JP2001518064A - 高溶解性ピロリン酸塩を含有する抗歯石性歯磨き剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 抗歯石性歯磨き剤組成物であって、チモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル及びそれらの混合物からなる群から選択される抗微生物的に有効量の抗微生物剤、及び該組成物の約０.１重量％から約１.５重量％未満の量のピロリン酸イオンであって、高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩から誘導されるピロリン酸イオンを含有する抗歯石性歯磨き剤組成物。この組成物は、抗歯石性増強剤が実質的に存在しなくても、低レベルのピロリン酸イオンで、抗微生物及び抗歯石効力の両方を示す。

Description

【発明の詳細な説明】 高溶解性ピロリン酸塩を含有する抗歯石性歯磨き剤 発明の背景 発明の分野 この発明は、高溶解性ピロリン酸塩、及びチモール、オイカリプトール、サリ チル酸メチル及びそれらの混合物からなる群から選択される抗微生物的に有効量 の抗微生物剤を含有ナる、練り歯磨き、ゲル歯磨き及び粉歯磨きなどの抗歯石性 歯磨き剤に関する。場合により、メントール又はアネトールのような１又はそれ を越える他の精油も含めることができる。関連する背景技術 酒石としても知られている歯石は、歯の表面上に形成するカルシウム沈着物質 の硬質固体塊である。成熟した歯石は、その殆どがヒドロキシアパタイト（ＨＡ Ｐ）結晶格子内に配されたリン酸カルシウムである無機部分と、脱落した上皮細 胞、白血球、唾液堆積物、食物デブリ及び種々の微生物からなる有機部分からな る。時間が経過すると、成熟した歯石は、審美的に望ましくない色が目につくよ うになる。機械的手段によって歯石を除去するために、定期的に歯科医院を訪れ るのが普通である。 歯石の形成を阻害するか又は歯石が形成された後にそれを除去しようとして多 くの組成物が開発されてきた。ピロリン酸塩を用いて歯石の形成を阻害するか又 は遅らせることができることは周知である。例えば、米国特許第４,３２３,５５ １号は、約０.０２〜０.２０％の塩化セチルピリジウムのような四級アンモニウ ム化合物と約０.５〜５％のＰ₂Ｏ₇ ^-4イオンを提供するのに十分な量のテトラア ルカリ金属ピロリン酸塩とを含有するうがい薬組成物を一般的に記載している。 練り歯磨きのような歯磨き剤又は抗微生物的に有効量の精油を歯磨き剤に用いる ことは、開示も示唆もされていない。 一般に、ピロリン酸塩は、比較的低濃度での歯石の有効な阻害剤として残存で きるように、口腔内での有意な加水分解から保護されなければならないと考えら れてきた。米国特許第４,８８９,７１２号は、約０.１〜７％の水溶性の線状分 子的に脱水されたピロリン酸アルカリ金属又はピロリン酸アンモニウムと、合成 アニオン性ポリマーのポリカルボン酸塩とを特定比率で含有する口内用組成物に 向けられている。ポリカルボン酸塩は、比較的不溶性のピロリン酸四ナトリウム の砂のような感じに又はより溶解性のピロリン酸四カリウムの苦味に伴う問題を 克服しようと、ピロリン酸塩の量を少なくするために用いられる。 同じく、米国特許第５,１８０,５７６号は、重炭酸ナトリウムを含めることに より抗歯石性歯磨き剤に必要なピロリン酸塩の量を少なくすることに向けられて いる。重炭酸ナトリウムは、ピロリン酸塩の歯石阻害特性を高めるので、より少 ない量、例えば、約１.５％Ｐ₂Ｏ₇ ^-4イオンのピロリン酸塩しか必要でないよう にすると言われている。 比較的低いレベルのピロリン酸塩が用いられるときは、抗歯石性増強剤が必要 になる旨が、更にSchiff，T.G．ら“The Comparative Anticalculus Effect of Dentifrices Contairing 1.30% Soluble Pyrophosphate With and Without a Co polymer,"The Journal of Clinical Dentistry，Vol.II，No.2，48-52（1990） に記載されている。この刊行物は、（２.０％のピロリン酸四ナトリウムからの ）１.３０％の溶解性ピロリン酸塩及び１.５０％のメトキシエチレンとマレイン 酸のコポリマーを含有する歯磨き剤が歯石形成を有意に軽減したが、そのコポリ マーのない類似の歯磨き剤は軽減しなかったことを開示している。比較的不溶性 のピロリン酸四ナトリウムが使用されただけであった。上記の先行技術はいずれ も、抗微生物的に有効量の精油を歯磨き剤に使用することを開示も示唆もしてい ない。 揮発性油又は精油は、口内ケア製品に広く用いられている。精油は、植物源か ら誘導されるか又は合成される芳香族化合物である。幾つかの精油は、口の中の 最も普通の病原菌に対して長時間の殺菌効果を示す。これら病原菌は、頻繁に、 口臭、歯垢、及び歯回炎と関係している。チモールは、周知でありかつ口内ケア 製品において抗微生物剤として広く使用される精油である。他の精油には、メン トール、サリチル酸メチル、オイカリプトール、アネトール及びオイゲノールが 含まれる。 精油は、ここ数年の間、防腐性及び抗歯垢性うがい薬溶液に用いられてきた。 例えば、LISTERINE ０防腐性うがい薬が１８８１年から市販されており、精油で あるチモール、メントール、オイカリプトール、及びサリチル酸メチルを含有し ている。より最近では、精油は、練り歯磨きの配合に含められている。米国特許 第１,５２６,９４０号は、殺菌性のイヒチオールスルホン酸アンモニウムを香味 剤及び味覚マスキング成分としての多量のチモール、メントール、オイカリプト ール、サリチル酸メチル及びペパーミント油と共に有する練り歯磨きを記載して いる。 米国特許第３,１６４,５２４号は、２,２'−チオビス−（４,６−ジクロロフ ェノール）、ホウ酸、サリチル酸メチル、チモール、メントール、及びオイカリ プトールを含む口内防腐剤に向けられている。 米国特許第５,０９４,８４３号は、フッ素源と、特定範囲のチモール、メント ール、サリチル酸メチル及びオイカリプトールを有する抗歯垢性で抗歯肉炎性の 練り歯磨きを記載している。 約３.０〜約５.５のｐＨで高い防腐活性を有する精油が入った歯磨き剤組成物 が、１９９４年７月２５日に出願された“Antiseptic Dentifrice”という標題 の係属中の米国出願第０８／２８０,０９８号に記載されている。なお、これは 参照によりここに組み入れられるものとする。しかしながら、ピロリン酸塩での 歯石の軽減又は阻害は記載されていない。 ＰＣＴ国際公開番号ＷＯ９５／１７８７９は、約３２００〜約４５００ｐｐｍ のチモール、約１.５〜約１０％の１又はそれを越える水溶性アルカリ金属ピロ リン酸イオン源、及び約８９〜約２８％の１又はそれを越えるキャリア物質を有 する口内用組成物を一般的に記載している。この刊行物は、有用であり得るピロ リン酸四ナトリウムの量は、組成物の少なくとも１.０重量％、好ましくは約１. ５〜約１０重量％のＰ₂Ｏ₇ ^-4を提供するのに十分な量であることを示唆している 。合成アニオン性ポリマーのような抗歯石性増強剤は、任意成分であると言われ ている。この刊行物は、歯磨き剤組成物に６.８３２％のピロリン酸四カリウム （６０％）を使用することも例示している。しかしながら、高溶解性アルカリ金 属ピロリン酸塩から誘導される低レベルのピロリン酸イオンを有する組成 物の開示も示唆もない。 米国特許第４,９１３,８９５号は、一定の線状ポリリン酸塩又は環状ポリリン 酸塩から選択される少なくとも１種のリン酸塩とメントール、アネトール又はそ れらの混合物を含有する口内用組成物を適用する方法に向けられている。この組 成物は、抗細菌効力を提供するので、歯石と歯周疾患の発生を予防すると言われ ている。この特許は、１−メントールとピロリン酸四カリウムから誘導される１ .３７％のＰ₂Ｏ₇ ^-4イオンを含有する練り歯磨き剤組成物を開示している。 しかしながら、高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩をチモールと組み合わせて用 いることの利点に対する認識がない。 発明の要旨 この発明は、抗歯石性歯磨き剤組成物であって、（a）チモール、オイカリプ トール、サリチル酸メチル及びそれらの混合物からなる群から選択される抗微生 物的に有効量の抗微生物剤；(b)該組成物の約０.１重量％から約１.５重量％未 満の量のピロリン酸イオンであって、高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩から誘 導されるピロリン酸イオン；及び（c）口内に受入れ可能なキャリアを含む抗歯 石性歯磨き剤組成物に関する。好ましくは、抗微生物剤にはチモールが含まれ、 最も好ましくは、少なくともチモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル及 びメントールの組み合わせである。重要なことは、この発明の抗歯石性組成物は 、口腔内においてピロリン酸塩の加水分解を阻害するのに用いられる公知の抗歯 石性増強剤を実質的に含まないことである。 この発明で用いられる高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩は、典型的には２５ ０℃で２００ｇ／ｋｇより大きな、好ましくは５００ｇ／ｋｇより大きな水溶性 を有する。ピロリン酸四カリウムが非常に好ましい。 この発明の抗歯石性歯磨き剤は、有益なことには低レベルの高溶解性アルカリ 金属ピロリン酸塩を用いて、歯垢を阻害するための抗微生物効力を抗歯石効力と 共に提供する。 この発明の他の態様は、歯の表面上での歯石の形成を阻害する方法であって、 上記の抗歯石性歯磨き剤組成物を歯に適用する段階を含む方法に関する。一般に 、 この適用段階は歯ブラシを介して行われるが、他の適用手段も用いることができ る。 発明の詳細な説明 この発明の歯磨き剤組成物は、抗微生物的に有効量のチモール及び場合により １又はそれを越える他の精油の両方及びその組成物中で約０.１重量％から約１. ５重量％未満のＰ₂Ｏ₇ ^-4イオンを提供する高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩を 含有する。好ましくは、この発明の歯磨き剤組成物のｐＨは、その組成物の安定 性を高めるために約７〜１０に調節される。 高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩は、一般に、２５０℃で少なくとも２００ ｇ／ｋｇ、より好ましくは少なくとも５００ｇ／ｋｇ)最も好ましくは１０００ ｇ／ｋｇより大きな水溶性を有する。ピロリン酸塩は、当業者にとって周知であ る。特に好ましい高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩は、２５０℃で１８７０ｇ ／ｋｇの水溶性を有するピロリン酸四カリウムである。 重要なことは、この発明の歯磨き剤組成物は、抗歯石性増強剤を実質的に含ま ないことである。そのような抗歯石性増強剤には、合成アニオン性ポリマーのポ リカルボン酸塩（例えば、米国特許第４,８０６,３４２号、４,８６９,８９８号 、４,８８９,７１２号、４,９２１,６９３号、５,０４３,１５４号、及び５,０ １７,３６２号に開示されている）、ポリビニルホスフェート（米国特許第５,０ ９４,８４４号に開示されている）、重炭酸ナトリウム（米国特許第５,１８０, ５２６号に開示されている）、アクリル酸／マレイン酸のホスホノ含有コテロマ ー（cotelomer）（米国特許第５,１４３,７１９号に開示されている）等が含ま れる。この発明の目的のために、抗歯石性増強剤には、有効量で与えられたとき に口腔内でピロリン酸塩の加水分解を阻害する化合物が含まれる。 精油は、合成されるか又は蒸留、発現又は抽出により植物から誘導することが でき、そして通常はそれらが得られる植物の臭気又は風味を運ぶ揮発性芳香油で ある。この発明の歯磨き剤組成物では、精油により防腐活性が提供される。これ ら精油の幾つかは、香味剤としても作用する。チモールに加えて、この発明の精 油には、メントール、、サリチル酸メチル（ウィンターグリーン油）、オイカリ プトール、カルバクロール、ショウノウ、アネトール、カルボン（carvone）、 オイゲノール、イソオイゲノール、リモネン、オシメン（osimen）、ｎ−デシル アルコール、α−シトロネール、サルピネオール（salpineol）、酢酸メチル、 酢酸シトロネール、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナ ロール、サフローラバニリン、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オ レンジ油、セージ油、ローズマリー油、シナモン油、ピメント油、ローレル油、 シダー葉油、及び丁字油が含まれるが、これらに限定されない。精油は、本発明 の歯磨き剤組成物中に、約０.０１〜約５.０％ｗ／ｗの量で；好ましくは約O.０ ５〜約４.０％ｗ／ｗの量で；より好ましくは約０.１〜約３.０％ｗ／ｗの量で あることができる。精油の特に好ましい組み合わせには、チモール、メントール 、オイカリプトール及びサリチル酸メチルが含まれる。 化学式５−メチル−２−（１−メチルエチル）フェノールによっても知られる チモールは、Thymus vulgaris Labiatae及びMonarda punctata Labiataeの精油 から得られる。チモールは、芳香臭及び芳香味を有する白色結晶粉末であり、有 機溶媒に溶けるが脱イオン水には僅かに溶けるだけである。チモールは、この発 明の歯磨き剤組成物中に、約０.０１〜約１.５％ｗ／ｗの量で；好ましくは約０ .０２５〜約１.０％ｗ／ｗの量で；最も好ましくは約０.０５〜約０.８％ｗ／ｗ の量で含まれる。 メントールは、主にMentha arvensisの油から単離される。その商業的形態で は、メントールは、その油の冷却を包含する方法から得られるＬ−メントール結 晶として入手可能である。通常は約４０〜約６５％のメントールを含有するペパ ーミント油の分別蒸留は、メントールのもう一つの重要な供給源に相当する。 Ｌ−メントールの合成源も入手可能である。メントールは、本発明の歯磨き剤組 成物中に、約０.０１〜約３.０％ｗ／ｗの量で；好ましくは約０.０５〜約２.５ ％ｗ／ｗの量で；最も好ましくは約０.１〜約２.０％ｗ／ｗの量であり得る。 防腐特性を有する別の精油であるオイカリプトールは、ユーカリの木から誘導 される。ショウノウ様臭気と清涼な味覚を有するので、この精油は、しばしば、 糖菓の配合において、薬品的効果を付与するために、メントールのような他の精 油と組み合わされる。メントールとオイカリプトールの組み合わせは広く用いら れている。本発明によれば、メントール−オイカリプトールの組み合わせの特に 好ましい用途には、練り歯磨き又は歯科用ゲルのような歯磨き剤が含まれる。オ イカリプトールは、本発明の歯磨き剤組成物中に、約０.０１〜約１.５％ｗ／ｗ の量で；好ましくは約０.０２５〜約１.０％ｗ／ｗの量で；最も好ましくは約０ .０５〜約０.８％ｗ／ｗの量であり得る。 サリチル酸メチルは、多くの精油中の主要な成分であって、ウィンターグリー ン（Gaultheria procumvens）及びスィートカンバ（Betula lenta）の油の約９ ９％を構成している。特有の爽快な臭気を有するサリチル酸メチルは、うがい薬 、チューインガム及び他の口内用及び医薬製剤において広く用いられている。サ リチル酸メチルは、本発明の歯磨き剤組成物中に、約０.０１〜約３.０％ｗ／ｗ の量で；好ましくは約０.０５〜約２.５％ｗ／ｗの量で；最も好ましくは約０. １〜約２.０％ｗ／ｗの量であり得る。 本発明の歯磨き剤組成物は、次の精油を次の重量％で含有することができる： （a）約０.０１〜約１.５％ｗ／ｗのチモール；(b)約０.０１〜約３.０％ｗ／ｗ のメントール；(c)約０.０１〜約１.５％ｗ／ｗのオイカリプトール；及び（d） 約０.０１〜約３.０％ｗ／ｗのサリチル酸メチル。 本発明の歯磨き剤組成物の好ましい態様においては、歯磨き剤組成物は、次の 精油を次の重量％で含有することができる：(a)約０.０２５〜約１.０％ｗ／ｗ のチモール；(b)約０.０５〜約２.５％ｗ／ｗのメントール；(c)約０.０２５〜 約１.０％ｗ／ｗのオイカリプトール；及び（d）約０.０５〜約２.５％ｗ／ｗの サリチル酸メチル。 本発明の歯磨き剤組成物の最も好ましい態様においては、歯磨き剤組成物は、 次の精油を次の重量％で含有することができる：(a)約０.０５〜約０.８％ｗ／ ｗのチモール；(b)約０.１〜約２.０％ｗ／ｗのメントール；(c)約０.０５〜約 ０.８％ｗ／ｗのオイカリプトール；及び（d）約０.１〜約２.０％ｗ／ｗのサリ チル酸メチル。 フッ化物放出性化合物をこの発明に用いることができ、十分に又は僅かに水溶 性であってもよく、そしてフッ化物イオン又はフッ化物含有イオンを水中に放出 するそれらの能力により及び組成物中の他の成分との反応性の欠如により特徴付 けられる。本発明の歯磨き剤組成物において、抗虫歯活性は、フッ化物放出性化 合物により提供される。典型的なフッ化物放出性化合物は、水溶性アルカリ土類 金属塩、アルカリ金属塩、及び重金属塩のような無機のフッ化物塩である。モノ フルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ及びそれらの混 合物が好ましい。 この発明の好ましい態様において存在するフッ化物放出性化合物の量は、用い られるフッ化物放出性化合物のタイプ、そのフッ化物放出性化合物の溶解性、及 びその歯磨き剤組成物の配合に依存する。用いられるフッ化物放出性化合物は、 無毒な量で用いられなければならない。一般に、フッ化物放出性化合物を用いる 場合、約８００〜１５００ｐｐｍＦ^-を放出するように、その歯磨き剤組成物の 約１.２％ｗ／ｗまで；好ましくは約０.１〜約１.０％ｗ／ｗ；最も好ましくは 約０.１７５〜約０.８％ｗ／ｗの量で存在することになろう。 本発明の歯磨き剤組成物に最も好ましいフッ化物放出性化合物は、約０.１〜 約１.０％ｗ／ｗ、より好ましくは約０.１５〜約０.８％ｗ／ｗ、又は最も好ま しくは０.２４％ｗ／ｗの濃度のフッ化ナトリウムである。 本発明による好ましい態様についてのｐＨは、約７〜約１０、より好ましくは 約７.５〜約９である。これら範囲内のｐＨは、本歯磨き剤組成物の保存安定性 を高めることが分かった。 本発明の好ましい態様は、保湿剤、結合剤、増粘剤、界面活性剤、保存剤、甘 味料、香味剤、着色剤、及び緩衝剤を包含するがこれらに限定されない慣用的な 歯磨き剤添加剤も含有することができる。これら添加剤は、本発明の組成物の防 腐特性及び抗虫歯特性を妨げない量で存在する。 界面活性剤又は表面活性剤は、液体間の表面張力を小さくして、口腔全体にわ たる組成物の分散を促進する有機化合物である。本発明における界面活性剤は、 アニオン性であっても非イオン性であっても両性であってもよい。本発明の口内 用衛生組成物又は歯磨き剤組成物は、界面活性剤を、その歯磨き剤組成物の約５ .０％ｗ／ｗまで；好ましくは約０.１〜約３.０％ｗ／ｗ；最も好ましくは 約０.２〜約２.５％ｗ／ｗの量で含有することができる。 最も好ましい界面活性剤はアニオン性である。これらアニオン性界面活性剤に は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、メチルコシ ル（cocyl）タウリン酸ナトリウム、及びラウリルスルホスクシン酸二ナトリウ ムが含まれるがこれらに限定されない。 最も好ましい態様においては、界面活性剤はアニオン性界面活性剤のラウリル 硫酸ナトリウムである。 酸又は塩基のいずれとしてでも挙動する能力を有する両性界面活性剤には、本 発明に有用な４級イミダゾール誘導体が含まれる。好ましい両性界面活性剤には 、 Rhone-Poulancにより製造されている長鎖（アルキル）アミノアルキレンアルキ ル化アミン誘導体が含まれる。 天然及び人工甘味料を包含する当該技術分野で公知の甘味料を使用することが できる。甘味料は、天然に存在する水溶性甘味料、人工水溶性甘味料、及び天然 に存在する水溶性甘味料から誘導された変性水溶性甘味料を包含する広い範囲の 物質から選択することができる。人工水溶性甘味料には、溶解性サッカリン塩、 例えば、サッカリンのナトリウム又はカルシウム塩、シクラミン塩、３,４−ジ ヒドロ−６−メチル−１,２,３−オキサチアジン−４−オン−２,２−ジオキシ ドのナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩、３,４−ジヒドロ−６−メチ ル−１,２,３−オキサチアジン−４−オン−２,２−ジオキシドのカリウム塩（A cesulfame-K）、サッカリンのフリー酸型等；Ｌ−アスパラギン酸から誘導され る甘味料のようなジペプチドをベースとした甘味料、例えば、Ｌ−アスパルチル −Ｌ−フェニルアラニンメチルエステル（Aspartame）及び米国特許第３,４９２ ,１３１号に記載された物質、つまりＬ−α−アスパルチル−Ｎ−（２,２,４,４ −テトラメチル−３−チエタニル）−３−アラニンアミド水和物（Alitame）、 Ｌ−アスパルチル−Ｌ−フェニルグリセリンのメチルエステル、及びＬ−アスパ ルチル−Ｌ−２,５−ジヒドロフェニルグリシン、Ｌ−アスパルチル−２,５−ジ ヒドロ−Ｌ−フェニルアラニン；Ｌ−アスパルチル−Ｌ−（１−シクロヘキセン ）アラニン等が含まれるがこれらに限定されない。天然に存在 する水溶性甘味料には、７０％ソルビトール溶液のようなソルビトール、マンニ トール、キシリトール、マルチトール、水素化デンプン加水分解物及びそれらの 混合物を含む糖アルコールが含まれるがこれらに限定されない。 天然に存在する水溶性甘味料から誘導された水溶性甘味料には、例えば、スク ラロース（Sucralose）の製品名で知られているスクロースの塩素化誘導体；及 びthaumaoccous darielli（ThaumatinＩ及びII）のようなタンパク質をベースと した甘味料が含まれるがこれらに限定されない。 ソルビトール溶液は、本組成物に甘味と粘りを供給し、そして望ましい口当た りを与える。ソルビトール溶液は風味も高めて不快な味を防ぎ、口内に新鮮で爽 快な感覚を提供する。それは、歯磨き剤のケーギングも防ぐ。 一般に、本発明による歯磨き剤組成物の何らかの特定の態様において望まれる レベルの甘味を提供するのに有効な量の甘味料が用いられる。この量は、選択さ れる甘味料及び最終口内用衛生製品で変動することになろう。普通に存在する甘 味料の量は、その歯磨き剤組成物の約０.００２５〜約６０％ｗ／ｗである。そ れぞれのタイプの甘味料についての歯磨き剤中での正確な範囲は、当該技術分野 で周知であるので本発明の主題ではない。 本発明に用いることができる香味剤には、歯磨き剤の分野で知られている天然 及び人工の香味剤が含まれる。適する香味剤には、ペパーミントのようなミント 系、オレンジ及びレモンのような柑橘系香味剤、人工のバニラ、シナモン、種々 のフルーツ香味剤等が含まれるがこれらに限定されない。アネトール（又はアニ スカンファー、ｐ−プロペニルアニソール）は、香味剤及び防腐剤として広く使 用されているアニス油及びウイキョー油の香味成分であって、チモールの不快な 味をマスキングするのに有用であることが分かった。 香味剤の量は、通営は、最終歯磨き剤組成物のタイプ、用いられる個々の香味 剤、及び望まれる香味の強さのような要因に対する好みの問題である。香味剤は 、好ましくは、総量がその歯磨き剤組成物の約０.０１〜約６％ｗ／ｗの範囲に なる量で用いられる。 この発明における着色剤は、望まれる色彩の歯磨き剤を製造するのに有効な量 で使用される。これら着色剤は、本発明の歯磨き剤組成物の約３重量％までの量 で加えられることができる。着色剤には、天然食物着色剤、及び食物、薬品及び 化粧用途に適する染料も含まれる。これら着色剤は、FD & C染料及びレーキとし て知られている。上記の用途に許容できるこれら物質は、好ましくは水溶性であ る。非限定的な例には、FD & CBlue No.1及びD & C Yellow No.10として知られ るインジゴ系染料が含まれる。全てのFD & C着色剤及びそれらの対応する化学構 造は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology，第３編，第５巻の ８５７〜８８４頁に見出すことができる。好ましい乳白剤である二酸化チタンは 、本組成物の約３.０％ｗ／ｗまで、好ましくは約２.０％ｗ／ｗ未満、最も好ま しくは約１.０ｗ／ｗ未満の量で加えられ得る。 この発明において適する保湿剤には、７０％ソルビトール溶液のようなソルビ トール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、それら の混合物等が含まれる。保湿剤は、本歯磨き剤組成物の約１.０〜約７５.０重量 ％の量で存在することができる。 この発明で使用する適する研磨剤物質には、水和シリカ、炭酸カルシウム、ピ ロリン酸カルシウム、リン酸二カルシウム・２水和物、又はメタリン酸アルカリ 金属が含まれる。この発明による歯磨き剤組成物に適する研磨剤には、中でも、 磨剤は、本組成物の約７５.０％ｗ／ｗまでの量で、好ましくは本組成物の約５. ０〜約５０％ｗ／ｗの量で、最も好ましくは本組成物の約５.０〜約４０.０％ｗ ／ｗの量で使用されることができる。 この発明の好ましい態様においては、本歯磨き剤組成物は、口内用賦形剤を含 み、練り歯磨き又はゲル歯磨きの形態にある。 この発明の歯磨き剤組成物は、その製品にそれらの特徴的なコンシステンシー を与えるために結合剤又はゲル化剤を含むこともできる。ヒドロキシエチルセル ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム、ゲ ル化性シリカ等のよ・5なゲル化剤を単独で又は組み合わせて用いることができ る。好ましいゲル化剤系は、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム及び ゲル化性シリカの混合物である。ゲル化剤は、歯磨き剤組成物の約０.１〜約３ ０％ ｗ／ｗ、好ましくは約０.２〜約１５.０％ｗ／ｗ、最も好ましくは約０.４〜約 １０％ｗ／ｗの量で使用されることができる。 この発明の歯磨き剤組成物は、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム又はクエン 酸ナトリウムのよう７よ知覚鈍麻剤も含有することができ、約０.５〜約１０％ ｗ／ｗの量で使用され得る。 この発明に適する保存剤には、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニ ソール（ＢＨＡ）、ブチル化ヒドロキシトルエン（ＢＨＴ）、アスコルビン酸ナ トリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、トコフェロール類及びそれらの 混合物が含まれる。保存剤を使用する場合、一般にその歯科用ゲル組成物の約１ .０％ｗ／ｗまで、好ましくは約０.０１〜約０.５％ｗ／ｗの量で存在する。 この発明の歯磨き剤組成物は、望まれる成分を当業者にとって周知の方法を用 いて混合することにより調製することができる。練り歯磨きについては、一般に 、ピロリン酸塩と何らかのフッ化物放出性化合物と甘味料とを水で混合してから 、何らかの研磨剤及び増粘剤を加えてペーストにする。精油及び香味剤を好まし くは混合してから、そのペーストに加える。この発明の成分を用いる歯科用ゲル の調製も、当業者により容易に達成される。 この発明は、歯の表面上の歯石の形成を阻害する方法にも関する。その方法は 、この発明の抗歯石性歯磨き剤組成物を歯に適用する段階を含む。典型的には、 歯ブラシを用いてこの組成物を適用する。この方法を、好ましくは日に１回、よ り好ましくは日に２回行って、長期間にわたる歯石の形成を阻害する。重要なこ とは、低レベルのピロリン酸四カリウムのような高溶解性アルカリ金属ピロリン 酸塩を使用することである。かくして、ピロリン酸四カリウムに伴う苦味が軽減 又は回避されるので、毎日決めて歯磨きをするのが楽になる。 本発明を以下の実施例によって更に進んで説明するが、有効な請求の範囲を限 定するために含められたものではない。実施例及び明細書と請求項全体を通して の全ての部及びパーセントは、特に断らない限り、最終組成物の重量による（％ ｗ／ｗ）ものである。実施例１ 成分 ％ｗ／ｗ チモール ０.４０ サリチル酸メチル ０.１７ メントール ０.１０ オイカリプトール ０.０８ ピロリン酸四カリウム ２.４７^* フッ化ナトリウムＵＳＰ ０.２４ サッカリンナトリウム １.２０ ポリエチレングリコール１４５０ ＮＦ ３.００ ソルビトール溶液（７０％） ４５.００ ゲル化性シリカ ８.５０ 研磨性シリカ ８.００ ＴｉＯ₂ ０.３５ カルボキシメチルセルロース ０.９０ グリセリンＵＳＰ ６.００ ペパーミント油 ０.３０ 香味剤 ０.４６ ラウリル硫酸ナトリウム １.５ 脱イオン水 ２１.３３ ^*〜１.３％Ｐ₂Ｏ₇ ^-4イオン Ｐ₂Ｏ₇ ^-4イオンの量を商業的に入手可能な組成物において変動させた以外は、 幾つかの歯磨き剤組成物を実施例１と類似のやり方で調製した。これら配合物を 普通の練り歯磨き（ピロリン酸塩を含有していない）及び酒石抑制練り歯磨き（ ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム及びピロリン酸二ナトリウムの 混合物を含有している）に対してラットで試験した。 このラットでの検討は、それぞれの組成物を個々のラットの歯に綿棒で毎朝及 び毎昼に週に５日で３週間適用することにより行った。歯石形成をFrancisと Briner，Journal of Dental Research，Vol.48，1185-1195（1969）の方法に従 って点を付けた。結果を表Ｉに示す。 ラット歯石研究のこれら結果は、この発明の配合物、即ち、組成物Ｂ及びＥが 、たった１.３％のＰ₂Ｏ₇ ^-4イオンしか存在しないときでも、歯石形成を減少さ せるのに有効であったことを示している。 実施例２及び比較例１ 次の成分を含有する２種の歯磨き剤組成物を調製した。 成分 ％ｗ／ｗ 実施例２ 比較例１ チモール ０.３０ ０.３０ サリチル酸メチル ０.０５ ０.０５ メントール ０.１６ ０.１６ オイカリプトール ０.０９ ０.０９ ピロリン酸四カリウム ２.４７＊ ６.４０^** フッ化ナトリウム ０.２４ ０.２４ サッカリンナトリウム ０.６０ ０.６０ ポリエチレングリコール１４５０ ＮＦ ３.００ ３.００ ソルビトール溶液（７０％） ４５.００ ４０.００ ゲル化性シリカ ８.５ ８.００ 研磨性シリカ ８.０ ８.００ ＴｉＯ₂ ０.３５ ０.３５ カルボキシメチルセルロース ０.９０ ０.９０ グリセリンＵＳＰ ６.００ ６.００ ペパーミント油 ０.２６ ０.２６ スペアミント油 ０.９０ ０.９０ 香味剤 ０.５０ ０.５０ ラウリル硫酸ナトリウム １.５０ １.５０ リン酸 −− ０.７３ 脱イオン水 ２１.９８ ２２.８３ ^*１.３％Ｐ₂Ｏ₇ ^{-4 **}３.３％Ｐ₂Ｏ₇ ^-4 実施例２及び比較例１の歯磨き剤組成物を、歯石阻害について、先に記載した 普通の練り歯磨き及び酒石抑制練り歯磨きと一緒に臨床試験した。この検討は、 １４日間の２フェーズに分け、それぞれのフェーズの間に７日間の中断期間を入 れた。それぞれのフェーズを行う前に、第２１〜２８歯の歯科的予防処置を行っ た。１４日目に、Francis及びBrinerによる方法を用いて、第２２〜２７歯の顔 側及び舌側表面を歯石蓄積について評価した。フェーズ１の間、全ての被験者は 、各自に合わせた口当て、即ち、歯に施した遮蔽物を介して、慣用的なシリカベ ースＮａＦ歯磨き剤（対照）を下前歯につけ、露出したままの歯だけを１日に２ 回磨いた。フェーズ２では、フェーズ１のＶ−Ｍ評点に基づいて被験者を４つの 処置グループに分けた。次いで、被験者は、上記のやり方で歯に施した遮蔽物を 用いて組成物をつけ、そのうちの１グループは対照を使用し続けた。この臨床試 験の結果を表IIに示す。 この臨床結果は、この発明の歯磨き剤組成物が、高溶解性ピロリン酸四カリウ ムから誘導される僅か１.３％だけのピロリン酸イオンでも、優れた歯石阻害を 提供することを示している。 この発明の他の変形及び修飾は、当業者にとって自明であろう。この発明は、 次の請求の範囲に記載されたもの以外には限定されない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＵ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ， ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＲ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，Ｌ Ｔ，ＬＶ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＲＯ，ＳＤ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＲ，ＴＴ， ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 タルワー，アニル・キュマー アメリカ合衆国ニュージャージー州07853, ロング・バレー，イースト・ミル・ロード 75 (72)発明者 ハーパー，デビット・スコット アメリカ合衆国ニュージャージー州07452, グレン・ロック，シカモア・テラス 178

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １.歯磨き剤組成物であって： （a）チモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル及びそれらの混 合物からなる群から選択される抗微生物的に有効量の抗微生物剤； （b）該組成物の約０.１重量％から約１.５重量％未満の量のピロリン 酸イオンであって、高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩から誘導されるピロリン 酸イオン、但し、前記組成物は抗歯石性増強剤を実質的に含まない；及び （c）口内に受入れ可能な賦形剤 を含む歯磨き剤組成物。 ２．抗微生物剤が、組成物中に、組成物の約０.０１重量％から約５.０重量 ％の量で存在する、請求項１記載の歯磨き剤組成物。 ３．抗微生物剤にチモールが含まれる、請求項２記載の歯磨き剤組成物。 ４．高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩が２５０℃で２００ｇ／ｋｇより大 きな水溶性を有する、請求項３記載の歯磨き剤組成物。 ５．高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩が２５０℃で５００ｇ／ｋｇより大 きな水溶性を有する、請求項４記載の歯磨き剤組成物。 ６．高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩がピロリン酸四カリウムである、請 求項５記載の歯磨き剤組成物。 ７．約１.３重量％のピロリン酸イオンが組成物中に存在する、請求項６記 載の歯磨き剤組成物。 ８．組成物の約０.０１〜約１.５重量％の量のチモール；組成物の約０.０ １〜約３.０重量％の量のメントール；組成物の約０.０１〜約１.５重量％の量 のオイカリプトール；及び組成物の約０.０１〜約３.０重量％の量のサリチル酸 メチルを含む、請求項７記載の歯磨き剤組成物。 ９．１種又はそれを越えるフッ化物放出性化合物を更に含む、請求項８記載 の歯磨き剤組成物。 １０．フッ化物放出性化合物が、モノフルオロリン酸塩、アルカリ金属フッ化 物、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸アルミニウム、ジフルオロリン酸アル ミニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項９記載の歯磨 き剤組成物。 １１．フッ化物放出性化合物が、組成物の約１.２重量％までの重量で存在す る、請求項１０記載の歯磨き剤組成物。 １２．約７.０〜約１０のpＨを有する、請求項１記載の歯磨き剤組成物。 １３．歯磨き剤組成物であって： （a）該組成物の約０.０１〜約１.５重量％の量のチモール；該組成物 の約０.０１〜約３.０重量％の量のメントール；該組成物の約０.０１〜約１.５ 重量％の量のオイカリプトール；及び該組成物の約０.０１〜約３.０重量％の量 のサリチル酸メチルを含む、抗微生物的に有効量の精油の混合物； （b）ピロリン酸四カリウムから誘導される約１.３重量％のピロリン酸 イオン、但し、前記組成物は、口腔内において該ピロリン酸四カリウムの加水分 解を阻害するのに有効な量で抗歯石性増強剤を含まない；及び （c）口内に受入れ可能な賦形剤 を含む歯磨き剤組成物。 １４．約７.５〜約９のｐＨを有する、請求項１３記載の歯磨き剤組成物。 １５．歯の表面上の歯石の形成を阻害する方法であって： （a）チモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル及びそれらの混 合物からなる群から選択される抗微生物的に有効量の抗微生物剤； （b）該組成物の約０.１重量％から約１.５重量％未満の量のピロリン 酸イオンであって、高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩から誘導されるピロリン 酸イオン、但し、前記組成物は抗歯石性増強剤を実質的に含まない；及び （c）口内に受入れ可能な賦形剤 を含む歯磨き剤組成物を歯に適用する段階を含む方法。 １６．抗微生物剤にチモールが含まれる、請求項１５記載の方法。 １７．高溶解性アルカリ金属ピロリン酸塩がピロリン酸四カリウムである、請 求項１６記載の方法。