JP2015069834A - 導光板、及び面光源装置 - Google Patents

導光板、及び面光源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】出光する光の拡散角を制御することができ、光の制御に関して自由度が高められた導光板を提供する。
【解決手段】光源(29)からの光を入射させ導光方向に導きつつ出光面から光を出射させる導光板(10)であって、透光性を有する基部(11)を有し、基部の一方の面には、凹凸が形成されることによりなる回折構造パターンが具備された回折構造層(12)を備え、回折構造パターンは凹凸が交互に繰り返される構造であるとともに、回折構造層には構造が異なる2種類以上の回折構造パターンが含まれる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶ディスプレイ等に用いられる面光源装置に具備される導光板、及び該導光板を用いた面光源装置に関する。
液晶テレビ等の液晶表示装置には、映像情報を有する液晶パネルに対して背面側から照明する面光源装置が備えられている。面光源装置は大別すると、光学部材の背面側に光源を配置する直下型と、光学部材の側方に光源を配置するエッジライト型と、に分類される。エッジライト型の面光源装置は、直下型の面光源装置と比較して、面光源装置を薄くすることができるといった利点を有している。
エッジライト型の面光源装置では、側方からの光源光を中央方向に導く導光板が設けられている。すなわち、光源からの光は、導光板の1つの端面である入光面から導光板内に入射する。導光板内に入射した光は、導光板内で反射を繰り返し、入光面から離れる方向(導光方向)に向けてに導光板内を進んでいく。導光板内を進む光は、導光板の光学的な作用により、導光板内を進むにつれて少しずつ出光面から出射する。この結果、導光板の出光面からの出射光量が、導光方向に沿って、均一化され、面光源として機能するようになる。
例えば特許文献1、2には、導光板の表裏面側に回折格子を用いて光源からの光を制御する技術が開示されている。
特開2001−155520号公報 特開平7−248496号公報
しかしながら、これら従来の導光板に適用されている回折格子は、導光方向に対して直交する方向に向きを変えて光を出射する際にその拡散成分を制御することができないため、出光させる光の拡散角を制御できず、光の制御に関して自由度が小さいという問題があった。
そこで本発明は上記の問題に鑑み、出光する光の拡散角を制御することができ、光の制御に関して自由度が高められた導光板を提供することを課題とする。また、当該導光板を備える面光源装置を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きで付記するが、それにより本発明が図示の形態のみに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、光源(29)からの光を入射させ導光方向に導きつつ出光面から光を出射させる導光板(10)であって、透光性を有する基部(11)を有し、基部の一方の面には、凹凸が形成されることによりなる回折構造パターン(13a〜13f)が具備された回折構造層(12)を備え、回折構造パターンは凹凸が交互に繰り返される構造であるとともに、回折構造層には構造が異なる2種類以上の回折構造パターンが含まれる、導光板である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導光板において、2種類以上の回折構造パターンが、回折構造パターンごとに所定の大きさの単位回折構造(13)を形成し、複数の単位回折構造が基部(11)の一方の面に沿って配列されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の導光板(110)において、回折構造層(112)は、導光方向のうち光源側端部には、導光方向に稜線が延び、該導光方向とは異なる方向に凹凸が交互に配列される回折構造パターンのみからなる領域が具備される。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の導光板(210)において、回折構造層(212)は、回折構造パターンが形成される複数の部位(212a)が、回折構造パターンが形成されていない部位に間隔を有して複数配置されている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の導光板(210)において、回折構造パターンが形成される複数の部位(212a)は、導光方向に面積が変化するように配列されている。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の導光板(310)において、基部(11)のうち、回折構造層(12)が配置された側とは反対側の面は平滑面である。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の導光板(10)において、基部(11)のうち、回折構造層(12)が配置された側とは反対側の面には複数の凸状の部位(21)が配列されている。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の導光板(410)において、基部(11)のうち、回折構造層(12)が配置された側とは反対側の面には光拡散層(420)が配置されている。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の導光板(510)において、基部(11)のうち、回折構造層(12)が配置された側とは反対側の面には、他の回折構造層(520)が設けられている。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の導光板(610)において、基部(11)には光拡散粒子(611)が分散されている。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の導光板(10)と、導光板(10)の導光方向の一端側に形成される入光面に対向して配置される光源(29)と、を備える、面光源装置(1)である。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の面光源装置において、導光板の出光側には、光拡散層、プリズム層、及び他の回折構造層の少なくとも1つが配置される。
本発明によれば、導光板から出光する光の拡散角度を任意に制御することができ、設計自由度の高い面光源を提供することが可能となる。
面光源装置1の構成を表す分解斜視図である。 面光源装置1の断面の一部である。 面光源装置1の他の断面の一部である。 回折構造層12の平面図である。 図5(a)は第1の例に係る単位回折構造13を説明する平面図、図5(b)はその断面図である。 図6(a)は第2の例に係る単位回折構造13を説明する平面図、図6(b)はその断面図である。 第3の例に係る単位回折構造13を説明する図である。 第4の例に係る単位回折構造13を説明する図である。 導光板10の一部を拡大して表した断面図である。 拡散特性の評価方法を説明するためのフローチャートである。 拡散特性の評価対象となる回折格子素子モデルの一例を示す平面図である。 入射光束の強度の角度分布の一例を示すグラフである。 図11に示された配向の入射光束が、図10に示された回折格子素子モデルに入射した場合における、出射光束の強度の角度分布の計算結果を示すグラフである。 輝度分布を表した図である。 回折構造の設計方法を示すフローチャートである。 図16(a)導光板成形のための金型ロール50の斜視図、図16(b)は形成された溝の断面図である。 導光板成形のための賦形シート60である。 押し出し法による導光板の成形方法を説明する図である。 プリズムシート30の単位プリズム32aを説明する図である。 面光源装置110の回折構造層112の平面図である。 図21は導光板210の回折構造層212を表した図である。 導光板310、410、510を説明する図である。 導光板610を説明する図である。 液晶表示装置700の構造を示す分解斜視図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。
図1は第一形態を説明する図であり、導光板10を具備する面光源装置1の分解斜視図である。図2には図1にII−IIで示した線(導光方向)に沿った面光源装置1の厚さ方向(図1の紙面上下方向)断面図のうち一部、図3には、図1にIII−IIIで示した線(光源配列方向)に沿った面光源装置1の厚さ方向(図1の紙面上下方向)断面図の一部を示した。なお、本図及び以下で示す図では、わかりやすさのため部材の厚さや形状等を誇張して示すことがあり、繰り返しとなる符号は一部を省略することもある。
図1〜図3よりわかるように、面光源装置1は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板10、光源29、プリズムシート30、及び反射シート40を有している。
導光板10は、基部11、回折構造層12、及び単位光学要素部20を有している。導光板10は透光性を有する材料により形成された全体として板状の部材であり、一方の板面側(観察者側とは反対側、裏面側)に回折構造層12が配置され、他方の板面側(観察者側、正面側)に単位光学要素部20が設けられて出光面として機能している。
また、一方の板面と他方の板面との間であり導光板10の板厚を形成する端面は光源29に対向する入光面、該入光面とは反対側に形成される対向面、及び入光面と対向面とを渡すように2つの側面がそれぞれ形成されている。
基部11は、この内部を光が進行するとともに、回折構造層12、及び単位光学要素部20の基材となる透光性を有する部位であり、所定の厚さを有する板状である。
回折構造層12は、基部11のうち裏面側(出光面とは反対側、一方の板面側)に形成される回折構造パターンを備える層である。この回折構造パターンは、基部11内を導光され回折構造層12に達した光を、予め決めておいた拡散角で光を拡散して出光面側に出射するように構成されている。図4には回折構造層12を出光面方向から見た平面図を示した。また、図4には向きも併せて表している。
図4からわかるように回折構造層12は、所定の形態を有する1単位である単位回折構造13が基部11の一方の板面に沿って導光方向及び光源配列方向に複数並べて配列されている。1つの単位回折構造13の形態は図4には正方形で表されているがこれに限らず長方形や他の多角形状であってもよく、適宜設定できる。また、単位回折構造13の形状のうち、光源配列方向の大きさ(例えば図4にpで示した大きさ。)は、配列されている複数の光源29の1ピッチよりも小さいことが好ましい。
単位回折構造13内の具体的構造は予め決めておいた拡散角で光を拡散することができる構造を含み、その他の機能を奏するための構造を追加することも可能である。図5〜図8は単位回折構造13の構造例を説明するものである。
図5は、第1の例に係る単位回折構造13であり、単位回折構造13の中に1種類の回折構造パターン13aが含まれている。図5(a)は1つの単位回折構造13の平面図で図4と同じ視点で示した図である。図5(b)は図5(a)のVb−Vb線に沿った断面図である。すなわち図5(b)は単位回折構造13の光源配列方向に沿った断面図である。
図5(a)、図5(b)からわかるように、回折構造パターン13aは断面形状が矩形である凸部が所定のピッチで光源配列方向に配列され、凸部間に形成される凹部により、凹凸形状の回折構造となっている。これにより凸部を透過する光の位相変調量と凹部を透過する光の位相変調量とが異なるようになり、結果として回折構造パターン13aに基づき光は所定のパターンで回折する。従って、回折構造パターン13aを構成する凹凸は、回折現象を用いて光を拡散する凹凸であり、光の屈折を利用して光の向きを変える凹凸とは異なる。これは具体的には凹凸のピッチp、凸部及び凹部のピッチ方向大きさa、b、並びに凸部の高さ(凹部の深さ)hの大きさの程度が大きく異なることで区別することができる。例えば、pの大きさは0.5μm以上20μm以下、a、bの大きさは、0.2μm以上10μm以下、hの大きさは1μm以上10μm以下程度である。
特に、回折構造パターン13aのうち、凹凸の稜線が導光方向に延び、これとは直交する方向である光源配列方向に凹凸が交互に配列される回折構造パターンは、1次光により、場合によっては2次光以降の高次光も併せて、光を光源配列方向に拡散することができる。
図6は、第2の例に係る単位回折構造13の例であり、1つの単位回折構造13の中に光源配列方向に並べられた3種類の回折構造パターン13a、13b、13cが含まれている。図6(a)は単位回折構造13の平面視で図5(a)に相当する図である。図6(b)は図6(a)のVIb−VIbに沿った断面図である。すなわち図6(b)は単位回折構造13の光源配列方向に沿った断面図である。
本例における3種類の回折構造パターン13a、13b、13cはいずれも導光方向に稜線が延び、これとは直交する方向である光源配列方向に凹凸が交互に配列されている。さらに、回折構造パターン13a、13b、13cでは、ピッチp、p、p及び凸部及び凹部のピッチ方向大きさa、b、a、b、a、bがそれぞれ異なるように形成されている。すなわち、p>p>p、a>a>a、かつ、b>b>bである。
このような単位回折構造13によれば、さらに光源配列方向に滑らかに光を拡散することができる。回折構造パターン13a、13b、13cは、その形状の差異に基づいて、光源配列方向面内における拡散角度が異なる。従って第2の例に係る単位回折構造13では、全体としてこれらを平均(合成)したように光が拡散され、光源配列方向にムラなく光を拡散する。
図7は、第3の例に係る単位回折構造13であり、1つの単位回折構造13の中に光源配列方向に並べられた2種類の回折構造パターン13a、13dが含まれている。図7は単位回折構造13の平面視で図5(a)に相当する図である。
当該第3の例に係る単位回折構造13では、上記した回折構造パターン13aに加え、回折構造パターン13dが設けられている。回折構造パターン13dは、凹凸の稜線が光源配列方向に延び、導光方向に凹凸が交互に配列されたパターンである。これにより導光方向面内にも光が拡散される。
図8は、第4の例に係る単位回折構造13であり、1つの単位回折構造13の中に4種類の回折構造パターン13a、13d、13e、13fが含まれている。図8は第4の例に係る単位回折構造13の平面視で図5(a)に相当する図である。
当該第4の例に係る単位回折構造13では、上記した第3の例に係る単位回折構造13に加え、これらの導光方向に並べられた回折構造パターン13e、13fが設けられている。回折構造パターン13e、13fは、凹凸の稜線が光源配列方向及び導光方向に対して斜めに延び、当該延びる方向に直交する方向に凹凸が交互に配列されている。回折構造パターン13eと回折構造パターン13fとは、その延びる方向が異なる構造であり、当該延びる方向が直交するように構成されている。
このような単位回折構造13によれば、さらに異なる面内に光を拡散させることができ、光を拡散させることができる方向を増やすことができる。
以上説明した各例のように、稜線が延びこれと直交する方向に沿って凹凸が設けられる各種回折構造パターンを単独または複合した単位回折構造13を備えることにより、任意の方向に光を拡散することができる。従って、光の拡散について所望の特性を得ることができ例えば視野角を制御する等、設計自由度の高い導光板、及びこれを用いた面光源装置を構成することが可能となる。
ここで、上記の各例の断面形状において、凸部の角部、凹部の隅部が円弧状、又はテーパ状にされていてもよい。これにより製造が容易になる。また、矩形の凹凸に限らずのこぎり歯状、サイン波形状など任意の形状でも形成できる。
図1〜図3に戻って単位光学要素部20について説明する。単位光学要素部20は、基部11のうち裏面側に配置された回折構造層12とは反対側(観察者側の面)に形成される凹凸形状であり、複数の凸部である単位光学要素21が配列されている。単位光学要素21は導光板10を面光源装置に用いた場合に出光面として機能する部位である。
単位光学要素21は、図1、図3に表されるように断面略三角形を有し該断面を維持してその稜線が一方に延びる柱状の要素である。単位光学要素21の稜線が延びる方向は、導光方向とされている。そして複数の単位光学要素21が当該稜線が延びる方向と直交する方向に配列されている。
本形態は、単位光学要素部20が設けられて出光面が凹凸である例を説明する。このときには、回折構造層12による回折パターンと単位光学要素部20の形態により任意の輝度分布を得るように構成されている。
図9には図3のうち導光板10の一部を拡大した図を示した。単位光学要素21は、基部11の一方の面上に底辺を有し、基部11から突出する凸部となる略三角形形状を有している。本形態の単位光学要素21では、当該断面における底辺に対向する頂点が曲線状とされている。
また、本形態では、単位光学要素21は図3、図9に現れる断面(単位光学要素21が配列される方向に沿った断面)において、二等辺三角形である。これによれば、回折構造層12による拡散光に応じて正面方向の輝度を効果的に上昇させること、及び、単位光学要素21の配列方向に沿った面内での輝度の角度分布に対称性を付与することができる。
ただし、本形態の断面は二等辺三角形であるが必ずしもこれに限定されることなく、回折構造層12の光拡散特性との組み合わせで、必要に応じて他の形状の三角形(例えば不等辺三角形)又は四角形、五角形をはじめとする多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等の他の形状を適用してもよい。
なお、本件明細書における形状(例えば三角形形状)とは、厳密な意味での形状(例えば厳密な三角形形状)のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む形状(例えば略三角形形状)を含む。また同様に、本件明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「楕円」、「円」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
単位光学要素21の形状の具体例として、導光板10の板面に沿った幅W(図9参照)は20μm以上500μm以下とすることができ、導光板10の板面への法線方向nに沿った単位光学要素21の高さH(図9参照)を4μm以上250μm以下とすることができる。また、単位光学要素21の断面形状が三角形形状からなる場合には、頂角θ(図4参照)を90°以上150°以下とすることができる。
一方、基部11の厚さは、0.20mm以上6mm以下とすることができる。
以上のような構成からなる導光板10において、回折構造層12は基部11に直接形成してもよいし、基部11の一方の面に回折構造層12を貼り付けるようにしてもよい。具体的な製造方法の例は後で説明する。基部11、及び回折構造層12を構成する材料は、透明性が高いものが好ましく、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。その他、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系化合物、不飽和ポリエステル系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物等からなるラジカル重合性プレポリマー、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和単量体等の中から選択した1種又は2種以上からなる組成物からなる電離放射線硬化性樹脂も挙げることができる。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又メタクリレートを意味する。
一方、単位光学要素部20は、押し出し成型により、又は、基部11上に単位光学要素21を賦型することにより製造することができる。なお、押し出し成型で製造された導光板21においては、基部11、及び単位光学要素部20が一体的に形成され得る。単位光学要素部20を構成する材料は基部11と同様である。
次に導光板10のうち回折構造層12を製造する方法についての一例を挙げてさらに詳しく説明する。回折構造層12は、各回折構造パターン形状を得て、回折構造層の形態を得る工程、及び、得られた回折構造層の形態に基づいて型を作製してこれにより基部11に回折構造層を成形する工程を含んで製造される。以下各工程について説明する。
回折構造層の形態を得る工程では、上記した機能を有する各回折構造パターン形状を得ることができれば特に限定されることはないが、例えば次のような方法を採用することができる。
ここでは初めに複数の回折構造パターンを含むときの回折構造層の拡散特性の評価方法について説明する。
導光板が設計及び作製されると、実際に種々の装置等に適用する前に、通常、得られた導光板の拡散特性を評価することになる。例えば、光拡散剤を内添してなるよく知られた光拡散性のフィルムについては製造が容易であることから、実際に製造して得られた現物を適用対象物に組み込んで、拡散特性を評価すればよい。一方、WO2005−0708483及びJP2001−356673Aに開示されているような計算機合成ホログラムを用いた光拡散性のフィルムを製造するには、一般的に、超精密構造を有した型を製造する必要が生じる。このため、計算機合成ホログラムを用いた従来の光拡散フィルムでは、高価な型を用意する前に、シミュレーションにより拡散特性が評価されることも多い。しかしながらその計算は非常に複雑で長時間にわたってしまう。
その一方で、本形態の導光板10では、不規則的な干渉縞を有した計算機合成ホログラムとは異なり、回折構造層12を用いて光拡散機能を発現するようになっている。このため、個々の単位光学構造の拡散特性は、計算機合成ホログラムの拡散特性と比較して、短時間で精度良く計算され得る。加えて、以下に説明する評価方法では、複数の回折構造パターンの面積比を用いることにより、異なる回折構造パターンを有する複数の単位回折構造を含む導光板の拡散特性を、短時間で精度良く算出することができる。以下、図10〜図15を参照しながら、回折構造層の拡散特性の評価方法について説明する。
図10に示すように、ここで説明する回折構造層の拡散特性の評価方法は、
・回折構造層に含まれる回折構造パターンのそれぞれについて、対応する構成を有した回折格子素子モデルを設定する、モデル設定工程と、
・選択された複数の回折格子素子モデルのそれぞれについて、回折効率を計算する、第1計算工程と、
・入射光の強度の角度分布、各回折格子素子モデルでの回折方向、各回折格子素子モデルについて計算された回折効率、および、回折構造層内における各回折格子素子モデルの面積比を考慮して、出射光の強度の角度分布を計算する、第2計算工程と、
を含んでいる。
モデル設定工程は、評価対象となる回折構造層に含まれる複数の回折構造パターンを、回折格子素子モデルとして特定する。対象となる回折構造層の回折構造パターンが、屈折率界面をなす凹凸面によって画成されているとすると、上述したように、選択された複数の回折格子素子モデルの間において、凹凸面のピッチp、凹凸面のピッチpに対する凹凸面をなす凸部の幅aの比(a/p)、凹凸面をなす凸部の配列方向、凹凸面をなす凸部の高さh、凹凸面の断面形状、他の回折格子素子モデルに対する面積比、及び、凹凸面の両側における屈折率差、のうちの一以上が異なっているようにする。なお、回折構造層が、同一に構成された多数の単位回折構造からなる場合には、一つの単位回折構造に含まれる複数の回折構造パターンのみに着目すればよい。
一具体例として、図7に示された回折構造層に含まれる回折構造パターン13a及び回折構造パターン13dを、図11に示された第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bとして評価した。この評価では、理解の便宜を図り、第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bを次のように設定した。第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bは、入光側の第1層及び出光側の第2層とからなり、第1層と第2層との間に、屈折率界面をなす凹凸面が形成されていることにした。また、第1層をなす材料の屈折率を1.588とし、第2層をなす屈折率を1.410とした。第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bは、格子パターンの配列方向が異なる点において異なり、他の凹凸面の構成は同一とした。すなわち、第1回折格子素子モデル55aを90°回すと、第2回折格子素子モデル55bと同一になるように特定した。また、第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bの面積比は、1:1とした。
次に、第1計算工程では、選択された複数の回折格子素子モデルのそれぞれについて、回折効率を計算する。各回折格子素子モデルについて、0次の回折効率、1次の回折効率、さらに必要に応じて2次以上の回折効率について計算する。例えば、厳密結合波理論(Rigorous Coupled Wave Analysis)または時間領域差分法(FDTD Finite Difference Time Domain method)を用いて、各回折格子素子モデルについて、各次数の回折効率を計算することができる。厳密結合波理論や時間領域差分法を用いる場合には、入射光の入射角度、入射光の波長、回折格子素子モデルの構成(断面形状や凹凸面での屈折率差)を特定して、各次の回折効率を計算することができる。したがって、評価対象となる回折構造層に複数波長域の光が入射することが想定されている場合、第1計算工程および次に説明する第2計算工程において、複数の波長域の光のそれぞれについて計算を実施すればよい。また、評価対象となる回折構造層に角度幅を持って光が入射することが想定される場合には、複数の入射角度に対して、回折効率を計算しておく。
ここで、図11に示された第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bについて、凹凸面のピッチを0.9μmおよび凹凸面をなす凸部の高さhを1.3μmに設定した例では、各次の回折効率を計算した結果が表1のようになった。なお、表1の回折効率は、入射光が、第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bに正面方向から入射した場合の計算結果である。
Figure 2015069834
最後に、第2計算工程では、入射光の強度の角度分布、各回折格子素子モデルでの回折方向、各回折格子素子モデルについて計算された回折効率、および、回折構造層内における各回折格子素子モデルの面積比を考慮して、出射光の強度の角度分布を計算する。出射光の強度の角度分布は、次の式を用いて計算することができる。
Figure 2015069834
Figure 2015069834
ここで、
m :回折格子の番号
n :回折次数
λ :波長
(x,y) :入射光の方向余弦
(X,Y) :出射光の方向余弦
(d,d) :格子ベクトル
σ:m番目の回折格子の面積比
O(X,Y,λ) :出射光の強度の角度分布
ηm,n(x,y,λ) :m番目の回折格子のn次の回折効率
m,n(X,Y,x,y,λ):m番目の回折格子のn次の回折光分布
I(x,y,λ) :入射光の強度の角度分布
となっている。m番目の回折格子のn次の回折光分布を示すDm,n(X,Y,x,y,λ)の式では、デルタ関数δを用いており、デルタ関数中の(d,d)は格子ベクトルである。したがって、Dm,n(X,Y,x,y,λ)の式は、入射光が回折格子素子モデルにより回折されて伝播方向が変わることを表している。また、O(X,Y,λ)は、基本的に光線追跡法で求められる。すなわち、まず、入射光束を多数の光線で表し、一本ごとの光線の回折格子素子モデルでの回折現象を計算する。その後、回折された光を集め、出射光束の強度の角度分布を得ている。計算機合成ホログラムを用いた従来の光拡散フィルムでは、このような方法により、O(X,Y,λ)を求めることは不可能である。
図12には、入射光束の強度の角度分布の一例を表すグラフが示されている。図12のグラフにおいて、実線が、正面方向および第1方向d1の両方に沿った面内での入射光束の強度の角度分布を示しており、破線が、正面方向および第2方向d2の両方に沿った面内での入射光束の強度の角度分布を示している。図12に示された配向を有する入射光束が、図11に示された第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bに入射した場合における、第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bを透過した出射光束の強度の角度分布を、図13のグラフとして示している。
図13のグラフでは、正面方向および第1方向d1の両方に沿った面内での出射光束の強度の角度分布が示されている。この強度の角度分布の評価は、すなわち、図13の結果が得られた評価では、400nmの光、500nmの光、600nmの光及び700nmの光が同一の光量で入射光束に含まれているとの条件を採用した。また、図13の結果が得られた評価では、図12に示された第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bの凹凸面のピッチを0.9μmおよび凹凸面をなす凸部の高さhを1.3μm、凹凸面をなす凸部の幅aを0.45μmに設定した。さらに、入射光束は、第1方向d1に沿って振動する直線偏光とした。
また、図11の第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bの凹凸面のピッチpと、第1回折格子素子モデル55a及び第2回折格子素子モデル55bの凹凸面をなす凸部の高さhと、を種々の値に設定して、第1回折格子素子モデル55aおよび第2回折格子素子モデル55bの拡散特性を評価して計算した。凹凸面のピッチpについては、0.9μmから2.1μmまで0.2μmずつ変化させた。凹凸面をなす凸部の高さhについては、1.3μm、1.5μmおよび1.7μmに設定した。
各条件について求められた、正面方向輝度の比、正面方向および第1方向d1の両方向に沿った面内での出射光強度の角度分布における正面方向輝度比、半値角、色分散係数を、それぞれ、表2、表3および表4に示す。なお、色分散係数とは、回折構造層の法線方向に沿った各波長の出射光の強度に関する最大値、最小値、平均値を特定し、最大値と最小値との間の差X(図13参照)の平均値yに対する比の値(x/y)のことである。色分散係数の値が大きい程、色が分散していることになる。表2〜表4に示すように、凹凸面のピッチpおよび凹凸面をなす凸部の高さhを変化させることにより、回折構造層の拡散特性を大きく変化させ得ることが確認された。
ここで、回折構造層への入射光の角度は、回折構造層への法線方向からの入射光に限らず、当該法線方向から所定の角度を有する斜め入射のときであっても同様に算出することができる。
Figure 2015069834
Figure 2015069834
Figure 2015069834
図14(a)には出射光束の強度の2次元的な角度分布、すなわち2次元的な輝度分布を表した。図14のうち基準となる強度に対して60%以上の強度が確保された角度域をZa、同様に40%以上60%未満の強度が確保された角度域をZb、20%以上40%未満の強度が確保された角度域をZc、20%未満の強度が確保された角度きをZdで表した。そしてこれが2元的に全方位に適用されることにより図14(b)に示したように、2次元的に広がりを有する輝度分布が得られることがわかる。
他の回折構造パターンを有する回折構造層も同様に行うことができる。以上のような回折構造層の拡散特性の評価方法によれば、回折構造層に含まれる回折構造パターンが周期的な格子パターンを有するとともに、異なる格子パターンを有した二以上の単位回折構造の面積比を利用しているので、計算機合成ホログラムを用いた従来の光拡散性を有するフィルムのように、パターンの端部の形状を考慮する必要がなく、また、パターンの計算面積を検討する必要もない。これにより、誤差が少なく評価結果の精度が大幅に向上し、且つ、計算時間も短縮する。とりわけ、同一に構成された多数の単位回折構造からなる回折構造層では、そのごく一部分のみを計算対象とすればよく、大面積を計算する必要があった計算機合成ホログラムを用いた従来の光拡散フィルムと比較して、計算時間を大幅に短縮することができる。
次に回折構造層の設計方法について説明する。以上で説明したように、回折構造層の拡散特性は、計算機合成ホログラムを用いた従来の光拡散フィルムの拡散特性と比較して、短時間で高精度に評価することができる。そして、この点を利用することにより、所望の拡散機能を発揮し得る回折構造層を、計算機を用いて短時間で高精度に設計し得る。以下、回折構造層の設計方法について説明する。
図15に示すように、ここで説明する回折構造層の設計方法は、
・回折構造層に含まれる複数の回折構造パターンのそれぞれについて、特定の構成を付与された回折格子素子モデルを選択する、モデル設定工程と、
・選択された複数の回折格子素子モデルのそれぞれについて、回折効率を計算する、第1計算工程と、
・入射光の強度の角度分布、各回折格子素子モデルでの回折方向、各回折格子素子モデルについて計算された回折効率、および、回折構造層内における各回折格子素子モデルの面積比を考慮して、出射光の強度の角度分布を計算する、第2計算工程と、
前記計算された出射光の強度の角度分布に基づき、予め設定された条件が満たされるか否かを確認する、確認工程と、
を含んでいる。
まず、モデル設計工程では、互いに異なる格子パターンを有する複数の回折格子素子モデルが選択される。一例として、モデル設定工程で設定される各回折格子素子モデルが凹凸面としてモデル化されている場合には、複数の回折格子素子モデル間において、凹凸面のピッチp、凹凸面のピッチpに対する凹凸面をなす凸部の幅aの比(a/p)、凹凸面をなす凸部の配列方向、凹凸面をなす凸部の高さh、凹凸面の断面形状、他の回折格子素子モデルに対する面積比、及び、凹凸面の両側における屈折率差、のうちの一以上が異なるように、複数の回折格子素子モデルが選択され得る。
なお、モデル設定工程では、予め設定された条件が満たされることを考慮して、複数の回折格子素子モデルが選択されることが好ましい。この際、事前に得られている結果等に基づき、例えば、予め評価の基礎となる情報を事前に調査および獲得しておくとともに、この情報を所望の出射光の配向と対比して、複数の回折格子素子モデルを選択することが好ましい。
次に実施される第1計算工程および第2計算工程は、上記説明した回折構造層の拡散特性の評価方法における第1計算工程および第2計算工程と同様に行われる。第2計算工程を経ることにより、仮設計された回折構造層の拡散特性に関する情報が得られる。
確認工程では、得られた拡散特性に関する情報に基づき、モデル設定工程で仮設計された回折構造層が、想定される配向の入射光束に対して有効な光拡散機能を発揮し、これにより、出射光束の強度の角度分布に関する所定の条件が満たされるか否かを検討する。ここで確認される所定の条件とは、設計対象となる回折構造層に予定された用途等に応じて定められる条件である。
一例として、確認工程において、特定の方向に沿った面内での出射光の強度の角度分布の半値角が、予め設定された値以上となっているか(または予め設定された値を超えているか)否かや、回折構造層の法線方向に進む出射光の強度が、予め設定された角度以上となっているか(または予め設定された角度を超えているか)否か、又は、回折構造層の法線方向に進む出射光の強度が、予め設定された値未満となっているか(または予め設定された値以下となっているか)否か等が、判断され得る。
第1計算工程および第2計算工程において、複数の波長の光について計算が行われる場合には、確認工程において、各波長の光について計算された出射光の強度の角度分布に基づき、予め設定された条件が満たされるか否かが確認されるようにしてもよい。例えば、計算されたすべての波長の光に関する強度の角度分布が、所定の条件を満たすか否かが判断されてもよい。また、確認工程において、色度の角度変化が予め定められた条件として、確認されてもよい。具体例として、回折構造層の法線方向に沿った各波長の出射光の強度に関する最大値、最小値、平均値を特定し、最大値と最小値との間の差の平均値に対する比の値、すなわち上述した色分散係数が、予め設定された値以下となっているか(または予め設定された値未満となっているか)否かが、確認工程で判断されてもよい。
図15に示すように、確認工程で予め設定された条件が満たされていることが確認された場合には、計算対象となっていた回折格子素子モデルの構成が、対応する回折格子素子の構成として決定され、回折構造層の設計が終了する。一方、確認工程で予め設定された条件が満たされていないことが確認された場合には、モデル設定工程まで戻って、回折構造層に含まれる複数の回折構造パターンのそれぞれについて特定の構成を付与された回折格子素子モデルを選択し直して、第1計算工程、第2計算工程および確認工程を再度行う。このとき二回目の確認工程で予め設定された条件が満たされていることが確認されれば、二回目に計算対象となっていた回折格子素子モデルの構成が、回折格子素子の構成として決定され設計が終了する。逆に、二回目の確認工程で予め設定された条件が満たされていないことが確認された場合には、その後に実施される確認工程で、予め設定された条件が満たされていることが確認されるまで、モデル設定工程、第1計算工程、第2計算工程および確認工程が繰り返し実施される。
一例として、確認工程で予め設定された条件が満たされていないことが確認された場合には、引き続き行われるモデル設定工程で複数の回折格子素子モデルを選択し直す際に、回折格子素子モデルの面積比のみが変更される、すなわち、各回折格子素子モデルの面積比以外の構成は維持されるようにしてもよい。このような手法を用いる場合には、最初のモデル設定工程において、選択される複数の回折格子素子モデルのうちの二以上の回折格子素子モデルの間で、格子パターンの方向が互いに異なっていることが好ましい。このような手法によれば、再度の第2計算工程を行う際に、一回目の第2計算工程で得られた計算結果の一部を利用することが可能となり、さらに、一回目の第1計算工程で得られた計算結果をそのまま利用することにより、再度の第1計算工程を実際に実施する必要がなくなる。
なお、確認工程で予め設定された条件が満たされていないことが確認された場合には、引き続き行われるモデル設定工程で複数の回折格子素子モデルを選択し直す必要がある。次のモデルの条件値を決定する方法としては、評価値(条件が満たされた程度を表す値)が向上する方向にモデルの条件値を変化させる方法と、モデルの条件値を変えてみて評価値が向上するならその変化を採用して次に進む方法が例示され得る。前者には減衰最小自乗法(damped least−squares method:DLM)等が例示され、後者には遺伝的アルゴリズム(genetic algorithm:GA)やシミュレーテッドアニーリング(Simulated Annealing:SA)等が例示される。
以上のようにして、想定される入射光に対して有効な光拡散特性を発揮して出射光の配向を制御し得る回折構造層の形状を設計することができる。
次に、得られた回折構造層の形態に基づいて型を作製してこれにより導光板10を成形する工程について説明する。
本例では導光板10の形態が連続してなる導光板用帯状シート10’(図18参照)を押し出し法により作製し、ここから所定の大きさで抜き打ちすることにより導光板10を得る方法を説明する。具体的には次の通りである。
本例では、押し出し法により導光板用帯状シート10’を製作するに先立ち、単位光学要素21の形状を賦形できる金型ロール50、及び回折構造層12の形状を賦形できる賦型シート60を準備する。図16(a)に金型ロール50の形態を概念的な斜視図で示した。また、図16(b)には金型ロール50の表面に形成される溝51の長手方向に直交する断面形状を表した。一方、図17(a)に賦形シート60の形態を概念的な斜視図で示した。また、図17(b)には賦形シート60の表面に形成される溝61の長手方向に直交する断面形状を表した。なお、本例は図5に示した第1の例に係る回折構造層12により説明する。
金型ロール50は上記のように単位光学要素21の形状を賦形できるロール状の金型である。従って金型ロール50は、図16(b)に示したように単位光学要素21の凸部形状に対応する形状の溝51をその外周面に具備している。溝51は、図16(a)からわかるようにロール状である金型の外周面に沿った方向に延び、ロールの回転軸に沿った方向に複数の溝51が並べられている。複数の溝51の配列ピッチは導光板10の単位光学要素21の配列ピッチに対応している。
賦形シート60は上記のように回折構造層12の形状を賦形できる帯状のシートである。従って賦形シート60には、図17(b)に示したように回折構造層12の形状に対応する複数の溝61が一方側のシート面に形成されている。溝61は、図17(a)からわかるように帯状であるシートの長手方向(賦形シートの送り方向)に沿った方向に延び、シートの幅方向に複数の溝61が並べられている。複数の溝61の配列ピッチは上記得られた回折構造パターンに対応している。当該形状は例えば次のようにして得ることができる。
まず、合成石英等の基板上に表面低反射クロム薄膜を積層したフォトマスクブランク板のクロム薄膜上に、ドライエッチング耐性のあるレジスト層を薄膜状に形成する。ドライエッチング用レジストとしては、一例として、日本ゼオン株式会社製のZEP7000等を使用することができ、レジストの積層は、スピンナー等を用いた回転塗付によって行うことができる。このレジスト層に対し、パターン露光を行なうが、パターン露光は、板状のパターン、レーザー描画装置によるレーザービームの走査、又は、電子線描画装置による電子線の走査により行うことができる。この露光によりレジスト樹脂が硬化した易溶化部分と、未露光部分と、が形成されるので、現像液を噴霧して行なうスプレー現像等によって、溶剤現像して易溶化部分を除去し、レジストパターンを形成する。
形成されたレジストパターンを利用して、ドライエッチングにより、レジストで被覆されていない部分のクロム薄膜を除去し、除去した部分において、下層の石英基板を露出させる。次いで、露出した石英基板に対して、同様にドライエッチングを施して、石英基板をエッチングし、エッチングの進行により生じた凹部と、クロム薄膜およびレジスト薄膜とが下から順に被覆している石英基板の元の部分からなる凸部とを形成する。この後、レジスト薄膜を溶解等により除去し、石英基板がエッチングされて生じた凹部と、頂部にクロム薄膜が積層した部分からなる凸部とを有する石英基板を得る。
以上の方法のみでは、凸部と凹部の、二値的(高低の二段、深さとしては、元の石英基板の表面に加えて、もうひとつのレベルの面が生じる。) のものしか得られないが、上記で得られたものに対し、さらにレジストの形成→パターン露光→レジストの現像→クロム薄膜のドライエッチング→石英基板のドライエッチング→ レジスト除去からなる、フォトエッチングの工程を繰り返すことにより、1回目のフォトエッチングにより生じた凹部および凸部に対してさらにフォトエッチングを施すことができる。これを複数回繰り返すことにより、複数の高低差を有する凹凸を精度よく得ることが可能である。このようにして、所定の段数を得た後、クロム薄膜をウェットエッチングにより除去し、石英基板表面に所定の段数の深さの凹凸が形成された型形状を得ることができる。この凹凸型をもとに、フィルム表面塗布された樹脂などの表面に凹凸形状を形成し、賦型シートを得ることができる。
また、露光するパターンをフォトリソグラフィ技術で任意の光強度で、断面形状や、のこぎり歯状波やサイン波を形成し、任意の凹凸形状を作成し、メッキ工程などをへて型を作製し、賦型シートを得ることも可能である。
また、図5のような一次元に延びるパターンのみによる凹凸を得る場合は、凹凸形状の全体、または、一部を加工した切削用バイトを準備し、メッキ加工したロールに、旋盤加工によりロール金型を作製する。この金型を用いて、フィルム表面塗布された樹脂などの表面に凹凸形状を形成し、賦型シートを得ることができる。
以上のように準備された金型ロール50、及び賦形シート60等を次のように配置するとともに、材料を供給して押し出し法により導光板10が備えている凹凸形状を含む導光板用帯状シート10’を得る。図18に概念的な説明図を示した。すなわち、金型ロール50と、該金型ロール50に対して所定の間隙を有して配置される送りロール70と、の間に賦形シート60を順次送り出し、さらに賦形シート60と金型ロール50との間に溶融した熱可塑性樹脂をノズル74から流入する。ここで賦形シート60の送り方向は帯状である賦形シート60の長手方向である。また、流入される熱可塑性樹脂の形態は金型ロール50及び賦形シート60の幅方向大きさと同程度の大きさ(幅)を有する帯状であることが好ましい。これにより幅方向に均一な材料供給が可能である。
供給された熱可塑性樹脂は金型ロール50と賦形シート60との間に所定の圧力を具備しつつ流入する。これにより熱可塑性樹脂が金型ロール50及び賦形シート60の溝51、61にそれぞれ充填され、熱可塑性樹脂が溝51、61に沿った形状となる。そして最終的に熱可塑性樹脂が硬化して形状が固定されて導光板用帯状シート10’となる。より詳しくは、金型ロール50と賦形シート60との間から出た導光板用帯状シート10’は、賦形シート60を伴って金型ロール50側の外周に追随して移動し、ニップロール71、及び離型ロール72を経て離型される。そして、分離ロール73で、導光板用帯状シート10’と賦形シート60とを分離する。導光板用帯状シート10’は巻き取られてシートロールとされる。
そしてシートロールを巻き戻しつつ、所定の大きさに打ち抜くことにより導光板10を得る。
このような押し出し加工による製造は射出成型やプレス成型に比べて連続性が高く、効率よく薄い導光板を製造することができる。
本例で金型ロール50及び賦形シート60により概ね同時に表裏の凹凸を形成する例を挙げたが、これに限定されることなく、いずれか一方を先行させて他方をその後に形成する態様であってもよい。
図1〜図3に戻って、光源29について説明する。光源29は、導光板10の基部11の端面のうち入光面に対向して配置される。従って光源29は、導光板10の導光方向一端側に配置される。光源の種類は特に限定されるものではないが、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本形態では光源29は複数のLEDが光源配列方向に並べて配置され、不図示の制御装置により各LEDの出力、すなわち、各LEDの点灯および消灯、および/又は、各LEDの点灯時の明るさを、他のLEDの出力から独立して調節し得るように構成されている。
次にプリズムシート30について説明する。図1、図2からわかるように、プリズムシート30は、シート状に形成された本体部31と、本体部31の面のうち、導光板10に対向する面、つまり入光側面に設けられた単位プリズム部32と、を有している。
このプリズムシート30は、後述するように、入光側から入射した光の進行方向を変化(偏向)させて出光側から出射させ、正面方向(法線方向)の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)を有している。この集光機能は、主として、プリズムシート30のうち、単位プリズム部32によって発揮される。
図1〜図3に示すように、本体部31は、単位プリズム部32を支持する機能を有した平板状のシート状部材である。そして、本体部31の面のうち、導光板10に対面する側とは反対側の面が出光側面となる。本形態において、本体部31の出光側面は、平坦(平ら)で平滑な面として形成されている。ただし、出光側面は平滑面であることに限定されることはなく、微小な凹凸が付された面(いわゆるマット面)であってもよく、必要に応じた表面形態を適用することが可能である。
単位プリズム部32は、図1〜図3によく表れているように、複数の単位プリズム32aが本体部31の入光側面に沿って並べられるように配置されている。より具体的には、単位プリズム32aは、当該並べられる方向に直交する方向に、図2に示した三角形断面形状を維持してその稜線が延びるように形成された柱状の部材である。その稜線が延びる方向は、単位プリズム32aが並べられる方向に直交する方向である他、上記した導光板10の導光方向(単位光学要素21の稜線が延びる方向)に対して90度ずれた方向である。
次に単位プリズム32aの配列方向の断面形状について説明する。図19は、図2のうち、プリズムシート30の一部を拡大した図である。ここでnは本体部31のシート面の法線方向を表わしている。
図19からわかるように、本形態では、単位プリズム32aは本体部31の導光板10側の面が、突出した二等辺三角形の断面を有している。つまり、本体部31のシート面と平行な方向の単位プリズム32aの幅は、本体部31の法線方向nに沿って本体部31から離れるにつれて小さくなる。
また、本形態では、単位プリズム32aの外輪郭は、本体部31の法線方向nと平行な軸を対称軸として、線対称となっており、断面が二等辺三角形である。これにより、プリズムシート30の出光面における輝度は、単位プリズム32aの配列方向に平行な面において、正面方向を中心として対称的な輝度の角度分布を有するようになる。
ここで、単位プリズム32aの寸法は特に限定されるものではないが、頂角θ19(図19参照)は60°以上70°以下、底辺幅Wは50μm程度とすることにより適切な集光特性を得ることができることが多い。
以上のような構成を有するプリズムシート30は、押し出し成型により、又は、本体部31上に単位プリズム32aを賦型することにより、製造することができる。プリズムシート30をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。
本形態では上記のように断面形状が三角形である単位プリズムについて説明したが、これに限定されるものでなく、当該三角形の頂点部が短い上底となる台形であってもよい。また斜辺の形状が折れ線状や曲線であってもよい。
図1〜図3に戻って、面光源装置1の反射シート40について説明する。反射シート40は、導光板10の裏面から出射した光を反射して、再び導光板10内に光を入射させるための部材である。反射シート40は、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等のいわゆる鏡面反射を可能とするものを好ましく適用することができる。これにより、光の収束性を向上させることが可能となり、エネルギー利用効率を向上させることができる。
次に、以上のような構成を備える導光板10、及びこれを備える面光源装置1の作用について、光路例を示しつつ説明する。図面で表した光路例は概念的なものであり、反射や屈折について厳密に表したものではない。
まず、図2に示すように、光源29から出射された光は、導光板10の入光面を介して導光板10内に入射する。図2には、一例として、光源29から導光板10に入射した光L21、L22の光路例が示されている。ここで、光源29から出射された光が効率よく入光面から導光板10内に入るために、該入光面が平滑面であることが好ましい。
導光板10の基部11に入射した光L21は、基部11内を導光方向に所定の距離進んだ後に回折構造層12に達してここを抜け、反射シート40で反射して再度、回折構造層12を透過する。図2では光L21は反射シート40で反射しているようには表れていないがこれは便宜上の表示であり、光L21は上記のように進行している。図3も同様である。このような回折構造層12及び反射シート40の作用により、光L21は観察者側に向けられ、さらにこれを基準として回折構造層12の単位回折構造13の形態に基づいて設定された拡散角を有する拡散光となる。
このとき、単位回折構造13の形態により例えば図2に示したように導光方向面内における拡散の他、図3に光L31で表したように光源配列方向面内にも拡散するように構成してもよい。さらには円錐のような放射状に光を拡散することもできる。すなわち、上記説明した単位回折構造13の形態により、所望の拡散角、及び反射方向を設定することができ、必要に応じた視野角等の光制御が可能となり、設計自由度が高い導光板、及びこれを用いた面光源装置とすることができる。
一方、導光板10の基部11に入射した光L22は、単位光学要素部20に達し、外部との界面で全反射臨界角より大きい角度であったため、全反射してさらに基部11内を進行する。そして光L22は、光L21よりも光源29から離隔した位置で回折構造層12に達する。光L22が回折構造層12に達した後は光L21の例に倣って、単位回折構造13の構造に基づいて光が進行する。
このようにして光源29から出射した光は、導光方向全体に亘って順次回折構造層12、反射シート40に達し、観察者側に向けけられるとともに回折構造層12の形態に基づいて拡散する。
回折構造層12で向きを変えられ、拡散された光は、基部11を横切り単位光学要素部20に達する。単位光学要素部20は、複数の単位光学要素21によって構成され、各単位光学要素21の断面形状は、三角形、三角形の頂角を面取りしてなる形状、又はその他多角形となっている。いずれの形状であっても、単位光学要素21は、導光板10の導光方向に対して傾斜面を有して構成されている。従って、図9に示したように、単位光学要素21を介して導光板10から出射する光L91は導光板10から出射するときに屈折する。この屈折は、単位光学要素21の配列方向において、シート面法線nに近づく(法線nとのなす角が小さくなる)屈折である。このような作用により、単位光学要素部20は、回折構造層12による光の拡散を基本としつつ、導光方向と直交する方向に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向側に絞り込む。すなわち、単位光学要素部20は、導光方向と直交する方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼし、正面輝度を向上させる。
図19を参照しつつ引き続き光路について説明する。導光板10を出射した光は、その後、プリズムシート30に入射する。プリズムシート30の単位プリズム32aは、単位プリズム32aの入光面での屈折及び全反射によって透過光に対して集光作用を及ぼす。プリズムシート30では、プリズムシート30のうち導光方向の成分を集光する。すなわち、図19にL191で示したように、単位プリズム32aに入射した光は、単位プリズム32aと空気との屈折率差に基づいてその界面で全反射する。そのとき、単位プリズム32aの斜辺はシート面法線nに対してθ19/2傾いているので、界面における反射光は入射光よりも法線nに近付けられる角度となる。
次に、第二形態について説明する。当該第二形態は上記形態の導光板10の代わりに導光板110が用いられる点で異なり、他の構成は同様である。さらには、導光板110のうち、回折構造層112の形態が回折構造層12と異なるのみであり、他の部位は同じである。そこで、ここでは回折構造層112について説明する。図20は回折構造層112を説明する図であり、図4に相当する図である。回折構造層112では、図20からわかるように、導光方向のうち光源側の所定の領域である光源側領域において、単位回折構造113が配列されている。光源側領域以外の領域については、上記した回折構造層12と同様に単位回折構造13が配列されている。
単位回折構造113は、ここに含まれる回折構造パターンがいずれも、稜線が導光方向に延び、光源配列方向に凹凸が交互に配列される形態のみにより構成され、例えば図5、図6に示した例のような形状を備えている。
これは、導光方向に近い光源側領域では、光源からの光の放射状の広がりが十分でなく、光源配列方向に明暗の輝度ムラが他に比べて大きいことから、この部位では単位回折構造113のような構造を適用することにより光源配列方向の光の拡散を大きくし、該光源配列方向の輝度ムラを低減するものである。
光源側領域の大きさは特に限定されることはないが、定性的な観点からは隣り合う光源からの入射拡散光が重なる位置までの領域である。具体的には、光源の光拡散特性にもよるが、入光面から導光方向に0mmより大きく20mm以下の範囲を設定することができる。
また、LEDの存在する部分と存在しない部分とで構造を変化させ、回折構造パターンの形状(ピッチや深さ等)を設定し、回折効率の変動や、拡散角の程度を変調することもできる。
次に、第三形態について説明する。図21に説明するための図を示した。当該第三形態の導光板210は回折構造層212において、平滑である部位に回折パターンが形成された複数の部位212aが間隔を有して配列されている。各部位212aに形成されている回折パターンは上記の通りである。本形態では図21からわかるように光源配列方向には同じ大きさの部位212aが複数所定の間隔を有して配列され、導光方向には、光源側から離隔するに従って部位212aの面積が多くなるように構成されている。ただし、部位212aの大きさや配列はこれに限らず必要とされる光学特性に対応して変更することができる。
このように面積を変化させた複数の部位212aを設けることにより、導光方向に、出光する光の輝度を調整して所望の輝度分布を得ることができる。ここで所望の輝度分布は例えば均一化された輝度分布である。
このような回折構造層212は、賦形の型の表面に、平滑面を転写する部位と回折パターンを転写する部位とを設ければよい。このような型は例えば次のように作製できる。すなわち、図4に示したような上記した全面に回折格子パターンを形成するための型に対し、レジストを再塗布してから、光源入光から対向にかけて面積比率を変化させたマスキング(フォトマスクなど)でパターン露光し現像する。
上記の導光板10、110、210は、その出光側に単位光学要素部20が設けられた例を説明した。ただし導光板の出光側についてはこれに限らず次のような形態も可能である。
第四形態の導光板310として、図22(a)に示したように出光面が平坦であってもよい。ここで平坦とは意図的に凹凸を付与しないことを意味する。これには例えば基部11の平坦面をそのまま出光面として利用することが挙げられる。裏面側の回折構造層12で所望の輝度分布を得ることができれば出光側に凹凸をつけることなく効果を奏する導光板を得ることができる。
第五形態の導光板410として、図22(b)に示したように出光面側に光拡散層420が設けられてもよい。ここに示した光拡散層420は、透光性樹脂層421中に、該透光性樹脂層421とは屈折率の異なる多数の光拡散粒子422を含有させてなる層であり、透光性樹脂層421の表面から光拡散粒子422の一部が突出している。これにより光拡散層420は、その表面が凹凸面に形成されている。
透光性樹脂層421に用いられる樹脂としては、光拡散粒子422の分散ができるとともに、該光拡散粒子422を保持可能である光透過性の樹脂であれば特に制限なく適用可能である。このような樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂(電離放射線硬化樹脂)等が挙げられる。
一方、光拡散粒子422としては、アクリル−スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、及びメラミン等の架橋有機微粒子、シリコーン等の樹脂微粒子、並びにシリカ、アルミナ及びガラス等の無機系微粒子等を用いることができる。
ただし、光拡散層はこれに限らず公知の構成を適用することができる。例えば基部11の面に凹凸形状を型で成型したり、レーザアブレーションで凹凸面を形成したり、接着層で形成したりすることができる。
第六形態の導光板510として、図22(c)に示したように出光面がさらなる他の回折構造層520であってもよい。回折構造層520は上記した回折構造層12と同様の考え方で構成することができる。本形態では、裏面側の回折構造層12と他の回折構造層520との組み合わせで所望の輝度分布を得ることができる。
また、導光板の基部に光拡散粒子を分散してもよい。図23に説明のための図を示した。第七形態の導光板610として図23に示したように基部11中に光拡散粒子611を分散してもよい。これにより基部11内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させ、より均一に光を散乱させる作用を及ぼす。このような光拡散粒子611の光拡散機能は、例えば、基部11をなす材料とは異なる屈折率を有した材料を基部11に分散すればよい。このような分散は図18に示したノズル74により供給される硬化前の材料に光拡散粒子611を予め混濁させておけばよい。
また、上記の形態では導光板に対して光拡散層420、他の回折構造層520を設けた例を示したが、面光源装置を構成するに際し、当該光拡散層420、他の回折構造層520を導光板とは別の部位に設けてもよい。面光源装置とした場合にはこれによっても同様の効果を奏するものになる。
以上説明した導光板10、110、210、310、410、510、610について、図24に示したように(図24には例として導光板10を示した。)、面光源装置1の出光側に液晶パネル701及び光学シート702を備えることにより液晶表示装置700を形成することが可能となる。これら液晶パネル701及び光学シート702は公知の構造を適用することができる。
1 面光源装置
10、110、210 導光板
10’ 導光板用帯状シート
11 基部
12、112 回折構造層
13、113 単位回折構造
13a〜13f 回折構造パターン
20 単位光学要素部
21 単位光学要素
29 光源
30 プリズムシート
40 反射シート
50 金型ロール
51、61 溝
55a〜55b 回折格子素子モデル
60 賦型シート
70 送りロール
71 ニップロール
72 離型ロール
73 分離ロール
74 ノズル
700 液晶表示装置

Claims (12)

  1. 光源からの光を入射させ導光方向に導きつつ出光面から前記光を出射させる導光板であって、
    透光性を有する基部を有し、
    前記基部の一方の面には、凹凸が形成されることによりなる回折構造パターンが具備された回折構造層を備え、
    前記回折構造パターンは凹凸が交互に繰り返される構造であるとともに、前記回折構造層には構造が異なる2種類以上の回折構造パターンが含まれる、導光板。
  2. 前記2種類以上の前記回折構造パターンが、回折構造パターンごとに所定の大きさの単位回折構造を形成し、複数の前記単位回折構造が前記基部の一方の面に沿って配列されている、請求項1に記載の導光板。
  3. 前記回折構造層は、前記導光方向のうち光源側端部には、前記導光方向に稜線が延び、該導光方向とは異なる方向に凹凸が交互に配列される前記回折構造パターンのみからなる領域が具備される請求項1又は2に記載の導光板。
  4. 前記回折構造層は、前記回折構造パターンが形成される複数の部位が、前記回折構造パターンが形成されていない部位に間隔を有して複数配置されている請求項1乃至3のいずれかに記載の導光板。
  5. 前記回折構造パターンが形成される複数の部位は、導光方向に面積が変化するように配列されている請求項4に記載の導光板。
  6. 前記基部のうち、前記回折構造層が配置された側とは反対側の面は平滑面である請求項1乃至5のいずれかに記載の導光板。
  7. 前記基部のうち、前記回折構造層が配置された側とは反対側の面には複数の凸状の部位が配列されている請求項1乃至5のいずれかに記載の導光板。
  8. 前記基部のうち、前記回折構造層が配置された側とは反対側の面には光拡散層が配置されている請求項1乃至5のいずれかに記載の導光板。
  9. 前記基部のうち、前記回折構造層が配置された側とは反対側の面には、他の回折構造層が設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の導光板。
  10. 前記基部には光拡散粒子が分散されている請求項1乃至9のいずれかに記載の導光板。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の導光板と、
    前記導光板の前記導光方向の一端側に形成される入光面に対向して配置される光源と、を備える、面光源装置。
  12. 前記導光板の出光側には、光拡散層、プリズム層、及び他の回折構造層の少なくとも1つが配置される請求項11に記載の面光源装置。
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