JP2016200822A - 光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム - Google Patents
光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016200822A JP2016200822A JP2016117677A JP2016117677A JP2016200822A JP 2016200822 A JP2016200822 A JP 2016200822A JP 2016117677 A JP2016117677 A JP 2016117677A JP 2016117677 A JP2016117677 A JP 2016117677A JP 2016200822 A JP2016200822 A JP 2016200822A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- layer
- hologram
- screen
- diffraction efficiency
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
- Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
- Holo Graphy (AREA)
- Projection Apparatus (AREA)
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
Abstract
【課題】 透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させ観察することが可能なホログラム、光透過性反射板、スクリーン、及び投影システムを提供する。【解決手段】 光透過性反射板は、凹凸部を有し、一方側から所定の角度で入射した所定の波長範囲の白色光を反射拡散し、他方側から所定の角度で入射した所定の白色光を透過し、透過光に対する拡散性が反射光に対する拡散性よりも低い1枚の凹凸構造層と、凹凸構造層の凹凸部に形成され、凹凸構造層よりも光屈折率の高いまたは低い無色透明な透明反射層と、凹凸構造層の凹凸部を埋めるように配置される拡散性低下層と、を備え、拡散性低下層を設けることで、拡散性低下層がない場合と比べて、透過光に対する拡散性が低くなり、使用時に凹凸構造層から離れた距離の物体を透過性高く視認できることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、一方から照射された白色光を透過し、他方から照射された白色光は反射して白色観察可能なホログラム、光透過性反射板、スクリーン、及び投影システムに関するものである。
特許文献1には、体積型ホログラムを用いた透明スクリーンが開示されている
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、体積ホログラムとして高価な感光材料を用いなければならず、また量産時にレーザー光を用いた露光工程が伴い、必ずしも量産性に優れたものとは言えない。また、体積型ホログラムでは、波長選択性という特定の波長だけが強く回折するという特性があり、表示に色がついてしまうという問題がある。
本発明は、透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させ観察することが可能な計算機合成ホログラム、光透過性反射板、スクリーン、及び投影システムを提供することを目的とする。
本発明にかかる一実施形態の光透過性反射板は、
凹凸部を有し、一方側から所定の角度で入射した所定の波長範囲の白色光を反射拡散し、他方側から所定の角度で入射した所定の白色光を透過し、前記透過光に対する拡散性が前記反射光に対する拡散性よりも低い1枚の凹凸構造層と、
前記凹凸構造層の前記凹凸部に形成され、前記凹凸構造層よりも光屈折率の高いまたは低い無色透明な透明反射層と、
前記凹凸構造層の凹凸部を埋めるように配置される拡散性低下層と、
を備え、
前記拡散性低下層を設けることで、前記拡散性低下層がない場合と比べて、前記透過光に対する拡散性が低くなり、
使用時に前記凹凸構造層から離れた距離の物体を透過性高く視認できる
ことを特徴とする。
凹凸部を有し、一方側から所定の角度で入射した所定の波長範囲の白色光を反射拡散し、他方側から所定の角度で入射した所定の白色光を透過し、前記透過光に対する拡散性が前記反射光に対する拡散性よりも低い1枚の凹凸構造層と、
前記凹凸構造層の前記凹凸部に形成され、前記凹凸構造層よりも光屈折率の高いまたは低い無色透明な透明反射層と、
前記凹凸構造層の凹凸部を埋めるように配置される拡散性低下層と、
を備え、
前記拡散性低下層を設けることで、前記拡散性低下層がない場合と比べて、前記透過光に対する拡散性が低くなり、
使用時に前記凹凸構造層から離れた距離の物体を透過性高く視認できる
ことを特徴とする。
本発明にかかる一実施形態の光透過性反射板は、
前記拡散性低下層は、少なくとも接着層または粘着層のうちのいずれか1つである
ことを特徴とする。
前記拡散性低下層は、少なくとも接着層または粘着層のうちのいずれか1つである
ことを特徴とする。
本発明にかかる一実施形態の光透過性反射板は、
前記光透過性反射板
を用いる
ことを特徴とするスクリーン。
前記光透過性反射板
を用いる
ことを特徴とするスクリーン。
本発明にかかる一実施形態の光透過性反射板は、
前記スクリーンと、
前記スクリーンに所定の角度で所定の白色光を出射するプロジェクタと、
を備えることを特徴とする投影システム。
前記スクリーンと、
前記スクリーンに所定の角度で所定の白色光を出射するプロジェクタと、
を備えることを特徴とする投影システム。
本発明のホログラム、光透過性反射板、スクリーン、及び投影システムによれば、透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させ観察することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明にかかるホログラムを含む光透過性反射板のうち、投影システム20に用いるプロジェクタ用スクリーン10として使用した場合について説明する。本実施形態のプロジェクタ用スクリーン10は、窓に貼ったり、商品説明用のショーケースに使用するもので、プロジェクタPから投影した映像を高輝度で観察可能であり、かつ外の景色やショーケースの内部を透過性高く観察可能なスクリーンである。
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ用スクリーンの概念図を示す。
本実施形態の投影システム20に用いるプロジェクタ用スクリーン10(以下、単に「スクリーン」という)は、透明性が高くかつ投影した映像を明確に反射させるものである。そのために、本実施形態のスクリーン10は、反射光に対する回折効率が透過光に対する回折効率よりも高いホログラムから形成される。なお、ホログラムは、表面レリーフホログラム、エンボスホログラム、又は計算機合成ホログラムのいずれでも良いが、以降の実施例では、ホログラムとして、より実用的な計算機合成ホログラム1について記載する。
例えば、スクリーン10は、図1に示すように、窓W等に貼り付けて使用される。通常、スクリーン10の外にある物体Oからの物体光Lo1が拡散せずに透過光Lo2として透過することができるようになっている。すなわち、ホログラムによる回折の影響をあまり受けない。したがって、シースルー性が高く、外の景色を明確に観察することが可能である。
このスクリーン10にプロジェクタPから映像を照射すると、入射光Lpがスクリーン10で反射及び拡散し、反射光Lrが映像となって、観察者Eによって観察される。なお、図1では、プロジェクタPが照射した入射光Lpを直線で示しているが、実際には、プロジェクタPから拡散してスクリーン10に入射し、スクリーン10のそれぞれの箇所で反射する。反射光Lrは、ホログラムの回折機能で所定の範囲に拡散しつつ高輝度に観察することが可能である。
図2は、本実施形態のスクリーン10の概略図を示す。
本実施形態のスクリーン10は、計算機合成ホログラム1と、基材2と、反射層3と、低回折効率層4と、を備える。なお、スクリーン10は、少なくとも計算機合成ホログラム1を有していればよい。計算機合成ホログラム1は、基材2に隣接して配置される。なお、基材層2そのものに熱圧で凹凸をつけ、ホログラム層としてもよい。反射層3は、基材2の反対側で計算機合成ホログラム1上に形成される。低回折効率層4は、計算機合成ホログラム1の反射層3側に形成される。低回折高率層4とは、ホログラムの透過光に対する回折効率を低くするための層である。
すなわち、スクリーン10は、図1に示したプロジェクタP及び観察者E側から順に、低回折効率層4、反射層3、計算機合成ホログラム1と配置され、最も物体O側で基材2が窓W側に配置される。
したがって、図1に示したプロジェクタP等から照射される第1入射光L1が領域A1から低回折効率層4に入射すると、反射光L2が反射層3で反射し、再び低回折効率層4を透過して、領域A1から射出する。なお、第1入射光L1の一部は、透過光L3として領域A2側に射出する。また、図1に示した外の物体Oからの第2入射光L11が領域A2から基材2に入射すると、透過光L12がホログラム形成層1、反射層3、及び低回折効率層4を透過し、領域A1から射出する。なお、第2入射光L2の一部は、反射光L13として領域A2側に射出する。ここで、透過光L3及び反射光L13は、反射型シースルースクリーンのプロジェクタの反射光の見やすさや、外の物体の透過光の見やすさには影響を与えないので、以降は説明を省略する。
なお、スクリーン10は、プロジェクタP及び観察者E側から順に、基材2、計算機合成ホログラム1、反射層3、と配置され、最も物体O側で低回折効率層4が窓W側に配置してもよい。
この場合、図1に示したプロジェクタP等から照射される第1入射光L1が領域A1から基材2に入射すると、ホログラム形成層1を透過し、反射光L2が反射層3で反射し、再びホログラム形成層1及び基材2を透過して、領域A1から射出する。また、図1に示した外の物体Oからの第2入射光L11が領域A2から低回折効率層4に入射すると、透過光L12が反射層3、ホログラム形成層1、及び基材2を透過し、領域A1から射出する。
回折効率ηは、周期性のある構造の場合、スカラー回折理論により、以下の式(1)で求められる。
ただし、φ(x)は位相、
Λは回折格子の格子間隔、
mは回折次数、
iは虚数単位、
Tmは回折効率ηmの平方根、
である。
Λは回折格子の格子間隔、
mは回折次数、
iは虚数単位、
Tmは回折効率ηmの平方根、
である。
位相φは、反射型の場合、以下の式(3)で求められ、透過型の場合、以下の式(4)で求められる。
ただし、n1は計算機合成ホログラム1と低回折効率層4のうち、観察者E側の層の屈折率、
n2は計算機合成ホログラム1と低回折効率層4のうち、観察者Eとは反対側の層の屈折率、
λは光の波長、
zは基準位置からの凹凸深さ、
である。
n2は計算機合成ホログラム1と低回折効率層4のうち、観察者Eとは反対側の層の屈折率、
λは光の波長、
zは基準位置からの凹凸深さ、
である。
基材2は、透明で厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、回折格子記録媒体のシート、ラベル、及び転写シートを製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するものを使用する。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
基材2の厚さは、同様の配慮から、5〜500μm、特に5〜50μmとすることが望ましい。転写シートを形成する際、基材2に、通常用いられる酢酸セルロース樹脂やメタクリル樹脂等からなる剥離層を設けても良い。
計算機合成ホログラム1を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
計算機合成ホログラム1は、複製用原版の型面を上記の樹脂材料に押し付けることによる賦型によって形成する。そして、型面に未硬化の熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を密着させたまま、加熱または電離放射線照射により硬化を行い、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面に精密な回折格子の微細凹凸を形成することができる。なお、計算機合成ホログラム1は、型面から剥離し、剥離後に硬化することによって形成してもよい。
電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、好ましくはポリエチレンワックスを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示できる。具体的には、MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。
計算機合成ホログラム1の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂を主成分とし、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、透明基材上に、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどコーティング方法で塗布し乾燥して、微細凹凸を賦型後に電離放射線で反応(硬化)させればよい。回折格子形成層の厚さは、通常、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μmである。
計算機合成ホログラム1には、反射層3を設けてもよい。反射層3は、凹凸面に追従する薄膜層で形成する。この反射層3は、入射した光を反射する必要があるため、計算機合成ホログラム1よりも高い屈折率または低い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。
反射層3としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより形成される金属薄膜などの可視光をほぼ全波長域に渡り反射する金属光沢反射層、又は、特定の波長の光のみを反射するため、観察方向等により透明に見える透明反射層のいずれも用いることができるが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、金属光沢反射層を薄く形成したり、透明反射層を設けた場合は、その透明反射層を通して物体Oからの入射光を観察できるので好ましい。
反射層3を形成するための金属材料としては、Al、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Mg、Sb、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、もしくはRb等の金属、またはそれら金属の酸化物もしくは窒化物等を用いることができ、これらのうちから1種もしくは2種以上を組み合わせ用いることができる。これらの中でも、Al、Cr、Ni、Ag、またはAu等が特に好ましく、その膜厚としては1nm〜10,000nmが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmである。
また、透過性を高めるために、透明な反射層3を付加するとさらに好ましい。透明な反射層3は、計算機合成ホログラム1の凹凸面へ設けることにより、回折効果を高めることができる。透明な反射層3としては、真空薄膜法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成される。
透明な反射層3は、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率が計算機合成ホログラム1のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できる。例えば、計算機合成ホログラム1よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al2O3、Sb2S3、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上混合したもの等が例示できる。透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、計算機合成ホログラム1の凹凸面に、1〜10000nm程度、好ましくは2〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
低回折効率層4としては、加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
また、低回折効率層4は、粘着性樹脂として、酢酸ビニル樹脂、酢酪酸ビニル樹脂、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ウレタン樹脂等でもよい。
もしくは、低回折効率層4としては、熱接着性と共に、粘着性をも有する粘着性接着層として、粘着性と熱接着性を有するアクリル系樹脂やゴム系樹脂、又は粘着性樹脂と熱接着性樹脂との混合物などが適用できる。
低回折効率層4は、これらの樹脂を溶剤に溶解または分散させ、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ1〜30μmの層とする。
対象物の表面がフィルムシートの様に平滑な場合には、1〜5μmの厚さが好適である。対象物の表面が、30μm以上の表面粗さを持つ場合には、5μm〜30μmの厚さ、さらには、20μm〜30μmの厚さが好適となる。
剥離層を有する転写シート構成の場合は、対象物の表面の所定の位置に、転写シートを重ね、所定の加熱・加圧後、透明基材を剥離して、所望の形で計算機合成ホログラム1を転写することにより、図1に示した窓Wにスクリーン10を転写することができる。
本実施形態では、計算機合成ホログラム1として屈折率1.49の電離放射線硬化性樹脂、基材2として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート、低回折効率層4として屈折率1.47のアクリル系粘着剤、被着体としてガラスを用いることが好ましい。
なお、低回折効率層4としての粘着層の屈折率は、1.46〜1.49とする。そのため、無機酸化物粒子の配合量は、硬化型化合物100重量部に対し、50〜300重量部、好ましくは100〜200重量部の範囲、より好ましくは、100〜150重量部の範囲とする。
図3は、第1実施形態のスクリーン10の概略図を示す。
第1実施形態のスクリーン10は、低回折効率層4を空気層とし、反射層3を用いていない。したがって、図1に示したプロジェクタP等から照射された入射光に相当する第1入射光L1は、図3に示すように、領域A1の空気層と計算機合成ホログラム1の界面で反射し、反射光L2として図1に示した観察者E側に向かう。また、図1に示した物体Oの物体光Lo1に相当する第2入射光L11は、領域A2から基材2及び計算機合成ホログラム1を透過して透過光L12として図1に示した観察者E側に向かう。
第1実施形態の低回折効率層4は、空気層なので屈折率n1=1.0である。計算機合成ホログラム1は、屈折率n2=1.49の紫外線硬化樹脂を用いる。基材2は、ポリエチレンテレフタラートを用いる。計算機合成ホログラム1の積分区間Λ毎の凹凸の深さzは、0〜Λ/4までが0、Λ/4からΛ/2までがh/4、Λ/2から3Λ/4までがh/2、3Λ/4からΛまでが3h/4に形成される。
図4は、第1実施形態のスクリーン10の回折効率を示す。
図4の一点鎖線は反射光に対する回折効率、二点鎖線は透過光に対する回折効率をそれぞれ示す。また、実線は透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率を示す。第1入射光L1及び第2入射光L11の波長は、532nmを用いた。
第1実施形態では、透明性が高くかつ投影した映像を明確に反射させるために、反射の回折効率が透過の回折効率よりも高くなるように設定することが好ましい。特に、透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率が0.2より小さいことが好ましい。また、透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率が0.1より小さく、且つ、反射の回折効率が60%以上であると、より好ましい。ここで、回折効率は、JISZ8791(ホログラムの回折効率及び関連する光学特性の測定方法)の「5.5.3相対回折効率の測定方法」に従って測定する。
図5は、第2実施形態のスクリーン10の概略図を示す。
第2実施形態のスクリーン10は、第1実施形態のスクリーン10に反射層3を用いたものである。図1に示したプロジェクタP等から照射された入射光に相当する第1入射光L1は、図5に示すように、領域A1の空気層から反射層3で反射し、反射光L2として図1に示した観察者E側に向かう。反射層3の屈折率は、n3=2.37である。
反射層3は、計算機合成ホログラム1よりも屈折率が高い透明層を蒸着して形成すると、反射率が高まり、より高輝度でプロジェクタ等の投影像を観察することが可能となる。
図6は、第3実施形態のスクリーン10の概略図を示す。
第3実施形態のスクリーン10は、第1実施形態のスクリーン10を逆に配置した例である。したがって、図1に示したプロジェクタP等から照射された入射光に相当する第1入射光L1は、図6に示すように、領域A1から基材2に入射し、計算機合成ホログラム1を透過して、計算機合成ホログラム1と低回折効率層4としての空気層の界面で反射し、反射光L2として計算機合成ホログラム1及び基材2を透過し、図1に示した領域A1の観察者E側に向かう。また、図1に示した物体Oの物体光Lo1に相当する第2入射光L11は、領域A2から計算機合成ホログラム1及び基材2を透過して透過光L12として図1に示した領域A1の観察者E側に向かう。
低回折効率層4は、空気層なので屈折率n1=1.0である。計算機合成ホログラム1は、屈折率n2=1.49の紫外線硬化樹脂を用いる。基材2は、ポリエチレンテレフタラートを用いる。計算機合成ホログラム1の積分区間毎の凹凸の深さzは、0〜Λ/4までが0、Λ/4からΛ/2までがh/4、Λ/2から3Λ/4までがh/2、3Λ/4からΛまでが3h/4に形成される。
図7は、第3実施形態のスクリーン10の回折効率を示す。
図7の一点鎖線は反射光に対する回折効率、二点鎖線は透過光に対する回折効率をそれぞれ示す。また、実線は透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率を示す。第1入射光L1及び第2入射光L2の波長は、532nmを用いた。
第3実施形態では、透明性が高くかつ投影した映像を明確に反射させるために、反射の回折効率が透過の回折効率よりも高くなるように設定することが好ましい。特に、透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率が0.2より小さいことが好ましい。また、透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率が0.1より小さく、且つ、反射の回折効率が60%以上であると、より好ましい。
さらに、図7に示す基材2側からプロジェクタ等の映像を投影する第3実施形態のスクリーン10の反射の回折効率が最大となる凹凸深さH2での透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率の値B2は、図4に示した計算機合成ホログラム1側から投影する第1実施形態のスクリーン10の反射の回折効率が最大となる凹凸深さH1での透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率の値B1よりも小さいので、より透明性が高くかつ投影した映像を明確に反射させることが可能となる。
図8は、第4実施形態のスクリーン10の概略図を示す。
第4実施形態のスクリーン10は、第3実施形態のスクリーン10に反射層3を形成し、低回折効率層4として粘着層を用いて窓Wに貼り付けたものである。したがって、図1に示したプロジェクタP等から照射された入射光に相当する第1入射光L1は、図8に示すように、領域A1から基材2に入射し、計算機合成ホログラム1を透過して、反射層3で反射し、反射光L2として計算機合成ホログラム1及び基材2を透過し、領域A1に射出して、図1に示した観察者E側に向かう。また、図1に示した物体Oの物体光Lo1に相当する第2入射光L11は、領域A2から窓W、低回折効率層4、反射層3、計算機合成ホログラム1、及び基材2を透過して透過光L12として、領域A1に射出して、図1に示した観察者E側に向かう。
第4実施形態のスクリーン10の低回折効率層4は、屈折率n1=1.47のアクリル系粘着層を用いている。計算機合成ホログラム1は屈折率n2=1.49の紫外線硬化樹脂、反射層は屈折率n3=2.37の硫化亜鉛を用いる。基材2は、ポリエチレンテレフタラートを用いる。計算機合成ホログラム1の積分区間毎の凹凸の深さzは、0〜Λ/4までが0、Λ/4からΛ/2までがh/4、Λ/2から3Λ/4までがh/2、3Λ/4からΛまでが3h/4に形成される。
図9は、第4実施形態のスクリーン10の一例の回折効率を示す。
図9の一点鎖線は反射光に対する回折効率、二点鎖線は透過光に対する回折効率をそれぞれ示す。また、実線は透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率を示す。第1入射光L1及び第2入射光L2の波長は、532nmを用いた。
第4実施形態では、透明性が高くかつ投影した映像を明確に反射させるために、反射の回折効率が透過の回折効率よりも高くなるように設定することが好ましい。特に、計算機合成ホログラム1の凹凸箇所を、計算機合成ホログラム1の屈折率n2=1.49に近い屈折率n1=1.47を有する粘着層で埋めるように形成するので、透過の回折効率が非常に低くなり、反射の回折効率が0.1以上であれば、透過の回折効率/反射の回折効率が0.1より小さくなり、より好ましい。
図10は、第4実施形態のスクリーン10の他の例の回折効率を示す。
図10の一点鎖線は反射光に対する回折効率、二点鎖線は透過光に対する回折効率をそれぞれ示す。また、実線は透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率を示す。第1入射光L1及び第2入射光L2の波長は、532nmを用いた。
図10に示す第4実施形態のスクリーン10の他の例の回折効率は、計算機合成ホログラム1と低回折効率層4の屈折率の差を0.25とした場合の回折効率である。すなわち、図10は、|粘着層の屈折率−計算機合成ホログラム1の屈折率|=0.25を満たす場合の第4実施形態のスクリーン10の回折効率を示す。なお、|粘着層の屈折率−計算機合成ホログラム1の屈折率|は、0.25以下であることが好ましい。ただし、||は、絶対値を示す記号である。
この例では、計算機合成ホログラム1の凹凸箇所を、計算機合成ホログラム1との屈折率の差が0.25の粘着層で埋めるように形成することで、凹凸の深さh<300nmの範囲で、反射の回折効率が0.2以上あれば、透過の回折効率/反射の回折効率が0.2より小さくなる。したがって、反射回折効率が最大の位置から多少ずれたとしても、透明性が高くかつ投影した映像を明確に反射させることができるので、好ましい。
次に本実施形態のスクリーン10に指向性を持たせて、所定の白色観察域において、高輝度で白色観察をすることが可能とする場合について説明する。
図11は、本実施形態に係る実施例1のプロジェクタ用スクリーンを示す。図12は、本実施形態に係る実施例1のプロジェクタ用スクリーンの要素ホログラム群を示す。
本実施形態のスクリーン10は、図11に示すように、複数の要素ホログラム群11を2次元的な平面に配列して形成される。また、要素ホログラム群11は、図12に示すように、複数の要素ホログラム1を2次元的な平面に配列して形成される。すなわち、スクリーン10は、分割された複数の要素ホログラム群11の集合からなり、要素ホログラム群11は、分割された複数の要素ホログラム1の集合からなる。要素ホログラム1は、等方散乱するよりも拡散角度が狭くなるように設定されている。したがって、その集合体であるスクリーン10も等方散乱するよりも拡散角度が狭くなっている。2次元的な平面は、第1方向Xと第1方向Xに直交する第2方向Yによって構成されることが好ましい。本実施形態では、横方向を第1方向Xとし、縦方向を第2方向Yとする。
要素ホログラム1は、要素ホログラム群11を形成する計算機合成ホログラムから構成される。1つの要素ホログラム群11は、図12(b)に示すように、縦3×横3に並べられた要素ホログラム1によって形成される。また、実施例1の1つの要素ホログラム1の形状は、正方形からなり、1つの要素ホログラム群11の形状は、正方形からなる。また、スクリーン10は、横長の長方形となる。
実施例1のスクリーン10は、2次元的に縦4×横6に並べられた要素ホログラム群11によって形成される。実施例1の要素ホログラム群11は、第1の方向としての横方向に同じ仕様の要素ホログラム群11を並べている。例えば、図11において、最上段には第1横ブロック12Aとして6つの第1要素ホログラム群11Aを並べ、2段目には第2横ブロック12Bとして6つの第2要素ホログラム群11Bを並べ、3段目には第3横ブロック12Cとして6つの第3要素ホログラム群11Cを並べ、4段目には第4横ブロック12Dとして6つの第4要素ホログラム群11Dを並べる。各ブロック12A,12B,12C,12Dは、縦方向Yに並列に配置される。
なお、要素ホログラム1の形状は正方形に限らず、他の形状でもよい。例えば、長方形、三角形等でもよい。また、隣り合う要素ホログラム1は、必ずしも密着する必要はなく、実質上接近して配置された状態であれば、所定の隙間が空いていてもよい。さらに、要素ホログラム群11は、要素ホログラム1の形状に対応して形成してもよい。また、要素ホログラム群11を形成する要素ホログラム1の数、スクリーン10を形成する要素ホログラム群11の数は、それぞれいくつでもよい。
図13は、本実施形態に係る実施例2のプロジェクタ用スクリーンを示す。
実施例2の1つの要素ホログラム1の形状は、正方形からなり、1つの要素ホログラム群11の形状は、正方形からなる。また、スクリーン10は、正方形からなる。
実施例2のスクリーン10は、2次元的に縦4×横4に並べられた要素ホログラム群11によって形成される。実施例2の要素ホログラム群11は、第2の方向としての縦方向Yに同じ仕様の要素ホログラム群11を並べている。例えば、図13において、最も左には第1縦ブロック13Aとして4つの第1要素ホログラム群11Aを並べ、左から2番目には第2縦ブロック13Bとして4つの第2要素ホログラム群11Bを並べ、左から3番目には第3縦ブロック13Cとして4つの第3要素ホログラム群11Cを並べ、最も右には第4縦ブロック13Dとして4つの第4要素ホログラム群11Dを並べる。各ブロック13A,13B,13C,13Dは、横方向Xに並列に配置される。
なお、要素ホログラム1の形状は正方形に限らず、他の形状でもよい。例えば、長方形、三角形等でもよい。また、隣り合う要素ホログラム1は、必ずしも密着する必要はなく、実質上接近して配置された状態であれば、所定の隙間が空いていてもよい。さらに、要素ホログラム群11は、要素ホログラム1の形状に対応して形成してもよい。また、要素ホログラム群11を形成する要素ホログラム1の数、スクリーン10を形成する要素ホログラム群11の数は、それぞれいくつでもよい。
本実施形態の計算機合成ホログラムは、図11に示した実施例1及び図13に示した実施例2のように、各ブロック毎に同様の要素ホログラム1で構成され、横方向又は縦方向に同じ仕様の要素ホログラム群11を並べているので、小さな原版から多面付けをすることができ、容易に大型化することが可能となる。例えば、実施例1では、第1の方向としての横方向に多面付け可能であり、実施例2では、第2の方向としての縦方向に多面付け可能である。ここで、計算機合成ホログラムの仕様とは、形状、厚み、及び格子間隔等の寸法、材質等である。
要素ホログラム群に関して、実施例1には、横方向に同じ仕様の要素ホログラム群を並べる例が記載され、実施例2には、縦方向に同じ仕様の要素ホログラム群を並べる例が記載されているが、この他にも、全部異なる要素ホログラム群を並べる例、全部同じ要素ホログラム群を並べる例、又は一部同じで他は異なる要素ホログラム群を並べる例を用いてもよい。
以下の説明では、容易に理解できるように透過型の要素ホログラム1について説明するが、本実施形態のような反射型の要素ホログラム1についても同様に適用可能である。
図14は、本実施形態のプロジェクタ用スクリーンに用いる計算機合成ホログラムの位相分布の一例を示す。
計算機合成ホログラムからなる要素ホログラム1は、2次元的にアレー状に配置された微小なセルの集合体からなるもので、各セルは各々が反射光もしくは入射光に対して独自の位相を与える光路長を有しており、かつ、垂直に入射する光束を所定の観察域内に実質的に回折し、その観察域外には実質的には回折しないような第1の位相分布と、斜めから所定の入射角で入射する光束を垂直に出射するような第2の位相分布とを加算して得られる位相分布を有しているものである。
ここで、第1の位相分布は、ホログラム面に垂直に平行光で照明した場合に所定の観察域へのみ光を回折する計算機合成ホログラムの位相分布であり、図14(a)に例示したような位相分布φHOLOのものである。
また、第2の位相分布は、背後から入射角θで入射した光を正面方向へ回折する位相回折格子の位相分布であり、図14(b)中、破線で示すような位相分布を、デジタルな階段状の関数に近似した位相分布φGRATである。
これら二つの位相分布φHOLO、およびφGRATを加算したものが、図14(c)に示すような特許文献3に記載の計算機合成ホログラムの位相分布φであり、この位相分布φを有する計算機合成ホログラムは、背後から斜めに入射角θで入射した光を所定の前方の観察域へ回折する計算機合成ホログラムである。
なお、一般に計算機合成ホログラムを求めるには、次のようにする。今、あるホログラムを想定し、それからの再生距離がホログラムの大きさにくらべて十分大きく、ホログラム面に垂直に平行光で照明した場合、再生像面で得られる回折光は、ホログラム面での振幅分布、および位相分布のフーリエ変換で表される(フラウンホーファー回折)。
そこで、従来、再生像面に所定の回折光を与えるために、ホログラム面と再生像面との間で束縛条件を加えながら、フーリエ変換と逆フーリエ変換を交互に繰り返しながら、ホログラム面に配置する計算機合成ホログラムを求める方法が、Gerchberg−Saxton反復計算法として知られている。
ここで、ホログラム面での光の分布をh(x,y)、再生像面での光の分布をf(u,v)とすると、各々は次の式(5)、および(6)で書ける。
h(x,y)=AHOLO(x,y)exp(iφHOLO(x,y)) (5)
f(u,v)=AIMG (u,v)exp(iφIMG (u,v)) (6)
h(x,y)=AHOLO(x,y)exp(iφHOLO(x,y)) (5)
f(u,v)=AIMG (u,v)exp(iφIMG (u,v)) (6)
上記において、AHOLO(x,y)はホログラム面での振幅分布、φHOLO(x,y)はホログラム面での位相分布であり、AIMG (u,v)は再生像面での振幅分布、φIMG u,v)は再生像面での位相分布である。
ここで、今後の議論を分かりやすくするため、ホログラム面での振幅分布AHOLO(x,y)をAHOLO、ホログラム面での位相分布φHOLO(x,y)をφHOLO 、再生像面での振幅分布AIMG (u,v)をAIMG 、再生像面での位相分布φIMG (u,v)をφIMG で表現する。
図15は、本実施形態のプロジェクタ用スクリーンに用いる計算機合成ホログラムの演算ステップのフローを示す。図16は、本実施形態のプロジェクタ用スクリーンに用いる計算機合成ホログラムの入射光に対する出射光の範囲を示す。
図15は、このためのフローチャートであり、ステップ1で、図16中のホログラム面領域x0 ≦x≦x1 、y0 ≦y≦y1で、ホログラムの振幅AHOLOを1に、ホログラムの位相φHOLOをランダムな値に初期化して、ステップ2で、その初期化した値に上記式(7)のフーリエ変換を施す。ステップ3で、フーリエ変換で得られた再生像面での振幅AIMG が所定の領域、例えばu0 ≦u≦u1 、v0 ≦v≦v1 内でほぼ一定値になり、その所定領域外でほぼ0になったと判断された場合は、ステップ1で初期化した振幅と位相が所望の計算機合成ホログラムとなる。
ステップ 3でこのような条件が満足されないと判断された場合は、ステップ4で束縛条件が付与される。具体的には、上記の所定領域内では再生像面での振幅AIMG は例えば1にされ、その外では0にされ、再生像面での位相φIMG はそのままに維持される。そのような束縛条件が付与された後、ステップ5で、上記式(8)のフーリエ逆変換が施される。そのフーリエ逆変換で得られたホログラム面での値は、ステップ6で束縛条件が付与され、振幅AHOLOは1にされ、位相φHOLOは多値化(元の関数をデジタルな階段状の関数に近似(量子化))される。なお、位相φHOLOが連続的な値を持ってもよい場合は、この多値化は必ずしも必要ない。
そして、ステップ2でその値にフーリエ変換が施され、ステップ3で、フーリエ変換で得られた再生像面での振幅AIMG が所定の領域、例えばu0 ≦u≦u1、v0 ≦v≦v1 内でほぼ一定値になり、その所定領域外でほぼ0になったと判断された場合は、ステップ6で束縛条件が付与された振幅と位相が所望の計算機合成ホログラムとなる。ステップ3でこのような条件が満足されないと判断された場合は、ステップ4→5→6→2→3のループがステップ3の条件が満足されるまで(収束するまで)繰り返され、最終的な所望の計算機合成ホログラムが得られる。
ここで、ステップ3で、再生像面で振幅AIMG がほぼ所定の値に収束したと判断する評価関数としては、例えば次のような式(9)を用いる。ただし、u,vに関するΣ(和)は、u0 ≦u≦u1 、v0 ≦v≦v1 内のホログラムのセルにおける値の和を取ることを意味し、〈AIMG (u,v)〉はそのセル内における理想的な振幅である。この(評価関数)が例えば0.01以下になることをもって収束したと判断する。この他、評価関数としては、計算ループの反復の前回の振幅の値と今回の値の差を用いた次のような式(10)を用いることもできる。ここで、AIMG i-1は前回の振幅の値、AIMG iは今回の振幅の値である。
このようにして求めた位相分布から、実際のホログラムの深さ分布を求める。深さ分布の求め方は、ホログラムを反射型で用いるときと、透過型で用いるときとで異なり、反射型の場合には、式(11a)により、また、透過型の場合には、式(11b)によって,図13(c)のφ(下記式中ではφ(x,y))を、計算機合成ホログラムの深さD(下記式中ではD(x,y))に変換を行なう。
D(x,y)=λφ(x,y)/(4πn) (11a)
D(x,y)=λφ(x,y)/{2π(n1−n0)} (11b)
ここで、(x,y)はホログラム面における位置を示す座標、λは基準波長、nは反射層に至るまでの材料の屈折率、n1およびn0は、透過型のホログラムを構成する二つの材質の屈折率であって、二つの屈折率のうち、大きい方がn1であり、小さい方がn0である。
D(x,y)=λφ(x,y)/(4πn) (11a)
D(x,y)=λφ(x,y)/{2π(n1−n0)} (11b)
ここで、(x,y)はホログラム面における位置を示す座標、λは基準波長、nは反射層に至るまでの材料の屈折率、n1およびn0は、透過型のホログラムを構成する二つの材質の屈折率であって、二つの屈折率のうち、大きい方がn1であり、小さい方がn0である。
後にも説明するように、上記の式(11a)、および(11b)により、縦横のサイズがΔの微小セル毎に求めた深さD(x,y)のレリーフパターンをホログラム形成用の樹脂層の表面に形成し、所定の反射性層を積層することにより、効果を高めたホログラムとして使用することができる。このΔは、例えば、パターン露光光の送りピッチに相当する。
以上における計算機合成ホログラム1の位相分布の計算自体は、知られた手法を用いて行なうもので、上記のほかにも、例えば、特開昭47−6591号公報に記載の手法を用いることが出来る。また、位相分布を最適化する手法を必要に応じて適用してもよく、遺伝的アルゴリズム、もしくはシミュレーテッド・アニーリング法(焼きなまし法)等を適用できる。
次に、所望の観察領域で白色に観察可能な計算機合成ホログラムについて説明する。所望の観察領域で白色に観察可能な計算機合成ホログラムとは、所定の入射角で入射した所定の基準波長の入射光を所定の角度範囲に拡散し、前記入射角で入射した0次透過光または0次反射光に対して、前記基準波長を含み加法混色した場合に見える波長範囲の最短波長の前記入射角の入射光の最大回折角が、その波長範囲の最長波長の前記入射光の最小回折角よりも大きくなるよう構成されているものである。
以下の説明では、容易に理解できるように透過型の計算機合成ホログラムについて説明するが、本実施形態のような反射型の計算機合成ホログラム1についても同様である。
図17は、観察領域が狭く設定されている場合の、計算機合成ホログラム1の波長による観察領域の変化の様子を概念的に示す。図18は、本実施形態に係る実施例1のプロジェクタ用スクリーンに用いる計算機合成ホログラムの観察範囲が狭い場合の各波長の回折を示す。
照明光の基準波長λSTDが最短波長λMINと最長波長λMAXとの間にあるものとし、その基準波長λSTDについて計算機合成ホログラム1が設計されている。図17(a)に示すように、基準波長λSTDにて、ある斜めの角度θ(角度は、ホログラム1の法線からの角度で、左回りの角度を正とする。)で入射した照明光3が正面付近の角度範囲β1STD〜β2STD(添字1は最小回折角、添字2は最大回折角とする。なお、最小回折角は、0次透過光に対して最小の角度をなす回折光の回折角、最大回折角は、0次透過光に対して最大の角度をなす回折光の回折角である。)内に回折光5STDとして広がるように設定されている場合、同じ斜めの入射角θで最短波長λMINの照明光3を入射すると、計算機合成ホログラム1は位相回折格子の集合と考えられるので、図17(b)に示すように、回折光5MINが入射する観察領域(角度範囲β1MIN〜β2MIN)は基準波長λSTDの場合よりも下側(0次透過光)にずれる。また、同じ斜めの入射角θで最長波長λMAXの照明光3を入射すると、図17(c)に示すように、回折光5MAXが入射する観察領域(角度範囲β1MAX〜β2MAX)は基準波長λSTDの場合よりも上側(0次透過光側とは反対側)にずれる。
なお、上記のように回折光の分布をするのは、計算機合成ホログラム1の法線と照明光3が含まれる平面内であり、計算機合成ホログラム1の法線を含みその平面に直交する面内では、照明光3の両側に回折光が分布する場合を考えている。
さて、このとき、図18に示すように、各回折光5MIN、5STD、および5MAXの全てが重なる部分がないため、すべての波長を同時に観察可能で波長範囲λMIN〜λSTD〜λMAXが可視光域の場合には、白色に観察できる領域は存在せず、観察位置(角度)によって観察される色が変わってしまう。
図19は、観察領域が広く設定されている場合の、計算機合成ホログラム1の波長による観察領域の変化の様子を概念的に示す。図20は、本実施形態に係る実施例1のプロジェクタ用スクリーンに用いる計算機合成ホログラムの観察範囲が広い場合の各波長の回折を示す。
この場合も、図17に示す観察領域が狭い場合と同様、最短波長λMINや最長波長λMAXを入射した場合、(図19(b)、図19(c))、観察領域(角度範囲β1MIN〜β2MIN、β1MAX〜β2MAX)は基準波長λSTDの場合とくらべ、それぞれ下側、上側にずれる。しかし、観察範囲が広いので、図20に示すように、回折光5MIN、5STD、および5MAXの全てが重なる正面付近6(角度範囲β1MAX〜β2MIN)で観察した場合、すべての波長を同時に観察することが可能である。従って、このような領域内を観察者が移動する限り、観察される色の変化はほとんど感じられない。
このように想定したすべての波長が観察可能な領域6が存在するための条件は、図20から明らかなように、想定した波長範囲の最短波長λMINの最大回折角β2MINが最長波長λMAXの最小回折角β1MAXよりも大きいことである。0次透過光に対して回折光5MIN、5STD、および5MAXが図17〜図20のとは反対側に分布する場合は、この関係は逆転するので、0次透過光を基準にすると、0次透過光に対してなす最短波長λMINの最大回折角β2MINが最長波長λMAXの最小回折角β1MAXよりも大きいことと言うことが言える。
すべての波長が重なって白色に観察可能なためには、λMIN=450nm、λMAX=650nmとすれば十分である。従って、少なくとも最短波長λMIN=450nmの最大回折角度β2MINが最長波長λMAX=650nmの最小回折角β1MAXよりも大きい計算機合成ホログラム1においては、領域6内で観察する限り、色の変化がなく白色に観察可能である。
以上から、ある観察領域で、所望の全ての波長を観察したい場合、以下の手順で基準波長λSTDの観察領域β1STD〜β2STDを決定すればよいことが分かる。
(ア)再生用の照明光3の入射角θを決める。
(イ)白色に見える所望の観察角度範囲6を決める。すなわち、最小回折角γ1(=β1MAX)〜最大回折角γ2(=β2MIN)を決める。
ここで、最小回折角γ1、最大回折角γ2は、0次透過光に対してなす最小、最大の角度をなす回折角であり、図17〜図20の分布の場合には、θ<γ1≦γ2の関係にあり、図17〜図20のとは反対に光が分布する場合には、θ>γ1≧γ2の関係にある。
(ウ)所望の観察波長を決める(最短波長λMIN〜最長波長λMAX)。
(エ)基準波長λSTDをλMIN≦λSTD≦λMAXの範囲で決める。
(オ)回折格子の基本式(12)に基づいて、以下の式(13)を用いて、最小回折角γ1、最長波長λMAXから、基準波長λSTDにおける最小回折角β1STDを求める。
sinθd−sinθi=mλ/d (12)
ただし、mは回折次数、dは回折格子のピッチ、λは波長、θiは入射角、θdは回折角である。
(sinγ1−sinθ)/λMAX=(sinβ1STD−sinθ)/λSTD
sinβ1STD=sinθ+(sinγ1−sinθ)×λSTD/λMAX (13)
(カ)同様に、回折格子の基本式(12)に基づいて、以下の式(14)を用いて、最大回折角γ2、最短波長λMINから、基準波長λSTDにおける最大回折角β2STDを求める。
(sinγ2−sinθ)/λMIN=(sinβ2STD−sinθ)/λSTD
sinβ2STD=sinθ+(sinγ2−sinθ)×λSTD/λMIN (14)
(ア)再生用の照明光3の入射角θを決める。
(イ)白色に見える所望の観察角度範囲6を決める。すなわち、最小回折角γ1(=β1MAX)〜最大回折角γ2(=β2MIN)を決める。
ここで、最小回折角γ1、最大回折角γ2は、0次透過光に対してなす最小、最大の角度をなす回折角であり、図17〜図20の分布の場合には、θ<γ1≦γ2の関係にあり、図17〜図20のとは反対に光が分布する場合には、θ>γ1≧γ2の関係にある。
(ウ)所望の観察波長を決める(最短波長λMIN〜最長波長λMAX)。
(エ)基準波長λSTDをλMIN≦λSTD≦λMAXの範囲で決める。
(オ)回折格子の基本式(12)に基づいて、以下の式(13)を用いて、最小回折角γ1、最長波長λMAXから、基準波長λSTDにおける最小回折角β1STDを求める。
sinθd−sinθi=mλ/d (12)
ただし、mは回折次数、dは回折格子のピッチ、λは波長、θiは入射角、θdは回折角である。
(sinγ1−sinθ)/λMAX=(sinβ1STD−sinθ)/λSTD
sinβ1STD=sinθ+(sinγ1−sinθ)×λSTD/λMAX (13)
(カ)同様に、回折格子の基本式(12)に基づいて、以下の式(14)を用いて、最大回折角γ2、最短波長λMINから、基準波長λSTDにおける最大回折角β2STDを求める。
(sinγ2−sinθ)/λMIN=(sinβ2STD−sinθ)/λSTD
sinβ2STD=sinθ+(sinγ2−sinθ)×λSTD/λMIN (14)
そして、照明光の入射角θ、基準波長λSTDにおいて、最小回折角β1STDと最大回折角β2STDとなるように、計算機合成ホログラム1を作製することにより、再生用の照明光3の入射角θに対して、観察角γ1〜γ2の範囲で波長λMIN〜λMAXが観測可能で白色に見える拡散ホログラムが得られる。
以上は、照明光の所望の入射角θ、回折範囲γ1〜γ2、波長範囲λMIN〜λMAXを与えたときの、計算に用いる回折角度範囲β1STD〜β2STDの求めかたである。
一方、基準波長λSTD、照明光の入射角θに対して、最小回折角β1STD、最大回折角β2STDが与えられたときに、波長範囲λMIN〜λMAXの光を同時に観察可能で白色に見える領域が存在するための条件は、最長波長λMAXの最小回折角β1MAX=γ1と、最短波長λMINの最大回折角β2MIN=γ2とを用いて、以下のように与えられる。
(1)回折光が0次透過光に対して正の側に存在する場合(図17〜図20)、
γ2≧γ1
sinγ2≧sinγ1
式(13)と式(14)を用いると、
sinθ+(sinβ2STD−sinθ)×λMIN/λSTD
≧sinθ+(sinβ1STD−sinθ)×λMAX/λSTD
(sinβ2STD−sinθ)×λMIN ≧(sinβ1STD−sinθ)×λMAX
sinβ2STD>sinθであるから、
λMIN/λMAX≧(sinβ1STD−sinθ)/(sinβ2STD−sinθ) (15)
γ2≧γ1
sinγ2≧sinγ1
式(13)と式(14)を用いると、
sinθ+(sinβ2STD−sinθ)×λMIN/λSTD
≧sinθ+(sinβ1STD−sinθ)×λMAX/λSTD
(sinβ2STD−sinθ)×λMIN ≧(sinβ1STD−sinθ)×λMAX
sinβ2STD>sinθであるから、
λMIN/λMAX≧(sinβ1STD−sinθ)/(sinβ2STD−sinθ) (15)
(2)回折光が0次透過光に対して負の側に存在する場合(図17〜図20のとは反対)、
γ2≦γ1
sinγ2≦sinγ1
式(13)と式(14)を用いると、
sinθ+(sinβ2STD−sinθ)×λMIN/λSTD
≦sinθ+(sinβ1STD−sinθ)×λMAX/λSTD
(sinβ2STD−sinθ)×λMIN ≦(sinβ1STD−sinθ)×λMAX
sinβ2STD<sinθであるから、
λMIN/λMAX≧(sinβ1STD−sinθ)/(sinβ2STD−sinθ) (15)
従って、式(15)は回折光が正の側、負の側のいずれのときも成り立つ式である。
γ2≦γ1
sinγ2≦sinγ1
式(13)と式(14)を用いると、
sinθ+(sinβ2STD−sinθ)×λMIN/λSTD
≦sinθ+(sinβ1STD−sinθ)×λMAX/λSTD
(sinβ2STD−sinθ)×λMIN ≦(sinβ1STD−sinθ)×λMAX
sinβ2STD<sinθであるから、
λMIN/λMAX≧(sinβ1STD−sinθ)/(sinβ2STD−sinθ) (15)
従って、式(15)は回折光が正の側、負の側のいずれのときも成り立つ式である。
この式(15)は、照明光の入射角θ、所望の観察波長範囲λMIN〜λMAXを設定したときに、ある基準波長λSTDにおける回折角度範囲β1STD〜β2STDをこの式(15)を満足するように設定すれば、所望の観察波長範囲λMIN〜λMAX全てを同時に観察可能な範囲γ1〜γ2が存在することを意味している。
また、式(15)を変形すると、
sinθ≧λMAXsinβ1STD−λMINsinβ2STD)/(λMAX−λMIN) (16)
となる。
sinθ≧λMAXsinβ1STD−λMINsinβ2STD)/(λMAX−λMIN) (16)
となる。
この式(16)は、所望の観察波長範囲λMIN〜λMAX、ある基準波長λSTDにおける回折角度範囲β1STD〜β2STDを与えたときに、この式(16)を満足するような照明光の入射角θを設定した場合にのみ、所望の観察波長範囲λMIN〜λMAX全てを同時に観察可能な範囲γ1〜γ2が存在することを意味している。
なお、以上では、要素ホログラム1の法線と照明光3が含まれる平面内についてのみ考えたが、要素ホログラム1の法線を含みその平面に直交する面内では、照明光の両側に回折光が分布することを前提にしているので、この面内の方向においては、最短波長λMINでの分布範囲が白色に観察できる領域であり、その範囲は基準波長λSTDでの観察領域を上記と同様に変換することにより求められる。
なお、要素ホログラム群11内の要素ホログラム1は、同じ仕様としてもよい。同じ仕様とすると、データ量が少なく、短期間に低コストで製造することが可能となる。
さらに、少なくとも一部の要素ホログラム群11を同じ仕様の要素ホログラム1で形成してもよい。この場合、任意の要素ホログラム群11を同じ仕様としてもよい。任意の要素ホログラム群11を同じ仕様とすると、データ量がより少なくなり、より短期間に低コストで製造することが可能となる。また、すべての要素ホログラム群を同じ仕様にしてもよい。
このように、本実施形態のホログラム1によれば、凹凸部を有し、一方側から所定の角度で入射した所定の白色光を反射し、他方側から所定の角度で入射した所定の白色光を透過し、透過光に対する回折効率と反射光に対する回折効率が異なるので、透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させることが可能となる。
また、本実施形態のホログラム1では、透過光に対する回折効率は、反射光に対する回折効率よりも低いので、より透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させることが可能となる。
本実施形態のホログラム1は、透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率が0.2より小さいので、より透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させることが可能となる。
本実施形態のホログラム1は、透過光に対する回折効率/反射光に対する回折効率が0.1より小さく、且つ、反射光に対する回折効率が60%以上であるので、より透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させることが可能となる。
本実施形態のホログラム1では、凹凸部の深さは、複数あるので、回折効率がより高くでき、投影した映像を明るく明確に反射させることが可能となる。
本実施形態の光透過性反射板10では、ホログラム1は、計算機合成ホログラム1であるので、より実用的なものとすることが可能となる。
本実施形態の光透過性反射板10は、ホログラム1を含み、ホログラム1の一方側から所定の角度で入射した所定の白色光を反射し、他方側から所定の角度で入射した所定の白色光を透過し、透過光に対する回折効率と反射光に対する回折効率が異なるので、透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させることが可能となる。
本実施形態の光透過性反射板10は、ホログラム1の凹凸部に形成される反射層を備えるので、投影した映像をより明るく明確に反射させることが可能となる。
本実施形態の光透過性反射板10は、ホログラム1の凹凸部を埋めるように配置され、ホログラムの透過光に対する回折効率を低くする低回折効率層4を備えるので、より透明性を高くさせることが可能となる。
本実施形態の光透過性反射板10は、ホログラム1と低回折効率層4の屈折率の差を0.25以下とするので、より透明性を高くさせることが可能となる。
本実施形態のスクリーン10は、光透過性反射板10を用いるので、より透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させることが可能となる。
以上、プロジェクタ用スクリーンをいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
1…計算機合成ホログラム(ホログラム、光透過性反射板)
2…基材(光透過性反射板)
3…反射層
4…低回折効率層
10…プロジェクタ用スクリーン
11…要素ホログラム群
20…投影システム
P…プロジェクタ
E…白色観察域
2…基材(光透過性反射板)
3…反射層
4…低回折効率層
10…プロジェクタ用スクリーン
11…要素ホログラム群
20…投影システム
P…プロジェクタ
E…白色観察域
本発明は、一方から照射された白色光を透過し、他方から照射された白色光は反射して白色観察可能な光透過性反射板、スクリーン、及び投影システムに関するものである。
本発明は、透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させ観察することが可能な光透過性反射板、スクリーン、及び投影システムを提供することを目的とする。
本発明の光透過性反射板、スクリーン、及び投影システムによれば、透明性が高くかつ投影した映像を明るく明確に反射させ観察することが可能となる。
Claims (4)
- 凹凸部を有し、一方側から所定の角度で入射した所定の波長範囲の白色光を反射拡散し、他方側から所定の角度で入射した所定の白色光を透過し、前記透過光に対する拡散性が前記反射光に対する拡散性よりも低い1枚の凹凸構造層と、
前記凹凸構造層の前記凹凸部に形成され、前記凹凸構造層よりも光屈折率の高いまたは低い無色透明な透明反射層と、
前記凹凸構造層の凹凸部を埋めるように配置される拡散性低下層と、
を備え、
前記拡散性低下層を設けることで、前記拡散性低下層がない場合と比べて、前記透過光に対する拡散性が低くなり、
使用時に前記凹凸構造層から離れた距離の物体を透過性高く視認できる
ことを特徴とする光透過性反射板。 - 前記拡散性低下層は、少なくとも接着層または粘着層のうちのいずれか1つである
ことを特徴とする請求項1に記載の光透過性反射板。 - 請求項1又は2に記載の光透過性反射板
を用いる
ことを特徴とするスクリーン。 - 請求項3に記載のスクリーンと、
前記スクリーンに所定の角度で所定の白色光を出射するプロジェクタと、
を備えることを特徴とする投影システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016117677A JP2016200822A (ja) | 2016-06-14 | 2016-06-14 | 光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016117677A JP2016200822A (ja) | 2016-06-14 | 2016-06-14 | 光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014114584A Division JP5962930B2 (ja) | 2014-06-03 | 2014-06-03 | 光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016200822A true JP2016200822A (ja) | 2016-12-01 |
Family
ID=57424292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016117677A Pending JP2016200822A (ja) | 2016-06-14 | 2016-06-14 | 光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016200822A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020134677A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 大日本印刷株式会社 | 反射スクリーン、光学部材、映像表示装置 |
JP2021032791A (ja) * | 2019-08-28 | 2021-03-01 | 株式会社スペースフォトン | サイズ測定装置及びサイズ測定方法 |
JPWO2020050098A1 (ja) * | 2018-09-07 | 2021-09-24 | ソニーグループ株式会社 | 画像表示装置 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02109015A (ja) * | 1988-10-18 | 1990-04-20 | Canon Inc | 表示装置 |
US20020001109A1 (en) * | 2000-05-30 | 2002-01-03 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Computer-generated hologram and its fabrication process, reflector using a computer-generated hologram, and reflective liquid crystal display |
JP2010539525A (ja) * | 2007-09-10 | 2010-12-16 | マイクロビジョン,インク. | 透過性の特性を備えている、埋設された開口数拡大器 |
JP2013127489A (ja) * | 2010-03-29 | 2013-06-27 | Panasonic Corp | シースルーディスプレイ |
WO2015186668A1 (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-10 | 旭硝子株式会社 | 映像投影構造体、映像投影構造体の製造方法、映像投影方法及び自動車用窓 |
JP2015228010A (ja) * | 2014-06-03 | 2015-12-17 | 大日本印刷株式会社 | ホログラム、光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム |
-
2016
- 2016-06-14 JP JP2016117677A patent/JP2016200822A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02109015A (ja) * | 1988-10-18 | 1990-04-20 | Canon Inc | 表示装置 |
US20020001109A1 (en) * | 2000-05-30 | 2002-01-03 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Computer-generated hologram and its fabrication process, reflector using a computer-generated hologram, and reflective liquid crystal display |
JP2010539525A (ja) * | 2007-09-10 | 2010-12-16 | マイクロビジョン,インク. | 透過性の特性を備えている、埋設された開口数拡大器 |
JP2013127489A (ja) * | 2010-03-29 | 2013-06-27 | Panasonic Corp | シースルーディスプレイ |
WO2015186668A1 (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-10 | 旭硝子株式会社 | 映像投影構造体、映像投影構造体の製造方法、映像投影方法及び自動車用窓 |
JP2015228010A (ja) * | 2014-06-03 | 2015-12-17 | 大日本印刷株式会社 | ホログラム、光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2020050098A1 (ja) * | 2018-09-07 | 2021-09-24 | ソニーグループ株式会社 | 画像表示装置 |
JP7355021B2 (ja) | 2018-09-07 | 2023-10-03 | ソニーグループ株式会社 | 画像表示装置 |
JP2020134677A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 大日本印刷株式会社 | 反射スクリーン、光学部材、映像表示装置 |
JP2021032791A (ja) * | 2019-08-28 | 2021-03-01 | 株式会社スペースフォトン | サイズ測定装置及びサイズ測定方法 |
JP7315920B2 (ja) | 2019-08-28 | 2023-07-27 | 株式会社スペースフォトン | サイズ測定装置及びサイズ測定方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5962930B2 (ja) | 光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム | |
US7446915B2 (en) | Diffuse reflector and method | |
KR20180029062A (ko) | 광학 제품, 광학 제품을 제작하기 위한 마스터, 그리고 마스터 및 광학 제품을 제조하기 위한 방법 | |
US10261224B2 (en) | Optical element | |
JPH1039115A (ja) | プリズムレンズシート、バックライトシステム及び液晶表示装置 | |
JP2016200822A (ja) | 光透過性反射板、スクリーン、及び投影システム | |
WO2020008949A1 (ja) | 導光板、導光板モジュール、画像表示装置および導光板の製造方法 | |
JP6309753B2 (ja) | 外光利用型表示体 | |
JP2002040219A (ja) | 計算機ホログラム、計算機ホログラムを用いた反射板、並びに計算機ホログラムを用いた反射型液晶表示装置 | |
JP4620220B2 (ja) | 計算機ホログラムおよびその製造方法 | |
JP2011118034A (ja) | 画像形成体 | |
JP5251236B2 (ja) | 微細凹凸回折構造を有する回折構造体 | |
JP5962142B2 (ja) | 光拡散フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
KR20190044564A (ko) | 광고립 소자 | |
JPH11296054A (ja) | 計算機ホログラム | |
JP5724176B2 (ja) | 画像形成体 | |
JP2005037802A (ja) | 光散乱フィルムおよびそれを用いた表示装置 | |
TWI753617B (zh) | 圖像顯示元件及裝置 | |
KR102595850B1 (ko) | 광학소자 | |
JP2006047527A (ja) | プロジェクション用スクリーン及びその製造方法並びにプロジェクションディスプレイ装置 | |
JP6565385B2 (ja) | ホログラム記録媒体 | |
JP3903508B2 (ja) | ホログラム反射板とそれを用いた反射型液晶表示装置 | |
JP2006178140A (ja) | 光学フィルム | |
JP2016180777A (ja) | ホログラム記録媒体 | |
JP2005031704A (ja) | 拡散反射板およびその応用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170425 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20181121 |