【発明の詳細な説明】
官能化ポリアルキレンオキシド化合物およびカーボンブラックの分散剤として
の使用
本発明は、カーボンブラック水性分散液に関し、さらに詳しくはポリアルキ
レンオキシド化合物をベースとした分散剤、または分散剤を用いるそれらの製造
に関する。
離散型充填剤を分散させるための薬剤は、粒子の凝集を妨げ、分散液に対し
ては流動化作用を有する。
分散剤による粒子性充填剤の分散は、前記の充填剤と分散剤の間の親和性に
依存し、また、それゆえにこれら2種間の凝集力および結合力の性質にも依存す
る。
炭酸カルシウムのような無機充填剤のための分散剤は公知であり、これらの
分散剤とこの無機充填剤との間の相互作用の性質も知られている。炭酸カルシウ
ムは電荷を有する親水性鉱物であり、そこではイオンの性質の相互作用に従って
、カルシウムがイオン化合物、特にホスホン酸塩に高い親和性を有している。こ
のように、当技術分野において十分公知の例として、炭酸カルシウムの分散剤を
構成するリン酸塩またはホスホン酸塩官能基を含有するカルボキシルポリマーが
挙げられる。
カーボンブラックは前記の無機充填剤とは全く異なる充填剤である。明確に
は、それは電荷を有しておらず、不溶性で、疎水性、非晶質の有機物質である。
これに対し、無機充填剤は結晶構造を有し、それらのうちのいくつかについては
部分可溶化点に達するまでは親水性が高く(炭酸カルシウムの溶解度は0.015g/l
)、表面が帯電している。
このように、無機充填剤に関しては、このように電荷を有する薬剤である、
イオン薬剤の分散力は、その薬剤のイオンヘッドと無機充填剤との間の相互作用
によるものであることが証明されている。
他方、カーボンブラックに関しての分散剤の効力は、その分散剤の疎水性と
関連があることが知られている(文献:Ping-Lin Kuo and Ta-Cheng Chang,Jour
nal of Applied Polymer Science,vol.44,869-876(1992))。この関係は、本
明細書の特に実施例1で証明する。
カーボンブラックの分散における無機充填剤に対する分散剤の効力が全く予
想できないのは、無機充填剤とカーボンブラックとの間の完全な相違から生ずる
ものである。
カーボンブラック用の公知の分散剤としては、印刷に使用されるカーボンブ
ラック分散液を与える、炭化水素ベースの長鎖を含有するポリアクリレートであ
るSolsperses(商標)、ならびに米国特許第4,170,563号明細書に記載のホスホ
ネート基で官能化されたポリマーが挙げられる。
カーボンブラック分散液の品質と安定性は、分散液の粘性、沈殿容積および
流動学的挙動などの種々の肉眼的特性を基にして評価される。
一般に、ある高分子電解質を分散剤として用いる場合、その濃度が高くなる
につれて粘性も増加するが、このことが、特に伸展、滑動および噴霧用としての
それらの使用を制限している。
現在までに利用可能なカーボンブラックの分散剤のうち、以下の特性を同時
に示すものは存在しない:
分散剤の割合に関係せず、しかも分散液中のカーボンブラック含量にも関係
しない高い非凝集力および流動化力、
カーボンブラック粒子へ過剰に吸着せず、しかもそれゆえ表面特性において
電荷を伴うことのないカーボンブラック粒子の分散能力、
閾値効果の、強い減衰または消失さえも伴う、分散液の流動性の改良、
特にイオン強度の高い媒質の存在下での使用に好適な、高い固形物含量にも
かかわらず分散液の粘性が低いこと、
分散液中の粒子の沈着速度が遅いこと、
化学的および温度的安定性。
発明者らは、一方または両端がイオンまたは極性基により官能化された水溶
性のアルキレンオキシド化合物が、前記のすべての特性を併せ持つ分散剤ファミ
リーを構成することを見出した。
具体的には、発明者らは意外にも、親有機性ポリアルキレンオキシドポリマ
ー鎖の末端へのイオン性または極性基の結合により、低濃度においてでもカーボ
ンブラックを非常に効率的に分散させる薬剤が得られることを見出した。本発明
によれば、親水性鎖および親油性鎖からなる両親媒性薬剤のような、公知の分散
剤により得られる分散液よりも、質的に優れたカーボンブラック分散液を得るこ
とができる。
奇妙なことに、本発明の分散剤はイオン基を有してなるにもかかわらず、そ
れらは明確な界面活性性を持たず、界而活性の測定では、水/空気界面値は約60
mPaを示す。
従って本発明は、カーボンブラックを水相に分散させるための、一方の末端
または両方の末端が、少なくとも1つの窒素原子または酸素原子を含んでなるア
ニオン基により官能化されたポリアルキレンオキシド化合物の使用に関する。
本発明の分散剤は、ポリアルキレンオキシド化合物またはこれらの化合物の
混合物を含んでなり、これらの化合物は下記の式(I):
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]-Y
{式中、[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択
型のエチレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは、各々互いに独立に0ないし1000の間の範囲の平均数であり(た
だしmおよびnは両方とも0ではない)、
XはH、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基、またはY-CHR-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立にHまたは、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基を
表し、かつ、
Yは以下のa)、b)、c)およびd)の基:
a)Y=N(R2)(R3)、またはN(R2)(R4ZM)、またはN(R4ZM)(R5Z'M')、またはNH(
R4ZM)、
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または-COO-
を表し、かつ、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表
し、かつ、
R2およびR3は各々互いに独立にHまたはC1-7アルキル基を表し、かつ、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表す)、および
b)Y=N+(R2)(O-)(R3)
(式中、R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)、またはN+(R2)(O-)(R4Z'M')、または
N+(R4ZM)(O-)(R5Z'M')、
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または-COO
-を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、かつ
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
、
d)Y=OZM
(式中、
Zは、-SO3 -、-PO3 2-または-COR1-COO-(R1は二価の芳香族またはアルキレン
基を表す)であり、かつ、
Mは、H+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
のうちのいずれか1つから選択される}
に対応する。
本発明の好ましい分散剤は、さらに詳しくは、下記の特徴のうち少なくとも
1つを満たす前記の式により定義される:
R2、R3、R4およびR5は各々互いに独立にC1-3アルキル基を表し(本発明によ
れば、R4およびR5基により、窒素にイオン性またはイオン化官能基を共有結合さ
せることが可能となり、かつ、それらは化合物に両親媒性を与える役割は持たな
い)、
mおよびnは各々互いに独立に0ないし250の間の範囲の平均数であり、
RはHを表し、かつ、R'はメチル基を表し、
Yは、NH2で示されるa)群から選択され、
Yは、N(R2)(R3)(R2およびR3は各々メチル基を表す)で示されるa)群から選
択され、
Yは、N(R2)(R4ZM)(R2はメチル基を表し、R4はメチレン基を表し、ZはPO3 2-
、かつ、Mは2H+を表す)で示されるa)群から選択され、
Yは、N(R4ZM)(R5ZM)(R4およびR5は各々メチレン基を表し、Zは PO3 2-、か
つ、Mは2H+を表す)で示されるa)群から選択され、
Yは、N+(R2)(O-)(R3)(R2およびR3は各々メチル基を表す)で示されるb)群
から選択され、
Yは、N+(R2)(R3)(R4Z)(R2およびR3は各々メチル基を表し、R4はトリメチレ
ン基を表し、かつ、ZはSO3 -で示されるc)群から選択され、
Yは、N+(R2)(O-)(R4ZM)(R2はメチル基を表し、R4はメチレン基を表し、Zは
PO3 2-を表し、かつ、Mは2H+を表す)で示されるc)群から選択される。
MまたはM'がH+を表さない場合、それは、無機カチオン、好ましくはナトリ
ウムイオンおよびカリウムイオンから、または、有機カチオン、好ましくは第三
級アミンもしくはピリジンから得られるものから選択される一価カチオンまたは
多価カチオン部分を表す。
前記のように、ポリアルキレンオキシドは、好ましくはXがHを表す場合には
その一方の末端で官能化でき、そうでなければその両端で官能化できる。後者の
場合より好都合であり、XはY-CHR'-CHR-を表し、湿潤性、可塑性、および複合体
形成性を有する分散剤が得られる。
本発明のもう1つの主題は、水相に、本発明の少なくとも1種の分散剤と、
限定されるものではないが例として、極性もしくは非極性有機溶媒、界面活性剤
、ポリマー、顔料または無機塩などの添加物ましくは充填剤を含んでなる、カー
ボンブラックを分散させるための組成物である。
分散組成物中の分散剤の比率は、カーボンブラックの重量に対して0.1%な
いし100%の間であれば有利である。
本発朋はまた、分散剤として前記に定義された少なくとも1種の分散剤を含
んでなるカーボンブラック分散液に向けられる。かかる本発明の分散液はまた、
炭酸カルシウムのような無機充填剤、特に方解石および/またはフタロシアニン
のような有機質顔料も含む。この根拠としては、特に本発明の分散剤が無機充填
剤および顔料と適合していると認められることにある。
本発明はまた、天然型として、前記の一般式(I){式中、
[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択型のエ
チレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは各々互いに独立に0ないし1000の間の平均数であり(ただし、mお
よびnはともに0ではない)、
XはH、C1-7アルキル基、またはY-CHR'-CHRを表し、
RおよびR'は各々互いに独立にH、または直鎖もしくは分枝したC1-7アルキル
基を表し、かつ
Yは、下記a)、b)およびc):
a)Y=N(R4ZM)(R5Z'M')またはNH(R4ZM)
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-OPO3 2-または-COO-を表し、Z
およびZ'はR4およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH[原文のまま]または無機または有機カチオン
を表し、かつ、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表す);
b)Y=N+(R2)(O-)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)またはN+(R2)(O-)(R4ZM)または
N+(R4ZM)(O-)(R5Z'M')
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-OPO3 2-または-COO-を表し、Z
およびZ'はR4およびR5基と共有結合しており、かつ、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または無機または有機カチオンを表す)、
またはY=N(R2)(R3)
(式中、R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す(ただし、XはY
-CHR'-CHR-を表す)
のいずれか1つから選択される
(ただし、同時に、
mが2ないし40までの範囲であり、nが0であり、Y=NH(R4ZM)、XがY-CH2-CH2を
表し、RがHを表し、R'がHまたはC1-6アルキル基を表し、ZがSO3 -を表し、かつ、
R4がC2-6アルキレン基を表すか、または
mが1ないし20までの範囲であり、nが0であり、Y=NH(R4ZM)、XがC6-7アルキ
ル基を表し、RがHを表し、R'がメチル基を表し、ZがSO3 -を表し、かつ、R4がC3
アルキレン基を表す式(I)の化合物は除く、
すなわち、以下の化合物:
および
を除く}
に対応する化合物に関する。
本発明の化合物および分散剤は種々の合成工程により得ることができ、その
いくつかを下記に示し、続く実施例2で詳しく述べる。
一般式(式中、YはNH2を表す)に対応する化合物のような特定の化合物は市
販されており、これらの化合物は、Jeffamine銘柄でHuntsman社から販売されて
おり、それら自身、出発試薬として本発明の他の化合物を得るために利用できる
。
従って、一般式(式中、YはYの定義に従ってa)群から選択される)を有する
化合物を得るための工程は次のように行う:
Y=N(R2)(R3)の場合:
対応する第1級アミン化合物をアルキル化することにより、N-アルキルアミ
ノまたはN-ジアルキルアミノ化合物を得;蟻酸の存在下での、対応する第1級ア
ミン化合物とホルムアルデヒド間のEschweiller-Clarke縮合により、N-ジメチル
アミノまたはN,N'-テトラメチルアミノ化合物が有利に得られ;対応する第1級ア
ミン化合物とアルデヒド間の縮合により、他のN-アルキルアミノ化合物を得るこ
とができ、次いで結果として得られるイミンの還元を行う;
Y=N(R2)(R4ZM)またはN(R4ZM)(R5Z'M')の場合:
この工程は、対応するα-アミノ-またはα,ω-アミノ-ポリオキシ-アルキレ
ン類により環状求電子体を開環することにより、または別法として、後者と、一
般にそれらのエステル化型の官能基Z(硫酸エステル、スルホン酸エステル、燐
酸エステル、ホスホン酸エステルまたはカルボン酸エステル)を有するアルキル
ハロ誘導体との縮合により行える;しかしながら、この工程は操作を通常、無水
の反応媒質中で行う必要があり;また別法として、
対応するアルコキシド(Y=OH)または対応するアミン(Y=NH2)を、ビニルスル
ホン酸またはそれらのエステル類などのイオン化試薬と縮合させてスルホン酸エ
ステル、アクリル酸もしくはそれらのエステル類を得るか、カルボン酸エステル
、およびビニルホスホン酸もしくはそれらのエステル類を得るか、またはホスホ
ン酸エステルを得、次いで中和することにより間接的にこの化合物を得ることが
でき;また別法として
一般式(式中、Y=N(R2)(R3)、R2およびR3は各々アルキル基であり、その製
造工程は前記に記載される)を有する化合物は、ビニルスルホン酸、アクリル酸
、メタクリル酸、ビニルホスホン酸もしくはビニルホスファチン酸またはこれら
の酸のエステルとの縮合反応、またはプロパン-スルトンのようなスルトン環、
プロピオラクトンのようなラクトン環、またはオキサ-もしくはジオキサ-ホスホ
ラン、または-ホスホリナン環を開環する反応のいずれかに用いることができ;
本発明の好ましい化合物、α-アミノ-ポリオキシアルキレン-(N-ジメチレン
ホスホン酸ナトリウム)は、WO-94/08913明細書、米国特許第3,976,589号および
同第3,718,603号明細書に記載される工程により得ることができる;
本発明のもう1つの好ましい化合物、α,ω-ジアミノ-ポリオキシアルキレ
ン-(N,N'-テトラメチレンホスホン酸ナトリウム)は、ホルムアルデヒドおよび亜
リ
ン酸で開始し、鎖の長さは異なるが、実質的に定量的に得ることができる。
前記の一般式(式中、YはN+(R2)(O-)(R3)(b群))、N+(R2)(O-)(R4ZM)(c
群))またはN+(R4ZM)(O-)(R5Z'M')(c群)を表す)に対応する化合物を含んで
なる本発明の分散剤を得るために、過酸化水素水溶液のような酸化剤(好都合に
もこの酸化剤は金属塩を含んでいない)を用い、窒素原子の制御された酸化が行
われる。米国特許第3,474,133号明細書が参照される。
OZが硫酸塩(-OSO3 -)またはリン酸塩(-OPO3 2-)を表す場合、一般式{式中、Y
はOZMを表す(Yはd)群から選択される)}を有する本発明の化合物は、対応する
アルコールまたはアルコキシドから得られる。この化合物はそれぞれ二酸化硫黄
を含有する濃硫酸または五酸化リンで開始して得ることができる。Zが(-COR1-CO
O-)を表す場合、その化合物は環状無水物または酸二塩化物のような求電子体を
用いるアルキル化により得られ、また別法としてα-ヒドロキシ-またはα,ω-ジ
ヒドロキシ-ポリオキシアルキレン類の酸化により直接、カルボキシル官能基を
得ることができる。
得られたカーボンブラック懸濁液の1708s-1における粘性(mPa.s-1で表され
る)を分散剤の添加量の関数として表す図3ないし6、さらには、添加した同じ懸
濁液のレオロジー(剪断勾配の関数としてPaで表される)を分散剤の量の関数と
して表す図7ないし10を用いて、本発明の主題の特徴および優位性を下記の実施
例2ないし4において説明、実証する。
図3ないし10の各々について、検討中の分散剤とカーブの対応を以下に示
す。
実施例1で参照する図1および2は、それぞれ、分散剤の濃度(20PANA◆
、70PANA●、および70PAFB○)の関数としての、1708s -1での、炭酸カ
ルシウム分散液の粘度(mPa.s単位)および、分散剤の濃度(20PANA◆、70
PANA●、および70PAFB○)の関数としての、1708s -1での、チャンネルブ
ラック分散液の粘度(mPa.s単位)を示す。
実施例1:
分散の観点からみた無機充填剤とカーボンブラックとの完全相違の例解
該相違は、本発明による2つの分散液の、一方では20重量%の炭酸カルシ
ウム懸濁液に対する、および、他方では10重量%のカーボンブラック(チャン
ネルブラック)懸濁液に対する効果によって例解した。
該効果は、図1及び2において比較した。
− 親有機性化合物、すなわちα−アミノポリオキシアルキレン、Jeffamin
e(商標)XTJ234を含有する分散剤、エチレンオキシド単位およびアルキレン
オキシド単位の平均数は、20(20PANA)または70(70PANA)である。
− 極性ヘッドを有する上記化合物の相当する二ホスホン酸誘導体、すなわ
ち、α−アミノポリオキシアルキレン-ジ−N−(メチレンホスホン酸)を含有す
る分散剤(20PAFB、20のエチレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単
位の平均数を有する誘導体、および70PAFB、70のエチレンオキシド単位およ
びアルキレンオキシド単位の平均数を有する誘導体)。
炭酸カルシウムに相当する図1において、親有機性剤の流動効果は存在しな
いことが観察される。本質的には同じ粘度値が20PANAおよび70PANAで得
られるために、これらの値は添加剤の濃度にかかわらずその初期レベルで保持さ
れているので、ポリオキシエチレン鎖長にかかわらず、親有機性剤の流動効果は
存在しない。前記鎖にホスホン酸基を導入すると、極性ヘッド(カーブ70PAFB
)を有する親有機性剤の明白な流動効果を得ることが可能となる。
カーボンブラックに相当する図2においては、親有機性ポリオキシエチレン
鎖の単結合の存在が、実質的な流動効果を提供するものである。該効果はさらに
、鎖長に正比例し、該効果は、20PANAを有する親有機性剤よりも70PANAを
有する親有機性剤のほうが大きい。これは、カーボンブラック分散液における薬
剤の効率が直接的に親有機特性に依存しているという仮説を確証するものである
。
図1及び2における70PANAカーブの比較から、特にその分散に関しては、
カーボンブラックが、無機充填剤に結合可能な充填剤ではなく、さらに、本発明
による分散剤で得られた結果が完全に予想外であることが、例証される。
したがって、予想しないことに(図2、70PAFBカーブ)、ポリオキシエチ
レン鎖における強親水性二ホスホン酸イオン基の存在によって、カーボンブラッ
クへの分散剤の相乗効果が生じることが観察される。
該効果は、アンモニウムタイプのカチオン基(これも親水性である)を、ポ
リオキシエチレン鎖へ導入すると、相当する薬剤の流動効果が、反対に、実質的
に喪失するため、全て予想外である。
実施例2:
本発明の分散剤の調製
a)Jeffamille(商標)XTJ234から誘導されたα−アミノ−(N−ジメチ
ル)−ポリオキシアルキレン(70PANAMと称する)の調製
Jeffamine(商標)XJT234の特徴:
− 水および通常の溶媒に溶解可能なα−アミノ−ポリオキシアルキレン
− 分子量 3440g
− エチレンオキシド(EO)含量:65
− プロピレンオキシド(PO)含量:8.5
使用したメチル化反応の原理は、ホルムアルデヒド/ギ酸混合物を使用して
、特異的に2つのメチル置換基を窒素に導入するEschweiller−Clarke反応に類
似している。
340g(0.1mol)のJeffamine(商標)XJT234を、60℃に保持さ
れて撹拌している1Lの丸底フラスコに入れる。25ml(29g,すなわち0.5
mol)の80%ギ酸溶液および100mlの水を添加し、次いで、18.3g(0.
22mol)の37%ホルムアルデヒド溶液を入れる。炭酸ガスの発生が止った後
、該溶液を還流し、4時間、100℃の温度に保持する。冷却後、10mlの37
%
塩酸(酸当量:0.11mol)を添加し、該混合物を次いで真空下、乾燥するま
で濃縮する。生成物を1リットルの1N水酸化ナトリウム中に取り込み、塩化ナ
トリウムを添加して飽和し、最後に、2回、400mlのジクロロメタンで抽出す
る。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、乾燥するまで濃縮すると、34
3g(99.9%収率)の、結晶化する淡い黄色の生成物が得られる。
NMR分析は、Jeffamine(商標)XJT234から誘導された、α−アミノ−(N
−ジメチル)−ポリオキシアルキレンの予想される構造と良い一致を示す。
b)Jeffamine(商標)ED2001から誘導されたα,ω−ジアミノ−(N,N
’−テトラメチル)−ポリオキシアルキレン(50PANBMとして知られている)
の調製
Jeffamine(商標)ED2001の特徴:
− 水および通常の溶媒に溶解可能なα,ω−ジアミノ−ポリオキシアルキ
レン
− 分子量 2350g
− EO含量:48
− PO含量:2
470g(0.2mol)のJeffamine(商標)ED2001を、60℃に保持さ
れ、機械撹拌している1Lの丸底フラスコに入れる。100ml(116g,すなわ
ち2mol)の80%ギ酸溶液および400mlの水を添加し、次いで、73.2g(
0.88mol)の37%ホルムアルデヒド溶液を入れる。炭酸ガスの発生が止っ
た後、該溶液を還流し、4時間、100℃の温度に保持する。冷却後、40mlの
37%塩酸(酸当量:0.44mol)を添加し、該混合物を次いで真空下、乾燥
するまで濃縮する。生成物を2リットルの1N水酸化ナトリウム中に取り込み、
塩化ナトリウムを添加して飽和し、最後に、2回、800mlのジクロロメタンで
抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、乾燥するまで濃縮すると
、480g(99.9%収率)の、結晶化する淡い黄色の生成物が得られる。
NMR分析は、α,ω−ジアミノ−(N,N’−テトラメチル)−ポリオキシア
ルキレンの予想される構造と良い一致を示す。該生成物は、完全に、水および
通常の有機溶媒に溶解する。
c)Jeffamine(商標)XTJ234から誘導されたα−アンモニオ−(N−ジメ
チル,N−プロピルスルホナート)−ポリオキシアルキレン(70PANAZとして知
られている)の調製
34.6g(0.01mol)のa)で得られたα−アミノ−(N−ジメチル)−
ポリオキシアルキレン(70PANAM)を、200mlのメチレンクロリド中の1.
4gのプロパンスルトンと、50℃で24時間、反応させる。該溶媒を乾燥する
まで濃縮し、固体生成物をエーテル中に取り込み、再度分離させ、真空ジャーで
乾燥する。
NMRスペクトルは、プロピルスルホナート置換基の窒素への結合を示してい
る。
d)Jeffamine(商標)ED2001から誘導されたα,ω−ジアンモニオ−(
N,N’−テトラメチル−N,N’−ジプロピルスルホナート)−ポリオキシアルキ
レン(50PANBZとして知られている)の調製
24.1g(0.01mol)のb)で得られたα,ω−ジアミノ−(N,N’−
テトラノチル)−ポリオキシアルキレン(50PANBM)を、200mlのメチレン
クロリド中の2.8gのプロパンスルトンと、50℃で24時間、反応させる。
該溶媒を乾燥するまで濃縮し、固体生成物をエーテル中に取り込み、再度分離さ
せ、真空ジャーで乾燥する。
NMRスペクトルは、プロピルスルホナート置換基の2つの窒素原子への結合
を示している。
e)Jeffamine(商標)ED2001から誘導されたα,ω−ジアミノ−ポリオ
キシアルキレン−テトラ(メチレンホスホン酸)(50PAFDとして知られている
)の調製
Jeffamine(商標)ED2001から誘導されたα,ω−ジアミノ−テトラ(
メチレンホスホン酸)[原文のまま]の調製を例を挙げて説明する。
ホスホン酸化反応は、ホルムアルデヒドおよび亜リン酸の共役作用から発す
る。その詳細な例は、Jeffamine(商標)ED2001から誘導された、ポリオキ
シアルキレン−α,ω−テトラ(メチレンホスホン酸)の調製で示す。該反応原
理において、ホルムアルデヒドは、塩酸存在下、アミンと縮合して、インモニウ
ムタイプの第1中間体を生成する。該中間体は、次に、亜リン酸と反応して窒素
に結合したメチレンホスホン酸官能エレメントを形成する。該シークエンスは2
つの1級アミンの4つの水素に続けて起こり、N,N’−テトラ(メチレンホスホ
ン酸)シークエンスを形成する。
ホスホン酸化反応の選択性は、各窒素原子におけるモノ(メチレンホスホン
酸化)の比率によって定められ、該反応は窒素のメチル化を伴い、窒素における
ジ(メチレンホスホン酸化)のメチル化を伴う。該比率は、反応条件のファンク
ションとして最適化可能とする生成物の質を示す基準である。
16Lのガラス反応器に、流体を加熟するジャケットによる加熱機、撹拌速
度を210rpmまで調整可能な直径300mmのガラスパドル、後部排出点、コン
デンサー、メーターポンプを介した導入システム、および温度センサーを装備す
る。6964g(平均2.96mol)のJeffamine(商標)ED2001、次いで、
1232g(14.8mol)の99%亜リン酸、および840g(8.4mol)の3
6%の水中の塩酸を続けて70℃で導入する。反応器の温度を100℃プラスマ
イナス0.5℃に調整し、1264g(15.6mol)の37%の水中のホルムア
ルデヒドを7時間かけて導入する。反応媒体を100℃プラスマイナス0,5℃
の温度で16時間撹拌する。熱いままに排出後、該混合物を、空気排出器が装備
されたLHOE25002モデルSihiポンプ(流速25m3/h、真空5mb)付のR1
0モデルBuchiエバポレーターを用いて真空濃縮する。揮発物の除去は、120
℃で、0.01mbの真空で、25m3/hの流速でベーンポンプを用いて真空吸引
することによって完全に行った。7429g(98.7%収率)の淡いベージュ
色の結晶生成物が得られる。
1H NMR分析から、出発原料のアミンが全変換され、モノホスホン酸化は1
0%よりも少ない度合であることがわかる。
低い融点を有する結晶固体の形態である生成物は、ポリエチレン容器中に、
酸形態で特別な保護なく、保存する。
f)Jeffamine(商標)XTJ234から誘導されたα−アミノ−(N−ジメチル
)−ポリオキシアルキレンN−オキシド(70PANAOとして知られている)の調製
α−アミノ−(N−ジメチル)−ポリオキシアルキレンは、過酸化水素水を
用いて、窒素において酸化される。
酸素原子は、窒素原子に酸化によって結合する。34.4g(0.1mol)の
α−アミノ−(N−ジメチル)−ポリオキシアルキレン(70PANAM)を34gの
30%過酸化水素水に溶解し、該混合物を60時間、45℃で撹拌する。過酸化
水素溶液を数時間、窒素をバブリングして除去し、生成物を次いで凍結乾燥によ
って乾燥する。
NMR分析から、予想生成物(70PANAO)の生成と、不純物がないことがわか
る。
該生成物は、完全に、水および多くの有機溶媒に溶解可能であり、特に、1
1−12のpH値で塩形態で水中に溶解可能である。
g)Jeffamine(商標)ED2001から誘導されたα,ω−ジアミノ−(N,N
’−テトラメチル)−ポリオキシアルキレンN,N’−ジオキシド(50PANBOと
して知られている)の調製
α,ω−ジアミノ−(N,N’−テトラメチル)−ポリオキシアルキレンは過
酸化水素水で、2つの窒素原子において酸化される。
24.1g(0.01mol)のα,ω−ジアミノ−(N,N’−テトラメチル)
−ポリオキシアルキレン(50PANBM)を、60gの30%過酸化水素水に溶解し
、該混合物を60時間、40℃で撹拌する。過酸化水素水を数時間、窒素をバブ
リングして除去し、生成物を次いで凍結乾燥によって乾燥する。白色結晶固体が
得られる。
NMR分析から、予想生成物(50PANBO)の生成が、不純物なく行われること
がわかる。
該生成物は、完全に、水および多くの有機溶媒に溶解可能であり、特に、1
1−12のpH値で塩形態で水中に溶解可能である。
h)Jeffamine(商標)XTJ234から誘導されたα−アミノ−ポリオキシア
ルキレン−ジ(メチレンホスホン酸)N−オキシド(70PAFBOとして知られてい
る)の調製
36.3g(0.01mol)のα−アミノポリオキシアルキレン−ジ(メチレ
ンホスホン酸)(70PAFB)を、34gの30%過酸化水素水に溶解し、該混合
物を60時間、40℃で撹拌する。過酸化水素水を数時間、窒素をバブリングし
て除去し、生成物を次いで凍結乾燥によって乾燥する。白色結晶固体が得られる
。
NMR分析から、予想されたN−酸化化合物の生成が、副生成物なく行われるこ
とがわかる。
該生成物は、完全に、水および多くの有機溶媒に溶解可能であり、その塩形
態は水に溶解可能である。
i)Jeffamine(商標)ED2001から誘導されたα,ω−ジアミノ−ポリオ
キシアルキレン−テトラ(メチレンホスホン酸)N,N’−ジオキシド(50PAFD
Oとして知られている)の調製
28g(0.01mol)のe)で得られた50PAFDを、34gの30%過酸化水
素水に溶解し、該混合物を60時間、45℃で撹拌する。過酸化水素水を数時間
、窒素をバブリングして除去し、生成物を次いで凍結乾燥によって乾燥する。白
色結晶固体が得られる。
NMR分析から、予想されたN−酸化化合物の生成が、副生成物なく行われるこ
とがわかる。
該生成物は、完全に、水および多くの有機溶媒に溶解可能であり、その塩形
態は水に溶解可能である。
j)α−(N−メチル)−アミノ−ポリオキシエチレン−メチレンホスホン酸
(70PAFAとして知られている)の調製
α−(N−メチル)−アミノ−ポリオキシエチレン−メチレンホスホン酸(
70PAFA)を、(N−メチル)ポリオキシエチレンアミンのモノメチレンホスホ
ン酸化によって調製する。該アミンは、特許WO−93/21254に記載された
方法にしたがって、カリウムN−メチルアミノエトキシドのポリオキシエチレン
化によって調製される。
937g(0.3mol)の(N−メチルエチル)−ポリオキシエチルアミン、
29g(0.37mol)の亜リン酸(99%)、31.1gの塩酸の水中の36%
溶液(酸の0.3mol当量)および31.6g(0.39mol)の水中の37%ホ
ルムアルデヒドから出発すると、956gのα−(N−メチル)−アミノ−ポリオ
キシエチレン−メチレンホスホン酸(70PAFA)が得られる(99%収率)。
実施例3:
カーボンブラックを分散させるための組成物の調製
”添加剤”なる用語を本実施例において使用する場合、それはテストした分
散剤を意味するものと理解されたい。
A/CB比は、添加剤とカーボンブラックとの重量濃度比を意味する。
特記しない限り、カーボンブラック分散液は、30m2/gの比表面積で0.
3g/cm3の見かけ密度のプロラボカーボンブラックを用いて調製される。プロラ
ボカーボンブラックは、約1%の揮発性材料と0.15%のトルエンで抽出可能
な材料を含有することによって特徴付けられる。
認定測定は、得られた分散液において行われる。すなわち、粘度測定、沈降
物容積の測定、レオロジー特性の研究、および電子顕微鏡走査による分散液の粒
子の調査が行われる。実験方法を次に詳細にパラグラフa)で説明する。粘度測
定の結果およびレオロジー特性測定の結果をそれぞれ、表1および2に、本明細
書の最後にまとめる。
a)α−アミノポリオキシアルキレン、Jeffamine(商標)M−1000(2
0PANA)の存在下でのカーボンブラックの分散
カーボンブラッタの水懸濁液の系列を、以下の方法にしたがって調製する。
3.5gのカーボンブラックを秤量し、添加剤を0から10重量%までその量を
増して添加する。33.5gとするための量の脱イオン水を添加する。各サンプ
ルのpHを、10N水酸化ナトリウムを数滴添加することによって、11−12に
調節する。各サンプルを次いで、分散状態を改善にするために、超音波照射処理
(Sonimasse S−20機、最大出力)に2分間ふす。その後、各サンプルを室温
で18時間、撹拌する。
粘度を、約30mlの各分散液のサンプルに対して、コントラバスブランドの
Rheomat 30機を使用して測定する。上記粘度計には、レオロジー測定用に装
着された円柱状ヘッドが装備されており、0から1708秒-1のせん断勾配範囲
で駆動する。
沈降物の容積によって、分散の度合、すなわち、分散液の均一性を評価する
ことが可能である。本実施例においては、6%のカーボンブラックを含有する懸
濁物における沈降物容積が、脱イオン水の定められた容量中において、観察され
、これは、1%と5%の間のA/CB比で、分散剤が添加されたものである。分散
剤を用いた分散がより効果的であればあるほど、沈降がよりゆっくりとなり、沈
降物容積がより少なくなるものである。添加剤なしで水中、6%でのカーボンブ
ラック、20mlの初期懸濁は、凝集沈降状態であることが確かめられた。これは
、放置後、12mlの沈降物容積を付与する。
レオロジー特性によって、分散の質を特徴付けることが可能である。分散剤
なしの場合、水中のカーボンブラックの懸濁液は凝集し、せん断勾配の0−17
08秒-1インターバルに特徴付けられるしきい値フローを有する。上記懸濁液へ
の分散剤の添加、それに次ぐ超音波照射を行うと、分散剤の特性に依存して、粘
度が幾分明白に下落する。
分散剤での処理前および処理後のカーボンブラック遠心分離生成物の電子顕
微鏡走査による検査は、凝集物のデアグロメーション化によって、サブミクロン
サイズの均一な粒子を付与することによって特徴付けられる分散剤の作用を例解
する。
粘度測定およびレオロジー特性測定の結果を図3、カーブ(1)および図7
に示す。
20PANAの粘度の平坦値は、5%の添加剤濃度で約12mPa.sである。
1708秒-1における20PANA
2.2%でのA/CB=14.3mPa.s
4.3%でのA/CB=12.2mPa.s
8.6%でのA/CB=10.2mPa.s
4ヵ月間固定後の沈降物容積を定める。それぞれ、1.3%および5%のJe
ffamine(商標)M−1000を含有する水中6%のカーボンブラックの懸濁液の
2つのサンプルを調製する。2分間、超音波照射し、18時間撹拌後、懸濁液を
2つの20mlの目盛付チューブに注ぎ、沈降物容積をミリリットルの10分の1
の最も近い値で評価する。懸濁物を放置し、4ヵ月放置後の沈降物容積を観察す
る。
粒子の固まりの幾分のデアグロメーション化および沈降物容積をなす低い容
量が2つのサンプルに対して観察される。懸濁液は両ケースとも、多大に凝集し
たままである。
b)α−アミノポリオキシアルキレン、Jeffamine(商標)XTJ234(70P
ANA)の存在下でのカーボンブラックの分散
カーボンブラックの分散を、α−アミノポリオキシアルキレン、Jeffamine
(商標)XTJ234を用いて観察する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定およびレオロジー特性の結果を図3、カーブ(2)および図7に示
す。
カーブ(2)に示したように、粘度の顕著な降下が観察される。粘度変化も
また、2つの体制において観察される。すなわち、スロープの第1変化は1と1
.6%添加剤の間で(粘度=7.5mPa.s)見られ、3.5mPa.sまで粘度が低
下し、少なくとも10%添加剤までは、該値を保持している。
1708秒-1における70PANA
A/CB1.6%=7.5mPa.s
A/CB5%=3.6mPa.s
A/CB10%=3.8mPa.s
4ヵ月間固定後の沈降物容積を定める。
それぞれ、1.6%および4%の70PANAを含有する水中6%のカーボンブ
ラックの懸濁液の2つのサンプルを調製する。2分間、超音波照射し、18時間
撹拌後、懸濁液を2つの20mlのミリリットルの10分の1の目盛付チューブに
注ぐ。懸濁物を放置し、4ヵ月放置後の沈降物容積を観察する。
粒子の固まりの非均一なデアグロメーション化および沈降物容積をなす低い
容量が3つのサンプルに対して観察される。曇っていてデカントできない上澄み
液を有する、8.3mlおよび5.5mlの沈降物容積がそれぞれ観察される。両ケ
ースとも、コロイド状沈殿物が非凝集化する。泡形成は観察されない。
c)Jeffamine(商標)M−1000から誘導される、α−アミノポリオキシ
アルキレン−ジ(メチレンホスホン酸)ナトリウム(20PAFB)の存在下でのカ
ーボンブラックの分散
カーボンブラックの分散を、α−アミノポリオキシアルキレン−ジ(メチレ
ンホスホン酸)ナトリウム(20PAFB)を用いて観察する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定およびレオロジー特性の結果を図4、カーブ(3)および図8およ
び9に示す。
図4を参照すると、粘度値の穏やかな降下(4.4mPa.s)が1.27%の
添加剤濃度で観察される。より高い濃度(5%)では、粘度の上昇が観察され、
これは、5%では11.9mPa.sで、10%では17mPa.sである。
1708秒-1における20PAFB
A/CB1.5%=4.4mPa.s
A/CB4.8%=11.9mPa.s
A/CB10%=16.7mPa.s
4ヵ月間固定後の沈降物容積を定める。
それぞれ、1.3%および5%の20PAFBを含有する水中6%のカーボンブ
ラックの懸濁液の2つのサンプルを調製する。2分間、超音波照射し、18時
間撹拌後、懸濁液を2つの20mlのミリリットルの10分の1の目盛付チューブ
に注ぐ。懸濁物を放置し、4ヵ月放置後の沈降物容積を観察する。
それぞれ、5mlおよび6.4mlの沈降物容積形成が観察される。該懸濁液は
コロイド状であり、固体相は細かく別れている。
せん断勾配の関数としてのせん断ひずみの決定は、粘度の低下にもかかわら
ず、しきい値特性が20PAFBの1.3%の濃度の存在において(図9)重要であ
ることを示している。濃度が上昇すると、上昇したしきい値効果でネガティブな
レオロジー効果になる(図8)。
d)Jeffamine(商標)XTJ234から誘導される、α−アミノポリオキシア
ルキレン−ジ(メチレンホスホン酸)ナトリウム(70PAFB)の存在下でのカー
ボンブラックの分散
カーボンブラックの分散を、α−アミノポリオキシアルキレン−ジ(メチレ
ンホスホン酸)ナトリウム(70PAFB)を用いて観察する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定およびレオロジー特性の結果を図4、カーブ(4)および図7に示
す。
粘度値はそれぞれ、1.2%、5%、および10%の添加剤濃度においても
、3.7mPa.sで安定している。
1708秒-1における70PAFB
A/CB1.1%=3.7mPa.s
A/CB5%=3.5mPa.s
A/CB10%=3.5mPa.s
4ヵ月間固定後の沈降物容積を定める。
それぞれ、1.58%および4.98%の70PAFBを含有する水中6%のカ
ーボンブラックの懸濁液の2つのサンプルを調製する。2分間、超音波照射し、
18時間撹拌後、懸濁液を2つのミリリットルの10分の1の目盛付チューブに
注ぐ。懸濁物を放置し、4ヵ月放置後の沈降物容積を観察する。
それぞれ、幾分曇っているが良好に非凝集化した上澄み液を保持して、3.
5mlおよび3.4mlの沈降物容積形成が観察される。
せん断勾配の関数としてのせん断ひずみの決定は、初期しきい値がなくなり
、懸濁液のレオロジーがニュートニアンとなって、70PAFB添加剤、1.6%の
濃度以上では均一であって、効果は本質的には高い濃度においても保持されるこ
とを示している。泡形成は観察されない。
e)Jeffamine(商標)ED2001から誘導される、α,ω−ジアミノ−ポリ
オキシアルキレン−テトラ(メチレンホスホン酸)ナトリウム(50PAFD)の存
在下でのカーボンブラックの分散
カーボンブラックの分散を、Jeffamine(商標)ED2001から誘導される
、α,ω−ジアミノ−ポリオキシアルキレン−テトラ(メチレンホスホン酸)ナ
トリウム(該調製は実施例2eに記載されている)を用いて観察する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定およびレオロジー特性の結果を図4、カーブ(5)および図8およ
び9に示す。
カーブ(5)に示すように、濃度範囲全体において、非常に顕著で、保持さ
れた粘度降下が観察される。
1708秒-1における50PAFD
A/CB1.3%=3.0mPa.s
A/CB5%=2.8mPa.s
A/CB10%=3.5mPa.s
4ヵ月間固定後の沈降物容積を定める。
それぞれ、1.65%および5%の50PAFDを含有する水中6%のカーボン
ブラックの懸濁液の2つのサンプルを調製する。2分間、超音波照射し、18時
間撹拌後、懸濁液を2つの20mlのミリリットルの10分の1の目盛付チューブ
に注ぐ。懸濁物を放置し、4ヵ月放置後の沈降物容積を観察する。
1.65%および5%の添加剤濃度に対して、それぞれ、2.7mlおよび2
.8mlの良好に非凝集化した沈降物容積が観察され、上澄み液の強い色が保持さ
れている。
せん断勾配の関数としてのせん断ひずみの決定は、初期しきい値がなくなり
、懸濁液のレオロジーがニュートニアンとなって、50PAFD添加剤、1.3%の
濃度以上では均一であって(図9)、効果は本質的には高い濃度においても保持
されることを示している(図8)。泡形成は観察されない。
f)α−アミノ(N−メチル)−ポリオキシエチル−メチレン−ホスホン酸ナ
トリウム(70PAFA)の存在下でのカーボンブラックの分散
カーボンブラックの分散を、α−アミノ(N−メチル)−ポリオキシエチル
−メチレン−ホスホン酸ナトリウム(70PAFA)を用いて観察する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定およびレオロジー特性の結果を図4、カーブ(6)および図7に示
す。
カーブに示すように、低濃度では粘度の低下が観察され、次いで、5%の濃
度以上では粘度が上昇する。
1708秒-1における70PAFA
A/CB1.4%=4mPa.s
A/CB3.0%=8.5mPa.s
A/CB5.1%=10.9mPa.s
せん断勾配の関数としてのせん断ひずみの決定は、しきい値特性は、1.4
5%の70PAFAの存在下で重要であることを示している。しきい値効果のこの傾
向は、添加剤濃度が増すにつれて増加する。
g)Jeffamine(商標)XTJ234から誘導される、α−アンモニオ−(N−ジ
メチル,N−プロピルスルホナート)−ポリオキシアルキレン(70PANAZ)の存
在下でのカーボンブラックの分散
カーボンブラックの分散を、α−アンモニオ−ポリオキシアルキレン−(N
−ジメチル,N−プロピルスルホナート)(該調製は実施例2cに記載されている
)を用いて観察する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定およびレオロジー特性の結果を図3および4、カーブ(8)および
図6および8に示す。
図3および4によれば、粘度は最終的には穏やかに高い濃度で下降すること
が観察される。
1708秒-1における70PANAZ
A/CB3.1%=4.2mPa.s
A/CB5.1%=3.4mPa.s
A/CB10%=2.1mPa.s
1.8%の添加剤濃度では、比較的沈降せずに凝集した媒体が観察され、6
.2%の添加剤濃度では、非常に暗いコロイド状上澄み液で、3.9mlの沈降物
容積が観察される。
せん断勾配の関数としてのせん断ひずみの決定は、初期しきい値(図10)
が、5%の濃度以上で徐々に減少し、安定で流動的なコロイドが形成されること
を示している(図8)。泡形成は観察されない。
本実施例の主題である分散剤は特に、ある適用、たとえばその電気的中性性
およびpH不感受性を考慮すると、印刷インクへの適用に優位である。
h)Jeffamine(商標)XTJ234から誘導される、α−アミノ−(N−ジメチ
ル)−ポリオキシアルキレン(70PANAM)の存在下でのカーボンブラックの分
散
カーボンブラックの分散を、α−アミノ−(N−ジメチル)−ポリオキシア
ルキレン(該調製は実施例2aに記載されている)を用いて観察する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定の結果を図3、カーブ(9)に示す。
適度な濃度では粘度は適度に減少することが観察される。ポリオキシアルキ
レン鎖の組成および特性の効果は、このシリーズの相同物と比較することによっ
て判明する(相当するグラフ参照)。特に、メチル基を有する窒素の置換に伴っ
ては変化しないことが観察される。
1708秒-1における70PANAM
A/CB1.70%=8.1mPa.s
A/CB5.2%=4.1mPa.s
A/CB10.5%=4.3mPa.s
2つの添加剤濃度、1.9%および6.2%に対しては、それぞれ、11.
5mlおよび9.5mlの凝集した媒体が沈降することが観察される。
i)Jeffamine(商標)ED2001から誘導される、α,ω−ジアミノ−(N
,N’−テトラメチル)−ポリオキシアルキレン(50PANBM)の存在下でのカー
ボンブラックの分散
カーボンブラックの分散を、α,ω−ジアミノ−(N,N’−テトラメチル)
−ポリオキシアルキレン(該調製は実施例2bに記載されている)を用いて観察
する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定の結果を図3、カーブ(10)に示す。
適度な濃度では粘度は適度に減少することが観察される。ポリオキシアルキ
レン鎖の組成および特性の効果は、このシリーズの相同物と比較することによっ
て判明する(xPANAおよびxPANMにおける減少に相当するグラフ参照)。特に、窒
素の置換に伴っては変化しない。
1708秒-1における50PANBM
A/CB2.4%=11.9mPa.s
A/CB5.1%=7.5mPa.s
A/CB10.3%=7.1mPa.s
j)Jeffamine(商標)ED2001から誘導される、α,ω−ジアミノ−(N
,N’−テトラメチレン−ホンホナート)−ポリオキシアルキレンN,N’−ジオ
キシド(50PAFDO)の存在下でのカーボンブラックの分散
カーボンブラックの分散を、Jeffamine(商標)ED2001から誘導される
、α,ω−ジアミノ−ポリオキシアルキレン−テトラ(メチレン−ホスホナート
)N,N’−ジオキシドを用いて観察する。
上記a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製する。
粘度測定およびレオロジー特性の結果を図6、カーブ(11)および図8お
よび10に示す。
カーブ11(図6)に示すように、濃度範囲全体において、非常に顕著で、
保持された粘度降下が観察される。
1708秒-1における50PAFDO
A/CB1.72%=4.2mPa.s
A/CB5.16%=6.5mPa.s
A/CB10%=5.7mPa.s
1.8%および6.2%の添加剤濃度に対して、それぞれ、1.5mlおよび
2.1mlの良好に非凝集化した沈降物容積が観察され、上澄み液の強い色が保持
されている。
せん断勾配の関数としてのせん断ひずみの決定は、初期しきい値が早急に1
.3%の濃度以上でなくなり、安定で流動的なコロイドが形成されることを示し
ている(図10および8)。泡形成は観察されない。
該実施例の一連によって、カーボンブラックの水性分散液を調製するための
本発明による分散剤の優位点が例解された。これらの分散剤の、種々の添加剤、
種々のポリマー、ならびに高いイオン強度の媒体との全体的な適合性から、該分
散剤の種々の分野での適用が考えられる。
実施例4:
TRITON X100の存在下のカーボンブラックの分散
トリトンX100を用いてカーボンブラックの分散を観察する。
実施例3a)と同様の方法を行って、カーボンブラックの水懸濁液を調製す
る。
粘度およびレオロジー測定の結果を図5、カーブ(12)および図6に示す
。
粘度値は特に、濃度の関数として、2つの区別された体制を有する特別な特
性を示している。粘度は、1.5−1.6%の添加剤濃度まで、約25mPa.sの
高い平坦値を保持し、次いで、分散剤が2%の濃度以上で、2.5mPa.sの
値に達するまで減少する。
1708秒-1におけるトリトンX100
A/CB1.5%=18mPa.s
A/CB4.3%=2.1mPa.s
A/CB10%=2.2mPa.s
4ヵ月間、固定後、沈降物容積を定める。
カーボンブラック含有量に対しての1.6%および5.0%のトリトンX1
00を、水中6%のカーボンブラック懸濁液の2つのサンプルにそれぞれ、添加
する。2分間、超音波照射し、18時間撹拌後、懸濁液を2つの20mlのミリリ
ットルの10分の1の目盛付チューブに注ぐ。懸濁物を放置し、4ヵ月放置後の
沈降物容積を観察する。トリトンX100の1.5%より低い濃度では、沈降物
容積は、上記定めた意味においては、観察されない。凝集懸濁が観察される。5
%分散剤の濃度では、2.3mlの沈降物容積が観察され、この時、これは、着色
した上澄み液相の存在下、非凝集化した粒子をなすものである。
せん断勾配の関数としてのせん断ひずみの決定は、しきい値特性は1.5−
1.6%の添加剤濃度までは保持されることを示している。該特性は該濃度以上
では、均一になってニュートニアンとなる。適度ではあるが、生成物の表面張力
が低くなることに関して、幾分の泡形成が観察される。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年2月8日(1999.2.8)
【補正内容】
請求の範囲
1. 下記の式;
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]-Y
{式中、[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択型
のエチレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは、各々互いに独立に0ないし1000の間の範囲の平均数であり(ただ
しmおよびnは両方とも0ではない)、
XはH、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基、またはY-CHR-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立に、Hまたは、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基を
表し、かつ、
Yは以下のa)、b)、c)およびd)の基:
a)Y=N(R2)(R4ZM)、またはN(R4ZM)(R5Z'M')、またはNH(R4ZM)、
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、または-COO-を表し、Z
およびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表わし
、
R4およびR5は各々互いに独立に、C1-7アルキレン基を表す)、
b)Y=N+(R2)(O-)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)、またはN+(R2)(O-)(R4Z'M')、またはN+(R4ZM)(O-)(R5Z
'M')、
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または-COO-
を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、かつ
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
、
d)Y=OZM
(式中、
Zは、-SO3 -、-PO3 2-または-COR1-COO-(R1は二価の芳香族またはアルキレン基
を表す)であり、かつ、
Mは、H+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
のうちのいずれか1つから選択される}
に対応する少なくとも1種の化合物を含んでなるカーボンブラック用分散剤。
2. R2およびR3が各々互いに独立にC1-3アルキル基を表し、かつ、R4およびR5
が各々互いに独立にC1-3アルキレン基を表すことを特徴とする、請求項1記載の
分散剤。
3. mおよびnが各々互いに独立に0ないし250の間の平均数であることを特徴と
する、請求項1または2記載の分散剤。
4. RがHを表し、かつ、R'がメチル基を表すことを特徴とする、請求項3記載
の分散剤。
5. Yがa)群{ここで、YはN(R2)(R3)(R2およびR3は各々メチル基を表す)を
表す}から選択されることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
6. XがY-CHR'-CHR-を表すことを特徴とする、請求項5記載の分散剤。
7. Yがb)群{ここで、YはN+(R2)(O-)(R3)(R2およびR3は各々メチル基を表す
)を表す}から選択されることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
8. XがY-CHR'-CHR-を表すことを特徴とする、請求項7記載の分散剤。
9. Yがc)群{ここで、YはN+(R2)(R3)(R4Z)(R2およびR3は各々メチル基を表
し、R4はトリメチレン基を表し、かつ、Zは-SO3 -を表す)を表す}から選択され
ることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
10. XがY-CHR'-CHR-を表すことを特徴とする、請求項9記載の分散剤。
11. Yがc)群{ここで、YはN+(R2)(O-)(R4ZM)(R2はメチル基を表し、R4はメ
チレン基を表し、Zは-PO3 2-を表し、かつ、Mは2H+を表す)を表す}から選択さ
れることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
12. Yがc)群{ここで、YはN+(R4ZM)(O-)(R5Z'M')(R4およびR5は各々メチレ
ン基を表し、ZおよびZ'は各々-PO3 2-を表し、かつ、MおよびM'は各々2H
+
を表す)を表す}から選択されることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
13. XがY-CHR'-CHR-を表すことを特徴とする、請求項12記載の分散剤。
14. 請求項1ないし17のいずれか1項で定義した一般式に対応する少なくとも2
種の化合物の混合物を含んでなることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれ
か1項に記載の分散剤。
15. 請求項6ないし14のいずれか1項に記載の分散剤と添加物を含んでなる、
水相中のカーボンブラック用分散剤組成物。
16. 分散剤として、請求項1ないし14のいずれか1項で定義された少なくとも1
種の分散剤を含んでなるカーボンブラック分散液。
17. 炭酸カルシウムなどの無機充填剤および/またはフタロシアニンなどの
有機顔料もまた含んでなる請求項16記載の分散液。
18. カーボンブラックの水相中の分散液を安定化させるための、一方の末端
または両端を、少なくとも1つの窒素原子または1つの酸素原子を含んでなるア
ニオン性極性基で官能化したポリアルキレンオキシド化合物の使用。
19. 化合物が下記の式:
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]-Y
{式中、
[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択型のエチ
レンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは各々互いに独立に0ないし1000の間の範囲の平均数であり(ただしm
およびnは両方とも0ではない)、
XはH、直鎖もしくは分枝したC1-7アルキル基、またはY-CHR'-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立にHまたは、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基を表
し、かつ、
Yは以下のa)、b)、c)およびd)の基:
a)Y=N(R2)(R3)、またはN(R2)(R4ZM)、またはN(R4ZM)(R5Z'M')、またはNH(R4Z
M)、
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または
-COO-を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表し、
R2およびR3は各々互いに独立にHまたはC1-7アルキル基を表し、かつ、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表す)、
b)Y=N+(R2)(O-)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)、またはN+(R2)(O-)(R4Z'M')、またはN+(R4ZM)(O-)(R5Z
'M')、
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、−OPO3 2-、または-COO-
を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、かつ
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
、
d)Y=OZM
(式中、
Zは、-SO3 -、-PO3 2-または-COR1-COO-(R1は二価の芳香族またはアルキレン基
を表す)であり、かつ、
Mは、H+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
のうちのいずれか1つから選択される}
に対応することを特徴とする、請求項18記載の使用。
20. 下記の式(I)
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]Y
{式中、
[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択型のエチ
レンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは各々互いに独立に0ないし1000の間の平均数であり(ただし、mおよ
びnはともに0ではない)、
XはH、C1-7アルキル基、またはY-CHR'-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立にH、または直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基を表
し、かつ
Yは、下記a)、b)およびc):
a)Y=N(R4ZM)(R5Z'M')またはNH(R4ZM)
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3-、-OPO3 2-または-COO-を表し、Zお
よびZ'はR4およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または無機または有機カチオンを表し、かつ
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表す);
b)Y=N+(R2)(O-)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)またはN+(R2)(O-)(R3ZM)またはN+(R4ZM)(O-)(R5Z'M')
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-OPO3 2-または-COO-を表し、Zお
よびZ'はR4およびR5基と共有結合しており、かつ、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または無機または有機カチオンを表す)、ま
たはY=N(R2)(R3)
(式中、R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す(ただし、XはY-C
HR'-CHR-を表す)
のいずれか1つから選択される
(ただし、同時に、
mが2ないし40までの範囲であり、nが0であり、Y=NH(R4ZM)、XがY-CH2-CH2を表
し、RがHを表し、R'がHまたはC1-6アルキル基を表し、ZがSO3 -を表
し、かつ、R4がC2-6アルキレン基を表すか、または
mが1ないし20までの範囲であり、nが0であり、Y=NH(R4ZM)、XがC6-7アルキル
基を表し、RがHを表し、R'がメチル基を表し、ZがSO3 -を表し、かつ、R4がC3ア
ルキレン基を表す式(I)の化合物は除く)}
に対応するポリアルキレンオキシド化合物。
21. R2およびR3が各々互いに独立にC1-3アルキル基を表し、かつ、R4およびR
5が各々互いに独立にC1-3アルキル基を表し、R4およびR5が各々互いに独立にC1- 3
アルキレン基を表すことを特徴とする、請求項20記載の化合物。
22. mおよびnが各々互いに独立に0ないし250の間の範囲の平均数であること
を特徴とする、請求項20記載の化合物。
23. Yがb)群{ここで、YはN+(R4)(O-)(R6)(R4およびR5は各々メチル基を表
す)を表す}から選択されることを特徴とする、請求項20記載の化合物。
24. Yがc)群{ここで、YはN+(R4)(R5)(R6Z)(R4およびR5は各々メチル基を表
し、R6はトリメチレン基を表し、かつ、Zは−SO3 -を表す)を表す}から選択さ
れることを特徴とする、請求項20記載の化合物。
25. Yがc)群{ここで、YはN+(R4)(O-)(R6ZM)(R4はメチル基を表し、R6はメ
チレン基を表し、Zは-PO3 2-を表し、かつ、MはH+を表す)を表す}から選択され
ることを特徴とする、請求項20記載の化合物。
26. RがHを表し、かつ、R'がメチル基であることを特徴とする、請求項20記
載の化合物。
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月19日(1999.8.19)
【補正内容】
(1)特許請求の範囲を別紙の通り訂正する。
(2)明細書、7頁、13及び14行記載の
を、
と訂正する。
特許請求の範囲
1. 下記の式:
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]-Y
{式中、[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択
型のエチレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは、各々互いに独立に0ないし1000の間の範囲の平均数であり(た
だしmおよびnは両方とも0ではない)、
XはH、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基、またはY-CHR'-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立に、Hまたは、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基
を表し、かつ、
Yは以下のa)、b)、c)およびd)の基:
a)Y=N(R2)(R4ZM)、またはN(R4ZM)(R5Z'M')、またはNH(R4ZM)、
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、または-COO-を表し、
ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表わ
し、
R2はHまたはC1-7アルキル基を表し、かつ
R4およびR5は各々互いに独立に、C1-7アルキレン基を表す)、
b)Y=N'(R2)(O)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)、またはN+(R2)(O-)(R4Z'M')、またはN+(R4ZM)(O-)(R
5Z'M')、
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4-、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または-COO-
を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、かつ
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表す
)、
d)Y=OZM
(式中、
Zは、-SO4 -、-PO3 2-または-COR1-COO-(R1は二価の芳香族またはアルキレン
基を表す)であり、かつ、
Mは、H+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
のうちのいずれか1つから選択される}
に対応する少なくとも1種の化合物、ただしY=N(CH3)(CH2(PO3 2-)(H+)
の上記式の化合物を除く、を含んでなるカーボンブラック用分散剤。
2. R2およびR3が各々互いに独立にC1-3アルキル基を表し、かつ、R4および
R5が各々互いに独立にC1-3アルキレン基を表すことを特徴とする、請求項1記載
の分散剤。
3. mおよびnが各々互いに独立に20ないし250の間の平均数であることを特
徴とする、請求項1または2記載の分散剤。
4. RがHを表し、かつ、R'がメチル基を表すことを特徴とする、請求項3記
載の分散剤。
5. Yがa)群{ここで、YはN(R2)(R3)(R2およびR3は各々メチル基を表す)
を表す}から選択されることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
6. XがY-CHR'-CHR-を表すことを特徴とする、請求項5記載の分散剤。
7. Yがb)群{ここで、YはN+(R2)(O-)(R3)(R2およびR3は各々メチル基を表
す)を表す}から選択されることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
8. XがY-CHR'-CHR-を表すことを特徴とする、請求項7記載の分散剤。
9. Yがc)群{ここで、YはN+(R2)(R3)(R4Z)(R2およびR3は各々メチル基を
表し、R4はトリメチレン基を表し、かつ、Zは-SO3 -を表す)を表す}から選択さ
れることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
10. XがY-CHR'-CHR-を表すことを特徴とする、請求項9記載の分散剤。
11. Yがc)群{ここで、YはN+(R2)(O-)(R4ZM)(R2はメチル基を表し、R4は
メチレン基を表し、Zは-PO3 2-を表し、かつ、Mは2H+を表す)を表す}から選択
されることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
12. Yがc)群{ここで、YはN+(R4ZM)(O-)(R5Z'M')(R4およびR5は各々メチ
レン基を表し、ZおよびZ'は各々-PO3 2-を表し、かつ、MおよびM'は各々2H+を表
す)を表す}から選択されることを特徴とする、請求項3記載の分散剤。
13. XがY-CHR'-CHR-を表すことを特徴とする、請求項12記載の分散剤。
14. 請求項1ないし13のいずれか1項で定義した一般式に対応する少なくと
も2種の化合物の混合物を含んでなることを特徴とする、請求項1ないし13のいず
れか1項に記載の分散剤。
15. 下記の式:
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]-Y
{式中、
[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択型のエ
チレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは各々互いに独立に0ないし1000の間の範囲の平均数であり(ただ
しmおよびnは両方とも0ではない)、
XはH、直鎖もしくは分枝したC1-7アルキル基、またはY-CHR'-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立にHまたは、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基を
表し、かつ、
Yは以下のa)、b)、c)およびd)の基:
a)Y=N(R2)(R4ZM)、またはN(R4ZM)(R5Z'M')、またはNH(R4ZM)、
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、または-COO-を表し、
ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表し
、
R2はHまたはC1-7アルキル基を表し、かつ、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表す)、
b)Y=N+(R2)(O-)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)、またはN+(R2)(O-)(R4Z'M')、またはN'(R4ZM)(O-)(R
5Z'M')、
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または-COO-
を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、かつ
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表す
)、
d)Y=OZM
(式中、
Zは、-SO3 -、-PO3 2-または-COR1-COO-(R1は二価の芳香族またはアルキレン
基を表す)であり、かつ、
Mは、H+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
のうちのいずれか1つから選択される}
に対応する少なくとも1つの化合物を含有するカーボンブラック用分散剤と添
加物とを含んでなる、水相中のカーボンブラック用分散剤組成物。
16. 下記の式:
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]-Y
{式中、
[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択型のエ
チレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは各々互いに独立に0ないし1000の間の範囲の平均数であり(ただ
しmおよびnは両方とも0ではない)、
XはH、直鎖もしくは分枝したC1-7アルキル基、またはY-CHR'-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立にHまたは、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基を
表し、かつ、
Yは以下のa)、b)、c)およびd)の基:
a)Y=N(R2)(R4ZM)、またはN(R4ZM)(R5Z'M')、またはNH(R4ZM)、
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、または-COO-を表し、
ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表し
、
R2はHまたはC1-7アルキル基を表し、かつ、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表す)、
b)Y=N'(R2)(O)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)、またはN+(R2)(O-)(R4Z'M')、またはN+(R4ZM)(O-)(R
5Z'M')、
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または-COO-
を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、かつ
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表す
)、
d)Y=OZM
(式中、
Zは、-SO3 -、-PO3 2-または-COR1-COO-(R1は二価の芳香族またはアルキレン
基を表す)であり、かつ、
Mは、H+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
のうちのいずれか1つから選択される}
に対応する少なくとも1つの化合物を含有する、少なくとも1種のカーボンブ
ラック用分散剤を分散剤として含んでなるカーボンブラック分散液。
17. 炭酸カルシウムなどの無機充填剤および/またはフタロシアニンなど
の有機顔料もまた含んでなる請求項16記載の分散液。
18. カーボンブラックの水相中の分散液を安定化させるための、一方の末
端または両端を、少なくとも1つの窒素原子または1つの酸素原子を含んでなる
アニオン性極性基で官能化したポリアルキレンオキシド化合物の使用。
19. 化合物が下記の式:
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]-Y
{式中、
[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択型のエ
チレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは各々互いに独立に0ないし1000の間の範囲の平均数であり(ただ
しmおよびnは両方とも0ではない)、
XはH、直鎖もしくは分枝したC1-7アルキル基、またはY-CHR'-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立にHまたは、直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基を
表し、かつ、
Yは以下のa)、b)、c)およびd)の基:
a)Y=N(R2)(R3)、またはN(R2)(R4ZM)、またはN(R4ZM)(R5Z'M')、またはNH(R
4ZM)、
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または-COO-
を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表し
、
R2およびR3は各々互いに独立にHまたはC1-7アルキル基を表し、かつ、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表す)、
b)Y=N+(R2)(O-)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)、またはN+(R2)(O-)(R4Z'M')、またはN+(R4ZM)(O-)(R
5Z'M')、
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-PO3 2-、-OPO3 2-、または-COO-
を表し、ZおよびZ'はR4基およびR5基と共有結合しており、かつ
MおよびM'は各々互いに独立にH+または、無機もしくは有機カチオンを表す
)、
d)Y=OZM
(式中、
Zは、-SO3 -、-PO3 2-または-COR1-COO-(R1は二価の芳香族またはアルキレン
基を表す)であり、かつ、
Mは、H+または、無機もしくは有機カチオンを表す)
のうちのいずれか1つから選択される}
に対応することを特徴とする、請求項18記載の使用。
20. 下記の式(I)
X-[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]Y
{式中、
[(OCH2-CH2)n(OCHR-CHR')m]は、ブロック型またはランダム型の選択型
のエチレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位の配列を表し、
mおよびnは各々互いに独立に0ないし1000の間の平均数であり(ただし、mお
よびnはともに0ではない)、
XはH、C1-7アルキル基、またはY-CHR'-CHR-を表し、
RおよびR'は各々互いに独立にH、または直鎖もしくは分枝C1-7アルキル基を
表し、かつ
Yは、下記a)、b)およびc):
a)Y=N(R4ZM)(R5Z'M')またはNH(R4ZM)
(式中、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-OPO3 2-または-COO-を表し、Z
およびZ'はR4およびR5基と共有結合しており、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または無機または有機カチオンを表し、か
つ、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表す);
b)Y=N+(R2)(O-)(R3)
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す)、
c)Y=N+(R2)(R3)(R4Z)またはN+(R2)(O-)(R3ZM)または
N(R4ZM)(O-)(R5Z'M')
(式中、
R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表し、
R4およびR5は各々互いに独立にC1-7アルキレン基を表し、
ZおよびZ'は各々互いに独立に-SO4 -、-SO3 -、-OPO3 2-または-COO-を表し、Z
およびZ'はR4およびR5基と共有結合しており、かつ、
MおよびM'は各々互いに独立にH+または無機または有機カチオンを表す)、
またはY=N(R2)(R3)
(式中、R2およびR3は各々互いに独立にC1-7アルキル基を表す(ただし、XはY
-CHR'-CHR-を表す)
のいずれか1つから選択される
(ただし、同時に、
− mが2ないし40までの範囲であり、nが0であり、Y=NH(R4ZM)、XがY-CH2-C
H2を表し、RがHを表し、R'がHまたはC1-6アルキル基を表し、ZがSO3 -を表し、か
つ、R4がC2-6アルキレン基を表すか、または
− mが1ないし20までの範囲であり、nが0であり、Y=NH(R4ZM)、XがC6-7ア
ルキル基を表し、RがHを表し、R'がメチル基を表し、ZがSO3 -を表し、かつ、R4
がC3アルキレン基を表す式(I)の化合物は除く)}
に対応するポリアルキレンオキシド化合物。
21. R2およびR3が各々互いに独立にC1-3アルキル基を表し、かつ、R4およ
びR5が各々互いに独立にC1-3アルキル基を表し、R4およびR5が各々互いに独立に
C1-3アルキレン基を表すことを特徴とする、請求項20記載の化合物。
22. mおよびnが各々互いに独立に0ないし250の間の範囲の平均数であるこ
とを特徴とする、請求項20記載の化合物。
23. Yがb)群{ここで、YはN+(R4)(O-)(R6)(R4およびR5は各々メチル基を
表す)を表す}から選択されることを特徴とする、請求項20記載の化合物。
24. Yがc)群{ここで、YはN+(R4)(R5)(R6Z)(R4およびR5は各々メチル基を
表し、R6はトリメチレン基を表し、かつ、Zは-SO3 -を表す)を表す}から選択さ
れることを特徴とする、請求項20記載の化合物。
25. Yがc)群{ここで、YはN+(R4)(O-)(R6ZM)(R4はメチル基を表し、R6は
メチレン基を表し、Zは-PO3 2-を表し、かつ、MはH+を表す)を表す}から
選択されることを特徴とする、請求項20記載の化合物。
26. RがHを表し、かつ、R'がメチル基であることを特徴とする、請求項20
記載の化合物。
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(72)発明者 ブリュネル,シルヴァン
フランス国 F―38200 ヴィエンヌ リ
ュ ビュフォン マリソル 6
(72)発明者 シオン,ベルナール
フランス国 F―69005 リヨン リュ
ジョイヨ―キュリー 93