JP2777804B2

JP2777804B2 - 口腔用組成物

Info

Publication number: JP2777804B2
Application number: JP63180600A
Authority: JP
Inventors: 益弘余吾; たまみ松本; 文雄吉田; 信夫菅沼
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1988-07-20
Filing date: 1988-07-20
Publication date: 1998-07-23
Anticipated expiration: 2013-07-23
Also published as: JPH0232010A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、下記一般式（１） M_n+2P_nO_3n+1 …（１）（但し、式中ＭはNa又はＫを示し、ｎ≧２である。）で表される直鎖状ポリリン酸塩及び下記一般式（２）（MPO₃）_ｍ …（２）（但し、式中ＭはNa又はＫを示し、ｍ≧３である。）で表される環状ポリリン酸塩から選ばれる１種又は２種
以上のポリリン酸塩を配合した歯石予防に好適な口腔用
組成物に関し、特に該ポリリン酸塩由来の渋味、酸味、
えぐ味がほとんどなく、香味や使用感に優れた口腔用組
成物に関する。

従来の技術従来、上述したポリリン酸塩が歯石の形成を抑制する
ことに効果があることは知られており、かかるポリリン
酸塩を配合した口腔用組成物が提案されている（特開昭
52−108029号公報、特開昭63−30408号公報等）。この
ポリリン酸塩の歯石形成抑制効果は、口腔内においてポ
リリン酸塩が、カルシウムイオンとリン酸イオンとの結
合による無定形リン酸カルシウムの形成を抑制し、かつ
無定形リン酸カルシウムのハイドロキシアパタイトへの
結晶転移、ハイドロキシアパタイトの結晶成長を抑制す
るという作用によるものと考えられる。

発明が解決しようとする課題しかしながら、口腔用組成物にポリリン酸塩をその歯
石抑制効果が満足に発揮し得るに十分な程度の量（通常
0.1〜10重量％程度）配合すると、ポリリン酸塩由来の
渋味、酸味、えぐ味が生じて、香味や使用感が低下する
という欠点がある。

このため、ポリリン酸塩を十分量配合してもこのよう
な渋味、酸味、えぐ味のない香味や使用感の良好な口腔
用組成物の開発が望まれている。

課題を解決するための手段及び作用本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ね
た結果、上述した一般式（１） M_n+2P_nO_3n+1 …（１）（但し、式中ＭはNa又はＫを示し、ｎ≧２である。）で表される直鎖状ポリリン酸塩及び一般式（２）（MPO₃）_ｍ …（２）（但し、式中ＭはNa又はＫを示し、ｍ≧３である。）で表される環状ポリリン酸塩から選ばれる１種又は２種
以上のポリリン酸塩を全体の0.1〜10重量％配合した口
腔用組成物に対し、フェンネルオレオレジン、ジンジャ
ーオレオレジン、カルダモンオレオレジン、クローブオ
レオレジン、セージオレオレジン及びパセリオレオレジ
ンの１種又は２種以上からなるスパイスオレオレジンを
配合することにより、上記ポリリン酸塩由来の渋味、酸
味、えぐ味が抑制され、香味や使用感が良好で、歯石形
成の予防用として好適に利用できる口腔用組成物が得ら
れることを見い出し、本発明をなすに至った。

なお、この場合、特開昭63−30408号公報では、上記
ポリリン塩酸にｌ−メントール及び／又はアネトールを
併用することを提案しているが、ｌ−メントールやアネ
トールを加えても上記ポリリン酸塩の渋味、酸味、えぐ
味を抑制する効果は十分でないものである。

以下、本発明につき更に詳述する。

本発明に係る口腔用組成物に用いるポリリン酸塩とし
ては、下記式（１） M_n+2P_nO_3n+1 …（１）（但し、式中ＭはNa又はＫを示し、ｎ≧２である。）で示されるもの、即ち重合度ｎ＝２のピロリン酸ナトリ
ウムやピロリン酸カリウム、ｎ＝３のトリポリリン酸ナ
トリウムやトリポリリン酸カリウム、ｎ＝４のテトラポ
リリン酸ナトリウムやテトラポリリン酸カリウム、高重
合度のメタリン酸ナトリウムやメタリン酸カリウムなど
の直鎖状のポリリン酸塩、並び下記式（２）（MPO₃）_ｍ …（２）（但し、式中ＭはNa又はＫを示し、ｍ≧３である。）で示されるもの、即ち重合度ｍ＝３のトリメタリン酸ナ
トリウムやトリメタリン酸カリウム、ｍ＝４のテトラメ
タリン酸ナトリウムやテトラメタリン酸カリウム、ｍ＝
６のヘキサメタリン酸ナトリウムやヘキサメタリン酸カ
リウムなどの環状のポリリン酸塩が併用される。

これらのポリリン酸塩はその１種を単独で又は２種以
上を混合して使用されるが、これらの中では、安定性の
点から直鎖状で平均重合度（ｎ）が２〜４のポリリン酸
塩が好ましく、特にｎが２のピロリン酸塩をポリリン酸
塩全体の８〜60％（重量％、以下同じ）、ｎ＝３のトリ
ポリリン酸塩を同20〜95％含有する直鎖状ポリリン酸塩
が、安定性及び組成物の香味のまとまり、香り立ち等の
均整の点からより好ましい。

更に、上記ポリリン酸塩としては、化粧品原料基準食
品添加物公定書に記載されているフレーク状，粉末状，
塊状，顆粒状など種々の性状及び品質のものを用いるこ
とができるが、とりわけ顆粒状のものが溶解性が良く、
配合工程上のメリットが高いことから好適である。

なお、上記ポリリン酸塩の配合量は、組成物全体の0.
1〜10％、好ましくは１〜５％である。

一方、香料としては、フェンネルオレオレジン、ジン
ジャーオレオレジン、カルダモンオレオレジン、クロー
ブオレオレジン、セージオレオレジン及びパセリオレオ
レジンから選ばれる１種又は２種以上を使用する。

これらのスパイスオレオレジンの配合量は、0.0001〜
0.05％、特に0.001〜0.02％とすることが好適である。

なお、本発明では上記香料に加えて更に他の香料を配
合することは差し支えない。

本発明の口腔用組成物は、練歯磨等の歯磨類、洗口
剤、トローチ、チューインガム等として調製、適用され
るが、この場合、本発明の他の成分としては、口腔用組
成物の種類に応じた適宜な成分が用いられる。例えば練
歯磨の場合であれば、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、界面活
性剤、甘味剤、棒刷剤、各種有効成分などを水と混和
し、常法に従って製造することができる。なお、研磨剤
としては無水ケイ酸を使用することが好ましく、具体的
には沈降性シリカ，無定形研磨性シリカ，アルミノシリ
ケート，ジルコノシリケート等を単独で又は混合して使
用することができる。研磨剤の配合量は、組成物全体の
５〜50％が好適である。

また、発泡剤としてはアルキル基の炭素鎖が10〜16の
単独又は混合アルキル硫酸ナトリウムが好適である。

更に、液状或いはペースト状組成物のpHは６〜８とす
ることがポリリン酸塩の安定配合の点から好ましい。

なお、組成物は適宜な容器、例えばアルミニウム箔を
ラミネートしたプラスチック製容器に収容することがで
きる。

発明の効果本発明の口腔用組成物は、上記ポリリン酸塩と上記特
定のスパイスオレオレジンを併用したことにより、ポリ
リン酸塩をその歯石形成抑制効果が十分発揮し得る量ま
で配合してもポリリン酸塩由来の渋味、酸味、えぐ味が
ほとんどなく、優れた香味、使用感を有するものであ
る。

次に、実験例を示し、本発明の効果を具体的に説明す
る。

〔実験例〕

第１表に示す組成の香料を１％配合した下記組成の歯
磨組成物を調製し、その渋味、酸味、えぐ味を10名のパ
ネラーにより官能評価した。結果を第１表に併記する。
なお、官能評価結果は、パネラーの該当者数で示した。

歯磨組成トリポリリン酸ナトリウム２％無水ケイ酸 30 ソルビット液 50 プロピレングリコール３カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 第１表に示す香料 1.0 防腐剤 1.0 甘味剤 0.2 精製水残計 100.0％第１表の結果より、上記スパイスオレオレジンを配合
したポリリン酸塩含有歯磨組成物は、ポリリン酸塩特有
の渋味、酸味、えぐ味はほとんど感じられず、良好な使
用感を有することが確認された。

以下、実施例を示すが、本発明は下記実施例に制限さ
れるものではない。なお、下記の例においてカルボキシ
メチルセルロースナトリウムをCMC−Naと略記する。

〔実施例１〕歯磨無水ケイ酸３％ジルコノシリケート 27 酸化チタン 0.3 粉末ピロリン酸ナトリウム１顆粒状ポリリン酸ナトリウム１（鎖状、重合度３） No.3の香料 1.2 CMC−Na（D.S.＝0.9,1％粘度10〜20cps） 0.2 CMC−Na（D.S.＝0.9,1％粘度30〜70cps） 0.5 CMC−Na（D.S.＝0.9,1％粘度80〜150cps） 0.5 ラウリル硫酸ナトリウム 1.4 ソルビット液 40 プロピレングリコール３パラオキシ安息香酸メチル 0.1 パラオキシ安息香酸エチル 0.1 サッカリンナトリウム 0.15 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.8 精製水残計 100.0％〔実施例２〕歯磨無水ケイ酸 15％ジルコノシリケート 15 酸化チタン 0.5 粉末ピロリン酸ナトリウム１粉末トリポリリン酸ナトリウム１ No.3の香料 1.2 CMC−Na（D.S.＝0.9,1％粘度10〜20cps） 0.7 CMC−Na（D.S.＝0.9,1％粘度80〜150cps） 0.6 ヤシ油脂肪酸硫酸ナトリウム 1.5 ソルビット液 30 グリセリン 10 ポリエチレングリコール400 ３パラオキシ安息香酸メチル 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 サッカリンナトリウム 0.2 トラネキサム酸 0.05 NaCl 10 精製水残計 100.0％〔実施例３〕歯磨無水ケイ酸 27％酸化チタン 0.4 粉末テトラポリリン酸ナトリウム２ No.4の香料 1.0 CMC−Na（D.S.＝0.9,1％粘度10〜20cps） 0.3 CMC−Na（D.S.＝0.9,1％粘度30〜70cps） 0.9 ラウリル硫酸ナトリウム２ソルビット液 20 グリセリン 20 プロピレングリコール３パラオキシ安息香酸メチル 0.2 パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 サッカリンナトリウム 0.15 オウバクエキス酸 0.1 精製水残計 100.0％〔実施例４〕洗口剤粉末ピロリン酸ナトリウム 0.5％粉末トリポリリン酸ナトリウム 0.5 デキストラナーゼ 2000単位トラネキサム酸 0.05 ％ No.3の香料１エタノール 10 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油１グリセリン 35 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 クエン酸三ナトリウム 0.1 リン酸一ナトリウム 0.1 サッカリンナトリウム 0.05 精製水残計 100.0％〔実施例５〕洗口剤顆粒状トリポリリン酸ナトリウム２％デキストラナーゼ 2000単位 No.4の香料１％エタノール５ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油２グリセリン 10 ソルビット液 20 パラオキシ安息香酸メチル 0.3 安息香酸ナトリウム 0.2 クエン酸三ナトリウム 0.1 クエン酸 0.1 色素 0.0003 サッカリンナトリウム 0.05 精製水残計 100.0％上記実施例１〜５の口腔用組成物は、いずれも香料中
にスパイスオレオレジンを含有しており、ポリリン酸塩
由来の渋味、酸味、えぐ味がほとんど感じられず、良好
な使用感及び安定性を有していた。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者菅沼信夫千葉県習志野市屋敷１―３―25 (56)参考文献特開昭60−190706（ＪＰ，Ａ) 特開昭62−96409（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−1409（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−30408（ＪＰ，Ａ) 特開昭57−38708（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】下記一般式（１） M_n+2P_nO_3n+1 …（１）（但し、式中ＭはNa又はＫを示し、ｎ≧２である。）で表される直鎖状ポリリン酸塩及び下記一般式（２）（MPO₃）_ｍ …（２）（但し、式中ＭはNa又はＫを示し、ｍ≧３である。）で表される環状ポリリン酸塩から選ばれる１種又は２種
以上のポリリン酸塩を組成物全体の0.1〜10重量％配合
すると共に、フェンネルオレオレジン、ジンジャーオレ
オレジン、カルダモンオレオレジン、クローブオレオレ
ジン、セージオレオレジン及びパセリオレオレジンの１
種又は２種以上からなるスパイスオレオレジンを配合す
るこことを特徴とする口腔用組成物。