JPH10183356A - プラズマcvd法による堆積膜形成装置 - Google Patents
プラズマcvd法による堆積膜形成装置Info
- Publication number
- JPH10183356A JPH10183356A JP35614296A JP35614296A JPH10183356A JP H10183356 A JPH10183356 A JP H10183356A JP 35614296 A JP35614296 A JP 35614296A JP 35614296 A JP35614296 A JP 35614296A JP H10183356 A JPH10183356 A JP H10183356A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas introduction
- raw material
- source gas
- cylindrical support
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラズマCVD法により、支持体上に、結晶
質、または非単結晶質半導体を連続的に形成する改良さ
れた堆積膜形成装置。 【解決手段】円筒状反応容器1111内を排気する手段
と反対側の位置に、円筒状支持体1112の同軸外周上
に複数の原料ガス放出孔1125,1131,1133
を有する第二の原料ガス導入部1130,1132を設
けた、上壁、電極を兼ねる容器1111及び底壁で密封
形成されてなる反応空間と、その内に円筒状支持体11
12を設置する手段と、支持体1112の同軸外周上に
支持体1112の長手方向に沿って設けられた複数の第
一の堆積膜形成用原料ガス導入管1114と、該原料ガ
スを励起させて励起種化するための放電エネルギー印加
手段と、容器1111内を排気する手段とからなるCV
D法による堆積膜形成装置。
質、または非単結晶質半導体を連続的に形成する改良さ
れた堆積膜形成装置。 【解決手段】円筒状反応容器1111内を排気する手段
と反対側の位置に、円筒状支持体1112の同軸外周上
に複数の原料ガス放出孔1125,1131,1133
を有する第二の原料ガス導入部1130,1132を設
けた、上壁、電極を兼ねる容器1111及び底壁で密封
形成されてなる反応空間と、その内に円筒状支持体11
12を設置する手段と、支持体1112の同軸外周上に
支持体1112の長手方向に沿って設けられた複数の第
一の堆積膜形成用原料ガス導入管1114と、該原料ガ
スを励起させて励起種化するための放電エネルギー印加
手段と、容器1111内を排気する手段とからなるCV
D法による堆積膜形成装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD法
により、支持体上に機能性堆積膜、特に電子写真用感光
体、光起電力デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮
像デバイス、TFT等の半導体素子として好適に利用で
きる、結晶質、または非単結晶質半導体を連続的に形成
する改良された堆積膜形成装置に関するものである。中
でもとりわけ、電子写真感光体のような大面積の堆積膜
を形成するための装置に関する。
により、支持体上に機能性堆積膜、特に電子写真用感光
体、光起電力デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮
像デバイス、TFT等の半導体素子として好適に利用で
きる、結晶質、または非単結晶質半導体を連続的に形成
する改良された堆積膜形成装置に関するものである。中
でもとりわけ、電子写真感光体のような大面積の堆積膜
を形成するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイス、電子写真用感光
体、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、光起電
力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素
子等に用いる素子部材として、アモルファスシリコン、
例えば水素または/及びハロゲン(例えばフッ素、塩素
等)で補償されたアモルファスシリコン[以下、A−S
i(H,X)と略記する]のような非単結晶質の堆積膜
またはダイヤモンド薄膜のような結晶質の堆積膜が提案
され、その中のいくつかは実用に付されている。そし
て、こうした堆積膜は、プラズマCVD法、すなわち、
原料ガスを直流または高周波、あるいはマイクロ波によ
るグロー放電によって分解し、ガラス、石英、耐熱性合
成樹脂フイルム、ステンレス、アルミニウムなどの支持
体上に堆積膜を形成する方法により形成され、そのため
の装置も各種提案されている。
体、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、光起電
力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素
子等に用いる素子部材として、アモルファスシリコン、
例えば水素または/及びハロゲン(例えばフッ素、塩素
等)で補償されたアモルファスシリコン[以下、A−S
i(H,X)と略記する]のような非単結晶質の堆積膜
またはダイヤモンド薄膜のような結晶質の堆積膜が提案
され、その中のいくつかは実用に付されている。そし
て、こうした堆積膜は、プラズマCVD法、すなわち、
原料ガスを直流または高周波、あるいはマイクロ波によ
るグロー放電によって分解し、ガラス、石英、耐熱性合
成樹脂フイルム、ステンレス、アルミニウムなどの支持
体上に堆積膜を形成する方法により形成され、そのため
の装置も各種提案されている。
【0003】例えば、図3は高周波プラズマCVD法
(以後「PCVD」と略記する)による電子写真用感光
体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。図3
に示す製造装置の構成は以下の通りである。この装置は
大別すると、堆積装置(3100)、原料ガスの供給装
置(3200)、反応容器(3111)内を減圧にする
ための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積
装置(3100)中の反応容器(3111)内には円筒
状支持体(3112)、支持体加熱用ヒーター(311
3)、原料ガス導入管(3114)が設置され、更に高
周波マッチングボックス(3115)が接続されてい
る。原料ガス供給装置(3200)は、SiH4、Ge
H4、H2、CH4、B2H6、PH3等の原料ガスのボンベ
(3221〜3226)とバルブ(3231〜323
6,3241〜3246,3251〜3256)および
マスフローコントローラー(3211〜3216)から
構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(3260)を
介して反応容器(3111)内のガス導入管(311
4)に接続されている。こうした従来の堆積膜形成装置
を用いた堆積膜の形成は、例えば以下のように行なわれ
る。
(以後「PCVD」と略記する)による電子写真用感光
体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。図3
に示す製造装置の構成は以下の通りである。この装置は
大別すると、堆積装置(3100)、原料ガスの供給装
置(3200)、反応容器(3111)内を減圧にする
ための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積
装置(3100)中の反応容器(3111)内には円筒
状支持体(3112)、支持体加熱用ヒーター(311
3)、原料ガス導入管(3114)が設置され、更に高
周波マッチングボックス(3115)が接続されてい
る。原料ガス供給装置(3200)は、SiH4、Ge
H4、H2、CH4、B2H6、PH3等の原料ガスのボンベ
(3221〜3226)とバルブ(3231〜323
6,3241〜3246,3251〜3256)および
マスフローコントローラー(3211〜3216)から
構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(3260)を
介して反応容器(3111)内のガス導入管(311
4)に接続されている。こうした従来の堆積膜形成装置
を用いた堆積膜の形成は、例えば以下のように行なわれ
る。
【0004】まず、反応容器(3111)内に円筒状支
持体(3112)を設置し、不図示の排気装置(例えば
真空ポンプ)により反応容器(3111)内を排気口
(3119)より排気する。続いて、支持体加熱用ヒー
ター(3113)により円筒状支持体(3112)の温
度を20℃乃至450℃の所定の温度に制御する。堆積
膜形成用の原料ガスを反応容器(3111)に流入させ
るには、ガスボンベのバルブ(3231〜3237)、
反応容器のリークバルブ(3117)が閉じられている
ことを確認し、叉、流入バルブ(3241〜324
6)、流出バルブ(3251〜3256)、補助バルブ
(3260)が開かれていることを確認して、まずメイ
ンバルブ(3118)を開いて反応容器(3111)お
よびガス配管内(3116)を排気する。次に真空計
(3124)の読みが約5×10-6Torrになった時
点で補助バルブ(3260)、流出バルブ(3251〜
3256)を閉じる。その後、ガスボンベ(3221〜
3226)より各ガスをバルブ(3231〜3236)
を開いて導入し、圧力調整器(3261〜3266)に
より各ガス圧を2Kg/cm2に調整する。次に、流入
バルブ(3241〜3246)を徐々に開けて、各ガス
をマスフローコントローラー(3211〜3216)内
に導入する。
持体(3112)を設置し、不図示の排気装置(例えば
真空ポンプ)により反応容器(3111)内を排気口
(3119)より排気する。続いて、支持体加熱用ヒー
ター(3113)により円筒状支持体(3112)の温
度を20℃乃至450℃の所定の温度に制御する。堆積
膜形成用の原料ガスを反応容器(3111)に流入させ
るには、ガスボンベのバルブ(3231〜3237)、
反応容器のリークバルブ(3117)が閉じられている
ことを確認し、叉、流入バルブ(3241〜324
6)、流出バルブ(3251〜3256)、補助バルブ
(3260)が開かれていることを確認して、まずメイ
ンバルブ(3118)を開いて反応容器(3111)お
よびガス配管内(3116)を排気する。次に真空計
(3124)の読みが約5×10-6Torrになった時
点で補助バルブ(3260)、流出バルブ(3251〜
3256)を閉じる。その後、ガスボンベ(3221〜
3226)より各ガスをバルブ(3231〜3236)
を開いて導入し、圧力調整器(3261〜3266)に
より各ガス圧を2Kg/cm2に調整する。次に、流入
バルブ(3241〜3246)を徐々に開けて、各ガス
をマスフローコントローラー(3211〜3216)内
に導入する。
【0005】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体(3
112)が所定の温度になったところで流出バルブ(3
251〜3256)のうちの必要なものおよび補助バル
ブ(3260)を徐々に開き、ガスボンベ(3221〜
3226)から所定のガスをガス導入管(3114)を
介して反応容器(3111)内に導入する。次にマスフ
ローコントローラー(3211〜3216)によって各
原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、
反応容器(3111)内の圧力が1Torr以下の所定
の圧力になるように真空計(3124)を見ながらメイ
ンバルブ(3118)の開口を調整する。内圧が安定し
たところで、周波数13.56MHzの高周波電源(不
図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボッ
クス(3115)を通じて反応容器(3111)内に高
周波電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電
エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが
分解され、円筒状支持体(3112)上に所定のシリコ
ンを主成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所
望の膜厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止
め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止
め、堆積膜の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返
すことによって、所望の多層構造の光受容層を形成する
ことができる。それぞれの層を形成する際には必要なガ
ス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言う
までもなく、また、それぞれのガスが反応容器(311
1)内、流出バルブ(3251〜3256)から反応容
器(3111)に至る配管内に残留することを避けるた
めに、流出バルブ(3251〜3256)を閉じ、補助
バルブ(3260)を開き、さらにメインバルブ(31
18)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を
必要に応じて行う。
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体(3
112)が所定の温度になったところで流出バルブ(3
251〜3256)のうちの必要なものおよび補助バル
ブ(3260)を徐々に開き、ガスボンベ(3221〜
3226)から所定のガスをガス導入管(3114)を
介して反応容器(3111)内に導入する。次にマスフ
ローコントローラー(3211〜3216)によって各
原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、
反応容器(3111)内の圧力が1Torr以下の所定
の圧力になるように真空計(3124)を見ながらメイ
ンバルブ(3118)の開口を調整する。内圧が安定し
たところで、周波数13.56MHzの高周波電源(不
図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボッ
クス(3115)を通じて反応容器(3111)内に高
周波電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電
エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが
分解され、円筒状支持体(3112)上に所定のシリコ
ンを主成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所
望の膜厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止
め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止
め、堆積膜の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返
すことによって、所望の多層構造の光受容層を形成する
ことができる。それぞれの層を形成する際には必要なガ
ス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言う
までもなく、また、それぞれのガスが反応容器(311
1)内、流出バルブ(3251〜3256)から反応容
器(3111)に至る配管内に残留することを避けるた
めに、流出バルブ(3251〜3256)を閉じ、補助
バルブ(3260)を開き、さらにメインバルブ(31
18)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を
必要に応じて行う。
【0006】このようにして、電子写真用感光体のよう
な大面積を有する堆積膜を形成する場合、周方向及び長
手方向の膜厚、膜質の均一化が必要であり、そのための
装置構成も各種提案されている。例えば、特開昭58−
30125号公報によれば、原料ガス導入に、円筒状電
極とは独立した、ガス導入用ガス管を用い、該ガス管に
設けたガス放出孔の断面積と間隔を円筒形支持体の長手
方向で変化させ、原料ガスを均一に放出することによ
り、膜厚および電子写真用感光体として使用する場合の
画像ムラを改善する技術が開示されている。特開昭58
−32413号公報によれば、ガス導入手段兼用の円筒
状電極においても、ガス導入用ガス管を使用した場合に
おいても、ガス放出孔の向きを原料ガスが一定方向に回
転する様に設定することにより、膜厚の均一性を改善す
る技術が開示されている。特開昭62−218573号
公報によれば、ガス導入管の上部及び下部を分岐管によ
り接続することにより、支持体を回転させなくても膜
厚、膜質の均一性を改善する技術が開示されている。特
開昭63−479号公報によれば、ガス導入管のガス放
出孔と円筒状支持体との角度と、円筒状電極の内径、円
筒状支持体の内径との関係を規定することにより、支持
体を回転させなくても膜厚、膜質の均一性を改善する技
術が開示されている。特開昭63−7373号公報によ
れば、ガス導入管を用い、ガス導入管の断面積、ガス放
出孔の断面積と数の関係を規定することにより、円筒形
支持体を回転させずに、形成される堆積膜の膜厚及び膜
質を均一にする技術が開示されている。これらの技術に
より電子写真用感光体の膜厚や膜質の均一性が向上し、
それに伴って歩留も向上してきた。
な大面積を有する堆積膜を形成する場合、周方向及び長
手方向の膜厚、膜質の均一化が必要であり、そのための
装置構成も各種提案されている。例えば、特開昭58−
30125号公報によれば、原料ガス導入に、円筒状電
極とは独立した、ガス導入用ガス管を用い、該ガス管に
設けたガス放出孔の断面積と間隔を円筒形支持体の長手
方向で変化させ、原料ガスを均一に放出することによ
り、膜厚および電子写真用感光体として使用する場合の
画像ムラを改善する技術が開示されている。特開昭58
−32413号公報によれば、ガス導入手段兼用の円筒
状電極においても、ガス導入用ガス管を使用した場合に
おいても、ガス放出孔の向きを原料ガスが一定方向に回
転する様に設定することにより、膜厚の均一性を改善す
る技術が開示されている。特開昭62−218573号
公報によれば、ガス導入管の上部及び下部を分岐管によ
り接続することにより、支持体を回転させなくても膜
厚、膜質の均一性を改善する技術が開示されている。特
開昭63−479号公報によれば、ガス導入管のガス放
出孔と円筒状支持体との角度と、円筒状電極の内径、円
筒状支持体の内径との関係を規定することにより、支持
体を回転させなくても膜厚、膜質の均一性を改善する技
術が開示されている。特開昭63−7373号公報によ
れば、ガス導入管を用い、ガス導入管の断面積、ガス放
出孔の断面積と数の関係を規定することにより、円筒形
支持体を回転させずに、形成される堆積膜の膜厚及び膜
質を均一にする技術が開示されている。これらの技術に
より電子写真用感光体の膜厚や膜質の均一性が向上し、
それに伴って歩留も向上してきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
電子写真装置の画像特性向上のために電子写真装置内の
光学露光系や、現像装置、転写装置の改良がなされた結
果、電子写真用光受容部材においても、従来以上の潜像
特性の均一性の向上が求められるようになった。その
他、電子写真装置の高速化に対応し、複写プロセスのス
ピードアップもなされている。そのため、光受容部材の
特性の場所的バラツキといった問題は、従来のスピード
の複写システムにあっては必ずしも痛切ではなく場合に
よっては無視することもできた。しかし、レーザー等の
可干渉光源を使用する高速の複写システムや、ファクシ
ミリシステム、プリンターシステム等の高速連続画像形
成システム、特にデジタル高速連続画像システム、さら
には近年普及してきたフルカラー画像システムにおいて
は、濃度むら等の視覚的に明らかなものとなるため重大
な問題であり、解決が望まれている。
電子写真装置の画像特性向上のために電子写真装置内の
光学露光系や、現像装置、転写装置の改良がなされた結
果、電子写真用光受容部材においても、従来以上の潜像
特性の均一性の向上が求められるようになった。その
他、電子写真装置の高速化に対応し、複写プロセスのス
ピードアップもなされている。そのため、光受容部材の
特性の場所的バラツキといった問題は、従来のスピード
の複写システムにあっては必ずしも痛切ではなく場合に
よっては無視することもできた。しかし、レーザー等の
可干渉光源を使用する高速の複写システムや、ファクシ
ミリシステム、プリンターシステム等の高速連続画像形
成システム、特にデジタル高速連続画像システム、さら
には近年普及してきたフルカラー画像システムにおいて
は、濃度むら等の視覚的に明らかなものとなるため重大
な問題であり、解決が望まれている。
【0008】そこで、本発明は上記従来のものにおける
課題を解決し、反応容器内のガス量のバランスをとり、
膜厚および膜質が均一な堆積膜を定常的に形成すること
ができ、形成される膜の諸物性、成膜速度、再現性、膜
の生産性等をそれぞれ向上させることが可能で、量産化
を行う場合その歩留まりを飛躍的に向上させることので
きるプラズマCVD法による堆積膜形成装置を提供する
ことを目的としている。
課題を解決し、反応容器内のガス量のバランスをとり、
膜厚および膜質が均一な堆積膜を定常的に形成すること
ができ、形成される膜の諸物性、成膜速度、再現性、膜
の生産性等をそれぞれ向上させることが可能で、量産化
を行う場合その歩留まりを飛躍的に向上させることので
きるプラズマCVD法による堆積膜形成装置を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の堆積膜形成装置
は、上記課題を解決するため、上壁、電極を兼ねる円筒
状反応容器及び底壁で密封形成されてなる反応空間と、
該反応空間内に円筒状支持体を設置する手段と、該円筒
状支持体の同軸外周上に該円筒状支持体の長手方向に沿
って設けられた複数の第一の堆積膜形成用原料ガス導入
管と、該原料ガスを励起させて励起種化するための放電
エネルギー印加手段と、前記反応室内を排気する手段と
からなるプラズマCVD法による堆積膜形成装置におい
て、前記反応容器内を排気する手段と反対側の位置に、
該円筒状支持体の同軸外周上に複数の原料ガス放出孔を
有する第二の原料ガス導入部を設けたことを特徴として
いる。
は、上記課題を解決するため、上壁、電極を兼ねる円筒
状反応容器及び底壁で密封形成されてなる反応空間と、
該反応空間内に円筒状支持体を設置する手段と、該円筒
状支持体の同軸外周上に該円筒状支持体の長手方向に沿
って設けられた複数の第一の堆積膜形成用原料ガス導入
管と、該原料ガスを励起させて励起種化するための放電
エネルギー印加手段と、前記反応室内を排気する手段と
からなるプラズマCVD法による堆積膜形成装置におい
て、前記反応容器内を排気する手段と反対側の位置に、
該円筒状支持体の同軸外周上に複数の原料ガス放出孔を
有する第二の原料ガス導入部を設けたことを特徴として
いる。
【0010】本発明においては、前記第一の原料ガス導
入管の本数をGとし、前記第二の原料ガス導入部上のガ
ス放出孔の数をYとしたとき、6G≧Y≧Gとし、かつ
ガス放出孔の間隔を均等とすることが好ましい。また、
前記第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹き出し方
向は、前記円筒状支持体の長手方向下向きを0(de
g)とし、反応容器の方向に向かう方向にX(deg)
傾けるとしたとき、 0(deg)≦X≦50(deg) とするのが好ましい。また、前記第二の原料ガス導入部
上のガス放出孔の位置は、前記円筒状支持体の中心から
前記第二の原料ガス導入部上のガス放出孔までの距離を
r、前記円筒状支持体の中心から前記円筒状支持体の外
周面までの距離をR1、前記円筒状支持体の中心から前
記第一の原料ガス導入管の中心までの距離をR2、とし
たとき、R1+0.5(R2−R1)≦r≦R1+0.
8(R2−R1)とするのが好ましい。また、前記第一
の原料ガス導入管と前記第二の原料ガス導入部とは、各
々流量コントローラーに接続されていて同一の原料ガス
を反応容器内に供給することが可能であり、各々の流量
コントローラーを制御し、該第一の原料ガス導入管から
供給するガス量をF1、該第二の原料ガス導入部から供
給するガス量をF2としたとき、 0.03≦F2/(F1+F2)≦0.15 とするのが好ましい。また、本発明においては、前記第
二の原料ガス導入部と、前記第一の原料ガス導入管か
ら、同一の原料ガスを反応容器内に供給してもよいし、
また、前記第二の原料ガス導入部と、前記第一の原料ガ
ス導入管から、異なる原料ガスを反応容器内に供給して
もよい。異なる原料ガスを反応容器内に供給するに際し
ては、前記第二の原料ガス導入部から伝導性を制御する
原子供給用の原料ガスを反応容器内に供給するか、ある
いは、希釈用の原料ガスを反応容器内に供給するように
するのが好ましい。また、前記第二の原料ガス導入部
は、セラミックで形成し、該第二の原料ガス導入部の表
面の粗さ(Rz)を10〜100μm、より好ましくは
15〜60μmとすることで、ガス導入部からの膜飛散
による画像欠陥の抑制が図られることになる。
入管の本数をGとし、前記第二の原料ガス導入部上のガ
ス放出孔の数をYとしたとき、6G≧Y≧Gとし、かつ
ガス放出孔の間隔を均等とすることが好ましい。また、
前記第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹き出し方
向は、前記円筒状支持体の長手方向下向きを0(de
g)とし、反応容器の方向に向かう方向にX(deg)
傾けるとしたとき、 0(deg)≦X≦50(deg) とするのが好ましい。また、前記第二の原料ガス導入部
上のガス放出孔の位置は、前記円筒状支持体の中心から
前記第二の原料ガス導入部上のガス放出孔までの距離を
r、前記円筒状支持体の中心から前記円筒状支持体の外
周面までの距離をR1、前記円筒状支持体の中心から前
記第一の原料ガス導入管の中心までの距離をR2、とし
たとき、R1+0.5(R2−R1)≦r≦R1+0.
8(R2−R1)とするのが好ましい。また、前記第一
の原料ガス導入管と前記第二の原料ガス導入部とは、各
々流量コントローラーに接続されていて同一の原料ガス
を反応容器内に供給することが可能であり、各々の流量
コントローラーを制御し、該第一の原料ガス導入管から
供給するガス量をF1、該第二の原料ガス導入部から供
給するガス量をF2としたとき、 0.03≦F2/(F1+F2)≦0.15 とするのが好ましい。また、本発明においては、前記第
二の原料ガス導入部と、前記第一の原料ガス導入管か
ら、同一の原料ガスを反応容器内に供給してもよいし、
また、前記第二の原料ガス導入部と、前記第一の原料ガ
ス導入管から、異なる原料ガスを反応容器内に供給して
もよい。異なる原料ガスを反応容器内に供給するに際し
ては、前記第二の原料ガス導入部から伝導性を制御する
原子供給用の原料ガスを反応容器内に供給するか、ある
いは、希釈用の原料ガスを反応容器内に供給するように
するのが好ましい。また、前記第二の原料ガス導入部
は、セラミックで形成し、該第二の原料ガス導入部の表
面の粗さ(Rz)を10〜100μm、より好ましくは
15〜60μmとすることで、ガス導入部からの膜飛散
による画像欠陥の抑制が図られることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、上記手段により膜厚お
よび膜質が均一な堆積膜を定常的に形成することが可能
となるが、それは、発明者のつぎのような知見に基づく
ものである。すなわち、本発明者は、従来の堆積膜製造
装置における前述の問題を克服して、前述の本発明の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、放電空間への
原料ガス放出に、円筒状支持体の同軸外周上に該円筒状
支持体の長手方向に沿って設けられた複数の堆積膜形成
用原料ガス導入管(第一の原料ガス導入管)と、前記反
応容器内を排気するために設けた排気口と反対の位置
に、該円筒状支持体の同軸外周上に複数の原料ガス放出
孔を有する、第二の原料ガス導入部を設けることで、堆
積膜の均一性、特に周方向の均一性に大きく影響すると
いう知見を得た。また、前記第二の原料ガス導入部と、
前記第一の原料ガス導入管から、異なるの原料ガスを反
応容器内に供給することで、堆積膜の均一性、特に長手
方向の均一性制御できるという知見を得た。本発明は、
該知見に基づいて完成に至ったものである。
よび膜質が均一な堆積膜を定常的に形成することが可能
となるが、それは、発明者のつぎのような知見に基づく
ものである。すなわち、本発明者は、従来の堆積膜製造
装置における前述の問題を克服して、前述の本発明の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、放電空間への
原料ガス放出に、円筒状支持体の同軸外周上に該円筒状
支持体の長手方向に沿って設けられた複数の堆積膜形成
用原料ガス導入管(第一の原料ガス導入管)と、前記反
応容器内を排気するために設けた排気口と反対の位置
に、該円筒状支持体の同軸外周上に複数の原料ガス放出
孔を有する、第二の原料ガス導入部を設けることで、堆
積膜の均一性、特に周方向の均一性に大きく影響すると
いう知見を得た。また、前記第二の原料ガス導入部と、
前記第一の原料ガス導入管から、異なるの原料ガスを反
応容器内に供給することで、堆積膜の均一性、特に長手
方向の均一性制御できるという知見を得た。本発明は、
該知見に基づいて完成に至ったものである。
【0012】以下、図面に基づいて本発明の内容につい
て詳細に説明する。図1は、本発明のプラズマCVD法
による堆積膜形成装置におけるガス導入管と電極を兼ね
る円筒状反応容器、円筒状支持体を含む対向電極の配置
を模式的に示す断面図である。図中(1111)は円筒
状反応容器、(1112)は円筒状支持体を含む対向電
極、(1114)は第一の原料ガス導入管、(113
0)は第二の原料ガス導入部、(1125)、(113
1)はそれぞれ、第一の原料ガス導入管及び第二の原料
ガス導入部上に設けられた原料ガス放出孔をそれぞれ示
す。第二の原料ガス導入部(1130)上の原料ガス放
出孔(1131)の吹き出し方向X、及び第二の原料ガ
ス導入部(1130)上の原料ガス放出孔(1131)
の数Y、さらには、第二の原料ガス導入部(1130)
上の原料ガス放出孔(1131)の位置rは、特定の範
囲で規定する。
て詳細に説明する。図1は、本発明のプラズマCVD法
による堆積膜形成装置におけるガス導入管と電極を兼ね
る円筒状反応容器、円筒状支持体を含む対向電極の配置
を模式的に示す断面図である。図中(1111)は円筒
状反応容器、(1112)は円筒状支持体を含む対向電
極、(1114)は第一の原料ガス導入管、(113
0)は第二の原料ガス導入部、(1125)、(113
1)はそれぞれ、第一の原料ガス導入管及び第二の原料
ガス導入部上に設けられた原料ガス放出孔をそれぞれ示
す。第二の原料ガス導入部(1130)上の原料ガス放
出孔(1131)の吹き出し方向X、及び第二の原料ガ
ス導入部(1130)上の原料ガス放出孔(1131)
の数Y、さらには、第二の原料ガス導入部(1130)
上の原料ガス放出孔(1131)の位置rは、特定の範
囲で規定する。
【0013】従来装置においては、原料ガス導入管が支
持体に対して長手方向で平行に設置されていたが、排気
が下部からの為、反応空間内のガス量が上下で不均一と
なり円筒状支持体の長手方向での膜厚、及び膜質にバラ
つきが生じてしまうという問題がある。こうした問題を
解決する為、ガス導入管に設けるガス放出孔の分布やガ
ス放出方向の調整等を行ない、ある程度改善されたもの
の、まだ不十分である。また、周方向の均一化にたいし
ても、円筒状支持体の回転、あるいはガス導入管を上下
で分岐管により接続、またはガス放出孔の分布やガス放
出方向の調整等を行い、ある程度改善されたものの、円
筒状支持体の回転に関しては、装置自体複雑なものとな
ってしまい、さらに精度良く回転させないと逆に均一性
を損なう場合もあるため、より装置が複雑化し装置コス
トが高くなという問題がある。また、その他の方法にお
いても、ガス導入管のコンダクタンスの違い(導入管の
内径、放出孔の径)が充分に補償されず、更なる均一化
にはまだ不充分である。特に、多層構成(例えば、基体
側から、電荷注入阻止層、光導電層、表面層の3層構成
よりなる電子写真用感光体)の光受容部材においては、
各層で処方(ガス種、ガス流量、内圧、放電パワー)が
異なり、さらに層内においても処方が変化する場合があ
り、膜厚、膜質をすべて層で均一にすることは、これま
での装置構成ではまだ不充分であった。また、前述のよ
うに原料ガス導入管が支持体に対して長手方向で平行に
設置しており、排気が下部からの為、反応空間内のガス
量が上下で不均一となり、その結果、特に放電空間の上
部においては、堆積速度が原料ガスの流量に律則され易
くなるため、原料ガスの空間的(特に周方向)な不均一
性に敏感に反応していた。
持体に対して長手方向で平行に設置されていたが、排気
が下部からの為、反応空間内のガス量が上下で不均一と
なり円筒状支持体の長手方向での膜厚、及び膜質にバラ
つきが生じてしまうという問題がある。こうした問題を
解決する為、ガス導入管に設けるガス放出孔の分布やガ
ス放出方向の調整等を行ない、ある程度改善されたもの
の、まだ不十分である。また、周方向の均一化にたいし
ても、円筒状支持体の回転、あるいはガス導入管を上下
で分岐管により接続、またはガス放出孔の分布やガス放
出方向の調整等を行い、ある程度改善されたものの、円
筒状支持体の回転に関しては、装置自体複雑なものとな
ってしまい、さらに精度良く回転させないと逆に均一性
を損なう場合もあるため、より装置が複雑化し装置コス
トが高くなという問題がある。また、その他の方法にお
いても、ガス導入管のコンダクタンスの違い(導入管の
内径、放出孔の径)が充分に補償されず、更なる均一化
にはまだ不充分である。特に、多層構成(例えば、基体
側から、電荷注入阻止層、光導電層、表面層の3層構成
よりなる電子写真用感光体)の光受容部材においては、
各層で処方(ガス種、ガス流量、内圧、放電パワー)が
異なり、さらに層内においても処方が変化する場合があ
り、膜厚、膜質をすべて層で均一にすることは、これま
での装置構成ではまだ不充分であった。また、前述のよ
うに原料ガス導入管が支持体に対して長手方向で平行に
設置しており、排気が下部からの為、反応空間内のガス
量が上下で不均一となり、その結果、特に放電空間の上
部においては、堆積速度が原料ガスの流量に律則され易
くなるため、原料ガスの空間的(特に周方向)な不均一
性に敏感に反応していた。
【0014】本発明のプラズマCVD法による堆積膜形
成装置おいては、前記反応容器内を排気するために設け
た排気口と反対の位置に、該円筒状支持体の同軸外周上
に複数の原料ガス放出孔を有する、第二の原料ガス導入
部を設けたことにより、コンダクタンスの違い等から起
こる原料ガスの空間的(特に周方向)な不均一性を補償
することが可能となり、特に放電空間の上部における原
料ガスの空間的(特に周方向)な不均一性が低減され、
光受容部材上部での膜厚、膜質の均一化が飛躍的に向上
することとなる。さらに、長手方向の特性の均一化にた
いしても、第二の原料ガス導入部により光受容部材上部
の特性を制御できるため、長手方向のガスの不均一性を
補償することが可能となり、光受容部材長手方向の膜
厚、膜質の均一化が飛躍的に向上することとなる。さら
に、処方(ガス流量、内圧、放電パワー等)の変化に対
しても均一性の制御が容易になり、大幅に特性の均一化
を達成することが可能となった。さらに処方の許容範囲
が拡大し、多品種の光受容部材の製造にたいしても、生
産性、コストの面で非常に有効である。
成装置おいては、前記反応容器内を排気するために設け
た排気口と反対の位置に、該円筒状支持体の同軸外周上
に複数の原料ガス放出孔を有する、第二の原料ガス導入
部を設けたことにより、コンダクタンスの違い等から起
こる原料ガスの空間的(特に周方向)な不均一性を補償
することが可能となり、特に放電空間の上部における原
料ガスの空間的(特に周方向)な不均一性が低減され、
光受容部材上部での膜厚、膜質の均一化が飛躍的に向上
することとなる。さらに、長手方向の特性の均一化にた
いしても、第二の原料ガス導入部により光受容部材上部
の特性を制御できるため、長手方向のガスの不均一性を
補償することが可能となり、光受容部材長手方向の膜
厚、膜質の均一化が飛躍的に向上することとなる。さら
に、処方(ガス流量、内圧、放電パワー等)の変化に対
しても均一性の制御が容易になり、大幅に特性の均一化
を達成することが可能となった。さらに処方の許容範囲
が拡大し、多品種の光受容部材の製造にたいしても、生
産性、コストの面で非常に有効である。
【0015】本発明の装置において、第二の原料ガス導
入部上のガス放出孔の間隔は均等とし、前記第一の原料
ガス導入管の本数をGとし、前記第二の原料ガス導入部
上のガス放出孔の数をYとした時、6G≧Y≧Gとする
ことが好ましい。つまり第二の原料ガス導入部上のガス
放出孔の数(Y)が、第一の原料ガス導入管の本数
(G)より少ないと、原料ガスの空間的(特に周方向)
な均一性が充分に達成できず、また第一の原料ガス導入
管の本数(G1)の6倍より多くても原料ガスの空間的
(特に周方向)な均一性が充分に達成できない。この原
因に関しては定かではないが、第一の原料ガス導入管か
らの原料ガスと干渉してしまい、均一性が達成できない
のではと考えられる。
入部上のガス放出孔の間隔は均等とし、前記第一の原料
ガス導入管の本数をGとし、前記第二の原料ガス導入部
上のガス放出孔の数をYとした時、6G≧Y≧Gとする
ことが好ましい。つまり第二の原料ガス導入部上のガス
放出孔の数(Y)が、第一の原料ガス導入管の本数
(G)より少ないと、原料ガスの空間的(特に周方向)
な均一性が充分に達成できず、また第一の原料ガス導入
管の本数(G1)の6倍より多くても原料ガスの空間的
(特に周方向)な均一性が充分に達成できない。この原
因に関しては定かではないが、第一の原料ガス導入管か
らの原料ガスと干渉してしまい、均一性が達成できない
のではと考えられる。
【0016】また、前記第二の原料ガス導入部上のガス
放出孔の吹き出し方向は、前記円筒状支持体の長手方向
下向きを0(deg)とし、反応容器の方向に向かう方
向にX(deg)傾けるとした時、Xを0(deg)よ
りマイナス側(つまり、円筒状支持体側に向ける)に向
けると、堆積膜にガス放出孔のピッチに応じて、周方向
の特性むらが生じてしまい、Xを50(deg)より大
きくすると、均一性が充分に達成できない。この原因に
関しては定かではないが、第一の原料ガス導入管からの
原料ガスあるいは、第一の原料ガス導入管自身と干渉し
てしまい、均一性が達成できないのではと考えられる。
放出孔の吹き出し方向は、前記円筒状支持体の長手方向
下向きを0(deg)とし、反応容器の方向に向かう方
向にX(deg)傾けるとした時、Xを0(deg)よ
りマイナス側(つまり、円筒状支持体側に向ける)に向
けると、堆積膜にガス放出孔のピッチに応じて、周方向
の特性むらが生じてしまい、Xを50(deg)より大
きくすると、均一性が充分に達成できない。この原因に
関しては定かではないが、第一の原料ガス導入管からの
原料ガスあるいは、第一の原料ガス導入管自身と干渉し
てしまい、均一性が達成できないのではと考えられる。
【0017】また、前記第二の原料ガス導入部上のガス
放出孔の位置は、前記円筒状支持体の中心から前記第二
の原料ガス導入部上のガス放出孔までの距離をr、前記
円筒状支持体の中心から前記円筒状支持体の外周面まで
の距離をR1、前記円筒状支持体の中心から前記第一の
原料ガス導入管の中心までの距離をR2、としたとき、
R1+0.5(R2−R1)より短いと、堆積膜にガス
放出孔のピッチに応じて、周方向の特性むらが生じてし
まい、R1+0.8(R2−R1)より長いと、均一性
が充分に達成できない。この原因に関しては定かではな
いが、第一の原料ガス導入管からの原料ガスと干渉して
しまい、均一性が達成できないのではと考えられる。前
記第二の原料ガス導入部の形状としては、とくに制限は
なく、図1(a)の様に、リング状の形状でも良く、ま
た板上の形状でも良い。さらに、図2(b)に示すよう
に、上部の絶縁碍子(1122)と兼用してもよい。ま
た、図1(c)に示すように、第二の原料ガス導入部を
複数設けても良い。
放出孔の位置は、前記円筒状支持体の中心から前記第二
の原料ガス導入部上のガス放出孔までの距離をr、前記
円筒状支持体の中心から前記円筒状支持体の外周面まで
の距離をR1、前記円筒状支持体の中心から前記第一の
原料ガス導入管の中心までの距離をR2、としたとき、
R1+0.5(R2−R1)より短いと、堆積膜にガス
放出孔のピッチに応じて、周方向の特性むらが生じてし
まい、R1+0.8(R2−R1)より長いと、均一性
が充分に達成できない。この原因に関しては定かではな
いが、第一の原料ガス導入管からの原料ガスと干渉して
しまい、均一性が達成できないのではと考えられる。前
記第二の原料ガス導入部の形状としては、とくに制限は
なく、図1(a)の様に、リング状の形状でも良く、ま
た板上の形状でも良い。さらに、図2(b)に示すよう
に、上部の絶縁碍子(1122)と兼用してもよい。ま
た、図1(c)に示すように、第二の原料ガス導入部を
複数設けても良い。
【0018】さらに、図面を用いて本発明の製造装置を
用いた、光受容部材の製造方法について詳述する。図2
は本発明の高周波プラズマCVD法(以後「PCVD」
と略記する)による電子写真用感光体の製造装置の一例
を示す模式的な構成図である。まず、図2−aに示す本
発明の製造装置について説明する。この装置は大別する
と、堆積装置(2100)、原料ガスの供給装置(22
00)、反応容器(2111)内を減圧にするための排
気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置(2
100)中の反応容器(2111)内には円筒状支持体
(2112)、支持体加熱用ヒーター(2113)、第
一の原料ガス導入管(2114)、第二の原料ガス導入
部(2130)が設置され、更に高周波マッチングボッ
クス(2115)が接続されている。原料ガス供給装置
(2200)は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B2
H6、PH3等の原料ガスのボンベ(2221〜222
6)とバルブ(2231〜2236,2241〜224
6,2251〜2256)およびマスフローコントロー
ラー(2211〜2216)から構成され、各原料ガス
のボンベはバルブ(2260)、バルブ(2261)、
及び流量コントローラー(2262)、(2263)を
介して、反応容器(2111)内の第一の原料ガス導入
管(2114)および第二の原料ガス導入部(213
0)に接続されている。
用いた、光受容部材の製造方法について詳述する。図2
は本発明の高周波プラズマCVD法(以後「PCVD」
と略記する)による電子写真用感光体の製造装置の一例
を示す模式的な構成図である。まず、図2−aに示す本
発明の製造装置について説明する。この装置は大別する
と、堆積装置(2100)、原料ガスの供給装置(22
00)、反応容器(2111)内を減圧にするための排
気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置(2
100)中の反応容器(2111)内には円筒状支持体
(2112)、支持体加熱用ヒーター(2113)、第
一の原料ガス導入管(2114)、第二の原料ガス導入
部(2130)が設置され、更に高周波マッチングボッ
クス(2115)が接続されている。原料ガス供給装置
(2200)は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B2
H6、PH3等の原料ガスのボンベ(2221〜222
6)とバルブ(2231〜2236,2241〜224
6,2251〜2256)およびマスフローコントロー
ラー(2211〜2216)から構成され、各原料ガス
のボンベはバルブ(2260)、バルブ(2261)、
及び流量コントローラー(2262)、(2263)を
介して、反応容器(2111)内の第一の原料ガス導入
管(2114)および第二の原料ガス導入部(213
0)に接続されている。
【0019】こうした本発明の堆積膜形成装置を用いた
堆積膜の形成は、例えば以下のように行なわれる。ま
ず、反応容器(2111)内に円筒状支持体(211
2)を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)
により反応容器(2111)内を排気口(2119)よ
り排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター(211
3)により円筒状支持体(2112)の温度を20℃乃
至450℃の所定の温度に制御する。堆積膜形成用の原
料ガスを反応容器(2111)に流入させるには、ガス
ボンベのバルブ(2231〜2237)、反応容器のリ
ークバルブ(2117)が閉じられていることを確認
し、又、流入バルブ(2241〜2246)、流出バル
ブ(2251〜2256)、補助バルブ(2260)、
(2261)が開かれていることを確認して、まずメイ
ンバルブ(2118)を開いて反応容器(2111)お
よびガス配管内(2116)、(2164)を排気す
る。次に真空計(2124)の続みが約5×10-6To
rrになった時点で捕助バルブ(2260)、(226
1)、流出バルブ(2251〜2256)を閉じる。そ
の後、ガスボンベ(2221〜2226)より各ガスを
バルブ(2231〜2236)を開いて導入し、圧力調
整器(2261〜2266)により各ガス圧を例えば2
Kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ(2241
〜2246)を徐々に開けて、各ガスをマスフローコン
トローラー(2211〜2216)内に導入する。
堆積膜の形成は、例えば以下のように行なわれる。ま
ず、反応容器(2111)内に円筒状支持体(211
2)を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)
により反応容器(2111)内を排気口(2119)よ
り排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター(211
3)により円筒状支持体(2112)の温度を20℃乃
至450℃の所定の温度に制御する。堆積膜形成用の原
料ガスを反応容器(2111)に流入させるには、ガス
ボンベのバルブ(2231〜2237)、反応容器のリ
ークバルブ(2117)が閉じられていることを確認
し、又、流入バルブ(2241〜2246)、流出バル
ブ(2251〜2256)、補助バルブ(2260)、
(2261)が開かれていることを確認して、まずメイ
ンバルブ(2118)を開いて反応容器(2111)お
よびガス配管内(2116)、(2164)を排気す
る。次に真空計(2124)の続みが約5×10-6To
rrになった時点で捕助バルブ(2260)、(226
1)、流出バルブ(2251〜2256)を閉じる。そ
の後、ガスボンベ(2221〜2226)より各ガスを
バルブ(2231〜2236)を開いて導入し、圧力調
整器(2261〜2266)により各ガス圧を例えば2
Kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ(2241
〜2246)を徐々に開けて、各ガスをマスフローコン
トローラー(2211〜2216)内に導入する。
【0020】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体(2
112)が所定の温度になったところで流出バルブ(2
251〜2256)のうちの必要なものおよび補助バル
ブ(2260)、(2261)を徐々に開き、ガスボン
ベ(2221〜2226)から所定のガスを第一の原料
ガス導入管(2114)および第二の原料ガス導入部
(2130)を介して反応容器(2111)内に導入す
る。次にマスフローコントローラー(2211〜221
6)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整
する。そして、各原料ガスが所定の流量になったら、次
に、流量コントローラー(2262)、(2263)を
調整し、第一の原料ガス導入管(2114)から流す原
料ガス流量および第二の原料ガス導入部(2130)か
ら流す原料ガス流量を決める。それぞれのガス流量は、
該第二の原料ガス導入部から供給するガス量をF2、該
第一の原料ガス導入管から供給するガス量をF1とした
時、0.03≦F2/(F1+F2)≦0.15とする
のが好ましい。F2/(F1+F2)が0.15よりお
おきいと、長手方向の均一性が得られなくなり、F2/
(F1+F2)が0.03より小さいと、上部での周方
向の均一性が充分に得られなくなってしまう。
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体(2
112)が所定の温度になったところで流出バルブ(2
251〜2256)のうちの必要なものおよび補助バル
ブ(2260)、(2261)を徐々に開き、ガスボン
ベ(2221〜2226)から所定のガスを第一の原料
ガス導入管(2114)および第二の原料ガス導入部
(2130)を介して反応容器(2111)内に導入す
る。次にマスフローコントローラー(2211〜221
6)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整
する。そして、各原料ガスが所定の流量になったら、次
に、流量コントローラー(2262)、(2263)を
調整し、第一の原料ガス導入管(2114)から流す原
料ガス流量および第二の原料ガス導入部(2130)か
ら流す原料ガス流量を決める。それぞれのガス流量は、
該第二の原料ガス導入部から供給するガス量をF2、該
第一の原料ガス導入管から供給するガス量をF1とした
時、0.03≦F2/(F1+F2)≦0.15とする
のが好ましい。F2/(F1+F2)が0.15よりお
おきいと、長手方向の均一性が得られなくなり、F2/
(F1+F2)が0.03より小さいと、上部での周方
向の均一性が充分に得られなくなってしまう。
【0021】以上のように原料ガスを反応容器(211
1)に導入する際、反応容器(2111)内の圧力が1
Torr以下の所定の圧力になるように真空計(212
4)を見ながらメインバルブ(2118)の開口を調整
する。内圧が安定したところで、周波数13.56MH
zの高周波電源(不図示)を所望の電力に設定して、高
周波マッチングボックス(2115)を通じて反応容器
(2111)内に高周波電力を導入し、グロー放電を生
起させる。この放電エネルギーによって反応容器内に導
入された原料ガスが分解され、円筒状支持体(211
2)上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜が形成さ
れるところとなる。所望の膜厚の形成が行われた後、高
周波電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へ
のガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。同様の操
作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光
受容層を形成することができる。それぞれの層を形成す
る際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられ
ていることは言うまでもなく、また、それぞれのガスが
反応容器(2111)内、流出バルブ(2251〜22
56)から反応容器(2111)に至る配管内に残留す
ることを避けるために、流出バルブ(2251〜225
6)を閉じ、補助バルブ(2260)、(2261)を
開き、さらにメインバルブ(2118)を全開にして系
内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
1)に導入する際、反応容器(2111)内の圧力が1
Torr以下の所定の圧力になるように真空計(212
4)を見ながらメインバルブ(2118)の開口を調整
する。内圧が安定したところで、周波数13.56MH
zの高周波電源(不図示)を所望の電力に設定して、高
周波マッチングボックス(2115)を通じて反応容器
(2111)内に高周波電力を導入し、グロー放電を生
起させる。この放電エネルギーによって反応容器内に導
入された原料ガスが分解され、円筒状支持体(211
2)上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜が形成さ
れるところとなる。所望の膜厚の形成が行われた後、高
周波電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へ
のガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。同様の操
作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光
受容層を形成することができる。それぞれの層を形成す
る際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられ
ていることは言うまでもなく、また、それぞれのガスが
反応容器(2111)内、流出バルブ(2251〜22
56)から反応容器(2111)に至る配管内に残留す
ることを避けるために、流出バルブ(2251〜225
6)を閉じ、補助バルブ(2260)、(2261)を
開き、さらにメインバルブ(2118)を全開にして系
内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0022】次に、図2−bに示す本発明の別の形態の
製造装置について説明する。この装置は大別すると、堆
積装置(2100)、原料ガスの供給装置(220
0)、反応容器(2111)内を減圧にするための排気
装置(図示せず)から構成されている。堆積装置(21
00)中の反応容器(2111)内には円筒状支持体
(2112)、支持体加熱用ヒーター(2113)、第
一の原料ガス導入管(2114)、第二の原料ガス導入
部(2130)が設置され、更に高周波マッチングボッ
クス(2115)が接続されている。
製造装置について説明する。この装置は大別すると、堆
積装置(2100)、原料ガスの供給装置(220
0)、反応容器(2111)内を減圧にするための排気
装置(図示せず)から構成されている。堆積装置(21
00)中の反応容器(2111)内には円筒状支持体
(2112)、支持体加熱用ヒーター(2113)、第
一の原料ガス導入管(2114)、第二の原料ガス導入
部(2130)が設置され、更に高周波マッチングボッ
クス(2115)が接続されている。
【0023】原料ガス供給装置(2200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B2H6、PH3等の原料ガス
のボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜
2236,2241〜2247,2251〜2257)
およびマスフローコントローラー(2211〜221
7)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(22
60)、(2261)、(2264)、(2265)及
び流量コントローラー(2262)、(2263)を介
して、反応容器(2111)内の第一の原料ガス導入管
(2114)および第二の原料ガス導入部(2130)
に接続されている。
4、GeH4、H2、CH4、B2H6、PH3等の原料ガス
のボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜
2236,2241〜2247,2251〜2257)
およびマスフローコントローラー(2211〜221
7)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(22
60)、(2261)、(2264)、(2265)及
び流量コントローラー(2262)、(2263)を介
して、反応容器(2111)内の第一の原料ガス導入管
(2114)および第二の原料ガス導入部(2130)
に接続されている。
【0024】こうした本発明の堆積膜形成装置を用いた
堆積膜の形成は、例えば以下のように行なわれる。ま
ず、反応容器(2111)内に円筒状支持体(211
2)を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)
により反応容器(2111)内を排気口(2119)よ
り排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター(211
3)により円筒状支持体(2112)の温度を20℃乃
至450℃の所定の温度に制御する。堆積膜形成用の原
料ガスを反応容器(2111)に流入させるには、ガス
ボンベのバルブ(2231〜2236)、反応容器のリ
ークバルブ(2123)が閉じられていることを確認
し、又、流入バルブ(2241〜2247)、流出バル
ブ(2251〜2257)、補助バルブ(2260)、
(2261)、(2264)、(2265)が開かれて
いることを確認して、まずメインバルブ(2118)を
開いて反応容器(2111)およびガス配管内(211
6)、(2164)を排気する。次に真空計(212
4)の読みが約5×10-6Torrになった時点で補助
バルブ(2260)、(2261)、(2264)、
(2265)、流出バルブ(2251〜2257)を閉
じる。その後、ガスボンベ(2221〜2226)より
各ガスをバルブ(2231〜2236)を開いて導入
し、圧力調整器(2261〜2266)により各ガス圧
を例えば2Kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ
(2241〜2247)を徐々に開けて、各ガスをマス
フローコントローラー(2211〜2217)内に導入
する。
堆積膜の形成は、例えば以下のように行なわれる。ま
ず、反応容器(2111)内に円筒状支持体(211
2)を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)
により反応容器(2111)内を排気口(2119)よ
り排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター(211
3)により円筒状支持体(2112)の温度を20℃乃
至450℃の所定の温度に制御する。堆積膜形成用の原
料ガスを反応容器(2111)に流入させるには、ガス
ボンベのバルブ(2231〜2236)、反応容器のリ
ークバルブ(2123)が閉じられていることを確認
し、又、流入バルブ(2241〜2247)、流出バル
ブ(2251〜2257)、補助バルブ(2260)、
(2261)、(2264)、(2265)が開かれて
いることを確認して、まずメインバルブ(2118)を
開いて反応容器(2111)およびガス配管内(211
6)、(2164)を排気する。次に真空計(212
4)の読みが約5×10-6Torrになった時点で補助
バルブ(2260)、(2261)、(2264)、
(2265)、流出バルブ(2251〜2257)を閉
じる。その後、ガスボンベ(2221〜2226)より
各ガスをバルブ(2231〜2236)を開いて導入
し、圧力調整器(2261〜2266)により各ガス圧
を例えば2Kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ
(2241〜2247)を徐々に開けて、各ガスをマス
フローコントローラー(2211〜2217)内に導入
する。
【0025】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体(2
112)が所定の温度になったところで流出バルブ(2
251〜2257)のうちの必要なものおよび補助バル
ブ(2260)、(2265)を徐々に開き、ガスボン
ベ(2221〜2226)から所定のガスを第一の原料
ガス導入管(2114)および第二の原料ガス導入部
(2130)を介して反応容器(2111)内に導入す
る。次にマスフローコントローラー(2211〜221
7)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整
する。この場合、第二の原料ガス導入部(2130)か
らは、ガスボンベ(2221)のガスのみが流れること
になり、第二の原料ガス導入部(2130)と、前記第
一の原料ガス導入管から、異なる原料ガスが反応容器内
に供給される。但し、必要に応じて第二の原料ガス導入
部(2130)からは第一の原料ガス導入管(211
4)と異なる原料ガスを一種類以上(図示されていな
い、マスフローコントローラー、バルブ、配管を用い)
流しても構わない。以上のように原料ガスを反応容器
(2111)に導入する際、反応容器(2111)内の
圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計
(2124)を見ながらメインバルブ(2118)の開
口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.
56MHzの高周波電源(不図示)を所望の電力に設定
して、高周波マッチングボックス(2115)を通じて
反応容器(2111)内に高周波電力を導入し、グロー
放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容
器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状支持体
(2112)上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜
が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われ
た後、高周波電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反
応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層
構造の光受容層を形成することができる。
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体(2
112)が所定の温度になったところで流出バルブ(2
251〜2257)のうちの必要なものおよび補助バル
ブ(2260)、(2265)を徐々に開き、ガスボン
ベ(2221〜2226)から所定のガスを第一の原料
ガス導入管(2114)および第二の原料ガス導入部
(2130)を介して反応容器(2111)内に導入す
る。次にマスフローコントローラー(2211〜221
7)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整
する。この場合、第二の原料ガス導入部(2130)か
らは、ガスボンベ(2221)のガスのみが流れること
になり、第二の原料ガス導入部(2130)と、前記第
一の原料ガス導入管から、異なる原料ガスが反応容器内
に供給される。但し、必要に応じて第二の原料ガス導入
部(2130)からは第一の原料ガス導入管(211
4)と異なる原料ガスを一種類以上(図示されていな
い、マスフローコントローラー、バルブ、配管を用い)
流しても構わない。以上のように原料ガスを反応容器
(2111)に導入する際、反応容器(2111)内の
圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計
(2124)を見ながらメインバルブ(2118)の開
口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.
56MHzの高周波電源(不図示)を所望の電力に設定
して、高周波マッチングボックス(2115)を通じて
反応容器(2111)内に高周波電力を導入し、グロー
放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容
器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状支持体
(2112)上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜
が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われ
た後、高周波電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反
応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層
構造の光受容層を形成することができる。
【0026】それぞれの層を形成する際には、前述のよ
うに、第一の原料ガス導入管(2114)と第二の原料
ガス導入部(2130)から、異なる種類の原料ガスを
導入しても良い。例えば、電荷注入阻止層、表面層は、
第一の原料ガス導入管(2114)、第二の原料ガス導
入部(2130)から同種の原料ガスを導入し、感光層
は、第一の原料ガス導入管(2114)と第二の原料ガ
ス導入部(2130)で異なる種類の原料ガスを供給す
るという様に、層ごとに、原料ガスの導入の方法を変え
ても良い。それぞれの層を形成する際には必要なガス以
外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うまで
もなく、また、それぞれのガスが反応容器(2111)
内、流出バルブ(2251〜2257)から反応容器
(2111)に至る配管内に残留することを避けるため
に、流出バルブ(2251〜2257)を閉じ、補助バ
ルブ(2260)、(2261)、(2264)、(2
265)、を開き、さらにメインバルブ(2118)を
全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応
じて行う。
うに、第一の原料ガス導入管(2114)と第二の原料
ガス導入部(2130)から、異なる種類の原料ガスを
導入しても良い。例えば、電荷注入阻止層、表面層は、
第一の原料ガス導入管(2114)、第二の原料ガス導
入部(2130)から同種の原料ガスを導入し、感光層
は、第一の原料ガス導入管(2114)と第二の原料ガ
ス導入部(2130)で異なる種類の原料ガスを供給す
るという様に、層ごとに、原料ガスの導入の方法を変え
ても良い。それぞれの層を形成する際には必要なガス以
外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うまで
もなく、また、それぞれのガスが反応容器(2111)
内、流出バルブ(2251〜2257)から反応容器
(2111)に至る配管内に残留することを避けるため
に、流出バルブ(2251〜2257)を閉じ、補助バ
ルブ(2260)、(2261)、(2264)、(2
265)、を開き、さらにメインバルブ(2118)を
全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応
じて行う。
【0027】本発明において使用される支持体として
は、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持
体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、T
e、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれ
らの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロ
ースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたは
シート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少
なくとも光受容層を形成する側の表面を導電処理した支
持体も用いることができる。本発明に於いて使用される
支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状また
は板状無端ベルト状であることができ、その厚さは、所
望通りの電子写真用感光体を形成し得るように適宜決定
するが、電子写真用感光体としての可撓性が要求される
場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内
で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支
持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から
通常は10μm以上とされる。
は、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持
体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、T
e、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれ
らの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロ
ースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたは
シート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少
なくとも光受容層を形成する側の表面を導電処理した支
持体も用いることができる。本発明に於いて使用される
支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状また
は板状無端ベルト状であることができ、その厚さは、所
望通りの電子写真用感光体を形成し得るように適宜決定
するが、電子写真用感光体としての可撓性が要求される
場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内
で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支
持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から
通常は10μm以上とされる。
【0028】特にレーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行う場合には、可視画像において現われる、い
わゆる干渉縞模様による画像不良をより効果適に解消す
るために、支持体の表面に凹凸を設けてもよい。支持体
の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−168156
号公報、同60−178457号公報、同60−225
854号公報等に記載された公知の方法により作成され
る。また、レーザー光などの可干渉光を用いた場合の干
渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する別の方
法として、支持体の表面に複数の球状痕跡窪みによる凹
凸形状を設けてもよい。即ち、支持体の表面が電子写真
用感光体に要求される解像力よりも微少な凹凸を有し、
しかも該凹凸は、複数の球状痕跡窪みによるものであ
る。支持体の表面に設けられる複数の球状痕跡窪みによ
る凹凸は、特開昭61−231561号公報に記載され
た公知の方法により作成される。
像記録を行う場合には、可視画像において現われる、い
わゆる干渉縞模様による画像不良をより効果適に解消す
るために、支持体の表面に凹凸を設けてもよい。支持体
の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−168156
号公報、同60−178457号公報、同60−225
854号公報等に記載された公知の方法により作成され
る。また、レーザー光などの可干渉光を用いた場合の干
渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する別の方
法として、支持体の表面に複数の球状痕跡窪みによる凹
凸形状を設けてもよい。即ち、支持体の表面が電子写真
用感光体に要求される解像力よりも微少な凹凸を有し、
しかも該凹凸は、複数の球状痕跡窪みによるものであ
る。支持体の表面に設けられる複数の球状痕跡窪みによ
る凹凸は、特開昭61−231561号公報に記載され
た公知の方法により作成される。
【0029】本発明の装置を用いて、グロー放電法によ
って堆積膜を形成するには、基本的にはシリコン原子
(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原
子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及び
ハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガス
を、反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容
器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に
設置されてある所定の支持体上にa−Si:H,Xから
なる層を形成すればよい。本発明において使用されるS
i供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4、Si2
H6、Si3H8、Si4H10等のガス状態の、またはガス
化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるも
のとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si
供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2H6が好ましい
ものとして挙げられる。そして、形成される堆積膜中に
水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御
をいっそう容易になるようにはかり、本発明の目的を達
成する膜特性を得るために、これらのガスに更にH2お
よび/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物の
ガスも所望量混合して層形成することが必要である。ま
た、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合しても差し支えないものである。
って堆積膜を形成するには、基本的にはシリコン原子
(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原
子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及び
ハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガス
を、反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容
器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に
設置されてある所定の支持体上にa−Si:H,Xから
なる層を形成すればよい。本発明において使用されるS
i供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4、Si2
H6、Si3H8、Si4H10等のガス状態の、またはガス
化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるも
のとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si
供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2H6が好ましい
ものとして挙げられる。そして、形成される堆積膜中に
水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御
をいっそう容易になるようにはかり、本発明の目的を達
成する膜特性を得るために、これらのガスに更にH2お
よび/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物の
ガスも所望量混合して層形成することが必要である。ま
た、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合しても差し支えないものである。
【0030】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲ
ンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合
物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のま
たはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構
成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原
子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げるこ
とができる。本発明に於て好適に使用し得るハロゲン化
合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、
ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等
のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原
子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換され
たシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF
4、Si2F6等の弗化珪素が好ましいものとして挙げる
ことができる。堆積膜中に含有される水素原子または/
及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体の
温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させる
ために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、
放電電力等を制御すればよい。本発明においては、堆積
膜には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させる
ことが好ましい。伝導性を制御する原子は、堆積膜中に
万偏なく均一に分布した状態で含有されても良いし、あ
るいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部
分があってもよい。
子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲ
ンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合
物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のま
たはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構
成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原
子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げるこ
とができる。本発明に於て好適に使用し得るハロゲン化
合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、
ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等
のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原
子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換され
たシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF
4、Si2F6等の弗化珪素が好ましいものとして挙げる
ことができる。堆積膜中に含有される水素原子または/
及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体の
温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させる
ために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、
放電電力等を制御すればよい。本発明においては、堆積
膜には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させる
ことが好ましい。伝導性を制御する原子は、堆積膜中に
万偏なく均一に分布した状態で含有されても良いし、あ
るいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部
分があってもよい。
【0031】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子
(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導
特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第
Vb族原子」と略記する)を用いることができる。第II
Ib族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミ
ニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(I
n)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Ga
が好適である。第Vb族原子としては、具体的には燐
(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス
(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。堆積膜
に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、
好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、より好
ましくは5×10-2〜5×103原子ppm、最適には
1×10-1〜1×103原子ppmとされるのが望まし
い。伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子
あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成
の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第V
b族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、
堆積膜を形成するための他のガスとともに導入してやれ
ばよい。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第V
b族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常
温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容
易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子
(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導
特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第
Vb族原子」と略記する)を用いることができる。第II
Ib族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミ
ニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(I
n)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Ga
が好適である。第Vb族原子としては、具体的には燐
(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス
(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。堆積膜
に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、
好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、より好
ましくは5×10-2〜5×103原子ppm、最適には
1×10-1〜1×103原子ppmとされるのが望まし
い。伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子
あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成
の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第V
b族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、
堆積膜を形成するための他のガスとともに導入してやれ
ばよい。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第V
b族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常
温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容
易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0032】そのような第IIIb族原子導入用の原料物
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2H
6、B4H10、B5H9、B5H11、B6H10、B6H12、B6
H14等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハ
ロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、G
aCl3、Ga(CH3)3、InCl3、TlCl3等も
挙げることができる。第Vb族原子導入用の原料物質と
して有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、P
H3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、P
Cl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲ
ン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、As
Cl3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、Sb
F5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、B
iBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なも
のとして挙げることができる。また、これらの伝導性を
制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2およ
び/またはHeにより希釈して使用してもよい。
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2H
6、B4H10、B5H9、B5H11、B6H10、B6H12、B6
H14等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハ
ロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、G
aCl3、Ga(CH3)3、InCl3、TlCl3等も
挙げることができる。第Vb族原子導入用の原料物質と
して有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、P
H3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、P
Cl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲ
ン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、As
Cl3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、Sb
F5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、B
iBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なも
のとして挙げることができる。また、これらの伝導性を
制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2およ
び/またはHeにより希釈して使用してもよい。
【0033】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する堆積膜を形成するには、Si供給用のガスと希釈ガ
スとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに
支持体温度を適宜設定することが必要である。希釈ガス
として使用するH2および/またはHeの流量は、層設
計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給
用ガスに対しH2および/またはHeを、通常の場合1
〜20倍、好ましくは4〜15倍、最適には5〜10倍
の範囲に制御することが望ましい。反応容器内のガス圧
も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される
が、通常の場合1×10-4〜10Torr、好ましくは
5×10-4〜5Torr、最適には1×10-3〜1To
rrとするのが好ましい。放電電力もまた同様に層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用
のガスの流量に対する放電電力を、通常の場合1〜7
倍、好ましくは2.5〜6倍、最適には3〜5倍の範囲
に設定することが望ましい。さらに、支持体の温度は、
層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常
の場合200〜350℃とするのが望ましい。
する堆積膜を形成するには、Si供給用のガスと希釈ガ
スとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに
支持体温度を適宜設定することが必要である。希釈ガス
として使用するH2および/またはHeの流量は、層設
計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給
用ガスに対しH2および/またはHeを、通常の場合1
〜20倍、好ましくは4〜15倍、最適には5〜10倍
の範囲に制御することが望ましい。反応容器内のガス圧
も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される
が、通常の場合1×10-4〜10Torr、好ましくは
5×10-4〜5Torr、最適には1×10-3〜1To
rrとするのが好ましい。放電電力もまた同様に層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用
のガスの流量に対する放電電力を、通常の場合1〜7
倍、好ましくは2.5〜6倍、最適には3〜5倍の範囲
に設定することが望ましい。さらに、支持体の温度は、
層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常
の場合200〜350℃とするのが望ましい。
【0034】本発明においては、堆積膜を形成するため
の支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記し
た範囲が挙げられるが、これらの条件は通常は独立的に
別々に決められるものではなく、所望の特性を有する電
子写真用感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に
基づいて最適値を決めるのが望ましい。以下、本発明の
装置について、実験例により更に詳しく説明するが、本
発明はこれらにより限定されるものではない。
の支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記し
た範囲が挙げられるが、これらの条件は通常は独立的に
別々に決められるものではなく、所望の特性を有する電
子写真用感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に
基づいて最適値を決めるのが望ましい。以下、本発明の
装置について、実験例により更に詳しく説明するが、本
発明はこれらにより限定されるものではない。
【0035】<実験例1>長さ358mm、外径φ80
mmの鏡面加工を施したAl製シリンダー(円筒状支持
体)を用い、図2−bに示した装置を用いて該支持体上
に電荷注入阻止層、光導電層および表面層からなる電子
写真用感光体を表1に示す作製条件により形成した。本
実験例では、第一の原料ガス導入管の本数Gを8(本)
とし、第二の原料ガス導入部のガス放出孔の数(Y)を
変化させて電子写真用感光体を作成した。なおガス放出
孔の間隔はいずれの場合も均等としている。本実験例に
おいて、円筒状支持体の中心から、円筒状支持体の外周
面までの距離R1=40mm、円筒状支持体の中心か
ら、第一の原料ガス導入管の中心までの距離R2=12
0mm、円筒状支持体の中心から、第二の原料ガス導入
部上のガス放出孔までの距離r=88mm、第二の原料
ガス導入部上のガス放出孔の吹き出し方向を長手方向下
向き0(deg)とした。
mmの鏡面加工を施したAl製シリンダー(円筒状支持
体)を用い、図2−bに示した装置を用いて該支持体上
に電荷注入阻止層、光導電層および表面層からなる電子
写真用感光体を表1に示す作製条件により形成した。本
実験例では、第一の原料ガス導入管の本数Gを8(本)
とし、第二の原料ガス導入部のガス放出孔の数(Y)を
変化させて電子写真用感光体を作成した。なおガス放出
孔の間隔はいずれの場合も均等としている。本実験例に
おいて、円筒状支持体の中心から、円筒状支持体の外周
面までの距離R1=40mm、円筒状支持体の中心か
ら、第一の原料ガス導入管の中心までの距離R2=12
0mm、円筒状支持体の中心から、第二の原料ガス導入
部上のガス放出孔までの距離r=88mm、第二の原料
ガス導入部上のガス放出孔の吹き出し方向を長手方向下
向き0(deg)とした。
【0036】
【表1】 F1:第一の原料ガス導入管からのガス量。 F2:第二の原料ガス導入部からのガス量。 作製した電子写真用感光体にたいし、以下の評価を行っ
た。 『周方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真装
置(キヤノン製NP6750をテスト用に高速に改造)
にセットし、帯電器に800μAの電流を流し、コロナ
帯電を行い、表面電位計により電子写真用感光体の暗部
表面電位を測定する。この時、感光体が一回転する間の
暗部表面電位の変化を周むらとし、感光体の長手方向に
50mmおきに周むらを測定し、この時の平均値をもっ
て、周方向帯電電位ムラとする。その結果を表2に示
す。表2においては、図3に示す従来の製造装置(原料
ガス導入管は8本)を用い、表1の条件(但し、光導電
層のF2/(F1+F2)は0)で作製した電子写真用
感光体を、上記と同様に周方向帯電電位ムラを測定した
ときの結果を100とした相対評価で示している。その
結果を表2に示す。表2から明らかなように、本発明の
製造装置を用い、第一の原料ガス導入管の本数をGと
し、第二の原料ガス導入部のガス放出孔の数(Y)を、
6G≧Y≧Gとすることで、均一性の良い光受容部材を
得ることがわかった。
た。 『周方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真装
置(キヤノン製NP6750をテスト用に高速に改造)
にセットし、帯電器に800μAの電流を流し、コロナ
帯電を行い、表面電位計により電子写真用感光体の暗部
表面電位を測定する。この時、感光体が一回転する間の
暗部表面電位の変化を周むらとし、感光体の長手方向に
50mmおきに周むらを測定し、この時の平均値をもっ
て、周方向帯電電位ムラとする。その結果を表2に示
す。表2においては、図3に示す従来の製造装置(原料
ガス導入管は8本)を用い、表1の条件(但し、光導電
層のF2/(F1+F2)は0)で作製した電子写真用
感光体を、上記と同様に周方向帯電電位ムラを測定した
ときの結果を100とした相対評価で示している。その
結果を表2に示す。表2から明らかなように、本発明の
製造装置を用い、第一の原料ガス導入管の本数をGと
し、第二の原料ガス導入部のガス放出孔の数(Y)を、
6G≧Y≧Gとすることで、均一性の良い光受容部材を
得ることがわかった。
【0037】
【表2】 <実験例2>長さ358mm、外径φ80mmの鏡面加
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用い、
図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注入阻
止層、光導電層および表面層からなる電子写真用感光体
を表1に示す作製条件により形成した。本実験例では、
第二の原料ガス導入部のガス放出孔の吹き出し方向を変
化させて電子写真用感光体を作成した。なお第二の原料
ガス導入部のガス放出孔の吹き出し方向は、長手方向下
向きを0(deg)とし、反応容器に向かう方向にX
(deg)傾けるとし、Xの値を変化させた。
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用い、
図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注入阻
止層、光導電層および表面層からなる電子写真用感光体
を表1に示す作製条件により形成した。本実験例では、
第二の原料ガス導入部のガス放出孔の吹き出し方向を変
化させて電子写真用感光体を作成した。なお第二の原料
ガス導入部のガス放出孔の吹き出し方向は、長手方向下
向きを0(deg)とし、反応容器に向かう方向にX
(deg)傾けるとし、Xの値を変化させた。
【0038】本実験例において、円筒状支持体の中心か
ら、円筒状支持体の外周面までの距離R1=40mm、
円筒状支持体の中心から、第一の原料ガス導入管の中心
までの距離R2=120mm、円筒状支持体の中心か
ら、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔までの距離r
=88mm、第一の原料ガス導入管の本数G=8本、第
二の原料ガス導入部のガス放出孔の数Y=16個とし
た。作製した電子写真用感光体にたいし、『周方向帯電
電位ムラ』を実験例1と同様の評価を行った。その結果
を表3に示す。表3から明らかなように、本発明の製造
装置を用い、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹
き出し方向を、前記円筒状支持体の長手方向下向きを0
(deg)とし、反応容器の方向に向かう方向にX(d
eg)傾けるとした時、0(deg)≦X≦50(de
g)とすることで、均一性の良い光受容部材を得ること
がわかった。
ら、円筒状支持体の外周面までの距離R1=40mm、
円筒状支持体の中心から、第一の原料ガス導入管の中心
までの距離R2=120mm、円筒状支持体の中心か
ら、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔までの距離r
=88mm、第一の原料ガス導入管の本数G=8本、第
二の原料ガス導入部のガス放出孔の数Y=16個とし
た。作製した電子写真用感光体にたいし、『周方向帯電
電位ムラ』を実験例1と同様の評価を行った。その結果
を表3に示す。表3から明らかなように、本発明の製造
装置を用い、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹
き出し方向を、前記円筒状支持体の長手方向下向きを0
(deg)とし、反応容器の方向に向かう方向にX(d
eg)傾けるとした時、0(deg)≦X≦50(de
g)とすることで、均一性の良い光受容部材を得ること
がわかった。
【0039】
【表3】 <実験例3>長さ358mm、外径φ80mmの鏡面加
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用い、
図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注入阻
止層、光導電層および表面層からなる電子写真用感光体
を表1に示す作製条件により形成した。
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用い、
図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注入阻
止層、光導電層および表面層からなる電子写真用感光体
を表1に示す作製条件により形成した。
【0040】本実験例では、第二の原料ガス導入部のガ
ス放出孔の位置を変化させて電子写真用感光体を作成し
た。なお第二の原料ガス導入部のガス放出孔の位置は、
円筒状支持体の中心から、第二の原料ガス導入部上のガ
ス放出孔までの距離rとし、rの値を変化させた。本実
験例において、円筒状支持体の中心から、円筒状支持体
の外周面までの距離R1=40mm、円筒状支持体の中
心から、第一の原料ガス導入管の中心までの距離R2=
120mm、第一の原料ガス導入管の本数G=8本、第
二の原料ガス導入部のガス放出孔の数Y=16個、第二
の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹き出し方向を長手
方向下向き0(de9)とした。作製した電子写真用感
光体にたいし、『周方向帯電電位ムラ』を実験例1と同
様の評価を行った。その結果を表4に示す。表4から明
らかなように、本発明の製造装置を用い、第二の原料ガ
ス導入部上のガス放出孔の位置を、前記円筒状支持体の
中心から前記第二の原料ガス導入部上のガス放出孔まで
の距離をr、前記円筒状支持体の中心から前記円筒状支
持体の外周面までの距離をR1、前記円筒状支持体の中
心から前記第一の原料ガス導入管の中心までの距離をR
2、としたとき、R1+0.5(R2−R1)≦r≦R
1+0.7(R2−R1)とすることで、均一性の良い
光受容部材を得ることがわかった。
ス放出孔の位置を変化させて電子写真用感光体を作成し
た。なお第二の原料ガス導入部のガス放出孔の位置は、
円筒状支持体の中心から、第二の原料ガス導入部上のガ
ス放出孔までの距離rとし、rの値を変化させた。本実
験例において、円筒状支持体の中心から、円筒状支持体
の外周面までの距離R1=40mm、円筒状支持体の中
心から、第一の原料ガス導入管の中心までの距離R2=
120mm、第一の原料ガス導入管の本数G=8本、第
二の原料ガス導入部のガス放出孔の数Y=16個、第二
の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹き出し方向を長手
方向下向き0(de9)とした。作製した電子写真用感
光体にたいし、『周方向帯電電位ムラ』を実験例1と同
様の評価を行った。その結果を表4に示す。表4から明
らかなように、本発明の製造装置を用い、第二の原料ガ
ス導入部上のガス放出孔の位置を、前記円筒状支持体の
中心から前記第二の原料ガス導入部上のガス放出孔まで
の距離をr、前記円筒状支持体の中心から前記円筒状支
持体の外周面までの距離をR1、前記円筒状支持体の中
心から前記第一の原料ガス導入管の中心までの距離をR
2、としたとき、R1+0.5(R2−R1)≦r≦R
1+0.7(R2−R1)とすることで、均一性の良い
光受容部材を得ることがわかった。
【0041】
【表4】 <実験例4>長さ358mm、外径φ80mmの鏡面加
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用い、
図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注入阻
止層、光導電層および表面層からなる電子写真用感光体
を表1に示す作製条件により形成した。ただし、本実験
例では、表1におけるF2/(F1+F2)の値を変化
させて電子写真用感光体を作成した。本実験例におい
て、円筒状支持体の中心から、円筒状支持体の外周面ま
での距離R1=40mm、円筒状支持体の中心から、第
一の原料ガス導入管の中心までの距離R2=120m
m、円筒状支持体の中心から、第二の原料ガス導入部上
のガス放出孔までの距離r=88mm、第一の原料ガス
導入管の本数G=8本、第二の原料ガス導入部のガス放
出孔の数Y=16個、第二の原料ガス導入部上のガス放
出孔の吹き出し方向を長手方向下向き0(deg)とし
た。作製した電子写真用感光体にたいし、以下の評価を
行った。 『周方向帯電電位ムラ』実験例1と同様の評価を行っ
た。 『長手方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真
装置(キヤノン製NP6750をテスト用に高速に改
造)にセットし、帯電器に800μAの電流を流し、コ
ロナ帯電を行い、表面電位計により電子写真感光体の暗
部表面電位を測定する。この時、感光体の長手方向に5
0mmおきに暗部表面電位を測定し、この時の最大値と
最小値の差をもって、長手方向帯電電位ムラとする。そ
れぞれの結果を表5に示す。表5においては、図3に示
す従来の製造装置(原料ガス導入管は8本)を用い、表
1の条件(但し、光導電層のF2/(F1+F2)は
0)で作製した電子写真用感光体を、上記と同様に周方
向帯電電位ムラ、長手方向帯電電位ムラを測定したとき
の結果を100とした相対評価で示す。表5から明らか
なように、本発明の製造装置を用い、第二の原料ガス導
入部から供給するガス量をF2、第一の原料ガス導入管
から供給するガス量をF1とした時、0.03≦F2/
(F1十F2)≦0.15とすることで、均一性の良い
光受容部材を得ることがわかった。
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用い、
図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注入阻
止層、光導電層および表面層からなる電子写真用感光体
を表1に示す作製条件により形成した。ただし、本実験
例では、表1におけるF2/(F1+F2)の値を変化
させて電子写真用感光体を作成した。本実験例におい
て、円筒状支持体の中心から、円筒状支持体の外周面ま
での距離R1=40mm、円筒状支持体の中心から、第
一の原料ガス導入管の中心までの距離R2=120m
m、円筒状支持体の中心から、第二の原料ガス導入部上
のガス放出孔までの距離r=88mm、第一の原料ガス
導入管の本数G=8本、第二の原料ガス導入部のガス放
出孔の数Y=16個、第二の原料ガス導入部上のガス放
出孔の吹き出し方向を長手方向下向き0(deg)とし
た。作製した電子写真用感光体にたいし、以下の評価を
行った。 『周方向帯電電位ムラ』実験例1と同様の評価を行っ
た。 『長手方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真
装置(キヤノン製NP6750をテスト用に高速に改
造)にセットし、帯電器に800μAの電流を流し、コ
ロナ帯電を行い、表面電位計により電子写真感光体の暗
部表面電位を測定する。この時、感光体の長手方向に5
0mmおきに暗部表面電位を測定し、この時の最大値と
最小値の差をもって、長手方向帯電電位ムラとする。そ
れぞれの結果を表5に示す。表5においては、図3に示
す従来の製造装置(原料ガス導入管は8本)を用い、表
1の条件(但し、光導電層のF2/(F1+F2)は
0)で作製した電子写真用感光体を、上記と同様に周方
向帯電電位ムラ、長手方向帯電電位ムラを測定したとき
の結果を100とした相対評価で示す。表5から明らか
なように、本発明の製造装置を用い、第二の原料ガス導
入部から供給するガス量をF2、第一の原料ガス導入管
から供給するガス量をF1とした時、0.03≦F2/
(F1十F2)≦0.15とすることで、均一性の良い
光受容部材を得ることがわかった。
【0042】
【表5】 <実験例5>長さ358mm、外径φ80mmの鏡面加
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用い、
図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注入阻
止層、光導電層および表面層からなる電子写真用感光体
を表1に示す作製条件により形成した。ただし、本実験
例では、第二の原料ガス導入部として用いているAl2
O3セラミックリングの表面粗さ(Rz)を変化させて
電子写真用感光体を作成した。本実験例において、円筒
状支持体の中心から、円筒状支持体の外周面までの距離
R1=40mm、円筒状支持体の中心から、第一の原料
ガス導入管の中心までの距離R2=120mm、円筒状
支持体の中心から、第二の原料ガス導入部上のガス放出
孔までの距離r=88mm、第一の原料ガス導入管の本
数G=8本、第二の原料ガス導入部のガス放出孔の数Y
=16個、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹き
出し方向を長手方向下向き0(deg)とした。作製し
た電子写真用感光体にたいし、以下の評価を行った。 『球状突起の数』光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で9
cm2の範囲で電子写真用感光体の表面を観察し、大き
さ、及び個数にて評価を行なった。20μm以上の球状
突起が20個未満で且つ40μm以上の球状突起が無い
ものを◎、20μm以上の球状突起が20個以上ある
が、40μm以上の球状突起が無いものを〇、20μm
以上の球状突起が20個以上あり、40μm以上の球状
突起もあるものを△、と3段階評価を行った。結果を表
6に示す。表6から明らかな様に、10〜100μmの
範囲で良好結果が得られ、さらに、15〜60μmの範
囲でより効果的であることがわかった。
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用い、
図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注入阻
止層、光導電層および表面層からなる電子写真用感光体
を表1に示す作製条件により形成した。ただし、本実験
例では、第二の原料ガス導入部として用いているAl2
O3セラミックリングの表面粗さ(Rz)を変化させて
電子写真用感光体を作成した。本実験例において、円筒
状支持体の中心から、円筒状支持体の外周面までの距離
R1=40mm、円筒状支持体の中心から、第一の原料
ガス導入管の中心までの距離R2=120mm、円筒状
支持体の中心から、第二の原料ガス導入部上のガス放出
孔までの距離r=88mm、第一の原料ガス導入管の本
数G=8本、第二の原料ガス導入部のガス放出孔の数Y
=16個、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹き
出し方向を長手方向下向き0(deg)とした。作製し
た電子写真用感光体にたいし、以下の評価を行った。 『球状突起の数』光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で9
cm2の範囲で電子写真用感光体の表面を観察し、大き
さ、及び個数にて評価を行なった。20μm以上の球状
突起が20個未満で且つ40μm以上の球状突起が無い
ものを◎、20μm以上の球状突起が20個以上ある
が、40μm以上の球状突起が無いものを〇、20μm
以上の球状突起が20個以上あり、40μm以上の球状
突起もあるものを△、と3段階評価を行った。結果を表
6に示す。表6から明らかな様に、10〜100μmの
範囲で良好結果が得られ、さらに、15〜60μmの範
囲でより効果的であることがわかった。
【0043】
【表6】 以上の実験例により本発明の構成が決定された。次に本
発明の実施例及び比較例により、さらに具体的に説明す
る。
発明の実施例及び比較例により、さらに具体的に説明す
る。
【0044】
「実施例1」長さ358mm、外径φ80mmの鏡面加
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)をAl製
ホルダー(長さ1000mm)に長手方向に2段設置
し、図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注
入阻止層、光導電層および表面層からなる光受容層を表
7に示す作製条件により形成した。本実施例において、
円筒状支持体の中心から、円筒状支持体の外周面までの
距離R1=40mm、円筒状支持体の中心から、第一の
原料ガス導入管の中心までの距離R2=130mm、円
筒状支持体の中心から、第二の原料ガス導入部上のガス
放出孔までの距離r=103mm、第一の原料ガス導入
管の本数G=8本、第二の原料ガス導入部のガス放出孔
の数Y=16個、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔
の吹き出し方向を長手方向下向き0(deg)、第二の
原料ガス導入部としてAl2O3セラミックリング(表面
粗さRz=35(μm))とした。作製した電子写真用
感光体について以下の項目について評価した。これらの
結果を表8に示す。 『周方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真装
置(キヤノン製NP6750をテスト用に高速に改造)
にセットし、帯電器に800μAの電流を流し、コロナ
帯電を行い、表面電位計により電子写真用感光体の暗部
表面電位を測定する。この時、感光体が一回転する間の
暗部表面電位の変化を周むらとし、2本の感光体共に長
手方向に50mmおきに周むらを測定し、この時の平均
値をもって、周方向帯電電位ムラとする。 『長手方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真
装置(キヤノン製NP6750をテスト用に高速に改
造)にセットし、帯電器に800μAの電流を流し、コ
ロナ帯電を行い、表面電位計により電子写真感光体の暗
部表面電位を測定する。この時、2本の感光体共に長手
方向に50mmおきに暗部表面電位を測定し、この時の
最大値と最小値の差をもって、長手方向帯電電位ムラと
する。 『画像濃度むら』キヤノン製中間調チャート(部品番
号:FY9−9042)を原稿台に置きコピーしたとき
に得られたコピー画像上で直径0.05mmの円形の領
域を1単位として200点の画像濃度を測定し、その画
像濃度のばらつきを評価した。 ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題無し」 ×は「実用上問題有り」 を表している。
工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)をAl製
ホルダー(長さ1000mm)に長手方向に2段設置
し、図2−bに示した装置を用いて該支持体上に電荷注
入阻止層、光導電層および表面層からなる光受容層を表
7に示す作製条件により形成した。本実施例において、
円筒状支持体の中心から、円筒状支持体の外周面までの
距離R1=40mm、円筒状支持体の中心から、第一の
原料ガス導入管の中心までの距離R2=130mm、円
筒状支持体の中心から、第二の原料ガス導入部上のガス
放出孔までの距離r=103mm、第一の原料ガス導入
管の本数G=8本、第二の原料ガス導入部のガス放出孔
の数Y=16個、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔
の吹き出し方向を長手方向下向き0(deg)、第二の
原料ガス導入部としてAl2O3セラミックリング(表面
粗さRz=35(μm))とした。作製した電子写真用
感光体について以下の項目について評価した。これらの
結果を表8に示す。 『周方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真装
置(キヤノン製NP6750をテスト用に高速に改造)
にセットし、帯電器に800μAの電流を流し、コロナ
帯電を行い、表面電位計により電子写真用感光体の暗部
表面電位を測定する。この時、感光体が一回転する間の
暗部表面電位の変化を周むらとし、2本の感光体共に長
手方向に50mmおきに周むらを測定し、この時の平均
値をもって、周方向帯電電位ムラとする。 『長手方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真
装置(キヤノン製NP6750をテスト用に高速に改
造)にセットし、帯電器に800μAの電流を流し、コ
ロナ帯電を行い、表面電位計により電子写真感光体の暗
部表面電位を測定する。この時、2本の感光体共に長手
方向に50mmおきに暗部表面電位を測定し、この時の
最大値と最小値の差をもって、長手方向帯電電位ムラと
する。 『画像濃度むら』キヤノン製中間調チャート(部品番
号:FY9−9042)を原稿台に置きコピーしたとき
に得られたコピー画像上で直径0.05mmの円形の領
域を1単位として200点の画像濃度を測定し、その画
像濃度のばらつきを評価した。 ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題無し」 ×は「実用上問題有り」 を表している。
【0045】(比較例1)実施例1と比べ本比較例にお
いては、図2に示す装置を用いた以外は実施例1と同様
の条件にて電子写真感光体を作製した。作製した、電子
写真感光体を実施例1と同様な手段で評価を行った。こ
れらの評価結果を実施例1と共に表8に示す。表8にお
いて、『周方向帯電電位ムラ』『長手方向帯電電位ム
ラ』に関しては、比較例1の値を100としたときの相
対評価で示す。本発明の製造装置により作製した電子写
真用感光体は、従来の装置により製造した電子写真用感
光体に比べいずれの項目においても非常に良好な結果が
得られた。
いては、図2に示す装置を用いた以外は実施例1と同様
の条件にて電子写真感光体を作製した。作製した、電子
写真感光体を実施例1と同様な手段で評価を行った。こ
れらの評価結果を実施例1と共に表8に示す。表8にお
いて、『周方向帯電電位ムラ』『長手方向帯電電位ム
ラ』に関しては、比較例1の値を100としたときの相
対評価で示す。本発明の製造装置により作製した電子写
真用感光体は、従来の装置により製造した電子写真用感
光体に比べいずれの項目においても非常に良好な結果が
得られた。
【0046】
【表7】 Fl:第一の原料ガス導入管からのガス量。 F2:第二の原料ガス導入部からのガス量。
【0047】
【表8】 「実施例2」実施例1に示した装置を用い、表9に示す
作製条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる
電子写真用感光体を作製した。本実施例では、光導電層
作製時、第―の原料ガス導入管からは、SiH4=43
0sccm、H2=2000sccm、B2H6=1.2
ppm(対SiH4)の原料ガスを供給し、第二の原料
ガス導入部からは、H2=500sccm、B2H6=
0.3ppm(対SiH4)の原料ガスを供給した以外
は実施例1と同様に電子写真用感光体を作製した。作製
した電子写真感光体について、実施例1と同様な評価を
行った。これらの結果を表10に示す。表8において、
『周方向帯電電位ムラ』『長手方向帯電電位ムラ』に関
しては、比較例1の値を100としたときの相対評価で
示す。本発明の製造装置により作製した電子写真用感光
体は、従来の装置により製造した電子写真用感光体に比
べいずれの項目においても非常に良好な結果が得られ
た。特に、長手方向の均一性は飛躍的に向上している。
作製条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる
電子写真用感光体を作製した。本実施例では、光導電層
作製時、第―の原料ガス導入管からは、SiH4=43
0sccm、H2=2000sccm、B2H6=1.2
ppm(対SiH4)の原料ガスを供給し、第二の原料
ガス導入部からは、H2=500sccm、B2H6=
0.3ppm(対SiH4)の原料ガスを供給した以外
は実施例1と同様に電子写真用感光体を作製した。作製
した電子写真感光体について、実施例1と同様な評価を
行った。これらの結果を表10に示す。表8において、
『周方向帯電電位ムラ』『長手方向帯電電位ムラ』に関
しては、比較例1の値を100としたときの相対評価で
示す。本発明の製造装置により作製した電子写真用感光
体は、従来の装置により製造した電子写真用感光体に比
べいずれの項目においても非常に良好な結果が得られ
た。特に、長手方向の均一性は飛躍的に向上している。
【0048】
【表9】 F1:第一の原料ガス導入管からのガス量。 F2:第二の原料ガス導入部からのガス量。
【0049】
【表10】 「実施例3」長さ358mm、外径φ108mmの鏡面
加工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用
い、図2−aに示した装置を用いて該支持体上に電荷注
入阻止層、電荷輸送層、電荷発生層、および表面層から
なる光受容層を表11に示す作製条件により形成した。
本実施例において、円筒状支持体の中心から、円筒状支
持体の外周面までの距離R1=54mm、円筒状支持体
の中心から、第一の原料ガス導入管の中心までの距離R
2=134mm、円筒状支持体の中心から、第二の原料
ガス導入部上のガス放出孔までの距離r=114mm、
第一の原料ガス導入管の本数G=10本、第二の原料ガ
ス導入部のガス放出孔の数Y=10個、第二の原料ガス
導入部上のガス放出孔の吹き出し方向を長手方向下向き
0(deg)、第二の原料ガス導入部としてAl2O3セ
ラミックリング(表面粗さRz=35(μm))とし
た。作製した電子写真感光体について以下の項目につい
て評価したところ、実施例1と同様非常に良好な結果が
得られた。 『周方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真装
置(キヤノン製NP6030をテスト用に改造)にセッ
トし、帯電器に700μAの電流を流し、コロナ帯電を
行い、表面電位計により電子写真用感光体の暗部表面電
位を測定する。この時、感光体が一回転する間の暗部表
面電位の変化を周むらとし、感光体の長手方向に50m
mおきに周むらを測定し、この時の平均値をもって、周
方向帯電電位ムラとする。 『長手方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真
装置(キヤノン製NP6030をテスト用に高速に改
造)にセットし、帯電器に700μAの電流を流し、コ
ロナ帯電を行い、表面電位計により電子写真感光体の暗
部表面電位を測定する。この時、感光体の長手方向に5
0mmおきに暗部表面電位を測定し、この時の最大値と
最小値の差をもって、長手方向帯電電位ムラとする。 『画像濃度むら』実施例1と同様。
加工を施したAl製シリンダー(円筒状支持体)を用
い、図2−aに示した装置を用いて該支持体上に電荷注
入阻止層、電荷輸送層、電荷発生層、および表面層から
なる光受容層を表11に示す作製条件により形成した。
本実施例において、円筒状支持体の中心から、円筒状支
持体の外周面までの距離R1=54mm、円筒状支持体
の中心から、第一の原料ガス導入管の中心までの距離R
2=134mm、円筒状支持体の中心から、第二の原料
ガス導入部上のガス放出孔までの距離r=114mm、
第一の原料ガス導入管の本数G=10本、第二の原料ガ
ス導入部のガス放出孔の数Y=10個、第二の原料ガス
導入部上のガス放出孔の吹き出し方向を長手方向下向き
0(deg)、第二の原料ガス導入部としてAl2O3セ
ラミックリング(表面粗さRz=35(μm))とし
た。作製した電子写真感光体について以下の項目につい
て評価したところ、実施例1と同様非常に良好な結果が
得られた。 『周方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真装
置(キヤノン製NP6030をテスト用に改造)にセッ
トし、帯電器に700μAの電流を流し、コロナ帯電を
行い、表面電位計により電子写真用感光体の暗部表面電
位を測定する。この時、感光体が一回転する間の暗部表
面電位の変化を周むらとし、感光体の長手方向に50m
mおきに周むらを測定し、この時の平均値をもって、周
方向帯電電位ムラとする。 『長手方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真
装置(キヤノン製NP6030をテスト用に高速に改
造)にセットし、帯電器に700μAの電流を流し、コ
ロナ帯電を行い、表面電位計により電子写真感光体の暗
部表面電位を測定する。この時、感光体の長手方向に5
0mmおきに暗部表面電位を測定し、この時の最大値と
最小値の差をもって、長手方向帯電電位ムラとする。 『画像濃度むら』実施例1と同様。
【0050】
【表11】 F1:第一の原料ガス導入管からのガス量。 F2:第二の原料ガス導入部からのガス量。
【0051】「実施例4」実施例1に示した装置を用
い、表12に示す作製条件で長波長光吸収層、電荷注入
阻止層、光導電層、表面層からなる電子写真用感光体を
実施例1と同様に作製した。本実施例において、円筒状
支持体の中心から、円筒状支持体の外周面までの距離R
1=40mm、円筒状支持体の中心から、第一の原料ガ
ス導入管の中心までの距離R2=120mm、円筒状支
持体の中心から、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔
までの距離r=104mm、第一の原料ガス導入管の本
数G=5本、第二の原料ガス導入部のガス放出孔の数Y
=15個、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹き
出し方向を長手方向下向き0(deg)、第二の原料ガ
ス導入部としてAl2O3セラミックリング(表面粗さR
z=35(μm))とした。作製した電子写真用感光体
について以下の項目について評価したところ、実施例1
と同様非常に良好な結果が得られた。 『周方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真装
置(キヤノン製NP9330を高速対応に改造)にセッ
トし、帯電器に800μAの電流を流し、コロナ帯電を
行い、表面電位計により電子写真用感光体の暗部表面電
位を測定する。この時、感光体が一回転する間の暗部表
面電位の変化を周むらとし、感光体の長手方向に50m
mおきに周むらを測定し、この時の平均値をもって、周
方向帯電電位ムラとする。 『長手方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真
装置(キヤノン製NP9330を高速対応に改造)にセ
ットし、帯電器に800μAの電流を流し、コロナ帯電
を行い、表面電位計により電子写真感光体の暗部表面電
位を測定する。この時、感光体の長手方向に50mmお
きに暗部表面電位を測定し、この時の最大値と最小値の
差をもって、長手方向帯電電位ムラとする。 『画像濃度むら』実施例1と同様。
い、表12に示す作製条件で長波長光吸収層、電荷注入
阻止層、光導電層、表面層からなる電子写真用感光体を
実施例1と同様に作製した。本実施例において、円筒状
支持体の中心から、円筒状支持体の外周面までの距離R
1=40mm、円筒状支持体の中心から、第一の原料ガ
ス導入管の中心までの距離R2=120mm、円筒状支
持体の中心から、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔
までの距離r=104mm、第一の原料ガス導入管の本
数G=5本、第二の原料ガス導入部のガス放出孔の数Y
=15個、第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の吹き
出し方向を長手方向下向き0(deg)、第二の原料ガ
ス導入部としてAl2O3セラミックリング(表面粗さR
z=35(μm))とした。作製した電子写真用感光体
について以下の項目について評価したところ、実施例1
と同様非常に良好な結果が得られた。 『周方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真装
置(キヤノン製NP9330を高速対応に改造)にセッ
トし、帯電器に800μAの電流を流し、コロナ帯電を
行い、表面電位計により電子写真用感光体の暗部表面電
位を測定する。この時、感光体が一回転する間の暗部表
面電位の変化を周むらとし、感光体の長手方向に50m
mおきに周むらを測定し、この時の平均値をもって、周
方向帯電電位ムラとする。 『長手方向帯電電位ムラ』電子写真用感光体を電子写真
装置(キヤノン製NP9330を高速対応に改造)にセ
ットし、帯電器に800μAの電流を流し、コロナ帯電
を行い、表面電位計により電子写真感光体の暗部表面電
位を測定する。この時、感光体の長手方向に50mmお
きに暗部表面電位を測定し、この時の最大値と最小値の
差をもって、長手方向帯電電位ムラとする。 『画像濃度むら』実施例1と同様。
【0052】
【表12】
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明は反応容器内の円
筒状支持体の同軸外周上に該円筒状支持体の長手方向に
沿って複数の第一の堆積膜形成用原料ガス導入管を設け
てなる堆積膜形成装置において、反応容器内を排気する
手段と反対側の位置に、前記円筒状支持体の同軸外周上
に複数の原料ガス放出孔を有する第二の原料ガス導入部
を設けることにより、反応容器内のガス量のバランスを
とることが可能となる。これにより、本発明において
は、膜厚、膜質を均一にし、形成される膜の諸物性、成
膜速度、再現性、膜の生産性等をそれぞれ向上させ、量
産を行う場合において、歩留を飛躍的に向上させること
ができる。
筒状支持体の同軸外周上に該円筒状支持体の長手方向に
沿って複数の第一の堆積膜形成用原料ガス導入管を設け
てなる堆積膜形成装置において、反応容器内を排気する
手段と反対側の位置に、前記円筒状支持体の同軸外周上
に複数の原料ガス放出孔を有する第二の原料ガス導入部
を設けることにより、反応容器内のガス量のバランスを
とることが可能となる。これにより、本発明において
は、膜厚、膜質を均一にし、形成される膜の諸物性、成
膜速度、再現性、膜の生産性等をそれぞれ向上させ、量
産を行う場合において、歩留を飛躍的に向上させること
ができる。
【図1】本発明のプラズマCVD法による堆積膜形成装
置の一例を示す模式的説明図である。
置の一例を示す模式的説明図である。
【図2】本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を形
成するための装置の一例で、高周波を用いたグロー放電
法による電子写真用光受容部材の製造装置の模式的説明
図である。
成するための装置の一例で、高周波を用いたグロー放電
法による電子写真用光受容部材の製造装置の模式的説明
図である。
【図3】従来の電子写真用光受容部材の光受容層を形成
するための装置の一例で、高周波を用いたグロー放電法
による電子写真用光受容部材の製造装置の模式的説明図
である。
するための装置の一例で、高周波を用いたグロー放電法
による電子写真用光受容部材の製造装置の模式的説明図
である。
1111、2111、3111:円筒状反応容器 1112、2112、3112:円筒状支持体 1114、2114、3114:第一のガス導入管 1130、1132、2130:第二のガス導入部 1122、2122、3122:碍子 2119、3119:排気口 2110、3110:堆積装置 1125、1131、1133:ガス放出孔 2113、3113:支持体加熱用ヒーター 2115、3115:マッチングボックス 2116、2164、3116:原料ガス配管 2123、3123:反応容器リークバルブ 2118、3118:メイン排気バルブ 2124、3124:真空計 2200、3200:原料ガス供給装置 2211〜2217、3211〜3216:マスフロー
コントローラー 2221〜2226、3221〜3226:原料ガスボ
ンベ 2231〜2236、3231〜3236:原料ガスボ
ンベバルブ 2241〜2247、3241〜3246:ガス流入バ
ルブ 2251〜2257、3251〜3256:ガス流出バ
ルブ 2261〜2266、3261〜3266:圧力調整器 2262、2263:流量コントローラー
コントローラー 2221〜2226、3221〜3226:原料ガスボ
ンベ 2231〜2236、3231〜3236:原料ガスボ
ンベバルブ 2241〜2247、3241〜3246:ガス流入バ
ルブ 2251〜2257、3251〜3256:ガス流出バ
ルブ 2261〜2266、3261〜3266:圧力調整器 2262、2263:流量コントローラー
Claims (10)
- 【請求項1】上壁、電極を兼ねる円筒状反応容器及び底
壁で密封形成されてなる反応空間と、該反応空間内に円
筒状支持体を設置する手段と、該円筒状支持体の同軸外
周上に該円筒状支持体の長手方向に沿って設けられた複
数の第一の堆積膜形成用原料ガス導入管と、該原料ガス
を励起させて励起種化するための放電エネルギー印加手
段と、前記反応室内を排気する手段とからなるプラズマ
CVD法による堆積膜形成装置において、前記反応容器
内を排気する手段と反対側の位置に、該円筒状支持体の
同軸外周上に複数の原料ガス放出孔を有する第二の原料
ガス導入部を設けたことを特徴とするプラズマCVD法
による堆積膜形成装置。 - 【請求項2】前記第一の原料ガス導入管の本数をGと
し、前記第二の原料ガス導入部上のガス放出孔の数をY
としたとき、 6G≧Y≧Gとし、かつガス放出孔の間隔は均等とした
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD法に
よる堆積膜形成装置。 - 【請求項3】前記第二の原料ガス導入部は、該第二の原
料ガス導入部上のガス放出孔の吹き出し方向が、前記円
筒状支持体の長手方向下向きを0(deg)とし、反応
容器の方向に向かう方向にX(deg)傾けるとしたと
き、 0(deg)≦X≦50(deg) とされていることを特徴とする請求項1または請求項2
に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成装置。 - 【請求項4】前記第二の原料ガス導入部は、該第二の原
料ガス導入部上のガス放出孔の位置が、前記円筒状支持
体の中心から前記第二の原料ガス導入部上のガス放出孔
までの距離をr、前記円筒状支持体の中心から前記円筒
状支持体の外周面までの距離をR1、前記円筒状支持体
の中心から前記第一の原料ガス導入管の中心までの距離
をR2、としたとき、 R1+0.5(R2−R1)≦r≦R1+0.8(R2
−R1) とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
1項に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成装置。 - 【請求項5】前記第一の原料ガス導入管と前記第二の原
料ガス導入部とは、各々流量コントローラーに接続され
ていて同一の原料ガスを反応容器内に供給することが可
能であり、各々の流量コントローラーを制御し、該第一
の原料ガス導入管から供給するガス量をF1、該第二の
原料ガス導入部から供給するガス量をF2としたとき、 0.03≦F2/(F1+F2)≦0.15 としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
記載のプラズマCVD法による堆積膜形成装置。 - 【請求項6】前記第一の原料ガス導入管と前記第二の原
料ガス導入部から、異なる原料ガスを反応容器内に供給
する供給機構を有することを特徴とする請求項1〜4の
いずれか1項に記載のプラズマCVD法による堆積膜形
成装置。 - 【請求項7】前記第二の原料ガス導入部は、伝導性を制
御する原子供給用の原料ガスを反応容器内に供給する機
構を有することを特徴とする請求項6に記載のプラズマ
CVD法による堆積膜形成装置。 - 【請求項8】前記第二の原料ガス導入部は、希釈用の原
料ガスを反応容器内に供給する機構を有することを特徴
とする請求項6に記載の堆積膜形成装置。 - 【請求項9】前記第二の原料ガス導入部は、セラミック
よりなり、該第二の原料ガス導入部の表面の粗さ(R
z)が10〜100μmであることを特徴とする請求項
1〜8のいずれか1項に記載のプラズマCVD法による
堆積膜形成装置。 - 【請求項10】前記第二の原料ガス導入部は、セラミッ
クよりなり、該第二の原料ガス導入部の表面の粗さ(R
z)が15〜60μmであることを特徴とする請求項1
〜8のいずれか1項に記載のプラズマCVD法による堆
積膜形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35614296A JPH10183356A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | プラズマcvd法による堆積膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35614296A JPH10183356A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | プラズマcvd法による堆積膜形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10183356A true JPH10183356A (ja) | 1998-07-14 |
Family
ID=18447549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35614296A Pending JPH10183356A (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | プラズマcvd法による堆積膜形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10183356A (ja) |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP35614296A patent/JPH10183356A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH11193470A (ja) | 堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法 | |
JP3684011B2 (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成方法及び装置 | |
JP3428865B2 (ja) | 堆積膜の形成装置及び堆積膜形成方法 | |
JPH10183356A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置 | |
JP4298369B2 (ja) | 堆積膜形成方法 | |
JP3634485B2 (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び方法 | |
JPH093652A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置 | |
JP3420385B2 (ja) | 堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法 | |
JP3412957B2 (ja) | 光受容部材の製造方法 | |
JPH11106931A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び方法 | |
JPH11350147A (ja) | 堆積膜形成方法及び装置 | |
JPH1036969A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置 | |
JPH11172451A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法 | |
JPH111777A (ja) | 堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法 | |
JPH11323564A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置および方法 | |
JP3658100B2 (ja) | 非晶質シリコン系感光体製造装置および製造方法 | |
JPH11323563A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法 | |
JPH11343573A (ja) | 堆積膜形成装置及び方法 | |
JPH0943884A (ja) | 電子写真感光体の形成方法 | |
JP2001093840A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び方法 | |
JP2001323375A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成方法及び装置 | |
JPH11172452A (ja) | プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び形成方法 | |
JP2001342569A (ja) | 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 | |
JP2001342568A (ja) | 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 | |
JPH08277472A (ja) | 堆積膜の製造装置およびその製造方法 |