JP2001356673A - 計算機ホログラムおよびその製造方法、計算機ホログラムを用いた反射板、並びに計算機ホログラムを用いた反射型液晶表示装置 - Google Patents

計算機ホログラムおよびその製造方法、計算機ホログラムを用いた反射板、並びに計算機ホログラムを用いた反射型液晶表示装置

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JP2001356673A JP2000173935A JP2000173935A JP2001356673A JP 2001356673 A JP2001356673 A JP 2001356673A JP 2000173935 A JP2000173935 A JP 2000173935A JP 2000173935 A JP2000173935 A JP 2000173935A JP 2001356673 A JP2001356673 A JP 2001356673A
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大二郎 児玉
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浩 藤田
Hideo Yabuhara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、計算機ホログラム製造用の凹凸型の製
造、特にフォトエッチングの際の露光に長時間を要して
いた点を解消することを課題とする。 【解決手段】 計算機ホログラム1を、互いに位相分布
が同じである微小な要素ホログラム2の配列とし、位相
分布からの凹凸深度の計算や、フォトエッチング時の露
光の際の描画機の負担を軽減して、露光時間を減らすこ
とができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、計算機ホログラ
ム、特に反射板として使用するのに適した計算機ホログ
ラム、それらの製造方法、並びに計算機ホログラムを用
いた反射型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の表示装置が実用化されている中
で、液晶表示装置は、消費電力が少なく、カラー表示が
でき、装置が薄くて軽量である等の利点を有することか
ら、広く使用されるようになっている。特に、電池や蓄
電池に頼らざるをえない携帯端末においては、他のタイ
プの表示装置での代替が困難になっている。
【0003】しかしながら、液晶表示装置は、それ自身
が発光するタイプの表示装置ではないため、反射型、も
しくは透過型のいずれの形式においても、表示を見るた
めには、外光、もしくは照明光が必要となる。
【0004】と言って、十分に明るい照明光を持ち込む
ことは、折角の消費電力が少ない利点に逆行するため、
照明光を使用する場合でも、比較的照度の低い照明を使
うのに止まり、外光、もしくは照明光のいずれに頼ると
きも、少ない光を有効に利用することがポイントとな
る。
【0005】出願人は以前に、斜めから入射した光を所
定の観察域内に回折し得る位相分布を有する計算機ホロ
グラム(特開平11−296054号、および特開平1
1−183716号)を提案している。
【0006】これらは、所期の効果を発揮するものであ
るが、計算機により、ホログラム全域の位相分布を計算
すること、および計算結果に基づき、計算機ホログラム
複製用の凹凸型をフォトエッチング法により製造しよう
とすると、いずれも、かなりの時間を要し、効率がよく
なかった。特に、フォトエッチングの際には、精密な露
光を要するため、フォトマスクの製造装置を利用するこ
とが好ましいが、製造装置自体が高価であり、製造条件
が厳しく、かつ製造に要する時間が長く、特に製造時間
が長い点がネックとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、従来技術において、計算機ホログラム製造用の凹
凸型の製造、特にフォトエッチングの際の露光に長時間
を要していた点を解消することを課題とする。
【0008】
【課題を解決する手段】得られる計算機ホログラム、お
よび凹凸型の検討の結果、従来の計算機ホログラムの製
造においては、ホログラムの全域について位相分布を計
算し、かつ、その結果に基づく多量のデータを露光機に
入力して、露光を行なっていたのに替え、計算機ホログ
ラムを微小な要素ホログラムである計算機ホログラムの
縦横の配列とし、位相分布の計算は、全体の計算機ホロ
グラムにくらべて、はるかに小さい、微小な要素ホログ
ラムについてのみ行ない、また、フォトエッチング時の
露光の際にも、微小な要素ホログラムについての、従来
にくらべてはるかに少量のデータを用いて、反復露光す
ることにより、露光機の負担を軽減して、露光時間を減
らすことができ、本発明に到った。
【0009】第1の発明は、微小な要素ホログラムが平
面状に密に並べられ、前記要素ホログラムの各々が、反
射光または透過光に対し同じ位相分布を与える光路長を
有していることを特徴とする計算機ホログラムに関する
ものである。第2の発明は、第1の発明において、所定
の入射角で入射した所定の基準波長の入射光を特定の角
度範囲に拡散し、前記入射角で入射した0次透過光また
は0次反射光に対して、前記基準波長を含み加法混色し
た場合に見える波長範囲の最短波長の前記入射角の入射
光の最大回折角が、その波長範囲の最長波長の前記入射
光の最小回折角よりも大きくなるよう構成されているこ
とを特徴とする計算機ホログラムに関するものである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記要
素ホログラムの各々が、垂直に入射する光束を所定の観
察域内に実質的に回折し、その観察域外には実質的には
回折しないような第1の位相分布と、斜めから所定の入
射角で入射する光束を垂直に出射するような第2の位相
分布とを加算して得られる位相分布を有していることを
特徴とする計算機ホログラムに関するものである。第4
の発明は、第1または第2の発明において、前記要素ホ
ログラムの各々が、斜めから所定の入射角で入射する光
束を所定の観察域内に実質的に回折し、その観察域外に
は実質的には回折しないような位相分布であり、かつ、
垂直に入射する光束を前記の所定の観察域の位置がシフ
トした別の領域内に実質的に回折し、その別の領域外に
は実質的には回折しないような位相分布を有しているこ
とを特徴とする請求項1または2記載の計算機ホログラ
ムに関するものである。第5の発明は、第1〜第4いず
れかの発明において、前記計算機ホログラムは、ホログ
ラムを有する樹脂層からなるものであることを特徴とす
る計算機ホログラムに関するものである。第6の発明
は、第5の発明において、前記計算機ホログラムは、ホ
ログラムを有する樹脂層が透明基材により支持されたも
のであることを特徴とする計算機ホログラムに関するも
のである。第7の発明は、第1〜第6いずれかの発明に
おいて、前記計算機ホログラムがホログラム形成層の表
面の凹凸により形成されていることを特徴とする計算機
ホログラムに関するものである。第8の発明は、第7の
発明において、前記の凹凸に沿って光反射性層が積層さ
れていることを特徴とする計算機ホログラムに関するも
のである。第9の発明は、第7の発明において、前記ホ
ログラム形成層の前記凹凸が形成されているのとは反対
側の露出面に光反射性層が積層されていることを特徴と
する計算機ホログラムに関するものである。第10の発
明は、請求項1〜9いずれか記載の要件を有することを
特徴とする計算機ホログラムを用いた反射板に関するも
のである。第11の発明は、液晶表示装置の背面に請求
項10記載の計算機ホログラムが配置されていることを
特徴とする反射型液晶表示装置に関するものである。第
12の発明は、液晶表示装置の液晶層と背面基板との間
に請求項10記載の計算機ホログラムが配置されている
ことを特徴とする反射型液晶表示装置に関するものであ
る。第13の発明は、入射光が回折した回折光が出射す
る範囲を定義し、前記の定義された範囲に出射するため
のホログラムの位相分布を求め、得られた前記位相分布
を量子化してホログラムの凹凸の量子化された深度を求
め、得られた前記深度に基づいて、フォトエッチングに
より基板に凹凸を形成して凹凸型を得た後、前記凹凸型
を用いて樹脂層に型付けを行ない、前記樹脂層の表面に
ホログラムの凹凸を形成することを特徴とする計算機ホ
ログラムの製造方法に関するものである。第14の発明
は、入射光が回折した回折光が出射する範囲を定義し、
前記の定義された範囲に出射するためのホログラムの位
相分布を求め、得られた前記位相分布を量子化してホロ
グラムの凹凸の量子化された深度および前記深度の段数
を求め、得られた前記深度および前記段数に応じた所定
の回数のフォトエッチングによりエッチング性基板に凹
凸を形成して凹凸型を得た後、前記凹凸型を用いて樹脂
層に型付けを行ない、前記樹脂層の表面にホログラムの
凹凸を形成することを特徴とする計算機ホログラムの製
造方法に関するものである。第15の発明は、第13ま
たは14の発明において、前記位相分布を求めるのは、
ホログラムを構成する微小な要素ホログラムについて行
ない、また、前記凹凸の形成は、前記要素ホログラムの
位相分布を前記基板の面方向に繰り返し配列した位相分
布に基づいて行なうことを特徴とする計算機ホログラム
の製造方法に関するものである。第16の発明は、第1
3〜15いずれかの発明において、前記樹脂層上に形成
された前記凹凸に沿って、もしくは前記樹脂層の前記凹
凸が形成されているのとは反対側に、光反射性層を積層
することを特徴とする計算機ホログラムの製造方法に関
するものである。第17の発明は、第13〜16いずれ
かの発明において、nをフォトエッチングの回数とする
とき、前記凹凸の深度の段数Lが、2のn乗であること
を特徴とする計算機ホログラムの製造方法に関するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の計算機ホログラム1は、
微小な要素ホログラム2である計算機ホログラムが平面
状に密に並べられた、複合された計算機ホログラム、も
しくは計算機ホログラムが複眼状になったものである。
図1(a)に示す計算機ホログラム1は、要素ホログラ
ム2が正方形であり、縦横の格子状配列(アレー状配列
とも言う。)としたものであるが、図1(b)に示すよ
うに、要素計算機ホログラム2が正方形であっても、二
番目、四番目等の複数番目の行を横方向に半ピッチずつ
ずらした配列でもよい。あるいは図1(c)に示すよう
に、要素ホログラム2が縦長の長方形であり、横に密に
並べたものであってもよい。上記のいずれの計算機ホロ
グラム1においても、計算機ホログラム1内の隣り合う
要素ホログラム2どうしは、すべて同じものであり、即
ち、すべてが、反射光または透過光に対し同じ位相を与
える光路長を有しているものである。このような計算機
ホログラム1は、後に述べるように、要素ホログラム2
の製造に必要な条件を与えて行なう加工を、ホログラム
1を構成する素材に直接、もしくはホログラム1を与え
るための凹凸型に対して、位置をずらしながら反復して
行なうことにより、製造装置の負担を軽減するのに適し
た構造となっている。
【0011】図2に示す計算機ホログラム1は、複合さ
れた計算機ホログラム、もしくは計算機ホログラムの複
眼状態のものであるが、微小な要素ホログラム2が一種
類ではない例を示す。図2(a)に示すものでは、反射
光または透過光に対し異なる位相を与える光路長を有し
た、二種類の微小な要素ホログラム2a、および2b
が、例えば、一方の要素ホログラム2aが一つおきに行
の横方向に繰り返して配列され、他方の要素ホログラム
2bが、要素ホログラム2aが配列された間を埋めて配
列されたものであり、本発明における要素ホログラム2
は、このような異なる要素ホログラムの組(=セット)
であってもよい。なお、要素ホログラム2a、および2
bは、横に並ぶ以外に、縦に並んでいてもよい。
【0012】このほか、図2(b)に示すように、要素
ホログラム2が、三種類の要素ホログラム2a、2b、
および2cの組であってもよく、あるいは、図2(c)
に示すように、要素ホログラム2が、一方の要素ホログ
ラム2aが他方の要素ホログラム2bにより囲まれた配
列による組であってもよい。このように、要素ホログラ
ム2が複数の要素ホログラムの組からなっている計算機
ホログラム1は、複数の要素ホログラム2a、2b等の
各々の特性を兼ね備えたものとすることができる。図2
に示すような計算機ホログラム1も、図2に示すような
計算機ホログラム1と同様、後に述べるように、要素ホ
ログラム2の製造に必要な条件を与えて行なう加工を、
ホログラム1を構成する素材に直接、もしくはホログラ
ム1を与えるための凹凸型に対して、位置をずらしなが
ら反復して行なうことにより、製造装置の負担を軽減す
るのに適した構造となっている。
【0013】以上において、要素ホログラム2の形状
は、正方形や長方形の四角形に限ることなく、他の多角
形であってもよい。密に並べるには、三角形の要素ホロ
グラム2を隣どうしで上下が逆になるように並べてもよ
いし、六角形の要素ホログラムであれば、図1(b)に
示したように、上下の行で、横方向に半ピッチずつずら
せばよい。あるいは、要素ホログラム2を八角形のもの
と八角形の一辺と同じ辺の長さを持つ正方形とで構成す
れば異なる形の二種類の要素ホログラムの組で、密な配
列ができる。
【0014】本発明の計算機ホログラム1は、特に大き
さが限定されるものではないが、例えば、縦横の大きさ
が1cm程度から数十cm程度のものであり、また、各
要素ホログラム2は、上記したようないずれの形態であ
るにせよ、例えば、数十μmから1mm程度のものであ
る。一例として、5cm×5cmの大きさの計算機ホロ
グラム1の場合、要素ホログラム2が250μm×25
0μmの大きさとすると、要素ホログラム2の大きさは
計算機ホログラム1全体の1/40,000である。な
お、本発明の計算機ホログラム1においては、要素ホロ
グラム2を密に並べられたとは、必ずしも隙間無く密着
して並べられてなくても、実質上、接近して配置された
状態であれば、密に並べられたものとする。
【0015】本発明の計算機ホログラム1における要素
ホログラム2は、(1)特開平11−187316号に
基づいて得られた計算機ホログラム、もしくは(2)特
開平11−296054号に基づいて得られた計算機ホ
ログラム、または(3)これら(1)、もしくは(2)
の計算機ホログラムを前提とし、特願2000−159
914号に基づいて得られる、所望の観察領域で白色に
観察可能な計算機ホログラムである。まず、(1)、も
しくは(2)の計算機ホログラムを説明する。
【0016】まず、特開平11−187316号に基づ
いて得られた計算機ホログラムは、2次元的にアレー状
に配置された微小なセルの集合体からなるもので、各セ
ルは各々が反射光もしくは入射光に対して独自の位相を
与える光路長を有しており、かつ、垂直に入射する光束
を所定の観察域内に実質的に回折し、その観察域外には
実質的には回折しないような第1の位相分布と、斜めか
ら所定の入射角で入射する光束を垂直に出射するような
第2の位相分布とを加算して得られる位相分布を有して
いるものである。
【0017】ここで、第1の位相分布は、ホログラム面
に垂直に平行光で照明した場合に所定の観察域へのみ光
を回折する計算機ホログラムの位相分布であり、図3
(a)に例示したような位相分布φHOLOのものである。
また、第2の位相分布は、背後から入射角θで入射した
光を正面方向へ回折する位相回折格子の位相分布であ
り、図3(b)中、破線で示すような位相分布を、デジ
タルな階段状の関数に近似した位相分布φGRATである。
これら二つの位相分布φHOLO、およびφGRATを加算した
ものが、図3(c)に示すような特開平11−1837
16号公報記載の計算機ホログラムの位相分布φであ
り、この位相分布φを有する計算機ホログラムは、背後
から斜めに入射角θで入射した光を所定の前方の観察域
へ回折する計算機ホログラムである。
【0018】なお、一般に計算機ホログラムを求めるに
は、次のようにする。今、あるホログラムを想定し、そ
れからの再生距離がホログラムの大きさにくらべて十分
大きく、ホログラム面に垂直に平行光で照明した場合、
再生像面で得られる回折光は、ホログラム面での振幅分
布、および位相分布のフーリエ変換で表される(フラウ
ンホーファー回折)。
【0019】そこで、従来、再生像面に所定の回折光を
与えるために、ホログラム面と再生像面との間で束縛条
件を加えながら、フーリエ変換と逆フーリエ変換を交互
に繰り返しながら、ホログラム面に配置する計算機ホロ
グラムを求める方法が、Gerchberg−Saxt
on反復計算法として知られている。ここで、ホログラ
ム面での光の分布をh(x,y)、再生像面での光の分
布をf(u,v)とすると、各々は次の式(1)、およ
び(2)で書ける。 h(x,y)=AHOLO(x,y)exp(iφHOLO(x,y)) (1) f(u,v)=AIMG (u,v)exp(iφIMG (u,v)) (2) 上記において、AHOLO(x,y)はホログラム面での振
幅分布、φHOLO(x,y)はホログラム面での位相分布
であり、AIMG (u,v)は再生像面での振幅分布、φ
IMG u,v)は再生像面での位相分布である。上記のフ
ーリエ変換、および逆フーリエ変換は次の式(3)、お
よび(4)のようになる。
【0020】
【式1】
【0021】このGerchberg−Saxton反
復計算法を利用して、背後からホログラム面に垂直に平
行光で照明した場合に所定の観察域へのみ光を回折する
計算機ホログラムを得ることを考える。ここで、今後の
議論を分かりやすくするため、ホログラム面での振幅分
布AHO LO(x,y)をAHOLO、ホログラム面での位相分
布φHOLO(x,y)をφHOLO、再生像面での振幅分布A
IMG (u,v)をAIMG 、再生像面での位相分布φIM G
(u,v)をφIMG で表現する。
【0022】図5は、このためのフローチャートであ
り、ステップで、図6中のホログラム面領域x0 ≦x
≦x1 、y0 ≦y≦y1で、ホログラムの振幅AHOLO
1に、ホログラムの位相φHOLOをランダムな値に初期化
して、ステップで、その初期化した値に上記式(3)
のフーリエ変換を施す。ステップで、フーリエ変換で
得られた再生像面での振幅AIMG が所定の領域、例えば
0 ≦u≦u1 、v0 ≦v≦v1 内でほぼ一定値にな
り、その所定領域外でほぼ0になったと判断された場合
は、ステップで初期化した振幅と位相が所望の計算機
ホログラムとなる。
【0023】ステップでこのような条件が満足されな
いと判断された場合は、ステップで束縛条件が付与さ
れる。具体的には、上記の所定領域内では再生像面での
振幅AIMG は例えば1にされ、その外では0にされ、再
生像面での位相φIMG はそのままに維持される。そのよ
うな束縛条件が付与された後、ステップで、上記式
(4)のフーリエ逆変換が施される。そのフーリエ逆変
換で得られたホログラム面での値は、ステップで束縛
条件が付与され、振幅AHOLOは1にされ、位相φ HOLO
多値化(元の関数をデジタルな階段状の関数に近似(量
子化))される。なお、位相φHOLOが連続的な値を持っ
てもよい場合は、この多値化は必ずしも必要ない。
【0024】そして、ステップでその値にフーリエ変
換が施され、ステップで、フーリエ変換で得られた再
生像面での振幅AIMG が所定の領域、例えばu0 ≦u≦
1、v0 ≦v≦v1 内でほぼ一定値になり、その所定
領域外でほぼ0になったと判断された場合は、ステップ
で束縛条件が付与された振幅と位相が所望の計算機ホ
ログラムとなる。ステップでこのような条件が満足さ
れないと判断された場合は、ステップ→→→→
のループがステップの条件が満足されるまで(収束
するまで)繰り返され、最終的な所望の計算機ホログラ
ムが得られる。
【0025】ここで、ステップで、再生像面で振幅A
IMG がほぼ所定の値に収束したと判断する評価関数とし
ては、例えば次のような式(5)を用いる。ただし、
u,vに関するΣ(和)は、u0 ≦u≦u1 、v0 ≦v
≦v1 内のホログラムのセルにおける値の和を取ること
を意味し、〈AIMG (u,v)〉はそのセル内における
理想的な振幅である。この(評価関数)が例えば0.0
1以下になることをもって収束したと判断する。この
他、評価関数としては、計算ループの反復の前回の振幅
の値と今回の値の差を用いた次のような式(6)を用い
ることもできる。ここで、AIMG i-1は前回の振幅の
値、AIMG iは今回の振幅の値である。
【0026】
【式2】
【0027】このようにして求めた位相分布から、実際
のホログラムの深さ分布を求める。深さ分布の求め方
は、ホログラムを反射型で用いるときと、透過型で用い
るときとで異なり、反射型の場合には、式(7a)によ
り、また、透過型の場合には、式(7b)によって,図
3(c)のφ(下記式中ではφ(x,y))を、計算機
ホログラムの深さD(下記式中ではD(x,y))に変
換を行なう。 D(x,y)=λφ(x,y)/(4π) ・・・(7a) D(x,y)=λφ(x,y)/{2π(n1−n0)} ・・・(7b) ここで、(x,y)はホログラム面における位置を示す
座標、λは基準波長、n1、およびn0は、透過型のホロ
グラムを構成する二つの材質の屈折率であって、二つの
屈折率のうち、大きい方がn1であり、小さい方がn0
ある。
【0028】後にも説明するように、上記の式(7
a)、および(7b)により、縦横のサイズがΔの微小
セル毎に求めた深さD(x,y)のレリーフパターンを
ホログラム形成用の樹脂層の表面に形成し、所定の反射
性層を積層することにより、効果を高めたホログラムと
して使用することができる。このΔは、例えば、露光光
の送りピッチに相当する。
【0029】次に、特開平11−296054号に基づ
いて得られた計算機ホログラムは、やはり2次元的にア
レー状に配置された微小なセルの集合体からなるもの
で、各セルは各々が反射光もしくは入射光に対して独自
の位相を与える光路長を有しており、かつ、斜めから所
定の入射角で入射する光束を所定の観察域内に実質的に
回折し、その観察域外には実質的には回折しないような
位相分布であり、かつ、垂直に入射する光束を前記の所
定の観察域の位置がシフトした別の領域内に実質的に回
折し、その別の領域外には実質的には回折しないような
位相分布を有しているものである。
【0030】即ち、まず、背後からホログラム面に垂直
に平行光で照明した場合に、再生像面での振幅分布A
IMG(u,v)をほぼ一定にする領域を、u0≦u≦
1、v0≦v≦v1でなく、それからシフトしたu0’≦
u’≦u1’、v0’≦v’≦v1’の範囲に指定し、そ
の領域外ではほぼ0になるような計算機ホログラムを設
計する((u,v)は再生像面での座標)。即ち、図4
(a)に示すように、平行な照明光3’が垂直に入射す
る場合に、再生像面4のu0’≦u’≦u1’、v0’≦
v’≦v1’の範囲にのみ光を回折する計算機ホログラ
ム1を設計する。
【0031】計算機ホログラム1の位相分布φ
HOLO(x,y)を回折格子であるとすると、計算機ホロ
グラム1による回折は、回折格子の基本式である次式
(8)で表される。 sinθd−sinθi=mλ/d ・・・(8) ここで、mが回折次数、dは回折格子のピッチ、λは波
長、θiは入射角、およびθdは回折角である。設計条件
から、θi=0、α0’≦θd≦α1’である。ここで、α
0’は入射位置から再生像面4のu0’の位置へ回折する
角度、α1’はu1’の位置へ回折する角度である。
【0032】このような計算機ホログラム1に入射角θ
で斜めに平行な照明光3が入射する場合を図4(b)に
示す。先の回折格子の基本式(2)から、この場合は、
θi=θとなり、図示の場合を正とすると、回折角θd
範囲α0≦θd≦α1は、α0’≦θd≦α1’より小さい方
にシフトすることになり、図4(b)に示すように、再
生像面4での回折範囲u0≦ud≦u1(ただし、u0は入
射位置から回折角α0で回折光が再生像面4へ入射する
位置、u1は回折角α1で入射する位置)を計算機ホログ
ラム1のほぼ正面方向とすることが可能である。なお、
v方向についても同様である。
【0033】従って、特開平11−296054号に基
づいて得られた計算機ホログラム1は、背後からホログ
ラム面に垂直に平行光を入射させた場合に、前方の所定
の観察域(u0≦u≦u1、v0≦v≦v1)から位置がシ
フトした前方の別の領域(u 0’≦u’≦u1’、v0
≦v’≦v1’)へ回折する計算機ホログラムであっ
て、その背後からホログラム面に斜めに平行光を入射さ
せた場合に、前方の所定の観察域(u0≦u≦u1、v0
≦v≦v1)へ回折する計算機ホログラムである。
【0034】この場合も、求めた位相分布φHOLO(x,
y)から、実際のホログラムの深さ分布を求めるが、反
射型の場合には、前記した式(7a)により、また、透
過型の場合には、前記した式(7b)によって行ない、
縦横のサイズがΔの微小セル毎に求めた深さD(x,
y)のレリーフパターンをホログラム形成用の樹脂層の
表面に形成し、所定の反射性層を積層することにより、
効果を高めたホログラムとして使用することができるこ
とは、特開平11−183716号公報に基づく計算機
ホログラムと同様である。
【0035】以上における計算機ホログラム1の位相分
布の計算自体は、知られた手法を用いて行なうもので、
上記のほかにも、例えば、特開昭47−6591号公報
に記載の手法を用いることが出来る。また、位相分布を
最適化する手法を必要に応じて適用してもよく、遺伝的
アルゴリズム、もしくはシミュレーテッド・アニーリン
グ法(焼きなまし法)等を適用できる。
【0036】次に、特願2000−159914号に基
づいて得られる所望の観察領域で白色に観察可能な計算
機ホログラムとは、所定の入射角で入射した所定の基準
波長の入射光を特定の角度範囲に拡散し、前記入射角で
入射した0次透過光または0次反射光に対して、前記基
準波長を含み加法混色した場合に見える波長範囲の最短
波長の前記入射角の入射光の最大回折角が、その波長範
囲の最長波長の前記入射光の最小回折角よりも大きくな
るよう構成されているものである。以下の説明では、説
明が冗長にならないよう透過型の計算機ホログラムにつ
いて説明するが、反射型の計算機ホログラムについても
同様である。
【0037】図7に、観察領域が狭く設定されている場
合の、計算機ホログラム1の波長による観察領域の変化
の様子を概念的に示す。照明光の基準波長λSTDが最短
波長λMINと最長波長λMAXとの間にあるものとし、その
基準波長λSTDについて計算機ホログラム1が設計され
ている。図7(a)に示すように、基準波長λSTD
て、ある斜めの角度θ(角度は、ホログラム1の法線か
らの角度で、左回りの角度を正とする。)で入射した照
明光3が正面付近の角度範囲β1STD〜β2STD(添字1は
最小回折角、添字2は最大回折角とする。なお、最小回
折角は、0次透過光に対して最小の角度をなす回折光の
回折角、最大回折角は、0次透過光に対して最大の角度
をなす回折光の回折角である。)内に回折光5STDとし
て広がるように設定されている場合、同じ斜めの入射角
θで最短波長λMINの照明光3を入射すると、計算機ホ
ログラム1は位相回折格子の集合と考えられるので、図
7(a)に示すように、回折光5MINが入射する観察領
域(角度範囲β1MIN〜β2MIN)は基準波長λSTDの場合
よりも下側(0次透過光)にずれる。また、同じ斜めの
入射角θで最長波長λMAXの照明光3を入射すると、図
7(c)に示すように、回折光5MAXが入射する観察領
域(角度範囲β1MAX〜β2MAX)は基準波長λSTDの場合
よりも上側(0次透過光側とは反対側)にずれる。な
お、上記のように回折光の分布をするのは、ホログラム
1の法線と照明光3が含まれる平面内であり、ホログラ
ム1の法線を含みその平面に直交する面内では、照明光
3の両側に回折光が分布する場合を考えている。
【0038】さて、このとき、図8に示すように、各回
折光5MIN、5STD、および5MAXの全てが重なる部分が
ないため、すべての波長を同時に観察可能で波長範囲λ
MIN〜λSTD〜λMAXが可視光域の場合には、白色に観察
できる領域は存在せず、観察位置(角度)によって観察
される色が変わってしまう。
【0039】図9に、観察領域が広く設定されている場
合の、計算機ホログラム1の波長による観察領域の変化
の様子を概念的に示す。この場合も、図7に示す観察領
域が狭い場合と同様、最短波長λMINや最長波長λMAX
入射した場合、(図9(b)、図9(c))、観察領域
(角度範囲β1 MIN〜β2MIN、β1MAX〜β2MAX)は基準波
長λSTDの場合とくらべ、それぞれ下側、上側にずれ
る。しかし、観察範囲が広いので、図10に示すよう
に、回折光5 MIN、5STD、および5MAXの全てが重なる
正面付近6(角度範囲β1MAX〜β2MIN)で観察した場
合、すべての波長を同時に観察することが可能である。
従って、このような領域内を観察者が移動する限り、観
察される色の変化はほとんど感じられない。
【0040】このように想定したすべての波長が観察可
能な領域6が存在するための条件は、図10から明らか
なように、想定した波長範囲の最短波長λMINの最大回
折角β2MINが最長波長λMAXの最小回折角β1MAXよりも
大きいことである。0次透過光に対して回折光5MIN
STD、および5MAXが図7〜図10のとは反対側に分布
する場合は、この関係は逆転するので、0次透過光を基
準にすると、0次透過光に対してなす最短波長λMIN
最大回折角β2MINが最長波長λMAXの最小回折角β1MAX
よりも大きいことと言うことが言える。
【0041】すべての波長が重なって白色に観察可能な
ためには、λMIN=450nm、λM AX=650nmとす
れば十分である。従って、少なくとも最短波長λMIN
450nmの最大回折角度β2MINが最長波長λMAX=6
50nmの最小回折角β1MAXよりも大きい計算機ホログ
ラム1においては、領域6内で観察する限り、色の変化
がなく白色に観察可能である。
【0042】以上から、ある観察領域で、所望の全ての
波長を観察したい場合、以下の手順で基準波長λSTD
観察領域λ1STD〜λ2STDを決定すればよいことが分か
る。 (ア)再生用の照明光3の入射角θを決める。 (イ)白色に見える所望の観察角度範囲6を決める。す
なわち、最小回折角γ1(=β1MAX)〜最大回折角γ
2(=β2MIN)を決める。ここで、最小回折角γ1、最大
回折角γ2は、0次透過光に対してなす最小、最大の角
度をなす回折角であり、図7〜図10の分布の場合に
は、θ<γ1≦γ2の関係にあり、図7〜図10のとは反
対に光が分布する場合には、θ>γ1≧γ2の関係にあ
る。 (ウ)所望の観察波長を決める(最短波長λMIN〜最長
波長λMAX)。 (エ)基準波長λSTDをλMIN≦λSTD≦λMAXの範囲で決
める。 (オ)回折格子の基本式(8)に基づいて、以下の式
(9)を用いて、最小回折角γ1、最長波長λMAXから、
基準波長λSTDにおける最小回折角β1STDを求める。 (sinγ1−sinθ)/λMAX=(sinβ1STD−sinθ)/λSTD sinβ1STD=sinθ+(sinγ1−sinθ)×λSTD/λMAX ・・・(9) (カ)同様に、回折格子の基本式(8)に基づいて、以
下の式(10)を用いて、最大回折角γ2、最短波長λ
MINから、基準波長λSTDにおける最大回折角β2ST Dを求
める。 (sinγ2−sinθ)/λMIN=(sinβ2STD−sinθ)/λSTD sinβ2STD=sinθ+(sinγ2−sinθ)×λSTD/λMIN ・・・(10)
【0043】そして、照明光の入射角θ、基準波長λ
STDにおいて、最小回折角β1STDと最大回折角β2STD
なるように、計算機ホログラム1を特開平11−183
716号、または特開平11−296054号に基づい
て作製することにより、再生用の照明光3の入射角θに
対して、観察角γ1〜γ2の範囲で波長λMIN〜λMAXが観
測可能で白色に見える拡散ホログラムが得られる。以上
は、照明光の所望の入射角θ、回折範囲γ1〜γ2、波長
範囲λMIN〜λMAXを与えたときの、計算に用いる回折角
度範囲β1STD〜β2STDの求めかたである。
【0044】一方、基準波長λSTD、照明光の入射角θ
に対して、最小回折角β1STD、最大回折角β2STDが与え
られたときに、波長範囲λMIN〜λMAXの光を同時に観察
可能で白色に見える領域が存在するための条件は、最長
波長λMAXの最小回折角β1MA X=γ1と、最短波長λMIN
の最大回折角β2MIN=γ2とを用いて、以下のように与
えられる。
【0045】(1)回折光が0次透過光に対して正の側
に存在する場合(図7〜図10)、 γ2≧γ1 sinγ2≧sinγ1 式(9)と式(10)を用いると、 sinθ+(sinβ2STD−sinθ)×λMIN/λSTD
≧sinθ+(sinβ1STD−sinθ)×λMAX/λ
STD (sinβ2STD−sinθ)/λMIN≧(sinβ1STD
−sinθ)×λMAX sinβ2STD>sinθであるから、 λMIN/λMAX≧(sinβ1STD−sinθ)/(sinβ2STD−sinθ) ・・・(11)
【0046】(2)回折光が0次透過光に対して負の側
に存在する場合(図7〜図10のとは反対)、 γ2≦γ1 sinγ2≦sinγ1 式(9)と式(10)を用いると、 sinθ+(sinβ2STD−sinθ)×λMIN/λSTD
≦sinθ+(sinβ1STD−sinθ)×λMAX/λ
STD (sinβ2STD−sinθ)/λMIN≦(sinβ1STD
−sinθ)×λMAX sinβ2STD<sinθであるから、 λMIN/λMAX≧(sinβ1STD−sinθ)/(sinβ2STD−sinθ) ・・・(11) 従って、式(11)は回折光が正の側、負の側のいずれ
のときも成り立つ式である。
【0047】この式(11)は、照明光の入射角θ、所
望の観察波長範囲λMIN〜λMAXを設定したときに、ある
基準波長λSTDにおける回折角度範囲β1STD〜β2STD
この式(11)を満足するように設定すれば、所望の観
察波長範囲λMIN〜λMAX全てを同時に観察可能な範囲γ
1〜γ2が存在することを意味している。
【0048】また、式(11)を変形すると、 sinθ ≧λMAXsinβ1STD−λMINsinβ2STD)/(λMAX−λMIN) ・・・(12) となる。この式(12)は、所望の観察波長範囲λMIN
〜λMAX、ある基準波長λSTDにおける回折角度範囲β
1STD〜β2STDを与えたときに、この式(12)を満足す
るような照明光の入射角θを設定した場合にのみ、所望
の観察波長範囲λMIN〜λM AX全てを同時に観察可能な範
囲γ1〜γ2が存在することを意味している。
【0049】なお、以上では、計算機ホログラム1の法
線と照明光3が含まれる平面内についてのみ考えたが、
計算機ホログラム1の法線を含みその平面に直交する面
内では、照明光の両側に回折光が分布することを前提に
しているので、この面内の方向においては、最短波長λ
MINでの分布範囲が白色に観察できる領域であり、その
範囲は基準波長λSTDでの観察領域を上記と同様に変換
できることにより求められる。
【0050】上記の計算機ホログラム1を所望の観察領
域で白色に観察可能とする手法は、単独で用いるほか、
前述した特開平11−187316号に基づく、背後か
ら斜めに入射角θで入射した光を所定の前方の観察域へ
回折する計算機ホログラムに適用してもよく、もしくは
特開平11−296054号に基づく、背後から斜めに
入射角θで入射した光を前方の所定の観察域へ回折する
と共に、垂直に入射した光を前記の所定の観察域の位置
がシフトした別の領域へ回折する計算機ホログラムに適
用してもよい。
【0051】本発明においては、前述したように、式
(7a)、および(7b)により、例えば、縦横のサイ
ズがΔの微小セル毎に深さD(x,y)が求められるの
で、この演算結果に基づいて、具体的な計算機ホログラ
ム1を得るか、もしくはそのような計算機ホログラム1
を所要枚数、複製する。
【0052】図11(a)〜(d)は、計算機ホログラ
ム1を複製するのに好ましい、凹凸型を基板に形成する
方法の一例を示す図であり、半導体回路製造用のフォト
マスクを製造する工程を利用することが出来、フォトマ
スクブランク、描画装置であるレーザー描画装置、電子
線描画装置を利用することが出来る。これらの描画装置
を使用する場合において、計算機ホログラム1が、要素
ホログラム2の同じ物が配列したものであるときは、描
画装置に要素ホログラム2のデータと配列に必要な縦横
等のピッチを与えることにより、描画装置のデータ処理
の負担を大幅に軽減でき、また、要素ホログラム2のデ
ータを得る演算についても、計算機ホログラム1全体に
ついての演算にくらべ、負担の大幅な軽減が図れる。前
に例示したように、計算機ホログラム1が5cm×5c
mの大きさであり、要素ホログラム2の大きさが250
μm×250μmである場合には、要素ホログラム2に
関するデータは計算機ホログラム1全体のデータにくら
べて、面積比で言うと1/40,000になるからであ
る。
【0053】まず、15cm×15cm、厚み6.4m
mの合成石英等の基板11上に表面低反射クロム薄膜1
2を積層したフォトマスクブランク板10のクロム薄膜
12上に、ドライエッチング耐性のあるレジスト(図示
の例ではポジ型)層13を、例えば400nm程度の厚
みの薄膜状に形成する。ドライエッチング用レジストと
しては、一例として、日本ゼオン(株)製、ZEP70
00等が使用でき、レジストの積層は、スピンナー等に
よる回転塗付によって行なう。このレジスト層13に対
し、パターン露光を行なうが、パターン露光はパターン
14を用いる以外に、レーザー描画装置、もしくは電子
線描画装置を用いることにより、レーザービーム、もし
くは電子ビームを走査することによっても行なう。例え
ば、ETEC社製の電子線描画装置「MEBES450
0」を使用する。
【0054】露光によりレジスト樹脂が硬化した易溶化
部分13b、および未露光部分13aとが区画形成され
るので、現像液を噴霧して行なうスプレー現像等によっ
て、溶剤現像して易溶化部分13bを除去し、レジスト
パターン13aを形成する。なお、レジストとしては、
ネガ型を使用することも出来、現像は現像液への浸漬に
よっても行なえる。また、以降の工程ではドライエッチ
ング以外に、浸漬によるウェットのエッチングも行なえ
るので、使用するレジストとしては、ドライエッチング
耐性のあるレジストには限らない。
【0055】形成されたレジストパターン13aを利用
して、ドライエッチングにより、レジストで被覆されて
いない部分のクロム薄膜12をエッチングして除去し、
除去した部分において、下層の石英基板を露出させる。
次いで、露出した石英基板に対して、同様にドライエッ
チングを施して、石英基板をエッチングし、エッチング
の進行により生じた凹部15と、クロム薄膜12および
レジスト薄膜13aとが下から順に被覆している石英基
板の元の部分からなる凸部とを形成する。この後、レジ
スト薄膜を溶解等により除去し、石英基板がエッチング
されて生じた凹部15と、頂部にクロム薄膜12が積層
した積層した部分からなる凸部16とを有する石英基板
を得る。
【0056】以上の方法のみでは、凸部と凹部の、言わ
ば2値的(高低の2段、深さとしては、元の石英基板の
表面に加えて、もうひとつのレベルの面が生じる。)の
ものしか得られないが、上記で得られたものに対し、レ
ジストの形成→パターン露光→レジストの現像→クロム
薄膜のドライエッチング→石英基板のドライエッチング
→レジスト除去からなる、フォトエッチングの工程を繰
り返すことにより、1回目のフォトエッチングにより生
じた凹部、および凸部に対してフォトエッチングを施す
ことができ、エッチングの深さを制御することにより、
元の石英基板の表面に加えて、さらに三種類のレベルの
面が生じ、元の石英基板の表面も加えて数えれば4段の
段数が生じる。このとき、レジストとしては、ドライエ
ッチング耐性を有するノボラック樹脂系のi線レジスト
を使用し、465nm程度の薄膜とし、露光は、例えば
描画装置としてALTA3500を使用して行なう。
【0057】図12は、上記のフォトエッチングの工程
の繰り返し回数と生じる段差の数を示す図で、図12
(a)は一回の工程で段数2が生じている様子を示す。
図12(a)における上下、各々の段に再度上記工程が
繰り替えし適用されることにより、図2(b)に示すよ
うに、最大で段数4が生じており、さらに、工程を繰り
返しし、合計3回の工程の繰り返しにより、最大で段数
8が生じる。従って、フォトエッチングの回数n(自然
数)に対し、最大で2のn乗の段数が生じるので、凹凸
型の精度、得られる計算機ホログラム1の性能にもよる
が、2のn乗、即ち、2、4、8、16、・・・のよう
な段数と、フォトエッチングの回数nとの関係を考慮し
て製造工程の諸元を決めるとよい。2のn乗の段数より
1だけ増加しても、フォトエッチングの回数が1回増加
するので、好ましくは、上記の2のn乗の段数か、それ
らよりも少ない段数とするのがよい。このようにして、
所定の段数を得た後、クロム薄膜をウェットエッチング
により除去し、石英基板表面に所定の段数の深さの凹凸
が形成された計算機ホログラム1の凹凸型を得る。
【0058】本発明の計算機ホログラム1は、位相分布
のデータを再現するには、再度の演算を行なえばよいと
は言え、演算の手間もあり、また凹凸型に使用の際に、
突然に汚染したり、破損する等の事故もあり得る。そこ
で、この種の凹凸型を用いる生産においては、最初に得
られる型から、1個ないし、ごく少ない数の複製型を作
り、この複製型から、生産用の型を必要数作製して、生
産に使用するのがよい。なお、凹凸型の耐久性を増すに
には、凹凸型の型面にめっきを行なって剥がして作る金
属めっき型を使用することが好ましい。なお、凹凸型の
製造は、適当な基板に対し、ダイヤモンド針等で機械彫
刻することによっても行なうことができる。
【0059】凹凸型(好ましくは上記の生産用の型)を
使用して計算機ホログラム1を複製する方法としては、
図13(a)に示すような凹凸型20を加熱により軟化
する樹脂層に凹凸型を押し付ける方法、インジェクショ
ン法、もしくはキャスティング法が利用でき、これら方
法に使用する樹脂としては、熱可塑性、熱硬化性のいず
れも使用できる。工業的には、好ましくは紫外線硬化性
樹脂を含む未硬化樹脂組成物を凹凸型20の型面(図1
3(a)の下面)に接触させ、樹脂組成物の反対側に基
材となるプラスチックフィルムをラミネートして、樹脂
組成物を凹凸型とプラスチックフィルムとの間にサンド
イッチした状態で、紫外線を照射する等して硬化させ、
凹凸型の型面の凹凸が付与され硬化した樹脂層からなる
ホログラム層22をプラスチックフィルム23ごと積層
体21として剥がす方法によるのがより効率的である
(図13(b))。このプラスチックフィルム23は、
樹脂組成物の硬化後、都合により剥がしてもよい(図1
3(c))。
【0060】紫外線硬化性樹脂としては、一例として、
不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステ
ル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、
メラミン(メタ)アクリレート、もしくはトリアジン系
アクリレート等などの熱硬化性樹脂、もしくはこれらに
ラジカル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性と
したものなどを使用することができる。
【0061】また、基材となるプラスチックフィルム2
3としては、透明性、および平滑性が高いものが好まし
く、厚さ1μm〜1mm、好ましくは10μm〜100
μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロー
スフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム
等が例示できる。
【0062】図13に示すように、凹凸型20から複製
されたホログラムの凹凸を有する積層体21は、そのま
までも用いることができるが、さらに光反射機能を向上
させるため、光反射性層24を積層して使用することが
好ましく、ホログラム層22の凹凸面に積層するか(図
13(d))、反対側であるプラスチックフィルム23
の下面に積層する。あるいは、図13(c)に示すよう
に、プラスチックフィルムを伴なわない場合ホログラム
22の非凹凸面(図13(e)参照)に積層してもよ
い。光反射性層24としては、光不透過性の金属薄膜等
の金属反射層(膜厚がごく薄い場合は透明性を帯び
る。)か、もしくは光透過性で、ホログラム層とは光の
屈折率が異なる、いわゆる透明反射層の二通りがある。
【0063】金属反射層は、Cr、Fe、Co、Ni、
Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、Pb、C
d、Bi、Sn、Se、In、Ga、もしくはRb等の
金属、またはそれらの酸化物、もしくはそれらの窒化物
を単独で、もしくは組合わせて形成する。これらのうち
では、Al、Cr、Ni、Ag、もしくはAu等が特に
好ましい。金属薄膜で光反射性層を形成するときは、真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法
などの薄膜形成法による。また、厚さが200Å以下の
場合には、光の透過率が比較的小さいため、透明であり
ながら光反射性層として使用することができる。
【0064】光反射性層の材質としては、ホログラム層
22とは屈折率の異なる物質の連続薄膜も挙げられる。
連続薄膜の膜厚は、薄膜を形成する材料の透明領域であ
ればよいが、通常は100〜1000Åが好ましい。連
続薄膜をレリーフ面に形成する方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの
薄膜形成法が挙げられる。連続薄膜は、その屈折率がホ
ログラムs22より大きくても小さくてもよいが、屈折
率の差が0.3以上あることが好ましく、差が0.5以
上、更には1.0以上あることがより好ましい。
【0065】ホログラム層22より屈折率が大きい連続
薄膜としては、ZnS、TiO2、Al23 、Sb2
3 、SiO、TiO、SiO2 などが挙げられる。光
回折構造層より屈折率が小さい連続薄膜としては、Li
F、MgF2 、AlF3 などが挙げられる。更に、光回
折構造層とは屈折率の異なる透明な合成樹脂、例えば、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロ
エチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリメチルメタクリレートの層を光反射性層に用
いることもできる。
【0066】なお、光反射性層を金属反射層として形成
する場合、形成した金属反射層(それ自身は光不透過
性)にレーザー描画等の適宜は方法により、微細な孔を
無数に開口させることにより、光反射性がありながら、
光透過性をも確保することができ、このようなものを適
用してもよい。
【0067】本発明の計算機ホログラム1は、図13を
用いて示したように、ホログラム層22単独、ホログラ
ム層22とプラスチックフィルム23とからなるホログ
ラム積層体21、光反射性層24をこれらいずれかの上
面(ホログラムの凹凸のある面)、もしくは下面に積層
したものがあるが、いずれも、表示素子、とりわけ、液
晶表示素子に適用すると効果が高いものである。図14
(a)は、液晶表示素子30の非観察側に計算機ホログ
ラム1を適用した例を示し、液晶表示素子30は、上面
側から、偏光板31、ガラス基板32、透明電極33、
液晶34、透明電極33’、ガラス基板32’、および
偏光板31’が順に積層したものであって、この背面に
計算機ホログラム1を配置したものである。図14
(a)では、ホログラム層22のみからなるものが配置
してあるが、図13(a)〜(d)のいずれのものを配
置してもよい。
【0068】本発明の計算機ホログラム1は、液晶表示
素子に適用する場合、上記における液晶34と、液晶よ
り下にある背面基板との間に適用することもでき、図1
4(b)に示すように、液晶34の下面に光反射性層2
4、およびホログラム層22からなる計算機ホログラム
1を配置することができる。もちろん、配置する計算機
ホログラム1としては、図13(b)〜(e)に示す、
いずれのものを配置することもできる。
【0069】
【発明の効果】
【発明が解決しようとする課題】請求項1の発明によれ
ば、計算機ホログラムが、同じ要素ホログラムを無着色
に並べることにより構成されているので、製造する際
に、演算や凹凸型の製造、特にフォトエッチングの際の
露光に要する時間が短縮できる計算機ホログラムを提供
できる。請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効
果に加え、白色に見える範囲の広い計算機ホログラムを
提供できる。請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明の効果に加え、垂直に入射した光、および斜め
から入射した光の両方が垂直方向に回折可能な計算機ホ
ログラムを提供できる。請求項4の発明によれば、請求
項1または2の発明の効果に加え、斜めから入射した光
を所定の観察域に、また垂直に入射した光をそれとは別
の領域にのみ回折可能な計算機ホログラムを提供でき
る。請求項5の発明によれば、請求項1〜4いずれかの
発明の効果に加え、ホログラム層のみからなるシンプル
な構造の計算機ホログラムを提供できる。請求項6の発
明によれば、請求項5の発明の効果に加え、ホログラム
層が透明基材により支持されているので、強度的にも強
く、また製造時にも、ホログラム層形成用樹脂組成物を
被覆することができ製造が有利に行なえる計算機ホログ
ラムを提供できる。請求項7の発明によれば、請求項1
〜6いずれかの発明の効果に加え、ホログラムがホログ
ラム形成層の表面の凹凸により形成去れているので、凹
凸型の複製により製造効率のよい計算機ホログラムを提
供できる。請求項8または9の発明によれば、請求項7
の発明の効果に加え、光反射性層が積層されているの
で、光回折効果が高い計算機ホログラムを提供できる。
請求項10の発明によれば、請求項1〜9いずれかの計
算機ホログラムと同様な効果を発揮し得る反射板を提供
できる。請求項11または12の発明によれば、請求項
10の反射板の効果が加味された反射型液晶表示素子を
提供できる。請求項13の発明によれば、所望の回折効
果を有するホログラムを計算によって求め、求めた結果
を凹凸に変換して凹凸型を作るのに適した手法を用いて
計算機ホログラムを製造する方法を提供できる。請求項
14の発明によれば、請求項13の発明の効果と同様な
効果を有し、さらに、凹凸型形成する際に、変換によっ
て得られた深度、および段数に応じて効率よく凹凸型を
製造し、計算機ホログラムを製造する方法を提供でき
る。請求項15の発明によれば、請求項13または14
の発明の効果に加え、位相分布を求めるのをホログラム
全体ではなく、一部分である要素ホログラムについて行
ない、求めた位相分布を基板の面方向に繰り返し配列し
た位相分布に基づいて凹凸を形成するので、位相分布、
および深度の計算、並びに凹凸形成が簡素化され、特に
レーザー光や電子ビームを用いる描画機を用いる際の描
画機の演算上の負担を軽減して、短時間で凹凸形成が可
能となり得る計算機ホログラムを製造する方法を提供で
きる。請求項16の発明によれば、請求項13〜15い
ずれかの発明の効果に加え、光反射性層の形成工程が加
わったことにより、光回折効率のよい計算機ホログラム
を製造し得る方法を提供できる。請求項17の発明によ
れば、請求項13〜16いずれかの発明の効果に加え、
段数Lがフォトエッチングの回数nに関し、2のn乗で
あるため、少ないフォトエッチングの回数で、多くの段
数を得ることができて効率的な計算機ホログラムを製造
し得る方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】要素ホログラムの配列からなる計算機ホログラ
ムを示す図である。
【図2】要素ホログラムがホログラムの組合わせからな
るものを示す図である。
【図3】計算機ホログラムの位相分布の例を示す図であ
る。
【図4】観察位置がシフトした状態を説明する図であ
る。
【図5】計算機ホログラムの演算ステップを示すフロー
図である。
【図6】入射光に対する出射光の範囲を説明する図であ
る。
【図7】観察範囲が狭い場合の各波長の回折を個々に説
明する図である。
【図8】観察範囲が狭い場合の各波長の回折を説明する
図である。
【図9】観察範囲が広い場合の各波長の回折を個々に説
明する図である。
【図10】観察範囲が広い場合の各波長の回折を説明す
る図である。
【図11】ホログラムの製造方法を示す図である。
【図12】フォトエッチングの回数と凹凸の段数を説明
する図である。
【図13】凹凸型と複製されたホログラムを示す図であ
る。
【図14】液晶表示素子に適用した状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 計算機ホログラム 2 要素ホログラム 3 入射光 5 出射光 6 観察範囲 11 基板 12 マスク 13 レジスト 20 凹凸型 22 ホログラム層 23 プラスチックフィルム 24 光反射性層 30 液晶表示素子 31 偏光板 32 ガラス基板 33 透明電極 34 液晶
フロントページの続き (72)発明者 児玉 大二郎 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 藤田 浩 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 薮原 英男 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H049 CA00 CA05 CA08 CA15 CA22 CA28 2H091 FA19X FB04 FB08 FC02 FC10 FC16 FC26 FD04 FD12 FD21 LA11 LA30 2K008 AA00 EE04 FF12 FF27 GG01 HH02 HH25

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小な要素ホログラムが平面状に密に並
    べられ、前記要素ホログラムの各々が、反射光または透
    過光に対し同じ位相分布を与える光路長を有しているこ
    とを特徴とする計算機ホログラム。
  2. 【請求項2】 所定の入射角で入射した所定の基準波長
    の入射光を特定の角度範囲に拡散し、前記入射角で入射
    した0次透過光または0次反射光に対して、前記基準波
    長を含み加法混色した場合に白色に見える波長範囲の最
    短波長の前記入射角の入射光の最大回折角が、その波長
    範囲の最長波長の前記入射光の最小回折角よりも大きく
    なるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の計算機ホログラム。
  3. 【請求項3】 前記要素ホログラムの各々が、垂直に入
    射する光束を所定の観察域内に実質的に回折し、その観
    察域外には実質的には回折しないような第1の位相分布
    と、斜めから所定の入射角で入射する光束を垂直に出射
    するような第2の位相分布とを加算して得られる位相分
    布を有していることを特徴とする請求項1または2記載
    の計算機ホログラム。
  4. 【請求項4】 前記要素ホログラムの各々が、斜めから
    所定の入射角で入射する光束を所定の観察域内に実質的
    に回折し、その観察域外には実質的には回折しないよう
    な位相分布であり、かつ、垂直に入射する光束を前記の
    所定の観察域の位置がシフトした別の領域内に実質的に
    回折し、その別の領域外には実質的には回折しないよう
    な位相分布を有していることを特徴とする請求項1また
    は2記載の計算機ホログラム。
  5. 【請求項5】 前記計算機ホログラムは、ホログラムを
    有する樹脂層からなるものであることを特徴とする請求
    項1〜4いずれか記載の計算機ホログラム。
  6. 【請求項6】 前記計算機ホログラムは、ホログラムを
    有する樹脂層が透明基材により支持されたものであるこ
    とを特徴とする請求項5記載の計算機ホログラム。
  7. 【請求項7】 前記計算機ホログラムがホログラム形成
    層の表面の凹凸により形成されていることを特徴とする
    請求項1〜6いずれか記載の計算機ホログラム。
  8. 【請求項8】 前記の凹凸に沿って光反射性層が積層さ
    れていることを特徴とする請求項7記載の計算機ホログ
    ラム。
  9. 【請求項9】 前記ホログラム形成層の前記凹凸が形成
    されているのとは反対側の露出面に光反射性層が積層さ
    れていることを特徴とする請求項7記載の計算機ホログ
    ラム。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれか記載の要件を有
    することを特徴とする計算機ホログラムを用いた反射
    板。
  11. 【請求項11】 液晶表示装置の背面に請求項10記載
    の計算機ホログラムが配置されていることを特徴とする
    反射型液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 液晶表示装置の液晶層と背面基板との
    間に請求項10記載の計算機ホログラムが配置されてい
    ることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 入射光が回折した回折光が出射する範
    囲を定義し、前記の定義された範囲に出射するためのホ
    ログラムの位相分布を求め、得られた前記位相分布を量
    子化してホログラムの凹凸の量子化された深度を求め、
    得られた前記深度に基づいて、フォトエッチングにより
    基板に凹凸を形成して凹凸型を得た後、前記凹凸型を用
    いて樹脂層に型付けを行ない、前記樹脂層の表面にホロ
    グラムの凹凸を形成することを特徴とする計算機ホログ
    ラムの製造方法。
  14. 【請求項14】 入射光が回折した回折光が出射する範
    囲を定義し、前記の定義された範囲に出射するためのホ
    ログラムの位相分布を求め、得られた前記位相分布を量
    子化してホログラムの凹凸の量子化された深度および前
    記深度の段数を求め、得られた前記深度および前記段数
    に応じた所定の回数のフォトエッチングによりエッチン
    グ性基板に凹凸を形成して凹凸型を得た後、前記凹凸型
    を用いて樹脂層に型付けを行ない、前記樹脂層の表面に
    ホログラムの凹凸を形成することを特徴とする計算機ホ
    ログラムの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記位相分布を求めるのは、ホログラ
    ムを構成する微小な要素ホログラムについて行ない、ま
    た、前記凹凸の形成は、前記要素ホログラムの位相分布
    を前記基板の面方向に繰り返し配列した位相分布に基づ
    いて行なうことを特徴とする請求項13または14記載
    の計算機ホログラムの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記樹脂層上に形成された前記凹凸に
    沿って、もしくは前記樹脂層の前記凹凸が形成されてい
    るのとは反対側に、光反射性層を積層することを特徴と
    する請求項13〜15いずれか記載の計算機ホログラム
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 nをフォトエッチングの回数とすると
    き、前記凹凸の深度の段数Lが、2のn乗であることを
    特徴とする請求項13〜16いずれか記載の計算機ホロ
    グラムの製造方法。
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