JP2001504448A - 核酸の鏡面対称選択および進化 - Google Patents

核酸の鏡面対称選択および進化

Info

Publication number
JP2001504448A
JP2001504448A JP51129798A JP51129798A JP2001504448A JP 2001504448 A JP2001504448 A JP 2001504448A JP 51129798 A JP51129798 A JP 51129798A JP 51129798 A JP51129798 A JP 51129798A JP 2001504448 A JP2001504448 A JP 2001504448A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
target molecule
nucleic acids
sequence
steps
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP51129798A
Other languages
English (en)
Inventor
フュルステ,イェンス,ペーター
バルト,ロルフ
エルトマン,フォルカー,アー.
Original Assignee
フュルステ,イェンス,ペーター
バルト,ロルフ
エルトマン,フォルカー,アー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by フュルステ,イェンス,ペーター, バルト,ロルフ, エルトマン,フォルカー,アー. filed Critical フュルステ,イェンス,ペーター
Publication of JP2001504448A publication Critical patent/JP2001504448A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1058Directional evolution of libraries, e.g. evolution of libraries is achieved by mutagenesis and screening or selection of mixed population of organisms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7088Compounds having three or more nucleosides or nucleotides
    • A61K31/712Nucleic acids or oligonucleotides having modified sugars, i.e. other than ribose or 2'-deoxyribose
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/12Antihypertensives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1048SELEX
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/113Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/12Type of nucleic acid catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/18Type of nucleic acid acting by a non-sequence specific mechanism

Abstract

(57)【要約】 天然の立体配置を有する標的分子と相互作用するL−核酸の同定および製造方法ならびに該方法で製造されるL−核酸が開示される。また、同一の配列を有するL−核酸を製造するためのマトリックスとして、標的分子の光学対掌体に結合するD−核酸の使用、ならびに該開示されたL−核酸を含有する医薬およびキットも開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 核酸の鏡面対称選択および進化 本発明は、天然の立体配置を有する標的分子と相互作用するL−核酸の同定お よび製造方法、ならびにこの方法により生成されるL−核酸に関する。さらに、 本発明は、同一の配列を有するL−核酸を製造するためのマトリックスとして標 的分子の光学対掌体に結合するD−核酸の使用ならびに本発明のL−核酸を含む 医薬組成物、キット、診断薬およびセンサーシステムに関する。 過去数年間、以前には予想されなかった様式で核酸を使用するために、新しい 技術が確立されている。これらの中には、例えば、細胞内または細胞外で起こる 生化学反応の触媒、阻害剤または刺激剤のような分子の使用がある。これらの技 術は、将来、医学、医薬による診断、バイオテクノロジーおよび農業の分野にお いて最も有力な役割を果たすであろうことはほとんど疑う余地もない。 いくつかの新しいDNAおよびRNA技術の本質的な部分は、イン・ビトロの 選択または進化である(例えば、スゾスタック(J.W.Szostak)、TIBS 17(1992) ,89-93、ファムロック(Famulok)とスゾスタック(Szostak)、Angew.Chemie 104 (1992),1001-1011およびゴールド(Gold)ら、Annu.Rev.Blochem.(1995)の概 説論文を参照のこと)。これらの技術は、生物学的システムの作用方法に基づい ている。それにより、所望の特性を有する新規なDNAおよびRNA分子を、改 変、選択および複製による不均質の核酸分子の組合せライブラリーから得てもよ い。したがって、かかるイン・ビトロのシステムは、生物学的進化において存在 するすべての因子を含む。それは、天然の方法のスピードを何倍も加速するイン ・ビトロの進化と正当に称されるであろう。このシステムに追加の改変工程が生 じない限り、それは、イン・ビトロの進化ではなく、ただ単にイン・ビトロの選 択方法である。 1018個までの異なるRNA種の群から、高いアフィニティーの結合特性また は触媒特性を有するRNA分子がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、転写、選択 的結合および逆転写のサイクルプロセスにより単離される;ゴールドら、上記引 用文を参照のこと。この方法の本質的な利点の1つは、選択対象の分子の構造を 知ることを要しないという事実であり;「正しい」構造を有する分子を、選択工 程により出発集団から濾過して取り出し、所望ならば、その後にシーケンスして もよい。この選択または進化プロセスの原理を、図1に概略的に示す。 かかるイン・ビトロの選択または進化方法の例は、チュルク(Tuerk)とゴール ド(Gold)、Science 249(1990),505-510、ベルザール−ヘランツ(Berzal-Herra nz)ら、Genes & Develpoment 6(1992),129-134およびロバートソン(Robertson )とジョイス(Joyce)、Nature344(1990),467-468により提供された。これらの研 究グループは、実験上のアプローチをわずかに変更することにより、基質とは異 なる前もって決定された核酸を切断または結合する機能的なリボ核酸を選択する ことに成功した。より最近の研究においては、レーマン(Lehman)とジョイス(Joy ce)は、リボザイムの金属イオン特異性がかかるイン・ビトロの進化プロセスに よりMg2+からCa2+に変化するかもしれないことを示した(Nature 361(1993) ,182-185)。 高いアフィニティーRNAのみならずDNAもまた、他の核酸との相互作用の 目的のためばかりでなく、主として、蛋白質、細胞の他のより小さい分子または 合成化合物との相互作用のために構築してもよい。また、細胞のレセプターまた はウイルス粒子との相互作用に関する試みがなされてもよい。通常、高いアフィ ニティー核酸のかかる相互作用は、生物学的機能を阻害もしくは刺激する目的ま たはセンサーシステムにおけるシグナルを刺激する目的を有する。 他のオリゴマーまたはポリマーの組合せライブラリーと比較したときの核酸ラ イブラリーの利点は、核酸の二元的性質に見出される。該分子は、遺伝子型(増 幅可能な配列)および表現型(機能的構造)を有する。これは、非常に大きな組 合せライブラリー由来の機能的分子の増幅およびシーケンスによるそれらの同定 を可能にする。「タグ付加」(ジャンダ(Janda)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 9 1(1994),10779-10785)等により機能的改変体を同定するための分子ライブラリ ーの追加の標識およびそれに付随する技術的な問題(ゴールドら、前述;ゴール ド、J.Biol.Chem.270(1995),13581-13584)が回避されるであろう。遺伝子 型および表現型の組合せにも関与するペプチドモチーフを同定するための組合せ ファージライブラリーを用いることにより(スコット(Scott)とスミス(Smith)、 Science 249(1990),386-390、デブリン(Devlin)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.US A(1990),6378-6382)、他の不都合が生ずる。わずか25ヌクレオチドのオリゴ ヌクレオチドは、すでに非常に安定な構造を形成するであろうが、匹敵するオリ ゴペプチドは、大きなコンフォメーション上の自由度を有する(ゴールドら、前 述)。ペプチドの構造的な自由度およびそれから生ずる標的構造との相互作用に おけるエントロピーの損失が、高いアフィニティーおよび特異性が該分子の適用 に必要である限り、ペプチドの使用可能性を限定する。また、この限定は、ファ ージライブラリーによる生物学的に安定なD−ペプチドの選択においても起こる (シューマッハー(Schumacher)ら、Science 271(1996);1854-1857)。環状ペ プチドの使用は、これらの基本的な不都合を相殺しないかもしれない(ゴールド ら、前述)。 他のオリゴマーまたはポリマーの代わりに組合せ核酸ライブラリーを使用する 際の特に不利な点は、生物学的液体中の核酸の低い安定性である。 しかしながら、これまでに知られたすべての選択および進化プロセスは、天然 の型の、即ち、基本成分としてのD−リボースまたはD−デオキシリボースを有 する、高いアフィニティーもしくは触媒RNAまたはDNAを単に生成すること が可能なだけである。生物学的環境における使用中に、これらの分子は酵素によ り分解される。該分解は、これらの高いアフィニティーまたは触媒核酸の短期間 の効果に導く。 酵素による分解を遅延させるために、未修飾核酸の選択後に標的化される修飾 を導入することが可能であるけれども、しかしながら、構造上のこの修飾の影響 およびそれによる核酸の機能性における影響は予想されないだろう。さらに、変 化した所望しない性質を予想することができない。また、化学的に修飾したDN AまたはRNAの分解は、ヌクレオシド、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチ ドのアナログの型として重大かつ不利な様式で細胞の代謝に影響するかもしれな い産物を生ずる。 さらに、核酸の安定性を増加させるヌクレオシド三リン酸を修飾するプロセス に統合することが可能である。この手法の例は、ジェリネック(Jellinek)ら、Bi ochemistry 34(1995),11363-11372およびイートン(Eaton)とピーケン(Pieken) 、Annu.Rev.Biochem.64(1995),837-863により記載されている。ヌクレオシ ド三リン酸は、使用されるポリメラーゼに親和しなければならないので、可能な 修飾の範囲は非常に限られている。さらに、これらの修飾した核酸の分解が特に 毒性のある作用に導くことを予想しなければならない。 したがって、本発明の根底にある技術的な問題は、従来技術で言及した前記不 都合を呈しない、高いアフィニティー核酸分子がイン・ビトロの選択または進化 を介して生成されうる手段による方法を提供することであった。この技術的な問 題は、請求の範囲で特徴付けられた態様により解決する。したがって、本発明は 、天然の立体配置を有する標的分子と相互作用するL−核酸の製造方法に関し、 該方法は、下記工程: (a)D−核酸の不均質集団を生成する工程; (b)工程(a)の集団を標的分子の光学対掌体と接触させる工程; (c)標的分子の光学対掌体と相互作用しないD−核酸を分離する工程; (d)標的分子の光学対掌体と相互作用するD−核酸の配列を決定する工程; (e)工程(d)で決定されたD−核酸の配列と同一の配列であるL−核酸を合 成する工程、 を含む。 本明細書において、「L−核酸」とは、天然に存在しないL−立体配置で存在 するいかなる核酸であってもよい。これは、核酸のバックボーンを天然に形成す るD−リボースまたはD−デオキシリボースの代わりに、L−リボースまたはL −デオキシリボースをL−核酸の基本的構成成分として使用することを意味する 。 「天然の立体配置を有する標的分子」という用語は、その天然の構造で存在す る限りは核酸を結合可能ないかなる分子をも含む。かかる分子の例は、L−アミ ノ酸から構成される蛋白質、L−アミノ酸、D−ヌクレオチドからなる核酸なら びにD−糖およびそれからなるさらに複雑な糖分子である。 不均質D−核酸集団の生成は、従来技術で知られた方法のいかなる手段により 行なってもよい。かかる方法の例は、ゲノム断片の増幅(キンツラー(Kinzler) とヴォーゲルシュタイン(Vogelstein)、Nucl.Acids Res.17(1989),3645-363 5)または合成機によるDNA分子の化学固相合成(ツィーセン(Thiesen)とバッ ハ(Bach)、Nucl.Acids Res.18(1990),3203-3209およびポロック(Pollock)と トレイスマン(Treisman)、Nucleic.Acids Res.18(1990),6197-6204)である 。さらに、当業者であれば、所望の結果にも導く実験上のアレンジによりこれら の方法を変更することが可能である。該核酸は、所望の数のD−ヌクレオチドか ら構成されていてもよい。D−ヌクレオチドは、少なくとも15の位置で任意の (前もって決定されていない)ヌクレオチドを提示することが好ましい。 不均質D−核酸集団は、いかなる所望のメンバー数、好ましくは少なくとも1 09のメンバーを提示する。 工程(b)において、D−核酸を、標的分子の光学対掌体と接触させ、(高い )アフィニティー核酸と該標的分子の光学対掌体との相互作用をさせる。 本明細書において、「標的分子の光学対掌体」という用語は、天然の立体配置 で存在する(巨大)分子のエナンチオマー型を意味する。標的分子の光学対掌体 は、従来技術で記載された方法に従って製造することができる。したがって、例 えば、オラタ(Orata)ら(Nucl.AcidsRes.20(1992),3325-3332)は、L−デオキ シリボースからなるヘキサデオキシリボヌクレオチドの合成を記載している。さ らに、L−核酸は、実施例1に記載のように製造してもよい。L−(ポリ)ペプ チドの光学対掌体は、例えば、ミルトン(Milton)ら(Science 258(1992),1445-1 448)またはミューア(Muir)(Structure 3(1995),649-652)により記載された方法 に従って製造してもよい。 標的分子と相互作用しないD−核酸の分離は、従来技術から知られた方法に従 って行なう。分離は、例えば、カラムクロマトグラフィー法により行なってもよ く、それにより標的分子の光学対掌体がカラム材料に結合し、アフィニティーま たは場合により高いアフィニティーのD−核酸が適する条件下で引き止められる 。かかる方法で結合した核酸は、非結合の核酸の洗浄後にカラム材料から溶出さ れうる。しかしながら、分離は、濾過方法または磁気粒子のような分離技術によ り行なってもよい。さらに、当業者は、自身の特別な要求のために従来技術に記 載された方法を改変することができる。 相互作用する核酸から相互作用しない核酸を分離した後、該相互作用する核酸 を標的分子の光学対掌体から分離する。但し、工程(a)の集団の限定された不 均質性が存在し、かつ、十分数の同一または類似の分子が生ずると仮定した場合 、標的分子の光学対掌体と既に相互作用しているD−核酸を直接に配列決定する ことができる。適する配列決定技術は、従来技術から知られている;サンブルー ク(Sambrook)ら、Molecular Cloning,A Laboratory Mannual,第2版,1989 ,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harborを参照のこと。但し、 この選択技術において異なる配列を有する核酸が標的分子の光学対掌体に結合し 、その後配列決定された場合、種々の位置で曖昧な配列情報が得られるかもしれ ない。しかしながら、多くの核酸が一定の位置で保存されていることを参酌して もよい。これは、ブラックウェルら(ブラックウェル(Blackwell)とヴァイントラ ウブ(Weintraub)、Science250(1990),1104-1110、ブラックウェルら、Sc ience 250(1990),1149-1151)により示されたように、標的分子の光学対掌体の 結合における役割を示す。この限定された情報により、当業者はすでに、所望の 標的分子に結合可能なL−核酸を合成することが可能である。 まず最初に、標的構造の光学対掌体がエナンチオメリックに純粋な型で調製さ れなければならないので、多くの適用に対し、鏡面対称核酸を同定する方法がか なり応用されている。エナンチオメリックに純粋な標的構造が自由になるならば 、ラセミ体分割を回避してもよい。別の好ましい態様において、したがって、本 発明は、D−核酸と標的分子のラセミ混合物との相互作用を発生させる方法に関 する。標的分子のラセミ混合物と相互作用しないD−核酸の分離は、当該技術分 野において公知の方法に従って行なわれる。分離は、例えば、カラムクロマトグ ラフィー法により行なってもよく、それにより標的分子のラセミ混合物がカラム 材料に結合し、アフィニティーまたは場合により高いアフィニティーのD−核酸 が適する条件下で引き止められる。この結果、低いキラル識別力により(a)標 的構造、(b)鏡面対称標的構造または(c)両異性体と相互作用してもよい核 酸が最初に結合する。天然に存在するエナンチオマーに結合し、低いキラル特異 性を有する高いアフィニティーD−核酸の占有は、溶出により天然の標的分子で 洗浄してもよい。光学対掌体に結合した残存しているD−核酸は、その後、ラセ ミ混合物で特異的に溶出されてもよい。それにより、標的分子の光学対掌体を単 離することさえなく、鏡面対称選択または進化方法を行なうことが可能である。 L−核酸の合成は、従来技術(ウラタら、前述)から知られた方法または実施 例1に記載された方法に従って行なわれる。 エナンチオマーに関するパスツール(L.Pasteur)の研究(例えば、Soc.Chim .Paris 1860,1,(1860)において)を考慮して、天然に存在する核酸が、基本 的構成要素がL−リボースまたはL−デオキシリボースである光学対掌体を有す ることを仮定してもよい。本発明の目的に従って、L−RNAまたはL−DNA の 化学固相合成が現在いかなる所望の配列においても成功裏に確立している(実施 例1を参照のこと)。 本発明の方法によって選択された核酸を調べる際に、同一の配列の対応するL −ポリマーが同様の様式で標的分子の光学対掌体と相互作用すると仮定してもよ い。標的分子のエナンチオマーを進化または選択方法に利用する場合、高いアフ ィニティーまたは触媒能のL−RNAまたはL−DNAの製造を可能にする配列 情報が得られるかもしれない。本方法の原理を図2に示す。鏡面対称選択または 進化と称される本方法の利点は、生物学的環境下での生成物の高い安定性である 。本方法により、高いアフィニティーで天然に存在するD−アデノシンに結合す るL−オリゴリボヌクレオチドが初めて同定された(実施例2を参照のこと)。 ヒト血清中でL−オリゴリボヌクレ才チドをインキュベートした後、分解を示す ことができなかった。その後の研究において、L−オリゴリボヌクレオチドはD −アデノシンのみに結合し、D−オリゴリボヌクレオチドはL−アデノシンのみ に結合することを証明することができた。これは、同一の共有結合したヌクレオ チド結合を有するD−およびL−オリゴヌクレオチドが三次元構造を獲得するた めに同様の様式で折り畳まれること、ならびにヌクレオチド配列が核酸の三次構 造のみを決定することを示す。実施例2に記載したL−RNAのD−アデノシン に対するアフィニティー(解離定数1.8μM)は、イン・ビトロの進化により これまで獲得されたヌクレオシドに対するD−RNAのアフィニティーの範囲内 にある(コンネル(Connell)とヤールス(Yarus)、Science 264(1994),1137-1141 およびヒュイゼンガ(Huizenga)とスゾスタック(Szostak)、Biochemistry 34(199 5),656-665を参照のこと)。したがって、L−核酸は、D−核酸のような天然 に存在するキラル標的物質と等しく高いアフィニティーを発揮することが可能で あることを初めて示した。該方法の原理は、アルギニン特異的リガンドの同定に より確認することができた(実施例3を参照のこと)。 鏡面対称進化または選択は、選択を標的分子の光学対掌体に関して行なうとい う特別な性質を示す。この特殊性は、2つの本質的な利点を有する:一方では標 的分子の光学対掌体は、天然に存在するエナンチオマーとの場合のようには、本 発明の方法の間ではそう簡単には分解しない。この特徴は、標的分子がRNAで ある場合に重要な役割を果たす。他方、特に本明細書に記載の方法は、主として 、選択または進化手法が終了した後、選択した(高い)アフィニティーD−核酸 のエナンチオマーが製造されるという、従来技術では知られていない利点を提供 する。 このL−核酸は、生物学的システムにおいてその長期的効果を与える生物学的 環境で前記した高い安定性を発揮するのみではない。生物学的システムにおいて 適当な分解酵素がないことによるこの安定性の結果として、衛生上の危険を表す かもしれないこれらの核酸の代謝産物がもはや形成されない。さらに、これらの L−核酸が免疫系により扱われる量でないか少量しか存在せず、したがって、あ るとしてもわずかな免疫反応を剌激するのみであると思われる。よって、本発明 の方法の生成物は、さらに躊躇することなく医薬組成物として使用してもよい。 したがって、本発明の方法は、天然に存在する核酸の鏡面対称の鏡映物である 生成物を提供する。これらの生成物は、一定の配列を有し、所定のリガンドに対 して高い結合アフィニティーを保有し、または所望の標的分子で所望の反応を触 媒する。それにより、高い生物学的安定性を示し、モノクローナル抗体と同様に 使用してもよい化学合成したポリマーが提供される。多彩な加水分解性質、しか し可能な合成特性も、本発明の分子を化学的または医薬的に使用することに関し て興味をそそらせる。 さらなる好ましい態様において、本発明は、下記工程: (ca)標的分子の光学対掌体と相互作用するD−核酸を増幅する工程、 を工程(c)に続いてさらに追加する方法に関する。 本発明のこの態様により、特に、不均質の出発集団に少数で存在するD−核酸 を選択してもよい。この好ましい態様の原理を図3に示す。追加の増幅工程は、 標的分子の光学対掌体への結合により得られた(高い)アフィニティ−Dー核酸 を増加させる。前記D−核酸は、繰り返しの選択工程でさらに濃縮してもよく、 または増幅後にそれらを直接配列決定してもよい。 しかしながら、増幅は、等温系で行なってもよい。かかる系は、例えば、グア テリ(Guatelli)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87(1990),1874-1878)およびウ オーカー(Walker)ら(Nucl.Acids Res.20(1992),1691-1696)により記載されて いる。 本発明の方法の別の好ましい態様において、工程(a)集団のD−核酸は、そ の5’および3’末端で、PCRにより工程(ca)で得られたD−核酸の増幅 を可能にするプライマー結合部位または、場合によりプライマー結合部位に相補 的な配列を提示する。 本発明の方法のこの態様は、D−核酸がRNAレベルで選択される場合に特に 好ましい。さらに、PCRとは別に追加の増幅工程としてDNA依存性RNAポ リメラーゼによる転写の使用がなされうる。したがって、これらの両増幅工程の 組合せは、標的分子の光学対掌体と相互作用するD−核酸材料の特に高い収量を 可能にする。 本発明の方法のさらに好ましい態様において、以下の工程: (cb)増幅したD−核酸を標的分子の光学対掌体と接触させる工程、 を工程(ca)に続いて追加する。この工程後、工程(d)を行なう前に工程( b)および任意に工程(ca)を行ない、それにより工程(cb)、(b)およ び任意に(ca)をこの順序で1回または数回繰り返してもよい。 PCRにより選択工程で単離されたD−核酸の増幅は、適した様式で所望のD −核酸の濃縮に導く。本発明の方法の好ましい態様において、ここで、増幅した D−核酸を標的分子の光学対掌体と接触させる複数のサイクル、続く未結合分子 の分離(選択)および増幅が起こり、最後に、最も高い結合アフィニティーを有 する核酸を選択する。標的分子の光学対掌体とD−核酸とのモル比を変えること により、大多数の(高い)アフィニティーのD−核酸(比>1)または1もしく は数個のみの核酸(比≦1)の観点から選択が起こってもよい。相応じて、工程 (e)は、1もしくは複数の高いアフィニティーL−核酸または(高い)アフィ ニティーL−核酸の大部分を生ずる。それぞれの結果は、選択工程の数を変える ことにより達成してもよく、それにより多数の選択工程が、高い結合アフィニテ ィーを有する1または複数のD−核酸を最後に生ずるであろう。 本発明の方法の増幅工程は、PCRにより適当に行なってもよい。PCRは、 その原理がサンブルーク(Sambrook)ら、前述に記載された従来技術で十分確立 された方法である。DNAばかりでなくRNAもPCRを介して増幅してもよく 、それにより逆転写酵素によるRNAの対応するcDNAへの翻訳を生じるプロ セス工程が、RNAの増幅に統合されてもよい。 しかしながら、増幅はまた、従来技術から知られた他の技術により達成されて もよい。 本発明の方法の別の好ましい態様において、ヌクレオチドは、新規に合成され る対象のヌクレオチド鎖に増幅中に組み込まれる。これらのヌクレオチドは、標 分子と相互作用し、かつ、工程(a)で述べたD−核酸のヌクレオチド位置で存 在しない。 この好ましい態様により、選択は、生物学的イン・ビボの進化と類似の様式で 、出発集団には存在しない新規なD−核酸種に関して起こってもよい。したがっ て、これは、イン・ビトロの進化の場合である。この方法のいくつかの変法が考 えられ、すべてが本発明の保護の範疇に該当する。 他方、このような増幅は、新規に合成される対象の鎖でヌクレオチドの組み込 み中に一定の割合のエラーを示す方法を介して行なってもよい。PCRは、この 種の公知の方法である。 但し、最適の結合に必要な結合部位が約25を越えるヌクレオチドを呈示する ならば、対応する配列が工程(a)の元の集団で得られない一定の蓋然性がある 。これは、一定の長さのヌクレオチド配列(25ヌクレオチドの範囲内にある) から出発して、実用性の理由によりこの集団にはいかなる可能な配列も含まれな いかもしれないという事実によるものである。 しかしながら、標的分子の対掌体への結合に関して最適な配列が実際に工程( a)の集団内に存在しない場合、それは、本発明の方法で選択してもよい。これ は、まず、該集団から最適下限の結合アフィニティーを有するD−核酸を単離す ることにより行なう(しかしながら、該集団内ではこの配列は最適の結合アフィ ニティーを有する分子である)。その後、この配列は、増幅中に変異を導入され る。かかる変異導入技術は、従来技術から知られている(例えば、ライト(Light )とレルナー(Lerner)、Bioorg.Med.Chem.3(1995),995-967およびパンネケー ク(Pannekoek)ら、Gene 128(1993),135-140)。それにより、全配列を変異導入 してもよい。変異導入した配列を、さらなる選択工程に供し、それにより複数の 増幅、変異導入およびその後の選択サイクルが、最適の結合特性を有するD−核 酸が得られるまで相互に続く。 さらに、実際的な理由として、その集団の最適な結合特性を呈示する短いD− 核酸を最初に取り込んでもよい。結合に必須の位置は、従来技術から公知の方法 により決定され、他のヌクレオチド領域は、より長いセクションにより置換され る。また、この手法後、1以上の増幅および選択サイクルを行なう。結合に必須 でない最適の結合特性を有するこのように決定された分子の配列の一部を、ラン ダム配列により再び置換する。このプロセス工程は、例えば、別の情況で国際公 開第91/19813号パンフレットに記載されており、そこでは「ウオーキン グ」と称された。 本発明のさらなる態様において、L−核酸は、天然の立体配置を有する標的分 子と直接相互作用するように作製される。したがって、本発明は、下記工程: (a)L−核酸の不均質集団を生成する工程; (b)工程(a)の集団を標的分子と接触させる工程; (c)標的分子と相互作用しないL−核酸を分離する工程; (d)標的分子と相互作用するL−核酸を配列決定する工程; (e)配列が工程(d)で決定された配列と同一であるL−核酸を合成する工程 を含むL−核酸の製造方法に関する。 L−核酸の不均質集団の生成は、従来技術から知られた方法(ウラタら、前述 )または実施例1に記載の方法に従って行なう。相互作用しないL−核酸を相互 作用するL−核酸から分離した後、該相互作用する核酸を標的分子から分離する 。次いで、L−核酸を、実施例4に記載された方法に従って繰り返し選抜する。 実施例4で使用したL−蛋白質の代わりに、この方法においてはD−蛋白質を使 用する。酵素の光学対掌体は、ミルトンら(前述)またはミューア(前述)に記 載の方法に従って製造してもよい。鎖は、実施例4に記載の方法または従来技術 に記載のいかなる方法によって分離してもよい。かかる方法の例は、鎖分離ゲル (マキサム(Maxam)とギルバート(Gilbert)、Proc.Natl.Acad.Sci.78(1977) ,560-564;マニアティス、前述)または固相シーケンス(フルトマン(Hultman) ら、Nucl.AcidsRes.17(1989),4937-4946、フルトマンら、BioTechniques 10( 1991),84-93)である。PCR後に得られる一本鎖DNAのさらなる可能性は、 内部スペーサー(例えば、ポリエチレングリコール)を有するプライマーを利用 することである(ウイリアムズ(Williams)とバーテル(Bartel)、Nucl.Acids Re s.23,(1995),4220-4221)。 配列決定に必要なL−デオキシヌクレオシド三リン酸およびL−ジデオキシヌ クレオシド三リン酸は、D−ヌクレオシドに関する従来技術で記載された方法に 従って、実施例1に記載されたL−ヌクレオシドを化学的に合成することにより 得られる。三リン酸塩の合成において、まず、4つのL−デオキシヌクレオシド を5’位置でリン酸化する(ヨシカワ(Yoshikawa)ら、Tetrahedron Lett.(50), 1967,5065-5068)。次いで、5’−モノホスフェートを、その5’−トリホス フェートに置換する(ホアード(Hoard)とオット(Ott)、J.Am.Chem.Soc.87(1 965),1785-1788)。L−ジデオキシヌクレオチド三リン酸を合成するために、 まず、L−デオキシヌクレオシドをL−ジデオキシヌクレオシドに転換する。ピ リミジン−L−ジデオキシヌクレオシドの合成は、ホルビッツ(Horwitz)ら(J.O rg.Chem.32(1967),817-818)およびジョシ(Joshi)ら(J.Chem.Soc.(1992), 2537-2544)に従って多工程プロセスで行なってもよい。グアノシン−L−ジデオ キシヌクレオシドは、ヘルデビジュン(Herdewijn)ら(J.Med.Chem.31(1988), 2040-2048)に従って合成してもよく、アデノシン−L−ジデオキシヌクレオシド は、シュー(Chu)ら(J.Org.Chem.54(1989),2217-2225)に従って合成してもよ い。次いで、それにより得られた4つのL−ジデオキシヌクレオシドを、ヨシカ ワ(Yoshikawa)ら(Tetrahedron Lett.50,(1967),5065-5068)およびホアード(H oard)とオット(Ott)(ホアードとオット、J.Am.Chem.Soc.87(1965),1785-17 88)の前記方法により5’−モノホスフェートの中間工程を介してそれぞれの5 ’−トリホスフェートに変換する。さらに好ましい態様において、本発明は、下 記工程: (ca)標的分子と相互作用するL−核酸を増幅する工程 を工程(c)の後に追加して導入する方法に関する。 L−核酸の増加は、ミルトンら(前述)またはミューア(前述)に記載の方法 に従って生成したD−ポリメラーゼにより達成される。特に、不均質の出発集団 中に少量で存在するようなL−核酸は、本発明の方法のこの態様により選択して もよい。この好ましい態様の原理を図5に示す。追加の増幅工程は、標的分子に 結合することにより得られた(高い)アフィニティーのL−核酸の数を増加させ る。これらは、繰り返しの選択工程により濃縮してもよく、または増幅後に配列 決定してもよい。 しかしながら、増幅は、対応するD−ポリメラーゼの助力により等温系で行な ってもよい。かかる系は、例えば、グアテリら(前述)およびウオーカーら(前 述)により、L−ポリメラーゼに関して記載されている。 本発明の方法の別の好ましい態様において、工程(a)集団のL−核酸は、そ の5’および3’末端で、鏡面対称PCRにより得られた工程(ca)で得られ たL−核酸の増幅を可能にするプライマー結合部位または、場合によりプライマ ー結合部位に相補的な配列を提示する。 本発明の方法のこの態様は、L−核酸がRNAレベルで選択される場合、特に 好ましい。さらに、鏡面対称PCRとは別の追加の増幅工程としてDNA依存性 D−RNAポリメラーゼにより鏡面対称転写の使用がなされうる。したがって、 これらの両増幅工程のの組合せは、標的分子の光学対掌体と相互作用するL−核 酸物質の特に高い収量を可能にする。 本発明の方法のさらに好ましい態様において、下記工程: (cb)増幅したL−核酸を標的分子と接触させる工程 を工程(ca)に続いて追加する。この工程後、工程(d)を行なう前に工程(b)お よび任意に工程(ca)を行ない、それにより工程(cb)、(b)および任意 に(ca)をこの順序で1回または数回繰り返してもよい。 鏡面対称PCRを介して選択工程で単離されたL−核酸の増幅は、適した様式 で所望のL−核酸の濃縮に至る。本発明の方法の好ましい態様において、ここで 、増幅したL−核酸を標的分子と接触させ、非結合分子のその後の分離(選択) および増幅の複数のサイクルを行ない、最後に、最高の結合アフィニティーを有 する核酸が選択される。標的分子とL−核酸とのモル比を変えることにより、大 多数の(高い)アフィニティ−L−核酸(比>1)または1もしくは数個のみの 核酸(比≦1)に関して選択を行なってもよい。相応じて、工程(e)は、1も しくは複数の高いアフィニティーL−核酸または大多数の(高い)アフィニティ −L−核酸を生ずる。それぞれの結果は、選択工程の数を変えることにより達成 してもよく、それにより、多数の選択工程が、高い結合アフィニティーを有する 1または複数のL−核酸を最後に生ずるであろう。 本発明の方法の別の好ましい態様において、ヌクレオチドは、新規に合成され るヌクレオチド鎖に増幅中に組み込まれる。これらのヌクレオチドは、標的分子 と相互作用し、かつ、工程(a)で述べたL−核酸のヌクレオチド位置で生じな い。 この好ましい態様により、選択は、生物学的イン・ビボの進化と類似の様式で 出発集団には存在しない新規なL−核酸種に関して起こってもよい。したがって 、これは、鏡面対称イン・ビトロ進化の場合である。この方法のいくつかの変法 が考えられ、すべてが本発明の保護の範囲に該当する。 好ましい態様において、本発明は、相互作用が結合である方法に関する。 本発明の方法のさらに好ましい態様において、相互作用は、触媒反応である。 相互作用に関与する分子は、触媒反応終了前に互いに相互作用しなければなら ないので、この態様は、例えば、(高い)アフィニティーD−核酸と標的分子の 光学対掌体との相互作用も包含する。 かかる触媒反応は、例えば、リボザイム(ロバートソンとジョイスら、前述等 を参照のこと)に関して記載されている。さらに、新規な触媒の例は、パン(Pan )とウーレンベック(Uhlenbeck)(Biochemistry 33(1994),9561-9565)およびバー テル(Bartel)とスゾスタック(Szostak)(Science 261(1993),1411-1418)により 記載されている。ロルシュ(Lorsch)とスゾスタック(Nature 371(1994),31-36) は、イン・ビトロの選択によりキナーゼ活性を有するリボザイムを同定すること に成功した。ブレーカー(BreaKer)とジョイス(Chem.Biol.1(1994),223-229) は、ホスホジエステル結合の切断を触媒する新規なデオキシリボザイムを記載し 、一方、キューノイド(Cuenoud)とスゾスタック(Nature 375(1995),611-614)は 、DNAリガーゼ活性を有するDNAメタロ酵素を同定することができた。 本発明の方法の別の好ましい態様において、工程(a)の核酸は、デオキシリ ボ核酸である。 本発明の方法の特に好ましい態様において、リボ核酸は、デオキシリボザイム である。 本発明の方法のさらに好ましい態様において、核酸は、リボ核酸である。 本発明の方法の特に好ましい態様において、リボ核酸は、リボザイムである。 本発明の方法のこの好ましい態様は、標的分子の光学対掌体に所望の分子を結 合することによるばかりでなく、それらの触媒活性によっても所望の分子の選択 を可能にする。したがって、本発明の方法の工程(b)は、前記標的分子の光学 対掌体への結合に直接関連して、通常、標的分子またはその一部である基質の切 断をも含む。それにより、基質の切断は、さらなる増幅および好適なリボザイム の選択の出発点であってもよい。対応する系は、特にロバートソンとジョイス( 前述)により記載されている。 本発明の方法のさらなる態様において、標的分子は、アミノ酸、ペプチド、ポ リペプチドまたは複数のポリペプチドからなる蛋白質である。該ポリペプチドま たは蛋白質は、グリコシル化されてもよく、グリコシル化されていなくてもよい 。 本発明によれば、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドおよび蛋白質は、D−核 酸またはL−核酸(?)が相互作用できるこれらの(巨大)分子のいかなるもの であってもよい。かかる(巨大)分子の例は、酵素、構造蛋白質およびホルモン である。したがって、(巨大)分子は、より大きな構造の構成成分であってもよ く、または希釈された型で生物学的系に存在してもよい。 本発明の方法の別の好ましい態様において、標的分子は、一本鎖RNA、二本 鎖RNA、一本鎖DNAまたは二本鎖DNAならびにそれらの組合せである。 これらの核酸が種々の条件下で種々のコンフォメーションをとることは当業者 にとって当然のことである。本発明の方法は、これらの(巨大)分子またはそれ らの組合せがとるであろういかなるコンフォメーションをも含む。さらに、本発 明の方法は、これらの巨大分子の組合せを含む。かかる組合せは、例えば、一本 鎖および二本鎖RNAもしくはDNAまたは三重らせんからなってもよい。 抗生物質または医薬上有効な基質またはその前駆体が、本発明の方法のさらに 好ましい態様の標的分子である。 好ましい医薬上有効な基質は、例えば、ステロイド、ACEインヒビター、β −ブロッカーおよび利尿剤である。したがって、治療法は、本発明のL−核酸に より有効に妨害されてもよく、抗生物質または医薬上有効な基質の半減期が有効 に低下してもよい。 本発明の方法のさらに好ましい態様において、標的分子は、分枝状または非分 枝状の多糖等の糖分子である。 本明細書で用いられる「糖分子」という用語は、モノマーばかりでなく複雑な 糖構造の組合せにも関する。 本発明の方法の別の態様において、工程(e)のL−核酸の合成は、化学的ま たは酵素的手法で行なう。 本発明の方法の特に好ましい態様において、工程(e)のL−核酸の化学合成 は、下記工程: (ea)L−ヌクレオシドを合成する工程; (eb)保護されたL−ヌクレオシドホスホロアミダイトを合成する工程;およ び (ec)合成機でL−核酸を固相合成する工程、 を含む。 さらに、本発明は、前記したように、標的分子に特異的に結合するL−核酸に 関する。 本発明のL−核酸は、本発明の方法により製造されることが好ましい。さらに 、本発明のL−核酸は、標的分子の光学対掌体を利用する選択工程およびマトリ ックスとしてD−核酸を利用する合成工程のみを用いるとすれば、本発明の方法 のいかなる変法で製造されてもよい。 本発明のL−核酸は、種々の異なる方法で使用してもよい。標的分子に対する 高いアフィニティーにより、それらは、モノクローナル抗体と類似の様式で用い てもよい。例えば、それらは、マーカーまたは細胞傷害性基とともに提供されて もよい。本発明のL−核酸は、標的分子の生物学的機能を刺激または阻害するた めに用いてもよい。さらに、該L−核酸は、担体に結合されてもよく、標的分子 を精製または分離するためのアフィニティー材料として用いてもよい。固定化さ れたL−核酸は、例えば、エナンチオマーまたはエナンチオマー性不純物を分離 するために用いてもよい。さらに、それらは、細胞性因子または細胞の精製およ び/または分離のために使用してもよい。DNA配列に関して知られていること に従って、本発明の方法において、例えば、蛋白質配列に由来する対応する光学 対掌体(D−蛋白質またはD−ペプチド)を用い、それにより、アフィニティー 材料を特異的に製造することが可能である。さらに、固定化されたL−核酸は、 透析による毒性成分の分離におけるような細胞性因子または細胞を分離するため に、アフィニティー材料として使用してもよい。 特に好ましい態様において、本発明のL−核酸は、L−リボ核酸である。この L−リボ核酸は、一本鎖または二本鎖の型で存在してもよい。 別の特に好ましい態様において、本発明のL−核酸は、リボザイムである。 本発明は、初めて、高いアフィニティーL−オリゴリボヌクレ才チドまたはL −オリゴデオキシリボヌクレオチドを記載する(実施例1を参照のこと)。該方 法により同定されたL−RNAは、D−アデノシン(実施例2を参照のこと)ま たはL−アルギニン(実施例3を参照のこと)に特異的に結合する。比較実験に より、これらの高いアフィニティーL−オリゴリボヌクレオチドは、アデノシン の対応するエナンチオマー型(実施例2を参照のこと)またはアルギニンの対応 するエナンチオマー型(実施例3を参照のこと)を結合することが示された。し たがって、高いアフィニティーのオリゴリボヌクレオチドの両方のエナンチオマ ー型は、折り畳まれて正確に同一の様式で三次元構造を獲得してもよいことが証 明されえた。したがって、光学エナンチオマーの生物学的活性に関するパスツー ルの予言(前述)を確認することができた。 さらに特に好ましい態様において、本発明のL−核酸は、L−デオキシリボ核 酸である。 本発明のL−リボ核酸に関してすでに述べたように、L−デオキシリボ核酸は 、一本鎖または二本鎖の型で存在してもよい。 さらに特に好ましい態様において、本発明のL−核酸は、デオキシリボザイム である。 さらに、本発明は、同一の核酸配列を有するL−核酸の製造用のマトリックス として工程(c)および/または工程(ca)で得られたD−核酸の使用を含む 。 さらに、本発明は、前記記載の方法により得られたL−核酸または前記記載の L−核酸の1つ、共有結合の修飾および/または医薬上許容されうる担体との可 能な組合せを含む医薬組成物を含む。 本発明の医薬組成物は、多くの異なる方法で使用してもよい。しかしながら、 当然のこととして、医薬組成物の有効範囲は、L−核酸の特異性に依存する。本 発明の医薬組成物は、例えば、癌、ウイルスおよび細菌感染ならびに高血圧の治 療に使用してもよい。各場合において、担当の医師は、適用、投与量および治療 の持続期間のそれぞれの方法に関して決定し、そこでは疾患の重症度ならびに患 者の年齢および一般的な状態が、担当の医師により考慮されるべきパラメーター のいくつかである。必要と思われるならば、本発明のL−核酸を医薬上許容され うる担体との組合せで投与される。添加剤の選択は、特に、適用の型に依存する 。しかしながら、当業者であれば、どの担体がそれぞれの医薬組成物に添加され るべきかを従来技術から知っている。 最後に、本発明は、前記記載の方法により得られたL−核酸または前記L−核 酸を含むキットおよび診断薬に関する。本発明のキットは、診断および分析目的 に使用してもよい。前記したように、本発明のL−核酸は、抗体と類似の様式で 使用してもよいので、当業者は、本発明のキットの適用分野としてそれらを使用 するために、当業者の自由にポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の診 断可能性の完全な範囲をもっている。本発明のキットのL−核酸は、例えば、マ ーカーとともに提供されてもよく、標的分子のイン・ビトロ証明用に提供されて もよい。 また、L−核酸は、例えば、表面プラズマ共鳴センサー、エバネッセント場セ ンサーまたはグリット結合剤を伴ってバイオセンサーとして使用してもよい。し たがって、本発明の方法により得られたL−核酸または本発明のL−核酸のバイ オセンサーとしての使用は、本発明のさらなる主題である:L−核酸は、除草剤 として、食料品の添加剤として、芳香性および/または味覚性物質の決定のよう な分析方法用または老化防止クリームもしくはサンローションのような化粧品使 用のために用いることも考えられうる。 この態様および他の態様は、当業者に開示されている。それらは、当業者に自 明であり、本発明の明細書および実施例に含まれる。例えば、本発明の意義にお いて適用してもよい前記方法、手段および使用の1つに関するさらなる文献は、 電子補助手段等を用いることによる公共の図書館のような従来技術からわかりう る。この目的のために、インターネットを介してアクセスされる「メッドライン (Medline)」のような他の公共のデータベースを、例えば、http://www.ncbi-n lm.nih.gov/PubMed/medline.html.のアドレス下で調べてもよい。他のデータベ ースとアドルスは、当業者に公知であり、http://www.lycos.com.のアドレス下 等のインターネットから利用してもよい。バイオテクノロジー特許または特許出 願に関するソースおよび情報の要約は、バークス(Berks)、TIBTECH 12(1994),3 52-364で与えられる。 図面は、以下のように示す: 図1:高いアフィニティーRNAの設計。工程(a)において、まず、不均質D NAマトリックスを生成する。このマトリックスの合成は、化学法により行なっ てもよい。しかしながら、該マトリックスは、例えば、天然に生成されたDNA の切断産物およびライゲーション反応を介してそれに連結したPCR用プライマ ーからなってもよい。続く工程(b)において、該マトリックスをPCRにより 増幅する。かかる方法で得られたDNAを工程(c)で転写し、続いて、標的分 子と接触させる。(高い)アフィニティーRNAは、標的分子に結合する。未結 合分子を分離後、(高い)アフィニティーRNAを逆転写酵素によりcDNAに イン・ビトロで転写する。最後に、工程(f)において、相補的cDNA鎖を合 成し、それにより再び二本鎖cDNA分子を得る。次いで、この分子を再び増幅 して特異的結合に関して選択することができる。 図2:鏡像対称選択:工程(a)において、不均質D−DNAまたはD−RNA の集団を提供する。工程(b)において、これらを標的分子の光学対掌体と接触 させる。標的分子の光学対掌体と相互作用するD−核酸を、他のD−核酸から分 離する(選択)。相対的に同種の組成を有する十分高い量が標的分子の光学対掌 体と相互作用するならば、ブラックウェルら(前述)により記載されたストラテ ジーに従って、これらを配列決定してもよい。ミクローシーケンス法は、例えば 、デイビス(Davis)ら(Genet.Anal.Tech.Appl.8(1991),1-7)およびハーディ ング(Harding)とケラー(Keller)(Trends Biotechnol.10(1992),55-57)により 記載されている。対応するL−DNAまたはL−RNAは、得られた配列情報の 助けを借りて合成してもよい(工程d)。次いで、このL−DNAまたはL−R NAは、標的分子と特異的に相互作用するであろう(工程e)。 図3:鏡像対称選択または進化:これらのプロセス工程は、選択工程(b)後に 選択された材料を増幅することを除いて、図2に示されたものと一致する。ドゥ ノボのcDNAまたはRNA合成中に増幅された材料でエラーが発生するならば 、即ち、増幅された材料が配列情報に関して出発集団よりもさらに不均質である ならば、増幅工程は改変工程をも含む。したがって、生物学的進化を推進するす べての力は、該系においてイン・ビトロで一体化される。 図4:L−核酸での鏡像対称選択。L−核酸での鏡像対称選択:工程(a)にお いて、不均質L−DNAまたはL−RNAの集団を提供する。工程(b)におい て、これらを標的分子と接触させる。標的分子と相互作用するL−核酸を、他の L−核酸から分離する(選択)。相対的に均質な組成を有する十分高い量のL− 核酸が標的分子の光学対掌体と相互作用するならば、ブラックウェルら(前述) により記載されたストラテジーに従って、これらを配列決定してもよく、それに より対応するL−蛋白質がD−蛋白質によって置換される。ミクローシーケンス 法は、例えば、デイビスら(前述)およびハーディングとケラー(前述)により 記載されている。対応するL−DNAまたはL−RNAは、得られた配列情報の 助けを借りて合成してもよい(工程d)。次いで、このL−DNAまたはL−R NAは、標的分子と特異的に相互作用するであろう(工程e)。 図5:鏡像対称選択または進化。該プロセス工程は、不均質L−核酸の集団が提 供され、用いたL−蛋白質がD−蛋白質によって置換されるという改変を除いて 、図3に示されたものと一致する。配列情報は、繰り返しのイン・ビトロの単離 後に決定されうる(実施例4を参照のこと)。 図6:L−リボホスホロアミダイトシントン。 図7:担体結合L−リボヌクレ才シド(保護)の合成。 図8:L−RNAの固相合成。 図9:L−デオキシリボホスホロアミダイトシントン。 図10:担体結合L−デオキシリボヌクレオシド(保護)の合成。 図11:L−DNAの固相合成。 図12:L−アデノシン結合配列とコンセンサスモチーフとの比較。枠で囲んだ ヌクレオチドは、保存配列の領域を示す。WはAまたはTを表し、HはA、Cま たはTを表す。ボックスIIのモチーフは、通常の二次構造との比較後にのみ整合 することができた。元のランダム配列を有する領域由来のヌクレオチドを大文字 で表し、一方、プライマー領域のヌクレオチドを小文字で表す。下線の位置は、 二次構造モデルで塩基対形成に加わる。配列D−A12およびD−A83をコン センサスダイアグラム内に挿入するために、5’末端をスキームの中央に配置し た。 図13:D−A42dの二次構造モデル。保存されたヌクレオチドを丸で囲む。 図14:L−アデノシンへのD−A42d結合()およびD−アデノシンへのL −A42d結合(○)。 図15:D−A42dの酵素による消化。5’標識オリゴリボヌクレオチドは、 レーンa−hで調べ;3’標識オリゴリボヌクレオチドは、レーンi〜pで調べ た。レーンa、g、iおよびo:アルカリ処理剤;レーンbおよびn:RNアー ゼT1(変性条件);レーンcおよびm:RNアーゼT1;レーンdおよびl:R NアーゼV1;レーンeおよびk:RNアーゼT2;レーンfおよびj:ヌクレア ーゼS1:レーンhおよびp:未切断。 図16:D−A42dおよびL−A42dのCDスペクトル。 図17:L−A42dの競合結合曲線。D−アデノシン(○)、D−ウリジン( □)、D−グアノシン(●)、D−シチジン(■)およびL−アデノシン(△) との競合を示す。各実験は2回行なった。 図18:L−A42dの競合結合ファクター。ヌクレオシドアナログの解離定数 (Kdc)およびD−アデノシン競合に対する競合剤(KdD−A)の相対的結合 アフィニティー(Kdc/KdD−A)を示す。 図19:ヒト血清におけるオリゴヌクレオチドリガンドの安定性。(A)D−オ リゴリボヌクレオチドD−A42dおよび(B)L−オリゴリボヌクレオチドL −A42d。示された時間にアリコートを取った。Lはサイズ標準(10bpコ ンダクター)を示す。該結果は、独立した実験で再現された。 図20:D−アルギニン結合配列とコンセンサスモチーフとの比較。該分析にお いて、それぞれが保存された配列モチーフ(seqlおよびseq2と称する) を含む2つのクラスのRNA分子(D−RAおよびD−RBと称する)を決定し た。本来ランダム配列を有する領域のヌクレオチドを大文字で示し、一方、プラ イマー領域のヌクレオチドを小文字で示す。下線の位置は、二次構造モデルで塩 基対形成に加わる。 図21:D−RAおよびD−RBのコンセンサスモチーフの二次構造モデル。 図22:D−R16cの酵素による消化。図は、変性ポリアクリルアミドゲルで 分析した酵素消化産物のオートラジオグラムを示す。保存されたモチーフ中のヌ クレオチドを括弧で示す。5’標識オリゴリボヌクレオチドは、レーンa〜iで 調べ、3’標識オリゴリボヌクレオチドは、レーンk〜sで調べた。レーンa、 h、kおよびr:アルカリ処理剤:レーンd〜gおよびレーンn〜q:固有の条 件。レーンdおよびn:RNアーゼT1。レーンeおよびo:RNアーゼT2。レ ーンfおよびp:RNアーゼS1。レーンgおよびq:RNアーゼV1。レーンb 、c、lおよびm:変性条件。レーンbおよびl:B.セレウス(cereus)。レー ンcおよびm:RNアーゼT1。 図23:D−R16cの二次構造モデル。矢印は、RNアーゼT1◆)、RNア ーゼT2(■)、RNアーゼS1()およびRNアーゼV1(●)の部位を示す。 黒塗りの印は、強い切断を示し、白抜きの印は、弱い切断を示す。 図24:D−R16cのD−アルギニン(■)およびL−アルギニン(□)への 結合。 図25:D−R16cおよびL−R16cのCDスペクトル。 図26:L−R16cのL−アルギニン(●)およびD−アルギニン(○)への 結合。 図27:L−R16cのL−アルギニン()およびTatペプチド(△)との 競合結合分析。 図28:反復イン・ビトロ単離および配列決定。まず、不均質のRNA分子の集 団を逆転写酵素によりcDNA分子に翻訳する。相補鎖合成後、DNA分子をP CRにより増幅する。希釈または分割により、集団の不均質性を低下させてもよ い。続いてPCR増殖後、DNA分子が単一化されるまでサイクルで方法を行な ってもよい。次いで、配列をジデオキシシーケンスにより決定してもよい。 図29:反復イン・ビトロ単離後に決定された配列。 実施例により本発明を説明する。 実施例1 L−オリゴリボヌクレオチドの合成 L−アデノシンを、ホリー(Holy)とソーム(Sorm)(Collect.Czech.Chem.Com mun.34(1969),3383-3401)に従って、L−アラビノースから出発してベンジル −β−L−アラビノピラノシドおよび2−O−トシル−5−O−トリチル−L− アラビノースへの転換を介して調製した。L−ウリジンの合成に関しては、まず 、2,2’−O−アンヒドロ−L−ウリジンを、ホリー(Holy)(Collect.Czech .Chem.Commun.37(1972),4072-4087)に従って、L−アラビノースから調製し た。その後、ホリー(Holy)(Collect.Czech.Chem.Commun.38(1973),423-427 )に従って、それをベンゾイル化して3’,5’−ジ−O−ベンゾイル誘導体に し、ボロントリフルオリドエーテレートとの反応後、べンゾイル化L−ウリジン をアルカリブロッキングに供した。L−シチジンおよびL−グアノシンを、D− ヌクレオシドに関してフォルブリュッゲン(Vorbruggen)ら(Chem.Ber.114(1981 ),1234-1255)により記載されたように、シリル化複素環および過アシル化ペン トースから得て、その際に、ゾウ(Zou)とロビンス(Robins)(Can.J.Chem.65(1 987),1436-1437)と同様にして、2−N−アセチル−6−O−ジフェニルカルバ モイルグアニンをL−グアノシンの合成に用いた。過アシル化ペントースを調製 するために、まず、アベ(Abe)ら(Chem.Pharm.Bull.28(1980),1324-1326)に 従ってエピマー化によりL−リボースをL−アラビノースから得て、その後、レ コンド(Recondo)とリンデルクネッヒト(Rinderknecht)(Helv.Chim.Acta 42(19 59),1171-1173)によりD−異性体に関して記載されたように、三段階の合成で 1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノシ ドに誘導した。 固相合成用ホスホロアミダイト(図6)を調製するために、ヌクレオシドの環 外アミノ基を、D−ヌクレオシドに関して記載されたように、チー(Ti)ら(J.Am .Chem.Soc.104(1982),1316-1319)に従ってアデノシンおよびシチジンのベン ゾイル化ならびにフロッカージ(Flockerzi)ら(Liebigs Ann.Chem(1981),1568- 1585)に従ってイソブチル化により保護した。塩基を保護したヌクレオシドおよ びウリジンを、ウスマン(Usman)ら(J.Am.Chem.Soc.109(1987),7845-7854) と同様にして、それらの5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−トリイソプ ロピルシリル誘導体に転換した。次いで、該誘導体を、ミレッキ(Milecki)ら(Nu cleosides Nucleotides 8(1989),463-474)に従って、それぞれそれらの3’− O−(β−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイトに転換 した。ウスマン(Usman)ら(J.Am.Chem.Soc.109(1987),7845-7854)によりD −異性体に関して記載されたように、担体に結合した保護ヌクレオシドを生成し た(図7)。 L−オリゴリボヌクレオチドの化学固相合成に関して、アプライド・バイオシ ステムズ(Applied Biosystems)社の装置(モデル391 PCR−MATETME Pおよびモデル394)が使用された。合成は、DNA標準サイクルにより0. 2μmolのスケールで行ない(図8)、その際に、カップリング工程を15 分まで延長した。 合成後、担体からオリゴヌクレオチドを分離して保護基を切断するために、担 体に結合した保護L−オリゴリボヌクレオチドを、32%アンモニアとエタノー ルの3:1(v/v)混合物1ml中で55℃で24時間インキュベートした。 溶液を除去し、担体物質をエタノールと水の1:1(v/v)混合物400μl で洗浄した。5μlのアリコートを回収した上清から取り、260nmでのUV 吸収を決定した。その後、試料を乾燥濃縮した。2’−ヒドロキシル保護基を切 断するために、オリゴリボヌクレオチドを(10×A260)μlのテトラブチル アンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン中1.1M)でインキュベートし 、(1×A260)μlのエタノール−水(1:1、v/v)で希釈し、RTで7 2時間インキュベートした。 過剰のテトラブチルアンモニウムフルオリドを、チップ500カラム(QIAGEN) により除去した。したがって、試料を0.1Mトリエチルアンモニウムアセテー ト(TEAAc)、pH7.0により総量10mlに希釈し、0.1M TEA Ac、pH7.0で平衡化したカラム上に置いた。該カラムを、各30mlの0 .1M TEAAc、pH7.0で2回洗浄し、次いで、試料を10mlの2M TEAAc、pH7.0で溶出した。溶出液を乾燥濃縮し、変性ポリアクリル アミドゲル電気泳動により精製した。生成物のバンドをUV明暗により検出し、 切り出した。L−オリゴリボヌクレオチドをH2Oで10時間ゲル片から溶出し 、溶出液を、NAPTM10カラム(Pharmacia)で脱塩した。 L−オリゴデオキシリボヌクレオチドの合成 L−2’−デオキシアデノシンおよびL−2’−デオキシグアノシンを、ロビ ンス(Robins)ら(J.Am.Chem.Soc.105(1983),4059-4065)によりD−ヌクレオ シドに関して記載されたように、L−アデノシンまたはL−グアノシンから出発 して還元により調製した。L−2’−デオキシチミジンおよびL−2’−デオ キシシチジンを、ホリー(Holy)(Collect.Czech.Chem.Commun.37(1972),407 2-4087)に従って、数段階で調製した:L−ウリジン−合成からの中間体生成物 3’,5’−ジ−O−ベンゾイル−2,2’−アンヒドロ−L−ウリジンを、還 元および脱ブロック化後にL−2’−デオキシウリジンを供給する2’−クロロ −2’−デオキシ誘導体に転換した。ホルムアルデヒドを伴う水酸化カリウム溶 液への移送およびその後の触媒還元は、L−2’−デオキシチミジンを供給した 。L−2’−デオキシシチジンは、3’,5’−ジ−O−ベンゾイル−2’−デ オキシウリジンから加圧によるメタノールアンモニアでの変換によりそれを4− チオ誘導体に置換した後に得られた。 ホスホロアミダイトの調製は、D−デオキシヌクレオシドに関して記載された ように行なった(図9)。L−2’−デオキシアデノシンおよびL−2’−デオ キシシチジンの場合、環外アミノ基を、チーら、前述に従ってベンゾイル化した ;2’−デオキシグアノシンの場合、それらをイソブチル化した。L−2’−デ オキシヌクレオシドの5’−ヒドロキシル基を、シャラー(Schaller)ら(J.Am. Chem.Soc.85(1963),3821-3827)に従って、4,4’−ジメトキシトリチルク ロリドによりそれぞれのトリチルエーテルに変換した。L−2’−デオキシヌク レオシドホスホロアミダイトを、ミレッキら、前述に従って、保護されたL−2 ’−デオキシヌクレオシドをβ−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライ ソプロピルホスホロジアミダイトで変換することにより調製した。担体に結合し た保護L−2’−デオキシヌクレオシドを、アトキンソン(Atkinson)とスミス(S mith)(ガイト(編)、Oligonucleotide Synthesis,1984,IRL Press,Oxford, p.35-81中)のD−異性体と同様に調製した(図10)。 L−オリゴデオキシヌクレオチドの固相合成は、0.2μmolのDNA標準 サイクルで、アプライド・バイオシステムズ(AppliedBiosystems)社の装置(モ デル391 PCR−MATETM EPおよびモデル394)を用いて行なった (図11)。 合成後、担体からオリゴヌクレオチドを分離してリン酸基または塩基保護基を 切断するために、担体に結合した保護L−オリゴリボヌクレオチドを、32%ア ンモニア1ml中で55℃で24時間インキュベートした。溶液を除去し、乾燥 濃縮した。取り出されたL−オリゴデオキシリボヌクレオチドを、変性ポリアク リルアミドゲル電気泳動により精製した。生成物のバンドをUV明暗により検出 し、切り出した。L−オリゴデオキシリボヌクレオチドをH2Oで10時間ゲル 片から溶出し、溶出液を、NAPTM10カラム(Pharmacia)で脱塩した。 実施例2 D−アデノシン特異的L−オリゴリボヌクレオチドの同定方法 L−アデノシンのカップリング アフィニティークロマトグラフィーによりアフィニティーオリゴヌクレオチド リガンドを選択するために、L−アデノシンをセファロースに固定した。L−ヌ クレオシドを、実施例1に記載のように合成し、ジョーンズ(Jones)とロビンス( Robins)(J.Am.Chem.Soc.85(1963),193-201)と同様に、ヨード酢酸でアルキ ル化して1−カルボキシメチル−L−アデノシンにした。0.25M NaOH 中95℃で2時間のアルカリ転位後、生じたN6−カルボキシメチル−L−アデ ノシンを、リンドバーグ(Lindberg)とモスバッハ(Mosbach)(Eur.J.Biochem.5 3(1975),481-486)に従って、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エ チルカルボジイミドの存在下で、1,6−ジアミノヘキサンで縮合してN6−[( 6−アミノヘキシル)−カルバモイルメチル]−L−アデノシンとした。L−ア デノシン誘導体を、3.5mMの最終濃度でCNBr−活性化セファロース4B (Pharmacia)にカップリングした。 アデノシン結合モチーフの同定 約1015のランダム配列を有する組合せD−RNAライブラリーを、60ヌク レオチドの長さのランダム配列を有する領域を含むDNA分子の混合物からT7 −RNA−ポリメラーゼでのイン・ビトロ転写により得た。該領域は、20ヌク レオチドの長さで下記所定の配列を有するDNAエリアによって限定された: (5’−CCA’AGC’TTG’CAT’GCC’TGC’AGN60’GGT ’ACC’GAG’CTC’GAA’TTC’CC−3’)。 カラムアフィニティーリガンドの濃縮を回避するために、まず、RNAを、すべ ての選択サイクルにおいて負荷していないカラム材料を有するプレカラム上に置 いた。第1の選択サイクルにおいて、プレカラムの基礎カラム容量は、150μ lであり、メインカラムのそれは、400μlであった。約4nmo1のプール RNA(1.3×1015の異なる分子)を、結合緩衝液(250mM NaCl 、40M Tris/HCl pH7.6、5mM MgCl2および0.5m M EDTA)中のカラム上に置いた。1回目の選択サイクル中に、用いたRN Aの0.06〜0.07%を、結合緩衝液中15mM L−アデノシンでアフィ ニティーカラムから特異的に溶出することができた。すべての他の選択サイクル において、約1nmolのRNAを適用し、100μl−プレカラムまたは25 0μlメインカラムを用いた。6回目の選択サイクルにおいて、結合したRNA 分子の38%を、L−アデノシンで特異的に溶出することができた。リガンドの 立体特異性を増加させるために、このサイクルを繰り返した。L−アデノシンで 溶出する前に、アフィニティー材料をD−アデノシンで洗浄し、それによりL− アデノシンで溶出されるRNAの一部が18%に低下した。さらに4回の選択サ イクルの後、特異的に結合したRNAリガンドの画分が再び40%に上昇した。 このサイクルのPCR産物を制限エンドヌクレアーゼEcoRIおよびpstI で消化し、ベクタープラスミドpT7/T3(Gibco BRL)にクローニングし、 サンガーの方法に従ってシーケンスした。選択されたRNA分子の配列分析は、 シーケンスしたクローンの20%に見られたコンセンサスモチーフを得た(図1 2)。共通の二次構造モデルは、コンセンサスモチーフを有する配列に関して提 案することができた(図13)。 L−アデノシン特異的RNA分子のキャラクタライゼーション 個々の解離定数(Kd)を、微量透析チャンバーでの平衡透析により決定した 析膜(分子量の境界:2000)により隔てられた。RNA濃度は、260nm での分光光度計で決定した。RNA分子の個々の吸光係数を、完全アルカリ加水 分解によりゾウグ(A.J.Zaug)ら(Biochemistry 27(1988),8924-8931)に従っ て決定した。解離定数を測定するために、RNAを結合緩衝液中、90℃で10 分変性し、10分以内に室温まで冷却し、次いで、10nM D−[2,8−3 H]アデノシン(Moravek Biochemicals,Inc.)またはL−[2,8(n)−3H] アデノシン(Amershamによりトリチル化)の溶液に対して0.1〜50μMの濃 度で結合緩衝液で平衡化した。各区画を40μlの溶液で満たした。18℃で2 4時間インキュベートした後、35μlのアリコートを取り、試料の放射能をシ ンチレーションカウンターで測定した。RNA含有区画での放射能と比較した2 つの区画の放射能の差は、RNAへのアデノシン結合のパーセントであると仮定 した。データは、コノーズ(Connors)(Binding constants,1987,John Wiley & Sons,NewYork)に従って非直線回帰分析により1:1の化学量論の標準結合式に 適合させた。 コンセンサスモチーフを有するクローンのT7転写物は、L−アデノシンの結 合に対して1.1〜10μMの範囲の解離定数を示した。最良のリガンドD−A 42(1.1±0.1μMのKd)の短縮バージョンを調べた。58マーのD− A42d(図13)は、1.7±0.1μMの解離定数を示した(図14)。5 ’−および3’末端での短縮とは別に、D−A42dは、31/32位および4 1/42位の間の2個のGヌクレオチドが欠失している。また、54位のAは、 Cに置換されていた。 D−A42dの二次構造モデルは、ヌクレアーゼ消化から得られたデータ(図 15)と一致している。固有の消化に関して、5’−および3’−標識オリゴリ ボヌクレオチドを90℃で変性させ、結合緩衝液中でハイブリダイズさせた。各 切断反応に対して、100,000cpm(約30fmol)の標識才リゴリボ ヌクレオチドを用いた。切断は、ナップ(G.Knapp)(MethodsEnzymol.180(1989) ,192-212)により記載されたように行なった。切断産物を、変性25%ポリアク リルアミドゲルで分離した。予想された一本鎖領域の37位でのGのみがRNア ーゼT1により明らかに切断された。RNアーゼT2のG47位およびA48位で の切断ならびにG10、C11、A12、A13およびA27位での一本鎖特異 的ヌクレアーゼS1の切断は、G10/G16とG47/G51との間の保存さ れた内部ループならびにU34/A40間のループ領域を確認した。U2−A7 、G10、C30−U32、U45およびU52−G56位の二本鎖特異的RN アーゼV1での切断は、二次構造モデルと一致する。G16/C26位間の予想 されたヘアピン領域中の一本鎖および二本鎖特異的ヌクレアーゼの反応性は、低 かった;したがって、コンパクトな三次構造が発生することを予想してもよい。 逆の結合特異性 D−A42dを同定後、同一のヌクレオチド配列を有するL−オリゴリボヌク レオチド(図13)を、実施例1に記載のように化学固相合成により調製した。 L−オリゴリボヌクレオチドの立体化学的純度を円二色性分光光度法により評価 した。CDスペクトルは、JASCO J−600分光旋光計で、4℃、0.1 M NaClおよび10mM リン酸ナトリウム、pH7.0中で1A260オリ ゴヌクレオチドにより取った。D−A42dとL−A42dのスペクトルは、同 様の大きさの相反する光学反応を示す(図16)。D−A42dとL−アデノシ ンとの結合を比較した場合に、鏡面対称リガンドL−A42dは、D−アデノシ ンに対する同一のアフィニティーを示した(1.8±0.1μMのKd)(図1 4)。キラル結合特異性の証明は、競合により確認することができた。D−アデ ノシンに対するD−A42dおよびL−アデノシンに対するL−A42dのアフ ィニティーは、20mMを越えている(図17および18)。したがって、ホモ キラル相互作用は、ヘテロキラルアフィニティーに比べて9000倍弱い。リガ ンドの逆のキラル特異性は、核酸の等価性がダメージを受けず、かつ、結合活性 がヌクレオチド配列により独占的に決定されることを示す。 L−A42dとの相互作用の分子成分 L−オリゴリボヌクレオチドとD−アデノシンとの相互作用は、ヌクレオシド アナログとの競合によりキャラクタライズされた(図17および18)。競合実 験は、前記記載のように微量透析チャンバーでの平衡透析により決定し、それに より3μM RNAは、240nM アデノシンおよび漸増する濃度の競合剤で 平衡化された。結合したアデノシンのパーセントは、前記記載のように決定し、 競合剤の非存在下で1に標準化した。データは、リン(Lin)とリッジ(Riggs)(前 述)に従って、競合剤とRNAとの1:1化学量論で標準競合式に適用させ、そ れにより、D−アデノシンへのL−A42d結合に関して1.8μMの解離定数 を使用した。D−グアノシンは4.8μMのKdcを示し、一方、D−ウリジン およびD−シチジンの競合解離定数はミリモルの範囲内であるので、ヌクレオシ ドのN−グリコシド結合は、相互作用において重要な機能を有する。2’−ヒド ロキシル基の非存在下では、Kdcは、2’−デオキシ−D−アデノシンに対し て1.4mMに、および2’−O−メチル−D−アデノシンに対して12.9m Mに増加し、一方、3’−デオキシ−D−アデノシンと3’−O−メチル−D− アデノシンとの競合は、D−アデノシンに関して得られたようなKdcと類似か さらによいことになる。したがって、N−グリコシド結合を除いて、2’−ヒド ロキシル基も分子の相互作用に重要であると思われる。 アデノシン特異的リガンドの血清安定性 D−およびL−オリゴリボヌクレオチドを、10mMリン酸ナトリウム、pH 7.0で緩衝化した90%ヒト血清(Sigma、H-1388)中、10μMの濃度でイ ンキュベートした。長期実験で一定の容量とpH条件を得るために、長期実験は 、37℃、94.5%湿度および5%CO2でインキュベーター中で行なった。 分取したアリコートを同容量の停止溶液(8M尿素、50mM EDTAおよび 2%SDS)と混合し、液体窒素で凍結した。試料(55pmol RNA)を 変性12%ポリアクリルアミドゲルで分離した。該ゲルを臭化エチジウム溶液( 1μg/ml)で染色し、バンドを254nmで可視化した。ビデオデンシトメ ーターによるデジタル化ゲル記録を、コンピュータープログラムにより評価した 。D−オリゴリボヌクレオチドD−A42dは、ヒト血清中で数秒以内に分解さ れるのに対して、同一の条件下でL−オリゴリボヌクレオチドL−A42dに関 しては60時間後でさえも分解を測定されない(図19)。 実施例3 L−アルギニン特異的L−オリゴリボヌクレオチドの同定方法 D−アルギニンのカップリング アフィニティー材料は、D−アルギニンをエポキシ活性化アガロースにカップ リングすることにより調製した。即ち、5gのエポキシ活性化アガロース6B(P harmacia)を水およびカップリング緩衝液(0.1M炭酸ナトリウム緩衝液、p H9.5)で洗浄した。該アガロースを、カップリング緩衝液中10mM D− アルギニン(Sigma)およびトレースのL−[4,5−3H]アルギニンに再懸濁した 。室温で24時間のインキュベーション後、わずかに振盪させることにより、該 材料をカップリング緩衝液と水で洗浄した。次いで、該アガロースを、残存 している活性基をブロックするために、1Mエタノールアミン、pH10.0中 、32℃で4時間インキュベートした。ゲルの許容量は、シンチレーションカウ ンティングにより決定した。カップリング工程を除いて、プレカラム材料は、同 一の様式で調製した。 D−アルギニン結合モチーフの同定 1014個のランダム配列を有する組合せD−RNAライブラリーを、50ヌク レオチドの長さを有するランダム配列の領域を含むDNA分子の混合物からT7 −RNAポリメラーゼによりイン・ビトロの転写によって得た。該領域は、所定 の配列および20ヌクレオチドの長さを有するDNAエリアにより限定された( 実施例2を参照のこと)。実施例2に記載のように11回の選択サイクルを行な い、それによりアフィニティー材料に1mM D−アルギニンを負荷し、320 mM NaCl、50mM Tris−HCl、pH7.5および5mM Mg Cl2の溶液をクロマトグラフィー用選択緩衝液として使用した。カラム材料に アフィニティーを有するRNA改変体は、アガロースプレカラム材料に結合させ ることによりすべてのサイクルで除去した。D−アルギニン特異的RNA分子を 、4倍のカラム容量の選択緩衝液中15mM D−アルギニン溶液で溶出した。 リガンドの立体選択性を増加させるために、該アフィニティーカラムを5回目の サイクル後まずL−アルギニンで洗浄し、次いで、未だ結合しているRNA分子 のみをD−アルギニンで溶出した。11回の選択サイクル後、RNA分子を逆転 写し、クローニングして配列を決定した。 55クローンの配列決定中に、41個の異なる配列を発見することができた。 配列の比較(図20)により、該配列の約60%に存在する2つの高度に保存さ れた配列エレメント:9ヌクレオチドの長さを有するモチーフ(seq1)およ び8ヌクレオチドの長さを有するモチーフ(seq2)が得られた。11個の配 列では、seq1は、seq2よりも5’末端に近く、一方、13個の配列では 、該コンセンサスモチーフは逆の順に存在していた。コンセンサスモチーフを有 する配列は、ズーカー(Zuker)のアルゴリズム(前述)で共通の二次構造モデル に折り畳まれることが可能であった(図21)。このモデルから出発して、D− R16由来の短縮改変体を化学的RNA合成により調製した。38ヌクレオチド の長さを有するRNA分子である改変体D−R16c(図23)は、D−アルギ ニンの特異的結合に関して必須の構造エレメントを含む(以下を参照のこと)。 L−アルギニン特異的RNA分子のキャラクタライゼーション D−R16cのヌクレアーゼT1、T2、S1およびV1での酵素消化による 構造解析(図22)は、二次構造モデルと一致する(図23)。ヘアピンループ および内部ループ中のホスホジエステル結合は、一本鎖特異的ヌクレアーゼによ り切断することが可能であった。該ヌクレオチドは、内部AUAループ内および GANバルジ中で高度に保存されているが、seq1およびseq2と連結する ヘアピン構造中のヌクレオチドに関しては保存位置を見出すことができなかった 。したがって、ヘアピン領域は、アルギニンの結合に直接関与するとは思われな い。 逆の結合特異性 D−R16cのL−エナンチオマー(L−R16cと称する)を、化学固相合 成により得た(実施例1を参照のこと)。円二色性分光光度法でD−R16cお よびL−R16cをキャラクタライズした場合、予想されたように鏡面対称スペ クトルを得た(図25、実施例2を参照のこと)。D−またはL−アルギニンに 対するオリゴヌクレオチドーリガンドのアフィニティーを、実施例2に記載のよ うに、微量透析チャンバーでの平衡透析により決定した。漸増量のL−[4,5 −3H]アルギニン(ICN)またはD−[2,3−3H]アルギニン(DuPont,NEN ,依頼合成)を、結合緩衝液(50mM NaCl、50mM Tris−HC l pH7.5、5mM MgCl2)中、10μMのD−またはL−RNAと 平衡化した。D−R16cは、D−アルギニンとの相互作用に対して135±2 5μMの係数(Kd)を示した(図24)。L−R16cは、129±18μM の見分けのつきにくいKdでL−アルギニンに結合することができた(図26) 。D−R16cのD−アルギニンへの結合は、L−アルギニンのそれよりも1. 7倍高いD−アルギニン選択性で立体選択的に起こった(図24)。L−R16 cは、L−アルギニンに対して1.8倍高い立体選択性を示した(図26)。こ れらの結果は、オリゴヌクレオチドエナンチオマーの逆に同一の結合特性を強調 する。 L−R16cとの相互作用の分子成分 結合に関与する特異的成分をキャラクタライズするために、競合結合実験を行 なった(実施例2を参照のこと)。漸増量の競合剤を、10μM L−[4,5 −3H]アルギニンに加え、10μM L−R16cに対して平衡化させた。結合 したL−アルギニンの占有率は、競合剤ありで結合したアルギニンと競合剤なし で結合したアルギニンとの比から決定した。データは、リン(Lin)とリッジ(Rigg s)(前述)に従って標準結合方程式に適用させ、それにより、130μMのKdを L−R16cのL−アルギニンへの結合に用いた。60±10μMの競合解離定 数(Kdc)は、競合剤としてのL−アルギニンによりL−R16cに対して決 定された。L−R16cのL−リジンに対する結合アフィニティー(Kdc=2 70±50μM)は、D−リジンに対する(Kdc>10mM)よりも約40倍 高かった。結果は、α−カルボキシル基が結合に役割を果たすことを示唆した。 。α−カルボキシル基を欠くアルギニンアナログであるアグマチンは、270± 70μMの競合解離定数を示した。この結果は、L−RNAもまたグアニジニウ ム側鎖と相互作用することを示唆する。側鎖とα−カルボキシル基との同時 結合は、結合領域のL−選択性に導く。側鎖への相対的に強い結合は、L−アル ギニンに対するL−R16の低い立体選択性を説明する。 HIV−Tat−ペプチドへのL−R16cの結合 ペプチドとの相互作用を試験するために、L−R16cのアルギニン特異的結 合特性を用いた。競合結合実験は、HIV−Tat−蛋白質由来の配列YGRK KRRQRRRPを有するペプチドで行なった。前記記載の競合分析とは離れて 、8000の分子量限界を有する透析膜を使用した。L−R16cのTat−ペ プチドに対するアフィニティー(Kdc=26±5μM)は、L−アルギニンに 対するアフィニティーよりも2倍高かった(図27)。 アルギニン特異的リガンドの血清安定性 D−R16cおよびL−R16cの安定性は、実施例2に記載のようにヒト血 清中で調べた。D−R16cは1分未満後にもはや証明できなかったのに対し、 L−R16cの分解は、37℃で60時間のインキュベーション後でさえも示さ れ得なかった。 実施例4 反復イン・ビトロ単離およびシーケンス方法 実施例2で記載した10回目の選択サイクルのRNA分子を、再び逆転写酵素 により相補的cDNAに転写した。続いて、反対鎖の合成および最後にPCR増 幅を行なった(図28)。実施例2から離れて、RNA−もしくはDNAマトリ ックスをそれぞれ20ヌクレオチド越えるプライマーとして、オリゴヌクレオチ ドを用いた(プライマーCおよびD、図28)。PCR産物のこの伸長は、ジデ オキシシーケンスによりランダム領域を完全に決定するために行なった。 PCR産物を変性ポリアクリルアミドゲル(7M尿素)により精製した。DN A分子をゲルから水で溶出し、ゲル濾過により脱塩した。DNA産物の単離量は 、260nmでの吸収により決定した。反復単離後、DNA分子を、理論上約1 00分子数に達するような方法で数段階で希釈した。この希釈度から、DNA分 子数のさらなる減少を分割により達成することができた。 アリコートに存在する複数の残存DNA分子を、PCRにより増殖させた(プ ライマーEおよびF、図28)。DNA分子がポリアクリルアミドゲル上で証明 されうる(5pmol)ような方法でDNA分子を増幅するためには、各サイク ルに対し複数のPCR反応を要した。各PCR反応後、得られた材料をグリコー ゲンの存在下でエタノール沈澱により精製した。 一本鎖を単離するために、5’末端がリン酸化されているプライマーを各新し いPCR反応に用いた(プライマーEおよびF、図28)。5’−リン酸基は、 プライマーの固相合成中に導入した。実際のシーケンス反応を行なう前に、ラム ダエキソヌクレアーゼ(ヒグチ(Higuchi)とオッチマン(Ochman)、Nucleic Acids Res.17(1989),5865)によるリン酸化された鎖の選択的分解により、二本鎖P CR産物から一本鎖DNAを生成させた。次いで、慣用のジデオキシヌクレオチ ド技術(サンガー(Sanger)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74(1977),5463-546 7)に従って、シーケンスを行なった。 シーケンスゲルの評価が、より多くの改変体が存在するということを明らかに したならば、希釈プロセスを個々の配列を決定することが可能となるまで繰り返 した。この方法により、既に知られた改変体(図12)とは別に、3つの新規な 改変体を同定することが可能であった(図29)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/12 A61P 9/12 31/12 31/12 35/00 35/00 C12N 15/09 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AL,AM,AU,A Z,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU ,CZ,EE,GE,HU,IL,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,RO,RU,SD,SG,SI,SK, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N (72)発明者 フュルステ,イェンス,ペーター ドイツ連邦共和国 ベルリン デー― 14057 ヴィッツレベンプラッツ 5 (72)発明者 バルト,ロルフ ドイツ連邦共和国 ベルリン デー― 10829 グスタフ―ミュラー―シュトラー セ 46 (72)発明者 エルトマン,フォルカー,アー. ドイツ連邦共和国 ベルリン デー― 14163 アルゲンティニッシェ アレー 2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 天然の立体配置を有する標的分子と相互作用するL−核酸の製造方法であ って、下記工程: (a)D−核酸の不均質集団を生成する工程; (b)工程(a)の集団を標的分子の光学対掌体と接触させる工程; (c)標的分子の光学対掌体と相互作用しないD−核酸を分離する工程; (d)標的分子の光学対掌体と相互作用するD−核酸の配列を決定する工程;お よび (e)工程(d)で決定されたD−核酸の配列と同一の配列であるL−核酸を合 成する工程、 を含む方法。 2. 標的分子の光学対掌体が該標的分子のラセミ混合物として存在する請求項 1記載の方法。 3. 下記工程: (ca)標的分子の光学対掌体と相互作用するD−核酸を増幅する工程、 を工程(c)の後に追加する請求項1または2記載の方法。 4. 工程(a)の集団のD−核酸がその5’および3’末端で、PCRによる 工程(ca)で得られたD−核酸の増幅を可能にするプライマー結合部位または プライマー結合部位に相補的な配列を提示する請求項3記載の方法。 5. 工程(a)の集団のD−核酸がその5’および3’末端で、工程(ca) で得られたcDNAのイン・ビトロ転写を可能にするDNA依存性RNAポリメ ラーゼの結合部位または該結合部位に相補的な配列を提示する請求項3または4 記載の方法。 6. 標的分子と相互作用する工程(a)に存在するD−核酸中の核酸位置には 存在せず、新規に合成される対象のヌクレオチド鎖にヌクレオチドが増幅中に取 り込まれる請求項3〜5いずれか記載の方法。 7. 下記工程: (cb)増幅したD−核酸を標的分子の光学対掌体と接触させる工程、 を工程(ca)後に追加し、次いで、工程(d)を行なう前に工程(b)および 任意に工程(ca)を行ない、ここで工程(cb)、(b)および任意に(ca )をこの順序で1回または数回繰り返してもよい、請求項3〜6いずれか記載の 方法。 8. 下記工程: (a)L−核酸の不均質集団を生成する工程; (b)工程(a)の集団を標的分子と接触させる工程; (c)標的分子と相互作用しないL−核酸を分離する工程; (d)標的分子と相互作用するL−核酸を配列決定する工程; (e)配列が工程(d)で決定された配列と同一であるL−核酸を合成する工程 を含むL−核酸の製造方法。 9. 下記工程: (ca)標的分子と相互作用するL−核酸を増幅する工程 を工程(c)の後にさらに導入する請求項8記載の方法。 10. 工程(a)の集団のL−核酸が5’および3’末端で、鏡面対称PCR により工程(ca)で得られたL−核酸の増幅を可能にするプライマー結合部位 またはプライマー結合部位に相補的な配列を提示する請求項9記載の方法。 11. 標的分子と相互作用する工程(a)に存在するL−核酸の核酸位置には 存在せず、新規に合成される対象のヌクレオチド鎖にヌクレオチドが増幅中に取 り込まれる請求項9または10記載の方法。 12. 下記工程: (cb)増幅したL−核酸を標的分子と接触させる工程 を工程(ca)後に追加し、次いで、工程(d)を行なう前に工程(b)および 任意に工程(ca)を行ない、ここで、工程(cb)、(b)および任意に(c a)をこの順序で1回または数回繰り返してもよい請求項9〜11いずれか記載 の方法。 13. 相互作用が結合である請求項1〜12いずれか記載の方法。 14. 相互作用が触媒反応である請求項1〜13いずれか記載の方法。 15. 核酸がデオキシリボ核酸および好ましくはデオキシリボザイムである請 求項1〜14いずれか記載の方法。 16. 核酸がリボ核酸である請求項1〜14いずれか記載の方法。 17. リボ核酸がリボザイムである請求項16記載の方法。 18. 標的分子がアミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたは複数のポリペプチ ドからなる蛋白質である請求項1〜17いずれか記載の方法。 19. 標的分子が一本鎖RNA、二本鎖RNA、一本鎖DNAもしくは二本鎖 DNAまたはそれらの組合せである請求項1〜18いずれか記載の方法。 20. 標的分子が抗生物質または別の医薬上有効な基質またはその前駆体であ る請求項1〜18いずれか記載の方法。 21. 標的分子が非分枝状または分枝状の多糖等の糖分子である請求項1〜1 8いずれか記載の方法。 22. 工程(e)のL−核酸の合成を化学的または酵素的に行なう請求項1〜 21いずれか記載の方法。 23. 化学合成が下記工程: (ea)L−ヌクレオシドを合成する工程; (eb)保護されたL−ヌクレオシドホスホロアミダイトを合成する工程:およ び (ec)合成機でL−核酸を固相合成する工程、 を含む請求項22記載の方法。 24. 請求項1〜20いずれかに規定された標的分子と特異的に相互作用する L−核酸。 25. リボ核酸である請求項24記載のL−核酸。 26. リボザイムである請求項25記載のL−核酸。 27. L−デオキシリボ核酸である請求項24記載のL−リボ核酸。 28. デオキシリボザイムである請求項27記載のL−リボ核酸。 29. 同一の核酸配列を有するL−核酸の製造用のマトリックスとして、工程 (c)および/または工程(ca)において請求項1〜23いずれか記載の方法 で得られたD−核酸の使用。 30. 請求項1〜23いずれか記載の方法により得られうるL−核酸または請 求項24〜28いずれか記載のL−核酸、任意に医薬上許容されうる担体との組 合せを含んでなる医薬組成物。 31. 請求項1〜23いずれか記載の方法により得られうるL−核酸または請 求項24〜28いずれか記載のL−核酸を含有してなるキットまたは診断薬。 32. バイオセンサー、除草剤、食料品の添加剤、分析方法用もしくは化粧品 使用目的としての請求項1〜23いずれか記載の方法により得られうるL−核酸 または請求項24〜28いずれか記載のL−核酸の使用。
JP51129798A 1996-08-30 1997-08-29 核酸の鏡面対称選択および進化 Pending JP2001504448A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP96113953.2 1996-08-30
EP96113953 1996-08-30
PCT/EP1997/004726 WO1998008856A2 (de) 1996-08-30 1997-08-29 Spiegelselektion und spiegelevolution von nucleinsäuren

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001504448A true JP2001504448A (ja) 2001-04-03

Family

ID=8223148

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51129798A Pending JP2001504448A (ja) 1996-08-30 1997-08-29 核酸の鏡面対称選択および進化

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6605713B1 (ja)
EP (1) EP0934331B1 (ja)
JP (1) JP2001504448A (ja)
AT (1) ATE228529T1 (ja)
AU (1) AU743469C (ja)
DE (1) DE59708838D1 (ja)
ES (1) ES2188985T3 (ja)
WO (1) WO1998008856A2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512978A (ja) * 2001-10-26 2005-05-12 ノクゾン ファルマ アーゲー 修飾l−核酸
JP2008540363A (ja) * 2005-05-04 2008-11-20 ノクソン・フアルマ・アクチエンゲゼルシヤフト シュピーゲルマーの新規な使用
JP2012519655A (ja) * 2009-02-06 2012-08-30 フライエ ウニヴェルシテット ベルリン シュピーゲルマーの投与による副作用に対処するための製薬組成物
KR20150013804A (ko) * 2012-05-16 2015-02-05 녹손 파르마 아게 L-핵산의 효소적 합성
JP2016537981A (ja) * 2013-11-20 2016-12-08 ノクソン ファーマ エージー 酵素によるl−核酸の合成

Families Citing this family (86)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2799465B1 (fr) * 1999-10-12 2004-02-13 Centre Nat Rech Scient Peptides ayant une activite de stimulation de la reponse immunitaire et de regeneration tissulaire
US20050208487A1 (en) * 2000-05-26 2005-09-22 Jens Burmeister Immobilized nuckeic acids and uses thereof
DE10122847A1 (de) * 2001-05-11 2002-11-21 Noxxon Pharma Ag Enterotoxin B bindende Nukleinsäure
DE10122862A1 (de) * 2001-05-11 2002-11-21 Noxxon Pharma Ag GnRH bindende Nukleinsäure
EP1264603B8 (en) * 2001-06-10 2010-03-03 Noxxon Pharma AG Use of L-polynucleotides for in vivo imaging
EP1288309A1 (de) * 2001-08-30 2003-03-05 Noxxon Pharma AG Verfahren zur Markierung von L-Nukleinsäuren
EP1306382A1 (de) * 2001-10-26 2003-05-02 Noxxon Pharma AG Modifizierte L-Nukleinsäure
US20030219422A1 (en) * 2001-11-15 2003-11-27 Noxxon Pharma Ag Allosteric ribozymes and uses thereof
DE10209821A1 (de) 2002-03-06 2003-09-25 Biotechnologie Ges Mittelhesse Kopplung von Proteinen an ein modifiziertes Polysaccharid
DE10211558A1 (de) * 2002-03-15 2003-10-09 Noxxon Pharma Ag Neue Formen RNAi
WO2003093504A1 (de) * 2002-05-06 2003-11-13 Noxxon Pharma Ag Verfahren zur amplifikation von nukleinsäuren
EP1506021B1 (de) 2002-05-27 2019-05-01 Per Sonne Holm Verwendung von adenoviren und dafur kodierenden nukleinsäuren
EP1386972A1 (en) * 2002-08-01 2004-02-04 Noxxon Pharma AG Method and apparatus for designing a nucleic acid having a desired property
EP1393742A1 (en) 2002-08-14 2004-03-03 atugen AG Use of protein kinase N beta
KR101295939B1 (ko) * 2002-08-14 2013-09-09 사일런스 테라퓨틱스 아게 단백질 키나아제 n 베타의 용도
CA2502414A1 (en) 2002-10-15 2004-04-29 Intercell Ag Nucleic acids coding for adhesion factor of group b streptococcus, adhesion factors of group b streptococcus and further uses thereof
PT1551868E (pt) 2002-10-18 2009-04-06 Silence Therapeutics Ag Factor envolvido nas metástases e as respectivas utilizações
EP2287313A1 (en) 2003-03-04 2011-02-23 Intercell AG Streptococcus pyogenes antigens
JP2007523609A (ja) 2003-03-31 2007-08-23 インターツェル・アクチェンゲゼルシャフト 表皮ブドウ球菌抗原
AU2004230244B2 (en) 2003-04-15 2011-09-22 Intercell Ag S. pneumoniae antigens
WO2004099242A2 (en) 2003-05-07 2004-11-18 Intercell Ag Streptococcus agalactiae antigens i + ii
WO2004106367A2 (en) 2003-05-30 2004-12-09 Intercell Ag Enterococcus antigens
WO2005014655A2 (en) 2003-08-08 2005-02-17 Fresenius Kabi Deutschland Gmbh Conjugates of hydroxyalkyl starch and a protein
JP2007511211A (ja) 2003-11-14 2007-05-10 ホルム,ペル・ゾンネ アデノウイルスおよびそれをコードしている核酸の新たな使用
WO2007001448A2 (en) 2004-11-04 2007-01-04 Massachusetts Institute Of Technology Coated controlled release polymer particles as efficient oral delivery vehicles for biopharmaceuticals
EP1830888B1 (en) 2004-12-27 2015-08-05 Silence Therapeutics GmbH Lipid complexes coated with peg and their use
US20060199207A1 (en) * 2005-02-24 2006-09-07 Matysiak Stefan M Self-assembly of molecules using combinatorial hybridization
WO2007070682A2 (en) 2005-12-15 2007-06-21 Massachusetts Institute Of Technology System for screening particles
AU2006332193B2 (en) 2005-12-30 2012-06-28 Evonik Operations Gmbh Lactoferrin peptides useful as cell-penetrating peptides
JP4984990B2 (ja) * 2006-03-28 2012-07-25 富士通株式会社 機能性分子の製造方法
US20090074852A1 (en) 2006-04-20 2009-03-19 Silence Therapeutics Ag Lipoplex formulations for specific delivery to vascular endothelium
CA2652280C (en) 2006-05-15 2014-01-28 Massachusetts Institute Of Technology Polymers for functional particles
WO2007150030A2 (en) 2006-06-23 2007-12-27 Massachusetts Institute Of Technology Microfluidic synthesis of organic nanoparticles
RU2553561C2 (ru) * 2006-07-21 2015-06-20 Сайленс Терапьютикс Аг Средства ингибирования экспрессии протеинкиназы 3
CA2661224A1 (en) 2006-09-15 2008-03-20 Intercell Ag Borrelia antigens
EP1913955A1 (en) 2006-10-19 2008-04-23 Gerhard, Markus Novel method for treating H.pylori infections
WO2008119571A2 (en) * 2007-01-03 2008-10-09 Novo Nordisk A/S Nucleic acid myostatin antagonist aptamers obtained by (mirror- image) selex
WO2008098165A2 (en) 2007-02-09 2008-08-14 Massachusetts Institute Of Technology Oscillating cell culture bioreactor
EP2144600A4 (en) 2007-04-04 2011-03-16 Massachusetts Inst Technology POLY (AMINIC ACID) TARGET MOLECULES
CN102015754A (zh) 2007-05-02 2011-04-13 英特塞尔股份公司 克雷伯菌(Klebsiella)抗原
AU2008265218A1 (en) 2007-06-18 2008-12-24 Intercell Ag Chlamydia antigens
US8183221B2 (en) 2007-09-05 2012-05-22 Medtronic, Inc. Suppression of SCN9A gene expression and/or function for the treatment of pain
EP2045326A1 (en) * 2007-10-05 2009-04-08 Bayer CropScience AG Method for identifying the interaction partner of an active agent
ES2627233T3 (es) 2007-10-12 2017-07-27 Massachusetts Institute Of Technology Nanotecnología de vacunas
JP2011500076A (ja) 2007-10-22 2011-01-06 プロノタ・エヌブイ アプタマーを選択する方法
US8591905B2 (en) 2008-10-12 2013-11-26 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Nicotine immunonanotherapeutics
US8343498B2 (en) 2008-10-12 2013-01-01 Massachusetts Institute Of Technology Adjuvant incorporation in immunonanotherapeutics
US8277812B2 (en) 2008-10-12 2012-10-02 Massachusetts Institute Of Technology Immunonanotherapeutics that provide IgG humoral response without T-cell antigen
US8343497B2 (en) 2008-10-12 2013-01-01 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Targeting of antigen presenting cells with immunonanotherapeutics
EP2405938A2 (en) 2009-02-13 2012-01-18 Intercell AG Nontypable haemophilus influenzae antigens
DE102009058769A1 (de) 2009-12-16 2011-06-22 MagForce Nanotechnologies AG, 10589 Temperaturabhängige Aktivierung von katalytischen Nukleinsäuren zur kontrollierten Wirkstofffreisetzung
EP2533798A2 (en) 2010-02-09 2012-12-19 Universität Bremen P19arf, hmga2 and mdm2 for use in the diagnosis and treatment of aberrant cell growth
NO2575876T3 (ja) 2010-05-26 2018-05-05
WO2012022496A2 (en) 2010-08-19 2012-02-23 Per Sonne Holm Method for killing tumor stem cells
WO2012090150A2 (en) 2010-12-27 2012-07-05 Compugen Ltd New cell-penetrating peptides and uses thereof
DE102010056610A1 (de) * 2010-12-31 2012-07-05 Volker A. Erdmann Pharmazeutische Zusammensetzung enthaltend L-DNA
AU2012206750A1 (en) 2011-01-10 2013-07-18 Noxxon Pharma Ag Nucleic acid molecule having binding affinity to a target molecule and a method for generating the same
EP2734531A1 (en) 2011-07-22 2014-05-28 Université de Strasbourg Phospholipid-detergent conjugates and uses thereof
WO2013034579A1 (en) 2011-09-05 2013-03-14 Rheinische Friedrich-Wilhelms-Universität Bonn Biosynthetic gene cluster for the production of peptide/protein analogues
US20140248294A1 (en) 2011-10-05 2014-09-04 University Of Bremen Wnt4 and med12 for use in the diagnosis and treatment of tumor diseases
EP3190186B1 (en) 2011-11-30 2023-12-13 Jörn Bullerdiek Expression of mirnas in placental tissue
JP2015521041A (ja) 2012-05-16 2015-07-27 サイレンス・セラピューティクス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング Pkn3阻害剤投与のためのバイオマーカーとしてのvegfr1の使用
CN103566377A (zh) 2012-07-18 2014-02-12 上海博笛生物科技有限公司 癌症的靶向免疫治疗
US10093740B2 (en) 2012-10-15 2018-10-09 Universitat Zurich Bispecific HER2 ligands for cancer therapy
EP2759602A1 (en) 2013-01-25 2014-07-30 Charité - Universitätsmedizin Berlin Non-invasive prenatal genetic diagnostic methods
EP2837939A1 (en) 2013-08-13 2015-02-18 Technische Universität München Method for the detection of H.pylori infection
US20170233737A1 (en) 2013-11-04 2017-08-17 Noxxon Pharma Ag Means and Methods for the Treatment of Nephropathy
AU2014359716A1 (en) 2013-12-05 2016-06-09 Silence Therapeutics Gmbh Means for lung specific delivery
JP2017503803A (ja) 2014-01-10 2017-02-02 シャンハイ バーディー バイオテック インコーポレイテッド Egfr発現腫瘍を処置するための化合物及び組成物
US10821159B2 (en) 2014-01-29 2020-11-03 Universite De Strasbourg Target for diabetes treatment and prevention
US10100313B2 (en) 2014-02-10 2018-10-16 Institut Curie Use of Mcoln-1 modulators to regulate cell migration
WO2016004876A1 (en) 2014-07-09 2016-01-14 Shanghai Birdie Biotech, Inc. Anti-pd-l1 combinations for treating tumors
CN105440135A (zh) 2014-09-01 2016-03-30 博笛生物科技有限公司 用于治疗肿瘤的抗-pd-l1结合物
CN105233291A (zh) 2014-07-09 2016-01-13 博笛生物科技有限公司 用于治疗癌症的联合治疗组合物和联合治疗方法
EP3000483A1 (en) 2014-09-29 2016-03-30 Charité - Universitätsmedizin Berlin Means and methods for the diagnosis and treatment of neurodegenerative diseases
KR20180011117A (ko) 2015-05-31 2018-01-31 큐어제닉스 코포레이션 면역 요법용 복합 조성물
EP3264092A1 (en) 2016-07-01 2018-01-03 Centogene AG Use of lyso-gb1 as druggable target
EP3315125A1 (en) 2016-10-31 2018-05-02 Silence Therapeutics (London) Ltd Lipid nanoparticle formulation
EP3555138A1 (en) 2016-12-16 2019-10-23 Université de Bordeaux Mmp9 inhibitors and uses thereof in the prevention or treatment of a depigmenting disorder
EP3421485A1 (en) 2017-06-30 2019-01-02 Université de Strasbourg Peptides for treatment and prevention of hyperglycaemia
EP3521828A1 (en) 2018-01-31 2019-08-07 Centogene AG Method for the diagnosis of hereditary angioedema
WO2019170283A1 (en) 2018-03-05 2019-09-12 Klinikum Rechts Der Isar Der Technischen... Treatment of tumors by a combination of an oncolytic adenovirus and a cdk4/6 inhibitor
KR20220044212A (ko) 2019-08-09 2022-04-06 넛크래커 테라퓨틱스 인코포레이티드 미세유체 장치 및 이의 사용 방법
WO2021044061A1 (en) 2019-09-05 2021-03-11 Klinikum Rechts Der Isar Der Technischen Universität München Treatment of tumors by a combination of an oncolytic adenovirus, a cdk4/6 inhibitor and a further therapeutically active agent
WO2021123332A1 (en) 2019-12-20 2021-06-24 Curevac Ag Lipid nanoparticles for delivery of nucleic acids
AU2022336209A1 (en) 2021-09-03 2024-01-18 CureVac SE Novel lipid nanoparticles for delivery of nucleic acids

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996034879A1 (en) * 1995-05-03 1996-11-07 Whitehead Institute For Biomedical Research Identification of enantiomeric ligands
US5780221A (en) * 1995-05-03 1998-07-14 Whitehead Institute For Biomedical Research Identification of enantiomeric ligands
GB9609722D0 (en) 1996-05-09 1996-07-10 Smithkline Beecham Corp Novel method

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512978A (ja) * 2001-10-26 2005-05-12 ノクゾン ファルマ アーゲー 修飾l−核酸
JP2011068651A (ja) * 2001-10-26 2011-04-07 Noxxon Pharma Ag 修飾l−核酸
JP4713082B2 (ja) * 2001-10-26 2011-06-29 ノクゾン ファルマ アーゲー 修飾l−核酸
JP2008540363A (ja) * 2005-05-04 2008-11-20 ノクソン・フアルマ・アクチエンゲゼルシヤフト シュピーゲルマーの新規な使用
JP2012519655A (ja) * 2009-02-06 2012-08-30 フライエ ウニヴェルシテット ベルリン シュピーゲルマーの投与による副作用に対処するための製薬組成物
JP2015143263A (ja) * 2009-02-06 2015-08-06 フライエ ウニヴェルシテット ベルリン 製薬組成物を製造するためのl−リボザイムの使用、l−リボザイムを含む製薬組成物およびl−リボザイムを含む製薬組成物を製造するための方法
KR20150013804A (ko) * 2012-05-16 2015-02-05 녹손 파르마 아게 L-핵산의 효소적 합성
KR102168915B1 (ko) * 2012-05-16 2020-10-23 아프타리온 바이오테크 아게 L-핵산의 효소적 합성
JP2016537981A (ja) * 2013-11-20 2016-12-08 ノクソン ファーマ エージー 酵素によるl−核酸の合成

Also Published As

Publication number Publication date
EP0934331B1 (de) 2002-11-27
WO1998008856A2 (de) 1998-03-05
ES2188985T3 (es) 2003-07-01
AU743469B2 (en) 2002-01-24
AU743469C (en) 2004-02-12
US6605713B1 (en) 2003-08-12
DE59708838D1 (de) 2003-01-09
EP0934331A2 (de) 1999-08-11
AU4456897A (en) 1998-03-19
ATE228529T1 (de) 2002-12-15
WO1998008856A3 (de) 1998-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001504448A (ja) 核酸の鏡面対称選択および進化
Wilson et al. In vitro selection of functional nucleic acids
Shih et al. Catalytic strategies of the hepatitis delta virus ribozymes
US6251666B1 (en) Nucleic acid catalysts comprising L-nucleotide analogs
AU750947C (en) Nucleic acid catalysts with endonuclease activity
JP2004147666A (ja) ヌクレオチド三リン酸およびリボザイム内へのそれらの取り込み
AU2020200247A1 (en) Organic compositions to treat KRAS-related diseases
JP2016514970A (ja) メッセンジャーrnaのキャップ効率の定量的評価
JP3903392B2 (ja) ヌクレオシド類似体の化学合成とそのポリヌクレオチドへの導入
JPH10510992A (ja) 安定化リボザイムアナログ
JP2008512097A (ja) アプタマー医薬品化学
WO1998043993A2 (en) Nucleic acid catalysts
US20030125291A1 (en) Xylofuranosly-containing nucleoside phosphoramidites and polynucleotides
JP2005533862A (ja) 調節されたアプタマー治療剤
JP2003525631A (ja) 核酸センサー分子
JP2001525667A (ja) C−rafの発現レベルに関係した疾患または状態の酵素核酸処置
Famulok et al. Catalysis based on nucleic acid structures
CN108486117B (zh) 一种rna抑制剂及其在抑制f1f0-atp合成酶活性中的应用
EP1493818A2 (en) Nucleoside triphosphates and their incorporation into ribozymes
AU2015249082B2 (en) Method for generating aptamers with improved off-rates
AU2010211370A1 (en) Pharmaceutical composition containing L-ribozyme for treating adverse reactions by administering Spiegelmers
JPH09509323A (ja) 疾患関連遺伝子の発現を阻害するための方法および試薬
AU2015264957B2 (en) Further novel forms of interfering rna molecules
JP2000509969A (ja) 非対称ハンマーヘッド型リボザイム
EP1321521A1 (en) Ribozymes directed against flt-1