JP2001348358A - (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気液両相で有効な(メタ)アクリル酸および
そのエステルの重合防止方法を提供する。 【解決手段】 精製塔内で、N−ニトロソフェニルヒド
ロキシルアミンまたはその塩と、N−オキシル化合物、
N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン化合物および2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン化合物とを併用することを特徴とする、(メタ)ア
クリル酸およびそのエステルの重合防止方法である。N
−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩が
精製塔内でその一部が分解して塔内を上昇し(メタ)ア
クリル酸などの重合を効果的に抑制することができる。
金属化合物を使用しないため、廃液処理が簡便であり、
かつ上記併用によって気液両相の重合をより効果的に防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの
製造方法に関し、より詳細には、N−オキシル化合物、
N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
化合物およびN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
またはその塩を重合防止剤として蒸留塔に供給すること
を特徴とする(メタ)アクリル酸およびそのエステルの
重合防止方法、ならびに該重合防止方法を製造工程に含
む(メタ)アクリル酸およびそのエステルの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸やメタクリル酸等の易重合性
化合物は、工業的な製造原料であり大規模なプラントで
大量に生産される化学物質である。例えば、(メタ)ア
クリル酸を例に取れば、該易重合性化合物は、プロピレ
ン、イソブチレン、イソブチレン、t−ブタノール、メ
チル−t−ブチルエーテル、アクロレインなどの接触気
相酸化反応によって製造されるが、該接触気相酸化反応
によって得られた反応ガス中には、目的物たる(メタ)
アクリル酸の他の副生物等が混在する。例えば、該反応
によって主として非凝縮性の気体すなわち未変換プロピ
レン、イソブチレン、アクロレインや沸点がアクリル酸
の沸点よりも低い水蒸気、未変換アクロレインなどの低
沸点有機化合物、副反応で生じるホルムアルデヒド、酢
酸等の不純物、沸点がアクリル酸の沸点よりも高い無水
マレイン酸、フルフラール、ベンズアルデヒド、安息香
酸、アクリル酸二量体等の高沸点化合物が発生する。こ
のため、この反応ガスを精製して目的物を製造するに
は、上記反応ガスを水または重質溶媒で向流洗浄して吸
収し、次いでこれを蒸留塔に供給して精製することが一
般的である。
【0003】一方、(メタ)アクリル酸およびそのエス
テルはその構造から、極めて重合し易い性質を持つ化合
物である。しかも、(メタ)アクリル酸の蒸留工程など
は、気相部と液相部とが混在する系を構成するため、蒸
留塔内の液相部と気相部との双方に対してその重合を効
果的に抑制し、長時間の安定な連続運転を可能とする必
要がある。一般にはこのような重合の発生を防止するた
めに、種々の重合防止剤が単独あるいは数種組み合わさ
れてモノマー中に添加され、該製造工程での重合物の発
生を防止している。
【0004】例えば、特開平9−95465号公報に
は、ニトロソ化合物の1種であるN−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンまたはその塩を用いてビニル化合物
の重合を防止するに当たり、N−ニトロソフェニルヒド
ロキシルアミンまたはその塩と共に、銅塩化合物を存在
させることを特徴とするビニル化合物の重合防止方法が
開示されている。該方法によれば、両化合物を同時にま
たは別個に蒸留工程に導入することで、アクリル酸やメ
タクリル酸の重合を効果的に防止し、その製造プロセス
を長時間にわたり安定して運転することができるとして
いる。実施例では、アクリル酸にジブチルジチオカルバ
ミン酸銅とN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンと
を溶解させた後に還流操作を行い、重合物の発生を観察
している。
【0005】また、特開平8−48650号公報には、
N−オキシル化合物と共に、マンガン塩化合物、銅塩化
合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物
およびニトロソ化合物よりなる群から選ばれる1種以上
の重合防止剤を使用する(メタ)アクリル酸およびその
エステルの重合防止方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−95465号公報に記載される方法は、銅塩化合物
を必須の成分として使用するため、銅塩化合物を含む使
用水等が環境中に放出されるため、これを処理する手段
が新たに必要となり不利である。
【0007】また、(メタ)アクリル酸などの重合を効
果的に防止しようとすれば、重合防止剤の使用量を増加
すればよいが、これではこれら(メタ)アクリル酸等の
重合操作の段階で重合防止剤を除去する工程が必要とな
り、不利である。
【0008】一方、特開平8−48650号公報では、
複数の重合防止剤を併用する実施例を記載しているが、
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩
と併用した化合物は4−ヒドロキシ2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジノオキシルとの組み合わせに限られ
ている。
【0009】一般に、プロピレン等の接触気相酸化によ
って合成された(メタ)アクリル酸に含まれる酢酸、低
級アルデヒドなどの低沸点物質と、フルフラール、無水
マレイン酸等の高沸点物質が副生成物を精製分離するた
めに、(メタ)アクリル酸含有溶液を、蒸留、放散、抽
出、晶析等の方法を行っている。しかし、一層の製造工
程の簡略化が求められるのが現状である。この簡略化と
して、例えば、酢酸分離塔数を減少したり蒸留工程を減
少すれば、蒸留条件を厳しくする必要が生ずる。製造工
程の簡略化は社会的な要請であるが、このためには各精
製工程で現在よりも過酷な蒸留条件を必要とすることに
なり、より重合物が発生しやすくなる。重合物が発生す
れば連続運転が不可能となり、精製塔における重合物の
除去作業をより困難なものとする。
【0010】このような現状から、(メタ)アクリル酸
などの易重合性物質の製造方法において、精製塔におい
て気相、液相の双方における重合物の発生を効果的に防
止し、本来必要とされる連続運転を達成できる(メタ)
アクリル酸やそのエステルの重合防止方法やこれらの製
造方法が望まれる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ニトロソ化
合物の重合防止機能について詳細に検討した結果、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩が蒸
留工程に添加された後に少なくとも一部が分解するこ
と、該分解産物には重合抑制作用を有するものと重合促
進作用を有するものとが混在すること、および従来公知
のN−オキシル化合物その他の重合防止剤を併用するこ
とで、(メタ)アクリル酸等の重合防止効果を促進でき
ること見出し本発明を完成させた。すなわち、上記目的
は、下記(1)〜(3)によって達成される。
【0012】(1) 精製塔内で、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンまたはその塩と、N−オキシル化
合物、N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン化合物および2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン化合物とを併用することを特徴とする、(メ
タ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法。
【0013】(2) 該N−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミンの塩が、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンのアンモニウム塩である、上記(1)記載の(メ
タ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法。
【0014】(3) 上記(1)または(2)記載の
(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法
を製造工程に含むことを特徴とする、(メタ)アクリル
酸またはそのエステルの製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第一は、精製塔内で、N
−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩
と、N−オキシル化合物、N−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン化合物および2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン化合物とを併用するこ
とを特徴とする、(メタ)アクリル酸およびそのエステ
ルの重合防止方法である。
【0016】上記のごとく、本発明者らは、N−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩が(メタ)
アクリル酸などの蒸留工程で分解することを見出し、か
つ、精製塔内の環境中で分解産物の内のガス成分が気相
の(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を防止
する作用を発揮することがわかった。特に、精製塔の塔
底側から該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンま
たはその塩を供給すると、精製塔の環境中で分解して得
られた該ガス成分が、精製塔内を上昇しつつガス状で存
在する(メタ)アクリル酸と容易に混合することがで
き、更に含まれるN−オキシル化合物等との併用効果に
よって、相乗的に易重合性物質の重合を防止することが
できる。
【0017】なお、本発明においては、「精製」には、
蒸留、放散が含まれる。ここに、「蒸留」とは、溶液を
その沸点まで加熱し含まれる揮発性成分を分離する方法
であり、「放散」とは、放散ガスを供給して溶液中に溶
解する気体または蒸気を気相に移す方法をいうものとす
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明の(メタ)アクリル酸およびそのエ
ステルの重合防止方法は、(メタ)アクリル酸およびそ
のエステルを精製する際に、精製塔内で発生する重合を
防止するものである。従って、精製塔としてはその名称
にかかわらず、(メタ)アクリル酸およびそのエステル
の製造工程で使用され、(メタ)アクリル酸およびその
エステルを精製し、または製造する目的で使用される装
置を広く含み、蒸留塔、放散塔、共沸分離塔、脱水塔、
酢酸分離塔、軽沸物分離塔、高沸物分離塔などが含まれ
る。
【0019】これらの精製塔における(メタ)アクリル
酸およびそのエステル精製条件は、(メタ)アクリル酸
およびエステル体を精製し、または製造する従来公知の
条件に適用できる。ただし、本発明はこれに限られるも
のではない。
【0020】本発明で使用するN−ニトロソフェニルヒ
ドロキシルアミンの塩としては、アンモニウム塩が好ま
しい。精製塔内の条件で該化合物が分解した後に、ガス
成分の易重合性物質に対する重合抑制効果に特に優れる
からである。
【0021】本発明では、N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンまたはその塩の供給場所としては特に制限
はない。したがって、精製塔の塔底部、塔中段、塔頂の
いずれから供給してもよい。しかしながら、これを精製
塔の塔底側から供給することが好ましく、特に「精製塔
の塔底側を基点として総理論段数の70%の位置以下」
から供給することが好ましい。該位置は、精製塔におけ
る総理論段数の70%以下の位置の精製塔内およびこれ
に付属する配管、付属機器の全てを意味する。従って、
総理論段数の70%以下の位置であれば、精製塔内の気
相部、塔底液を含み、更に精製塔に付属するリボイラや
該リボイラに導入しまたはリボイラから導出するための
配管も含むものとする。従って、精製塔の塔底部に薄膜
蒸発器が付属する場合は、該薄膜蒸発器や該薄膜蒸発器
に導入しまたは薄膜蒸発器から導出するための配管も本
願におけるニトロソ化合物の供給位置に含まれる。より
好ましくは総理論段数の50〜70%の位置、より好ま
しくは55〜65%の位置である。
【0022】本発明において精製塔の塔底側を基点とし
て総理論段数の70%の位置以下からN−ニトロソフェ
ニルヒドロキシルアミンまたはその塩を供給することと
したのは、上記のごとくガス状の分解産物が気相中で易
重合性物質の重合防止作用を奏する一方、不揮発性の分
解産物の中には重合を促進する作用を有するものも存在
することを見出したからである。精製塔内には、トレ
ー、充填物、液分散板、フラッシュ・フィ−ド液分散
板、1次液分散板、コレクタ−、蒸気分散板、パッキン
グ・サポ−ト、充填層抑板などの蒸留塔内装物が存在す
るため、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまた
はその塩の分解産物であって不揮発性の成分がこれら内
装物に付着すると、該内装物表面における(メタ)アク
リル酸などの重合を促進するおそれがある。この点、精
製塔の塔底側を基点として総理論段数の70%の位置以
下であれば、気相中で有効に易重合性ガスの重合を防止
できると共に、内装物表面で発生する重合促進の副作用
も許容できる範囲となる。
【0023】このようなN−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミンまたはその塩は、これを溶媒に溶解したもの
を精製塔に投与することが簡便で好ましい。具体的に
は、適当な溶剤、好ましくは反応系に仕込む溶剤や、水
などの原料供給液中に含まれる成分と同種の溶剤に該N
−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩を
溶かして液状にしたものを精製塔の塔底側を基点として
総理論段数の70%の位置以下から供給する。該N−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩を溶解
するために使用する溶媒は、精製塔内条件やN−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩の溶媒に対
する溶解性や分解性などの化学的、物理的性質によって
適宜選択すればよい。溶媒の例としては水、アルコー
ル、炭化水素、ケトン、エステル、酸等が挙げられる。
ニトロソ化合物がN−ニトロソフェニルヒドロキシルア
ミンのアンモニウム塩の場合は、溶媒中での安定性を考
慮すると水が最も好ましく、酸は好ましくない。なお、
この位置内に原料供給段が含まれる場合には、原料供給
溶液中に該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンま
たはその塩含有溶液を混合し、または原料供給溶液にN
−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩を
溶解させて精製塔に導入してもよい。また、精製塔に貫
通させたN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまた
はその塩供給口から該N−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミンまたはその塩含有溶液を流入、滴下または噴霧
して導入してもよい。
【0024】本発明で精製塔に添加されるN−ニトロソ
フェニルヒドロキシルアミンまたはその塩の供給量とし
ては特に制限されるものではないが、該化合物は精製塔
内で分解するため、分解前の物質で換算すれば、塔底液
中の該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたは
その塩濃度が0.0005〜0.05質量%、好ましく
は0.001〜0.01質量%の範囲である。0.00
05質量%を下回ると重合防止効果が十分でないからで
ある。なお、該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ンまたはその塩は精製塔の条件で少なくともその一部が
分解し、分解産物の種類によっては(メタ)アクリル酸
などの重合を促進する場合がある。従って、該塔底液中
のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその
塩濃度を0.05質量%以下とすることで、該重合を抑
制することができる。
【0025】なお、本発明では、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンまたはその塩に加え、N−オキシル
化合物、N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン化合物および2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン化合物を併用するが、更にフェノール化合
物、フェノチアジン化合物、銅塩化合物、マンガン塩化
合物等の公知の重合防止剤を併用することができる。上
記のごとく、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
またはその塩の分解産物によっては重合を促進する場合
があるため、他の重合防止剤を併用することで特に液相
における(メタ)アクリル酸などの重合を防止すること
ができる。
【0026】本発明で用いられるN−オキシル化合物に
ついては特に制限はなく、一般にビニル化合物に重合防
止剤として知られているN−オキシル化合物であればい
ずれも用いることができる。これらのなかでも、下記式
(1)で表される2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジノオキシル類:
【0027】
【化1】
【0028】(ただし、式中、R1はCHOH、CHC
2OH、CHCH2CH2OH、CHOCH2OH、CH
OCH2CH2OH、CHCOOH、またはC=Oを示
し、R2はHまたはCH2OHを示す)が好適に用いられ
る。N−オキシル化合物であれば特に限定されずに用い
ることができるが、良好な重合防止効果を与え得る2,
2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオ
キシル、4,4’,4”−トリス−(2,2,6,6−
テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイトのう
ち1種または2種以上を用いることが好ましい。特に、
N−オキシル化合物として2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジノオキシル、または4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシルを用いた
場合には、成分中に金属を含まなくても安定剤系となる
ため、安定剤による設備の金属腐食の恐れがなくなり、
廃液の処理も容易になる。
【0029】本発明で使用されるN−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物の代表例と
しては、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンなどを挙げることができる。
これらN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン化合物は単独でも、あるいは2種以上混合し
ても用いることができる。
【0030】本発明で使用される2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン化合物の具体例としては、2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げら
れ、これらの1種以上を用いることができる。なお、N
−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン化合物や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化
合物は、市販されるN−オキシル化合物製品中に不純物
として含有される場合があるが、このような場合には市
販のN−オキシル化合物の使用によって、併せてN−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化
合物や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物
を併用したことになる。
【0031】本発明では、特にN−ニトロソフェニルヒ
ドロキシルアミンまたはその塩と共にN−オキシル化合
物、更に加えてN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン化合物および2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン化合物を併用することが好ましい。
これらの化合物は、特に液相において(メタ)アクリル
酸やこれらのエステルの重合抑制効果に優れるため、全
体として精製塔内の気液両相の重合を相乗的に抑制する
ことができるからである。
【0032】このようなN−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミンまたはその塩にN−オキシル化合物を併用す
る場合において、特にN−オキシル化合物、N−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物
および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物
の供給場所についても特に制限はなく、リボイラーを介
して塔底に供給し、供給原料と共に原料供給口から精製
塔内に供給し、または塔頂や付属するコンデンサー内に
供給し、還流液を介して蒸留塔内に導入してもよい。し
かしながら、より好ましくは精製塔の原料供給段より上
部から導入することである。本発明において「供給段よ
り上部」には、精製塔に付属させたコンデンサーや留出
液が油水相に分離する際に使用される貯槽等から供給す
る場合も含まれ、特に好ましくは塔頂部、コンデンサー
内、貯槽またはコンデンサーや貯槽の還流液中から供給
することである。これらの重合防止剤を精製塔に供給し
た際に、最も効果的に重合防止作用を発揮させるには、
(1)重合防止剤が液相中で十分な溶解性を示す必要が
あり、(2)しかも塔内位置によって組成が異なる精製
塔の中で、該組成を維持しつつ重合防止剤を供給するに
は塔内組成に最も類似した液組成で添加すること、
(3)および重合防止を目的とする液相に最も効果的に
混合できる重合防止剤位置であることなどが求められ
る。ここに、N−オキシル化合物は粉末であるため、こ
れを精製塔内に供給するには溶剤に溶解した後に投入す
ることが好ましく、例えば、精製塔内に供給する溶媒の
一部を用いて該化合物を含有する溶液を調製することが
好ましい。重合防止剤含有溶液の投入位置として、該溶
液中の溶媒濃度と精製塔内の該溶媒濃度とが類似する範
囲を選択すれば、塔内組成を変化させずに済むからであ
る。なお、精製塔内における蒸留条件、放散条件等によ
ってこの条件は一義的に適宜できるものでないが、N−
オキシル化合物の場合には、原料供給段より上部であれ
ば重合防止効果に優れる。
【0033】なお、N−オキシル化合物は溶媒に溶解さ
せて供給するほか、固化した状態で、または気化した状
態で精製塔に供給してもよい。例えば、溶解した状態で
作用させる方法としては、適当な溶剤に重合防止剤を溶
かして液状にしたものを、精製塔の塔頂部から供給する
ほか、精製塔の塔頂部から供給するほか、精製塔に付属
するコンデンサーや貯槽に供給してもよい。コンデンサ
のタイプ等によっては、重合防止剤を含む溶液をコンデ
ンサ内部に仕込んでおいて、これにガス状の留出物を吹
き込むあるいは液化した留出物を流し込むようにして溶
解させるようにしてもよい。このようにすれば、コンデ
ンサ内の重合も有効に防止することができる。更に、気
化した状態で作用させる方法としては、重合防止剤を気
化または昇華したものを、精製塔とコンデンサとを連通
する配管経路内に供給して混合させてもよい。
【0034】なお、上記重合防止剤を溶解することので
きる溶剤としては、上記のように精製塔内に供給される
溶媒や付属したコンデンサからの還流液であることが好
ましく、例えば、精製塔に供給する溶媒として、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、n−ヘ
キサン、ヘプタン等、これらの混合物が挙げられる。こ
れらの溶媒は精製塔内の条件で異なるため、実際に使用
する溶媒に基づいて最も好ましい重合防止剤溶解溶媒を
選択する。なお、精製塔で使用する溶媒を用いれば、易
重合性物質と重合防止剤との混合に優れ、かつ塔内組成
を維持できる点でも好ましい。なお、異なる溶媒を使用
するとこれらを別途回収する必要があり、また、反応系
への還流によって分離する場合には反応系の制御管理が
複雑化するため、不利となる。
【0035】本発明で更に併用可能なフェノール化合物
としては、ハイドロキノン、メトキノン(p−メトキシ
フェノール)を挙げることができる。メトキノンは、特
にN−オキシル化合物およびフェノチアジン化合物と組
合せて使用した際の重合防止効果がハイドロキノンより
優れているため好ましい。また、これらのフェノール化
合物は2種を併用してもよい。
【0036】フェノチアジン化合物としては、フェノチ
アジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジ
ン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α−
ジメチルベンジル)フェノチアジン等を挙げることがで
き、これらの中でも特にフェノチアジンが好適に使用さ
れる。これらのフェノチアジン化合物は2種以上を併用
してもよい。
【0037】一方、金属化合物塩は腐食作用があるこ
と、および使用後に環境中に放出する際に分離するなど
して、環境の保全を確保する必要があるが、本発明にお
いて併用してもよい。
【0038】例えば、銅塩化合物としては特に制限され
ず、無機塩、有機塩のいずれであってもよく、様々なも
のを用いることができる。例えばジアルキルジチオカル
バミン酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、アクリル酸銅、硫
酸銅、硝酸銅、塩化銅などが挙げられる。これらの銅塩
化合物は一価、二価のいずれのものも用いることができ
る。上記銅塩化合物の中では、効果などの点からジアル
キルジチオカルバミン酸銅が好ましい。
【0039】ジアルキルジチオカルバミン酸銅として
は、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチル
ジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸
銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオ
カルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジ
フェニルジチオカルバミン酸銅、メチルエチルジチオカ
ルバミン酸銅、メチルプロピルジチオカルバミン酸銅、
メチルブチルジチオカルバミン酸銅、メチルペンチルジ
チオカルバミン酸銅、メチルヘキシルジチオカルバミン
酸銅、メチルフェニルジチオカルバミン酸銅、エチルプ
ロピルジチオカルバミン酸銅、エチルブチルジチオカル
バミン酸銅、エチルペンチルジチオカルバミン酸銅、エ
チルヘキシルジチオカルバミン酸銅、エチルフェニルジ
チオカルバミン酸銅、プロピルブチルジチオカルバミン
酸銅、プロピルペンチルジチオカルバミン酸銅、プロピ
ルヘキシルジチオカルバミン酸銅、プロピルフェニルジ
チオカルバミン酸銅、ブチルペンチルジチオカルバミン
酸銅、ブチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、ブチルフ
ェニルジチオカルバミン酸銅、ペンチルヘキシルジチオ
カルバミン酸銅、ペンチルフェニルジチオカルバミン酸
銅、ヘキシルフェニルジチオカルバミン酸銅などが挙げ
られる。これらのジアルキルジチオカルバミン酸銅は、
一価の銅塩であってもよく、二価の銅塩であってもよ
い。これらの中で、効果及び入手しやすいなどの点から
ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバ
ミン酸銅及びジブチルジチオカルバミン酸銅が好まし
く、特にジブチルジチオカルバミン酸銅が好適である。
【0040】マンガン塩化合物としては、ジアルキルジ
チオカルバミン酸マンガン(アルキル基はメチル、エチ
ル、プロピル、ブチルのいずれかで、同一であっても異
なっていても良い)、ジフェニルジチオカルバミン酸マ
ンガン、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マン
ガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エ
チレンジアミン四酢酸のマンガン塩化合物等が挙げら
れ、これらの1種以上を用いることができる。なお、マ
ンガン塩化合物は単独では重合防止効果が比較的低い
が、本発明においてN−オキシル化合物またはN−オキ
シル化合物とさらに他の重合防止剤と併用することによ
って、著しい重合防止効果を発現することが明らかとな
った。また、銅塩化合物は腐食作用があるが、マンガン
塩化合物を添加すると該腐食作用を抑制することができ
る点でも好ましい。
【0041】なお、本発明では、フェノール化合物、銅
塩化合物、マンガン塩化合物を精製塔に供給するには、
N−オキシル化合物と同様に、精製塔の原料供給段より
上部から導入することが好ましい。該化合物の溶媒中へ
の溶解性の観点から、N−オキシル化合物を添加する場
合と同様に、易重合性化合物との混合が容易で精製塔内
の組成を変化させずに精製操作を継続することができる
からである。これらは、併用する重合防止剤を全て同一
の供給場所から投入してもよいし、それぞれ異なる供給
場所から投入してもよい。更に、供給時期についても特
に制限されるものではない。従って、例えば、N−オキ
シル化合物を塔頂から供給する一方、マンガン塩化合物
を精製塔の中段から供給することもできる。有機溶媒に
難溶なマンガン塩化合物を使用する場合に、精製塔の塔
頂側の有機溶媒濃度が高い場合には、塔中段付近から供
給することで塔内組成を変化させることが少ないからで
ある。従って、マンガン塩化合物が有機溶媒に易溶であ
り水に難溶である場合には、精製塔の塔頂部から供給す
れば、効率的な重合防止効果を得ることができる。いず
れにしても、添加する重合防止剤の溶媒への溶解性、精
製塔内環境特に塔内組成等を勘案して最も最適な供給場
所を選択する。
【0042】なお、本発明で使用する重合防止剤がそれ
自体で液体である場合には、塔内組成と相互溶解性が十
分でない場合においても、塔内構造物を経由して移動す
るのに粘度や反応性などの点で障害がなければ、塔頂か
らの供給が可能である。
【0043】本発明の重合防止方法は、ビニル化合物の
中でも特に重合しやすい(メタ)アクリル酸およびその
エステルに好適に用いることができる。アクリル酸エス
テルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル等が適用対象として挙げられ、メタクリル
酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシプロピル等が適用対象として挙げ
られる。
【0044】重合防止方法としては、例えば、接触気相
酸化反応で(メタ)アクリル酸を製造する場合に関して
説明すれば、(メタ)アクリル酸の精留塔、(メタ)ア
クリル酸と溶剤の分離塔、(メタ)アクリル酸と酢酸等
の軽沸分との分離塔等の諸蒸留工程、アクロレインやメ
タクロレイン等の軽沸分のストリッパー等の蒸留操作を
含む諸工程において、上記重合防止剤を(メタ)アクリ
ル酸と共存させれば良い。
【0045】特に、本発明は、酢酸などの不純物を含有
するアクリル酸水溶液を共沸分離塔に導入して塔頂から
共沸溶媒と水と共に酢酸を留去する、いわゆる1回の蒸
留操作によって、実質的に酢酸、水、共沸溶剤を含まな
いアクリル酸を共沸分離塔の塔底から得るような蒸留工
程において、共沸脱水塔の重合を効果的に防止して長期
にわたり重合を防止して安定にアクリル酸を製造するに
特に適する。本発明により、(メタ)アクリル酸または
そのエステルの製造工程を簡略化するために生ずるより
分離条件が厳しく重合を生じやすい各精製工程における
重合物の発生を効果的に防止することができるからであ
る。
【0046】具体的には、プロピレンおよび/またはア
クロレインを接触気相酸化して得られるアクリル酸含有
ガスを、水と接触させて酢酸などの不純物を含有するア
クリル酸水溶液とし、このアクリル酸含有水溶液を共沸
脱水塔に導入して1回の蒸留操作により実質的に、酢
酸、水、共沸脱水塔を含まないアクリル酸を共沸脱水塔
の塔底から得る場合、共沸脱水塔における還流比を1.
1〜1.6、より好ましくは1.2〜1.5、特に好ま
しくは1.3〜1.5とする蒸留条件が例示できる。
1.1を下回ると、塔頂からのアクリル酸の留出が多く
なり、1.6を下回ると塔底での共沸溶剤の濃度が多く
なる。この際、好ましくは塔頂温度を45〜55℃に制
御する。45℃を下回ると塔頂からの留出ガスを冷却す
るために新たな冷却設備が必要となり好ましくない。そ
の一方、55℃を超えると、塔頂からのアクリル酸の留
出量が多くなる。また、塔底温度は、100〜110℃
に制御することが好ましい。110℃を上回ると、塔底
液中のアクリル酸の2量体が増加してアクリル酸の収率
が低下するので好ましくない。また、塔底液中の酢酸濃
度としては、0.1質量%以下、より好ましくは0.0
5質量%以下、特に好ましくは0.03質量%以下とな
る蒸留条件が例示できる。
【0047】なお、本発明は、上記共沸脱水塔以外にも
操作温度の高い蒸留工程や、複数の重合性物質を含む蒸
留工程などあらゆる過酷な蒸留条件に適用することが出
来る。操作温度の高い蒸留工程としては、プロピレンな
どを接触気相酸化反応して得られるアクリル酸含有ガス
を高沸点有機溶媒と接触させてアクリル酸含有液として
捕集した後、該アクリル酸含有液から高沸点有機溶媒を
分離する蒸留工程などがある。複数の重合性物質を含む
精製工程は、アクリル酸、アクリル酸エステル、水の3
成分系の蒸留などがある。
【0048】N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
またはその塩以外の重合防止剤の量は操作条件に応じて
適宜調整され、特に限定はされないが、用いられる重合
防止剤の総量を(メタ)アクリル酸およびそのエステル
の蒸発蒸気量に対して3〜1500ppm(重量基準)
とするのが好ましい。個々の重合防止剤の好ましい使用
量は、N−オキシル化合物はモノマーの蒸発蒸気量に対
し1〜500ppm、マンガン塩化合物、あるいは銅塩
化合物はモノマーの蒸発蒸気量に対し1〜200pp
m、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物、
あるいはN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまた
はその塩の場合は1〜500ppmである。
【0049】ここでいう蒸発蒸気量とは、蒸留塔のリボ
イラーに加えられた熱量に応じて、リボイラーで発生す
るモノマーの蒸気の総量を意味する。モノマー蒸気の総
量は計算で容易に算出することができる。重合防止剤の
投入基準を決定する上で重要な因子となる数字である。
【0050】なお、本発明では、重合防止剤として分子
状酸素を精製塔内に供給してもよく、この分子状酸素の
供給方法としてはエアーバブリング等により、(メタ)
アクリル酸およびそのエステルに直接混入させてもよい
し、あるいは、他の溶媒に溶け込んだ状態で(メタ)ア
クリル酸およびそのエステルに間接的に混入させてもよ
い。なお、精製塔やストリッパーの塔底および/または
リボイラーからガス状で送り込めばエアーバブリングが
簡単に製造工程に組み込める。分子状酸素は、(メタ)
アクリル酸またはそのエステルの蒸発蒸気量に対して
0.1〜1.0容量%程度投入することが望ましい。
【0051】本発明の第二は、上記記載の(メタ)アク
リル酸およびそのエステルの重合防止方法を製造工程に
含むことを特徴とする、(メタ)アクリル酸またはその
エステルの製造方法である。
【0052】(メタ)アクリル酸およびそのエステルは
連続して製造され、一般には接触気相酸化反応器に続
く、捕集塔、脱水塔、軽沸物分離塔、高沸物分離塔、酢
酸分離塔、エステル反応器、脱水塔などと称される各種
の精製工程を経て製造される。
【0053】これらの工程で使用される精製塔の条件
は、その前後に連続する精製塔の条件によってもことな
り、一義的に定義することはできない。しかしながら、
本発明では、上記したように、特に(メタ)アクリル酸
を水系溶媒で捕集した(メタ)アクリル酸含有溶液から
水を除去する共沸脱水塔、またはこれに加えてアルデヒ
ドや酢酸などの低沸点物質を分離する低沸分離塔におい
て本発明の重合防止方法を行うことが好ましい。これら
は、一般に最も(メタ)アクリル酸等の重合が発生しや
すいため、該化合物製造工程で律速となる工程であり、
特に本発明が有効である。
【0054】本発明の重合防止方法を少なくとも一部に
含む(メタ)アクリル酸の製造方法では、精製塔におけ
る重合物の発生を防止して長期連続運転を可能とできる
ばかりでなく、製品の収率を向上させることができる。
この点で、本発明の(メタ)アクリル酸およびそのエス
テルの製造方法においては、製造工程で使用される各精
製塔においてそれぞれ上記本発明の重合防止方法が適用
されることが好ましい。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0056】(実施例1)プロピレンと分子状酸素含有
ガスとを反応器を上下のチャンバーに区切る中間管板を
備えた接触気相反応器10に供給して接触気相酸化して
得たアクリル酸含有ガスを、アクリル酸捕集塔20に導
入し、水と接触させてアクリル酸を水溶液中に捕集し
た。このアクリル酸含有溶液には不純物としてアクロレ
インが含まれていた。該アクリル酸含有溶液をアクロレ
イン放散塔30に導入し、アクロレインを放散させ、水
30質量%、酢酸3.0質量%を含むアクリル酸水溶液
を得た。
【0057】このアクリル酸水溶液を段数50段、段間
隔147mmのステンレス製シーブトレーを備え、塔頂
部に留出管および還流液供給管、中央部段(20段)に
原料供給管および重合防止剤投入管、塔底部に塔底液抜
き出し管および重合防止剤投入管を備えた内径105m
mの共沸分離塔40に導入し、共沸溶剤としてトルエン
を用いてアクリル酸溶液の蒸留を行った。
【0058】使用した重合防止剤の量は、アクリル酸蒸
発蒸気量に対して、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジノオキシル100ppm、1,4
−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン20ppm、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン20ppm、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩20ppmであ
り、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアンモ
ニウム塩は、塔底から水に溶解した形で、その他の重合
防止剤は、塔頂から還流液に溶解した形で塔内に供給し
た。また、アクリル酸蒸発蒸気量に対して0.3容量%
の分子状酸素を塔底部に供給した。なお、ここにいうア
クリル酸蒸発蒸気量とは、共沸脱水塔40のリボイラー
42から加えられた熱量に相当して塔底から蒸発するモ
ノマーの蒸気の総量を意味する。
【0059】定常運転時における運転状態は、共沸分離
塔40の塔頂温度50℃、塔底温度105℃、塔頂圧力
170hPa、還流比(単位時間当たりの還流液の全モ
ル数/単位時間当たりの留出液の全モル数)1.43、
アクリル酸水溶液供給量8.5リットル/時であった。
共沸脱水塔40の塔頂より留出した水相は酢酸7.5質
量%、アクリル酸1.8質量%を含み、一方、塔底から
抜き出される液は、アクリル酸97.5質量%、酢酸
0.03質量%、水0.02質量%、その他2.45質
量%を含み、トルエンは検出限度(1ppm)以下であ
った。
【0060】上記条件で共沸脱水塔40を60日間連続
運転したところ、常に安定した状態が得られ、運転停止
後、蒸留塔内の点検を行った結果においても、重合物の
発生は全く認められなかった。
【0061】(比較例1)実施例1において、4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキ
シルの使用量を120ppmにし、1,4−ジヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを使用し
ない以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共
沸蒸留運転を行った。
【0062】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後17日目より塔内の圧損失が
認められ20日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0063】(比較例2)実施例1において、4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキ
シルの使用量を120ppmにし、4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを使用しない
以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸
留運転を行った。
【0064】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後20日目より塔内の圧損失が
認められ24日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0065】(比較例3)実施例1において、4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキ
シルの使用量を120ppmにし、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩を使用しない以
外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留
運転を行った。
【0066】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後10日目より塔内の圧損失が
認められ12日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0067】(比較例4)実施例1において、1,4−
ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ンの使用量を60ppmにし、4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンの使用量を50p
pm、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアン
モニウム塩を50ppmにし、4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシルを使用し
ない以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共
沸蒸留運転を行った。
【0068】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後8日目より塔内の圧損失が認
められ10日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0069】(比較例5)実施例1において4−ヒドロ
キシ2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル
の使用量を140ppmにし、1,4−ジヒドロキシ−
2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンおよび4−
ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジ
ンを使用しない以外は、実施例1と同じようにしてアク
リル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。この条件で共沸
分離塔40の連続運転を行ったところ、稼動当初は実施
例1と同様の分離状態が得られていたが、稼動開始後1
5日目より塔内の圧損失が認められ18日目には運転を
継続することが困難になった。運転を停止し、蒸留塔の
解体点検を行ったところ、塔内の回収部に多量の重合物
の発生を認めた。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンまたはその塩と共に、N−オキシル
化合物、N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン化合物および2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン化合物を併用すると、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンまたはその塩が蒸留塔内で分解
し、その結果得られたガス成分が精製塔内の気相に存在
する易重合性物質の重合を有効に防止すると共に、N−
オキシル化合物が液相中に存在する易重合性物質の重合
を抑制できる。このため、液相および気相における易重
合性物質の重合を相乗的に相乗的に抑制できる。易重合
性化合物としては、精製塔内で気液量相を構成する(メ
タ)アクリル酸およびそのエステルである。
【0071】本発明の重合防止方法を実施して(メタ)
アクリル酸およびそのエステルを製造すれば、その製造
工程において重合物の発生を抑制して連続運転を可能と
すると共に、製品の収率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、アクリル酸の製造工程を示す概略フ
ロー図である。
【符号の説明】
1…プロピレン、 10…反応器、 20…アクリル酸捕集塔、 21…アクリル酸捕集液、 30…アクロレイン分離塔、 40…共沸脱水塔、 41…貯槽、 42…リボイラー、 50…高沸分離塔、 51…アクリル酸。
フロントページの続き (72)発明者 上村 政宏 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 中原 整 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD41 BA47 BA51 BA94

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製塔内で、N−ニトロソフェニルヒド
    ロキシルアミンまたはその塩と、N−オキシル化合物、
    N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
    ジン化合物および2,2,6,6−テトラメチルピペリ
    ジン化合物とを併用することを特徴とする、(メタ)ア
    クリル酸およびそのエステルの重合防止方法。
  2. 【請求項2】 該N−ニトロソフェニルヒドロキシルア
    ミンの塩が、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
    のアンモニウム塩である、請求項1記載の(メタ)アク
    リル酸およびそのエステルの重合防止方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の(メタ)アクリ
    ル酸およびそのエステルの重合防止方法を製造工程に含
    むことを特徴とする、(メタ)アクリル酸またはそのエ
    ステルの製造方法。
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