JP2001502406A - 壁内に物体を固定するための固定部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 壁内に物体を固定する々めの固定部材が提案される。固定部材は、物体を収容するためのほぼ管状の剛性的な範囲（１）と、壁の平坦でない輪郭に適合させるためのフレキシブルな範囲とを有している。両範囲は少なくとも１つの弾性的な中間部材を介して互いに結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】 壁内に物体を固定するための固定部材 背景技術 本発明は、すでにドイツ連邦共和国特許出願公開第３８１２１８２号明細書に 基づき公知であるような、壁に設けられた孔に差し通し可能な物体のための固定 部材から出発する。この公知の固定部材では、固定のための円筒状の本体を有す る超音波変換器が、自動車のバンパに設けられた孔に差し通されて、裏側からば ね弾性的な部材によって脱落防止されている。このような固定部材は壁に対して 制限された取付け角度においてしか取り付けられないことが判った。しかし車両 タイプが多様化されていて、しかも製造業者によって超音波変換器の取付け場所 も種々異なるような状況では、路面に対する超音波変換器の傾斜角度に関しても 種々異なる角度が存在しているので、車両タイプに応じて種々異なる固定部材が 必要となる。このことは、製造されるべき固定部材の数を増大させてしまう。 国際公開第９６／１４５１２号パンフレットに基づき公知の固定部材では、固 定部材と、壁に設けられた孔を通じて差し通し可能なセンサとの間に、互いに内 外に係合する係止フックが配置されている。この固定部材の一部は弾性的に形成 されていて、しかも変形可 能であり、この場合、互いに内外に係合する係止フックが、固定部材の弾性的な 部分の変形時に互いに係合解除されて、固定部材が物体から取外し可能となる。 すなわち、通常では、壁内に物体を取り付けるために、たとえばバンパ内に超 音波センサを取り付けるためには、センサを収容し、その後にバンパの孔に差込 み可能となるような固定部材が使用される。この場合、固定部材は種々様々の形 式で自動車に固定することができる。すでに冒頭に述べたように、保持はばね力 を用いて行うことができる。このことは、構成部材を問題なく再び取り外すこと ができるという利点を有している。構成部材を超音波溶接を用いてバンパ内に固 定することも同じく公知である。 発明の利点 請求項１の特徴部に記載の本発明による固定部材は、公知先行技術に比べて次 のような利点を有している。すなわち、固定したい物体を固定部材を用いて、任 意の曲率で湾曲させられた壁に組み込むことができる。固定部材が、壁に適合さ せるためのフレキシブルな範囲と、固定したい物体を収容するための剛性的な範 囲とから構成されることにより、固定部材が適合可能性を有すると同時に形状安 定性をも有することに基づき、１つの固定部材が多種多様に使用可能となるいう 利点が得られる。さらに、固定部材の剛性的な範囲と、フレキシブルな範囲とを 結合するための弾性的な中 間部材が設けられていることにより、剛性的な範囲に作用する力を弾性的に吸収 することができるという利点が得られる。つまり、当付け面と固定部材との差を フレキシブルに吸収することができる。 請求項２以下に記載の手段により、請求項１に記載の固定部材の有利な改良が 可能になる。 フレキシブル性の度合いが、個々のリブもしくは突起の間の溝深さによって調 節され得ることが特に有利である。 固定部材はそのフレキシブルな範囲に基づき、壁に最適に密着し得るので、固 定部材を接着によって、たとえば両面接着系によって壁に極めて良好に結合する ことができる。フレキシブル性に基づき、結合箇所には剥離作用が生じないので 、接着部は機械的に負荷されないか、または極めて僅かにしか負荷されない。 固定部材の角隅にスペーサを設けることは、最終的に壁と固定する前に固定部 材の極めて良好な位置調整が可能となるという利点を提供する。 別の利点は、組み込みたい物体を収容するためのつばもしくはカラーを設ける ことによって与えられている。なぜならば、固定したい物体を固定部材内でセン タリングするための付加的な装置が不要となるからである。 さらに、修理または交換が必要となった場合に物体を固定部材から後方に向か って簡単に取り外すことが 可能である。これにより、交換にかかる手間、ひいては交換にかかるコストが著 しく低減される。 図面 以下に、本発明の実施例を図面に基づき詳しく説明する。 第１図は、本発明による固定部材を斜め前方から見た斜視図を示しており、 第２図は、本発明による固定部材の側面図を示しており、 第３図は、本発明による固定部材を斜め後方から見た斜視図を示しており、 第４図は、両範囲をルーズな結合によって組み立てる実施例を示している。 実施例の説明 第１図は、本発明による固定部材を斜め前方から見た斜視図を示している。本 発明による固定部材は主として２つの部分から構成されている。 第１の部分は、固定したい物体（図示しない）を収容するための固い範囲もし くは剛性的な範囲１から成っている。この剛性的な範囲１は、ほぼ管状に形成さ れていて、前方に向かってつばもしくはカラー２によって仕切られる。剛性的な 範囲１の管状の区分には、固定したい物体が裏側から押し込まれ、この場合、剛 性的な範囲１にはストッパ７が設けられている。このストッパ７は固定したい物 体の差込み深さを規定し、 ひいては規定の組込み位置を規定する。さらに、剛性的な範囲１は、ばね弾性的 な舌片８を有しており、この舌片８は、差し込まれた物体、たとえば距離測定の ためのセンサの脱落を防止すする。これにより、固定したい物体は固定部材の剛 性的な範囲１に位置固定されている。 剛性的な範囲１を前方に向かって仕切っているカラー２の配置により、固定し たい物体の組付けのために固定部材に付加的なセンタリング装置が必要とならな くなる。カラー２は、カラー端面が、固定したい物体（図示しない）が収容され るべき孔を備えた壁の端面と同一平面内に位置するように形成されている。これ によって、壁内の円筒形の孔の他に、固定部材を位置固定させるための付加的な 構成部分は必要とならない。 第２の部分はフレキシブルな範囲３である。以下に、第２図および第３図につ き、このフレキシブルな範囲３について詳しく説明する。すべての図面において 、同一の構成部分には同じ参照符号が付与されているので、同一の構成部分につ いては再度説明することを省略する。固定部材のフレキシブルな範囲３は、第１ 図において参照符号１０で示した当付け面１０を有している。当付け面１０の裏 側には、突起構造が設けられている。この突起構造は図示の実施例では多数のブ ロック状の突起９から成っている。この突起構造の形 状は、ブロック状の突起に限定されてるわけではなく、個々の突起９のために円 錐状、円筒状、半球状または別の形状も考えられる。個々の突起９の間には、そ れぞれ１つの溝１１が設けられており、この場合、各突起９の間の個々の溝１１ の深さにより、フレキシブルな範囲３のフレキシブル性（可撓性）が調節可能で ある。溝深さが大きくなればなるほど、この構成部材はますますフレキシブルに なる。本発明による固定部材では、構造化、つまりパターン化された裏側を有す る当付け面１０がほぼ方形に形成されているが、この場合にも別の形状が考えら れる。当付け面１０の角隅点には、それぞれスペーサ５が設けられており、これ らのスペーサ５は固定部材の位置調整を可能にする。スペーサ５の安定性は、当 付け面１０が組付け面（図示しない）に圧着されると、スペーサ５が後方に向か って軽度に押しずらされ得るように設計されている。 剛性的な範囲１と、フレキシブルな範囲３とを結合するためには、弾力的な中 間部材４が用いられる。中間部材４は剛性的な範囲１を取り囲んでいて、フレキ シブルな範囲３に２点で結合されるように取り付けられている。剛性的な範囲１ には、有利には２つの当付け点６が設けられており、これらの当付け点６によっ て、壁内へのカラー２の組込み深さを調節することができる。 剛性的な範囲１とフレキシブルな範囲３との間の結 合は、固く行うか、またはルーズに行うことができる。第４図には、第１図の実 施例、つまり弾力的な中間部材４を用いた固い結合が行われる実施例とは異なり 、ルーズな結合が示されている。フレキシブルな範囲３は、剛性的な範囲１を収 容するために設けられた切欠きの範囲に２つの半割シェル１２を有している。剛 性的な範囲１には、ピン１３が設けられており、これらのピンは組立て時に、そ れぞれ対応する半割シェル１２内に支承される。両範囲１，３の結合は、旋回可 能な枢着結合を介して行われ、この場合、半割シェル１２はやはり弾性的に形成 されている。このルーズな結合は、フレキシブルな規格部品を使用することがで きるという利点を有している。結合は一層安定的となり、フレキシブルな範囲は 旋回可能性に基づき、固定したい面に一層良好に適合され得る。 フレキシブルな範囲３に設けられた当付け面１０は、固定部材が当て付けられ る壁の内壁と面状に接着されて固定され得る。 通常では外壁、カラー表面および取り付けたい物体の表面は、組付けの完了し た状態では１つの平らな表面を形成する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．壁内に物体を固定するための固定部材において、当該固定部材が、物体を 収容するためのほぼ管状の形状を有する剛性的な範囲（１）と、壁の平坦でない 輪郭に適合させるためのフレキシブルな範囲（３）と、弾性的な中間部材（４） とを有しており、該中間部材（４）によって剛性的な範囲（１）とフレキシブル な範囲（３）とが、所定の箇所で結合されていることを特徴とする、壁内に物体 を固定するための固定部材。 ２．剛性的な範囲（１）が、固定したい物体を収容するための円形カラーと、 剛性的な範囲（１）内での物体の規定の組込み深さを得るためのストッパ（７） とを有している、請求項１記載の固定部材。 ３．剛性的な範囲（１）が、物体の脱落を防止するためのばね弾性的な舌片を 有している、請求項１または２記載の固定部材。 ４．フレキシブルな範囲（３）が当付け面（１０）を有しており、該当付け面 （１０）の裏側に突起構造が形成されており、個々の突起（９）の間の溝深さ（ １１）により、フレキシブルな範囲（３）のフレキシブル性が調節可能であり、 しかも溝深さが大きくなるにつれてフレキシブル性が増大するようになっている 、請求項１から３までのいずれか１項記載の固定部材 。 ５．弾性的な中間部材（４）が剛性的な範囲（１）を取り囲んでいて、少なく とも２点でフレキシブルな範囲（３）に結合されている、請求項１から４までの いずれか１項記載の固定部材。 ６．剛性的な範囲（１）に、壁内へのカラー（２）の組込み深さを調節するた めの少なくとも２つの当付け点（６）が設けられている、請求項１から５までの いずれか１項記載の固定部材。