JP2004070188A - フレネルレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】全反射フレネルレンズを用いたプロジェクションスクリーンにおいて、フレネル中心に近い側で発生するプリズム群88のプリズムの第1の面84から入射した光の一部が、第2の面85で全反射せずに、迷光となる光101が原因で生じる、二重像(ゴースト)などの障害が発生しない全反射タイプのフレネルレンズを開発し、良好な映像を観察者へ提供することである。
【解決手段】フレネルレンズの全領域、または、前記第1の面より入射し、第2の面で全反射しないで観察側の面に向かう迷光となる光が存在する領域において、前記第1の面の少なくとも迷光となる光が通過する部分を粗面とした。
【選択図】 図1
【解決手段】フレネルレンズの全領域、または、前記第1の面より入射し、第2の面で全反射しないで観察側の面に向かう迷光となる光が存在する領域において、前記第1の面の少なくとも迷光となる光が通過する部分を粗面とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面投射型テレビの表示部に使用されるプロジェクションスクリーンを構成するフレネルレンズにおいて、光源12からの映像光10を斜めよりプロジェクションスクリーン3へ拡大投影することでテレビセットの大幅な薄型化を実現した背面投射型テレビに使用されるフレネルレンズ1に関する。
【0002】
【従来の技術】
背面投射型テレビには、映像光源より発した映像光を拡大投影するプロジェクションスクリーンが設けられている。一般に、このプロジェクションスクリーンは、光源より拡大投射される映像光を観察者側へ略平行光に屈折させるフレネルレンズ要素と映像光を散乱させ広い範囲の観察者へ提供する拡散要素を有するレンチキュラーレンズなどを組み合わせて使用される。従来、このような背面投射型テレビの映像源としては、三原色が別々のCRTが一般的であったが、LCDやDLPを用いた単レンズ方式の映像源も使用されるようになってきた。このような、LCDやDLPなどを用いた単レンズ方式の背面投射型テレビにおいても、図11に示したようにプロジェクションスクリーンの中央に対して、略垂直に映像光を入射させる方式が一般的であった為、CRTを用いた背面投射型テレビとほぼ同等の奥行きを必要としていた。
それに対して、図2に示されるように、光源12からプロジェクションスクリーン3に映像光10を斜めに投射することで、従来に比べて大幅な薄型化をはかった背面投射型テレビ11が提案されている。このタイプの薄型背面投射型テレビ11は、LCDやDLPなどの映像源と、その映像源を照明するランプ、映像光を拡大投射するための投射レンズ等からなる光源12から映像光10を投射し、光路を折り返して奥行きを薄くするため、プロジェクションスクリーンと略平行に配置されたミラー13を経て、投射された映像を映し出すためのプロジェクションスクリーン3を通して映像を観察者へ提供するものである。
【0003】
このようなタイプの薄型背面投射型テレビ11用のプロジェクションスクリーン3は、図9に示すように、光源12側に全反射タイプのプリズム群8が形成されたフレネルレンズシート1とレンチキュラーレンズ等の形成された光拡散シート2の組み合わせから構成されるか、または、図10に示すように、光源12側に全反射タイプのプリズム群8が形成され、観察側にレンチキュラーレンズ等の形成された1枚シートのプロジェクションスクリーン3で構成されている。この場合、フレネルレンズのプリズム群8のフレネル中心(同心円の中心)94はプロジェクションスクリーンの内部にはなく、最もフレネル中心に近い位置95での映像光10の入射角度が30〜45°となる。逆に最もフレネル中心から遠い位置96では、入射角度が70〜80°となる。フレネルレンズのフレネル中心に近い側と遠い側の入射角度の差が、これより小さい場合には、斜め投射といえどもプロジェクションスクリーンの中心と光源との距離が長くなり、図11に示した映像光10がプロジェクションスクリーンへ略垂直入射する従来タイプの背面投射型テレビ90にくらべて奥行きを薄くするという目的を達成できない。逆に、フレネルレンズのフレネル中心に近い側と遠い側の入射角度の差が、これより大きい場合には、光源の投射レンズや台形ひずみの補正回路が高価になり、好ましくない。
【0004】
このような全反射フレネルレンズを用いたプロジェクションスクリーンの場合、図6(a)に示したように、光源から離れた、つまりフレネル中心から遠い入射角度が大きい側では、プリズム群88のプリズムの第1の面84から入射した光の全てが、第2の面(全反射面)85で全反射する。しかし、図6(b)に示したように、光源に近い、つまりフレネル中心に近い入射角度が小さい側では、プリズム群88のプリズムの第1の面84から入射した光の一部が、第2の面(全反射面)85で全反射せずに、抜けて、迷光101となる。図7にその光線追跡図を示した。全反射フレネルレンズの第1の面84から入射し、第2の面85で全反射されることなく観察側の面86に進む光は、観察側の面86で全反射し、プリズム群88で入射と出射を繰り返した後、再び、観察側の面86から正面に近い方向に出射する。このため、図5で示したように、この迷光101が全反射フレネルレンズ81を好適に反射し通過した映像光100とほぼ同じ方向に出射することが原因で、観察者に二重像(ゴースト)などの障害を与えていた。
【0005】
この迷光による二重像(ゴースト)などの障害の改善方法としては、特開昭62−113131、特開昭61−254941、特開昭63−139331、特開昭63−30835、特開昭63−37336、特開昭63−37337、特開昭63−32528、特開平5−72634が知られている。しかしこれらの改善方法は、不十分であり、以下の課題を有している。光拡散層をフレネルレンズのプリズムの谷部分に埋め込む方法では、光拡散層の形成がフレネルレンズ毎に後工程で行うため、製造が煩雑で、また、その光拡散量のコントロールが難しいという課題を有していうる。また、光拡散層をフレネルレンズのプリズムよりも観察側に1層追加形成するものは、迷光だけでなく映像光も拡散させて映像もぼかしてしまうというデメリットも有している。フレネルレンズのプリズム部分の映像光の非透過部分に光吸収層を形成するものは、プリズムと光吸収層の位置関係をあわせるのが困難である。また、プリズムの一部に光吸収層を形成する方法も、光吸収層を全面に設けるのではないため、やはりプリズムの一部分だけに形成する必要があり、形成が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のごとく、全反射フレネルレンズを用いたプロジェクションスクリーンにおいて、フレネル中心に近い側で発生するプリズム群88のプリズムの第1の面84から入射した光の一部が、第2の面(全反射面)85で全反射せずに、迷光となる光101が原因で生じる、二重像(ゴースト)などの障害が発生しない全反射タイプのフレネルレンズを開発し、良好な映像を観察者へ提供することである。
【0007】
【課題を解決する手段】
第1の発明は、映像光が後方より斜めに投射される背面投射型テレビ11に使用するフレネルレンズであって、光源側に断面が三角形のプリズム群が配列され、前記プリズムの第1の面4は投射された映像光10を屈折入射し、第2の面5はその光を観察方向に全反射して、観察側の面6から出射するフレネルレンズにおいて、フレネルレンズの全領域、または、前記第1の面より入射し、第2の面で全反射しないで観察側の面に向かう迷光となる光が存在する領域において、前記第1の面の少なくとも迷光となる光が通過する部分を粗面としたことを特徴とするものである。
【0008】
第2の発明は、請求項1記載のフレネルレンズにおいて、前記プリズムの第1の面の粗面は、入射光が迷光となる部分のみに形成したことを特徴とするものである。
【0009】
第3の発明は、請求項1記載のフレネルレンズにおいて、前記プリズムの第1の面の粗面は、第1の面全体に形成したことを特徴とするものである。
【0010】
第4の発明は、請求項1〜3いずれか記載のフレネルレンズにおいて、前記、粗面をフレネルレンズのプリズム群の稜線に平行な方向に筋状に形成したことを特徴とするものである。
【0011】
第5の発明は、請求項4記載のフレネルレンズにおいて、前記、粗面がフレネルレンズ成型時に用いるフレネルレンズ母型の切削時の切削線条群の逆形状であることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の説明を行う。図5に示すようにフレネルレンズ81のプリズム群88の第1の面84と第2の面85ともに平滑な面の場合、迷光101が生じ、二重像(ゴースト)の問題が発生する。図1に示すように本発明は、第1の面4より入射し、第2の面5で全反射しないで観察側の面6に向かう迷光となる光が存在する領域7において、フレネルレンズ1のプリズムの第1の面4の迷光101が通過する部分を、粗面とすることで、ここを通過する光源からの映像光10を拡散させ、問題となっている迷光101の強度を大幅に低減させ、この迷光101によって生じる二重像(ゴースト)が観察されない程度まで、大幅に改善したものである。
【0013】
従来の全反射フレネルレンズにおいて、図6(a)、図6(b)に示すように、光源からの映像光10は、フレネルレンズ1の位置によって異なった入射角度θ1でフレネルレンズ81のプリズム88の第1の面84に入射する。図6(b)に示すように、フレネルレンズ81のフレネル中心に近い場所では、プリズムの頂点41付近から第1の面84に入射した映像光10Aは、第1の面84に入射した後、第2の面85で全反射して、ほぼ垂直に観察側の面86へ進行するが、プリズムの底部42付近から入射した映像光10Bは、第1の面84に入射した後、第2の面85で全反射せず、迷光101となる。他方、図6(a)に示すように、フレネル中心から遠い場所では、映像光10は、すべてプリズム頂点41付近のみから第1の面84に入射し、第2の面85で全反射し好適に通過した映像光100となる。
【0014】
フレネルレンズのフレネルレンズ角度φ、プリズム先端角度δ等の光学設計について、図8に基づいて、より詳細に説明する。本発明で使用する全反射タイプのフレネルレンズのレンズ角度φは、入射角度をθ1、フレネルレンズの材料の屈折率をn、プリズムの第2の面で反射後のフレネルレンズシートの法線に対する映像光が進む角度をθ4、プリズムの先端角度をδとすると、次式で表される。
tanφ=(n×sin(δ+θ4)+sin(δ+θ1))/(n×cos(δ+θ4)−cos(δ+θ1))
また、観察側の面6が平坦面とすると、フレネルレンズシートから出射する光線の出射角θ5とシート内での映像光の進む角度θ4との間には、下記式が成立する。
sinθ4=sinθ5/n
但し、γ=φ+δ−π/2≧0である。γが負の時は、プリズムの第1の面4の形状が逆テーパーになってフレネルレンズおよびフレネルレンズ成型型が事実上製造できなくなるからである。そのため、設計上γ<0となる部分では、プリズムの第1の面4を垂直とし、プリズム先端角δを変化させて、フレネルレンズ角φを決定する。この時のフレネルレンズ角度φは次式により計算することができる。
φ={arcsin(cosθ1/n)+θ4+π/2}/2
【0015】
次に、入射光線が迷光となる部分が存在する領域と迷光が存在しない領域との境界の位置について、第1の面4から入射して、丁度プリズムの谷部Aへと屈折する映像光10について考察する。プリズムの第1の面4への入射角度をθ2、プリズムの第1の面の屈折角度をθ3、フレネルレンズのレンズピッチ(プリズムのピッチ)をp、プリズムの第2の面5で全反射し好適に利用できる部分B−Kをe1、プリズムの第2の面5で全反射できずに迷光になる部分K−Dをe2、プリズムの高さをh、プリズムの第1の面の迷光となる部分と有効な部分の境界の高さをsとすると、有効な部分e1は、以下の式で表される。
e1=(h−s)×(tanγ+tanθ1)
=(h−s)×(tan(φ+δ−π/2)+tanθ1)
ここで、プリズムの高さhと、プリズムの第1の面の迷光となる部分と有効な部分の境界の高さsは、それぞれ、
h=p×tan(φ+δ)×tanφ/(tan(φ+δ)−tanφ)
s=−p×tan(φ+δ)/(1+tan(φ+δ)×tan(φ+δ+θ3))
である。また、θ3=arcsin{sin(θ1+φ+δ)/n}である。
図8において、p=e1+e2で明らかにe1≦pである。有効部の比e1/pは入射角度θ1が大きい程大きくなり、あるところでe1=pとなる。このe1=pとなる入射角度θ1より入射角度が大きいところでは、プリズムの第1の面4より入射し、第2の面5で全反射しないで観察側の面に向かう迷光となる光が存在しない領域となる。
【0016】
上記計算式をもとに、フレネルレンズ(プリズム)の材料の屈折率nが1.49、1.55及び1.59で、観察側の面を平面とした時に垂直出射(出射角度θ5=0)となる時の、プリズム先端角δ毎の、迷光の生じる領域と迷光の生じない領域の境界点(e1=p)における、入射角度θ1とその時のレンズの角度φの計算結果を表1に示す。
【0017】
【0018】
次に、入射光線が迷光となる部分が存在する領域での1つのプリズム内での入射光線が迷光となる部分と有効な光となる部分の領域との境界の位置について、図8に基づいて説明する。映像光10は、既に説明したように、第1の面4から入射して、丁度プリズムの谷部Aへと屈折する光である。映像光10Cは、映像光10と平行光線でプリズムの頂点Dぎりぎりを通過し第1の面4から入射して、第2の面5で全反射できずに迷光101となる光である。従って、第1の面B−Cの中でF−T部分が迷光となる部分である。第1の面B−Cの中で、B−Fは、有効な光となる部分で、F−Tが迷光となる部分で、T−Cが映像光が入射しない部分である。
【0019】
フレネルレンズ1のプリズムの第1の面4の粗面にする部分については、粗面加工する負荷と粗面加工の効果のバランスで検討し、フレネルレンズ全体(上辺から下辺まで全て)の第1の面4を粗面加工しても良いし、図1において迷光の生じる領域7のみを粗面加工しても良い。また、迷光の生じる領域のみを粗面加工する場合には、その領域のプリズムの第1の面すべて(図8においてB−C)を粗面加工しても良いし、第1の面より入射した投射光が第2の面で全反射しないで迷光になる第1の面の部分(図8においてF−T)のみを粗面加工しても良い。さらにまた、図8において、T−Cの部分は映像光10が入射しないので、粗面加工の手法による負荷によって、粗面加工するかどうか検討すれば良い。
迷光の生じる領域の投射光が迷光になる部分のみを粗面とした場合は、迷光にならないで有効な映像光が通過する部分を鏡面のままとしたので、解像度やクリア感が低下することなく、鮮明な映像が得られる。一方、第1の面全体を粗面化する場合には、映像光が拡散されることで解像度やクリア感は多少損なわれるが、LCDやDLP光源特有の強いシンチレーションを低減することができる。
【0020】
プリズムの第1の面の粗面の程度は、得られる画質や加工方法によっても異なるが、光の波長程度(約0.5μm)から20μm程度の大きさまたは深さの凹凸であることが好ましい、より好ましくは、3μmから10μm程度の大きさまたは深さの凹凸である。これより小さいと、拡散光が色分離し、逆にこれより大きいと、プリズムのピッチや高さから考えて十分に迷光を拡散させることができないからである。
【0021】
フレネルレンズのプリズムの第1の面を粗面に加工する方法としては、フレネルレンズのプリズムの第1の面が粗面加工されていないものを作成し、その後、1枚ずつ粗面加工しても良い。しかしながら、この方法よりも、フレネルレンズ成型用母型の第1の面に対応する面を粗面加工し、その母型、またはこの母型より作成した複製型よりフレネルレンズを成型する方法が後工程を必要とせず好ましい。
【0022】
フレネルレンズ成型用母型の第1の面に対応する面の全面を粗面加工する方法としては、母型切削後に、プリズムの第2の面に対応する面をマスキングして、第1の面に対応する面のみをエッチングやブラストにより粗面化する方法がある。
【0023】
その他の方法として、図3のように母型の切削時に、切削バイトによって、まず、フレネルレンズの光学設計に従ったプリズム群の両面の切削加工を行い、その後、プリズムの第1の面の粗面加工を施す部分にフレネルレンズのプリズム群の稜線に平行な方向に筋状の切削線条群33を刻んでおくことで形成することができる。
この場合、旋盤のNC制御により、フレネルレンズのプリズムの第1の面に対応する型の面のうち、フレネルレンズの迷光となる光が存在する領域、さらにまた、迷光となる部分のみを限定して切削線条群33を形成することができる。この方法では、図3(a)(b)に示したように、光学設計結果に対応したフレネルレンズ角度のプリズム切削時(図3(a))のバイト角度と第1の面に対応する面の粗面加工時(図3(b))のバイト角度を変える必要がある。また、バイト角度を適切に設定することで、切削済みの母型31の山(プリズム群の底部に相当)を削ってしまうことを防止できる。
また、図4に示したように、プリズムの先端角よりもわずかに鋭角の切削バイトを使用して、フレネルレンズの全領域のフレネルレンズのプリズムの第1の面に対応する金型の第1の面に切削線条群33を加工しても良い。
【0024】
本発明の全反射プリズム群は、サーキュラーフレネルタイプのもので説明を行ってきたが、リニアフレネルタイプとしてもよい。この場合、レンズシートの観察側の面にサーキュラーフレネルレンズ要素を持つ形状を付与しても良いし、また、光源側の面に作成したリニアフレネルと直行する方向に伸びるリニアフレネルを観察側の面に作成しても良い。 本発明のフレネルレンズ1の観察側の面を平坦面とし、その観察側にレンチキュラーレンズ等の形成された光拡散シートを追加して図9に示したような2枚物のプロジェクションスクリーン3とすることができる。また、観察側の面にレンチキュラーレンズなどを形成し、図10に示したような1枚物のプロジェクションスクリーン3とすることもできる。また、さらに1枚、ハードコートや低反射コートなどの機能を付加した透明な樹脂シートを観察側に追加してもよい。
また、本発明が対象としている背面投射型テレビとして、下方より斜めに投射されるものについて説明を行ってきたが、上方より斜めに投射されるものでも同等である。
【0025】
【実施例1】
映像光が後方より斜めに投射される薄型背面投射型テレビ用のプロジェクションスクリーンとして、画面サイズ50”(アスペクト比4:3)、投射距離285mm、スクリーン面に対して光源の位置が画面下端より200mm下方に存在している背面投射型テレビ用のプロジェクションスクリーンを下記のように作成した。このテレビ用のプロジェクションスクリーン下端中央部への入射角度は35°、上端隅への入射角度は、75.3°である。
本発明のサーキュラーフレネルタイプのフレネルレンズ用の金型を40°の先端角を有する切削バイトにより切削加工して作成した。フレネルレンズピッチは0.1mmである。最小切削半径が200mm、その時のレンズ角度φが64.66°、最大切削半径が1100mm(有効部1088mm)、その時のレンズ角度φが49.66°とした。設計上のプリズムの第1の面の角度が逆テーパー(γが負の値)になる領域1020〜1100mmは、逆テーパーにならないように、プリズムの第1の面が垂直に切り立つように切削した。
このフレネルレンズ金型のフレネルレンズ角度φは、観察側の面を平面とした時に、屈折率が1.55の材料でフレネルレンズを作成する場合、フレネルレンズからほぼ垂直に出射する設計条件である。この時の詳細な各切削半径毎の入射角度とフレネルレンズ角度を表2に記載する。
【0026】
【0027】
フレネルレンズ下端付近での迷光を防止するため、切削が完了した金型に対して、サーキュラーフレネルの同心円の中心側から高分子系マスキング材を吹き付けてプリズムの第2の面に対応する面をマスキングした後、反対側の第1の面に対応する面を酸により腐食させ、マスキング材を剥離した後、クロムめっきを施して成型型とした。このフレネルレンズ成型型と、観察面側用のレンチキュラーレンズ型を用いて重合セルを形成し、重合セル内に硬化後の屈折率が1.55となるアクリル・スチレン共重合体系のプレポリマーを注入し、重合を行い、光源側に本発明のフレネルレンズのプリズム群を有し、観察側にレンチキュラーレンズを有する1枚物のプロジェクションスクリーンを形成した。
【0028】
【実施例2】
実施例1と同一のテレビセット用に、本発明のフレネルレンズ用の金型を40°の先端角を有する切削バイトで切削加工した。フレネルレンズ角度φは、実施例1と同等である。フレネルレンズのプリズムの第2の面で反射しないで迷光となる光が生じる200〜307mmの領域において、プリズムの第1の面の入射光が迷光となる部分(図8のF−Tに相当する型の部分)に、各ピッチ毎に図3(a)に示したレンズ面の形成後、図3(b)に示した切削線条群33の加工を行った。切削終了後、実施例1と同様に、クロムめっきを施し、成型型とした。
【0029】
前記、フレネルレンズの成型型に硬化後の屈折率が1.55となる紫外線硬化樹脂を塗工し、前記紫外線硬化樹脂を塗工したフレネルレンズ成型型の上へ紫外線透過性のある透明樹脂基板を積層し、前記透明樹脂基板の上から紫外線を照射してフレネルレンズを形成した。このフレネルレンズにレンチキュラーレンズシートを組み合わせて、プロジェクションスクリーンとした。
【0030】
【実施例3】
実施例1と同一のテレビセット用に、本発明のフレネルレンズ用の金型を38°の先端角を有する切削バイトで、フレネルレンズの頂角が40°となるよう200〜1020mmの範囲は図4に示したように、プリズム先端角度と切削バイトの先端角の差2°だけ斜め切削し、これによりプリズムの第1の面に切削線条群33を形成した。設計上のプリズムの第1の面の角度が逆テーパーになる領域の1020〜1100mmにも切削線条群を形成し、フレネルレンズの中心に最も近い200mmから最外周の1100mmまで全領域の第1の面が粗面となるよう切削形成した。切削終了後、実施例1と同様に、クロムめっきを施し、成型型とした。
【0031】
前記、フレネルレンズの成型型に硬化後の屈折率が1.55となる紫外線硬化樹脂を塗工し、前記紫外線硬化樹脂を塗工したフレネルレンズ成型型の上へ紫外線透過性のある透明樹脂基板を積層し、前記透明樹脂基板の上から紫外線を照射してフレネルレンズを形成した。このフレネルレンズにレンチキュラーレンズシートを組み合わせて、プロジェクションスクリーンとした。
【0032】
【比較例】
フレネルレンズのプリズムの第1の面に切削線条群を形成しなかった点を除き、実施例2と同様の方法でフレネルレンズ成型型を作成し、フレネルレンズを成型し、このフレネルレンズとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせてプロジェクションスクリーンとした。
【0033】
実施例1、実施例2、実施例3と比較例のプロジェクションスクリーンを、サイズ50”(アスペクト比4:3)、投射距離285mm、スクリーン面に対してDLP光源の位置が画面下端より200mm下方の背面投射型テレビに実装し比較評価した。比較例のプロジェクションスクリーンでは、画面下部に二重像が観察されたが、実施例1、2、3のプロジェクションスクリーンではそれが観察されず、好適な映像を観察者へ提供することができた。
【0034】
【発明の効果】
第1の発明によれば、全反射フレネルレンズにおいて、光入射側の第1の面を粗面化し、迷光を拡散させることで、二重像が観察者から見えないようにし、好適な映像を提供するものである。
第2の発明では、上記全反射フレネルレンズにおいて、全反射プリズムの入射面である第1の面のうち迷光となる光が通過する部分のみを粗面化したので、好適に通過する映像光は拡散することなくクリアで高解像度の映像を提供するものである。
第3の発明では、全反射フレネルレンズ全体の入射面を粗面化したので、二重像が観察者から見えなくなるとともに、LCDやDLP光源特有の強いシンチレーションを低減するものである。
第4の発明は、上記粗面加工の具体例を提示するものである。
第5の発明は、フレネルレンズ成型用の母型作成時にNC旋盤で簡便に粗面化処理を行い、効率良く、本発明のフレネルレンズを製造できるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレネルレンズの説明図である。
【図2】薄型背面投射型テレビおよびプロジェクションスクリーンの説明図である。
【図3】本発明のフレネルレンズ母型切削加工の説明図である。
【図4】本発明のフレネルレンズ母型切削加工の他の例の説明図である。
【図5】従来技術の迷光となる光が存在する領域の説明図である。
【図6】迷光となる光が存在する領域と迷光となる光が存在しない領域の説明図である。
【図7】従来技術のフレネルレンズの光線追跡図である。
【図8】本発明の光学設計条件の説明図である。
【図9】本発明のプロジェクションスクリーンの構成例である。
【図10】本発明のプロジェクションスクリーンの他の構成例である。
【図11】従来タイプの背面投射型テレビの説明図である。
【符号の説明】
θ1 フレネルレンズへの入射光角度
θ2 プリズムの第1の面への入射光角度
θ3 プリズムの第1の面の屈折角度
θ4 プリズムの第2の面で反射後のフレネル面の法線に対する出射角度
θ5 観察側の面を平面とした時のフレネル面の法線に対するフレネルレンズからの出射角度
φ フレネルレンズ角度
δ プリズム先端角度
γ プリズムの第1の面のフレネル面の法線に対する角度
p フレネルレンズのレンズピッチ(プリズムのピッチ)
e1 プリズムの第2の面で全反射し好適に利用できる部分
e2 プリズムの第2の面で全反射できずに迷光になる部分
h プリズムの高さ
s プリズム第1の面の迷光になる部分と迷光にならない部分の境界点の高さ
1、81 フレネルレンズシート
2、82 光拡散シート
3、83 プロジェクションスクリーン
4、84 フレネルレンズのプリズム第1の面(入射面)
5、85 フレネルレンズのプリズム第2の面(全反射面)
6、86 フレネルレンズシートの観察側の面(出光面)
7、87 迷光になる光が存在する領域
8、88 フレネルレンズのプリズム部分
9 フレネルレンズのプリズム第1の面に形成した粗面
10、10A、10B、10C 光源からの映像光
11 薄型背面投射型テレビセット
12、92 光源
13 ミラー
31 フレネルレンズの母型
32 切削バイト
33 フレネルレンズのプリズム第1の面に対応する母型に設けられた切削線条群
34 フレネルレンズのプリズム第2の面に対応する母型の面
41、B フレネルレンズのプリズムの先端部
42、A、C フレネルレンズのプリズムの底部
F フレネルレンズのプリズムの第2の面で全反射するか否かの境界の映像光がプリズムの第1の面を通過する点
90 従来タイプの背面投射型テレビセット
94 フレネルレンズのフレネル中心
95 フレネル中心に一番近いフレネルレンズの位置
96 フレネル中心に一番遠いフレネルレンズの位置
100 フレネルレンズを好適に通過した映像光
101 プリズムの第2の面で反射しないで迷光となった(または、なる)光
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面投射型テレビの表示部に使用されるプロジェクションスクリーンを構成するフレネルレンズにおいて、光源12からの映像光10を斜めよりプロジェクションスクリーン3へ拡大投影することでテレビセットの大幅な薄型化を実現した背面投射型テレビに使用されるフレネルレンズ1に関する。
【0002】
【従来の技術】
背面投射型テレビには、映像光源より発した映像光を拡大投影するプロジェクションスクリーンが設けられている。一般に、このプロジェクションスクリーンは、光源より拡大投射される映像光を観察者側へ略平行光に屈折させるフレネルレンズ要素と映像光を散乱させ広い範囲の観察者へ提供する拡散要素を有するレンチキュラーレンズなどを組み合わせて使用される。従来、このような背面投射型テレビの映像源としては、三原色が別々のCRTが一般的であったが、LCDやDLPを用いた単レンズ方式の映像源も使用されるようになってきた。このような、LCDやDLPなどを用いた単レンズ方式の背面投射型テレビにおいても、図11に示したようにプロジェクションスクリーンの中央に対して、略垂直に映像光を入射させる方式が一般的であった為、CRTを用いた背面投射型テレビとほぼ同等の奥行きを必要としていた。
それに対して、図2に示されるように、光源12からプロジェクションスクリーン3に映像光10を斜めに投射することで、従来に比べて大幅な薄型化をはかった背面投射型テレビ11が提案されている。このタイプの薄型背面投射型テレビ11は、LCDやDLPなどの映像源と、その映像源を照明するランプ、映像光を拡大投射するための投射レンズ等からなる光源12から映像光10を投射し、光路を折り返して奥行きを薄くするため、プロジェクションスクリーンと略平行に配置されたミラー13を経て、投射された映像を映し出すためのプロジェクションスクリーン3を通して映像を観察者へ提供するものである。
【0003】
このようなタイプの薄型背面投射型テレビ11用のプロジェクションスクリーン3は、図9に示すように、光源12側に全反射タイプのプリズム群8が形成されたフレネルレンズシート1とレンチキュラーレンズ等の形成された光拡散シート2の組み合わせから構成されるか、または、図10に示すように、光源12側に全反射タイプのプリズム群8が形成され、観察側にレンチキュラーレンズ等の形成された1枚シートのプロジェクションスクリーン3で構成されている。この場合、フレネルレンズのプリズム群8のフレネル中心(同心円の中心)94はプロジェクションスクリーンの内部にはなく、最もフレネル中心に近い位置95での映像光10の入射角度が30〜45°となる。逆に最もフレネル中心から遠い位置96では、入射角度が70〜80°となる。フレネルレンズのフレネル中心に近い側と遠い側の入射角度の差が、これより小さい場合には、斜め投射といえどもプロジェクションスクリーンの中心と光源との距離が長くなり、図11に示した映像光10がプロジェクションスクリーンへ略垂直入射する従来タイプの背面投射型テレビ90にくらべて奥行きを薄くするという目的を達成できない。逆に、フレネルレンズのフレネル中心に近い側と遠い側の入射角度の差が、これより大きい場合には、光源の投射レンズや台形ひずみの補正回路が高価になり、好ましくない。
【0004】
このような全反射フレネルレンズを用いたプロジェクションスクリーンの場合、図6(a)に示したように、光源から離れた、つまりフレネル中心から遠い入射角度が大きい側では、プリズム群88のプリズムの第1の面84から入射した光の全てが、第2の面(全反射面)85で全反射する。しかし、図6(b)に示したように、光源に近い、つまりフレネル中心に近い入射角度が小さい側では、プリズム群88のプリズムの第1の面84から入射した光の一部が、第2の面(全反射面)85で全反射せずに、抜けて、迷光101となる。図7にその光線追跡図を示した。全反射フレネルレンズの第1の面84から入射し、第2の面85で全反射されることなく観察側の面86に進む光は、観察側の面86で全反射し、プリズム群88で入射と出射を繰り返した後、再び、観察側の面86から正面に近い方向に出射する。このため、図5で示したように、この迷光101が全反射フレネルレンズ81を好適に反射し通過した映像光100とほぼ同じ方向に出射することが原因で、観察者に二重像(ゴースト)などの障害を与えていた。
【0005】
この迷光による二重像(ゴースト)などの障害の改善方法としては、特開昭62−113131、特開昭61−254941、特開昭63−139331、特開昭63−30835、特開昭63−37336、特開昭63−37337、特開昭63−32528、特開平5−72634が知られている。しかしこれらの改善方法は、不十分であり、以下の課題を有している。光拡散層をフレネルレンズのプリズムの谷部分に埋め込む方法では、光拡散層の形成がフレネルレンズ毎に後工程で行うため、製造が煩雑で、また、その光拡散量のコントロールが難しいという課題を有していうる。また、光拡散層をフレネルレンズのプリズムよりも観察側に1層追加形成するものは、迷光だけでなく映像光も拡散させて映像もぼかしてしまうというデメリットも有している。フレネルレンズのプリズム部分の映像光の非透過部分に光吸収層を形成するものは、プリズムと光吸収層の位置関係をあわせるのが困難である。また、プリズムの一部に光吸収層を形成する方法も、光吸収層を全面に設けるのではないため、やはりプリズムの一部分だけに形成する必要があり、形成が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のごとく、全反射フレネルレンズを用いたプロジェクションスクリーンにおいて、フレネル中心に近い側で発生するプリズム群88のプリズムの第1の面84から入射した光の一部が、第2の面(全反射面)85で全反射せずに、迷光となる光101が原因で生じる、二重像(ゴースト)などの障害が発生しない全反射タイプのフレネルレンズを開発し、良好な映像を観察者へ提供することである。
【0007】
【課題を解決する手段】
第1の発明は、映像光が後方より斜めに投射される背面投射型テレビ11に使用するフレネルレンズであって、光源側に断面が三角形のプリズム群が配列され、前記プリズムの第1の面4は投射された映像光10を屈折入射し、第2の面5はその光を観察方向に全反射して、観察側の面6から出射するフレネルレンズにおいて、フレネルレンズの全領域、または、前記第1の面より入射し、第2の面で全反射しないで観察側の面に向かう迷光となる光が存在する領域において、前記第1の面の少なくとも迷光となる光が通過する部分を粗面としたことを特徴とするものである。
【0008】
第2の発明は、請求項1記載のフレネルレンズにおいて、前記プリズムの第1の面の粗面は、入射光が迷光となる部分のみに形成したことを特徴とするものである。
【0009】
第3の発明は、請求項1記載のフレネルレンズにおいて、前記プリズムの第1の面の粗面は、第1の面全体に形成したことを特徴とするものである。
【0010】
第4の発明は、請求項1〜3いずれか記載のフレネルレンズにおいて、前記、粗面をフレネルレンズのプリズム群の稜線に平行な方向に筋状に形成したことを特徴とするものである。
【0011】
第5の発明は、請求項4記載のフレネルレンズにおいて、前記、粗面がフレネルレンズ成型時に用いるフレネルレンズ母型の切削時の切削線条群の逆形状であることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の説明を行う。図5に示すようにフレネルレンズ81のプリズム群88の第1の面84と第2の面85ともに平滑な面の場合、迷光101が生じ、二重像(ゴースト)の問題が発生する。図1に示すように本発明は、第1の面4より入射し、第2の面5で全反射しないで観察側の面6に向かう迷光となる光が存在する領域7において、フレネルレンズ1のプリズムの第1の面4の迷光101が通過する部分を、粗面とすることで、ここを通過する光源からの映像光10を拡散させ、問題となっている迷光101の強度を大幅に低減させ、この迷光101によって生じる二重像(ゴースト)が観察されない程度まで、大幅に改善したものである。
【0013】
従来の全反射フレネルレンズにおいて、図6(a)、図6(b)に示すように、光源からの映像光10は、フレネルレンズ1の位置によって異なった入射角度θ1でフレネルレンズ81のプリズム88の第1の面84に入射する。図6(b)に示すように、フレネルレンズ81のフレネル中心に近い場所では、プリズムの頂点41付近から第1の面84に入射した映像光10Aは、第1の面84に入射した後、第2の面85で全反射して、ほぼ垂直に観察側の面86へ進行するが、プリズムの底部42付近から入射した映像光10Bは、第1の面84に入射した後、第2の面85で全反射せず、迷光101となる。他方、図6(a)に示すように、フレネル中心から遠い場所では、映像光10は、すべてプリズム頂点41付近のみから第1の面84に入射し、第2の面85で全反射し好適に通過した映像光100となる。
【0014】
フレネルレンズのフレネルレンズ角度φ、プリズム先端角度δ等の光学設計について、図8に基づいて、より詳細に説明する。本発明で使用する全反射タイプのフレネルレンズのレンズ角度φは、入射角度をθ1、フレネルレンズの材料の屈折率をn、プリズムの第2の面で反射後のフレネルレンズシートの法線に対する映像光が進む角度をθ4、プリズムの先端角度をδとすると、次式で表される。
tanφ=(n×sin(δ+θ4)+sin(δ+θ1))/(n×cos(δ+θ4)−cos(δ+θ1))
また、観察側の面6が平坦面とすると、フレネルレンズシートから出射する光線の出射角θ5とシート内での映像光の進む角度θ4との間には、下記式が成立する。
sinθ4=sinθ5/n
但し、γ=φ+δ−π/2≧0である。γが負の時は、プリズムの第1の面4の形状が逆テーパーになってフレネルレンズおよびフレネルレンズ成型型が事実上製造できなくなるからである。そのため、設計上γ<0となる部分では、プリズムの第1の面4を垂直とし、プリズム先端角δを変化させて、フレネルレンズ角φを決定する。この時のフレネルレンズ角度φは次式により計算することができる。
φ={arcsin(cosθ1/n)+θ4+π/2}/2
【0015】
次に、入射光線が迷光となる部分が存在する領域と迷光が存在しない領域との境界の位置について、第1の面4から入射して、丁度プリズムの谷部Aへと屈折する映像光10について考察する。プリズムの第1の面4への入射角度をθ2、プリズムの第1の面の屈折角度をθ3、フレネルレンズのレンズピッチ(プリズムのピッチ)をp、プリズムの第2の面5で全反射し好適に利用できる部分B−Kをe1、プリズムの第2の面5で全反射できずに迷光になる部分K−Dをe2、プリズムの高さをh、プリズムの第1の面の迷光となる部分と有効な部分の境界の高さをsとすると、有効な部分e1は、以下の式で表される。
e1=(h−s)×(tanγ+tanθ1)
=(h−s)×(tan(φ+δ−π/2)+tanθ1)
ここで、プリズムの高さhと、プリズムの第1の面の迷光となる部分と有効な部分の境界の高さsは、それぞれ、
h=p×tan(φ+δ)×tanφ/(tan(φ+δ)−tanφ)
s=−p×tan(φ+δ)/(1+tan(φ+δ)×tan(φ+δ+θ3))
である。また、θ3=arcsin{sin(θ1+φ+δ)/n}である。
図8において、p=e1+e2で明らかにe1≦pである。有効部の比e1/pは入射角度θ1が大きい程大きくなり、あるところでe1=pとなる。このe1=pとなる入射角度θ1より入射角度が大きいところでは、プリズムの第1の面4より入射し、第2の面5で全反射しないで観察側の面に向かう迷光となる光が存在しない領域となる。
【0016】
上記計算式をもとに、フレネルレンズ(プリズム)の材料の屈折率nが1.49、1.55及び1.59で、観察側の面を平面とした時に垂直出射(出射角度θ5=0)となる時の、プリズム先端角δ毎の、迷光の生じる領域と迷光の生じない領域の境界点(e1=p)における、入射角度θ1とその時のレンズの角度φの計算結果を表1に示す。
【0017】
【0018】
次に、入射光線が迷光となる部分が存在する領域での1つのプリズム内での入射光線が迷光となる部分と有効な光となる部分の領域との境界の位置について、図8に基づいて説明する。映像光10は、既に説明したように、第1の面4から入射して、丁度プリズムの谷部Aへと屈折する光である。映像光10Cは、映像光10と平行光線でプリズムの頂点Dぎりぎりを通過し第1の面4から入射して、第2の面5で全反射できずに迷光101となる光である。従って、第1の面B−Cの中でF−T部分が迷光となる部分である。第1の面B−Cの中で、B−Fは、有効な光となる部分で、F−Tが迷光となる部分で、T−Cが映像光が入射しない部分である。
【0019】
フレネルレンズ1のプリズムの第1の面4の粗面にする部分については、粗面加工する負荷と粗面加工の効果のバランスで検討し、フレネルレンズ全体(上辺から下辺まで全て)の第1の面4を粗面加工しても良いし、図1において迷光の生じる領域7のみを粗面加工しても良い。また、迷光の生じる領域のみを粗面加工する場合には、その領域のプリズムの第1の面すべて(図8においてB−C)を粗面加工しても良いし、第1の面より入射した投射光が第2の面で全反射しないで迷光になる第1の面の部分(図8においてF−T)のみを粗面加工しても良い。さらにまた、図8において、T−Cの部分は映像光10が入射しないので、粗面加工の手法による負荷によって、粗面加工するかどうか検討すれば良い。
迷光の生じる領域の投射光が迷光になる部分のみを粗面とした場合は、迷光にならないで有効な映像光が通過する部分を鏡面のままとしたので、解像度やクリア感が低下することなく、鮮明な映像が得られる。一方、第1の面全体を粗面化する場合には、映像光が拡散されることで解像度やクリア感は多少損なわれるが、LCDやDLP光源特有の強いシンチレーションを低減することができる。
【0020】
プリズムの第1の面の粗面の程度は、得られる画質や加工方法によっても異なるが、光の波長程度(約0.5μm)から20μm程度の大きさまたは深さの凹凸であることが好ましい、より好ましくは、3μmから10μm程度の大きさまたは深さの凹凸である。これより小さいと、拡散光が色分離し、逆にこれより大きいと、プリズムのピッチや高さから考えて十分に迷光を拡散させることができないからである。
【0021】
フレネルレンズのプリズムの第1の面を粗面に加工する方法としては、フレネルレンズのプリズムの第1の面が粗面加工されていないものを作成し、その後、1枚ずつ粗面加工しても良い。しかしながら、この方法よりも、フレネルレンズ成型用母型の第1の面に対応する面を粗面加工し、その母型、またはこの母型より作成した複製型よりフレネルレンズを成型する方法が後工程を必要とせず好ましい。
【0022】
フレネルレンズ成型用母型の第1の面に対応する面の全面を粗面加工する方法としては、母型切削後に、プリズムの第2の面に対応する面をマスキングして、第1の面に対応する面のみをエッチングやブラストにより粗面化する方法がある。
【0023】
その他の方法として、図3のように母型の切削時に、切削バイトによって、まず、フレネルレンズの光学設計に従ったプリズム群の両面の切削加工を行い、その後、プリズムの第1の面の粗面加工を施す部分にフレネルレンズのプリズム群の稜線に平行な方向に筋状の切削線条群33を刻んでおくことで形成することができる。
この場合、旋盤のNC制御により、フレネルレンズのプリズムの第1の面に対応する型の面のうち、フレネルレンズの迷光となる光が存在する領域、さらにまた、迷光となる部分のみを限定して切削線条群33を形成することができる。この方法では、図3(a)(b)に示したように、光学設計結果に対応したフレネルレンズ角度のプリズム切削時(図3(a))のバイト角度と第1の面に対応する面の粗面加工時(図3(b))のバイト角度を変える必要がある。また、バイト角度を適切に設定することで、切削済みの母型31の山(プリズム群の底部に相当)を削ってしまうことを防止できる。
また、図4に示したように、プリズムの先端角よりもわずかに鋭角の切削バイトを使用して、フレネルレンズの全領域のフレネルレンズのプリズムの第1の面に対応する金型の第1の面に切削線条群33を加工しても良い。
【0024】
本発明の全反射プリズム群は、サーキュラーフレネルタイプのもので説明を行ってきたが、リニアフレネルタイプとしてもよい。この場合、レンズシートの観察側の面にサーキュラーフレネルレンズ要素を持つ形状を付与しても良いし、また、光源側の面に作成したリニアフレネルと直行する方向に伸びるリニアフレネルを観察側の面に作成しても良い。 本発明のフレネルレンズ1の観察側の面を平坦面とし、その観察側にレンチキュラーレンズ等の形成された光拡散シートを追加して図9に示したような2枚物のプロジェクションスクリーン3とすることができる。また、観察側の面にレンチキュラーレンズなどを形成し、図10に示したような1枚物のプロジェクションスクリーン3とすることもできる。また、さらに1枚、ハードコートや低反射コートなどの機能を付加した透明な樹脂シートを観察側に追加してもよい。
また、本発明が対象としている背面投射型テレビとして、下方より斜めに投射されるものについて説明を行ってきたが、上方より斜めに投射されるものでも同等である。
【0025】
【実施例1】
映像光が後方より斜めに投射される薄型背面投射型テレビ用のプロジェクションスクリーンとして、画面サイズ50”(アスペクト比4:3)、投射距離285mm、スクリーン面に対して光源の位置が画面下端より200mm下方に存在している背面投射型テレビ用のプロジェクションスクリーンを下記のように作成した。このテレビ用のプロジェクションスクリーン下端中央部への入射角度は35°、上端隅への入射角度は、75.3°である。
本発明のサーキュラーフレネルタイプのフレネルレンズ用の金型を40°の先端角を有する切削バイトにより切削加工して作成した。フレネルレンズピッチは0.1mmである。最小切削半径が200mm、その時のレンズ角度φが64.66°、最大切削半径が1100mm(有効部1088mm)、その時のレンズ角度φが49.66°とした。設計上のプリズムの第1の面の角度が逆テーパー(γが負の値)になる領域1020〜1100mmは、逆テーパーにならないように、プリズムの第1の面が垂直に切り立つように切削した。
このフレネルレンズ金型のフレネルレンズ角度φは、観察側の面を平面とした時に、屈折率が1.55の材料でフレネルレンズを作成する場合、フレネルレンズからほぼ垂直に出射する設計条件である。この時の詳細な各切削半径毎の入射角度とフレネルレンズ角度を表2に記載する。
【0026】
【0027】
フレネルレンズ下端付近での迷光を防止するため、切削が完了した金型に対して、サーキュラーフレネルの同心円の中心側から高分子系マスキング材を吹き付けてプリズムの第2の面に対応する面をマスキングした後、反対側の第1の面に対応する面を酸により腐食させ、マスキング材を剥離した後、クロムめっきを施して成型型とした。このフレネルレンズ成型型と、観察面側用のレンチキュラーレンズ型を用いて重合セルを形成し、重合セル内に硬化後の屈折率が1.55となるアクリル・スチレン共重合体系のプレポリマーを注入し、重合を行い、光源側に本発明のフレネルレンズのプリズム群を有し、観察側にレンチキュラーレンズを有する1枚物のプロジェクションスクリーンを形成した。
【0028】
【実施例2】
実施例1と同一のテレビセット用に、本発明のフレネルレンズ用の金型を40°の先端角を有する切削バイトで切削加工した。フレネルレンズ角度φは、実施例1と同等である。フレネルレンズのプリズムの第2の面で反射しないで迷光となる光が生じる200〜307mmの領域において、プリズムの第1の面の入射光が迷光となる部分(図8のF−Tに相当する型の部分)に、各ピッチ毎に図3(a)に示したレンズ面の形成後、図3(b)に示した切削線条群33の加工を行った。切削終了後、実施例1と同様に、クロムめっきを施し、成型型とした。
【0029】
前記、フレネルレンズの成型型に硬化後の屈折率が1.55となる紫外線硬化樹脂を塗工し、前記紫外線硬化樹脂を塗工したフレネルレンズ成型型の上へ紫外線透過性のある透明樹脂基板を積層し、前記透明樹脂基板の上から紫外線を照射してフレネルレンズを形成した。このフレネルレンズにレンチキュラーレンズシートを組み合わせて、プロジェクションスクリーンとした。
【0030】
【実施例3】
実施例1と同一のテレビセット用に、本発明のフレネルレンズ用の金型を38°の先端角を有する切削バイトで、フレネルレンズの頂角が40°となるよう200〜1020mmの範囲は図4に示したように、プリズム先端角度と切削バイトの先端角の差2°だけ斜め切削し、これによりプリズムの第1の面に切削線条群33を形成した。設計上のプリズムの第1の面の角度が逆テーパーになる領域の1020〜1100mmにも切削線条群を形成し、フレネルレンズの中心に最も近い200mmから最外周の1100mmまで全領域の第1の面が粗面となるよう切削形成した。切削終了後、実施例1と同様に、クロムめっきを施し、成型型とした。
【0031】
前記、フレネルレンズの成型型に硬化後の屈折率が1.55となる紫外線硬化樹脂を塗工し、前記紫外線硬化樹脂を塗工したフレネルレンズ成型型の上へ紫外線透過性のある透明樹脂基板を積層し、前記透明樹脂基板の上から紫外線を照射してフレネルレンズを形成した。このフレネルレンズにレンチキュラーレンズシートを組み合わせて、プロジェクションスクリーンとした。
【0032】
【比較例】
フレネルレンズのプリズムの第1の面に切削線条群を形成しなかった点を除き、実施例2と同様の方法でフレネルレンズ成型型を作成し、フレネルレンズを成型し、このフレネルレンズとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせてプロジェクションスクリーンとした。
【0033】
実施例1、実施例2、実施例3と比較例のプロジェクションスクリーンを、サイズ50”(アスペクト比4:3)、投射距離285mm、スクリーン面に対してDLP光源の位置が画面下端より200mm下方の背面投射型テレビに実装し比較評価した。比較例のプロジェクションスクリーンでは、画面下部に二重像が観察されたが、実施例1、2、3のプロジェクションスクリーンではそれが観察されず、好適な映像を観察者へ提供することができた。
【0034】
【発明の効果】
第1の発明によれば、全反射フレネルレンズにおいて、光入射側の第1の面を粗面化し、迷光を拡散させることで、二重像が観察者から見えないようにし、好適な映像を提供するものである。
第2の発明では、上記全反射フレネルレンズにおいて、全反射プリズムの入射面である第1の面のうち迷光となる光が通過する部分のみを粗面化したので、好適に通過する映像光は拡散することなくクリアで高解像度の映像を提供するものである。
第3の発明では、全反射フレネルレンズ全体の入射面を粗面化したので、二重像が観察者から見えなくなるとともに、LCDやDLP光源特有の強いシンチレーションを低減するものである。
第4の発明は、上記粗面加工の具体例を提示するものである。
第5の発明は、フレネルレンズ成型用の母型作成時にNC旋盤で簡便に粗面化処理を行い、効率良く、本発明のフレネルレンズを製造できるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレネルレンズの説明図である。
【図2】薄型背面投射型テレビおよびプロジェクションスクリーンの説明図である。
【図3】本発明のフレネルレンズ母型切削加工の説明図である。
【図4】本発明のフレネルレンズ母型切削加工の他の例の説明図である。
【図5】従来技術の迷光となる光が存在する領域の説明図である。
【図6】迷光となる光が存在する領域と迷光となる光が存在しない領域の説明図である。
【図7】従来技術のフレネルレンズの光線追跡図である。
【図8】本発明の光学設計条件の説明図である。
【図9】本発明のプロジェクションスクリーンの構成例である。
【図10】本発明のプロジェクションスクリーンの他の構成例である。
【図11】従来タイプの背面投射型テレビの説明図である。
【符号の説明】
θ1 フレネルレンズへの入射光角度
θ2 プリズムの第1の面への入射光角度
θ3 プリズムの第1の面の屈折角度
θ4 プリズムの第2の面で反射後のフレネル面の法線に対する出射角度
θ5 観察側の面を平面とした時のフレネル面の法線に対するフレネルレンズからの出射角度
φ フレネルレンズ角度
δ プリズム先端角度
γ プリズムの第1の面のフレネル面の法線に対する角度
p フレネルレンズのレンズピッチ(プリズムのピッチ)
e1 プリズムの第2の面で全反射し好適に利用できる部分
e2 プリズムの第2の面で全反射できずに迷光になる部分
h プリズムの高さ
s プリズム第1の面の迷光になる部分と迷光にならない部分の境界点の高さ
1、81 フレネルレンズシート
2、82 光拡散シート
3、83 プロジェクションスクリーン
4、84 フレネルレンズのプリズム第1の面(入射面)
5、85 フレネルレンズのプリズム第2の面(全反射面)
6、86 フレネルレンズシートの観察側の面(出光面)
7、87 迷光になる光が存在する領域
8、88 フレネルレンズのプリズム部分
9 フレネルレンズのプリズム第1の面に形成した粗面
10、10A、10B、10C 光源からの映像光
11 薄型背面投射型テレビセット
12、92 光源
13 ミラー
31 フレネルレンズの母型
32 切削バイト
33 フレネルレンズのプリズム第1の面に対応する母型に設けられた切削線条群
34 フレネルレンズのプリズム第2の面に対応する母型の面
41、B フレネルレンズのプリズムの先端部
42、A、C フレネルレンズのプリズムの底部
F フレネルレンズのプリズムの第2の面で全反射するか否かの境界の映像光がプリズムの第1の面を通過する点
90 従来タイプの背面投射型テレビセット
94 フレネルレンズのフレネル中心
95 フレネル中心に一番近いフレネルレンズの位置
96 フレネル中心に一番遠いフレネルレンズの位置
100 フレネルレンズを好適に通過した映像光
101 プリズムの第2の面で反射しないで迷光となった(または、なる)光
Claims (5)
- 映像光が後方より斜めに投射される背面投射型テレビに使用するフレネルレンズであって、光源側に断面が三角形のプリズム群が配列され、前記プリズムの第1の面は投射された映像光を屈折入射し、第2の面はその光を観察方向に全反射して、観察側の面から出射するフレネルレンズにおいて、フレネルレンズの全領域、または、前記第1の面より入射し、第2の面で全反射しないで観察側の面に向かう迷光となる光が存在する領域において、前記第1の面の少なくとも迷光となる光が通過する部分が粗面とされていることを特徴とするフレネルレンズ。
- 請求項1記載のフレネルレンズにおいて、前記プリズムの第1の面の粗面は、入射光が迷光となる部分のみに形成されていることを特徴とするフレネルレンズ。
- 請求項1記載のフレネルレンズにおいて、前記プリズムの第1の面の粗面は、第1の面全体に形成されていることを特徴とするフレネルレンズ。
- 請求項1〜3いずれか記載のフレネルレンズにおいて、前記、粗面は、フレネルレンズのプリズム群の稜線に平行な方向に筋状に形成されていることを特徴とするフレネルレンズ。
- 請求項4記載のフレネルレンズにおいて、前記、粗面がフレネルレンズ成型時に用いるフレネルレンズ母型の切削時の切削線条群の逆形状であることを特徴とするフレネルレンズ。
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- 2002-08-09 JP JP2002232351A patent/JP2004070188A/ja active Pending
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