JP2001359250A - 平角線構造、平角線の巻線方法および巻線装置 - Google Patents

平角線構造、平角線の巻線方法および巻線装置

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JP2001359250A JP2000177058A JP2000177058A JP2001359250A JP 2001359250 A JP2001359250 A JP 2001359250A JP 2000177058 A JP2000177058 A JP 2000177058A JP 2000177058 A JP2000177058 A JP 2000177058A JP 2001359250 A JP2001359250 A JP 2001359250A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被巻付け部材に断面矩形状の平角線を整列状
態で複数層に巻付ける場合、積層の上側となる平角線が
幅方向にずれることがあった。 【解決手段】 断面矩形状を成す平角線Wに、被巻付け
部材である磁気コアCに巻付けて積層した際に上側とな
る平角線Wの幅方向の動きを規制する保持部H1を設け
た平角線構造とし、保持部H1によって平角線Wのずれ
を防止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、トランス
やモータの磁気コアに巻付ける導線として用いられる断
面矩形状の平角線の構造、平角線の巻線方法および巻線
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、トランスやモータの磁気コアに
形成されるコイルは、巻付ける導線の密度(占積率)が
高いほど性能を高めることができ、これによりトランス
やモータを用いた電気機器の小型化や高性能化を図るこ
とが可能となる。そこで、従来より、導線を効率良く巻
付けるための装置が提案されており、例えば、特開昭6
4−43046号公報に開示されたものがあった。
【0003】上記公報に記載された装置は、被巻付け部
材に対して巻付け軸方向に個別に移動可能な一対の導線
案内部材を備えており、被巻付け部材に導線が1周巻か
れると一方の導線案内部材が1ピッチ分だけ移動し、こ
の導線案内部材に添って2周目の導線の巻付けを行い、
同様の動作を繰り返して被巻付け部材の片側半分に導線
を巻付ける。その後、導線の巻付けと他方の導線案内部
材の1ピッチ毎の移動とを繰り返して被巻付け部材の残
りの半分に導線の巻付けを行い、このように一対の導線
案内部材で導線の巻付け位置を規制することにより、被
巻付け部材に対して導線を整列状態に巻付けるようにし
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うに導線を整列状態で巻付ける場合には、1層目の巻付
けが終了すると、その巻終わりの上側に導線を重ねて2
層目の巻付けを開始することになる。しかしながら、従
来の装置にあっては、導線案内部材を1ピッチ分移動さ
せてから導線の巻付けを行うことから、導線案内部材を
移動させた際に上側の導線が横にずれることがあり、と
くに、導線が断面矩形状を成す平角線の場合には横への
ずれが発生しやすいものとなり、これにより導線の整列
状態が乱れて占積率が低下するという問題点があった。
また、従来の装置にあっては、導線案内部材等の巻線補
助手段を多く必要とするものであったため、装置が複雑
であるとともに大型で高価なものになるという問題点も
あり、これらの問題点を解決することが課題になってい
た。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に着目して成
されたもので、とくに、被巻付け部材に対して整列状態
で複数層に巻付けられる断面矩形状の平角線を対象と
し、積層した際に上側となる平角線のずれを防止して高
い占積率を得ることができる平角線構造および平角線の
巻線方法を提供することを目的とし、これに加えて、構
造の簡略化等を実現することができる平角線の巻線装置
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる平角線構
造は、請求項1として、断面矩形状を成す平角線に、被
巻付け部材に巻付けて積層した際に上側となる平角線の
幅方向の動きを規制する保持部を設けた構成とし、請求
項2として、巻付けの際に平角線の内周側および外周側
となる面に、積層状態で互いに係合する凹凸状の保持部
を設けた構成とし、請求項3として、平角線の幅方向の
中央に保持部を設けた構成とし、請求項4として、凹状
の保持部および凸状の保持部の少なくとも一方が、平角
線の幅方向の断面において対称的に表れるテーパ面を有
する形状である構成とし、請求項5として、凹状の保持
部および凸状の保持部の少なくとも一方が、平角線の幅
方向の断面における段差部分を曲線により連続させた形
状である構成とし、請求項6として、凹状の保持部およ
び凸状の保持部の少なくとも一方が、平角線の長手方向
の断面において対称的に表れるテーパ面を有する形状で
ある構成とし、請求項7として、凹状の保持部および凸
状の保持部の少なくとも一方が、平角線の長手方向の断
面における段差部分を曲線により連続させた形状である
構成とし、請求項8として、巻付けの際に平角線の外周
側となる面に、凸状の保持部を設けた構成とし、請求項
9として、被巻付け部材が、巻付け軸に直交する断面に
おいて部分的に曲率が大きく変化する曲率変化部を有す
る部材であって、平角線が、少なくとも曲率変化部の前
後にわたって巻付けられる範囲に保持部を備えている構
成としており、上記構成をもって課題を解決するための
手段としている。
【0007】また、本発明に係わる平角線の巻線方法
は、請求項10に記載したように、断面矩形状の平角線
を被巻付け部材に対して整列状態で複数層に巻付けるに
際し、平角線に、積層した際に上側となる平角線の幅方
向の動きを規制する保持部を形成したのち、この平角線
を被巻付け部材に巻付ける構成としており、上記構成を
もって課題を解決するための手段としている。
【0008】さらに、本発明に係わる平角線の巻線装置
は、請求項11として、断面矩形状の平角線を被巻付け
部材に対して整列状態で複数層に巻付ける装置であっ
て、平角線を予め巻付けたボビンと、被巻付け部材を回
転させてボビンから引出した平角線を被巻付け部材に巻
付ける巻取り手段と、ボビンと巻取り手段の間で平角線
に所定形状の保持部を形成する保持部形成手段を備え、
保持部形成手段が、平角線を被巻付け部材に巻付けて積
層した際に上側となる平角線の幅方向の動きを規制する
保持部を形成する手段である構成とし、請求項12とし
て、被巻付け部材が、巻付け軸に直交する断面において
部分的に曲率が大きく変化する曲率変化部を有する部材
であって、巻取り手段における被巻付け部材の回転角度
および巻取り手段と保持部形成手段の距離に基づいて保
持部形成手段を作動させて曲率変化部の前後にわたって
巻付けられる範囲に保持部を形成する制御を行う制御手
段を備えた構成とし、請求項13として、巻取り手段と
保持部形成手段の間に、平角線の送り長さを検出するセ
ンサを備えた構成とし、請求項14として、ボビンと保
持部形成手段の間に、巻取り手段との間で平角線に所定
の張力を付与するテンショナーを備えた構成とし、請求
項15として、巻取り手段と保持部形成手段の間に、平
角線を案内するガイドローラを備えた構成とし、請求項
16として、巻取り手段が、被巻付け部材の近傍で平角
線を切断するカッターを備えている構成とし、請求項1
7として、巻取り手段に対して被巻付け部材を着脱する
ハンドリング手段を備えた構成とし、請求項18とし
て、保持部形成手段が、平角線に対して進退可能な成形
用ローラを備えている構成とし、請求項19として、ボ
ビンと保持部形成手段との間に、平角線を加熱により軟
化させる加熱手段を備えた構成とし、請求項20とし
て、ボビンと巻取り手段との間に、平角線に所定の被膜
を施す被膜供給手段を備えた構成としており、上記構成
をもって課題を解決するための手段としている。
【0009】なお、本発明に係わる平角線構造、平角線
の巻線方法および巻線装置では、平角線としては、単一
の素材で形成されたもののほか、金属製の芯材に絶縁被
膜を施したものも含まれる。このような絶縁被膜を有す
る平角線は、トランスやモータ等の磁気コアに巻付けて
コイルを形成する導線として用いられる。
【0010】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる平角線構造で
は、断面矩形状を成す平角線に設けた保持部により、こ
の平角線を被巻付け部材に巻付けて積層した際に上側と
なる平角線の幅方向の動きが規制される。つまり、平角
線を被巻付け部材に対して整列状態で複数層に巻付ける
場合には、1層目の巻終わりの上側に平角線を重ねて2
層目を巻始めると、上側となる平角線が幅方向にずれる
ことがある。これに対して、当該平角線構造では、平角
線に保持部を設けているので、積層した際に上側となる
平角線のずれが保持部によって防止されることとなり、
ずれによる隙間を生じることなく平角線が整列状態で複
数層に巻付けられる。
【0011】本発明の請求項2に係わる平角線構造で
は、巻付けの際に平角線の内周側および外周側となる面
に、積層状態で互いに係合する凹凸状の保持部を設けて
いるので、例えば、平角線の内周側に凹状(あるいは凸
状)の保持部を設け且つ外周側に凸状(あるいは凹状)
の保持部を設けたとすると、1層目の平角線の凸状(あ
るいは凹状)の保持部に2層目の平角線の凹状(あるい
は凸状)の保持部が係合することとなり、これにより積
層した際に上側となる平角線の幅方向の動きを規制して
上側の平角線のずれを防止する。
【0012】本発明の請求項3に係わる平角線構造で
は、平角線の幅方向の中央に保持部を設けているので、
次の層に移行する際の折り返し方向が左右のいずれであ
っても積層した上下の平角線の係合状態が左右で同一に
なる。
【0013】本発明の請求項4に係わる平角線構造で
は、凹状の保持部および凸状の保持部の少なくとも一方
が、平角線の幅方向の断面において対称的に表れるテー
パ面を有する形状であることから、凹凸状の保持部を互
いに係合させる際にテーパ面によって幅方向のセンタリ
ングが行われる。
【0014】本発明の請求項5に係わる平角線構造で
は、凹状の保持部および凸状の保持部の少なくとも一方
が、平角線の幅方向の断面における段差部分を曲線によ
り連続させた形状であることから、例えば、平角線が芯
材に絶縁被膜を施したものであり、この平角線に塑性加
工によって保持部を形成する場合に、絶縁被膜へのダメ
ージが少ないものとなる。
【0015】本発明の請求項6に係わる平角線構造で
は、凹状の保持部および凸状の保持部の少なくとも一方
が、平角線の長手方向の断面において対称的に表れるテ
ーパ面を有する形状であることから、凹凸状の保持部を
互いに係合させる際にテーパ面によって長手方向のセン
タリングが行われる。
【0016】本発明の請求項7に係わる平角線構造で
は、凹状の保持部および凸状の保持部の少なくとも一方
が、平角線の長手方向の断面における段差部分を曲線に
より連続させた形状であることから、例えば、平角線が
芯材に絶縁被膜を施したものであり、この平角線に塑性
加工によって保持部を形成する場合に、絶縁被膜へのダ
メージが少ないものとなる。
【0017】本発明の請求項8に係わる平角線構造で
は、巻付けの際に平角線の外周側となる面に凸状の保持
部を設けているので、被巻付け部材と平角線との間に発
生する隙間が最小限になる。
【0018】本発明の請求項9に係わる平角線構造で
は、被巻付け部材が、巻付け軸に直交する断面において
部分的に曲率が大きく変化する曲率変化部を有する部材
になっている。この場合、被巻付け部材に平角線を巻付
けると、積層した際に上側となる平角線の幅方向のずれ
は曲率変化部で発生しやすい。そこで、当該平角線構造
では、平角線に対して、少なくとも曲率変化部の前後に
わたって巻付けられる範囲に保持部を設けることによ
り、とくに曲率変化部で発生しやすい平角線のずれを防
止する。
【0019】本発明の請求項10に係わる平角線の巻線
方法では、断面矩形状を成す平角線を被巻付け部材に対
して整列状態で複数層に巻付けるに際し、平角線に所定
形状の保持部を形成する。このとき、保持部は、積層し
た際に上側となる平角線の幅方向の動きを規制するもの
であり、例えば、平角線が金属製である場合には成形型
や成形用ローラ等の塑性加工手段を用いて形成される。
そして、保持部形成後の平角線を被巻付け部材に巻付け
ることにより、保持部によって上側となる平角線の幅方
向の動きを規制する。つまり、平角線を被巻付け部材に
対して整列状態で複数層に巻付ける場合には、1層目の
巻終わりの上側に平角線を重ねて2層目を巻始めると、
上側となる平角線が幅方向にずれることがある。そこ
で、当該平角線の巻線方法では、平角線に保持部を形成
してから被巻付け部材に巻付けるので、上側となる平角
線のずれが保持部によって防止されることとなり、ずれ
による隙間を生じることなく平角線が整列状態で複数層
に巻付けられる。
【0020】本発明の請求項11に係わる平角線の巻線
装置では、巻取り手段に被巻付け部材を装着すると共
に、ボビンから引き出した平角線を被巻付け部材に連結
し、巻取り手段で被巻付け部材を回転させることにより
平角線を整列状態で複数層に巻付ける。この際、当該巻
線装置では、ボビンと巻取り手段の間に設けた保持部形
成手段により、保持部すなわち被巻付け部材に巻付けて
積層した際に上側となる平角線の幅方向の動きを規制す
る保持部を平角線に形成する。このとき、保持部形成手
段は、例えば、平角線を塑性変形させて保持部を形成す
る。これにより、巻取り手段で被巻付け部材に平角線を
巻付ける際には、積層した際に上側となる平角線のずれ
が保持部によって防止され、ずれによる隙間を生じるこ
となく平角線が整列状態で複数層に巻付けられる。
【0021】本発明の請求項12に係わる平角線の巻線
装置では、被巻付け部材が、巻付け軸に直交する断面に
おいて部分的に曲率が大きく変化する曲率変化部を有す
る部材になっている。この場合、被巻付け部材に平角線
を巻付けると、積層した際に上側となる平角線の幅方向
のずれは曲率変化部で発生しやすい。そこで、当該巻線
装置では、制御手段により、巻取り手段における被巻付
け部材の回転角度、および巻取り手段と肘部形成手段の
距離に基づいて保持部形成手段を作動させ、曲率変化部
の前後にわたって巻付けられる範囲に保持部を形成す
る。これにより、巻取り手段で被巻付け部材に平角線を
巻付ける際には、とくに被巻付け部材の曲率変化部にお
いて平角線のずれが保持部によって防止される。
【0022】本発明の請求項13に係わる平角線の巻線
装置では、巻取り手段と保持部形成手段の間に、平角線
の送り長さを検出するセンサを備えているので、巻取り
手段への平角線の送り量を判断し得ることとなり、平角
線の送り量を制御手段に入力すれば、平角線における保
持部の形成位置がより正確なものとなる。つまり、平角
線に対して、被巻付け部材の曲率変化部の前後にわたっ
て巻付けられる範囲に保持部を形成する場合には、制御
手段により、巻取り手段における被巻付け部材の回転角
度、および巻取り手段と保持部形成手段の距離に基づい
て保持部形成手段を作動させるので、これに加えてセン
サで検出した平角線の実際の送り量を制御手段に入力す
れば、制御手段による保持部形成手段の制御がより正確
なものとなり、その結果、平角線における保持部の形成
位置がより正確になる。
【0023】本発明の請求項14に係わる平角線の巻線
装置では、ボビンと保持部形成手段の間に、巻取り手段
との間で平角線に所定の張力を付与するテンショナーを
備えているので、被巻付け部材に巻付ける平角線の撓み
が防止されると共に、保持部形成手段においては、例え
ば塑性変形により保持部を形成する際に平角線が直線状
に保持されることとなり、保持部の形成が確実に行われ
る。
【0024】本発明の請求項15に係わる平角線の巻線
装置では、巻取り手段と保持部形成手段の間に、平角線
を案内するガイドローラを備えているので、保持部の形
成により発生した平角線の反りや歪みが矯正され、巻取
り手段に平角線が円滑に供給される。
【0025】本発明の請求項16に係わる平角線の巻線
装置では、巻取り手段が、被巻付け部材の近傍で平角線
を切断するカッターを備えているので、被巻付け部材へ
の平角線の巻付けを終了した後、平角線が所定の位置で
自動的に切断される。
【0026】本発明の請求項17に係わる平角線の巻線
装置では、巻取り手段に対して被巻付け部材を着脱する
ハンドリング手段を備えているので、平角線の巻付けが
終了した被巻付け部材の取外しや次の被巻付け部材の取
付けが自動的に行われる。
【0027】本発明の請求項18に係わる平角線の巻線
装置では、保持部形成手段が、平角線に対して進退可能
な成形用ローラを備えているので、平角線を送りながら
成形用ローラを前進させれば平角線に凹状の保持部が連
続的に形成され、所定の時期に成形用ローラを後退させ
れば保持部の形成が終了して、平角線の長手方向におけ
る所定範囲に保持部が形成される。このように成形用ロ
ーラを用いて凹状の保持部を形成すると、平角線の長手
方向の断面において凹状の保持部の段差部分が曲線で連
続した状態に形成される。したがって、平角線が芯材に
絶縁被膜を施したものである場合には、保持部を形成し
た際に絶縁被膜へのダメージが少ないものとなる。
【0028】本発明の請求項19に係わる平角線の巻線
装置では、ボビンと保持部形成手段との間に、平角線を
加熱により軟化させる加熱手段を備えているので、平角
線を軟化させることにより、保持部形成手段における保
持部の成形性や巻取り手段における被巻付け部材への巻
付け性が良好なものとなる。
【0029】本発明の請求項20に係わる平角線の巻線
装置では、ボビンと巻取り手段との間に、平角線に所定
の被膜を施す被膜供給手段を備えているので、ボビンか
ら引き出した平角線を巻取り手段の被巻付け部材に巻付
ける間に、例えば、単一の素材から成る平角線に絶縁等
の被膜を施すことや、芯材を絶縁被膜を施した平角線に
対して部分的に被膜を追加することが可能になる。した
がって、平角線が芯材を絶縁被膜を施したものである場
合には、絶縁被膜の擦過が生じやすい部分すなわち保持
部の形成部分や巻付けの際に曲率が小さくなる部分等に
絶縁被膜を追加すれば、絶縁被膜に擦過が生じても芯材
の露出が防止される。
【0030】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる平角線構造に
よれば、被巻付け部材に対して複数層に巻付けられる断
面矩形状の平角線において、積層した際に上側となる平
角線の幅方向の動きを規制する保持部を設けたことによ
り、平角線を巻付け位置に規制する機械的な巻線補助手
段を何ら用いることなく、2層目以降に巻付けられる平
角線のずれを防止することができ、ずれによる隙間を発
生させることなく平角線を整列させて高い占積率を得る
ことができる。
【0031】本発明の請求項2に係わる平角線構造によ
れば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえ
に、凹凸状の保持部によって積層した際の係合状態をよ
り確実なものにすることができ、平角線のずれ防止機能
や振動抑制機能のさらなる向上を実現することができ
る。
【0032】本発明の請求項3に係わる平角線構造によ
れば、請求項1および2と同様の効果を得ることができ
るうえに、保持部を平角線の幅方向の中央に設けたこと
により、次の層に移行する際の折り返し方向が左右のい
ずれであっても、保持部による係合状態を左右で同一に
して平角線のずれを防止することができる。
【0033】本発明の請求項4に係わる平角線構造によ
れば、請求項2および3と同様の効果を得ることができ
るうえに、凹状の保持部および凸状の保持部の少なくと
も一方が幅方向の断面において対称的に表れるテーパ面
を有する形状としたことにより、保持部を互いに係合さ
せる際にテーパ面で幅方向のセンタリングを行うことが
でき、保持部同士の係合を容易に且つ確実に行うことが
できる。
【0034】本発明の請求項5に係わる平角線構造によ
れば、請求項2および3と同様の効果を得ることができ
るうえに、凹状の保持部および凸状の保持部の少なくと
も一方が平角線の幅方向の断面における段差部分を曲線
により連続させた形状としたことにより、例えば平角線
が芯材に絶縁被膜を施したものであり、この平角線に塑
性加工によって保持部を形成する場合に、絶縁被膜への
ダメージを軽減することができ、絶縁信頼性のさらなる
向上に貢献することができる。
【0035】本発明の請求項6に係わる平角線構造によ
れば、請求項2〜5と同様の効果を得ることができるう
えに、凹状の保持部および凸状の保持部の少なくとも一
方が長手方向の断面において対称的に表れるテーパ面を
有する形状としたことにより、保持部を互いに係合させ
る際にテーパ面で長手方向のセンタリングを行うことが
でき、保持部同士の係合を容易に且つ確実に行うことが
できる。
【0036】本発明の請求項7に係わる平角線構造によ
れば、請求項2〜5と同様の効果を得ることができるう
えに、凹状の保持部および凸状の保持部の少なくとも一
方が平角線の長手方向の断面における段差部分を曲線に
より連続させた形状としたことにより、例えば平角線が
芯材に絶縁被膜を施したものであり、この平角線に塑性
加工によって保持部を形成する場合に、絶縁被膜へのダ
メージを軽減することができ、絶縁信頼性のさらなる向
上に貢献することができる。また、長手方向の断面にお
いて段差部分が曲線で連続する形状の保持部は、とくに
凹状の保持部の場合、例えば成形用ローラを用いて連続
的に形成することが容易であると共に、凹状の保持部の
形成と同時に反対側の面に凸状の保持部を形成すること
も可能である。
【0037】本発明の請求項8に係わる平角線構造によ
れば、請求項1〜7と同様の効果を得ることができるう
えに、巻付けの際に平角線の外周側となる面に凸状の保
持部を設けたことにより、被巻付け部材と平角線との間
のデッドスペースを最小限にすることができ、平角線の
充分な占積率を確保することができる。
【0038】本発明の請求項9に係わる平角線構造によ
れば、請求項1〜8と同様の効果を得ることができるう
えに、平角線のずれが発生しやすい被巻付け部材の曲率
変化部に対応して保持部を設けたことにより、保持部を
設ける範囲を必要最小限としたうえで平角線のずれを確
実に防止することができる。
【0039】本発明の請求項10に係わる平角線の巻線
方法によれば、断面矩形状の平角線を被巻付け部材に対
して整列状態で複数層に巻付ける際に、積層した際に上
側となる平角線の幅方向の動きを規制する保持部を形成
してから平角線の巻付けを行うことにより、平角線を巻
付け位置に規制する機械的な巻線補助手段を何ら用いる
ことなく、2層目以降に巻付けられる平角線のずれを防
止することができ、ずれによる隙間を発生させることな
く平角線を整列させて高い占積率を得ることができる。
また、当該平角線が芯材に絶縁被膜を施したものであっ
て、この平角線がモータ等の磁気コアに巻付ける導線で
ある場合には、磁界による振動や機械的原因による振動
を受けた際に、保持部により平角線同士の振動を充分に
抑制することができ、これにより絶縁被膜の擦過を防止
して長期的な絶縁信頼性を確保することができる。
【0040】本発明の請求項11に係わる平角線の巻線
装置によれば、断面矩形状の平角線を被巻付け部材に対
して整列状態で複数層に巻付ける装置において、ボビン
から引き出した平角線に、積層した際に上側となる平角
線の幅方向の動きを規制する保持部を形成し、これに続
いて被巻付け部材に平角線を巻付けることから、平角線
の幅方向のずれならびに占積率の低下を確実に防止しつ
つ平角線を自動的に巻付けることができる。また、平角
線自体にずれを防ぐ保持部を形成するので、平角線を巻
付け位置に案内する巻線補助手段が不要となり、装置の
簡略化、小形化および設備費の低減を実現することがで
きる。
【0041】本発明の請求項12に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項11と同様の効果を得ることがで
きるうえに、平角線のずれが発生しやすい被巻付け部材
の曲率変化部に対応して保持部を自動的に形成すること
ができ、保持部を設ける範囲を必要最小限にして平角線
のずれを確実に防止することができる。
【0042】本発明の請求項13に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項12と同様の効果を得ることがで
きるうえに、平角線の送り長さを検出するセンサを設け
たことにより、被巻付け部材の曲率変化部の前後にわた
って巻付けられる範囲に保持部を形成する際に、制御手
段による保持部形成手段の制御をより正確に行うことが
可能になり、平角線に形成する保持部の位置精度を一層
高めることができる。
【0043】本発明の請求項14に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項11〜13と同様の効果を得るこ
とができるうえに、巻取り手段との間で平角線に所定の
張力を付与するテンショナーを備えたことにより、被巻
付け部材に対する平角線の巻付け性や平角線に対する保
持部の加工性をより一層高めることができる。
【0044】本発明の請求項15に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項11〜14と同様の効果を得るこ
とができるうえに、巻取り手段と保持部形成手段の間に
平角線を案内するガイドローラを備えたことにより、保
持部の形成により発生した平角線の反りや歪みを矯正し
て巻取り手段に平角線を円滑に供給することができ、平
角線の巻付け性のさらなる向上に貢献することができ
る。
【0045】本発明の請求項16に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項11〜15と同様の効果を得るこ
とができるうえに、被巻付け部材の近傍で平角線を切断
するカッターを備えたことにより、平角線の巻付け終了
後、平角線を適切な位置で自動的に切断することがで
き、これにより被巻付け部材を速やかに搬出することも
可能になる。
【0046】本発明の請求項17に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項11〜16と同様の効果を得るこ
とができるうえに、巻取り手段に対して被巻付け部材を
着脱するハンドリング手段を備えたことにより、平角線
の巻付けが終了した被巻付け部材の取外しや次の被巻付
け部材の取付けを自動的に行うことができ、平角線を巻
付けた被巻付け部材を連続的に自動製作することができ
る。
【0047】本発明の請求項18に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項11〜17と同様の効果を得るこ
とができるうえに、平角線に対して進退可能な成形用ロ
ーラを備えた保持部成形手段を採用したことにより、平
角線の送りを停止させることなく保持部を形成すること
ができ、また、平角線の長手方向の断面において凹状の
保持部の段差部分を曲線で連続した状態に形成すること
ができるので、平角線が芯材に絶縁被膜を施したもので
ある場合には、絶縁被膜へのダメージを低減することが
できる。
【0048】本発明の請求項19に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項11〜18と同様の効果を得るこ
とができるうえに、平角線を加熱により軟化させる加熱
手段を備えたことにより、保持部形成手段における保持
部の成形性や巻取り手段における被巻付け部材への巻付
け性を大幅に高めることができる。
【0049】本発明の請求項20に係わる平角線の巻線
装置によれば、請求項11〜19と同様の効果を得るこ
とができるうえに、平角線に所定の被膜を施す被膜供給
手段を備えたことにより、平角線を送りながら被膜を設
けることができると共に、被膜を設ける範囲を自由に選
択することができ、例えば平角線が芯材を絶縁被膜を施
したものである場合には、絶縁被膜の擦過が生じやすい
部分に絶縁被膜を追加することにより、万一擦過が生じ
たとしても芯材の露出を防止して、絶縁信頼性を大幅に
高めることができる。
【0050】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明に係わる平角
線構造、平角線の巻線方法および巻線装置の一実施例を
説明する。
【0051】図1に示す平角線の巻線装置は、被巻付け
部材であるモータの磁気コアCに、金属製の芯材に絶縁
被膜を施した断面矩形状の平角線Wを整列状態で複数層
に巻付けるものであって、基台1に、平角線Wを予め巻
付けたボビン2と、平角線Wに所定の張力を付与するテ
ンショナー3と、平角線Wに後記する保持部を形成する
保持部形成手段4と、磁気コアCを回転可能に保持する
巻取り手段5と、保持部形成手段4および巻取り手段5
を制御するための制御手段6を直列に配置した構成にな
っており、制御手段6の近傍には、巻取り手段5に対し
て磁気コアCを着脱するハンドリング手段7を備えてい
る。
【0052】ボビン2は、平角線Wを自由に引き出すこ
とができるように回転可能に保持されている。テンショ
ナー3は、基台1に設置した本体部8に、水平軸回りに
回転する上下一対のローラ8A,8Bを備えると共に、
この実施例では上側のローラ8Aに制動付与手段9を備
えている。制動付与手段9には、モータや磁力式カップ
リングが用いられる。このテンショナー3は、ボビン2
から引き出した平角線Wを上下のローラ8A,8Bによ
り所定圧力で挟んだ状態にし、さらに、同平角線Wを磁
気コアCに連結して巻付ける際に、制動力付与手段9で
上側のローラ8Aに制動力を付与することにより、巻取
り手段5との間で平角線Wに所定の張力を付与し、これ
により平角線Wの巻付け性や保持部の加工性を良好にす
る。
【0053】保持部形成手段4は、基台1に設置したフ
レーム10内に、基台1側に固定された下型11Aと、
下型11Aに対向し且つ図示しない駆動源により昇降可
能な上型11Bとから成る成形型11を備えている。成
形型11は、上型11Aと下型11Bとの間で平角線W
を加圧し、平角線Wを塑性変形させて保持部を形成する
ものである。
【0054】成形型11の下型11Aは、図2に示すよ
うに、平角線Wの送り方向の前後に支持台12,12が
設けてあり、各支持台12には、平角線Wの両側を案内
し且つ保持部を形成する際に成形型11の両側で平角線
Wを保持する左右一対のローラ13,13が設けてあ
る。また、下型11Aは、巻取り手段5側の下部にも支
持台14が設けてある。この支持台14には、保持部を
形成した後の平角線Wの反りや歪みを矯正するための上
下一対のガイドローラ15A,15Bが設けてあり、上
側のガイドローラ15Aには、平角線Wの送り量を検出
するためのセンサ16が取付けてある。このセンサ16
には、例えばロータリエンコーダが用いられる。
【0055】巻取り手段4は、基台1に設置したギアボ
ックス17と、駆動源であるモータ18を備えると共
に、図3に示すように、ギアボックス17に、磁気コア
Cを装着するための水平な出力軸19を備えており、こ
の出力軸19には、磁気コアCの回転角度を検出するた
めのロータリーエンコーダ20が設けてある。なお、詳
細な図示は省略したが、巻取り手段5は、ガイドローラ
15A,15Bから送り出された平角線Wの端部を自動
的に把持し且つ磁気コアCに対して位置決めを行うクラ
ンプを備えている。また、出力軸19は、磁気コアCに
平角線Wを整列状態で巻付けるために軸線方向に往復動
可能である。さらに、巻取り手段5は、保持部形成手段
4側に、磁気コアCの近傍で平角線Wを切断するカッタ
ー21を備えると共に、ギアボックス17の上部には、
磁気コアCに巻付けた平角線Wにワニスを滴下させるた
めのワニス供給部22が設けてある。
【0056】ここで、磁気コアCは、巻付け軸に直交す
る断面が概略矩形状を成している。このような磁気コア
Cに対して平角線Wを整列状態で複数層に巻付ける場
合、1層目の巻終わりの上側に重なる2層目の巻付け開
始部分において平角線Wが幅方向(横方向)にずれるこ
とがあり、このようなずれは、巻付け方向において曲率
が大きく変化する部分、つまり断面概略矩形状を成す磁
気コアCではコーナー部で発生しやすい。
【0057】これに対して、当該平角線の巻線装置で
は、保持部形成手段4において、平角線Wに対して、磁
気コアC巻付けて積層した際に上側となる平角線Wの幅
方向の動きを規制する保持部を形成するのであり、この
際、平角線Wの長手方向全体にわたって保持部を形成す
ることももちろん可能であるが、上記したように磁気コ
アCのコーナー部(曲率変化部)で平角線Wのずれが発
生しやすいことから、コーナー部の前後にわたって巻付
けられる範囲に保持部を形成する。なお、保持部の形成
は、全てのコーナー部に対応する部分に行うのではな
く、2層目の巻付けが開始されるコーナー部に対応する
部分に行えば良い。
【0058】制御手段5には、保持部形成手段4におい
て平角線Wの送り量を検出するセンサ16からの信号、
および巻取り手段5において磁気コアCの回転角度を検
出するロータリエンコーダ20からの信号が入力され
る。この制御手段5は、巻取り手段5の出力軸19を制
御する一方で、磁気コアCの回転角度および巻取り手段
5と保持部形成手段4の距離に基づいて、所定のコーナ
ー部の前後にわたって巻付けられる範囲に保持部が形成
されるように保持部形成手段4を作動させ、この際、セ
ンサ16で検出した実際の平角線Wの送り量も加えるこ
とで制御をより正確に行うようにしている。この制御手
段による制御の詳細は後で説明する。
【0059】ハンドリング手段7は、例えば多軸制御式
のロボットであって、所定位置に用意された磁気コアC
を巻取り手段5の出力軸19に所定の姿勢で取付け、ま
た、平角線Wの巻付けが終了した磁気コアCを出力軸1
9から取外して別の位置に搬送する。
【0060】次に、上記構成を備えた平角線の巻線装置
の動作ならびに本発明に係わる平角線の巻線方法を図4
および図5に示すフローチャートとともに説明する。
【0061】制御手段6には各種定数を入力する。巻線
装置に関する定数としては、図1に示すように、保持部
形成手段におけるガイドローラ15A,15Bの中心か
ら成形型11の中心までの水平距離aと、同じくガイド
ローラ15A,15Bの中心から巻取り手段5における
磁気コアCの回転中心までの水平距離bがある。
【0062】磁気コアCに関する定数としては、図6
(a)に示すように、突極の高さHwと突極の幅Wwが
ある。平角線Wに関する定数としては、図6(a)に示
すように、高さ(厚さ)Hcと幅Wcがあり、また、図
6(b)に示すように、始点リード線長さLsと終点リ
ード線長さLeがある。さらに、巻付け形態に関する定
数としては、n層目の巻数Nnとn層目の1周分の長さ
Lnがある。
【0063】巻線装置において磁気コアCに平角線Wの
巻付けを行うには、まず、図4のステップS1〜S12
において、磁気コアの突極の高さHwおよび突極の幅W
w、平角線Wの高さHcおよび幅Wc、始点リード線長
さLsおよび終点リード線長さLe、n層目の巻数Nn
およびn層目の1周分の長さLnを制御手段6に入力す
る。ここで、この実施例では、磁気コアCに平角線Wを
3層巻付ける場合を示している。
【0064】ステップS13においては、図7に示すグ
ラフから平角線Wの高さHcに対応する補正係数Cを求
める。この補正係数Cは、層が増えるにしたがって周長
が増大することから、先に入力した各層毎の1周長さの
値を平角線Wの高さに基づいて補正するものである。
【0065】次に、ステップS14において、ハンドリ
ング手段7により磁気コアCを巻取り手段5の出力軸1
9に装着するべく横向きに移動させ、その一方では、ボ
ビン2から引出した平角線Wをテンショナー3および保
持部形成手段4に通し、ステップS15において、平角
線Wに所定の張力を付与するテンショナー3を作動させ
る。さらに、ステップS16において、ガイドローラ1
5Aに設けたセンサ16をリセットし、これにより、ス
テップS17において、ガイドローラ15Aの回転数か
ら算出される平角線Wの送り量Lと出力軸19に設けた
ロータリエンコーダ20から求められる巻数カウンタN
をリセットする。
【0066】そして、ステップS18において、ガイド
ローラ15A,15Bに平角線Wの先端をセットし、さ
らに、ステップS19において、磁気コアCを固定する
ための治具ならびに磁気コアCをセットし、磁気コアC
を巻付け開始の姿勢に位置決めする。この際、平角線W
はガイドローラ15A,15Bの位置まで送り出されて
いる。
【0067】その後、図5に示すステップS20におい
て、平角線Wを送り出したときに、同平角線Wの先端を
磁気コアCの近傍でクランプするか保持部の形成を先に
行うかの比較演算を行う。これは、磁気コアCの形状
や、ガイドローラ15Aを基準位置とした巻取り手段5
までの距離、および保持部形成手段4までのの距離に依
存するものであり、先に入力した平角線Wおよびその巻
付け形態に関するパラメータや巻線装置に関するパラメ
ータに基づいて判断を行う。このステップS20におけ
る数式の左辺は平角線Wの先端から保持部の形成位置ま
での距離を示し、右辺は平角線Wの先端からクランプす
る位置までの距離を示している。
【0068】ステップS20で平角線Wの先端のクラン
プを先に行うと判断した場合には、ステップS21にお
いて平角線Wの送り出しを開始すると共に、ステップS
22において、平角線Wの送り出し量Lが先端からクラ
ンプ位置までの距離に到達したかを判断し、到達したこ
とを判断すると、ステップS23において平角線Wの送
り出しを停止し、ステップS24において平角線の先端
(始点)をクランプする。
【0069】そして、ステップS25において平角線W
の送り出しを再び開始し、ステップS26において、送
り出し再開後の平角線Wの送り出し量Lが初期における
先端から保持部形成位置までの距離に到達したかを判断
し、到達したことを判断すると、ステップS27におい
て平角線の送り出しを停止し、ステップS28において
保持部形成手段4を起動し、ステップS29において平
角線Wに保持部を形成する。
【0070】また、ステップS20で平角線Wの保持部
の形成を先に行うと判断した場合には、ステップS30
において平角線Wの送り出しを開始すると共に、ステッ
プS31において、平角線Wの送り出し量Lが先端から
保持部形成位置までの距離に到達したかを判断し、その
距離に到達すると、ステップS32において平角線Wの
送り出しを停止し、ステップS33において保持部形成
手段4を起動し、ステップS34において平角線Wの保
持部を形成する。
【0071】そして、ステップS35において平角線W
の送り出しを再び開始し、ステップS36において、送
り出し再開後の平角線Wの送り出し量Lが初期における
先端からクランプ位置までの距離に到達したかを判断
し、その距離に到達すると、ステップS37において平
角線の送り出しを停止し、ステップS38において平角
線Wの先端をクランプする。
【0072】なお、上記の過程において、クランプ前に
おける平角線Wの送り出しは、例えば、ガイドローラ1
5A,15Bをモータで回転駆動する構成として、この
ガイドローラ15A,15Bで行うことが可能であり、
さらに、クランプ後における平角線Wの送り出しは、モ
ータ18を駆動源とする巻取り手段5において出力軸1
9とともに磁気コアCを回転させ、この磁気コアCに平
角線Wを巻き取ることで行われる。
【0073】上記のように平角線Wの先端のクランプお
よび最初の保持部の形成が行われると、図4のステップ
S39においてガイドローラ15Aのセンサ16により
検出される平角線Wの送り量Lをリセットし、ステップ
S40において平角線Wの送り出し(磁気コアCの回転
に伴う巻き取り)を行い、ステップS41において、平
角線Wの送り出し量Lが磁気コアCへの1周分の巻付け
量に到達するまで比較しながら巻付けを行い、平角線W
を1周分巻付けたところで、ステップS42において平
角線Wの送り出しを停止し、ステップS42において保
持部形成手段4を作動させて平角線Wに保持部を形成す
る。
【0074】その後は、ステップS44において1層目
の巻付け数に到達したかの比較演算を行い、順次巻付け
を継続すると共に、ステップS45およびS46におい
て、2層目さらには3層目の巻付け数に到達したかの比
較演算を行い、各層毎に規定の回数の巻付けを終了した
後に、ステップS47においてカッター21により平角
線Wを磁気コアCの近傍で切断し、ステップS48にお
いてハンドリング手段7により磁気コアCを搬出する。
【0075】また、ステップS49においては、ボビン
2に平角線Wの充分な残量があるか否かを判断し、残量
がある場合には、ステップS50において所定数の磁気
コアCを生産したか否かを判断し、所定数に達していな
い場合はステップS19に戻って次の磁気コアCのセッ
トを行い、所定数に達した場合は生産を終了する。な
お、ステップ49において平角線Wの残量が不足してい
る場合は、ステップS51においてボビン2の交換を行
い、ステップ50に移行する。
【0076】このようにして磁気コアCに平角線Wを巻
付ける巻線装置では、磁気コアCに曲率が大きく変化す
るコーナー部(曲率変化部)があり、平角線Wを積層し
た際に、コーナー部において上側となる平角線Wが幅方
向にずれることがあるのに対して、コーナー部の前後に
わたって巻付けられる範囲に保持部、すなわち積層した
際に上側となる平角線Wの幅方向の動きを規制する保持
部を形成するので、平角線Wのずれが保持部により確実
に防止され、ずれによる隙間を生じることなく平角線W
が整列状態で複数層に巻付けられて充分な占積率が確保
されるうえに、ほとんどの工程を自動的に行い得るもの
となっている。
【0077】また、平角線W自体に保持部を形成するの
で、装置側には磁気コアCにおける巻付け位置を規制す
るための巻線補助手段が不要であり、その分構造を簡略
化し得ることが明らかである。さらに、上記実施例の巻
線装置では、平角線Wが芯材に絶縁被膜を施したもので
あることから、保持部を形成した際に絶縁被膜が部分的
に薄くなることがあるが、巻取り手段5においてワニス
供給部22から平角線Wの保持部にワニスを滴下して絶
縁被膜を保護するようにし、良好な絶縁性の維持を図る
ことができる。
【0078】なお、上記の巻線装置において平角線Wが
巻付けられた磁気コアCは、複数個を円形に連結するこ
とでモータのステータを構成する。この際、平角線W
は、モータ作動中に発生する磁歪振動や機械的振動を受
けることとなるが、保持部により幅方向の動きが確実に
規制されるので平角線W同士が擦れることも無く、これ
により絶縁被膜の擦過を防止して高い絶縁信頼性を得る
ことができる。
【0079】図8は、本発明に係わる平角線の巻線装置
の他の実施例を示す図である。
【0080】図示の平角線の巻線装置は、基本的構成は
先の実施例の巻線装置(図1参照)と同一であるが、保
持部形成手段4が、平角線Wに対して進退可能な成形用
ローラ31A〜31Cを備えている点で異なっている。
【0081】すなわち、保持部形成手段4は、図9
(a)および(b)に示すように、平角線Wの上面中央
に対して進退可能な中央の成形用ローラ31Aと、平角
線Wの下面両側を保持する左右の保持ローラ31B,3
1Cを備えており、中央ローラ31Aを前進(降下)さ
せることによって主として平角線Wの上面中央に凹状の
保持部を形成する。なお、平角線Wの材質、中央成形用
ローラ31Aの断面形状および加圧の度合いによって
は、上面中央に凹状の保持部を形成するのと同時に、下
面中央に凸状の保持部を形成することも可能である。
【0082】このように、成形用ローラ31A〜31C
を備えた保持部形成手段4を採用すれば、成形型を備え
た保持部形成手段では保持部形成の際に平角線Wの送り
を停止させるのに対して、平角線Wの送りを停止させず
に保持部を連続的に形成することが可能である。また、
凹状の保持部を形成した場合、平角線Wの長手方向の断
面において保持部の段差部分が曲線で連続した状態に形
成されるので、とくに平角線Wが芯材に絶縁被膜を施し
たものである場合には、絶縁被膜へのダメージが大幅に
軽減されることになる。
【0083】図10は、本発明に係わる平角線の巻線装
置のさらに他の実施例を示す図である。
【0084】図示の平角線の巻線装置は、ボビン2とテ
ンショナー3の間に、加熱により平角線Wを軟化させる
加熱手段32と、平角線Wに被膜を施す被膜供給手段3
3を備えている。この実施例では、絶縁被膜を施してい
ない平角線Wを対象にしており、被膜供給手段33は、
例えば銅製の平角線Wを樹脂製の絶縁剤でコーティング
するものである。
【0085】上記の平角線の巻線装置は、ボビン2から
引出した平角線Wを加熱手段32で加熱することによっ
て同平角線Wを軟化させ、続いて被膜供給手段33で絶
縁剤をコーティングすることで、平角線Wが曲りやすく
なって磁気コアCのコーナー部に対する密着性が向上
し、当然コーナー部以外の部分でも密着性が良好となっ
て磁気コアCとの隙間が生じにくくなる。これにより、
平角線Wと磁気コアCとの熱伝達性が向上し、性能を高
めることが可能になる。また、平角線Wを軟化させるこ
とにより、保持部の加工性もきわめて良好になる。
【0086】図11(a)は、本発明に係わる平角線の
巻線装置のさらに他の実施例を示す図である。
【0087】図示の平角線の巻線装置は、ボビン2とテ
ンショナー3の間に、平角線Wに被膜を施す手段として
絶縁テープTを供給する被膜供給手段34を備えてい
る。この実施例では、図11(b)に示すように、平角
線Wが芯材Aに絶縁被膜Bを施したものであり、この平
角線Wの上面に絶縁テープTを貼り付けるものとなって
いる。
【0088】上記の平角線の巻線装置では、平角線Wの
長手方向全体に絶縁テープTを貼り付けるのではなく、
保持部の形成部分や磁気コアCの4つのコーナー部に対
応する部分、すなわち絶縁被膜Bが大きな応力を受ける
部分に絶縁テープTを貼り付けようにしており、これに
より、保持部やコーナー部での絶縁性能がより確実に得
られるようにしている。
【0089】なお、上記被膜供給手段34は、例えば保
持部形成手段4と巻取り手段5の間に設け、保持部を形
成した部分に絶縁テープTを貼り付けるようにしても良
く、この場合には絶縁テープTの変形が少なくなってよ
り高い絶縁性能を確保し得ることとなる。
【0090】また、被膜供給手段33,34を備えた巻
線装置においては、その下流側にローラを配置し、絶縁
剤のコーティング後あるいは絶縁テープTの貼り付け後
にローラを押付けることで絶縁被膜の厚さを部分的に調
整することも可能である。
【0091】次に、保持部を設けた平角線構造の具体例
を説明する。
【0092】図12(a)および図13(a)は、断面
矩形状を成す平角線Wの上面片側に凸状の保持部H1を
形成した例を示している。この平角線Wを被巻付け部材
である磁気コアCに巻付けるには、図14において例え
ば左下の位置を巻始めとし、図中の仮想線で示すように
磁気コアCの後方から上部を経て前方に巻付ける。つま
り、1層目は、図の左右方向となる巻付け軸方向におい
て図中右方向に平角線Wを整列させる。次に、2層目
は、巻終わりの上側に平角線Wを積層し、図中の仮想線
で示すように磁気コアCの後方から上部を経て前方に巻
付けるので、図中左方向に平角線Wを整列させる。した
がって、この例の平角線Wは、1層目における保持部H
1の位置と2層目における保持部H1の位置が逆になっ
ており、1層目の保持部H1に2層目の平角線Wの角を
係合させることで、2層目の平角線Wの幅方向の動きを
規制している。
【0093】なお、積層の上側となる平角線Wのずれ
は、2層目に積層した平角線Wを次の列に移行させた際
に発生し、また、先の実施例でも述べたように磁気コア
Cのコーナー部(曲率変化部)で発生しやすいので、コ
ーナー部の前後にわたって巻付けられる範囲に保持部H
1を設けており、下側に示すそれ以外の部分には保持部
を形成していない。
【0094】図12(b)および図13(b)は、平角
線Wの上面中央に凸状の保持部H1を設けると共に、下
面中央に凹状の保持部H2を設けた例を示している。こ
の場合、凸状の保持部H1の幅に対して、凹状の保持部
H2の幅が充分に大きなものとなっており、平角線Wを
積層した際に、1層目の凸状の保持部H1と2層目の凹
状の保持部H2との係合が容易に行える。また、保持部
H1,H2を平角線Wの幅方向の中央に設けているの
で、図13を用いて説明した如く平角線Wの折り返し方
向が左右に変わっても、左右で同一の係合状態を得るこ
とができる。
【0095】図12(c)および図13(c)は、平角
線Wの上面中央に、平角線Wの幅方向の断面において対
称的に表れるテーパ面を有する凸状の保持部H3を設け
ると共に、下面中央に、同じく平角線Wの幅方向の断面
において対称的に表れるテーパ面を有する凹状の保持部
H4を設けた例を示している。この場合には、保持部同
士を係合する際にテーパ面によって幅方向のセンタリン
グを行うことができ、係合を容易に行うことができると
共に、隙間無く係合することで平角線Wの幅方向の動き
を確実に規制することができる。
【0096】図12(d)および図13(d)は、平角
線Wの上面中央に、段差部分が曲線により連続する凸状
の保持部H5を設けると共に、下面中央に、同じく段差
部分が曲線により連続する凹状の保持部H6を設けた例
を示している。この場合にあっても、係合を容易に行え
ると共に、隙間無く係合することで平角線Wの幅方向の
動きを確実に規制することができ、さらに、段差部分を
曲線としているので、平角線Wが芯材に絶縁被膜を施し
たものであり且つ塑性変形により保持部H5,H6を形
成する場合に、絶縁被膜へのダメージを軽減することが
できる。
【0097】図12(e)および図13(e)は、平角
線Wの上面中央に、半円形の凸状の保持部H7を設ける
と共に、下面中央に、平角線Wの断面において対称的に
表れるテーパ面を有する凹状の保持部H4を設けた例を
示している。この場合にあっても、テーパ面による幅方
向のセンタリング機能が得られ、係合を容易に行うこと
ができると共に、平角線Wの幅方向の動きも確実に規制
することができる。
【0098】なお、保持部の形状や1つの平角線Wに設
ける2つの保持部の組合わせは、当然のことながら上記
各例のみに限定されるものではなく、2層目における平
角線Wの幅方向の動きを規制し得るものは全て含まれ
る。また、保持部は、平角線Wの長手方向に沿って形成
する以外に、図12(f)に示すように、長手方向に対
して傾斜した方向に形成し、これにより平角線Wのずれ
を防止することも可能である。さらに、図13(b)お
よび(e)に示すように、凸状の保持部H1,H7と凹
状の保持部H2,H4の間に隙間が形成されるもので
は、平角線巻付け後に行われるワニスへの浸漬におい
て、平角線同士の間にワニスが浸透しやすくなるという
利点があり、ワニスによる絶縁性の向上も充分に期待で
きる。
【0099】そしてさらに、図15(a)に示すよう
に、磁気コアCに巻付けた際に外周側となる面に凸状の
保持部H1を設けることにより、図15(b)に示す上
下逆の場合に比べて、磁気コアCとの間のデッドスペー
スDが最小限になることが明らかであり、これによって
も高い占積率の確保が可能になる。
【0100】図16は、平角線Wの長手方向における保
持部の形状の例を示す図である。
【0101】図16(a)および(b)は、偏平な四角
錐形を成す凹状の保持部H8を形成した例を示し、ま
た、図16(c)は、断面逆台形の凹状の保持部H9を
形成した例を示している。これらの凹状の保持部H8,
H9場合は、いずれも平角線Wの長手方向の断面におい
て対称的に表れるテーパ面を有するものとなっていて、
テーパ面によって長手方向のセンタリング機能を得るこ
とができ、係合を容易に且つ確実に行うことができる。
これらの保持部H8,H9は、成形型を備えた保持部形
成手段(図1参照)で形成することができ、図示は省略
したが反対側の面に凸状の保持部を同時成形することが
可能である。
【0102】さらに、図16(c)は、平角線Wの長手
方向の断面において段差部分が曲線で連続した凹状の保
持部H10を形成した場合を示しており、この場合に
は、段差部分の傾斜面により長手方向のセンタリング機
構を得ることができると共に、芯材Aに絶縁被膜Bを施
した平角線Wでは、保持部H10を形成した際の絶縁被
膜Bに対するダメージを軽減することができる。また、
この保持部H10は、成形用ローラを備えた保持部形成
手段(図8参照)で形成することができ、この場合も反
対側の面に凸状の保持部を同時成形することが可能であ
る。
【0103】ここで、図17に示すように、芯材に絶縁
被膜を施した平角線Wでは、保持部の形成によって形成
領域Hの絶縁被膜が応力を受けており、さらに、磁気コ
アCへの巻付けによって形成領域Hの絶縁被膜にさらな
る応力が加わり、絶縁被膜がダメージを受けやすい状態
になっている。
【0104】そこで、磁気コアCのコーナー部(曲率変
化部)に保持部の形成領域Hが対応する平角線Wへの応
力を緩和するために、コイルエンド部に取付ける絶縁キ
ャップの厚みを変化させると共に、図17に示す如く形
成領域Hの曲げRを大きくする。これにより、平角線W
への応力を低減させ、絶縁被膜へのダメージを抑制する
ことができる。このとき、絶縁被膜の厚みの変更は、手
作業で行うことが可能であるが、例えば絶縁テープを供
給する被膜供給手段(図11参照)を用いることも可能
である。さらに、図18に示すように、ワニス供給部2
2から平角線Wの保持部H8にワニスQを滴下し、この
ワニスQによって絶縁性を高めることもきわめて有用で
ある。
【0105】なお、上記各例では、理解しやすくするた
めに各保持部H1〜H10や絶縁被膜Bを大きく図示し
たが、実際の各保持部H1〜H10は図示例よりもはる
かに小さく、塑性加工による形成が容易であると共に、
小さくても平角線Wのずれを確実に防止し得るものであ
り、また、絶縁被膜Bにあっても図示例よりもはるかに
薄いものである。さらに、図13において、上層部分で
平角線Wの巻数を減少させているのは、複数の磁気コア
Cを円形に連結した際に、隣接する磁気コアCの平角線
W同士を干渉させないためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる平角線の巻線装置の一実施例を
説明する正面図である。
【図2】図1に示す保持部形成手段の成形型を説明する
斜視図である。
【図3】図1に示す巻取り手段の側面図である。
【図4】図1に示す巻線装置の動作および制御手段によ
る制御過程を説明するフローチャートである。
【図5】図4に示すフローチャートに連続するフローチ
ャートである。
【図6】平角線および磁気コアの諸寸法を示す各々斜視
図(a)(b)である。
【図7】平角線を複数層に巻付ける場合の平角線の高さ
に対する補正係数を示すグラフである。
【図8】本発明に係わる平角線の巻線装置の他の実施例
を説明する正面図である。
【図9】図8に示す保持部形成手段の成形用ローラを説
明する側面図(a)および正面図(b)である。
【図10】本発明に係わる平角線の巻線装置のさらに他
の実施例を説明する正面図である。
【図11】本発明に係わる平角線の巻線装置のさらに他
の実施例を説明する正面図(a)および平角線の斜視断
面図(b)である。
【図12】保持部を設けた平角線の複数の例を示す各々
断面図(a)〜(e)および斜視図(f)である。
【図13】図12(a)〜(e)に示す平角線を磁気コ
アに巻付けた状態を示す断面図である。
【図14】図12(a)に示す平角線を磁気コアに巻付
ける要領を示す断面図である。
【図15】凸状の保持部を外周面に設けた平角線の巻付
け状態を示す断面図(a)と、凸状の保持部を内周面に
設けた平角線の巻付け状態を示す断面図(b)である。
【図16】平角線の長手方向における保持部の形状例を
示す斜視図(a)、図a中のX−X線に基づく断面図
(b)、他の例を示す各々断面図(c)(d)である。
【図17】磁気コアに対する平角線の巻付け要領の他の
例を示す説明図である。
【図18】平角線の保持部にワニスを滴下する状態を示
す説明図である。
【符号の説明】
C 磁気コア(被巻付け部材) H1〜H10 保持部 W 平角線 2 ボビン 3 テンショナー 4 保持部形成手段 5 巻取り手段 6 制御手段 7 ハンドリング手段 15A 15B ガイドローラ 16 センサ 21 カッター 31A 成形用ローラ 32 加熱手段 33 34 被膜供給手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/06 H01F 41/06 A 5H615 H02K 3/52 H02K 3/52 E 15/095 15/095 (72)発明者 内 山 光 夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3F056 AA02 AB01 AC01 5E002 AA03 AA05 AA10 AA11 AA15 AA16 AA19 5E043 AB02 BA01 5H603 AA09 BB01 BB12 CB01 CB22 CC11 CC17 CD21 CE02 EE02 FA02 5H604 AA05 AA08 BB01 BB14 CC01 CC05 CC16 DA14 PB01 QB15 5H615 AA01 BB01 BB14 PP06 PP12 QQ02 QQ19 RR02 SS11 SS32 SS33

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面矩形状を成す平角線に、被巻付け部
    材に巻付けて積層した際に上側となる平角線の幅方向の
    動きを規制する保持部を設けたことを特徴とする平角線
    構造。
  2. 【請求項2】 巻付けの際に平角線の内周側および外周
    側となる面に、積層状態で互いに係合する凹凸状の保持
    部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の平角線構
    造。
  3. 【請求項3】 平角線の幅方向の中央に保持部を設けた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の平角線構
    造。
  4. 【請求項4】 凹状の保持部および凸状の保持部の少な
    くとも一方が、平角線の幅方向の断面において対称的に
    表れるテーパ面を有する形状であることを特徴とする請
    求項2または3に記載の平角線構造。
  5. 【請求項5】 凹状の保持部および凸状の保持部の少な
    くとも一方が、平角線の幅方向の断面における段差部分
    を曲線により連続させた形状であることを特徴とする請
    求項2または3に記載の平角線構造。
  6. 【請求項6】 凹状の保持部および凸状の保持部の少な
    くとも一方が、平角線の長手方向の断面において対称的
    に表れるテーパ面を有する形状であることを特徴とする
    請求項2〜5のいずれかに記載の平角線構造。
  7. 【請求項7】 凹状の保持部および凸状の保持部の少な
    くとも一方が、平角線の長手方向の断面における段差部
    分を曲線により連続させた形状であることを特徴とする
    請求項2〜5のいずれかに記載の平角線構造。
  8. 【請求項8】 巻付けの際に平角線の外周側となる面
    に、凸状の保持部を設けたことを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の平角線構造。
  9. 【請求項9】 被巻付け部材が、巻付け軸に直交する断
    面において部分的に曲率が大きく変化する曲率変化部を
    有する部材であって、平角線が、少なくとも曲率変化部
    の前後にわたって巻付けられる範囲に保持部を備えてい
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の平
    角線構造。
  10. 【請求項10】 断面矩形状の平角線を被巻付け部材に
    対して整列状態で複数層に巻付けるに際し、平角線に、
    積層した際に上側となる平角線の幅方向の動きを規制す
    る保持部を形成したのち、この平角線を被巻付け部材に
    巻付けることを特徴とする平角線の巻線方法。
  11. 【請求項11】 断面矩形状の平角線を被巻付け部材に
    対して整列状態で複数層に巻付ける装置であって、平角
    線を予め巻付けたボビンと、被巻付け部材を回転させて
    ボビンから引出した平角線を被巻付け部材に巻付ける巻
    取り手段と、ボビンと巻取り手段の間で平角線に所定形
    状の保持部を形成する保持部形成手段を備え、保持部形
    成手段が、平角線を被巻付け部材に巻付けて積層した際
    に上側となる平角線の幅方向の動きを規制する保持部を
    形成する手段であることを特徴とする平角線の巻線装
    置。
  12. 【請求項12】 被巻付け部材が、巻付け軸に直交する
    断面において部分的に曲率が大きく変化する曲率変化部
    を有する部材であって、巻取り手段における被巻付け部
    材の回転角度および巻取り手段と保持部形成手段の距離
    に基づいて保持部形成手段を作動させて曲率変化部の前
    後にわたって巻付けられる範囲に保持部を形成する制御
    を行う制御手段を備えたことを特徴とする請求項11に
    記載の平角線の巻線装置。
  13. 【請求項13】 巻取り手段と保持部形成手段の間に、
    平角線の送り長さを検出するセンサを備えたことを特徴
    とする請求項12に記載の平角線の巻線装置。
  14. 【請求項14】 ボビンと保持部形成手段の間に、巻取
    り手段との間で平角線に所定の張力を付与するテンショ
    ナーを備えたことを特徴とする請求項11〜13のいず
    れかに記載の平角線の巻線装置。
  15. 【請求項15】 巻取り手段と保持部形成手段の間に、
    平角線を案内するガイドローラを備えたことを特徴とす
    る請求項11〜14のいずれかに記載の平角線の巻線装
    置。
  16. 【請求項16】 巻取り手段が、被巻付け部材の近傍で
    平角線を切断するカッターを備えていることを特徴とす
    る請求項11〜15のいずれかに記載の平角線の巻線装
    置。
  17. 【請求項17】 巻取り手段に対して被巻付け部材を着
    脱するハンドリング手段を備えたことをを特徴とする請
    求項11〜16のいずれかに記載の平角線の巻線装置。
  18. 【請求項18】 保持部形成手段が、平角線に対して進
    退可能な成形用ローラを備えていることを特徴とする請
    求項11〜17のいずれかに記載の平角線の巻線装置。
  19. 【請求項19】 ボビンと保持部形成手段との間に、平
    角線を加熱により軟化させる加熱手段を備えたことを特
    徴とする請求項11〜18のいずれかに記載の平角線の
    巻線装置。
  20. 【請求項20】 ボビンと巻取り手段との間に、平角線
    に所定の被膜を施す被膜供給手段を備えたことを特徴と
    する請求項11〜19のいずれかに記載の平角線の巻線
    装置。
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