JPH11323563A - プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法 - Google Patents

プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法

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JPH11323563A
JPH11323563A JP14656798A JP14656798A JPH11323563A JP H11323563 A JPH11323563 A JP H11323563A JP 14656798 A JP14656798 A JP 14656798A JP 14656798 A JP14656798 A JP 14656798A JP H11323563 A JPH11323563 A JP H11323563A
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gas introduction
source gas
deposited film
forming
reaction vessel
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JP14656798A
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Yasuyoshi Takai
康好 高井
Hideaki Matsuoka
秀彰 松岡
Hiroyuki Katagiri
宏之 片桐
Yoshio Seki
好雄 瀬木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】支持体上にアモルファス状或いは多結晶状等の
非結晶状の堆積膜を利用した光受容部材を形成するに適
したプラズマCVD法による堆積膜形成装置。 【解決手段】複数の原料ガス導入管103は、2つ以上
の異なる原料ガス導入系によって構成されるとともに、
管103のそれぞれは少なくとも2方向に複数のガス放
出孔104を有し、孔104の吹き出し方向105が、
堆積膜形成条件を均一化し且つ放電を乱すことのない特
定の範囲に設定されている、少なくとも上壁、カソード
電極を兼ねた周囲壁及び底壁によって構成される真空気
密可能な反応空間を有する反応容器、その反応空間内に
堆積膜形成用支持体を保持する手段、その支持体の周囲
に設けられた複数の管103、導入した原料ガスを励起
させてグロー放電を発生させる高周波エネルギー導入手
段、及び前記反応容器内を真空に排気する排気口及び排
気手段、により構成されている、プラズマCVDによる
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体上に堆積
膜、とりわけ機能性堆積膜、殊に半導体デバイス、電子
写真用光受容部材、画像入力用のラインセンサー、撮像
デバイス、光起電力素子等に用いられるアモルファス状
或いは多結晶状等の非単結晶状の堆積膜を利用した光受
容部材を形成するのに適したプラズマCVD法による堆
積膜形成装置及び形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイス、電子写真用感光
体デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイ
ス、光起電力デバイス、その他各種エレクトロニクス素
子、光学素子等に用いる素子部材として、アモルファス
シリコン、例えば水素及び/又はハロゲン(例えば弗
素、塩素等)で補償されたアモルファスシリコン(以下
“a−Si:(H,X)”と記す。)等のアモルファス
材料(本明細書においてアモルファスとは非単結晶であ
ることを示す)で構成された半導体等用の堆積膜が提案
され、その中のいくつかは実用に付されている。そして
こうした堆積膜はプラズマCVD法、即ち原料ガスを直
流、又は高周波、マイクロ波グロー放電によって分解
し、ガラス、石英、耐熱性合成樹脂フイルム、ステンレ
ス、アルミニウムなどの材質の支持体上に薄膜状の堆積
膜を形成する方法が知られており、そのための装置も各
種提案されている。例えば図5は高周波プラズマCVD
法(以後「PCVD」と略記する)による電子写真用感
光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。図
5に示す製造装置の構成は以下の通りである。
【0003】この装置は大別すると、堆積装置(210
0)、原料ガスの供給装置(2200)、反応容器(2
111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)か
ら構成されている。堆積装置(2100)中の反応容器
(2111)内には円筒状支持体(2112)、支持体
加熱用ヒーター(2113)、原料ガス導入管(211
4)が設置され、更に高周波マッチングボックス(21
15)が接続されている。原料ガス供給装置(220
0)は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B26、PH
3等の原料ガスのボンベ(2221〜2226)とバル
ブ(2231〜2236,2241〜2246,225
1〜2256)およびマスフローコントローラー(22
11〜2216)から構成され、各原料ガスのボンベは
補助バルブ(2260)を介して反応容器(2111)
内のガス導入管(2114)に接続されている。
【0004】こうした従来の堆積膜形成装置を用いた堆
積膜の形成は、例えば以下のように行なわれる。まず、
反応容器(2111)内に円筒状支持体(2112)を
設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により
反応容器(2111)内を排気する。続いて、支持体加
熱用ヒーター(2113)により円筒状支持体(211
2)の温度を20℃乃至450℃の所定の温度に制御す
る。堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(2111)に
流入させるには、ガスボンベのバルブ(2231〜22
36)、反応容器のリークバルブ(2117)が閉じら
れていることを確認し、又、流入バルブ(2241〜2
246)、流出バルブ(2251〜2256)、補助バ
ルブ(2260)が開かれていることを確認して、まず
メインバルブ(2118)を開いて反応容器(211
1)およびガス配管内(2116)を排気する。次に真
空計(2119)の読みが約5×10-4Paになった時
点で補助バルブ(2260)、流出バルブ(2251〜
2256)を閉じる。その後、ガスボンベ(2221〜
2226)より各ガスをバルブ(2231〜2236)
を開いて導入し、圧力調整器(2261〜2266)に
より各ガス圧を2Kg/cm2に調整する。次に、流入
バルブ(2241〜2246)を徐々に開けて、各ガス
をマスフローコントローラー(2211〜2216)内
に導入する。
【0005】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体(2
112)が所定の温度になったところで流出バルブ(2
251〜2256)のうちの必要なものおよび補助バル
ブ(2260)を徐々に開き、ガスボンベ(2221〜
2226)から所定のガスをガス導入管(2114)を
介して反応容器(2111)内に導入する。次にマスフ
ローコントローラー(2211〜2216)によって各
原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、
反応容器(2111)内の圧力が150Pa以下の所定
の圧力になるように真空計(2119)を見ながらメイ
ン排気バルブ(2118)の開口を調整する。内圧が安
定したところで、周波数13.56MHzの高周波電源
(不図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチング
ボックス(2115)を通じて反応容器(2111)内
に高周波電力を導入し、グロー放電を生起させる。この
放電エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガ
スが分解され、円筒状支持体(2112)上に所定のシ
リコンを主成分とする堆積膜が形成されるところとな
る。所望の膜厚の形成が行われた後、高周波電力の供給
を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を
止め、堆積膜の形成を終える。同様の操作を複数回繰り
返すことによって、所望の多層構造の光受容層を形成す
ることができる。それぞれの層を形成する際には必要な
ガス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言
うまでもなく、また、それぞれのガスが反応容器(21
11)内、流出バルブ(2251〜2256)から反応
容器(2111)に至る配管内に残留することを避ける
ために、流出バルブ(2251〜2256)を閉じ、補
助バルブ(2260)を開き、さらにメイン排気バルブ
(2118)を全開にして系内を一旦高真空に排気する
操作を必要に応じて行う。
【0006】このようにして、電子写真用感光体のよう
な大面積を有する堆積膜を形成する場合、膜厚、膜特性
の均一化が必要であり、そのための装置構成も各種提案
されている。例えば、特開平3−44475号公報及び
特開平3−44476号公報には円筒電極内壁円筒面に
配列された原料ガス噴出口の開口率がガス導入管の連結
位置から排気方向に向かって遍増/遍減するように構成
することによって画像欠陥の原因となるパイル状突起を
抑制する技術が開示されている。特開昭58−3012
5号公報によれば、原料ガス導入に、円筒状電極とは独
立した、ガス導入用ガス管を用い、該ガス管に設けたガ
ス放出孔の断面積と間隔を円筒形支持体の長手方向で変
化させ、原料ガスを均一に放出することにより、膜厚お
よび電子写真用感光体として使用する場合の画像むらを
改善する技術が開示されている。特開昭63−479号
公報によれば、ガス導入管のガス放出孔と円筒状支持体
との角度と、円筒状電極の内径、円筒状支持体の内径と
の関係を規定することにより、支持体を回転させなくて
も膜厚、膜特性の均一性を改善する技術が開示されてい
る。特開昭63−7373号公報によれば、ガス導入管
を用い、ガス導入管の断面積、ガス放出孔の断面積と数
の関係を規定することにより、円筒形支持体を回転させ
ずに、形成される堆積膜の膜厚及び膜特性を均一にする
技術が開示されている。特開昭62−218572号公
報によれば、原料ガス導入管を複数のガス導入系で構成
し、堆積膜形成用原料ガス導入系と希釈ガス導入系を独
立させることにより反応空間のガスの流速及び分布を均
一にする技術が開示されている。これらの技術により電
子写真用感光体の膜厚や膜特性の均一性が向上し、それ
に伴って歩留もある程度向上してきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置で作成された電子写真用感光体は、膜厚、膜特性が
均一化され歩留の面で改善されてきたが、電子写真装置
の高性能化に伴い総合的な特性向上を図る上で、さらな
る膜厚、膜特性の均一化が求められてきている。ところ
で、堆積膜の形成に際して、反応空間に導入する原料ガ
スのガス圧、ガス流量、放電電力等が形成される堆積膜
の膜厚や膜特性に影響を与えることが知られている。例
えば均一な堆積膜を形成するには、図5に示す原料ガス
導入管(2114)に設けられた原料ガス放出孔から、
反応空間に導入される原料ガスの反応空間におけるガス
圧、ガス流量を厳密に制御し、最適な放電電力を導入す
ることによって形成されるプラズマの反応空間内におけ
る分布を均一化することが、最も重要な因子の1つとし
て挙げられる。しかし、図5に示した堆積膜形成装置に
おいては、原料ガス導入管(2114)の一端より原料
ガスを導入するため、反応空間の上部と下部とではガス
の流速が異なり、排気口側である下部においてはガスの
流速が速くなる。そのため下部に近づくほど、プラズマ
放電により原料ガスが分解して生成した電子、イオン、
ラジカル等(以後活性種と記す)が系外に逃げやすくな
り、反応空間中の活性種の分布の均一性が低下する。
【0008】また、堆積膜形成用原料ガスは、放電エネ
ルギーにより励起され化学的相互作用により堆積膜を形
成しうるガス(例えばa−Si:(H,X)膜を形成す
る場合であればSiH4、Si26、等のシランガス)
が用いられるが、これらの堆積膜形成用原料ガスは必要
に応じてH2、He、Ar等の希釈ガスによって希釈し
て用いられる場合が一般的である。その場合、図5に示
した従来装置においては反応空間の上部と下部ではプラ
ズマの強度分布が不均一になってしまうことの他、原料
ガスと希釈ガスの混合比率に変動が生じ、特に排気口側
である下部においては希釈用ガスの割合が異常に高くな
ってしまうという問題がある。そしてこの問題は希釈用
ガスとしてH2ガスを使用した場合、特に顕著になる。
さらに、形成する堆積膜に応じて原料ガスのガス圧、ガ
ス流量、放電電力を適宜最適化して堆積膜を形成するこ
とが一般的であるが、これらの堆積膜形成条件に応じて
各原料ガス種の分解効率が変化するため、反応空間の上
部と下部での活性種の生成割合が大きく異なってしまう
場合がある。即ち原料ガスは原料ガス導入管に設けられ
た原料ガス放出孔から反応容器内に導入され、放電エネ
ルギーにより分解、或いは再結合を繰り返しながら排気
口側に向かって拡散し、その過程で一部は支持体上、或
いは反応容器壁面(カソード電極)上で堆積膜を形成
し、堆積膜とならない活性種や未分解の原料ガスは排気
されていく。従って反応容器の上部では対応する位置の
ガス放出孔から導入された原料ガスが分解して生成した
活性種が堆積膜形成の主な担い手であるのに対して、下
部では上部と同様の活性種に加えて、上部からの未分解
ガス及び残存活性種が堆積膜形成に関わってくる。従っ
て仮に反応容器の上部及び下部における流速の差をある
程度小さくしたとしても、堆積膜形成条件及びガス種に
よって分解効率が異なるため、活性種の生成割合が上下
方向に亙って堆積膜の特性むらに大きく影響を与える程
度まで不均一になる場合がある。
【0009】また、電子写真感光体は一般的に複数の堆
積膜(=層)、例えば電荷注入阻止層、光導電層、表面
層から構成される(多層構成)が、各層によって使用す
る原料ガス流量、或いは原料ガスの混合比率、ガス圧、
放電電力等が異なる。このため前述と同様の理由により
各層によって反応空間中の活性種の分布の状態が異な
り、各層の形成時毎に活性種の分布を均一化することは
困難である。例えば光導電層はある程度の膜厚/膜特性
均一性が得られたとしても、表面層が不均一になり、顕
著な場合には例えば感度むらが大きくなるといったよう
な問題が発生することとなる。
【0010】一方、堆積膜形成後、電子写真感光体とし
て電子写真装置に搭載時においても画像形成条件(プロ
セス条件)によっては堆積膜の不均一性が顕著になる場
合がある。例えば高画質化のために、近年トナーの改良
(小粒径化、添加材の改良等)が進んでいるが、トナー
によっては長期間画像形成プロセスを繰り返すうちに従
来以上に感光体表面を削ってしまう場合がある。即ち、
a−Si:(H,X)感光体は有機感光体等の他の感光
体と比較して耐久性が著しく高いことを特徴とするもの
ではあるが、長期間コピーを繰り返すと、使用するトナ
ー(及びトナーに含有させる研磨材)によっては最表面
の一部がわずかに削れてしまう場合がある。このような
削れは、クリーニングブレードの材質、或いはプロセス
スピードといった画像形成に関わるシステムの改良に伴
い、その現象が顕著になる場合がある。このような削れ
という現象に対して、感光体の最表面の組成、或いは構
造が不均一であると削れ易い部分と削れにくい部分とが
生じ、長期間使用すると最表面が不均一に削れることと
なる。最表面が不均一に削れはじめる(削れむら)と、
最表面の凹凸によってクリーニングブレードにかかるト
ルクも不均一になり、この状態で画像形成プロセスを繰
り返すと、最表面の不均一な削れは一層促進される。そ
の結果感光体を帯電させた場合、最表面の電荷の阻止能
が不均一になり削れの大きい場所では表面電位が局所的
に低下する。
【0011】このような感光体を使用して画像を形成す
ると、環境(気温、湿度)に対する転写ラチチュードが
狭くなり、環境の変化により画像むらが現れ易くなる。
さらに削れむらが大きくなると、画像上で濃度むらが大
きくなったり、或いはスジ状の画像欠陥として視認され
るようになる。さらにa−Si:(H,X)感光体の更
なる高画質化への課題として、上記の均一性の問題の他
に、微小な画像欠陥の発生を抑制することが挙げられ
る。微小な画像欠陥の原因としては成膜中に壁面に付着
したポリシラン等が支持体上に飛散し、堆積膜が異常成
長することが主要因の1つとして考えられる。そのた
め、ポリシラン等の生成物が支持体へと飛散することを
防止することは重要な問題である。
【0012】以上説明したように従来装置においては反
応空間内のプラズマ強度分布が不均一になってしまう場
合があること、そして堆積膜形成用ガス及び活性種の系
内分布が不均一になってしまうことが原因で、形成され
る堆積膜の膜厚及び膜特性を不均一なものにしてしまう
場合があること、さらに成膜中に壁面に付着したポリシ
ラン等が支持体上に飛散し、堆積膜が異常成長し画像欠
陥の原因になるという問題がある。こうした問題は円筒
状支持体が長くなる、或いは長手方向に複数本直列に配
置して堆積膜を形成する場合に顕著になる。また生産効
率を上げるために堆積膜形成速度を上げる(原料ガス流
量、放電電力等を上げる等)場合にも均一性が低下する
傾向がある。このような背景のもとプラズマCVD法は
制御技術が進んでいるものの、電子写真用感光体のよう
な大面積で、比較的長尺の支持体に堆積膜を形成する場
合には前述のように均一性の問題があるため成膜の構成
条件が必然的に制限されてしまう。一方、電子写真装置
に求められる高画質化の要求は年々高まり、例えばデジ
タル電子写真装置に代表されるような従来以上に高画質
が要求される電子写真装置においては従来以上に堆積膜
の均一性が求められており、従来の電子写真用感光体を
そのまま使用することは、目標とする前記の高画質を得
る上で、問題となる。また、幅広い特性を有する各種堆
積膜を同一装置内で連続して形成したり、同一支持体上
に特性の異なる複数の堆積膜を同一装置内で連続して形
成することは非常に困難である。他方、前述の各種デバ
イスが多様化してきており、そのための素子部材として
各種幅広い特性を有する堆積膜を形成するとともに、場
合によってはより大面積化された堆積膜を形成すること
が社会的要求としてあり、こうした要求を満たす堆積膜
を定常的に量産しうる装置及び方法の開発が切望されて
いる。
【0013】そこで、本発明は、上述した従来の堆積膜
形成装置に於ける諸課題を解決し、膜特性を向上させ、
膜厚および膜特性が均一な堆積膜を定常的に形成し、画
像欠陥を激減しうるプラズマCVD法による堆積膜形成
装置及び方法、特に、電子写真用光受容部材を形成する
のに適したラズマCVD法による堆積膜形成装置及び方
法を提供することを目的としている。また、本発明は、
形成される膜の諸物性、成膜速度、再現性の向上、膜の
生産性を向上し、量産化を行う場合その歩留まりを飛躍
的に向上させることが可能なプラズマCVD法による堆
積膜形成装置及び方法を提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、プラズマCVD法による堆積膜形成装置
及び方法を、つぎのように構成したことを特徴とするも
のである。すなわち、本発明の堆積膜形成装置は、少な
くとも上壁、カソード電極を兼ねた周囲壁及び底壁によ
って構成される真空気密可能な反応空間を有する反応容
器、該反応容器の反応空間内に堆積膜形成用支持体を保
持する手段、該堆積膜形成用支持体の周囲に設けられた
複数の原料ガス導入管、該導入した原料ガスを励起させ
てグロー放電を発生させる高周波エネルギー導入手段、
及び前記反応容器内を真空に排気する排気口及び排気手
段、により構成されるプラズマCVD法による堆積膜形
成装置において、前記複数の原料ガス導入管は、少なく
とも2つ以上の異なる原料ガス導入系によって構成され
るとともに、少なくとも2方向に複数のガス放出孔を有
し、該ガス放出孔の吹き出し方向が、堆積膜形成条件を
均一化し且つ放電を乱すことのない特定の範囲に設定さ
れていることを特徴としている。また、本発明の堆積膜
形成装置は、前記原料ガス導入系は、原料ガス導入系毎
に原料ガス種及び/又は原料ガス混合比率を独立に制御
可能な手段を有することを特徴としている。また、本発
明の堆積膜形成装置は、前記原料ガス導入系が、少なく
ともガス種及び/又はガス混合比率の異なる複数の堆積
膜形成用ガスを導入する系より構成されていることを特
徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置は、前記
原料ガス導入系が、少なくとも堆積膜形成用ガスを導入
する系と希釈用ガスを導入する系及び/又は伝導性を制
御する原子を含有するガスを導入する系より構成されて
いることを特徴としている。また、本発明の堆積膜形成
装置は、前記原料ガス導入管の原料ガス放出孔の吹き出
し方向が、該原料ガス放出孔と、該原料ガス導入管と正
対する前記反応容器位置とのなす角度をaとした時、角
度aが45°≦a≦90°を満たすように左右対称に設
けられていることを特徴としている。また、本発明の堆
積膜形成装置は、前記原料ガス導入管の原料ガス放出孔
の吹き出し方向が、該原料ガス放出孔と該原料ガス導入
管と正対する前記反応容器位置とのなす角度の反応容器
に向かって右側をa、左側をbとした時、角度a及びb
が45°≦a(b)≦90°、かつ2°≦|a−b|≦
15°を満たすように左右非対称に設けられていること
を特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置は、
前記原料ガス導入管の原料ガス放出孔の前記角度a及び
/又はbが、ガス導入管の長手方向に亙って不均一に配
置されていることを特徴としている。また、本発明の堆
積膜形成装置は、前記原料ガス導入管の原料ガス放出孔
の密度が、ガス導入管の長手方向に亙って不均一に形成
されていることを特徴としている。また、本発明の堆積
膜形成装置は、前記2つ以上の異なる原料ガス導入系に
よって構成されている原料ガス導入管が、前記反応容器
中心から同一半径上の同心円上に配置されていることを
特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置は、前
記2つ以上の異なる原料ガス導入系によって構成されて
いる原料ガス導入管において、一方のガス導入系に対し
て他方のガス導入系が、前記反応容器中心から一方のガ
ス導入系と異なる半径の同心円上に配置されていること
を特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置は、
前記カソード電極が、原料ガス導入管を兼ねていること
を特徴としている。
【0015】また、本発明の堆積膜形成方法は、真空気
密可能な反応空間を有する反応容器と、該反応容器の反
応空間内に保持手段によって保持される堆積膜形成用支
持体の周囲に配された複数の原料ガス導入管を備え、該
複数の原料ガス導入管から前記反応容器内に原料ガスを
導入し、高周波エネルギー導入手段によって該原料ガス
を励起させてグロー放電を発生させ、前記堆積膜形成用
支持体に堆積膜を形成するプラズマCVD法による堆積
膜形成方法において、前記複数の原料ガス導入管を、少
なくとも2つ以上の異なる原料ガス導入系によって構成
し、かつ該原料ガス導入管を2方向の複数のガス放出孔
を有する構成とし、該ガス放出孔の吹き出し方向を堆積
膜形成条件を均一化し且つ放電を乱さないようにして堆
積膜を形成することを特徴としている。また、本発明の
堆積膜形成方法は、前記原料ガス導入系は、前記原料ガ
ス導入系毎に独立に制御可能な手段を有し、少なくとも
2層以上の堆積膜を形成する際に、前記原料ガス導入系
の異なる原料ガス導入管を、層に応じて使い分けること
を特徴としている。また、本発明の堆積膜形成方法は、
前記原料ガス導入系が、原料ガス導入系毎に原料ガス種
及び/又は原料ガス混合比率を独立に制御可能であるこ
とを特徴としている。また、本発明の堆積膜形成方法
は、前記原料ガス導入系が、少なくともガス種及び/又
はガス混合比率の異なる複数の堆積膜形成用ガスを導入
する系より構成されていることを特徴としている。ま
た、本発明の堆積膜形成方法は、前記原料ガス導入系
が、前記原料ガス導入系毎に独立に制御可能な手段を有
し、堆積膜を形成する際に、少なくとも堆積膜形成用ガ
スと希釈用ガス及び/又は伝導性を制御する原子を含有
するガス流量を前記原料ガス導入系毎に独立に制御する
ことを特徴としている。また、本発明の堆積膜形成方法
は、前記原料ガス導入管に設けられた原料ガス放出孔の
吹き出し方向が、該原料ガス放出孔と、該原料ガス導入
管と正対する前記反応容器位置とのなす角度をaとした
時、角度aが45°≦a≦90°を満たすように左右対
称に設けられたことを特徴としている。また、本発明の
堆積膜形成方法は、前記原料ガス導入管に設けられた原
料ガス放出孔の吹き出し方向の一部又は全部が、該原料
ガス放出孔と該原料ガス導入管と正対する前記反応容器
位置とのなす角度の反応容器に向かって右側をa、左側
をbとした時、角度a及びbが45°≦a(b)≦90
°、かつ2°≦|a−b|≦15°を満たすように左右
非対称に設けられたことを特徴としている。また、本発
明の堆積膜形成方法は、前記原料ガス導入管に設けた原
料ガス放出孔の前記角度a及び/又はbが、ガス導入管
の長手方向に亙って不均一に配置されたことを特徴とし
ている。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記原料ガ
ス導入管に設けた原料ガス放出孔の密度が、ガス導入管
の長手方向に亙って不均一に形成されたことを特徴とし
ている。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記2つ以
上の異なる原料ガス導入系によって構成されている原料
ガス導入管が、前記反応容器中心から同一半径上の同心
円上に配置されていることを特徴としている。また、本
発明の堆積膜形成方法は、前記2つ以上の異なる原料ガ
ス導入系によって構成されている原料ガス導入管におい
て、一方のガス導入系に対して他方の異なるガス導入系
が、前記反応容器中心から一方のガス導入系と異なる半
径の同心円上に配置されていることを特徴としている。
また、本発明の堆積膜形成方法は、前記カソード電極
が、原料ガス導入管を兼ねていることを特徴としてい
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来の堆積膜形成
装置及び方法における前述の問題を克服して、本発明の
目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、複数の原料
ガス導入管を、少なくとも2つ以上の異なる原料ガス導
入系によって構成し、かつ該原料ガス導入管を2方向の
複数のガス放出孔を有する構成とし、該ガス放出孔の吹
き出し方向を特定の範囲に設定することで、堆積される
堆積膜の膜特性向上と同時に膜特性及び膜厚を均一とす
ることができ、また画像欠陥を激減することができるこ
とを見出した。本発明の堆積膜形成装置は、該知見に基
づいて完成に至ったものである。
【0017】上記したような本発明の堆積膜形成装置及
び方法によれば、前記した従来技術における諸課題を解
決することができ、極めて特性均一性に優れ、さらに電
気的、光学的、光導電的特性、耐久性及び使用環境特性
に優れた球状突起の少ない電子写真用感光体を歩留良く
効率的に形成することが可能となるが、それはおよそ以
下のような理由によるものと推測される。まず、膜特性
の向上については、つぎのような理由による。a−S
i:(H,X)堆積膜形成時にシリコンがネットワーク
を形成していく際に希釈ガスが分解して生成した活性種
(例えば水素ラジカル)が適切な割合で存在するとシリ
コンと結合している水素原子を引き抜いて3次元網目構
造化を促進する。また、堆積膜の伝導性を制御する原子
(例えばホウ素)が適当な割合で膜中に取り込まれ所望
の膜特性(例えば電気特性)を得ることができる。しか
し、これらの活性種の存在割合が不適当(過剰/過少)
である場合は堆積膜の構造は乱れ、膜特性は悪化してし
まう。堆積膜形成用原料ガス種及び/又は原料ガス混合
比率の異なる原料ガス、希釈用ガス及び/又は伝導性を
制御する原子を含有するガスを同一のガス導入系から反
応容器内へ導入させた場合、ガスの反応容器内での吹き
出し位置が同じであるため、各々のガスの分解効率の差
により堆積膜形成条件によっては支持体表面に到達する
時点での各々の活性種の存在割合を最適化し、膜特性を
向上させることは困難である。これに対して、堆積膜形
成用原料ガス種及び/又は原料ガス混合比率の異なる原
料ガス、希釈用ガス及び/又は伝導性を制御する原子を
含有するガスを異なるガス導入系から独立に制御しなが
ら反応容器内にガスを導入することにより、活性種を最
適に制御することができるため堆積膜形成条件によらず
膜特性をより容易に向上させることが可能となるもので
ある。
【0018】また、膜厚、膜特性の均一化の向上につい
ては、つぎのような理由による。前述したように、従来
装置においては反応用容器内の流速が不均一であった
り、或いは反応容器の下部(排気口に近い側)において
は上部(排気口から遠い側)から拡散してくる残留(活
性種/未分解)ガスが堆積膜形成に影響を与える。従っ
て原料ガスを系内に均一に導入すると、必然的にプラズ
マ強度分布、活性種分布が不均一になってしまう。特に
二元系以上の場合(例えばSiH4とCH4ガス)は、ガ
ス種によって分解効率が異なるため、より不均一になり
易い。これに対して本発明はガスの導入を特定の範囲内
に制御しなら、また不均一に導入することで、支持体上
の堆積膜形成条件を均一にすることが可能になるものと
考えられる。即ち、流速、プラズマ強度分布等の不均一
な反応容器内に、むしろ積極的に不均一な分布状態で原
料ガスを導入することにより、放電空間で生成後の活性
種の分布状態を均一に制御するものである。
【0019】また、画像欠陥の抑制については、つぎの
ような理由による。反応容器と独立したガス導入管を使
用した場合においては、ガス導入手段兼用の円筒状反応
容器の場合と異なり、ガス放出孔が反応容器の壁面上に
ないため、ガス導入の際、反応容器壁面のポリシランを
浮遊させることなく、ガス導入が可能となっている。し
かしながら、ガス導入管に設けたガス放出孔の方向が反
応容器側に大きく傾斜している場合、ガス導入管を使用
する場合でも、ガスの流れが円筒状反応容器壁面側にな
る為、ポリシランが浮遊する場合がある。これは特にガ
ス流量が多くなったり、ガス孔からのガスの吐出圧が高
くなると発生する可能性が高くなる。ポリシランが多く
浮遊する状態で堆積膜形成が行われると得られる電子写
真用感光体は欠陥が発生しやすくなる。また、ガス導入
管に設けたガス放出孔の方向が円筒状支持体側に大きく
傾斜している場合、炉内ガスバランスの偏りが生じ、そ
の為放電の偏りが起こり、膜厚、電位の周方向むらが大
きくなる。従ってガス導入管に設けたガス放出孔方向を
特定の範囲内に制御することによって放電を乱すことな
く画像欠陥の抑制が可能となる。
【0020】次に、図1〜図12を用いて、本発明の実
施形態について説明する。図1は、本発明のプラズマC
VD法による堆積膜形成装置の一例の要部を示す断面図
であり、その各構成部は、図5の説明図で示したものに
対応している。図1(A)において101は電極を兼ね
る円筒状の周囲壁であり、この周囲壁を不図示の上壁及
び底壁で密閉して、真空気密可能な反応空間を有する円
筒状反応容器を形成している。102は少なくともその
一端部側が支持体ホルダーに保持されている円筒状支持
体で、前記円筒状反応容器の反応空間内に前記円筒状反
応容器の円筒状周壁と同心円上に配設されており、この
円筒状支持体が前記円筒状反応容器の電極の対向電極と
なるように構成されている。さらに、103は原料ガス
導入管で、前記円筒状反応容器101と前記円筒状支持
体102との両電極間で前記円筒状支持体の同軸外周上
にその長手方向に沿って複数本配設されている。この原
料ガス導入管103は少なくとも2つ以上のガス導入系
より構成されている。本模式図においてはGP1及びG
P2からなる2種類のガス導入系より構成される例を示
している。また原料ガス導入管103の側壁には、図1
(B)に示すように、複数個の原料ガス放出孔104が
設けられている。図1(C)は前記原料ガス導入管に設
けたガス放出孔の向きを示す拡大模式図であり、105
はガスの吹き出し方向を示している。前記原料ガス導入
管に設けたガス放出孔104は、前記円筒状反応容器1
01に向かって45°≦a≦90°の範囲の角度(a)
で、左右対称に設けられている。
【0021】図2は、本発明のプラズマCVD法による
別の構成の堆積膜形成装置の一例の要部を示す断面図で
あり、その各構成部は、図1と同一である。図1との違
いはガス導入管上に設けたガス放出孔の吹き出し方向
が、反応容器壁面(カソード電極)に向かって左右非対
称であることである。この原料ガス導入管に設けたガス
放出孔104は、前記円筒状反応容器101に向かって
45°≦a(b)≦90°の範囲の角度で左右非対称に
設けられており、角度(a)と(b)の値は異なってい
る。図3は本発明のさらに別の構成のプラズマCVD法
による堆積膜形成装置の一例の要部を示す断面図であ
り、その各構成部は、図1と同一である。図1との違い
は図1のガス導入管が反応容器中心から半径の等しい同
心円上にGP1とGP2の異なるガス導入系を有するガ
ス導入管が設置されているのに対して、図3ではこれら
GP1とGP2が反応容器中心から半径の異なる同心円
上に設置されていることである。原料ガス導入管に設け
たガス放出孔104は、前記円筒状反応容器101に向
かって45°≦a≦90°の範囲の角度(a)で、左右
対称に設けられている。図4は本発明のさらに別の構成
のプラズマCVD法による堆積膜形成装置の一例の要部
を示す断面図であり、その各構成部は図3と同一であ
る。図3との違いはガス導入管上に設けたガス放出孔の
吹き出し方向が、反応容器壁面(カソード電極)に向か
って左右非対称であることである。原料ガス導入管に設
けたガス放出孔104は、前記円筒状反応容器101に
向かって45°≦a(b)≦90°の範囲の角度で左右
に設けられており、角度(a)と(b)の値は異なって
いる。
【0022】図6及び図7は本発明のガス導入管に設け
られたガス放出孔の吹き出し方向の配置を説明する模式
図である。図6(A)は本発明のガス導入管を側面から
見た模式図で、図6(B)は原料ガス導入管の長手方向
の部分的な断面図である。図6において303は原料ガ
ス導入管、304は原料ガス放出孔、305はガスの吹
き出し方向を示している。図6(A)において矢印が長
い方が図6(B)における原料ガス放出孔の角度(a)
が小さくなっている、即ち原料ガス放出孔の角度(a)
がガス管の上部から下部にかけて徐々に大きくなる例を
示している。図6では本発明の特徴である上記原料ガス
放出孔の吹き出し方向の角度(a)を反応容器壁面(カ
ソード電極)に向かって左右対称に振り分け、かつ原料
ガス放出孔の角度(a)を45°≦a≦90°という特
定の範囲に制御し、さらにその角度(a)を原料ガス導
入管の長手方向に亙って不均一にした例を示している。
ここで図6においては角度(a)を原料ガス導入管の長
手方向に亙って不均一にした例を示しているが、本発明
においては必ずしも長手方向に亙って不均一にする必要
はなく、前記角度(a)の条件を満たしていれば長手方
向に均一、即ちいずれの位置においても原料ガス放出孔
の角度(a)が同一でも良い。図7は図6と同様に本発
明のガス導入管に設けられたガス放出孔の吹き出し方向
の配置を説明する模式図である。図7(A)は本発明の
ガス導入管を側面から見た模式図で、図7(B)は原料
ガス導入管の長手方向の部分的な断面図である。図7に
おいて303は原料ガス導入管、304は原料ガス放出
孔、305はガスの吹き出し方向を示している。図7
(A)において矢印が長い方が図7(B)における原料
ガス放出孔の角度(a)+(b)が小さくなっている、
即ち原料ガス放出孔の角度(a)+(b)がガス管の上
部から下部にかけて徐々に大きくなる例を示している。
【0023】図中に示してあるとおり、すべてのガス放
出孔の(a)と(b)の値が異なる必要はなく(a)=
(b)を満たすガス放出孔が存在しても差し支えはな
く、全ガス放出孔のうち少なくとも一部(もしくは全
部)が(a)≠(b)であることが重要である。本発明
は上記の通り、原料ガス放出孔の一部又は全部の吹き出
し方向の角度(a)及び(b)を反応容器壁面(カソー
ド電極)に向かって左右非対称に振り分け、かつ原料ガ
ス放出孔の角度(a)及び(b)を45°≦a(b)≦
90°という特定の範囲に制御し、さらにその角度
(a)及び(b)を原料ガス導入管の長手方向に亙って
必要に応じて不均一に設けた例を示している。ここで図
7においては角度(a)+(b)を原料ガス導入管の長
手方向に亙って不均一にした例を示しているが、本発明
においては必ずしも長手方向に亙って不均一にする必要
はなく、前記角度(a)及び(b)の条件を満たしてい
れば長手方向に均一、即ちいずれの位置においても原料
ガス放出孔の角度(a)+(b)が同一でも良い。
【0024】図8〜図12は本発明のガス導入管の原料
ガス放出孔の角度(a)/又は角度(a)+(b)の代
表的な分布形態の一例を示す図である。尚、本模式図に
おいては説明をわかり易くするためにガス導入系毎に原
料ガス導入管の配置(ガス導入管の配置してある同心円
の半径)が異なる装置構成(図3及び図4で示した例)
を例示してあるが、本発明はこの構成に限定されるもの
ではない。図において401はホルダーキャップ、40
2は円筒状支持体、403はホルダー受台、404は原
料ガス導入管(ガス導入系の異なるGP1及びGP2よ
り構成される)、405は原料ガスの吹き出し方向、4
06は反応容器壁面(カソード電極)、407はガイ
シ、408は反応容器底壁、409はガスの排気方向を
それぞれ示している。ここで原料ガス吹き出し方向を示
す矢印405は前述の図3で説明した場合と同様に矢印
が長い方が原料ガス放出孔の角度(a)/又は角度
(a)+(b)が小さくなっていることを示している。
【0025】従って図8はGP1が排気口に遠い側から
排気口に近い側に向かって角度(a)/又は角度(a)
+(b)の値を大きくなるように変化させた一例、図9
は排気口に遠い側から排気口に近い側に向かって角度
(a)/又は角度(a)+(b)の値を小さくなるよう
に変化させた一例、図10は原料ガス導入管の中央付近
から端部に向かって角度(a)/又は角度(a)+
(b)の値を大きくなるように変化させた一例、図11
は原料ガス導入管の中央付近から端部に向かって角度
(a)/又は角度(a)+(b)の値を小さくなるよう
に変化させた一例、図12は排気口に遠い側から排気口
に近い側に向かって角度(a)/又は角度(a)+
(b)の値の大小を交互に変化させた一例を各々示して
いる。ここでGP2の原料ガス吹き出し方向の角度
(a)/又は角度(a)+(b)の配置は図8〜図12
において全て排気口に遠い側から排気口に近い側に向か
って角度(a)/又は角度(a)+(b)の値を小さく
なるように変化させた配置に固定してあるが、GP2も
GP1と同様に種々の原料ガス吹き出し方向の角度をと
ることができる。また、GP1及びGP2共に長手方向
に亙って必ずしも原料ガス吹き出し方向の角度を変化さ
せる必要はなく、堆積膜形成条件に応じて均一配置と不
均一配置を使い分けることができる。
【0026】ガス放出孔の角度(a)/又は角度(a)
+(b)の分布を必要に応じて上記図8〜図12に示し
たように変化させることによって、堆積膜形成条件が変
化しても本発明の効果を得ることができる。例えば、光
導電層の形成時にはGP1から堆積膜形成用原料ガスを
所定の混合比率で導入し、表面層形成時にはGP2から
堆積膜形成用原料ガスを所定の混合比率で導入すること
により、光導電層及び表面層いずれの層においても膜厚
及び膜特性の均一性を高めることが可能となる。また、
例えば光導電層形成時にGP1からは堆積膜形成用原料
ガスを導入し、GP2からは希釈用ガス(例えば水素、
ヘリウム等)及び/又は伝導性を制御する原子を含むガ
ス(例えばジボラン、ホスフィン等)を各々最適な分布
状態で導入することにより膜厚及び膜質の均一性だけで
なく膜質そのものを高めることが可能となる。さらに、
堆積膜形成速度を上げるために原料ガスの流量及び/又
は高周波電力を増加させるとプラズマの分布が変化し、
堆積膜の膜特性、或いは膜厚が不均一になる場合がある
が、このような場合であってもガス放出孔の角度(a)
/又は角度(a)+(b)の分布を変化させることによ
って均一化が可能となる。また、1度に形成する電子写
真用感光体の数を増やすために、支持体を長手方向に複
数本直列に配置する場合においても、支持体を1本配置
する場合と比較してプラズマの分布が全く異なったもの
になり堆積膜の膜特性、或いは膜厚が不均一になる場合
があるが、この場合もガス放出孔の角度(a)/又は角
度(a)+(b)の分布を変化させることによって均一
化が可能となる。即ち本発明は必要に応じてガス放出孔
の角度(a)/又は角度(a)+(b)をガス管の長手
方向で不均一になるように構成することが可能であり、
堆積膜形成条件に応じて分布のさせかたを適宜最適化す
ることによって非常に広範囲の形成条件に対応すること
ができる。本発明においては必要に応じてさらに堆積膜
形成用原料ガスを反応容器内に導入する手段として上記
ガス導入管に加えてカソード電極(反応容器内壁を兼ね
る)に原料ガス導入経路を設けることによってカソード
電極がガス導入手段を兼ねることも可能である。
【0027】カソード電極にガス導入手段の機能を付加
することにより、反応容器内の原料ガスの流れ、或いは
ガス圧の調整のラチチュードが広がり、本発明の効果を
一層高めることが可能となる。この場合、カソード電極
に設ける原料ガス放出孔は、孔径及び孔分布を適宜調整
することによって最適化を行うことが好ましい。本発明
においては原料ガス放出孔の角度(a)及び(b)は小
さすぎると放出したガスの圧力によって反応容器壁面に
堆積したポリシラン、或いは膜の破片等のダストを放電
空間内に浮遊させる場合がある。浮遊したダストが堆積
膜形成中の円筒状支持体表面に付着すると画像欠陥の要
因の1つである球状突起と呼ばれる堆積膜の異常成長の
核となり、発生した球状突起は画像欠陥となって現れ
る。また、原料ガス放出孔の角度(a)及び(b)が大
きすぎると原料ガスの放出方向が円筒状支持体側となり
放電を乱す場合がある。従って原料ガス放出孔の角度
(a)及び(b)は好ましくは45°≦a(b)≦90
°の範囲内であり、最適には70°≦a(b)≦85°
の範囲内にあることである。
【0028】また、原料ガス放出孔の角度(a)及び
(b)を原料ガス導入管長手方向に亙って変化させる場
合、変化のさせかたは45°≦a(b)≦90°の範囲
内である限り特に制限はなく、例えば排気口に遠い側か
ら排気口に近い側に向かって連続的及び又は段階的角度
(a)及び(b)の値を大きくしても良いし(図8)
(GP1)、逆に小さくしても良い(図9)。また、ガ
ス導入管の中央付近から端部に向かって角度(a)及び
(b)の値を連続的及び/又は段階的に大きくしても良
いし(図10)(GP1)、逆に小さくしても良い(図
11)(GP1)。さらに排気口に遠い側から排気口に
近い側に向かって連続的及び/又は段階的に角度(a)
及び(b)の値の大小を交互に変えても本発明の効果は
得られる(図12)(GP1)。これらの配置は堆積膜
形成条件及び目的とする特性、その他の諸条件に応じて
適宜決定することが好ましい。カソード電極に対して左
右非対称の角度((a)及び(b))で原料ガスを導入
する場合、角度(a)と(b)の差については大きすぎ
ると放電を乱す場合があり、小さすぎると本発明の効果
が小さくなるため好ましくは2°≦|a−b|≦15°
の範囲であり、最適には5°≦|a−b|≦10°の範
囲である。
【0029】本発明の上記原料ガス導入管におけるガス
導入系は、原料ガス導入系毎に独立に制御することがで
きる。また、ガス導入系の数は2種類以上であれば特に
制限はないが、多すぎるとガス導入管の設置が物理的に
困難になる、或いは装置コストの上昇を招くため好まし
くは2系統〜10系統、最適には2系統〜5系統が本発
明には適している。原料ガス導入管を堆積膜毎に使い分
ける場合、使用していない原料ガス導入管のガス放出孔
が、使用していない間に形成される堆積膜により塞がれ
る場合があるため、プラズマを乱さず、膜特性に影響を
与えない範囲の流量で水素、不活性ガス等を流しておく
ことは本発明において有効である。またガス放出孔の大
きさについては特に制限はないが、大きすぎても小さす
ぎてもプラズマが不均一になる可能性があるため好まし
くは直径0.1〜3mmの範囲、最適には0.2mm〜
2mmが本発明には適している。ガス放出孔の数につい
ても特に制限はないが、多すぎても少なすぎてもプラズ
マが不均一になる可能性があるため好ましくは原料ガス
導入管1mあたり20個〜150個の範囲、最適には3
0個〜100個の範囲が本発明には適している。ガス放
出孔を設ける間隔(原料ガス導入管長手方向のガス放出
孔間隔)については間隔の絶対値、及び等間隔か不均一
な間隔で設けるかについても特に制限はなく、形成する
堆積膜に求める特性に応じて適宜設けることが望ましい
が、概ね1mm〜200mmが本発明には適している。
【0030】カソード電極がガス導入手段を兼ねる場合
においても同様にガス放出孔の大きさについては特に制
限はないが、大きすぎても小さすぎてもプラズマが不均
一になる可能性があるため好ましくは直径0.1〜3m
mの範囲、最適には0.2mm〜2mmが本発明には適
している。ガス放出孔の数についても特に制限はない
が、多すぎても少なすぎてもプラズマが不均一になる可
能性があるため好ましくはカソード電極10cm2あた
り2個〜50個の範囲、最適には5個〜30個の範囲が
本発明には適している。ガス放出孔を設ける間隔(原料
ガス導入管長手方向のガス放出孔間隔)については間隔
の絶対値、及び等間隔か不均一な間隔で設けるかについ
ても特に制限はなく、形成する堆積膜に求める特性に応
じて適宜設けることが望ましいが、概ね1mm〜200
mmが本発明には適している。本発明の原料ガス導入管
の材質については真空中で使用可能で、放電を乱さず、
実用強度を備え、また放電空間を汚染しない材質であれ
ばいずれも使用可能であるが、好適なものとしては、ガ
ラス、セラミックス等が挙げられる。特にアルミナセラ
ミックスは本発明に適している。また、本発明の原料ガ
ス導入管の本数は特に制限はないが4〜12本が適して
いる。
【0031】本発明において使用される支持体として
は、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持
体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、T
e、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれ
らの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロ
ースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたは
シート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少
なくとも光受容層を形成する側の表面を導電処理した支
持体も用いることができる。本発明に於いて使用される
支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状また
は板状無端ベルト状であることができ、その厚さは、所
望通りの電子写真用感光体を形成し得るように適宜決定
するが、電子写真用感光体としての可撓性が要求される
場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内
で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支
持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から
通常は10μm以上とされる。特にレーザー光などの可
干渉性光を用いて像記録を行う場合には、可視画像にお
いて現われる、いわゆる干渉縞模様による画像不良をよ
り効果的に解消するために、支持体の表面に凹凸を設け
てもよい。支持体の表面に設けられる凹凸は、特開昭6
0−168156号公報、同60−178457号公
報、同60−225854号公報等に記載された公知の
方法により作成される。
【0032】また、レーザー光などの可干渉光を用いた
場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消す
る別の方法として、支持体の表面に複数の球状痕跡窪み
による凹凸形状を設けてもよい。即ち、支持体の表面が
電子写真用感光体に要求される解像力よりも微少な凹凸
を有し、しかも該凹凸は、複数の球状痕跡窪みによるも
のである。支持体の表面に設けられる複数の球状痕跡窪
みによる凹凸は、特開昭61−231561号公報に記
載された公知の方法により作成される。本発明の装置を
用いて、グロー放電法によって堆積膜を形成するには、
基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給
用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用
の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得
るX供給用の原料ガスを、反応容器内に所望のガス状態
で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あ
らかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体上に
a−Si:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0033】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si26、Si3
8、Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素
化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げ
られ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良
さ等の点でSiH4、Si26が好ましいものとして挙
げられる。そして、形成される堆積膜中に水素原子を構
造的に導入し、水素原子の導入割合の制御をいっそう容
易になるようにはかり、本発明の目的を達成する膜特性
を得るために、これらのガスに更にH2および/または
Heあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量
混合して層形成することが必要である。また、各ガスは
単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し
支えないものである。また本発明において使用されるハ
ロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえ
ばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲ
ン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガ
ス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙
げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子
とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロ
ゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙
げることができる。本発明に於て好適に使用し得るハロ
ゲン化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、B
rF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、I
7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロ
ゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置
換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえば
SiF4、Si26等の弗化珪素が好ましいものとして
挙げることができる。
【0034】堆積膜中に含有される水素原子または/及
びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体の温
度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させるた
めに使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放
電電力等を制御すればよい。本発明においては、堆積膜
には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させるこ
とが好ましい。伝導性を制御する原子は、堆積膜中に万
偏なく均一に分布した状態で含有されても良いし、ある
いは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分
があってもよい。前記伝導性を制御する原子としては、
半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがで
き、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原
子以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特
性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第V
b族原子」と略記する)を用いることができる。第IIIb
族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウ
ム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、
タリウム(Tl等)があり、特にB、AlGaが好適で
ある。第Vb族原子としては、具体的には燐(P)、砒
素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等
があり、特にP、Asが好適である。堆積膜に含有され
る伝導性を制御する原子の含有量としては、好ましくは
1×10-2 〜1×104 原子ppm、より好ましくは5
×10-2 〜5×103 原子ppm、最適には1×10-1
〜1×103 原子ppmとされるのが望ましい。伝導性
を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子あるいは第V
b族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、第II
Ib族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用
の原料物質をガス状態で反応容器中に、堆積膜を形成す
るための他のガスとともに導入してやればよい。第IIIb
族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の
原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状の
または、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得る
ものが採用されるのが望ましい。
【0035】そのような第IIIb族原子導入用の原料物質
として具体的には、硼素原子導入用としては、B26
410、B59、B511、B610、B612、B6
14等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハロ
ゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、Ga
Cl3、Ga(CH33、InCl3、TlCl3等も挙
げることができる。第Vb族原子導入用の原料物質とし
て有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH
3、P24等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PC
3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン
化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsC
3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、Sb
5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、B
iBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なも
のとして挙げることができる。また、これらの伝導性を
制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2およ
び/またはHeにより希釈して使用してもよい。本発明
の目的を達成し、所望の膜特性を有する堆積膜を形成す
るには、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応
容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体温度を適宜設
定することが必要である。
【0036】希釈ガスとして使用するH2および/また
はHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選
択されるが、Si供給用ガスに対しH2および/または
Heを、通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15
倍、最適には5〜10倍の範囲に制御することが望まし
い。反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適
宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10-2〜1
000Pa、好ましくは5×10-2〜500Pa、最適
には1×10-1〜150Paとするのが好ましい。放電
電力もまた同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選
択されるが、Si供給用のガスの流量に対する放電電力
を、通常の場合0.1〜7倍、好ましくは0.5〜6
倍、最適には0.7〜5倍の範囲に設定することが望ま
しい。さらに、支持体の温度は、層設計にしたがって適
宜最適範囲が選択されるが、通常の場合200〜350
℃とするのが望ましい。本発明においては、堆積膜を形
成するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲と
して前記した範囲が挙げられるが、これらの条件は通常
は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性
を有する電子写真用感光体を形成すべく相互的且つ有機
的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0037】以下、本発明における実験例について説明
するが、本発明はこれらにより何等限定されるものでは
ない。 [実験例1]原料ガス導入管に反応容器壁面に対して左
右に振り分けるように設けた原料ガス放出孔の最適角度
を調べるため以下の実験を行った。長さ358mm、外
径φ108mmの鏡面加工を施したAl製シリンダー
(円筒状支持体)を2本直列に載置したAl製ホルダー
(長さ1000mm)を用い、図5に示した装置を用い
て先に示した手順に従って、該支持体上に電荷注入阻止
層、光導電層および表面層からなる光受容層を下記表1
に示す作製条件により形成した。
【0038】
【表1】 尚、本例ではガス放出孔の膜厚均一性及び欠陥発生に対
する影響を確認するため、図1〜図4で示す20本の原
料ガス導入管を配置し、2つのガス導入系には全く同じ
ガス種、混合比率、流量でガスを導入した。また該ガス
導入管の左右に設けられたガス放出孔の角度(a)を、
前記円筒状反応容器に向かって左右対称に10°から1
00°の範囲で変化させた。ガス放出孔は、φ0.5m
mの穴径とし、長手方向に22組み左右対称(総数44
個)のものを使用し、角度(a)の値は長手方向では変
化させず同一にした。作製した電子写真用感光体の周方
向の膜厚(総膜厚)分布(膜厚分布1)、表面層の膜厚
分布(膜厚分布2)及び欠陥の数について後述する評価
方法により評価した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】 表2より明らかなように原料ガス導入管に設けた原料ガ
ス放出孔の角度(a)が45°≦a≦95°の範囲を満
たすとき膜厚分布が良好であり、70°≦a≦85°の
範囲を満たすとき膜厚分布が非常に良好であることが確
認された。また原料ガス導入管に設けた原料ガス放出孔
の角度(a)が45°≦a≦90°の範囲を満たすとき
欠陥が良好であり、70°≦a≦85°の範囲を満たす
とき欠陥が非常に良好であることが確認された。
【0040】(評価方法) 『周方向膜厚分布』・・・Fischer instr
ument社製の膜厚計Ec8e2Tyを用いて作製し
た電子写真用感光体の中央位置の周方向に添って、原料
ガス導入管に正対する位置及び原料ガス管と原料ガス管
の中央に正対する位置(計40個所)の感光体中央部の
表面層の膜厚を測定し、平均値を求め、平均値からのば
らつきを求め以下の評価を与えた。 ◎・・・平均値からのばらつきが10%以内 ○・・・平均値からのばらつきが20%以内 △・・・平均値からのばらつき30%以内 ×・・・平均値からのばらつきが30%を超える 『欠陥』・・・光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で9c
2の範囲で電子写真用感光体の表面を観察し、欠陥数
を数え、以下の評価を与えた。 ◎・・・20ミクロン以上の欠陥が20個未満のもの ○・・・20ミクロン以上の欠陥を20個以上認めたも
の △・・・画像欠陥の原因となる50ミクロン以上の欠陥
を数個認めたもの ×・・・50ミクロン以上の欠陥が多数観察されたもの [実験例2]原料ガス導入管に反応容器壁面に対して左
右に振り分けるように設けた原料ガス放出孔の最適角度
を調べるため以下の実験を行った。長さ358mm、外
径φ108mmの鏡面加工を施したAl製シリンダー
(円筒状支持体)を2本直列に載置したAl製ホルダー
(長さ1000mm)を用い、図5に示した装置を用い
て先に示した手順に従って、該支持体上に電荷注入阻止
層、光導電層および表面層からなる光受容層を下記表3
に示す作製条件により形成した。
【0041】
【表3】 尚、本例ではガス放出孔の膜厚均一性及び欠陥発生に対
する影響を確認するため、図1〜図4で示す20本の原
料ガス導入管を配置し、2つのガス導入系には全く同じ
ガス種、混合比率、流量でガスを導入した。また該ガス
導入管に設けたガス放出孔の反応容器(カソード電極)
に向かって右側の角度を(a)、左側の角度を(b)と
し、 角度(a)を10°から100°の範囲で変化させ、
角度(b)の値をa−0°〜a−30°の範囲で変化さ
せた。 角度(b)を10°から100°の範囲で変化させ、
角度(a)の値をa−0°〜a−30°の範囲で変化さ
せた。 ガス放出孔は、φ0.5mmの穴径とし、長手方向に2
2組み(総数44個)とし、角度(a)及び(b)の値
は長手方向では変化させず同一にした。作製した電子写
真用感光体の表面層の周方向の膜厚分布及び欠陥の数に
ついて後述する評価方法により評価した。各々の結果を
表4−1及び表4−2に示す。
【0042】
【表4−1】 注:表中の評価結果は各々、膜厚分布/欠陥数の評価結
果を示す。
【0043】
【表4−2】 注:表中の評価結果は各々、膜厚分布/欠陥数の評価結
果を示す。
【0044】(評価方法) 『表面層周方向膜厚分布』・・・大塚電子社製のSPE
CTRO MULTICHANNEL PHOTO D
ETECTOR MCPD−2000を用いて反射分光
法により作製した電子写真用感光体の中央位置の周方向
に添って、原料ガス導入管に正対する位置及び原料ガス
管と原料ガス管の中央に正対する位置(計40個所)の
感光体中央部の表面層の膜厚を測定し、平均値を求め、
平均値からのばらつきを求め以下の評価を与えた。 ◎・・・平均値からのばらつきが10%以内 ○・・・平均値からのばらつきが20%以内 △・・・平均値からのばらつき30%以内 ×・・・平均値からのばらつきが30%を超える 『欠陥』・・・光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で9c
2の範囲で電子写真用感光体の表面を観察し、欠陥数
を数え、以下の評価を与えた。 ◎・・・20ミクロン以上の欠陥が20個未満のもの ○・・・20ミクロン以上の欠陥を20個以上認めたも
の △・・・画像欠陥の原因となる50ミクロン以上の欠陥
を数個認めたもの ×・・・50ミクロン以上の欠陥が多数観察されたもの 表4−1及び表4−2より明らかなように原料ガス導入
管に設けた原料ガス放出孔の角度(a)及び(b)が4
5°≦a(b)≦90°の範囲であり、かつ2°≦|a
−b|≦15°を満たすとき表面層の周方向の膜厚分布
及び欠陥が良好であり、70°≦a(b)≦85°の範
囲であり、最適には5°≦|a−b|≦10°を満たす
とき表面層の周方向の膜厚分布及び欠陥が非常に良好で
あることが確認された。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例について、比較例とと
もに説明するが、本発明はこれらにより何等限定される
ものではない。 [実施例1]長さ358mm、外径φ108mmの鏡面
加工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を2本
直列に載置したAl製ホルダー(長さ1000mm)を
用い、図5に示した装置を用いて先に示した手順に従っ
て、該支持体上に電荷注入阻止層、光導電層および表面
層からなる電子写真用感光体を下記表5に示す作製条件
により形成した。尚、本実施例において原料ガス導入管
は原料ガス導入系(2種類)毎にGP1(10本)、G
P2(10本)とし、各々ガス放出孔の配置に応じてタ
イプ(A)〜(L)の12種類の原料ガス導入管を用意
した(ガス放出孔は、φ0.5mmの穴径とし、長手方
向に22組み(総数44個))。各々のガス放出孔の配
置を以下に示す。
【0046】(ガス放出孔方向左右対称タイプ) (A)・・・角度(a)=70°で長手方向に亙り全て
一定 (B)・・・上端のガス放出孔の角度(a)=45°、
下端のガス放出孔の角度(a)=90°とし、間のガス
放出孔の角度(a)は上端から下端にかけて均等に分割 (C)・・・上端のガス放出孔の角度(a)=90°、
下端のガス放出孔の角度(a)=45°とし、間のガス
放出孔の角度(a)は上端から下端にかけて均等に分割 (D)・・・両端のガス放出孔の角度(a)=90°、
中央のガス放出孔の角度(a)=45°とし、間のガス
放出孔の角度(a)は中央から両端にかけて均等に分割 (E)・・・両端のガス放出孔の角度(a)=45°、
中央のガス放出孔の角度(a)=90°とし、間のガス
放出孔の角度(a)は中央から両端にかけて均等に分割 (F)・・・上端から下端にかけて45°と90°を交
互に配置 (ガス放出孔方向左右非対称タイプ) (G)・・・角度(a)=70°で長手方向に亙り全て
一定、角度(b)は各々の位置においてa−10° (H)・・・上端のガス放出孔の角度(a)=45°、
下端のガス放出孔の角度(a)=90°とし、間のガス
放出孔の角度(a)は上端から下端にかけて均等に分
割、角度(b)は各々の位置においてa−10° (I)・・・上端のガス放出孔の角度(a)=90°、
下端のガス放出孔の角度(a)=45°とし、間のガス
放出孔の角度(a)は上端から下端にかけて均等に分
割、角度(b)は各々の位置においてa−10° (J)・・・両端のガス放出孔の角度(a)=90°、
中央のガス放出孔の角度(a)=45°とし、間のガス
放出孔の角度(a)は中央から両端にかけて均等に分
割、角度(b)は各々の位置においてa−10° (K)・・・両端のガス放出孔の角度(a)=45°、
中央のガス放出孔の角度(a)=90°とし、間のガス
放出孔の角度(a)は中央から両端にかけて均等に分
割、角度(b)は各々の位置においてa−10° (L)・・・上端から下端にかけて45°と90°を交
互に配置、角度(b)は各々の位置においてa−10° 実施例1においてはGP1はタイプ(A)、GP2はタ
イプ(H)を使用した。
【0047】
【表5】 注:GP1、GP2共、堆積膜形成用ガスを流していな
い間はガス孔が塞がることを抑制するため30Sccm
のHeを流した。 上記堆積膜形成条件により各々10ロットの電子写真用
感光体を作製した。作製した電子写真用感光体の表面層
の母線方向膜厚むら、表面層の周方向膜厚むら、母線方
向電位むら、周方向電位むら、母線方向感度むら、周方
向感度むらの各特性について後述する評価方法により評
価した。その後、これらの感光体の表面層を後述する研
磨方法により研磨し、再度帯電能、感度、母線方向膜厚
むら、周方向膜厚むら、母線方向電位むら、周方向電位
むら、母線方向感度むら、周方向感度むらの各特性につ
いて同様に評価した。結果を表6に示す。
【0048】[比較例1]実施例1において、GP2を
使用せずに全層をGP1を使用して堆積膜形成用ガスを
反応容器内に導入する以外は実施例1と全く同様に電子
写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
結果を実施例1の結果と合わせて表6に示す。 [比較例2]実施例1において、GP1を使用せずに全
層をGP2を使用して堆積膜形成用ガスを反応容器内に
導入する以外は実施例1と全く同様に電子写真感光体を
作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を実施例
1の結果と合わせて表6に示す。 [比較例3]実施例1において、GP1のガス孔配置を
本発明の範囲外の角度で設けたタイプ(角度(a)=1
10°で長手方向に亙り全て一定)に変更した以外は実
施例1と全く同様に電子写真感光体を作製し、実施例1
と同様の評価を行った。結果を実施例1の結果と合わせ
て表6に示す。 [比較例4]実施例1において、GP2のガス孔配置を
本発明の範囲外の角度で設けたタイプ(上端のガス放出
孔の角度(a)=45°、下端のガス放出孔の角度
(a)=90°とし、間のガス放出孔の角度(a)は上
端から下端にかけて均等に分割、角度(b)は各々の位
置においてa−30°)に変更した以外は実施例1と全
く同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評
価を行った。結果を実施例1の結果と合わせて表6に示
す。 [比較例5]実施例1において、GP1のガス孔配置を
本発明の範囲外の角度で設けたタイプ(角度(a)=1
10°で長手方向に亙り全て一定)に変更し、さらにG
P2のガス孔配置を本発明の範囲外の角度で設けたタイ
プ(上端のガス放出孔の角度(a)=45°、下端のガ
ス放出孔の角度(a)=90°とし、間のガス放出孔の
角度(a)は上端から下端にかけて均等に分割、角度
(b)は各々の位置においてa−30°)に変更した以
外は実施例1と全く同様に電子写真感光体を作製し、実
施例1と同様の評価を行った。結果を実施例1の結果と
合わせて表6に示す。
【0049】
【表6】 表6から明らかなように本発明の堆積膜形成用原料ガス
導入管を光導電層と表面層で使い分けて使用することに
より、表面層の研磨(表面層削れの加速試験)後も膜厚
及び膜特性均一性の高い電子写真感光体を得ることがで
きる。
【0050】(評価方法) 『表面層母線方向膜厚むら』・・・大塚電子社製のSP
ECTRO MULTICHANNEL PHOTO
DETECTOR MCPD−2000を用いて反射分
光法により電子写真感光体のマッチングボックス側の膜
厚を母線方向に沿って上端から3cm間隔で測定し、平
均値を求め、母線方向で平均値からのばらつきを求め以
下の評価を与えた。 ◎・・・膜厚の平均値からのばらつきが3%以内 ○・・・膜厚の平均値からのばらつきが5%以内 △・・・膜厚の平均値からのばらつきが10%以内 ×・・・膜厚の平均値からのばらつきが10%を超える 『表面層周方向膜厚むら』・・・大塚電子社製のSPE
CTRO MULTICHANNEL PHOTO D
ETECTOR MCPD−2000を用いて反射分光
法により電子写真用感光体の中央位置の周方向に添っ
て、原料ガス導入管に正対する位置及び原料ガス管と原
料ガス管の中央に正対する位置の堆積膜の膜厚(計40
個所)を測定し、以下の評価を与えた。 ◎・・・膜厚の平均値からのばらつきが3%以内 〇・・・膜厚の平均値からのばらつきが5%以内 △・・・膜厚の平均値からのばらつきが10%以内 ×・・・膜厚の平均値からのばらつきが10%を超える 『母線方向電位むら』・・・電子写真装置(キヤノン製
NP6150をテスト用に改造)に作製した電子写真用
感光体をセットし、帯電器に+6kVの高電圧を印加し
てコロナ帯電を行う。このとき電子写真用感光体の母線
方向に添って、3cm間隔で帯電電位を表面電位計にて
測定し平均値を求め、以下の評価を与えた。 ◎・・・帯電電位の平均電位からのばらつきが3%以内 ○・・・帯電電位の平均電位からのばらつきが5%以内 △・・・帯電電位の平均電位からのばらつきが10%以
内 ×・・・帯電電位の平均電位からのばらつきが10%を
超える 『周方向電位むら』・・・電子写真装置(キヤノン製N
P6150をテスト用に改造)に作製した電子写真用感
光体をセットし、帯電器に+6kVの高電圧を印加して
コロナ帯電を行う。このとき電子写真用感光体の中央位
置の周方向に添って、原料ガス導入管に正対する位置及
び原料ガス管と原料ガス管の中央に正対する位置の帯電
電位を表面電位計にて測定し平均値を求め、以下の評価
を与えた。 ◎・・・帯電電位の平均電位からのばらつきが3%以内 ○・・・帯電電位の平均電位からのばらつきが5%以内 △・・・帯電電位の平均電位からのばらつきが10%以
内 ×・・・帯電電位の平均電位からのばらつきが10%を
超える 『母線方向感度むら』・・・電子写真装置(キヤノン製
NP6150をテスト用に改造)に作製した電子写真用
感光体をセットし、一定の暗部表面電位に帯電させる。
そして直ちに光像を照射する。この時表面電位計により
電子写真感光体の明部表面電位を測定する。明部表面電
位が所定の電位になるよう露光量を調整し、この時の露
光量をもって感度とする。電子写真用感光体の母線方向
に添って、3cm間隔で同様の測定を行い、その平均値
を求め、以下の評価を与えた。 ◎・・・感度の平均値からのばらつきが3%以内 ○・・・感度の平均値からのばらつきが5%以内 △・・・感度の平均値からのばらつきが10%以内 ×・・・感度の平均値からのばらつきが10%を超える 『周方向感度むら』・・・電子写真装置(キヤノン製N
P6150をテスト用に改造)に作製した電子写真用感
光体をセットし、一定の暗部表面電位に帯電させる。そ
して直ちに光像を照射する。この時表面電位計により電
子写真感光体の明部表面電位を測定する。明部表面電位
が所定の電位になるよう露光量を調整し、この時の露光
量をもって感度とする。電子写真用感光体の中央位置の
周方向に添って、原料ガス導入管に正対する位置及び原
料ガス管と原料ガス管の中央に正対する位置の感度を同
様に測定し平均値を求め、以下の評価を与えた。 ◎・・・感度の平均値からのばらつきが3%以内 〇・・・感度の平均値からのばらつきが5%以内 △・・・感度の平均値からのばらつきが10%以内 ×・・・感度の平均値からのばらつきが10%を超える 尚、上記評価に際して、使用したキヤノン製NP615
0の露光系は、前露光が波長700nmのLED、像露
光が波長680nmの半導体レーザーを使用した。 『表面層研磨条件』・・・作製した電子写真感光体表面
を本実験用に作製した研磨装置に搭載し、ラッピングテ
ープ(富士フイルム社製LAPPING TAPE L
T−1)により線圧100g/cmの圧力で50rpm
の回転速度で回転させ表面層を研磨した。一定時間毎に
感光体を研磨装置から取り外し、大塚電子社製のSPE
CTRO MULTI CHANNEL PHOTO
DETECTOR MCPD−2000を用いて反射分
光法により作製した電子写真用感光体の中央位置の周方
向に添って、原料ガス導入管に正対する位置及び原料ガ
ス管と原料ガス管の中央に正対する位置(計20個所)
の感光体中央部の表面層の膜厚を測定し、初期の表面層
膜厚の1/5の膜厚になった時点で研磨を終了した。
【0051】[実施例2]長さ358mm、外径φ10
8mmの鏡面加工を施したAl製シリンダー(円筒状支
持体)を2本直列に載置したAl製ホルダー(長さ10
00mm)を用い、図5に示した装置を用いて先に示し
た手順に従って、該支持体上に電荷注入阻止層、電荷輸
送層、電荷発生層および表面層からなる電子写真用感光
体を下記表7に示す作製条件により形成した。尚、実施
例2においてはGP1はタイプ(F)、GP2はタイプ
(L)を使用した。
【0052】
【表7】 注:GP1、GP2共、堆積膜形成用ガスを流していな
い間はガス孔が塞がることを抑制するため30Sccm
のHeを流した。 上記堆積膜形成条件により各々10ロットの電子写真用
感光体を作製した。作製した電子写真用感光体について
後述する評価方法により帯電能を測定し、さらに実施例
1と同様に表面層の母線方向膜厚むら、表面層の周方向
膜厚むら、母線方向電位むら、周方向電位むら、母線方
向感度むら、周方向感度むらの各特性について研磨前と
研磨後に評価した。結果を表8に示す。
【0053】[比較例6]実施例2において、GP2を
使用せずに全層をGP1を使用して堆積膜形成用ガスを
反応容器内に導入する以外は実施例2と全く同様に電子
写真感光体を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
結果を実施例2の結果と合わせて表8に示す。 [比較例7]実施例2において、GP1を使用せずに全
層をGP2を使用して堆積膜形成用ガスを反応容器内に
導入する以外は実施例2と全く同様に電子写真感光体を
作製し、実施例2と同様の評価を行った。結果を実施例
2の結果と合わせて表8に示す。 [比較例8]実施例2において、GP1のガス孔配置を
本発明の範囲外の角度で設けたタイプ(上端から下端に
かけて30°と110°を交互に配置)に変更した以外
は実施例2と全く同様に電子写真感光体を作製し、実施
例2と同様の評価を行った。結果を実施例2の結果と合
わせて表8に示す。 [比較例9]実施例2において、GP2のガス孔配置を
本発明の範囲外の角度で設けたタイプ(上端から下端に
かけて45°と90°を交互に配置、角度(b)は各々
の位置においてa−30°)に変更した以外は実施例2
と全く同様に電子写真感光体を作製し、実施例2と同様
の評価を行った。結果を実施例2の結果と合わせて表8
に示す。 [比較例10]実施例2において、GP1のガス孔配置
を本発明の範囲外の角度で設けたタイプ(上端から下端
にかけて30°と110°を交互に配置)に変更し、さ
らにGP2のガス孔配置を本発明の範囲外の角度で設け
たタイプ(上端から下端にかけて45°と90°を交互
に配置、角度(b)は各々の位置においてa−30°)
に変更した以外は実施例1と全く同様に電子写真感光体
を作製し、実施例2と同様の評価を行った。結果を実施
例2の結果と合わせて表8に示す。
【0054】
【表8】 表8から明らかなように本発明の堆積膜形成用原料ガス
導入管を堆積膜形成用ガスの種類、及び形成する層に応
じて使い分けて使用することにより、帯電特性の向上及
び表面層の研磨(表面層削れの加速試験)後も膜厚及び
膜特性均一性の高い電子写真感光体を得ることができ
る。
【0055】(評価方法) 『帯電能』・・・電子写真装置(キヤノン製NP615
0をテスト用に改造)に作製した電子写真用感光体をセ
ットし、帯電器に+6kVの高電圧を印加してコロナ帯
電を行う。このとき電子写真用感光体の母線方向に添っ
て、3cm間隔で帯電電位を表面電位計にて測定し、そ
の平均値を帯電能とした。実施例2で作製した電子写真
感光体の帯電能を100として比較例の帯電能と相対評
価を行った。
【0056】[実施例3〜実施例6]長さ358mm、
外径φ108mmの鏡面加工を施したAl製シリンダー
(円筒状支持体)を2本直列に載置したAl製ホルダー
(長さ1000mm)を用い、図5に示した装置を用い
て先に示した手順に従って、下記表9〜12に示す作製
条件により電子写真感光体を作製した。作製した各々の
感光体について実施例2と同様の評価を行ったところ、
同様に良好な結果が得られた。実施例3〜6の結果より
本発明は原料ガス導入管の原料ガス放出孔の配置を適宜
調整することにより、作製する電子写真感光体の作製条
件或いは層構成によらず優れた膜特性、膜厚及び膜特性
均一性を有する電子写真感光体を得ることが確認され
た。
【0057】
【表9】 注1:GP1はタイプ(B)、GP2はタイプ(G)を
使用した。 注2:GP1、GP2共、堆積膜形成用ガスを流してい
ない間はガス孔が塞がることを抑制するため30Scc
mのHeを流した。
【0058】
【表10】 注1:GP1はタイプ(C)、GP2はタイプ(I)を
使用した。 注2:GP1、GP2共、堆積膜形成用ガスを流してい
ない間はガス孔が塞がることを抑制するため30Scc
mのHeを流した。
【0059】
【表11】 注1:GP1はタイプ(D)、GP2はタイプ(J)を
使用した。 注2:GP1、GP2共、堆積膜形成用ガスを流してい
ない間はガス孔が塞がることを抑制するため30Scc
mのHeを流した。
【0060】
【表12】 注1:GP1はタイプ(E)、GP2はタイプ(K)を
使用した。 注2:GP1、GP2共、堆積膜形成用ガスを流してい
ない間はガス孔が塞がることを抑制するため30Scc
mのHeを流した。
【0061】[実施例7]堆積膜形成装置中における堆
積膜形成用原料ガス導入管の配置を、実施例1〜6の配
置(GP1、GP2共半径の等しい同心円上に配置:図
1及び図2参照)からGP1とGP2とで半径の異なる
同心円上の配置(図3及び図4参照)に改造し、実施例
1〜6と同様の実験を行い同様に評価した。その結果、
実施例1〜6と同様に本発明の優れた効果が確認され
た。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
複数の原料ガス導入管を、少なくとも2つ以上の異なる
原料ガス導入系によって構成するとともに、該原料ガス
導入管のそれぞれが少なくとも2方向に複数のガス放出
孔を有する構成とし、該ガス放出孔の吹き出し方向を、
堆積膜形成条件を均一化し且つ放電を乱すことのない特
定の範囲に設定する構成によって、ガス流量をガス導入
系毎に独立に制御することが可能となり、また堆積膜形
成条件を均一にすることができ、さらに反応容器内のガ
スバランスの安定化を図ることができる。その結果、膜
特性を向上させることができるだけでなく、膜厚および
膜特性が均一な堆積膜を定常的に形成することができ、
また円筒状反応容器壁面のポリシランが円筒状支持体へ
飛散して、微少な画像欠陥が発生する事を可及的に防止
する事ができるので、デジタル複写機等に代表される高
画質化への対応が可能な高品質の堆積膜を形成すること
ができる。また、本発明は上記構成により、量産を行う
場合においても、歩留を飛躍的に向上させることが可能
となり一層の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマCVD法による堆積膜形成装
置の一例の要部を示す断面図である。
【図2】本発明のプラズマCVD法による別の構成の堆
積膜形成装置の一例の要部を示す断面図である。
【図3】本発明のさらに別の構成のプラズマCVD法に
よる堆積膜形成装置の一例の要部を示す断面図である。
【図4】本発明のさらに別の構成のプラズマCVD法に
よる堆積膜形成装置の一例の要部を示す断面図である。
【図5】本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を形
成するために用いることのできる装置の一例で、高周波
を用いたグロー放電法による電子写真用光受容部材の製
造装置の模式的説明図である。
【図6】本発明のガス導入管に設けられたガス放出孔の
吹き出し方向の配置を説明する模式図であり、(A)は
本発明のガス導入管を側面から見た模式図、(B)は原
料ガス導入管の長手方向の部分的な断面図である。
【図7】本発明のガス導入管に設けられたガス放出孔の
吹き出し方向の配置を説明する模式図であり、(A)は
本発明のガス導入管を側面から見た模式図、(B)は原
料ガス導入管の長手方向の部分的な断面図である。
【図8】本発明の原料ガス導入管を設置した場合の原料
ガス放出孔の角度(a)/又は角度(a)+(b)の代
表的な分布状態の一例を示す模式的説明図である。
【図9】本発明の原料ガス導入管を設置した場合の原料
ガス放出孔の角度(a)/又は角度(a)+(b)の代
表的な分布状態の一例を示す模式的説明図である。
【図10】本発明の原料ガス導入管を設置した場合の原
料ガス放出孔の角度(a)/又は角度(a)+(b)の
代表的な分布状態の一例を示す模式的説明図である。
【図11】本発明の原料ガス導入管を設置した場合の原
料ガス放出孔の角度(a)/又は角度(a)+(b)の
代表的な分布状態の一例を示す模式的説明図である。
【図12】本発明の原料ガス導入管を設置した場合の原
料ガス放出孔の角度(a)/又は角度(a)+(b)の
代表的な分布状態の一例を示す模式的説明図である。
【符号の説明】
101:電極を兼ねる円筒状反応容器 102:円筒状支持体を含む対向電極 103、303:原料ガス導入管 104、304:原料ガス放出孔 105、305:原料ガスの吹き出し方向 a、a’、b、b’:原料ガスの吹き出し角度 GP1:原料ガス導入系1より構成された原料ガス導入
管 GP2:原料ガス導入系2より構成された原料ガス導入
管 2100:堆積装置 2111:反応容器 2112:円筒状支持体 2113:支持体加熱用ヒーター 2114:原料ガス導入管 2115:マッチングボックス 2116:原料ガス配管 2117:反応容器リークバルブ 2118:メイン排気バルブ 2119:真空計 2200:原料ガス供給装置 2211〜2216:マスフローコントローラー 2221〜2226:原料ガスボンベ 2231〜2236:原料ガスボンベバルブ 2241〜2246:ガス流入バルブ 2251〜2256:ガス流出バルブ 2260:補助バルブ 2261〜2266:圧力調整器 401:ホルダーキャップ 402:円筒状支持体 403:ホルダー受け台 404:原料ガス導入管 405:原料ガス吹き出し方向 406:円筒状反応容器壁面(カソード電極) 407:ガイシ 408:反応容器底壁 409:ガスの排気方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬木 好雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも上壁、カソード電極を兼ねた周
    囲壁及び底壁によって構成される真空気密可能な反応空
    間を有する反応容器、該反応容器の反応空間内に堆積膜
    形成用支持体を保持する手段、該堆積膜形成用支持体の
    周囲に設けられた複数の原料ガス導入管、該導入した原
    料ガスを励起させてグロー放電を発生させる高周波エネ
    ルギー導入手段、及び前記反応容器内を真空に排気する
    排気口及び排気手段、により構成されるプラズマCVD
    法による堆積膜形成装置において、 前記複数の原料ガス導入管は、少なくとも2つ以上の異
    なる原料ガス導入系によって構成されるとともに、該原
    料ガス導入管のそれぞれは少なくとも2方向に複数のガ
    ス放出孔を有し、該ガス放出孔の吹き出し方向が、堆積
    膜形成条件を均一化し且つ放電を乱すことのない特定の
    範囲に設定されていることを特徴とするプラズマCVD
    法による堆積膜形成装置。
  2. 【請求項2】前記原料ガス導入系は、原料ガス導入系毎
    に原料ガス種及び/又は原料ガス混合比率を独立に制御
    可能な手段を有することを特徴とする請求項1に記載の
    プラズマCVD法による堆積膜形成装置。
  3. 【請求項3】前記原料ガス導入系は、少なくともガス種
    及び/又はガス混合比率の異なる複数の堆積膜形成用ガ
    スを導入する系より構成されていることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の堆積膜形成装置。
  4. 【請求項4】前記原料ガス導入系は、少なくとも堆積膜
    形成用ガスを導入する系と希釈用ガスを導入する系及び
    /又は伝導性を制御する原子を含有するガスを導入する
    系より構成されていることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成装
    置。
  5. 【請求項5】前記原料ガス導入管の原料ガス放出孔の吹
    き出し方向が、該原料ガス放出孔と、該原料ガス導入管
    と正対する前記反応容器位置とのなす角度をaとした
    時、角度aが45°≦a≦90°を満たすように左右対
    称に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項
    4のいずれか1項に記載のプラズマCVD法による堆積
    膜形成装置。
  6. 【請求項6】前記原料ガス導入管の原料ガス放出孔の吹
    き出し方向が、該原料ガス放出孔と該原料ガス導入管と
    正対する前記反応容器位置とのなす角度の反応容器に向
    かって右側をa、左側をbとした時、角度a及びbが4
    5°≦a(b)≦90°、かつ2°≦|a−b|≦15
    °を満たすように左右非対称に設けられていることを特
    徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のプ
    ラズマCVD法による堆積膜形成装置。
  7. 【請求項7】前記原料ガス導入管の原料ガス放出孔の前
    記角度a及び/又はbが、ガス導入管の長手方向に亙っ
    て不均一に配置されていることを特徴とする請求項5ま
    たは請求項6のいずれか1項に記載の堆積膜形成装置。
  8. 【請求項8】前記原料ガス導入管の原料ガス放出孔の密
    度が、ガス導入管の長手方向に亙って不均一に形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか
    1項に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成装置。
  9. 【請求項9】前記2つ以上の異なる原料ガス導入系によ
    って構成されている原料ガス導入管が、前記反応容器中
    心から同一半径上の同心円上に配置されていることを特
    徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のプ
    ラズマCVD法による堆積膜形成装置。
  10. 【請求項10】前記2つ以上の異なる原料ガス導入系に
    よって構成されている原料ガス導入管において、一方の
    ガス導入系に対して他方のガス導入系が、前記反応容器
    中心から一方のガス導入系と異なる半径の同心円上に配
    置されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のい
    ずれか1項に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成
    装置。
  11. 【請求項11】前記カソード電極が、原料ガス導入手段
    を兼ねていることを特徴とする請求項1〜請求項10の
    いずれか1項に記載のプラズマCVD法による堆積膜形
    成装置。
  12. 【請求項12】真空気密可能な反応空間を有する反応容
    器と、該反応容器の反応空間内に保持手段によって保持
    される堆積膜形成用支持体の周囲に配された複数の原料
    ガス導入管を備え、該複数の原料ガス導入管から前記反
    応容器内に原料ガスを導入し、高周波エネルギー導入手
    段によって該原料ガスを励起させてグロー放電を発生さ
    せ、前記堆積膜形成用支持体に堆積膜を形成するプラズ
    マCVD法による堆積膜形成方法において、 前記複数の原料ガス導入管を、少なくとも2つ以上の異
    なる原料ガス導入系によって構成し、かつ該原料ガス導
    入管を2方向の複数のガス放出孔を有する構成とし、該
    ガス放出孔の吹き出し方向を特定の範囲に設定すること
    で、堆積膜形成条件を均一化し且つ放電を乱さないよう
    にして堆積膜を形成することを特徴とするプラズマCV
    D法による堆積膜形成方法。
  13. 【請求項13】前記原料ガス導入系は、前記原料ガス導
    入系毎に独立に制御可能な手段を有し、少なくとも2層
    以上の堆積膜を形成する際に、前記原料ガス導入系の異
    なる原料ガス導入管を、層に応じて使い分けることを特
    徴とする請求項12に記載のプラズマCVD法による堆
    積膜形成方法。
  14. 【請求項14】前記原料ガス導入系は、原料ガス導入系
    毎に原料ガス種及び/又は原料ガス混合比率を独立に制
    御可能であることを特徴とする請求項12または請求項
    13に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成方法。
  15. 【請求項15】前記原料ガス導入系は、少なくともガス
    種及び/又はガス混合比率の異なる複数の堆積膜形成用
    ガスを導入する系より構成されていることを特徴とする
    請求項12または請求項13に記載のプラズマCVD法
    による堆積膜形成方法。
  16. 【請求項16】前記原料ガス導入系は、前記原料ガス導
    入系毎に独立に制御可能な手段を有し、堆積膜を形成す
    る際に、少なくとも堆積膜形成用ガスと希釈用ガス及び
    /又は伝導性を制御する原子を含有するガス流量を前記
    原料ガス導入系毎に独立に制御することを特徴とする請
    求項12に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成方
    法。
  17. 【請求項17】前記原料ガス導入管に設けられた原料ガ
    ス放出孔の吹き出し方向が、該原料ガス放出孔と、該原
    料ガス導入管と正対する前記反応容器位置とのなす角度
    をaとした時、角度aが45°≦a≦90°を満たすよ
    うに左右対称に設けられたことを特徴とする請求項12
    〜請求項16のいずれか1項に記載のプラズマCVD法
    による堆積膜形成方法。
  18. 【請求項18】前記原料ガス導入管に設けられた原料ガ
    ス放出孔の吹き出し方向の一部又は全部が、該原料ガス
    放出孔と該原料ガス導入管と正対する前記反応容器位置
    とのなす角度の反応容器に向かって右側をa、左側をb
    とした時、角度a及びbが45°≦a(b)≦90°、
    かつ2°≦|a−b|≦15°を満たすように左右非対
    称に設けられたことを特徴とする請求項12〜請求項1
    6のいずれか1項に記載のプラズマCVD法による堆積
    膜形成方法。
  19. 【請求項19】前記原料ガス導入管に設けた原料ガス放
    出孔の前記角度a及び/又はbが、ガス導入管の長手方
    向に亙って不均一に配置されたことを特徴とする請求項
    17または請求項18のいずれか1項に記載の堆積膜形
    成方法。
  20. 【請求項20】前記原料ガス導入管に設けた原料ガス放
    出孔の密度が、ガス導入管の長手方向に亙って不均一に
    形成されたことを特徴とする請求項12〜請求項19の
    いずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  21. 【請求項21】前記2つ以上の異なる原料ガス導入系に
    よって構成されている原料ガス導入管が、前記反応容器
    中心から同一半径上の同心円上に配置されていることを
    特徴とする請求項12〜請求項20のいずれか1項に記
    載の堆積膜形成方法。
  22. 【請求項22】前記2つ以上の異なる原料ガス導入系に
    よって構成されている原料ガス導入管において、一方の
    ガス導入系に対して他方のガス導入系が、前記反応容器
    中心から一方のガス導入系と異なる半径の同心円上に配
    置されていることを特徴とする請求項12〜請求項20
    のいずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
  23. 【請求項23】前記カソード電極が、原料ガス導入手段
    を兼ねていることを特徴とする請求項12〜請求項22
    のいずれか1項に記載の堆積膜形成方法。
JP14656798A 1998-05-12 1998-05-12 プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法 Pending JPH11323563A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8123902B2 (en) * 2007-03-21 2012-02-28 Applied Materials, Inc. Gas flow diffuser
JP2013163841A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Jtekt Corp 炭素膜成膜装置および炭素膜成膜方法
JP2016117934A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 三菱マテリアル株式会社 化学蒸着装置、化学蒸着方法

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