JP2001348020A - 包装容器、及びそれを含む包装体 - Google Patents

包装容器、及びそれを含む包装体

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JP2001348020A
JP2001348020A JP2000346183A JP2000346183A JP2001348020A JP 2001348020 A JP2001348020 A JP 2001348020A JP 2000346183 A JP2000346183 A JP 2000346183A JP 2000346183 A JP2000346183 A JP 2000346183A JP 2001348020 A JP2001348020 A JP 2001348020A
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flange
film
tray
stretch film
heat
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JP2000346183A
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English (en)
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Yoshio Iwasaki
佳生 岩崎
Minoru Oshita
実 大下
Toshio Oguri
利夫 小栗
Norio Kawanishi
紀男 川西
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Ishida Co Ltd
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Ishida Co Ltd
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  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜ヒートローラによってトレーとストレッ
チフィルムとの熱接着を行う場合において十分な接着強
度を得ることのできるトレーを提供する。 【解決手段】 トレー10は、底面11と、壁面12
と、フランジ13とを備えている。底面11は、被包装
物を載置するための面である。壁面12は、底面11を
取り囲むように、底面11から上方に延びている。フラ
ンジ13は、壁面12の上端部から外方に延びている。
また、フランジ13は、壁面側の湾曲部13aと、湾曲
部13aの外側に位置する傾斜部13bとを有してい
る。そして、傾斜部13bは、その上面の断面が実質的
に直線である。また、湾曲部13aは、壁面12と傾斜
部13bとが連続的な形状となるように形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装容器及びそれ
を含む包装体、特に、フランジにフィルムを接着するこ
とにより被包装物を包装するための包装容器及びそれを
含む包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】包装容器の中に収容した被包装物をフィ
ルムによって包装することは、従来から行われている。
広く行われている方法として、被包装物を容器内に載置
してフィルムによって容器全体を覆うオーバーラップ方
式や、包装容器を型枠に固定して容器上面にフィルムを
被せて熱溶着する型枠固定シール方式などが挙げられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各方式
には、それぞれ問題点が存在する。オーバーラップ方式
の場合には、包装容器全体をフィルムで覆って底面でフ
ィルム同士を合わせて熱接着するため、容器本体とフィ
ルムとの界面は単なる接触でしかなく、中身が液状のも
のである場合には傾けると液が漏れる恐れがある。すな
わち、オーバーラップ方式には、密封性に劣るという問
題点がある。また、容器全体を覆うため、容器の平面的
な大きさの数倍のフィルムを使用しなければならず、フ
ィルムの使用量が多くなって省資源化やゴミ処理の観点
からも問題がある。
【0004】一方、型枠固定シール方式の場合には、容
器に対してそれぞれ熱圧着用の型枠が必要であり、容器
サイズや容器形状への対応の柔軟性を欠くため、多種の
包装容器を必要とする業界では採用されない傾向が強
い。
【0005】そこで、本願出願人は、特願平11−13
7025号において、包装容器(トレー)の上面を覆う
フィルムに加熱したローラを傾斜した状態で当て、包装
容器のフランジ上でローラを転がす手法を提案してい
る。この方式であれば、容器ごとの型枠を必要とせず、
なお且つ、所定の角度に傾斜させたヒートローラによっ
て包装容器とフィルムとの熱接着及び熱溶断を同時に為
すことができる。したがって、多種にわたる容器形状に
対応し、なお且つ密封性の優れた容器を得ることが出来
る。
【0006】ただ、既存の容器は、フランジが水平面に
沿った形状であるか、あるいはフランジがカールした形
状である。従って、ヒートローラを然るべき角度にして
フランジに当てても、両者は線接触となって十分な接着
強度が得られないことがある。また、線シールでは、密
封性、特に液体にたいする密封性が低いことが問題点と
なる。さらに、ピンホールが発生する恐れもある。
【0007】本発明の課題は、所定の角度に傾斜させた
ヒートローラによって包装容器とフィルムとの熱接着を
行う場合において十分な接着強度を得ることのできる包
装容器及びそれを含む包装体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る包装容器
は、底面と、壁面と、フランジとを備えている。底面
は、被包装物を載置するための面である。壁面は、底面
を取り囲むように、底面から上方に延びている。フラン
ジは、壁面の上端部から外方に延びている。また、フラ
ンジは、壁面側の湾曲部と、湾曲部の外側に位置する傾
斜部とを有している。そして、傾斜部は、その上面の断
面が実質的に直線である。また、湾曲部は、壁面と傾斜
部とが連続的な形状となるように形成されている。
【0009】従来の包装容器のフランジ形状は、水平面
に沿った平面形状もしくはカールした湾曲形状となって
おり、加熱されたローラ(熱体)を傾斜状態で接触させ
ると線接触となる。したがって、包装容器と包装容器の
上面に被せられたフィルムとは、線シールのような状態
で接着される。この場合、流通過程の搬送や衝撃によっ
て容易に破断、剥離され、収納した被包装物が露出した
りする可能性が高い。また被包装物が液体であれば、液
漏れが生じることとなる。また、線接着であるがために
熱体の移動時に摩擦等により線シールされた接着部にピ
ンホール等が開き、密封性が保たれない場合がある。
【0010】そこで、本請求項の包装容器には、熱体が
接触する角度に概ね合わした傾斜をつけたフランジを形
成することにした。そして、このフランジの傾斜部の上
面を直線(上面の断面を直線)としたため、傾斜した熱
体がフランジに当たったときに包装容器とフィルムとが
線シールではなく面シールされるようになり、より強固
で密封性の高い接着が得られることとなる。ここでいう
フランジの傾斜部の直線は、実質的に直線であればよ
い。すなわち多少の湾曲があっても、熱体がフランジに
当った時にその押し当たる圧力によってフランジの接触
面が直線となり、面接着可能になるものであってもよ
い。
【0011】なお、傾斜をつけたフランジの直線状傾斜
部の傾斜角度は、はじめから熱体の傾斜角と平行である
場合と、シール時に熱体を押し当てる際の圧力によりシ
ールされると同時にシール圧によって熱体の傾斜角とほ
ぼ同一となる場合とがある。いずれの場合も、面接触し
て、面シールがなされる。後者の場合には、熱体を押し
当てることにより傾斜角度が合わさってくるために、フ
ランジにおいて内側から外側に向けてシール圧の圧力勾
配が生じる。このため、フランジ外縁ほど圧力が強くな
り、当該圧力によって、ストレッチフィルムをより切断
(熱溶断)し易い状態が形成される。従って、好ましく
は、後者の様に熱体を押し当てることによって熱体とフ
ランジの直線状傾斜部の傾斜角度を合わせる方がよい。
【0012】また、従来の包装容器を使って傾斜ヒート
ローラによるシールを行うと、シール時に、シール部分
の内側に位置するフランジの部分で、フィルムが包装容
器に対して密着していない(完全には密着していない)
現象が生じる。すなわち、シール時において、包装容器
のフランジとフィルムとの間には空気層が形成される状
態になる。
【0013】この空気層は、シール時に熱体から供与さ
れる熱量を断熱し、熱体からの熱量がフィルムに集中し
て大きな熱ストレスを与える事になる。このような現象
により、通常の包装に用いるフィルムの耐熱性では、熱
によってピンホールが開くことになる。
【0014】このピンホールの発生を防ぐためには、熱
体と接触しない部分であっても、熱体と近距離に接近す
る部分については、熱体からの熱量をフィルムに集中さ
せないように、フィルムを包装容器に密着させておく必
要がある。
【0015】これに鑑み、本請求項の包装容器では、フ
ランジの傾斜部(シール部分)の内側に湾曲部を形成
し、フィルムが湾曲部に密着するようにした。これによ
り、熱体からの熱量は、傾斜部とフィルムとを熱接着さ
せる他は、フランジの湾曲部などを伝って放熱されるよ
うになる。したがって、従来の包装容器で発生するよう
なピンホールが抑えられ、密封性のよい包装が可能とな
る。
【0016】なお、フィルムと包装容器のフランジとを
密着させ、その状態を維持する為には、装置でフィルム
を引張り、フィルムに張力が掛った状態を維持し、なお
且つ包装容器のフランジの傾斜部及び湾曲部の表面がフ
ィルムとの十分な接着を行う為の接触面積を有している
方がよい。すなわち、点接触ではなく面接触する状態
(十分に静摩擦係数が確保できる状態)であり、表面が滑
らかな状態であるほうが良い。一般的に光沢を有する程
度の表面状態であれば、十分にフィルムと包装容器とを
密着させることができる。フィルムを密着させること
は、先に述べたようにシール時の熱体からの熱量をフィ
ルムに集中させず、ピンホール等の発生を防ぐ為に必要
である。また、包装容器の包装後の美称性の問題より、
ストレッチフィルムに多少張力が掛った状態の方が、内
容物を入れて包装した際の外部からフィルムを通して内
容物を確認する際のフィルムの透明性や可視性が上が
り、美称性が向上する。また、消費者の購買意欲を向上
させるためにも、フィルムに張力を掛け、美称性の向上
を図る方が好ましい。よって、当該発明では、ストレッ
チフィルムに張力を張った状態で維持すると同時に熱体
によりシールするので、シール直後にシール部に張力が
直接掛からないようにする為にも、フランジの表面によ
る摩擦力によって中心側へ掛かっているフィルムの張力
を低減させ、シール直後のフィルム張力によるシール不
良の発生の可能性を出来る限り低減させる為にもフラン
ジの表面は滑らかである方がよい。
【0017】請求項2に係る包装容器は、請求項1に記
載の包装容器であって、傾斜部が、底面に対して傾斜角
度20°から60°の範囲で傾斜している。請求項3に
係る包装容器は、請求項1又は2に記載の包装容器であ
って、傾斜部の幅が2mm以上である。
【0018】テスト結果から、フィルムと熱接着される
傾斜部の幅が2mm以上あれば、接着強度や密封性が高
いレベルで確保されることが確認された。請求項4に係
る包装容器は、請求項1から3のいずれかに記載の包装
容器であって、フランジの表面には接着剤が塗布されて
いる。
【0019】請求項5に係る包装体は、請求項1から4
のいずれかに記載の包装容器と、フィルムとを備えてい
る。フィルムは、包装容器の上面を覆い、周囲がフラン
ジに接着される。
【0020】請求項6に係る包装体は、請求項5に記載
の包装体であって、フィルムの周囲は、フランジの湾曲
部に空隙無く沿い、フランジの傾斜部に接着される。請
求項7に係る包装体は、請求項5又は6に記載の包装体
であって、フランジは、突出部をさらに有している。こ
の突出部は、傾斜部の外周側に配置され、フィルムを切
断させる。
【0021】請求項8に係る包装体は、請求項5から7
のいずれかに記載の包装体であって、フィルムの周囲が
湾曲部及び傾斜部に密着した状態で、傾斜した熱体が傾
斜部に当てられて、フィルムがフランジに熱接着され
る。
【0022】請求項9に係る包装方法は、第1工程、第
2工程、第3工程、及び第4工程を備えている。第1工
程では、傾斜したフランジを周囲に有する包装容器に、
被包装物を載せる。第2工程では、包装容器の上方にス
トレッチフィルムを供給し、そのストレッチフィルムに
張力を掛ける。第3工程では、包装容器を上昇させ、張
力がかかった状態のストレッチフィルムに対してフラン
ジを当接させる。第4工程では、ストレッチフィルムが
当接しているフランジに対して、熱体を、フランジの傾
斜角度よりも大きな傾斜角度で押し当てる。
【0023】ここでは、包装容器の傾斜したフランジに
対して、そのフランジの傾斜角度よりも大きな傾斜角度
で熱体を押し当てている。これにより、通常包装容器に
は弾力性があるため、熱体が押し当てられることによっ
てフランジが熱体に沿うように変形し、熱体がフランジ
に当たったときに包装容器とフィルムとが線シールでは
なく面シールされるようになる。これにより、強固で密
封性の高い接着が得られる。
【0024】また、熱体が押し当てられたときのフラン
ジの変形は、シール部分の外側端部において他の部分よ
りも強い圧力が掛かっている状態を生み出す。特に、プ
ラスチックトレーにように弾力性の大きな包装容器の場
合には、シール部分の内側と外側との圧力差が大きくな
る。このため、熱体からの熱やストレッチフィルムの張
力により、ストレッチフィルムをシール部分の外側端部
において容易に溶断することができる。例えば、シール
完了時においてストレッチフィルムのシール部分とその
外方部分との間に張力が掛かっている状態にしておけ
ば、ストレッチフィルムが自動的に溶断されるようにす
ることも可能である。
【0025】なお、フランジの傾斜角度と熱体の傾斜角
度との差は、小さすぎれば溶断性が低下し、大きすぎる
と面シールが困難になるため、溶断性及び面シールが両
立するように適当な値に設定することが望ましい。
【0026】また、請求項9に記載の包装方法の場合に
は、包装容器の傾斜したフランジに対して、そのフラン
ジの傾斜角度よりも大きな傾斜角度で熱体を押し当てて
いるため、ストレッチフィルムがフランジの頂点で接着
することが殆どなく、ほぼフランジの傾斜している部分
だけが面シールされる。もし、フランジの頂点が接着さ
れてしまうと、熱体が離れてフランジがもとの形状に戻
ったときに頂点の接着点ではストレッチフィルムが軟化
状態であり、しかもそこには張力がかかるので、溶断も
しくはちぢれ変形のようなことが起こって包装物の商品
価値を落とす。しかし、ここではフランジの頂点でスト
レッチフィルムが接着されることが殆どなくなるため、
そのような不具合の発生が抑えられる。
【0027】請求項10に係る包装方法は、請求項9に
記載の包装方法であって、第4工程では、フランジと熱
体との接触部分の幅が2mm以上となるように、熱体を
フランジに押し当てる。
【0028】
【発明の実施の形態】[第1実施形態] <トレーの原材料>本発明の一実施形態に係るトレー
(包装容器)の原材料の断面図を、図1に示す。この原
材料は、プラスチックシートである。このプラスチック
シート90を真空圧空成形することによって、トレーが
成形される。
【0029】図1に示すプラスチックシート90は、熱
溶融性のプラスチック材料層91,93と発泡プラスチ
ック材料層92とを貼合させた構成となっている。トレ
ーの上面となる熱溶融性のプラスチック材料層91は、
後述する熱体(ヒートローラ3)によってストレッチフ
ィルムと熱接着される層であり、ストレッチフィルムと
熱接着可能な材質でなければならない。ここでは、エチ
レン酢酸ビニル共重合体/キャタロイポリプロピレン/
エチレン酢酸ビニル共重合体の3層構造のストレッチフ
ィルムを用いるため、熱溶融性のプラスチック材料層9
1として、ストレッチフィルムと同質のものを用いてい
る。具体的には、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプ
ロピレン、あるいはポリエチレンを、熱溶融性のプラス
チック材料層として用いている。
【0030】発泡プラスチック材料層92としては、ポ
リスチレンやポリプロピレン等の発泡体を用いている。
また、トレーの外面となるプラスチック材料層93につ
いても、プラスチック材料層91と熱収縮率がほぼ同等
な材質を使用する。このように、同様な収縮率をもつプ
ラスチック材料層91,93が両面に貼合されている材
料を原材料に使うため、成形後のトレーの変形が抑えら
れる。
【0031】なお、ストレッチフィルム及びトレーの原
材料として、ガスバリヤ性を重視する場合にはエチレン
ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコール等の
フィルムを、保香性を重視する場合にはポリエステル
(ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレ
ート等)のフィルムを、多層構造の中に少なくとも一層
以上用いればよい。これらの材質は、バリヤの対象とな
るガスによって材質及び厚みを選択すればよい。また、
アルミ蒸着やセラミックス蒸着等の蒸着によってガスバ
リヤ性を持たせることも可能である。さらに、アルミ箔
や鉄箔等の金属をバリヤ層として用いることも可能であ
り、トレーについては接着層である最内層以外の層に用
いることができる。但し、ストレッチフィルムに対して
は、金属をバリヤ層に使うと透明性が阻害されるため、
採用が難しい場合もある。
【0032】<トレーの形状>上記のような図1のプラ
スチックシート90を原材料として、真空圧空成形機を
用い、図2に示す断面形状のトレー10を成形する。
【0033】図2に示すように、トレー10は、長方形
の底面11と、4枚の壁面12と、フランジ13とから
構成されている。4枚の壁面12は、底面11を取り囲
むように底面の四辺から上方に延びている。フランジ1
3は、壁面12の上端部から外方に延びる部分である。
【0034】フランジ13は、壁面12側の湾曲部13
aと、湾曲部13aの外側に位置する傾斜部13bとか
ら形成されている。湾曲部13aは、壁面12と傾斜部
13bとが連続的な形状となるように形成されている。
この湾曲部13aの曲率については、ストレッチフィル
ムをトレーに密着させることを考慮すると、R2(半径
2mm)〜R10、好適には、R3〜R8となる。
【0035】傾斜部13bは、図2に示すように、その
上面の断面が実質的に直線となっており、湾曲部13b
の外周端から斜め下方に延びている。この傾斜部13b
の底面11に対する傾斜角度α(図2参照)は、後述す
るヒートローラ(熱体)3が接触した際に面接触するよ
うに、20°〜60°の範囲に設定される。この傾斜角
度αの範囲としては、5゜〜90゜が考えられるが、ヒ
ートローラ3の傾斜などを考慮すると、好適には20゜
〜60゜である。先述したように、ここでのヒートロー
ラ3の傾斜角度とフランジ13の傾斜部13bの傾斜角
度αとは、必ずしも同一である必要はなく、むしろ、ヒ
ートローラ3をシール時に押し当てる際に傾斜部13b
の傾斜角度αとヒートローラ3の傾斜角度とが概ね合う
ように各々の角度を設ける方が好ましい。
【0036】また、所定のシール幅を確保する為に、フ
ランジ13の幅を寸法Dだけ確保している(図2参
照)。このフランジ13の幅寸法Dとしては、1mm〜
15mmが想定されるが、好適には、3mm〜10mm
である。そして、フランジ13の傾斜部13bの幅寸法
が2mm以上確保されていることが望ましい。
【0037】<トレーとストレッチフィルムとの熱接着
動作>次に、トレーにストレッチフィルムを熱接着させ
る包装装置の動作について説明する。包装装置1は、特
願平11−137025号に開示している包装装置と同
様のものである。
【0038】図3に示すようにトレー10が保持部材2
上に載ると、フィルム供給機構5のセット部51からス
トレッチフィルムFmが繰り出される。繰り出されたス
トレッチフィルムFmは、搬送ローラ52a,52bに
掛け渡されている2本のベルトB及び押さえローラ52
c,52dに掛け渡されている2本のベルトBを搬送方
向(図6の左右方向)に対して直交する方向に移動さ
せ、ストレッチフィルムFmを幅方向(図6の上下方
向)に引き伸ばす。これにより、ストレッチフィルムF
mには幅方向に沿った張力がかかる。
【0039】次に、リフト機構6の移動部63が上昇
し、トレー10がストレッチフィルムFmを突き上げて
停止する(図4参照)。このときには、トレー10の突
き上げにより、ストレッチフィルムFmには搬送方向に
沿った張力がかかる。また、ストレッチフィルムFm
は、図8(拡大図)に示すように、トレー10のフラン
ジ13の湾曲部13aの外側部分及び傾斜部13bに密
着した状態となる。
【0040】次に、押さえ板73に対するレバー機構7
4の下方への付勢を解除させ、リンク機構72を開放す
ることにより、ヒートローラ3が自重によってトレー1
0に接触するまで移動する(図5参照)。これらのヒー
トローラ3がそれぞれ独立しているため、それぞれのヒ
ートローラ3は、概ね同じ圧力でトレー10に接触す
る。
【0041】次に、モータ82によって回転軸81を所
定角度だけ回転させることで、図7に示すようにヒート
ローラ3が回転する。すると、ヒートローラ3は、トレ
ー10の周囲(フランジ13)をなぞるように移動し、
トレー10とストレッチフィルムFmとを熱融着させて
シールしていく。このとき、ヒートローラ3は、フラン
ジ13上を転動しながら移動する。
【0042】ヒートローラ3がトレー10の周囲に沿っ
て移動するときの両者の接触部分付近を拡大したもの
を、図9に示す。トレー10は、上部開口が前後左右に
張力のかかったストレッチフィルムFmで覆われた状態
にある。そして、ストレッチフィルムFmは、トレー1
0のフランジ13の湾曲部13aの外側部分及び傾斜部
13bに圧着している。ヒートローラ3は、そのストレ
ッチフィルムFmとフランジ13との接触部分に斜めに
当たって、熱と力とを加えている。これらの熱と力とに
より、ストレッチフィルムFmとフランジ13とが熱融
着する。
【0043】また、このときには、トレー10のエッジ
部分(ここではヒートローラ3が当たっているフランジ
13の傾斜部13bの外周端部)においてストレッチフ
ィルムFmに熱及び力が集中し、ストレッチフィルムF
mに張力が発生していることで、トレー10のエッジ部
分でストレッチフィルムFmが溶けて切り離される(図
9参照)。より詳細に説明すると、図8に示すように水
平面に対するヒートローラ3の角度がフランジ13の傾
斜部13bの角度よりも若干大きく設定されており、図
9に示すようにヒートローラ3がフランジ13に当たっ
たときにはヒートローラによる圧力がフランジ13の外
周端部で一番大きくなるため、ストレッチフィルムFm
の張力により、フランジ13の外周端部でストレッチフ
ィルムFmが溶断される。フランジ13の外周端部で圧
力が一番大きくなることから、フランジ13には湾曲部
13aから外周端部に向けて圧力勾配が存在する。した
がって、フィルムFmとフランジ湾曲部13a近辺では
圧力が外周端部に比べ弱くなっており、シールされるフ
ランジ13の内周端部の境界において、熱と圧力による
負荷が軽減され、ストレッチフィルムFmに対して負荷
を掛けることなくシールされることになる。ストレッチ
フィルムFmとトレー10とがシールされた後のフラン
ジ13の断面写真を観察したところ、トレー10の内側
シール端面でフィルムに対して熱及び圧力によるクラッ
ク、フィルムの劣化が生じていなかった。このことから
も、ピンホールやクラック等の発生が抑えられることと
なる。
【0044】ヒートローラ3によるトレー10へのスト
レッチフィルムFmのシールを終えると、ヒートローラ
3を引き上げリフト機構6によってトレー10を下降さ
せた後に、シール包装されたトレー10が保持部材2か
ら取り出される。次のサイクルに移るときには、トレー
10のシール包装により一部が熱溶断されて抜かれたス
トレッチフィルムFmは、巻取り部53の駆動によって
巻き取られる。
【0045】<従来のトレーとのシール動作の比較>図
10に、従来のトレー100にストレッチフィルムFm
をシールする場合と、本実施形態のトレー10にストレ
ッチフィルムFmをシールする場合とを示す。
【0046】(従来のトレー)図10(a)は、従来の
トレー100にストレッチフィルムFmをヒートローラ
3によって熱溶着する際のフランジ113近傍の拡大図
である。トレー100のフランジ113は、第1湾曲部
113aと、水平部113bと、第2湾曲部113c
と、垂直部113dとから構成されている。図から明ら
かなように、ヒートローラ3がフランジ113の第2湾
曲部113cと接触することで、トレー100とストレ
ッチフィルムFmとがシールされる。また、第2湾曲部
113cに近い垂直部113dの外側の空間において
は、フランジ113とストレッチフィルムFmとの間に
空気層S1が形成される。この空気層S1が断熱材の役
割を果たすため、ヒートローラ3からの熱量が第2湾曲
部113cと垂直部113dとの境目部分にあるストレ
ッチフィルムFmに集中し、そこでストレッチフィルム
Fmが熱溶断される。
【0047】しかし、従来のトレー100では、同様に
ストレッチフィルムFmとフランジ113の水平部11
3bとの間に空気層S2が形成される傾向がある。この
空気層S2は、ヒートローラ3からの熱量の断熱材の役
割を果たし、シール部分の内側において熱によるピンホ
ールを発生させる恐れが高い。このようなピンホールが
開いたのでは、トレー100内の密封性が保つことがで
きなくなる。また、ピンホールが大きくなれば、包装自
体が為されなくなる。
【0048】(本実施形態のトレー)図10(b)に本
実施形態のトレー10に対してストレッチフィルムFm
を熱シールさせるときの状態を示す。トレー10の場
合、湾曲部13aの外側に傾斜部13bを配置している
ため、ストレッチフィルムFmがフランジ13の傾斜部
13b及び湾曲部13aの外側部分を密着して覆う。そ
して、ヒートローラ3は、主として傾斜部13bに当た
り、湾曲部13aには殆ど当たらない。したがって、図
10(a)に示すような空気層S1,S2が形成される
ことがなく、ピンホール等が開くことなく安定してシー
ルが行われる。
【0049】こうしたフランジ13を有するトレー10
とストレッチフィルムFmとをヒートローラ3によって
熱溶着させるときには、湾曲部13aが若干変形してヒ
ートローラ3の傾斜角とフランジ13の角度とが概ね合
った状態で、ヒートローラ3が回転しながら移動する。
このように熱溶着させるため、概ねフランジ13の幅全
体でシールが為される。また、ヒートローラ3からの熱
量は、傾斜部13bとストレッチフィルムFmとを熱接
着させる他は、湾曲部13aを伝って放熱されるように
なる。したがって、ピンホール等が開く危険性も回避さ
れる。
【0050】<従来のトレーとの測定結果の比較>次
に、本実施形態に係るトレー10の具体例と従来のトレ
ー100の具体例(比較例)との比較測定の結果を示
す。
【0051】トレー10の原材料として、両側の表面層
が40μm厚の無延伸のポリプロピレンフィルム(CP
P)で、それらの間に挟まれる基材が発泡ポリスチレン
シート(厚み1.5mm、重量260g/m2)である
ものを使った。これは、共押出し成形により製造され、
CPP(40μm)/発泡ポリスチレン(1.5mm)
/CPP(40μm)の3層からなるシートである。そ
して、このシートを型枠にセットし、真空圧空成形機に
て食品用トレー10を得た。
【0052】トレー寸法は、外径が130mm×180
mm、深さが30mm、フランジ角度αが35°、フラ
ンジ幅が5mm、湾曲部の曲率がR5mmである。本ト
レー10を上述のようなヒートローラ式のストレッチフ
ィルム包装装置にセットし、ストレッチフィルムFmを
トレー開口部にヒートシールした。
【0053】ストレッチフィルムFmとしては、リニア
ローデンシティーポリエチレン(LLDPE)/キャタ
ロイポリプロピレン/リニアロ−デシシティーポリエチ
レン(LLDPE)の厚み15μmの3層構成からなる
ストレッチフィルムFmを使用した。
【0054】シール温度(ヒートローラ温度)は、19
0℃に設定した。比較例であるトレー100について
も、トレー10と同材質からなるものを用い、図10
(b)に示すような形状のフランジ113を有する同程
度の寸法のものとした。
【0055】両者のシール強度の測定とピンホールの発
生具合を確認した。結果を、表1に示す。
【0056】
【表1】 *シール強度の測定には、東洋精機(株)製万能試験機ス
トログラフV1-Cを使用。 *N数は10とし、15mm幅にカットした後、引張試験機
にてシール強度を測定。 *シール強度は、トレーの周方向全体の平均値を採用。 この結果の通り、本発明の具体例であるトレー10で
は、安定して500gf/15mm以上のシール強度が
得られていることが判る。
【0057】これに対し、比較例であるトレー100に
おいては、ほとんどのものにピンホールが発生してお
り、発生しないサンプルは得られなかった。この結果か
ら、次のようなことが明らかとなる。すなわち、トレー
10のフランジ13にヒートローラ3の傾斜角に対応し
た傾斜角を持つ傾斜部13bを形成し、且つ湾曲部13
aを設けてトレー内部方向に向かってはヒートローラ3
が接触しない個所までストレッチフィルムFmがトレー
10の表面(湾曲部13aの表面)に接触するようにし
ているため、ヒートローラ3の熱量がストレッチフィル
ムFmだけに集中することなく必ずトレー10へも伝達
されるようになり、ストレッチフィルムFmにかかる熱
ストレスが低減されてピンホールの発生が抑えられてい
る。
【0058】[第2実施形態] <トレーの原材料、形状、接着剤塗布、及びヒートシー
ル>本実施形態では、ポリプロピレンからなる厚み0.
8mmのシートを使って、真空圧空成形にてトレーを成
形した。
【0059】トレー寸法としては、外径140mm×2
10mm、深さ25mm、フランジ角度αが35゜、フ
ランジ幅10mmとした。このフランジに接着剤、東洋
モートン製ホットラッカー型ヒートシール剤AD−17
90−15を塗布した。
【0060】今回はテストであったので、これを非自動
的にフランジに一定量を塗布し、充分乾燥させた。完全
に乾燥した後、ヒートローラ式ストレッチフィルム包装
機にセットし、ストレッチフィルムのヒートシールを行
った。
【0061】シールに用いたストレッチフィルムとして
は、エチレン酢酸ビニル共重合体/キャタロイポリプロ
ピレン/エチレン酢酸ビニル共重合体の3層構造からな
る15μm厚みのものを用いた。
【0062】<シール強度の測定とピンホールの発生具
合の確認>第1実施形態のものと同様に、トレーにスト
レッチフィルムをヒートシールしたものを対象として、
ヒートシール強度を測定した。
【0063】測定結果からは、完全に強固な接着が得ら
れた。N数=10(10個の対象品)で測定を実施した
結果、全て500gf/15mm以上の強度が確認でき
た。また、ピンホールの発生も確認されなかった。
【0064】これは、接着剤が、ヒートローラからの熱
量を吸収して溶融し、ストレッチフィルムをフランジに
完全に接着させたことを示している。また、これは、ス
トレッチフィルム単体にヒートローラからの熱量がかか
る現象を抑えることでピンホールの発生を抑えたことを
示している。
【0065】上記各実施形態では、ヒートローラの傾斜
角に概ね合わせた傾斜部と、ヒートローラ付近にストレ
ッチフィルムのみではなくトレー自身若しくは接着剤と
いった空気層以外のものを介在させることができる湾曲
部とによってフランジを形成している。これにより、各
実施形態のシール強度の測定結果から明らかなように、
ヒートローラからの熱量のストレッチフィルムへの集中
が抑えられ、ピンホール等の不良発生が少なくなる。ま
た、より安全に確実なシールを行うことができるように
なる。
【0066】[第3実施形態]上記実施形態では、フラ
ンジ13の傾斜部13bの外周端部においてストレッチ
フィルムFmに熱及び力を集中させてストレッチフィル
ムFmを溶断する方式を採っているが、より圧力を掛け
てより確実に溶断するために、フランジ13を図11に
示す形状にしてもよい。
【0067】図11に示すトレー10のフランジ13で
は、傾斜部13bの外周側に突出部13cが形成されて
いる。この突出部13cは、ヒートローラ3に向かって
突出しており、ストレッチフィルムFmを溶断する役割
を果たす。突出部13cの先端は尖っており、突出部1
3cとヒートローラ3との間に挟まれるストレッチフィ
ルムFmには高い圧力が作用する。このため、ストレッ
チフィルムFmは、この部分において確実に溶断される
ことになる。
【0068】また、接着剤として、発泡ホットメルト型
接着剤を用いることも可能である。包装容器の表面とフ
ィルムの内面を溶融させて接着させる場合、ヒートロー
ラから供給された熱量が空気中に発散して、熱効率が低
下する問題がある。ここで発泡ホットメルト型の接着剤
を接着剤として用い、これをフランジに塗布すれば、ヒ
ートローラからの熱量を発泡接着剤自体が吸収し、その
熱量によって発泡接着剤が溶融して、接着剤としての機
能を果たすこととなる。
【0069】[第4実施形態]図2では、ヒートローラ
3の傾斜角度とフランジ13の傾斜部13bの傾斜角度
αとが概ね等しい場合のものを示しているが、図12に
示すように、ヒートローラ3の傾斜角度βがトレー10
のフランジ傾斜部13bの傾斜角度αよりわずかに大き
くなるような構造を積極的に採用することも望ましい。
【0070】<トレー及びヒートローラの相対関係>図
12は、ストレッチフィルムFmに張力を掛けた状態で
トレー10の上面にフィルムFmをセットし、ヒートロ
ーラ3によってシールを行う状態を示している。図12
(a)に示すように、ここでは、ヒートローラ3が、フ
ランジ13の傾斜部13bの傾斜角度αに対し若干大き
い傾斜角度βの傾斜を有している。
【0071】<シール動作>傾斜角βのヒートローラ3
と傾斜角αのフランジ10の傾斜部13bとがシールさ
れるときには、図12(b)に示すようにシールが為さ
れる。トレー10のフランジ13は、傾斜角βのヒート
ローラ3によって圧力が掛けられて変形し、傾斜部13
bの傾斜角がαからヒートローラ3の傾斜角βに近づ
く。この時、フランジ13の湾曲部13aの鉛直中心線
が角度γだけ傾き、ヒートローラ3及びフランジ13の
互いの傾斜角度がほぼ等しい形となる。なお、トレー1
0のフランジ13は、弾性を有しており、ヒートローラ
3で圧力を掛けることにより傾斜部13bが傾き、その
傾斜角度が変わる。
【0072】ヒートローラ3によって圧力が掛けられ傾
斜角度がほぼヒートローラ3に合った形となったフラン
ジ13の傾斜部13bは、その直線部分においてストレ
ッチフィルムFmと面シールされる。そのシール幅は、
ストレッチフィルムFmとヒートローラ3が接触してい
る部分の幅であり、2mm以上が確保される。このと
き、フランジ13の外側端部は、ヒートローラ3に当接
している部分の圧力勾配の頂点に位置することになる。
このヒートローラ3からの圧力に加え、ヒートローラ3
による熱量及びストレッチフィルムFmのトレー外方へ
の張力が作用することにより、ストレッチフィルムFm
は、フランジ13の外側端部において溶断される。
【0073】なお、フランジ13の内側部分には、スト
レッチフィルムFmと接触しているもののヒートローラ
3とは接触しない部分が、距離r(図12(b)参照)
だけ存在する。
【0074】<特徴> (1)ヒートシール後、ヒートローラ3が離反すると、
フランジ13の弾性変形が解け、図12(c)に示すよ
うにフランジ13が元の傾斜角度まで戻される。この状
態において、フランジ13の湾曲部13aの外側部分に
は、熱接着していないもののストレッチフィルムFmと
密着している個所が、距離r(図12(c)参照)だけ
存在する。この距離rは、トレー10上に張られている
ストレッチフィルムFmの張力を保持し、ヒートシール
された部分dの内側端面への負荷をかなり軽減し、シー
ル不良を防ぐ役割を果たす。
【0075】シールされる前のフランジ13の湾曲部1
3aの鉛直中心線よりも内側に入ったところまでシール
が為されるとすれば、シール部分はフランジ13とスト
レッチフィルムFmとの密着部分の内側端部にまで及ぶ
ことになり、ヒートローラ3によって直接熱せられてし
まう。このため、そのシール部分の内側端面にあるスト
レッチフィルムFm、すなわち接着したものの完全には
冷却されていない状態のストレッチフィルムFmに対し
て、ストレッチフィルムFmの張力が直接作用して、ス
トレッチフィルムFmが固化する前に、シール部分の内
側端面(密着部分の内側端部)においてストレッチフィ
ルムFmが破れるもしくはピンホールが発生する等の不
良が発生する。
【0076】これに対し、本実施形態では、ヒートロー
ラ3の傾斜角度βを、シール時にフランジ13の湾曲部
13aの鉛直中心線よりも外側までがシールされ内側ま
ではシールされないような状態になるように設定してい
るため、ストレッチフィルムFmが破れるもしくはピン
ホールが発生する等の不良の発生が抑制される。
【0077】(2)また、トレー10は、シートの状態
から真空圧空成形により指定の形状に成形され、成形
後、指定フランジ寸法に端部を切断されて得られるもの
である。この成形工程時には、金型はトレー10の外側
に設置されており、外寸は正確に成形可能であるもの
の、内側の寸法を正確、厳密に成形することはかなり難
しい。また、フランジ13の端部の切断時にも切断刃が
四方均一に切断することは極めて困難であり、フランジ
13に成形シートの一部が残り、フランジ13の端面に
平坦部が形成されていることもあり得る。このように、
トレー10のフランジ13は、成形による傾斜誤差並び
に端部切断時の切断誤差を有している場合がある。
【0078】したがって、同一トレーにおいても、四方
すべてのフランジ13が完全に同一の傾斜角度αである
傾斜部13bを有しているわけではなく、また端部にも
切断誤差となる水平な平坦部を有しているものもある。
【0079】これら成形時の誤差によるシール不良の発
生を抑える為にも、ある程度の誤差を許容できるシール
機構でなければならない。この点に鑑みても、本実施形
態のように、フランジ13の傾斜角度αよりもヒートロ
ーラ3の傾斜角度βがわずかに大きくなる構造を採るこ
とが好ましい。
【0080】(3)成形時の誤差によりフランジ13の
傾斜部13bの傾斜角度αがヒートローラ3の傾斜角度
βよりも大きくなってしまった場合には、ヒートローラ
3がフランジ13の外側端部に接触しない状態になり、
熱溶断が出来ないケースが生じることも考えられる。し
かし、本実施形態のようにヒートローラ3の傾斜角度β
がフランジ傾斜部13bの傾斜角度αよりもわずかに大
きくなっていれば、成形時の誤差によりフランジ13の
傾斜部13bの傾斜角度αがヒートローラ3の傾斜角度
βよりも大きくなってしまうことは殆ど起こらない。
【0081】
【発明の効果】本発明では、フランジに傾斜部を形成
し、傾斜部の上面を直線としたため、傾斜した熱体がフ
ランジに当たったときに包装容器とフィルムとが面シー
ルされるようになり、より強固で密封性の高い接着が得
られる。
【0082】また、傾斜部の内側に湾曲部を形成したた
め、フィルムが湾曲部に密着するようになり、熱体から
の熱量が湾曲部を伝って放熱されるようになる。したが
って、従来の包装容器で発生するようなピンホールが抑
えられ、密封性のよい包装が可能となる。
【0083】さらに、別の本発明では、包装容器の傾斜
したフランジに対して、そのフランジの傾斜角度よりも
大きな傾斜角度で熱体を押し当てているため、フランジ
の変形で包装容器とフィルムとが面シールされるように
なり、シール部分の外側端部において他の部分よりも強
い圧力が掛かってシール部分の外側端部において容易に
フィルムを溶断できるようになり、フランジの頂点でス
トレッチフィルムが接着されることが殆どなくなりフィ
ルムに穴が開いたりする不具合が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトレーの原材料の断
面図。
【図2】トレーの断面図。
【図3】包装装置の概略図。
【図4】包装動作の説明図。
【図5】包装動作の説明図。
【図6】包装前のトレー,ストレッチフィルム,及びヒ
ートローラの平面図。
【図7】ヒートローラのシール動作平面図。
【図8】シール前のストレッチフィルムFmのフランジ
13に対する密着状態図。
【図9】シール及び溶断中のヒートローラ,トレー,及
びストレッチフィルムの状態図。
【図10】従来のトレーと本発明のトレーとのシール動
作中のストレッチフィルムの状態図。
【図11】第3実施形態のシール及び溶断中のヒートロ
ーラ,トレー,及びストレッチフィルムの状態図。
【図12】第4実施形態のシール及び溶断中のヒートロ
ーラ,トレー,及びストレッチフィルムの状態図。
【符号の説明】
10 トレー(包装容器) 11 底面 12 壁面 13 フランジ 13a 湾曲部 13b 傾斜部 13c 突出部 Fm ストレッチフィルム(フィルム)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月13日(2001.2.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 包装容器、及びそれを含む包装体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装容器及びそれ
を含む包装体、特に、フランジにフィルムを接着するこ
とにより被包装物を包装するための包装容器及びそれを
含む包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】包装容器の中に収容した被包装物をフィ
ルムによって包装することは、従来から行われている。
広く行われている方法として、被包装物を容器内に載置
してフィルムによって容器全体を覆うオーバーラップ方
式や、包装容器を型枠に固定して容器上面にフィルムを
被せて熱溶着する型枠固定シール方式などが挙げられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各方式
には、それぞれ問題点が存在する。オーバーラップ方式
の場合には、包装容器全体をフィルムで覆って底面でフ
ィルム同士を合わせて熱接着するため、容器本体とフィ
ルムとの界面は単なる接触でしかなく、中身が液状のも
のである場合には傾けると液が漏れる恐れがある。すな
わち、オーバーラップ方式には、密封性に劣るという問
題点がある。また、容器全体を覆うため、容器の平面的
な大きさの数倍のフィルムを使用しなければならず、フ
ィルムの使用量が多くなって省資源化やゴミ処理の観点
からも問題がある。
【0004】一方、型枠固定シール方式の場合には、容
器に対してそれぞれ熱圧着用の型枠が必要であり、容器
サイズや容器形状への対応の柔軟性を欠くため、多種の
包装容器を必要とする業界では採用されない傾向が強
い。
【0005】そこで、本願出願人は、特願平11−13
7025号において、包装容器(トレー)の上面を覆う
フィルムに加熱したローラを傾斜した状態で当て、包装
容器のフランジ上でローラを転がす手法を提案してい
る。この方式であれば、容器ごとの型枠を必要とせず、
なお且つ、所定の角度に傾斜させたヒートローラによっ
て包装容器とフィルムとの熱接着及び熱溶断を同時に為
すことができる。したがって、多種にわたる容器形状に
対応し、なお且つ密封性の優れた容器を得ることが出来
る。
【0006】ただ、既存の容器は、フランジが水平面に
沿った形状であるか、あるいはフランジがカールした形
状である。従って、ヒートローラを然るべき角度にして
フランジに当てても、両者は線接触となって十分な接着
強度が得られないことがある。また、線シールでは、密
封性、特に液体にたいする密封性が低いことが問題点と
なる。さらに、ピンホールが発生する恐れもある。
【0007】本発明の課題は、所定の角度に傾斜させた
ヒートローラによって包装容器とフィルムとの熱接着を
行う場合において十分な接着強度を得ることのできる包
装容器及びそれを含む包装体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る包装容器
は、底面と、壁面と、フランジとを備えている。底面
は、被包装物を載置するための面である。壁面は、底面
を取り囲むように、底面から上方に延びている。フラン
ジは、壁面の上端部から外方に延びている。また、フラ
ンジは、壁面側の湾曲部と、湾曲部の外側に位置する傾
斜部とを有している。そして、傾斜部は、その上面の断
面が実質的に直線である。また、湾曲部は、壁面と傾斜
部とが連続的な形状となるように形成されている。
【0009】従来の包装容器のフランジ形状は、水平面
に沿った平面形状もしくはカールした湾曲形状となって
おり、加熱されたローラ(熱体)を傾斜状態で接触させ
ると線接触となる。したがって、包装容器と包装容器の
上面に被せられたフィルムとは、線シールのような状態
で接着される。この場合、流通過程の搬送や衝撃によっ
て容易に破断、剥離され、収納した被包装物が露出した
りする可能性が高い。また被包装物が液体であれば、液
漏れが生じることとなる。また、線接着であるがために
熱体の移動時に摩擦等により線シールされた接着部にピ
ンホール等が開き、密封性が保たれない場合がある。
【0010】そこで、本請求項の包装容器には、熱体が
接触する角度に概ね合わした傾斜をつけたフランジを形
成することにした。そして、このフランジの傾斜部の上
面を直線(上面の断面を直線)としたため、傾斜した熱
体がフランジに当たったときに包装容器とフィルムとが
線シールではなく面シールされるようになり、より強固
で密封性の高い接着が得られることとなる。ここでいう
フランジの傾斜部の直線は、実質的に直線であればよ
い。すなわち多少の湾曲があっても、熱体がフランジに
当った時にその押し当たる圧力によってフランジの接触
面が直線となり、面接着可能になるものであってもよ
い。
【0011】なお、傾斜をつけたフランジの直線状傾斜
部の傾斜角度は、はじめから熱体の傾斜角と平行である
場合と、シール時に熱体を押し当てる際の圧力によりシ
ールされると同時にシール圧によって熱体の傾斜角とほ
ぼ同一となる場合とがある。いずれの場合も、面接触し
て、面シールがなされる。後者の場合には、熱体を押し
当てることにより傾斜角度が合わさってくるために、フ
ランジにおいて内側から外側に向けてシール圧の圧力勾
配が生じる。このため、フランジ外縁ほど圧力が強くな
り、当該圧力によって、ストレッチフィルムをより切断
(熱溶断)し易い状態が形成される。従って、好ましく
は、後者の様に熱体を押し当てることによって熱体とフ
ランジの直線状傾斜部の傾斜角度を合わせる方がよい。
【0012】また、従来の包装容器を使って傾斜ヒート
ローラによるシールを行うと、シール時に、シール部分
の内側に位置するフランジの部分で、フィルムが包装容
器に対して密着していない(完全には密着していない)
現象が生じる。すなわち、シール時において、包装容器
のフランジとフィルムとの間には空気層が形成される状
態になる。
【0013】この空気層は、シール時に熱体から供与さ
れる熱量を断熱し、熱体からの熱量がフィルムに集中し
て大きな熱ストレスを与える事になる。このような現象
により、通常の包装に用いるフィルムの耐熱性では、熱
によってピンホールが開くことになる。
【0014】このピンホールの発生を防ぐためには、熱
体と接触しない部分であっても、熱体と近距離に接近す
る部分については、熱体からの熱量をフィルムに集中さ
せないように、フィルムを包装容器に密着させておく必
要がある。
【0015】これに鑑み、本請求項の包装容器では、フ
ランジの傾斜部(シール部分)の内側に湾曲部を形成
し、フィルムが湾曲部に密着するようにした。これによ
り、熱体からの熱量は、傾斜部とフィルムとを熱接着さ
せる他は、フランジの湾曲部などを伝って放熱されるよ
うになる。したがって、従来の包装容器で発生するよう
なピンホールが抑えられ、密封性のよい包装が可能とな
る。
【0016】なお、フィルムと包装容器のフランジとを
密着させ、その状態を維持する為には、装置でフィルム
を引張り、フィルムに張力が掛った状態を維持し、なお
且つ包装容器のフランジの傾斜部及び湾曲部の表面がフ
ィルムとの十分な接着を行う為の接触面積を有している
方がよい。すなわち、点接触ではなく面接触する状態
(十分に静摩擦係数が確保できる状態)であり、表面が滑
らかな状態であるほうが良い。一般的に光沢を有する程
度の表面状態であれば、十分にフィルムと包装容器とを
密着させることができる。フィルムを密着させること
は、先に述べたようにシール時の熱体からの熱量をフィ
ルムに集中させず、ピンホール等の発生を防ぐ為に必要
である。また、包装容器の包装後の美称性の問題より、
ストレッチフィルムに多少張力が掛った状態の方が、内
容物を入れて包装した際の外部からフィルムを通して内
容物を確認する際のフィルムの透明性や可視性が上が
り、美称性が向上する。また、消費者の購買意欲を向上
させるためにも、フィルムに張力を掛け、美称性の向上
を図る方が好ましい。よって、当該発明では、ストレッ
チフィルムに張力を張った状態で維持すると同時に熱体
によりシールするので、シール直後にシール部に張力が
直接掛からないようにする為にも、フランジの表面によ
る摩擦力によって中心側へ掛かっているフィルムの張力
を低減させ、シール直後のフィルム張力によるシール不
良の発生の可能性を出来る限り低減させる為にもフラン
ジの表面は滑らかである方がよい。
【0017】請求項2に係る包装容器は、請求項1に記
載の包装容器であって、傾斜部が、底面に対して傾斜角
度20°から60°の範囲で傾斜している。請求項3に
係る包装容器は、請求項1又は2に記載の包装容器であ
って、傾斜部の幅が2mm以上である。
【0018】テスト結果から、フィルムと熱接着される
傾斜部の幅が2mm以上あれば、接着強度や密封性が高
いレベルで確保されることが確認された。請求項4に係
る包装容器は、請求項1から3のいずれかに記載の包装
容器であって、フランジの表面には接着剤が塗布されて
いる。
【0019】請求項5に係る包装体は、請求項1から4
のいずれかに記載の包装容器と、フィルムとを備えてい
る。フィルムは、包装容器の上面を覆い、周囲がフラン
ジに接着される。
【0020】請求項6に係る包装体は、請求項5に記載
の包装体であって、フィルムの周囲は、フランジの湾曲
部に空隙無く沿い、フランジの傾斜部に接着される。請
求項7に係る包装体は、請求項5又は6に記載の包装体
であって、フランジは、突出部をさらに有している。こ
の突出部は、傾斜部の外周側に配置され、フィルムを切
断させる。
【0021】請求項8に係る包装体は、請求項5から7
のいずれかに記載の包装体であって、フィルムの周囲が
湾曲部及び傾斜部に密着した状態で、傾斜した熱体が傾
斜部に当てられて、フィルムがフランジに熱接着され
る。
【0022】
【発明の実施の形態】[第1実施形態] <トレーの原材料>本発明の一実施形態に係るトレー
(包装容器)の原材料の断面図を、図1に示す。この原
材料は、プラスチックシートである。このプラスチック
シート90を真空圧空成形することによって、トレーが
成形される。
【0023】図1に示すプラスチックシート90は、熱
溶融性のプラスチック材料層91,93と発泡プラスチ
ック材料層92とを貼合させた構成となっている。トレ
ーの上面となる熱溶融性のプラスチック材料層91は、
後述する熱体(ヒートローラ3)によってストレッチフ
ィルムと熱接着される層であり、ストレッチフィルムと
熱接着可能な材質でなければならない。ここでは、エチ
レン酢酸ビニル共重合体/キャタロイポリプロピレン/
エチレン酢酸ビニル共重合体の3層構造のストレッチフ
ィルムを用いるため、熱溶融性のプラスチック材料層9
1として、ストレッチフィルムと同質のものを用いてい
る。具体的には、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプ
ロピレン、あるいはポリエチレンを、熱溶融性のプラス
チック材料層として用いている。
【0024】発泡プラスチック材料層92としては、ポ
リスチレンやポリプロピレン等の発泡体を用いている。
また、トレーの外面となるプラスチック材料層93につ
いても、プラスチック材料層91と熱収縮率がほぼ同等
な材質を使用する。このように、同様な収縮率をもつプ
ラスチック材料層91,93が両面に貼合されている材
料を原材料に使うため、成形後のトレーの変形が抑えら
れる。
【0025】なお、ストレッチフィルム及びトレーの原
材料として、ガスバリヤ性を重視する場合にはエチレン
ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコール等の
フィルムを、保香性を重視する場合にはポリエステル
(ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレ
ート等)のフィルムを、多層構造の中に少なくとも一層
以上用いればよい。これらの材質は、バリヤの対象とな
るガスによって材質及び厚みを選択すればよい。また、
アルミ蒸着やセラミックス蒸着等の蒸着によってガスバ
リヤ性を持たせることも可能である。さらに、アルミ箔
や鉄箔等の金属をバリヤ層として用いることも可能であ
り、トレーについては接着層である最内層以外の層に用
いることができる。但し、ストレッチフィルムに対して
は、金属をバリヤ層に使うと透明性が阻害されるため、
採用が難しい場合もある。
【0026】<トレーの形状>上記のような図1のプラ
スチックシート90を原材料として、真空圧空成形機を
用い、図2に示す断面形状のトレー10を成形する。
【0027】図2に示すように、トレー10は、長方形
の底面11と、4枚の壁面12と、フランジ13とから
構成されている。4枚の壁面12は、底面11を取り囲
むように底面の四辺から上方に延びている。フランジ1
3は、壁面12の上端部から外方に延びる部分である。
【0028】フランジ13は、壁面12側の湾曲部13
aと、湾曲部13aの外側に位置する傾斜部13bとか
ら形成されている。湾曲部13aは、壁面12と傾斜部
13bとが連続的な形状となるように形成されている。
この湾曲部13aの曲率については、ストレッチフィル
ムをトレーに密着させることを考慮すると、R2(半径
2mm)〜R10、好適には、R3〜R8となる。
【0029】傾斜部13bは、図2に示すように、その
上面の断面が実質的に直線となっており、湾曲部13b
の外周端から斜め下方に延びている。この傾斜部13b
の底面11に対する傾斜角度α(図2参照)は、後述す
るヒートローラ(熱体)3が接触した際に面接触するよ
うに、20°〜60°の範囲に設定される。この傾斜角
度αの範囲としては、5゜〜90゜が考えられるが、ヒ
ートローラ3の傾斜などを考慮すると、好適には20゜
〜60゜である。先述したように、ここでのヒートロー
ラ3の傾斜角度とフランジ13の傾斜部13bの傾斜角
度αとは、必ずしも同一である必要はなく、むしろ、ヒ
ートローラ3をシール時に押し当てる際に傾斜部13b
の傾斜角度αとヒートローラ3の傾斜角度とが概ね合う
ように各々の角度を設ける方が好ましい。
【0030】また、所定のシール幅を確保する為に、フ
ランジ13の幅を寸法Dだけ確保している(図2参
照)。このフランジ13の幅寸法Dとしては、1mm〜
15mmが想定されるが、好適には、3mm〜10mm
である。そして、フランジ13の傾斜部13bの幅寸法
が2mm以上確保されていることが望ましい。
【0031】<トレーとストレッチフィルムとの熱接着
動作>次に、トレーにストレッチフィルムを熱接着させ
る包装装置の動作について説明する。包装装置1は、特
願平11−137025号に開示している包装装置と同
様のものである。
【0032】図3に示すようにトレー10が保持部材2
上に載ると、フィルム供給機構5のセット部51からス
トレッチフィルムFmが繰り出される。繰り出されたス
トレッチフィルムFmは、搬送ローラ52a,52bに
掛け渡されている2本のベルトB及び押さえローラ52
c,52dに掛け渡されている2本のベルトBを搬送方
向(図6の左右方向)に対して直交する方向に移動さ
せ、ストレッチフィルムFmを幅方向(図6の上下方
向)に引き伸ばす。これにより、ストレッチフィルムF
mには幅方向に沿った張力がかかる。
【0033】次に、リフト機構6の移動部63が上昇
し、トレー10がストレッチフィルムFmを突き上げて
停止する(図4参照)。このときには、トレー10の突
き上げにより、ストレッチフィルムFmには搬送方向に
沿った張力がかかる。また、ストレッチフィルムFm
は、図8(拡大図)に示すように、トレー10のフラン
ジ13の湾曲部13aの外側部分及び傾斜部13bに密
着した状態となる。
【0034】次に、押さえ板73に対するレバー機構7
4の下方への付勢を解除させ、リンク機構72を開放す
ることにより、ヒートローラ3が自重によってトレー1
0に接触するまで移動する(図5参照)。これらのヒー
トローラ3がそれぞれ独立しているため、それぞれのヒ
ートローラ3は、概ね同じ圧力でトレー10に接触す
る。
【0035】次に、モータ82によって回転軸81を所
定角度だけ回転させることで、図7に示すようにヒート
ローラ3が回転する。すると、ヒートローラ3は、トレ
ー10の周囲(フランジ13)をなぞるように移動し、
トレー10とストレッチフィルムFmとを熱融着させて
シールしていく。このとき、ヒートローラ3は、フラン
ジ13上を転動しながら移動する。
【0036】ヒートローラ3がトレー10の周囲に沿っ
て移動するときの両者の接触部分付近を拡大したもの
を、図9に示す。トレー10は、上部開口が前後左右に
張力のかかったストレッチフィルムFmで覆われた状態
にある。そして、ストレッチフィルムFmは、トレー1
0のフランジ13の湾曲部13aの外側部分及び傾斜部
13bに圧着している。ヒートローラ3は、そのストレ
ッチフィルムFmとフランジ13との接触部分に斜めに
当たって、熱と力とを加えている。これらの熱と力とに
より、ストレッチフィルムFmとフランジ13とが熱融
着する。
【0037】また、このときには、トレー10のエッジ
部分(ここではヒートローラ3が当たっているフランジ
13の傾斜部13bの外周端部)においてストレッチフ
ィルムFmに熱及び力が集中し、ストレッチフィルムF
mに張力が発生していることで、トレー10のエッジ部
分でストレッチフィルムFmが溶けて切り離される(図
9参照)。より詳細に説明すると、図8に示すように水
平面に対するヒートローラ3の角度がフランジ13の傾
斜部13bの角度よりも若干大きく設定されており、図
9に示すようにヒートローラ3がフランジ13に当たっ
たときにはヒートローラによる圧力がフランジ13の外
周端部で一番大きくなるため、ストレッチフィルムFm
の張力により、フランジ13の外周端部でストレッチフ
ィルムFmが溶断される。フランジ13の外周端部で圧
力が一番大きくなることから、フランジ13には湾曲部
13aから外周端部に向けて圧力勾配が存在する。した
がって、フィルムFmとフランジ湾曲部13a近辺では
圧力が外周端部に比べ弱くなっており、シールされるフ
ランジ13の内周端部の境界において、熱と圧力による
負荷が軽減され、ストレッチフィルムFmに対して負荷
を掛けることなくシールされることになる。ストレッチ
フィルムFmとトレー10とがシールされた後のフラン
ジ13の断面写真を観察したところ、トレー10の内側
シール端面でフィルムに対して熱及び圧力によるクラッ
ク、フィルムの劣化が生じていなかった。このことから
も、ピンホールやクラック等の発生が抑えられることと
なる。
【0038】ヒートローラ3によるトレー10へのスト
レッチフィルムFmのシールを終えると、ヒートローラ
3を引き上げリフト機構6によってトレー10を下降さ
せた後に、シール包装されたトレー10が保持部材2か
ら取り出される。次のサイクルに移るときには、トレー
10のシール包装により一部が熱溶断されて抜かれたス
トレッチフィルムFmは、巻取り部53の駆動によって
巻き取られる。
【0039】<従来のトレーとのシール動作の比較>図
10に、従来のトレー100にストレッチフィルムFm
をシールする場合と、本実施形態のトレー10にストレ
ッチフィルムFmをシールする場合とを示す。
【0040】(従来のトレー)図10(a)は、従来の
トレー100にストレッチフィルムFmをヒートローラ
3によって熱溶着する際のフランジ113近傍の拡大図
である。トレー100のフランジ113は、第1湾曲部
113aと、水平部113bと、第2湾曲部113c
と、垂直部113dとから構成されている。図から明ら
かなように、ヒートローラ3がフランジ113の第2湾
曲部113cと接触することで、トレー100とストレ
ッチフィルムFmとがシールされる。また、第2湾曲部
113cに近い垂直部113dの外側の空間において
は、フランジ113とストレッチフィルムFmとの間に
空気層S1が形成される。この空気層S1が断熱材の役
割を果たすため、ヒートローラ3からの熱量が第2湾曲
部113cと垂直部113dとの境目部分にあるストレ
ッチフィルムFmに集中し、そこでストレッチフィルム
Fmが熱溶断される。
【0041】しかし、従来のトレー100では、同様に
ストレッチフィルムFmとフランジ113の水平部11
3bとの間に空気層S2が形成される傾向がある。この
空気層S2は、ヒートローラ3からの熱量の断熱材の役
割を果たし、シール部分の内側において熱によるピンホ
ールを発生させる恐れが高い。このようなピンホールが
開いたのでは、トレー100内の密封性が保つことがで
きなくなる。また、ピンホールが大きくなれば、包装自
体が為されなくなる。
【0042】(本実施形態のトレー)図10(b)に本
実施形態のトレー10に対してストレッチフィルムFm
を熱シールさせるときの状態を示す。トレー10の場
合、湾曲部13aの外側に傾斜部13bを配置している
ため、ストレッチフィルムFmがフランジ13の傾斜部
13b及び湾曲部13aの外側部分を密着して覆う。そ
して、ヒートローラ3は、主として傾斜部13bに当た
り、湾曲部13aには殆ど当たらない。したがって、図
10(a)に示すような空気層S1,S2が形成される
ことがなく、ピンホール等が開くことなく安定してシー
ルが行われる。
【0043】こうしたフランジ13を有するトレー10
とストレッチフィルムFmとをヒートローラ3によって
熱溶着させるときには、湾曲部13aが若干変形してヒ
ートローラ3の傾斜角とフランジ13の角度とが概ね合
った状態で、ヒートローラ3が回転しながら移動する。
このように熱溶着させるため、概ねフランジ13の幅全
体でシールが為される。また、ヒートローラ3からの熱
量は、傾斜部13bとストレッチフィルムFmとを熱接
着させる他は、湾曲部13aを伝って放熱されるように
なる。したがって、ピンホール等が開く危険性も回避さ
れる。
【0044】<従来のトレーとの測定結果の比較>次
に、本実施形態に係るトレー10の具体例と従来のトレ
ー100の具体例(比較例)との比較測定の結果を示
す。
【0045】トレー10の原材料として、両側の表面層
が40μm厚の無延伸のポリプロピレンフィルム(CP
P)で、それらの間に挟まれる基材が発泡ポリスチレン
シート(厚み1.5mm、重量260g/m2)である
ものを使った。これは、共押出し成形により製造され、
CPP(40μm)/発泡ポリスチレン(1.5mm)
/CPP(40μm)の3層からなるシートである。そ
して、このシートを型枠にセットし、真空圧空成形機に
て食品用トレー10を得た。
【0046】トレー寸法は、外径が130mm×180
mm、深さが30mm、フランジ角度αが35°、フラ
ンジ幅が5mm、湾曲部の曲率がR5mmである。本ト
レー10を上述のようなヒートローラ式のストレッチフ
ィルム包装装置にセットし、ストレッチフィルムFmを
トレー開口部にヒートシールした。
【0047】ストレッチフィルムFmとしては、リニア
ローデンシティーポリエチレン(LLDPE)/キャタ
ロイポリプロピレン/リニアロ−デシシティーポリエチ
レン(LLDPE)の厚み15μmの3層構成からなる
ストレッチフィルムFmを使用した。
【0048】シール温度(ヒートローラ温度)は、19
0℃に設定した。比較例であるトレー100について
も、トレー10と同材質からなるものを用い、図10
(b)に示すような形状のフランジ113を有する同程
度の寸法のものとした。
【0049】両者のシール強度の測定とピンホールの発
生具合を確認した。結果を、表1に示す。
【0050】
【表1】 *シール強度の測定には、東洋精機(株)製万能試験機ス
トログラフV1-Cを使用。 *N数は10とし、15mm幅にカットした後、引張試験機
にてシール強度を測定。 *シール強度は、トレーの周方向全体の平均値を採用。 この結果の通り、本発明の具体例であるトレー10で
は、安定して500gf/15mm以上のシール強度が
得られていることが判る。
【0051】これに対し、比較例であるトレー100に
おいては、ほとんどのものにピンホールが発生してお
り、発生しないサンプルは得られなかった。この結果か
ら、次のようなことが明らかとなる。すなわち、トレー
10のフランジ13にヒートローラ3の傾斜角に対応し
た傾斜角を持つ傾斜部13bを形成し、且つ湾曲部13
aを設けてトレー内部方向に向かってはヒートローラ3
が接触しない個所までストレッチフィルムFmがトレー
10の表面(湾曲部13aの表面)に接触するようにし
ているため、ヒートローラ3の熱量がストレッチフィル
ムFmだけに集中することなく必ずトレー10へも伝達
されるようになり、ストレッチフィルムFmにかかる熱
ストレスが低減されてピンホールの発生が抑えられてい
る。
【0052】[第2実施形態] <トレーの原材料、形状、接着剤塗布、及びヒートシー
ル>本実施形態では、ポリプロピレンからなる厚み0.
8mmのシートを使って、真空圧空成形にてトレーを成
形した。
【0053】トレー寸法としては、外径140mm×2
10mm、深さ25mm、フランジ角度αが35゜、フ
ランジ幅10mmとした。このフランジに接着剤、東洋
モートン製ホットラッカー型ヒートシール剤AD−17
90−15を塗布した。
【0054】今回はテストであったので、これを非自動
的にフランジに一定量を塗布し、充分乾燥させた。完全
に乾燥した後、ヒートローラ式ストレッチフィルム包装
機にセットし、ストレッチフィルムのヒートシールを行
った。
【0055】シールに用いたストレッチフィルムとして
は、エチレン酢酸ビニル共重合体/キャタロイポリプロ
ピレン/エチレン酢酸ビニル共重合体の3層構造からな
る15μm厚みのものを用いた。
【0056】<シール強度の測定とピンホールの発生具
合の確認>第1実施形態のものと同様に、トレーにスト
レッチフィルムをヒートシールしたものを対象として、
ヒートシール強度を測定した。
【0057】測定結果からは、完全に強固な接着が得ら
れた。N数=10(10個の対象品)で測定を実施した
結果、全て500gf/15mm以上の強度が確認でき
た。また、ピンホールの発生も確認されなかった。
【0058】これは、接着剤が、ヒートローラからの熱
量を吸収して溶融し、ストレッチフィルムをフランジに
完全に接着させたことを示している。また、これは、ス
トレッチフィルム単体にヒートローラからの熱量がかか
る現象を抑えることでピンホールの発生を抑えたことを
示している。
【0059】上記各実施形態では、ヒートローラの傾斜
角に概ね合わせた傾斜部と、ヒートローラ付近にストレ
ッチフィルムのみではなくトレー自身若しくは接着剤と
いった空気層以外のものを介在させることができる湾曲
部とによってフランジを形成している。これにより、各
実施形態のシール強度の測定結果から明らかなように、
ヒートローラからの熱量のストレッチフィルムへの集中
が抑えられ、ピンホール等の不良発生が少なくなる。ま
た、より安全に確実なシールを行うことができるように
なる。
【0060】[第3実施形態]上記実施形態では、フラ
ンジ13の傾斜部13bの外周端部においてストレッチ
フィルムFmに熱及び力を集中させてストレッチフィル
ムFmを溶断する方式を採っているが、より圧力を掛け
てより確実に溶断するために、フランジ13を図11に
示す形状にしてもよい。
【0061】図11に示すトレー10のフランジ13で
は、傾斜部13bの外周側に突出部13cが形成されて
いる。この突出部13cは、ヒートローラ3に向かって
突出しており、ストレッチフィルムFmを溶断する役割
を果たす。突出部13cの先端は尖っており、突出部1
3cとヒートローラ3との間に挟まれるストレッチフィ
ルムFmには高い圧力が作用する。このため、ストレッ
チフィルムFmは、この部分において確実に溶断される
ことになる。
【0062】また、接着剤として、発泡ホットメルト型
接着剤を用いることも可能である。包装容器の表面とフ
ィルムの内面を溶融させて接着させる場合、ヒートロー
ラから供給された熱量が空気中に発散して、熱効率が低
下する問題がある。ここで発泡ホットメルト型の接着剤
を接着剤として用い、これをフランジに塗布すれば、ヒ
ートローラからの熱量を発泡接着剤自体が吸収し、その
熱量によって発泡接着剤が溶融して、接着剤としての機
能を果たすこととなる。
【0063】[第4実施形態]図2では、ヒートローラ
3の傾斜角度とフランジ13の傾斜部13bの傾斜角度
αとが概ね等しい場合のものを示しているが、図12に
示すように、ヒートローラ3の傾斜角度βがトレー10
のフランジ傾斜部13bの傾斜角度αよりわずかに大き
くなるような構造を積極的に採用することも望ましい。
【0064】<トレー及びヒートローラの相対関係>図
12は、ストレッチフィルムFmに張力を掛けた状態で
トレー10の上面にフィルムFmをセットし、ヒートロ
ーラ3によってシールを行う状態を示している。図12
(a)に示すように、ここでは、ヒートローラ3が、フ
ランジ13の傾斜部13bの傾斜角度αに対し若干大き
い傾斜角度βの傾斜を有している。
【0065】<シール動作>傾斜角βのヒートローラ3
と傾斜角αのフランジ10の傾斜部13bとがシールさ
れるときには、図12(b)に示すようにシールが為さ
れる。トレー10のフランジ13は、傾斜角βのヒート
ローラ3によって圧力が掛けられて変形し、傾斜部13
bの傾斜角がαからヒートローラ3の傾斜角βに近づ
く。この時、フランジ13の湾曲部13aの鉛直中心線
が角度γだけ傾き、ヒートローラ3及びフランジ13の
互いの傾斜角度がほぼ等しい形となる。なお、トレー1
0のフランジ13は、弾性を有しており、ヒートローラ
3で圧力を掛けることにより傾斜部13bが傾き、その
傾斜角度が変わる。
【0066】ヒートローラ3によって圧力が掛けられ傾
斜角度がほぼヒートローラ3に合った形となったフラン
ジ13の傾斜部13bは、その直線部分においてストレ
ッチフィルムFmと面シールされる。そのシール幅は、
ストレッチフィルムFmとヒートローラ3が接触してい
る部分の幅であり、2mm以上が確保される。このと
き、フランジ13の外側端部は、ヒートローラ3に当接
している部分の圧力勾配の頂点に位置することになる。
このヒートローラ3からの圧力に加え、ヒートローラ3
による熱量及びストレッチフィルムFmのトレー外方へ
の張力が作用することにより、ストレッチフィルムFm
は、フランジ13の外側端部において溶断される。
【0067】なお、フランジ13の内側部分には、スト
レッチフィルムFmと接触しているもののヒートローラ
3とは接触しない部分が、距離r(図12(b)参照)
だけ存在する。
【0068】<特徴> (1)ヒートシール後、ヒートローラ3が離反すると、
フランジ13の弾性変形が解け、図12(c)に示すよ
うにフランジ13が元の傾斜角度まで戻される。この状
態において、フランジ13の湾曲部13aの外側部分に
は、熱接着していないもののストレッチフィルムFmと
密着している個所が、距離r(図12(c)参照)だけ
存在する。この距離rは、トレー10上に張られている
ストレッチフィルムFmの張力を保持し、ヒートシール
された部分dの内側端面への負荷をかなり軽減し、シー
ル不良を防ぐ役割を果たす。
【0069】シールされる前のフランジ13の湾曲部1
3aの鉛直中心線よりも内側に入ったところまでシール
が為されるとすれば、シール部分はフランジ13とスト
レッチフィルムFmとの密着部分の内側端部にまで及ぶ
ことになり、ヒートローラ3によって直接熱せられてし
まう。このため、そのシール部分の内側端面にあるスト
レッチフィルムFm、すなわち接着したものの完全には
冷却されていない状態のストレッチフィルムFmに対し
て、ストレッチフィルムFmの張力が直接作用して、ス
トレッチフィルムFmが固化する前に、シール部分の内
側端面(密着部分の内側端部)においてストレッチフィ
ルムFmが破れるもしくはピンホールが発生する等の不
良が発生する。
【0070】これに対し、本実施形態では、ヒートロー
ラ3の傾斜角度βを、シール時にフランジ13の湾曲部
13aの鉛直中心線よりも外側までがシールされ内側ま
ではシールされないような状態になるように設定してい
るため、ストレッチフィルムFmが破れるもしくはピン
ホールが発生する等の不良の発生が抑制される。
【0071】(2)また、トレー10は、シートの状態
から真空圧空成形により指定の形状に成形され、成形
後、指定フランジ寸法に端部を切断されて得られるもの
である。この成形工程時には、金型はトレー10の外側
に設置されており、外寸は正確に成形可能であるもの
の、内側の寸法を正確、厳密に成形することはかなり難
しい。また、フランジ13の端部の切断時にも切断刃が
四方均一に切断することは極めて困難であり、フランジ
13に成形シートの一部が残り、フランジ13の端面に
平坦部が形成されていることもあり得る。このように、
トレー10のフランジ13は、成形による傾斜誤差並び
に端部切断時の切断誤差を有している場合がある。
【0072】したがって、同一トレーにおいても、四方
すべてのフランジ13が完全に同一の傾斜角度αである
傾斜部13bを有しているわけではなく、また端部にも
切断誤差となる水平な平坦部を有しているものもある。
【0073】これら成形時の誤差によるシール不良の発
生を抑える為にも、ある程度の誤差を許容できるシール
機構でなければならない。この点に鑑みても、本実施形
態のように、フランジ13の傾斜角度αよりもヒートロ
ーラ3の傾斜角度βがわずかに大きくなる構造を採るこ
とが好ましい。
【0074】(3)成形時の誤差によりフランジ13の
傾斜部13bの傾斜角度αがヒートローラ3の傾斜角度
βよりも大きくなってしまった場合には、ヒートローラ
3がフランジ13の外側端部に接触しない状態になり、
熱溶断が出来ないケースが生じることも考えられる。し
かし、本実施形態のようにヒートローラ3の傾斜角度β
がフランジ傾斜部13bの傾斜角度αよりもわずかに大
きくなっていれば、成形時の誤差によりフランジ13の
傾斜部13bの傾斜角度αがヒートローラ3の傾斜角度
βよりも大きくなってしまうことは殆ど起こらない。
【0075】
【発明の効果】本発明では、フランジに傾斜部を形成
し、傾斜部の上面を直線としたため、傾斜した熱体がフ
ランジに当たったときに包装容器とフィルムとが面シー
ルされるようになり、より強固で密封性の高い接着が得
られる。
【0076】また、傾斜部の内側に湾曲部を形成したた
め、フィルムが湾曲部に密着するようになり、熱体から
の熱量が湾曲部を伝って放熱されるようになる。したが
って、従来の包装容器で発生するようなピンホールが抑
えられ、密封性のよい包装が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトレーの原材料の断
面図。
【図2】トレーの断面図。
【図3】包装装置の概略図。
【図4】包装動作の説明図。
【図5】包装動作の説明図。
【図6】包装前のトレー,ストレッチフィルム,及びヒ
ートローラの平面図。
【図7】ヒートローラのシール動作平面図。
【図8】シール前のストレッチフィルムFmのフランジ
13に対する密着状態図。
【図9】シール及び溶断中のヒートローラ,トレー,及
びストレッチフィルムの状態図。
【図10】従来のトレーと本発明のトレーとのシール動
作中のストレッチフィルムの状態図。
【図11】第3実施形態のシール及び溶断中のヒートロ
ーラ,トレー,及びストレッチフィルムの状態図。
【図12】第4実施形態のシール及び溶断中のヒートロ
ーラ,トレー,及びストレッチフィルムの状態図。
【符号の説明】 10 トレー(包装容器) 11 底面 12 壁面 13 フランジ 13a 湾曲部 13b 傾斜部 13c 突出部 Fm ストレッチフィルム(フィルム)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小栗 利夫 滋賀県栗太郡栗東町下鈎959番地の1 株 式会社イシダ滋賀事業所内 (72)発明者 川西 紀男 滋賀県栗太郡栗東町下鈎959番地の1 株 式会社イシダ滋賀事業所内 Fターム(参考) 3E033 AA10 DA06 3E062 AA03 JA03 JA08 JB04 JC02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被包装物を載置するための底面と、 前記底面を取り囲むように前記底面から上方に延びる壁
    面と、 前記壁面の上端部から外方に延びるフランジと、を備
    え、 前記フランジは、前記壁面側の湾曲部と、前記湾曲部の
    外側に位置する傾斜部とを有し、 前記傾斜部は、その上面の断面が実質的に直線であり、 前記湾曲部は、前記壁面と前記傾斜部とが連続的な形状
    となるように形成されている、包装容器。
  2. 【請求項2】前記傾斜部は、前記底面に対して傾斜角度
    20°から60°の範囲で傾斜している、請求項1に記
    載の包装容器。
  3. 【請求項3】前記傾斜部の幅が2mm以上である、請求
    項1又は2に記載の包装容器。
  4. 【請求項4】前記フランジの表面には接着剤が塗布され
    ている、請求項1から3のいずれかに記載の包装容器。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれかに記載の包装容
    器と、 前記包装容器の上面を覆い、周囲が前記フランジに接着
    されるフィルムと、を備えた包装体。
  6. 【請求項6】前記フィルムの周囲は、前記フランジの湾
    曲部に空隙無く沿い、前記フランジの傾斜部に接着され
    る、請求項5に記載の包装体。
  7. 【請求項7】前記フランジは、前記傾斜部の外周側に配
    置され前記フィルムを切断させる突出部をさらに有して
    いる、請求項5又は6に記載の包装体。
  8. 【請求項8】前記フィルムの周囲が前記湾曲部及び前記
    傾斜部に密着した状態で、傾斜した熱体が前記傾斜部に
    当てられて、前記フィルムが前記フランジに熱接着され
    る、請求項5から7のいずれかに記載の包装体。
  9. 【請求項9】傾斜したフランジを周囲に有する包装容器
    に被包装物を載せる第1工程と、 前記包装容器の上方にストレッチフィルムを供給し、前
    記ストレッチフィルムに張力を掛ける第2工程と、 前記包装容器を上昇させ、張力がかかった状態の前記ス
    トレッチフィルムに対して前記フランジを当接させる第
    3工程と、 前記ストレッチフィルムが当接している前記フランジに
    対して、熱体を、前記フランジの傾斜角度よりも大きな
    傾斜角度で押し当てる第4工程と、を備えた包装方法。
  10. 【請求項10】前記第4工程では、前記フランジと前記
    熱体との接触部分の幅が2mm以上となるように、前記
    熱体を前記フランジに押し当てる、請求項9に記載の包
    装方法。
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