JP2001345604A - 非可逆回路素子及びこれを用いた無線通信機器 - Google Patents

非可逆回路素子及びこれを用いた無線通信機器

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JP2001345604A JP2001078794A JP2001078794A JP2001345604A JP 2001345604 A JP2001345604 A JP 2001345604A JP 2001078794 A JP2001078794 A JP 2001078794A JP 2001078794 A JP2001078794 A JP 2001078794A JP 2001345604 A JP2001345604 A JP 2001345604A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、低損失で、かつ信頼性の高い非可逆回
路素子及び無線通信機器を提供することを目的とする。 【解決手段】 互いに電気的絶縁状態でかつ所定角度で
重ねられた複数の中心導体11a〜11cと、この該中
心導体と密接して配置される磁性体12と、整合用のコ
ンデンサと、該中心導体及び磁性体に直流磁界を印加す
るように配置された永久磁石3とを有し、これらを磁性
ヨークを兼ねる金属ケース1及び2内に収納してなる非
可逆回路素子において、前記中心導体及び/又は整合用
のコンデンサを底面が実質的に平坦な積層素体(5、5
0、60)で構成し、この積層素体を樹脂部分19とア
ース電極18及び端子電極16a、16bを構成する導
体板とからなる平板状の樹脂ベース6の略平面上に配置
した非可逆回路素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話などのマ
イクロ波通信機器などに使用されるサーキュレータ、ア
イソレータなどの非可逆回路素子に係わり、具体的に
は、小型化、低損失化が可能で、かつ信頼性の高い構造
に関するものである。また、この非可逆回路素子を用い
た無線通信機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、サーキュレータ、アイソレータ
等の非可逆回路素子は、信号を特定方向のみに伝送し、
逆方向には伝送しない特性を有しており、携帯電話ある
いは自動車電話などのマイクロ波通信機器の送信回路に
は不可欠の部品である。このような用途において、非可
逆回路素子は部品の小型化、低損失化が要求されてい
る。この非可逆回路素子、例えばアイソレータは、互い
に電気的絶縁状態でかつ120度間隔で重ねられた3つ
の中心導体をガーネット等の磁性体上に配置し、その磁
性体に直流磁界を印加するための永久磁石と整合用コン
デンサを有し、これらを磁性ヨークを兼ねた金属ケース
内に収納して構成される。
【0003】従来の非可逆回路素子の一例を図15に示
す。この従来例は特開平11−205011号公報に示
されたアイソレータである。このものは、下ケース92
の上に箱形の樹脂ケース96を配置し、この樹脂ケース
96に形成された凹部100に、ガーネット12上に3
つの中心導体11a〜11cを電気的絶縁状態を保って
重ねて構成した中心導体部4と、整合用のコンデンサを
構成する3つの平板コンデンサ94a〜94cと、チッ
プ抵抗95とをそれぞれ配置する。樹脂ケース96の凹
部100は、樹脂の仕切り101によってそれぞれ形成
されており、これにより各部品は位置決めされる。ま
た、凹部100の底部には中心導体部4及びコンデンサ
94a〜94cを接続し、アースに導通するためのアー
ス電極102(斜線で示す)が形成されている。各中心
導体11a〜11cの一端はコンデンサ94a〜94c
の電極に接続され、他端は樹脂ケース96のアース電極
102に接続される。また、平板コンデンサ94a〜9
4cの対向する2つの電極のうち、一方は中心導体11
a〜11cに接続され、もう一方はアース電極102に
接続される。平板コンデンサ94cには抵抗95が電気
的に並列に接続される。また、中心導体部4に直流磁界
を印加するための永久磁石93が上ケース91内に配置
され、この上ケース91と下ケース92を接合させて、
アイソレータが構成される。
【0004】この上ケース91と下ケース92は、銀で
表面をメッキした鉄を主体とする磁性体(例えばSPC
C:冷間圧延鋼鈑)であり、磁性ヨークとして働き、ガ
ーネット12と中心導体11a〜11cからなる中心導
体部4に永久磁石93の磁力を印加する磁気回路を構成
している。樹脂ケース96のアース電極102を構成す
る導体板は、曲げ加工によって樹脂ケースの下面及び側
面に露出し、アース端子97b、97cをも一体的に構
成しており、導体板の露出部分は主に銀メッキされる。
また樹脂ケース96の下面には、入出力端子97aとア
ース端子97b、97cが設けられている。尚、図示し
ていないが対向面にも同様に入出力端子97aとアース
端子97b、97cが設けられている。従って、2つの
中心導体11a、11bの一端はそれぞれ平板コンデン
サ94a、94bを介して入出力端子97aに接続さ
れ、他端はアース電極102を介してアース端子97
b、97cに接続されている。他の1つの中心導体11
cはコンデンサ94cと抵抗95を介してアース電極1
02に接続され、終端される。
【0005】従来の非可逆回路素子のもう一つの例を図
16に示す。この従来例は特開平9−55607号公報
に示されたアイソレータである。このものは、整合用の
コンデンサが積層基板105の内部に形成されており、
下ケース92上に積層基板105を配置し、積層基板中
央部に形成された開口部110の中にガーネット12と
3つの中心導体11a〜11cからなる中心導体部4を
挿入し、中心導体11a〜11cの一端はそれぞれ積層
基板105の上面に印刷形成されたコンデンサ106a
〜106cに接続される。また1つの中心導体11cが
接続するコンデンサ106cには、抵抗107が電気的
に並列に接続される。そして、3つの中心導体11a〜
11cの他端は、アース板を介さず下ケース92に直接
接続されている。また、中心導体部4に直流磁界を印加
するための永久磁石93が上ケース91内に配置され、
この上ケース91と下ケース92を接合させて、アイソ
レータが構成される。
【0006】この積層基板105には、整合用の3つの
コンデンサが単層、あるいは複数の層に形成されてお
り、各電極の接続は積層基板内部のビア電極、あるいは
本例のように積層基板側面に印刷形成した入出力端子1
08a、アース端子108b、108cの外部端子によ
って行われる。積層基板105の下面左右端の凸部分1
12に入出力端子及びアース端子(図示せず)、更に凹
部分114には下ケース接続用電極(図示せず)が設け
られており、アース端子と下ケース接続用電極は導通し
ている。中心導体11a〜11cの他端、すなわち下ケ
ース92と接続される側は、下ケース92、積層基板1
05の下ケース接続用電極及びアース端子108b、1
08cを介して基板のアースに導通される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】携帯電話などのマイク
ロ波通信機器の市場は近年すさまじい勢いで拡大し、携
帯電話端末の小型化もまた急速に進行している。携帯電
話端末の小型化に伴い、アイソレータなどの部品に対し
ても小型化の要求が非常に強く、特にアイソレータは小
型でかつ低損失であることが常に重要視される。前者の
従来例では、アイソレータをさらに小型化する場合、ガ
ーネット12、平板コンデンサ94a〜94cなどの構
成部品を小さくすることが必要である。コンデンサの容
量は、 C=ε・ε・S/d……………(1) と表される。ここで、Cはコンデンサの容量、εは誘
電体の比誘電率、εは真空の誘電率、Sは電極の面
積、dは電極間の誘電体の厚さを表す。(1)式より整
合用のコンデンサの小型化により電極の面積Sが小さく
なった場合に同じ容量を確保するためには、比誘電率ε
の大きい誘電体を使用するか、電極間の誘電体の厚さ
dを小さくしなければならない。しかし、比誘電率の大
きい誘電体材料は一般に誘電損失も大きい傾向があり、
コンデンサの損失特性が劣化し、それによってアイソレ
ータの損失が増大するという問題がある。
【0008】他方、電極間の誘電体の厚さを小さくする
と、製造工程中のハンドリングが困難となり、コンデン
サの欠け、割れなどによる歩留まりの低下の原因にな
る。また、ガーネットの直径を小さくした場合、中心導
体とガーネットで構成される中心導体部のインダクタン
スが小さくなるため、同じ動作周波数とするためにはコ
ンデンサの容量を大きくしなければならす、上述したコ
ンデンサの小型化と同じ問題が起こる。また、ガーネッ
トの厚さを大きくすることにより中心導体部のインダク
タンスを大きくすることができるが、アイソレータの薄
型化の障害となるため好ましくない。更に、コンデンサ
やガーネットなどの構成部品の小型化に伴い箱形の樹脂
ケースの構造は複雑化し、樹脂ケースの製造が困難にな
ることも問題である。
【0009】一方、後者のアイソレータでは、整合用の
コンデンサを積層基板105の内部に形成する構造であ
るため、積層基板105の複数の層にコンデンサを形成
することにより容量の確保が容易に出来るようになると
思われる。またこれによると、容量を減らすことなくコ
ンデンサの電極面積を小さくすることが可能となるた
め、積層基板105を小型化することができると推測さ
れる。
【0010】しかし、上記のアイソレータでは開口部1
10を有する積層基板105を用いるため、ガーネット
12と中心導体11a〜11cからなる中心導体部4
は、中心導体11a〜11cの他端が下ケース92に直
接半田付けされる。また、積層基板105は、積層基板
下面の凹部114に設けた下ケース接続用電極部(図示
せず)が下ケース92に半田付けされる。他方、積層基
板下面の下ケース接続用電極はアース端子108b、1
08cと導通しており、これによって、中心導体11a
〜11cの他端は、下ケース92及び積層基板下面の下
ケース接続用電極を介してアースに接続される。ここ
で、アイソレータ等のマイクロ波域で動作する部品で
は、内部回路を損失無くアースに導通させることが重要
である。上記のアイソレータの場合、中心導体部を損失
無くアースに導通させるためには、下ケース92及び積
層基板下面の下ケース接続用電極部分において損失が極
力発生しないことが必要である。高周波信号の伝送で損
失の発生を抑えるためには、ケースを銀や銅などの良導
電材料を用いるか、メッキ又は電極を厚く、例えば30
μm以上とするなどして、電気抵抗を抑えることが行わ
れる。しかしながら、下ケース92は磁気ヨークを構成
しているため鉄を主材料とし導電性は比較的低い。ま
た、表面の銀メッキ厚を30μm以上とするとケースの
値段は倍以上となるため、コストの問題が大きく好まし
くない。さらに、めっきが厚すぎるとメッキ膜の内部応
力でひび割れが発生しやすく信頼性を損なうという問題
もある。また、例えば銀ではなく金を用いると、鉛と錫
系のハンダで接続するとき、ハンダ成分と金の合金形成
における金の比率が多くなり機械的に脆い金属間化合物
を形成し信頼性の点で好ましくない。結局、中心導体を
下ケースに直接半田付けする構造では、低損失のアイソ
レータを得ることは非常に困難である。
【0011】また、積層基板下面の凹部114に形成す
る下ケース接続用電極は、誘電体材料(セラミックス)
と電極材料(銀など)との熱膨張率、焼結収縮率、焼結
収縮速度などの材料特性の違いにより、電極膜厚を大き
くすると焼成過程において積層基板に変形が発生してし
まうなどの問題が起こるため、電極膜厚を十分に大きく
することができない。そのため、積層基板に直接形成し
た下ケース接続用電極では電気伝導性が低下し、中心導
体を損失なくアースに導通することが困難である。よっ
て、上記のアイソレータの構造では損失の増大が避けら
れない。
【0012】また、上記のアイソレータでは、積層基板
105の底面又は側面に外部端子108a〜108cを
一体的に形成し、実装基板上の外部回路と接続するよう
になっている。このように、積層基板に外部端子を設け
ることは、図15のアイソレータのように外部端子を樹
脂ケースに形成する場合に比べて部品点数を削減できる
ため優れているかのように見える。しかしながら、積層
基板に形成された外部端子において外部回路との接続が
保たれている場合、外部回路を形成する実装基板が何ら
かの外的要因(例えば携帯端末の落下など)により変形
した時に、その変形によりアイソレータにかかる応力が
外部端子部分に集中するため積層基板が破損し易くな
り、アイソレータそのものが破壊されやすくなるという
問題を含んでいる。また、特に外部端子の平面度がばら
つくと特性検査の時に検査基板への設置が正確に行われ
ず測定結果にばらつきを生じる等、積層基板に直接外部
端子を設けることは、アイソレータの信頼性を低下させ
る原因となることがある。
【0013】更に、上記のアイソレータでは、積層基板
105に外部端子108a〜108cを形成するために
積層基板の両端部に凸部112を設けなければならな
い。積層基板の製造工程において、このように段差を一
体形成する場合、グリーンシートを平面方向に均一に圧
着することができなくなり、凸部分と凹部分において圧
着後の密度に差が生じる。この圧着密度の差によって凸
部分と凹部分の焼成時の収縮率に差が生じるため、焼成
後の積層基板は反って変形する。積層基板に変形が存在
すると、外部端子の平面度が低下し、実装基板上の外部
回路との接触不良が発生する原因となる。積層基板の変
形をなくす方法として、焼成時に上下方向より荷重をか
けることによって、平面方向への変形を抑制することが
できるが、このために焼成工程が複雑化し、コスト上昇
の原因となるため好ましくない。
【0014】以上のことから、本発明は上記した問題を
解消することを目的とするもので、整合用のコンデンサ
として積層素体を用いつつ、この積層素体を複合体ベー
スに設けた導体板の上面に載置し、積層素体の内部回路
と基板回路との接続は複合体ベースに設けた外部端子を
用いる構造とすることにより、小型、低損失で、かつ信
頼性が高く製造しやすい非可逆回路素子となし、さらに
これを用いた無線通信機器を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いに電気的
絶縁状態でかつ所定角度で重ねられた複数の中心導体
と、該中心導体と密接または近接して配置される磁性体
と、整合用のコンデンサと、該中心導体及び磁性体に直
流磁界を印加するように配置された永久磁石とを有し、
これらを磁性ヨークを兼ねる金属ケース内に収納してな
る非可逆回路素子において、少なくとも前記整合用のコ
ンデンサは底面が実質的に平坦な積層素体で構成し、該
積層素体を絶縁部材と導体板とからなる複合体ベースの
略平面上に配置する非可逆回路素子である。
【0016】先ず、このような構成によれば、整合用の
コンデンサを積層素体の内部に単層あるいは複数の層に
形成するため、層数を適宜設定することによって所定の
容量値が得られる。このため、平面領域において電極面
積を増大させることなく容量値を増加させることができ
る。よって、層数を増加することにより、容量値を変化
させることなく平面領域における電極面積を縮小できる
ため、コンデンサを形成する積層素体を小型化すること
ができ、アイソレータの小型化が可能となる。更に、積
層素体を構成する誘電体材料として、誘電率が小さい材
料を選択することが可能となるため、コンデンサの誘電
損失を減少させることができ、アイソレータの損失特性
を向上させることができる。さらに、複合体ベースの上
平面に積層素体の下面を直接載置して平面対平面の接触
構造をとることからグランドの接触面積をより広く確実
にとれる構造となっている。また、下ケースの上に複合
体ベースを載せ、さらにその上に積層素体を載せると言
うように順次、平面上に積み重ねる構造をとっているの
で各部品のハンドリングがし易く組み立てが容易であ
る。
【0017】また、本発明の複合体ベースは、前記中心
導体及び前記積層素体のコンデンサをアースに導通する
ためのアース電極と、前記中心導体及び前記積層素体の
コンデンサを入出力に導通するための端子電極とを複合
体ベースの同一平面上に有しており、前記アース電極と
導通するアース端子及び前記端子電極と導通する入出力
端子等の外部端子を前記複合体ベースの側面及び/又は
下面に設けたものである。このとき、積層素体は、その
コンデンサをアースに導通するためのアース用電極を下
面のほぼ全面に有し、このアース用電極を前記複合体ベ
ース側のアース電極の上面のほぼ全面に直接載置して電
気的に接続し、さらに前記複合体ベースのアース電極の
下面を金属製下ケースに直接載置して電気的に接続した
構造をとることが望ましい。
【0018】このような構成によって、積層素体の下面
は複合体ベースのアース電極(導体板)に直接ベタ置き
して半田接続され、さらにこの複合体ベースのアース電
極(導体板)下面は金属製の下ケースの上面に直接ベタ
置きして半田接続される。よって、広い接触面積を介し
て確実にアースされてグランドに落ちるので挿入損失が
低減し、アース電極及び端子電極の導通が損失なく良好
に行われる。また、二次,三次の高調波の減衰特性が良
好となり機械的な強度も向上する。このように積層素体
と樹脂ベース及び下ケースの接続をそれぞれ平面上にベ
タ置きして行うことは本発明の重要な特徴の一つであ
る。さらにアース電極と導通するアース端子及び端子電
極と導通する入出力端子等の外部端子についても前記導
体板を用いて一体的に複合体ベースの側面及び/又は下
面に形成しているので、さらに低損失に導くことが出来
る。また、ベース下面の平面度の精度が高く保てるの
で、検査基板また実装基板との接触不良を起こし難く特
性の安定した非可逆回路素子となる。
【0019】また、本発明の上記複合体ベースは、熱可
塑性樹脂と電気抵抗率が5.5×10−8Ω・m以下の
導体板を一体成形した樹脂ベースとして構成することが
望ましい。複合体ベースを構成する絶縁部材として合成
樹脂のほかにセラミックスや非導電性膜を被覆すること
等が考えられるが、製造上はポリエチレン、ポリプロピ
レン、PET等の熱可塑性樹脂で一体成形することが望
ましい。またさらに高強度、高耐熱を考慮するとシリカ
系のフィラーを含んだ液晶芳香族ポリマーやポリフェニ
レンサルファイド等の熱可塑性エンジニアリング樹脂を
用いて射出成形により樹脂と導体板を一体成形すること
が好ましい。また、導体板としては、SPCC等の鉄板
を用いても良いが、銅や銀あるいはそれらと同等である
電気抵抗率の低い板材が望ましく、具体的には電気抵抗
率が5.5×10−8Ω・m以下であるような良導電材
料あるいはこれらをめっきした金属板により構成され
る。尚、実装基板との半田喰われ性を考慮すると銅板が
好ましい。また、成形性なども考慮すると厚さは0.0
3〜0.15mmの板状の導電体であることが好まし
い。
【0020】このような構成によって、上記した挿入損
失の低減や高調波特性の向上がより顕著となる。また、
アイソレータの内部回路と外部回路との接続を樹脂ベー
スに設けられた外部端子によって行った場合、外部回路
を形成する実装基板が何らかの外的要因(例えば携帯端
末の落下など)により変形した時に、その変形によりア
イソレータにかかる応力は外部端子の導体板部分、及び
外部端子周辺の樹脂部分において吸収される。そのた
め、樹脂ベースを用いることにより、積層素体が応力に
よって破壊され、アイソレータが破損するという問題を
極力避けることができる。これにより、アイソレータの
信頼性を向上させることができる。
【0021】また本発明は、前記樹脂ベースにおいて、
前記端子電極と前記入出力端子のうち少なくとも1つと
が同一の導体板で一体的に形成されている非可逆回路素
子である。
【0022】このような構成により、樹脂ベースにおい
て端子電極と入出力端子との間に発生する電気抵抗成分
を非常に小さくすることができ、中心導体及びコンデン
サを外部回路に導通させる際の電気的損失を非常に小さ
く抑えることができる。このように、本構成によれば、
前記端子電極と前記入出力端子とが同一の導体板で一体
的に形成されるため、非可逆回路素子の低損失化ができ
る。
【0023】また本発明は、前記樹脂ベースにおいて、
前記アース電極と前記アース端子のうち少なくとも1つ
のアース端子とが同一の導体板で一体的に形成されてい
る非可逆回路素子である。
【0024】このような構成により、樹脂ベースにおい
てアース電極とアース端子との間に発生する電気抵抗成
分を非常に小さくすることができ、中心導体及びコンデ
ンサをアースに導通させる際の電気的損失を非常に小さ
く抑えることができる。上述した通りアイソレータ等の
マイクロ波域で動作する部品では、内部回路を損失無く
アースに導通させることが低損失化に対して非常に重要
である。本構成によれば、前記アース電極と前記アース
端子とが同一の導体板で一体的に形成されるため、非可
逆回路素子の低損失化が可能である。
【0025】また本発明は、前記樹脂ベースにおいて、
アース電極と端子電極とが同一平面内に導体板による接
続面を有する非可逆回路素子である。
【0026】このような構成によれば、積層素体の樹脂
ベースとの接続面側(誘電体基板の裏面)において、樹
脂ベース側の端子電極と接続する入出力用の電極と、樹
脂ベース側のアース電極と接続するアース用の電極とを
積層素体の同一平面内に形成することができる。これに
より、図16に示すような従来例に必要であった凸部1
12のような、積層素体に凹凸となる段差を形成する必
要がなくなるため、製造工程を複雑化することなく積層
素体の変形を避けることができる。
【0027】また、本発明の樹脂ベースは、前記積層素
体を配置する略平面上に積層素体の位置決め手段を有す
る非可逆回路素子である。位置決め手段は、例えば樹脂
ベースの外側面の外部端子を利用することなどが考えら
れる。
【0028】このような構成によれば、前記樹脂ベース
の略平面上への積層素体の積層作業や位置決め、固定が
容易となるため製造工程が簡略化でき、更に、樹脂ベー
スと積層素体との位置ずれによる不良が減少するため歩
留まりを向上させることができる。
【0029】また、本発明において中心導体は、複数枚
のセラミックグリーンシートを積層すると共に、グリー
ンシート間に中心電極を印刷形成した積層中心導体とす
ることができる。
【0030】このような構成によれば、コンデンサ部分
を構成する積層素体だけでなく中心導体部をも積層素体
となすことになるので、さらに小型化と簡素化ができ、
組み立て時の工数短縮にも寄与できる。また、より高い
寸法精度を得るために組み立て時の工数短縮をわずかに
犠牲にし、銅を主成分とする板材をエッチング工法で製
作した中心導体を予め焼結したマイクロ波磁性フェライ
ト材料に所定角度をおいて巻きつけた中心導体組み立て
体を用いて電気特性を安定化させることも有効な手段で
ある。
【0031】また、本発明において、前記積層素体及び
/又は積層中心導体の層間に形成した電極パターンをビ
ア電極及び/又は側面印刷電極で導通した構成とするこ
とができる。
【0032】このような構成によれば、ビア電極の場合
は工数を短縮して低コストで生産することが可能とな
る。しかし、その反面小型化の面で若干不利である。一
方の側面印刷電極の場合はより小型化できる点で優れて
いる。また、ビア電極と側面印刷電極を併用した場合
は、上記利点と欠点を併せ持つことになるが、導体の抵
抗を低く抑えより低損失にできる傾向にある。これらの
電極構造は目的に沿って設計段階で適宜考慮して選択す
ればよい。
【0033】また、本発明は、上記した非可逆回路素子
と、送信用回路及び受信用回路と、アンテナとを含んで
なる無線通信機器である。
【0034】
【発明の実施の形態】まず本発明では、小型で低損失で
あり、かつ信頼性の高い非可逆回路素子を提供するた
め、少なくとも整合用のコンデンサを積層素体で構成
し、素子の内部回路と実装基板上の外部回路との導通を
複合体ベース(以下、樹脂ベースを例にとって説明す
る。)に設けた外部端子によって行うようにし、積層素
体と樹脂ベース及び下ケースの接続を平面上に載置して
行うことを特徴としている。ここでの積層素体は、たと
えば積層チップのように、セラミックのグリーンシート
に電極材を印刷し、そのシートを積層、圧着した後、焼
成することによって得られる。積層素体内部の電極は、
セラミックとの同時焼成によって形成する。また、積層
素体の側面電極は、セラミックと同時焼成する方法と、
セラミックの焼成後に電極材を印刷し、焼付けする方法
のどちらによっても形成することができる。以下、本発
明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。尚、
本発明の実施例では非可逆回路素子としてアイソレータ
を例に示すが、1つのコンデンサを終端している抵抗を
用いない場合はサーキュレータを構成するものであり、
本発明はアイソレータに限定するものではない。
【0035】(実施例1)本発明の第1の実施例の分解
斜視図を図1に示す。このアイソレータは、樹脂ベース
6上に積層素体5、中心導体部4を配置し、更にその上
に中心導体部4に直流磁界を印加するための永久磁石3
を配置し、それらの上下から磁性ヨークを兼ねる金属ケ
ース1、2で囲むようにして構成される。中心導体部4
は、基本的には上述した従来技術と同様である。円板状
の接地用導体から放射状に3つの中心導体が突出した構
造の導体帯の上に、ガーネットなどの磁性体の円板を配
置し、円板の側面に沿って中心導体を折り曲げ、それぞ
れの中心導体は絶縁フィルムなどを間に挟むようにして
絶縁状態で120度間隔で重ねられ、中心導体部4が構
成される。中心導体部4は積層素体5の略中央部に設け
られた貫通孔10に挿入され、それぞれの中心導体11
a〜11cの一端は積層素体上面のコンデンサの電極1
3a〜13cに接続され、他端はガーネット12の下面
に位置する接地用導体を介して樹脂ベース6のアース電
極18(導体板)に接続される。
【0036】積層素体5は、図2に示すように、誘電体
セラミックグリーンシート21a〜21eにコンデンサ
を形成する電極パターン22a〜22c、23a〜23
c、24a〜23c及びグランド電極24を印刷し、2
2a、23a、24aで入力側コンデンサ容量を、22
b、23b、24bで出力側コンデンサ容量を、22
c、23c、24cでロード側コンデンサ容量をそれぞ
れ形成している。それらのシート21a〜21eを積
層、圧着した後焼成して形成される。積層素体内部の電
極は、セラミックとの同時焼成によって形成される。こ
の積層素体5において、ロード用電極22c、23c、
24cはビア電極26によって導通されている。異なる
層にまたがる電極の導通は、例えば22aと23a、2
4aとを導通する側面電極14aのように、セラミック
の焼成後に積層素体5の側面に電極材を印刷し、焼き付
ける方法によって形成した側面電極を利用している。
尚、これは、コンデンサ用電極22a、23a、24a
及び22b、23b、24bの導通をビア電極により行
っても良い。また、アース電極14b、14cも側面電
極で形成している。積層素体の略中央部の貫通孔10
は、あらかじめシート21a〜21eに孔25を開けて
おくことにより形成できるが、シートの積層、圧着後の
ブロックに孔を形成する方が好ましい。
【0037】積層素体5の上面には抵抗15が印刷、焼
き付け法により形成される。印刷抵抗の代わりにチップ
抵抗を用いることも可能であり、また、セラミックとの
同時焼成によって抵抗形成することも可能である。ま
た、図3に示すように、積層素体5の下面すなわち樹脂
ベース6のアース電極18(導体板)との接続面には、
樹脂ベース6の端子電極16a、16b(別体の導電
板)と接続する入出力用電極28a、28bを端部に形
成し、その廻りの素地の露出部を除いたほぼ全面に樹脂
ベース6のアース電極18と接続するアース用電極27
が形成されている。このアース用電極27は樹脂ベース
6のアース電極18(導体板)の上平面のほぼ全面に接
触するようにベタ置きで載せるようになっており、さら
にこのアース電極18の下面のほぼ全面は金属製下ケー
ス2の上にベタ置きで載せるようになっている。その
後、これらの接触部を半田リフローにより電気的に接続
している。
【0038】次に、樹脂ベース6の平面図及び側面図を
図4、5に、A−A’断面図を図6に、B−B’断面図
を図7に示す。図4〜図7において、斜線部分は導体板
により構成されていることを、白地部分は樹脂であるこ
とを示している。図5に示すように、樹脂ベース6の上
面すなわち積層素体5の下面との接続面側はアース電極
18(導体板)および樹脂部分19を含めて平面状に構
成され、しかも、アース電極18とアース端子17b、
17c、17e、17fとは同一の導体板18により構
成されている。また、アース電極18と端子電極16
a、16bは同一平面上に形成され、入力側の端子電極
16aと入力外部端子17aと、出力側の端子電極16
bと出力外部端子17dとは、それぞれ同一の導体板で
構成されている。即ち、本例の導体板は前記アース電極
18を構成する導体板と、入力側の端子電極16aと
入力外部端子17aを構成する導体板と、出力側の端
子電極16bと出力外部端子17dを構成する導体板
とを有しており、それぞれの導体板、、が同一平
面上に形成されるものである。そして、本例の導体板
は、0.1mm厚さの銅板を用い、射出成形によりこの
銅板と液晶芳香族ポリマー(商品名:スミカスーパー)
を一体成形して樹脂ベース6を別途製造したものであ
る。尚、銅板を用いることによって加工性、挿入損失低
減効果、さらに半田喰われ等の不良が生じない点で好ま
しい。
【0039】樹脂ベース6において、アース電極18と
アース端子17b、17c、17e、17fとが同一の
導体板で構成されるため、アース電極18とアース端子
17b、17c、17e、17fとの間での電気抵抗は
非常に小さい。このため積層素体5のアース用電極27
は低損失でアースに導通される。また、端子電極16
a、16bと入出力端子17a、17dとがそれぞれ同
一の導体板で構成されるため、端子電極16a、16b
と入出力端子17a、17dとの間での電気抵抗は非常
に小さい。このため積層素体5の入出力用電極28a、
28bは低損失で入出力に導通される。
【0040】外部回路との接続は樹脂ベース6に設けら
れた、入出力端子及びアース端子となる外部端子17a
〜17fによって行われる。これより、外部回路基板へ
の実装状態において、実装基板が何らかの外的要因によ
り変形した時に、その変形によりアイソレータにかかる
応力は樹脂ベース6に設けられた外部端子17a〜17
fの導体板及び導体板周辺の樹脂部分によって吸収され
るため、外部回路とアイソレータの接続が強固なものと
なるほか、アイソレータ自体破損しにくくなる。また、
上記外部端子を樹脂ベースに設けることにより、樹脂ベ
ース下面部分における端子の平面性が確保されるため実
装基板との接触不良を起こしにくい。
【0041】また、平板状の樹脂ベース上に積層素体5
や中心導体部4を順次乗せていく構造であるので組立時
のハンドリングや工程が容易で製造が簡単となる。ま
た、樹脂ベースと積層素体は矩形状でほぼ同一外形寸法
に形成されるので組み立て精度も比較的良いものであ
る。さらに、図8に示すように、樹脂ベース6の積層素
体5との接続面上に、例えば外部端子17aを延ばして
突出部20を設けることにより、積層素体5の位置決め
手段となる突起を形成することも可能である。この場
合、さらに製造組立が容易となる。このような構造は他
の部位に複数設けることができる。以上、本実施例によ
れば外形寸法が4mm×4mm×1.7mmの小型で低
損失のアイソレータを得ることが出来た。
【0042】(実施例2)本発明の第2の実施例を図9
に示す。本実施例もまたアイソレータを示したものであ
るが、実施例1とは中心導体部40の構成及び積層素体
50の構成が異なる。本実施例における中心導体部40
は、図10に示すように磁性体セラミックグリーンシー
ト43a〜43fに中心導体パターン44a〜44cを
印刷し、それらのシート43a〜43fを積層、圧着し
た後、焼成して形成され積層中心導体とした例である。
積層中心導体部40には、中心導体44a〜44cの一
端と積層素体50のコンデンサの電極51a〜51cと
を接続するためのコンデンサ接続用電極41a〜41
c、中心導体部40の下面に中心導体の他端をアースに
導通するための接地用導体45(図示せず)及び側面電
極42がセラミックとの同時焼成、もしくは焼成後のセ
ラミックへの印刷、焼き付け法により形成される。接地
用導体45は下面のほぼ全面に形成され樹脂ベース6の
アース電極18にベタ置きされて半田で電気的に接続さ
れる。また、本例の積層素体50のコンデンサの電極5
1a〜51cは、積層素体内部に形成されたビア電極を
用いて積層素体下面の入出力用電極及びアース用電極
(図示せず)に導通されるようになっている。
【0043】図のように中心導体部40が矩形状に形成
される場合、積層素体50の略中央部には中心導体部4
0に合わせて矩形状の貫通孔55が形成される。さら
に、貫通孔55の内側面には、コンデンサの電極51a
〜51cと中心導体部40のコンデンサ接続用電極41
a〜41cとを接続するための内側面電極52a、52
b、52cが形成される。内側面電極52a〜52cは
セラミックとの同時焼成、もしくは焼成後のセラミック
への印刷、焼き付け法によって形成される。コンデンサ
接続用電極41a〜41cと内側面電極52a〜52c
は、その電極部分をスルーホールを切り欠いて、いわゆ
るサイドスルーホールにより形成し半田付けすることも
できる。中心導体部40の形状と、積層素体50の中央
部の貫通孔55の形状を一致させることにより、中心導
体部40と積層素体50の位置決め、接続が容易に行わ
れる。その他樹脂ベース等の構成は実施例1と同様であ
るのでここでの説明は省略する。
【0044】(実施例3)本発明の第3の実施例を図1
1に示す。実施例2では中心導体を磁性体内部に形成し
た中心導体部40とコンデンサを素体内部に形成した積
層素体50とを組み合わせる構成であったが、図11
(a)のように中心導体67をも積層素体60の表面及
び内部に形成してしまい、樹脂ベース70と積層素体6
0との間に磁性体62を配置する構成である。この場合
に磁性体62の厚さ分だけ積層素体60の下面に段差を
設けることにより積層素体60と樹脂ベース70との接
続を行うことができる。しかし、先にも述べたように積
層素体に段差を形成することは積層素体の変形の原因と
なる。そのため、本実施例では図11(b)に示すよう
に、積層素体60は平面構造とし、樹脂ベース70側の
樹脂部分79の端子電極76a及びアース電極(図示せ
ず)等の外枠の高さを磁性体62の厚さ分だけ高く設定
することにより、アース電極78と積層素体60の間に
磁性体62を介在させ積層素体60と樹脂ベース70と
の接続を行う構造の方が好ましい。
【0045】(実施例4)本発明の第4の実施例を図1
2に示す。図12において上ケース1、永久磁石3、中
心導体部4、積層素体5および外部端子等は実施例1と
同じ構成であり同じ符号で示している。この例は実施例
1に示した樹脂ベース6と下ケース2を一体成形した例
であると言える。つまり、この樹脂ベース7は、アース
電極となる部分と外部端子となる部分及び下ケースの立
ち上がり部分70とを予め打ち抜き、曲げ成形し導体板
71となし、この導体板71と、さらに端子電極16a
と入力外部端子17aを構成する導体板72及び端子電
極16bと出力外部端子17d(図示せず)とを構成す
る導体板73を成形金型内に配置しに対し上述の樹脂1
9を射出成形して、これらの導体板が同一平面を形成す
るように一体成形したものである。よって、この樹脂ベ
ース7によれば2つの部品が一つにまとめられているの
でそれだけ部品点数が減り組立工程も短縮されるなどの
効果がある。但し、磁気回路を構成する必要から導体板
71を含む下ケースとしては、飽和磁束密度が0.6T
(テスラ)以上の磁束密度の高い金属と電気抵抗率が
5.5×10−8Ω・m以下の電気伝導度の高い金属を
クラッドして一体化した積層材を用いることが望まし
い。より好ましくは、例えば鉄系金属(SPCC)、4
2合金、Fe―Co合金等から選ばれる飽和磁束密度が
2.0T以上の高い金属材料と、銅、無酸素銅、黄銅、
リン青銅等から選ばれる電気抵抗率が3.0×10−8
Ω・m以下の電気伝導度の高い金属材料とをクラッドし
て一体化したものである。この実施例ではSPCCと銅
のクラッド材を用いており、積層素体が載る表面側を銅
材料として導体板の作用をなし、外側をSPCC材の面
として磁気ヨークの作用をなし、これによって低損失と
磁気回路を同時に構成できている。また、他の例として
は別々に製造した下ケース(鉄系金属板等)と導体板
(銅板等)を、下ケースの上に個々導体板を直接半田付
けなどして一体となし、これに樹脂を射出成形して下ケ
ースと一体になった樹脂ベースを成形することも出来
る。
【0046】(実施例5)本発明の第5の実施例を図1
3に示す。この例は図2に示した積層素体の別の実施例
で、同じ構成については同一符号を付している。つま
り、図2の例ではロード電極22cについてのみビア電
極26を用いて接続していたが、本例では入力側のコン
デンサ電極22a〜24a、出力側のコンデンサ電極2
2b〜24b、ロード電極22c〜24c及びアース用
電極22d〜24d、22e〜24e、23f、24
f、23g、24gの全てをそれぞれのビア電極26に
よって接続するようにしたものである。このようにすれ
ば側面電極に比べ製造工程が簡略され、かつタクト短縮
となるので低コスト化が出来る。尚、電極パターンの接
続は、ビア電極、側面電極及びサイドスルーホールによ
る側面電極などの手段があるのでこれらの特色を適宜考
慮して選択すれば良い。
【0047】次に、上記した本発明のアイソレータを用
いた無線通信機器について図14を用いて説明する。図
14は携帯電話機の場合の概略ブロック図であるが、本
実施例の無線通信機器8は、アンテナ80と、送信用フ
ィルタおよび受信用フィルタからなるデュプレクサ81
と、デュプレクサ81の送信用フィルタ側の入出力手段
に接続される送信用回路82と、デュプレクサ81の受
信用フィルタ側の入出力手段に接続される受信用回路8
3とから構成されている。送信用回路82の概略は、送
信側からフィルタ、ミキサ、パワーアンプがあり、送信
信号はパワーアンプにより増幅され、本発明のアイソレ
ータを経由した後、デュプレクサ81の送信用フィルタ
を通してアンテナ80から発信される。また、受信信号
はアンテナ80からデュプレクサ81の受信用フィルタ
を通して受信用回路83に与えられ、受信用回路83に
おけるローノイズアンプで増幅されフィルタを通過した
後、ミキサで電圧制御発信機VCOからスプリッターで分
配された局発信信号と混合されて中間周波数に変換され
る。
【0048】このような無線通信機器の構成は一例であ
るが、本発明の小型アイソレータを用いていることか
ら、樹脂ベースの外部端子と実装基板との平面度が良く
て接触不良がなく、また半田喰われが生じないので半田
付けの作業性と信頼性が極めて高くなる。また、実装基
板も小さくなり総じて小型軽量化された無線通信機器を
提供できる。また、例えば人間の顔の高さから床面に携
帯電話などの無線通信機器を落下したときでも樹脂ベー
スの働きによりアイソレータ部分の破損が生じない。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、整合容
量を積層素体で形成するために小型化が容易であるとと
もに、積層素体の入出力用端子及びアース用端子と接続
する端子電極及びアース電極を同一平面上に有し、さら
に素子の内部回路と外部回路とを接続するための外部端
子を一体的に有する複合体ベース(樹脂ベース)を用い
ることにより、小型、低損失で信頼性が高く、製造も容
易な非可逆回路素子を提供することができる。また、こ
の非可逆回路素子を用いることにより小型高性能の無線
通信機器を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の非可逆回路素子を示す
分解斜視図である。
【図2】第1の実施例の積層素体の構成を示す分解斜視
図である。
【図3】図2の積層素体の底面図である。
【図4】本発明の樹脂ベースの平面図である。
【図5】図4の樹脂ベースの側面図である。
【図6】図4の樹脂ベースのA−A’断面図である。
【図7】図4の樹脂ベースのB−B’断面図である。
【図8】本発明の一実施例の樹脂ベースと外部回路との
接続部を示す拡大図である。
【図9】本発明の第2の実施例の非可逆回路素子の構成
を示す分解斜視図である。
【図10】第2の実施例の中心導体部の構成を示す分解
斜視図である。
【図11】第3の実施例を示し(a)は積層素体を、
(b)は樹脂ベースと積層素体の接続部を示す側面一部
断面図である。
【図12】第4の実施例を示し樹脂ベースと下ケースを
一体的に構成した別の樹脂ベースを用いた非可逆回路素
子の斜視図である。
【図13】第5の実施例を示し積層素体の他の例を示す
分解斜視図である。
【図14】無線通信機器の一例を示すブロック図であ
る。
【図15】従来例の非可逆回路素子の構成を示す分解斜
視図である。
【図16】他の従来例の非可逆回路素子の構成を示す分
解斜視図である。
【符号の説明】
1、91…金属製上ケース 2,92…金属製下ケース 3.93…フェライト磁石 4…中心導体部 5、50、60…積層素体 6…樹脂ベース 8…無線通信機器 10、25、55、102、110…貫通孔 11a、11b、11c…中心導体 13a、13b、13c…コンデンサ電極 14a、14b、14c…入出力端子、アース端子等の
外部端子 12…ガーネット 13、61…内部電極 15…印刷抵抗 16a、16b…端子電極 17a、17b、17c…入出力端子、アース端子等の
外部端子 18、18’…アース電極(導体板) 19…樹脂部 20…位置決め突出部 21a、21b、21c、21d、21e…セラミック
グリーンシート 22a、22b、22c、23a、23b、23c…電
極パターン 26…ビア電極 27…アース用電極 28a、28b…入出力用電極 40…中心導体部 42…側面電極 41a、41b、41c…コンデンサ接続用電極 43a、43b、43c、43d、43e、43f…磁
性体セラミックグリーンシート 44a、44b、44c…中心導体パターン 51a、51b、51c…コンデンサ電極 52a、52b、52c…内側面電極 61、13…内部電極 62…ガーネット 70…樹脂ベース 76a…端子電極 77a…入出力端子等の外部端子 78…アース電極(導体板) 79…樹脂部 80…アンテナ 81…デュプレクサ 82…送信用回路 83…受信用回路
フロントページの続き (72)発明者 市川 耕司 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地日立金属株式 会社先端エレクトロニクス研究所内 (72)発明者 伊藤 博之 鳥取県鳥取市南栄町70番地2号日立金属株 式会社鳥取工場内 Fターム(参考) 5J013 EA01 FA07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに電気的絶縁状態でかつ所定角度で
    重ねられた複数の中心導体と、該中心導体と密接または
    近接して配置される磁性体と、整合用のコンデンサと、
    前記中心導体及び磁性体に直流磁界を印加するように配
    置された永久磁石とを有し、これらを磁性ヨークを兼ね
    る金属ケース内に収納してなる非可逆回路素子におい
    て、少なくとも前記整合用のコンデンサは底面が実質的
    に平坦な積層素体で構成し、該積層素体を絶縁部材と導
    体板とからなる複合体ベースの略平面上に配置すること
    を特徴とする非可逆回路素子。
  2. 【請求項2】 前記複合体ベースは、前記中心導体及び
    前記積層素体のコンデンサをアースに導通するためのア
    ース電極と、前記中心導体及び前記積層素体のコンデン
    サを入出力に導通するための端子電極とを複合体ベース
    の同一平面上に有しており、前記アース電極と導通する
    アース端子及び前記端子電極と導通する入出力端子等の
    外部端子を前記複合体ベースの側面及び/又は下面に設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素
    子。
  3. 【請求項3】 前記積層素体は、前記コンデンサをアー
    スに導通するためのアース用電極を下面のほぼ全面に有
    し、このアース用電極を前記複合体ベース側のアース電
    極の上面のほぼ全面に直接載置して電気的に接続する、
    と共に当該複合体ベースのアース電極の下面を前記金属
    ケースに直接載置して電気的に接続したことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の非可逆回路素子。
  4. 【請求項4】 前記複合体ベースは、熱可塑性樹脂と電
    気抵抗率が5.5×10−8Ω・m以下の導体板とを一
    体成形した樹脂ベースであることを特徴とする請求項1
    乃至3の何れかに記載の非可逆回路素子。
  5. 【請求項5】 前記樹脂ベースは、前記端子電極と前記
    入出力端子のうち少なくとも1つとが同一の導体板で一
    体的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載
    の非可逆回路素子。
  6. 【請求項6】 前記樹脂ベースは、前記アース電極と前
    記アース端子のうち少なくとも1つのアース端子とが同
    一の導体板で一体的に形成されていることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の非可逆回路素子。
  7. 【請求項7】 前記樹脂ベースは、前記アース電極と前
    記端子電極とが同一平面内に導体板による接続面を有す
    ることを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の非
    可逆回路素子。
  8. 【請求項8】 前記樹脂ベースには、前記積層素体を略
    平面上に配置するための位置決め手段を有することを特
    徴とする請求項4乃至7の何れかに記載の非可逆回路素
    子。
  9. 【請求項9】 前記中心導体は、複数枚のセラミックグ
    リーンシートを積層すると共に、グリーンシート間に中
    心電極を印刷形成してなる積層中心導体であることを特
    徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の非可逆回路素
    子。
  10. 【請求項10】 前記積層素体及び/又は積層中心導体
    の層間あるいは任意の層間に形成した電極パターンをビ
    ア電極及び/又は側面印刷電極で適宜導通したことを特
    徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の非可逆回路素
    子。
  11. 【請求項11】 前記中心導体は、前記磁性体の外面に
    沿って複数の中心導体を折り曲げ、当該中心導体の交差
    部に中心導体間を絶縁するように絶縁フィルムを配設し
    た中心導体部を用いたことを特徴とする請求項1乃至8
    の何れかに記載の非可逆回路素子。
  12. 【請求項12】 前記金属ケースのうち少なくとも下ヨ
    ークに飽和磁束密度が0.6T(テスラ)以上の磁束密
    度の高い金属と電気抵抗率が5.5×10 Ω・m以
    下の電気伝導度の高い金属をクラッドして一体化した積
    層材を用いることにより、下ヨークと導体板を兼用した
    ことを特徴とする請求項1記載の非可逆回路素子。
  13. 【請求項13】 前記請求項1乃至12の何れかに記載
    の非可逆回路素子と、送信用回路及び受信用回路と、ア
    ンテナとを含んでなることを特徴とする無線通信機器。
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