JP2001342260A - 合成樹脂エマルジョン粉末 - Google Patents
合成樹脂エマルジョン粉末Info
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Abstract
後した場合にも耐水性、放置安定性などに優れた合成樹
脂エマルジョン粉末を提供すること。 【解決手段】 エチレン性不飽和単量体及びジエン系単
量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体を分散質とし、1,2−グリコール
結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
体を分散剤とする水性エマルジョンを噴霧乾燥して得ら
れる合成樹脂エマルジョン粉末。
Description
ョン粉末に関し、さらに詳しくは、1,2−グリコール
結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系
単量体から選ばれる1種あるいは2種以上の単量体単位
を有する合成樹脂エマルジョンを粉末化した合成樹脂エ
マルジョン粉末に関する。
エマルジョンを噴霧乾燥することにより製造され、合成
樹脂エマルジョンに比べて粉末であることにより、取り
扱いおよび輸送の点で優れている。また、使用に際して
は、水を添加し、攪拌することにより容易に水中に再分
散するため、セメントあるいはモルタルへの混入剤、接
着剤、塗料用バインダーなどの広範な用途に使用されて
いる。しかしながら従来の合成樹脂エマルジョンでは、
それをそのまま噴霧乾燥した場合には、分散質が容易に
融着し、水に再分散しないため、多量のポリビニルアル
コールを後添加し、さらにはブロッキング防止剤として
無水珪酸等の無機粉末を多量に併用する必要があるのが
現状であった。ポリビニルアルコールあるいは無機粉末
を多量に後添加することで再分散後のエマルジョンはそ
の性能が粉末化前に比べ大幅に劣る問題点があった。
の問題点を解決し、耐ブロッキング性、再分散性に優
れ、再分散後した場合にも耐水性、放置安定性などに優
れた合成樹脂エマルジョン粉末を提供することにある。
情に鑑み、鋭意検討した結果、1,2−グリコール結合
を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体の
存在下で、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体
から選ばれる1種あるいは2種以上の単量体を乳化重合
したエマルジョンを噴霧乾燥して得た合成樹脂エマルジ
ョン粉末が、優れた水への再分散性、耐ブロッキング性
を有し、かつ再分散したエマルジョンは、耐水性、放置
安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
ョン粉末について詳細に説明する。本発明の合成樹脂エ
マルジョン粉末において、分散質を構成するエチレン性
不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブ
テン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフ
ィン類、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニ
ルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−
プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等
のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ド
デシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エ
ステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
ニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合
物、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレ
ンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のス
チレン系単量体類、トリメチル−(3−アクリルアミド
−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、
3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライド、N−(3−アリルオキシ−2−
ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンの4級アンモニウ
ム塩、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチ
ル)ジエチルアミンの4級アンモニウム塩さらにはアク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
N−エチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド等の4級アンモニウム塩、メタクリル酸ヒドロ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アク
リル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、またジエ
ン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン等が挙げられる。これらの単量体のうち単独もし
くは二種以上の重合体または共重合体が分散質として使
用される。これらの分散質のうち、ビニルエステル系単
量体単位を有する重合体、特にポリ酢酸ビニル、さらに
はビニルエステル系単量体およびエチレン単位を有する
共重合体、特にエチレン-酢酸ビニル共重合体が好適に
用いられる。
る水性エマルジョンの分散剤として使用される1,2−
グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコ
ール系重合体の製造方法としては特に制限はなく、公知
の方法が使用可能である。一例としてビニレンカーボネ
ートを上記の1,2−グリコール結合量になるようビニ
ルエステルと共重合した後、けん化する方法、またはビ
ニルエステルを通常の条件より高い温度、例えば75〜
200℃で、加圧下に重合した後、けん化する方法など
が挙げられる。後者の方法において、重合温度は90〜
190℃であることが好ましく、100〜180℃であ
ることが特に好ましい。1,2−グリコール結合の含有
量は1.7モル%以上であることが必要であり、より好
ましくは1.75モル%以上、さらには1.8モル%以
上、最適には1.9モル%以上である。1,2−グリコ
ール結合の含有量が1.7モル%未満の場合、得られる
粉末エマルジョンの再分散性が低下する懸念が生じる。
また、1,2−グリコール結合の含有量は4モル%以下
であることが好ましく、さらに好ましくは3.5モル%
以下、最適には3.2モル%以下である。ここで、1,
2−グリコール結合の含有量はNMRスペクトルの解析
から求められる。
蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリ
ン酸ビニルなどが挙げられるが、一般に酢酸ビニルが好
ましく用いられる。
い範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合
したものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル
酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメ
チルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウ
ム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラ
フルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリ
ルスルホン酸ナトリウム、N−ビニルピロリドン、 N
−ビニルホルムアミド、 N−ビニルアセトアミド等の
N−ビニルアミド類が挙げられる。また、チオール酢
酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存
在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重
合するか、またはビニルエステル系単量体とこれと共重
合可能なエチレン性不飽和単量体とを共重合し、それを
けん化することによって得られる末端変性物も分散剤と
して用いることができる。
る水性エマルジョンの分散剤に用いる1,2−グリコー
ル結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重
合体のけん化度は、特に制限されないが、通常60モル
%以上のものが用いられ、より好ましくは、70モル%
以上、さらに好ましくは75モル%以上である。けん化
度が60モル%未満の場合には、ビニルアルコール系重
合体本来の性質である水溶性が低下する懸念が生じる。
該ビニルアルコール系重合体の重合度も特に制限されな
いが、通常100〜8000の範囲のものが用いられ、
300〜3000がより好ましく用いられる。重合度が
100未満の場合には、得られる粉末エマルジョンの再
分散性が低下する懸念があり、8000を越える場合に
は、該ビニルアルコール系重合体の工業的な製造に問題
がある。
る水性エマルジョンは、1,2−グリコール結合を1.
7モル%以上有するビニルアルコール系重合体の存在下
で、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選
ばれる1種あるいは2種以上の単量体を乳化重合するこ
とによって得られ、合成樹脂エマルジョン粉末は前記水
性エマルジョンを噴霧乾燥して得られる。該水性エマル
ジョンの製造は特に制限されず、従来の方法により、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−
ブチルハイドロパーオキサイド等の重合開始剤を単独あ
るいは各種還元剤との組み合わせによるレドックス系で
製造される。
て、1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有する
ビニルアルコール系重合体の使用量は、単量体100重
量部に対して0.5〜100重量部、好ましくは1〜5
0重量部、さらに好ましくは2〜30重量部である。ビ
ニルアルコール系重合体が0.5重量部未満の場合、水
性エマルジョンの重合安定性が低下すると共に、粉末エ
マルジョンの再分散性が低下する懸念がある。また、ビ
ニルアルコール系重合体が100重量部を越える場合、
重合系の粘度上昇による反応熱除去の問題や耐水性の低
下等の問題が生じる。ビニルアルコール系重合体の添加
方法は特に制限はなく、初期に一括して添加する方法、
初期にビニルアルコール系重合体の一部を添加し、重合
中に連続的に重合系へ添加する方法等がある。また、従
来公知のノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性の
界面活性剤やヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高
分子をビニルアルコール系重合体と併用してもかまわな
い。
る際の単量体の添加方法として、初期に一括して重合系
に添加する方法、初期に単量体の一部を添加し、残りを
重合中に連続的に添加する方法、単量体と水と分散剤を
予め乳化したものを重合系に連続的に添加する方法等、
各種の方法が可能である。
は、連鎖移動剤を添加することもできる。連鎖移動剤と
しては、連鎖移動が起こるものであれば特に制限はない
が、連鎖移動の効率の点でメルカプト基を有する化合物
が好ましい。メルカプト基を有する化合物としては、n
−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、
t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、
2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン
酸等が挙げられる。連鎖移動剤の添加量は、単量体10
0重量部に対して5重量部以下が好ましい。連鎖移動剤
が5重量部を越える場合には、合成樹脂エマルジョンの
重合安定性が低下する上、分散質を形成する重合体の分
子量が著しく低下し、エマルジョン物性の低下が起こ
る。
法は、上記以外の重合条件あるいは重合方法でもよく、
各種の従来公知の乳化重合方法を採用することができ
る。
記の水性エマルジョンを噴霧乾燥して得られる。噴霧乾
燥には、流体を噴霧して乾燥する通常の噴霧乾燥が使用
できる。噴霧の形式により、ディスク式、ノズル式、衝
撃波式などがあるが、いずれの方法でも良い。また、熱
源としても、熱風や加熱水蒸気等が用いられる。乾燥条
件は、噴霧乾燥機の大きさや種類、合成樹脂エマルジョ
ンの濃度、粘度、流量等によって適宜選択すればよい。
乾燥温度は、100℃〜150℃が適当であり、この乾
燥温度の範囲内で、十分に乾燥した粉末が得られるよう
に、他の乾燥条件を設定することが望ましい。
性をより向上するために、水溶性添加剤を加えることも
できる。水溶性添加剤は、噴霧乾燥前に合成樹脂エマル
ジョンに添加して噴霧乾燥すると均一に混合されるため
好ましい。水溶性添加剤の使用量は特に制限はなく、エ
マルジョンの耐水性等の物性に悪影響を与えない程度に
適宜コントロールされる。
て、水溶性高分子が好ましく、例えば、ポリビニルアル
コール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、でんぷん誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レンオキサイド等の他、水溶性アルキッド樹脂、水溶性
フェノール樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性メラミン樹
脂、水溶性ナフタレンスルホン酸樹脂、水溶性アミノ樹
脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶
性ポリカルボン酸樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶
性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリオール樹脂、水溶性エ
ポキシ樹脂等も使用される。
用する用途により、その用途で使用される各種添加剤を
配合しておくこともできる。例えば、セメントおよびモ
ルタルなどへの混和剤としての用途では、AE剤、減水
剤、流動化剤、保水剤、増粘剤、防水剤等、接着剤用に
は粘性改良剤、保水剤、粘着付与剤、増粘剤等、塗料用
バインダーには、粘性改良剤、増粘剤、顔料分散剤、安
定剤等が適宜使用される。
の耐ブロッキング性、水への再分散性を向上させる目的
で、ブロッキング防止剤(抗粘結剤)を使用することが
望ましい。ブロッキング防止剤は、噴霧乾燥後のエマル
ジョン粉末に添加して均一に混合しても良いが、噴霧乾
燥する際に合成樹脂エマルジョンをブロッキング防止剤
の存在下に噴霧する(同時噴霧)ことが、均一な混合を
行うことができ好適である。ブロッキング防止剤として
は、微粒子の無機粉末が好ましく、炭酸カルシウム、ク
レー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワイトカーボ
ン、タルク、アルミナホワイト等が使用される。これら
のブロッキング防止剤のうち、無水珪酸が好適である。
ブロッキング防止剤の使用量は、性能上、エマルジョン
粉末に対して20重量%以下さらには10重量%以下が
好ましい。下限値については0.1重量%以上、さらに
は0.2重量%以上が好ましい。また、有機系のフィラ
ーも使用できる
ン粉末は、セメントあるいはモルタルへの混入剤として
はもとより、再分散後の水性エマルジョンの耐水性、放
置安定性に優れるため、接着剤、塗料用バインダー、紙
加工用途等に好適に用いられる。
明するが、本発明はこれらによって何等限定されるもの
ではない。なお、実施例中、「部」および「%」はいず
れも重量基準を意味する。
レーブにPVA−1(1,2−グリコール結合2.2モ
ル%含有、重合度1700、けん化度88モル%;加圧
下、120℃で重合したポリ酢酸ビニルをけん化して合
成)の7.5%水溶液100部を仕込み、60℃に昇温
してから、窒素置換を行った。酢酸ビニル80部を仕込
んだ後、エチレンを50kg/cm2まで加圧し、0.5%過
酸化水素水溶液2gおよび2%ロンガリット水溶液0.
3gを圧入し、重合を開始した。残存酢酸ビニル濃度が
10%となったところで、エチレン放出し、エチレン圧
力20kg/cm2とし、3%過酸化水素水溶液0.3gを圧
入し重合を完結させた。重合中に凝集などがなく、重合
安定性に優れており、固形分濃度49.5%、エチレン
含量13重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマル
ジョン(Em−1)が得られた。
A−2(1,2−グリコール結合2.5モル%含有、重
合度1000、けん化度88モル%;加圧下、150℃
で重合したポリ酢酸ビニルをけん化して合成)を用いた
他はエマルジョン製造例1と同様にして固形分濃度4
9.4%、エチレン含量14重量%のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体エマルジョン(Em−2)が得られた。
A−3(1,2−グリコール結合1.6モル%含有、重
合度1000、けん化度88モル%;(株)クラレ製PV
A-210)を用いた他はエマルジョン製造例1と同様にし
て固形分濃度49.4%、エチレン含量13重量%のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−3)
が得られた。
A−4(1,2−グリコール結合2.2モル%含有、重
合度1700、けん化度98モル%;加圧下、120℃
で重合したポリ酢酸ビニルをけん化して合成)を用いた
他はエマルジョン製造例1と同様にして固形分濃度4
9.3%、エチレン含量13重量%のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体エマルジョン(Em−4)が得られた。
A−5(1,2−グリコール結合1.6モル%含有、重
合度1700、けん化度98モル%;(株)クラレ製PV
A-117)を用いた他はエマルジョン製造例1と同様にし
て乳化重合を行ったが重合途中で凝集がおこり安定にエ
マルジョンを得ることができなかった。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
製造例1により得られたPVA−1(1,2−グリコー
ル含有量2.2モル%、重合度1700、けん化度98
モル%)26gを仕込み95℃で完全に溶解した。次
に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rp
mで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の10
%水溶液を4.4gおよび5%過酸化水素水3g(酢酸
ビニルに対し、モル比で0.015)をショット添加
後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始した。重合開
始30分後に初期重合終了を確認した。酒石酸の10%
水溶液を0.9gおよび5%過酸化水素水3gをショッ
ト添加後、酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続
的に添加し、重合を完結させ、固形分濃度47.3%の
ポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた(Em−
5)。
りにPVA−5(重合度1000、けん化度98.5モ
ル%;(株)クラレ製PVA-117)を用いた他はエマルジ
ョン製造例6と同様にして固形分濃度47%のポリ酢酸
ビニル系エマルジョンが得られた(Em−6)。
共重合体エマルジョン(Em−1)100部と水80部
を混合したものと、エマルジョンの固形分に対して2%
の無水珪酸微粉末とを別々に120℃の熱風中に同時噴
霧して乾燥し、平均粒径20μmのエマルジョン粉末を
得た。 (エマルジョン粉末の性能評価)エマルジョン粉末10
0部にイオン交換水80部を添加して、攪拌機により十
分攪拌し、以下の物性を評価した。結果を表1に示す。 ・再分散性: ◎ 再分散液が均一で平均粒子径50μ
m以下 ○ 再分散液が均一で未分散物がない。 △ 再分散はしているが、未分散物が認められる。 × 再分散しない ・造膜性:50℃でガラス板上に再分散物を流延し乾燥
させる。 ○ 均一な皮膜となり、強靱な皮膜が得られる。 △ 皮膜にはなるがもろい。 × 均一な皮膜が得られない。 ・耐ブロッキング性:エマルジョン粉末を容器に入れ、
25g/cm2の荷重をかけて、20℃65%RH下で
10日間放置した場合の状態を観察する。 ○ ほとんどブロッキングしていない。 △ ブロッキングにより一部塊が生じている。 × ブロッキングにより全体が塊になる。 ・耐水性;粉末化後:再分散したエマルジョンを20℃
でキャスト製膜し、得られた皮膜の吸水率、溶出率を測
定した。粉末化前:再分散前の水性エマルジョンを20
℃でキャスト製膜し、同様に吸水率、溶出率を測定し
た。 (溶出率(%))=[1−{(浸漬後の皮膜絶乾重量)/
(浸漬前の皮膜絶乾重量)}]×100 (吸水率(%))={(浸漬後の皮膜吸水重量)/(浸漬前
の皮膜絶乾重量)}×100 *浸漬前の皮膜絶乾重量;浸漬前の皮膜重量(含水)−
{浸漬前の皮膜重量(含水)× 皮膜含水率(%)/10
0} *皮膜含水率;皮膜(20℃水に浸漬するサンフ゜ルとは別のサ
ンフ゜ル)を、105℃で絶乾し、皮膜の含水率をあらかじめ
もとめる。 *浸漬後の皮膜絶乾重量;浸漬後の皮膜を105℃で絶乾
した重量。 *浸漬後の皮膜吸水重量;浸漬後の皮膜を水から引き上
げた後、皮膜についた水をガーゼで拭き取り秤量。 ・放置安定性;再分散したエマルジョンを20℃で1月
間放置し、放置後の状態を観察した。 ○ 放置後も変化なし △ やや沈降が見られる × 2層に分離
ン製造例2で得られた(Em−2)を用いた他は実施例
1と同様にしてエマルジョン粉末を得、このエマルジョ
ン粉末の性能を実施例1と同様にして試験した。結果を
併せて表1に示す。
ン製造例3で得られた(Em−3)を用いた他は実施例
1と同様にしてエマルジョン粉末を得、このエマルジョ
ン粉末の性能を実施例1と同様にして試験した。しか
し、表1に示す様にエマルジョン粉末はほとんど再分散
しなかった。
を用い、さらに水80部の代わりにポリビニルアルコー
ル(重合度1700、けん化度88モル%;(株)クラ
レ製PVA-217)の10%水溶液80部を用いた他は実施
例1と同様にして試験した。結果を併せて表1に示す。
ン製造例4で得られた(Em−4)を用いた他は実施例
1と同様にしてエマルジョン粉末を得、このエマルジョ
ン粉末の性能を実施例1と同様にして試験した。結果を
併せて表1に示す。
共重合体エマルジョン(Em−5)100部と水80部
を混合したものを120℃の熱風中に同時噴霧して乾燥
し、平均粒径20μmのエマルジョン粉末を得た。この
エマルジョン粉末の性能を実施例1と同様にして試験し
た。結果を併せて表1に示す。
ン製造例7で得られた(Em−6)を用いた他は実施例
1と同様にしてエマルジョン粉末を得、このエマルジョ
ン粉末の性能を実施例1と同様にして試験した。しか
し、得られたエマルジョン粉末はほとんど再分散しなか
った。結果を併せて表1に示す。
性、耐ブロッキング性に優れた合成樹脂エマルジョン粉
末を得ることができ、また、得られた合成樹脂エマルジ
ョン粉末は水に再分散させた後の耐水性、放置安定性等
に優れるため、セメントあるいはモルタルへの混入剤は
もとより、接着剤、塗料用バインダー、紙加工用途など
幅広い用途において好適に用いられる。
Claims (3)
- 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体及びジエン系単
量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体を分散質とし、1,2−グリコール
結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
体を分散剤とする水性エマルジョンを噴霧乾燥して得ら
れる合成樹脂エマルジョン粉末。 - 【請求項2】 エチレン性不飽和単量体及びジエン系単
量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体が、ビニルエステル系単量体単位を
有する重合体である請求項1記載の合成樹脂エマルジョ
ン粉末。 - 【請求項3】 エチレン性不飽和単量体及びジエン系単
量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体が、ビニルエステル系単量体単位お
よびエチレン単位を有する重合体である請求項1記載の
合成樹脂エマルジョン粉末。
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---|---|---|---|
JP2000165885A JP4145466B2 (ja) | 2000-06-02 | 2000-06-02 | 合成樹脂エマルジョン粉末 |
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JP2000165885A JP4145466B2 (ja) | 2000-06-02 | 2000-06-02 | 合成樹脂エマルジョン粉末 |
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Cited By (8)
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