JP2001501449A - 核酸分子の配列を決定するための方法および組成物 - Google Patents

核酸分子の配列を決定するための方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 核酸分子の配列を決定するための方法および化合物(それからの組成物を含む)が提供される。本方法は、複数の核酸配列を同時に決定し得る。化合物はタグとして使用されてタグ化核酸フラグメントを生成する。これは、選択された標的核酸分子に相補的である。各タグは特定のヌクレオチドと相関し、そして好ましい実施態様において、質量分析により検出可能である。タグ化フラグメントの長さによる分離の後、タグはタグ化フラグメントから切断される。好ましい実施態様において、タグは質量分析により検出され、そして核酸分予の配列はそれから決定される。本方法の個々の工程は、例えばシステムに組み込むことにより、自動化された様式で使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 核酸分子の配列を決定するための方法および組成物 技術分野 本発明は、一般に、核酸分子の配列を決定するための方法および組成物に関す る。より詳細には、複数の核酸配列を同時に決定し得る方法および組成物に関す る。 発明の背景 デオキシリボ核酸(DNA)配列決定は、生物学の基礎技術の1つである。それは 分子生物学の中心であり、そして残りの生物学において急速に拡張する役割を果 たす。ヒトゲノムプロジェクトは、全ヒト遺伝コードを読むための多国家の運動 である。それはかつて生物学において行われた最大のプロジェクトであり、そし て医学において重大な影響力を有し始めている。より安くそしてより早い配列決 定技術の開発は、このプロジェクトの成功を保証する。実際、実質的な運動は、 ヒトゲノムプロジェクトのNIHおよびDOE部門により資金援助されて配列決定技術 が改良されている。しかし、現行法に実質的な影響はない(SulstonおよびWater ston,Nature 376:175,1995)。 過去20年において、核酸配列の決定および分析は、生物学調査の基本要素の1 つを形成した。これは、新しい研究道具および方法論に加えて、これら遺伝子の 機能をより理解するために、ならびに新しい治療および診断を開発するために、 科学者が遺伝子および遺伝子産物を研究することを可能にする。 1977年に開発された2つの異なるDNA配列決定方法論は、未だ現在広範に使用 されている。簡潔には、ジデオキシターミネーターを利用するSangerにより記載 (Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)74:5463,1977)された酵素法は、一本鎖テン プレートからのDNAポリメラーゼによるDNA鎖の合成を含む。サンガーの配列決定 方法は、ジデオキシヌクレオチド(ddNTP)が、通常のデオキシヌクレオチドと 同様の様式で伸長する鎖中に組み込まれるという事実に依存する(より低い効率 ではあるが)。しかし、ddNTPは、通常のデオキシヌクレオチド(dNTP)とは、 それらが鎖伸長に必要な3'-OH基を欠いている点で異なる。ddNTPがDNA鎖中に組 み込まれる場合、3'ヒドロキシ基の欠如は、新しいホスホジエステル結合の形成 を妨げ、そしてDNAフラグメントがテンプレートDNAの塩基に相補的なddNTPで終 結される。マキサムギルバート法(MaxamおよびGilbert,Proc.Natl.Acad.Sc i.(USA)74:560,1977)は、元のDNAの化学分解法を利用する(両方の場合にお いて、DNAはクローニングされなければならない)。両方法は、特定の点から始 まり、そして配列決定されるDNAフラグメントにおいて見出される各塩基で終結 するフラグメントの集団を生成する。各フラグメントの終結は、元のDNAフラグ メント内の特定の塩基の位置に依存する。DNAフラグメントはポリアクリルアミ ドゲル電気泳動により分離され、そしてDNA塩基(アデニン、シトシン、チミン 、グアニン;それぞれ、A、C、T、Gとしても知られる)の順序がゲルのオートラ ジオグラフから読まれる。 扱いにくいDNAをプールする配列決定ストラテジー(ChurchおよびKieffer-Hig gins,Science,24:185,1988)が、DNA配列決定のより最近のアプローチの1つ である。プールする配列決定ストラテジーは、多くのDNAテンプレートを(サン プル)をプールすることおよびプールとしてのサンプルを処理することからなる 。処理の最後で配列情報を分けるために、目的のDNA分子は、セットのオリゴヌ クレオチド「タグ」に最初に連結される。タグ化DNA分子は、96ウェルプレート において、プールされ、増幅され、そして化学的に断片化される。プールされた サンプルの電気泳動後、DNAは固体支持体に移され、次いで一連の特定の標識さ れたオリゴヌクレオチドでハイブリダイズされる。次いで、これらの膜は、元の プール中に存在するタグと同じ数だけプローブされ、標準的なDNA配列決定法か らのオートラジオグラフと同様のオートラジオグラフが各セットのプロービング において生成する。従って、各反応およびゲルは、使用されるプローブの数だけ 増加された通常の反応およびゲルから得られるデータと同じ量のデータを生じる 。アルカリホスファターゼがレポーター酵素として使用される場合、1,2-ジオキ セタン基質が使用され得る。これは化学ルミネセンスアッセイ形式で検出される 。しかし、このプールするストラテジーの主な欠点は、配列が、配列決定ゲルを サ ザンブロットすることおよびこの膜をプール中の各クローンについて1回ハイブ リダイズさせることによってのみ読まれ得ることである。 配列決定方法論の進歩に加えて、速度の進歩が自動DNA配列決定装置の出現に よりもたらされた。簡潔には、これらの方法は蛍光標識プライマーを使用する。 これは放射性標識成分を利用する方法を置換する。蛍光色素は、配列決定プライ マーまたはddNTP-ターミネーターのいずれかに結合される。現在自動化成分は、 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を利用する。これは線状増幅ストラテジーの 開発をもたらした。現在の商業的な配列決定法はすべて、4ジデオキシ-ターミ ネーター反応物を1つのレーンにおいて泳動させ得る。各ジデオキシ-ターミネ ーター反応物は独特の蛍光プライマーで表される(各塩基タイプ(A、T、C、G) について1つの発蛍光団)。1つのみのテンプレートDNA(すなわち、DNAサンプ ル)が1レーンあたりに示される。現在のゲルは、64の異なるレーンにおいて64 サンプルまで同時に電気泳動し得る。異なるddNTP終結フラグメントは、光によ るゲルレーンの照射、続く発蛍光団からの発光の検出により検出される。各電気 泳動工程は約4〜6時間長である。各電気泳動分離は、約400〜600ヌクレオチド (nt)を決定し、それゆえ、約6000ntが1時間、1配列決定装置あたり配列決定 され得る。 核酸のモノマー組成の研究のための質量分析法の使用がまた記載されている( Hignite,Biochemical Applications of Mass Spectrometry,WallerおよびDerm er(編),Wiley-Interscience,第16章,527頁,1972)。簡潔には、より長いオ リゴマーについて、有意に早い成功を、14塩基長までの保護合成オリゴヌクレオ チドおよび4塩基長までの未保護オリゴのプラズマ脱着により得た。タンパク質 について、ESI-MSのオリゴヌクレオチドへの適用性が示されている(Coveyら,R apid Comm.in Mass Spec.2:249-256,1988)。これらの種は、酸結合ホスホジ エステル部分および/または末端リン酸部分に存在する電荷により溶液中でイオ ン化され、そしてナトリウム付加生成物に加えて、気相多価帯電分子アニオンを 生じる。 100塩基未満のDNAを通常の酵素的ddNTP技術により配列決定することは、より 長いDNAテンプレートについて行うことより複雑であるため、化学的分解がしば しば利用される。しかし、化学的分解法は、約50pmolの放射性32P末端標識物質 、6つの化学的工程、電気泳動分離、およびフィルムへの露光を必要とする。小 さなオリゴヌクレオチド(<14nt)については、エレクトロスプレーイオン化(ES I)およびフーリエ変換(FT)質量分析法(MS)の組み合わせが、はるかに速くかつよ り感受性である。高解析能(105)で測定される多価帯電イオンの解離産物は連 続的な骨格開裂を表し、完全な配列を1分内にサブピコモル量のサンプルで提供 する(Littleら、J.Am.Chem.Soc.116:4893,1994)。分子量測定について、 ESI/MSがより長いフラグメントまで拡大されている(Potierら、Nuc.Acids Res .22:3895,1994)。ESI/FTMSは、従来の配列決定方法および100マー程度のヌク レオチドの点変異のための有用な補足物であるようである。最近、3×10-13mol の50マーをローディングしたスペクトルデータが、より感受性のESI供給源を使 用して得られている(Valaskovic,Anal.Chem.68:259,1995)。 質量分析法によるDNA配列決定の他のアプローチは、DNAが個々のエレメントの アイソトープで標識され、そして質量分析が、様々なサイズのDNAの混合物が電 気泳動により分離された後でアイソトープを区別さえすればよいものである。( 上記の他のアプローチは、異なる長さのDNAオリゴヌクレオチドの分離および検 出の両方を行う質量分析器の解析能を利用する。どうみても困難な提案である) 。下記の手順の全ては、配列決定プライマーを1つのヌクレオチドで長さが変化 する一連のDNAフラグメントに変換するためにサンガー手順を利用する。酵素的 に合成したDNA分子のそれぞれは元のプライマー、目的のDNAの一部の複製された 配列、およびジデオキシターミネーターを含む。すなわち、セットのDNA分子が 生成される。これはプライマーを含み、そして互いに1つのヌクレオチド残基だ け長さが異なる。 Brennenら(Biol.Mass.Spec.,New York,Elsevier,219頁,1990)は、キ ャピラリー電気泳動により分離されたDNAフラグメントを検出可能にするDNA標識 としての硫黄の4つの安定なアイソトープを使用する方法を記載した。ddNTPの αチオアナログを使用して、1つの硫黄アイソトープがDNAフラグメントのそれ ぞれに組み込まれる。それゆえ、4つのタイプのDNAフラグメント(ddTTP、ddAT P、ddGTP、ddCTP終結)のそれぞれは、末端ヌクレオチドにより独特に標識され 得る;例えば、Aで終わるフラグメントについては32S、Gについては33S、Cにつ いては34S、およびTについては36S、そして電気泳動カラムのために一緒に混合 され、数ピコリットルの画分が改変インクジェットプリンターヘッドにより得ら れ、次いで、加熱炉における完全な燃焼に供される。このプロセスは、標識DNA のチオホスフェートをSO2に酸化する。これは、四重極型または磁気セクター質 量分析器における分析に供される。SO2質量単位表示は、Aで終わるフラグメント については64、Gについては65、Cについては66、およびTについては68である。 カラムから現れるDNAフラグメントの解像度の維持は、十分に小さい画分を用い ることに依存する。なぜなら質量分析器はキャピラリーゲルカラムに直接結合さ れ、分析の速度は電気泳動の速度により決定されるからである。このプロセスは 不幸にして高価であり、放射性ガスを遊離し、そして市販されていない。2つの 他の基本的な制限もまた、このアプローチに影響を及ぼす:(a)質量64、65、66 、または68(同重量の夾雑物)を有する他の成分は許容され得ない、および(b) 硫黄アイソトープの天然%量(32Sは95.0、33Sは0.75、34Sは4.2、および36Sは0 .11)は、感受性および費用を支配する。32Sは95%の天然量であるから、他のア イソトープは、夾雑する32Sを排除するために、>99%まで濃縮されなければなら ない。<1%量であるアイソトープは、99%濃縮で得るために極めて高価である ;たとえ36Sを100倍精製したとしても、それは36Sを含む程度以上に34Sを含む。 Gilbertは、オリゴマー合成器、膜上のアレイ、ハイブリダイゼーションを検 出する検出器、および中枢コンピューターを備える自動DNA配列決定装置(EPA,9 2108678.2)を記載した。この合成器は、任意の予想される配列の複数のオリゴ マーを合成しそして標識する。オリゴマーが使用されて膜上の固定されたDNAを プローブする。検出器はハイブリダイゼーションパターンを同定し、次いでその ようなパターンを中枢コンピューターに送る。これは配列を構築し、次いでオリ ゴマーの合成の次のラウンドの配列を予測する。プロセスを反復することにより 、DNA配列は自動様式で得られ得る。 Brennenはオリゴマーの連結に基づく核酸の配列決定法を記載した(米国特許 第5,403,708号)。核酸テンプレートにハイブリダイズされる連結産物を形成す るための方法および組成物が記載される。プライマーがDNAテンプレートにハイ ブリダイズされ、次いでランダム伸長オリゴヌクレオチドのプールがまた、リガ ーゼの存在下でプライムされたテンプレートにハイブリダイズされる。リガーゼ 酵素は、ハイブリダイズしたオリゴマーをプライマーに共有結合的に連結する。 改変により、Nヌクレオチドの間隔で区切られる、核酸テンプレート中の標的ヌ クレオチド残基の第1のセットの1つ以上のメンバーのヌクレオチド配列が決定 され得る。この方法において、標識された連結産物が形成される。ここで、連結 産物中に組み込まれた標識の位置およびタイプが、標識ヌクレオチド残基が塩基 対形成する、核酸テンプレート中のヌクレオチド残基に関する情報を提供する。 Kosterは、エキソヌクレアーゼによるDNAの分解後に質量分析によってDNAを配 列決定する方法を記載した(PCT/US94/02938)。記載される方法は、DNA配列が 直接決定される点で簡単であった(サンガー反応は使用されない)。DNAが標準 的なベクターにクローニングされ、5'末端が固定され、次いで鎖が3'末端でエキ ソヌクレアーゼにより連続的に分解され、そして酵素産物(ヌクレオチド)が質 量分析により検出される。 Weissらは、蛍光多重DNA配列決定のための自動ハイブリダイゼーション/映像 装置を記載した(PCT/US94/11918)。方法は、酵素結合プローブを、代表的なサ ンガー反応から生じるサイズ分離したDNAフラグメントを含む膜にハイブリダイ ズさせる概念に基づく。 配列決定情報の要求は、現存する配列決定機(例えば、ABI377およびPharmaci a ALF)により供給され得るものより大きい。現在の技術の主な制限のうちの1 つは、現在のタグ化システムを使用して解決され得る少ない数のタグである。上 記のChurchのプールシステムはより多くのタグを使用するが、これらのタグの使 用および検出は労力がかかる。 本発明は、上記の方法より速度および感受性が大いに増大した、核酸分子を配 列決定するために利用し得る新規な組成物および方法を開示し、そして他の関連 する利点を提供する。 発明の要旨 簡潔に述べれば、本発明は、核酸分子の配列を決定するための方法、化合物、 組成物、キット、およびシステムを提供する。本発明の1つの局面において、核 酸分子の配列を決定するための方法が提供される。本方法は、以下の工程を包含 する:(a)選択された標的核酸分子に相補的なタグ化核酸フラグメントを生成す る工程、ここで、タグは特定のヌクレオチドと相関し、そして非蛍光分光分析ま たは電位差測定により検出可能である;(b)タグ化フラグメントを配列の長さに より分離する工程;(c)タグをタグ化フラグメントから切断する工程;および(d) 非蛍光分光分析または電位差測定によりタグを検出し、そしてそれによって核酸 分子の配列を決定する工程。好ましい実施態様において、タグは、質量分析、赤 外分析、紫外線分析、または定電位電流測定(potentiostatic amperometry)に より検出される。 別の局面において、本発明は以下の式の化合物を提供する: Tms-L-X ここで、Tmsは、質量分析により検出可能な有機基であり、炭素、少なくとも1 つの水素およびフッ素、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、およびヨウ素から選 択される任意の原子を含む;Lは、Tms-含有部分が化合物の残りの部分から切断 されることを可能にする有機基であり、ここで、Tms-含有部分は、化合物が質量 分析に供される場合、1つのイオン化された荷電状態を維持し、三級アミン、四 級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含む;Xは、他の部分との結合に 際して基の活性を活性化するかまたは阻害するかのいずれかである、ヒドロキシ ル、アミノ、チオール、カルボン酸、ハロアルキル、およびそれらの誘導体から 選択される官能基であるか、あるいは核酸フラグメントの3'末端以外でLに結合 した核酸フラグメントである;ただし、化合物は、Xを介して固体支持体に結合 されず、また250ダルトン未満の質量を有さない。 別の局面において、本発明は、式Tms-L-MOIを有する複数の化台物を含む組成 物を提供する。ここで、Tmsは、質量分析により検出可能な有機基であり、炭素 、少なくとも1つの水素およびフッ素、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、およ びヨウ素から選択される任意の原子を含む;Lは、Tms-含有部分が化合物の残り の 部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、Tms-含有部分は、 化合物が質量分析に供される場合、1つのイオン化された荷電状態を維持し、三 級アミン、四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含む;MOIは、核酸 フラグメントであり、ここで、Lは、MOIの3'末端以外の位置でMOIに結合される ;ならびに、ここで2つの化合物は、同じTmsも同じMOIも有さない。 別の局面において、本発明は、水および式Tms-L-MOIを有する化合物を含む組 成物を提供する。ここで、Tmsは、質量分析により検出可能な有機基であり、炭 素、少なくとも1つの水素およびフッ素、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、お よびヨウ素から選択される任意の原子を含む;Lは、Tms-含有部分が化合物の残 りの部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、Tms-含有部分 は、化合物が質量分析に供される場合、1つのイオン化された荷電状態を維持し 、三級アミン、四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含む;MOIは、 核酸フラグメントであり、ここで、Lは、MOIの3'末端以外の位置でMOIに結合さ れる。 別の局面において、本発明は、複数のセットの化合物を含む組成物を提供する 。各セットの化合物は、式Tms-L-MOIを有する。ここで、Tmsは、質量分析により 検出可能な有機基であり、炭素、少なくとも1つの水素およびフッ素、ならびに 酸素、窒素、硫黄、リン、およびヨウ素から選択される任意の原子を含む;Lは 、Tms-含有部分が化合物の残りの部分から切断されることを可能にする有機基で あり、ここで、Tms-含有部分は、化合物が質量分析に供される場合、1つのイオ ン化された荷電状態を維持し、三級アミン、四級アミンおよび有機酸から選択さ れる官能基を含む;MOIは、核酸フラグメントであり、ここで、Lは、MOIの3'末 端以外の位置でMOIに結合される;ここで、セット内において、全てのメンバー は同じTms基を有し、そしてMOIフラグメントは、ddAMP、ddGMP、ddCMP、およびd dTMPから選択される同じジデオキシヌクレオチドで終結する可変長を有する;な らびに、ここで、セット間において、Tms基は少なくとも2amuだけ異なる。 別の局面において、本発明は、前段落に記載される、第1の複数のセットの化 合物を、式Tms-L-MOIを有する、第2の複数のセットの化合物と組み合わせて含 む組成物を提供する。ここで、Tmsは、質量分析により検出可能な有機基であり 、 炭素、少なくとも1つの水素およびフッ素、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、 およびヨウ素から選択される任意の原子を含む;Lは、Tms-含有部分が化合物の 残りの部分から切断されることを可能にする有機基であり、ここで、Tms-含有部 分は、化合物が質量分析に供される場合、1つのイオン化された荷電状態を維持 し、三級アミン、四級アミンおよび有機酸から選択される官能基を含む;MOIは 、核酸フラグメントであり、ここで、Lは、MOIの3'末端以外の位置でMOIに結合 される;ならびに、ここで、第2の複数内の全てのメンバーは、ddAMP、ddGMP、 ddCMP、およびddTMPから選択される同じジデオキシヌクレオチドで終結するMOI 配列を有する;ただし、第1の複数の化合物に存在するジデオキシヌクレオチド は、第2の複数の化合物に存在するジデオキシヌクレオチドと同じではない。 別の局面において、本発明は、DNA配列決定分析のためのキットを提供する。 キットは、複数のコンテナセットを含む。各コンテナセットは、少なくとも5つ のコンテナを含む。ここで、第1のコンテナはベクターを含み、第2、第3、第 4および第5のコンテナは、式Tms-L-MOIを有する化合物を含む。ここで、Tmsは 、質量分析により検出可能な有機基であり、炭素、少なくとも1つの水素および フッ素、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、およびヨウ素から選択される任意の 原子を含む;Lは、Tms-含有部分が化合物の残りの部分から切断されることを可 能にする有機基であり、ここで、Tms-含有部分は、化合物が質量分析に供される 場合、1つのイオン化された荷電状態を維持し、三級アミン、四級アミンおよび 有機酸から選択される官能基を含む;MOIは、核酸フラグメントであり、ここで 、Lは、MOIの3'末端以外の位置でMOIに結合される;例えば、第2、第3、第4 および第5のコンテナのMOIは同一であり、そしてセットのコンテナ内のベクタ ーの一部と相補的であり、そして各コンテナ内のTms基はキット内の他のTms基と 異なる。 別の局面において、本発明は、核酸分子の配列を決定するためのシステムを提 供する。本システムは、タグ化核酸フラグメントを分離する分離装置、タグ化核 酸フラグメントから、特定のヌクレオチドと相関し、そして電気化学的な検出に より検出可能であるタグを切断する装置、および定電位電流測定装置を備える。 本発明の他の実施態様において、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、 60、70、80、90、100、200、250、300、350、400、450または500を超える、異な りかつ独特のタグ化分子が、所定の同時の反応において利用され得る。ここで、 各タグは、選択される核酸フラグメント、プローブ、または第1のもしくは第2 のメンバーに独特であり、そして別々に同定され得る。 本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照 することにより明らかとなる。さらに、種々の文献が以下に記載される。これら は、特定の手順または組成物(例えば、プラスミド)をより詳細に記載し、そし てそれゆえそれら全体が参考として援用される。 図面の簡単な説明 図1は、化学的切断可能質量スペクトル分析タグのペンタフルオロフェニルエ ステルの合成のための、カルボキシルアミド末端を有するタグを遊離させるフロ ーチャートを示す。 図2は、化学的切断可能質量スペクトル分析タグのペンタフルオロフェニルエ ステルの合成のための、カルボキシル酸末端を有するタグを遊離させるフローチ ャートを示す。 図3〜6および8は、36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグのテトラ フルオロフェニルエステルの組の合成のためのフローチャートを示す。 図7は、36のアミンで終結する末端光化学的切断可能質量スペクトル分析タグ の組の合成のためのフローチャートを示す。 図9は、光化学的切断可能質量スペクトル分析タグ酸の36のテトラフルオロフ ェニルエステルの対応する組から作製された36の光化学的切断可能質量スペクト ル分析タグ化オリゴヌクレオチドの合成を示す。 図10は、36のアミン末端光化学的切断可能質量スペクトル分析タグ酸の36の対 応する組から作製された36の光化学的切断可能質量スペクトル分析タグ化オリゴ ヌクレオチドの合成を示す。 図11は、質量スペクトル分析による複数タグの同時検出を示す。 図12は、α-シアノマトリックス単独の質量スペクトル図を示す。 図13は、モジュラーで構築されるタグ化核酸フラグメントを示す。 発明の詳細な説明 簡潔に述べると、1つの局面において本発明は、目的の分子、またはその前駆 体が不安定結合(単数または複数)を介してタグに連結されている化合物を提供 する。従って、本発明の化合物は、一般式: T−L−X を有するとして概説され得る。ここで、Tはタグ成分であり、Lは不安定な結合 であるか、または不安定な結合を含むかのいずれかの連結成分であり、そしてX は目的の分子成分(MOI)か、またはこれを介してMOIがT-Lに結合し得る官能基成 分(Lh)のいずれかである。従って、本発明の化合物は、より詳細な一般式: T−L−MOIおよびT−L−Lh により表され得る。 以下に詳細に記載する理由として、T-L-MOI化合物の組は、破壊されるべき不 安定な結合(単数または複数)を生じる条件に目的をもって供され、従って、化 合物の残りからのタグ部分を放出し得る。次いで、タグ部分は、1つ以上の分析 技術により特徴付けられ、それによりタグ部分の構造に関する直接的情報、およ び(最も重要には)対応するMOIのアイデンティティに関する間接的情報を提供 する。 本発明の代表的化合物の単純な例示的な実施例(ここでLは直接結合である) は、以下の構造(i)が参照される: 構造(i)において、Tはカルボニル基に結合した窒素含有多環式芳香環部分であ り、XはMOI(そして詳細にはアミン基において終結する核酸フラグメント)で あり、ならびにLは、アミド基を形成する結合である。アミド結合は、Tにおけ る結合に比較して不安定である。なぜなら、当該分野において理解されるように 、アミド結合は、タグ成分中の結合は変化しないままの酸または塩基条件により 化学的に切断(破壊)され得るからである。従って、タグ部分(すなわち、Tを 含む切断産物)は、以下に示すように放出され得る: しかし、リンカーLは、以下の例示的な実施例に示すように、直接結合ではあ り得ず、以下に示す構造を有する本発明の別の代表的化合物が参照される: o-ニトロベンジルアミン部分(構造(ii)中の四角で囲んだ原子を参照のこと) を有する化合物は、光分解的に不安定であり、このような化合物の特定波長の化 学線照射への曝露は、ベンジルアミン結合(構造(ii)の太線で示した結合を参照 のこと)の選択的切断を生じることは周知である。従って、構造(ii)は、構造(i )と同じT基およびMOI基を有するが、リンカー基は複数の原子および結合を含み 、この中には特定の不安定な結合が存在する。従って、構造(ii)の光分解は、以 下に示すように、化合物の残りからタグ部分(Tを含む部分)を放出する。 従って、本発明は、適切な切断条件への曝露に際して、切断反応を行いそれに より化合物の残りからタグ部分を放出する化合物を提供する。本発明の化合物は 、タグ部分、MOI(またはその前駆体、Lh)、および2つの基を一緒に結合する不 安定結合(単数または複数)によって記載され得る。あるいは、本発明の化合物 は、形成される成分によって記載され得る。従って、化合物は、以下のように、 タグ反応体、リンカー反応体およびMOI反応体の反応産物として記載され得る。 タグ反応体は、化学ハンドル(Th)および可変成分(Tvc)をからなり、タグ反応 体は一般構造: Tvc-Th を有するように理解される。 この命名法を例示するために、構造(ii)の化合物を調製するために用いられ得る タグ反応体を示す構造(iii)が参照され得る。構造(iii)を有するタグ反応体は、 以下に示すように、タグ可変成分およびタグハンドルを含む: 構造(iii)において、タグハンドル(-C(=0)-A)は、T-L部分を形成するためにタ グ反応体とリンカー反応体との反応のための接近手段を単純に提供する。構造(i ii)における基「A」は、カルボキシル基が化学的に活性な状態にあり、従って 他のハンドルに結合し得ることを示す。「A」は、例えば、種々の他の可能性の 中でも、水酸基またはペンタフルオロフェノキシであり得る。本発明は、以下に より詳細に議論するタグ可変成分に結合され得る多数の可能なタグハンドルを提 供する。従って、タグ可変成分は、式T-L-Xにおける「T」の部分であり、そして またLを切断する反応から形成されるタグ成分の部分であり得る。 以下にまた詳細に議論するように、タグ可変成分は、本発明による化合物の組 の調製において、個々のメンバーが分析技術により別のメンバーから区別され得 るように組のメンバーが独特の可変成分を有することが所望されるので、タグ可 変成分と命名される。1つの例として、構造(iii)のタグ可変成分は、以下の組 の1つのメンバーであり得る。ここで、組のメンバーは、そのUVまたは質量スペ クトルにより区別され得る: 同様に、リンカー反応体は、リンカー不安定成分に隣接するその化学ハンドル( これらは少なくとも2つ必要であり、その各々はLhとして示され得る)によっ って記載され得る。ここでリンカー不安定成分は、必要な不安定部分(L2)および 任意の不安定部分(L1およびL3)を含み、ここで任意の不安定部分は、ハンドルLh からL2を分離するのに効果的に役立ち、そして必要な不安定部分は、リンカー 不安定成分中で不安定結合を提供することに効果的に役立つ。従って、リンカー 反応体は、一般式: Lh-L1-L2-L3-Lh を有するものとして理解され得る。 リンカー反応体を説明するために使用した命名法は、構造(iv)を考慮して例示 され得、これは再度構造(ii)の化合物から得られる: 構造(iv)が例示するように、原子は、ひとつより多くの機能的役割を果たし得 る。従って、構造(iv)において、ベンジル窒素は、リンカー反応体をタグ反応体 にアミド形成反応を介して結合させる化学ハンドルとして機能する。そして引き 続いて、ベンジル炭素-窒素結合における光分解切断に特に感受性な不安定部分L2 の構造の必要な部分としてもまた役立ち得る。構造(iv)はまた、リンカー反応 体は、L1基を有さず、L3基(この場合、メチレン基)を有し得ることを例示する 。同様に、リンカー反応体は、L3基ではなくL1基を有し得、またはL1基およびL3 基を有し得、あるいはL1基およびL3基のどちらをも有し得ない。構造(iv)におい て、カルボニル基に隣接する基「P」の存在は、カルボニル基が反応から保護さ れていることを示す。この構造が与えられたことによって、タグ反応体(iii)の 活性化されたカルボキシル基は、リンカー反応体(iv)のアミン基と完全に反応し て、アミド結合を形成し、そして式T-L-Lhの化合物を与える。 MOI反応体は、目的の分子の適切に反応性形態である。目的の分子が核酸フラ グメントである場合、適切なMOI反応体は、その5'水酸基を介してホスホジエス テル基、次いでアミノ基で終結するアルキレン鎖に結合した核酸フラグメントで ある。次いで、このアミノ基は、それによりMOIをリンカーに結合し得る。構造( iv)のカルボニル基と反応(もちろん、カルボニル基の脱保護の後、そして好ま しくは引き続くカルボニル基のアミン基との反応の活性化の後)し得、それによ りMOIをリンカーに結合し得る。 時系列で見た場合、本発明は、タグ反応体(化学タグハンドルおよびタグ可変 成分を有する)、リンカー反応体(2つの化学的リンカーハンドルおよび必要な 不安定部分および0〜2の任意の不安定部分を有する)、およびMOI反応体(目 的成分の分子および目的ハンドルの化学的分子を有する)でT-L-MOIを形成する ように理解される。従って、T-L-MOIを形成するために、タグ反応体およびリン カ一反応体が一緒に反応して最初にT-L-Lhを提供し、次いでMOI反応体はT-L-Lh および反応してT-L-MOIを提供するか、または(より好ましくない)リンカー反 応体およびMOI反応体が一緒に反応して最初にLh-L-MOIを提供し、次いでLh-L-MO Iはタグ反応体と反応してT-L-MOIを提供するかのいずれかである。便宜の目的の ために、式T-L-MOIを有する化合物は、このような化合物を形成するために使用 され得るタグ反応体、リンカー反応体およびMOI反応体によって記載される。も ちろん、式T-L-MOIの同じ化合物は、他の(代表的には、より面倒な)方法によ り調整され得、そしてこれは本発明のT-L-MOI化合物の範囲内にある。 任意の事象において、本発明は、タグ部分が化合物の残りから放出されるよう な切断条件に供されるべきT-L-MOI化合物を提供する。タグ部分は、少なくとも タグ可変成分を含み、そして代表的にはさらに、タグ反応体とリンカー反応体と を結合するために使用されたタグハンドルからのいくつかのまたは全ての原子、 リンカーハンドルからのいくつかのまたは全ての原子、この基がT-L-MOIにおい て存在する場合不安定部分を必要に応じて含み、そしてL2の精密な構造および切 断化学の性質に依存して必要な不安定部分L2のいくつかの部分をおそらくはさら に含む。便宜のために、タグ部分は、Tは代表的にはタグ部分の主要部分(質量 において)を構成するので、T-含有部分として呼ばれ得る。 本発明の1つの局面へこの導入が与えられるので、種々の成分(T、L、およ びX)が詳細に説明される。この説明は、T、L、およびXの説明において本明 細書中に以下で使用される以下の特定の用語の定義から始まる。 本明細書中に使用される場合、用語「核酸フラグメント」は、選択された標的 核酸分子に相補的な(すなわち、その全部または部分に相補的な)分子であり、 そして天然または合成由来あるいは組換え的に産生され(天然に存在しない分子 を含む)、そして適切な場合2本鎖または1本鎖形態であり;そしてオリゴヌク レオチド(例えば、DNAまたはRNA)、プライマー、プローブ、核酸アナログ(例 えば、PNA)、ポリメラーゼにより3'から5'末端の方向に伸張されるオリゴヌクレ オチド、化学的または酵素的に切断される核酸、ジデオキシターミネーターによ って終結させられるか、または3'または5'での重合を阻害する化合物により3'ま たは5'末端でキャップされる核酸、およびこれらの組合せを含むことを意味する 。核酸フラグメントの選択された標的核酸分子への相補性は、一般的に、フラグ メントの長さ全体にかけて少なくとも約70%の特異的な塩基対形成を示すことを 意味する。好ましくは、核酸フラグメントは、少なくとも約80%;そして最も好 ましくは、約90%の特異的な塩基対形成を示す。ミスマッチ割合(従って、特異 的な塩基対形成の割合)を決定するためのアッセイは、当該分野において周知で あり、そして完全に塩基対形成したコントロールに参照される場合のTmの関数と してのミスマッチ割合に基づく。 本明細書中で使用される用語「アルキル」は、単独または組み合わせて、1〜 10、好ましくは1個〜6個そしてより好ましくは1個〜4個の炭素原子を含む飽 和直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルをいう。このようなラジカルの例は、メ チル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル 、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、デシルなどを含むが、これ らに限定されない。用語「アルキレン」は、1個〜10個、好ましくは1個〜6個 そしてより好ましくは1個〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の炭化水素 ジラジカルをいう。このようなジラジカルの例は、メチレン、エチレン、(-CH2- CH2-)、プロピレンなどを含むが、これらに限定されない。 用語「アルケニル」は、単独または組み合わせて、2個〜10個、好ましくは2 個〜6個そしてより好ましくは2個〜4個の炭素原子全体において、少なくとも 1つの炭素-炭素二重結合を有する飽和直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを いう。このようなラジカルの例は、エテニル、E-およびZ-プロペニル、イソプ ロペニル、E-およびZ-ブテニル、E-およびZ-イソブテニル、E-およびZ-ペ ンテニル、デセニルなどを含むが、これらに限定されない。用語「アルケニレン 」は、2個〜10個、好ましくは2個〜6個そしてより好ましくは2個〜4個の炭 素原子の全体において、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する飽和直鎖 または分岐鎖の炭化水素ジラジカルをいう。このようなジラジカルの例は、メチ リデン(=CH2)、エチリデン(-CH=CH-)、プロピリデン(-CH2-CH=CH-)などを含むが 、これらに限定されない。 用語「アルキニル」は、単独または組み合わせて、2個〜10個、好ましくは2 個〜6個そしてより好ましくは2個〜4個の炭素原子の全体において、少なくと も1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルをい う。このようなラジカルの例は、エチニル(アセチレニル)、プロピニル(プロ パルジル)、ブチニル、ヘキシニル、デシニルなどを含むが、これらに限定され ない。用語「アルキニレン」は、単独または組み合わせて、2個〜10個、好まし くは2個〜6個そしてより好ましくは2個〜4個の炭素原子の全体において、少 なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素ジラジ カルをいう。このようなラジカルの例は、エチニレン(-C≡C-)、プロピニレン(- CH2-C≡C-)などを含むが、これらに限定されない。 用語「シクロアルキル」は、単独または組み合わせて、炭素原子の数が3個〜 8個そしてより好ましくは3個〜6個の炭素原子の飽和環状配置をいう。このよ うなシクロアルキルラジカルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ ンチル、シクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。用語「シクロア ルキレン」は、シクロアルキルのジラジカル形態をいう。 用語「シクロアルケニル」は、単独または組み合わせて、4個〜8個、好まし くは5個または6個の炭素原子および1つ以上の二重結合を含む環状炭素環をい う。このようなシクロアルケニルラジカルの例は、シクロペンテニル、シクロヘ キシニル、シクロペンタジエニルなどを含むが、これらに限定されない。用語「 シクロアルケニレン」は、シクロアルケニルのジラジカル形態をいう。 用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、アズレ ニル、フルオレニル、およびアントラセニルからなる群から選択される炭素環( 炭素および水素の全体からなる)芳香族基;またはフリル、チエニル、ピリジル 、ピロリル、オキサゾリル(oxazolyly)、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリ ル、2-ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2, 3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、ピリダジニ ル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニル、1,3,5-トリチアニル、イ ンドリジニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリニル、 ベンゾ[b]フラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、IH -インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H-キノリ ジニル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニ ル、キノオキサリニル、1,8-ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、ア クリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、およびフェノキサジニルからな る群から選択されるヘテロ環芳香族基をいう。 本明細書中に定義される「アリール」基は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、 アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アル ケニル、アルキニル、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、1,2-ジオキシエ チレン、アルコキシ、アルケノキシまたはアルキノキシ、アルキルアミノ、アル ケニルアミノ、アルキニルアミノ、脂肪族アシルまたは芳香族アシル、アルコキ シ-カルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、モルホリノカルボニルアミ ノ、チオモルホリノカルボニルアミノ、N-アルキルグアニジノ、アラルキルアミ ノスルホニル;アラルコキシアルキル;N-アラルコキシウレア;N-ヒドルキシル ウレア;N-アルケニルウレア;N,N-(アルキル、ヒドロキシル)ウレア:ヘテロシ クリル;チオアリールオキシ-置換アリール;N,N-(アリール、アルキル)ヒドラ ジノ;Ar'-置換スルホニルヘテロシクリル;アラルキル-置換ヘテロシクリル; シクロアルキルおよびシクロアケニル置換-ヘテロシクリル;シクロアルキル-縮 合アリール;アリールオキシ-置換アルキル;ヘテロシクリルアミノ;脂肪族ア シルアミノカルボニルまたは芳香族アシルアミノカルボニル;脂肪族アシル-置 換アルケニルまたは芳香族アシル-置換アルケニル;Ar'-置換アミノカルボニル オキシ;Ar',Ar'-ジ置換アリール;脂肪族アシル-置換アシルまたは芳香族アシ ル-置換アシル;シクロアルキルカルボニルアルキル;シクロアルキル-置換アミ ノ;アリールオキシカルボニルアルキル;ホスホロジアミジル酸またはエステル ;からなる群から独立して選択される1個〜4個の置換基を、独立して含み得る 。 「Ar'」は、上記に定義されるように水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ 、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アルケニル 、アルキニル、1,2-ジオキシメチレン、1,2−ジオキシエチレン、アルコキシ、 アルケノキシ、アルキノキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノまたはアルキ ニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、脂肪族アシルまたは芳香族アシル、ア ルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルア ミノ、N-アルキル、またはN,N-ジアルキルウレアからなる群から選択される1個 〜3個の置換基を有する炭素環またはヘテロ環アリール基である。 用語「アルコキシ」は、単独または組み合わせて、アルキルエーテルラジカル をいい、ここで、用語「アルキル」は上記のように定義される。適切なアルキル エーテルラジカルの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ 、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどを含むが、こ れらに限定されない。 用語「アルケノキシ」は、単独または組み合わせて、アルケニル-O-式のラジ カルをいい、ここで用語「アルケニル」は上記のように定義され、但し、ラジカ ルはエノールエーテルではない。適切なアルケノキシラジカルの例は、アリルオ キシ、E-3-メチル-2-プロペノキシおよびZ-3-メチル-2-プロペノキシなどを含む が、これらに限定されない。 用語「アルキニルオキシ」は、単独または組み合わせて、アルキニル-O-式の ラジカルをいい、ここで用語「アルキニル」は上記のように定義され、但し、ラ ジカルはイノールエーテルではない。適切なアルキノキシラジカルの例は、プロ パルギルオキシ、2-ブチニルオキシなどを含むが、これらに限定されない。 用語「チオアルコキシ」は式アルキル-S-のチオエーテルラジカルをいい、こ こでアルキルは上記のように定義される。 用語「アルキルアミノ」は、単独または組み合わせて、モノ-またはジ-アルキ ル-置換アミノラジカル(すなわち、式アルキル-NH-または(アルキル)2-N-のラ ジカル)をいい、ここで、用語「アルキル」は上記のように定義される。適切な アルキルアミノラジカルの例は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ 、イソプロピルアミノ、t-ブチルアミノ、N,N-ジエチルアミノなどを含むが、こ れらに限定されない。 用語「アルケニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルケニル-NH− または(アルケニル)2N-のラジカルをいい、ここで用語「アルケニル」は上記の ように定義され、但し、ラジカルはエナミンではない。このようなアルケニルア ミノラジカルの例は、アリルアミノラジカルである。 用語「アルキニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルキニル-NH-ま たは(アルキニル)2N-のラジカルをいい、ここで用語「アルキニル」は上記のよ うに定義され、但し、ラジカルはイナミンではない。このようなアルキニルアミ ノラジカルの例は、プロパルギルアミノラジカルである。 用語「アミド」は、-N(R1)-C(=0)-または-C(=O)-N(R1)-のいずれかをいい、こ こでR1は本明細書中で水素ならびに他の基を含むと定義される。用語「置換アミ ド」は、R1が水素ではない状況をいい、一方用語「非置換アミド」はR1が水素で ある状況をいう。 用語「アリールオキシ」は、単独または組み合わせて、式アリール-O-のラジ カルをいい、ここでアリールは上記のように定義される。アリールオキシラジカ ルの例は、フェノオキシ、ナフトキシ、ピリジルオキシなどを含むが、これらに 限定されない。 用語「アリールアミノ」は、単独または組み台わせて、式アリール-NH-のラジ カルをいい、ここでアリールは上記のように定義される。アリールアミノラジカ ルの例は、フェニルアミノ(アニリド)、ナフチルアミノ、2-、3-、および4-ピ リジルアミノなどを含むが、これらに限定されない。 用語「アリール縮合シクロアルキル」は、単独または組み合わせて、アリール ラジカルと隣接する2原子を共有するシクロアルキルラジカルをいい、ここで用 語「シクロアルキル」および「アリール」は、上記のように定義される。アリー ル縮合シクロアルキルラジカルの例は、ベンゾ縮合シクロブチルラジカルである 。 用語「アルキルカルボニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルキル -CONHのラジカルをいい、ここで用語「アルキル」は上記のように定義される。 用語「アルコキシカルボニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルキ ル-OCONH-のラジカルをいい、ここで用語「アルキル」は上記のように定義され る。 用語「アルキルスルホニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アルキル -SO2NH-のラジカルをいい、ここで用語「アルキル」は上記のように定義される 。 用語「アリールスルホニルアミノ」は、単独または組み合わせて、式アリール -SO2NH-のラジカルをいい、ここで用語「アリール」は上記のように定義される 。 用語「N-アルキルウレア」は、単独または組み合わせて、式アルキル-NH-CO-N H-のラジカルをいい、ここで用語「アルキル」は上記のように定義される。 用語「N-アリールウレア」は、単独または組み合わせて、式アリール-NH-CO-N H-のラジカルをいい、ここで用語「アリール」は上記のように定義される。 用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう。 用語「炭化水素ラジカル」は、1つの水素原子のみが独立した安定な分子であ ることを必要とする炭素および水素原子の配置をいう。従って、炭化水素ラジカ ルは炭素原子上に1つの空の原子価部位を有し、これを通じて炭化水素ラジカル は他の原子(単数または複数)に結合され得る。アルキル、アルケニル、シクロ アルキルなどが、炭化水素ラジカルの例である。 用語「炭化水素ジラジカル」は、2つの水素原子が独立した安定な分子である ことを必要とする炭素および水素原子の配置をいう。従って、炭化水素ラジカル は1つまたは2つの炭素原子上に2つの空の原子価部位を有し、これを通じて炭 化水素ラジカルは他の原子(単数または複数)に結合され得る。アルキレン、ア ルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレンなどが炭化水素ジラジカルの例で ある。 用語「ヒドロカルビル」は、炭素および水素の全体が単一の原子価部位を有し 、これを通じて別の部分に結合する任意の安定な配置をいう。従って、アルキル 、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール(ア リ ール環の中へのヘテロ原子の組み込みを含まない)、アリールアルキル、アルキ ルアリールなどとして知られるラジカルを含む。炭化水素ラジカルは、ヒドロカ ルビルの別の名前である。 用語「ヒドロカルビレン」は、炭素および水素の全体が2つの原子価部位を有 し、これを通じて他の部分に結合する任意の安定な配置をいう。従って、アルキ レン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、 アリーレン(アリーレン環の中へのヘテロ原子の組み込みを含まない)、アリー ルアルキレン、アルキルアリーレンなどを含む。炭化水素ジラジカルは、ヒドロ カルビレンの別の名前である。 用語「ヒドロカルビル-O-ヒドロカルビレン」は、酸素原子に結合したヒドロ カルビル基をいい、ここで酸素原子は、同様にヒドロカルビレン基が他の部分に 結合する2つの原子価部位の1つでヒドロカルビレン基に結合する。用語「ヒド ロカルビル-S-ヒドロカルビレン」、「ヒドロカルビル-NH-ヒドロカルビレン」 および「ヒドロカルビル-アミド-ヒドロカルビレン」は、等価の意味を有し、こ こで酸素はイオウ、-NH-、またはアミド基でそれぞれ置換されている。 用語N-(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレンは、ヒドロカルビレン基をいい、こ こで2つの原子価部位の1つは窒素原子に結合し、そしてこの窒素原子は同時に 水素およびヒドロカルビル基に結合する。用語N,N-ジ(ヒドロカルビル)ヒドロカ ルビレンは、ヒドロカルビレン基をいい、ここで2つの原子価部位の1つは窒素 原子に結合し、そしてこの窒素原子は同時に2つのヒドロカルビル基に結合する 。 用語「ヒドロカルビルアシル-ヒドロカルビレン」は、ヒドロカルビレン基の 2つの原子価部位の1つにアシル(-C(=0)-)基を介して結合したヒドロカルビル 基をいう。 用語「ヘテロシクリルヒドロカルビル」および「ヘテロシリル」は、炭素原子 および酸素、窒素、リン、およびイオウから選択された4つまでの原子(へテロ 原子という)を含む、安定な原子の環状配置をいう。環状配置は、3個〜7個の 原子のモノ環状環または8個〜11個の原子の2環状環の形態であり得る。環は、 飽和または不飽和(芳香族環を含む)であり得、そして必要に応じてベンゾ縮合 され得る。環中の窒素およびイオウ原子は、窒素の4級化形態を含む任意の酸化 形態であり得る。ヘテロシクリルヒドロカルビルは、任意の環外炭素またはヘテ ロ原子で結合し得、安定な構造を作製する。好ましいヘテロシクリルヒドロカル ビルは、1個または2個の窒素のヘテロ原子を含む5〜7員のモノ環状ヘテロ環 を含む。 置換ヘテロシクリルヒドロカルビルは、上記のように定義されるヘテロシクリ ルヒドロカルビルをいい、ここで少なくともその1つの環原子が環外に伸張する 示された置換基に結合する。 ヒドロカルビルおよびヒドロカルビレン基において、用語「1つ以上の水素が 等しい数のフッ素に置換されている上記の任意の誘導体」は、炭素、水素および フッ素原子を含み、それ以外の原子を含まない分子をいう。 用語「活性エステル」は、容易に求核試薬(例えば、アミンおよびアルコール またはチオール求核試薬)により置換可能な「脱離基」を含むエステルである。 このような脱離基は周知であり、限定はしないがN-ヒドロキシスクシンイミド、 N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハロゲン(ハライド)、テトラフルオロフェ ノレートを含むアルコキシ、チオアルコキシなどを含む。用語「保護エステル」 は、マスクされたか、またはそうでなければ非反応性のエステル基をいう。例え ば、Greene,「Protecting Groups In Organic Synthesis」を参照のこと。 上記の定義を考慮して、本明細書全体に使用される他の化学用語は当業者に容 易に理解され得る。用語は、単独またはそれらの任意の組合せで使用され得る。 好ましいおよびより好ましいラジカルの鎖長は、このような全ての組合わせに適 用される。 A.タグ化核酸フラグメントの作製 上記のように、本発明の1つの局面は、各レーンで16タグより多くの使用を可 能にする、DNA配列決定のための一般的なスキームを提供する;連続的な検出に よってちょうど従来の蛍光ベース配列決定のようにタグが検出され得、そして配 列はサイズ分離が生じるごとに読み取られる。このスキームは、タグ化分子のサ イズ分離に基づく任意のDNA配列決定技術に適用し得る。本発明における使用の ために適切なタグおよびリンカー、ならびに核酸配列決定のための方法は、以下 により詳細に議論される。 1.タグ 本明細書中に使用される「タグ」は、一般に「目的分子」を独特に同定するた めに使用される化学部分をいい、そしてより詳細にはタグ可変成分ならびに任意 のタグ反応物、タグ成分およびタグ部分において、それに最も密接に結合し得る ものをいう。 本発明において有用なタグは、いくつかの性質を有する: 1)他の全てのタグから区別され得る。他の化学部分からのこの区別は、タグ( 特に、切断反応後)のクロマトグラフィーの挙動、その分光光度または電位差特 性、またはこれらのいくつかの組合せに基づき得る。タグが有用に区別される分 光光度法は、質量スペクトル分析法(MS)、赤外(IR)、紫外(UV)、および蛍光を含 み、ここでMS、IR、およびUVが好ましく、そしてMSが最も好ましい分光光度法で ある。定電位電流測定は、好ましい電位差法である。 2)タグは、10-22〜10-6モルで存在する場合に検出され得る。 3)タグは、タグが独特に同定されると意図される、MOIに結合し得る化学的ハ ンドルを有する。結合は、MOIに直接的に、または「リンカー」基を介して間接 的に形成され得る。 4)タグは、それが供される全ての操作(MOIへの結合および切断、およびタグが 結合される間のMOIの任意の操作を含む)に対して化学的に安定である。 5)タグは、タグが結合している間のMOIについて行われる操作を有意に阻害し ない。例えば、タグがオリゴヌクレオチドに結合されている場合、タグはオリゴ ヌクレオチドに行われるいかなるハイブリダイゼーションまたは酵素反応(例え ば、PCR配列決定反応)を阻害してはならない。同様に、タグが抗体に結合され る場合、抗体による抗原認識を有意に阻害してはならない。 特定の分光光度または電位差法により検出されることを意図されるタグ部分は 、その方法による検出の感度および特異性を増強する特性を有する。典型的には 、タグ部分は、このような特性を有する。なぜなら、特性は、典型的にタグ部分 の主要部分を構成するタグ可変成分の中に設計されているからである。以下の議 論 において、用語「タグ」の使用は、タグ部分(すなわち、タグ可変成分を含む切 断産物)をいうが、タグ可変成分それ自体をいうこともまた考慮され得る。なぜ なら、タグ可変性分は、典型的には独特に検出され得る特性を提供することを担 うタグ部分の一部であるからである。式T-L-Xの化合物において、「T」部分は、 タグ可変成分を含む。タグ可変成分が例えば、質量スペクトル分析法により特徴 付けされるように設計されている場合、T-L-Xの「T」部分はTmsといわれ得る。 同様に、T-L-XからのTを含む切断産物は、Tms含有部分といわれ得る。以下の分 光光度法および電位差法は、Tms含有部分を特徴付けるために使用され得る。 a.MSタグの特徴 タグが質量分析(すなわち、MS読み取り可能タグ、また本明細書中でMSタグ、 または「Tms含有部分」といわれる)により分析され得る場合、タグの必須特性 は、それがイオン化され得ることである。従って、MS読み取り可能タグの設計に おいて、そこにMSのイオン化条件の下で正電荷または負電荷を有し得る化学官能 性を取り込むことは、好ましい要素である。この特性は、特にエレクトロスプレ ーイオン化において、イオン形成の改善された効率およびより大きい検出の全体 的な感度を与える。イオン化電位を維持する化学官能基は、TmsまたはLあるい は両方に由来し得る。質量スペクトル分析により検出される分析物の相対的な感 度を増加し得る因子は、例えば、Sunner,J.ら、Anal.Chem.60:1300-1307(19 88)に議論されている。 負電荷を有することを容易にするために好ましい官能基は、有機酸(例えば、 フェノール性水酸基、カルボン酸、リン酸、リン酸塩、テトラゾール、硫化尿素 、パーフルオロアルコールおよびスルホン酸)である。 イオン化条件下で正電荷を有することを容易にするために好ましい官能基は、 脂肪族または芳香族アミンである。MSタグの増強された検出可能性を与えるアミ ン官能基の例は、四級アミン(すなわち、各々が炭素原子に対する4つの結合を 有するアミン。Aebersold,米国特許第5,240,859号を参照のこと)および三級ア ミン(すなわち各々が炭素原子に対する3つの結合を有するアミン。これは、ピ リジンに存在するようなC=N-C基を含む。Hessら、Anal.Biochem.224:373,199 5;Buresら、Anal.Biochem.224:364,1995を参照のこと)を含む。阻害された 三級アミンが特に好ましい。3級および四級アミンは、アルキルまたはアリール であり得る。Tms含有部分は、少なくとも1つのイオン化可能種を有さなくては ならないが、1つより多くのイオン化可能種を有し得る。好ましい電荷状態は、 1つのタグ当たり1つのイオン化種である。従って、各Tms含有部分(および各 タグ可変成分)は、1つの阻害されたアミンまたは有機酸基のみを含むことが好 ましい。 Tms含有部分の一部を形成し得る適切なアミン含有ラジカルは、以下を含む: 質量スペクトル分析によるタグの同定は、好ましくは分子量対電荷比(m/z)に 基づく。MSタグの好ましい分子量範囲は約100〜2,000ダルトンであり、そして好 ましくはTms含有部分は少なくとも約250ダルトン、より好ましくは少なくとも約 300ダルトン、そしてさらにより好ましくは少なくとも約350ダルトンの質量を有 する。一般に、200〜250ダルトン未満の親イオンを有する部分を質量スペクトル 分析で区別することは特に困難であり(精密な装置に依存する)、従って本発明 のTms含有部分がこの範囲を超える質量を有することが好ましい。 上記に説明したように、Tms含有部分は、タグ可変成分に存在するもの以外、 そして特にTms自体に存在するもの以外の原子を含み得る。従って、Tms自体の質 量は、Tms含有部分が少なくとも約250ダルトンの質量を有する限り、約250ダル トンより少なくあり得る。従って、Tmsの質量は、15(すなわち、メチルラジカ ル)〜約10,000ダルトンの範囲、そして好ましくは100〜約5,000ダルトンの範囲 、そしてより好ましくは約200〜約1,000ダルトンの範囲であり得る。 これらのタグが有意な量で1つより多くの同位体を有する原子を取り込む場合 、質量スペクトル分析によりタグを区別することは比較的困難である。従って、 質量スペクトル分析同定に意図される好ましいT基(Tms基)は、炭素、少なくと も1つの水素およびフッ素、および酸素、窒素、イオウ、リンおよびヨウ素から 選択される任意の原子を含む。他の原子はTmsに存在し得るが、その存在は質量 スペクトル分析データの分析を幾分より困難にし得る。好ましくは、Tms基は、 水素原子および/またはフッ素原子に加えて、炭素、窒素および酸素のみを有す る。 フッ素は、Tms基において有することがなお好ましい任意の原子である。水素 と比較して、フッ素はもちろんより重い。従って、フッ素原子の存在は、水素原 子よりもより高い質量のTms基を導き、それによりTms基は上記の説明のように所 望される250ダルトンの質量に達し得、そしてこれを超え得る。さらに、水素の フッ素での置換は、Tms含有部分により高い揮発性を与え、そして分析物のより 高い揮発性は、質量スペクトル分析が検出方法として用いられる場合、感度を増 強する。 Tmsの分子式は、C1-500N0-100O0-100S0-10P0-10HαFβIδの範疇にあり、ここ でa、βおよびδの計は、そうでなければ充たされないC、N、O、S、およびP原 子の原子価を 充たすのに十分である。表示C1-500N0-100O0-100S0-10P0-10HαFβIδは、Tmsが 少なくとも1つを含み、そして1個〜500個の任意の数の炭素原子、さらに必要 に応じて100個までの窒素原子(「N0-」は、Tmsが窒素原子を1つも含む必要が ないことを意味する)、および100個までの酸素原子、ならびに10個までのイオ ウ原子および10個までのリン原子をTmsに含み得ることを意味する。符合α、β 、およびδは、Tms中の水素、フッ素およびヨウ素の数を表し、ここで、これら の数の任意の2つは0であり得、そしてこれらの数の計はそうでなければ充たさ れないC、N、O、SおよびP原子の原子価の総計と等しい。好ましくは、Tmsは、C1 -50 N0-10O0-100HαFβの範疇に入る分子式を有し、ここでαおよびβの計は部分 に存在する水素およびフッ素原子の数にそれぞれ等しい。 b.IRタグの特徴 有機化学基のIR検出には、2つの主な形態:ラマン散乱IRおよび吸収IRが存在 する。ラマン散乱IRスペクトルと吸収IRスペクトルとは、相補的な分光学的方法 である。一般に、ラマン励起は結合極性の変化に依存するが、IR吸収は結合双極 子モーメントの変化に依存する。弱いIR吸収線は強いラマン吸収線となり、そし てその逆も成り立つ。波数は、IRスペクトルの特徴的な単位である。IRタグのた めの別々の適用を有する3つのスペクトル領域が存在する:12500〜4000cm-1に おける近IR、4000〜600cm-1における中程度のIR、600〜30cm-1における遠IR。本 明細書中に記載される使用(ここで化合物は、MOI、プローブ、またはプライマ ーを同定するためのタグとして機能する)のために、中程度のスペクトル領域が 好ましい。例えば、カルボニル伸縮(1850〜1750cm-1)は、カルボン酸、カルボ ン酸エステルおよびカルボン酸アミド、ならびに炭酸アルキルおよび炭酸アリー ル、カルバメート、ならびにケトンについて測定される。N-H変角(1750〜160cm-1 )は、アミン、アンモニウムイオン、およびアミドを同定するために使用され る。1400〜1250cm-1において、R-OH変角ならびにアミド中のC-N伸縮が検出され る。芳香族置換パターンは、900〜690cm-1(ArNH2についてのC-H変角、N-H変角 )において検出される。飽和C-H、オレフィン、芳香環、二重結合および三重結 合、エステル、アセタール、ケタール、アンモニウム塩、N-O化合物(例えば、 オキ シム、ニトロ、N-オキシド、および硝酸塩)、アゾ、ヒドラゾン、キノン、カル ボン酸、アミド、ならびにラクタムは全て、振動赤外相関データを有する(Pret schら,Spectral Data for Structure Determination of Organic Compounds,S pringer-Verlag,New York,1989を参照のこと)。好ましい化合物には、2230〜 2210cm-1において非常に強いニトリル伸縮振動を示す芳香族ニトリルが含まれる 。他の有用なタイプの化合物は、2140〜2100cm-1の間に鋭い吸収バンドを引き起 こす強い伸縮振動を有する芳香族アルキンである。第3のタイプの化合物は、21 60〜2120cm-1領域において強い吸収バンドを示す芳香族アジドである。チオシア ネートは、2275〜2263cm-1において強い吸収を有する代表的な化合物である。 c.UVタグの特徴 有機発色団のタイプおよびそれら各々のUV可視特性の編集が、Scott(Interpr etation of the UV Spectra of Natural Products,Permagon Press,New York ,1962)において与えられる。発色団は、特定の光吸収を担う原子、または原子 もしくは電子の群である。共役系におけるπ→π*の極大について、経験則が存 在する(Pretschら,Spectral Data for Structure Determination of Organic Compounds,B65頁およびB70頁,Springer-Verlag,New York,1989を参照のこと )。好ましい化合物(共役系を有する)は、n→π*およびπ→π*遷移を有する 。そのような化合物は、以下によって例示される:アシッドバイオレット7、ア クリジンオレンジ、アクリジンイエローG、ブリリアントブルーG、コンゴーレッ ド、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーンオキサレート、メタニルイエ ロー、メチレンブルー、メチルオレンジ、メチルバイオレットB、ナフトールグ リーンB、オイルブルーN、オイルレッド0、4-フエェルアゾフェノール、サフラ ニンO(Safranie O)、ソルベントグリーン3、およびスダンオレンジG;これらの 全てが市販されている(Aldrich,Milwaukee,WI)。他の適切な化合物は、例え ば、Jane,I.ら,J.Chrom.323:191-225(1985)において表記されている。 d.蛍光タグの特徴 蛍光プローブは、それらの吸収および蛍光放出の波長および強度によって、最 も直接的に同定されそして定量される。放出スペクトル(蛍光およびりん光)は 、吸収スペクトルよりも非常に感度が高く、そしてより特異的な測定を可能にす る。励起状態の寿命および蛍光の異方性のような他の光物理的特性は、より広く 使用されていない。最も一般的に有用な強度パラメータは、吸収についてのモル 吸光係数(ε)および蛍光についての量子収量(QY)である。εの値は単一の波 長において明示され(通常、プローブの極大吸収)、一方QYは全蛍光スペクトル プロフィールにわたる全光子放出の測定である。狭い最適バンド幅(<20nm)が 蛍光励起(吸収を介する)について通常使用され、一方蛍光検出バンド幅はより 可変的であり、最大感度についての完全スペクトルから最大解像度についての狭 いバンド(約20nm)までの範囲にわたる。プローブ分子あたりの蛍光強度は、ε とQYとの積に比例する。現在実用的に重要な、発蛍光団におけるこれらのパラメ ータの幅は、εについて約10,000〜100,000cm-1M-1であり、そしてQYについて0. 1〜1.0である。蛍光タグとして機能し得る化合物は、以下の通りである:フルオ ロセイン、ローダミン、ラムダブルー470、ラムダグリーン、ラムダレッド664、 ラムダレッド665、アクリジンオレンジ、およびヨウ化プロピジウム、これらはL ambda Fluorescence Co.(Pleasant Gap,PA)から市販されている。蛍光化合 物(例えば、ナイルレッド、テキサスレッド、lissamineTM、BODIPYTM)は、Mol ecular Probes(Eugene,OR)から市販されている。 e.電位差タグの特徴 電気化学的検出(ECD)の原理は化合物の酸化および還元に基づいている。特 定の印加された電位において、電子は供与されるかまたは受容されるかのいずれ かであり、従って測定され得る電流を産生する。特定の化合物が電位差に供され た場合、分子は作用電極の表面において、電子の喪失(酸化)または獲得(還元 )による分子転位を受ける。そのような化合物は電子的であると言われ、そして 電気化学的反応を受ける。EC検出器は、その上にHPLC溶出液が流れる電極表面に 電圧を与える。カラムから溶出する電気的に活性な化合物は、電子を供与(酸化 )するかまたは獲得(還元)するかのいずれかであり、即時に電流ピークを生じ る。重要なことに、生じる電流の量は、分析物(analyte)の濃度および与えら れた電圧の両方に依存し、各化合物は、そこにおいて酸化または還元が始まる特 定の電圧を有する。現在最もポピュラーな電気化学的検出器は電流測定検出器で あり、そこでは電位が一定に保たれており、そして電気化学的反応から生じる電 流が次いで測定される。この種類の分光分析は現在「定電位電流測定」と呼ばれ ている。市販の電流測定器はESA,Inc.,Chelmfold,MAから入手できる。 検出の効率が100%である場合、特殊化された検出器は「電量的」であると言 われる。電量検出器は高感度であり、選択性および感度に関して多くの実用的な 利点を有し、それによりこれらの種類の検出器はアレイにおいて有用となる。電 量検出器において、分析物の所定の濃度についてのシグナル電流は、作用電極に 対する印加された電位(電圧)の関数としてプロットされる。得られるS字型グ ラフは電流-電圧曲線または流体力学的ボルタマグラム(HDV)と呼ばれる。HDV は、活性電極に印加される電位の最良の選択を可能にし、これは観察されるシグ ナルを最大化することを可能にする。ECDの主要な利点は、サブフエムトモルの 範囲における検出の電流レベルを有する、その固有の感度である。 多数の化学物質および化合物が電気化学的に活性であり、それには多くの生化 学物質、薬剤、および殺虫剤が含まれる。クロマトグラフィー上で共溶出する化 合物は、それらの半波位(最大シグナルの半分における電位)が30〜60mVでしか 相違しない場合でさえも、効果的に解析され得る。 最近開発された電量センサーは、液体クロマトグラフィーに基づく分離におけ る検出器として使用される場合、溶出する化合物の選択性、同定、および解析を 提供する。従って、これらのアレイされた検出器は、検出器自身において達成さ れる別の組の分離を加える。現在の計器は16チャンネルを有し、これらは原則と して、データが獲得され得る速度によってのみ制限される。ECアレイ上で解析さ れ得る化合物の数は、クロマトグラフィーによって制限される(すなわち、プレ ートの総数が制限される)。しかし、クロマトグラフィー上で共溶出する2以上 の化合物が半波位において30〜60mVの相違を有する場合、アレイは化合物を区別 可能である。電気化学的に活性である化合物の能力は、所有のEC活性基(すなわ ち、-OH、-O、-N、-S)に依存する。 電量検出器を使用して首尾良く検出されている化合物には、以下が含まれる: 5-ヒドロキシトリプタミン、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル−グリコール、 ホモゲンチジン酸、ドーパミン、メタネフリン、3-ヒドロキシキヌレニン(3-hyd roxykynureninr)、アセトミノフェン、3−ヒドロキシトリプトホール(3-hydrox ytryptophol)、5-ヒドロキシインドール酢酸、オクタンスルホン酸、フェノール 、o-クレゾール、ピロガロール、2-ニトロフェノール、4-ニトロフェノール、2, 4-ジニトロフェノール、4,6-ジニトロクレゾール、3-メチル-2-ニトロフェノー ル、2,4-ジクロロフェノール、2,6-ジクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェ ノール、4-クロロ-3-メチルフェノール、5-メチルフェノール、4-メチル-2-ニト ロフェノール、2-ヒドロキシアニリン、4-ヒドロキシアニリン、1,2-フェニレン ジアミン、ベンゾカテキン、ブツロン、クロルトルロン、ジウロン、イソプロツ ロン、リニュロン、メトブロムロン、メトキスロン、モノリニュロン、モニュロ ン、メチオニン、トリプトファン、チロシン、4-アミノ安息香酸、4-ヒドロキシ 安息香酸、4-ヒドロキシクマリン酸、7-メトキシクマリン、アピゲニン(apigeni n)バイカレイン、カフェイン酸、カテキン、センタウレイン、クロロゲン酸、ダ イドゼイン(daidzein)、ダチスセチン、ジオスメチン、没食子酸エピカテキン、 エピガロカテキン、没食子酸エピガロカテキン、オイゲノール、オイパトリン(e upatorin)、フェルル酸、フィセチン、ガランギン(galangin)、没食子酸、ガル デニン(gardenin)、ゲニステイン、ゲンチジン酸、ヘスペリジン、イリゲニン、 ケンフェロール(kaemferol)、ロイコヤニジン(leucoyanidin)、ルテオリン、マ ンゴスチン、モリン、ミリセチン、ナリンギン、ナリルチン(narirutin)、ペラ ルゴンジン(pelargondin)、ペオニジン(peonidin)、フロレチン(phloretin)、プ ラテンセイン、プロトカテキン酸(protocatechuic acid)、ラムネチン(rhamneti n)、ケルセチン、サクラネチン、スクテラレイン(scutellarein)、スコポレチン (scopoletin)、シリングアルデヒド、シリンジン酸(syringic acid)、タンゲリ チン(tangeritin)、トロキセルチン(troxerutin)、ウンベリフェロン(umbellife rone)、バニリン酸、1,3−ジメチルテトラヒドロイソキノリン、6-ヒドロキシド ーパミン、γ-サルソリノール、N-メチル-γ-サルソリノール、テトラヒドロイ ソキノリン、アミトリプチリン、アポモルヒネ、カプサイシン、クロルジアゼポ キシド、クロルプロマジン、ダウノルビシン、デシプラミン、ドキセピン、フル オキセチン、フルアゼ パム、イミプラミン、イソプロテレノール、メトキサミン、モルヒネ、モルヒネ -3-グルクロニド、ノルトリプチリン、オキサゼパム、フェニレフリン、トリミ プラミン、アスコルビン酸、N-アセチルセロトニン、3,4-ジヒドロキシベンジル アミン、3,4-ジヒドロキシマンデル酸(DOMA)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸 (DOPAC)、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-DOPA)、3,4-ジヒドロキシ フェニルグリコール(DHPG)、3-ヒドロキシアントラニル酸、2-ヒドロキシフェ ニル酢酸(2HPAC)、4-ヒドロキシ安息香酸(4HBAC)、5-ヒドロキシインドール -3-酢酸(5HIAA)、3-ヒドロキシキヌレニン、3-ヒドロキシマンデル酸、3-ヒド ロキシ-4-メトキシフェニルエチルアミン、4-ヒドロキシフェニル酢酸(4HPAC) 、4-ヒドロキシフェニル乳酸(4HPLA)、5-ヒドロキシトリプトファン(5HTP) 、5-ヒドロキシトリプトホール(5HTOL)、5-ヒドロキシトリプタミン(5HT)、 5-ヒドロキシトリプタミンスルフェート、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグ リコール(MHPG)、5-メトキシトリプタミン、5-メトキシトリプトファン、5-メ トキシトリプトホール、3-メトキシチラミン(3MT)、3-メトキシチロシン(3-O M-DOPA)、5-メチルシステイン、3-メチルグアニン、ブホテニン、ドーパミン、 ドーパミン-3-グルクロニド、ドーパミン-3-スルフェート、ドーパミン-4-スル フェート、エピネフリン、エピニン、葉酸、グルタチオン(還元型)、グアニン 、グアノシン、ホモゲンチジン酸(HGA)、ホモバニリン酸(HVA)、ホモバニリ ルアルコール(HVOL)、ホモベラチン酸(homoveratic acid)、ホモバニリン酸ス ルフェート、ヒポキサンチン、インドール、インドール-3-酢酸、インドール-3- 乳酸、キヌレニン、メラトニン、メタネフリン、N-メチルトリプタミン、N-メチ ルチラミン、N,N-ジメチルトリプタミン、N,N-ジメチルチラミン、ノルエピネフ リン、ノルメタネフリン、オクトパミン、ピリドキサール、ピリドキサールリン 酸、ピリドキサミン、シネフリン(synephrine)、トリプトホール、トリプタミン 、チラミン、尿酸、バニリルマンデル酸(vma)、キサンチン、およびキサント シン。他の適切な化合物は、例えば、Jane,I.ら,J.Chrom.323:191-225(19 85)およびMusch,G.ら,J.Chrom.348:97-110(1985)に記載される。これら の化合物は、当該分野で公知の方法によって式T-L-Xの化合物中に取り込まれ得 る。例えば、カルボン酸基を有する化合物は、アミン、ヒドロキシルなどと反応 し得、 TとLとの間にアミド、エステル、および他の結合を形成する。 上記の特性に加え、そして意図される検出法に関係なく、タグはモジュール式 化学構造を有することが好ましい。このことは、コンビナトリアルケミストリー の技術を使用する多数の構造的に関連するタグの構築において助けとなる。例え ば、Tms基はいくつかの特性を有することが望ましい。それはTms含有部分が質量 分析に供された場合に単一のイオン化電荷状態を維持する官能基(より単純には 、「質量分析感度エンハンサー」基、すなわちMSSEと呼ばれる)を含むことが望 ましい。またそれは、Tms含有部分のファミリーにおける1つのメンバーとして 機能し得ることが望ましく、ここでファミリーのメンバーは各々が異なる質量/ 電荷の比を有するが、質量分析器においてほぼ同一の感度を有する。従って、フ ァミリーのメンバーは同一のMSSEを有することが望ましい。化合物のファミリー の作製を可能にするために、モジュール式合成スキームを介してタグ反応部を生 成することが好都合であると見出されており、その結果タグ成分自身はモジュー ルを含んでいると見なされる。 Tms基の構造への好ましいモジュール式アプローチにおいて、Tmsは以下の式を 有する: T2-(J-T3-)n- ここで、T2は、15〜500ダルトンの質量幅を有する、炭素および1個以上の水素 、フッ素、ヨウ素、酸素、窒素、硫黄、およびリンから形成される有機部分であ り;T3は、50〜1000ダルトンの質量幅を有する、炭素および1個以上の水素、フ ッ素、ヨウ素、酸素、窒素、硫黄、およびリンから形成される有機部分であり; Jは、直接の結合であるか、または以下のような官能基である:アミド、エステ ル、アミン、スルフィド、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、チオエーテ ル、尿素、チオ尿素、カルバメート、チオカルバメート、Schiff塩基、還元型Sc hiff塩基、イミン、オキシム、ヒドラゾン、ホスフェート、ホスホネート、ホス ホルアミド、ホスホンアミド、スルホネート、スルホンアミド、または炭素-炭 素結合;そしてnは1〜50の範囲の整数であり、これによって、nが1より大きい 場合、各T3およびJは独立して選択される。 モジュラー構造T2-(J-T3-)n-は、T-L-X化合物のファミリーへの好都合な入口 を 提供し、ここでファミリーの各メンバーは異なるT基を有する。例えば、TがTms であり、そして各ファミリーメンバーが望ましくは同一のMSSEを有する場合、T3 基の1つはMSSE構造を提供する。Tmsの質量に関してファミリーのメンバー間の 変動性を提供するために、T2基はファミリーメンバーの間で変動し得る。例えば 、1つのファミリーメンバーはT2=メチルを有し得るが、別のものはT2=エチルを 有し得、そして別のものはT2=プロピルを有し得る、などである。 質量に「著しい」飛躍または大きな飛躍を提供するために、T3基はT-L-Xに有 意の(例えば、百または数百の)質量単位を付加するように設計され得る。その ようなT3基は、分子量幅調節基(「WRA」)と言われ得る。WRAは、限界幅を超えて 広がる質量を有するT2の単一のセットと共に作用する場合、非常に有用である。 単一のセットのT2基は、単に1以上のWRA T3基をTms中に取り込むことにより、 幅広い質量を有するTms基を作製するために使用され得る。従って、単純な例を 使用すると、1セットのT2基がTmsについて250〜340ダルトンの質量幅を与える 場合、例示的な数である100ダルトンをT3基として有する単一のWRAの付加は、同 一のセットのT2基を使用しながら、350〜440ダルトンの質量幅へのアクセスを提 供する。同様に、2つの100ダルトンMWA基の付加(各々がT3基として)は、450 〜540ダルトンの質量幅へのアクセスを提供し、ここでこのWRA基の増加的な付加 は継続され得、Tms基について非常に大きな質量幅へのアクセスを提供する。式T2 -(J-T3-)n-L-Xの好ましい化合物は、式RVMC-(RWRA)W-RMSSE-L-Xを有し、ここで 、VWCは「T2」基であり、そしてWRAおよびMSSE基の各々は「T3」基である。この 構造は図12に図示されており、そしてTmsの調製への1つのモジュール式アプロ ーチを表す。 式T2−(J-T3-)n-において、T2およびT3は、好ましくは以下から選択される: ヒドロカルビル、ヒドロカルビル-O-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-S-ヒド ロカルビレン、ヒドロカルビル-NH-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-アミド- ヒドロカルビレン、N-(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン、N,N-ジ(ヒドロカル ビル)ヒドロカルビレン、ヒドロカルビルアシル-ヒドロカルビレン、ヘテロシク リルヒドロカルビル(ここで、ヘテロ原子は酸素、窒素、硫黄、およびリンから 選択される)、置換へテロシクリルヒドロカルビル(ここで、へテロ原子は酸素 、窒素、硫黄、およびリンから選択され、そして置換基は以下から選択される: ヒド ロカルビル、ヒドロカルビル-O-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-NH-ヒドロ カルビレン、ヒドロカルビル-S-ヒドロカルビレン、N-(ヒドロカルビル)ヒドロ カルビレン、N,N-ジ(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン、およびヒドロカルビル アシル-ヒドロカルビレン)。さらに、T2および/またはT3は、1個以上の水素が フッ素で置き換えられているような、以前に表記された任意の潜在的T2/T3基の 誘導体であり得る。 また、式T2-(J-T3-)n-に関して、好ましいT3は式-G(R2)-を有し、ここでGは 単一のR2置換基を有するC1-6アルキレン鎖である。従って、Gがエチレン(-CH2- CH2-)である場合、1個または2個のいずれかのエチレン炭素はR2置換基を有し 、そしてR2は以下から選択される:アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロ アルキル、アリール縮合シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラル キル、アリール置換アルケニルもしくはアルキニル、シクロアルキル置換アルキ ル、シクロアルケニル置換シクロアルキル、ビアリール、アルコキシ、アルケノ キシ、アルキノキシ、アラルコキシ、アリール置換アルケノキシもしくはアルキ ノキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノもしくはアルキニルアミノ、アリー ル置換アルキルアミノ、アリール置換アルケニルアミノもしくはアルキニルアミ ノ、アリールオキシ、アリールアミノ、N-アルキル尿素置換アルキル、N-アリー ル尿素置換アルキル、アルキルカルボニルアミノ置換アルキル、アミノカルボニ ル置換アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル置換アルキル、ヘテロシクリ ル置換アミノ、カルボキシアルキル置換アラルキル、オキソカルボシクリル縮合 アリール、およびヘテロシクリルアルキル;シクロアルケニル、アリール置換ア ルキルおよびアラルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルコキシ置換アルキル、 アラルコキシ置換アルキル、アルコキシ置換アルキル、アラルコキシ置換アルキ ル、アミノ置換アルキル、(アリール置換アルキルオキシカルボニルアミノ)置換 アルキル、チオール置換アルキル、アルキルスルホニル置換アルキル、(ヒドロ キシ置換アルキルチオ)置換アルキル、チオアルコキシ置換アルキル、ヒドロカ ルビルアシルアミノ置換アルキル、ヘテロシクリルアシルアミノ置換アルキル、 ヒドロカルビル置換へテロシクリルアシルアミノ置換アルキル、アルキルスルホ ニルアミノ置換アルキル、アリールスルホニルアミノ置換アルキル、モルホリノ アルキル、 チオモルホリノアルキル、モルホリノカルボニル置換アルキル、チオモルホリノ カルボニル置換アルキル、[N-(アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル)-ま たはN,N-(ジアルキル、ジアルケニル、ジアルキニル、もしくは(アルキル、アル ケニル)-アミノ]カルボニル置換アルキル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、 ヘテロシクリルアルケンアミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル置 換アルキル、ヘテロシクリルアルケンアミノカルボニル置換アルキル、N,N-[ジ アルキル]アルキレンアミノカルボニル、N,N-[ジアルキル]アルキレンアミノカ ルボニル置換アルキル、アルキル置換へテロシクリルカルボニル、アルキル置換 ヘテロシクリルカルボニルアルキル、カルボキシル置換アルキル、ジルキルアミ ノ置換アシルアミノアルキル、および以下から選択されるアミノ酸側鎖:アルギ ニン、アルバラギン、グルタミン、S-メチルシステイン、メチオニン、ならびに それらの対応するスルホキシドおよびスルホン誘導体、グリシン、ロイシン、イ ソロイシン、アロイソロイシン、tert-ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラ ニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、アラニン、オルニチン、ヒスチジ ン、グルタミン、バリン、トレオニン、セリン、アスパラギン酸、β-シアノア ラニン、およびアロトレオニン;アリニルおよびヘテロシクリルカルボニル、ア ミノカルボニル、アミド、モノまたはジアルキルアミノカルボニル、モノまたは ジアリールアミノカルボニル、アルキルアリールアミノカルボニル、ジアリール アミノカルボニル、モノまたはジアシルアミノカルボニル、芳香族または脂肪族 アシル、必要に応じて以下から選択される置換基によって置換されたアルキル: アミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、モノまたはジアルキルアミノ、 モノまたはジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、モ ノまたはジアシルアミノ、アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、チオア ルコキシ、チオアルケノキシ、チオアルキノキシ、チオアリールオキシ、および ヘテロシクリル。 式T2-(J-T3-)n-L-Xの好ましい化合物は、以下の構造を有する:ここでGは(CH2)1-6であり、それによって、単一の「G」で表される1つのかつ唯 一のCH2基上の水素が-(CH2)c-アミド-T4に置き換えられ;T2およびT4は、式C1-2 5 N0-9O0-9HαFβの有機部分であり、それによって、αおよびβの合計は、C、N 、および0原子の他の満たされていない結合価を満たすのに十分であり;アミド は以下の式であり: ここでR1は水素またはC1-10アルキルであり;cは0〜4の範囲の整数であり;そ してnは1〜50の範囲の整数であり、これによって、nが1より大きい場合、G、c 、アミド、R1、およびT4は独立して選択される。 さらに好ましい実施態様において、式T2-(J-T3-)n-L-Xの化合物は以下の構造 を有する: ここでT5は、式C1-25N0-9O0-9HαFβの有機部分であり、それによって、αおよ びβの合計は、C、N、およびO原子の他の満たされていない結合価を満たすのに 十分であり;そしてT5は三級または第四級アミンまたは有機酸を含み;mは0〜4 9の範囲の整数であり、そしてT2、T4、R1、L、およびXは以前に定義されている 。 式T2-(J-T3-)n-L-Xを有する別の好ましい化合物は、以下の特定の構造を有す る: ここでT5は、式C1-25N0-9O0-9HαFβの有機部分であり、それによって、αおよ びβの合計は、C、N、およびO原子の他の満たされていない結合価を満たすのに 十分であり;そしてT5は三級または第四級アミンまたは有機酸を含み;mは0〜4 9の範囲の整数であり、そしてT2、T4、c、R1、「アミド」、L、およびXは以前に 定義されている。 T5基を有する上記の構造において、-アミド-T5は、好ましくは以下の1つであ り、これらは有機酸を「G」から伸びる遊離のアミノ基と反応させることにより 好都合に調製され得る: 上記の化合物がT5基を有し、そして「G」基が遊離のカルボキシル基(または それらの反応性等価体)を有する場合、以下が好ましい-アミド-T5基であり、こ れらは適切な有機アミンを「G」から伸びる遊離のカルボキシル基と反応させる ことにより好都合に調製され得る: 本発明の3つの好ましい実施態様において、T-L-MOIは以下の構造を有する: あるいは以下の式を有する: あるいは以下の式を有する: ここでT2およびT4は、式C1-25N0-9O0-9S0-3P0-3HαFβIδの有機部分であり、そ れによって、α、β、およびδの合計は、C、N、O、S、およびP原子の他の満た されていない結合価を満たすのに十分であり;Gは(CH2)1-6であり、ここで各Gで 表されるCH2基上の1つのそして唯一の水素は-(CH2)c-アミド-T4に置き換えられ ており;アミドは以下の式であり: ここでR1は水素またはC1-10アルキルであり;cは0〜4の範囲の整数であり;「 C2-C10」は2〜10の炭素原子を有するヒドロカルビレン基を表し、「ODN-3'-OH 」は末端3'ヒドロキシル基を有する核酸フラグメント(すなわち、核酸フラグ メントの3'末端以外において(C1-C10)に結合した核酸フラグメント)を表し; そしてnは1〜50の範囲の整数であり、これによって、nが1より大きい場合、G 、c、アミド、R1、およびT4は独立して選択される。好ましくは、単一の炭素原 子に結合した3個のヘテロ原子は存在しない。 ここでT2およびT4は、式C1-25N0-9O0-9HαFβの有機部分であり、それによって 、αとβとの合計は、C、N、およびO原子の他の満たされていない結合価を満た すのに十分であり;Gは(CH2)1-6であり、ここで各Gで表されるCH2基上の1つの そして唯一の水素は-(CH2)c-アミド-T4に置き換えられており;アミドは以下の 式であり: ここでR1は水素またはC1-10アルキルであり;cは0〜4の範囲の整数であり;「 ODN-3'-OH」は末端3'ヒドロキシル基を有する核酸フラグメントを表し;そして nは1〜50の範囲の整数であり、nが1より大きい場合、G、c、アミド、R1、およ びT4は独立して選択される。 上記で示されたT2-C(=O)-N(R1)-基を含有する構造において、この基は式HN(R1 )-のアミンを以下から選択される有機酸(これらは単に例示的であって、潜在的 な有機酸の余すところのないリストを構成していない)と反応させることにより 形成され得る:ギ酸、酢酸、プロピオール酸、プロピオン酸、フルオロ酢酸、2- ブチン酸、シクロプロパンカルボン酸、酪酸、メトキシ酢酸、ジフルオロ酢酸、 4-ペンチン酸、シクロブタンカルボン酸、3,3-ジメチル酢酸、吉草酸、N,N-ジメ チルグリシン、N-ホルミル-Gly-OH、エトキシ酢酸、(メトキシチオ)酢酸、ピロ ール-2-カルボン酸、3-フロイン酸、イソオキサゾール-5-カルボン酸、trans-3- ヘキセン酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサン酸、Ac-Gly-OH、2-ヒドロキシ-2-メチ ル酪酸、安息香酸、ニコチン酸、2-ピラジンカルボン酸、1-メチル-2-ピロール カルボン酸、2-シクロペンテン-1-酢酸、シクロペンチル酢酸、(S)-(-)-2-ピロ リドン-5-カルボン酸、N-メチル-L-プロリン、ヘプタン酸、Ac-b-Ala-OH、2-エ チル-2-ヒドロキシ酪酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、p-トルイン酸、6-メチ ルニコチン酸、5-メチル-2-ピラジンカルボン酸、2,5-ジメチルピロール-3-カル ボン酸、4-フルオロ安息香酸、3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-カルボン酸、3 -シクロペンチルプロピオン酸、オクタン酸、N,N-ジメチルスクシナミン酸(succ inamic acid)、フェニルプロピオン酸、ケイヒ酸、4-エチル安息香酸、p-アニス 酸、1,2,5-トリメトキシピロール-3-カルボン酸、3-フルオロ-4-メチル安息香酸 、Ac-DL-プロパルギルグリシン、3-(トリフルオロメチル)酪酸、1-ピペリジンプ ロピオン酸、N-アセチルプロリン、3,5-ジフルオロ安息香酸、Ac-L-Val-OH、イ ンドール-2-カルボン酸、2-ベンゾフランカルボン酸、ベンゾトリアゾール-5-カ ルボン酸、4-n-プロピル安息香酸、3-ジメチルアミノ安息香酸、4-エトキシ安息 香酸、4-(メチルチオ)安息香酸、N-(2-フロイル)グリシン、2-(メチルチオ)ニコ チン酸、3-フルオロ-4-メトキシ安息香酸、Tfa-Gly-OH、2-ナフトエ酸、キナル ジン酸、Ac-L-Ile-OH、3-メチルリンデン-2-カルボン酸、2-キノキサリンカルボ ン 酸、1-メチルインドール-2-カルボン酸、2,3,6-トリフルオロ安息香酸、N-ホル ミル-L-Met-OH、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、4-n-ブチル安息香 酸、N-ベンゾイルグリシン、5-フルオロインドール-2-カルボン酸、4-n-プロポ キシ安息香酸、4-アセチル-3,5-ジメチル-2-ピロール安息香酸、3,5-ジメトキシ 安息香酸、2,6-ジメトキシニコチン酸、シクロヘキサンペンタン酸、2-ナフチル 酢酸、4-(1H-ピロール-1-イル)安息香酸、インドール-3-プロピオン酸、m-トリ フルオロメチル安息香酸、5-メトキシインドール-2-カルポン酸、4-ペンチル安 息香酸、Bz-b-Ala-OH、4-ジエチルアミノ安息香酸、4-n-ブトキシ安息香酸、3- メチル-5-CF3-イソオキサゾール-4-カルボン酸、(3,4-ジメトキシフェニル)酢酸 、4-ビフェニルカルボン酸、ピバロール-Pro-OH、オクタノール-Gly-OH、(2-ナ フトキシ)酢酸、インドール-3-酪酸、4-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸、5- メトキシインドール-3-酢酸、4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸、Ac-L-Phe-OH 、4-ペンチルオキシ安息香酸、Z-Gly-OH、4-カルボキシ-N-(フル-2-イルメチル) ピロリジン-2-オン、3,4-ジエトキシ安息香酸、2,4-ジメチル-5-CO2Et-ピロール -3-カルボン酸、N-(2-フルオロフェニル)スクシナミン酸、3,4,5-トリメトキシ 安息香酸、N-フェニルアントラニル酸、3-フェノキシ安息香酸、ノナノイル-Gly -OH、2-フェノキシピリジン-3-カルボン酸、2,5-ジメチル-1-フェニルピロール- 3-カルボン酸、trans-4-(トリフルオロメチル)ケイヒ酸、(5-メチル-2-フェニル オキサゾール-4-イル)酢酸、4-(2-シクロヘキセニルオキシ)安息香酸、5-メトキ シ-2-メチルインドール-3-酢酸、trans-4-コチニンカルボン酸、Bz-5-アミノ吉 草酸、4-ヘキシルオキシ安息香酸、N-(3-メトキシフェニル)スクシナミン酸、Z- Sar-OH、4-(3,4-ジメトキシフェニル)酪酸、Ac-o-フルオロ-DL-Phe-OH、N-(4-フ ルオロフェニル)グルタミン酸、4'-エチル-4-ビフェニルカルボン酸、1,2,3,4- テトラヒドロアクリジンカルボン酸、3-フェノキシフェニル酢酸、N-(2,4-ジフ ルオロフェニル)スクシナミン酸、N-デカノイル-Gly-OH、(+)-6-メトキシ-a-メ チル-2-ナフタレン酢酸、3-(トリフルオロメトキシ)ケイヒ酸、N-ホルミル-DL-L eu-OH、(R)-(+)-a-メトキシ-a-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸、Bz-DL-Leu- OH、4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ酢酸、4-ヘプチルオキシ安息香酸、2, 3,4-トリメトキシケイヒ酸、2,6-ジメトキシベンゾイル-Gly-OH、3-(3,4,5-トリ メト キシフェニル)プロピオン酸、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェノキシ酢酸、N-(2, 4-ジフルオロフェニル)グルタミン酸、N-ウンデカノイル-Gly-OH、2-(4-フルオ ロベンジル)安息香酸、5-トリフルオロメトキシインドール-2-カルボン酸、N-(2 ,4-ジフルオロフェニル)ジグルコラミン酸、Ac-L-Trp-OH、Tfa-L-フェニルグリ シン-OH、3-ヨード安息香酸、3-(4-n-ペンチルベンゾイル)プロピオン酸、2-フ ェニル-4-キノリンカルボン酸、4-オクチルオキシ安息香酸、Bz-L-Met-OH、3,4, 5-トリエトキシ安息香酸、N-ラウロイル-Gly-OH、3,5-ビス(トリフルオロメチル )安息香酸、Ac-5-メチル-DL-Trp-OH、2-ヨードフェニル酢酸、3-ヨード-4-メチ ル安息香酸、3-(4-n-ヘキシルベンゾイル)プロピオン酸、N-ヘキサノイル-L-Phe -OH、4-ノニルオキシ安息香酸、4'-(トリフルオロメチル)-2-ビフェニルカルボ ン酸、Bz-L-Phe-OH、N-トリデカノイル-Gly-OH、3,5-ビス(トリフルオロメチル) フェニル酢酸、3-(4-n-ヘプチルベンゾイル)プロピオン酸、N-ヘプタノイル-L-P he-OH、4-デシルオキシ安息香酸、N-(α,α,α-トリフルオロ-m-トリル)アント ラニル酸、ニフルム酸(niflumic acid)、4-(2-ヒドロキシヘキサフルオロイソプ ロピル)安息香酸、N-ミリストイル-Gly-OH、3-(4-n-オクチルベンゾイル)プロピ オン酸、N-オクタノイル-L-Phe-OH、4-ウンデシルオキシ安息香酸、3-(3,4,5-ト リメトキシフェニル)プロピオニル-Gly-OH、8-ヨードナフトエ酸、N-ペンタデカ ノイル-Gly-OH、4-ドデシルオキシ安息香酸、N-パルミトイル-Gly-OH、およびN- ステアロイル-Gly-OH。これらの有機酸は、以下の1社以上から入手可能である :Advanced Chem Tech,Louisville,KY;Bachem Bioscience Inc.,Torrance, CA;Calbiochem-Novabiochem Corp.,San Diego,CA;Farchan Laboratories In c.,Gainesville FL;Lancaster Synthesis,Windham NH;およびMayBridge Che mical Company(c/o Ryan Scientific),Columbia,SC。これらの企業からのカタ ログは、酸を同定するために上記で使用されている省略形を使用する。 f.タグを調製するための手段としてのコンビナトリアルケミストリー コンビナトリアルケミストリーは、大きな化学ライブラリの産生を導く一種の 合成戦略である(例えば、PCT出願公表第WO 94/08051号を参照のこと)。これら のコンビナトリアルライブラリは、目的の分子(MOI)の同定のためのタグとし て使用され得る。コンビナトリアルケミストリーは、種々の実在分子の巨大なア レイを生じるための、変化する構造の1組の異なる「構築ブロック」の、互いへ の体系的かつ反復的な共有結合として定義され得る。構築ブロックは、以下のよ うな多くの天然に存在する形態および合成の形態をとり得る:求核体、求電子体 、ジエン、アルキル化剤またはアシル化剤、ジアミン、ヌクレオチド、アミノ酸 、糖、脂質、有機モノマー、シントン、および上記形態の組合せ。構築ブロック を結合するために使用される化学反応は、アルキル化、アシル化、酸化、還元、 加水分解、置換、脱離、付加、環化、縮合などである。このプロセスは化合物の ライブラリを産生し得、それらはオリゴマーか、非オリゴマーか、またはそれら の組合せである。オリゴマーである場合、化合物は、分枝であるか、分枝でない か、または環状であり得る。組合せ方法によって調製され得るオリゴマー構造の 例には、以下が含まれる:オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴサッカ ライド、ポリリピド、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポ リエーテル、ポリ(リン誘導体)(例えば、ホスフェート、ホスホネート、ホス ホルアミド、ホスファイト、ホスフィンアミドなど)、およびポリ(硫黄誘導体 )(例えば、スルホン、スルホネート、スルファイト、スルホンアミド、スルフ ェンアミドなど)。 1つの共通のタイプのオリゴマーコンビナトリアルライブラリは、ペプチドコ ンビナトリアルライブラリである。ペプチド化学および分子生物学における最近 の技術革新により、数千万〜数億の異なるペプチド配列からなるライブラリの調 製および使用が可能になっている。そのようなライブラリは、3つの広いカテゴ リーに分類され得る。ライブラリの1つのカテゴリーは、可溶性の非支持体結合 ペプチドライブラリの化学合成に関する(例えば、Houghtenら,Nature 354:84 ,1991)。第2のカテゴリーは、プラスチックピン、樹脂ビーズ、または綿のよ うな支持体上に提示される、支持体結合ペプチドライブラリの化学合成に関する (Geysenら,Mol.Immunol.23:709,1986;Lamら,Nature 354:82,1991;Eich IerおよびHoughten,Biochemistry 32:11035,1993)。これら最初2つのカテゴ リーにおいて、構築ブロックは、典型的にはL-アミノ酸、D-アミノ酸、非天然型 アミノ酸、またはそれらのいくつかの混合物もしくは組合せである。第3のカテ ゴリーは、糸状ファージ粒子またはプラスミドの表面上のペプチドまたはタンパ ク質を調製するために、分子生物学アプローチを使用する(scottおよびCraig, Curr.Opinion Biotech.5:40,1994)。可溶性の非結合ペプチドライブラリは 、タグとしての使用を含む、多くの適用に適切なようである。ペプチドライブラ リにおける化学的多様性の利用可能なレパートリーは、過メチル化のような工程 によって拡張され得る(Ostreshら,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 91:11138,1 994)。 ペプチドコンビナトリアルライブラリの多数の改変体が、ペプチド骨格が修飾 される場合、および/またはアミド結合が模倣基に置換されている場合に可能で ある。使用され得るアミド模倣基には、尿素、ウレタン、およびカルボニルメチ レン基が含まれる。側鎖がα炭素よりもむしろ各アミノ酸のアミド窒素から生じ るような骨格の再構築は、ペプトイドとして公知の化合物のライブラリを与える (Simonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9367,1992)。 他の共通のタイプのオリゴマーコンビナトリアルケミストリーは、構築ブロッ クが天然に存在するかまたは非天然型のヌクレオチドまたは多糖誘導体のいくつ かの形態である場合、オリゴヌクレオチドコンビナトリアルケミストリーである 。これには種々の有機基および無機基がリン酸結合を置換し得る場合、ならびに 窒素または硫黄がエーテル結合中の酸素を置換する場合が含まれる(Schneider ら,Biochem.34:9599,1995;Freierら,J.Med.Chem.38:344,1995;Frank ,J.Biotechnology 41:259,1995;Schneiderら,公表PCT第WO 942052号;Ecke rら,Nucleic Acids Res.21:1853,1993)。 より最近は、非オリゴマーの小分子化合物の集合体の組合せ生成が記載されて いる(DeWittら,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 90:690,1993;Bunlnら,Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 91:4708,1994)。小分子ライブラリへの仕上げに適 切な構造は、以下のような広い種類の有機分子を包含する:例えば、ヘテロ環状 、芳香族、脂環式、脂肪族、ステロイド、抗生物質、酵素阻害剤、リガンド、ホ ルモン、薬剤、アルカロイド、オピオイド、テルペン、ポルフィリン、トキシン 、触媒、ならびにそれらの組合せ。 g.タグのコンビナトリアル合成のための特異的方法 多様な組のアミン含有MSタグの調製および使用のための2つの方法を以下に概 説する。両方法において、コンビナトリアルケミストリーの技術を使用して多数 のタグ化リンカーの同時並行合成を可能にするために、固相合成が使用される。 第1の方法において、オリゴヌクレオチドからのタグの最終的な切断は、カルボ キシルアミドの遊離を生じる。第2の方法において、タグの切断はカルボン酸を 生成する。これらの方法において使用された化学的成分および結合要素を、以下 のように略記する: R = 樹脂 FMOC = フルオレニルメトキシカルボニル保護基 All = アリール保護基 CO2H = カルボン酸基 CONH2 = カルボン酸アミド基 NH2 = アミノ基 OH = ヒドロキシル基 CONH = アミド結合 COO = エステル結合 NH2-Rink-CO2H = 4-[(α-アミノ)-2,4-ジメトキシベンジル]-フェノキ シ酪酸(Rinkリンカー) OH-1MeO-CO2H = (4-ヒドロキシメチル)フェノキシ酪酸 OH-2MeO-CO2H = (4-ヒドロキシメチル-3-メトキシ)フェノキシ酢酸 NH2-A-COOH = 側鎖に脂肪族または芳香族アミン官能基を有するアミ ノ酸 X1...Xn-COOH = 独特の分子量を有するn種類のカルボン酸の組 oligol...oligo(n) = n個のオリゴヌクレオチドの組 HBTU = O-ベンゾトリアゾール−1-イル-N,N,N',N'-テトラメ チルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート 方法1における工程の順序は以下の通りである: OH-2MeO-CONH-R ↓ FMOC-NH-Rink-CO2H;カップリング(例えば、HBTU) FMOC-NH-Rink-COO-2MeO-CONH-R ↓ ピペリジン(FMOCを除去) NH2-Rink-COO-2MeO-CONH-R ↓ FMOC-NH-A-COOH;カップリング(例えば、HBTU) FMOC-NH-A-CONH-Rink-COO-2MeO-CONH-R ↓ ピペリジン(FMOCを除去) NH2-A-CONH-Rink-COO-2MeO-CONH-R ↓ n個のアリコートに分割 ↓↓↓↓↓ n個の異なる酸X1...Xn-COOHとカップリング X1...Xn-CONH-A-CONH-Rink-COO-2MeO-CONH-R ↓↓↓↓↓ 1%TFAを用いて樹脂からタグ化リンカーを切断 X1...Xn-CONH-A-CONH-Rink-CO2H ↓↓↓↓↓ n個のオリゴ(oligol...oligo(n))とカップリング (例えば、Pfpエステルを介して) X1...Xn-CONH-A-CONH-Rink-CONH-oligol...oligo(n) ↓ タグ化オリゴをプール ↓ 配列決定反応を実行 ↓ 配列決定反応由来の異なる長さのフラグメントを分離 (例えば、HPLCまたはCEを介して) ↓ 25%〜100%TFAを用いてリンカーからタグを切断 X1...Xn-CONH-A-CONH ↓ 質量分析法により分析 方法2における工程の順序は以下の通りである: OH-1MeO-CO2-All ↓ FMOC-NH-A-CO2H;カップリング(例えば、HBTU) FMOC-NH-A-COO-1MeO-CO2-All ↓ パラジウム(アリールを除去) FMOC-NH-A-COO-1MeO-CO2H ↓ OH-2MeO-CONH-R;カップリング(例えば、HBTU) FMOC-NH-A-COO−1MeO-COO-2MeO-CONH-R ↓ ピペリジン(FMOCを除去) NH2-A-COO-1MeO-COO-2MeO-CONH-R ↓ n個のアリコートに分割 ↓↓↓↓↓ n個の異なる酸X1...Xn-COOHとカップリング X1...Xn-CONH-A-COO−1MeO-COO-2MeO-CONH-R ↓↓↓↓↓ 1%TFAを用いて樹脂からタグ化リンカーを切断 X1...Xn-CONH-A-COO−1MeO-CO2H ↓↓↓↓↓ n個のオリゴ(oligol...oligo(n))とカップリング (例えば、Pfpエステルを介して) X1...Xn-CONH-A-COO-1MeO-CONH-oligol...oligo(n) ↓ タグ化オリゴをプール ↓ 配列決定反応を実行 ↓ 配列決定反応由来の異なる長さのフラグメントを分離 (例えば、HPLCまたはCEを介して) ↓ 25%〜100%TFAを用いてリンカーからタグを切断 X1...Xn-CONH-A-CO2H ↓ 質量分析法により分析 2.リンカー 本明細書において使用される「リンカー」成分(またはL)は、「タグ」(ま たはT)を「目的の分子」(またはMOI)に共有結合性の化学的結合を介して連 結するために使用される直接的な共有結合または有機的な化学基のいずれかを意 味する。さらに、直接的な結合それ自身、またはリンカー成分内の一つ以上の結 合は、T-L-X化合物(これはMOI成分を含む)の残りからTが遊離される(言い換 えれば、切断される)条件下で切断可能である。T内に存在するタグ可変成分は 、切断条件に対して安定であるべきである。好ましくは、切断は、数分以内に、 および好ましくは約15秒以下の内に迅速に達成され得る。 一般に、リンカーは、タグの大きなセットの各々をMOIの類似の大きなセット の各々に連結するために使用される。代表的には、単一のタグ−リンカーの組合 せは各MOIに結合される(種々のT-L-MOIを与えるために)が、いくつかの場合に おいて、一つより多いタグ−リンカーの組合せは、各個々のMOIに結合され得る (種々の(T-L)n-MOIを与えるために)。本発明の別の実施態様において、二つ以 上のタグが、リンカー上の複数の独立的な部位を介して単一のリンカーに結合さ れ、次いでこの複数のタグ−リンカーの組合せは、個々のMOIに結合される(種 々の(T)n-L-MOIを与えるために)。 タグ化MOIのセットの種々の操作の後で、特定の化学的および/または物理的 条件が、リンカー中の一つ以上の共有結合を切断するために使用され、これは、 MOIからのタグの遊離を生じる。切断可能な結合は、タグ、リンカー、およびMOI が、共に連結される場合、形成される同一の結合のいくつかがあってもよいし、 なくてもよい。リンカーの設計は、大部分において、切断が達成され得る条件を 決定する。従って、リンカーは、それらも特に影響を受けやすい切断条件によっ て同定され得る。リンカーが光不安定性(photolabile)である(すなわち、化 学放射線への曝露によって切断される傾向がある)場合、リンカーはLhVと命名 され得る。同様に、命名Lacid、Lbase、L[O]、L[R]、Lenz、Lelc、LΔ、およびLSS が、酸、塩基、化学的酸化、化学的還元、酵素の触媒活性(より単純には「酵 素」)、電気化学的酸化または還元、高温(「熱」)、およびチオール交換のそ れぞれに特に影響を受けやすいリンカーに言及するために使用され得る。 リンカーの特定の型は、単一の型の切断条件に対して不安定であるが、一方リ ンカーの他の型はいくつかの型の切断条件に対して不安定である。さらに、複数 のタグ((T)n-L-MOI型構造を与える)を結合し得るリンカーにおいて、タグ結合 部位の各々は、異なる切断条件に不安定に成り得る。例えば、リンカーに結合さ れる二つのタグを有するそのリンカーにおいて、タグの一方は塩基に対してのみ 不安定に成り得、そして他方は、光分解に対してのみ不安定に成り得る。 本発明において有用なリンカーは、いくつかの属性を有する: 1)リンカーは化学的ハンドル(Lh)を有し、それを介してリンカーはMOIに 結合され得る。 2)リンカーは、第二の別の化学的ハンドル(Lh)を有し、それを介してタグ はリンカーに結合する。もし複数のタグが単一のリンカーに結合されるならば( (T)n-L-MOI型構造)、次いで別のハンドルが各タグについて存在する。 3)リンカーは、T含有部分が化合物の残り(これはMOIを含む)から遊離さ れるように切断を可能にする条件を例外として、供される全ての操作に対して安 定である。従って、リンカーは、タグのリンカーへの結合の間、リンカーのMOI への結合の間、そしてタグおよびリンカー(T-L)がMOIに結合される間のMOIの 任意の操作の間安定である。 4)リンカーは、T-LがMOIに結合される間、MOI上で行われる操作に有意に干 渉しない。例えば、T-Lがオリゴヌクレオチドに結合される場合、T-Lは、オリゴ ヌクレオチド上で行われる全てのハイブリダイゼーションまたは酵素反応(例え ばPCR)に有意に干渉してはならない。同様に、T-Lが抗体に結合される場合、そ れは抗体による抗原認識に有意に干渉してはならない。 5)タグの検出可能性に悪影響を与えない物理的または化学的プロセスを使用 して、化合物の残りからのタグの切断は、高度に制御された様式で生じる。 任意の所定のリンカーについて、リンカーが広範な種々のMOIに結合可能で、 そして広範な種々のタグが、リンカーに結合可能であることが望ましい。このよ うな柔軟性は、一旦調製されれば、いくつかの異なるセットのMOIを用いて使用 されるT-L結合物のライブラリーを可能にするので、利点に富む。 上記に説明されたように、好ましいリンカーは以下の式を有する。 ここで、各Lhは、リンカーをタグ反応物および目的の反応物の分子と連結するた めに使用され得る反応性ハンドルである。L2はリンカーに不安定性を与えるので 、L2はリンカーの不可欠な部分である。L1およびL3は、ハンドルLhからL2を分離 するのに効果的に役立つ任意の基である。 L1(これは、定義によって、L3よりTに近い)は、必要とされる不安定部分L2 からTを分離するために役立つ。この分離は、切断反応がT含有部分の構造にお いてランダムな変化を生じ得る特定の反応性種(例えば、フリーラジカル)を生 じる場合、有用であり得る。切断部位が、T含有部分からさらに離れている場合 、切断部位で形成された反応性種が、T含有部分の構造を破壊する減少した可能 性がある。さらに、L1における原子は、代表的には、T含有部分に存在する場合 、これらL1原子は、T含有部分に望ましい質で特性を付与し得る。例えば、T含 有部分が、Tm含有部分であり、そして妨害された(hindered)アミンがTm含有部 分の構造の部分として望ましく存在する(例えば、MSSEとして作用する)場合、 妨害されたアミンはL1不安定部分に存在し得る。 他の例において、L1および/またはL3は、単にリンカー成分中に存在し得る。 なぜならば、リンカーの商業的な供給業者は、そのようなL1および/またはL3基 を有する形態でリンカーを販売するように選択しているからである。そのような 例において、L1および/またはL3基は、それらを組み込む化合物に対して性能利 点を何ら特に寄与し得ないが、L1および/またはL3基を有するリンカーを使用す ることに害はない(これらの基が、切断反応を阻害しない限り)。従って、本発 明は、L1および/またはL3基がリンカー成分中に存在することを可能にする。 L1および/またはL3基は、直接的な結合(この場合において、基は実際には存 在しない)、ヒドロカルビレン基(例えば、アルキレン、アリーレン、シクロア ルキレンなど)、-O-ヒドロカルビレン(例えば、-O-CH2-、0-CH2CH(CH3)-など )、またはヒドロカルビレン-(O-ヒドロカルビレン)w-(ここでWは、1〜約10 の範囲にある整数である)(例えば、-CH2-O-Ar-、CH2-(O-CH2CH2)4-など)であ り得る。 固相合成法の出現があったので、特定の反応条件に不安定なリンカーに関する 多くの文献が、展開されてきた。代表的な固相合成において、固体支持体は、反 応性部位に不安定なリンカーを介して結合され、そして合成されるべき分子は、 反応性部位で生成される。分子が完全に合成された場合、固体支持体−リンカー −分子構築物は、固体支持体から分子を遊離する切断条件に供される。この状況 における使用のために、開発されてきた不安定なリンカー(またはこの状況にお いて使用され得る)はまた、本発明におけるリンカー反応物として容易に使用さ れ得る。 Lloyd-Willlams,Pら、「Convergent Solid-Phase Peptide Synthesis」、Tet rahedron Report No.347,49(48):11065-11133(1993)は、化学放射線(すなわ ち、光分解)ならびに酸、塩基、および他の切断条件に不安定なリンカーの広範 な議論を提供する。不安定なリンカーについての情報のさらなる供給源は当該分 野で周知である。 上記のように、異なるリンカー設計は、異なる特定の物理的または化学的条件 下で切断可能性(「不安定性」)を与える。種々の設計のリンカーを切断するの に役立つ条件の例は、酸、塩基、酸化、還元、フッ素、チオール交換、光分解、 および酵素的な条件を含む。 上記のリンカーについての一般的な基準を満足する切断可能なリンカーの例は 当業者に周知であり、そしてPierce(Rockford,IL)から入手可能なカタログにお いて見出されるリンカーを含む。例は、以下を含む: ・エチレングリコビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、ヒドロキ ルシアミンによって切断可能である(37℃にて3〜6時間で1M)アミン反応性架 橋試薬; ・ジスクシンイミジル酒石酸(DST)およびスルホ-DSTである(これは0.015M 過ヨウ素酸ナトリウムによって切断可能であるアミン反応性架橋試薬; ・ビス[2-(スクシンイミジルオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOC OES)およびスルホ-BSOCOES(これらは塩基(pH11.6)によって切断可能なアミ ン反応性架橋試薬である); ・1,4-ジ-[3'-(2'-ピリジルジチオ(プロピオンアミド))ブタン(DPDPB)(チ オール交換または還元によって切断可能であるピリジルジチオール架橋剤); ・N-[4-(p-アジドサリチルアミド)-ブチル]-3'-(2'-ピリジルジチオ)プロピオ ンアミド(APDP)(チオール交換または還元によって切断可能であるピリジルジ チオール架橋剤); ・ビス-[β-4-(アジドサリチルアミド)エチル]-ジスルフィド(チオール交換 または還元によって切断可能である光反応性架橋剤); ・N-スクシンイミジル-(4-アジドフェニル)-l,3'ジチオプロピオネート(SADP )(チオール交換または還元によって切断可能である光反応性の架橋剤); ・スルホスクシンイミジル-2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド) エチル-1,3'-ジチオプロピオネート(SAED)(チオール交換または還元によって 切断可能である光反応性架橋剤); ・スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-O-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3' ジチオプロピオネート(SAND)(チオール交換または還元によって切断可能であ る光反応性架橋剤)。 タグを放出するために使用され得る切断可能なリンカーおよび切断条件の他の 例は、以下である。シリル結合基は、フッ素によってかまたは酸条件下で切断さ れ得る。3-、4-、5-、または6-置換-2-ニトロベンジルオキシまたは2-、3-、5- 、または6-置換-4-ニトロベンジルオキシ結合基は、光子源によって切断さ得る (光分解)。3-、4-、5、または6-置換-2-アルコキシフェノキシまたは2-、3-、 5-、または6-置換-4-アルコキシフェノキシ結合基は、Ce(NH4)2(NO3)6(酸化) によって切断され得る。NCO2(ウレタン)リンカーは、水酸化物(塩基)、酸、 またはLiALH4(還元)によって切断され得る。3-ペンテニル、2-ブテニル、また は1-ブテニル結合基は、O3、OSO4/IO4 -またはKMnO4(酸化)によって切断され得 る。2-[3-、4-、または5-置換フリル]オキシ結合基は、O2、Br2、MeOHまたは酸 によって切断され得る。 他の不安定な結合基の切断のための条件は、以下を含む:t-アルキルオキシ結 合基は酸によって切断され得る;メチル(ジアルキル)メトキシまたは4-置換-2 -アルキル-1,3-ジオキサレン(dioxlane)-2-イル結合基は、H3O+によって切断 され得る;2-シリルエトキシ結合基は、フッ素または酸によって切断され得る; 2-(X)-エトキシ(ここでX=ケト、エステル、アミド、シアノ、NO2、スルフィド 、スルホキシド、スルホン)結合基は、アルカリ条件下で切断され得る;2-、3- 、4-、5-、または6-置換-ベンジルオキシ結合基は、酸または還元条件により切 断され得る;2-ブテニルオキシ基は、(Ph3P)3RhCl(H)によって切断され得る、3- 、 4-、5-、または6-置換-2-ブロモフェノキシ結合基は、Li、Mg、またはBuLiによ って切断され得る;メチルチオメトキシ結合基はHg2+によって切断され得る;2- (X)-エチルオキシ(ここでX=ハロゲン)結合基はZnまたはMgによって切断され得 る;2-ヒドロキシエチルオキシ結合基は、酸化(例えば、Pb(OAc)4を用いて)切 断され得る。 好ましいリンカーは、酸または光分解によって切断されるリンカーである。固 相ペプチド合成のために開発されてきたいくつかの酸不安定リンカーは、タグを MOIに架橋するに有用である。これらのリンカーのいくつかは、Lloyd-Williams ら(Tetrahedron 49:11065-11133,1993)による最新の総説によって記載される。 リンカーの一つの有用な型は、p-アルコキシベンジルアルコールに基づき、その 内の二つ、4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸および4-(4-ヒドロキシメチル-3- メトキシフェノキシ)酪酸は、Advanced Chem Tech(Louisville,KY)から入手 可能である。両方のリンカーが、ベンジルアルコールへのエステル結合を介して タグに結合され得、カルボン酸へのアミド結合を介してアミン含有MOIと結合さ れ得る。これらの分子によって結合されたタグは、多様な濃度のトリフルオロ酢 酸を用いてMOIから遊離される。これらの分子の切断は、タグ上のカルボン酸の 遊離を生じる。関連するリンカー(例えば、2,4-ジメトキシ-4'-(カルボキシメ チルオキシ)-ベンズヒドリルアミン(Advanced Chem TechからFMOC保護形態で入 手可能)を介して結合されたタグの酸切断は、遊離されたタグ上のカルボン酸ア ミドの遊離を生じる。 本願にとって有用な光不安定性リンカーはまた、固相ペプチド合成のために最 も開発された部分であった(Lloyd-Williams総説を参照のこと)。これらのリン カーは、通常、2-ニトロベンジルエステルまたは2-ニトロベンジルアミドに基づ く。文献において最近報告されている光不安定性リンカーの二つの例は、4-(4-( 1-Fmoc-アミノ)エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)ブタン酸(Holmesおよ びJones、J.Org.Chem.60:2318-2319,1995)および3-(Fmoc-アミノ)-3-(2-ニ トロフェニル)プロピオン酸(Brownら、Molecular Diversity 1:4-12,1995)で ある。両リンカーは、MOI上でカルボン酸を介してアミンに結合され得る。リン カーへのタグの結合は、タグ上のカルボン酸とリンカー上のアミンとの間でア ミドを形成することによって作製される。光不安定性リンカーの切断は、通常、 強度で350nm波長のUV光および当業者に公知の時間を用いて行われる。リンカー の切断は、タグ上の一級アミドの遊離を生じる。感光性リンカーの例は、ニトロ フェニルグリシンエステル、exoおよびendo-2-ベンゾノルボルネリルクロライド およびメタンスルホネート、および3-アミノ-3(2-ニトロフェニル)プロピオン酸 を含む。酵素的切断の例には、エステル結合を切断するエステラーゼ、ホスホジ エステル結合を切断するヌクレアーゼ、ペプチド結合を切断するプロテアーゼな どが挙げられる。 好ましいリンカー成分は以下に示すようなオルト-ニトロベンジル構造を有す る; ここでa、b、c、d、またはe位の一つの炭素原子は、-L3-Xで置換され、そ してL1(好ましくは直接的な結合である)は、上記構造中のN(R1)の左に存在す る。このようなリンカー成分は、「a」と標識された炭素とN(R1)間の結合の選 択的な光誘導切断に感受性である。R1の同一性は、切断反応にとって代表的には 重要ではないが、しかしR1は、好ましくは、水素およびヒドロカルビルより選択 される。本発明は、上記の構造において、-N(R1)が、-O-で置き換えられ得る。 さらに上記構造において、b、c、d、またはe位の一つ以上が、必要に応じて 、アルキル、アルコキシ、フッ素、クロライド、ヒドロキシル、カルボキシレー ト、またはアミドで置換され得、ここでこれらの置換基は、各存在で独立して選 択される。 化学ハンドルLhを有するさらに好ましいリンカー成分は、以下の構造を有する ; ここで、b、c、d、またはe位の一つ以上が、水素、アルキル、アルコキシ、 フッ素、クロライド、ヒドロキシル、カルボキシレート、アミドで置換され、R1 は水素またはヒドロカルビルであり、そしてR2は、-OHまたは別の部分とのカッ プリングのためにカルボン酸を保護しているかまたは活性化する基である。フル オロカーボンおよびヒドロフルオロカーボンは、別の部分とのカップリングへけ てカルボン酸を活性化する好適な基である。 3.目的の分子(MOI) MOIの例には、核酸、または核酸アナログ(例えば、PNA)、核酸のフラグメン ト(すなわち、核酸フラグメント)、合成核酸またはフラグメント、オリゴヌク レオチド(例えば、DNAまたはRNA)、タンパク質、ペプチド、抗体、または抗体 フラグメント、レセプター、レセプターリガンド、リガンド対メンバー、サイト カイン、ホルモン、オリゴ糖、合成有機分子、薬物およびそれらの組合せが挙げ られる。 好ましいMOIの例には、核酸フラグメントが挙げられる。好ましい核酸フラグ メントは、ベクターが、塩基配列決定に使用される場合、ベクターに存在する配 列に相補的なプライマー配列である。好ましくは、核酸フラグメントは、フラグ メントの3'末端以外、そして最も好ましくはフラグメントの5'末端でタグに直接 的または間接的に結合される。核酸フラグメントは、購入され得るかまたは遺伝 子データベースに基づいて調製され得る(例えば、Dibら、Nature 380:152-154 ,1996およびCEPH Genotype Database,http://www.cephb.fr)および商業的な メーカー(例えば、Promega,Madison,WI)) 本明細書中で使用されるMOIは、MOIをT-L-Lh化合物へ結合するに有用な官能基 を含む誘導体を含む。例えば、ホスホジエステルがまたアルキレンアミンに結合 される場合、5’末端にホスホジエステルを有する核酸フラグメントは、MOIで ある。このようなMOIは、例えば、米国特許第4,762,779号(本明細書に参考とし て援用される)に記載される。内部修飾を有する核酸フラグメントもまたMOIで ある。核酸フラグメントの例示的な内部修飾は、塩基(例えば、アデニン、グア ニン、シトシン、チミジン、ウラシル)が、反応性官能基を付加するように修飾 された場合である。このような内部修飾核酸フラグメントは、例えば、Glen Res earch,Herndon,VAから市販されている。核酸フラグメントの別の例示的な内部 修飾は、核酸フラグメントの糖とホスフェート基の間に挿入される修飾ホスホジ エステルを合成するために、塩基のホスホルアミデートが使用される場合である 。塩基のホスホルアミデートは、このホスホルアミデート由来の部分を含む核酸 フラグメントを別の部分(例えば、T-L-Lh化合物)に結合させる反応性基を含む 。このような塩基性ホスホルアミデートは例えば、Clonetech Laboratorles,In c.,Palo Alto,CAから市販されている。 4.化学ハンドル(Lh 化学ハンドルは、安定でしかし第1の分子の部分として存在する反応性原子配 列であり、ここでハンドルは、第2の分子の部分として存在する相補的な化学的 ハンドルと、2つの分子間で共有結合を形成するために化学反応を受け得る。例 えば、これらの2つのハンドル間の反応が2つの分子を結合させる共有結合(特 にエステル基)を形成するに際して、化学ハンドルは、水酸基であり得、そして 相補的な化学ハンドルはカルボン酸基であり得る(またはその活性化誘導体(例 えば、ヒドロフルオロアリールエステル))。 化学ハンドルは、タグをリンカーに結合し、そしてリンカーをMOIに結合する に適切な多くの共有結合反応に使用され得る。このような反応に、アルキル化( 例えば、エーテル、チオエーテルを形成する)、アシル化(例えば、エステル、 アミド、カルバメート、ウレア、チオウレアを形成する)、ホスホリル化(例え ば、ホスフェート、ホスホネート、ホスホルアミド、ホスホンアミドを形成する )、スルホニル化(例えば、スルホネート、スルホンアミドを形成する)、縮合 (イミン、オキシム、ヒドラゾンを形成する)、シリル化、ジスルフィド形成、 および光分解による反応性中間体(例えば、ニトレン、またはカルベン)の生成 を含む。一般に、タグをリンカーに結合するに適切なハンドルおよび結合形成反 応はまた、リンカーをMOIに結合するに適切であり、そしてその逆も同様である 。いくつかの場合において、MOIは、先に修飾または誘導を受けて、リンカーを 結合するに必要なハンドルを提供し得る。 リンカーをMOIに結合するに特に有用な結合の一つの型は、ジスルフィド結合 である。その形成は、リンカー上のチオール基(ハンドル)およびMOI上の別の チオール基の存在を必要とする。従って、緩やかな酸化条件は、2つのチオール をジスルフィドとして結合するに十分である。ジスルフィド形成はまた、過剰な 適切なジスフィド交換試薬(例えば、ピリジルジスルフィド)を使用することに よって誘導され得る。ジスルフィド形成は、容易に可逆であるので、ジスルフィ ドは所望ならばタグを遊離するための切断可能な結合としてもまた使用され得る 。代表的には、これは、過剰の適切なチオール交換試薬(例えば、ジチオスレイ トール)を使用して、同様の穏やかな条件下で達成される。 アミド結合の形成は、タグ(またはリンカーを有するタグ)をオリゴヌクレオ チドに結合するために特に興味深い。一次脂肪族アミンハンドルは、ホスホルア ミダイト(例えば、6-モノメトキシトリチルヘキシルシアノエチル-N,N-ジイソ プロピルホスホルアミダイト(Glenn Research,Sterling,VAから入手可能)) を有する合成オリゴヌクレオチドに容易に導入され得る。導入された一次アミン と比較した場合、天然のヌクレオチド(例えば、アデノシンおよびグアノシン) 上で見出されるアミンは、実際に非反応性である。反応性におけるこの相違は、 アミドおよび導入された一次アミン(ヌクレオチドアミンではなく)を有する関 連する結合基(例えば、ウレア、チオウレア、スルホンアミド)を選択的に形成 する能力の基礎を形成する。 Molecular Probes catalog(Eugene,OR)に収載されるように、アミン反応性 官能基には、活性化カルボン酸エステル、イソシアネート、イソチオシアネート 、スルホニルハライド、およびジクロロトリアゼンが部分的に挙げられる。活性 エステルは、形成されるアミド生成物は極めて安定であるので、アミン修飾に優 れた試薬である。さらに、これらの試薬は、脂肪族アミンと良好な反応性を有し 、そしてオリゴヌクレオチドのヌクレオチドアミンとの低い反応性を有する。活 性 エステルの例には、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェ ニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、およびp-ニトロフェニルエス テルが挙げられる。活性エステルは、実際にはカルボン酸を含む任意の分子から 作製され得るので、活性エステルは有用である。活性エステルを作製する方法は 、Bodansky(Princlples of Peptide Chemistry(第2版),Springer Verlag,Lo ndon,1993)に収載される。 5.リンカー結合 代表的には、単一の型のリンカーが、特定のセットまたはファミリーのタグを 特定のセットのまたはファミリーのMOIに結合するために使用される。本発明の 好ましい実施態様において、単一の一様な手順が全ての種々のT-L-MOI構造を作 製するために付随され得る。T-L-MOI構造のセットが大きい場合、これは、とく に利点に富む。なぜならば、それによってセットをコンビナトリアルケミストリ ーの方法または他の平行プロセシング技術を使用して調製することが可能となる からである。類似の方法において、単一の型のリンカーの使用は、単一の一様な 手順を全ての種々のT-L-MOI構造を切断するために用いることを可能にする。さ らに、これは、大きな七ットのT-L-MOI構造について利点に富む。なぜならば、 セットは、平行、反復、および/または自動化方法でプロセスされ得るからであ る。 しかし、本発明の他の実施態様では、リンカーの2つ以上が、異なるサブセッ トのタグを対応するサブセットのMOIを結合するために使用される。この場合に おいて、選択的な切断条件が、各リンカーを独立に、他のサブセットのMOI上に 存在するリンカーを切断することなしに切断するために使用され得る。 多くの共有結合形成反応は、タグをリンカーに、そしてリンカーをMOIに接着 するに適切である。このような反応は、アルキル化(例えば、エーテル、チオエ ーテルを形成する)、アシル化(エステル、アミド、カルバメート、ウレア、チ オウレアを形成する)、リン酸化(例えば、ホスフェート、ホスホネート、ホス ホルアミド、ホスホンアミドを形成する)、スルホニル化(例えば、スルホネー ト、スルホンアミドを形成する)、縮合(例えば、イミン、オキシム、ヒドラゾ ンを形成する)、シリル化、ジスルフィド形成、および光分解による反応性中間 体(例えば、ニトレンまたはカルベン)の生成を含む。一般的に、タグをリンカ ーに結合するに適切なハンドルおよび結合形成反応はまた、リンカーをMOIに結 合するに適切であり、逆も同様である。いくつかの場合において、MOIは、先の 改変または誘導を受け得、リンカーを結合するに必要なハンドルを提供する。 リンカーをMOIに結合するに特に有用な結合の一つの型は、ジスルフィド結合 である。その形成は、リンカー上のチオール基(「ハンドル」)およびMOI上の 別のチオール基の存在を必要とする。次いで、穏やかな酸化条件が、二つのチオ ール基をジスルフィドとして結合するに十分である。ジスルフィド形成はまた、 過剰の適切なジスルフィド交換試薬(例えば、ピリジルジスルフィド)を使用す ることによって誘導され得る。ジスルフィド形成は、容易に可逆的であるので、 ジスルフィドは所望ならばタグを遊離するための切断可能な結合として使用され 得る。代表的には、これは、過剰の適切なチオール交換試薬(例えば、ジチオス レイトール)を使用して、同様に穏やかな条件下で達成される。 アミド結合の形成は、タグをオリゴヌクレオチドに結合するために特に興味深 い。一次脂肪族アミンハンドルは、ホスホルアミダイト(例えば、6-モノメトキ シトリチルヘキシルシアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホルアミダイト(Gle nn Research,Sterllng,VAから入手可能)を有する合成オリゴヌクレオチドに 容易に導入され得る。導入された一次アミンと比較した場合、天然のヌクレオチ ド(例えば、アデノシンおよびグアノシン)上で見出されるアミンは、実際に非 反応性である。反応性におけるこの相違は、アミドおよび導入した一級アミン( ヌクレオチドアミンではなく)を有する関連結合基(例えば、ウレア、チオウレ ア、スルホアミド)を選択的に形成する能力の基礎を形成する。 Molecular Probes catalog(Eugene,OR)に収載されるように、アミン反応性 官能基には、活性化カルボン酸エステル、イソシアネート、イソチオシアネート 、スルホンニルハライド、およびジクロロトリアゼンが部分的に挙げられる。活 性エステルは、形成されるアミド生成物は極めて安定であるので、アミン修飾に 優れた試薬である。さらに、これらの試薬は、脂肪族アミンと良好な反応性を有 し、そしてオリゴヌクレオチドのヌクレオチドアミンとの低い反応性を有する。 活性エステルの例には、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロ フェ ニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、およびp-ニトロフェニルエス テルが挙げられる。活性エステルは、実際にはカルボン酸を含む任意の分子から 作製され得るので、活性エステルは有用である。活性エステルを作製する方法は 、Bodansky(Principles of Peptide Chemistry(第2版),Springer Verlag,Lo ndon,1993)に収載される。 リンカーとして機能し得る多くの市販の架橋試薬が存在する(例えば、Pierce Cross-linkers,Pierce Chemical Co.,Rockford,ILを参照のこと)。これら の中に、ホモ二官能性イミドエステルおよびN-ヒドロキシスクシンイミジル(NH S)エステルによって例示されるホモ二官能性アミン反応性架橋試薬がある。連 続的な反応を可能にする2つ以上の異なる反応性基を有するヘテロ二官能性架橋 試薬が存在する。イミドエステルは、アルカリ性PHでアミンと迅速に反応する。 NHS-エステルは、一級アミンまたは二級アミンと反応させた場合、安定な生成物 を与える。マレイミド、アルキルおよびアリールハライド、α-ハロアシルおよ びピリジルジスルフィドは、チオール反応性である。マレイミドは、6.5〜7.5の pHの範囲でチオール(スルフヒドリル)基に対して特異的である。そしてアルカ リ性pHは、アミン反応性になり得る。チオエーテル結合は、生理学的条件下で安 定である。α-ハロアセチル架橋試薬は、ヨードアセチル基と反応し得るが、反 応は非常に遅い。イミダゾールは、ヨードアセチル部分を含み、そしてスルフヒ ドリルに対して反応性である。ピリジルジスルフィドは、チオール基と反応して 、ジスルフィド結合を形成し得る。カルボジイミドは、カルボキシルとヒドラジ ドの一級アミンをカップリングさせ、これはアシル−ヒドラジン結合の形成を生 じる。アリールアジドは、UVまたは可視光に曝露されるまで化学的に不活性な光 親和性試薬である。このような化合物が、250nm〜460nmで光分解される場合、活 性アリールニトレンが形成される。反応性アリールニトレンは、比較的非特異的 である。グリオキサールは、アルギニンのグアニジル部分に対して反応性である 。 本発明の一つの代表的な実施態様において、タグはまずリンカーに結合され、 次いでタグとリンカーとの組合せは、MOIに結合され、構造T-L-MOIを生じる。あ るいは、同一の構造が、リンカーをMOIへまず結合させ、次いでリンカーとMOIと の組合せをタグに結合させることによって形成される。例は、MOIがDNAプライマ ーまたはオリゴヌクレオチドである場合である。この場台において、タグは、代 表的には、まずリンカーに結合され、次いでT-Lが、DNAプライマーまたはオリゴ ヌクレオチドに結合される。これは、次いで、例えば、配列決定反応において使 用される。 タグが、MOIに可逆的にMOIに結合し得る一つの有用な形態(例えば、オリゴヌ クレオチドまたはDNA配列決定プライマー)は、化学的に不安定なリンカーを介 する。リンカーについての一つの好ましい設計によって、リンカーを揮発性の有 機酸(例えば、トリフルオロ酢酸(TFA))に曝露した場合切断することが可能 になる。TFAは、特に、多くのMSイオン化の方法(これは電気スプレイを含む) に適合性である。 以下に詳細に記載されるように、本発明は、核酸分子の配列を決定するための 方法を提供する。本発明の方法によって形成され得る組成物は、以下の式の複数 の化合物を含む: Tms-L-MOI ここでTmsは、質量分析によって検出可能な有機基である。Tmsは、炭素、水素 およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、およびヨ ウ素より選択される任意の原子を含み得る。式において、Lは、切断条件への化 合物の曝露に際して、Tms含有部分を化合物の残りから切断させる有機基である 。切断されたTms含有成分は、複数の化合物の各々が質量分析に供される場合、 単一イオン化荷電状態を維持する官能基を含む。官能基は、三級アミン、四級ア ミン、または有機酸であり得る。式において、MOIは、MOIの5'末端を介して結合 される核酸フラグメントである。用語「結合された」は、LおよびMOIの中間の 化学基があり得ることを意味する(例えば、ホスホジエステル基および/または アルキレン基)。核酸フラグメントはベクターの一部と相補的な配列を有し得、 ここでそのフラグメントは核酸合成を開始し得る。 組成物において、二つの化合物は、同一のTmsも同一MOIも有しない。言い換え れば、組成物は、複数の化合物を含み、ここで各化合物は、独特のTmsおよび独 特の核酸フラグメントの両方を含む(それが、独特の塩基配列を有するという点 で独特)さらに、組成物は、複数の化合物(ここで各化合物は独特のTmsを有す るように定義され得、ここでTmsは、他の化合物が、質量分析によって同一のシ グナルを提供するTmsを有さない点で独特である)。従って、組成物は、複数の 化合物を含み、各々は、独特のマスを有するTmsを有する。組成物はまた、各化 合物が独特の核酸配列を有するように規定される複数の化合物を有するように規 定され得る。これらの核酸配列は、組成物が核酸配列決定のためのベクターに組 合せられる場合、各化合物が唯一つのベクターのためのプライマーとして機能す るように、意図的に独特である。独特のTms基を有する化合物のセットは、独特 の核酸配列を有する同一のセットの化合物である。 好ましくは、Tms基は、任意の二つの異なる化合物のTms基の間で少なくとも2 amu、より好ましくは少なくとも3amu、およびさらにより好ましくは少なくとも 4amu質量、分離している点で独特である。組成物において、少なくとも2つの 異なる化合物が存在し、好ましくは2より多い異なる化合物が存在し、そしてよ り好ましくは4より多い異なる化合物が存在する。組成物は100以上の異なる化 合物を含み得、各化合物は独特のTmsおよび独特の核酸配列を有する。 例えば、核酸分子の配列を決定するのに有用である別の組成物は、水および式 Tms-L-MOIの化合物を含み、ここでTmsは質量分析によって検出可能な有機基であ る。Tmsは、炭素、水素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、 イオウ、リン、およびヨウ素より選択される任意の原子を含み得る。式において 、Lは、切断条件への化合物の曝露に際して、Tms含有部分を化合物の残りから 切断させる有機基である。切断されたTms含有成分は、複数の化合物の各々が質 量分析に供される場合、単一イオン化荷電状態を維持する官能基を含む。官能基 は、三級アミン、四級アミン、または有機酸であり得る。式において、MOIは、M OIの5'末端を介して結合される核酸フラグメントである。 水に加えて、この組成物は、約5〜約9の間に水溶液のpHを維持するために、 緩衝液を含み得る。さらに、組成物は、酵素、塩(例えば、MgCl2およびNaCl) 、ならびにdATP、dGTP、dCTP、およびdTTPの一つを含み得る。好ましい組成物は 水、Tms-L-MOIならびにddATP、ddGTP、ddCTP、およびddTTPの一つ(一つのみ) を含む。このような組成物は、ジデオキシ配列決定法における使用に適切である 。 本発明はまた、複数のセットの化合物を含む組成物を提供し、ここで化合物の 各セットは以下の式を有する: Tms-L-MOI ここで、 Tmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水素およ びフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、およびヨウ素 より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化合物の 残りから切断させる有機基であり、ここでTms含有成分は、化合物が質量分析に 供される場合、単一イオン化荷電状態を維持し、三級アミン、四級アミン、およ び有機酸から選択される官能基を含む。MOIは、LがMOIの5'末端でMOIに結合さ れる核酸フラグメントである。 セットにおいて、全てのメンバーは、同一のTmsを有し、そしてMOIフラグメン トは、ddAMP、ddGMP、ddCMP、およびddTMPから選択される同一のジデオキシヌク レオチドで終結する可変性の長さを有し;そしてセットの間で、Tms基は、少な くとも2amuづつ、好ましくは少なくとも3amuづつ異なる。複数のセットは、好 ましくは、少なくとも5であり、そして100以上に番号付けし得る。 上記のような第一の複数のセットを含む好ましい組成物において、さらに、以 下の式を有する第二の複数のセットの化合物が存在する Tms-L-MOI ここで、Tmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水 素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、および ヨウ素より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化 合物の残りから切断させる有機基であり、ここでTms含有成分は、化合物が質量 分析に供される場合、単一イオン化荷電状態を維持し、三級アミン、四級アミン 、および有機酸から選択される官能基を含む。MOIは、LがMOIの5'末端でMOIに 結合される核酸フラグメントである。第二の複数において全てのメンバーは、dd AMP、ddGMP、ddCMP、およびddTMPから選択される同一のジデオキシヌクレオチド で終結するMOI配列を有する;ただし、第一の複数の化合物中に存在する同一の ジデオキシヌクレオチドは、第二の複数の化合物に存在する同一のジデオキシヌ クレオチドではない。 本発明はまた、DNA配列解析のためのキットを提供する。キットは、複数のコ ンテナセットを含み、ここで各コンテナセットは少なくとも5つのコンテナを含 み。第一のコンテナはベクターを含む。第2、第3、第4、および第5のコンテ ナは、以下の式の化合物を含む: Tms-L-MOI ここで、Tmsは、質量分析によって検出可能な有機基であり、これは、炭素、水 素およびフッ素の少なくとも一つ、ならびに酸素、窒素、イオウ、リン、および ヨウ素より選択される任意の原子を含む。式において、Lは、Tms含有部分を化 合物の残りから切断させる有機基であり、ここでTms含有成分は、化合物が質量 分析に供される場合、単一イオン化荷電状態を維持し、三級アミン、四級アミン 、および有機酸から選択される官能基を含む。MOIは、LがMOIの5'末端でMOIに 結合される核酸フラグメントである。第2、第3、第4、および第5のコンテナ についてのMOIは、セットのコンテナ内のベクターの一部と同一でありかつ相補 的であり、各コンテナ内のTms基は、キット中の他のTms基と異なる。 好ましくは、キットにおいて、複数は、少なくとも3である(すなわち、少な くとも3セットのコンテナである)。より好ましくは、少なくとも5セットのコ ンテナである。 上記のように、本発明は、核酸分子の配列を決定するための組成物および方法 を提供する。簡略には、このような方法は、一般的には(a)核酸分子の第1の 末端から第2の末端まで選択された核酸分子(例えば、タグ化フラグメント)に 相補的であるタグ化核酸フラグメントを生成する工程で、ここでタグは、特定の または選択されたヌクレオチドと相関性があり、そして任意の種々の方法によっ て検出され得る、工程と、(b)連続的な長さでタグ化フラグメントを分離する 工程と、(c)タグ化フラグメントからタグを切断する工程と、(d)タグを検 出する工程と、を含み、そしてそれによって核酸分子の配列を決定する。この局 面の各々は、以下でより詳細に議論される。 B.配列決定方法および戦略 上述のように、本発明は、核酸分子の配列を決定する方法を提供する。簡単に いえば、タグ化核酸フラグメントが調製される。核酸フラグメントは選択された 標的核酸分子に相補的である。好ましい実施態様において、核酸フラグメントは 、核酸分子の第一の末端から第二の末端へ、より好ましくは、5’末端から3’ 末端へと生成される。他の好ましい実施態様では、タグ化フラグメントは、5’ タグ化オリゴヌクレオチドプライマーまたはタグ化ジデオキシヌクレオチドター ミネーターから生成される。タグ化核酸フラグメントのタグは、特定のヌクレオ チドと相関的であり、そして分光分析(蛍光を含むが、好ましくは蛍光以外)ま たは電位差測定により検出可能である。好ましい実施態様において、少なくとも 5つのタグ化核酸フラグメントが生成され、各々のタグは核酸フラグメントに特 有である。より詳細には、タグ化フラグメントの数は、一般的に5〜2000の範囲 である。タグ化核酸フラグメントは、上記に示された化合物を含む種々の化合物 から生成される。本発明の方法が本明細書中に記載される代表化合物および組成 物の使用のみに限定されないことは、当業者にとって明らかである。 タグ化核酸フラグメントの生成に続いて、タグ化フラグメントは連続的長さに より分離される。このような分離は種々の技術により実施され得る。より好まし い実施態様では、分離は液体クロマトグラフィー(LC)により、特に好ましくは HPLCによる。次に、このタグはタグ化フラグメントから切断される。結合を破壊 してタグを放出するための特定の方法は、結合の切断に対する感受性の特定のタ イプに基づいて選択される。例えば、光感受性の結合(すなわち、光によって破 壊する結合)は、光に曝露される。放出されたタグは、分光分析または電位差測 定により検出される。好ましい検出手段は、質量分析、赤外分光分析、紫外線分 光分析、および定電位電流測定(例えば、電流検出器または電量検出器)である 。 1つ以上の工程が自動化され得る(例えば、機器の使用により)ことは、当業 者により理解される。さらに、分離、切断、および検出工程は連続的様式で実施 され得る(例えば、分離〜切断〜タグ検出を通してのタグ化フラグメントの連続 流/連続流路)。例えば、種々の工程が系に取り込まれ、その結果工程は連続的 な様式で実施される。このような系は、代表的には、機器または機器の組み合わ せのフォーマットである。例えば、分離された(例えば、HPLCにより)タグ化核 酸フラグメントは、切断のためのデバイス(例えば、光反応器(photo-reacto r)に流され得、そして次いでタグ検出器(例えば、質量分析計または電量検出 器、または電流測定器)に流され得る。好ましくは、切断のためのデバイスは調 節可能であり、その結果切断反応のための最適な波長が選択され得る。 核酸配列決定のための本発明の方法が種々の目的のために実施され得ることは 当業者には明らかである。例えば、本発明のそのような使用は、ウイルス、細菌 、原核生物、および真核生物(例えば、哺乳動物)核酸分子の一次配列決定;変 異検出;診断;法医学:同一性;および多型性検出を含む。 1.配列決定方法 上述のように、本発明の化合物を含む化合物は、酵素的分解方法および化学的 分解方法の両方を含む種々の配列決定方法に利用され得る。簡潔にいうと、Sang er(Proc.Natl.Acad.Scl.(USA)74:5463,1977)によって記載される酵素的 方法(これはジデオキシターミネーターを利用する)は、DNAポリメラーゼによ る一本鎖テンプレートからのDNA鎖の合成を含む。配列決定のSanger方法は、そ のジデオキシヌクレオチド(ddNTP)が、通常のデオキシヌクレオチドと同様に 、成長する鎖に取り込まれる(より低効率であるが)という事実に依存する。し かし、ddNTPは通常のデオキシヌクレオチド(dNTP)とは、それが鎖伸長に必要 な3’-OH基を欠くという点で異なる。ddNTPがDNA鎖に取り込まれた場合、3’- 水酸基の非存在は、新たなホスホジエステル結合の形成を妨げ、そしてDNAフラ グメントは、テンプレートDNA中の塩基に相補的なddNTPを有して終結する。Maxa mおよびGilbertの方法(MaxamおよびGilbert;Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)74 :560,1977)は、元のDNAの化学分解方法を使用する(両方の場合において、DNA はクローン性でなければならない)。両方の方法は、特定の点で開始し、そして 配列決定されるべきDNAフラグメントに見い出されるすべての塩基で終結するフ ラグメントの集団を生成する。各フラグメントの終結は元のDNAフラグメント内 の特定の塩基の位置に依存する。DNAフラグメントは、ポリアクリルアミドゲル 電気泳動で分離され、そしてDNA塩基(A、C,T,G)の順番がゲルのオート ラジオグラフィーから読まれる。 2.エキソヌクレアーゼDNA配列決定 DNAヌクレオチド配列を決定するための手順はLabeltら(S.Labelt.H.Lehrac hおよびR.S.Goody,DNA5:173-7,1986;デオキシヌクレオシドα-チオトリホス フェートを使用するDNA配列決定の新たな方法)により、報告された。この方法 の第一の工程において、4つのDNA(それぞれ異なるデオキシヌクレオシドホス ホロチオエートが相当するモノホスフェートの代わりに別々に置換されている) は、DNAポリメラーゼにより触媒されるテンプレート指向性重合により調製され る。第二の工程において、これらのDNAが厳密なエキソヌクレアーゼIII処理に供 され、これはホスホロチオエート核酸間連結を有して終結するフラグメントのみ を生成する。次いで、これらは、標準ゲル電気泳動技術により分離され得、そし て配列が、現在使用される配列決定方法におけるように直接読まれ得る。Porter ら(K.W.Porter,J.Tomasz,F.Huang,A.SoodおよびB.R.Shaw,Biochemis try 34:11963-11969,1995;N7-シアノボラン-2'-デオキシグアノシン5'-3リン酸 はDNAポリメラーゼの良い基質である)は、エキソヌクレアーゼ耐性でもあり、そ して多数のポリメラーゼの良い基質である、ホウ素置換核酸アナログの新しい組 を記述した:これらの塩基はまた、エキソヌクレアーゼDNA配列決定にも適する 。 3.多数の全長cDNAの配列決定のための簡略化した戦略 cDNA配列決定は、完全なヒトゲノム配列を生成することに代わる代替法として 示唆されてきた。2つのアプローチが企てられた。第一のアプローチは、各々の cDNAクローンの一方の末端における単−DNA配列通過(pass)を通じての発現配 列タグ(EST)の生成を含む。この方法は、発現配列の型の分布への新しい見地 を与え、ゲノムフラグメントとの時折の有用な相同性を明らかにしたが、全体に は我々の知識の土台に対してほとんどなにも迫加しない。なぜなら、それぞれの クローンからのデータの提供が不充分だからである。第二のアプローチは、cDNA の潜在的機能を表し得る完全なcDNA配列を生成することである。不幸にも、ほと んどのcDNAは1〜4キロベースの大きさの範囲であり、これは全長配列決定の自動 化を妨げている。現在のところ、ラージスケールで高スループットの配列の 生成のための最も効率的な方法は、ベクター/プライマー部位からの配列決定に 由来し、これは、代表的にはそれぞれの側方(flank)から500塩基未満の配列を 生じる。「プライマーウォーキング」のための15〜18塩基の長さの新たなオリゴ ヌクレオチドプライマーの合成は、各々の配列の閉合を可能にし得る。全長cDNA 配列決定のための代替戦略は、ユニバーサルプライマーを用いた配列決定に適し た改変したテンプレートを生成することであるが、これは分子の重複した網羅を 提供する。 ショットガン配列決定方法は、各々のcDNAクローンからの別々のライブラリー を調製することによりcDNA配列決定研究に適用され得る。しかし、これらの方法 は、1.5〜4.0キロベースフラグメントの解析のためには、特には使用されていな い。なぜなら、それらは初期のクローニング段階の間に非常に労働集約的である からである。そのかわりに、それらは、一般的に、標的配列が、λまたはコスミ ドインサートのような15〜40キロベースのオーダーである場合の計画に適用され ている。 4.cDNA とゲノム配列決定とのアナロジー cDNA配列決定において解析されるべき個々のクローンの代表的に異なるサイズ にもかかわらず、ラージスケールのゲノムDNA配列決定のための必要事項との類 似が存在する。1塩基当たりの低コストおよび高いスループットに加えて、全長 cDNA配列決定のための理想的な戦略は、高い正確性を有する。ゲノムDNA配列決 定のために現在好まれている方法は、コスミドからのショットガン配列決定ライ ブラリーの調製、それに続くABI蛍光DNA配列決定機器を使用したランダム配列決 定、および指向される努力による閉合(終止)を含む。全体として、蛍光ショッ トガンアプローチは現在の代替法法よりも効率および正確性の点で優れていると いうことで合意がある。初期のショットガンライブラリーの品質は、配列アセン ブリーの簡便さおよび品質についての決定的な要素である。入手可能なショット ガンライブラリー手順の高い品質は、より小さいcDNAクローンの混合物を含む複 台ショットガンライブラリーの生成のための戦略を促している。ここで、配列決 定されるべき個々のクローンは、ライブラリー構築の前に混合され、そして、 次いでランダム配列決定の後に、コンピューター解析の工程で同定される。個々 のクローン間の連接部は、ライブラリー生成の間に、PCRによるかまたはベクタ ーアーム配列の同定によるかのいずれかで標識される。 クローンは、微生物学的方法によるかまたはPCRによるかの両方で調製され得 る。PCRを使用した場合、間違いのリスクを最小化するために、3つの反応が各 々のクローンについて使用される。 一方通過配列決定(one pass sequencing)は、ゲノムDNAの新しい領域内の重 要な配列の同定を加速するために設計された新しい技術である。簡潔にいえば、 高品質ショットガンライブラリーが調製され、そして次いで、配列がサンプリン グされて、80〜95%の網羅が得られる。コスミドについては、これは、代表的に は約200試料である。本質的には、すべての遺伝子が、配列類似性(BLAST)また はエキソン構造(GRAIL2)スクリーニングのいずれかを使用してこの試料中にお いて検出される少なくとも一つのエキソンをおそらく有している。 「スキミング(skimming)」は、コスミドおよびP1へ成功して適用されている 。一方通過配列決定は、潜在的に、ポジショナルクローニング計画において遺伝 子を見出すための最も迅速でそして最も安価な方法である。出力は実質的に保証 される。ほとんどの研究者は、現在、エキソントラッピングおよび関連技術のた めに、コスミドコンティグを開発している。コスミドは、配列決定スキミングに 完全に適切である。P1および他のBACは、かなり、より安価である。なぜなら、 ショットガンライブラリー構築および重複の最小化の両方において節約があるか らである。 5.ショットガン配列決定 ショットガンDNA配列決定は、標的DNAのランダム断片化で始まる。次いで、ラ ンダム配列決定がデータの主要部分を生成するために使用される。次いで、指向 相(directed phase)がギャップを埋め合わせ、各々の鎖の両方向における網羅 を確証する。ショットガン配列決定は、高正確性という利点を比較的低コストで 提供する。この手順は比較的大きなフラグメントの解析に最も適しており、そし てラージスケールのゲノムDNA配列決定における方法の選択肢である。 ショットガン配列決定を正確にそして費用効果的にするために重要な要素がい くつかある。主要な考慮すべき点は、生成されたショットガンライブラリーの品 質である。なぜなら、インサートを有しないか、またはキメラインサートを有す る任意のクローンが、続いて起こる配列決定を非効率的にするからである。別の 考慮すべき点は、配列決定のランダムな相と指向相との慎重な平衡であり、その 結果、不必要な配列決定による効率性の損失を最小限に抑え、高正確性が得られ る。 6.配列決定化学:タグ化ターミネーター化学 現在利用可能な蛍光配列決定化学には2つタイプがある:色素プライマー(こ こで、プライマーは蛍光で標識される)、および色素ターミネーター(ここで、 ジデオキシターミネーターが標識される)。これらの化合物のそれぞれは、TaqD NAポリメラーゼまたはSequenase酵素のいずれかとともに使用され得る。Sequena se酵素は、G-Cリッチ領域、パリンドローム、単純反復、および他の解読困難配 列を通って簡単に読むようである。Sequenaseはまた、混合物集合体の配列決定 のためにも良い。Sequenase配列決定は、5μgのテンプレート、一回の伸長、 および多工程の洗浄プロセスを必要とする。タグ化プライマー配列決定は、A、 C,G,およびTの各々についての4つの別々の反応、ならびに、労力を要する 洗浄プロトコルを必要とする。Taqターミネーターサイクル配列決定化学は、最 も強力な配列決定方法である。この方法においては、いかなる配列プライマーも 使用され得る。テンプレートの必要量は比較的小さく、そして準備から洗浄まで の全反応プロセスが、Sequenaseおよび色素プライマー化学に比較して充分簡単 である。1.5μgのDNAテンプレート、および4pmのプライマーのみが必要である 。これに、調製済反応混合物が添加される。この混合物は緩衝液、酵素、dNTPお よび標識ジデオキシヌクレオチドから構成される。この反応は、一本のチューブ で実施され得る。なぜなら、4つのジデオキシが異なった蛍光色素で標識されて いるからである。これらの標識ターミネーターはこの混合物中に過剰量存在して いる。なぜなら、それらは伸長の間の取り込みが困難だからである。未精製DNA では、これらの高分子量ジデオキシの取り込みは阻害され得る。プレミックスは 、バン ド圧縮を最小化するためにdITPを含む。DNAポリメラーゼとしてのTaqの使用は、 反応が高温で行われて、2次構造の問題および非特異的プライマー結合を最小限 にすることを可能にする。全カクテルは25サイクルの変性、アニーリング、およ び伸長がサーマルサイクラー中で受け、そして完了した反応物はSephadex G50( Pharmacia.Piscataway NJ)カラムを通してスピンされ、真空デシケーター中で の5分後に、ゲルロードの準備が出来る。 7.プライマーの設計 プライマーを設計する場合は、PCRプライマーを設計するときと同じ基準を使 用するべきである。特に、プライマーは、好ましくは18から20ヌクレオチド長で あり、そして3’末端塩基はGまたはCであるべきである。プライマーはまた、 好ましくは、50℃より高いTmを有しているべきである。18ヌクレオチドより短い プライマーも作用するが推薦されない。プライマーが短くなるに従って、テンプ レートDNAの1を超える部位に、それが結合する可能性が高くなり、そしてそのT mを低下させる。配列は、テンプレートとの100%のマッチを有するべきである。 いかなるミスマッチ(特に3’末端に向かうミスマッチ)も配列決定能を大いに 低下させる。しかし、結合する3’における約18塩基が存在する限り、5’テイ ルを有するプライマーが使用され得る。配列クロマトグラムからプライマーを設 計する場合、高い信頼性を有する領域が使用されなければならない。標準クロマ トグラムにおいて、350〜400塩基を通過して移動すると、ピークは、より広がり 、ベースコールはさほど正確でなくなる。本明細書中で記載のように、プライマ ーは、それを介してリンカーまたはリンカータグが付着され得る5’ハンドルを 有し得る。 8.核酸テンプレート調製 タグ化プライマーDNA配列決定で最も重要な因子は、テンプレートの品質であ る。簡潔にいえば、一つの一般的な間違った概念は、テンプレートが手動の配列 決定の場合で機能する場合に、それが自動配列決定で機能するはずであるという ことである。実際に、反応が手動配列決定において機能する場合、それは自動配 列決定において機能し得るが、しかし、自動配列決定ははるかにより感受性であ り、そして蛍光配列決定法を利用した場合、品質の悪いテンプレートは、ほとん どデータを与えないか、全くデータを与えないかもしれない。高塩濃度、および テンプレート調製の間に適切に抽出されなかった他の細胞物質(RNAを含む)は 、同様に、正確な配列上方を得る能力を妨げる。多くのミニプレップおよびマキ シプレッププロトコルは、手動の配列決定またはPCRには充分良いが、自動(タ グ化プライマー)配列決定には充分良くはないDNAを生成する。さらに、フェノ ールの使用は、全く推奨されない。なぜなら、フェノールは螺旋構造中にインタ ーカレートし得るからである。100%クロロホルムの使用で充分である。本明細 書中で提供されるタグ化プライマー配列決定方法に特に好ましい多数のDNA調製 方法が存在する。特に、塩化セシウム調製物またはQiagen(Chatsworth、CA)マ キシプレップカラム(オーバーロードしないように慎重にする)を利用したマキ シプレップが好ましい。ミニプレップについては、PromegaのMagic Mini prep( Madison,WI)のようなカラムが利用され得る。PCRフラグメントまたは制限酵素 切断フラグメントのようなDNAフラグメントを配列決定する場合、一般的に、所 望のフラグメントを低融点アガロースゲルから切り出し、次いで、GeneClean(L aJolla,CA)のような製品で精製することが好ましい。ゲルから一本のバンドの みを切り出すことを確実にすることが重要である。PCRフラグメントについては 、PCRプライマーまたは内部プライマーが、適切なフラグメントが配列決定され ることを確証するために使用され得る。配列分析ソフトウェアからの最適の成績 をあげるには、フラグメントは200塩基より大きくあるべきである。二本鎖また は一本鎖のDNAがこの方法により配列決定され得る。 配列決定の調製の場合、一般的に考慮するべきさらなる因子は、宿主株の選択 である。ABI(Foster City,CA)およびQiagen(Chatsworth,CA)のような配列 決定のための機器および試薬を販売する会社は、代表的に好ましい宿主株を推薦 しており、そして以前に、DH5α、HB101,XL-1 Blue、JM109、MV1190のような株 を推薦してきている。DNA調製物が非常にきれいだったとしても、配列を得るこ とを困難にし得る他の固有の因子がある。G-Cリッチなテンプレートは常に、通 って配列決定するのが困難であり、そして二次構造もまた、問題を生じ得る。 長い反復を通っての配列決定は、しばしば、困難であると判明する。例えば、Ta qがポリT伸展にそって移動するとき、この酵素はしばしばテンプレートを脱落 して、そして、後方に跳ね戻り、Tをスキップする。これは、ポリT伸展中のX 量のTを有する伸長生成物およびポリT伸展中のX-1、X-2などの量のTを有する フラグメントを生じる。正味の効果は、各々の位置において1塩基より多くが現 れることであり、これは配列を読解不可能にする。 9.分子的に異なるクローニングベクターの使用 配列決定はまた、ユニバーサルクローニングベクター(M13)および相補的配 列決定プライマーを利用して達成され得る。簡潔にいえば、既存のクローニング ベクターについて、同じプライマー配列が使用され、そして4つのタグのみが使 用され(各々のタグは異なるターミネーター(ddNTP)を表す異なるフルオロホ アである)、各々の増幅プロセスは異なるコンテナにおいて行われなければなら ない(1コンテナ当たり1つのDNAサンプル)。すなわち、2つまたは異なるDNA サンプルを同一の増幅プロセス中で混合することは不可能である。4つのタグの みが利用可能な場合、1ゲルレーン当たり1つのDNA試料のみが泳動され得る。 4つのタグのみで1つより多いDNAの配列を解明する(deconvolute)便利な手段 はない(この意味で、当業者は、現在の技術を使用する場合、異なるDNA試料を 混台したり汚染したりしないように非常に留意する)。 1ゲルレーンまたはそれぞれの分離プロセス当たり複数の4つのタグが泳動さ れる場合、実質的な利点が得られる。特に、本発明のタグを利用して、単一の増 幅反応またはコンテナ中において1つ以上のDNA試料が処理され得る。複数の4 つのタグが使用のために利用可能である場合、各々のタグの組は、増幅されるべ き特定のDNA試料に対して割り当てられる。一つのタグの組は一連の4つの異な るタグから構成され、各々が独特な特性を有する。各々のタグは、異なるジデオ キシターミネーター、ddATP、ddGTP、ddCTP、またはddTTPを表すように割り当て られる。この利点を使用するため、独特なプライミング部位が挿入された一連の ベクターが生成されなければならない。独特なプライミング部位は、単に18ヌク レオチドの長さであり、これはベクターごとに異なる。残りのヌクレオチド配列 は、ベクターごとに保存されている。各々の独特のベクターに対応する配列決定 プライマーが調製(合成)される。各々の独特なプライマーは独特なタグの組を 用いて誘導(または標識)される。 これらのそれぞれの分子生物学の道具を有して、本発明において、単一のコン テナで複数の試料を処理することが可能である。第一に、配列決定されるべきDN A試料は複数のベクターにクローン化される。例えば、100の独特なベクターが入 手可能な場合、100のライゲーション反応、プレート工程、およびプラークを拾 う工程が実施される。第二に、各々のベクタータイプから1つの試料がプールさ れ、100の独特なDNAフラグメントまたは試料を含む100の独特なベクターのプー ルを作製する。それにより、所定のDNA試料は同定され、そして自動的にタグの 組を伴うプライマーの組が割り当てられる。それぞれのプライマー、緩衝液、ポ リメラーゼ(単数または複数)、ddNTP、dNTPおよび補因子は反応コンテナに添 加され、そして増殖プロセスが実行される。次いで、反応物は分離工程に供され 、それぞれの配列がタグの時間的出現によって確立される。複数のDNA試料をプ ールする能力は実質的な利点を有する。代表的なPCR反応の試薬コストは1試料 当たり約2.00米国ドルである。本明細書中で記載の方法では、1試料当たりに基 づく増幅のコストは少なくとも100倍低減され得る。試料作業が少なくとも100倍 低減され得、そして材料コストが低減され得る。ラージスケール増幅ロボットに 対する必要性は除去される。 10.切断可能質量分析タグ化のための配列決定ベクター 本発明の切断可能質量分析タグ化(CMST)を用いて、それぞれの個々の配列決 定反応が、分離が進むに従うと同時に独立に読まれ得る。CMST配列決定において 、異なるプライマーが各々のクローニングベクターのために使用される:1プー ル当たり、20クローンが使用される場合、各々の反応は、20の異なるプライマー を有する。各々のプライマーはベクターの一つに対応し、そして各々のプライマ ーは独特のCMST分子でタグ化されている。4つの反応が、各々のプールされたDN A試料に対して実施され(各塩基につき一つ)、それゆえ、全てのベクターが4 つのオリゴヌクレオチドプライマーを有し、各々が配列では同一であるが、異な る CMSタグでタグ化されている。4つの分離した配列決定反応物はプールされ、そ していっしよに泳動される。20試料がプールされる場合、80のタグが使用され( 1試料当たり4塩基×20試料)、そして80全てが、ゲルが流れると同時に検出さ れる。 ベクターの構築は、ランダムな20マーを制限部位の両方の側にクローニングす ることにより達成され得る。得られたクローンは、配列決定され、そしてベクタ ーとして使用するための番号が選択される。2つのオリゴヌタレオチドが各々の 選択されたベクターについて調製される。これは、制限部位の各々の側での配列 に相同であり、そして各々が、3’末端が制限部位に向かうように配向されてい る物である。各々のプライマーの4つのタグ化調製物が調製され、配列決定反応 における各塩基に一つであり、そして各々が独特のCMSタグで標識されている。 11.可逆的タグの使用による配列決定の利点 配列決定および関連の技術において切断可能タグが使用される場合、実質的な 利点がある。第一に、感度の増強が、測定の前の特定の時間にタグを集める能力 と同様、より長い読み取り長さに貢献する。切断可能タグの使用は、ゲルの全範 囲(例えば、1〜1500ヌクレオチド(nt))にわたってバンド幅を均等化するシ ステムの開発を可能にする。これは、450ntより長い読み取り長さを得る能力に 多大なる影響を与える。 切断可能な複数のタグ(MW同定因子)の使用はまた、複数のDNAが、単一のゲ ルレーンまたは分離プロセス上で泳動され得るという利点を有する。例えば、本 明細書中に開示された方法論を使用して、少なくとも96のサンプルおよび4つの 配列決定反応(A、G、T、C)を単一のレーンまたはフラグメントサイジング プロセス上で組み合わせることが可能である。独特なプライミング部位を有する 複数のベクターが使用される場合、少なくとも、1ゲルレーン当たり384の試料 が組み合わせられ得る(異なるターミネーター反応はこのスキームではいっしょ には増幅され得ない)。切断可能タグを使用する能力が複数のベクターを使う能 力と組み合わされた場合、見かけ上約10,000倍のDNA配列決定スループットの増 加が達成される。さらに、本明細書中に記載のスキームにおいて、試薬の使用が 低減され、使い捨てのものが低減され、消費者に対して作業コストが低減する結 果になる。 さらなる利点が、本明細書中に記載の全方法論にわたって、内部コントロール を処理する能力から得られる。試料の任意の組について、内部コントロール核酸 が試料(単数または複数)中に入れられ得る。これは現在の仕様では可能ではな い。この利点は、増幅プロセス、分離プロセス、タグ検出システムおよび配列決 定アセンブリの制御を可能にする。これは、コントロールが常に全ての工程にお いて試料から分離されている現在のシステムに対して莫大な利点である。 本明細書中に記載の組成物および方法はまた、それらが本来モジュールであり 、そしてそれぞれの技術のいずれかのタイプにおいて改善がなされた場合、任意 のタイプの分離プロセスまたは方法に適合され得、そして、さらに、任意のタイ プの検出系に適合され得るという利点を有する。例えば、本明細書中に記載され た方法論はDNAフラグメントの分離を可能にする「束にされた(bundled)」CEア レー、または微小製造されたデバイスに結びつけられ得る。 C.DNA の分離 分析を必要とするサンプルはしばしば、複合体マトリックス中の多数の成分の 混合物である。未知の化合物を含むサンプルについては、成分は、それぞれ個々 の成分が他の分析方法により同定され得るように互いに分離されなければならな い。混合物中の成分の分離特性は一定の条件下で一定であり、従って一旦決定さ れると、これらは各成分を同定および定量するために使用され得る。このような 手順は、クロマトグラフ的および電気泳動的な分析分離において代表的である。 1. 高速液体クロマトグラフィー(HPLC) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、溶液中に溶解された化合物を分離する ためのクロマトグラフ的分離技術である。HPLC機器は、移動相のリザーバー、ポ ンプ、インジェクター、分離カラム、および検出器からなる。化合物は、サンプ ル混合物のアリコートをカラムに注入することにより分離される。混合物中の異 なる成分は、これらの移動液相と固定相との間の分配挙動の差異に起因して異な る速度でカラムを通過する。 最近、化学的に結合したアルキル鎖を有する非多孔性PS/DVB粒子でのIP-RO-HP LCは、一本鎖および二本鎖の両方の核酸の分析において類似の程度の分解能を提 供するキャピラリー電気泳動に対して迅速な代案となることが示されている(Hu berら、Anal.Biochem.212:351,1993;Huberら、1993,Nuc.Acids Res.21:1061;Hub erら、Biotechniques 16:898,1993)。二本鎖DNAを鎖長の関数として保持すると は限らない(AT塩基対は正に荷電した固定相と、GC塩基対よりも強力に相互作用 するので)イオン交換クロマトグラフィーとは対照的に、IP-RP-HPLCは、厳密な サイズ依存性分離を可能にする。 100mMのトリエチルアンモニウムアセテートをイオン対試薬として使用する方 法が開発され、ホスホジエステルオリゴヌクレオチドが、高速液体クロマトグラ フィー(Oefnerら、Anal.Biochem.223:39,1994)の方法により、アルキル化され た非多孔性2.3μMポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)粒子上で首尾良く分離さ れ得た。記載された技術は、50〜200ヌクレオチドのサイズの範囲内においてわ ずか4〜8塩基対の長さが異なるPCR産物の分離を可能にした。 2. 電気泳動 電気泳動は、電場内でのイオン(または本明細書中で記載される場合のような DNA)の移動度に基づく分離技術である。負に荷電したDNAは正極に向かって移動 し、そして正に荷電したイオンは負極に向かって移動する。安全性の理由のため に、一方の電極は通常は接地され、他方の電極は正または負にバイアスをかけら れている。荷電した種は、これらの総電荷、サイズ、および形に依存する、異な る移動速度を有し、従って、分離され得る。電極装置は、高電圧電源、電極、緩 衝液、および緩衝液のためのポリアクリルアミドゲルまたはキャピラリーチュー ブのような支持体からなる。オープンキャピラリーチューブが、多くのタイプの サンプルのために使用され、そして他のゲル支持体が、通常は、生物学的サンプ ル(例えば、タンパク質混合物またはDNAフラグメント)のために使用される。 3. キャピラリー電気泳動(CE) その種々の出現(フリーソリューション(free solution)、等速電気泳動、等 電点電気泳動、ポリアクリルアミドゲル、ミセル動電の「クロマトグラフィー」 )におけるキャピラリ一電気泳動(CE)は、非常にわずかなサンプル量である複雑 な混合物の、迅速で高い分解能の分離のための方法として開発されている。MSの 本来の感度および選択性との併用において、CE-MSは、生体分析のための潜在的 に強力な技術である。本明細書中に開示される新規な適用において、これら2つ の技術を調和させることは、配列決定法の現在の速度を数桁の規模で越える優れ たDNA配列決定法に至る。 CEとエレクトロスプレーイオン化(ESI)との間の流速の対応および両方が溶液 中でイオン種により促進される(そして主にイオン種のために使用される)とい う事実は、非常に魅力的な組み合わせについての基礎を提供する。ESIに基づく 、四重極(quadrapole)質量分析計を有するキャピラリーゾーン電気泳動(CZE)お よびキャピラリー等速電気泳動の両方の組み合わせが記載されている(Olivares ら、Anal.Chem.59:1230,1987;Smithら、Anal.Chem.60:436,1988;Looら、Anal.Ch em.179:404,1989;Edmondsら、J.Chroma.474:21,1989;Looら、J.Microcolumn Sep .1:223,1989;Leeら、J.Chromatog.458:313,1988;Smithら、J.Chromatog.480:211 ,1989;Greseら、J.Am.Chem.Soc.111:2835,1989)。小さなペプチドは、良好な( フェントモル)感度でCZE分析で容易に分析できる。 DNAフラグメントのための最も強力な分離方法は、ポリアクリルアミドゲル電 気泳動(PAGE)であり、一般にスラブゲルの型である。しかし、現代の技術の主な 限界は、配列決定反応により生成されたDNAフラグメントのゲル電気泳動を実施 するために必要とされる比較的長い時間である。増大した規模(10倍)が、超薄 ゲルを利用するキャピラリー電気泳動の使用で達成され得る。第一の近似値に対 するフリーソリューションにおいて、全てのDNAは、塩基の追加が質量および電 荷の代償を生じる移動度と同じ移動度で移動する。ポリアクリルアミドゲルにお いて、DNAフラグメントはふるいにかけられ、そして長さの関数として移動し、 そしてこのアプローチは、現在、CEに適用されている。1メーターあたりの著し いプレート数が、現在、架橋ポリアクリルアミドで達成されている(1メーター あたり10+7プレート、Cohenら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 85:9660,1988)。記 載されるようにこのようなCEカラムは、DNA配列決定のために使用され得る。CE の方法は、原則として、標準的なシークエンサーにおけるスラブゲル電気泳動よ りも25倍早い。例えば、1時間あたり約300塩基が解読され得る。分離速度は、 スラブゲル電気泳動において過剰の熱生成を伴わずにゲルに適用され得る電場の 規模により制限される。従って、CEのより大きな速度は、より高い電界強度の使 用を介して達成され得る(CEにおいて300V/cm対スラブゲル電気泳動において10V /cm)。キャピラリーの型はアンペア数を減らし、従って、電源および生じる熱 生成を減少する。 Smithおよび他の者(Smithら、Nuc.Acids.Res.18:4417,1990)は、処理能力を 増大するために複数のキャピラリーを平行に使用することを示唆している。同様 に、MathiesおよびHuang(MathiesおよびHuang、Nature 359:167,1992)は、分 離がキャピラリーの平行のアレイ上で実施され、そして高い配列決定処理能力を 示すキャピラリー電気泳動を導入した(Huangら、Anal.Chem.64:967,1992,Huang ら、Anal.Chem.64:2149,1992)。キャピラリー電気泳動の主な不利は、キャピラ リー上にロードされ得る限定されたサンプル量である。分離前に、キャピラリー の初めに大量のサンプルを濃縮することにより、負荷能力(loadability)が増 大し、そして検出レベルが数桁の規模で低くなり得る。CEにおける予備濃縮の最 もポピュラーな方法は、サンプルの積層である。サンプルの積層は、最近、総説 されている(ChienおよびBurgi、Anal.Chem.64:489A,1992)。サンプルの積層は 、サンプル緩衝液とキャピラリー緩衝液との間のマトリックスの差異(pH、イオ ン強度)に依存し、その結果、サンプルのゾーンを横切る電場は、キャピラリー 領域より大きくなる。サンプルの積層において、低濃度緩衝液中の大量のサンプ ルは、キャピラリーカラムの上部での予備濃縮のために導入される。キャピラリ ーは、同一成分であるが高濃度の緩衝液で充填される。サンプルのイオンがキャ ピラリー緩衝液およびより低い電場に到達した場合、これらは濃縮ゾーンに積層 される。サンプルの積層は、1〜3桁の規模で検出性を増大する。 予備濃縮の別の方法が、分析物のフリーゾーンCE分離の前に等速電気泳動(ITP )に適用される。ITPは、CEに代表的に関連する低いnL注入容量と対照的に、μl 容量のサンプルをキャピラリーにロードさせる電気泳動的技術である。この技術 は、分析物よりもそれぞれ高い移動度および低い移動度の2つの緩衝液(リーデ ィングおよびトレーリングの電解液)の間にサンプルを挿入することに依存する 。この技術は、本質的に、分析物が同じ速度で移動する純粋なゾーンに集中する 濃縮技術である。リーディングおよびトレーリングの電解液のいくつかの選択の 必要性および分離プロセスの間のカチオン種またはアニオン種のみを分離する能 力のために、この技術は、現在、上記の積層方法よりもポピュラーではない。 DNA配列決定プロセスの核心は、DNAまたはオリゴヌクレオチドフラグメントの 非常に選択的な電気泳動的分離である。これは、各フラグメントが解析され、そ してわずかなヌクレオチドが異なることから、著しい。1000フラグメント(1000 bp)までの分離が得られている。切断可能(cleavable)なタグを用いる配列決 定のさらなる利点は、以下のようである。切断可能なタグが使用されて、DNAフ ラグメントがポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離される場合、スラブゲ ルの型を使用する必要性はない。多数のサンプル(4〜2000)が併用されるので 、現在の色素プライマーまたは色素ターミネーター方法(すなわち、ABI373シー ケンサー)の場合のように、平行にサンプルを流す必要はない。平行なレーンを 流す理由がないので、スラブゲルを使用する理由がない。従って、電気泳動的分 離方法のためにチューブゲルの型が使用され得る。Grossman(Grossmanら、Gene t.Anal.Tech.Appl.9:9,1992)は、スラブゲルの型の代わりにチューブゲルの型 が使用される場合、かなりの利点が得られることを示している。これは、スラブ ゲルと比較してチューブの型においてジュール熱を散逸するより優れた能力に起 因し、この能力はより早い運転時間(50%まで)および高分子量のDNAフラグメ ント(1000ntを超える)のかなり高い分解能を生じる。長い解読は、ゲノム配列 決定において重要である。従って、配列決定における切断可能なタグの使用は、 ユーザーに最も高い分解能を有する最も効率的かつ敏感なDNA分離方法の使用を 可能にするさらなる利点を有する。 4. マイクロ作製デバイス(microfabricated device) キャピラリー電気泳動(CE)は、DNA配列決定、法医学的分析、PCR産物分析、お よび制限フラグメントサイジングのための強力な方法である。CEは、キャピラリ ーゲルにかなりより高い電場が適用され得るので、従来のスラブPAGEよりもかな り迅速である。しかし、CEは、ただ1つのサンプルがゲルあたり処理される欠点 を有する。この方法は、CEのより迅速な分離時間と、並行して複数のサンプルを 分析する能力とを組み合わせる。マイクロ作製デバイスの使用の後ろにある基本 的な概念は、レーンの寸法を約100μmに縮小化することにより、電気泳動にお ける情報密度を増加させる能力である。エレクトロニクス産業は、1ミクロン未 満のサイズの特徴を有する回路を作製するようなマイクロ作製を日常的に使用す る。キャピラリーアレイの電流密度は、キャピラリーチューブの外径で制限され る。チャネルのマイクロ作製は、より密度の高いアレイを作製する。マイクロ作 製はまた、ガラスファイバーを用いて可能でない物理的組立を可能にし、そして チャネルをチップ上で他のデバイスに直接的に連結する。わずかなデバイスが、 分離技術のためにマイクロチップ上で構築されている。ガスクロマトグラフ(Te rryら、IEEE Trans.Electron Device,ED-26:1880,1979)および液体クロマトグ ラフ(Manzら、Sens.Actuators B1:249,1990)が、シリコンチップ上で作製され ているが、これらのデバイスは広く使用されていない。いくつかのグループが、 マイクロ作製デバイスでの蛍光色素およびアミノ酸の分離を報告している(Manz ら、J.Chromatography 593:253,1992,Effenhauserら、Anal.Chem.65:2637,1993 )。最近、WoolleyおよびMathies(WoolleyおよびMathies、Proc.Natl.Acad.Sci .91:11348,1994)は、ガラス基板上で多数の分離チャネルを作製するために使用 され得るフォトリソグラフィーおよび化学的エッチングを示している。このチャ ネルは、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)分離マトリックスで充填される。こ れは、DNA制限フラグメントが、わずか2分で分離され得たことを示した。 D. タグの切断 上記のように、異なるリンカーの設計は、異なる特定の物理的または化学的条 件下で切断性(cleavability)(「不安定性」)を与える。種々の設計のリンカー を切断するように作用する条件の例は、酸、塩基、酸化、還元、フッ化物、チオ ール交換、光分解、および酵素的条件を含む。 上記リンカーの一般基準を満足する切断性リンカーの例は、当該分野で周知で あり、そしてPierce(Rockford,IL)から入手可能なカタログ中に見出される切断 性リンカーを含む。例は、以下を含む: ・エチレングリコビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、ヒドロキシ ルアミンにより切断可能であるアミン反応性架橋試薬(1M、37℃で3〜6時間 ); ・ジスクシンイミジルタルタレート(DST)およびスルホ-DST、これらは、0.015 Mの過ヨウ素酸ナトリウムにより切断可能なアミン反応性架橋試薬である; ・ビス[2-(スクシンイミジルオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCO ES)およびスルホ-BSOCOES、これらは、塩基(pH11.6)により切断可能なアミン 反応性架橋試薬である; ・1,4-ジ-{3'-(2'-ピリジルジチオ(プロピオンアミド))ブタン(DPDPB)、チオ ール交換または還元により切断可能であるピリジルジチオール架橋剤; ・N-[4-(p-アジドサリチルアミド)-ブチル]-3'-(2'-ピリジルジチオ)プロピオ ンアミド(APDP)、チオール交換または還元により切断可能であるピリジルジチオ ール架橋剤; ・ビス-[β-4-(アジドサリチルアミド)エチル]-ジスルフィド、チオール交換 または還元により切断可能である光反応性架橋剤; ・N-スクシンイミジル-(4-アジドフェニル)-1,3'ジチオプロピオネート(SADP) 、チオール交換または還元により切断可能である光反応性架橋剤; ・スルホスクシンイミジル-2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド) エチル-1,3'-ジチオプロピオネート(SAED)、チオール交換または還元により切断 可能である光反応性架橋剤; ・スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3' ジチオプロピオネート(SAND)、チオール交換または還元により切断可能である光 反応性架橋剤。 タグを放出するために使用され得る切断性リンカーおよび切断条件の他の例は 、以下のようである。シリル結合基は、フッ化物または酸性条件下により切断さ れ得る。3-,4-,5-,または6-置換-2-ニトロベンジルオキシまたは2-,3-,5-,また は6-置換-4-ニトロベンジルオキシ結合基は、光子の供給(光分解)により切断 され 得る。3-,4-,5-,または6-置換-2-アルコキシフェノキシまたは2-,3-,5-,または6 -置換-4-アルコキシフェノキシ結合基は、Ce(NH4)2(NO3)6(酸化)により切断さ れ得る。NCO2(ウレタン)リンカーは、水酸化物(塩基)、酸、またはLIAlH4( 還元)により切断され得る。3-ペンテニル、2-ブテニル、または1-ブテニル結合 基は、O3、OsO4/IO4 -、またはKMnO4(酸化)により切断され得る。2-[3-,4-,ま たは5-置換-フリル]オキシ結合基は、O2、Br2、MeOH、または酸により切断され 得る。 他の不安定な結合基の切断のための条件は、以下を含む:t-アルキルオキシ結 合基は、酸により分解され得る;メチル(ジアルキル)メトキシまたは4-置換-2 -アルキル−1,3,-ジオキシラン-2-イル結合基は、H3O+により分解され得る;2- シリルエトキシ結合基は、フッ化物または酸により分解され得る;2-(X)-エトキ シ(ここで、X=ケト、エステルアミド、シアノ、NO2、スルフィド、スルホキシ ド、スルホン)結合基は、アルカリ条件下で切断され得る;2-,3-,4-,5-,または 6-置換-ベンジルオキシ結合基は、酸によるかまたは還元的条件下で切断され得 る;2-ブテニルオキシ結合基は、(Ph3P)3RhCl(H)により切断され得、3-,4-,5-, または6-置換-2-ブロモフェノキシ結合基は、Li、Mg、またはBuLiにより切断さ れ得る;メチルチオメトキシ結合基は、Hg2+により切断され得る;2-(X)-エチル オキシ(ここで、X=ハロゲン)結合基は、ZnまたはMgにより切断され得る;2-ヒ ドロキシエチルオキシ結合基は、酸化(例えば、Pb(OAc)4)により切断され得る 。 好ましいリンカーは、酸または光分解により切断され得るリンカーである。固 相ペプチド合成のために開発されたいくつかの酸不安定なリンカーは、MOIにタ グを結合するために有用である。いくつかのこれらのリンカーは、Lloyd-Willia msら(Tetrahedron 49:11065-11133,1993)により最近の総説に記載されている 。一つの有用なタイプのリンカーは、p-アルコキシベンジルアルコールであり、 その2つである4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸および4-(4-ヒドロキシメチ ル-3-メトキシフェノキシ)酪酸がAdvanced ChemTech(Loulsville,KY)より市販さ れている。両方のリンカーは、ベンジルアルコールへのエステル結合を介してタ グに結合され得、そしてカルボン酸へのアミド結合を介してアミン含有MOIに結 合され得る。これらの分子により結合されたタグは、種々のトリフルオロ酢酸の 濃 度を用いてMOIから放出される。これらのリンカーの切断は、タグ上でのカルボ ン酸の遊離を生じる。関連するリンカー(例えば、2,4-ジメトキシ-4'-(カルボ キシメチルオキシ)-ベンズヒドリルアミン(Advanced ChemTechよりFMOC保護化 形態で入手可能))を介して結合したタグの酸切断は、放出されたタグ上でのカ ルボン酸アミドの遊離を生じる。 この適用に有用な感光性リンカーはまた、大多数が、固相ペプチド合成のため に開発されている(Lloyd-Williamsの総説を参照のこと)。これらのリンカーは 、通常は、2-ニトロベンジルエステルまたは2-ニトロベンジルアミドに基づく。 文献に最近報告されている感光性リンカーの2つの例は、4-(4-(1-Fmoc-アミノ) エチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)酪酸(HolmesおよびJones、J.Org.Che m.60:2318-2319,1995)および3-(Fmoc-アミノ)-3-(2-ニトロフェニル)プロピオ ン酸(Brownら、Molecular Diversity 1:4-12,1995)である。両方のリンカーは 、カルボン酸を介してMOI上のアミンに結合され得る。タグのリンカーへの結合 は、タグ上のカルボン酸とリンカー上のアミンとの間にアミドを形成することに より作製される。感光性リンカーの切断は、通常は、当該分野で公知の強度およ び時間で350nm波長のUV光を用いて実施される。光化学的切断のための装置の供 給源の例は、Aura Industries Inc.(Staten Island,NY)およびAgrenetics(Wilm ington,MA)である。リンカーの切断は、タグ上の1級アミドの遊離を生じる。光 切断性リンカーの例は、ニトロフェニルグリシンエステル、エキソ-およびエン ド-2-ベンゾノルボルネイル(benzonorborneyl)クロライドおよびメタンスルホネ ート、ならびに3-アミノ-3(2-ニトロフェニル)プロピオン酸を含む。酵素的切 断の例は、エステル結合を切断するエステラーゼ、ホスホジエステル結合を切断 するヌクレアーゼ、ペプチド結合を切断するプロテアーゼなどを含む。 E. タグの検出 検出方法は、代表的には、いくつかのタイプのスペクトル領域における吸収お よび発光に依存する。原子または分子が光を吸収する場合、入射エネルギーは、 量子化された構造をより高いエネルギーレベルへ励起する。励起のタイプは、光 の波長に依存する。電子は、紫外光または可視光により、より高い軌道に活性化 され、分子振動は、赤外光により励起され、そして回転は、マイクロ波により励 起される。吸収スペクトルは、波長の関数としての光の吸収である。原子または 分子のスペクトルは、そのエネルギーレベル構造に依存する。吸収スペクトルは 、化台物の同定に有用である。比吸光分光光度的方法は、原子吸光分光法(AA)、 赤外分光法(IR)、およびUV-vis分光法(uv-vis)が含まれる。 高エネルギーレベルに励起される原子または分子は、光線を放射することによ り低いレベルに減衰し得る。光の発光は、遷移が同一スピン間の場合は蛍光と呼 ばれ、遷移が異なるスピン間で生じる場合はリン光と呼ばれる。分析物の発光強 度は、濃度(低濃度で)に直線的に比例し、そして発光種を定量するために有用 である。比発光分光光度的方法は、原子発光分析(AES)、原子蛍光分析(AFS)、分 子レーザー誘起蛍光(LIF)、およびX線蛍光(XRF)を含む。 電磁波が物質を通過する場合、大部分の光線が元の方向で存続するが、少量が 他の方向に散乱する。入射光として同一の波長で散乱する光は、Rayleigh散乱と 呼ばれる。振動のために透明な固体中で散乱する光(フォノン)は、Brillouin 散乱と呼ばれる。Brillouin散乱は、代表的には、入射光から0.1〜1波数シフト する。分子中の振動または不透明な固体中の光学的フォノンにより散乱する光は 、ラマン散乱と呼ばれる。ラマン散乱光は、入射光から4000波数と同じ量シフト する。特定の散乱分光学的方法は、ラマン分光法を含む。 IR分光法は、サンプルによる中間赤外光(mid−infrared light)の吸収の波 長および強度の測定である。中間赤外光(2.5〜50μm、4000〜200cm-1)は、分 子振動をより高いエネルギーレベルに励起するのに十分にエネルギー性である。 IR吸収帯の波長は、化学結合の特定のタイプに特徴的であり、そしてIR分光法は 、一般に、有機および有機金属分子の同定に最も有用である。 近赤外光吸収分光法(NIR)は、サンプルによる近赤外光の吸収の波長および強 度の測定である。近赤外光は、800nm〜2.5μm(12,500〜4000cm-1)の範囲にわた り、そして分子振動の倍音および組み合わせをより高いエネルギーレベルに励起 するのに十分にエネルギー性である。NIR分光法は、代表的には、有機の官能基 (特にO-N、N-H、およびC=O)の定量的測定のために使用される。NIRの器械類の 構成装置および設計は、uv-vis吸収分光計と同様である。光源は通常、タングス テンランプであり、そして検出器は通常、PbS固体検出器(solid-state detector )である。サンプルホルダーは、ガラスまたは石英であり得、そして代表的な溶 媒は、CCI4およびCS2である。NIR分光法の便利な器械類は、オンラインのモニタ リングおよびプロセス制御に適している。 紫外および可視吸収分光法(uv-vis)は、サンプルによる近紫外および可視光の 吸収の波長および強度の測定である。真空UVの吸収は100〜200nm(105〜50,000cm-1 )、石英UVの吸収は200〜350nm(50,000〜28,570cm-1)、および可視の吸収は35 0〜800nm(28,570〜12,500cm-1)で起こり、そしてBeer-Lambert-Bouguetの法則に より述べられる。紫外および可視光は、外殻電子をより高いエネルギーレベルに 促進するのに十分にエネルギー性である。UV-vis分光法は通常、溶液中の分子お よび無機イオンまたは錯体に適用され得る。uv-visスペクトルは、スペクトルの 広範な特徴により限定される。光源は、通常、UV測定については水素または重水 素ランプであり、そして可視測定についてはタングステンランプである。これら の連続する光源の波長は、波長分離器(例えば、プリズムまたは格子モノクロメ ーター)を用いて選択される。スペクトルは波長分離器を走査することにより得 られ、そして定量測定がスペクトルからまたは単一の波長で行われ得る。 質量分析計は、イオン化された原子または分子の質量対電荷比(m/z)の差異を 使用して、それらをお互いに分離する。それ故、質量分析法は、原子または分子 の定量のために、そしてまた、分子についての化学的および構造的情報を決定す るために有用である。分子は、化合物を同定するための構造的情報を提供する特 有の断片化パターンを有する。質量分析計の一般的な操作は、以下のようである 。気相イオンが作製され、イオンがその質量対電荷比に基づいて空間または時間 で分離され、そして各質量対電荷比のイオンの量が測定される。質量分析計のイ オン分離力は、分解能により述べられ、これはR=m/Δmとして定義される。ここ で、mはイオン質量であり、そしてΔmは質量スペクトルにおける2つの分離可能 なピークの間の質量の差異である。例えば、1000の分解能を有する質量分析計は 、m/zが100.1のイオンからm/zが100.0のイオンを分離し得る。 一般に、質量分析計(MS)は、イオン源、質量選択的な分析器、およびイオン検 出からなる。磁気セクター型、四重極型、および飛行時間型の設計もまた、イオ ンを供給源領域から質量分析器に移すために、イオン光学の抽出および加速を必 要とする。いくつかの質量分析器の設計(磁気セクター型MS、四重極型MS、また は飛行時間型MS)の詳細は、以下で議論される。磁気セクター型MSのための一重 集束型(focusing)分析器は、180、90、または60°の粒子ビーム経路を利用する 。粒子に影響を与える種々の力は、異なる質量電荷比を有するイオンを分離する 。二重集束型分析計では、静電気的分析器は、動力学的エネルギーの差異を有す る粒子を分離するためにこのタイプの装置に加えられる。 四重極型MSのための四重極型質量フィルターは、平行に配列された4つの金属 ロッドからなる。印加電圧は,4つのロッドの間の中心である飛行経路を進み下 りてくるイオンの軌道に影響を与える。所定のDCおよびAC電圧のために、特定の 質量対電荷比のイオンのみが四重極型フィルターを通過し、そして全ての他のイ オンはそれらの元の経路の外へ投げられる。質量スペクトルは、ロッド上の電圧 が変化する際の四重極型フィルターを通過するイオンをモニターすることにより 得られる。 飛行時間型質量分析計は、異なる質量のイオンを分離するために、「ドリフト 領域」を通過する移動時間の差異を使用する。これは、イオンがパルスで生成さ れるべきそして/またはパルスで抽出されるべきであるように、パルスモードで 稼働する。パルスされた電場は、qVの動力学的エネルギー(ここで、qはイオン 電荷であり、そしてVは、印加電圧である)で、全てのイオンを場のない(field- free)ドリフト領域へ向けて加速する。イオンの動力学的エネルギーは0.5mV2で あるので、より軽いイオンはより重いイオンよりもより高い速度を有し、そして より早くドリフト領域の末端の検出器に到達する。イオン検出器の出力は、時間 の関数としてオシロスコープ上に示されて質量スペクトルを作成する。 イオン形成手順は、質量分析の開始点である。化学イオン化は、分析分子(タ グ)と反応する試薬イオンを使用して、プロトンまたはヒドリド移動によりイオ ンを形成する方法である。試薬イオンは、大過剰のメタン(タグに対して)を電 子衝撃(EI)イオン源へ導入することにより生成される。電子衝突は、メタンとさ らに反応してCH5 +およびC2H5 +を形成するようなCH4 +およびCH3 +を生成する。タ グをイオン化するような別の方法は、プラズマおよびグロー放電である。プラズ マは、 効率的に原子を励起しそしてイオン化する、熱く部分的にイオン化したガスであ る。グロー放電は、2つの電極間で維持された低圧のプラズマである。電子衝撃 イオン化は、タングステンフィラメントから通常生成される電子ビームを使用し て、気相の原子または分子をイオン化する。ビームからの電子は、電子を分析物 の原子または分子から打ち落として、イオンを生成する。エレクトロスプレーイ オン化は、非常に細い針および一組のスキマー(skimmer)を使用する。サンプル 溶液は、原料チャンバにスプレーされ、液滴を形成する。液滴は、キャピラリー を抜け出る場合に電荷を有し、そして溶媒が気化するにつれて液滴は高い電荷を 有する分析物分子を残して消失する。ESIは、気化またはイオン化が困難な大き な生物学的分子のために特に有用である。高速原子衝撃(FAB)は、脱離およびイ オン化を引き起こす固体サンプルに衝突する中性原子(代表的には、XeまたはAr )の高エネルギービームを使用する。これは、気相になることが困難な大きな生 物学的分子のために使用される。FABは、ほとんど断片化を生じず、そして通常 は、大きな分子イオンピークを示し、分子量決定に有用である。原子ビームは、 電荷交換セルを介したイオン源からのイオンを加速することにより生成される。 イオンは、中性原子との衝突において電子を捕捉して、高エネルギーの原子のビ ームを形成する。レーザーイオン化(LIMS)は、レーザーパルスが、サンプルの表 面から物質を除去しそしていくつかのサンプル成分をイオン化するマイクロプラ ズマを生成する方法である。マトリックス補助(matrix-assisted)レーザー脱離 イオン化(MALDI)は、大きな生物学的分子(例えば、タンパク質またはDNAフラグ メント)を気化し、そしてイオン化するLIMS方法である。生物学的分子は、固体 マトリックス(例えば、ニコチン酸)に分散される。UVレーザーパルスは、それ らが質量分析計へ抽出され得るように、いくつかの大きな分子をイオン化形態で 気相に運ぶマトリックスを除去する。プラズマ脱離イオン化(PD)は、反対方向に 移動する2つの分裂フラグメントを生成する252Cfの崩壊を利用する。一方のフ ラグメントは、サンプルに衝突して1〜10の分析物イオンをたたき出す。他方の フラグメントは、検出器に衝突し、そしてデータ取得の開始を引き起こす。この イオン化方法は、大きな生物学的分子に特に有用である。共鳴イオン化(RIMS)は 、1つ以上のレーザービームが気相原子または分子の遷移に対して共鳴するよう に 調和されて、これのイオン化電位を越えて段階的な様式でこれを促進してイオン を生成する方法である。二次イオン化(SIMS)は、イオンビーム(例えば、3He+16 O+、または40Ar+)を使用し、これはサンプルの表面上に焦点を合わせられ、 そして物質を気相に飛ばす。スパーク源は、電流を2つの電極を横切ってパルス することにより固体サンプルにおける分析物をイオン化する方法である。 タグは、これが付着する分子からの切断の前、その間、その後に荷電され得る 。イオン化方法はイオン「脱離」に基づき、固体または液体表面からのイオンの 直接的な形成または発光は、不揮発性および熱に不安定な化合物への適用を増大 することを可能にする。これらの方法は、イオン化前の中性分子の気化の必要性 を排除し、そして一般に分子種の熱分解を最小化する。これらの方法は、電界脱 離(Becky、Principles of Field Ionization and Field Desorption Mass Spec trometry,Pergamon,Oxford,1977)、プラズマ脱離(SundqvistおよびMacfarlane 、Mass Spectrom.Rev.4:421,1985)、レーザー脱離(KarasおよびHillenkamp、A nal.Chem.60:2299,1988;Karasら、Angew.Chem.101:805,1989)、高速粒子衝撃( 例えば、高速原子衝撃、FAB、および二次イオン質量分析、SIMS、Barberら、Ana l.Chem.54:645A,1982)、ならびに熱スプレー(TS)イオン化(Vesta1、Mass Spect rom.Rev.2:447,1983)を含む。熱スプレーは、液体クロマトグラフィーとのオン ラインの組み合わせについて広範に適用される。連続流通(continuous flow)FAB 法(Caprioliら、Anal.Chem.58:2949,1986)はまた、顕著な可能性が示されてい る。イオン化/質量分析法の組み合わせのより完全なリストは、イオントラップ 質量分析法、エレクトロスプレーイオン化質量分析法、イオンスプレー質量分析 法、液体イオン化質量分析法、大気圧イオン化質量分析法、電子イオン化質量分 析法、準安定原子衝撃イオン化質量分析法、高速原子衝撃イオン化質量分析法、 MALDI質量分析法、光イオン化飛行時間型質量分析法、レーザー液滴質量分析法 、MALDI-TOF質量分析法、APCI質量分析法、ナノスプレー質量分析法、噴霧スプ レーイオン化質量分析法、化学イオン化質量分析法、共鳴イオン化質量分析法、 二次イオン化質量分析法、熱スプレー質量分析法である。 不揮発性の生物学的化合物を分析できるイオン化方法は、適用性の重複する範 囲を有する。イオン化効率は、マトリックス成分および化合物のタイプに非常に 依存する。現在利用可能な結果は、TSについて上限の分子量は約8000ダルトンで あることを示す(JonesおよびKrolik,Rapid Comm.Mass Spectrom.1:67,1987) 。TSは、主に四重極型質量分析計と共に実行される(感度は、代表的には、より 高い質量対電荷比(m/z)で非部分的に(disporportionately)影響される)。飛行 時間型(TOF)質量分析計は市販され、そしてm/z範囲が検出器の能力によってのみ 限定されるという利点を有する。最近、2つのさらなるイオン化方法が導入され ている。これら2つの方法は、現在、マトリックス補助レーザー脱離(MALDI、K arasおよびHillenkamp、Anal.Chem.60:2299,1988;Karasら、Angew.Chem.101:80 5,1989)およびエレクトロスプレーイオン化(ESI)である。両方の方法論は、非 常に高いイオン化効率を有する(すなわち、非常に高い[生成された分予イオン] /[消費された分子])。技術の最終的な可能性を規定する感度は、サンプルのサ イズ、イオンの量、流速、検出効率、および実際のイオン化効率に依存する。 エレクトロスプレーMSは、1960年代に最初に提示されたアイデアに基づく(Do leら、J.Chem.Phys.49:2240,1968)。エレクトロスプレーイオン化(ESI)は質量 分析法による分析のための荷電した分子を生成する一つの手段である。簡単に述 べると、エレクトロスプレーイオン化は、強い静電場に液体を噴霧することによ り、高度に荷電した液滴を生成する。大気圧の乾燥バスのガス中で一般に形成さ れる高度に荷電した液滴は、電荷の反発が凝集力を超えるまで、中性の溶媒のエ バポレーションにより縮小し、「クーロン爆発(coulombic explosion)」に至 る。イオン化の正確な機構は議論の余地があり、そしていくつかのグループが仮 説を出している(Bladesら、Anal.Chem.63:2109-14,1991;Kebarleら、Anal.Che m.65:A972-86,1993;Fenn、J.Am.Soc.Mass.Spectrom.4:524-35,1993)。イオン 形成の最終的なプロセスに関わらず、ESIは、穏やかな条件化で溶液から荷電し た分子を生成する。 少量の有機分子での有用な質量スペクトルデータを得る能力は、イオンの効率 的な生成に依存する。ESIのイオン化の効率は、分子に関する正電荷の程度に関 連する。イオン化の実験的な改良は、通常、酸性条件を使用することに関してい る。イオン化を改良する別の方法は、可能な場合に、四級アミンを使用する方法 である(Aebersoldら、Protein Science 1:494-503,1992;Smithら、Anal.Chem. 60:436-41,1988を参照のこと)。 エレクトロスプレーイオン化は、以下により詳細に記載される。エレクトロス プレーイオン生成は、2つの工程を必要とする:大気圧付近での高度に荷電した 液滴の分散、次いで蒸発を導く条件である。分析物分子の溶液は、高い電位に保 たれた針に通される。針の末端では、溶液は分散して分析物分子を含む、高度に 荷電した液滴の小さなミストになる。小さな液滴は速やかに蒸発し、そして電界 脱離または残りの蒸発によりプロトン化されたタンパク質分子が気相へと放出さ れる。エレクトロスプレーは、一般に、キャピラリチューブからの液体のわずか な流れ(一般に1〜10μL/分)への高電場の適用により、生成される。3〜6kV の電位差は、代表的に、0.2〜2Rcm離れて配置されたキャピラリーと対電極との 間に適用される(ここで、脱溶媒和の程度に依存するイオン、荷電したクラスタ ー、およびさらに荷電した液滴は小口を介してMSによりサンプリングされ得る) 。電場は、キャピラリーの末端で液体表面での電荷の蓄積を生じる。従って、液 体の流速、抵抗率、および表面張力は、液滴の生成において重要なファクターで ある。高電場は、液体表面の破壊および高度に荷電した液滴の形成を生じる。正 にまたは負に荷電した液滴は、キャピラリーのバイアスに依存して生成され得る 。負のイオン形態は、電気的な放電を阻止する酸素のような電子捕捉剤の存在を 必要とする。 広範囲の液体は、真空中へ静電的にまたは噴霧剤の助けをかりてスプレーされ 得る。噴霧のための電場のみの使用は、液体の電導率および誘電率の範囲に対す るいくつかの実際的な制限の原因となる。10-4M未満の水性電解質溶液に対応す る、10-5オーム未満の溶液電導率は、有用な液体の流速での安定なエレクトロス プレーのために、室温で必要である。ESI-MSに最も有用であると見出された形態 において、適切な液体の流速は、液体の微細なミストとしての分散を生じる。キ ャピラリーからの短い距離は、液滴の直径をしばしば全く均一にし、そしておよ そ1μmにする。全てのエレクトロスプレーのイオン電流がより高い液体の流速 のためにほんのわずかに増加することが、特に重要である。加熱はエレクトロス プレーを操作するために有用であるという証拠が存在する。例えば、わずかな加 熱は、水溶液が容易にエレクトロスプレー化されることを可能にし、これはおそ らく、粘性および表面張力の減少のためである。熱補助(thermally-assisted)お よびガス噴霧補助(gas-nebulization-assisted)エレクトロスプレーは両方とも 、より高い液体の流速を使用することを可能にするが、液滴の荷電の程度を減少 する。分子イオンの形成は、最初の液滴群の蒸発をもたらす条件を必要とする。 これは、乾燥ガスの中程度の温度(60℃未満)での流れにより、インターフェー スを介した輸送の間の加熱により、および(特に、イオン捕獲方法の場合に)比 較的低圧でのエネルギー性の衝突により、高圧で達成され得る。 ESIの基礎にある詳細なプロセスは不明のままであるが、ESIにより生成される 非常に小さな液滴は、溶液中で正味の電荷を有するほとんどの種が残りの溶媒の 蒸発の後に気相に移ることを可能にするようである。次いで、質量分析検出は、 脱溶媒和の後に扱いやすいm/z範囲(四重極型装置については、4000ダルトン未 満)を有し、そして十分な効率で生成され、伝導されるイオンを必要とする。広 範囲の溶質は、ESI-MSで分析可能であることが既に見出されており、そして分子 量に対するイオン化効率の実質的な相関関係の欠如は、高度に識別力がなくそし て広範に適用可能なイオン化プロセスを示唆する。 エレクトロスプレーのイオン「源」は、大気圧付近で機能する。エレクトロス プレー「源」は、代表的に、対電極に対して水溶液に電気的にバイアスをかける ための方法を組み入れている金属またはガラスのキャピラリーである。溶液(代 表的には、分析物およびしばしば酢酸のような他の添加物を含む水-エタノール 混合物)は、キャピラリーの末端へと流れる。本質的に任意の溶媒系に適合し得 るESI源は、記載されている(Smithら、Anal.Chem.62:885,1990)。ESIについて の代表的な流速は、1〜10μL/分である。ESI-MSインターフェースの主な必要 条件は、イオンをサンプリングし、そして可能な限り効率的にイオンを高圧領域 からMSへ運ぶことである。 ESIの効率は、非常に高く、極度に敏感な測定の原理を提供する。これは、本 明細書中に記載される本発明に有用である。電流装置の性能は、1価に荷電した 種について約2×10-12Aまたは約107カウント/秒である検出器において総イオン 電流を提供し得る。装置の性能に基づいて、1価に荷電した種の10-10Mまたは約 10-18モル/秒ほどの低い濃度は、分析物が完全にイオン化される場合に、検出可 能 なイオン電流(約10カウント/秒)を示す。例えば、低いアトモルの検出限界が 、キャピラリーゾーン電気泳動を有するESIインターフェースを使用して4級ア ンモニウムイオンについて得られている(Smithら、Anal.Chem.59:1230,1988) 。1000の分子量の化合物については、電荷の平均数は1であり、荷電状態のおよ その数は1であり、ピーク幅(m/z)は1であり、そして最大強度(イオン/秒)は 1×1012である。 非常にわずかなサンプルが、ESI質量スペクトルを得ることにおいて、実際に 消費される(Smithら、Anal.Chem.60:1948,1988)。実質的なゲインもまた、セ クター装置を有するアレイ検出器の使用により得られ得、これは、スペクトルの 一部分の同時検出を可能にする。現在では、ESIにより形成された全てのイオン のわずか約10-5しか検出されないので、装置の性能を制限するファクターへの注 意は、改良された感度についての原理を提供し得る。本発明が、イオン化および 検出の方法論における改良について意図しそして適合することは、当業者には、 明らかである。 インターフェースは、好ましくは、分離器械類(例えば、ゲル)と検出器(例 えば、質量分析計)との間に配置される。インターフェースは、好ましくは、以 下の特性を有する:(1)わずかな(discreet)時間間隔でDNAフラグメントを回収す る能力、(2)DNAフラグメントの濃縮、(3)電気泳動の緩衝液および環境からのDNA フラグメントの取り出し、(4)タグのDNAフラグメントからの切断、(5)タグのDNA フラグメントからの分離、(6)DNAフラグメントの処分、(7)タグの揮発性溶液中 への配置、(8)タグの気化およびイオン化、(9)タグを質量分析計へ誘導するエレ クトロスプレーデバイスへのタグの配置または移動。 インターフェースはまた、DNAフラグメントがゲルの底面から溶出するとDNAフ ラグメントを「回収する」能力を有する。ゲルは、スラブゲル、管状のゲル、キ ャピラリー等からなり得る。DNAフラグメントは、いくつかの方法により回収さ れ得る。第一の方法は、DNAフラグメントが電極上でまたはその近辺で回収され る電場の使用である。第二の方法は、DNAフラグメントが、液流をゲルの底面を 通して流すことにより回収される方法である。両方法の局面は組み合わせられ、 ここで、流れに回収されたDNAフラグメントは、後に、電場の使用により濃縮さ れ得る。最終結果は、DNAフラグメントが分離方法が実施された環境から取り出 されることである。つまり、DNAフラグメントは、電場の使用により一方の溶液 タイプからもう一方の溶液タイプへと「ドラッグ(drag)」され得る。 一旦、DNAフラグメントが適切な溶液(エレクトロスプレーおよび質量分析に 適合する)中にあれば、タグはDNAフラグメントから切断され得る。次いで、DNA フラグメント(またはその残存物)が、電場の適用によりタグから分離され得る (好ましくは、タグは、DNAタグのDNAフラグメントの反対の電荷である)。次い で、タグは、電場または流れる液体の使用により、エレクトロスプレーデバイス に導かれる。 蛍光タグは、それらの吸収および蛍光発光の波長および強度により最も直接的 に同定され、そして定量され得る。 連続する範囲の励起および発光波長(lEX,lS1,lS2)を提供する従来の分光蛍光 光度計は非常に順応性があるが、より特殊化された装置(例えば、フローサイト メーターおよびレーザー走査顕微鏡)は単一の固定された波長で励起可能なプロ ーブを必要とする。最新の装置においては、これは、通常、アルゴンレーザーの 488nm線である。 1プローブ分予あたりの蛍光強度は、生成物のeおよびQYに比例する。現在実 用上重要である発蛍光団間のこれらのパラメーターの範囲は、εについては約10 ,000〜100,000cm-1M-1およびQYについては0.1〜1.0である。吸収が高強度の照明 により飽和へとされる場合、励起された発蛍光団の不可逆的な破壊(光退色)が 蛍光検出能を制限するファクターとなる。光退色の実際的な影響は、問題となる 蛍光検出技術に依存する。 デバイス(インターフェース)は、分離および検出工程の間に配置されて、サ イズ分離およびタグ検出の連続する操作(リアルタイムで)を可能にし得ること は当業者に明らかである。これは、分離の方法論および器械類と検出の方法論お よび器械類とを一体にし、単一のデバイスを形成する。例えば、インターフェー スは、分離技術と質量分析法または定電位電流測定による検出との間に配置され る。 インターフェースの機能は、主に、(例えば、質量分析の)タグの分析物から の放出である。インターフェースについてのいくつかの代表的な実行が存在する 。インターフェースの設計は、切断性リンカーの選択に依存する。光山(light) または光(photo)切断性リンカーの場合、エネルギーまたは光子源が必要とされ る。酸不安定リンカー、塩基不安定リンカー、またはジスルフィドリンカーの場 合、試薬の添加がインターフェース内で必要とされる。熱不安定リンカーの場合 、エネルギー熱源が必要とされる。酵素の添加が、酵素感受性リンカー(例えば 、特異的なプロテアーゼとペプチドリンカー、ヌクレアーゼとDNAもしくはRNAリ ンカー、グリコシラーゼ、HRP、またはホスファターゼ)と切断後に不安定であ る(例えば、化学発光基質に類似する)リンカーについて必要とされる。インタ ーフェースの他の特性は、最小のバンドの広がり、DNAの質量分析計への注入前 のタグからの分離を含む。分離技術は、電気泳動的方法および技術、アフィニテ ィー技術、サイズ保持(透析)、濾過などに基づく方法を含む。 タグ(または、核酸-リンカー-タグ構築物)を濃縮し、電気泳動的にこれを捕 捉し、次いでこれを選択されたイオン化方法の特定のタイプに適合する、代替(a lternate)試薬の流れに放出することがまた可能である。インターフェースはま た、マイクロビーズ上のタグ(または、核酸-リンカー-タグ構築物)を捕獲し、 ビーズ(単数または複数)をチャンバに射出し、次いでレーザー脱離/気化を前 もって形成し得る。流れにおいて代替緩衝液中へ抽出することもまた可能である (例えば、キャピラリー電気泳動緩衝液から透過性膜を越えて疎水性緩衝液へ) 。いくつかの使用において、タグをインターフェースのさらなる機能を含む質量 分析計へ断続的に送達することもまた望ましい。インターフェースの別の機能は 、各カラムについての時間帯を交代しながら、タグを複数のカラムから質量分析 計へと送達することである。タグを、時間で分離して単一のカラムから複数のMS 検出器へと送達すること、数ミリ秒間にタグの各セットを回収すること、次いで 質量分析計に送達することもまた可能である。 以下は、本発明において使用され得る分離および検出技術についての代表的な 売手のリストである。Hoefer Scientific Instruments(San Franclsco,CA)は、 配列決定アプリケーションについて電気泳動装置(Two StepTM,Poker FaceTMII )を製造する。Pharmacia Biotech(Piscataway,NJ)は、DNA分離および配列決定 の ための電気泳動装置(PCR-SSCP分析のためのPhastSystem,DNA配列決定のためのM acroPhor System)を製造する。Perkin Elmer/Applied Biosystems Division(ABI ,Foster City,CA)は、蛍光染料に基づく半自動シーケンサー(ABI373およびABI37 7)を製造する。Analytical Spectral Devlces(Boulder,CO)は、UV分光器を製造 する。Hitachi Instruments(Tokyo,Japan)は、原子吸光分光器、蛍光分光器、LC およびGC質量分析器、NMR分光器、およびUV-VIS分光器を製造する。PerSeptive Biosystems(Framingham,MA)は、質量分析器(VoyagerTMElite)を生産する。Bruke r Instruments Inc.(Manning Park,MA)は、FTIR分光器(Vector22)、FT-ラマン分 光器、飛行時間型質量分析器(Reflex IITM)、イオン捕捉質量分析器(EsquireTM) 、およびMaldi質量分析器を製造する。Analytical Technology Inc.(ATI,Boston ,MA)は、キャピラリーゲル電気泳動ユニット、UV検出器、およびダイオードアレ イ検出器を作製する。Teledyne Electronic Technologies(Mountain View,CA)は 、イオン捕捉質量分析器(3DQ DiscoveryTMおよび3DQA pogeeTM)を製造する。Per kin Elmer/Applied Biosystems Division(Foster City,CA)は、エレクトロスプ レーに適合するSCiex質量分析器(三重の四重極型LC/MS/MS、API 100/300)を製造 する。Hewlett−Packard(Santa Clara,CA)は、質量選択的検出器(HP 5972A)、MA LDI-TOF質量分析器(HP G2025A)、ダイオードアレイ検出器、CEユニット、HPLCユ ニット(HP 1090)、ならびにUV分光器を生産する。Finnigan Corporation(San Jo se,CA)は、質量分析器(磁気セクター(MAT 95 STM)、四重極型分光器(MAT 95 SQTM )、および4つの他の関連する質量分析器)を作製する。Rainin(Emeryville,C A)は、HPLC装置を作製する。 本明細書中に記載される方法および組成物は、特定のサンプルタイプおよびヌ クレオチド同一性に対するマップとして作用する切断されるタグの使用を可能に する。各配列決定法の始めに、特定の(選択された)プライマーは、特定の独特 のタグに割り当てられる。タグは、サンプルタイプ、ジデオキシターミネーター タイプ(Sanger配列決定反応の場合)、または好ましくは両方のいずれかをマッ プする。特に、タグは、プライマータイプをマップし、次にはベクタータイプを マップし、次にはサンプルの同一性をマップする。タグはまた、タグ化プライマ ーが配置されるジデオキシヌクレオチド反応を参照してジデオキシターミネータ ータイプ(ddTTP,ddCTP,ddGTP,ddATP)をマップし得る。次いで、配列決定反応が 実施され、そして得られるフラグメントはちようどよい時にサイズにより連続的 に分離される。 タグは、時間枠内にフラグメントから切断され、そして測定され、そして時間 枠内で記録される。配列は、タグマップを時間枠と比較することにより構築され る。つまり、全てのタグの同一性が、サイジング(sizing)工程の後にちょうどよ い時に記録され、そして時間枠内で互いに関連する。サイジング工程は、1つの ヌクレオチドの増加により核酸フラグメントを分離し、それ故、関連するタグの 同一性は、一つのヌクレオチドの増加により分離される。ジデオキシターミネー ターまたはヌクレオチドマップおよびサンプルタイプの予知により、配列は、直 線的様式で容易に推定される。 以下の実施例は、制限の目的ではなく例証の目的により提供される。 他で述べない限り、実施例において使用されるような化学物質は、Aldrich Ch emical Company,Milwaukee,WIから入手され得る。以下の略語は、示される意味 を有して、本明細書中で使用される: ANP=3-(Fmoc-アミノ)-3−(2-ニトロフェニル)プロピオン酸 NBA=4-(Fmoc-アミノメチル)-3-ニトロ安息香酸 HATU=O-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート DIEA=ジイソプロピルエチルアミン MCT=モノクロロトリアジン NMM=4-メチルモルホリン NMP=N-メチルピロリドン ACT357=Advanced ChemTech,Inc.,Loulsville,KYからのACT357ペプチド合成機 ACT=Advanced ChemTech,Inc.,Louisville,KY NovaBiochem=CalBiochem-NovaBiochem international,San Diego,CA TFA=トリフルオロ酢酸 Tfa=トリフルオロアセチル iNIP=N-メチルイソニペコ酸 Tfp=テトラフルオロフェニル DIAEA=2-(ジイソプロピルアミノ)エチルアミン MCT=モノクロロトリアゼン 5'-AH-ODN=5'-アミノヘキシル-末端化オリゴデオキシヌクレオチド 実施例 実施例1 切断可能なMW同定因子配列決定における使用のための酸不安定性リンカーの調製 A.カルボキシルアミド末端を有する遊離タグのための化学的に切断可能な質量分 析タグのペンタフルオロフェニルエステルの合成 図1は反応図を示す。工程A。 TentaGel S AC樹脂(化合物II;ACTより入手可能:1eq.)を、ACT357ペ プチド合成装置(ACT)の回収コンテナ中でDMFに懸濁する。DMF中の化合物I(3 eq.)、HATU(3eq.)、およびDIEA(7.5eq.)を添加し、そして回収コンテナを 1時間振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、お よびDMF(2×)で洗浄する。樹脂へのIのカップリングおよび洗浄工程を反復し 、化合物IIIを得る。工程B。 樹脂(化合物III)を、DMF中の25%ピペリジンと混合し、そして5分間 振盪する。樹脂を濾過し、次いでDMF中の25%ピペリジンと混合し、そして10分 間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2 ×)で洗浄し、そして工程Cに直接用いる。工程C。 工程Bからの脱保護樹脂をDMFに懸濁し、そしてDMF中の側鎖にアミン官 能基を含むFMOC保護アミノ酸(化合物IV(例えば、α-N-FMOC-3-(3-ピリジル)- アラニン)Synthetech,Albany,ORより入手可能;3eq.)、HATU(3eq.)、お よびDIEA(7.5eq.)を添加する。コンテナを1時間振盪する。溶媒を除去し、そ して樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂ヘ のIVのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物Vを得る。工程D。 樹脂(化合物V)を工程Bに記載のようにピペリジンで処理し、FMOC基を 除去する。次いで、脱保護樹脂を、ACT357によって、回収コンテナから16の反応 コンテナへ均等に分配する。工程E。 工程Dからの脱保護樹脂の16のアリコートをDMF中に懸濁する。各反応コ ンテナに、DMF中の適切なカルボン酸VI1-16(R1-16CO2H;3eq.)、HATU(3eq. )、およびDIEA(7.5eq.)を添加する。コンテナを1時間振盪する。溶媒を除去 し、そして樹脂のアリコートをNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×) で洗浄する。樹脂のアリコートへのVI1-16のカップリングおよび洗浄工程を反復 し、化合物VII1-16を得る。工程F。 樹脂(化合物VII1-16)のアリコートを、CH2Cl2(3×)で洗浄する。各 反応コンテナに、CH2Cl2中の1%TFAを添加し、そしてコンテナを30分間振盪す る。溶媒を、反応コンテナから個々のチューブに濾過する。樹脂のアリコートを CH2Cl2(2×)およびMeOH(2×)で洗浄し、そして濾過物を個々のチューブと 合わせる。個々のチューブを真空下で蒸発させ、化合物VIII1-16を得る。工程G。 各遊離カルボン酸VIII1-16を、DMFに溶解する。各溶液にピリジン(1.05 eq.)を加え、続いてペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(1.1eq. )を加える。混合物を、室温で45分間撹拌する。溶液をEtOAcで希釈し、1M aq. のクエン酸(3×)および5% aq.のNaHCO3(3×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し 、濾過し、そして真空下で蒸発させ、化合物IX1-16を得る。 B. カルボキシル酸末端を有する遊離タグのための化学的に切断可能な質量分析 タグのペンタフルオロフェニルエステルの合成 図2は反応図を示す工程A。 4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ酪酸(化合物I;1eq.)を、CHCl3 中のDIEA(2.1eq.)およびアリルブロマイド(2.1eq.)と合わせ、そして2時間 加熱還流する。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl(2×)、炭酸緩衝液(pH9.5 )(2×)、および塩水(1×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空で蒸発 させ、化合物Iのアリルエステルを得る。工程B。 工程Aからの化合物Iのアリルエステル(1.75eq.)を、CH2Cl2中で、側鎖 にアミン官能基を含むFMOC保護アミノ酸(化合物II(例えば、α-N-FMOC-3-(3 -ピリジル)-アラニン)Synthetech,Albany,ORより入手可能;1eq.)、N-メチ ルモルフォリン(2.5eq.)およびHATU(1.1eq.)と合わせ、そして室温で4時間 撹拌する。混合物をCH2Cl2で希釈し、1M aq.のクエン酸(2×)、水(1×) 、および5% aq.のNaHCO3(2×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして真空下で 蒸発させる。化合物IIIをフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2-->EtOAc)に よって単離する。工程C。 化合物IIIを、CH2Cl2に溶解し、Pd(PPh3)4(0.07eq.)およびN-メチルア ニリン(2eq.)を添加し、そして混合物を室温で4時間撹拌する。混合物をCH2 Cl2で希釈し、1M aq.のクエン酸(2×)および水(1×)で洗浄し、Na2SO4で 乾燥し、そして真空下で蒸発させる。化合物IVをフラッシュクロマトグラフィー (CH2Cl2-->EtOAc+HOAc)によって単離する。工程D。 TentaGel S AC樹脂(化合物V;1eq.)を、ACT357ペプチド合成装置(Ad vanced ChemTech Inc.(ACT),Loulsville,KY)の回収コンテナ中でDMFに懸濁す る。DMF中の化合物IV(3eq.)、HATU(3eq.)、およびDIEA(7.5eq.)を添加 し、そして回収コンテナを1時間振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂をNMP( 2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹脂へのIVのカップリ ングおよび洗浄工程を反復し、化合物VIを得る。工程E。 樹脂(化合物VI)を、DMF中の25%ピペリジンと混合し、そして5分間振 盪する。樹脂を濾過し、次いでDMF中の25%ピペリジンと混合し、そして10分間 振盪する。溶媒を除去し、そして樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF (2×)で洗浄する。次いで、脱保護樹脂を、ACT357によって、回収コンテナか ら16の反応コンテナへ均等に分配する。工程F。 工程Eからの脱保護樹脂の16のアリコートを、DMFに懸濁する。各反応コ ンテナに、DMF中の適切なカルボン酸VII1-16(R1-16CO2H;3eq.)、HATU(3eq .)、およびDIEA(7.5eq.)を添加する。コンテナを1時間振盪する。溶媒を除 去し、そして樹脂のアリコートをNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2× )で洗浄する。樹脂のアリコートへのVII1-16のカップリングおよび洗浄工程を 反復し、化合物VIII1-16を得る。工程G。 樹脂(化合物VIII1-16)のアリコートを、CH2Cl2(3×)で洗浄する。 各 反応コンテナに、CH2Cl2中の1%TFAを添加し、そしてコンテナを30分間振盪す る。溶媒を、反応コンテナから個々のチューブに濾過する。樹脂のアリコートを CH2Cl2(2×)およびMeOH(2×)で洗浄し、そして濾過物を個々のチューブに 合わせた。個々のチューブを真空下で蒸発させ、化合物IX1-16を得る。工程H。 各遊離カルボン酸IX1-16を、DMFに溶解する。各溶液にピリジン(1.05eq .)を加え、続いてペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート(1.1eq.) を加える。混合物を、室温で45分間撹拌する。溶液をEt0Acで希釈し、1M aq.の クエン酸(3×)および5% aq.のNaHCO3(3×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、 濾過し、そして真空下で蒸発させ、化合物X1-16を得る。実施例2 T-L-Xの光分解性切断の実証 実施例13で調製されたT-L-X化合物を、室温で7分間、近紫外光で照射した。 発光ピーク350nmを有するRayonett蛍光UVランプ(Southern New England Ultrav iolet Co.,Middletown,CT)を、UV光供給源として用いる。ランプを、試料を 有するペトリ皿から15cm離して置く。SDSゲル電気泳動は、結合の>85%がこれ らの条件下で切断されることを示す。 実施例3 蛍光標識化プライマーの調製および発蛍光団の切断の実証オリゴヌクレオチドの合成および精製 オリゴヌクレオチド(ODN)を、製造業者より供給される標準ホスホルアミダ イト化学、またはH-ホスホネート化学(Glenn Research Sterling,VA)を用い て自動DNA合成装置で調製する。適切にブロックされたdA、dG、dC、およびTホ スホルアミダイトは、これらの形態で市販され、そして合成ヌクレオシドは、適 切な形態に容易に変換され得る。オリゴヌクレオチドを、製造業者より供給され る標準ホスホルアミダイト、またはH-ホスホネート化学を用いて調製する。オリ ゴヌクレオチドを、標準方法を適応することによって精製する。5'トリチル基を 有するオリゴヌクレオチドを、12μm、300#Rainin(Emeryville,CA)Dynamax C -84.2×250mm逆相カラムを用いて、0.1N Et3NH+OAc-(pH7.0)中の15%〜55%MeCN の勾配で20分間、HPLCでクロマトグラフする。脱トリチル化を行う場合、オリゴ ヌクレオチドを、ゲル排除クロマトグラフィーによってさらに精製する。オリゴ ヌクレオチドの質の分析的チェックを、アルカリpHでPRPカラム(Alltech,Deer field,IL)、およびPAGEで行う。 2,4,6-トリクロロトリアジン誘導オリゴヌクレオチドの調製:5'末端アミン連 結オリゴヌクレオチドの10〜1000μgを、19℃〜25℃で30〜120分間、アルカリ (好ましくはpH8.3〜8.5)緩衝液において10%n-メチルピロリドン中の過剰の再 結晶化塩化シアヌル酸と反応させる。最終反応条件は、0.15Mホウ酸ナトリウム (pH8.3)、2mg/mlの再結晶化塩化シアヌル酸、および500μg/mlのそれぞれ のオリゴヌクレオチドからなる。未反応の塩化シアヌル酸を、G-50 Sephadex(P harmacla,Piscataway,NJ)カラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって 除去する。 次いで、活性化した精製オリゴヌクレオチドを、0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8 .3)中の100倍モル過剰のシスタミンと室温で1時間反応させる。未反応のシス タミンを、G-50 Sephadexカラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって除 去する。次いで、得られたODNを、アミン反応性蛍光色素と反応させる。得られ たODN調製物を、3つの部分に分け、そして各部分を(a)20倍モル過剰のTexas Re dスルホニルクロライド(Molecular Probes,Eugene,OR)、(b)20倍モル過剰の Lissamineスルホニルクロライド(Molecular Probes,Eugene,OR)(c)20倍モル 過剰のフルオレセインイソチオシアネートのいずれかと反応させる。最終反応条 件は、室温で1時間の0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)からなる。未反応の蛍光 色素を、G-50 Sephadexカラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって除去 する。 オリゴヌクレオチドから蛍光色素を切断するために、ODNを、1×10-5モル濃 度に調整し、次いで希釈物を、TE(TEは、0.01M Tris(pH7.0)、5mM EDTAであ る)中で作製する(12,3倍希釈)。100μl容量のODNに対して、25μlの0.01M ジチオスレイトール(DTT)を添加する。コントロールの同一のセットに対して は、DTTを加えない。混合物を、室温で15分間インキュベートする。蛍光を、黒 マイ ロタイタープレートにおいて測定する。溶液をインキュベーションチューブ(15 0μl)から取り出し、そして黒マイクロタイタープレート(Dynatek Laborator ies,Chantilly,VA)に入れる。次いで、プレートを、フルオレセインについて は495nmの励起波長および520nmのモニター発光、Texas Redについては591nmの励 起波長および612nmのモニター発光、およびLissamineについては570nmの励起波 長および590nmのモニター発光で、Fluoroskan II蛍光光度計(Flow Laboratorie s,McLean,VA)を用いて直接読みとる。データは、蛍光色素をODNから切断した場合、相対的な蛍光が約200倍増加するこ とを示す。 実施例4 タグ化M13配列プライマーの調製およびタグの切断の実証 2,4,6-トリクロロトリアジン誘導オリゴヌクレオチドの調製:1000μgの5'末 端アミン連結オリゴヌクレオチド(5'ヘキシルアミン-TGTAAAACGACGGCCAGT-3') (配列番号1)を、19℃〜25℃で30〜120分間、アルカリ(好ましくはpH8.3〜8. 5)緩衝液において10%n-メチルピロリドン中の過剰の再結晶化塩化シアヌル酸 と反応させる。最終反応条件は、0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)、2mg/mlの 再結晶化塩化シアヌル酸、および500μg/mlのそれぞれのオリゴヌクレオチドか らなる。未反応の塩化シアヌル酸を、G-50 Sephadexカラムで、サイズ排除クロ マトグラフィーによって除去する。 次いで、活性化した精製オリゴヌクレオチドを、0.15Mホウ酸ナトリウム(pH8 .3)中の100倍モル過剰のシスタミンと室温で1時間反応させる。未反応のシス タミンを、G-50 Sephadexカラムで、サイズ排除クロマトグラフィーによって除 去する。次いで、得られたODNを、種々のアミドと反応させる。得られたODN調製 物を、12の部分に分割し、そして各部分を、(1)4-メトキシ安息香酸、(2) 4-フルオロ安息香酸、(3)トルイル酸、(4)安息香酸、 (5)インドール -3-酢酸、(6)2,6-ジフルオロ安息香酸、(7)ニコチン酸N-オキシド、(8 )2-ニトロ安息香酸、(9)5-アセチルサリチル酸、(10)4-エトキシ安息香酸、 (11)桂皮酸、(12)3-アミノニコチン酸のいずれかのペンタフルオロフェニル エステル(25モル過剰)と反応させる。0.2Mホウ酸ナトリウム(pH8.3)中で、3 7℃で2時間反応させる。得られたODNを、G-50 Sephadexで、ゲル排除クロマト グラフィーによって精製する。 オリゴヌクレオチドからタグを切断するために、ODNを、1×10-5モル濃度に 調整し、次いで希釈物を、50%Et0H(V/V)を含むTE(TEは、0.01M Tris(pH7.0 )5mM EDTAである)中で希釈する(12,3倍希釈)。100μl容量のODNに対して 、25μlの0.01Mジチオスレイトール(DTT)を添加する。コントロールの同一の セットに対しては、DTTを加えない。インキュベーションは、室温で30分間であ る。次いで、NaClを0.1Mまで加え、そして2容量のEtOHを添加し、ODNを沈殿さ せる。ODNを、14,000×G、4℃で15分間の遠心分離によって溶液から除去する。 上清を保存し、完全に乾燥する。次いで、ペレットを、25μlのMeOHに溶解する 。次いで、ペレットを、タグの存在について質量分析によって試験する。 この研究に用いた質量分析計は、外部イオン供給源フーリエ変換質量分析計( FTMS)である。MALDI分析のために調製した試料を、直接プローブの先端部に沈 積し、そしてイオン供給源に挿入する。試料をレーザーパルスで照射する場合、 イオンを供給源から抽出し、そして超伝導磁石の口径内に位置するFTMS分析装置 のセルに焦点を合わせ、かつ輸送する長四重極イオンガイドに通過させる。 スペクトルは、以下の情報をもたらす。以下の分子量での25〜100相対強度単 位の強度において変化するピーク:(1)4-メトキシ安息香酸誘導体を示す212. lamu、(2)4-フルオロ安息香酸誘導体を示す200.1、(3)トルイル酸誘導体 を示す196.1amu、(4)安息香酸誘導体を示す182.1amu、(5)インドール-3- 酢酸誘導体を示す235.2amu、(6)2,6-ジフルオロ安息香酸を示す218.1amu、( 7)ニコチン酸N-オキシド誘導体を示す199.1amu、(8)2-ニトロベンズアミド を示す227.1amu、(9)5-アセチルサリチル酸誘導体を示す179.18amu、(10)4 -エトキシ安息香酸誘導体を示す226.1amu、(11)桂皮酸誘導体を示す209.1amu 、(12)3-アミノニコチン酸誘導体を示す198.1amu。 結果は、MW同定因子がプライマーから切断され、そして質量分析によって検出 され得ることを示す。 実施例5 HPLC分離法、画分収集、MW同定因子切断、MW同定因子の質量(従って同一性)の 決定、次いで配列の推定を用いた配列決定の実証 以下のオリゴヌクレオチドは実施例4に記載のように調製される。 上記の100μgの各5'末端アミン連結オリゴヌクレオチドを、19℃〜25℃にて3 0〜120分間10%n-メチル-ピロリドンアルカリ(好ましくはpH8.3〜8.5)中の過 剰の再結晶化塩化シアヌルと反応させる。最終的な反応条件は、0.15Mホウ酸ナ トリウム、pH8.3、2mg/mlの再結晶化塩化シアヌルおよび500ug/mlの各オリゴヌ クレオチドからなる。未反応の塩化シアヌルを、G-50 Sephadexカラムにおける サイズ排除クロマトグラフィーによって除去する。 次いで、活性化精製オリゴヌクレオチドを、0.15Mホウ酸ナトリウム、pH8.3で 1時間室温にて100倍モル過剰のシスタミンと反応させる。未反応のシスタミ ンを、G-50 Sephadexカラムにおけるサイズ排除クロマトグラフィーによって除 去する。次いで、誘導体化したODNを以下の特定のペンタフルオロフェニル−エ ステルと反応させる:(1)4−メトキシ安息香酸を有するDM0767、(2)4-フル オロ安息香酸を有するDMO768、(3)トルイル酸、(4)安息香酸を有するDMO769 、(5)インドール-3-酢酸を有するDM0770、(6)2,6-ジフルオロ安息香酸を有 するDMO771,(7)ニコチン酸N-オキシドを有するDM0772、(8)2-ニトロ安息香 酸を有するDMO773。 10ngのそれぞれの8つの誘導体化ODNを共に混合し、次いでHPLCによってサイ ズ分離する。混合物を25μlの蒸留水に入れる。完全なサンプルを以下のカラム に注入する。LiChrospher 4000 DMAE、50〜10mmカラムを用いる(EM Separatio ns,Wakefield,RI)。溶出液Aは20%ACN中の20mM Na2HPO4、pH7.4であり:溶 出液Bは溶出液A+1M NaCl,pH7.4である。流速は1ml/分であり、そして検出 はUV@280nmである。グラジエントは以下の通りである:0分@100%Aおよび0 %B、3分@100%Aおよび0%B,15分@80%Aおよび20%B、60分@0%A および100%B、63分@0%Aおよび100%B、65分@100%Aおよび0%B、7 0分@100%Aおよび0%B。画分を0.5分間隔で収集する。 オリゴヌクレオチドからタグを切断するために、100μlの0.05Mジチオスレイ トール(DTT)を各画分に添加する。インキュベーションは室温で30分間である 。次いで、NaClを0.1Mになるように添加し、そして2容量のEtOHを添加してODN を沈殿させる。ODNを、14,000×Gで4℃にて15分間の遠心分離によって溶液か ら取り出す。上清を保存し、遠心分離しながら真空下で完全に乾燥させる。次い で、ペレットを25μlのMeOH中に溶解させる。次いで、ペレットを、MW-同定因 子の存在について質量分析によって試験する。同一のMALDI技術を、実施例4に 記載のように使用する。以下のMW(タグ)を、時間の関数として質量スペクトル 中で観察する。 従って、タグの時間的出現は、212.1,200.1、196.1、182.1、235.2,218.1、 199.1、227.1である。212.1amuは4-メトキシ安息香酸誘導体を示し、200.1は4- フルオロ安息香酸誘導体を示し、196.1amuはトルイル酸誘導体を示し、182.1amu は安息香酸誘導体を示し、235.2amuはインドール-3-酢酸誘導体を示し、218.1am uは2,6-ジフルオロベンゼン誘導体を示し、199.1amuはニコチン酸N-オキシド誘 導体を示し、227.1amuは2-ニトロベンズアミドを示すので、配列は-5'-ATGCATG- 3'-であると推定され得る。 実施例6 単一HPLC分離法における2つのDNAサンプルの配列決定の実証 本実施例において、2つのDNAサンプルを単一の分離法において配列決定する 。 以下のオリゴヌクレオチドを、実施例1に記載のように調製する: 上記の100μgの各5'末端アミン連結オリゴヌクレオチドを、19℃〜25℃にて3 0〜120分間10%n-メチル-ピロリドンアルカリ(好ましくはpH8.3〜8.5)中の過 剰の再結晶化塩化シアヌルと反応させる。最終的な反応条件は、0.15Mホウ酸ナ トリウム、pH8.3、2mg/mlの再結晶化塩化シアヌルおよび500ug/mlの各オリゴヌ クレオチドからなる。未反応の塩化シアヌルを、G-50 Sephadexカラムにおけ るサイズ排除クロマトグラフィーによって除去する。 次いで、活性化精製オリゴヌクレオチドを、0.15Mホウ酸ナトリウム、pH8.3中 で1時間室温にて100倍モル過剰のシスタミンと反応させる。未反応のシスタミ ンを、G-50 Sephadexカラムにおけるサイズ排除クロマトグラフィーによって除 去する。次いで、誘導体化ODNを以下の特定のペンタフルオロフェニル-エステル と反応させる:(1)4-メトキシ安息香酸を有するDMO767およびニコチン酸N-オ キシドを有するDMO773、(2)4-フルオロ安息香酸を有するDMO768および2-ニト ロ安息香酸を有するDMO774、(3)トルイル酸およびアセチルサリチル酸を有す るDMO775、(4)安息香酸を有するDMO769および4-エトキシ安息香酸を有するDMO 776、(5)インドール-3-酢酸を有するDMO770およびケイ皮酸を有するDMO777、 (6)2,6-ジフルオロ安息香酸を有するDMO771および3-アミノニコチン酸を有す るDMO778。それ故、ODNの各セットに対して1つのタグが存在する。 10ngのそれぞれの12の誘導体化ODNを共に混合し、次いでHPLCによってサイズ 分離する。混合物を25μlの蒸留水に入れる。完全なサンプルを以下のカラムに 注入する。LiChrospher 4000 DMAE、50〜10mmカラムを用いる(EM Separation, Wakefield,RI)。溶出液Aは20%ACN中の20mM Na2HPO4、pH7.4であり;溶出液 Bは溶出液A+1M NaCl、pH7.4である。流速は1ml/分であり、そして検出はUV @280nmである。グラジエントは以下の通りである:0分@100%Aおよび0%B 、3分@100%Aおよび0%B、15分@80%Aおよび20%B、60分@0%Aおよ び100%B、63分@0%Aおよび100%B、65分@100%Aおよび0%B、70分@1 00%Aおよび0%B。画分を0.5分間隔で収集する。 オリゴヌクレオチドからタグを切断するために、100μlの0.05Mジチオスレイ トール(DTT)を各画分に添加する。インキュベーションは室温で30分間である 。次いで、NaClを0.1Mになるように添加し、そして2容量のEtOHを添加してODN を沈殿させる。ODNを、14,000×Gで4℃にて15分間の遠心分離によって溶液か ら取り出す。上清を保存し、遠心分離しながら真空下で完全に乾燥させる。次い で、ぺレットを25μlのMeOH中に溶解させる。次いで、ペレットを、タグの存在 について質量分析によって試験する。同一のMALDI技術を、実施例4に記載のよ うに使用する。以下のMW(タグ)を、時間の関数として質量スペクトル中で観察 する。 セット#1に対するタグの時間的出現は、212.1,200.1.196.1.182.1、235.2, 218.1、199.1、227.1であり、そしてセット#2に対するタグの時間的出現は199.1 、227.1、179.1、226.1、209.1、198.1である。212.1amuは4−メトキシ安息香 酸誘導体を示し、200.1は4-フルオロ安息香酸誘導体を示し、196.1amuはトルイ ル酸誘導体を示し、182.1amuは安息香酸誘導体を示し、235.2amuはインドール-3 -酢酸誘導体を示し、218.1amuは2,6-ジフルオロベンゼン誘導体を示し、199.1am uはニコチン酸N-オキシド誘導体を示し、227.1amuは2-ニトロベンズアミドを示 し、179.18amuは5-アセチルサリチル酸誘導体を示し、226.lamuは4-エトキシ安 息香酸誘導体を示し、209.1amuはケイ皮酸誘導体を示し、そして198.1amuは3-ア ミノニコチン酸を示すので、最初の配列は-5'-TATGCA-3'-であると推定され得、 そして第2の配列は-5'-CGTACC-3'-であると推定され得る。従って、分離工程あ たりに1つより多いDNAサンプルを配列決定し得る。 実施例7 式R1-36-LYS(ε-lNIP)-ANP-TFPを有する化合物のセットの調製 図3は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性 化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、Lhおよび L2を連結するメチレン基であるL3を有するo-ニトロベンジルアミン基であり、T はモジュラー構造を有する。ここでリジンのカルボン酸基は、L2ベンジルアミン 基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、そして可変重量成分R1-36(こ れらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した特定 のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は、リジンのα-アミノ基を介 して結合される一方、質量分析感度エンハンサー基(N-メチルイソニペコ酸を介 して導入される)は、リジンのε-アミノ基を介して結合される。 図3について言及する:工程A。 NovaSyn HMP樹脂(NovaBiochemより入手可能;1eq.)を、ACT357の回収 コンテナ中のDMFに懸濁する。DMF中の化合物I(ACTより入手可能なANP;3eq.) 、HATU(3eq.)およびNMM(7.5eq.)を添加し、そして回収コンテナを1時間振 盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×) で洗浄する。樹脂へのIのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物IIを得 る。工程B。 樹脂(化合物II)を、DMF中の25%ピペリジンと混合し、5分間振盪する 。樹脂を濾過し、次いでDMF中の25%ピペリジンと混合し、そして10分間振盪す る。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗 浄し、そして工程Cに直接用いる。工程C。 工程Bからの脱保護樹脂を、DMF中に懸濁し、DMF中の、側鎖に保護アミ ン官能基を含むFMOC保護アミノ酸(Fmoc-Lysine(Aloc)-OH、PerSeptive Biosyst emsより入手可能;3eq.)、HATU(3eq.)、およびNMM(7.5eq.)を添加する。コ ンテナを1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、 およびDMF(2×)で洗浄する。Fmoc-Lys(Aloc)-OHの樹脂へのカップリングおよ び洗浄工程を反復し、化合物IVを得る。工程D。 樹脂(化合物IV)を、CH2Cl2(2×)で洗浄し、次いで、CH2Cl2中の(PPh3 )4Pd(0)(0.3eq.)およびPhSiH3(10eq.)の溶液に懸濁する。混合物を1時間 振盪する。溶媒を除去し、樹脂をCH2Cl2(2×)で洗浄する。パラジウム工程を 反復する。溶媒を除去し、樹脂をCH2Cl2(2×)、DMF中のN,N-ジイソピロピル エチルアンモニウムジエチルジチオカルバメート(2×)、およびDMF(2×) で洗浄し、化合物Vを得る。工程E。 工程Dからの脱保護樹脂を、工程Cに記載のN-メチルイソニペコ酸とカッ プリングさせ、化合物VIを得る。工程F。 Fmoc保護樹脂VIを、ACT357によって、回収コンテナから36反応コンテナ に等しく分配し、化合物VI1-36を得る。工程G。 樹脂(化合物VI1-36)を工程Bに記載のピペリジンで処理し、FMOC基を 除去する。工程H。 工程Gからの脱保護樹脂の36アリコートを、DMF中に懸濁する。各反応コ ンテナに、DMF中の適切なカルボン酸(R1-36CO2H;3eq.)、HATU(3eq.)、お よ びNMM(7.5eq.)を添加する。コンテナを1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂 のアリコートをNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。樹 脂のアリコートへのR1-36CO2Hのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物V III1-36を得る。工程I。 樹脂(化合物VIII1-36)のアリコートをCH2Cl2(3×)で洗浄する。各 反応コンテナに、90:5:5 TFA:H20:CH2Cl2を添加し、コンテナを120分間振 盪する。溶媒を反応コンテナから個々のチューブに濾過する。樹脂のアリコート をCH2Cl2(2×)およびMeOH(2×)で洗浄し濾過物を個々のチューブに合わせ る。個々のチューブを真空下で蒸発させ、化合物IX1-36を得る。工程J。 各々の遊離カルボン酸IX1-36を、DMF中に溶解させる。各溶液に、ピリジ ン(1.05eq.)を添加し、続いて、テトラフルオロフェニルトリフルオロアセテ ート(1.1eq.)を添加する。混合物を、室温で45分間撹拌する。溶液をEtOAcで 希釈し、5%aq.のNaHCO3(3×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そし て真空下で蒸発させ、化合物X1-36を得る。 実施例8 式R1-36-LYS(ε-1NIP)-NBA-TFPを有する化合物のセットの調製 図4は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性 化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、LhとL2と の間で直接結合されるL3を有するo-ニトロベンジルアミン基であり(LhはL2基 の芳香環に直接結合する)、Tはモジュラー構造を有する。ここでリジンのカル ボン酸基は、L2ベンジルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、 そして可変重量成分R1-36(これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そし て本明細書中に一覧した特定のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は 、リジンのαアミノ基を介して結合される一方、質量分析感度エンハンサー基( N-メチルイソニペコ酸を介して導入される)は、リジンのε-アミノ基を介して 結合される。 図4について言及する:工程A。 NovaSyn HMP樹脂を、実施例7の工程Aに記載の手順に従って、化合物I (Brownら、Molecular Diversity,1,4(1995)の手順に従って調製されたNBA )とカップリングさせ、化合物IIを得る。工程B-J。 樹脂(化合物II)を、実施例7の工程B〜Jに記載のように処理し、化 合物X1-36を得る。 実施例9 式1NIP-LYS(ε-R1-36)-ANP-TFPを有する化合物のセットの調製 図5は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性 化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、Lhおよび L2を連結するメチレン基であるL3を有するo-ニトロベンジルアミン基であり、T はモジュラー構造を有する。ここでリジンのカルボン酸基は、L2ベンジルアミン 基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、そして可変重量成分R1-36(こ れらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した特定 のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は、リジンのεアミノ基を介し て結合される一方、質量分析感度エンハンサー基(N-メチルイソニペコ酸を介し て導入される)は、リジンのα-アミノ基を介して結合される。 図5について言及する:工程A〜C。 実施例7と同じ。工程D。 樹脂(化合物IV)を、実施例5の工程Bに記載のピリジンで処理し、FMO C基を除去する。工程E。 工程Dの樹脂上の脱保護αアミンを、実施例5の工程Cに記載のN-メチル イソニペコ酸とカップリングさせ、化合物Vを得る。工程F。 実施例7と同じ。工程G。 樹脂(化合物VI1-36)を、実施例7の工程Dに記載のパラジウムで処理し 、Aloc基を除去する。工程H〜J。 化合物X1-36を、実施例7と同様の様式で調製する。 実施例10 式R1-36-GLU(γ-DIAEA)-ANP-TFPを有する化合物のセットの調製 図6は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性 化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、Lhおよび L2を連結するメチレン基であるL3を有するo-ニトロベンジルアミン基であり、T はモジュラー構造を有する。ここでグルタミン酸のαカルボン酸基は、L2ベンジ ルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、そして可変重量成分R1 -36 (これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧し た特定のカルボン酸のいずれかを介して導入され得る)は、グルタミン酸のα- アミノ基を介して結合される一方、質量分析感度エンハンサー基(2-(ジイソ プロピルアミノ)エチルアミンを介して導入される)は、グルタミン酸のγ-カ ルボン酸を介して結合される。 図6について言及する:工程A〜B。 実施例7と同じ。工程C。 脱保護樹脂(化合物III)を、実施例7の工程Cに記載のカップリング方 法を用いて、Fmoc-Glu-(OAl)-OHにカップリングさせ、化合物IVを得る。工程D。 樹脂(化合物IV)上のアリルエステルを、CH2Cl2(2×)で洗浄し、CH2 Cl2中の(PPh3)4Pd(O)(0.3eq.)およびN-メチルアニリン(3eq.)の溶液と混合 する。混合物を1時間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をCH2Cl2(2×)で洗浄す る。パラジウム工程を反復する。溶媒を除去し、樹脂をCH2Cl2(2×)、DMF( 2×)中のN,N-ジイソピロピルエチルアンモニウムジエチルジチオカルバメート 、およびDMF(2×)で洗浄し、化合物Vを得る。工程E。 工程Dからの脱保護樹脂を、DMF中に懸濁し、HATU(3eq.)およびNMM(7 .5eq.)を混合することによって活性化する。コンテナを15分間振盪する。溶媒 を除去し、樹脂をNMP(1×)で洗浄する。樹脂を、2-(ジイソプロピルアミノ )エチルアミン(3eq.)およびNMM(7.5eq.)と混合する。コンテナを1時間振 盪する。樹脂への2-(ジイソプロピルアミノ)エチルアミンのカップリングお よび洗浄工程を反復し、化合物VIを得る。工程F〜J。 実施例7と同じ。 実施例11 式R1-36-LYS(ε-lNIP)-ANP-LYS(ε-NH2)-NH2を有する化合物のセットの調製 図7は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhはアミ ン(特に、リジン誘導部分のε−アミノ基)であり、L2は、LhおよびL2を連結す るカルボキサミド置換アルキレンアミノアシルアルキレン基であるL3を有する o-ニトロベンジルアミン基であり、Tはモジュラー構造を有する。ここでリジ ンのカルボン酸基は、L2ベンジルアミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を 形成し、そして可変重量成分R1-36(これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応 し、そして本明細書中に一覧した特定のカルボン酸のいずれかを介して導入され 得る)は、リジンのαアミノ基を介して結合される一方、質量分析感度エンハン サー基(N-メチルイソニペコ酸を介して誘導される)は、リジンのε-アミノ基 を介して結合される。 図7について言及する:工程A。 Fmoc-Lys(Boc)-SRAM樹脂(ACTより入手可能:化合物I)を、DMF中の25% ピペリジンと混合し、そして5分間振盪する。樹脂を濾過し、次いでDMF中の25 %ピペリジンと混合し、そして10分間振盪する。溶媒を除去し、樹脂をNMP(2 ×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄し、そして工程Bに直接用いる 。工程B。 DMF中の樹脂(化合物II)、ANP(ACTより入手可能;3eq.)、HATU(3eq .)およびNMM(7.5eq.)を添加し、そして回収コンテナを1時間振盪する。溶媒 を除去し、樹脂をNMP(2×)、MeOH(2×)、およびDMF(2×)で洗浄する。 Iの樹脂へのカップリングおよび洗浄工程を反復し、化合物IIIを得る。工程C〜J。 樹脂(化合物III)を、実施例7の工程B〜Iのように処理し、化合物X1-36 を得る。 実施例12 式R1-36-LYS(ε-TFA)-LYS(ε-1NIP)-ANP-TFPを有する化合物のセットの調製 図8は、36のT-L-X化合物(X=Lh)のセットの平行合成を例示する。Lhは活性 化エステル(特に、テトラフルオロフェニルエステル)であり、L2は、Lhおよび L2を連結するメチレン基であるL3を有するo-ニトロベンジルアミン基であり、T はモジュラー構造を有する。ここで第1のリジンのカルボン酸基は、L2ベンジル アミン基の窒素原子に結合されてアミド結合を形成し、質量分析感度エンハンサ ー基(N-メチルイソニペコ酸を介して誘導される)は、第1のリジンのε-アミ ノ基を介して結合され、第2のリジン分子は第1のリジンのα-アミノ基を介し て第1のリジンに結合され、分子量調整基(トリフルオロアセチル構造を有する )は、第2のリジンのε-アミノ基を介して結合され、そして可変重量成分R1-36 (これらのR基は本明細書中に記載のT2に対応し、そして本明細書中に一覧した 特定のカルボン酸のいずれかを介して誘導され得る)は、第2のリジンのαアミ ノ基を介して結合される。 図8について言及する:工程A〜E。 これらの工程は、実施例7の工程A〜Eと同一である。工程F。 樹脂(化合物VI)を、実施例7の工程Bに記載のピペリジンで処理し、F MOC基を除去する。工程G。 脱保護樹脂(化合物VII)を、実施例7の工程Cに記載のカップリング方 法を用いて、Fmoc-Lys(Tfa)-OHにカップリングし、化合物VIIIを得る。工程H〜K。 樹脂(化合物VIII)を、実施例7の工程F〜Jに記載のように処理し、 化合物XI1-36を得る。 実施例13 式R1-36-LYS(ε-lNIP)-ANP-5'-AH-ODNを有する化合物のセットの調製 図9は、実施例7のエステル由来の36のT-L-X(X=MOI、ここでMOIは核酸フラ グメントである、ODN)のセットの平行合成を例示する(同じ手順が、他のT-L-X 化合物で用いられ得る、ここでXは活性化エステルである)。MOIを、T-Lに、MOI の5'末端を介して、ホスホジエステル-アルキレンアミン基により結合する。 図9について言及する:工程A。 化合物XII1-36を、Van Nessら、Nucleic Acids Res.,19,3345(1991)の 改変したビオチン化手順に従って調製する。200mMホウ酸ナトリウム(pH8.3、25 0mL)中に5'-アミノヘキシルオリゴヌクレオチド(化合物XI1-36、1mg)の1つ を有する溶液に、テトラフルオロフェニルエステル(実施例Aからの化合物XII1 -36 、250mLのNMP中に100倍モル過剰)の1つを添加する。反応物を、周囲温度で 一晩インキュベートする。未反応および加水分解したテトラフルオロフェニルエ ステルを、SephadexG-50クロマトグラフィーによって化合物XII1-36から除去す る。実施例14 式R1-36-LYS(ε-lNIP)-ANP-LYS(ε(MCT-5'-AH-ODN)-NH2を有する化合物のセット の調製 図10は、実施例11のアミン由来の36のT-L-X(X=MOI、ここで、MOIは核酸フラ グメントである、ODN)のセットの平行合成を例示する(同じ手順が、他のT-L-X 化合物で用いられ得、Xはアミンである)。MOIを、T-Lに、MOIの5'末端を介して 、ホスホジエステル-アルキレンアミン基により結合する。 図10について言及する:工程A。 5'-[6-(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)ヘキシル]オリゴ ヌクレオチドXII1-36を、Van Nessら、Nucleic Acids Res.,19,3345(1991)に 記載のように調製する。工程B。 100mMホウ酸ナトリウム(pH8.3)中の1mg/mlの濃度の5'-[6-(4,6-ジク ロロ-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)ヘキシル]オリゴヌクレオチド(化合物XI I1-36)の1つを有する溶液を、R1-36-Lys(e-iNIP)-ANP-Lys(e-NH2)-NH2(実施 例11からの化合物X1-36)より選択される、100倍モル過剰の1級アミンに添加し た。溶液を室温で1晩混合する。未反応のアミンを、洗浄溶液としてH2O(3× )を用いて、3000MWカットオフ膜(Amlcon,Beverly,MA)を通す限外濾過によ って除去する。化合物XIII1-36を、100mLの用量に減少させることによって単離 する。 実施例15 CE分離法、画分収集、タグ切断、タグの質量(従って同一性)の決定、次いで配 列推定を用いた配列決定の実証 本実施例において、2つのDNAサンプルを単一の分離法において配列決定する 。CE 器具使用 CE器具は、Applied Biosystems,Inc.(FosterCity,CA)から市販されてい る器具のブレッドボード版である。それは2つの緩衝チャンバーを囲むPlexigla sボックスからなり、これは熱制御ユニットで一定温度に維持され得る。電気泳 動に必要な電圧は、磁気安全インターロックおよび適用電位を変化させる制御ユ ニットを有する高電圧パワーサプライ(Gamma High Voltage Research,OrmondB each,FL)によって提供される。オープンチューブ(open tube)キャピラリー に対するサンプル注入は、キャピラリーを横切る圧力差(真空注入)を生じさせ るためにハンド真空ポンプの使用によって実施する。ゲル充填キャピラリーにつ いては、サンプルを電場の適用によってチューブ中に電気泳動させる(電気運動 的注入)。ゲル充填キャピラリーの調製 25cmに検出器窓を有する50センチメートル石英ガラスキャピラリー(375mm o.d .,50mm i.d.、Polymicro Technologies,Phoenix,AZ)(ここでポリイミドコー ティングはキャピラリーから除去されている)を分離に用いる。キャピラリーの 内部表面は、キャピラリー壁へのゲルの共有結合を可能にするために(メチアク リロキシプロピル)トリメトキシシラン((methyacryloxypropyl)trimethoxysilan e:MAPS)(Sigma,St.Louis,MO)で誘導体化する(Nashabehら、Anal Chem 63:2 148,1994)。手短には、カラムにトリフルオロ酢酸、脱イオン水、およびアセ トンを連続的に流動させることにより、キャピラリーを清掃する。アセトン洗浄 の後、50/50水/エタノール溶液中の0.2%MAPS溶液をキャピラリーに通し、そし て室温で30分間そのままにしておく。溶液をアスピレーションによって除去し、 そしてチューブを赤外線熱ランプ下で30分間乾燥させる。 ゲル充填キャピラリーを、Huangら(J.Chromatography 600:289,1992)に記 載された手順の改変法によって高圧下で調製する。5%のクロスリンカーおよび 8.3尿素を有する4パーセントのポリ(アクリルアミド)ゲルを、本明細書中に 報告した全ての研究に用いる。3.8gのアクリルアミド、0.20gのN,N'-メチレンビ ス(アクリルアミド)、および50gの尿素を100mLのTBE緩衝液(90mM Trisホウ酸、 pH8.3,0.2mM EDTA)中に溶解させることによって、原液を作製する。架橋を、 10mLのN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)および250mLの10%ア ンモニウムパーサルフェート溶液で開始する。重合溶液を誘導体化カラムに迅速 に通す。次いで、充填キャピラリーを、水を充填したスチールチューブ1×m×l/ 8 ln.i.d.×1/4in.o.d.中に配置し、HPLCポンプを用いて400バーまで圧力を 上昇させ、そして一晩その圧力を維持させる。圧力を徐々に開放し、そしてキャ ピラリーを除去する。カラムの各末端からキャピラリーの短いセクションを使用 する前に除去する。DNA フラグメントの分離および検出 従来の電気泳動によって分離されたDNA配列決定反応の分析を、ABI 370A DNA シーケンサーで実施する。この器具は、製造業者の指示に従って調製された、サ ンプルウェルから検出領域まで26cmの距離を有するスラブ変性尿素ポリ(アクリ ルアミド)ゲル0.4mm厚を使用する。DNA配列決定反応物を、Taqポリメラーゼ(Pr omega Corp.,Madison,WI)を利用して製造業者によって記載されるように調製 し、そして標準的手順によって調製されるM13mp19一本鎖DNAテンプレートにおい て実施する。配列決定反応物を、暗所で−20℃にて保存し、そしてサンプルをロ ードする直前にホルムアミド中で90℃にて3分間熱する。それらを、製造業者の 指示に従ってピペットマンで370Aに載せ、そして10,000Vで10秒間の電気運動注 入によってCEにロードする。底面電極の全ての液体を取り出し、そしてそれを新 しい電解質と交換することにより10μlの画分を操業(run)間に収集する。 オリゴヌクレオチドからタグを切断するために、100μl0.05Mジチオスレイト ール(DTT)を各画分に添加する。インキュベーションは室温で30分間である。 次いで、NaClを0.1Mになるように添加し、そして2容量のEtOHを添加してODNを 沈殿させる。ODNを、14,000×Gで4℃にて15分間の遠心分離によって溶液から 取り出す。上清を保存し、遠心分離しながら真空下で完全に乾燥させる。次いで 、ペレットを25μlのMeOH中に溶解させる。次いで、ペレットを、タグの存在に ついて質量分析によって試験する。同一のMALDI技術を、実施例4に記載のよう に使用する。以下のMW(タグ)を、時間の関数として質量スペクトル中で観察す る。 セット#1に対するタグの時間的出現は、212.1,200.1、196.1、182.1、235.2, 218.1、199.1、227.1であり、そしてセット#2に対するタグの時間的出現は199.1 、 227.1、179.1、226.1、209.1、198.1である。212.1amuは4-メトキシ安息香酸誘 導体を示し、200.1は4-フルオロ安息香酸誘導体を示し、196.1amuはトルイル酸 誘導体を示し、182.1amuは安息香酸誘導体を示し、235.2amuはインドール-3-酢 酸誘導体を示し、218.1amuは2,6−ジフルオロベンゼン誘導体を示し、199.1amu はニコチン酸N-オキシド誘導体を示し、227.1amuは2-ニトロベンズアミドを示し 、179.18amuは5-アセチルサリチル酸誘導体を示し、226.1amuは4-エトキシ安息 香酸誘導体を示し、209.1amuはケイ皮酸誘導体を示し、そして198.1amuは3-アミ ノニコチン酸を示すので、最初の配列は-5'-TATGCA-3'-であると推定され得、そ して第2の配列は-5'-CGTACC-3'-であると推定され得る。従って、分離工程あた りに1つより多いDNAサンプルを配列決定し得る。 実施例16 質量分析による複数のタグの同時検出の実証 本実施例は、質量分析による複数の化合物(タグ)を同時に検出する能力を記 載する。この特定の実施例において、31の化合物をマトリタスと混合し、沈積し 、そして固体支持体上で乾燥させ、次いで、レーザーで脱離させる。次いで、得 られたイオンを、質量分析装置に導入した。 以下の化合物(Aldrich,Milwaukee,WIより購入した)を、等モルベースでと もに混合し、0.002Mベース(化合物当たり)の最終濃度とする:ベンズアミド( 121.14)、ニコチンアミド(122.13)、ピラジンアミド(123.12)、3-アミノ-4 -ピラゾールカルボン酸(127.10)、2-チオフェンカルボキサミド(127.17)、4 -アミノベンズアミド(135.15)、トルミド(135.17)、6-メチルニコチンアミ ド(136.15)、3-アミノニコチンアミド(137.14)、ニコチンアミドN-オキシド (138.12)、3-ヒドロピコリンアミド(138.13)、4-フルオロベンズアミド(13 9.13)、桂皮酸アミド(147.18)、4-メトキシベンズアミド(151.17)、2,6-ジ フルオロベンズアミド(157.12)、4-アミノ-5-イミダゾール-カルボキシアミド (162.58)、3,4-ピリジン-ジカルボキシアミド(165.16)、4-エトキシベンズ アミド(165.19)、2,3-ピラジンジカルボキサミド(166.14)、2-ニトロベンズ アミド(166.14)、3−フルオロ-4-メトキシ安息香酸(170.4)、インドール -3-アセトアミド(174.2)、5-アセチルサリチルアミド(179.18)、3,5-ジメト キシベンズアミド(181.19)、1-ナフタレンアセトアミド(185.23)、8-クロ ロ-3,5-ジアミノ-2-ピラジンカルボキシアミド(187.59)、4-トリフルオロメチ ル-ベンズアミド(189.00)、5-アミノ-5-フェニル-4-ピラゾール-カルボキサミ ド(202.22)、1-メチル-2-ベンジル-マロナメート(207.33)、4-アミノ-2,3,5 ,6-テトラフルオロベンズアミド(208.11)、2,3-ナフタレンジカルボン酸(212 .22)。化合物を、上記の濃度でDMSO中に入れる。次いで、1μlの材料をα-シ アノ-4-ヒドロキシ桂皮酸マトリクス(1:10,000希釈後)と混合し、そして固 体ステンレス支持体に沈積させる。 次いで、材料を、Protein TOF Mass Spectrometer(Bruker,Manning Park,M A)を用いて、レーザーによって脱離させ、得られるイオンを、操作の直線およ び反射モードの両方で測定する。以下のm/z値を得る(図11): データは、31個の化合物の22個が予想される質量のスペクトルを示し、31個の 化合物の9個が予想される質量を超える+H質量(1原子質量単位、amu)のスペ クトルを示したことを示した。後者の現象はおそらく、化合物内のアミンのプロ トン化による。従って、31個の化合物の31個が、MALDI Mass Spectroscopyによ って検出される。より重要なことに、実施例は、複数のタグが分光学的方法によ って同時に検出され得ることを実証する。 α−シアノマトリクス単体(図12)は、146.2、164.1、172.1、173.1、189.1 、190.1、191.1、192.1、212.1、224.1、228.0、234.3のピークを示す。化合物 をさらに精製しなかったので、スペクトルの他の同定された質量は、購入した化 合物の夾雑物による。 実施例17 MW-同定因子-標識プライマー、放射標識プライマー、MW同定因子-標識-ジデオキ シターミネーター、蛍光-プライマー および蛍光-ジデオキシターミネーターを用いた配列決定のための手順 A.配列決定用ゲルの調製および電気泳動 プロトコルは以下の通りである。4%、6%、または8%ポリアクリルアミド について以下のレシピに従って、8M尿素、ポリアクリルアミドゲル(100・l)を 調製する。 尿素(550UA)をGibco/BRL(Gaithersburg,MD)から入手する。全ての他の 材料をFisher(Fair Lawn,NJ)から入手する。手短には、尿素、MTBE緩衝液お よび水を組み合わせて、55℃で5分間インキュベートし、そして撹拌して尿素を 溶解させる。この混合物を手短に冷却し、アクリルアミド/ビス-アクリルアミド 溶液を添加および混合し、そして混合物全体を5分間減圧下で脱気する。APSお よびTEMED重合化薬剤を撹拌しながら添加する。完全なゲル混合物を、0.15mmの スペーサーを有するテープしたガラスプレートの間にただちに注いだ。プレート を、ALCONOXTM(New,York,NY)界面活性剤および熱水で最初に清掃することに よって調製し、二重蒸留水でリンスし、そして乾燥する。代表的には、刻み目で 固定した(notched)ガラスプレートをシラン処理薬剤で処理し、次いで二重蒸 留水でリンスする。注いだ後、ゲルをただちに水平に置き、ウェル形成コームを 挿入し、適所で(into place)クランプし、そして少なくとも30分間ゲルを重合 化させる。ローディングの前に、ゲルの底面の周りのテープおよびウェル形成コ ームを除去する。次いで、ゲルプレートに上部および下部緩衝液チャンバーをク ランプし、そしてそれらのチャンバーに1×MTBE電気泳動緩衝液を添加すること によって、垂直方向の電気泳動装置を構築する。サンプルウェルを、ランニング 緩衝液を含有するシリンジでフラッシュし、そして各サンプルをロードする直前 に、ゲルローディングチップを用いてランニング緩衝液でフラッシュし、尿素を 除去する。1〜2μlのサンプルを、ゲルローディングチップを有するPipettem an(R ainin,Emeryville,CA)を用いてロードし、次いで以下のガイドラインに従っ て電気泳動する(電気泳動の間、ゲルをファンで冷却する)。 終結させた(ショートターミネーションで)各塩基特異的配列決定反応の混合 物を、0.15mm×50cm×20cm変性5%ポリアクリルアミドゲル上にロードする:ロ ングターミネーションで終結させた反応の混合物を、代表的には半分に分け、そ して2つの0.15mm×70cm×20cm変性4%ポリアクリルアミドゲル上にロードする 。 電気泳動の後、緩衝液をウェルから除去し、テープを除去し、そしてゲルプレ ートを分離する。ゲルを、40cm×20cmシートの3MM Whatmanペーパーに移し、プ ラスチックラップで覆い、そしてHoefer(San Francisco,CA)ゲルドライヤー 上で25分間80℃にて乾燥させる。乾燥ゲルを、Kodak(New Haven,CT)XRP-1フ ィルムに露光する。シグナルの強度および放射標識が32Pまたは35Sのいずれで あるかに応じて、露光時間は4時間から数日間に変化する。露光の後、フィルム を、現像液および定着液中で処理することによって現像し、水でリンスし、そし て風乾する。次いでオートラジオグラムをライトボックスに入れ、配列を手作業 で読み、そしてデータをコンピューターにタイプする。 標識プライマーを用いたTaqポリメラーゼ触媒サイクル配列決定。各塩基特異 的サイクル配列決定反応物は、それぞれAおよびCまたはGおよびT反応のため に約100または200ngの単離された一本鎖DNAを日常的に含む。二本鎖サイクル配 列決定反応物は、標準的アルカリ溶解または珪藻土改変アルカリ溶解手順のいず れかを用いて単離された200または400ngのプラスミドDNAを同様に含有していた 。テンプレートDNAを除く全ての試薬を、−20℃で保存した以前に分割した原液 のプレミックスから1つのピペッティング工程で添加した。反応プレミックスを 、反応緩衝液と塩基特異的ヌクレオチド混合物とを組み合わせることにより調製 する。使用する前に、塩基特異的反応プレミックスを解凍し、希釈したTaq DNA ポリメラーゼおよび各末端標識ユニバーサルプライマーと組み合わせ、最終反応 混 合物を産生する。一旦上記混合物を調製すると、4つのアリコートの一本鎖また は二本鎖DNAを、それぞれの0.2mlの薄壁の反応チューブ(A、C、G、およびT の反応物に対応する)の底にピペットし、次いでそれぞれの反応混合物のアリコ ートを、各チューブの側面に添加する。これらのチューブは、マイクロタイター プレートフォーマット中の96チューブ/保持器セットトレイの一部であり、Perki n Elmer Cetus Cycler 9600(Foster City,CA)に適合する。ストリップキャッ プで、チューブ/保持器セットトレイを封着し、プレートを手短に遠心分離する 。次いでプレートを熱ブロックが95℃に予熱されたサイクラーに配置し、そして サイクルプログラムをただちに開始する。サイクルプロトコルは、15〜30サイク ルの:95℃変性;55℃アニーリング;72℃伸長;95℃変性;72℃伸長からなり; 95℃変性、および72℃伸長、4℃最終浸漬ファイルにつながる。 この段階で、反応物を凍結し、そして数日間まで−20℃で保存し得る。プーリ ングおよび沈殿の前に、プレートを手短に遠心分離し、濃縮を再生する。プライ マーおよび塩基特異的反応物をエタノール中にプールし、そして沈殿したDNAを 遠心分離により収集し、乾燥させる。これらの配列決定反応物は、−20℃で数日 間保存され得る。 配列決定反応のプロトコルは以下の通りである。AおよびC反応については1 μl、GおよびT反応については2μlの各DNAサンプル(M13テンプレートに対 して100ng/ul、pUCテンプレートに対して200ng/ul)を、0.2mlの薄壁反応チュー ブの底にピペットする。AmpliTaqポリメラーゼ(N801-0060)は、Perkin-Elmer Cetus(Foster City,CA)に由来する。 24のクローンに対して、30μlのAmpliTaq(5U/μl)、30μlの5×Taq反 応緩衝液、130μlddH2O、および190μlの希釈Taqの混合物を調製する。 A、C、G、およびTの塩基特異的混合物を、各塩基特異的ヌクレオチド/緩 衝液プレミックスに塩基特異的プライマーおよび希釈Taqを添加することによっ て調製する: A、C/G、T 60/120μl 5×Taqサイクル配列決定混合物 30/60μl 希釈Taqポリメラーゼ 30/60μl 各蛍光末端標識プライマー 120/240μl B.MW- 同定因子-標識ターミネーター反応を用いるTaqポリメラーゼ触媒サイク ル配列決定 DNAサイクル配列決定における1つの問題は、プライマーが用いられる場合、 反応条件が、ネスティッド(nested)フラグメントセット分布が反応混合物中の テンプレート濃度に高度に依存することである。標識ターミネーターを用いるDN Aサイクル配列決定反応のためのネスティッドフラグメントセット分布が、DNA濃 度に対して上記のような標識プライマー反応で得られるのより大いに感受性が低 いことが最近観察されている。さらに、ターミネーター反応は、テンプレートあ たりにただ1つの反応チューブを必要とするが、一方、標識プライマー反応は4 つのターミネーターのそれぞれに対して1つの反応チューブが必要である。下記 のプロトコルは、96ウェルテンプレート単離に容易に調和し、そして96ウェル反 応一掃手順もまた本明細書中に記載される。 0.5μgの一本鎖または1μgの二本鎖DNAを0.2mlのPCRチューブに入れる。1 μl(一本鎖テンプレートに対して)または4μl(二本鎖テンプレートに対し て)の0.8μMプライマーおよび9.5μlのABI供給プレミックスを各チューブに 添加し、そしてddH2Oで最終容量を20μlにする。手短に遠心分離し、そして製 造業者に記載されるようなターミネータープログラム(すなわち、96℃の予熱、 引き続いて96℃15秒間、50℃1秒間、60℃4分間の25サイクルを行い、次いで4 ℃保持につながる)を用いて通常通りにサイクルを行う。Centri-Sepカラム(Am icon,Beverly,MA)または以下に示されるG-50マイクロタイタープレート手順 のいずれかを用いてスピンカラム精製を続ける。 C.Centri-Sep カラムによるターミネーター反応一掃 穏やかにカラムを軽くたたき、ゲル物質をカラムの底に沈降させることによっ て、カラムを調製する。カラム栓を取り除き、そして0.75ml dH2Oを添加する。 カラムに栓をし、それを数回反転させることによって混合する。ゲルを少なくと も30分間室温で水和させる。カラムは4℃で数日間保存可能である。4℃で保存 したカラムを使用前に室温に暖める。カラムを反転させ、そしてゲルを沈降させ ることによって全ての気泡を除去する。上部端キャップを最初に除去し、次いで 下部端キャップを取り除く。重力によってカラムを完全にドレインする。(注意 :流動がただちに始まらない場合にはピペットバルブでカラムに穏やかな圧を適 用する。)カラムを提供される洗浄チューブに挿入する。1300×gで2分間可変 速度微小遠心分離器中でスピンして、液体を除去する。洗浄チューブからカラム を取り出し、そしてサンプル収集チューブにそれを挿入する。反応混合物(20μ l)を注意深く取り出し、そしてゲル物質の上部にそれをロードする。サンプル をオイルで上塗りすることを必要とするサイクル器具中でインキュベートする場 合には、オイルの下から反応物を注意深く取り出す。サンプル中の少量のオイル (<1μl)は結果に影響しないが、サンプルでオイルを拾い上げることを避け る。サンプルを含有するピペットチップの末端のオイルは、清潔な表面(例えば 、反応チューブ)上にチップを注意深く接触させることにより除去し得る。各カ ラムを一回のみ使用する。固定された角度のローターを有する可変速微小遠心分 離器中で回転させ、最初の回転の時と同じ方向でカラムを配置する。減圧遠心分 離器でサンプルを乾燥させる。熱を与えたり、乾燥させすぎたりしない。所望で あれば、反応物をエタノールで沈殿させ得る。 D.Sephadex G-50 充填マイクロタイター形式フィルタープレートによるターミ ネーター反応一掃 Sephadex(Pharmacia,Piscataway,NJ)は沈殿する;それ故、プレートに添 加する前、さらに8〜10ウェル毎に充填した後にも再懸濁しなければならない。 400μlの混合したSephadex G-50をマイクロタイターフィルタープレートの各ウ ェルに添加する。水を収集するためにマイクロタイタープレートの上面にマイク ロタイターフィルタープレートを置き、そして遠心分離の間にそれらが飛び上が って離れないように側面をテープする。1500rpmで2分間回転させる。マイクロ タイタープレート中に収集された水を廃棄する。水を収集するためにマイクロタ イタープレートの上面にマイクロタイターフィルタープレートを置き、そして遠 心分離の間にそれらが飛び上がって離れないように側面をテープする。さらに10 0〜200μlのSephadex G-50を添加して、マイクロタイタープレートウェルを充 填 する。1500rpmで2分間回転させる。マイクロタイタープレート中に収集された 水を廃棄する。水を収集するためにチューブを有するマイクロタイタープレート の上面にマイクロタイターフィルタープレートを置き、そして遠心分離の間にそ れらが飛び上がって離れないように側面をテープする。20μlのターミネーター 反応物を各Sephadex G-50含有ウェルに添加する。1500rpmで2分間回転させる。 収集した溶出物をSpecd-Vac中に約1〜2時間入れる。 標識ターミネーターを用いたSequenaseTM(UBS,Cleveland OH)触媒配列決定 。一本鎖ターミネーター反応は、約2μgのフェノール抽出したM13基礎テンプ レートDNAを必要とする。このDNAを変性させ、そしてDNA、プライマー、および 緩衝液を65℃でインキュベートすることによってプライマーをアニールさせる。 反応を室温に冷却した後に、α-チオ-デオキシヌクレオチド、標識ターミネータ ー、および希釈したSequenase TM DNAポリメラーゼを添加し、そしてこの混合物 を37℃でインキュベートする。酢酸アンモニウムおよびエタノールを添加するこ とによって反応を停止させ、そしてDNAフラグメントを沈殿させ、乾燥させる。 取り込まれていないターミネーターの除去の援助のために、DNAペレットをエタ ノールで2回リンスする。乾燥した配列決定反応物は、数日間まで−20℃で保存 可能である。 二本鎖ターミネーター反応は、約5μgの珪藻土改変アルカリ溶解ミニプレッ プ精製プラスミドDNAを必要とする。二本鎖DNAを、65℃で水酸化ナトリウム中に そのDNAをインキュベートすることによって変性させ、そしてインキュベーショ ンの後、プライマーを添加し、そして酸-緩衝液を添加することによって反応物 を中和する。次いで、反応緩衝液、α-チオ-デオキシヌクレオチド、標識色素- ターミネーター、および希釈Sequenase TM DNAポリメラーゼを添加し、そして反 応を37℃でインキュベートする。酢酸アンモニウムを添加し、反応を停止させ、 そいてDNAフラグメントを沈殿させ、リンスし、乾燥させ、そして保存する。 一本鎖反応に関して: 1.5ml微小遠心チューブに以下のものを添加する: 4μl ssDNA(2μg) 4μl 0.8μMプライマー 2μl 10×MOPS緩衝液 2μl 10×Mn2+/イソクエン酸緩衝液 12μl DNAを変性させ、そしてプライマーをアニールさせるために、反応物を65℃〜7 0℃で5分間インキュベートする。反応を15分間室温に冷却し、次いで手短に遠 心分離して濃縮を再生する。各反応物に、以下の試薬を添加し、10分間37℃でイ ンキュベートする。 7μl ABIターミネーター混合物(カタログ番号401489) 2μl 希釈Sequenase TM(3.25U/μl) 1μl 2mM α-S dNTP 22μl 未希釈のSeqenase TM(カタログ番号70775、United States Biochemicals,Cl eveland,OH)は13U/μlであり、使用する前にUSB希釈緩衝液で1:4に希釈する 。20μlの9.5M酢酸アンモニウムおよび100μlの95%エタノールを添加して反 応を停止させ、そして混合する。 氷水浴中で10分間DNAを沈殿させる。4℃にて微小遠心分離で10,00O×gで15分 間遠心分離する。上清を注意深くデカントし、そして300μlの70〜80%エタノ ールを添加することによってペレットをリンスする。混合し、そして15分間再び 遠心分離し、上清を注意深くデカントする。 リンス工程を繰り返して取り込まれていないターミネーターの効率的な除去を 保証する。Speed-VacでDNAを5〜10分間(または乾燥するまで)乾燥させ、そし て−20℃で乾燥した反応物を保存する。 二本鎖反応に関して: 1.5ml微小遠心チューブに以下のものを添加する: 5μl dsDNA(5μg) 4μl 1N NaOH 3μl ddH2O 65℃〜70℃で5分間反応をインキュベートし、次いで手短に遠心分離して濃縮 を再生する。各反応物に以下の試薬を添加し、ボルテックスし、そして手短に遠 心分離する: 3μl 8μMプライマー 9μl ddH2O 4μl MOPS-酸緩衝液 各反応物に、以下の試薬を添加し、そして37℃で10分間インキュベートする。 4μl 10×Mn2+/イソクエン酸緩衝液 6μl ABIターミネーターmi 2μl 希釈Sequenase TM(3.25U/μl) 1μl 2mM[α]-S-dNTP 22μl Unlted States Biochemicals由来の未希釈のSEQUENASETMは13U/μlであり、 使用する前にUSB希釈緩衝液で1:4に希釈するべきである。60μlの8M酢酸アン モニウムおよび300μlの95%エタノールを添加して反応を停止させ、そしてボ ルテックスする。氷水浴中で10分間DNAを沈殿させる。4℃にて微小遠心分離器 中で10,000×gで15分間遠心分離する。上清を注意深くデカントし、そして300μ lの80%エタノールを添加することによってペレットをリンスする。サンプルを 混合し、そして15分間再び遠心分離し、そして上清を注意深くデカントする。リ ンス工程を繰り返して取り込まれていないターミネーターの効率的な除去を保証 する。Speed-VacでDNAを5〜10分間(または乾燥するまで)乾燥させる。 E.配列決定ゲル調製、プレ電気泳動、サンプルローディング、電気泳動、デー タ収集、およびABI373A DNAシーケンサーにおける分析 DNA配列決定用のポリアクリルアミドゲルを、重合化の前にゲル混合物を濾過 する以外は上記のように調製する。ガラスプレートを熱水、蒸留水、およびエタ ノールで注意深く清掃して、テープする前に潜在的な蛍光夾雑物を除去する。変 性6%ポリアクリルアミドゲルを、0.3mm×89cm×52cmのテープしたプレート中 に注ぎ、36ウェルコームを取り付ける。重合化の後、テープおよびコームをゲル から取り出し、そしてガラスプレートの外部表面を熱水で清掃し、そして蒸留水 およびエタノールでリンスする。ゲルをABIシーケンサー中に組立て、そしてレ ーザー走査によりチェックする。ベースライン変化をABI-結合Macintoshコンピ ューターディスプレイで観察する場合、プレートを再清掃する。引き続いて、緩 衝液ウェルを取り付け、電気泳動緩衝液を添加し、そしてゲルを30Wで10〜30分 間プレ電気泳動する。サンプルローディングの前に、プールし、そして乾燥させ た反応産物を、ボルテックスし、次いで90℃に熱することによってホルムアミド /EDTAローディング緩衝液中に再懸濁する。ロードされたサンプルの数および蛍 光標識移動度ファイルを示すサンプルシートを、配列データ処理のために用いる Macintoshコンピューター上のABIデータ収集ソフトウェア内に作製する。シリン ジでサンプルウェルを清掃した後、奇数番号の配列決定反応物を、扁平先端のゲ ルローディングチップを備えたマイクロピペッターを用いて各ウェルにロードす る。次いで、ゲルを5分間電気泳動し、その後にウェルを再び清掃し、偶数番号 のサンプルをロードする。色素プライマーおよび色素ターミネーターのために用 いられるフィルターホイールをABI 373A CPU上で特定化する。代表的には、電気 泳動およびデータ収集は、熱分配アルミニウムプレートを取り付けたABI 373A上 で30Wで10時間である。データ収集の後、検出された蛍光シグナルを対応するス キャン番号に関連付ける画像ファイルをABIソフトウェアによって作製する。次 いで、ソフトウェアは、シグナル強度に基づいてサンプルレーン位置を決定する 。レーンをトラックした(track)後、各レーンに対するデータの横断面を抽出 し、そしてベースラインサブトラクション、移動度計算、スペクトル逆重畳積分 、および時間補正によって処理する。処理の後、NFS Shareを用いて配列データ ファイルをSPARCstaion 2に移す。 プロトコル:36ウエルコームを用いて、上記のように、8M尿素、4.75%ポリ アクリルアミドゲルを調製する。ローディング前に、ゲルプレートの外部表面を 清掃する。下部スキャン(通常青色)線が、コンピューターデータ収集ウィンド ウ上にディスプレイされるような800〜1000の強度値に対応するように、ゲルプ レートを373A DNA Sequencer(Foster City,CA)中に組立てる。4色スキャン 線のベースラインが平らでない場合には、ガラスプレートを再清掃する。アルミ ニウム熱分配プレートを張り付ける。ゲルを10〜30分間プレ電気泳動する。ロー ディング用のサンプルを調製する。各チューブの底に3μlのFEを添加し、ボル テックスし、90℃に3分間熱し、そして遠心分離して濃縮を再生する。シリンジ を用いて電気泳動緩衝液でサンプルウェルをフラッシュする(flush)。扁平先 端のゲルローディングピペットチップを用いて、それぞれの奇数番号サンプルを ロードする。少なくとも5分間ゲルをプレ電気泳動し、再びウェルをフラッシュ し、次いでそれぞれの偶数番号のサンプルをロードする。電気泳動(30W、10時 間)を開始する。データ収集の後、ABIソフトウェアはデータ分析ソフトウェア を自動的に開く。これは画像化ゲルファイルを作製し、各サンプルレーンに対す るデータを抽出し、そしてデータを処理する。 F.アンカーポリ(dT)プライマーを用いたロングポリ(A)テイルを含有するcDNA クローンの二本鎖配列決定 ポリ(A)トラクト(tract)を含有するcDNAの二本鎖テンプレートは、ポリ(A) テイルの下流でアニールするベクタープライマーとアニールするベクタープライ マーで配列決定することが困難である。これらのプライマーを用いた配列決定は 、ロングポリ(T)ラダー、およびそれに続く読みとりが困難であり得る配列を生 じる。この問題を回避するために、3'末端に(dT)17および(dA)または(dC)または (dG)のいずれかを含有する3つのプライマーを設計し、プライマーを「アンカー (anchor)」し、そしてポリ(A)領域のすぐ上流の領域の配列決定を可能にする ように設計した。このプロトコルを用いて、300bp以上の読みとり可能配列を入 手し得る。これらのcDNAの反対側の鎖の配列を、ポリ(A)領域の上流の挿入物特 異的プライマーを用いて決定した。cDNAのポリ(A)テイルからすぐ上流の配列を 直接取得する能力は、cDNAから配列タグ化部位(STS)を産生する大規模な労力 に対して特に重要であるはずである。 プロトコルは以下の通りである。DNA合成機において3'末端に(dA)または(dC) または(dG)のアンカーを有するアンカーポリ(dT)17を合成し、そしてOligonucle otide Purification Cartridges(Amicon,Beverly,MA)上で精製した後に使用 する。アンカープライマーを用いた配列決定のために、0.2M水酸化ナトリウムお よび0.16mM EDTAを含有する50μlの総容量中で65℃で10分間のインキュベーシ ョンによって5〜10μgのプラスミドDNAを変性させる。3つのポリ(dT)アンカー プライマー(それぞれ2pmol)を添加し、そして氷上に混合物をただちに配置す る。5mlの5M酢酸アンモニウム、pH7.0を添加することによって溶液を中和す る。 150μlの冷95%エタノールを添加することによってDNAを沈殿させ、そして冷 70%エタノールで2回ペレットを洗浄する。5分間ペレットを乾燥させ、次いで MOPS緩衝液に再懸濁する。65℃で2分間溶液を加熱し、続いて15〜30分間室温に ゆっくりと冷却することによってプライマーをアニールさせる。上記のプロトコ ルを用いる改変T7 DNAポリメラーゼおよびα-[32P]dATP(>1000 Ci/mmol)を用い て、配列決定反応を実行する。 G.PCR およびランダムショットガンクローニングに基づくcDNA配列決定 以下は、PCR増幅、ランダムショットガンクローニング、および自動化蛍光配 列決定に基づいてクローン化cDNAを配列決定する方法である。このPCRに基づく アプローチは、通常の「ユニバーサル」正方向および逆方向プライミング部位と Stratagene Bluescriptベクターのマルチクローニング部位との間のプライマー 対を使用する。これらの2つのPCRプライマー(正方向または−16bsプライマー として配列5'-TCGAGGTCGACGGTATCG-3’(配列番号15)および逆方向または+19bs プライマーとして5'-GCCGCTCTAGAACTAG TG-3’(配列番号16)を有する)は、下 記のランダムショットガン配列決定アプローチが実行され得るような1.2〜3.4kb サイズ範囲の十分な量のcDNA挿入物を増幅するために使用され得る。 以下はプロトコルである。4つの100μl PCR反応物(それぞれは0.5mlのスナ ップキャップチューブ中に約100ngのプラスミドDNA、100pmolの各プライマー、5 0mM KCl、10mM Tris-HCl pH8.5、1.5mM MgCl2、0.2mMの各dNTP、および5ユニッ トのPE-Cetus Amplitaq)を、PE-Cetus48チューブDNA Thermal Cycler中で95℃ 1分間、55℃1分間および72℃2分間の25サイクルインキュベートする。4つの 反応物をプールした後、PCR産物を含有する水溶液を噴霧器中に入れ、約0.5〜1. 0mlのグリセロールを添加することによって2.0mlにし、そしてイソプロピルアル コール/ドライアイスまたは飽和した水性NaCl/ドライアイス浴のいずれかにそれ を10分間配置することにより−20℃で平衡化する。25〜30psiの窒素圧力を2.5分 間適用することにより、そのサンプルを−20℃で噴霧する。剪断されたPCR産物 を濃縮するためのエタノール沈殿の後、以前に記載されたE.coli DNAポリメラ ーゼのKlenowフラグメントおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼとのインキュベー ションによりフラグメントを平滑末端化およびリン酸化した。 0.4〜0.7kbの範囲のフラグメントを、低融点アガロースゲルからの溶出によって 取得した。 前述から、本発明の特定の実施態様が説明の目的のために本明細書中に記載さ れているが、種々の改変が発明の精神および範囲を逸脱することなく作製され得 ることが理解される。従って、本発明は、添付される請求の範囲による以外には 限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ハウバート,ジェイ.ジェフリー アメリカ合衆国 ワシントン 98005,ベ ルビュー,ノースイースト 30ティーエイ チ ストリート 12740 (72)発明者 ムリガン,ジョン ティー. アメリカ合衆国 ワシントン 98105,シ アトル,17ティーエイチ アベニュー ノ ースイースト 5823

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.核酸分子の配列を決定する方法であって、該方法が、以下の工程: (a)選択された標的核酸分子に相補的なタグ化核酸フラグメントを生成する工 程、ここでタグは、特定のヌクレオチドと相関し、そして分光分析または電位差 測定により検出可能な有機部分である; (b)タグ化フラグメントを配列の長さにより分離する工程; (c)タグをタグ化フラグメントから切断する工程;および (d)分光分析または電位差測定によりタグを検出し、そしてそれによって核酸 分子の配列を決定する工程 を含む、方法。 2.前記タグの検出が、質量分析、赤外分析、紫外分析、または定電位電流測定 による、請求項1に記載の方法。 3.前記タグ化フラグメントが、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、マイク ロチャネル電気泳動、およびHPLCから選択される方法により、工程(b)において 分離される、請求項1または2に記載の方法。 4.前記タグ化フラグメントが、酸化、還元、酸不安定化、塩基不安定化、酵素 的、電気化学的、熱、チオール交換、および光不安定化法から選択される方法に より、工程(c)において切断される、請求項1または2に記載の方法。 5.前記タグが、飛行時間型質量分析、四重極型質量分析、磁気セクター質量分 析、または電気セクター質量分析により検出される、請求項2に記載の方法。 6.前記タグが、電量測定検出器または電流測定検出器により検出される、請求 項2に記載の方法。 7.前記タグ化核酸フラグメントが、工程(a)において、5'末端から3'末端まで 生成される、請求項1または2に記載の方法。 8.工程(a)が4を超えるタグ化核酸フラグメントを生成し、そして各タグが核 酸フラグメントに独特である、請求項1または2に記載の方法。 9.工程(b)、(c)および(d)が、連続する様式で行われる、請求項1または2に 記載の方法。 10.工程(b)、(c)および(d)が、システムにおいて連続する様式で行われる、 請求項1または2に記載の方法。 11.1つ以上の工程が自動化されている、請求項1または2に記載の方法。 12.前記タグ化フラグメントがオリゴヌクレオチドプライマーから生成され、 該プライマーはプライマーの3'末端以外でタグに結合される、請求項1または2 に記載の方法。 13.前記タグ化フラグメントが、タグ化ジデオキシヌクレオチドターミネータ ーから生成される、請求項1または2に記載の方法。 14.少なくとも1つのタグ化核酸フラグメントが、請求項16から34のいず れか1項に記載の化合物である、請求項1または2に記載の方法。 15.前記タグの検出が、非蛍光分光分析または電位差測定による、請求項1、 3〜4および7〜14のいずれか1項に記載の方法。 16.以下の式を有する化合物: Tms−L−X ここで、 Tmsは、質量分析により検出可能な有機基であり、該基は、炭素、少なくとも 1個の水素およびフッ素、ならびに酸素、窒素、硫黄、リンおよびヨウ素から選 択される任意の原子を含有する; Lは、独特のTms含有部分を化合物の残りから切断することを可能にする有機 基であり、ここで、Tms含有部分は、化合物が質量分析に供された際に、単一イ オン化荷電状態を維持し、三級アミン、四級アミンおよび有機酸から選択される 官能基を含む:および Xは、核酸フラグメントである; ただし、該化合物は、Xを介して固体支持体に結合されず、また250ダルトン 未満の質量も有さない。 17.Tmsが、15〜10,000ダルトンの質量、およびC1-5000-1000-1000-1 00-10αβδの分子式を有し、ここで、α、βおよびδの合計は、他の 、C、N、O、PおよびS原子の満たされない原子価を満たすのに十分である、 請求項16に記載の化合物。 18.TmsおよびLが官能基を介して互いに結合され、該官能基が、アミド、エ ステル、エーテル、アミン、スルフィド、チオエステル、ジスルフィド、チオエ ーテル、ウレア、チオウレア、カルバメート、チオカルバメート、シッフ塩基、 還元シッフ塩基、イミン、オキシム、ヒドラゾン、ホスフェート、ホスホネート 、ホスホルアミド、ホスホンアミド、スルホネート、スルホンアミドまたは炭素 −炭素結合から選択される、請求項16に記載の化合物。 19.前記官能基が、アミド、エステル、アミン、ウレアおよびカルバメートか ら選択され、該基を介してTmsおよびLが互いに結合される、請求項18に記載 の化合物。 20.Lが、Lhu、Lacid、Lbase、L[O]、L[R]、Lenz、Lelc、LΔ、およ びLssか ら選択され、それぞれが、化学線、酸、塩基、酸化、還元、酵素、電気化学的、 熱的、およびチオール交換により、Tms含有部分を分子の残りから切断させる、 請求項16に記載の化合物。 21.Lhuが、式L1−L2−L3を有し、ここで、L2は、化学線を吸収してXか らのTmsの切断を促進する分子フラグメントであり、そしてL1およびL3は独立 して、直接結合または有機部分であり、ここで、L1はTmsからL2を分離し、L3 はL2をXから分離し、そしてL2が化学線を吸収するとき、L1もL3も、結合 が切断されない、請求項20に記載の化合物。 22.-L2-L3が以下の式を有する、請求項21に記載の化合物: ここで、a.b、c、dまたはeの位置の1個の炭素原子は、-L3-Xで置換 され、そして必要に応じて、b、c、dまたはeのうちの1つ以上の位置は、ア ルキル、アルコキシ、フッ素、塩素、ヒドロキシル、カルボキシレート、または アミドで置換される;およびR1は、水素またはヒドロカルビルである。 23.-L3−Xが位置aに位置する、請求項22に記載の化合物。 24.L3が、直接結合、ヒドロカルビレン、-O-ヒドロカルビレン、およびヒ ドロカルビレン-(O-ヒドロカルビレン)n-Hから選択され、そしてnが、1〜10 の整数である、請求項21に記載の化合物。 25.-L-Xが以下の式を有する、請求項16に記載の化合物: ここで、b、c、dまたはeのうちの1つ以上の位置は、水素、アルキル、ア ルコキシ、フッ素、塩素、ヒドロキシル、カルボキシレートまたはアミドで置換 される;R1は、水素またはヒドロカルビルであり、そしてR2は、核酸フラグメ ントである。 26.Tmsが以下の式を有する、請求項16に記載の化合物: T2-(J-T3-)n- T2は、炭素と、水素、フッ素、ヨウ素、酸素、窒素、硫黄、およびリンのう ちの1つ以上とから形成される有機部分であり、該部分は、15〜500ダルトンの 質量を有する; T3は、炭素と、水素、フッ素、ヨウ素、酸素、窒素、硫黄、およびリンのう ちの1つ以上とから形成される有機部分であり、該部分は、50〜1000ダルトンの 質量を有する; Jは、直接結合または官能基であり、該官能基は、アミド、エステル、アミン 、スルフィド、エーテル、チオエステル、ジスルフィド、チオエーテル、ウレア 、チオウレア、カルバメート、チオカルバメート、シッフ塩基、還元シッフ塩基 、イミン、オキシム、ヒドラゾン、ホスフェート、ホスホネート、ホスホルアミ ド、ホスホンアミド、スルホネート、スルホンアミド、または炭素−炭素結合か ら選択される;そして nは、1〜50の整数であり、nが1より大きい場合、T3およびJは各々独立 して選択される。 27.請求項26に記載の化合物であって、T2が、ヒドロカルビル、ヒドロカ ルビル-O-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-S-ヒドロカルビレン、ヒドロカ ルビル-NH-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-アミド-ヒドロカルビレン、N-( ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン、N,N-ジ(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン 、ヒドロカルビルアシル-ヒドロカルビレン、ヘテロシクリルヒドロカルビル( ここで、ヘテロ原子(単数または複数)は、酸素、窒素、硫黄、およびリンから 選択される)、置換ヘテロシクリルヒドロカルビル(ここで、ヘテロ原子(単数 または複数)は、酸素、窒素、硫黄、およびリンから選択され、そして該置換基 は、ヒドロカルビル、ヒドロカルビル-O-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-N H-ヒドロカルビレン、ヒドロカルビル-S-ヒドロカルビレン、N-(ヒドロカルビ ル)ヒドロカルビレン、N,N-ジ(ヒドロカルビル)ヒドロカルビレン、およびヒド ロカルビルアシル-ヒドロカルビレンから選択される)、ならびに上記のいずれ かの誘導体(ここで、水素の1個以上が、等しい数のフッ素で置換される)から 選択される化合物。 28.請求項26に記載の化合物であって、T3が式-G(R2)-を有し、Gが1つ のR2置換基を有するC1-6アルキレンであり、そしてR2が以下から選択される 、化合物:アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール縮合 シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アリール置換アル ケニルまたはアルキニル、シクロアルキル置換アルキル、シクロアルケニル置換 シクロアルキル、ビアリール、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アラ ルコキシ、アリール置換アルケノキシまたはアルキノキシ、アルキルアミノ、ア ルケニルアミノまたはアルキニルアミノ、アリール置換アルキルアミノ、アリー ル置換アルケニルアミノまたはアルキニルアミノ、アリールオキシ、アリールア ミノ、N-アルキルウレア置換アルキル、N-アリールウレア置換アルキル、アル キルカルボニルアミノ置換アルキル、アミノカルボニル置換アルキル、ヘテロシ クリル、ヘテロシクリル置換アルキル、ヘテロシクリル置換アミノ、カルボキシ アルキル置換アラルキル、オキソカルボシクリル縮合アリールおよびヘテロシク リルアルキル;シクロアルケニル、アリール置換アルキル、およびアラルキル、 ヒドロキシ置換アルキル、アルコキシ置換アルキル、アラルコキシ置換アルキル 、アルコキシ置換アルキル、アラルコキシ置換アルキル、アミノ置換アルキル、 (アリール置換アルキルオキシカルボニルアミノ)置換アルキル、チオール置換ア ルキル、アルキルスルホニル置換アルキル、(ヒドロキシ置換アルキルチオ)置換 アルキル、チオアルコキシ置換アルキル、ヒドロカルビルアシルアミノ置換アル キル、ヘテロシクリルアシルアミノ置換アルキル、ヒドロカルビル置換ヘテロシ クリルアシルアミノ置換アルキル、アルキルスルホニルアミノ置換アルキル、ア リールスルホニルアミノ置換アルキル、モルホリノアルキル、チオモルホリノア ルキル、モルホリノカルボニル置換アルキル、チオモルホリノカルボニル置換ア ルキル、[N-(アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル)-またはN,N-[ジアル キル、ジアルケニル、ジアルキニルもしくは(アルキル、アルケニル)アミノ]カ ルボニル置換アルキル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、ヘテロシクリルアル キレンアミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル置換アルキル、ヘテ ロシクリルアルキレンアミノカルボニル置換アルキル、N,N-[ジアルキル]アルキ レンアミノカルボニル、N,N-[ジアルキル]アルキレンアミノカルボニル置換アル キル、アルキル置換ヘテロシクリルカルボニル、アルキル置換ヘテロシクリルカ ルボニルアルキル、カルボキシル置換アルキル、ジアルキルアミノ置換アシルア ミノアルキル、およびアミノ酸側鎖(アルギニン、アスパラギン、グルタミン、 S-メチルシステイン、メチオニンならびに対応するそれらのスルホキシドおよ びスルホン誘導体、グリシン、ロイシン、イソロイシン、アロイソロイシン、te rt-ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、 プロリン、アラニン、オルニチン、ヒスチジン、グルダミン、バリン、スレオニ ン、セリン、アスパラギン酸、β-シアノアラニン、ならびにアロスレオニン) ;アリーニル(alynyl)およびヘテロシクリルカルボニル、アミノカルボニル、 アミド、モノ-またはジアルキルアミノカルボニル、モノ-またはジアリールアミ ノカルボニル、アルキルアリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニ ル、モノ-またはジアシルアミノカルボニル、芳香族または脂肪族アシル、アル キル(これは、アミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、モノ-またはジ アルキルアミノ、モノ-またはジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ジ アリールアミノ、モノ-またはジアシルアミノ、アルコキシ、アルケノキシ、ア リールオキシ、チオアルコキシ、チオアルケノキシ、チオアルキノキシ、チオ アリールオキシ、およびヘテロシクリルから選択される置換基で任意に置換され る)。 29.以下の式を有する、請求項26に記載の化合物: ここで、 Gは、(CH2)1-6であり、ここで、各Gの唯一の該CH2基上の水素は-(CH2)n-ア ミド-T4で置換される; T2およびT4は、式C1-250-90-90-30-3αβδの有機部分であ り、ここで、α、βおよびδの合計は、他の、C、N、O、SおよびP原子の満 たされない原子価を満たすのに十分である; 1は、水素またはC1-10アルキルである; cは、0〜4の整数である; Xは、請求項1で定義される;および nは1〜50の整数であり、nが1以上の場合、G、c、アミド、R1およびT4 は独立して選択される。 30.以下の式を有する、請求項29に記載の化合物: ここで、T5は、式C1-250-90-90-30-3αβδの有機部分であ り、ここで、α、βおよびδの合計は、他の、C、N、O、SおよびP原子の満 たされない原子価を満たすのに十分であり;そしてT5は、三級もレくは四級ア ミンまたは有機酸を含む;そしてmは0〜49の整数である。 31.以下の式を有する、請求項29に記載の化合物: ここで、T5は、式C1-250-90-90-30-3αβδの有機部分であ り、ここで、α、βおよびδの合計は、他の、C、N、O、SおよびP原子の満 たされない原子価を満たすのに十分であり;そしてT5は、三級もしくは四級ア ミンまたは有機酸を含む;そしてmは0〜49の整数である。 32.-アミド-T5が以下から選択される、請求項30および31のいずれかに 記載の化合物:33.-アミド-T5が以下から選択される、請求項30および31のいずれかに 記載の化合物: 34.T2が、以下の有機酸の1つがアミン基と縮合した際にT2-C(=O)-N(R1 )-を形成する構造を有する、請求項26〜30のいずれか1項に記載の化合物 :ギ酸、酢酸、プロピオール酸、プロピオン酸、フルオロ酢酸、2-ブチン酸、シ クロプロパンカルボン酸、酪酸、メトキシ酢酸、ジフルオロ酢酸、4-ペンチン酸 、シクロブタンカルボン酸、3,3-ジメチルアクリル酸、吉草酸、N,N-ジメチルグ リシン、N-ホルミル-Gly-OH、エトキシ酢酸、(メチルチオ)酢酸、ピロール-2 -カルボン酸、3-フロン酸、イソキサゾール-5-カルボン酸、トランス-3-ヘキセ ン酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサン酸、Ac-Gly-OH、2-ヒドロキシ-2-メチル酪酸 、安息香酸、ニコチン酸、2-ピラジンカルボン酸、1-メチル-2-ピロールカルボ ン酸、2-シクロペンテン-1-酢酸、シクロペンチル酢酸、(S)-(−)-2-ピロリド ン-5-カルボン酸、N-メチル-L-プロリン、ヘプタン酸、Ac-b-Ala-OH、2-エチ ル-2-ヒドロキシ酪酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、p-トルイル酸、6-メチル ニコチン酸、5-メチル-2-ピラジンカルボン酸、2,5-ジメチルピロール-3-カルボ ン酸、4-フルオロ安息香酸、3,5-ジメチルイソキサゾール-4-カルボン酸、3-シ クロペンチルプロピオン酸、オクタン酸、N,N-ジメチルスクシンアミド酸、フェ ニルプロピオール酸、ケイ皮酸、4-エチル安息香酸、p-アニス酸、1,2,5-トリメ チルピロール-3-カルボン酸、3-フルオロ-4-メチル安息香酸、Ac-DL-プロパギル グリシン、3-(トリフルオロメチル)酪酸、1-ピペリジンプロピオン酸、N-アセ チルプロリン、3,5-ジフルオロ安息香酸、Ac-L-Val-OH、インドール-2-カルボ ン酸、2-ベンゾフランカルボン酸、ベンゾトリアゾール-5-カルボン酸、4-n-プ ロピル安息香酸、3-ジメチルアミノ安息香酸、4-エトキシ安息香酸、4-(メチル チオ)安息香酸、N-(2-フロイル)グリシン、2-(メチルチオ)ニコチン酸、3-フル オロ-4-メトキシ安息香酸、Tfa-Gly-OH、2-ナフトエ酸、キナルジン酸、Ac-L-I le-OH、3-メチルインデン-2-カルボン酸、2-キノキサリンカルボン酸、1-メチル インドール-2-カルボン酸、2,3,6-トリフルオロ安息香酸、N-ホルミル-L-Met- OH、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、4-n-ブチル安息香酸、N-ベン ゾイルグリシン、5-フルオロインドール-2-カルボン酸、4-n-プロポキシ安息香 酸、4-アセチル-3,5-ジメチル-2−ピロールカルボン酸、3,5-ジメトキシ安息香 酸、2,6-ジメトキシニコチン酸、シクロヘキサンペンタン酸、2-ナフチル酢酸、 4-(1H-ピロール−1-イル)安息香酸、インドール-3-プロピオン酸、m-トリフル オロメチル安息香酸、5-メトキシインドール-2-カルボン酸、4-ペンチル安息香 酸、Bz-b-Ala-OH、4-ジエチルアミノ安息香酸、4-n-ブトキシ安息香酸、3-メチ ル-5-CF3-イソオキサゾール-4-カルボン酸、(3,4-ジメトキシフェニル)酢酸、4- ビフェニルカルボン酸、ピバロイル-Pro-OH、オクタノイル-Gly-OH、(2-ナフト キシ)酢酸、インドール-3-酪酸、4-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸、5-メト キシインドー ル-3-酢酸、4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸、Ac-L-Phe-OH、4-ペンチルオ キシ安息香酸、Z-Gly-OH、4-カルボキシ-N-(フル-2-イルメチル)ピロリジン-2 -オン、3,4-ジエトキシ安息香酸、2,4-ジメチル-5-CO2Et-ピロール-3-カルボン 酸、N-(2-フルオロフェニル)スクシンアミド酸、3,4,5-トリメトキシ安息香酸 、N-フェニルアントラニル酸、3-フェノキシ安息香酸、ノナノイル-Gly-OH、2- フェノキシピリジン-3-カルボン酸、2,5-ジメチル-1-フェニルピロール-3-カル ボン酸、トランス-4-(トリフルオロメチル)ケイ皮酸、(5-メチル-2-フェニルオ キサゾール-4-イル)酢酸、4-(2-シクロヘキセニルオキシ)安息香酸、5-メトキシ -2-メチルインドール-3-酢酸、トランス-4-コチニンカルボン酸、Bz-5-アミノ吉 草酸、4-ヘキシルオキシ安息香酸、N-(3-メトキシフェニル)スクシンアミド酸 、Z-Sar-OH、4-(3,4-ジメトキシフェニル)酪酸、Ac-o-フルオロ-DL-Phe-OH、N -(4-フルオロフェニル)グルタミン酸、4'-エチル-4-ビフェニルカルボン酸、1,2 ,3,4-テトラヒドロアクリジンカルボン酸、3-フェノキシフェニル酢酸、N-(2,4 -ジフルオロフェニル)スクシンアミド酸、N-デカノイル-Gly-OH、(+)-6-メト キシ-a-メチル-2-ナフタレン酢酸、3-(トリフルオロメトキシ)ケイ皮酸、N-ホ ルミル-DL-Trp-OH、(R)-(+)-α-メトキシ-α-(トリフルオロメチル)フェニル 酢酸、Bz-DL-Leu-OH、4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ酢酸、4-ヘプチルオ キシ安息香酸、2,3,4-トリメトキシケイ皮酸、2,6-ジメトキシベンゾイル-Gly-O H、3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)プロピオン酸、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ フェノキシ酢酸、N-(2,4-ジフルオロフェニル)グルタミン酸、N-ウンデカノイ ル-Gly-OH、2-(4-フルオロベンゾイル)安息香酸、5-トリフルオロメトキシイン ドール-2-カルボン酸、N-(2,4-ジフルオロフェニル)ジグリコールアミド酸、Ac -L-Trp-OH、Tfa-L-フェニルグリシン-OH、3-ヨード安息香酸、3-(4-n-ペンチ ルベンゾイル)プロピオン酸、2-フェニル-4-キノリンカルボン酸、4-オクチルオ キシ安息香酸、Bz-L-Met-OH、3,4,5-トリエトキシ安息香酸、N-ラウロイル-Gl y-OH、3,5-ビス(トリフルオロメチル)安息香酸、Ac-5-メチル-DL-Trp-OH、2-ヨ ードフェニル酢酸、3-ヨード-4-メチル安息香酸、3-(4-n-ヘキシルベンゾイル) プロピオン酸、N-ヘキサノイル-L-Phe-OH、4-ノニルオキシ安息香酸、4'-(ト リフルオロメチル)-2-ビフェニルカルボン酸、Bz-L-Phe-OH、N-トリデカノイル -Gly-O H、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル酢酸、3-(4-n-ヘプチルベンゾイル) プロピオン酸、N-ヘプタノイル-L-Phe-OH、4-デシルオキシ安息香酸、N-(α ,α,α-トリフルオロ-m-トリル)アントラニル酸、ニフルム酸(Niflumic acid )、4-(2-ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)安息香酸、N-ミリストイル- Gly-OH、3-(4-n-オクチルベンゾイル)プロピオン酸、N-オクタノイル-L-Phe-O H、4-ウンデシルオキシ安息香酸、3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)プロピオニ ル-Gly-OH、8-ヨードナフトエ酸、N-ペンタデカノイル-Gly-OH、4-ドデシルオ キシ安息香酸、N-パルミトイル-Gly-OH、およびN-ステアロイル-Gly-OH。 35.2つの化合物が同じTmsも同じXも有さない、請求項16〜34のいずれ か1項に記載の複数の化合物を含む組成物。 36.前記複数は2より大きい、請求項35に記載の組成物。 37.前記複数は4より大きい、請求項35に記載の組成物。 38.前記核酸フラグメントがベクターの一部と相補的な配列を有し、ここで該 フラグメントがヌクレオチド合成を開始し得る、請求項35に記載の組成物。 39.前記複数のメンバーのTms基は少なくとも2amuだけ異なる、請求項35 に記載の組成物。 40.前記複数のメンバーのTms基は少なくとも4amuだけ異なる、請求項35 に記載の組成物。 41.水および請求項16〜34のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物。 42.約5から約9までのpHを有する緩衝液をさらに含む、請求項41に記載の 組成物。 43.酵素ならびにdATP、dGTP、dCTPおよびdTTPのうちの1つをさらに含む、請 求項41に記載の組成物。 44.酵素ならびにddATP、ddGTP、ddCTPおよびddTTPのうちの1つをさらに含む 、請求項41に記載の組成物。 45.請求項16〜34のいずれか1項に記載の、複数のセットの化合物を含む 組成物; ここでセット内において、全てのメンバーは同じTms基を有し、そして核酸フ ラグメントは、ddAMP、ddGMP、ddCMPおよびddTMPから選択される同じジデオキシ ヌクレオチドで終結する可変長を有する;および ここでセット間において、Tms 基は少なくとも2amuだけ異なる。 46.前記複数が少なくとも3である、請求項45に記載の組成物。 47.前記複数が少なくとも5である、請求項45に記載の組成物。 48.請求項45に記載の第1の複数のセットの化合物、および請求項16〜3 4のいずれか1項に記載の第2の複数のセットの化合物を含む組成物; ここで、第2の複数内の全てのメンバーは、ddAMP、ddGMP、ddCMP、およびddT MPから選択される同じジデオキシヌクレオチドで終結する核酸配列を有する;た だし、第1の複数の化合物に存在するジデオキシヌクレオチドは、第2の複数の 化台物に存在するジデオキシヌクレオチドと同じではない。 49.DNA配列決定分析のためのキットであって、該キットは複数のコンテナセ ットを含み、各コンテナセットは少なくとも5つのコンテナを含み、ここで第1 のコンテナはベクターを含み、第2、第3、第4および第5のコンテナは請求項 16〜34のいずれか1項に記載の化合物を含む;および 第2、第3、第4および第5のコンテナ内の核酸フラグメントは同一であり、 そしてセットのコンテナ内のベクターの一部と相補的であり、そして各コンテナ 内のTms基はキット内の他のTms基と異なる。 50.前記複数が少なくとも3である、請求項49に記載のキット。 51.前記複数が少なくとも5である、請求項49に記載のキット。 52.請求項1に記載の方法において使用するために適切なシステムであって、 該システムは、タグ化核酸フラグメントを分離する分離装置、タグ化核酸フラグ メントから、特定のヌクレオチドと相関し、そして電気化学的な検出により検出 可能であるタグを切断する装置、および定電位電流測定のための装置を含む。
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