JP6565385B2 - ホログラム記録媒体 - Google Patents

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本発明は、ホログラムを記録したホログラム記録媒体に関する。
従来、チケット、金券、有価証券等の価値ある印刷物の偽造を防止するため、様々な偽造防止技術が施されている。偽造防止技術としては、複写防止画線、ホログラム、光学的変化材料、潜像模様等、様々なものが利用されている。中でも、ホログラムは、必要とされる技術の高度性のため、複製することを困難にしている。出願人も、ホログラムを利用した偽造防止技術について提案を行っている(特許文献1参照)。
特開2014−92646号公報
ホログラムを記録した媒体を複写機等により光学的に複写した場合、ホログラムの絵柄が再現されてしまうことがある。このような複写物は、ホログラムが完全に再現されるわけではないが、絵柄自体は認識可能に複写される。そのため、例えば薄暗い状況等においては、複写物であるか本物であるか瞬時に判断できない場合がある。すなわち、複写物であるにも関わらず、複写物を本物であると判断してしまう場合がある。これは、コンサート会場等の入場チェックのように、大量の真偽判定を行う必要がある状況においては問題となる。
そこで、本発明は、ホログラムを複写機で複写した場合であっても、ホログラムが表現する絵柄を表現し難くすることが可能なホログラム記録媒体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明第1の態様では、
基材と、ホログラムが形成されたホログラム層と、印刷インキによる印刷層と、を有するホログラム記録媒体であって、
前記印刷層は、前記ホログラム層に重ねて形成されており、当該印刷層は、寒色系の色成分を用いて形成されていることを特徴とするホログラム記録媒体を提供する。
本発明第1の態様によれば、基材と、ホログラムが形成されたホログラム層と、印刷インキによる印刷層を有するホログラム記録媒体において、印刷層が、ホログラム層に重ねて形成されており、印刷層が、寒色系の色成分を用いて形成されているので、ホログラムを複写機で複写した場合であっても、ホログラムが表現する絵柄を表現し難くすることが可能となる。
また、本発明第2の態様では、前記印刷層において、前記寒色系の色成分は、550nm以上800nm以下の波長の光に対する吸収特性の高い顔料により実現されることを特徴とする。
本発明第2の態様によれば、ホログラム記録媒体における印刷層において、寒色系の色成分は、550nm以上800nm以下の波長の光に対する吸収特性の高い顔料により実現されるので、ホログラムの回折光を多く吸収し、ホログラムを複写機で複写した場合であっても、ホログラムが表現する絵柄を表現し難くすることが可能となる
また、本発明第3の態様では、前記印刷層には、前記ホログラム層と重なる範囲において、前記寒色系の色成分により地紋印刷がなされていることを特徴とする。
本発明第3の態様によれば、ホログラム記録媒体における印刷層には、ホログラム層と重なる範囲において、寒色系の色成分により地紋印刷がなされているので、寒色系の色成分を一様にホログラムに重ねて形成することが可能となる。
本発明によれば、ホログラムを複写機で複写した場合であっても、ホログラムが表現する絵柄を表現し難くすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るホログラム記録媒体を示す図である。 本発明の一実施形態に係るホログラム記録媒体の各層を示す図である。 本発明の一実施形態に係るホログラム記録媒体の一部拡大図である。 スキャナによりホログラムの回折光の取り込みが容易な従来の状態を示す概念図である。 スキャナによりホログラムの回折光の取り込みを困難とした本発明による状態を示す概念図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本明細書において、配合を示す「部」や比率は特に断わりがない限り質量基準である。
<1.ホログラム記録媒体の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係るホログラム記録媒体を示す図である。そして、図1(a)は、本発明の一実施形態に係るホログラム記録媒体の印刷層形成面から見た平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線に対応する断面図である。
図1において、1は基材、2はホログラム層、3は印刷層である。図1(b)においては、説明の便宜上、ホログラム記録媒体のサイズ(図面左右方向)に比べて各層の厚さが大きく描かれているが、ホログラム記録媒体はカード状またはシート状であるため、現実には、各層は、より薄く形成されている。例えば、ホログラム記録媒体のサイズは、数cm〜数十cmであり、図面上下方向の厚さは、数十μm〜数百μm程度である。
基材1の一方の面(図面上側の面)には、所定の領域にホログラム層2が形成されている。図1の例では、図1(a)に示すように、ホログラム層2は、網掛けで示した矩形状の領域に形成されている。
さらに、ホログラム層2に重ねて印刷層3が形成されている。特に、図1の例では、図1(b)に示すように、印刷層3は、ホログラム層2を覆うようにして形成されている。また、図1(a)に示すように、印刷層3は、網掛けで示した矩形状の領域に形成されている。図1(a)に示す平面図において、印刷層3はホログラム層2よりも表側(図面手前側)に位置するが、印刷層3はベタ印刷で形成されていないため、下層側のホログラム層2を隠蔽しないようになっている。図1(b)に示すように、印刷層3はホログラム層2を覆っているが、図1(a)は、ホログラム層2の形成領域と印刷層3の形成領域の位置関係を示したものとなっている。
図2(a)は、ホログラム層2のみを上面(表側)から示した図である。図2(a)の例では、ホログラム層2には、太陽を模したホログラム絵柄2aが多数形成されている。図2(b)は、印刷層3のみを上面から示した図である。図2(b)の例では、矩形状のパターン3aが多数印刷されている。印刷層3の領域全体にパターン3aが所定の間隔で一様に印刷されることにより、いわゆる地紋としての役割を果たしている。
図3は、本発明の一実施形態に係るホログラム記録媒体の一部拡大図である。図3に示すように、ホログラム層2に重ねて印刷層3が形成されているため、印刷層3のパターン3aと重なったホログラム絵柄2aの部分は隠れることになる。しかし、パターン3aが印刷されていない部分については、ホログラム絵柄2aが隠蔽されないようになっている。
<2.各層の構成>
基材1としては、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、セロファン、セルロースアセテートなどのセルロース系フィルムなどが例示できる。基材1は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、基材1は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。基材1は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。基材1は、ホログラム層2の塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
ホログラム層2には、基材1側に位置する反射層側(図示省略)の面に微細な凹凸からなるレリーフホログラムが賦形されている。この微細な凹凸により、図2(a)に示すようなホログラム絵柄2aが表現される。ホログラム層2は下記の電離放射線硬化性樹脂を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層とする。
電離放射線硬化性樹脂は(イ)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(ロ)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(ハ)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーで、電離放射線硬化性を有するウレタン変性アクリレート樹脂である。好ましいウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、詳細は特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂が好ましい。具体的には、MHX405ニス(DICグラフィックス(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)、ユピマーUV・V3031(三菱化学(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。
ホログラム層2の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂と、必要に応じて、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、レリーフを賦型した後に、電離放射線で反応(硬化)させればよい。ホログラム層2の厚さとしては、通常は1μm〜30μm程度、好ましくは2μm〜20μm程度である。複数回の塗布でもよい。
次に、ホログラム層2の一方の面には、ホログラムなどの光回折効果の発現する所定のレリーフ構造を賦型し、硬化させる。ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたものである。ホログラムには、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
これらのレリーフ形状の作製方法としてはホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いて作製されたホログラムや回折格子をあげることもできる。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子を単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
ホログラム層2面へ、上記のレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、樹脂層上に上記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
ホログラム層2は、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(ホログラム層2)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しなくても良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
ホログラム層2の絵柄を擬似連続絵柄とすることが好ましい。擬似連続絵柄はプレス型(スタンパという)を作成する際に、小さなレリーフ版の複数を、精度よく突合せてつなぎ目を目立たなくしたり、つなぎ目を樹脂で埋めたりすればよい。このように、擬似連続絵柄とすることで、できるだけ大きな面積、又は好ましくは全面とすることもできる。大面積又は全面のホログラム絵柄を背景とし他の任意な印刷絵柄と、同調させたり、合わせたりして、さらなる特異な意匠性を向上させることができる。
図示は省略しているが、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるため、所定のレリーフ構造を設けたホログラム層2のレリーフ面へ、反射層を設けることが好ましい。反射層としては、ホログラム層2の反射率がより高ければ、特に限定されない。反射層としては、真空薄膜法などによる金属薄膜などの金属反射層、又は透明反射層のいずれでもよい。
金属反射層の場合、反射層に用いる金属としては、金属光沢を有し光を反射する金属元素の薄膜で、Cr、Ni、Ag、Au、Al等の金属、及びその酸化物、硫化物、窒化物等の薄膜を単独又は複数を組み合わせてもよい。上記の光反射性の金属薄膜の形成は、いずれも10nm〜2000nm程度、好ましくは20nm〜1000nmの厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られるが、その他、メッキなどによっても形成できる。反射層の厚さがこの範囲未満では、光がある程度透過して効果が減じ、また、それ以上では、反射効果は変わらないので、コスト的に無駄である。
透明反射層の場合、所定のレリーフ構造を設けたホログラム層2面のレリーフ面へ、透明反射層を設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるので、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム層2のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにも関わらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。
透明反射層としては、例えば、ホログラム層2よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物、またはそれらを2種以上混合したもの等が例示できる。また、アルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出て使用できる。透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム層2のレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
ホログラム層2の基材1への形成は、公知の様々な手法により行うことができる。例えば、転写箔を用いる場合、まず、転写基材、剥離層、ホログラム層、反射層、接着層を積層した転写箔を作成する。剥離層とホログラム層の間に保護層を設けてもよい。そして、転写箔を用いて接着層により基材1に接着してホログラム層、反射層を転写し、転写基材と剥離層を剥離することにより基材1上にホログラム層2を形成する。
印刷層3は、図2(b)に示したように、所定のパターンを印刷した層である。印刷層3が形成される領域は、ホログラム層2の全領域を含む領域であるため、ベタ印刷でなく、パターン状に印刷を行うことになる。すなわち、印刷層3においては、パターン3aが形成され、パターン3a以外の部分については、下層のホログラム層2を隠蔽しないようにしている。パターンの印刷としては、様々な形態で行うことができるが、本実施形態では、いわゆる地紋印刷を行っている。地紋とは、地の模様を意味しており、背景の模様的な役割を果たすものとなる。寒色系の色成分により地紋印刷がなされているので、寒色系の色成分を一様にホログラムに重ねて形成することが可能となる。印刷層3を形成するための印刷方式としては、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等、公知の印刷方式を用いることができる。
一般に、ホログラムは長波長域の回折効率が大きい。そのため、ホログラム層2に重ねて形成される印刷層3が長波長域の光を吸収しない場合は、ホログラムからの回折光も多くなる。したがって、長波長域の光を吸収しない暖色系の顔料が印刷層3に用いられていると、スキャナで取り込む場合、ホログラム層2からの回折光が多く取り込まれるという現象が生じる。
ホログラム層2からの回折光がスキャナで多く取り込まれる場合、複写機が備えるスキャナでもホログラム層2からの回折光が多く取り込まれることになるため、複写機でホログラムの複写を行うことができてしまう。そのため、本実施形態では、ホログラム層2からの回折光を多く取り込まないようにするための工夫を行っている。具体的には、印刷層3を寒色系の色成分が多くなるようにすることにより、長波長成分を吸収する機能を持たせる。
基本的には、寒色系の顔料であれば、どのようなものであってもよいが、印刷インキに含まれている寒色系の顔料の補色となる色成分のものが好ましい。例えば、印刷インキとして青緑色のものを用いる。一例としては、ティーアンドケイ東華社製の印刷インキ「UV VNLシリーズ」を用いて印刷する。なお、寒色系とは、緑、青、紫色、青緑、藍色等を示している。これは、PCCS(日本色研配色体系:Practical Color Co-ordinate System)の24色相の色相環において、特定することができる。寒色系の色の波長としては、380nm以上550nm未満が好ましい。したがって、印刷層3を形成するための印刷インキとしては、550nm以上800nm以下の波長の光に対する吸収特性の高い寒色系の顔料を含む印刷インキを用いる。
<3.回折光取込の事例>
図4は、スキャナによりホログラムの回折光の取り込みが容易な従来の状態を示す概念図である。光源4、ミラー5、撮像素子6はスキャナ内部の構成を示している。図4においては、暖色系の色成分のみによるパターンを形成した印刷層3´を有するホログラム記録媒体をスキャナで読み取る場合を示している。光源4からホログラム記録媒体に向かう3本の矢印は、それぞれ可視光の長波長成分、中波長成分、短波長成分を概念的に示している。
図4の例では、印刷層3´のパターンが暖色系の色成分のみにより形成されているため、長波長成分をあまり吸収しない。その結果、ミラー5により反射され、撮像素子6に取り込まれる長波長成分が多くなる。これにより、長波長成分の多いホログラム層2からの回折光が撮像素子6に取り込まれ易くなる。
図5は、スキャナによりホログラムの回折光の取り込みを困難とした本発明による状態を示す概念図である。図5においては、本実施形態に係るホログラム記録媒体、すなわち、寒色系の色成分のみによるパターンを形成した印刷層3を有するホログラム記録媒体をスキャナで読み取る場合を示している。
図5に示すように、印刷層3に寒色系の色成分のみが含まれる場合には、寒色系の色成分により長波長成分が吸収される。図5においては、吸収により減少した長波長成分を破線で示している。長波長成分が吸収されることにより、ホログラム層2からの回折光が撮像素子6に多く取り込まれ難くなる。このため、撮像素子6に取り込まれた光に基づいて得られる画像には、ホログラム絵柄2aが表現され難いことになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、印刷層3を、ホログラム層2の領域全体を覆うように形成したが、ホログラム層2に重ねて形成されていれば、必ずしもホログラム層2の領域全体を覆うように形成しなくてもよい。
1・・・基材
2・・・ホログラム層
2a・・・ホログラム絵柄
3、3´・・・印刷層
3a・・・パターン
4・・・光源
5・・・ミラー
6・・・撮像素子

Claims (3)

  1. 基材と、ホログラムが形成されたホログラム層と、印刷インキによる印刷層と、を有するホログラム記録媒体であって、
    前記印刷層は、前記ホログラム層に重ねて形成されており、当該印刷層は、寒色系の色成分を用いて形成され
    前記印刷層は、前記基材の上に直接形成されていることを特徴とするホログラム記録媒体。
  2. 前記印刷層において、前記寒色系の色成分は、550nm以上800nm以下の波長の光に対する吸収特性の高い顔料により実現されることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  3. 前記印刷層には、前記ホログラム層と重なる範囲において、前記寒色系の色成分により地紋印刷がなされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホログラム記録媒体。
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