JP2001342569A - 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 - Google Patents

堆積膜形成装置および堆積膜形成方法

Info

Publication number
JP2001342569A
JP2001342569A JP2000167635A JP2000167635A JP2001342569A JP 2001342569 A JP2001342569 A JP 2001342569A JP 2000167635 A JP2000167635 A JP 2000167635A JP 2000167635 A JP2000167635 A JP 2000167635A JP 2001342569 A JP2001342569 A JP 2001342569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
substrate
gas introduction
region
discharge holes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000167635A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Matsuoka
秀彰 松岡
Yoshio Seki
好雄 瀬木
Hiroyuki Katagiri
宏之 片桐
Kazuhiko Takada
和彦 高田
Mitsuharu Hitsuishi
光治 櫃石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000167635A priority Critical patent/JP2001342569A/ja
Publication of JP2001342569A publication Critical patent/JP2001342569A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜厚および膜質が均一な堆積膜を定常的に形
成する。 【解決手段】 堆積膜形成装置は、内部の反応空間を真
空気密状態に保持可能な反応容器(不図示)と、反応空
間内に設置され、堆積膜が形成される円筒状基体202
を支持する基体ホルダーと、原料ガスを放出する複数の
ガス放出孔204が長手方向に配列されており、基体ホ
ルダーの周囲に設置された複数のガス導入管203と、
原料ガスを励起させる高周波エネルギーを反応空間内に
導入する高周波エネルギー導入手段(不図示)とを有す
る。ガス導入管203は、円筒状基体202よりも長く
形成され、基体202に対向する位置に円筒状基体20
2に対して平行に配置されている。ガス導入管203に
設けられたガス放出孔204のうち円筒状基体202に
正対する領域に設けられているガス放出孔204は、ガ
ス導入管203の長手方向に互いに等しい距離cをおい
て配列されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD法
により、基体上に機能性堆積膜、特に電子写真用感光
体、光起電力デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮
像デバイス、TFT等の半導体素子として好適に利用で
きる結晶質または非単結晶質半導体を連続的に形成する
堆積膜形成装置および方法に関する。特に、電子写真感
光体のような大面積の堆積膜を形成するための堆積膜形
成装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイス、電子写真用感光
体、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、光起電
力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素
子等に用いる素子部材として、アモルファスシリコン、
例えば水素および/またはハロゲン(例えばフッ素、塩
素等)で補償されたアモルファスシリコンのような非単
結晶質の堆積膜またはダイヤモンド薄膜のような結晶質
の堆積膜が提案され、その中のいくつかは実用に付され
ている。そして、こうした堆積膜は、プラズマCVD
法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマ
イクロ波によるグロー放電によってプラズマ分解し、ガ
ラス、石英、耐熱性合成樹脂フィルム、ステンレス鋼、
アルミニウム等からなる基体上に堆積膜を形成する方法
により形成され、そのための装置も各種提案されてい
る。
【0003】図1は、高周波プラズマCVD法による電
子写真用感光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図
である。
【0004】この装置は、大別すると、堆積装置19
1、原料ガス供給装置192、および堆積装置191中
の電極を兼ねる円筒状反応容器101内を減圧にするた
めの排気装置(不図示)から構成されている。円筒状反
応容器101内には円筒状の基体ホルダー106、加熱
用ヒーター107およびガス導入管108が設置されて
おり、円筒状反応容器101には高周波エネルギー導入
手段としてのRFプラズママッチングボックス111が
接続されている。
【0005】原料ガス供給装置192は、SiH4,G
eH4,H2,CH4,B26,PH3等の原料ガスを収容
した複数のボンベ131〜136と、ガスボンベバルブ
141〜146と、ガス流入バルブ151〜156およ
びガス流出バルブ161〜166と、マスフローコント
ローラー171〜176とから構成され、各原料ガスの
ボンベは補助バルブ116を有する配管を介して円筒状
反応容器101内のガス導入管108に接続されてい
る。
【0006】このように構成された堆積膜形成装置を用
いた堆積膜の形成は、例えば以下のように行なわれる。
【0007】まず、電極を兼ねる円筒状反応容器101
内に、鏡面加工を施した円筒状基体109を2本直列に
載置した円筒状基体ホルダー106にセットしてから設
置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により円
筒状反応容器101内を排気する。続いて、加熱用ヒー
ター107により円筒状基体109の温度を20℃〜4
50℃の所定の温度に制御する。
【0008】堆積膜形成用の原料ガスを円筒状反応容器
101内に流入させる際には、原料ガスのボンベ131
〜136および円筒状反応容器101のリークバルブ1
13が閉じていることを確認し、また、ガス流入バルブ
151〜156およびガス流出バルブ161〜166が
開いていることを確認して、まずメインバルブ114を
開いて円筒状反応容器101および原料ガス配管110
内を排気する。次に、真空計115の読みが約6.67
×10-4Pa(5×10-6Torr)になった時点で補
助バルブ116およびガス流出バルブ161〜166を
閉じる。その後、各流入バルブ141〜146を開き、
ガス圧力調整器181〜186により各ガス圧を19.
6×104Pa(2Kg/cm2)に調整する。次に、ガ
ス流入バルブ151〜156を徐々に開けて、各ガスを
マスフローコントローラー171〜176内に導入す
る。
【0009】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。
【0010】円筒状基体109が所定の温度になったと
ころで、ガス流出バルブ161〜166のうちの必要な
ものおよび補助バルブ116を徐々に開き、原料ガスボ
ンベ131〜136から所定のガスをガス導入管108
を介して円筒状反応容器101内に導入する。次に、マ
スフローコントローラー171〜176によって各原料
ガスが所定の流量になるように調整する。その際、円筒
状反応容器101内の圧力が1.33×102Pa(1
Torr)以下の所定の圧力になるように、真空計11
5を見ながらメインバルブ114の開口量を調整する。
【0011】円筒状反応容器101の内圧が安定したと
ころで、周波数13.56MHzの高周波電源(不図
示)を所望の電力に設定して、RFプラズママッチング
ボックス111を通じて電極を兼ねる円筒状反応容器1
06内に高周波エネルギ−としての高周波電力を導入
し、グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによ
って、円筒状反応容器101内に導入された原料ガスが
プラズマ分解され、円筒状基体ホルダー106に支持さ
れた円筒状基体109の表面上にシリコンを主成分とす
る堆積膜が形成される。
【0012】所望の膜厚の形成が行われた後、高周波電
力の導入を止め、流出バルブ161〜166を閉じて円
筒状反応容器101内へのガスの流入を止め、堆積膜の
形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層を形成することができ
る。
【0013】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブ161〜166はすべて閉じられてい
ることは言うまでもなく、また、それぞれのガスが、円
筒状反応容器101内およびガス流出バルブ161〜1
66から円筒状反応容器101に至る配管内に残留する
ことを防ぐために、ガス流出バルブ161〜166を閉
じ、補助バルブ116を開き、更にメインバルブ114
を全開にして系内を一旦高真空にすることで配管内を排
気する操作を、必要に応じて行う。
【0014】このようにして電子写真用感光体のような
大面積を有する堆積膜を形成する場合には、膜厚や膜質
の均一化が必要であり、そのための装置構成も各種提案
されている。
【0015】例えば、特開昭59−213439号公報
には、円筒状電極とガス導入手段とを兼用にし、該電極
の壁面にガス放出孔を配置することにより、原料ガスを
均一に放電空間内部に放出し、膜厚や膜質のばらつきを
改善する技術が開示されている。また、特開平3−44
477号公報では、同様のガス導入手段兼用の円筒状電
極において、電極壁面のガス放出孔の開口率を0.1〜
2.0%の範囲に設定することにより、画像欠陥の原因
となるパイル状突起を抑制する技術が開示されている。
【0016】一方、特開昭58−30125号公報に
は、円筒状電極とは独立したガス導入用ガス管を用いて
原料ガス導入を行い、該ガス管に設けたガス放出孔の断
面積と間隔とを円筒形支持体の長手方向で変化させ、原
料ガスを均一に放出することにより、膜厚および電子写
真用感光体として使用する場合の画像むらを改善する技
術が開示されている。
【0017】また、特開昭58−32413号公報に
は、ガス導入手段兼用の円筒状電極においても、ガス導
入用ガス管を使用した場合においても、ガス放出孔の向
きを原料ガスが一定方向に回転するように設定すること
により、膜厚の均一性を改善する技術が開示されてい
る。
【0018】また、特開昭63−479号公報には、ガ
ス導入管のガス放出孔と円筒状支持体との角度と、円筒
状電極の内径、円筒状支持体の内径との関係を規定する
ことにより、支持体を回転させなくても膜厚および膜質
の均一性を改善する技術が開示されている。
【0019】さらに、特開昭63−7373号公報に
は、ガス導入管を用い、ガス導入管の断面積、ガス放出
孔の断面積と数との関係を規定することにより、円筒形
支持体を回転させずに、形成される堆積膜の膜厚および
膜質を均一にする技術が開示されている。
【0020】これらの技術により電子写真用感光体の膜
厚や膜質の均一性が向上し、それに伴って歩留も向上し
てきた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置で作成された電子写真用感光体は、膜厚や膜質が均
一化され歩留の面で改善されてきたが、総合的な特性向
上を図る上でさらに改良される余地が存在するのが実状
である。特に、電子写真装置の高画質化、高速化、高耐
久化は急速に進んでおり、電子写真用感光体においては
電気的特性や光導電特性の更なる向上とともに、帯電
能、感度を維持しつつあらゆる環境下で大幅に性能を延
ばすことが求められている。
【0022】そして、電子写真装置の画像特性向上のた
めに電子写真装置内の光学露光装置、現像装置、転写装
置等の改良がなされた結果、電子写真用感光体において
も従来以上の画像特性の向上が求められるようになっ
た。
【0023】このような状況下においては、前述した従
来技術により、上記課題についてある程度の膜厚、膜質
の均一化が可能になってはきたが、更なる画像品質の向
上に関しては未だ充分とはいえない。特にアモルファス
シリコン系感光体の更なる高画質化への課題として、更
に、均一な膜を得ることと共に、微小な画像欠陥の発生
を抑制することが挙げられる。そのためには、反応空間
内のガス流の流量および流速の均一化を図ることが必要
である。また、成膜中に反応容器の壁面に付着したポリ
シラン等が基体の表面上に飛散すると、堆積膜が異常成
長して、画像上で微小な画像欠陥が発生してしまう。そ
のため、ポリシラン等の生成物が支持体へと飛散するこ
とを防止しなければならない。
【0024】本発明の目的は、上述のごとき従来の堆積
膜形成装置における諸問題を克服し上述の要求を満た
す、電子写真用感光体に使用する堆積膜形成装置および
方法を提供することにある。
【0025】すなわち、本発明の主たる目的は、反応容
器内のガス流を安定化することにより、膜厚および膜質
が均一な堆積膜を定常的に形成しかつ画像欠陥を激減し
得る堆積膜形成装置および方法を提供することにある。
【0026】本発明の他の目的は、形成される膜の諸物
性、成膜速度および再現性を向上させることで膜の生産
性を向上させ、量産化を行う場合にその歩留まりを飛躍
的に向上させることを可能にする堆積膜形成装置および
方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の本
発明の目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、基体
ホルダーに支持された基体と正対する領域にあるガス導
入管のガス放出孔を等間隔に分布させ、基体と正対しな
い領域にあるガス放出孔によって反応容器内の放電状態
およびガスバランスの制御を行うことで、堆積膜を安定
して作製することができることを知得するに至った。
【0028】基体ホルダーに支持された基体と正対する
領域にあるガス放出孔が等間隔に分布していないガス導
入管を使用した場合は、堆積膜は、母線方向での膜厚や
帯電能の特性が悪化傾向を示し、ガス放出孔が等間隔に
分布しているガス導入管を使用した場合は良化傾向を示
す。このような傾向の変化は、ガス放出孔の分布状態に
よって顕著に現われるので、ガスバランスに偏りが生じ
ることで放電の偏りが起こるために発生すると考えられ
る。このことから、基体と正対する領域にあるガス放出
孔は、ガスバランスの偏りが生じない均一な分布状態、
すなわち等間隔に配置することが好ましいということが
見い出された。
【0029】しかし、ガス導入管におけるガス放出孔の
分布を均一な状態にするだけでは、ガス導入管の根本側
(ガス流れの上流側)と端部(ガス流れの下流側)とで
はガス密度が異なってしまうために、反応容器内におけ
るガスバランスに偏りが生じてしまう。このことから、
基体と正対しない領域にあるガス放出孔の分布状態をガ
ス導入管の根本側と端部とで変化させ、反応容器内の長
手方向のガスバランスを制御することで、反応容器内の
ガスバランスを安定化させることが有効であることが分
かった。
【0030】また、反応容器とは独立して反応容器内に
設置されたガス導入管を使用した場合には、反応容器の
内壁にガス導入手段が設けられたものとは異なりガス放
出孔が反応容器の内壁面上に設けられていないため、壁
面のポリシランを浮遊させること無くガス導入を行うこ
とが可能となる。
【0031】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
のであり、本発明の堆積膜形成装置は、内部の反応空間
を真空気密状態に保持することが可能な反応容器と、前
記反応空間内に設置され、堆積膜が形成される基体を支
持する基体ホルダーと、前記反応空間内に前記堆積膜の
原料ガスを導入する複数のガス放出孔が長手方向に配列
されており、前記反応空間内の前記基体ホルダーの周囲
に設置された複数のガス導入管と、前記原料ガスを励起
させてグロー放電を発生させる高周波エネルギーを前記
反応空間内に導入する高周波エネルギー導入手段とを有
し、前記高周波エネルギーによってプラズマ分解された
前記原料ガスの成分を前記基体の表面上に堆積させるこ
とにより前記基体の表面上に前記堆積膜を形成する堆積
膜形成装置において、前記ガス導入管は、前記基体より
も長く形成され、前記基体に対向する位置に前記基体に
対して平行に配置されており、前記ガス導入管に設けら
れた前記ガス放出孔のうち前記基体に正対する領域に設
けられている前記ガス放出孔が前記ガス導入管の長手方
向に互いに等間隔に配列されていることを特徴とする。
【0032】これにより、基体と正対する領域に原料ガ
スをガスバランスの偏りを生じさせずに供給することが
可能となり、基体の表面上に形成される堆積膜に、母線
方向における膜厚むらや帯電性むらが生じることを防止
することが可能となる。
【0033】さらに、前記ガス導入管の前記基体に正対
する領域に設けられている前記ガス放出孔同士の間隔を
cとしたとき、前記ガス放出孔は間隔cが10mm≦c
≦100mmの範囲内となるように配列されている構成
とすることが好ましい。
【0034】さらには、前記間隔cが40mm≦c≦7
0mmの範囲内である構成とすることが好ましい。
【0035】また、前記ガス導入管の前記基体に正対し
ない領域のうち、前記ガス導入管内を流れる前記原料ガ
スの流れ方向に関して前記基体に正対する領域よりも上
流側の領域を第1の非正対領域とし、前記基体に正対す
る領域よりも下流側の領域を第2の非正対領域とした場
合に、前記ガス導入管が、前記第1の非正対領域におけ
る前記ガス放出孔の配列分布と、前記第2の非正対領域
における前記ガス放出孔の配列分布とが互いに異なるよ
うに構成されていることにより、反応空間内の長手方向
のガスバランスおよび放電バランスの安定化を図ること
が可能になる。これにより、膜厚むらや帯電性むらを防
止することに加えて帯電能の向上も図ることができるの
で、アモルファスシリコン系の感光体等に求められる高
画質化への対応が可能なより均一な膜質の堆積膜を形成
することが可能となる。
【0036】さらに、前記反応容器および前記基体が共
に円筒状に形成され、前記基体が前記反応容器内に前記
反応容器の中心軸と同心に配置されており、前記ガス導
入管には、前記ガス放出孔が前記ガス導入管の長手方向
に2列に配列されており、各列の前記ガス放出孔は、前
記反応容器の中心から前記ガス導入管の中心を通って延
びる軸線に対する、前記ガス導入管の中心から各列の前
記ガス放出孔へ向かう方向の各角度dが45°≦d≦9
0°の範囲内になるように、前記ガス導入管に配置され
ている構成としてもよい。
【0037】各列のガス放出孔の角度dが上記の範囲よ
りも小さいガス導入管を使用する場合には、ガス放出孔
から吹き出したガスが反応容器の内壁に吹き付けられる
ことになるため、反応容器の内壁に付着していたポリシ
ランが反応空間内に飛散し浮遊することが有りうる。こ
の場合には、得られる電子写真用感光体はこのポリシラ
ンのために欠陥が発生しやすくなる。一方、角度dが上
記範囲よりも大きいガス導入管を使用する場合には、ガ
ス放出孔から吹き出したガスが反応容器中心部に配置さ
れた基体ホルダー側に向けて吹き付けられることになる
ため、反応空間内のガスバランスに偏りが生じ、そして
そのために放電バランスに偏りが起こり、基体の周方向
において堆積膜の膜厚や帯電電位のむらが大きくなる。
角度dを上記の範囲内すなわち45°≦d≦90°の範
囲内とした場合には、反応空間内のガスバランスが安定
し、形成される堆積膜に、基体の周方向における膜厚や
帯電電位のむら等の欠陥が生じることを防止することが
可能となる。
【0038】さらに、前記角度dが70°≦d≦85°
の範囲内である構成とすることが好ましい。
【0039】また、本発明の堆積膜形成方法は、内部の
反応空間を真空気密状態に保持することが可能な反応容
器と、前記反応空間内に設置され、堆積膜が形成される
基体を支持する基体ホルダーと、前記反応空間内に前記
堆積膜の原料ガスを導入する複数のガス放出孔が長手方
向に配列されており、前記反応空間内の前記基体ホルダ
ーの周囲に設置された複数のガス導入管と、前記原料ガ
スを励起させてグロー放電を発生させる高周波エネルギ
ーを前記反応空間内に導入する高周波エネルギー導入手
段とを有する堆積膜形成装置を用いて、前記高周波エネ
ルギーによってプラズマ分解された前記原料ガスの成分
を前記基体の表面上に堆積させることにより前記基体の
表面上に前記堆積膜を形成する堆積膜形成方法におい
て、前記ガス導入管として、前記基体よりも長く形成さ
れているとともに、前記基体に対向する位置に前記基体
に対して平行に配置され、前記ガス放出孔のうち前記基
体に正対する領域に設けられている前記各ガス放出孔同
士が長手方向に互いに等間隔に配列されているガス導入
管を用いることを特徴とする。
【0040】上記本発明の堆積膜形成方法によれば、基
体と正対する領域に原料ガスをガスバランスの偏りを生
じさせずに供給することが可能となり、基体の表面上に
形成される堆積膜に、母線方向における膜厚むらや帯電
性むらが生じることを防止することが可能となる。
【0041】さらに、前記ガス導入管の前記基体に正対
する領域に設けられている前記ガス放出孔同士の間隔を
cとしたとき、前記ガス放出孔を間隔cが10mm≦c
≦100mmの範囲内となるように配列する構成とする
ことが好ましい。
【0042】さらには、前記間隔cを40mm≦c≦7
0mmの範囲内とする構成とすることが好ましい。
【0043】また、前記ガス導入管の前記基体に正対し
ない領域のうち、前記ガス導入管内を流れる前記原料ガ
スの流れ方向に関して前記基体に正対する領域よりも上
流側の領域を第1の非正対領域とし、前記基体に正対す
る領域よりも下流側の領域を第2の非正対領域とした場
合に、前記第1の非正対領域における前記ガス放出孔の
配列分布と、前記第2の非正対領域における前記ガス放
出孔の配列分布とを互いに異なるように構成することに
より、反応空間内の長手方向のガスバランスおよび放電
バランスの安定化を図ることが可能になる。これによ
り、膜厚むらや帯電性むらを防止することに加えて帯電
能の向上も図ることができるので、高画質化への対応が
可能なより均一な膜質の堆積膜を形成することが可能と
なる。
【0044】さらに、前記反応容器および前記基体を共
に円筒状に形成し、前記基体を前記反応容器内の中心に
前記反応容器と同心に配置し、前記ガス導入管には、前
記ガス放出孔を前記ガス導入管の長手方向に2列に配列
し、各列の前記ガス放出孔を、前記反応容器の中心から
前記ガス導入管の中心を通って延びる軸線に対する、前
記ガス導入管の中心から各列の前記ガス放出孔へ向かう
方向の各角度dが45°≦d≦90°の範囲内になるよ
うに、前記ガス導入管に配置する構成とすることによ
り、反応空間内のガスバランスが安定し、形成される堆
積膜に、基体の周方向における膜厚や帯電電位のむら等
の欠陥が生じることを防止することが可能となる。
【0045】さらに、前記角度dを70°≦d≦85°
の範囲内とする構成とすることが好ましい。
【0046】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0047】図2は、本発明の堆積膜形成装置の一実施
形態における反応容器を示す断面図である。
【0048】電極を兼ねる円筒状反応容器201は、上
壁、電極を兼ねる円筒状の周囲壁および底壁によって内
部の反応空間が気密になるように構成されている。円筒
状反応容器201内には、少なくともその一方の端部が
円筒状の基体ホルダー(不図示)に支持されている円筒
状基体202が、円筒状反応容器201の中心軸と同心
となるように配設されている。この円筒状基体202
が、電極としての円筒状反応容器201に対する対向電
極となる。
【0049】さらに、円筒状反応容器201内には、電
極としての円筒状反応容器201の周囲壁とその対向電
極としての円筒状基体202との両電極間に、複数のガ
ス導入管203が設けられている。これらのガス導入管
203は、円筒状基体202に対向する位置に、円筒状
基体202と平行に円筒状基体202の周囲に同心円状
に配置されている。各ガス導入管203の側壁には、図
3に示すように、複数個の原料ガス放出孔204が長手
方向に2列に並べられた状態に設けられている。
【0050】図4は、図2に示した反応容器におけるA
領域を拡大して示す図である。
【0051】ガス導入管203には、各列のガス放出孔
204が、円筒状反応容器201の中心(円筒状基体2
02の中心)から半径方向にガス導入管203の中心を
通って延びる軸線Xに対して、ガス導入管203の中心
周りの回転角度dが所定の範囲内で互いに対称となるよ
うに設けられている。本実施形態では、角度dは45°
≦d≦90°の範囲、好ましくは70°≦d≦85°の
範囲である。ガス導入管203の中心からガス放出孔2
04を通って円筒状反応容器201へ向かって延びる方
向が、ガス吹出し方向205となる。
【0052】図5は、図2に示した反応容器内に設置さ
れた基体とガス導入管との長さの関係およびガス導入管
に設けられたガス放出孔の間隔を示す図である。
【0053】図5に示すように、本実施形態の堆積膜形
成装置におけるガス導入管203の長さをa、堆積膜形
成装置の支持体に支持されたAl製円筒状基体202の
長さをbとしたとき、本実施形態はa>bの関係を有す
るように構成されている。すなわち、ガス導入管203
の方が円筒状基体202よりも長く形成されている。ま
た、ガス導入管203の、円筒状基体202と正対する
領域にあるガス放出孔同士の互いの間隔をcとしたと
き、ガス導入管203は間隔cが10mm≦c≦100
mmの範囲、好ましくは40mm≦c≦70mmの範囲
となるように構成されていることが好ましい。ここで、
「基体と正対する領域」とは、円筒状基体202の長手
方向に対して垂直な放射方向の空間領域をいうものとす
る。
【0054】なお、本実施形態の堆積膜形成装置のその
他の構成は、図1に示した堆積膜形成装置と同様である
ので、詳しい説明は省略する。また、本実施形態の堆積
膜形成装置においても、図1に示した堆積膜形成装置に
よる堆積膜形成方法と同様の手順によって堆積膜が形成
される。
【0055】本発明において使用される円筒状基体ホル
ダーの材料としては、導電性材料でも電気絶縁性材料で
あってもよい。円筒状基体ホルダーの導電性材料として
は、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、
Ti、Pt、Pd、Fe等の金属およびこれらの合金、
例えば、ステンレス鋼等が挙げられる。また、ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースア
セテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミック等の電気絶縁性材料からなる支
持体の、少なくとも光受容層(堆積膜)を形成する側の
表面を導電処理したものも用いることができる。
【0056】本発明において使用されるSi供給用の原
料ガスとなり得る物質としては、SiH4、Si26
Si38、Si410等のガス状態のまたはガス化し得
る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとし
て挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効
率の良さ等の点で、SiH4、Si26が好ましいもの
として挙げられる。そして、形成される堆積膜中に水素
原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御を一
層容易になるように図り、本発明の目的を達成する膜特
性を得るために、これらのガスに更にH2および/また
はHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望
量混合して層形成することが必要である。また、各ガス
は、単独種のみでなく所定の混合比で複数種を混合した
ものであっても差し支えない。
【0057】また、本発明において使用されるハロゲン
原子供給用の原料ガスとして有効なのは、例えば、ハロ
ゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状の
またはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。
【0058】また、更には、シリコン原子とハロゲン原
子とを構成要素とするガス状の、またはガス化し得るハ
ロゲン原子を含む水素化珪素化合物も、有効なものとし
て挙げることができる。
【0059】本発明において好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、具体的にはフッ素ガス(F2)、Br
F、CF、CF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7
のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原
子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換され
たシラン誘導体としては、具体的には、例えば、SiF
4、Si26等のフッ化珪素が好ましいものとして挙げ
ることができる。
【0060】堆積膜中に含有される水素原子および/ま
たはハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体の
温度、水素原子および/またはハロゲン原子を含有させ
るために使用される原料物質の、反応容器内へ導入する
量、放電電力等を制御すればよい。
【0061】本発明においては、堆積膜には必要に応じ
て伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。
伝導性を制御する原子は、堆積膜中に万遍なく均一に分
布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向に
は不均一な分布状態で含有されている部分があってもよ
い。
【0062】伝導性を制御する原子としては、半導体分
野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型
伝導特性を与える周期律表第b族に属する原子(以後
「第b族原子(p型)」と略記する)、またはn型伝導
特性を与える周期律表第b族に属する原子(以後「第b
族原子(n型)」と略記する)を用いることができる。
【0063】第b族原子(p型)としては、具体的に
は、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)、インジウム(In)、タリウム(T)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。第b族原子(n
型)としては、具体的にはリン(P)、ヒ素(As)、
アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特に
P、Asが好適である。
【0064】堆積膜に含有される伝導性を制御する原子
の含有量としては、好ましくは1×10-2〜1×104
原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×103
子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子ppm
とするのが望ましい。
【0065】伝導性を制御する原子、例えば、第b族原
子(p型)あるいは第b族原子(n型)を構造的に導入
するには、層形成の際に、第b族原子(p型)導入用の
原料物質あるいは第b族原子(n型)導入用の原料物質
を、ガス状態で反応容器中に堆積膜を形成するための他
のガスと共に導入してやればよい。第b族原子(p型)
導入用の原料物質あるいは第b族原子(n型)導入用の
原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状
の、または少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得
るものが採用されるのが望ましい。そのような第b族原
子(p型)導入用の原料物質として具体的には、ホウ素
原子導入用としては、B26、B410、B59、B5
11、B610、B612、B614等の水素化ホウ素、B
3、BC3、BBr3等のハロゲン化ホウ素等が挙げら
れる。この他、AlC3、GaC3、Ga(CH33、I
nC3、TC3等も挙げることができる。
【0066】第b族原子(n型)導入用の原料物質とし
て有効に使用されるのは、リン原子導入用としては、P
3、P24等の水素化リン、PH4I、PF3、PF5
PC 3、PC5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン
化リンが挙げられる。この他、AsH3、AsF3、As
3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、Sb
5、SbC3、SbC5、BiH3、BiC3、BiBr3
等も第b族原子(n型)導入用の出発物質の有効なもの
として挙げることができる。また、これらの伝導性を制
御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2および
/またはHeにより希釈して使用してもよい。
【0067】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する堆積膜を形成するには、Si供給用の原料ガスと希
釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧[Pa]、放電
電力[W]ならびに基体ホルダーの温度[℃]を適宜設
定することが必要である。希釈ガスとして使用するH2
および/またはHeの流量[ml/min(norma
l)]は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択され
るが、Si供給用の原料ガス流量[ml/min(no
rmal)]に対し、H2および/またはHeを通常の
場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適には5〜
10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0068】反応容器内のガス圧[Pa]も同様に層設
計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場
合133×10-4〜133×10Pa、好ましくは66
5×10-4〜665Pa、最適には133×10-3〜1
33Paとするのが好ましい。放電電力[W]もまた同
様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、
Si供給用の原料ガスの流量[ml/min(norm
al)]に対する放電電力[W]を、通常の場合0.1
〜7倍、好ましくは0.5〜6倍、最適には0.7〜5
倍の範囲に設定することが望ましい。
【0069】更に、基体ホルダーの温度[℃]は、層設
計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場
合200〜350℃とするのが望ましい。
【0070】本発明においては、堆積膜を形成するため
の基体ホルダーの温度[℃]、ガス圧[Pa]の望まし
い数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、これら
の条件は通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する電子写真用感光体を形成すべく
相互的かつ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが
望ましい。
【0071】ここで、以下に、上記に説明した本発明の
堆積膜形成装置の構成を決定するために行った実験例に
ついて説明する。ただし、本発明はこれらにより何等限
定されるものではない。
【0072】<第1の実験例>図1に示した構成の堆積
膜形成装置により、長さ358mm、外径φ108mm
の鏡面加工を施したAl製円筒状基体を2本直列に載置
した長さ1000mmのAl製円筒状基体ホルダーを用
い、図6に示すように、基体301上に電荷注入阻止層
302、光導電層303および表面層304からなる光
受容層を、表1に示す作製条件で形成した。
【0073】
【表1】
【0074】本実験例においては、ガス放出孔の孔径が
φ0.5mmであってガス放出孔が図7に示すように円
筒状反応容器の内壁に垂直に向かって設けられているガ
ス導入管を用いた。そして、円筒状の基体と正対する領
域にあるガス放出孔の分布位置を図8の402〜406
に示すように変化させたそれぞれの場合において、上記
の光受容層を形成した。
【0075】これに対し、第1の比較実験例として、円
筒状基体と正対する領域にあるガス放出孔の分布が図8
の401に示すように構成されたガス導入管を使用した
以外は第1の実験例と同様の装置および条件で、光受容
層を作製した。
【0076】上記により作製した電子写真感光体(光受
容層)について、軸方向の膜厚むら、帯電能むらおよび
欠陥の結果を後述する評価方法により評価した結果を、
表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】−評価方法− 『軸方向の膜厚むら』電子写真感光体の膜厚を基体の軸
方向に沿って測定し、膜厚の平均値からのばらつきによ
り以下のように4段階評価を行った。
【0079】 ◎・・・膜厚の平均値からのばらつきが5%以内 〇・・・膜厚の平均値からのばらつきが8%以内 △・・・膜厚の平均値からのばらつきが10%以内 ×・・・膜厚の平均値からのばらつきが10%を超える 『軸方向の帯電能むら』電子写真装置(キヤノン製NP
6150をテスト用に改造)に作製した電子写真用感光
体をセットし、基体体の軸方向に対応する方向での帯電
電位を測定した。帯電電位の平均電位からのばらつきに
より以下のように4段階評価を行った。
【0080】 ◎・・・帯電電位の平均値からのばらつきが5%以内 〇・・・帯電電位の平均値からのばらつきが8%以内 △・・・帯電電位の平均値からのばらつきが10%以内 ×・・・帯電電位の平均値からのばらつきが10%を超
える 『欠陥』光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で9cm2
範囲で電子写真感光体の表面を観察した。20μm以上
の欠陥個数により以下のように4段階評価を行った。
【0081】 ◎・・・20μm以上の欠陥が20個未満 〇・・・20μm以上の欠陥が20個未満 △・・・20μm以上の欠陥が30個未満 ×・・・20μm以上の欠陥が30個以上 『総合評価』軸方向の膜厚むら、軸方向の帯電能むら、
および欠陥の結果を総合した判定結果に対し、以下のよ
うに4段階評価を行った。
【0082】 ◎・・・特に良好 〇・・・良好 △・・・実用上問題無し ×・・・実用上問題あり 表2より明らかなように、Al製円筒状基体と正対する
領域にあるガス放出孔の分布位置が均一である図8の4
03に示すガス導入管を用いた場合が、軸方向の膜厚む
ら、帯電能むらについて良好な結果を示した。
【0083】<第2の実験例>第1の実験例で良好な結
果を示した図8の403に示すガス導入管のガス放出孔
間距離を表3に示すように変化させた以外は、第1の実
験例と同様の装置および条件で光受容層を作製した。こ
の光受容層を第1の実験例と同様の方法で評価した結果
を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】表3より明らかなように、ガス放出孔間距
離をcとした場合、距離cを10mm≦c≦100mm
の範囲にすることで、軸方向の膜厚むら、帯電能むらに
ついて良好な結果を示し、40mm≦c≦70mmの範
囲にすることで、膜厚むらが更に良好な結果を示すこと
が分かった。
【0086】<第3の実験例>Al製円筒状基体ホルダ
ーに支持されたAl製円筒状基体と正対する領域にある
孔径をφ0.5mmとしガス放出孔間距離cを50mm
で等間隔としたガス導入管を使用して、Al製円筒状基
体と正対しない領域にあるガス放出孔の分布を図9の5
01〜505に示すように変化させた以外は第1の実験
例と同様の装置および条件で、光受容層を作製した。こ
の光受容層を第1の実験例と同様の方法で評価した結果
を表4に示す。また、比較例として、第1の実験例で良
好な結果を示した図8の403に示すガス導入管の評価
結果も同じく表4に示す。
【0087】
【表4】
【0088】表4より明らかなように、ガス導入管20
3のAl製円筒状基体202に正対しない領域のうち、
ガス導入管203内を流れる原料ガスの流れ方向に関し
てAl製円筒状基体202に正対する領域よりも上流側
の領域を第1の非正対領域とし、Al製円筒状基体20
2に正対する領域よりも下流側の領域を第2の非正対領
域とした場合に、第1の非正対領域におけるガス放出孔
の配列分布と、第2の非正対領域におけるガス放出孔の
配列分布とが互いに異なるように構成することにより、
Al製円筒状基体の軸方向における膜厚むらだけでな
く、帯電能むらも良化させることができることが分かっ
た。しかし、欠陥については良好な結果を示さなかっ
た。
【0089】<第4の実験例>Al製円筒状基体と正対
する領域にある孔径がφ0.5mmであり、ガス放出孔
間距離cが50mmで等間隔である2列のガス放出孔列
が、図4に示す軸線に対する角度dが10°≦d≦90
°の範囲で互いに対称になるように変化して設けられた
ガス導入管を使用した以外は、第1の実験例と同様の装
置および条件で光受容層を作製した。この光受容層を第
1の実験例と同様の方法で評価した結果を表5に示す。
【0090】これに対し、第2の比較実験例として、A
l製円筒状基体と正対する領域にある孔径がφ0.5m
mでありガス放出孔間距離cが50mmで等間隔である
1列のガス放出孔が、図7に示すように反応容器の内壁
に垂直に向かって(角度dが0°で)設けられているガ
ス導入管を使用した以外は、第1の実験例と同様の装置
および条件で光受容層を作製した。この光受容層を第1
の実験例と同様の方法で評価を行した結果を同じく表5
に示す。
【0091】
【表5】
【0092】表5より明らかなように、ガス放出孔の角
度dを45°≦d≦90°の範囲にすることで、Al製
円筒状基体の軸方向における膜厚むらや帯電能むらだけ
でなく欠陥についても良好な結果を示し、70°≦d≦
85°の範囲にすることで、欠陥について更に良好な効
果を示すことが分かった。
【0093】<第5の実験例>Al製円筒状基体と正対
する領域にある孔径がφ0.5mmでありガス放出孔間
距離cが50mmで等間隔である2列のガス放出孔列
が、図3に示すように軸線に対する角度dが10°≦d
≦90°の範囲で互いに非対称になるように変化して設
けられたガス導入管を使用した以外は、第1の実験例と
同様の装置および条件で光受容層を作製した。この光受
容層を第1の実験例と同様の方法で評価した結果を表6
に示す。また、上記第2の比較例の評価結果も、同じく
表6に示す。
【0094】
【表6】
【0095】表6より明らかなように、ガス放出孔の角
度dを円筒状反応容器に向かう軸線に対して非対称にな
るように変化させた場合においても、ガス放出孔の角度
dを45°≦d≦90°の範囲にすることで、円筒状基
体の軸方向における膜厚むらや帯電能むらだけでなく欠
陥についても良好な結果を示し、70°≦d≦85°の
範囲にすることで、欠陥について更に良好な効果を示す
ことが分かった。
【0096】
【実施例】以下、本発明の堆積膜形成装置および方法に
ついて、実施例を示して更に詳しく説明する。ただし、
本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0097】[第1の実施例]本発明のプラズマCVD
法による堆積膜形成装置により、長さ358mm、外径
φ108mmの鏡面加工を施したAl製円筒状基体を2
本直列に載置したAl製円筒状基体ホルダーを用いて、
図6に示すように、基体301上に電荷注入阻止層30
2、光導電層303および表面層304からなる光受容
層を、表7に示す作製条件により形成した。
【0098】
【表7】
【0099】本実施例で用いたガス導入管は、Al製円
筒状基体ホルダーに支持されたAl製円筒状基体と正対
する領域にあるガス放出孔の孔径がφ0.5mmで、ガ
ス放出孔間距離が50mmで等間隔とされている2列の
ガス放出孔列が設けられている。各ガス放出孔列は、図
4に示す軸線に対する角度dが70°で互いに対称にな
るように配置されている。
【0100】これに対し、第1の比較例として、Al製
円筒状基体と正対する領域にあるガス放出孔の分布が図
8の401に示すように構成されたガス導入管を使用し
た以外は本実施例と同様の装置および条件で、光受容層
を作製した。
【0101】作製した電子写真感光体(光受容層)につ
いて、上記第1の実験例と同様の評価を行った。本実施
例および第1の比較例の、母線方向の膜厚むらの評価結
果を図10に、帯電能むらの評価結果を図11に示す。
また、母線方向の膜厚むら、帯電能むらおよび欠陥の評
価結果を表8に示す。
【0102】
【表8】
【0103】評価後、実験用にプロセススピードを20
0〜800mm/secの範囲で任意に変更し、帯電器
に6〜7kVの電圧を印加してコロナ帯電を行い、76
8nmのレーザー像露光にて電子写真感光体表面に潜像
を形成した後に、通常の複写プロセスにより転写紙上に
画像を作製できるように予め改造したキヤノン社製複写
機(NP6650)に感光体を入れて、画像性の評価を
以下の方法で行った。その評価結果を表9に示す。
【0104】
【表9】
【0105】[帯電能の評価]通常のプロセススピード
で同一の帯電電圧を与えたときに現像位置で得られる感
光体の表面電位を帯電能として相対値により評価する。
ただし、第1の比較例で得られた電子写真感光体の帯電
能を100%としている。 [感度の評価]通常のプロセススピードで同一の帯電電
圧を与えた後、光を照射し一定の電位に下がった時に得
られる光量を感度として相対値により評価する。ただ
し、比較例で得られた電子写真感光体の感度を100%
としている。 [画像むらの評価]A3方眼紙(コクヨ社製)を複写機
の原稿台に置き、複写機の絞りを変えることにより、原
稿の露光量を、グラフの線が辛うじて認められる程度か
ら白地の部分がかぶり始める程度迄の範囲の画像が得ら
れるように変え、濃度の異なる10枚のコピーを出力し
た。
【0106】これらの画像を目から40cm離して観察
し、濃度の違いが認められるか調べ以下の基準で評価を
行った。 ◎ … いずれのコピー上にも画像のむらは認められな
い。 〇 … 画像むらが認められるコピーと認められないコ
ピーがある。しかし、いずれも軽微でありまったく問題
無い。 △ … いずれのコピー上にも画像むらが認められる。
しかし少なくとも1枚のコピー上では画像むらが軽微で
あり実用上支障ない。 × … 全数のコピー上に大きな画像むらが認められ
る。 [白地かぶりの評価]白地に全面文字よりなる通常の原
稿を原稿台に置いてコピーしたときに得られた画像サン
プルを観察し、白地の部分のかぶりを評価した。
【0107】 ◎ … 良好。 〇 … 一部僅かにかぶりあり。 △ … 全面に渡りかぶりあるが文字の認識には全く支
障無し。 × … かぶりのため文字が読みにくい部分がある。 [すべり性の評価]ブレードに任意の荷重をかけて、ピ
エゾ素子を用い、ドラムの回転開始前後でのブレードが
ドラムに引っ張られる力(摩擦力)を検出する。荷重と
回転開始直前の“最大静止摩擦力”から「最大静止摩擦
係数」を、同様に定常回転中の“動摩擦力”から「動摩
擦係数」を算出した時に、第1の比較例で得られた値を
100%としたときの相対値で比較した。
【0108】表8,9および図10,11より明らかな
ように、Al製円筒状基体と正対する領域にあるガス放
出孔の間隔を均一にしたことで、軸方向での膜厚、電位
むらの防止効果を得ることができ、Al製円筒状基体と
正対しない領域にあるガス放出孔の配置位置により、電
極を兼ねた円筒状反応容器内の長手方向でのガスバラン
スを制御することが可能となった。その結果、長手方向
での成膜パラメーターのばらつきを押さえることができ
たことで、膜厚及び帯電能の均一性が改善されるばかり
ではなく、膜特性、画像特性、すべり性も向上するとい
う効果も得ることができた。
【0109】[第2の実施例]光導電層の支持体温度を
表10に示す条件に変更し、第1の実施例と同様のガス
導入管および堆積膜形成装置を使用して電子写真感光体
(光受容層)を形成した。
【0110】
【表10】
【0111】これに対して第1の実施例と同様の方法で
評価を行った結果を、表11および12に示す。
【0112】
【表11】
【0113】
【表12】
【0114】表11,12より明らかなように、良好な
効果が得られていることから、本実施例のように作製条
件が異なっても本発明は有効である。
【0115】[第3の実施例]光導電層の内圧を表13
に示す条件に変更し、第1の実施例と同様のガス導入管
および装置を使用して電子写真感光体(光受容層)を形
成した。
【0116】
【表13】
【0117】これに対し第1の実施例と同様の方法で評
価を行った結果を、表14および表15に示す。
【0118】
【表14】
【0119】
【表15】
【0120】表14,15より明らかなように、良好な
効果が得られていることから、本実施例のように作製条
件が異なる場合でも本発明は有効である。
【0121】[第4の実施例]光導電層の放電電力を表
16に示す条件に変更し、第1の実施例と同様のガス導
入管および装置を使用して電子写真感光体(光受容層)
を形成した。
【0122】
【表16】
【0123】これに対し第1の実施例と同様の方法で評
価を行った結果を、表17および表18に示す。
【0124】
【表17】
【0125】
【表18】
【0126】表17,18より明らかなように、良好な
効果が得られていることから、本実施例のように作製条
件が異なる場合でも本発明は有効である。
【0127】[第5の実施例]表19に示す条件にて、
第1の実施例と同様のガス導入管および装置を使用し
て、図12に示すように基体301上に電荷注入阻止層
302、第1の光導電層303a、第2の光導電層30
3bおよび表面層304からなる構成の電子写真感光体
(光受容層)を形成した。
【0128】
【表19】
【0129】これに対し第1の実施例と同様の方法で評
価を行った結果を、表20および表21に示す。
【0130】
【表20】
【0131】
【表21】
【0132】表20,21より明らかなように、良好な
効果が得られているので、本実施例のように作製される
感光体層構成が異なる場合でも本発明は有効である。
【0133】[第6の実施例]本発明の堆積膜形成装置
におけるRFプラズママッチングボックス(図1の符号
111を参照)をVHFプラズママッチングボックスに
交換した以外は第1の実施例と同様のガス導入管および
装置を使用して、表22に示す条件で電子写真感光体
(光受容層)を形成した。
【0134】
【表22】
【0135】これに対し、第2の比較例として、Al製
円筒状基体と正対する領域にあるガス放出孔の分布が図
8の401に示すように構成されたガス導入管を使用し
た以外は本実施例と同様の装置および条件で、電子写真
感光体(光受容層)を作製した。
【0136】これらに対し第1の実施例と同様の方法で
評価を行った結果を、表23および表24に示す。
【0137】
【表23】
【0138】
【表24】
【0139】表23,24より明らかなように、良好な
効果が得られているので、本実施例のように作製条件お
よび装置構成が異なる場合でも本発明は有効である。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ガス導
入管が基体よりも長く形成され、基体に対向する位置に
基体に対して平行に配置されており、ガス導入管に設け
られたガス放出孔のうち基体に正対する領域に設けられ
ているガス放出孔がガス導入管の長手方向に互いに等間
隔に配列されているので、基体上に形成される堆積膜
に、母線方向における膜厚むらや帯電性むらが生じるこ
とを防止することができ、堆積膜の生産性が向上し量産
化を行う場合の歩留まりを向上させることができる。
【0141】さらに、ガス導入管の基体に正対しない領
域のうち、ガス導入管内を流れる原料ガスの流れ方向に
関して基体に正対する領域よりも上流側の領域を第1の
非正対領域とし、基体に正対する領域よりも下流側の領
域を第2の非正対領域とした場合に、ガス導入管を、第
1の非正対領域におけるガス放出孔の配列分布と、第2
の非正対領域におけるガス放出孔の配列分布とが互いに
異なるように構成することにより、反応空間内の長手方
向のガスバランスおよび放電バランスの安定化が図ら
れ、膜厚むらや帯電性むらを防止することに加えて帯電
能の向上も図ることができるので、アモルファスシリコ
ン系の感光体等に求められる高画質化への対応が可能
な、より均一な膜質の堆積膜を形成することができる。
【0142】さらには、反応容器および基体を共に円筒
状に形成し、基体を反応容器内に反応容器の中心軸と同
心に配置し、ガス導入管にはガス放出孔をガス導入管の
長手方向に2列に配列し、各列のガス放出孔を、反応容
器の中心からガス導入管の中心を通って延びる軸線に対
する、ガス導入管の中心から各列のガス放出孔へ向かう
方向の各角度dが45°≦d≦90°の範囲内になるよ
うに、ガス導入管に配置する構成とすることにより、反
応空間内のガスバランスが安定し、形成される堆積膜
に、基体の周方向における膜厚や帯電電位のむら等の欠
陥が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高周波プラズマCVD法による電子写真用感光
体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。
【図2】本発明の堆積膜形成装置の一実施形態における
円筒状反応容器を示す断面図である。
【図3】図2に示した円筒状反応容器内に設置されたガ
ス導入管を示す正面図である。
【図4】図2に示した円筒状反応容器におけるA領域を
拡大して示す図である。
【図5】図2に示した円筒状反応容器内に設置された円
筒状基体とガス導入管との長さの関係およびガス導入管
に設けられたガス放出孔の間隔を示す図である。
【図6】基体上に形成された光受容層の構成を示す断面
図である。
【図7】ガス導入管のガス放出孔の向きを説明するため
の図である。
【図8】円筒状基体と正対する領域にあるガス放出孔の
分布の、種々の変形例を示す図である。
【図9】円筒状基体と正対しない領域にあるガス放出孔
の分布の、種々の変形例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施例により作製された光受
容層の母線方向の膜厚むらの評価結果を示すグラフであ
る。
【図11】本発明の第1の実施例により作製された光受
容層の帯電能むらの評価結果を示すグラフである。
【図12】基体上に形成された光受容層の構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
101,201 円筒状反応容器 102 カソード電極 103 トッププレート 104 ベースプレート 105 絶縁碍子 106 円筒状基体ホルダー 107 加熱用ヒーター 108 ガス導入管 109 円筒状基体 110 原料ガス配管 111 RFプラズママッチングボックス 112 排気配管 113 リークバルブ 114 メインバルブ 115 真空管 116 補助バルブ 131 原料ガスボンベ 141 ガスボンベバルブ 151 ガス流入バルブ 161 ガス流出バルブ 171 マスフローコントローラー 181 ガス圧力調整器 191 堆積装置 192 原料ガス供給装置 202,301 円筒状基体 203,203’ ガス導入管 204,204’ ガス放出孔 205,205’ ガス吹出し方向 302 電荷注入阻止層 303 光導電層 303a 第1の光導電層 303b 第2の光導電層 304 表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 宏之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高田 和彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 櫃石 光治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA54 EA24 4K030 AA02 AA06 AA17 BA29 BA30 BB12 CA02 CA16 EA05 EA06 FA03 JA03 JA04 KA30 LA17 5F045 AA08 AB04 AC01 AC17 AD06 AD07 AE13 AE15 AE17 AE19 AF10 BB16 CA13 CA15 CA16 DA65 EF03 EF08 EH15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部の反応空間を真空気密状態に保持す
    ることが可能な反応容器と、前記反応空間内に設置さ
    れ、堆積膜が形成される基体を支持する基体ホルダー
    と、前記反応空間内に前記堆積膜の原料ガスを導入する
    複数のガス放出孔が長手方向に配列されており、前記反
    応空間内の前記基体ホルダーの周囲に設置された複数の
    ガス導入管と、前記原料ガスを励起させてグロー放電を
    発生させる高周波エネルギーを前記反応空間内に導入す
    る高周波エネルギー導入手段とを有し、前記高周波エネ
    ルギーによってプラズマ分解された前記原料ガスの成分
    を前記基体の表面上に堆積させることにより前記基体の
    表面上に前記堆積膜を形成する堆積膜形成装置におい
    て、 前記ガス導入管は、前記基体よりも長く形成され、前記
    基体に対向する位置に前記基体に対して平行に配置され
    ており、 前記ガス導入管に設けられた前記ガス放出孔のうち前記
    基体に正対する領域に設けられている前記ガス放出孔
    が、前記ガス導入管の長手方向に互いに等間隔に配列さ
    れていることを特徴とする堆積膜形成装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス導入管の前記基体に正対する領
    域に設けられている前記ガス放出孔同士の間隔をcとし
    たとき、前記ガス放出孔は間隔cが10mm≦c≦10
    0mmの範囲内となるように配列されている、請求項1
    に記載の堆積膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記間隔cが40mm≦c≦70mmの
    範囲内である、請求項2に記載の堆積膜形成装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス導入管の前記基体に正対しない
    領域のうち、前記ガス導入管内を流れる前記原料ガスの
    流れ方向に関して前記基体に正対する領域よりも上流側
    の領域を第1の非正対領域とし、前記基体に正対する領
    域よりも下流側の領域を第2の非正対領域とした場合
    に、前記ガス導入管が、前記第1の非正対領域における
    前記ガス放出孔の配列分布と、前記第2の非正対領域に
    おける前記ガス放出孔の配列分布とが互いに異なるよう
    に構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記
    載の堆積膜形成装置。
  5. 【請求項5】 前記反応容器および前記基体が共に円筒
    状に形成され、前記基体が前記反応容器内に前記反応容
    器の中心軸と同心に配置されており、 前記ガス導入管には、前記ガス放出孔が前記ガス導入管
    の長手方向に2列に配列されており、 各列の前記ガス放出孔は、前記反応容器の中心から前記
    ガス導入管の中心を通って延びる軸線に対する、前記ガ
    ス導入管の中心から各列の前記ガス放出孔へ向かう方向
    の各角度dが45°≦d≦90°の範囲内になるよう
    に、前記ガス導入管に配置されている、請求項1から4
    のいずれか1項に記載の堆積膜形成装置。
  6. 【請求項6】 前記角度dが70°≦d≦85°の範囲
    内である、請求項5に記載の堆積膜形成装置。
  7. 【請求項7】 内部の反応空間を真空気密状態に保持す
    ることが可能な反応容器と、前記反応空間内に設置さ
    れ、堆積膜が形成される基体を支持する基体ホルダー
    と、前記反応空間内に前記堆積膜の原料ガスを導入する
    複数のガス放出孔が長手方向に配列されており、前記反
    応空間内の前記基体ホルダーの周囲に設置された複数の
    ガス導入管と、前記原料ガスを励起させてグロー放電を
    発生させる高周波エネルギーを前記反応空間内に導入す
    る高周波エネルギー導入手段とを有する堆積膜形成装置
    を用いて、前記高周波エネルギーによってプラズマ分解
    された前記原料ガスの成分を前記基体の表面上に堆積さ
    せることにより前記基体の表面上に前記堆積膜を形成す
    る堆積膜形成方法において、 前記ガス導入管として、前記基体よりも長く形成されて
    いるとともに、前記基体に対向する位置に前記基体に対
    して平行に配置され、前記ガス放出孔のうち前記基体に
    正対する領域に設けられている前記各ガス放出孔同士が
    長手方向に互いに等間隔に配列されているガス導入管を
    用いることを特徴とする堆積膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記ガス導入管の前記基体に正対する領
    域に設けられている前記ガス放出孔同士の間隔をcとし
    たとき、前記ガス放出孔を間隔cが10mm≦c≦10
    0mmの範囲内となるように配列する、請求項7に記載
    の堆積膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記間隔cを40mm≦c≦70mmの
    範囲内とする、請求項8に記載の堆積膜形成方法。
  10. 【請求項10】 前記ガス導入管の前記基体に正対しな
    い領域のうち、前記ガス導入管内を流れる前記原料ガス
    の流れ方向に関して前記基体に正対する領域よりも上流
    側の領域を第1の非正対領域とし、前記基体に正対する
    領域よりも下流側の領域を第2の非正対領域とした場合
    に、前記第1の非正対領域における前記ガス放出孔の配
    列分布と、前記第2の非正対領域における前記ガス放出
    孔の配列分布とを互いに異なるように構成する、請求項
    7から9のいずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  11. 【請求項11】 前記反応容器および前記基体を共に円
    筒状に形成し、前記基体を前記反応容器内に前記反応容
    器の中心軸と同心に配置し、 前記ガス導入管には、前記ガス放出孔を前記ガス導入管
    の長手方向に2列に配列し、 各列の前記ガス放出孔を、前記反応容器の中心から前記
    ガス導入管の中心を通って延びる軸線に対する、前記ガ
    ス導入管の中心から各列の前記ガス放出孔へ向かう方向
    の各角度dが45°≦d≦90°の範囲内になるよう
    に、前記ガス導入管に配置する、請求項7から10のい
    ずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  12. 【請求項12】 前記角度dを70°≦d≦85°の範
    囲内とする、請求項11に記載の堆積膜形成方法。
JP2000167635A 2000-06-05 2000-06-05 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 Pending JP2001342569A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000167635A JP2001342569A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000167635A JP2001342569A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001342569A true JP2001342569A (ja) 2001-12-14

Family

ID=18670763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000167635A Pending JP2001342569A (ja) 2000-06-05 2000-06-05 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001342569A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007271825A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Kyocera Corp 電子写真感光体の製造方法
JP2013011808A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Kyocera Corp 電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007271825A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Kyocera Corp 電子写真感光体の製造方法
JP4703468B2 (ja) * 2006-03-30 2011-06-15 京セラ株式会社 電子写真感光体の製造方法
JP2013011808A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Kyocera Corp 電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3684011B2 (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成方法及び装置
JP2001342569A (ja) 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法
JP4298369B2 (ja) 堆積膜形成方法
JP2001342568A (ja) 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法
JP2001316825A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置及びこれを用いた堆積膜形成方法
JP2001093840A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び方法
JP2001323375A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成方法及び装置
JP2002097575A (ja) 堆積膜形成方法および堆積膜形成装置
JPH11172452A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法
JPH11106931A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び方法
JPH11172451A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法
JPH11323563A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法
JP3634485B2 (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び方法
JPH093652A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置
JP2009280856A (ja) 非単結晶シリコン膜の製造方法、該製造方法により形成された光導電層を有する電子写真感光体、及び、それを用いた電子写真装置
JP3412957B2 (ja) 光受容部材の製造方法
JPH11350147A (ja) 堆積膜形成方法及び装置
JP2000192242A (ja) 堆積膜形成方法及び装置
JP2001316823A (ja) 真空処理方法及び真空処理装置
JP2019211523A (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH10183356A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成装置
JP3402952B2 (ja) 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置
JP2000054146A (ja) 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置
JP2000054143A (ja) プラズマcvd法による堆積膜形成方法および装置
JP2000252220A (ja) 堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法