JP3818518B2 - 光ファイバー加工用位相マスクの製造方法 - Google Patents

光ファイバー加工用位相マスクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバー加工用位相マスクの製造方法に関し、特に、光通信等に用いられる光ファイバー内に紫外線レーザ光を用いて回折格子を作製するための位相マスクの製造方法に関するものである。
光ファイバーは地球規模の通信に大革新をもたらし、高品質、大容量の大洋横断電話通信を可能にしたが、従来より、この光ファイバーに沿ってコア内に周期的に屈折率分布を作り出し、光ファイバー内にブラック回折格子を作り、その回折格子の周期と長さ、屈折率変調の大きさによって回折格子の反射率の高低と波長特性の幅を決めることにより、その回折格子を光通信用の波長多重分割器、レーザやセンサーに使用される狭帯域の高反射ミラー、ファイバーアンプにおける余分なレーザ波長を取り除く波長選択フィルター等として利用できることが知られている。
しかし、石英光ファイバーの減衰が最小となり、長距離通信システムに適している波長は1.55μmであることにより、この波長で光ファイバー回折格子を使用するためには、格子間隔を約500nmとする必要があり、このような細かい構造をコアの中に作ること自体が当初は難しいとされており、光ファイバーのコア内にブラック回折格子を作るのに、側面研磨、フォトレジストプロセス、ホログラフィー露光、反応性イオンビームエッチング等からなる何段階もの複雑な工程がとられていた。このため、作製時間が長く、歩留まりも低かった。
しかし、最近、紫外線を光ファイバーに照射し、直接コア内に屈折率の変化をもたらし回折格子を作る方法が知られるようになり、この紫外線を照射する方法は複雑なプロセスを必要としないため、周辺技術の進歩と共に次第に実施されるようになってきた。
この紫外光を用いる方法の場合、上記のように格子間隔が約500nmと細かいため、2本の光束を干渉させる干渉方法、(エキシマレーザからのシングルパルスを集光して回折格子面を1枚ずつ作る)1点毎の書き込みによる方法、グレーティングを持つ位相マスクを使って照射する方法等がとられている。
上記の2光束を干渉させる干渉方法には、横方向のビームの品質、すなわち空間コヒーレンスに問題があり、1点毎の書き込みによる方法には、サブミクロンの大きさの緻密なステップ制御が必要で、かつ光を小さく取り込み多くの面を書き込むことが要求され、作業性にも問題があった。
このため、上記問題に対応できる方法として、位相マスクを用いる照射方法が注目されるようになってきたが、この方法は図7(a)に示すように、石英基板の1面に凹溝を所定のピッチで所定の深さに設けた位相シフトマスク21を用いて、KrFエキシマレーザ光(波長:248nm)23をそのマスク21照射し、光ファイバー22のコア22Aに直接屈折率の変化をもたらし、グレーティング(格子)を作製するものである(符号22Bは光ファイバー22のクラッドを示す。)。なお、図7(a)には、コア22Aにおける干渉縞パターン24を分かりやすく拡大して示してある。図7(b)、図7(c)はそれぞれ位相マスク21の断面図、それに対応する上面図の一部を示したものである。位相マスク21は、その1面に繰り返しピッチPで深さDの凹溝26を設け、凹溝26間に略同じ幅の凸条27を設けてなるバイナリー位相型回折格子状の構造を有するものである。
位相マスク21の凹溝26の深さ(凸条27と凹溝26との高さの差)Dは、露光光であるエキシマレーザ光(ビーム)23の位相をπラジアンだけ変調するように選択されており、0次光(ビーム)25Aは位相シフトマスク21により5%以下に抑えられ、マスク21から出る主な光(ビーム)は、回折光の35%以上を含むプラス1次の回折光25Bとマイナス1次の回折光25Cに分割される。このため、このプラス1次の回折光25Bとマイナス1次の回折光25Cによる所定ピッチの干渉縞の照射を行い、このピッチでの屈折率変化を光ファイバー22内にもたらすものである。
上記のような位相マスク21を用いて作製する光ファイバー中のグレーティングはピッチが一定のものであり、そのためその作製に用いられる位相マスク21の凹溝26のピッチも一定のものであった。
このような位相マスクを作製するには、格子状の溝ピッチに対応したパターンデータを作製し、電子線描画装置により描画し、凹溝状の格子を作製していた。
ところで、最近、光ファイバー中に形成するブラック回折格子として、格子のピッチが格子溝に直交する方向(格子の繰り返し方向)の位置に応じて線形あるいは非線形に増加あるいは減少しているチャープトグレーティングが要求されるようになってきた。このようなグレーティングは、例えば反射帯域を広げた高反射ミラー、遅延時間を調整する手段等として用いられる。
このように格子のピッチが光ファイバーの長さ方向の位置に応じて線形あるいは非線形に変化するグレーティングを、位相マスクを用いてプラス1次の回折光とマイナス1次の回折光の干渉により作製しようとする場合、位相マスクの凹溝のピッチも、図7(a)の原理より明らかなように、同様に位置に応じて線形あるいは非線形に増加あるいは減少する必要がある(位相マスクの凹溝のピッチがより小さければ、プラス1次回折光とマイナス1次回折光のなす角度がより大きくなり、干渉縞のピッチはより小さくなる。)。このような位相マスクを電子線描画装置により描画して作製するには、従来、凹溝あるいはその間の凸条をマスクの全範囲にわたって描くための多くの描画データを必要とし、製造が困難になる場合がある。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、凹溝ピッチが溝に直交する方向の位置に応じて変化する位相マスクの電子線描画を簡単に行うことができる光ファイバー加工用位相マスクの製造方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、凹溝ピッチが溝方向の位置に応じて変化する光ファイバー加工用位相マスクの電子線描画による製造方法を提供することである。
上記目的を達成する本発明の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法は、透明基板の1面に格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンが設けられ、その繰り返しパターンによる回折光を光ファイバーに照射して異なる次数の回折光相互の干渉縞により光ファイバー中に回折格子を作製する光ファイバー加工用位相マスクの製造方法において、ピッチが異なる凹溝と凸条からなる複数のパターンを並列させて描画することにより前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンを作製するに際して、1つの凹溝と凸条からなる基本パターンの描画データを基本とし、その基本パターンの描画データの縮尺を変えて前記のピッチが異なる凹溝と凸条からなるパターンを連続的に描画することにより、前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンを作製することを特徴とする方法である。
この場合、複数のパターンを相互に溝に直交する方向へ並列させて描画することも、溝の方向へ並列させて描画することもできる。
後者の場合、1つのパターンの凹溝と隣接するパターンの凹溝との溝に直交する方向のずれ幅が、左右の最外端においても1つの凹溝の幅以内にあるようにすることが望ましい。
また、格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンのピッチの位置に応じた変化は、光ファイバー中に作製される回折格子のピッチの変化に応じて定められ、基本パターンの描画データの縮尺の位置に応じた変化により与えられることが望ましい。
また、ピッチが異なる凹溝と凸条からなる複数のパターン各々の凹溝あるいは凸条の一方を描画する走査線数及び他方をブランキングする走査線数が、何れのパターンにおいても同じ本数であるであることが望ましい。
このような格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンは、電子線描画により形成することができる。
また、格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンのピッチは、例えば0.85μm〜1.25μmの間で変化するものとすることができる。
なお、格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンの凹溝と凸条の高さの差は、光ファイバー加工用の紫外線が透過する際に位相が略πだけずれる大きさであることが望ましい。
本発明においては、1つの凹溝と凸条からなる基本パターンの描画データを基本とし、その基本パターンの描画データの縮尺を変えてピッチが異なる凹溝と凸条からなるパターンを連続的に描画することにより、ピッチが異なる凹溝と凸条からなる複数のパターンが並列されてなる光ファイバー加工用位相マスクを作製するので、描画データ量を大幅に低減することができ、パターン作製が容易になる。また、この手法により、任意のピッチ配列の位相マスクが作製可能となる。
以下に、本発明の光ファイバー加工用位相マスク及びその製造方法を実施例に基づいて説明する。
図2(b)に、図7(a)のような配置で光ファイバー中にブラック回折格子を作製するための交互に凹溝26と凸条27の繰り返しパターンからなる位相マスク21の断面図を示す。このようなマスク21の凹溝26と凸条27は、図2(a)の上面図に示すように、電子ビームの走査線28が凹溝26に沿う方向へ向くようにラスタースキャンして描画することにより凹溝26を露光し、図に破線で示すように、電子ビームのスキャンをブランクにすることにより凸条27を作製する場合を考える。マスク21全体の露光は、図2(a)中、二重矢印で示す方向へラスタースキャンを行い、上記のように、凹溝26を描画すべき位置においては所定の走査線数(図の場合は5本)だけ実際のスキャンを行い、次の凸条27を描画すべき位置においては同じ走査線数だけスキャンをブランクにし、これを繰り返すことにより所定長さの位相マスク21が電子線露光される。
本発明においては、上記のように電子ビームの走査線28によるラスタースキャンを行うことによりマスク21全体の露光を行う場合に、凹溝26又は凸条27のピッチを溝26に直交する方向あるいは溝26の方向の位置に応じて線形あるいは非線形に増加あるいは減少させるものである。この場合に、凹溝26の幅をその変化に従って増加あるいは減少させるが、1本の凹溝26を描画するラスタースキャンの走査線数を何れの位置においても同じにし、その走査線28の中心間の距離をその変化に応じて増加あるいは減少させるようにするものである。
図1は溝26に直交する方向の位置に応じて線形あるいは非線形に凹溝26又は凸条27のピッチを増加あるいは減少させる場合の描画方法を説明するための上面図であり、位相マスク21のサンプルされた左端の領域A1 は凹溝26又は凸条27のピッチP1 、サンプルされた中央の領域A2 は凹溝26又は凸条27のピッチP2 、サンプルされた右端の領域A3 は凹溝26又は凸条27のピッチP3 を有する。ここで、P1 <P2 <P3 とする。電子ビームの走査線28を上から下へ描きながら左端から右端へラスタースキャンにより各凹溝26部を描画する。その際、領域A1 においても、領域A2 においても、また、領域A3 においても、1本の凹溝26を描画する走査線数を同じにする(図の場合は5本)。そして、凸条27を描画すべき位置においては同じ走査線数だけスキャンをブランクにする。そのため、その走査線28の中心間の距離は、ピッチP1 、P2 、P3 に応じて領域A1 、A2 、A3 で変化する。
このような描画方法を採用した場合に、凹溝26部での走査線28間の電子ビームにより露光されなかった部分の面積が領域A1 、A2 、A3 によって変化し、電子線レジスト(図6参照)現像後にその未露光部が残ることが考えられるが、実際には走査線28に相当する部分の現像に伴ってその未露光レジストは除去されるので何ら問題にはならない。
以上のように、位相マスク21の凹溝26又は凸条27のピッチを溝26に直交する方向の位置に応じて線形あるいは非線形に増加あるいは減少させ、凹溝26と凸条27の幅をその変化に従って増加あるいは減少させるが、1本の凹溝26を描画するラスタースキャンの走査線数を何れの位置においても同じにする描画方法を採用すると、描画データとしてマスク21の1ピッチ分の基本パターンデータと、溝26に直交する方向の位置に応じたピッチの変化関数に対応するその基本パターンデータに対する縮尺変化関数とを用意するだけで、全体の位相マスク21のパターンを電子ビーム描画できる。
図3は溝26の方向の位置に応じて線形あるいは非線形に凹溝26又は凸条27のピッチを増加あるいは減少させる場合の描画方法を説明するための上面図であり、位相マスク21の溝26に沿う方向の下端の領域B1 は凹溝26又は凸条27のピッチP1 、溝26に沿う方向のその上の領域B2 は凹溝26又は凸条27のピッチP2 、溝26に沿う方向のその上の領域B3 は凹溝26又は凸条27のピッチP3 、・・・、溝26に沿う方向の上端の下の領域B7 は凹溝26又は凸条27のピッチP7 、溝26に沿う方向の上端の領域B8 は凹溝26又は凸条27のピッチP8 を有する。ここで、P1 >P2 >P3 >・・・>P7 >P8 とする。1つの領域Bn (n=1〜7)の各凹溝26部を電子ビームのラスタースキャンで上から下へ描き、その次の領域Bn+1 の描画を同様に描画して全ての領域B1 〜B8 の凹溝26部の描画を行う。その際、何れの領域B1 〜B8 においても、1本の凹溝26を描画する走査線数を同じにする(図の場合は5本)。そして、凸条27を描画すべき位置においては同じ走査線数だけスキャンをブランクにする。そのため、その走査線28の中心間の距離は、ピッチP1 〜P8 に応じて領域B1 〜B8 で変化する。
このような描画方法を採用した場合に、凹溝26部での走査線28間の電子ビームにより露光されなかった部分の面積が領域B1 〜B8 によって変化し、電子線レジスト(図6参照)現像後にその未露光部が残ることが考えられるが、実際には走査線28に相当する部分の現像に伴ってその未露光レジストは除去されるので何ら問題にはならない。
以上のように、位相マスク21の凹溝26又は凸条27のピッチを溝26の方向の位置に応じて線形あるいは非線形に増加あるいは減少させ、凹溝26と凸条27の幅をその変化に従って増加あるいは減少させるが、1本の凹溝26を描画するラスタースキャンの走査線数を何れの位置においても同じにする描画方法を採用すると、描画データとしてマスク21の1ピッチ分の基本パターンデータと、溝26の方向の位置に応じたピッチの変化関数に対応するその基本パターンデータに対する縮尺変化関数とを用意するだけで、全体の位相マスク21のパターンを電子ビーム描画できる。
なお、図3のように、溝26の方向の位置に応じて線形あるいは非線形に凹溝26又は凸条27のピッチを増加あるいは減少させた位相マスク21は、光ファイバー中に形成するブラック回折格子のピッチが格子溝の方向の位置に応じて線形あるいは非線形に増加あるいは減少しているグレーティングを製造するのに適している。このようなグレーティングは、例えば光ファイバー中の位置に応じて反射波長が異なるようにするのに適している。また、このような位相マスク21の凹溝26及び凸条27は図7(a)の紙面に垂直な方向に伸びているので、位相マスク21の紙面に垂直な方向の位置を調節することにより、光ファイバー22中に作製するグレーティングのピッチを選択調節するために用いることもできる。
なお、図3の描画方法の場合、1つの領域Bn の凹溝26とその次の領域Bn+1 の凹溝26との溝26に直交する方向のずれ幅は、図4に示すように、それらの左右の最外端においても、1つの凹溝26の幅以内にあるように、上記の縮尺変化関数を設定する必要がある。また、相互に隣接する領域Bn とBn+1 間の描画は相互に接触すればよいが、相互に一部重なるようにする方が凹溝26及び凸条27がスムーズに繋がるようになるので望ましい。
図5は従来技術による場合と比較して本発明の描画方法を模式的に示す図である。この図は、図1の描画方法に対応する図であるが、図3の描画方法の場合も略同様である。位相マスク21の凹溝26又は凸条27のピッチを位置に応じて線形あるいは非線形に増加あるいは減少させる場合、従来の描画方法に従えば、図5(b)に示すように、位相マスク21の位置に応じて多数の描画パターンデータA,B,C,D,E,・・・・・V,W,X,Y,Zを用意しておかなければならず、描画データ量が膨大になる。これに対して、本発明の描画方法においては、基本パターンデータAと位置x(図1の場合は、溝26に直交する方向の位置、図3の場合は、溝26の方向の位置)に応じた縮尺変化関数β(x)とを用意しておき、描画の際に、図5(a)に示すよう、A×β(x)=An と基本パターンデータAをその位置に応じて縮尺して用いればよく、描画データ量が少なくてすみ、描画が簡単になる。なお、図1、図5(a)において、上下方向の描画範囲が位置によって異なるのは、左右方向だけでなる上下方向の縮尺も同時に変えているからであり、縮尺を位置に応じて左右方向だけ変化するようにする場合(図3の場合は特に必要)は、上下方向の描画範囲は全ての位置で揃えることができる。
具体例として、基本パターンデータとして、0.125μmのアドレスユニットからなり、10本の走査線からなる1ピッチ分の描画データを用意し、縮尺は(所望の格子ピッチ)/(0.125×10)で与えられる。この縮尺と基本パターンデータとを用いて、電子線描画装置により透明基板上に塗布された電子線レジスト上を描画する。以下、このような描画方法を用いた本発明の位相マスクの製造方法の1実施例を説明する。
図6はこの実施例の工程を示した断面図である。図6中、10は位相マスクのブランク、11は石英基板、12はクロム薄膜、12Aはクロム薄膜パターン、12Bはクロム薄膜開口部、13は電子線レジスト、13Aはレジストパターン、13Bはレジスト開口部、14は電子線(ビーム)、21は位相マスク、26は凹溝、27は凸条である。
まず、図6(a)に示すように、石英基板11上に150Å厚のクロム薄膜12をスパッタにて成膜したブランクス10を用意した。クロム薄膜12は、後工程の電子線レジスト13に電子線14を照射する際のチャージアップ防止に役立ち、石英基板に凹溝26を作製する際のマスクとなるものであるが、クロム薄膜エッチングにおける解像性の点でもその厚さの制御は重要で、100〜200Å厚が適当である。
次いで、図6(b)に示すように、電子線レジスト13としては、電子線レジストRE5100P(日立化成(株)製)を用い、厚さ400nmに塗布し、乾燥した。
この後、図6(c)に示すように、電子線レジスト13を電子線描画装置MEBESIII (ETEC社製)にて露光量1.2μC/cm2 で、図1、図3を用いて説明したように、凹溝26のピッチが溝26に直交する方向の位置あるいは溝26の方向の位置に応じて図の左から右あるいは手前から奥にかけて線形に増加するように、かつ、凹溝26と凸条27の幅がその変化に従って増加するようにしながら、1本の凹溝26を描画するラスタースキャンの走査線数を何れの位置においても5本にするように、電子ビーム14の走査線間の幅を順次制御しながら露光した。
露光後、90℃で5分間ベーク(PEB:Post Exposure Baking)した後、2.38%濃度のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)で電子線レジスト13を現像し、図6(d)に示すような所望のレジストパターン13Aを形成した。なお、露光後のベーク(PEB)は電子ビーム14が照射された部分を選択的に感度アップするためのものである。
次いで、レジストパターン13Aをマスクとして、CH2 Cl2 ガスを用いてドライエッチングして、図6(e)に示すようなクロム薄膜パターン12Aを形成した。
次いで、図6(f)に示すように、クロム薄膜パターン12AをマスクとしてCF4 ガスを用いて石英基板11を深さ240nmだけエッチングした。深さの制御はエッチング時間を制御することにより行われ、深さ200〜400nmの範囲で制御してエッチングが可能である。
この後、図6(g)に示すように、70℃の硫酸にてレジストパターン13Aを剥離し、次いで、図6(h)に示すように、硝酸第二セリウムアンモニウム溶液によりクロム薄膜パターン12Aをエッチングして除去し、洗浄処理を経て、深さ240nm、ピッチが溝26に直交する方向又は溝26の方向に0.85μmから1.25μmへ線形に変化するライン(凸条27)&スペース(凹溝26)の位相マスク21を完成した。
以上、本発明の光ファイバー加工用位相マスク及びその製造方法を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。なお、以上の本発明の説明においては、電子線描画装置としてラスタースキャン型のものを用いるものとしたが、ベクタースキャン型のもの、あるいはその他の方式を用いる場合にも、本発明を適用することができる。
本発明の製造方法において用いる第1の描画方法を説明するための上面図である。 位相マスクの製造方法において用いられる電子線描画方法と位相マスクの断面を示す図である。 本発明の製造方法において用いる第2の描画方法を説明するための上面図である。 第2の描画方法における隣接する領域の凹溝間のずれ幅を説明するための図である。 従来技術による場合と比較して本発明による描画方法を模式的に示す図である。 本発明の位相マスクの製造方法の1実施例の工程を示した断面図である。 光ファイバー加工とそれに用いられる位相マスクを説明するための図である。
符号の説明
10…位相マスクのブランク
11…石英基板
12…クロム薄膜
12A…クロム薄膜パターン
12B…クロム薄膜開口部
13…電子線レジスト
13A…レジストパターン
13B…レジスト開口部
14…電子線(ビーム)
21…位相シフトマスク
22…光ファイバー
22A…光ファイバーのコア
22B…光ファイバーのクラッド
23…KrFエキシマレーザ光
24…干渉縞パターン
25A…0次光(ビーム)
25B…プラス1次回折光
25C…マイナス1次回折光
26…凹溝
27…凸条
28…電子ビームの走査線
1 〜A3 …領域
1 〜B8 …領域
1 〜P8 …ピッチ

Claims (14)

  1. 透明基板の1面に格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンが設けられ、その繰り返しパターンによる回折光を光ファイバーに照射して異なる次数の回折光相互の干渉縞により光ファイバー中に回折格子を作製する光ファイバー加工用位相マスクの製造方法において、
    凹溝及び凸条に沿う方向へ向くようにラスタースキャンして描画することで凹溝あるいは凸条の一方を作製し、そのラスタースキャンブランキングすることで凹溝あるいは凸条の他方を作製するようにし、
    ピッチが異なる凹溝と凸条からなる複数のパターンを並列させて描画することにより前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンを作製するに際して、1つの凹溝と凸条からなる基本パターンの描画データを基本とし、かつ、そのピッチが異なる凹溝と凸条からなる複数のパターン各々の凹溝あるいは凸条の一方を描画する走査線数及び他方をブランキングする走査線数が、何れのパターンにおいても同じ本数に設定して、その基本パターンの描画データの縮尺を変えて前記のピッチが異なる凹溝と凸条からなるパターンを連続的に描画することにより、前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンを作製することを特徴とする光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  2. 前記の複数のパターンを相互に溝に直交する方向へ並列させて描画することを特徴とする請求項1記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  3. 前記の複数のパターンを相互に溝の方向へ並列させて描画することを特徴とする請求項1記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  4. 1つの前記パターンの凹溝と隣接する前記パターンの凹溝との溝に直交する方向のずれ幅が、溝に直交する方向の最外端においても1つの凹溝の幅以内にあることを特徴とする請求項3記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  5. 前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンのピッチの位置に応じた分布は、光ファイバー中に作製される回折格子のピッチの分布に応じて定められ、前記基本パターンの描画データの縮尺の位置に応じた分布により与えられることを特徴とする請求項1記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  6. 前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンは、電子線描画により形成されることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  7. 前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンのピッチが0.85μm〜1.25μmの間で変化することを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  8. 前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンの凹溝と凸条の高さの差は、光ファイバー加工用の紫外線が透過する際に位相が略πだけずれる大きさであることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  9. 透明基板の1面に格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンが設けられ、その繰り返しパターンによる回折光を光ファイバーに照射して異なる次数の回折光相互の干渉縞により光ファイバー中に回折格子を作製する光ファイバー加工用位相マスクの製造方法において、
    ピッチが異なる凹溝と凸条からなる複数のパターンを相互に溝の方向へ並列させて描画することにより前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンを作製するに際して、1つの凹溝と凸条からなる基本パターンの描画データを基本とし、その基本パターンの描画データの縮尺を変えて前記のピッチが異なる凹溝と凸条からなるパターンを連続的に描画することにより、前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンを作製することを特徴とする光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  10. 1つの前記パターンの凹溝と隣接する前記パターンの凹溝との溝に直交する方向のずれ幅が、溝に直交する方向の最外端においても1つの凹溝の幅以内にあることを特徴とする請求項9記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  11. 前記のピッチが異なる凹溝と凸条からなる複数のパターン各々の凹溝あるいは凸条の一方を描画する走査線数及び他方をブランキングする走査線数が、何れのパターンにおいても同じ本数であることを特徴とする請求項9から10の何れか1項記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  12. 前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンは、電子線描画により形成されることを特徴とする請求項9から11の何れか1項記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  13. 前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンのピッチが0.85μm〜1.25μmの間で変化することを特徴とする請求項9から12の何れか1項記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
  14. 前記の格子状の凹溝と凸条の繰り返しパターンの凹溝と凸条の高さの差は、光ファイバー加工用の紫外線が透過する際に位相が略πだけずれる大きさであることを特徴とする請求項9から13の何れか1項記載の光ファイバー加工用位相マスクの製造方法。
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