JP2001501281A - ピストンポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、スリップ調整装置を有する、液圧式の自動車ブレーキ装置のためのピストンポンプに関する。本発明によれば費用的に有利な製作のために、ピストンポンプのピストン（４０）を例えば鋼から成るコア（４２）を有する複合部分として製作し、該コア（４２）をプラスチックから成る滑り外套（４４）で取囲むことが提案されている。滑り外套（４４）は例えばコア（４２）の周囲に射出成形することでコア（４２）に取付けられるが、滑り外套（４４）はコア（４２）の上にプレス嵌めするか又は被せ嵌めることもできる。滑り外套（４４）はピストン表面を例えば研削によって後加工する必要をなくしかつピストン（４０）の滑り特性を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】 ピストンポンプ 本発明は請求項１に記載した形式のピストンポンプから出発している。このピ ストンポンプは特にスリップ調整装置を有する液圧式の車両ブレーキ装置のため に設定したものである。 このようなピストンポンプは例えばＤＥ４１０７９７９Ａ１号明細書により公 知である。この公知のピストンポンプはシリンダ孔を有するポンプケーシングを 有している。シリンダ孔にはピストンが軸方向に移動可能に受容されている。偏 心体駆動装置でピストンは駆動され、軸方向の往復運動を行なう。公知のピスト ンポンプのピストンは費用のかかる、段階的に数度切削されかつ穿孔されて製作 された工材である。 発明の利点 請求項１の特徴を有する本発明によるピストンポンプのピストンは、例えば鋼 から成るコアを有している。このコアは周面にプラスチックから成る滑り外套を 備えている。コアとしては例えばニードル軸受のニードルを使用することができ る。滑り外套はコアの全軸方向長さを覆う必要はなく、例えばコアの端部範囲の 滑り外套でも十分である。さらに２つの滑り外套がコアの両端に設けられている こともできる。 本発明の利点はピストンが切削なしで、ひいては迅速にかつ格安に製作できる ことである。プラスチックから成る滑り外套によりピストンはシリンダ孔におい て良好な滑り特性を有している。ピストンの滑り面を形成する周面を例えば研削 により後加工する必要はなくなる。さらにコアは変形によって、特に冷間変形、 例えば押出し成形、フロー押圧成形又は冷間鍛造で製造することができる。 非金属の滑り外套が設けられていることに基づき、ピストンを案内するために 一般的な案内リングを使用することは、案内面の高められた摩擦もしくは損傷を 惧れることなくやめることができる。案内リングが省略されることによりピスト ンポンプを組み立てるための費用は有利な形式で著しく減少され、それでもピス トンポンプのきわめて良好な耐久性と高い効率とが保証される。 さらにコアは偏心体に接するように構成することができる。硬い材料、有利に は焼き入れされた鋼から成るコアは、偏心体から来る駆動エネルギが機能的な問 題及び摩耗上の問題なしでピストンに伝達できるという利点を有する。 コアは滑り外套における不都合に大きな材料の蓄えが回避できるという利点を も有している。ピストンはピストンがコアにて案内されないように構成すること ができる。この利点は、加工費用のかかるコアの研削 が省略されることである。しかしながらピストンは、必要な表面質が容易に達成 できるピストンの範囲でだけ、ピストンの案内がコアにて直接的に行なわれるよ うに構成することもできる。 ピストンが少なくとも局部的に直接的にピストンのコアにて案内されていると 、ピストンのコアに滑り外套が取付けられる前に、コアの案内領域に必要な表面 質を与えることができる。これは、コアにおいて必要な表面質が多大の費用をか けることなく製作できるという利点をもたらす。 さらに滑り外套はピストンとピストンガイドとの間のシールのためにも役立つ 。これはシールリングを省略できるという利点を有する。 滑り外套では有利な形式で、付加的な費用を伴うことなく、ピストンの一端が それぞれピストンの他端よりも大きい直径を有する段付きピストンを製作するこ とができる。 従属請求項には、独立請求項に記載された発明の有利な構成と付加的な構成を 開示してある。 請求項６の有利な構成では、滑り外套は同時にシール部材として構成されてい る。これによって特別なシール部材、例えばシールリングが省略され、ピストン 又はシリンダ孔壁にシール部材を受容するための溝を取付けることは不要になる 。さらにピストンポンプを組み立てる場合にシール部材を溝へ挿入する作業工程 もなくなる。 請求項９による本発明の付加的な構成では、プラスチックから成る滑り外套は コアの一方の端部を越えて突出しておりかつそこに弁室を有している。この弁室 には逆止弁が本発明によるピストンポンプの流入又は流出弁として配置されてい る。 請求項１０で提案されている保持面はコアと滑り外套との間に耐久性のある結 合が保証されるという利点を有する。 保持面はきわめて有利な形式で、滑り外套とコアが差込み結合されるように構 成できる。この場合、保持面は有利な形式で、コアと滑り外套との間に持続的な 結合を保証する。 ピストンポンプは自動車のブレーキ装置におけるポンプとして設けられており かつ車輪ブレーキシリンダにおける圧力を制御する場合に使用される。ブレーキ 装置の種類に応じてこのようなブレーキ装置のためにはＡＢＳもしくはＡＳＲも しくはＦＤＲもしくはＥＨＢの略称が用いられる。このブレーキ装置においては 、ポンプは例えばブレーキ液を１つの車輪ブレーキシリンダから又は複数の車輪 ブレーキシリンダからマスタブレーキシリンダへ戻すため（ＡＢＳ）及び／又は ブレーキ液を蓄えタンクから１つの車輪ブレーキシリンダ又は複数の車輪ブレー キシリンダへ搬送するため（ＡＳＲもしくはＦＤＲもしくはＥＨＢ）に用いられ る。 前記ポンプは例えば車輪スリップ調整装置を有するブレーキ装置にて（ＡＢＳ もしくはＡＳＲ）かつ／又はかじ取り補助手段として働くブレーキ装置（ＦＤＲ ）にてかつ／又は電気液圧式のブレーキ装置（ＥＨＢ）にて必要とされる。車輪 スリップ調整装置（ＡＢＳもしくはＡＳＲ）では例えばブレーキペダルに強い押 圧力をかけたブレーキ過程の間に自動車の車輪がロックすること（ＡＢＳ）及び ／又はガスペダルに強い押圧力をかけた場合に自動車の駆動車輪がスリップする こと（ＡＳＲ）が阻止される。かじ取り補助（ＦＤＲ）として役立つブレーキ装 置では、ブレーキペダルもしくはガスペダルの操作とは無関係に１つ又は複数の 車輪ブレーキシリンダにおけるブレーキ圧が低下させられ、例えば自動車が運転 者の望んだ軌跡から外れることが阻止される。又、前記ポンプは電気液圧式のブ レーキ装置（ＥＨＢ）においても使用される。このブレーキ装置においては電気 的なブレーキセンサがブレーキペダルの操作を検出するとブレーキ液を１つ又は 複数の車輪ブレーキシリンダへ搬送するか又はポンプがブレーキ装置のタンクを 充填するために用いられる。 図面 次に本発明を図示の選ばれた、有利な実施例に基づき詳細に説明する。 第１図は本発明によるピストンポンプの軸断面図。 第２図は本発明のピストンポンプの第２実施例の軸断面図。 第３図は第２図のピストンポンプの変化実施例の軸断面図。 第４図は第２図の変化実施例における矢印IVで示した部分の詳細図。 第１実施例についての説明 第１図に示された本発明のピストンポンプは、ポンプケーシング１２における シリンダ孔１０に挿入されている。このポンプケーシング１２は、他の部分は図 示していない自動車ブレーキ装置の液圧ブロックにより形成されている。図面に おいては見やすくするためにピストンポンプを取囲む部分だけが示されている液 圧ブロックには、別の液圧式の構成部分、例えば磁石弁及びそれに類似したもの が挿入されておりかつ液圧的に互いにかつピストンポンプと接続されている。 ピストンポンプはライナブッシュ１４を有し、該ライナブッシュ１４はそれに 一体であるライナブッシュ底１６を有している。ライナブッシュ１４はシリンダ 孔１０にプレス嵌めされている。縁曲げ部１８によって円筒形の閉鎖栓体２０が ライナブッシュ底１６に取付けられている。この閉鎖栓体２０は張出部２２でシ リンダ孔１０の一端を圧密に閉鎖している。閉鎖栓体２０の盲孔２４には逆止弁 が流出弁２６として挿入さ れており、該流出弁２６は弁閉鎖体として弁球２８を有している。この弁球２８ は弁ばね３０としてのコイル圧縮ばねにより円錐状の弁坐３２に対して押し付け られている。弁坐３２はライナブッシュ底１６における軸方向の貫通孔３４の開 口部に構成されている。流出は閉鎖栓体２０の半径方向の流出孔３６を通して行 なわれる。該流出孔３６はポンプケーシング１２における流出孔３８と連通して いる。 本発明によるピストンポンプのピストン４０は、外周にプラスチックから成る 滑り外套４４が射出成形されたコア４２を有する複合品として構成されている。 ピストン４０はその滑り外套４４で軸方向に滑動可能にシリンダ孔１０もしくは ライナブッシュ１４内で案内されている。コア４２は図示の実施例の場合、鋼か ら成っている。他の工材、例えば他の金属又はセラミックもコア４２の工材とし て考えることができる。 コア４２の、ライナブッシュ底１６とは反対側の端面はライナブッシュ１４か ら突出し、露出している。すなわち前記端面は滑り外套４４によって覆われてい ない。コア４２の前記端面は滑り面４６を形成し、該滑り面４６でピストン４０ はピストン戻しばね４８により、電気モータで回転駆動された偏心体５０に対し て押し付けられる。偏心体５０でピストン４０は駆動されて軸方向の往復運動を 行なう。滑り面４６はコア４２のための耐摩性の工材を使用して構成されるか又 はコア４２を焼き入れすることで耐摩性に構成される。 コア４２は形的にはきわめて簡単に製作可能な、ほぼ円筒形の部分である。滑 り外套４４はコア４２の周面を中空円筒形の区分５２で取囲む。滑り外套４４は コア４２の、偏心体５０とは反対側の端面で、コア４２もしくはピストン４０を 延長してライナブッシュ１４内へ突入している。滑り外套４４の、ピストン４０ を延長する区分５４は横孔５６を有し、該横孔５６を軸方向の盲孔５８が貫いて いる。この盲孔５８は同様にピストン４０を延長する区分５４に設けられている 。盲孔５８は円錐形の弁坐６０を形成して拡大し、ピストン４０の、ライナブッ シュ底１６に向いた端面側に開口している。盲孔５８の拡大された部分には流入 弁６２としての逆止弁が挿入されている。この流入弁６２は弁球６４を弁閉鎖体 として有し、弁球６４は弁閉鎖ばね６６としてのコイル圧縮ばね６６により弁坐 ６０に押し付けられる。 弁閉鎖ばね６６はピストン４０の、ライナブッシュ底１６に向いた端面側に取 付けられた弁ケージ６８に支えられている。弁ケージ６８は弁キャップの形を有 し、プラスチックから成る射出成形部品である。弁ケージ６８はリング円板７０ を有し、このリング円板７０からはセンタリングつば７２が軸方向に突出してい る。このセンタリングつば７２は嵌め合いの形式でピ ストン４０における盲孔５８へ係合している。ピストン戻しばね４８はライナブ ッシュ底１６の内側に支えられかつ弁ケージ６８をそのリング円板７０にてピス トン４０の端部に対して押し付ける。リング円板７０を介してピストン戻しばね ４８はピストン４０を偏心体５０の周面に対して押し付ける。 弁ケージ６８の、センタリングつば７２とは反対側ではリング円板７０から４ つのウェブ７４が突出している。これらのウェブ７４は中央にて結合され、該ウ ェブと一体で、弁球６４の方向に突出する、ピン形状の弁行程制限器７６を保持 している。弁行程制限器７６は弁球６４が弁坐６０から離れることのできる開放 距離を制限する。弁工程制限器７６は逆止弁が閉じる場合の弁球６４の強い打撃 による弁坐６０の減りを軽減しかつ弁閉鎖時間を制限する。さらに弁行程制限器 ７６は本発明によるピストンポンプのデッドボリューム、つまりピストン４０が その終端位置までライナブッシュ１４内に押し込まれたときにピストンポンプの 押し除け室７８に残される残留容積を縮小する。デッドボリュームの前記縮小は ピストンポンプの効率を改善する。 滑り外套４４は炭素繊維で補強され、滑り特性を改善するためにテフロン成分 を添加したプラスチックから成っている。弁キャップ６８は同様に炭素繊維で補 強されているが、しかし有利にはテフロン成分のない プラスチックから成っている。 滑り外套４４の外周には、弁ケージ６８に向いた端部にて、段部が成形されて いる。弁ケージ６８をピストン４０に取付けたあとで、滑り外套４４の前記段部 と弁ケージ６８の弁円板７０との間にはリング溝が形成されている。このリング 溝内にはシールリング７９を入れておくことができる。ピストン４０と弁ケージ ６８とが接合される前に、つまりリング溝が端面側で閉じられる前にシールリン グ７９がリング溝に入れられることにより、これらの部分の組み立てはきわめて 簡単で、特にシールリング７９は組み立て中に伸ばされることはないかもしくは 著しく伸ばされることはない。 滑り外套４４はやわらかい材料、有利にはプラスチックから成っているので、 ライナブッシュ１４の内周面と滑り外套４４との間の案内ギャップはきわめて狭 く構成しておくことができる。滑り外套４４はいくらかバイアスをかけてライナ ブッシュ１４内に組込んでおくことができる。ここで提案されたピストンポンプ の案内ギャップは、滑り外套のない場合よりも狭く構成することができる。滑り 外套４４と案内ブッシュ１４との間の狭い案内ギャップのために、押し除け室７ ８における高い圧力に基づきシールリング７９が滑り外套４４とラィナブッシュ １４との間の案内ギャップへ圧し潰される危険はない。 第２実施例の説明 繰返しを避けるために以後、第１図に示されたピストンポンプに対する第２図 に示された実施例の相違についてだけ説明する。その他の点については第１図の 説明を参照されたい。同じ構成部分には同じ符号が使用されている。 第２図に示されたピストンポンプはコア４２が棒状に構成されたピストン４０ を有している。この場合には横孔５６と軸方向の盲孔５８がコア４２に取付けら れている。滑り外套４４はコア４２の、ライナブッシュ１４に受容された側にて コア４２の長さのほぼ１／３だけに亘って延在している。コア４２の残った長さ ではコア４２は滑り外套４４によっては取囲まれていない。コア４２の周面は残 ったコア長さでは露出している。コア４２は偏心体５０に向いた端部にて直接的 にポンプケーシング１２のシリンダ孔１０にて案内されている。 第１実施例とは異なって、第２図に示された実施例においては滑り外套４４は 弁ケージ６８と一体に結合されている。この弁ケージ６８はコア４２もしくはピ ストン４０を軸方向に延長して、コア４２もしくはピストン４０の、ライナブッ シュ底１６に向いた端面に成形されている。 さらに第２図のように弁ケージ６８が滑り外套４４と一体に結合されていると 、弁ケージ６８に、第１図 に示された弁行程制限器７６が設けられていることができる。弁ケージ６８には 流入弁６２が挿入されている。この流入弁６２の弁閉鎖ばね６６は弁ケージ８０ に支えられかつ弁球６４を弁坐６０に押し付けている。この弁坐６０は第２図に 示された本発明によるピストンポンプの実施例ではコア４２に設けられた盲孔５ ８の開口部に構成されている。 第２図に示したピストンポンプの滑り外套４４は同時にシール部材として構成 されている。このために滑り外套４４はそれと一体である、環状のシールリップ ８２を有している。このシールリップ８２はスリーブシールリングにより自体公 知であるように、軸方向で、滑り外套４４の外周にて滑り外套４４から突出し、 同時に半径方向外方へ弾性的にバイアスがかけられている。シールリップ８２は 拡開リング８４により半径方向外方へ押され、ライナブッシュ１４の内周面にシ ール接触させられている。拡開リング８４は円錐の拡開面８６を有し、この拡開 面８６で拡開リング８４は拡開面８６に対応する、同様に円錐形であるシールリ ップ８２の内面に接触する。拡開リング８４はピストン戻しばね４８により軸方 向でシールリップ８２に押し付けられる。拡開面８６の円錐角は、ピストン４０ が偏心体５０の周面にピストン戻しばね４８で押し付けられている軸方向力に対 し、どの程度の拡開力でシールリップ８２が半径方向外方へライナブッシュ１４ の内周面に、押し付けられるかを決定する。 拡開リング８４は、シールリップ８２をライナブッシュ１４の内周面にばね弾 性的にバイアスをかけて押し付けるために役立つ。この拡開リング８４は滑り外 套４４のために、長期稼働に亘って弾性的なバイアスを維持するには適性が低い が、例えば特に良好な滑り特性を有している工材を使用できるようにするという 利点を有している。これによって滑り外套４４は滑り特性と形状安定とに関し最 適な工材を選択でき、それにも拘わらず滑り外套４４はシール機能をも充たすよ うになる。拡開リング８４はピストンポンプを組み立てるときに比較的に少ない 作業費用でピストン戻しばね４８とピストン４０との間に配置することができる 。 滑り外套４４はコア４２の上に差し嵌められるか又はプレス嵌めされる。しか しピストン２０は、コア４２をプラスチックの射出成形機の型へ入れ、次いでコ ア４２の周囲にプラスチックを射出成形して、きわめて簡単な形式でピストン２ ０に予定された最終形状を与えることによっても製作可能である。 第３図に示された本発明によるピストンポンプにおいてはピストン４０のコア ４２は肉厚部８８を、ライナブッシュ底１６に向いた端面側に有している。この 肉厚部８８は例えば据え込みによって製作することができる。肉厚部８８は偏心 体５０に向かって円錐状に 延びる面を有している。この面はアンダカット部を形成している。このアンダカ ット部は滑り外套４４のばねフィンガ９２によって背後から掴まれる保持面９０ として役立つ。滑り外套４４のばねフィンガ９２は、滑り外套４４が偏心体５０ に向いた端部の領域にて、長手方向に単数又は複数のスリットが切られることで 形成される。これによって滑り外套４４の当該端部は容易に肉厚部８８を越えて 、ばねフィンガ９２が保持面９０を背後から掴むまで移動させられ得るようにな る。滑り外套４４は本発明によるこの構成ではスナップ結合の形式でピストン４ ０のコア４２と結合されている。 コア４２と滑り外套４４との間のスナップ結合は肉厚部８８を省略して構成す ることもできる。この場合にはコア４２は外周に一貫した円筒形を有する。この 円筒形の形は例えば一個所で環状のリング溝（図示せず）で中断されており、該 リング溝にはばねフィンガ９２が係合する。この場合には保持面９０はリング溝 の側壁に存在するので、滑り外套４４がコア４２と結合されたあとで、滑り外套 ４４のばねフィンガ９２は保持面９０に背後から係合する。 その他の点では第３図に示されたピストンポンプは第２図に示されたピストン ポンプと同様に構成されているので、その限りにおいては第２図の説明を参照さ れたい。 第４図に示された本発明の実施例は、滑り外套４４とは別体である、エラスト マ又はプラスチックから成るシールリング９４をシールリップ８２の代わりに有 している。シールリング９４は一方の端面側に円錐面９６を有している。この円 錐面９６はピストン戻しばね４８により、滑り外套４４の対応する円錐状のリン グ肩面９８に押し付けられる。この結果、シールリング９４は半径方向に拡げら れ、シールリング９４はライナブッシュ１４の内周面にシール作用を伴って押し 付けられる。 シールリングのための機械的な保護としてはシールリンク９４とピストン戻し ばね４８との間に円板９９が間挿されている（第４図）。シールリング９４と円 板９９との間の接触面は、選ばれた有利な実施例ではピストン４０の長手軸線に 対して直角に延びている。しかしながら、この接触面をピストン４０の長手軸線 に対して角度を成して傾け、これにより、ピストン戻しばね４８がシールリング ９４に、半径方向外側へライナブッシュ１４の内面に向かう力成分を生ぜしめる ようにすることも可能である。 その他の点では本発明のこの実施例は第２図に示したピストンポンプと同様に 構成されているので反復を回避するために第２図についての説明を参照されたい 。 第１図から第４図までに示された選ばれた実施例が 示すように、ピストン４０は両端においてピストンガイド１００内で軸方向に移 動するように案内されている。ピストンガイド１００内でピストン４０を案内す るためには第１の案内範囲１００ａと第２の案内範囲１００ｂがある。第１の案 内範囲１００ａはピストン４０の、偏心体５０に向いた端部の範囲にありかつ第 ２の案内範囲１００ｂはピストン４０の、押し除け室７８に向いた端部の範囲に ある。図面のために選ばれた実施例においてはピストン４０は案内範囲１００ａ で直接ポンプケーシング１２にて案内されかつ案内範囲１００ｂではピストン４ ０はライナブッシュ１４の内周面で案内される。ライナブッシュ１４はピストン ４０が案内範囲１００ｂでも案内範囲１００ａでもライナブッシュ１４内で案内 されるように偏心体５０に向かって延長しておくこともできる（図示せず）。し かしながら、場合によってはライナブッシュ１４を省略し、ピストン４０が案内 範囲１００ａにおいても案内範囲１００ｂにおいてもライナブッシュなしで直接 ポンプケーシング１２内で軸方向に移動可能に案内されていることもできる（図 示せず）。これにより必要な構成部分の数を減らすことができる。このためには 滑り外套４４が役立つ。何故ならば滑り外套４４はライナブッシュ１４を省略し た場合でも、ポンプケーシング１２において直接的にピストン４０を良好に、小 さい摩擦で、持続的に案内するために働くことができ るからである。 さらに滑り外套４４には、ピストン４０の案内が案内範囲１００ａにおいても 案内範囲１００ｂにおいても滑り外套４４を介して行なわれるような寸法を与え ておくことができる（第１図）。しかしながら滑り外套４４は、案内範囲１００ ｂだけにおいてピストン２０の案内が滑り外套４４を介して行なわれるように構 成することもできる。つまり、案内範囲１００ａにおいてはピストン４０のコア ４２は滑り外套なしで直接ポンプケーシング１２において案内されるか（第２図 と第３図）又はコア４２が案内範囲１００ａで直接ライナブッシュ１４で案内さ れていることができる（図示せず）。 さらにピストン４０は案内範囲１００ａと案内範囲１００ｂとにおいて同じ直 径を有していることができる（第１図）。しかし、ピストン４０の直径を案内範 囲１００ｂにおいて案内範囲１００ａにおけるよりも大きく選ぶこともできる（ 第２図と第３図）。これによりピストンポンプは特に良好な吸込特性を持つよう になる。滑り外套４４に所望の形と所望の直径とを与えることは容易であるので 、ピストン４０の案内範囲１００ａの直径を案内範囲１００ｂの直径よりも大き く選ぶことは費用の増大とはならない。 コア４２を変化させないで、滑り外套４４の直径を簡単に変えることができる ことで、ピストン４０はそ の都度の要求に容易に適合させることができる。特にピストン４０はこれにより 、容易に段付きピストンとして構成するか又は一貫して直径の変わらないピスト ンとして構成することができる。 ピストン４０の直径が案内範囲１００ｂにおいて案内範囲１００ａにおけるよ りも大きい場合でも案内範囲１００ａにおいてピストン４０に要求される表面質 はきわめて簡単に製作することができる。なぜならば、ピストン４０の案内範囲 １００ａに要求される高い表面質を与えたあとではじめて、滑り外套４４をコア ４２に取付けることができるからである。さもないと、段付けされたピストンに おける減径された範囲の加工には特に多くの費用が必要となるはずである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨアヒム エーアリッヒ ドイツ連邦共和国 Ｄ―87437 ケムプテ ン ブレスラウアー シュトラーセ 26 (72)発明者 アンドレアス ヴェー ドイツ連邦共和国 Ｄ―87471 ドゥラッ ハ ヘーエンヴェーク 20 (72)発明者 ミヒャエル ヘレブラント ドイツ連邦共和国 Ｄ―87545 ブルクベ ルク エスヴェーク ３ (72)発明者 トビアス フルック ドイツ連邦共和国 Ｄ―87501 イメンシ ュタット フレッケン 10 (72)発明者 ミヒャエル シュリッツクス ドイツ連邦共和国 Ｄ―87463 ディート マンスリート タンネンヴェーク ２

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 自動車ブレーキ装置のピストンポンプであって、ポンプケーシングを有し、 該ポンプケーシングがシリンダ孔を備え、該シリンダ孔内で、往復行程運動を成 すように駆動可能なピストンが軸方向に移動可能に案内されている形式のものに おいて、ピストン（４０）がコア（４２）を有する複合部分であって、前記コア （４２）が外周にプラスチックから成る滑り外套（４４）を有していることを特 徴とする、ピストンポンプ。 2. コア（４２）の周囲に滑り外套（４４）が射出成形されている、請求項１記 載のピストンポンプ。 3. コア（４２）が金属又はセラミックから成っている、請求項１記載のピスト ンポンプ。 4. ピストン（４０）が該ピストン（４０）を駆動する偏心体（５０）に向いた 端面側に金属又はセラミックから成る滑り面（４６）を有している、請求項１記 載のピストンポンプ。 5. ピストンポンプがピストン（４０）内に統合された逆止弁（６２）を有し、 この場合、逆止弁（６２）の弁閉鎖体（６４）の開放行程がピストン（４０）に 取付けられた弁行程制限器（７６）により制限される、請求項１記載のピストン ポンプ。 6. 滑り外套（４４）がシール部材として構成されて いる、請求項１記載のピストンポンプ。 7. 滑り外套（４４）が環状のシールリップ（８２）を有している、請求項６記 載のピストンポンプ。 8. ピストン（４０）が環状の拡開面（８６）を有する拡開リング（８４）を有 し、拡開面（８６）が半径面に対する傾きを有しており、ピストンポンプが、拡 開リング（８４）を軸方向で拡開面（８６）でシールリップ（８２）に押し付け 、拡開リング（８４）がシールリップ（８２）を半径方向外方へシリンダ孔の周 壁に向かって押す拡開ばね部材（４８）を有している、請求項７記載のピストン ポンプ。 9. ピストンポンプが滑り外套（４４）内に配置された逆止弁（６２）を有して いる、請求項１記載のピストンポンプ。 10．滑り外套（４４）がピストン（４０）に設けられた保持面（９０）の背後に 係合している、請求項１記載のピストンポンプ。