JP2001523142A - バルーンカテーテル装置およびその使用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 脈管(2)または他の体内通路(11)内から障害物質を浄化し且つ除去する外科用装置(10)。本発明の装置(10)は、複数のメッシュ開口をもつ独立して操作可能な外側の製織スリーブ(36)を備えたバルーンカテーテル(12)を有している。製織スリーブ(36)は、半径方向に拡大および収縮可能なバルーン(22)を包囲する。一実施形態では、製織外側スリーブ(72)はカテーテルの操作により所定形状に変形され、膨張されたバルーン(62)をこの所定形状内に維持するのに使用される。他の実施形態では、製織スリーブ(106)が、膨張されたバルーン(104)により半径方向に拡大され、製織メッシュが脈管に押し付けられるようにする。スリーブ(106)は脈管(2)の表面を擦って流路を拡大させるのに使用するか、脈管(2)内での種々の他の外科手術を行う牽引具として使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】 バルーンカテーテル装置およびその使用方法 発明の分野 本発明は、一般的には、外科用装置に関し、より詳しくは、脈管（vascular c onduit）または他の体内通路の流路を拡大するための改善されたバルーンカテー テル装置および方法に関する。発明の背景 先端部に膨張可能なバルーンを取り付けたカテーテルは、外科の種々な用途に 一般的に用いられている。このような「バルーンカテーテル」の１つの用途とし て、沈着物または他の障害物により部分的または全体的に閉塞された血管を拡張 するために用いられる。バルーンカテーテルは、問題のある血管内に導入され、 収縮したバルーンが、血管内の閉塞流路さもなくば障害流路内に巧みに操縦して 導入される。バルーンを膨張させることにより、沈着物または障害物が血管の内 壁に対して押し付けられ、これにより流路が拡大される。他の用途として、アテ ローム硬化プラク、血栓、狭窄、閉塞、凝塊(クロット)、結石等の付着性物質お よび他の潜在的障害物質を、脈管および他の体内通路から除去及び／又は圧縮す るために用いられる。 このような用途に使用される従来の装置としてカテーテルがあり、該カテーテ ルは、カテーテルシャフトと、カテーテルの先端すなわち遠位端の近くに配置さ れた膨張可能なバルーンとを備えている。このようなカテーテルのバルーンは、 通常、筒状のカテーテルシャフトの外面に取り付けられる膨張可能なスリーブす なわち球状部からなる。バルーンは、シャフト内からバルーンチャンバ内に流体 を注入することにより膨張される。バルーンの膨張は、バルーンが過大に膨張し ないように制御されることが重要である。過大に膨張されると、バルーンが破裂 するほど過大に拡大されるか、さもなくば、問題のある脈管または他の体内導管 を傷付ける虞れがあるからである。 過大な拡大の危険性、従って脈管を傷つける可能性を低減させるために、現代 のカテーテルは、一般に、加えられる内部圧力の如何に係わらず、所定の最大直 径にしか拡大しない強化バルーンを使用した構造を有している。これらのカテー テルは、関連するバルーンの拡径を制限するには有効であるが、特定サイズの脈 管または他の脈管内で使用する場合にのみ有効である。異なる直径または変化す る直径の脈管は、その各々が特定の最大バルーン直径を備えた多数のこのような カテーテルの使用を必要とする。また、多くの用途では、脈管内で使用するため の特定構造または形状のバルーンから利益が得られるであろう。これらの特定形 状または構造は、治療用流体の注入及び治療を行うために、閉塞物質を圧縮また は除去するのに有効に使用できる。かくして、膨張バルーンの拡径を抑えること ができ且つ膨張バルーンを特定形状または特定構造にすることもできるバルーン カテーテルが要望されている。また、膨張したバルーンの拡径を、多数の異なる 最大半径方向拡大に制限できるこのようなバルーンカテーテルが要望されている 。 血管のような脈管内から閉塞物質を除去する場合に重要なことは、バルーンカ テーテルの表面が比較的滑らかで、内層に損傷を与えないことである。従来技術 のバルーンカテーテルには、一般に、この目的のための滑らかな外面が与えられ ている。しかしながら、ときには、脈管の内壁との接触のために、摩擦性の大き い外面にすることが望まれることもある。摩擦性の大きい外面は、閉塞物質の優 れた除去並びに牽引を可能にする。また、人工移植片の内壁からの血栓または他 の障害物の除去等の他の用途に使用するために、より摩擦性の大きい外面のバル ーンカテーテルに対する要望も存在する。これらの用途では、しばしば、より強 い摩擦を必要とする。かくして、摩擦性の大きい外面を有するが、脈管または他 の導管の内層に損傷を与えないバルーンカテーテルが要望されている。また、バ ルーンの膨張すなわち拡大の如何に係わらず一定の粗さを保持する摩擦性の大き い外面も要望されている。また、人工移植片から血栓または他の閉塞物質を除去 するのに適した摩擦性の大きい外面を備えたバルーンカテーテルも要望されてい る。発明の概要 本発明は、内部に配置されるバルーンすなわちブラダ（嚢）とは独立して作動 できる同軸状外側構造すなわち外側スリーブを備えた外科用装置を提供すること により従来技術の上記問題点を解決する。外側スリーブ（該外側スリーブは、全 体的に包囲されるバルーンから独立しており、且つ外科用装置の操作により半径 方向に拡大および収縮できる）の使用により、膨張バルーンの最大半径方向拡大 および軸線方向拡大を制御できる。また、多くの所定形状に独立して拡大可能な 外側スリーブの使用により、バルーンを複数の異なるサイズおよび形状内に拘束 することができる。かくして、本発明の外科用装置は、種々のサイズの外科用装 置に変更する必要なくして、複数の異なる体内導管およびサイズに一致させるこ とができる。また本発明の外科用装置は、用途の如何に係わらず内部バルーンす なわちブラダ（嚢）のサイズおよび形状を制御できる装置に対する要望を解決す る。 また、本発明は、独立した外側スリーブをもつバルーンカテーテルを設けるこ とにより脈管または他の通路内で牽引力を付与する外科用装置に対する要望を満 たす。外側スリーブは、好ましくは、脈管の内壁に接触する粗い外面すなわち摩 擦性の大きい外面をもつように構成される。外側スリーブは、多数の所定形状お よびサイズに拡大および収縮できる製織（織られた）メッシュ材料から作られる のが好ましい。バルーンは外側スリーブに一致するように膨張され且つメッシュ スリーブの所定形状内に拘束される。流体圧力は、脈管の壁との摩擦を増大させ るためバルーン内で増大できる。また、メッシュスリーブは、膨張バルーンの全 長を制限するのにも使用できる。 また、本発明は、摩擦性の大きい外面を備えた独立メッシュスリーブを有する バルーンカテーテルを設けることにより人工移植片内から障害物および凝塊を浄 化および除去するのに使用される外科用装置に対する要望をも満たす。本願の開 示の目的で、人工移植片またはバイパスは脈管として考察するが、脈管または他 の体内導管に関するあらゆる説明には、人工移植片、バイパスおよび同様な通路 を含む。 従来技術のバルーン塞栓切除カテーテルの手順と同様な手順を用いるバルーン カテーテルを提供することにより、外科医は、新しいまたは付加的手順を学習す る必要なくして本発明のバルーンカテーテルを有効に使用できる。本発明のバル ーンカテーテルは、バルーンの近位側または遠位側の一端でカテーテルに連結さ れる製織フィラメントから作られた外側メッシュスリーブを有し、該メッシュス リーブは凹凸外面を有している。バルーンの膨張により、外側メッシュスリーブ が拡大され且つフィラメントメッシュが障害物質内に押し込まれる。 本発明は、一般的には、脈管または他の体内通路内の流路を拡大する改善され たバルーンカテーテルに関する。このバルーンカテーテルは、近位端と速位端と の間に延びる長手方向軸線を備えたカテーテルチューブを有している。カテーテ ルチューブ内には、細長い内側部材を同軸状に配置することができる。好ましく は、この内側部材はカテーテルチューブ内で長手方向に移動され、且つ内側部材 とカテーテルチューブとの間に流体を通すための長手方向通路が形成されるよう に構成される。 内側部材の遠位端の周囲には、膨張および収縮可能なバルーンが同軸状に配置 される。バルーンは、環状バルーンチャンバまたはキャビティを形成すべく、カ テーテルチューブの遠位端に連結される近位側バルーン端部と、内側部材の遠位 端に連結される遠位側バルーン端部とを有している。環状バルーンチャンバは、 長手方向通路に流体が通過可能に連結される。バルーンは膨張性のある慣用的な カテーテルバルーンが好ましく、長手方向通路を通る流体に応答して膨張および 収縮する特性を有している。 或いは、バルーンの両端部は内側部材に連結することもできる。この態様では 、近位側バルーン端部が内側部材に連結され且つ遠位側バルーン端部が、近位側 バルーン端部から遠位側で内側部材の遠位側端部に連結され環状バルーンチャン バを形成する。長手方向通路が内側部材を軸線方向に延びており、且つ環状バル ーンチャンバ内の開口を通って流体が通過可能に連結されている。前述のように 、バルーンは慣用的なバルーンカテーテルが好ましく、内側部材の長手方向通路 を通る流体に応答して膨張および収縮する特性を有している。 独立した外側スリーブがカテーテルに連結され、バルーンを全体的に包囲して いる。外側スリーブは、カテーテルチューブの遠位端に連結された近位側スリー ブ端部と、遠位側バルーン端部より遠位側で内側部材の遠位端に隣接して連結さ れる遠位側スリーブ端部とを有している。外側スリーブは、少なくとも１つの所 定形状およびサイズに半径方向に拡大でき且つカテーテルチューブに対する内側 部材の長手方向移動により最小半径方向直径に収縮することもできる。好ましく は、外側スリーブは製織または編組フィラメントの管状メッシュからなる。メッ シュスリーブは、外側部材に対して内側部材を移動させたときに半径方向に拡大 されたメッシュのユニークな形状が形成されるように、半径方向および軸線方向 の製織ピッチが変化するように構成されている。より詳しくは、外側スリーブに は、より密に織られたメッシュから形成された小半径部分が設けられる。拡大す ると、外側スリーブは、この小半径部分に隣接して「くびれ」部分が形成される 。 カテーテルチューブおよび内側管状部材には、これらを相対移動させる作動機 構が連結される。より詳しくは、操作部材を操作すると、カテーテルチューブに 対して内側部材が長手方向に移動され、外側スリーブが所定形状に半径方向に拡 大される。この移動により、外側スリーブが脈管または他の体内通路の内壁に押 し付けられるまで、外側スリーブが拡大される。作動機構には、完全収縮形状と 完全拡大形状との間で外側スリーブの移動を可能にする複数の増分固定位置すな わち中間固定位置を設けるのが好ましい。これにより、連続的且つ増分的なたい ようにより脈管内の流路が開通される。この構成はまた、種々の異なる脈管内に 単一のバルーンカテーテルを使用することを可能にする。 本発明の他の態様によれば、近位側バルーン端部が近位側スリーブの近位側で 内側管状部材に連結され且つ遠位側バルーン端部が遠位側スリーブ端部の遠位側 で内側管状部材に連結される。外側スリーブはカテーテルには直接連結されない が、バルーンが膨張されたときに、一対の環状バルーンキャビティ（膨張された バルーンセクション）が外側スリーブの両側に形成されるようにバルーン上で中 心が定められる。外側スリーブは、バルーンが収縮並びに膨張されたときに外側 スリーブがバルーンを押し付けるようにしてバルーン上に保持されるように、密 に編まれたフィラメント織物で構成できる。拡大されたバルーンセクションは外 側スリーブにより拘束されないので、膨張された外側スリーブの半径方向直径よ りも非常に大きい半径方向直径に膨張される。 内側管状部材を通る長手方向通路が形成され、該通路は外側スリーブに隣接す る開口に流体が通過可能に連結されている。この通路は、互いに間隔を隔てた膨 張バルーンセクション間の問題のある細胞を溶解できる流体を分配するのに使用 される。この流体として溶解素（lysin）がある。或いは、開口および通路を介 して真空を吸引し、障害物質または前に供給した流体を除去することもできる。 本発明の他の実施形態では、人工移植片から閉塞物質を浄化および除去する外 科用装置は、近位端と遠位端との間に延びている長手方向軸線を有するカテーテ ルを有している。カテーテルと同軸状の膨張可能なバルーンが、遠位端に隣接し てカテーテルに連結される。近位側スリーブ端部および遠位側スリーブ端部を備 えた管状スリーブがバルーンを包囲する。このスリーブは、バルーンにより半径 方向に拡大および収縮でき、且つ移植片と接触するための凹凸外面を有している 。管状スリーブの一端は、バルーンからの外れを防止するため、カテーテルに連 結される。 カテーテルは更に、バルーン内におよびバルーンから流体を導くための遠位側 開口を備えた長手方向通路を有している。また、カテーテル内には第２長手方向 通路が設けられており、該通路には、脈管内に溶解素を分配するための出口すな わち開口がバルーンに隣接して設けられている。 本発明の原理による脈管または他の体内通路内の流路を拡大する好ましい方法 は、遠位端に隣接する膨張可能なバルーンと、該バルーンを包囲する半径方向に 拡大および収縮可能な外側メッシュスリーブとを備えたバルーンカテーテルを用 意する工程を有している。外側メッシュスリーブは、これが半径方向に拡大され たときに脈管と接触する凹凸外面を備えた構成を有している。次に、バルーンカ テーテルが脈管内に挿入される。次に、外側メッシュスリーブが脈管の内壁と接 触するようにバルーンが膨張される。この拡大により、外側メッシュスリーブが 脈管の内壁に押し付けられる。次にバルーンが収縮され、バルーンカテーテルが 脈管から取り出される。 本発明の他の態様では、本発明の方法は、バルーンの膨張工程の前にメッシュ スリーブを固定形状に半径方向に拡大させる工程を有している。この態様では、 バルーンは、膨張されたときにメッシュスリーブの固定形状に拘束される。これ により、バルーンの過大な膨張および破裂、更には脈管の損傷が防止される。ま た、この固定形状は、流路の拡大または治療における特定用途に適したユニーク な形状にすることができる。 本発明の更に別の態様によれば、本発明の方法は、脈管または他の体内通路内 でバルーンカテーテルを移動させる工程を有している。この工程は、メッシュス リーブが脈管の内壁に当接するまで拡大されるようにバルーンが膨張された後に 行われ、つぎに回転されるか長手方向に移動される。この工程は、外側メッシュ スリーブ（該メッシュスリーブは凹凸外面を備えたもので構成できる）を脈管の 内壁に押し付けて、流路を拡大させる。 本発明およびその付加的特徴および長所（これらは、以上の記載に要約したに 過ぎない）は、添付図面を参照してここに記載する好ましい実施形態を読むこと により当業者にはより明らかになるであろう。図面の簡単な説明 第１図は本発明のバルーンカテーテルの一実施形態の概略図であり、バルーン カテーテルが脈管内にあるところを示すものである。 第２図は第１図のバルーンカテーテルの概略図であり、バルーンが半径方向に 拡大した状態を示すものである。 第３図は第１図および第２図のバルーンカテーテルの軸線に沿った断面図であ り、バルーンが収縮した状態を示すものである。 第４図は第１図および第２図のバルーンカテーテルの軸線に沿った断面図であ り、バルーンが拡大した状態を示すものである。 第５図は第４図と同様の軸線に沿った断面図であり、バルーンカテーテルの別 の実施形態を示すものである。 第６図は本発明のバルーンカテーテルの別の実施形態の側面図であり、収縮し た状態を示すものである。 第７図は第６図のバルーンカテーテルの側面図であり、半径方向に拡大した状 態を示すものである。 第８図は本発明のバルーンカテーテルの更に別の実施形態の側面図であり、収 縮した状態を示すものである。 第９図は第８図のバルーンカテーテルの側面図であり、半径方向に拡大した状 態を示すものである。 第１０図は本発明のバルーンカテーテルの別の実施形態の側面図であり、拡大 した状態を示すものである。 第１１図は本発明のバルーンカテーテルの更に別の実施形態の側面図であり、 拡大した状態を示すものである。 第１２図は本発明のバルーンカテーテルの更に別の実施形態の側面図であり、 収縮した状態を示すものである。 第１３図は第１２図のバルーンカテーテルの側面図であり、拡大した状態を示 すものである。好ましい実施形態の説明 ここで図面（幾つかの図面および実施形態に亘って、同一または類似部品は同 一の参照番号で示されている）を参照すると、本発明の原理に従って構成された 外科用装置の全体が第１図において参照番号１０で示されている。図示のように 、外科用装置１０は患者４の脈管２内に挿入される。脈管２（該脈管は、図示の ような人工すなわち外科用移植片６を含む）として、動脈、静脈または他の体内 導管等のあらゆる管がある。障害物質８は、脈管２内の流路すなわち通路１１を 閉塞し、さもなくば障害を引き起こしているところが示されている。 ここで第２図〜第５図を参照すると、外科用装置１０は細長い外側チューブ１ ２を有する。該チューブ１２はカテーテルチューブで構成でき、且つ近位端１４ と遠位端１６との間で延びている長手方向軸線１３を有している。細長い内側部 材１８が設けられており、該内側部材１８は、カテーテルチューブ１２内で同軸 状に延びている。内側部材１８は、カテーテルチューブ１２との間に長手方向通 路２０が形成されるように、カテーテルチューブ１２より僅かに小さい断面すな わち直径に作られている。内側部材１８は、カテーテルチューブ１２に対して長 手方向に移動可能であることが好ましい。カテーテルチューブ１２および内側部 材１８の構造、材料および相対的な大きさは慣用的なものであり、各用途に ついて当業者に知られているように構成される。 内側部材１８の周囲には、環状バルーンチャンバ２４を形成するように、バル ーン２２が同軸状に配置されている。バルーン２２は、ブラダまたは同様な膨張 可能部品を含む任意の種類の外科用または他のバルーンで構成できる。好ましく は、バルーン２２は、エラストマ材料のような膨張性材料から、当業者に知られ た慣用的な態様で作られる。或いは、バルーン２２は、非膨張性材料で作ること もできる。この実施形態では、バルーン２２は、収縮状態すなわち弛緩状態また は膨張状態のいずれにおいてもバルーンの外周すなわち表面に折り目が存在しな いように構成されている。 バルーン２２は、種々の形態で、内側部材１８の周囲に連結される。例えば、 バルーン２２は、カテーテルチューブ１２の遠位端１６に連結される近位側バル ーン端部２６を有している。この連結は、当業者に知られているようにシールさ れる接合または溶融連結が好ましい。しかしながら、バルーン２２をカテーテル １２および内側部材１８に構造的に取り付け且つシールする任意の方法または器 具を使用することもできる。同様な形態で、第３図および第４図に示すように、 反対側のバルーン端部すなわち遠位側バルーン端部２８が内側部材１８に連結さ れる。 別の態様では、バルーン２２の両端部２６、２８を、第５図に示すように、内 側部材１８に直接連結することもできる。この態様では、内側部材１８は、環状 バルーンチャンバ２４と流体が流通するように連結される内部長手方向通路３２ を備えた内側管状部材で形成するのが好ましい。内側部材１８には、長手方向通 路３２と環状バルーンチャンバ２４とを流体が流通するように連結する開口すな わち孔３４を設けるのが好ましい。このようにすれば、流体を内側管状部材１８ および開口３４に通じてバルーン２２を膨張または収縮させることができる。 バルーン２２の周囲には、外側スリーブ３６が同軸状に配置される。外側スリ ーブ３６は、近位側スリーブ端部３８および遠位側スリーブ端部４０を有してい る。近位側スリーブ端部３８はカテーテルチューブ１２の遠位端１６に連結され 、遠位側スリーブ端部４０は内側部材１８の遠位端３０に連結される。外側スリ ーブ端部３８、４０は、構造的な固定方法を確保すべく、接着、融着、クランプ ま たは他の方法で、それぞれ、カテーテルチューブ１２および内側部材１８に固定 される。 外側スリーブ３６は、拡大および収縮の両方が可能な材料で作ることができる 。外側スリーブ３６は、完全収縮状態（第１図）から拡大状態（第２図）まで動 くことができるのが好ましい。外側スリーブ３６のこの拡大および収縮は、以下 に詳述するように、カテーテルチューブ１２に対して内側部材１８を長手方向に 移動させることによりなされる。 外側スリーブ３６は、単一フィラメントまたは複数フィラメント４２から作ら れた網目メッシュからなる。フィラメント４２は、メッシュが長手方向に移動さ れると拡大および収縮できるように、交差して螺旋状に巻かれるか、編まれるか 、または織られて指状に作られる。特定機能または目的に適合するように、各特 定フィラメント４２のサイズおよび断面形状が決められる。例えば、フィラメン ト４２は、比較的滑らかな表面４６を形成するために円形断面を備えていてもよ く、或いは、比較的粗い外面すなわち摩擦性の大きい外面４６を形成するために 鋭い縁を備えた矩形断面を備えていてもよい。外側メッシュスリーブ３６の凹凸 を増大させるのに、フィラメント４２の直径を大きくしてもよい。かくして、外 側メッシュスリーブ３６は、円滑な外面４６を有するものとして作れてもよく、 或いは粗い外面すなわち摩擦性の大きい外面４６を有するものとして作られても よい。 バルーン２２が外側メッシュスリーブ３６内に保持されるように、フィラメン ト材料４２は充分に強くなくてはならない。これらの材料として、ワイヤ、プラ スチック、単繊維ポリエステルまたは当業者に知られた任意の他の材料がある。 異なる材料の組合せを使用することもできる。異なるサイズ、種類および断面形 状のフィラメント４２を使用することに加え、異なる織り方または編み方を使用 することもできる。かくして、外側メッシュスリーブ３６は、各メッシュが最小 の半径方向直径に収縮でき且つ脈管２と接触するように拡大できるように編まれ または織られるのが有効である。また、外側メッシュスリーブ３６は、バルーン ２２が、加えられる膨張圧力の如何に係わらず、半径方向または軸線方向に更に 拡大することを防止するように、特定の拡大制限を設けることもできる。 外側スリーブ３６（該スリーブは、複数のメッシュまたは開口を備えた管状メ ッシュ材料で構成できる）は、バルーン２２の半径方向拡大を制限する所定の最 大半径方向直径つまり拡大を有する。また、外側スリーブ３６は、バルーン２２ の軸線方向の拡大を制限すべく、所定の最大軸線方向拡大すなわち長さをもつよ うに構成してもよい。好ましくは、外側スリーブ３６は、複数の開口を備えたメ ッシュスリーブを形成すべく、織られまたは編まれた一定長さの管状ファブリッ クで形成するのが好ましい。各開口は個々に拡大または収縮でき、外側メッシュ スリーブ３６の拡大、収縮並びに成形を容易にできる。この外側メッシュスリー ブ３６は、プラスチック、金属または複合体のフィラメントから作られてもよく 、凹凸面および前述のような摩擦性の大きな面さえも形成できる。 内側部材１８をカテーテルチューブ１２に対して長手方向すなわち軸線方向に 動かすと、外側スリーブ３６も強制的に移動する。例えば、カテーテルチューブ １２に対して内側部材１８を遠位側に移動させると、外側スリーブ３６の直線的 な引っ張りすなわち伸長並びに半径方向の収縮が生じ、外側スリーブ３６の直径 が縮小される。カテーテルチューブ１２に対する内側部材１８の最大遠位側移動 は、外側スリーブ３６の最大伸長長さにより制限される。逆に、内側部材１８の 近位側への長手方向の移動により、同軸状チューブ１８、１２の遠位端３０、１ ６間の距離が短縮され、外側スリーブ３６が半径方向外方に膨張される。外側ス リーブ３６のこの半径方向外方への膨張は、外側スリーブ３６を脈管２の内壁に 充分接触させることができるのに十分に行われるのが好ましい。 カテーテルチューブ１２および内側部材１８の両者には、これらの相対動を行 わせるために、作動機構（図示せず）を連結することができる。この作動機構は 、第２シャフトに対して第１シャフトを移動させる任意の装置および方法で構成 するか、当業者に知られているように外科用装置１０を作動させる任意の装置お よび方法で構成してもよい。 内側部材１８が、カテーテルチューブ１２に対し、内壁３に沿って近位側に移 動すると、外側メッシュスリーブ３６は、第２図に示すように、所定形状４４に 半径方向に拡大される。この所定形状４４は、脈管２に破裂または他の損傷を与 えないように、膨張バルーン２２の最大半径方向直径を制限するのに単に使用さ れる。好ましい実施形態では、外科用装置１０（バルーンカテーテルでもよい） は、内側部材１８が、カテーテルチューブ１２に対して複数の長手方向位置を通 って移動できるように構成されている。好ましくはこれらの各位置は、外側メッ シュスリーブ３６を完全収縮位置（第１図）から、複数の所定形状（例えば、所 定形状４４）へと半径方向に拡大するように予め定められている。カテーテルチ ューブ１２に対して内側部材１８をこれらの各所定位置（すなわち、所定形状４ ４）に一時的に保持するためのロック、凹部または他の手段を設けることができ る。好ましくは、これらのロックは前記作動機構に設けられ、且つバルーン２２ が膨張されたときに外側スリーブ３６を拡大状態に保持できる充分な強度を有し ている。各所定形状４４は、特定の脈管２に適するように、または流路１１の増 分的拡大に適するように定めることができる。 ここで第６図〜第１０図を参照して、本発明の原理によるバルーンカテーテル ５０の別の実施形態を説明する。前述の実施形態での説明と同様に、バルーンカ テーテル５０は、近位端５４と遠位端５６との間に延びている長手方向軸線５３ を備えた細長いカテーテルチューブ５２を有している。細長い内側管状部材５８ を、カテーテルチューブ５２に対して長手方向に移動できるようにカテーテルチ ューブ５２内で同軸状に配置することができる。内側管状部材５８は、該内側管 状部材５８とカテーテルチューブ５２との間に長手方向通路６０が形成されるよ うなサイズおよび形状を有している。通路６０は、流体が通り得る充分な大きさ を有している。 前述の実施形態で説明したように、バルーン６２が内側管状部材５８の周囲で 同軸状に配置されている。より詳しくは、バルーン６２は、内側管状部材５８に 連結された近位側バルーン端部６４と、近位側バルーン端部６４より遠位側でこ れも内側管状部材５８に連結された遠位側バルーン端部６６とを有している。複 数のバルーン６２を使用することもできる。この形態では、各バルーン６２が、 内側管状部材５８に沿って長手方向に間隔を隔てて配置されている。内側管状部 材５８を通る第２長手方向通路７０が設けられ、該通路７０は各バルーン６２と 流体が流通可能に相互連結される。この第２長手方向通路７０は流体を通すのに 使用され、ここを通る流体に応答して各バルーン６２を膨張および収縮させるこ とができる。各バルーン６２は、膨張および収縮を可能にする環状バルーンチャ ンバ６８を形成すべく、接着、融着または他の方法で内側管状部材５８に連結さ れる。前述のように、各バルーン６２は膨張性を有し且つエラストマ材料で作る のが好ましい。或いは、非膨張性材料を使用することもできる。 膨張バルーン６２の拡大および形状を制限することのできる外側スリーブ７２ は、近位側スリーブ端部７４および遠位側スリーブ端部７６を有している。近位 側スリーブ端部７４はカテーテルチューブ５２の遠位端５６に連結され、遠位側 スリーブ端部７６は内側管状部材５８に連結される。これらの連結方法は、前述 の実施形態について説明したものと同様である。外側メッシュスリーブ７２は、 前述の実施形態について説明したように、バルーン６２を包囲し且つ内側管状部 材５８とカテーテルチューブ５２との間の相対的な長手方向の移動により半径方 向に拡大できることが好ましい。或いは、外側メッシュスリーブは、複数のバル ーン６２（第１１図）を形成すべく、中央部分（小半径部分７８）のみを包囲す ることができる。 外側メッシュスリーブ７２には、その半径方向拡大を制限する小半径部分７８ を設けることもできる。外側スリーブ７２は、１つの小半径部分を備えたもの( 第６図および第７図)または複数の小半径部分を備えたもの（第８図〜第１０図 ）として構成するのが有効である。小半径部分７８は外側メッシュスリーブ７２ の拡大を制限し、これにより、小半径部分７８の両側に複数の環状チャンバ８０ を形成する。各環状チャンバ８０を形成する外側メッシュスリーブ７２は、前述 のように複数の所定形状８２に拡大できるように構成される。外側メッシュスリ ーブ７２は、前述の実施形態について説明したものと同様に構成するのが好まし い。 好ましい実施形態では、小半径部分７８は、より細かいメッシュパターンを有 する外側メッシュスリーブ７２の一部で形成される。この細かいメッシュパター ン（このパターンは、密な織り方で形成するか、付加製織繊維で形成できる）は 、小半径部分７８内でのメッシュの拡大を制限する。或いは、小半径部分７８は 、外側メッシュ部材７２の一部を包囲する第２メッシュスリーブまたは任意の他 の被覆構造を設けることができる。かくして、小半径部分７８には、外側メッシ ュスリーブ７２を包囲するプラスチックまたは金属バンドを設けることができる 。 内側管状部材５８がカテーテルチューブ５２に対して近位側に移動すると、外 側メッシュスリーブ７２が、前述のように半径方向外方に拡大される。外側メッ シュスリーブ７２は、拡大したときに所定形状８２になる特殊構成の織り方また は編み方で構成できる。同様な態様で、複数の所定位置の間の、カテーテルチュ ーブ５２に対する内側管状部材５８の長手方向の増分的移動を用いて、外側メッ シュスリーブ７２を多数の所定形状８２にさせることができる。カテーテルチュ ーブ５２に対して内側管状部材５８を一時的に固定するのに、各所定位置にロッ クまたは戻り止めを設けることができる。 各所定形状８２は、好ましくは第７図、第９図および第１０図に示すようなユ ニークな形状を形成する。これらのユニークな形状８０として、球状８４、円錐 状８６並びに外側メッシュスリーブ７２を拡大できる他の殆どの形状にすること ができる。バルーン６２は、拡大される外側メッシュスリーブ７２と一致するよ うに膨張される。より良い一致ができるようにするには、膨張性バルーン６２が 好ましい。バルーン６２は、外側メッシュスリーブ７２を所定形状８２に拡大す る補助をするためにも膨張される。しかしながら、外側メッシュスリーブ７２は 、ひとたび所定形状８２に完全に拡大すると、バルーン６２が半径方向及び／又 は軸線方向に拡大しないように保持する。かくして、バルーン６２は、脈管２を 破裂させることまたは損傷させることがないように有効に保持される。 ここで第１１図を参照して、バルーンカテーテル９０の更に別の実施形態を説 明する。この実施形態では、バルーンカテーテル９０は前述の実施形態と同様で あり、従って、これらの相違を説明する必要がある点のみを説明する。 バルーンカテーテル９０は、互いに間隔を隔てた２つの主要拡大部９２を有し ている。これらの拡大部９２は、前述のものと同様な単一または複数のカテーテ ルバルーン９３で構成するのが好ましい。両主要拡大部９２の間には、第１１図 に示すように、被覆構造すなわち外側メッシュスリーブ９４が設けられる。この 形態では、外側メッシュスリーブ９４は、剛性メッシュから作られるか、比較的 拡大し難いメッシュで作られる。或いは、両主要拡大部９２の上に、第１０図に 最も良く示すように外側メッシュスリーブ９４を設けることができる。各主要拡 大部９２は、バルーンカテーテル９０内の長手方向通路９６を通る流体の使用に より膨張およひ収縮される。 バルーンカテーテル９０内の第２長手方向通路９８は、外側メッシュ構造９４ を通る流体９９の分配用または真空９９の供給用導管を形成する。互いに間隔を 隔てた各主要拡大部９２の間には、流体９９または真空９９を供給するのが好ま しい。好ましい実施形態では、流体９９として、脈管２内のあらゆる障害物質８ の除去の補助に使用される溶解素がある。或いは、流体９９として、当業者に知 られた任意の治療剤を使用できる。両主要拡大部９２間の領域には、関連する外 側メッシュスリーブ９４へのあらゆる障害物質８の付着を促進させるため、また は両主要拡大部９２間の任意の他の物質の除去を容易にするため、吸引力すなわ ち真空９９を供給できる。 ここで第１図、第２図、第１２図および第１３図を参照して、本発明の原理に よるバルーンカテーテルの他の実施形態を説明する。この実施形態では、バルー ンカテーテル１００は、第１図および第２図に最も良く示すように、外科用移植 片６、人工血管移植片、シャント（バイパス）または同様な脈管内から障害物を 浄化し且つ除去するのに有効に使用できる。より詳しくは、バルーンカテーテル １００は、外科用移植片６内の血栓または凝塊を除去するのに有効に構成されて いる。バルーンカテーテル１００（該バルーンカテーテルは、慣用バルーン１０ ４を備えた慣用バルーンカテーテルで構成できる）はまた、拡大および収縮可能 な外側管状スリーブ１０６を有している。この外側スリーブ１０６（該外側スリ ーブは、前述の実施形態で説明した外側スリーブ３６と同様なもので構成できる ）は、近位側スリーブ端部１０８および遠位側スリーブ端部１１０を有し、且つ バルーン１０４を包囲している。外側スリーブ１０６は、バルーンカテーテル１ ００のバルーン１０４の膨張および収縮により、半径方向に拡大および収縮でき る。 外側スリーブ１０６は、その近位側スリーブ端部１０８または遠位側スリーブ 端部１１０がバルーンカテーテル１００に連結されている。この形態では、外側 スリーブ１０６の一端１０８、１１０がバルーンカテーテル１００およびバルー ンに沿って自由に移動できる。かくして、バルーンの拡大により外側スリーブ１ ０６の長手方向長さが短縮され、一方、バルーン１０４の収縮によりスリーブ１ ０６が伸長される。外側スリーブ１０６は、バルーン１０４が収縮されたとき に外側スリーブ１０６が確実に収縮されるようにするため、バルーン１０４に連 結することができる。バルーン１０４に連結する場合には、取付けは、バルーン カテーテル１００に連結されない側の外側スリーブ１０６の端部１０８，１１０ の小半径部分すなわちくびれ部分を介して行うのが好ましい。 この形態では、外側スリーブ１０６は、膨張されるバルーン１０４により、バ ルーン１０４が可能である殆ど全ての半径方向寸法に拡大される。しかしながら 、外側スリーブ１０６は、バルーン１０４の半径方向または軸線方向の拡大が拘 束されるように、前述のように充分に剛性の高いまたは充分に細かいメッシュで 構成できる。 外側スリーブ１０６には、凹凸外面１１２を設けるのが有効である。外科用移 植片６は生体の脈管２より丈夫で且つより強く擦ることができるので、凹凸外面 １１２は、前述のものよりかなり大きい摩擦を与えるものとすることができる。 この形態では、外側スリーブ１０６は、前述の実施形態で説明したように、複数 のフィラメント１１４から、メッシュに織られまたは編まれる。同様に、フィラ メント１１４は、外面１１２の凹凸すなわち粗さを調節すべく、サイズ、形状お よび方向を定めることができる。或いは、外側スリーブ１０６は、凹凸外面をも つ任意の拡大可能なスリーブから作ることができる。 バルーン１０４が膨張されると、外側スリーブ１０６は、外面１１２（該外面 は、凹凸外面を形成する製織メッシュまたは編組メッシュで構成できる）が脈管 ２または外科用移植片６の内壁に押し付けられるまで、膨張バルーンと一緒に半 径方向外方に拡大される。血栓または他の障害物に隣接する場合には、外側スリ ーブ１０６の凹凸外面１１２が障害物内に押し込まれるであろう。外科用移植片 ６および隣接する外側スリーブ１０６内には、溶解素のような流体を供給するか 、真空で吸引することができる。次に、バルーンカテーテルを移動または回転さ せ、障害物を解放させ且つ流路を開くことができる。次に、バルーン１０４を収 縮させればスリーブ１０６が収縮され、バルーンカテーテル１００を移植片６か ら取り出すことができる。 ここで第１図〜第１１図を参照して、本発明のバルーンカテーテル１０の使用 方法を説明する。脈管２内の流路１１を拡大する本発明の方法は、前述のバルー ンカテーテル１０のようなカテーテルを用意する工程を有している。用意される バルーンカテーテル１０は、バルーン２２を包囲する半径方向に拡大および収縮 可能な外側メッシュスリーブ３６を有している。外側メッシュスリーブ３６はバ ルーン２２に対して独立して拡大および収縮し、スリーブ３６が拡大すると脈管 ２に接触する。次にバルーンカテーテル１０が、障害物質８に隣接するようにし て脈管２内に挿入される。次に、外側メッシュスリーブ３６が所定の形状４４ま で半径方向に拡大される。 外側メッシュスリーブ３６を半径方向に拡大し且つ所定形状４４に形成する工 程は、内側部材１８をカテーテルチューブ１２に対して近位側に向かって長手方 向に移動させることにより行われる。所定形状４４としては、前述のような所定 形状がある。外側メッシュスリーブ３６が所定形状４４に拡大した後、外側メッ シュスリーブ３６が半径方向に充分拡大して脈管２の内壁と接触するように、バ ルーン２２を膨張させることができる。外側メッシュスリーブ３６は、バルーン ２２が所定形状４４を超えて半径方向に拡大するのを防止する。 次に、バルーンカテーテル１０を脈管２内で動かして、流路１１を開通させる 。この動きとして、脈管２に対して膨張したスリーブ３６を長手方向に移動させ ること、または外側スリーブ３６を回転させることがある。外側メッシュスリー ブ３６に隣接する脈管２内に流体９９を注入または分配できる。この流体９９と しては、前述のように、溶解素のような細胞溶解剤が好ましいが、他の種類の治 療用流体を含有させることもできる。分配流体９９とは別に、または分配流体９ ９と組み合わせて、外側メッシュスリーブ３６に隣接させて真空または低圧を吸 引することもできる。 流路１１を拡大させた後、または脈管２内からあらゆる障害物質８を除去した 後、バルーン２２を収縮させることができる。バルーン２２が収縮されたならば 、外側メッシュスリーブ３６が収縮され、バルーンカテーテル１０を脈管２から 取り出すことができる。 本発明の精神および範囲から逸脱することなく、ここに開示した種々の実施形 態に種々の変更を施すことができることは理解されよう。例えば、種々のサイズ のバルーンカテーテル、外側メッシュスリーブおよび種々の構成材料を考えるこ とができる。また、部品の形状およびこれらの相互作用に種々の変更を施すこと ができる。従って、上記説明は本発明を制限するものと解釈すべきではなく、単 に本発明の好ましい実施形態の一例であると解釈すべきである。当業者ならば、 請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲内で他の変更を考えることがで きよう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チー シン エデュアード アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92677 ラグナ ニグエル ショアブリー カー ドライヴ 75 (72)発明者 ヴァンデンブローク フランス アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92688 ランチョー サンタ マルガリー タ サン イグナチオ ４ (72)発明者 マイヤーズ リチャード エル アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92653 ラグナ ヒルズ メリット サー クル 26051 スイート 103

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内部に配置される膨張可能なバルーンの拡大および形状を制御する外科用装 置において、 近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線を備えた外側チューブと、 該外側チューブ内で同軸状に延びている内側部材とを有し、該内側部材は外 側チューブ内で長手方向に移動でき且つ内側部材と外側チューブとの間に流体 が通る長手方向通路が形成されるように構成され、 内側部材の周囲で同軸状に配置されたバルーンを有し、該バルーンは、前記 長手方向通路と流体連結される環状バルーンチャンバを形成すべく、外側チュ ーブの遠位端に連結された近位側バルーン端部および内側部材に連結された遠 位側バルーン端部を備え、前記バルーンは、長手方向通路を通る流体に応答し て膨張および収縮する特性を有し、 前記バルーンを包囲する外側スリーブを更に有し、該外側スリーブは、外側 チューブの遠位端に連結された近位側スリーブ端部および内側部材の遠位端に 連結された遠位側スリーブ端部を備えており、前記脈管と接触すべくカテーテ ルチューブに対する内側部材の移動によりバルーンとは独立して半径方向に拡 大および収縮できることを特徴とする外科用装置。 ２．前記内側部材は外側チューブ内で長手方向に移動でき、これにより、外側ス リーブが所定形状へと半径方向に拡大され、バルーンは、膨張されたときに、 外側スリーブにより所定形状に制限されることを特徴とする請求の範囲第１項 に記載のバルーンカテーテル。 ３．脈管内の流路を拡大するバルーンカテーテルにおいて、 近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線を備えたカテーテルチューブと 、該カテーテルチューブ内で同軸状に延びている内側部材とを有し、該内側 部材はカテーテルチューブ内で長手方向に移動でき且つ内側部材とカテーテル チューブとの間に流体が通る長手方向通路が形成されるように構成され、 内側部材の周囲で同軸状に配置されたバルーンを有し、該バルーンは、前記 長手方向通路と流体連結される環状バルーンチャンバを形成すべく、カテー テルチューブの遠位端に連結された近位側バルーン端部および内側部材に連結 された遠位側バルーン端部を備え、前記バルーンは、長手方向通路を通る流体 に応答して膨張および収縮する特性を有し、 前記バルーンを包囲する外側スリーブを更に有し、該外側スリーブは、カテ ーテルチューブの遠位端に連結された近位側スリーブ端部および内側部材の遠 位端に連結された遠位側スリーブ端部を備えており、前記脈管と接触すべくカ テーテルチューブに対する内側部材の移動によりバルーンとは独立して半径方 向に拡大および収縮できることを特徴とするバルーンカテーテル。 ４．前記バルーンは膨張性を有することを特徴とする請求の範囲第３項に記載の バルーンカテーテル。 ５．前記内側部材は外側チューブ内で長手方向に移動でき、これにより、外側ス リーブが所定形状へと半径方向に拡大され、バルーンは、膨張されたときに、 外側スリーブにより所定形状に制限されることを特徴とする請求の範囲第３項 に記載のバルーンカテーテル。 ６．前記外側スリーブの所定形状は、カテーテルチューブに対する内側部材の複 数の所定位置のうちの１つに関連する複数の所定形状のうちの１つであること を特徴とする請求の範囲第５項に記載のバルーンカテーテル。 ７．前記各所定形状が、複数の異なる形状のうちの１つに関連していることを特 徴とする請求の範囲第５項に記載のバルーンカテーテル。 ８．前記所定形状が、互いに間隔を隔てた１対の環状チャンバを有することを特 徴とする請求の範囲第５項に記載のバルーンカテーテル。 ９．少なくとも１つのユニークな形状が、互いに間隔を隔てた１対の環状チャン バを有することを特徴とする請求の範囲第７項に記載のバルーンカテーテル。 10.前記外側スリーブが、互いに間隔を隔てた環状セクション間の小半径部分を 有していることを特徴とする請求の範囲第９項に記載のバルーンカテーテル。 11.前記内側部材が、第２流路を通す軸線方向通路を有していることを特徴とす る請求の範囲第３項に記載のバルーンカテーテル。 12.前記外側スリーブが、製織管状メッシュを有することを特徴とする請求の範 囲第３項に記載のバルーンカテーテル。 13.前記編まれたメッシュが、複数の撚り合わせフィラメントからなることを特 徴とする請求の範囲第１２項に記載のバルーンカテーテル。 14.脈管内の流路を拡大するバルーンカテーテルにおいて、 近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線を備えたカテーテルチューブと 、 該カテーテルチューブ内で同軸状に延びている内側管状部材とを有し、該内 側管状部材はカテーテルチューブ内で長手方向に移動でき且つ内側部材とカテ ーテルチューブとの間に流体が通る長手方向通路が形成されるように構成され 、 内側部材の周囲で同軸状に配置されたバルーンを有し、該バルーンは、環状 バルーンチャンバを形成すべく、内側管状部材に連結された近位側バルーン端 部および内側管状部材の遠位端に連結された遠位側バルーン端部を備え、 前記バルーンを包囲する外側スリーブを更に有し、該外側スリーブは、カテ ーテルチューブの遠位端に連結された近位側スリーブ端部および内側部材の遠 位端に連結された遠位側スリーブ端部を備えており、前記脈管と接触すべくカ テーテルチューブに対する内側部材の移動によりバルーンとは独立して半径方 向に拡大および収縮できることを特徴とするバルーンカテーテル。 15.前記内側管状部材は、バルーンを流体により膨張および収縮させるべく、環 状バルーンチャンバと流体が流通可能に連結するための長手方向通路を有する ことを特徴とする請求の範囲第１４項に記載のバルーンカテーテル。 16.前記バルーンが膨張性を有することを特徴とする請求の範囲第１５項に記載 のバルーンカテーテル。 17.前記バルーンが非膨張性を有することを特徴とする請求の範囲第１５項に記 載のバルーンカテーテル。 18.前記内側管状部材がカテーテルチューブに対して長手方向に移動でき、これ により、外側スリーブが所定形状へと半径方向に拡大され、バルーンは、膨張 されたときに、外側スリーブにより所定形状に制限されることを特徴とする請 求の範囲第１５項に記載のバルーンカテーテル。 19.前記外側スリーブの所定形状が、カテーテルチューブに対する内側部材の複 数の所定位置のうちの１つに関連する複数の所定形状のうちの１つであるこ とを特徴とする請求の範囲第１８項に記載のバルーンカテーテル。 20.前記各所定形状が、複数の異なる形状のうちの１つに関連していることを特 徴とする請求の範囲第１９項に記載のバルーンカテーテル。 21.前記外側スリーブが、製織フィラメントのメッシュからなることを特徴とす る請求の範囲第１４項に記載のバルーンカテーテル。 22.脈管を浄化し且つ脈管から障害物を除去する外科用装置において、 近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線を有するカテーテルと、 該カテーテルに同軸状に、カテーテルの前記遠位端に隣接してカテーテルに 連結される膨張および収縮可能なバルーンと、 該バルーンを包囲し且つ近位側スリーブ端部および遠位側スリーブ端部を備 えた外側管状スリーブとを有し、該スリーブは、バルーンにより半径方向に膨 張および収縮でき且つ脈管と接触する凹凸外面を備え、前記スリーブ端部のう ちの少なくとも１つがカテーテルに連結されていることを特徴とする外科用装 置。 23.前記カテーテルは更に、前記遠位端に設けられた開口を有し、該開口はバル ーンと流体が流通可能に連結しており、流体をカテーテルに通してバルーンを 膨張および収縮させることができることを特徴とする請求の範囲第２２項に記 載の外科用装置。 24.前記カテーテルは更に、第２流体をカテーテルに通すための第２長手方向通 路を有し、該第２長手方向通路は、バルーンの外部に第２流体を分配するため の第２開口と流体連結されていることを特徴とする請求の範囲第２３項に記載 の外科用装置。 25.前記流体が溶解素であることを特徴とする請求の範囲第２４項に記載の外科 用装置。 26.前記カテーテルは更に、バルーンの外部に隣接して小さい圧力を付与するた めの第３開口と流体連結するための第３長手方向通路を有することを特徴とす る請求の範囲第２４項に記載の外科用装置。 27.前記遠位側スリーブ端部が、カテーテルの遠位端に取り付けられていること を特徴とする請求の範囲第２２項に記載の外科用装置。 28.前記近位側スリーブ端部が、遠位端より近位側でカテーテルに取り付けられ 、遠位側スリーブ端部はカテーテルの遠位端に隣接して相対移動できることを 特徴とする請求の範囲第２２項に記載の外科用装置。 29.前記外側管状スリーブが製織フィラメントメッシュからなることを特徴とす る請求の範囲第２２項に記載の外科用装置。 30.前記バルーンが膨張性材料で作られることを特徴とする請求の範囲第２２項 に記載の外科用装置。 31.前記バルーンが非膨張性材料で作られることを特徴とする請求の範囲第２２ 項に記載の外科用装置。 32.バルーンカテーテルに使用して脈管内の流路を拡大する方法において、 遠位端に隣接する膨張可能なバルーンおよび該バルーンを包囲する半径方向 に拡大および収縮可能な外側メッシュスリーブを備えたバルーンカテーテルを 用意する工程と、 該バルーンカテーテルを脈管内に挿入する工程と、 メッシュスリーブが脈管と接触するようにバルーンを膨張させる工程と、 バルーンを収縮させる工程と、 脈管からバルーンカテーテルを取り出す工程とを有することを特徴とする脈 管拡大方法。 33.前記バルーンを膨張させる工程より前に、製織メッシュスリーブを所定形状 に半径方向に拡大させ、バルーンが膨張されたときに、バルーンをメッシュス リーブの所定形状に制限する工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第 ３２項に記載の脈管拡大方法。 34.前記膨張工程の後に、脈管内でバルーンカテーテルを移動させ、製織メッシ ュスリーブが脈管に当接するように拡大させ且つ脈管を擦って脈管を拡大させ る工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第３３項に記載の脈管拡大方 法。 35.前記バルーンカテーテルが脈管内にあるとき、製織メッシュスリーブに隣接 するように溶解素を注入する工程を更に有することを特徴とする請求の範囲第 ３３項に記載の脈管拡大方法。 36.障害物のある脈管内の流路を拡大する方法において、 膨張性バルーンを包囲する、半径方向に拡大可能な製織メッシュスリーブと 、内側シャフトおよび外側シャフトからなる１対の同軸状管状シャフトであっ て、内側シャフトがメッシュスリーブの遠位端に連結され且つ外側シャフトが メッシュスリーブの近位端に連結されていて、外側シャフトに対する内側シャ フトの移動によりメッシュスリーブがそれぞれ拡大および収縮されるように構 成された１対の同軸状管状シャフトとを備えたバルーンカテーテルを用意する 工程と、 該バルーンカテーテルを脈管内に配置する工程と、 障害物に隣接するようにメッシュスリーブを指向させる工程と、 外側シャフトに対して内側シャフトを移動させてメッシュスリーブを所定形 状に半径方向に拡大させる工程と、 バルーンを膨張させて、バルーンをメッシュスリーブの所定形状内で拡大さ せる工程と、 メッシュスリーブを障害物に当接させた状態で移動させ、障害物を脈管から 除去する工程と、 外側シャフトに対して内側シャフトを移動させ、メッシュスリーブを半径方 向に収縮させる工程と、 脈管からバルーンカテーテルを取り出す工程とを有することを特徴とする流 路拡大方法。 37.前記製織メッシュスリーブに隣接するように、脈管内に液体を注入する工程 を更に有することを特徴とする請求の範囲第３６項に記載の流路拡大方法。 38.人工移植脈管内の流路を浄化する方法において、 同軸状の膨張可能な内側バルーンおよび該バルーンを包囲する同軸状の製織 メッシュスリーブを備えたバルーンカテーテルを用意する工程と、 該バルーンカテーテルを人工移植脈管内に配置する工程と、 メッシュスリーブが拡大されて移植脈管に押し付けられるようにバルーンを 半径方向に拡大させる工程と、 バルーンを収縮させてメッシュスリーブを収縮させる工程と、 患者からバルーンカテーテルを取り出す工程とを有することを特徴とする人 工移植脈管内の流路浄化方法。 39.前記拡大されたメッシュスリーブを人工移植脈管内で移動させる工程を更に 有することを特徴とする請求の範囲第３８項に記載の人工脈管内の流路浄化方 法。 40.前記人工移植脈管内に溶解素を注入する工程を更に有することを特徴とする 請求の範囲第３８項に記載の人工脈管内の流路浄化方法。