
    撓部とを有し、 前記密閉部は、前記口頸部の上面を覆う頂壁部と、前記
    口頸部の側面を囲う環状部とを有し、該環状部の下端に
    前記係合用凹部に係合する係合用凸部が形成されてお
    り、 さらに、前記可撓部の上部に複数の貫通孔が形成されて
    いる、ことを特徴とするレトルトチューブ容器。
  2. 【請求項2】 前記密閉部の頂壁部に、前記注出口の内
    壁面に当接する第1のシール用突起と、前記口頸部の上
    面に当接する第2のシール用突起が設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のレトルトチューブ容器。
  3. 【請求項3】 前記密閉部の環状部は、複数の切欠部に
    よって分離されて前記係合用凸部がそれぞれに形成され
    た複数の係合片を有することを特徴とする請求項1又は
    2に記載のレトルトチューブ容器。
  4. 【請求項4】 前記密閉部の環状部に複数の補強リブが
    形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載のレトルトチューブ容器。
  5. 【請求項5】 前記内周壁に複数の補強リブが形成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載のレトルトチューブ容器。
  6. 【請求項6】 前記貫通孔は、前記天面部に形成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    のレトルトチューブ容器。
  7. 【請求項7】 前記貫通孔は、前記外周スカート部の上
    端部に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載のレトルトチューブ容器。
  8. 【請求項8】 前記貫通孔は、前記内周壁の上端部に形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載のレトルトチューブ容器。
  9. 【請求項9】 前記熱可塑性樹脂製のチューブ本体は、
    ポリオレフィン系樹脂フィルムを主体とする積層体から
    なることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載
    のレトルトチューブ容器。
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