JP2004073285A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液透過性の表面シートと、裏面シートと、これら両シート間に配置された吸収体からなる吸収性物品において、該吸収性物品の形状が長手方向中心線に対して左右で異なる。更に、該吸収性物品の吸収体側部に立体ギャザーが配置されており、該立体ギャザーの形状が、長手方向中心線に対して左右で異なる
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、側臥位で使用した場合に、漏れがなく安価で好適に使用される吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の吸収性物品は、液透過性の表面シートと液不透過性の裏面シートと、両シートに間に挟まれた吸収体とにより構成され、背側部と腹側部を予め接合しパンツ形状にしたパンツ型おむつや、背側部と腹側部を着用者の体型に合わせてテープなどで留めるテープ型おむつ、また、下着の内側やパンツ型おむつ、テープ型おむつの内側に配置して使用する尿パッドなどが知られている。これらの吸収性物品は、着用者がいずれの姿勢で排泄しても良い様に、左右対象の構成で、全方位の漏れに対して漏れ防止策が施されていた。
【0003】
ところが、着用者の中には、背骨が曲がっていたり、片側にマヒがあるというような理由で、一方向のみの側臥位でのみ寝る場合がある。このような着用者は、一方向のみの側臥位で排尿になる為、吸収性物品の長手方向一方のみから重点的に濡れるということがあった。この場合、寝姿勢の着用者の上側に当たる部分は使用されずに未使用のままであるのみ対して、下側となる他方は何度も排泄物が押し寄せ、吸収しきれずに漏れるという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する為に、半パンツ状物に形成されるU字形状の使い捨て補助吸収具が開示されている(特開2001−340370号公報)。しかし、該公報では、吸収性物品を補助パッドに限定しており、しかも、締結テープもしくは着用者側部の接合部によって一個のレッグ開口部を形成している。この為、着用者が本補助パッドを着用してさらに展開型使い捨ておむつもしくはパンツ型使い捨ておむつを併用した場合、着用者が横向き寝で下部に当たる着用者側部に2重の締結テープや接着部が存在することになり、皮膚を圧迫してカブレ、褥瘡の原因になるという問題があった。また、締結テープや接着部が股下にある場合であっても、横向き寝の着用者は寝姿勢を安定させる為に、脚を交差して寝ることが多く、やはり股下や脚周りを圧迫してカブレ、褥瘡の原因になるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる現状に鑑み、液透過性の表面シートと、裏面シートと、これら両シート間に配置された吸収体からなる吸収性物品において、寝姿勢の着用者の下側に当たる部分に重点的に漏れ防止策を設けることが重要であるとの結論に至った。
また、一方向のみに排泄物が押し寄せる場合の漏れ防止策としては、吸収性物品の構成を変えることが有効であるとの結論に至った。
さらに、排泄物が流れて来ない部分は、漏れ防止策などの構成は不要であり、余分なものを排除することが、安価に吸収性物品を提供する為には必要であるとの結論に至った。
加えて、着用者の体圧の掛かる部分へは、余分なものは排除し、すっきりとした形状である必要があるとの結論に至った。
【0006】
本発明の目的は、一方向のみの側臥位で使用することが分かっている着用者に対して、同じ方向のみに排泄物が流れてきた場合でも、漏れを生じさせず、安価で、着用感に優れた、好適に使用される吸収性物品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、液透過性の表面シートと、裏面シートと、これら両シート間に配置された吸収体からなる吸収性物品において、前記吸収性物品の形状が長手方向中心線に対して左右で異なることを特徴とする吸収性物品である。
【0008】
本発明の第2は、前記吸収性物品の大きさが、長手方向中心線に対して左右で異なることを特徴とする第1の発明記載の吸収性物品である。
【0009】
本発明の第3は、前記吸収性物品の吸収体側部に立体ギャザーが配置されており、前記立体ギャザーの形状が、長手方向中心線に対して左右で異なることを特徴とする第1の発明または第2の発明に記載の吸収性物品である。
【0010】
本発明の第4は、前記吸収性物品の吸収体側部に脚周りギャザーが配置されており、前記脚周りギャザーの形状が、長手方向中心線に対して左右で異なることを特徴とする第1の発明から第3の発明のいずれかに記載の吸収性物品である。
【0011】
本発明の第5は、前記吸収性物品が、着用時に、ウエスト周り開口部と、左右一対の脚周り開口部が形成される使い捨ておむつであることを特徴とする第1の発明から第4の発明のいずれかに記載の吸収性物品である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の吸収性物品は、吸収性物品の形状に特徴があり、吸収性物品の長手方向中心線に対して、一方向のみに重点的に漏れ防止策を施した形状とすることで、一方向のみの側臥位で使用することが分かっている着用者に対して、同じ方向のみに排泄物が流れてきた場合でも、漏れを生じさせず好適に使用することが出来る。
また、排泄物が流れて来ない側に漏れ防止策をあまり施さないことで、余分な素材を使用することなく、安価に製造でき、経済性に優れた吸収性物品を提供できる。
【0013】
本発明において使用される表面シートは、親水性あるいは疎水性の不織布、織布、多孔性プラスチックフィルム等であり、その構成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の単繊維、またはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の2成分以上からなる複合繊維等であり、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限をうけるものではない。
表面シートは、単一のシートで構成される必要はなく、吸収体上面と側部フラップでシートを替えるなど複数枚のシートで構成しても良い。また、複数枚のシートで表面シートを構成する際、各シートは別の素材を使っても良いが、同一の素材でも良い。
【0014】
本発明において使用される裏面シートは、ポリエチレン等の液不透過性フィルム、液不透過性フィルムと不織布との貼合わせ、液不透過性フィルムと織布との貼り合わせの素材等でもよいが、表面シートと同じ様な液透過性の親水性あるいは疎水性の不織布、織布、多孔性プラスチックフィルム等でも良い。
【0015】
本発明において使用される吸収体は、綿状パルプ、高吸水性ポリマー(以後省略してSAPという)、親水性シート等からなり、特に制限を受けるものではない。
また、本発明において使用される吸収体は、従来の使い捨ておむつその他の吸収性物品の通常使用される公知の吸収性材料から作られている。すなわち、綿状パルプ、レーヨン等の吸収性繊維からなる単層もしくは多層のマットから形成され、さらに親水性シートによりくるまれている。そして、通常はSAPが各マット中に均一に混合もしくは各マット間に層状に配設されている。また、綿状パルプに対して3〜60質量%の熱融着性物質を混合して熱圧着してもよい。もしくは、SAPのみが親水性シートによりくるまれているものでも良い。
【0016】
綿状パルプとしては、化学パルプシートもしくは、機械パルプシートを粉砕機で解繊することにより得られる繊維長5mm以下のものが用いられる。パルプ原料としては、針葉樹に限らず、広葉樹、わら、竹およびケナフも適用される。また、古紙パルプを使用しても良い。この綿状パルプの使用量は、目的とする吸収体により、例えば、単独で用いるか、複数積層して用いるか、他の吸収材を併用するかなどにより異なるが、一般的には、50〜400g/m2にされる。
【0017】
SAPとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系が挙げられる。すなわち、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−メタクル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルローズの架橋物、ポリビニールアルコール−無水マレイン酸反応物の架橋物などである。これらの中で、自重の20倍以上の尿、体液及び水を吸収するもので、ポリアクリル酸ナトリウム系のものが吸収性能の点から最も適当である。SAPの分布量は、乾燥した綿状パルプ100質量部に対して10〜500質量部、好ましくは15〜300質量部であり、かかる量のSAPが綿状パルプに実質的に均一に分布、もしくは、一部分に集中散布されている。SAPが尿や体液などを吸収し膨潤したとき、その粒子は相互の干渉が最小にとどめられ、連続的に接触して透過障壁を形成することが少なく、尿や体液を3次元方向に透過、吸収する。
【0018】
親水性シートは、例えば、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等、親水性のシートであれば良い。
吸収体の圧縮方法としては、周面が平滑なロールなどにより、吸収体の密度がその全体にわたり実質的に均等になるように連続する面状に圧縮してもよいし、周面が凹凸状であるロールなどにより、吸収体の密度が部分的に異なり、尿や体液を縦方向及び斜め方向に導く模様配列のエンボスとなるように圧縮してもよい。エンボスの場合、圧縮部、非圧縮部は、連続、非連続のいずれであってもよい。
【0019】
吸収体の形状は、矩形でも砂時計型でも良く、従来の使い捨ておむつその他の吸収性物品の通常使用される公知の形状のいずれを用いても良いが、形状に関しては特に限定するものではない。特に、側臥位になった場合に下側になる部分の吸収量を多くする、もしくは面積を広くするなどの処置を施しても良い。
また、吸収体上の少なくとも一部にセカンドシートなどの拡散層を設けても良い。拡散層を設けることで、装着者の姿勢等により表面シート下の空間が十分に設けられない場合でも、尿、体液等の吸収速度を低下させることなく、尿、体液等の漏れを防ぐことが可能となる。
【0020】
セカンドシートは、親水性液透過性の不織布、織布、多孔性プラスチック、綿状パルプ等であり、その構成成分はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、パルプまたはこれらの複合繊維等でも良く、特に制限を受けるものではない。パルプでは、カーリーセルロースファイバーなど、けん縮繊維などが有効である。セカンドシートは、液体の拡散性を高めるために表面シートと吸収体の間に配設され、接着剤等で吸収体に接着固定される。もしくは、セカンドシートが親水性液透過性の不織布、織布、多孔性プラスチックなどのシート状素材の場合は、表面シートの上面に配置され、接着剤等で接着固定されても良い。
【0021】
立体ギャザーは、シートと弾性部材により形成される。シートは表面シートである中央部表面シートや側部表面シート(サイドシート)で形成しても良いが、セカンドシートや別部材でも良い。またこれらを部分的に貼り合わせても良い。つまり、表面シート、サイドシートもしくはこれらに貼り合わせた別部材のシートから形成される。
【0022】
立体ギャザーシートの素材は、親水性あるいは疎水性の不織布、織布、多孔性プラスチックフィルム等であり、織布及び不織布の構成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の単繊維または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の2成分以上からなる複合繊維等であり、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限をうけるものではない。
【0023】
弾性部材は、天然、合成ゴム、ウレタンなどの糸状、ひも状、ネット状、平型形状のものを設置位置に応じて用いる。弾性部材の配設はシートに接着剤等により固定される。
接着方法としては、ホットメルト、澱粉系またはCMC(カルボキシメチルセルロース)などの水溶性の糊又は、流動性の高い接着剤を用いてもよいし、熱や超音波等による溶着でも良い。
【0024】
【実施例】
以下、図面により、本発明の一実施例である展開型使い捨ておむつを詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、展開型使い捨ておむつの一部切り欠き平面図である。図1において、使い捨ておむつは、液透過性の表面シート1と液不透過性の裏面シート2の間に吸収体3が配置され、吸収体3から延出したシート部分でサイドフラップ4を形成している。使い捨ておむつは、背側部11、股下部12及び腹側部13からなり、おむつ着用時には、背側部11サイドフラップ4の幅方向側縁部に取付けられた結合手段10を介して背側部11と腹側部13が接合され、ウエスト周り開口部と一対の足周り開口部が形成される。また、股下部の脚周り開口部の位置には脚周り弾性部材5がそれぞれ3本ずつ配置され、腹側部13と背側部11のウエスト周り開口部の位置には、ウエスト周り弾性部材6が配置されている。さらに、おむつの一方の側縁部には、脚周り弾性部材5に隣接して、おむつの長手方向に沿って立体ギャザー8が形成されている。
【0025】
背側部11サイドフラップ4に設置される腹側部13と背側部11とを結合させる結合手段10は、少なくとも背側部11サイドフラップ4の幅方向端部に一対配置されていればよく、二対以上配置されていても良い。結合手段10も、粘着材によるもの、機械的結合など、どちらでも良く、これらの組み合わせでも良い。また、背側部11に配置された結合手段10に合わせて、腹側部13のシートが適宜選択され配置される。
【0026】
図面では、使い捨ておむつの脚周り弾性部材5が、使い捨ておむつの股下部12に沿って、直線状に配置されているが、曲線状でも良く、立体的に配置されいても良く、特に限定されない。また、脚周り弾性部材5も3本である必要はなく、配置されていなくとも良い。また、使い捨ておむつの両側部全長にわたって配置されていても良い。さらに、脚周り弾性部材5が複数本で形成される場合は、その弾性部材5間の間隔は一定でも良いが、変化していても良い。一方、図面では脚周り弾性部材5が使い捨ておむつの両側部に沿って使い捨ておむつの長手方向中心線15に対して左右対象に配置されているが、必ずしも左右対象である必要はなく、一方のみに配置されていたり、左右で配置の本数や配置の形状、弾性体の伸長率や太さなどを変えても良い。
【0027】
図面では、脚周り弾性部材5の一側部に内倒し立体ギャザー8を配置したが、必ずしも内倒しである必要はなく、外倒しやC折などでも良い。また、図面では、吸収体3が砂時計型の形状であり、吸収体3の外側が起立線位置であるが、起立線は吸収体上でも良く、さらに脚周り弾性部材の外側に配置されても良く、限定されない。立体ギャザー8は、一側部に2コ以上配置しても良く、図面では、立体ギャザー8の立体ギャザー弾性部材9を1本配置しているが、2本でもよく、3本以上配置しても良い。また、立体ギャザー弾性部材9を複数本配置する場合は、それぞれの弾性部材の太さ、伸長率が同じでも良いが、異なっていても良い。図面では、立体ギャザー8は、一側部にのみ配置しているが、両側部に配置しても良く、特に限定されない。立体ギャザー8は使い捨ておむつの長手方向中心線の左右で、同じ形状でも良いが、異なっていても良い。使い捨ておむつの長手方向中心線15の左右で、立体ギャザーが異なる場合は、配置数を変えても良いが、形状を変えても良く、立体ギャザー弾性部材9の配置数、太さ、伸張率などを変えても良い。
【0028】
図2は、図1の使い捨ておむつのX−X’断面図である。図2においては、液透過性の表面シート1と液不透過性の裏面シート2の間に親水性シート14で包まれた吸収体3が配置され、吸収体3側部にサイドシート7と裏面シート2に挟まれて一対の脚周り弾性部材5が配置され、おむつの片側のみに、吸収体3に向かってサイドシート7と1本の立体ギャザー弾性部材9により、内倒し立体ギャザー8が形成されている。図面では、内倒しの立体ギャザー8を片側に配置しているが、外倒しの立体ギャザーや立体ギャザーの一部で折り返しのあるC折りやZ折りなどの立体ギャザーを配置しても良い。また、立体ギャザー弾性部材9も1本に限定する必要はなく、2本以上配置しても良い。図面では立体ギャザー8の基端部を吸収体3と脚周り弾性部材5の間に設置しているが、吸収体3上や、脚周り弾性部材5上でも良く、特に限定されない。
【0029】
立体ギャザー8の高さは、5mm以上100mm以下であり、吸収性物品の種類や大きさによって適宜採択される。5mm未満では吸収体上に排泄物が滞留した場合、十分な防波堤とはなり得ない。100mmを越えると、股下部分で吸収体上面を覆ってしまい却って漏れの原因になることや、立体ギャザー8が脚周り弾性部材5の外側に延出して体液の外への流れ道となり、漏れの原因になることがある。
【0030】
また、立体ギャザー弾性部材9、脚周り弾性部材5は、非伸長状態を100%とした場合の伸長率が130%から500%の間にあり、好ましくは200%から300%の間である。立体ギャザー弾性部材9は、平ゴムや伸縮性フィルムでも良いが、好ましくは糸ゴムであり、糸ゴムの太さは310デシテックスから3730デシテックス、好ましくは470デシテックスから1240デシテックスの間である。
【0031】
本実施例では、着用者の左側に立体ギャザー8を配置することで、左側を下側にして側臥位で寝る着用者の横漏れを防止するだけでなく、着用者の右側の立体ギャザー8を取り除くことで、安価に製造が可能になり、経済性に優れた使い捨ておむつとなっている。
【0032】
図3は、図2とは別の実施例を示し、X−X’断面図に相当する図である。この実施例は、おむつの両側に立体ギャザーを配置しているが、左右の立体ギャザーの形状、高さ、立体ギャザー弾性部材9の本数が異なる例である。すなわち、片側の立体ギャザー8はサイドシート4を折り返して2本の立体ギャザー弾性部材9を挟み込み、C折形状で形成されている。他側の立体ギャザー8はサイドシート4を折り返して1本の立体ギャザー弾性部材9を挟み込み、内倒し形状で形成されている。また、このように左右1対の異なる形状の立体ギャザー8を配置してもよいが、長手方向中心線15に対して左右非対称となるように複数組の立体ギャザー8を配置しても良い。
また、図面では、左右の立体ギャザーの形状、高さ、立体ギャザー弾性部材9の本数と全てが、左右で異なっているが、一部のみが異なっていても良く、同じでも良く、特に限定されない。
図面では、2本の立体ギャザー弾性部材9は立体ギャザー8の先端部のみに配置されているが、必ずしも、先端部のみではなく、1本をC折の折り返し部や立体ギャザー8起立線近辺に配置しても良い。2本の立体ギャザー弾性部材9は、太さや伸長率が同じでも良いが、異なっていても良く、特に限定されない。また、左右の立体ギャザー8で、立体ギャザー弾性部材9の太さや伸長率が同じでも良いが、異なっていても良い。
【0033】
本実施例では、着用者の左側の立体ギャザー8をC折りにした上で立体ギャザー弾性部材9も2本配置して起立を良くして、さらに立体ギャザー高さを高くして配置することで、左側を下側にして側臥位で寝る着用者の横漏れをさらに防止することが出来る。また、着用者の右側にも立体ギャザーを配置することで、おむつ交換の際に、おむつ上部に溜まった排泄物をこぼさずにおむつを取り除くことが出来、使い勝手の良い、側臥位での漏れ防止機能に優れた使い捨ておむつとなっている。
【0034】
図4は図1とは別の実施例を示す尿パッドの一部切り欠き平面図である。図面では、液透過性の表面シート1と液不透過性の裏面シート2の間に吸収体3が配置されており、裏面シート2とサイドシート7の間に脚周り弾性部材5が配置されており、吸収体3形状、尿パッド全体形状、脚周り弾性部材5形状が長手方向中心線15に対して左右非対称である。尿パッド全体が左右非対称である場合、長手方向中心線15は実質着用者の背中心に一致する。
【0035】
図面では、吸収体3の形状が長手方向中心線15に対して左右非対称であり、尿パッド全体の形状や大きさも長手方向中心線15に対して左右非対称である。吸収体3の形状は、図1の実施例で示したように長手方向中心線15に対して左右対称でも良いが、本実施例で示したように長手方向中心線15に対して左右非対称であっても良く、吸収体3の形状は特に限定されない。また、吸収体3の形状に合わせて、吸収性物品全体の形状(外形)や大きさも長手方向中心線15に対して左右対称でも良いが、本実施例で示したように長手方向中心線15に対して左右非対称であっても良く、特に限定されない。ただし、吸収体3や吸収性物品全体の形状(外形)を左右対称とする場合は、左右非対称の立体ギャザー(図示せず)を設けるなどして、吸収性物品の形状が長手方向中心線15に対して左右非対称となるようにする。本実施例で示したように、吸収性物品の形状を長手方向中心線15に対して左右非対称にすることで、側臥位で寝る着用者の下側になる吸収性物品側の大きさを大きくしてカバー部分を増やして横漏れを防止したり、上側になる部分の吸収性物品の不要な部材を取り除いて安価に吸収性物品を製造したりすることが出来る。
【0036】
図面では、脚周り弾性部材5が長手方向中心線15に対して左右非対称に配置されている。図面では、一方を1本の脚周り弾性部材5で直線に配置して、他方を2本の脚周り弾性部材5で曲線に配置しているが、配置の形状や脚周り弾性部材5の配置数は特に限定されない。脚周り弾性部材5は、一方のみに配置しても良いが、好ましくは両方に配置した方が良い。吸収性物品の両側にギャザーが寄って、吸収性物品が腕状になることで、吸収性物品を交換する際に上部に溜まった排泄物をこぼすことなく、汚れた吸収性物品の取り除くことが出来る。
脚周り弾性部材5が長手方向中心線15に対して左右非対称に配置することで、側臥位で寝る着用者の下側になる吸収性物品側の脚周りをしっかりと閉じて横漏れを防止し、上側になる部分の脚周り弾性部材5を最小限の配置にして、コストを抑えて安価に吸収性物品を製造することが出来る。
【0037】
本発明における吸収性物品に関しては、公知の吸収性物品のいずれでも良く、展開型使い捨ておむつ、パンツ型使い捨ておむつ、尿パッド等いずれでも良く、特に限定されない。
本発明の目的は、一方向のみの側臥位で使用することが分かっている着用者に対して、同じ方向ばかりに排泄物が流れてきた場合でも、漏れを生じさせず、安価で、着用感に優れた、好適に使用される吸収性物品を提供することであり、その為に、吸収性物品の形状を長手方向中心線に対して左右非対称にして、側臥位の下側になる部分の漏れ防止効果を高めることである。その為に、実質着用者の背中心に対して、側臥位で下側になる面の脚周り弾性部材、立体ギャザー、吸収性物品の形状、大きさ、吸収体の形状や大きさを変えて、上側になる面よりも漏れ防止効果を高めて、好適に使用される吸収性物品を提供する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吸収性物品は、吸収性物品の長手方向中心線に対して、一方向のみに重点的に漏れ防止策を施した形状とすることで、一方向のみの側臥位で使用することが分かっている着用者に対して、同じ方向でばかりに排泄物が流れてきた場合でも、漏れを生じさせず好適に使用することが出来る吸収性物品を提供出来る。
また、排泄物が流れて来ない側に漏れ防止策をあまり施さないことで、余分な素材を使用することなく、安価に製造でき、経済性に優れた吸収性物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使い捨ておむつの展開状態を示す一部切欠き平面図。
【図2】図1の使い捨ておむつのX−X’断面図。
【図3】図2とは別の実施例を示し、図1の使い捨ておむつのX−X’断面図に相当する図。
【図4】図1とは別の実施例を示す、本発明の尿パッドの展開状態を示す一部切り欠き平面図。
【符号の説明】
1. 液透過性の表面シート
2. 裏面シート
3. 吸収体
4. サイドフラップ
5. 脚周り弾性部材
6. ウエスト周り弾性部材
7. サイドシート
8. 立体ギャザー
9.立体ギャザー弾性部材
10.結合手段
11.背側部
12.股下部
13.腹側部
14.親水性シート
15.長手方向中心線
Claims (5)
- 液透過性の表面シートと、裏面シートと、これら両シート間に配置された吸収体からなる吸収性物品において、
前記吸収性物品の形状が長手方向中心線に対して左右で異なることを特徴とする吸収性物品。 - 前記吸収性物品の大きさが、長手方向中心線に対して左右で異なることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の吸収体側部に立体ギャザーが配置されており、前記立体ギャザーの形状が、長手方向中心線に対して左右で異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の吸収体側部に脚周りギャザーが配置されており、前記脚周りギャザーの形状が、長手方向中心線に対して左右で異なることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品は、着用時に、ウエスト周り開口部と、左右一対の脚周り開口部が形成される使い捨ておむつであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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