JP2007041431A - プリズムアレイシート、エッジライト型面光源、及び透過型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のプリズムを配列したプリズムアレイ1を片面に有するプリズムアレイシート10にて、プリズムの入光面とするプリズム斜面1iに、凸部の周期が光の波長以下の微細凹凸2を光反射防止処理として形成し、プリズム内での反射面となるプリズム斜面1rはその様な光反射防止処理は未処理にする。エッジライト型面光源は、プリズムアレイシートを導光板の出光面側に、プリズムアレイ側を導光板側に向けて1枚以上配置する。透過型画像表示装置は、透過型画像表示素子の裏側に、エッジライト型面光源を、プリズムアレイシートが導光板と透過型画像表示素子との間に位置する様に配置する。
【選択図】図1
Description
ところで、この様な透過型画像表示装置のバックライトとしては、冷陰極管等の本質的に面状発光でない発光体からの光を利用して面光源に変換する方式により、エッジライト型と直下型とがあることは良く知られている。また、最近では発光体としてLEDも、例えば直下型等で利用されている。また、発光体として本質的に面状発光であるELの場合は、直下型に利用されている。これらのなかでも特に、エッジライト型面光源は、導光板側面に入光した光の進行方向を曲げて正面光等として利用する関係上、プリズムアレイシートは主要な部品となっている(特許文献1)。
この様な構成とすることで、入光面となるプリズム斜面に反射防止処理が施されているので、入光時の反射損失光が少なくなり、その一方でプリズム内に入光した光がプリズム内で反射する反射面となるプリズム斜面の方は入光面に施した様な反射防止処理は施してないので、該反射面での透過損失光は増えない。これらの結果、下向きプリズムアレイシートとしてプリズムアレイ側を入光面として使用する際に、プリズムアレイシートの出光面からの出力光を増やせる。しかも、反射防止処理が、同じ効果を得るに際して、従来の低屈折率層等の様に特殊で高価な材料と、薄膜塗工、真空蒸着等の余分な工程が省略できる。そして、光の利用効率が上がり、省電力や正面輝度向上が図れるプリズムアレイシートとなる。
この様な構成とすることで、上記プリズムアレイシートによる効果が、エッジライト型面光源でも得られ、光の利用効率が上がり、省電力や正面輝度向上が図れるエッジライト型面光源となる。
この様な構成とすることで、上記プリズムアレイシートやエッジライト型面光源による効果が、透過型画像表示装置でも得られ、光の利用効率が上がり、省電力や正面輝度向上が図れる透過型画像表示装置となる。
先ず、図1は、本発明によるプリズムアレイシート10の一形態を例示する断面図であり、図2は、本発明によるエッジライト型面光源20の一形態を例示する断面図であり、図3は、本発明による透過型画像表示装置30の一形態を例示する断面図である。図4は、本発明によるプリズムアレイシート10の別の一形態を例示する断面図である。また、図5は表面に選択的にパターン形成する方法を利用して、選択的に微細凹凸を形成する方法例を示す概念図であり、図6は表面に選択的にパターン形成する方法を利用して、選択的に微細凹凸を形成する別の方法例を示す概念図である。
なお、これら図中、1はプリズムアレイ、1Aは透明基材シート、1Bはプリズムアレイ層、1iはプリズム斜面(入光面)、1rはプリズム斜面(反射面)、2は反射防止処理としての微細凹凸、3は導光板、3oはその出光面、4は光源、5は透過型画像表示素子、10はプリズムアレイシート、20はエッジライト型面光源、30は透過型画像表示装置を示し、51は不透明基材、52はフォトレジスト膜、53は微粒子層、54は型、61は基材、62は切削工具、63は型を示す。
先ず、本発明によるプリズムアレイシートは、図1の断面図で例示するプリズムアレイシート10の如く、複数のプリズムを配列したプリズムアレイ1を片面に有し、且つ光反射防止処理として前記プリズムの入光面とするプリズム斜面1iには、凸部の周期が光の波長以下の微細凹凸2を設ける一方、前記入光面から入光した光Lのプリズム内での反射面となるプリズム斜面1rは、その様な光反射防止処理を施していない構成のものである。なお、その様な光反射防止処理とは、微細凹凸による光反射防止処理はもちろんのこと、低屈折率層等によるその他の光反射防止処理も含めた意味である。
また、本発明によるプリズムアレイシートは、図4に例示するプリズムアレイシート10の様に、プリズムアレイ1が、透明基材シート1Aの片面に積層したプリズムアレイ層1Bとして形成された構成でも良い。なお、図1等その他図面ではプリズムアレイシート10を、図4の様に多層構成としてでは無く単層として描いてあるが、これら図面は図4に例示の様な多層構成も含めた概念的な図面である。
上記微細凹凸2は、凸部の周期が光の波長以下の微細な凹凸である。尚且つ、該凸部を該凸部の高さ方向と直交する(仮想)平面で切断した断面内に於けるプリズム材料部分の占める占有面積率が、該凸部の頂上から谷底に向かって増加して成ることを特徴とする微細凹凸である。理想的には、該占有面積率が凸部の頂上から谷底に向かって、0%から100%まで高さの連続関数として増加しているものが好ましい。該微細凹凸2に対して、従来の光拡散用のマット処理等での凹凸は、凸部の周期が光の波長を超える様な凹凸であり本発明による微細凹凸とは異なり、凹凸形状の光の波長に対するサイズが異なるものである。本発明ではこの様な微細凹凸2によって、微細凹凸形成面の界面では実質的に光の屈折率の急激な変化が無くなる。すなわち、凸部の周期が光の波長以下の為、プリズム斜面1iに入光する光に対しては、プリズムの入光面近傍の屈折率は、空気の屈折率とプリズム材料の屈折率との平均値となる。該屈折率の平均値は、前記プリズム材料の占有面積率に比例する。よって、上記微細凹凸2の表面に入光する光にとって、屈折率の急峻な変化を緩和し、微細凹凸2の形成面での光反射率は低減する。なお、ここで、光の波長とは、プリズムアレイシートに入光され利用される光源光の波長である。光源光が、スペクトル分布を持つ場合は、該スペクトル分布の最低波長である。該光波長は最低380nm、最大780nmである。そもそも、界面を通過するときの光反射は、界面での屈折率の差、それも急激な変化によって発生するので、この様な微細凹凸によって、界面での光反射を抑制することができる。
ここで、本発明の作用効果を図1によって説明する。プリズム斜面1iの入光しようとする光量Liは、従来公知のプリズムアレイシートの如く、特定の微細凹凸2を未形成の場合には、その一部の光量Lrが反射され損失光量となり、残りがプリズム斜面1iから入光した光Lとなってプリズム斜面1rで反射して、残りの光量Lo(=Li−Lr)がプリズムアレイシート1の出光面1oからの出力光量となる。一方、本発明のプリズムアレイシートに於いては、特定の微細凹凸2によって、反射損失光量Lrが削減(理想的にはLr=0)される為、出力光量Loは増大(理想的にはLr分増大)する。
微細凹凸2の形状としては、占有面積率が凸部の頂上から谷底に向かって減少するものであれば、特に制限はない。例えば、四角錐を平面内に最密充填して並べたもの、半球を平面内4に最密充填して並べたもの等が挙げられる。
物体表面に上記微粒子を1粒子層で、或いは複数粒子層の場合でもなるべく均一粒子数厚みで固定するには、物体表面に微粒子を接触させる前に該表面を前処理するのが好ましい。該前処理としては、例えば単分子膜等と微粒子径よりも薄い高分子電解質膜を形成する。高分子電解質としては、ポリエチレンイミン4級化物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオンポリマー、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム等のアニオンポリマー等が用いられる。
また、高分子電解質膜は1種の高分子電解質の単層膜でも良いが、より好ましくは互いに極性の異なる2種以上の高分子電解質を積層した多層膜が均一粒子数厚みの点でより望ましい。このような高分子電解質多層膜の形成方法としては、公知の交互吸着膜作製法(る(例えば、Gero Decherら,Science,vol.277,p1232,1997)を利用できる。この方法は浸漬法を利用し、物体をカチオンポリマー水溶液とアニオンポリマー水溶液とに交互に浸漬して、ナノオーダーの膜厚制御で物体表面に高分子電解質多層膜を形成する手法である。
なお、物体表面への微粒子の固定力強化が望まれるときは、例えば、微粒子が固定後の物体表面を樹脂層で覆っても良い。該樹脂層は単分子層でも効果が得られる。また、該樹脂には上記の様な高分子電解質が利用でき、また層形成も上記の様な浸漬法が利用できる。
後は、この型54から直接、或いは複製型を経て、所望のプリズム斜面のみ微細凹凸を有するプリズムアレイシートを作製すれば良い。なお、不透明基材を円筒形状とすれば、プリズムアレイシートを連続帯状物としてエンドレスの製造も可能である。
この(A)法では、一旦、型を作製し、その型の材料に不透明基材を用いるので、露光時に光が不透明基材を通して他の面も露光される事が無く、選択的露光が可能となる。
後は、この型63から直接、或いは複製型を経て、所望のプリズム斜面のみ微細凹凸を有するプリズムアレイシートを作製すれば良い。なお、基材を円筒形状とすれば、プリズムアレイシートを連続帯状物としてエンドレスの製造も可能である。
こちらの(B)法では、基材は、陽極酸化等の表面粗面化法等、利用する微細凹凸形成方法で表面に微細凹凸を形成できる材料であれば、樹脂、ガラス等の透明基材でも良い。透明基材の場合、それをそのまま、プリズムアレイシートとして使用することも可能である。
プリズムアレイ1の形状例としては、その単位プリズムとして、三角柱を二次元配列した三角柱プリズム、三角錐や四角錐等の多角錐を縦横等に二次元配列した角錐プリズム、三角錐台や四角錐台等の多角錐台を縦横等に二次元配列した角錐台プリズム、等の公知のプリズムアレイを適宜採用することができる。また、二次元配列する単位プリズムとして、半円柱、半楕円柱、半球、半楕円球等の様にプリズム斜面が曲面のものも、プリズムアレイとして使用しても良い。或いはまた、その稜線が曲線例えば円弧となる断面三角形のプリズムでも良い。
これらの各種形状のなかでも、三角柱プリズム、半円柱、半楕円柱等の様に稜線が直線のプリズム形状、より好ましくは三角柱プリズムが、製造及び適用が容易である点で好ましい。
また、プリズムアレイシート10は、プリズムアレイ部分も含めて全体が単層の構成でも良いが、図4に例示する様に、プリズムアレイ部分を別層とした、透明基材1Aとプリズムアレイ層1Bとの2層構成でも良い。
なお、プリズムアレイシートの厚みは、通常20〜1000μm程度である。
透明基材1A、プリズムアレイ層1B、或いはこれらが一体化した単層のプリズムアレイシート10の材料は、公知の透明な材料から形成すれば良い。このような材料の透明性は、用途によっては着色透明又は半透明でも良い。この様な透明な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、環状オレフィン系樹脂(代表的にはノルボルネン系樹脂)等のポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいは、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレート等のアクリレート系樹脂組成物等からなる紫外線や電子線等の電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂等の樹脂、或いは、ガラス、セラミックス等の無機材料等が挙げられる。
プリズムアレイシート10の製造方法としては、上述の如き一旦、プリズムアレイ形状の原形となる型を作製してしまえば、後は、その型を利用して、公知の製法を適宜採用すれば良く、特に限定は無い。例えば、単層構成のプリズムアレイシートの場合では、例えば特開昭56-157310号公報に開示されているような公知の熱可塑性樹脂の熱プレス法や、射出成形法、或いは光硬化性樹脂の注型成形(2P法)、熱硬化性樹脂の注型成形等、を適宜採用すれば良い。また、これらの場合、予め透明基材も装填して成形すれば、2層構成のプリズムアレイシートが得られる。
なお、プリズムアレイシート10としては、図示はしないが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、公知のその他の層を積層しても良い。例えば、2層構成の場合では透明基材とプリズムアレイ層との密着性強化を図るプライマー層、或いは、ハードコート層、帯電防止層、耐汚染層等である。例えば具体的には、プライマー層には、ウレタン樹脂等の公知のプライマー剤を適宜採用できる。
或いはまた、プリズムアレイシートのプリズムアレイと反対の表面に光拡散層を積層して、プリズムで出力光の方向を出光面の法線方向に転換した上で、更に出力光の拡散角を増やしたり、プリズムアレイの形状を視認不能にする形態も採用できる。
次に、本発明によるエッジライト型面光源は、図2の断面図で概念的に例示する形態例のエッジライト型面光源20の様に、上述した本発明によるプリズムアレイシート10を、そのプリズムアレイ1側を導光板3の出光面3o側に向けた下向きプリズムアレイシートとして配置した構成の面光源である。また、面光源として、導光板3の少なくとも1つの側面には光源4が配置される。なお、導光板3及び光源4、或いは後述する反射層(含む半透過反射層)等としては、従来公知のものを適宜採用できる。
図2の構成のエッジライト型面光源の場合では、導光板の出光面3oから出光する光は全体として(そしてその輝度ピーク方向も)光源から遠ざかる方向、すなわち、図で言うと右方向に傾く。従って、載置するプリズムアレイシート10は、その入光面1iを図に於いて左側に位置させる。
光源4は、導光板3の側端面の少なくとも一箇所に隣接して設置され、線状又は点状の光源が用いられる。線状の光源は例えば冷陰極管であり、点状の光源は例えばLED(発光ダイオード)である。
プリズムアレイシートを多数枚配置する場合の具体例としては、例えば、プリズムアレイが三角柱プリズムからなる場合、三角柱プリズムの稜線が交差(例えば直行)する様に配置することで、プリズムアレイシートの法線方向への集光性を高めることができる。
或いはまた、導光板上のプリズムアレイシートの更に上側に、半透過反射層を設けても良い。この様な形態のエッジライト型面光源とすれば、これと組み合わせる透過型画像表示素子は、観察者側からの外光等の光を、表示光として利用できる反射型としても利用できる半透過型画像表示素子を利用できる。半透過反射層は従来公知のものを適宜採用すれば良く、例えばハーフミラーの様な半透過反射板等を用いる。
本発明による透過型画像表示装置は、図3の断面図で概念的に例示する透過型画像表示装置30の様に、上述した本発明によるエッジライト型面光源20を、透過型の液晶表示素子や透過型の広告板等の、各種の透過型画像表示素子5の背面にバックライトとして配置した構成の装置である。例えば、液晶表示素子は一対の基板間に液晶を挟んだ構成で、現在主流なものは更に表裏を偏光板で挟んだタイプだが、光散乱型等の偏光板不要のタイプでも良い。また、透過型の広告板では、アクリル樹脂等の樹脂板に表示画像を印刷形成した構成、その他の構成等となる。
図1及び図4の断面図のような、入光面とする一方のプリズム斜面1iのみ微細凹凸で反射防止処理した三角柱プリズムを多数二次元配列したプリズムアレイ1を、片面に有するプリズムアレイシート10を次の様にして作製した。
導光板3の出光面3oから出光する主要な光は光源4よりも遠い方向に斜め方向に出光し、また、プリズムアレイシート10は、その入光面とするプリズム斜面1iを光源4側に向けて、導光板の出光面3oからの主要な光が入光面に入光する様にして配置した。
〔◆プリズムアレイシート、エッジライト型面光源、及び透過型画像表示装置の何れも、光の利用効率向上結果の具体的な、輝度値、或いは比較例(未記載)とのその比較値は、今の所データ補充ないため記載していません。構成から所望の効果が得られるのは当業者にとって疑問の余地が無いとの見解に基けば、この様な記載法もあり得るのでは、によります。場合によっては適宜データ補充して下さい。〕
1A 透明基材シート
1B プリズムアレイ層
1i プリズム斜面(入光面)
1r プリズム斜面(反射面)
2 微細凹凸
3 導光板
3o 出光面
4 光源
5 透過型画像表示素子
10 プリズムアレイシート
20 エッジライト型面光源
30 透過型画像表示装置
51 不透明基材
52 フォトレジスト膜
53 微粒子層
54 型
61 基材
62 切削工具
63 型
L 光
Li 入光光量
Lo 出力光量
Lr 反射損失光量
Claims (3)
- 複数のプリズムを配列したプリズムアレイを片面に有するプリズムアレイシートにおいて、
前記プリズムの入光面とするプリズム斜面に、凸部の周期が光の波長以下の微細凹凸が光反射防止処理として形成され、前記入光面から入光した光のプリズム内での反射面となるプリズム斜面は該光反射防止処理が未処理である、プリズムアレイシート。 - 側面から入光した光を出光面から出光する導光板に対して、該導光板の前記出光面側に、請求項1記載のプリズムアレイシートをそのプリズムアレイ側を前記導光板側に向けて、少なくとも1枚以上配置した、エッジライト型面光源。
- 透過型画像表示素子の裏側に、請求項2記載のエッジライト型面光源を、該プリズムアレイシートが該導光板と前記透過型画像表示素子との間に位置する様に配置した、透過型画像表示装置。
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