JP2000089014A - 光ファイバー加工用位相マスク及びその製造方法 - Google Patents

光ファイバー加工用位相マスク及びその製造方法

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JP2000089014A
JP2000089014A JP25824198A JP25824198A JP2000089014A JP 2000089014 A JP2000089014 A JP 2000089014A JP 25824198 A JP25824198 A JP 25824198A JP 25824198 A JP25824198 A JP 25824198A JP 2000089014 A JP2000089014 A JP 2000089014A
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optical fiber
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JP25824198A
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English (en)
Inventor
Toshiichi Segawa
敏一 瀬川
Masaaki Kurihara
栗原  正彰
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクに欠陥がある場合にも欠陥のない回折
格子を光ファイバー中に形成できる光ファイバー加工用
位相マスクとその製造方法。 【解決手段】 透明基板の1面に2次元的にアレー状に
配置された微小なセルの集合体からなる計算機ホログラ
ム1からなり、セルは透過光に対して各々独自の位相を
与える光路長を有しており、かつ、垂直に入射する光束
を計算機ホログラム1から所定距離L離れた面6上で1
次元方向に一定ピッチで0と1を繰り返す1の繰返領域
へのみ回折し、その繰返領域以外の領域には実質的には
回折しないような位相分布を有しており、計算機ホログ
ラム1を透過して回折された光をその面6近傍あるいは
その面と共役な面近傍に配置された光ファイバー22に
照射してその光ファイバー22中に回折格子を作製す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバー加工
用位相マスク及びその製造方法に関し、特に、光通信等
に用いられる光ファイバー内に紫外線レーザ光を用いて
回折格子を作製するための位相マスク及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーは地球規模の通信に大革新
をもたらし、高品質、大容量の大洋横断電話通信を可能
にしたが、従来より、この光ファイバーに沿ってコア内
に周期的に屈折率分布を作り出し、光ファイバー内にブ
ラック回折格子を作り、その回折格子の周期と長さ、屈
折率変調の大きさによって回折格子の反射率の高低と波
長特性の幅を決めることにより、その回折格子を光通信
用の波長多重分割器、レーザやセンサーに使用される狭
帯域の高反射ミラー、ファイバーアンプにおける余分な
レーザ波長を取り除く波長選択フィルター等として利用
できることが知られている。
【0003】しかし、石英光ファイバーの減衰が最小と
なり、長距離通信システムに適している波長は1.55
μmであることにより、この波長で光ファイバー回折格
子を使用するためには、格子間隔を約500nmとする
必要があり、このような細かい構造をコアの中に作るこ
と自体が当初は難しいとされており、光ファイバーのコ
ア内にブラック回折格子を作るのに、側面研磨、フォト
レジストプロセス、ホログラフィー露光、反応性イオン
ビームエッチング等からなる何段階もの複雑な工程がと
られていた。このため、作製時間が長く、歩留まりも低
かった。
【0004】しかし、最近、紫外線を光ファイバーに照
射し、直接コア内に屈折率の変化をもたらし回折格子を
作る方法が知られるようになり、この紫外線を照射する
方法は複雑なプロセスを必要としないため、周辺技術の
進歩と共に次第に実施されるようになってきた。
【0005】この紫外光を用いる方法の場合、上記のよ
うに格子間隔が約500nmと細かいため、2本の光束
を干渉させる干渉方法、(エキシマレーザからのシング
ルパルスを集光して回折格子面を1枚ずつ作る)1点毎
の書き込みによる方法、グレーティングを持つ位相マス
クを使って照射する方法等がとられている。
【0006】上記の2光束を干渉させる干渉方法には、
横方向のビームの品質、すなわち空間コヒーレンスに問
題があり、1点毎の書き込みによる方法には、サブミク
ロンの大きさの緻密なステップ制御が必要で、かつ光を
小さく取り込み多くの面を書き込むことが要求され、作
業性にも問題があった。
【0007】このため、上記問題に対応できる方法とし
て、位相マスクを用いる照射方法が注目されるようにな
ってきたが、この方法は図6(a)に示すように、石英
基板の1面に凹溝を所定のピッチで所定の深さに設けた
位相シフトマスク21を用いて、KrFエキシマレーザ
光(波長:248nm)23をそのマスク21照射し、
光ファイバー22のコア22Aに直接屈折率の変化をも
たらし、グレーティング(格子)を作製するものである
(符号22Bは光ファイバー22のクラッドを示
す。)。なお、図6(a)には、コア22Aにおける干
渉縞パターン24を分かりやすく拡大して示してある。
図6(b)、図6(c)はそれぞれ位相マスク21の断
面図、それに対応する上面図の一部を示したものであ
る。位相マスク21は、その1面に繰返ピッチPで深さ
Dの凹溝26を設け、凹溝26間に略同じ幅の凸条27
を設けてなるバイナリー位相型回折格子状の構造を有す
るものである。
【0008】位相マスク21の凹溝26の深さ(凸条2
7と凹溝26との高さの差)Dは、露光光であるエキシ
マレーザ光(ビーム)23の位相をπラジアンだけ変調
するように選択されており、0次光(ビーム)25Aは
位相シフトマスク21により5%以下に抑えられ、マス
ク21から出る主な光(ビーム)は、回折光の35%以
上を含むプラス1次の回折光25Bとマイナス1次の回
折光25Cに分割される。このため、このプラス1次の
回折光25Bとマイナス1次の回折光25Cによる所定
ピッチの干渉縞の照射を行い、このピッチでの屈折率変
化を光ファイバー22内にもたらすものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、凹溝2
6を所定のピッチで設けた位相シフトマスク21を密着
露光する場合は、位相シフトマスク21の格子パターン
と光ファイバー22中に形成される格子パターンとは1
対1の対応であるため、位相シフトマスク21に欠陥が
ある場合にその欠陥がそのまま転写されてしまうという
問題がある。
【0010】また、凹溝26の溝深さも、石英基板の1
段だけのエッチング加工によるため、そのπラジアンか
らのずれにより不要な0次回折光(透過光)や高次回折
光が発生して所望の高精度の回折格子が光ファイバー2
2中に形成されないという問題がある。
【0011】本発明は従来技術のこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、計算機ホログラ
ムを用いることによりマスクに欠陥がある場合にも欠陥
のない回折格子を光ファイバー中に形成できる光ファイ
バー加工用位相マスクとその製造方法を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の光ファイバー加工用位相マスクは、透明基板の1面
に2次元的にアレー状に配置された微小なセルの集合体
からなる計算機ホログラムからなり、前記セルは透過光
に対して各々独自の位相を与える光路長を有しており、
かつ、垂直に入射する光束を前記計算機ホログラムから
所定距離離れた面上で1次元方向に一定ピッチで0と1
を繰り返す1の繰返領域へのみ回折し、その繰返領域以
外の領域には実質的には回折しないような位相分布を有
しており、前記計算機ホログラムを透過して回折された
光を前記面近傍あるいはその面と共役な面近傍に配置さ
れた光ファイバーに照射してその光ファイバー中に回折
格子を作製することを特徴とするものである。
【0013】この場合、セルは縦横に碁盤の目状に配置
されていることが望ましい。
【0014】また、セルの位相分布は2段階以上に多値
化されているものであることが望ましい。
【0015】その場合に、セルの最大の位相を有するも
のと最小の位相を有するものとの位相差はπラジアンで
あり、その間が多値化の数に基づいて2以上に均等に分
割され、最大及び最小の位相を有するもの以外のセルが
その分割された何れかの位相を有することが望ましい。
【0016】また、計算機ホログラムはフーリエ変換ホ
ログラムであることが望ましい。
【0017】本発明の光ファイバー加工用位相マスクの
製造方法は、透明基板の1面に2次元的にアレー状に配
置された微小なセルの集合体からなる計算機ホログラム
からなり、前記セルは透過光に対して各々独自の位相を
与える光路長を有しており、かつ、垂直に入射する光束
を前記計算機ホログラムから所定距離離れた面上で1次
元方向に一定ピッチで0と1を繰り返す1の繰返領域へ
のみ回折し、その繰返領域以外の領域には実質的には回
折しないような位相分布を有しており、前記計算機ホロ
グラムを透過して回折された光を前記面近傍あるいはそ
の面と共役な面近傍に配置された光ファイバーに照射し
てその光ファイバー中に回折格子を作製する光ファイバ
ー加工用位相マスクを、電子線描画装置によるエッチン
グマスク作成と、作成されたエッチングマスクを介して
の透明基板の部分エッチングとを複数回繰り返すことに
より作製することを特徴とする方法である。
【0018】本発明においては、光ファイバー加工用位
相マスクが透明基板の1面に2次元的にアレー状に配置
された微小なセルの集合体からなる計算機ホログラムか
らなり、前記セルは透過光に対して各々独自の位相を与
える光路長を有しており、かつ、垂直に入射する光束を
前記計算機ホログラムから所定距離離れた面上で1次元
方向に一定ピッチで0と1を繰り返す1の繰返領域への
み回折し、その繰返領域以外の領域には実質的には回折
しないような位相分布を有しているので、計算機ホログ
ラムからなる位相マスクに欠陥がある場合であっても、
ホログラムの冗長性により欠陥のない回折格子を光ファ
イバー中に形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、まず本発明の光ファイバ
ー加工用位相マスクの原理について説明する。いま、あ
るホログラムを考え、それからの再生距離がホログラム
の大きさに比べて十分に大きい場合であってホログラム
面に垂直に平行光で照明した場合、再生像面で得られる
回折光は、ホログラム面での振幅分布及び位相分布のフ
ーリエ変換で表される(フラウンホーファー回折)。
【0020】そこで、従来、再生像面に所定の回折光を
与えるために、ホログラム面と再生像面との間で束縛条
件を加えながらフーリエ変換と逆フーリエ変換を交互に
繰り返しながらホログラム面に配置する計算機ホログラ
ムを求める方法が、Gerchberg−Saxton
反復計算法として知られている(例えば、日本光学会
(応用物理学会)主催 第22回冬期講習会テキスト
「ホログラムと回折型光学素子−基礎理論から産業応用
まで−」pp.36〜39)。
【0021】ここで、ホログラム面での光の分布をh
(x,y)、それから所定距離離れた再生像面での光の
分布をf(u,v)とすると、 h(x,y)=AHOLO(x,y)exp(iφHOLO(x,y))・・(1) f(u,v)=AIMG (u,v)exp(iφIMG (u,v))・・(2) と書ける。ここで、AHOLO(x,y)はホログラム面で
の振幅分布、φHOLO(x,y)はホログラム面での位相
分布、AIMG (u,v)は再生像面での振幅分布、φ
IMG (u,v)は再生像面での位相分布である。
【0022】上記のフーリエ変換と逆フーリエ変換は、 となる。
【0023】ここで、今後の議論を分かりやすくするた
め、ホログラム面でのAHOLO(x,y)を"HoloAmp" 、
ホログラム面でのφHOLO(x,y)を"HoloPha" 、再生
像面でのAIMG (u,v)を"ImgAmp" 、再生像面での
φIMG (u,v)を"ImgPha"で表現する。
【0024】本発明においては、まず、このGerch
berg−Saxton反復計算法を利用して、背後か
らホログラム面に垂直に平行光で照明した場合に、1次
元方向に一定繰返ピッチ2dで0と1を繰り返す1の繰
返領域へのみ光を回折する計算機ホログラムを得ること
を考える。図1は、このためのフローチャートであり、
ステップで、ホログラム面領域x0 ≦x≦x1 ,y0
≦y≦y1 で、ホログラムの振幅HoloAmp を1に、ホロ
グラムの位相HoloPha をランダムな値に初期化して、ス
テップで、その初期化した値に上記式(3)のフーリ
エ変換を施す。ステップで、フーリエ変換で得られた
再生像面での振幅ImgAmpが所定の領域、u0 ≦u≦u1
でかつ2md≦u≦(2m+1)d(mは整数),v0
≦v≦v1 内で略一定値になり、その所定領域外で略0
になったと判断された場合は、ステップで初期化した
振幅と位相が所望の計算機ホログラムとなる。ステップ
でこのような条件が満足されないと判断された場合
は、ステップで束縛条件が付与される。具体的には、
上記の所定領域内では再生像面での振幅ImgAmpは1にさ
れ、その外では0にされ、再生像面での位相ImgPhaはそ
のままに維持される。そのような束縛条件が付与された
後、ステップで、上記式(4)のフーリエ逆変換が施
される。そのフーリエ逆変換で得られたホログラム面で
の値は、ステップで束縛条件が付与され、振幅HoloAm
p は1にされ、位相HoloPha は多値化(元の関数をデジ
タルな階段状の関数に近似(量子化))される。そし
て、ステップでその値にフーリエ変換が施され、ステ
ップで、フーリエ変換で得られた再生像面での振幅Im
gAmpが上記の所定の領域、u0 ≦u≦u1 でかつ2md
≦u≦(2m+1)d(mは整数),v0 ≦v≦v1
で略一定値になり、その所定領域外で略0になったと判
断された場合は、ステップで束縛条件が付与された振
幅と位相が所望の計算機ホログラムとなる。ステップ
でこのような条件が満足されないと判断された場合は、
ステップ→→→→のループがステップの条
件が満足されるまで(収束するまで)繰り返され、最終
的な所望の計算機ホログラムが得られる。
【0025】ここで、ステップで、再生像面で振幅Im
gAmpが略所定の値に収束したと判断する評価関数として
は、例えば次のようなものを用いる。 ただし、u,vに関するΣ(和)は、u0 ≦u≦u1
0 ≦v≦v1 内のホログラムのセルにおける値の和を
取ることを意味し、〈AIMG (u,v)〉はそのセル内
における理想的な振幅である。この(評価関数)が例え
ば0.01以下になることをもって収束したと判断す
る。
【0026】この他、計算ループの反復の前回の振幅の
値と今回の値の差を用いた次のような評価関数を用いる
こともできる。 ここで、AIMG i-1 (u,v)は前回の振幅の値、A
IMG i (u,v)は今回の振幅の値である。
【0027】上記のようにして得られた計算機ホログラ
ムは位相HoloPha のみが分布している位相板であり、そ
の位相板は、背後からホログラム面に垂直に平行光で照
明した場合に、前方所定距離にある平面内のu0 ≦u≦
1 でかつ2md≦u≦(2m+1)d(mは整数),
0 ≦v≦v1 内へのみ光を回折する計算機ホログラム
である。その位相板の位相分布φHOLOは図2に示すよう
なn段階に多値化されているものである。
【0028】以上のようにして求められた位相分布φ
HOLO(x,y)から、実際の計算機ホログラムの深さ分
布を求めるには、位相分布φ(x,y)を次の式(7)
に基づいて、計算機ホログラムの深さD(x,y)に変
換する。 D(x,y)=λφ(x,y)/{2π(n1 −1)} ・・・(7) ここで、λは使用中心波長、n1 は計算機ホログラムを
構成する材質の屈折率である。
【0029】図3(a)に断面図を示すように、上記式
(7)で求めたD(x,y)の深さのレリーフパターン
2を形成することによって実際の計算機ホログラム1が
得られる。レリーフパターン2もn段階に多値化されて
いる。図3(b)にこの計算機ホログラム1の平面図を
示す。この計算機ホログラム1は縦横N×M(図の場合
は16×16)の碁盤の目状に配置された縦横寸法がΔ
の微小なセル3の集合体からなり、各セル3がそれぞれ
式(7)で与えられる深さD(x,y)を有している。
【0030】この計算機ホログラム1が本発明による光
ファイバー加工用位相マスクとして用いられる。図4に
この位相マスク1を用いて投影露光により光ファイバー
22のコア22A(図6)に屈折率の変化を与えること
によりグレーティング(格子)を作製する配置を示す。
位相マスク1の背面から垂直に紫外線(例えば波長24
8nmのKrFエキシマレーザ光)4を入射させると、
回折光5が前方へ生じ、位相マスク1から距離Lの仮想
面6上に、上記のように1次元方向に一定繰返ピッチ2
dで光強度が0と1を繰り返す格子パターンが形成され
る。この格子パターンを投影レンズ7により縮小してそ
の格子を横切るように光ファイバー22を配置してその
コア22Aに直接屈折率の変化をもたらし、グレーティ
ング(格子)を作製する(符号22Bは光ファイバー2
2のクラッドを示す。)。
【0031】次に、図5に電子線描画装置を用いて図3
に示したような本発明の光ファイバー加工用位相マスク
(計算機ホログラム)の製造方法の1実施例を説明す
る。
【0032】図5はこの実施例の工程の基本的部分を示
した断面図である。図5中、10は位相マスクのブラン
ク、11は石英基板、12はクロム薄膜、12Aはクロ
ム薄膜パターン、12Bはクロム薄膜開口部、13は電
子線レジスト、13Aはレジストパターン、13Bはレ
ジスト開口部、14は電子線(ビーム)、21’は中間
マスク、26’は凹部、27’は凸部である。
【0033】まず、図5(a)に示すように、石英基板
11上に150Å厚のクロム薄膜12をスパッタにて成
膜したブランクス10を用意した。クロム薄膜12は、
後工程の電子線レジスト13に電子線14を照射する際
のチャージアップ防止に役立ち、石英基板に凹部26’
を作製する際のマスクとなるものであるが、クロム薄膜
エッチングにおける解像性の点でもその厚さの制御は重
要で、100〜200Å厚が適当である。
【0034】次いで、図5(b)に示すように、電子線
レジスト13としては、電子線レジストRE5100P
(日立化成(株)製)を用い、厚さ400nmに塗布
し、乾燥した。
【0035】この後、図5(c)に示すように、電子線
レジスト13を電子線描画装置MEBESIII (ETE
C社製)にて露光量1.2μC/cm2 で露光した。
【0036】露光後、90℃で5分間ベーク(PEB:
Post Exposure Baking)した後、
2.38%濃度のTMAH(テトラメチルアンモニウム
ハイドロオキサイド)で電子線レジスト13を現像し、
図5(d)に示すような所望のレジストパターン13A
を形成した。なお、露光後のベーク(PEB)は電子ビ
ーム14が照射された部分を選択的に感度アップするた
めのものである。
【0037】次いで、レジストパターン13Aをマスク
として、CH2 Cl2 ガスを用いてドライエッチングし
て、図5(e)に示すようなクロム薄膜パターン12A
を形成した。
【0038】次いで、図5(f)に示すように、クロム
薄膜パターン12AをマスクとしてCF4 ガスを用いて
石英基板11を2段階以上の多段階の1段目の深さ(位
相をπだけずらす深さが240nmであり、多段階の数
がnのとき、240nm/n)だけエッチングした。深
さの制御はエッチング時間を制御することにより行われ
る。
【0039】この後、図5(g)に示すように、70℃
の硫酸にてレジストパターン13Aを剥離し、次いで、
図5(h)に示すように、硝酸第二セリウムアンモニウ
ム溶液によりクロム薄膜パターン12Aをエッチングし
て除去し、洗浄処理を経て、深さ240nm/s、縦横
寸法19.84μmの微小セルからなる中間マスク2
1’を完成した。
【0040】上記図5(a)〜(h)の工程をそれぞれ
異なるレジストパターン13Aについてn回繰り返すこ
とにより、図3に示したような本発明の光ファイバー加
工用位相マスクが完成した。
【0041】以上、本発明の光ファイバー加工用位相マ
スク及びその製造方法を実施例に基づいて説明してきた
が、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可
能である。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の光ファイバー加工用位相マスク及びその製造方法によ
ると、光ファイバー加工用位相マスクが透明基板の1面
に2次元的にアレー状に配置された微小なセルの集合体
からなる計算機ホログラムからなり、前記セルは透過光
に対して各々独自の位相を与える光路長を有しており、
かつ、垂直に入射する光束を前記計算機ホログラムから
所定距離離れた面上で1次元方向に一定ピッチで0と1
を繰り返す1の繰返領域へのみ回折し、その繰返領域以
外の領域には実質的には回折しないような位相分布を有
しているので、計算機ホログラムからなる位相マスクに
欠陥がある場合であっても、ホログラムの冗長性により
欠陥のない回折格子を光ファイバー中に形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバー加工用位相マスクを構成
する計算機ホログラムを得るためのフローチャートであ
る。
【図2】図1のフローで求められた計算機ホログラムの
位相分布を示す図である。
【図3】図1のフローで得られた1つの光ファイバー加
工用位相マスクの断面図と平面図である。
【図4】本発明の位相マスクを用いて光ファイバーにグ
レーティングを作製する配置を示す図である。
【図5】本発明の位相マスクの製造方法の1実施例の工
程の基本的部分を示した断面図である。
【図6】従来の光ファイバー加工とそれに用いられる位
相マスクを説明するための図である。
【符号の説明】
1…計算機ホログラム(光ファイバー加工用位相マス
ク) 2…レリーフパターン 3…セル 4…紫外線 5…回折光 6…仮想面 7…投影レンズ 10…位相マスクのブランク 11…石英基板 12…クロム薄膜 12A…クロム薄膜パターン 12B…クロム薄膜開口部 13…電子線レジスト 13A…レジストパターン 13B…レジスト開口部 14…電子線(ビーム) 21’…中間マスク 22…光ファイバー 22A…光ファイバーのコア 22B…光ファイバーのクラッド 26’…凹部 27’…凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA33 AA37 AA59 AA62 AA66 CA05 CA08 CA15 CA23 CA28 2H050 AC82 AC84 AD00 2H095 BB03 BB10 BC28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の1面に2次元的にアレー状に
    配置された微小なセルの集合体からなる計算機ホログラ
    ムからなり、前記セルは透過光に対して各々独自の位相
    を与える光路長を有しており、かつ、垂直に入射する光
    束を前記計算機ホログラムから所定距離離れた面上で1
    次元方向に一定ピッチで0と1を繰り返す1の繰返領域
    へのみ回折し、その繰返領域以外の領域には実質的には
    回折しないような位相分布を有しており、前記計算機ホ
    ログラムを透過して回折された光を前記面近傍あるいは
    その面と共役な面近傍に配置された光ファイバーに照射
    してその光ファイバー中に回折格子を作製することを特
    徴とする光ファイバー加工用位相マスク。
  2. 【請求項2】 前記セルは縦横に碁盤の目状に配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバー加
    工用位相マスク。
  3. 【請求項3】 前記セルの位相分布は2段階以上に多値
    化されているものであることを特徴とする請求項1又は
    2記載の光ファイバー加工用位相マスク。
  4. 【請求項4】 前記セルの最大の位相を有するものと最
    小の位相を有するものとの位相差はπラジアンであり、
    その間が多値化の数に基づいて2以上に均等に分割さ
    れ、最大及び最小の位相を有するもの以外の前記セルが
    その分割された何れかの位相を有することを特徴とする
    請求項3記載の光ファイバー加工用位相マスク。
  5. 【請求項5】 前記計算機ホログラムはフーリエ変換ホ
    ログラムであることを特徴とする請求項1から4の何れ
    か1項記載の光ファイバー加工用位相マスク。
  6. 【請求項6】 透明基板の1面に2次元的にアレー状に
    配置された微小なセルの集合体からなる計算機ホログラ
    ムからなり、前記セルは透過光に対して各々独自の位相
    を与える光路長を有しており、かつ、垂直に入射する光
    束を前記計算機ホログラムから所定距離離れた面上で1
    次元方向に一定ピッチで0と1を繰り返す1の繰返領域
    へのみ回折し、その繰返領域以外の領域には実質的には
    回折しないような位相分布を有しており、前記計算機ホ
    ログラムを透過して回折された光を前記面近傍あるいは
    その面と共役な面近傍に配置された光ファイバーに照射
    してその光ファイバー中に回折格子を作製する光ファイ
    バー加工用位相マスクを、電子線描画装置によるエッチ
    ングマスク作成と、作成されたエッチングマスクを介し
    ての透明基板の部分エッチングとを複数回繰り返すこと
    により作製することを特徴とする光ファイバー加工用位
    相マスクの製造方法。
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