JP2001526202A - 歯肉炎抑制のための組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 チモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル及びメントールを含有する安定な歯磨き組成物は歯肉炎を減ずるのに効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の分野】

本発明は、歯肉炎を抑制する組成物及び方法に関する。とりわけ、本発明は一
定量の特定の精油を含んでなる歯磨き組成物、及び該歯磨き組成物で磨くことに
よって歯肉炎を治療する方法に向けられている。

【０００２】

【関連技術の説明】

揮発性油または精油はオーラルケア製品に広く使用される。精油は植物源から
誘導されるか、または化学合成される芳香族化合物である。精油には、口の中の
最も一般的な病原体に対して長効性の殺菌効果を示すものがある。これらの病原
体は、口臭、歯垢及び歯肉炎にたびたび関係する。チモールは、オーラルケア製
品に抗菌物質として広く使用されるよく知られた精油である。他の精油には、メ
ントール、サリチル酸メチル、オイカリプトール、アネトール及びオイゲノール
が含まれる。

【０００３】 精油は練り歯磨きの製剤中に含められてきた。Staegmannへの米国特許第１， ５２６，９４０号は、殺菌性のイヒチオールスルフォン酸アンモニウム（ammoni
um ichthyol sulpfonate）を有し、更に多量のチモール、メントール、オイカリ
プトール、サリチル酸メチル及びペパーミント油を香味及び味を遮蔽する成分と
して有する練り歯磨きを教示している。

【０００４】 Fandらへの米国特許第３，１６４，５２４号は、２，２’−チオビス−（４，
６−ジクロロフェノール）、ホウ酸、サリチル酸メチル、チモール、メントール
及びオイカリプトールを含んでなる口内消毒薬を教示している。

【０００５】 Mazzanobileらへの米国特許第５，０９４，８４３号は、フッ化物源を有し、 かつ約０．１５〜０．８０％のチモール、約０．１５〜１．００％のサリチル酸
メチル、約０．２５〜０．８０％のオイカリプトール及び約０．１５〜０．６０
％のメントールから本質的になる抗菌作用物質を有する抗歯垢性で抗歯肉炎性の
練り歯磨きを教示している。Mazzanobileらは、練り歯磨きは通常約４〜８のｐ Ｈを有すると教示している。Mazzanobileらの唯一の実施例では、約６．３のｐ Ｈを有する。Mazzanobileらは、Euthymol練り歯磨きがイギリスにおいて販売さ れてきたことも教示している。Mazzanobileらによると、Euthymol練り歯磨きは ０．１２％のチモール、１．２６％のサリチル酸メチル、０．０７％のメントー
ル及び０．０１２％のオイカリプトールを含有する。Euthymol練り歯磨きは約７
．３〜７．５のｐＨを有する。

【０００６】 Colgate-Palmoltive Co. への欧州特許出願第０４９７４７６号は、トリクロ サン（triclosan）を有する練り歯磨きを含む抗歯垢性の歯磨き組成物を教示し ている。トリクロサンの抗歯垢活性は、オイカリプトール、チモール、サリチル
酸メチル及びメントールなどの精油によって増加される。

【０００７】 Warner-Lambert CompanyへのＰＣＴ出願に係るＷＯ９６／０３１０９号は、約
３．０〜５．５のｐＨを有する消毒性で抗虫歯性の歯磨きを教示している。この
歯磨きは、約０．０１〜１．０重量％のチモール、約０．０１〜１．０重量％の
メントール、約０．０１〜１．０重量％のオイカリプトール及び約０．０１〜１
．０重量％のサリチル酸メチルを含有する。

【０００８】 Sloaneの "Henley's Twentieth Century Book of Formulas, Processes and T
rade Secrets"（Gardener D. Hiscox編，１９６５）pp. ２５２〜２５３は、消 毒成分のリステリン（Listerine）を含有する消毒性の歯磨き粉を教示している 。その製剤は、それぞれ２０グレン（１．２９６ｇ）のチモール、メントール、
オイカリプトール及び冬緑油（サリチル酸メチル）を含有する。

【０００９】 Ambikeらへの米国特許第４，５４５，９７９号及び第４，５５０，０１８号は
、３．０〜５．０の酸性ｐＨ範囲の歯科用衛生組成物を教示しており、その組成
物は、ｐＨ緩衝剤、フッ化物、チモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル
、ペパーミント油及びスペアミント油の香味、及び０．１〜２．０重量％の１ま
たはそれ以上の高純度ドデシル硫酸アルカリ金属塩であって、ドデシルアルキル
硫酸塩でないものを５％未満しか有さないドデシル硫酸アルカリ金属塩を含有す
る。

【００１０】 Tisserandへのカナダ特許第８３４１３１号は、約３．８〜５．８の酸性ｐＨ 、最適には４．０〜５．５のｐＨ、最も好ましくは４．０〜４．８のｐＨ及びフ
ッ化物を有し、メントール、サリチル酸メチルまたはタイム油などの香味油及び
その組成物に炭化水素テルペンが実質的に含まないようにする他の香味油を含有
する歯磨き製剤を教示している。Tisserandによると、テルペンを含む精油を約 ３．８〜５．８の範囲のｐＨを有するフッ化物歯磨きに使用すると、その香味が
３ヶ月未満の間著しい腐敗臭及び酸っぱい味を呈するようになる。

【００１１】 Warner-Lambert社は、７．０以上のｐＨにおいてチモール、オイカリプトール
、サリチル酸メチル及びメントールを配合したEuthymol（登録商標）練り歯磨き
を販売してきた。この練り歯磨きにはフッ化物が配合されていなかった。Warner
-Lambert社は、チモールもオイカリプトールも含有せずかつ６．０以上のｐＨで
配合されたリステリン（登録商標）練り歯磨きも米国及びカナダにおいて販売し
てきた。この練り歯磨きはフッ化物を含有していなかった。

【００１２】 先行技術文献は消毒性の精油を有する練り歯磨き及び他の歯磨き組成物を開示
しているが、抗歯肉炎性の効能を提供する歯磨き組成物の必要性が存在している
。加えて、長期にわたって安定なままの抗歯肉炎性成分を含有する歯磨き組成物
の必要性が存在している。

【００１３】

【発明の要旨】

本発明は、チモールを約０．５〜０．７重量％、サリチル酸メチルを約０．５
〜０．７重量％、オイカリプトールを約０．７〜１．０重量％及びメントールを
約０．３〜０．６重量％含む歯磨き組成物で口腔を磨くことを含んでなる、歯肉
炎を抑制する方法に向けられている。

【００１４】

【好ましい態様の詳細な説明】

歯ブラシとともに使用される歯磨き組成物は、磨きやすい歯の表面をきれいに
する。本発明の歯磨き組成物は消毒特性を有する精油を含有する。その歯磨きが
１またはそれ以上のフッ素イオン放出性の化合物を含有する場合は、その組成物
は抗虫歯性活性をも有する。本発明の歯磨き組成物は、１またはそれ以上の次に
示す歯磨き添加物：酸性化剤、研磨剤、界面活性剤、結合剤及び増粘剤、湿潤剤
、甘味料、減感剤、香味料、着色料及び保存剤、も含有するが、これらに限定さ
れるものではない。本発明の歯磨き組成物は、リン酸、酸性リン酸塩、安息香酸
及び食物用酸（例えば、クエン酸、グルコン酸など）を含むがこれらに限定され
ない酸化剤によって約４．０〜５．０のｐＨに酸化される。前述の活性成分及び
添加剤は、水性または無水の賦形剤と組み合わされて固体（すなわち歯磨き粉）
、半固体（すなわちペーストまたはゲル）または液体を形成する。

【００１５】 精油は、化学合成されるかまたは蒸留、搾油または抽出によって植物から誘導
される揮発性の芳香族油である。精油は、通常それらが得られる植物の臭いまた
は香味を伴っている。本発明の歯磨き組成物中には、精油により抗歯肉炎活性が
提供される。これらの精油の中には香味物質として働くものもある。本発明の精
油には、チモール、メントール、サリチル酸メチル（冬緑油）及びオイカリプト
ールが含まれるが、これらに限定されるものではない。チモールは化学式５−メ
チル２−（１−メチルエチル）フェノールによっても知られ、Thymus vulgaris Labiatae 及びMonarda punctata Labiataeの精油から得られる。チモールは芳香 性の臭気と味を有する白色結晶性粉末である。チモールは有機溶媒には溶けるが
脱イオン水にはほんのわずかにしか溶けない。

【００１６】 メントールはMentha arvensisの油から主に単離される。その商業的な形態と しては、メントールは油のその冷却工程を包含する方法から得られるＬ−メント
ール結晶として入手可能である。通常約４０〜６５％のメントールを含有するペ
パーミント油の分留は、他の重要なメントール源に相当する。またＬ−メントー
ルの化学合成源も入手可能である。

【００１７】 オイカリプトールはユーカリの木から誘導される。この精油は、ショウノウ特
有の香気とひやりとする味を有するので、しばしば薬効効果を授けるためにメン
トールなどの他の精油と糖菓配合物に混合される。メントールとオイカリプトー
ルの組み合せは広く用いられる。本発明による特に好ましいメントール−オイカ
リプトール組み合せ物の使用には、練り歯磨きまたはデンタルゲルなどの歯磨き
が含まれる。

【００１８】 サリチル酸メチルは、ヒメコウジ（Gaultheria procumbens）及びsweet birch
（Betula lenta）の油の約９９％を構成する、多くの精油における主要な成分で
ある。サリチル酸メチルは、独特のさわやかにする芳香を有しており、うがい薬
、チューイングガム及び他の口内用製剤及び医薬製剤に広く使用される。

【００１９】 本発明において使用される４種の精油は、周知のうがい薬リステリン（登録商
標）に使用されている。リステリン（登録商標）うがい薬中のその油の量は、チ
モール０．０６４％、オイカリプトール０．０９２％、サリチル酸メチル０．０
６０％及びメントール０．０４２％である。リステリン（登録商標）うがい薬が
歯肉炎の発生を減らす助けをすることは知られている。本発明者らは、同量の精
油を送り込んで抗歯肉炎活性を提供する練り歯磨きを配合することに挑戦した。

【００２０】 一度に使用されるうがい薬の推奨量は約２０ミリリットルである。これに対し
、練り歯磨きの平均量はほんの約２．０グラムである。使用される製品の量の違
いに基づけば、本発明者らは、抗歯肉炎活性をもたらすためにはうがい薬中の精
油の１０倍濃度を有する練り歯磨きが必要とされるだろうと考えた。

【００２１】 驚くべきことに、リステリン（登録商標）うがい薬中に存在する精油の僅か８
倍の濃度を有する歯磨きが、抗歯肉炎活性を提供するのに十分である。とりわけ
、約０．４６〜０．５６２３％のチモール、約０．４６４４〜０．５６７６％の
サリチル酸メチル、約０．３０６〜０．３７４％のメントール及び約０．６９７
１〜０．８５１９％のオイカリプトールを有する歯磨きが、歯肉炎の抑制に臨床
的に有効である。本発明によるさらに好ましい歯磨きは、約０．５１１２％のチ
モール、約０．５１６０％のサリチル酸メチル、約０．３４％のメントール及び
約０．７７４５％のオイカリプトールを含有し、歯肉炎の抑制に臨床的に有効で
ある。

【００２２】 フッ素イオン放出性化合物を本発明の歯磨き組成物に使用してもよい。これら
の化合物は完全にまたはわずかに水溶性であるので、フッ素イオンまたはフッ素
含有イオンを水中に放出することができ、その組成物中の他の成分と反応しない
。フッ素イオン放出性化合物を含有する歯磨き組成物が虫歯を防ぐ助けをするの
はよく知られている。典型的なフッ素イオン放出性化合物は水溶性アルカリ土類
金属塩、アルカリ金属塩、及び重金属塩のような無機フッ化物塩である。モノフ
ルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ及びこれらの化合
物の混合物が好ましい。

【００２３】 本発明の歯磨き組成物中に存在するフッ素イオン放出性化合物の量は、無毒で
なければならない。その特定量は、使用されるフッ素イオン放出性化合物のタイ
プ、フッ素イオン放出性化合物の溶解性及び歯磨き組成物の配合に依存する。一
般的には、フッ素イオン放出性化合物は、８００〜１５００ｐｐｍのＦ^-を提供 するように、本歯磨き組成物の約１．２重量％まで、好ましくは約０．１〜１．
０重量％、及び最も好ましくは約０．１７５〜０．８重量％の量で存在するだろ
う。

【００２４】 本発明による好ましい態様のｐＨは約４．０〜５．０である。約５．０より高
いｐHは、本歯磨き組成物の消毒活性を低下させることが分かった。

【００２５】 向上した消毒活性を提供することに加え、本歯磨き組成物のｐＨを約４．０〜
５．０に維持することも安定した製品を提供する。組成物中のサリチル酸メチル
の量は、５．０より高いｐＨで経時的に劇的に減る。

【００２６】 本請求項に係る歯磨きｐＨは、適当な食品または医薬用の酸性化剤を用いて５
．０以下に調整される。これらには：リン酸、安息香酸、クエン酸または他のト
リカルボン酸などの１種または組み合わせが含まれるが、これらに限定されるも
のではない。本発明における酸性化剤には、リン酸が約０．０１〜３．０重量％
、好ましくは約０．１〜１．５重量％、及び最も好ましくは約０．２〜０．７５
重量％の範囲であり；モノ塩基性リン酸ナトリウムが約０．０１〜１重量％、好
ましくは約０．１〜０．５重量％及び最も好ましくは約０．２〜０．４重量％で
あり；ジ塩基性リン酸ナトリウムが約０．００１〜１．０重量％、好ましくは約
０．０１〜０．５重量％及び最も好ましくは約０．０１〜０．０５重量％の範囲
であり；そして安息香酸が約０．０１〜１．０重量％、好ましくは約０．０５〜
０．５重量％、及び最も好ましくは約０．０８〜０．３５重量％の範囲である混
合物が含まれる。添加する酸性化剤の正確な量は、望まれる最終ｐＨ及び緩衝能
力に依存する。

【００２７】 製品のｐＨはこれら酸の塩で緩衝されてもよい。通常の緩衝系には、リン酸と
リン酸ナトリウム、またはクエン酸とクエン酸ナトリウムが含まれる。本発明に
おいて使用に適した緩衝剤には、この組成物の約１重量％まで、好ましくは約０
．０５〜０．７５重量％及び最も好ましくは約０．１〜０．５重量％の量のクエ
ン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸−リン酸ナトリウム、モノ塩基性リン酸ナト
リウム−ジ塩基性リン酸ナトリウム、酢酸−酢酸ナトリウム、グルコン酸−グル
コン酸ナトリウム及び安息香酸−安息香酸ナトリウムが含まれる。

【００２８】 本発明の組成物は、湿潤剤、結合剤、増粘剤、界面活性剤、保存剤、甘味料、
香味料、着色料、グリセリン及び緩衝剤を含むがこれらに限定されない慣例的な
歯磨き添加剤も含有することができる。これらの添加剤は、本発明の組成物の消
毒、抗歯肉炎、及び抗虫歯の特性に干渉しない量で存在する。

【００２９】 界面活性剤または表面活性剤は、液体間の表面張力を減少させ、そして組成物
の口腔全体における分散の助けをする有機化合物である。本発明における界面活
性剤は、アニオン性であっても非イオン性であっても両性であってもよい。本発
明の口内衛生または歯磨き組成物は、本歯磨き組成物の約５．０重量％まで、好
ましくは約０．１〜３．０重量％及び最も好ましくは約０．２〜２．０重量％の
量で界面活性剤を含有することができる。

【００３０】 最も好ましい界面活性剤はアニオン性である。これらのアニオン性界面活性剤
には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、メチルコ
コイルタウリン酸ナトリウム、及びラウリルスルホスクシン酸二ナトリウムが含
まれるが、これらに限定されるものではない。好ましい界面活性剤はラウリル硫
酸ナトリウムである。本発明による組成物には、ドデシルアルキル硫酸塩でない
ものを５％未満しか有さない１またはそれ以上の高純度ドデシル硫酸アルカリ金
属塩が、実質的に含まれない。

【００３１】 両性界面活性剤は、酸としても塩基としても挙動する能力を持っており、４級
化イミダゾール誘導体が含まれる。好ましい両性の界面活性剤には、ニュージャ
ージー州クランベリーのRhone-Poulanc社によって製造されるMIRANOL（登録商標
）として知られる、長鎖（アルキル）アミノ−アルキレンアルキル化アミン誘導
体が含まれる。

【００３２】 天然及び人工の甘味料を、本歯磨き組成物に使用することができる。この甘味
料は、天然の水溶性甘味料、人工の水溶性甘味料、及び天然の水溶性甘味料から
誘導される変性された水溶性甘味料を含む広い範囲の周知の物質の中から選択さ
れ得る。人工水溶性甘味料には、例えば、サッカリンナトリウム塩またはサッカ
リンカルシウム塩のような可溶性サッカリン塩、シクラメート塩、３，４−ジヒ
ドロ−６−メチル−１，２，３−オキサチアジン−４−オン−２，２−ジオキシ
ドのナトリウム塩、アンモニウム塩またはカルシウム塩、３，４−ジヒドロ−６
−メチル−１，２，３−オキサチアジン−４−オン−２，２−ジオキシドのカリ
ウム塩（Acesulfame-K）、Ｌ−アスパラギン酸誘導甘味料のようなサッカリン及
びジペプチドをベースとする甘味料からのフリーの酸の形態が含まれるが、これ
らに限定されるものではない。ジペプチド甘味料には、Ｌ−アスパルチル−Ｌ−
フェニルアラニンメチルエステル（Aspartame）及び米国特許第３，４９２，１ ３１号に記載された物質であるＬ−α−アスパルチル−Ｎ−（２，２，４，４−
テトラメチル−３−チエタニル）−Ｄ−アラニンアミド水和物（Alitame）、Ｌ −アスパルチル−Ｌ−フェニルグリセリン及びＬ−アスパルチル−Ｌ−２，５−
ジヒドロフェニルグリシンのメチルエステル、Ｌ−アスパリル−２，５−ジヒド
ロ−Ｌ−フェニルアラニン及びＬ−アスパリル−Ｌ−（１−シクロヘキセン）−
アラニンが含まれる。天然の水溶性甘味料には、７０％ソルビトール溶液のよう
なソルビトールを含む糖アルコール、マンニトール、キシリトール、マルチトー
ル、水素化された澱粉の水解物及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定
されるものではない。

【００３３】 天然の水溶性甘味料から誘導される水溶性甘味料には、例えば、Sucraloseの 製品名で知られるスクロースの塩素化誘導体、及びthaumaoccous danielli（Tha
umatin I and II）のような蛋白質をベースとした甘味料が含まれるが、これら に限定されるものではない。

【００３４】 ソルビトール溶液は、組成物に甘味と粘性を供給し、望ましい口当たりを与え
る。ソルビトール溶液は、香味を増進させ、苦い味をおさえ、そして口中にさわ
やかで心地よい感覚をも提供する。それは、歯磨きが固まるのを妨げる。

【００３５】 一般に、本発明による歯磨き組成物のあらゆる特定の態様で求められる甘味の
水準を提供するために有効量の甘味料が用いられる。この量は、選択される甘味
料と組成物の最終形態で変動するであろう。普通に存在する甘味料の量は、本歯
磨き組成物の約０．００２５〜６０重量％である。歯磨き中のそれぞれのタイプ
の甘味料の正確な量の範囲は、当業者によって容易に決められる。

【００３６】 本発明に使用され得る香味料には、歯磨きの技術分野において知られる天然及
び人工の香味料が含まれる。適する香味料には、ペパーミントのようなミント、
オレンジやレモンのような柑橘系の香味料、人工のバニラ、シナモン、種々の果
物の香味などが含まれるが、これらに限定されるものではない。アネトール（ま
たはアニスショウノウ、つまりｐ−プロペニルアニソール）は、香味剤及び消毒
剤として広く使用されるアニス及びウイキョウ油の香味成分であり、チモールの
苦い味を遮蔽するのに有用であることが分かった。

【００３７】 香味料の量は、普通、最終の歯磨き組成物のタイプ、使用される個々の香味料
及び望まれる香味の強さに依存して選択される事項である。香味料は、好ましく
は、歯磨き組成物の約０．０１〜６重量％の範囲であり得る量で利用される。本
発明による組成物に使用される香味料は、実質的にテルペンを含まない香味油を
含んでなる。

【００３８】 着色料は望まれる色の歯磨きを作るために有効な量で使用される。これらの着
色料は、本歯磨き組成物の約３％までの量で混ぜられてもよい。これら着色料は
、食物、薬及び化粧品への応用に適した天然の食品着色料及び染料を含んでもよ
い。これらの着色料は、ＦＤ＆Ｃ染料及びレーキとして知られている。これら着
色物質は、好ましくは水溶性である。非限定的な代表的例には、ＦＤ＆Ｃブルー
Ｎｏ．１及びＤ＆ＣイエローＮｏ．１０として知られるインジゴイド染料が含ま
れる。すべてのＦＤ＆Ｃ着色剤及びそれらの対応する化学構造についての完全な
詳説は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology，第3版，5巻のｐ ｐ．８５７〜８８４に見られるであろう。好ましい乳白剤である二酸化チタンは
、本組成物の約２．０重量％まで、好ましくは約１．０重量％未満及び最も好ま
しくは約０．４重量％未満の量で混ぜられてもよい。

【００３９】 本発明における適する湿潤剤には、７０％ソルビトール溶液のようなソルビト
ール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、それらの
混合物などが含まれる。湿潤剤は本歯磨き組成物の約１．０〜７５．０％の量が
存在してもよい。

【００４０】 本発明において使用される適する研磨剤物質は、本組成物の低いｐＨに適合す
るものでなければならず、水和したシリカ、アルミナまたはメタリン酸アルカリ
金属塩が含まれる。本発明による歯磨き組成物中のシリカ研磨剤には、とりわけ
、J. M. Huber社によって製造されるZEODENT（登録商標）（１１３）、及びW. R
. Grace社によって製造されるSYLOID（登録商標）またはSYLODENT（登録商標） が含まれる。これらの磨き剤は、本組成物の約７５重量％まで、好ましくは約５
．０〜４０重量％及び最も好ましくは約５．０〜３０．０重量％の量で使用され
てもよい。

【００４１】 本歯磨き組成物には、ペースト、ゲル、パウダーまたは液体であってもよい歯
科用賦形剤が含まれる。歯磨きの特定の形態に依存して、本組成物は望まれるコ
ンシステンシーを提供するために結合剤またはゲル化剤を含んでもよい。ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、キサ
ンタンガム、ゲル化性シリカなどのゲル化剤を単独でまたは組み合わせて使用し
てもよい。好ましいゲル化系は、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム
及びゲル化性シリカの混合物である。ゲル化剤は、本歯磨き組成物の約０．５〜
３０重量％、好ましくは約５．０〜１５．０重量％、及び最も好ましくは約７．
０〜２０重量％の量で使用されてもよい。

【００４２】 本発明による歯磨き組成物は、塩化ストロンチウム、硝酸カリウムまたはクエ
ン酸ナトリウム−クエン酸などの減感剤を含有してもよく、それらは約０．５〜
１０重量％の量で使用されてもよい。 適する保存剤には安息香酸、ブチル化ヒドロキシアニソール（ＢＨＡ）、ブチ
ル化ヒドロキシトルエン（ＢＨＴ）、アスコルビン酸、メチルパラベン、プロピ
ルパラベン、トコフェロール及びそれらの混合物が含まれる。保存剤を使用する
ときは、通常、本歯科用ゲル組成物の約１．０重量％まで、好ましくは約０．１
〜１．０重量％の量で存在する。 本発明は、次に示す非限定的な実施例によって更に説明される。実施例及び明
細書と特許請求の範囲の全体にわたって、すべての部及びパーセントは、特に断
らない限り、最終組成物の重量基準によるものである。

【００４３】

【実施例】

実施例１及び比較例１ 表１に掲げた成分で歯磨き組成物を配合した。

【００４４】

【表１】

【００４５】 実施例２ 実施例１と比較例１を用いて歯を磨くことによって抗歯垢性及び抗歯肉炎性の
効果を検討するため、３週間の無作為抽出による二重盲検を行った。４４人の被
験者を歯肉炎及び歯垢の形跡について審査した。被験者達は、渡された練り歯磨
きで歯ブラシの先端を満たして歯を１分間磨くことにより、１日２回歯磨きを行
うように指示された。被験者達は、試験の間いかなる他の練り歯磨きまたはうが
い薬も使わないように指示された。

【００４６】 次に、被験者達は、手を加えられた歯肉炎指数、歯垢指数及び出血指数につい
て審査された。手を加えられた歯肉炎指数は、Lobene, R. R. らのA Modified G
ingival Index For The Use In Clinical Trials, Clin. Prev. Dent. 8:3, 198
6に記載されている。歯肉炎の重度を４つの段階の尺度、すなわち、０−正常、 １−ユニットの一部の者に弱い炎症、２−ユニットの全体において弱い炎症、３
−中度の炎症、４−重度の炎症、を使用して評点した。 使用された歯垢指数は、Quigley-Hein歯垢指数をTuresky S. らのReduced Pla
que Formation By The Chloromethyl Analogue of Vitamin C, J. Periodontol.
41:41, 1970に記載されたようにTureskyが手を加えたものであった。この指数 は０〜５段階の尺度を用いて歯垢で覆われた歯の表面の量について評点をつける
ものである。

【００４７】 使用された出血指数は、SaxtonらのThe Effect Of A Dentifrice Containing
Zinc Citrate And Triclosan On Developing Gingivitis, J. Perio. Res. 24:7
5, 1989に記載された歯肉炎出血指数であった。出血の水準は、歯周プローブで なでるような方法で歯肉炎を探針した後、３段階の尺度、すなわち０−出血なし
、１−３０秒後に出血、及び３−すぐに出血、を使用して点が記録される。 実施例１を使用した被験者は、比較例１を使用した被験者に比べ、歯垢指数が
３９．６％低下し、歯肉炎指数が１０．８％低下し、そして出血指数が６５．４
％低下した。

【００４８】 実施例３ 実施例１と比較例１を試験する６ヶ月の検討が行った。実施例２において使用
された手順及び指数が実施例３においても使用された。３週間の検討で測定され
た指数に加えて、被験者は隣接歯間の手を加えた歯肉炎指数及び隣接歯間の歯垢
指数についても測定された。被験者達は３ヶ月目と６ヶ月目に測定された。 結果を表２にまとめる。

【００４９】

【表２】

【００５０】 実施例４ 請求項に係る発明による歯磨きの追加実施例を次の成分で配合した。 重量％ １．純水 ２４．８４８５ ２．ソルビトール溶液 ４０．００００ ３．モノフルオロリン酸ナトリウム ．７６００ ４．サッカリンナトリウム塩 １．２０００ ５．モノ塩基性リン酸ナトリウム無水物 ．２５００ ６．ジ塩基性リン酸ナトリウム無水物 ．０３００ ７．ポリエチレングリコール ３．００００ ８．安息香酸 ．１５００ ９．ＦＤ＆ＣブルーＮｏ．１ ．００２０ １０．Ｄ＆ＣイエローＮｏ．１０ ．０００２ １１．リン酸 ．４４２５ １２．二酸化ケイ素 ７．００００ １３．非晶質シリカ（Sylodent ７５０） １１．００００ １４．キサンタンガム ．２５００ １５．カルボキシメチルセルロースナトリウム １．２０００ １６．グリセリン ６．００００ １７．チモール ．５１１２ １８．サリチル酸メチル ．５１６０ １９．メントール ．３４００ ２０．オイカリプトール ．７７４５ ２１．スペアミント油ブレンド ．１０００ ２２．ミント香味料 ．１２５０ ２３．ラウリル硫酸ナトリウム １．５０００

【００５１】 本発明を、詳細にかつそれらの具体的例を参照しながら説明してきたが、本発
明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更及び修飾を本発明に施しうる
ことが当業者にとっては明らかであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＵ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ， ＣＵ，ＣＺ，ＥＥ，ＧＥ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ， ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ (72)発明者 テルウォー，アニル・カマー アメリカ合衆国ニュージャージー州07853， ロング・バリ，イースト・ミル・ロード 75 (72)発明者 コハット，ブルース アメリカ合衆国ニュージャージー州08753， トムズ・リバー，クロンムーア・ドライブ 126 Ｆターム(参考） 4C083 AA122 AB012 AB052 AB172 AB242 AB282 AB472 AC091 AC092 AC122 AC312 AC442 AC471 AC472 AC792 AC841 AC842 AC862 AD042 AD272 AD352 BB55 CC41 DD22 EE33 4C086 AA01 AA02 BA10 DA17 MA03 MA05 MA57 NA14 ZA67 ZB11 4C206 AA01 AA02 CA09 KA01 MA03 MA05 MA77 NA14 ZA67 ZB11

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 歯磨き組成物であって、チモールを約０．４６〜０．５６２
   ３％、サリチル酸メチルを約０．４６４４〜０．５６７６％、メントールを約０
   ．３０６〜０．３７４％、オイカリプトールを約０．６９７１〜０．８５１９％
   及び歯科用賦形剤を含んでなる歯磨き組成物。
2. 【請求項２】 チモールを約０．５１１２％、サリチル酸メチルを約０．５
   １６０％、メントールを約０．３４００％及びオイカリプトールを約０．７７４
   ５％含んでなる、請求項１記載の歯磨き組成物。
3. 【請求項３】 口腔内の歯肉炎を抑制する方法であって、チモールを約０．
   ４６〜０．５６２３％、サリチル酸メチルを約０．４６４４〜０．５６７６％、
   メントールを約０．３０６〜０．３７４％、オイカリプトールを約０．６９７１
   〜０．８５１９％及び歯科用賦形剤を含んでなる歯磨き組成物で該口腔内の歯を
   磨くことを含んでなる方法。
4. 【請求項４】 歯磨き組成物が、チモールを約０．５１１２％、サリチル酸
   メチルを約０．５１６０％、メントールを約０．３４００％及びオイカリプトー
   ルを約０．７７４５％含んでなる、請求項３記載の方法。