JP2001504729A - 高く持ち上げられた部分を有する吸収物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明はパンティの股領域に実質的に適応されるような形状及びサイズを有しかつ縦方向、横方向及び厚さ方向を有する、衛生ナプキン又は失禁ガードの如き女性使用者のために意図される吸収物品に関する。前記物品が液体透過性カバー層（２）及び液体不透過性カバー層（３）を有し、さらに二つのカバー層（２，３）の間に配置された少なくとも一つの吸収体（６）からなる吸収芯を有し、こぶ（１６）が物品の液体透過性カバー層（２）に配置されている。本発明はこぶ（１６）が物品の使用中こぶ（１６）に作用する力によって一時的に又は永続的に横方向に変形されないような程度で、乾燥及び湿潤状態の両方で、物品の横方向に実質的に形状永続性を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 高く持ち上げられた部分を有する吸収物品 技術分野： 本発明はパンティの股領域に実質的に適応されるような形状及びサイズを有し かつ縦方向、横方向及び厚さ方向を有する、衛生ナプキン又は失禁ガードの如き 女性使用者のために意図される吸収物品に関し、前記物品は液体透過性表面及び 液体不透過性表面を有し、さらに二つの表面の間に配置された少なくとも一つの 吸収体からなる吸収芯を有し、こぶが物品の液体透過性表面に配置されている。 発明の背景： ここで意図されるタイプの吸収物品に関する一般的な問題は物品の縦方向側縁 を越える体液の漏出である。かかる漏出は使用者の衣服を汚す危険を伴うため極 度に望ましくない。縦方向の物品のほとんど無意味な長さのため、体液が物品の 端縁を越えて前方及び後方に漏出することは珍しいことではない。そのため、特 別な問題は、例えば一晩中横になっている使用者と関連して通常生じる後方への 漏出である。 縁漏出に対する最もよくある理由は吸収物品が太ももの間で圧搾されるとき使 用中変形されることである。このようにして、しわが物品の吸収芯及びそのカバ ー材料の両方において制御されない態様で生じる。かかるしわは物品の表面上に 溝を形成し、その溝において体液が側縁を越えて漏出するかもしれない。さらに 、物品の圧縮は液体受入のためにアクセス可能な領域が減少され、それによって 物品から体液が漏出する危険が顕著になることを意味する。 公知の吸収物品と関連するさらなる問題は使用者が動くときに起こる体の力か らの作用のため物品の側縁が物品の液体透過性表面上に折りたたまれる危険を有 することである。液体受入のためにアクセス可能な領域はかかる折りたたみによ って劇的に減少される。なぜならばそれによって狭い液体透過性領域だけが内側 に折りたたまれた側縁の間に残るからである。 使用中物品の変形によって生じる縁漏出の危険を低下する一つの方法は使用者 の生殖器と接触することを意図される予備成形されたこぶを物品に与えることで ある。排泄された体液はこの方法では使用者の体を離れるとすぐ捕獲され、物品 の表面を横切って漏出することなく物品中に直ちに吸収される。 しかしながら、液体受入こぶを与えた公知の吸収物品は多数の欠点によって悩 まされている。 こぶを作る一般的な方法はこぶの領域内に多量の吸収材料を配置することによ ってそれを単に作ることである。しかしながら、最も一般的に使用する吸収材料 はいわゆるセルロース毛羽パルプであるので、かかるこぶは湿潤されると崩壊し 、その形状を失う。湿潤状態でも十分に大きいこぶを達成するために、セルロー ス毛羽パルプからなるこぶは吸収材料を多量に含むので、それは乾燥状態におい て極めて高く、硬く、しかも不快な装着感を有する。 大きく、硬く、しかも不快なこぶによる問題を解決するために、ＥＰ ０３３ ９０４１では物品の液体不透過性表面に横方向弾性部材を与えることが提案され ている。かかる弾性部材はもし平坦にされるなら物品に一定の弾性を付与する。 しかしながら、弾性部材は物品の横方向の圧縮や望ましくない変形を全く防止し ない。 別の文献、ＥＰ ０４１９４３４では、側縁間の平面距離より小さい相互距離 で物品の側縁をロックすることによって吸収物品に柔らかいこぶを作ることが提 案されている。この公知の物品は使用中の圧力及び剪断力によって影響される物 品によって生じるかかる変形に対して評価しうる範囲で抵抗することが全くでき ない。 ＥＰ ０３３５２５２及びＥＰ ０３３５２５３では、吸収物品に変形材料を 与えることが提案されている。変形材料は使用者の太ももの間の横方向の圧縮力 によって影響を受ける。変形材料の目的は使用中これが使用者の体に向かう方向 で物品の部分を弯曲することである。しかしながら、物品が各個々の使用者のた めに採択する形状を完全に制御又は予想することはできない。さらに、物品の表 面と使用者の体の間の接触を確実にすることはできない。なぜならば、膨らみの 程度は物品がどれくらい横方向に圧縮されるかによって完全に決定されるからで ある。 使用中及び使用後の両方で予想可能な形状を有し、かつ物品が受ける湿潤及び 使用者の動きにかかわらずその形状を維持する漏出防止吸収物品に対する必要性 が残ったままである。 導入部で開示されたタイプの本発明に従って設計された物品はこぶが物品の使 用中こぶに作用する力によって一時的に又は永続的に横方向に変形されないよう な程度で、乾燥及び湿潤状態の両方で、物品の横方向に実質的に形状永続性を有 することを特徴とする。 さらなる変形及び具体例は続く請求の範囲から明らかである。 物品は湿潤及び乾燥状態の両方で形状永続性を有するこぶを与えられているの で、あらゆる状況でこぶの形状を予測することができる。こぶが形状永続性を有 するという事実はそれが通常使用では本質的に影響を受けないままであり、使用 中に生じる圧力及び剪断力を受けるときに変形されないことを意味する。こぶが 使用者の太ももの間で横方向に圧縮されないことは特に重要である。しかしなが ら、もしこぶが厚さ方向でも実質的に非圧縮性であるなら一般に有利である。 吸収物品の表面上のこぶの高さは使用者の体とこぶの間の良好な接触が使用中 確保されるように適応されなければならない。しかしながら、こぶは極めて硬い か又は剛いため使用中に受ける力に負けることはないので、使用者の体に対して 圧力を与え使用中変形を起こさないようにあまり高くしないことが重要である。 さらに、こぶは使用者の股の敏感な柔らかい部分に対して摩擦しないことを確実 にする必要がある。それによって、物品の表面から最高部分で少なくとも５ｍｍ 、多くとも２０ｍｍ突出するこぶが良好な体接触と高い使用者快適性の両方の条 件を満足することがわかった。 本発明によるこぶは相対的に狭く、好適には基部で２ｍｍ〜２５ｍｍ、好まし くは１２ｍｍ〜１６ｍｍである。頂部ではこぶは好適には３ｍｍ〜１０ｍｍ幅、 好ましくは４ｍｍ〜６ｍｍ幅である。こぶは実質的に三角形横断面で設計され、 結果として頂部より基部で幅広い。こぶは比較的狭いので、それは使用者を不快 にせずに使用者の大陰唇の間にわずかに突出する。それによって、もしこぶがわ ずかに大陰唇を分離するなら有利である。なぜならば使用者から物品への液体移 動がかくして容易になされるからである。 こぶの後部分では膣開口の後の領域で使用者の体と密接状態であるような形状 を持つべきである。それによって、体液が使用者の尻の間の溝で後方に漏れ、物 品から漏出することが避けられる。前述したように、かかる後方への漏出は使用 者が横になっているときに特に当惑する。対応する方法で、こぶの前部分は膣開 口の前の領域で使用者の体形に一致するべきである。 放出される体液は直ちにこぶ中に捕獲及び吸収されることが重要である。かく して体液は使用者の体とこぶの間に集まることを防止される。使用者が立ってい るとき又はそうでなければ動いているとき、使用者の体とこぶの間でこぶの前部 分に間隙が生じる危険がある。もし多量の吸収されていない体液が使用者の体と 物品の表面の間に止まっているなら、かかる体液は間隙を通って漏出するかもし れない。かかる突然の体液の流れは使用者がそれらを不快なものとして知覚し、 それらが漏出の危険をかなり増大するため極めて望ましくない。 こぶの長さは使用者の体とこぶの間の最適な接触の達成のためにはさらに重要 である。こぶは物品上の後方への流体流れに対して本質的に封止するように物品 上の後方への範囲及び形状を有するべきである。これは使用者の膣開口の後の皮 膚に対して封止接触するこぶによって達成される。こぶの好適な長さは７０ｍｍ 〜１４０ｍｍ、好ましくは８０ｍｍ〜１２０ｍｍであることが見出された。こぶ は物品の全長さにわたって延びるべきではなく、特にもし物品の前端の部分が硬 い形状永続性こぶを含まないなら有利である。この方法では、前端は使用者の体 上の曲率に合わせて弯曲及び一致してもよい。 使用者の解剖学的構造に一致するために、こぶは使用者の膣開口と接触するこ とを意図される物品の部分において最も高くすべきである。最も高い部分から、 高さは物品の端部分に向かう方向で徐々に減少するようにすべきである。こぶは 最も高い部分から後方に５ｍｍ〜４０ｍｍ、好ましくは１０ｍｍ〜３０ｍｍ延び るべきである。最も高い部分の前方では、こぶは５０ｍｍ〜９０ｍｍ、好ましく は５５ｍｍ〜８０ｍｍの長さにすべきである。 高く持ち上げられた縁バリヤーは中央こぶの両側に配置されることは有利であ る。縁バリヤーは使用者の股のつけ根に対する封止として作用することによって 物品の漏出安全性を増大する。高く持ち上げられたバリヤーは多数の様々な方法 で達成されることができる。好ましくは、縁バリヤーは中央こぶと同じ材料から 作られ、それによって本質的にこぶと同じ変形抵抗性を有する。しかしながら、 弾性側縁、フォームラバーストリップ、詰綿などの他のタイプの縁バリヤーも考 えられる。縁バリヤーは純粋に物理的なバリヤーであってもよく、体液を吸収す ることによって液体通路を妨げてもよい。 図面の簡単な説明： 以下、本発明を、添付図面に示された具体例を参照しながらより詳細に記載す る。 図１は使用中使用者に面する側から見た本発明による衛生ナプキンの平面図を 示す。 図２は図１の衛生ナプキンの線II−IIに沿った断面を示す。 図３は図１の衛生ナプキンの線III−IIIに沿った縦方向断面を示す。 図４は使用中使用者に面する側から見た本発明の第２例による衛生ナプキンの 平面図を示す。 図５は図４の衛生ナプキンの線Ｖ−Ｖに沿った横断面を示す。 図６は使用中使用者に面する側から見た図４の衛生ナプキンの吸収芯の部分を 示す。 図７は使用中使用者に面する側から見た本発明の第３例による衛生ナプキンを 示す。 図８は図７の衛生ナプキンの線VII−VIIに沿った横断面を示す。 好ましい例の詳細な記述： 図１及び２に示された衛生ナプキン１は使用中使用者に面することを意図され る衛生ナプキン１の側上に配置された液体透過性カバー層２を含む。液体透過性 カバー層２は柔らかい、皮膚に優しい材料からなることが好適である。有用な液 体透過性カバー材料の例は様々なタイプの不織繊維布、いわゆる不織布材料であ る。他の使用しうる液体透過性カバー材料はせん孔されたプラスチックフィルム 、スクリム、編織又は不織布、及び前記材料タイプの積層体及び組合せである。 衛生ナプキン１は使用中使用者から離れて面することを意図される衛生ナプキ ン１の側に配置された液体不透過性カバー層３をさらに含む。通常、薄いプラス チックフィルムが液体不透過性カバー層３として使用される。しかしながら、液 体不透過性材料で被覆された液体透過性材料を使用することもできる。元来液体 透過性の材料を溶融して実質的に液体不透過性の材料にするための熱カレンダー の如き他の処理を利用してもよい。さらに、不織布材料、又は十分に密で繊維が 液体バリヤー層として機能するような十分な疎水性の他の生地も使用することが できる。 二つのカバー層２，３は相互に連結され、衛生ナプキンの周囲で突出する連結 縁４を形成する。カバー層２，３の間の連結は接着、溶接又は縫製の如き目的の ために好適な公知技術によって達成されてもよい。 液体透過性カバー層２から液体不透過性カバー層３に向かう方向において、カ バー層２，３の間に、形状保持材料５、第１吸収体６及び第２吸収体７がある。 衛生ナプキン１は砂時計形状であり、相対的に幅広い前部分８及び後部分９、 及び狭い中間股部分１０を有する。衛生ナプキン１はさらに二つの縦方向の凹形 状に弯曲された側縁１１，１２及び二つの凸形状に弯曲された端縁１３，１４を 有する。 縦方向矩形領域の自己接着性接着剤の形の取付部材１５は使用者から離れて向 けられている液体不透過性カバー層３の表面上に配置されている。取付部材１５ は二つの端縁１３，１４の間で液体不透過性カバー層３の表面の大部分を横切っ て延びる。もちろん縦方向ストライプ、横方向領域、ドット、円又は他の設計の 如き他の接着パターンを使用することができる。さらに、本発明は接着剤取付部 材に限定されないが、スナップファスナー、クリップ、ガードル、パンツなどの 摩擦取付手段も好適なら利用してもよい。 形状保持部材５の長さ及び範囲は全体として衛生ナプキン１の股部分１０の寸 法及び形状に一致する。形状保持部材５は予め決められた三次元形状を有し、衛 生ナプキンの縦方向に延びる中央こぶ１６及び中央こぶの各側上の衛生ナプキン １の側縁１１，１２に沿って配置された二つの高く持ち上げられた縁バリヤー１ ７，１８を伴う。中央こぶ１６及び縁バリヤー１７，１８は使用中使用者に面す ることを意図される衛生ナプキンの側上の衛生ナプキンの平面から突出する。そ れによって、中央こぶ１６は使用者の体に対して接触すべきであり、使用者の外 部の大陰唇間に部分的に挿入されるべきである。縁バリヤー１７，１８は使用中 使用者の股のつけ根に位置され、衛生ナプキンの側縁１１，１２を越える漏出に 対して封止する。 中央こぶ１６は細長い形状を有し、衛生ナプキン１の端部分８，９に向かう方 向で漸減する。こぶは使用中使用者の膣開口と接触することを意図される領域で 最も高い。こぶの長さは好適には約１１５ｍｍであるが、所望により７０ｍｍ〜 １４０ｍｍで変化してもよい。こぶは好適には最高部分から後方に約２０ｍｍ延 び、最高部分から前方に約７５ｍｍ延びる。しかしながら、これらの寸法は上記 限界内で変化させてもよい。 こぶ１６の領域内では、形状保持材料５及び液体透過性カバー層２はともに複 数の開口１９又はせん孔を与えられる。それらはこぶ１６内の形状保持材料５に 位置された第１吸収体６への液体通過を可能にする。かかるせん孔された形状保 持材料を使用するとき、液体透過性カバー層２は少なくともこぶ１６の領域内で 省略されてもよい。しかしながら、一般に快適性の理由のため、剛く硬い形状保 持材料を柔らかい材料でカバーすることが望ましい。 形状保持材料５は硬いプラスチック、硬い紙、厚紙、硬い不織布材料、積層体 などの如き形状永続性の硬いシート材料で設計されている。形状保持材料５は少 なくとも横方向において中央こぶ１６が使用中一時的又は永続的に変形されずに 使用者の太ももからの圧縮力に実質的に抵抗するような十分な形状永続性を有す ることが本発明にとって不可欠である。中央こぶ１６は厚さ方向の圧縮にも抵抗 することが必須ではないが望まれる。厚さ方向の中央こぶ１６の変形の程度はこ ぶ１６の開口１９の数及び開口１９のサイズと組合せた形状保持材料５の材料剛 性によって決定される。形状保持材料５中の材料が同じ基本剛性なら、変形度は 開口１９の数及び開口１９のサイズとともに増大する。さらに、こぶ１６の剛性 はこぶの中に配置されている吸収材料の剛性によって影響を受ける。 形状保持材料５内に配置された第１吸収体６は中央こぶ１６内に位置される。 中央こぶ１６を伴った衛生ナプキンの形状のため、衛生ナプキンは使用中使用者 の体と接触して維持される。それゆえ、放出された体液はこぶ１６によって直ち に捕獲され、形状保持材料５中の開口１９を通って第１吸収体６に流れる。第１ 吸収体６はほとんど全ての放出された体液を受入及び吸収することを意図される ので、第１吸収体の吸収能力は衛生ナプキンが使用中吸収すると推定される全液 量に一致するべきである。 横断面図２及び３では、第１吸収体６は繊維構造に均一に分布された超吸収材 料の粒子を含有する繊維詰綿として示されている。超吸収材料は繊維、フレーク 、粒子、顆粒などの形で利用可能であり、ゲルの形成及び膨潤中に自重の数倍の 体液を吸収することができるポリマーに関する。図１−３に示された衛生ナプキ ンと関連する超吸収材料の使用による特別な利点は中央こぶ１６中の吸収材料の ために利用可能な空間がかなり限定されることである。超吸収材料を利用するこ とによって、形状保持材料５の中央こぶ１６の下の比較的小さい空間であっても 大きな吸収能力を確立することができる。 第１吸収体６に使用するための他の好適な吸収材料は例えばセルロース毛羽パ ルプ、綿、吸収フォーム材料などである。 吸収材料の吸収能力を最大限利用するため、吸収のために十分な膨張空間が存 在することを確実にする必要がある。一定の可撓性及び弾性を有する液体不透過 性カバー層３を使用することによって、超吸収材料はそれが中央こぶを満たすよ うに、及び液体不透過性カバー層３を延伸することによって使用者から離れて面 する衛生ナプキン１の側上に膨らみが形成されるように膨張してもよい。 第１吸収体６中の吸収材料はさらに吸収及び非吸収材料の混合物からなっても よい。かかる混合物の例は結合された超吸収繊維又は粒子を有する非吸収繊維構 造である。 第１吸収体に使用するために特に好適であるとわかっている吸収材料のタイプ はＷＯ ９４／１０９５３及びＷＯ ９４／１０９５６に記載されている繊維材 料である。形状保持材料５は吸収材料が使用者の体に向かう方向で膨潤すること を防止するので、こぶ１６は使用中使用者に対してその形状を維持する。しかし ながら、液体を吸収すると膨潤する材料を使用することができる。それによって 、第１吸収体は使用者の体から離れた方向に膨張することが可能になってもよい 。なぜならば液体不透過性カバー層３は弾性的であり、かかる膨張を許容するか らである。 第２吸収体７は第１吸収体６と液体不透過性カバー層３の間に配置されている 。第２吸収体７は第１吸収体６と比較してかなり限定された吸収能力を有する。 このため、第２吸収体７は第１吸収体６が液体で飽和されたとき吸収のために利 用される液溜めとして作用する。第２吸収体７はたまたま衛生ナプキン１の端部 分８，９に流れた汗又は小滴の如き少量の液体を吸収する能力も有する。さらに 、第２吸収体７は柔らかい曲げやすい端部分８，９の安定性を増強し、衛生ナプ キンを使用者の体に対して柔軟にする。 第２吸収体７中の吸収材料は従来の吸収材料の一つ又は幾つかの層によって構 成されることが好適である。有用な材料の例はティッシュ層、合成又は天然繊維 の詰綿層、セルロース毛羽パルプの層、吸収フォーム層などである。 図１−３の衛生ナプキンでは、こぶ１６と使用者の体の間の良好な接触は体液 がこぶ１６から側方向に実質的に全く流れないことを確実にする。もし、これに もかかわらず少量の体液が衛生ナプキンの側縁に向かって流れ出すなら、漏出は 高く持ち上げられた縁バリヤー１７，１８によって有効に防止される。縁バリヤ ー１７，１８は液体を前方又は後方に案内して衛生ナプキンの縁部分８，９に導 き、そこで液体は液体透過性カバー層２を通って内部にある第２吸収体７中に入 る。もし望ましいと思うなら、液体が衛生ナプキンの表面上を流れるのを防止す るために縁バリヤー１７，１８と中央こぶ１６の間で液体透過性カバー層２内に 少量の吸収材料をもちろん配置することができる。 図４及び５に示された衛生ナプキン４０１は図１−３に示された衛生ナプキン １と同じ一般的な構造を有する。しかしながら、図４及び５の衛生ナプキン４０ １は特別な形状保持材料を持っていない。従って、衛生ナプキン４０１は液体透 過性カバー層４０２、液体不透過性カバー層４０３、及びカバー層４０２，４０ ３の間に包囲された第１吸収体４０６及び第２吸収体４０７を含む。カバー層４ ０２，４０３は吸収体４０６，４０７の周囲で相互連結され、それによって衛生 ナプキン４０１の周囲で連結縁４０４を形成する。 衛生ナプキン４０１は幅広い前部分４０８、狭い後部分４０９、及び中間股部 分４１０を伴った不等辺四辺形を有する。さらに、衛生ナプキン４０１は二つの 傾斜した側縁４１１，４１２を有し、それらは二つのほとんどまっすぐの端縁４ １３，４１４の間で延びる。 接着剤取付部材４１５は液体不透過性カバー層４０３上の衛生ナプキン４０１ の縦方向に走る三つの接着剤線の形で配置されている。 細長いこぶ４１６は衛生ナプキン４０１の縦方向の中央に配置されている。こ ぶ４１６は衛生ナプキンの中央部分４１０で最も幅広く、前及び後部分４０８， ４０９に向かう方向に漸減する。さらに、こぶ４１６は中央部分４１０で最も高 く、端部分４０８，４０９に向かう方向で高さが漸減するように縦方向に外形を 描かれる。 こぶ４１６は高吸収繊維材料の複数の柳葉形状の層４２０によって構成されて いる。柳葉形状の層４２０は一緒に衛生ナプキン４０１の第１吸収体４０６を構 成し、それは結果としてこぶ４１６を構成する。 図６は第１吸収体４０６を示す。吸収体４０６は使用中使用者に面する側から 見たものである。吸収体４０６の所望の山の背形状を得るために、吸収材料の構 成層４２０は互いに積み重ねられている。それによって、図６において看者から 最も遠くに離れて位置される層４２０は最も大きな範囲を有し、その後層４２０ は看者に向かう方向で面積を減少する。層４２０は互いにほとんど合同であり、 互いに同心的に配置されている。結果として、第１吸収体４０６は拡大された横 断面形状を付与される。 同種の形状は底部に最も小さい層を置き、こぶの頂部に向かう方向で層寸法を 徐々に増大していくような逆の順序で層４２０を配置することによって達成され る。かかる配置では、大きい層が小さい層の上に覆われ、最終的に頂部に向かっ て漸減するこぶとなる。 好適な形状を有する吸収体４０６を達成する別の方法は吸収材料の三角形空間 を一緒に回転することである。空間は二等辺三角形の形状を有し、基部から等し い長さを持つ二つの縁の間の角に向かって一緒に回転される。この方法によって 、生じた吸収体は厚い中央部分及び狭い端部分を有するスプール形状になる。 所望の形状を有する吸収体を達成するさらなる方法は吸収材料の多数のプレー ト又は材料層を端部に置くことである。好適な吸収材料を選択することによって 、横方向及び垂直方向で極めて良好な形状永続性を有する吸収体を達成すること ができる。 図６に示された吸収体のために好適な材料はＷＯ ９４／１０９５６に開示さ れた吸収材料である。この材料は高い密度及び剛性を有する乾式形成された繊維 層であり、それは最初に離解されずに吸収物品に直接使用される。血液吸収目的 のために特に良好な特性を有する別の同種材料はＷＯ ９４／１０９５３に開示 されている。ＷＯ ９４／１０９５６及び９４／１０９５３に開示された材料は 両方とも図４の衛生ナプキン４０１上の中央こぶ４１６に所望の形状安定性を与 えるために圧力変形に対抗するのに十分な能力及び剛性を有する。さらに、これ らの繊維材料は極めて良好な吸収能力を有する。吸収中材料は厚さ方向にわずか に膨潤し、このようにして使用者の股の間の利用可能な空間に一致する。これに よる利点は使用中こぶ４１６が各使用者に独自に適応された形状を採択すること である。この方法では漏出安全性及び使用者快適性が増大される。 衛生ナプキン４０１の第２吸収体４０７は第１吸収体４０６と液体不透過性カ バー層４０３の間に位置される。第２吸収体４０７は中央こぶ４１６の周囲の縁 漏出に対する保護を構成する。第２に、それはもし第１吸収体４０６が予期せぬ 多量の液体によって飽和されるなら利用可能な追加の吸収能力として作用する。 さらに、第２吸収体４０７は衛生ナプキン４０１に平面での範囲長さを与えるた めに作用し、かくして衛生ナプキン４０１は液体不透過性カバー層４０３上に配 置された取付部材４１５によってパンティ内に取り付けられる。 図７に示された衛生ナプキン７０１は液体透過性カバー層７０２、液体不透過 性カバー層７０３を含み、それらは衛生ナプキン７０１の周囲７０１のまわりで 連結縁７０４内で相互連結される。 衛生ナプキン７０１は二つの端部分７０８，７０９及び狭い中朱部分７１０を 伴った砂時計形状を有する。さらに、衛生ナプキン７０１は二つの縦方向側縁７ １１，７１２及び二つの横方向端縁７１３，７１４を有する。 衛生ナプキン７０１と実質的に同じ形状及び寸法を全体として有する形状付与 材料７０７は二つのカバー層７０２，７０３の間に配置されている。材料層７０ ７は実質的に非吸収性で柔らかく弾力的である。材料層７０７の主目的は衛生ナ プキン７０１に示された砂時計形状を与えることである。材料層７０７は層の平 面及び厚さ方向の両方で一定の弾性を有するので、材料層７０７は衛生ナプキン ７０１に使用者快適性及び形状永続性も与える。 図１−３に示された種類の形状保持材料７０５は衛生ナプキン７０１の中央部 分７１０に配置されている。従って、形状保持材料７０５は使用中の圧縮に対し て実質的に完全に抵抗するような剛性を有する材料から形成される。形状保持材 料７０５は通常の使用中に生じる体の力を受けるとき横方向又は厚さ方向のいず れも変形されない。 形状保持材料７０５はほとんど長方形の材料によって構成され、それは衛生ナ プキンの横方向において衛生ナプキン７０１の側縁７１１，７１２の内側に離れ た場所で終わる。衛生ナプキンの縦方向では、形状保持材料７０５は中央部分７ １０を横切って延びる。縦方向山の背状こぶ７１６は形状保持材料７０５上の中 央に形成される。こぶ７１６は中央部分７１０の中央部でより端部分７０８，７ ０９の最も近くで低い。 吸収材料の一つ又は幾つかの層からなる吸収体７０６はこぶ７１６と液体透過 性カバー層７０２の間でこぶ７１６の上に配置される。吸収材料は図１−６と関 連して記載されたこぶ１６，４１６の吸収材料と同じ方法で選択されてもよい。 高く持ち上げられた縁バリヤー７１７，７１８は衛生ナプキン７０１の側縁７ １１，７１２に沿って配置される。縁バリヤー７１７，７１８は衛生ナプキンの 中央部分７１０の側縁７１１，７１２に沿って二つのカバー層７０２，７０３間 で延伸された条件で取り付けられている弾性部材７２１によって形成される。弾 性部材７２１は弾性帯、糸、弾性不織布材料など従来のいかなる種類のものであ ってもよい。弾性部材７２１はもちろん所望によりカバー層７０２，７０３の一 つの外側に取り付けられてもよく、あるいはカバー層７０２，７０３によって形 成された連結縁７０４の周囲で折りたたまれた弾性フォーム材料、弾性不織布材 料などの帯によって構成されてもよい。一つ又は二つの材料層に弾性部材７２１ を取り付ける多数の様々な方法が公知であり、高く持ち上げられた縁バリヤー７ １７，７１８を達成するために使用されてもよい。 衛生ナプキンはさらに自己接着性の感圧性接着剤の二つの縦方向ストライプの 形で取付部材７１５を従来のように与えられる。 本発明はこれまで衛生ナプキンに関連して記載したが、女性使用者によって装 着されることを意図される他の吸収物品についても本発明を利用することができ る。従って、本発明は女性のためのパンティライナー及び失禁ガードも包含する 。 本発明はここで記載した例に限定されてみなされるべきではないが、多数のさ らなる変形例及び修正例が請求の範囲内で考えられうる。さらに、記載した例の 全ての考えられる組合せも本発明に包含されることを意図される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 サミュエルソン，アン スウェーデン，エス―437 32 リンドム, フリントステンスヴェーゲン 28 (72)発明者 ドレヴィク，ソルグン スウェーデン，エス―435 35 メールン リユーケ，フレベックスヴェーゲン 16 (72)発明者 ヨハンソン，アネリー スウェーデン，エス―417 17 ゲーテボ ーク，カベレクスガタン ２エー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. パンティの股領域に実質的に適応されるような形状及びサイズを有しかつ 縦方向、横方向及び厚さ方向を有する、衛生ナプキン又は失禁ガードの如き女性 使用者のために意図される吸収物品であって、前記物品が液体透過性カバー層（ ２）及び液体不透過性カバー層（３）を有し、さらに二つのカバー層（２，３） の間に配置された少なくとも一つの吸収体（６）からなる吸収芯を有し、こぶ（ １６）が物品の液体透過性カバー層（２）に配置されている場合において、こぶ （１６）が物品の使用中こぶ（１６）に作用する力によって一時的に又は永続的 に横方向に変形されないような程度で、乾燥及び湿潤状態の両方で、物品の横方 向に実質的に形状永続性を有することを特徴とする吸収物品。 2. こぶ（１６）が物品の厚さ方向に実質的に形状永続性を有し、それによっ て物品が物品の通常使用中に生じる物品の厚さ方向に作用する圧力によって永続 的に変形されないことを特徴とする請求の範囲１記載の物品。 3. 二つの縦方向側縁（１１，１２；７１１，７１２）を有する請求の範囲１ 又は２記載の吸収物品において、高く持ち上げられた縁バリヤー（１７，１８； ７１７，７１８）が縦方向側縁（１１，１２；７１１，７１２）に沿って配置さ れていることを特徴とする物品。 4. 縁バリヤー（７１７，７１８）が側縁（７１１，７１２）に沿って装着さ れた予備緊張された弾性部材（７１２）の配置によって形成されていることを特 徴とする請求の範囲３記載の物品。 5. 物品が形状保持材料（５）を含むこと、及びこぶ（１６）が形状保持材料 （５）によって形成されていることを特徴とする請求の範囲１〜４のいずれか記 載の物品。 6. 形状保持材料（５）が硬質プラスチック材料の層からなることを特徴とす る請求の範囲５記載の物品。 7. 縁バリヤー（１７，１８）が形状保持材料（５）によって形成されている ことを特徴とする請求の範囲５又は６記載の物品。 8. 少なくとも第１吸収体（６）が物品の液体透過性表面からの方向で見ると 形状保持材料（５）の内側に配置されていること、及び形状保持材料（５）がこ ぶ（１６）の領域内で少なくとも一つの貫通開口（１９）を有し、それを通して 体液が第１吸収体（６）中に流れることを特徴とする請求の範囲５，６又は７記 載の物品。 9. 吸収体（７０６）が物品の液体透過性カバー層（２）と形状保持材料（７ ０５）の間に配置されていることを特徴とする請求の範囲５〜８のいずれか記載 の物品。 10. こぶ（１６；４１６；７１６）が物品の縦方向において７０ｍｍ〜１４ ０ｍｍ、好ましくは８０ｍｍ〜１２０ｍｍであることを特徴とする請求の範囲１ 〜９のいずれか記載の物品。 11. こぶ（１６；４１６；７１６）が液体不透過性カバー層（３）に面する 基部、及び液体透過性カバー層（２）に面する頂部を有し、それによって物品の 横方向のこぶ（１６；４１６；７１６）の長さが基部において２ｍｍ〜２５ｍｍ 、好ましくは１２ｍｍ〜１６ｍｍであること、及び頂部における横方向のこぶ（ １６；４１６；７１６）の長さが３ｍｍ〜１０ｍｍ、好ましくは４ｍｍ〜６ｍｍ であること、及びさらにこぶ（１６；４１６；７１６）が頂部より基部において 幅広いことを特徴とする請求の範囲１〜１０のいずれか記載の物品。