JP2005146266A - コーティング剤 - Google Patents

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健一 瀬藤
Hiroaki Yoshikawa
洋明 吉川
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Abstract

【課題】 水性エマルジョンであって、環境への影響がなく、良好な接着性、作業性、耐水性、低温流動性を有するコーティング剤を提供すること。
【解決手段】 1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体を保護コロイドとして、酢酸ビニルとこれと共重合し得るエチレンを含む単量体とを共重合してなる酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンからなることを特徴とするコーティング剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐水性、低温流動性に優れた水性エマルジョン型コーティング剤に関する。
本発明のコーティング剤は、例えば、緑化工事用浸食防止剤あるいは飛砂防止剤といった土壌流出防止剤の分野に好適である。
従来より、水性エマルジョン型コーティング剤、例えば、各種紙の表面コート剤、土壌浸食防止用の土壌表面コーティング剤としては、酢酸ビニルとこれと共重合し得るアクリル酸エステル、エチレン等のビニル系単量体を共重合し、内部可塑化された比較的柔軟な皮膜を形成する水性エマルジョンが用いられてきた。
そして、この水性エマルジョンを製造するに当っては、酢酸ビニルと疎水性の高い上記ビニル系単量体を安定に共重合するためにアニオン系、カチオン系、ノニオン系界面活剤等の乳化剤の使用、もしくはポリビニルアルコール(以下、PVA)等の水溶性高分子の保護コロイドの使用が必要であった。(特許文献1〜2参照)
しかし、乳化剤の使用は親水性の低分子を系中に有することとなり、形成される皮膜の耐水性を著しく低下させる原因となっていた。
加えて、低分子の乳化剤が溶出することによる環境への影響も問題であった。
また、乳化剤を使用せず水溶性高分子の保護コロイドのみで乳化重合を行った場合は、乳化力が不足してしまうために、安定なエマルジョンを得るためには多量の水溶性高分子を使用することが必要であった。
この場合も、水溶性(親水性)高分子による耐水性の低下は避けられず、更に低温における粘度上昇により低温での粘度安定性が損なわれるといった問題が生じていた。
一方、硬化剤を併用するいわゆる2液型にすることによって耐水性の向上を図ることも行われているが、作業が繁雑になる上、可使時間による拘束など作業性が低下し、かつ皮膜の柔軟性が失われるといった問題が生じていた。
特公昭46−5749号公報 特開平 5−163730号公報
本発明の解決しようとする課題は、コーティング剤として用いた時、環境への影響もなく、良好な接着性、耐水性、低温流動性(低温での粘度安定性)を発揮する水性エマルジョンを提供することである。
本発明者らは、分散剤として環境に影響を与えることのないPVA等の水溶性高分子を鋭意研究する内、1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体が、接着性、耐水性、低温流動性に優れたコーティング剤を与えることを知見し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)のコーティング剤、並びに(4)〜(5)の緑化工事用浸食防止剤、又は飛砂防止剤からなるものである。
(1)1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体を保護コロイドとして、酢酸ビニルとこれと共重合し得るエチレンを含む単量体とを共重合してなる酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンからなることを特徴とするコーティング剤。
(2)前記1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体の含有量が、酢酸ビニルとこれと共重合し得るエチレンを含む単量体との総量の2〜10質量%であることを特徴とする上記(1)記載のコーティング剤。
(3)前記酢酸ビニル共重合体系樹脂のガラス転移温度が、−20℃〜10℃であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のコーティング剤。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング剤からなることを特徴とする緑化工事用浸食防止剤。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング剤からなることを特徴とする飛砂防止剤。
本発明によれば、環境への影響がなく、良好な接着性、作業性、耐水性、低温流動性を有するコーティング剤を提供することができる。
次に、本発明の各構成につき詳細に説明する。
(a)1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合について
本発明の水性エマルジョンの分散剤として用いられる1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体は、例えば、ポリビニルアルコール(トリフルオロ酢酸ビニルを出発モノマーとした)山浦、松沢著 高分子刊行会 1991年6月15日 P.72に記載されているように、重合温度を制御することによって公知の方法で製造することができる。すなわち、重合温度を通常の条件より高い温度、例えば75〜200℃で、加圧下に重合する方法が挙げられる。重合温度は90〜190℃であることが好ましく、100〜180℃であることが特に好ましい。ここで、1,2−グリコール結合の含有量はNMRスペクトルの解析から求められる。
また、該分散剤は本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したものでも良い。
このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合し、それをケン化することによって得られる末端変性物も用いることができる。
1,2−グリコール結合の含有量は、1.7モル%以上であり、好ましくは1.75モル%以上、より好ましくは1.8モル%以上、さらに好ましくは1.9モル%以上である。1,2−グリコール結合の含有量が1.7モル%未満の場合は低温流動性が低下する。
また、1,2−グリコール結合の含有量は4モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3.5モル%以下、最適には3. 2モル%以下である。
上記ビニルアルコール系重合体のケン化度は、特に制限されないが、通常80モル%以上のものが用いられ、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。ケン化度が80モル%未満の場合には、上記ビニルアルコール系重合体の水溶性が低下する可能性が生じる。
上記ビニルアルコール系重合体の重合度としても特に制限されることはないが、通常用いられている100〜4000のものが好ましい。
(b)酢酸ビニル共重合体系樹脂について
酢酸ビニルと共重合し得るエチレンを含む単量体としては、エチレン性不飽和単量体、ジエン系単量体等の単量体が挙げられ、これらの単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、また、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体が挙げられる。
本発明の酢酸ビニル共重合体系樹脂は、そのガラス転移温度が−20℃〜10℃になることが好ましい。より好ましくは−10℃〜5℃である。
そのガラス転移温度が−20℃未満であると後述する[実施例]で定義する耐水性(以下、単に耐水性という。)の低下を招く場合があり、また10℃を超えた場合も同様に耐水性の低下を生じる場合がある。
酢酸ビニルと共重合し得るエチレンを含む単量体としては上記ガラス転移温度の範囲内であれば特に制限はないが、経済的な面を考慮するとエチレンが好ましい。
(c)酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンの製法について
本発明において使用される水性エマルジョンの製造方法としては特に制限はなく、公知の方法が使用可能である。
具体的には、1.2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体の水溶液を分散剤とし、酢酸ビニルおよび酢酸ビニルと共重合し得るエチレンを含む単量体を一時または連続的に滴下し、重合開始剤としては例えば、ラジカル重合触媒、レドックス重合触媒、イオン重合触媒の中から適宜選択し添加して、乳化重合して得ることができる。
上記分散剤の使用量については特に制限はないが、酢酸ビニルとこれと共重合しうる単量体の総量に対して、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%である。
その使用量が2質量%未満の場合には、耐水性が損なわれる可能性があり、10質量%を越える場合には、耐水性と低温流動性が低下することがある。
そして、本発明の効果を損なわない範囲で1,2−グリコール結合を1.7モル%未満であるビニルアルコール系重合体や従来公知のアニオン性、ノニオン性あるいはカチオン性の界面活性剤を併用しても良い。
本発明の酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンは、そのままで、又は必要があれば、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の各種エマルジョンや可塑剤、成膜助剤を添加してコーティング剤として用いることができる。
(d)緑化工事用浸食防止剤、又は飛砂防止剤について
本発明のコーティング剤は、緑化工事用浸食防止剤や飛砂防止剤として用いられると特に有用である。
緑化工事用浸食防止剤としては、本発明のコーティング剤を種子又は根茎を散播した土壌面に散布或いは吹き付けたり、或いは種子又は根茎と本発明のコーティング剤とを混合したものを、土壌面に散布或いは吹き付けて用いられる。
飛砂防止剤としては、海岸線の砂地、埋め立て地、山腹、河川、堤防、道路法面等の傾斜地、又は盛土等の一般に風雨で浸食されやすい軟弱な地層面に、本発明のコーティング剤を散布或いは吹き付けて用いられる。
次に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例において「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を意味する。
また、得られた酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンの耐水性、低温流動性を下記の要領で評価した。
(耐水性)
直径90mm深さ15mmのシャーレに豊浦標準砂(JIS R5201)を充填した。その表面に固形分を1.0%に希釈調整したエマルジョンを2L/m2 となるように均一に散布し、23℃、60%RHで3日間養生して試験体とした。その試験体を45度の角度に設置し、その上から、人工降雨試験器により雨量約60mm/hrとなるよう降雨試験を行った。4時間後の試験体表面の流出率を観察した。流出せず残った試験体の表面積を測定し、以下の計算式により残存率を求めた。
残存率(%)=〔(試験前の表面積−降雨により流出した表面積)÷試験前の表面積〕×100
耐水性の評価は残存率(%)で行い、以下のように評価した。
残存率90%以上・・・・・・・◎
残存率80%〜90%未満・・・○
残存率60%〜80%未満・・・△
残存率60%未満・・・・・・・×
(低温流動性)
各エマルジョンについて、23℃における攪拌粘度と、0℃で1ヶ月放置した後の0℃における無攪拌粘度を測定し、その粘度上昇率を計算して低温流動性の評価指標とした。測定はJISK6833に準じて行った。尚、ここで言う攪拌粘度とは、エマルジョンを攪拌した後に測定を行った粘度であり、無攪拌粘度とは攪拌をしないで測定をした粘度のことである。
低温流動性の評価は、以下のように行った。
粘度上昇率が3倍未満・・・・・・・○
粘度上昇率が3倍〜6倍未満・・・・△
粘度上昇率が6倍以上、又は
流動性を失っている状態・・・×
次に、以下の実施例、比較例で用いられる1,2−グリコール結合を有するビニルアルコール系重合体[PVA−1]、[PVA−3]、及び[PVA−6]〜[PVA−9]について説明する。
[PVA−1]
攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口を備えた5L 加圧反応槽に酢酸ビニル2940g、メタノール60g および酒石酸0.088gを仕込み、室温下に窒素ガスによるバブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで昇圧して10分間放置した後、放圧するという操作を3回繰り返して系中を窒素置換した。開始剤として2, 2' −アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V−40)をメタノールに溶解した濃度0.2g/L溶液を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。次いで上記の重合槽内温を120℃に昇温した。このときの反応槽圧力は0.5MPaであった。次いで、上記の開始剤溶液2.5mlを注入し重合を開始した。重合中は重合温度を120℃に維持し、上記の開始剤溶液を用いて10.0ml/hrでV−40を連続添加して重合を実施した。重合中の反応槽圧力は0.5MPaであった。3時間後に冷却して重合を停止した。このときの固形分濃度は24%であった。次いで、30℃減圧下にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中のポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で11.6g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位に対してモル比(MR)0.025)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノール溶液)を添加してケン化を行った。アルカリ添加後約2分で系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、1時間放置してケン化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥PVA(PVA−1)を得た。得られたPVA(PVA−1)のケン化度は98.0モル%であった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をアルカリモル比0.5でケン化して、粉砕したものを60℃で5時間放置してケン化を進行させた後、メタノールによるソックスレー洗浄を3日間実施し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVAを得た。該PVAの平均重合度を常法のJISK6726に準じて測定したところ1700であった。該精製PVAの1, 2−グリコール結合量を500MHzプロトンNMR(JEOLGX−500)装置による測定から求めたところ、2.2モル%であった。
[PVA−3]
攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口を備えた入口を備えた5L 加圧反応槽に酢酸ビニル2850g、メタノール150gおよび酒石酸0.086gを仕込み、室温下に窒素ガスによるバブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで昇圧して10分間放置した後、放圧するという操作を3回繰り返して系中を窒素置換した。開始剤として2, 2' −アゾビス(N- ブチル−2−メチルプロピオンアミド)をメタノールに溶解した濃度0.1g/L溶液を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。次いで上記の重合槽内温を150℃に昇温し、エチレンを導入し、反応槽圧力を20MPaとした。次いで、上記の開始剤溶液15.0mlを注入し重合を開始した。重合中は重合温度を150℃に維持し、上記の開始剤溶液を用いて15.8ml/hrで2, 2' −アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)を連続添加して重合を実施した。重合中の反応槽圧力は20MPaであった。4時間後に冷却して重合を停止した。このときの固形分濃度は35%であった。次いで、30℃減圧下にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中のポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で11.6g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位に対してモル比(MR)0.025)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノール溶液)を添加してケン化を行った。アルカリ添加後約3分でゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、1時間放置してケン化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥PVA(PVA−3)を得た。得られたPVA(PVA−3)のケン化度は98モル%であった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をアルカリモル比0.5でケン化した後、粉砕したものを60℃で5時間放置してケン化を進行させた後、メタノールによるソックスレー洗浄を3日間実施し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVAを得た。該PVAの平均重合度を常法のJISK6726に準じて測定したところ1000であった。該精製PVAの1, 2−グリコール結合量を500MHzプロトンNMR(JEOLGX−500)装置による測定から前述のとおり求めたところ、2.5モル%であった。また、エチレン単位の含有量は4モル%であった。
[PVA−6]
[PVA−1]の方法において、ケン化条件を制御してPVA−6を得た。これを[PVA−1]と同様に測定した結果、平均重合度は1700、ケン化度88.0モル%、1, 2−グリコール結合量は2.2モル%であった。
[PVA−7]
[PVA−1]の方法において、ケン化条件を制御してPVA−7を得た。これを[PVA−1]と同様に測定した結果、平均重合度は1700、ケン化度85モル%、1, 2−グリコール結合量は2.2モル%であった。
[PVA−8]
[PVA−3]の方法において、ケン化条件を制御してPVA−8を得た。これを[PVA−3]と同様に測定した結果、平均重合度は1000、ケン化度88モル%、1, 2−グリコール結合量は2.5モル%であった。また、エチレン単位の含有量は4モル%であった。
[PVA−9]
[PVA−3]の方法において、重合温度を制御してPVA−9を得た。これを[PVA−3]と同様に測定した結果、平均重合度は1300、ケン化度88モル%、1, 2−グリコール結合量は1.6モル%であった。また、エチレン単位の含有量は4モル%であった。
(実施例1)
窒素吹き込み口、温度計、攪拌機を備えた50リットルの耐圧性オートクレーブにPVA−6(ケン化度88.0モル%、平均重合度1700、1,2−グリコール結合2.2モル%;加圧下、120℃で重合したポリ酢酸ビニルをケン化して合成) を954g、イオン交換水20700g、ロンガリットを8.5g、酢酸ナトリウム10g、塩化第一鉄0.4gを仕込み、95℃で完全に溶解し、その後60℃に冷却し、窒素置換を行った。次に酢酸ビニル22360gを仕込んだ後、エチレンを45kg/cm2 まで加圧して導入し、4%過酸化水素水溶液1000gを5時間かけて圧入し、60℃で乳化重合を行った。残存酢酸ビニル濃度が10%となったところで、エチレンを放出し、エチレン圧力20kg/cm2 とし、3%過酸化水素水溶液50gを圧入し、重合を完結させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用いて濾過し、固形分濃度55.5%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンが得られた。
(実施例2)
実施例1において、PVA−6をPVA−7(ケン化度85モル%、平均重合度1700、1,2−グリコール結合2.2モル%)に換える以外は実施例1と同様にして固形分55.6%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンを得た。
(実施例3)
実施例1において、PVA−6をPVA−8(ケン化度88.0モル%、平均重合度1000、1,2−グリコール結合2.5モル%、エチレン含量4モル%)に換える以外は実施例1と同様にして固形分55.5%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンを得た。
(実施例4)
実施例1において、PVA−6の使用量を1363gに換える以外は実施例1と同様にして固形分55.8%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンを得た。
(実施例5)
実施例1において、PVA−6の使用量を550gに換える以外は実施例1と同様にして固形分55.2%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンを得た。
(実施例6)
実施例1において、酢酸ビニル22360gに換えて、酢酸ビニル20450g、アクリル酸ブチル1495gおよびアクリル酸2−エチルヘキシル415gを使用した以外は実施例1と同様にして固形分55.5%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂(Tg=−3.0℃)エマルジョンを得た。
(比較例1)
実施例1で使用したPVA−6の代わりに、PVA−217((株)クラレ製 ケン化度88.0モル%、平均重合度1700、1,2−グリコール結合1.6モル%)に換える以外は実施例1と同様にして、固形分55.5%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンを得た。
(比較例2)
実施例1において、PVA−8をPVA−9(ケン化度88.0モル%、平均重合度1300、1,2−グリコール結合1.6モル%、エチレン含量4モル%)に換える以外は実施例1と同様にして固形分55.4%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンを得た。
(比較例3)
実施例1において、PVA−6の使用量を410gに換える以外は実施例1と同様にして固形分55.0%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンを得た。
(比較例4)
実施例1において、PVA−6の使用量を2797g、酢酸ビニルの使用量を20850gに換える以外は実施例1と同様にして固形分55.5%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg=4.0℃)エマルジョンを得た。
(比較例5)
実施例1において、エチレンを導入する際の圧力を45kg/cm2 から25kg/cm2 に換える以外は実施例1と同様にして固形分54.0%、エチレン含量11重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg=13.5℃)エマルジョンを得た。
(比較例6)
実施例1において、酢酸ビニル22360gに換えて、酢酸ビニル16210g、アクリル酸ブチル1185gおよびアクリル酸2−エチルヘキシル329gを使用し、エチレン導入圧力45kg/cm2 を60kg/cm2 に換える以外は実施例1と同様にして固形分55.5%、エチレン含量35重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂(Tg=−22.0℃)エマルジョンを得た。
以上の実施例1〜6及び比較例1〜6の各エマルジョンについて、上記各性能評価を行い、次の表1に示される結果を得た。
Figure 2005146266

Claims (5)

  1. 1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体を保護コロイドとして、酢酸ビニルとこれと共重合し得るエチレンを含む単量体とを共重合してなる酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンからなることを特徴とするコーティング剤。
  2. 前記1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体の含有量が、酢酸ビニルとこれと共重合し得るエチレンを含む単量体との総量の2〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載のコーティング剤。
  3. 前記酢酸ビニル共重合体系樹脂のガラス転移温度が、−20℃〜10℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコーティング剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング剤からなることを特徴とする緑化工事用浸食防止剤。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング剤からなることを特徴とする飛砂防止剤。
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