JP2001342246A - ポリエステル樹脂、ポリエステルフィルムおよびこれを用いたラミネート金属板 - Google Patents

ポリエステル樹脂、ポリエステルフィルムおよびこれを用いたラミネート金属板

Info

Publication number
JP2001342246A
JP2001342246A JP2000166704A JP2000166704A JP2001342246A JP 2001342246 A JP2001342246 A JP 2001342246A JP 2000166704 A JP2000166704 A JP 2000166704A JP 2000166704 A JP2000166704 A JP 2000166704A JP 2001342246 A JP2001342246 A JP 2001342246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
acid
film
metal plate
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000166704A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Kihara
秀樹 木原
Jun Yoshida
純 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2000166704A priority Critical patent/JP2001342246A/ja
Publication of JP2001342246A publication Critical patent/JP2001342246A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、機械物性、加工性および外観等に優
れたポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂組成物および
そのフィルムを提供する。 【解決手段】 テレフタル酸を有する酸成分と、エチレ
ングリコールを有するアルコール成分と、不飽和ジカル
ボン酸0.05〜10モル%とを含有し、280℃、せ
ん断速度100[sec.-1]、L/D=10で測定した溶
融粘度が50〜5000[Pa・s]で、 25℃のフェノ
ール/テトラクロロエタン等重量混合溶媒中で測定され
る固有粘度[η]が0.5〜1.2[dl/g]であり、さら
に、ガラス転移温度が60℃以上であるポリエステル樹
脂を使用する。ポリエステル樹脂に酸化チタンを5〜3
5重量%の範囲で含有させたポリエステル樹脂組成物と
することによって、さらに外観等の向上したフィルムを
提供できる。このフィルムは特に耐候性が必要とされる
ラミネート金属板への使用に最適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性に優れたラ
ミネート金属板を製造するのに適した、ポリエステル樹
脂、ポリエステル樹脂組成物、およびそれを用いたフィ
ルムに関する。より詳しくは、家電品、内外装建材等に
使用される金属板にラミネートされ、屋外等で紫外線に
さらされても変色、チョーキングの少ない耐候性に優れ
たポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂組成物、および
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属にフィルムをラミネートすることに
より、金属表面の耐擦過性を高め、外観を保護すること
は従来より一般に広く使われており、フィルムによる金
属のラミネートは、有機溶剤系塗料による塗装のよう
に、有機溶剤の使用や、乾燥・焼き付け時の多量の熱エ
ネルギーの使用等のデメリットがないため、飲料や食品
用途、建材や家電等の外装、自動車や電車の車両等の分
野に使用されている。ところが、近年、環境問題がクロ
ーズアップされるに伴い、従来使用されてきた、ポリ塩
化ビニル、ポリスチレン等の使用が回避される傾向が高
まっている。また、外観向上による差別化、使用環境が
拡大されるとともに物性向上の要請が高まり、従来のポ
リ塩化ビニルやポリスチレンでは対応できない分野が出
てきている。そこで、機械物性、耐薬品性および外観等
に優れるポリエステルフィルムが注目されるようになっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、建材等
のように屋外用途では、気温、湿度の上昇によって機械
物性等が低下したり、紫外線によって金属ラミネートフ
ィルム自体が変色して外観不良等を起こす不都合があっ
た。例えば、特開平11−255919号公報には、特
定の還元粘度を有するエチレンテレフタレート単位を主
体としたポリエステル樹脂と、特定の比率のルチル型酸
化チタンからなるポリエステルフィルムが提案されてい
るが、耐候性試験において、チョーキング等の外観不良
を生じやすいという問題があった。また、特開平5−1
71106号公報には、酸成分のうち芳香族ジカルボン
酸と脂肪族ジカルボン酸を特定の比率とし、ジアルコー
ルをアルコール成分とした特定の数平均分子量のポリエ
ステル樹脂に、3価以上の多価アルコール成分および/
または3価以上のヒドロキシカルボン酸成分を特定の比
率で解重合してなる金属鋼板塗料用ポリエステル樹脂の
製造法が提案されている。しかしながら、有機溶剤の使
用、乾燥・焼き付け時の多量の熱エネルギーの使用等の
デメリットがあった。
【0004】本発明は前期課題を解決するためになされ
たもので、耐候性、機械物性、加工性および外観等に優
れたポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂組成物、およ
びそれを用いたフィルムを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、特定の組成と物
性を有するポリエステル樹脂を使用することで、上記の
目的が達成できることを見出し本発明に至った。すなわ
ち本発明のポリエステル樹脂は、テレフタル酸を有する
酸成分と、エチレングリコールを有するアルコール成分
と、不飽和ジカルボン酸0.05〜10モル%とを含有
するポリエステル樹脂であって、280℃、せん断速度
100[sec.-1]、L/D=10で測定した溶融粘度が
50〜5000[Pa・s]で、25℃のフェノール/テ
トラクロロエタン等重量混合溶媒中で測定される固有粘
度[η]が0.5〜1.2[dl/g]であり、さらに、ガラス
転移温度が60℃以上であることを特徴とするものであ
る。さらに、このポリエステル樹脂95〜65重量%と
酸化チタン5〜35重量%とを有するポリエステル樹脂
組成物は外観特性がより向上する。本発明のポリエステ
ルフィルムは、これらの樹脂からなるものである。ま
た、本発明のラミネート金属板は、上記のポリエステル
フィルムが、金属板の少なくとも片面に積層されている
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂は、酸成分としてテレフタル
酸を主体とする。さらに、色調、機械物性等の付与のた
め、他の酸成分を、ポリエステル樹脂のガラス転移温度
が60℃以上となる範囲で共重合することができる。他
の酸成分としては、イソフタル酸、1,4もしくは2,
6−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル
酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、ドデカンジオン酸、1,3もしくは1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボ
ン酸等が挙げられる。また、これらのエステル形成誘導
体としても良い。エステル形成誘導体としては低級アル
キルエステルやアリールエステル、炭酸エステル、酸ハ
ロゲン化物等が挙げられる。また、アルコール成分とし
てエチレングリコールを主体とし、色調、耐衝撃性、柔
軟性等の付与のため、他のアルコール成分を、ポリエス
テル樹脂のガラス転移温度が60℃以上となる範囲で共
重合することができる。他のアルコール成分としては、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマー
ジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジ
メタノール、また、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロ
ピレングリコールブロック共重合体、ポリテトラメチレ
ングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等、ポリ
オキシアルキレングリコールを単独あるいは混合物とし
て用いることができ、下記一般式(1)、(2)および
(3)で表されるアルコール成分、およびこれらの誘導
体のエチレンオキサイド付加物等を含有させることがで
きる。
【0007】
【化1】 (式中、XはCH2、C(CH32、C(CF32
O、SおよびSO2を示し、nおよびmは、1≦n+m
≦4を満足する。)
【化2】 (式中、XはCH2、C(CH32、C(CF32
O、SおよびSO2を示し、RはC1〜C5のアルキル
基を示し、nおよびmは、1≦n+m≦4を満足す
る。)
【0008】中でも次の一般式(3)に示される構造を
有するビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が
好ましい。
【化3】 (式中、nおよびmは、1≦n+m≦4を満足する。)
【0009】本発明のポリエステル樹脂に使用される不
飽和ジカルボン酸は、不飽和ジカルボン酸中の二重結合
が架橋することにより、耐候性、機械物性等に優れたラ
ミネート層を形成するために使用される。その使用量は
0.05〜10モル%である必要があり、好ましくは
0.1〜7モル%である。0.05モル%未満では、架
橋構造が不十分となり、十分な耐候性が得られない傾向
にあり、10モル%を超えると重縮合時の架橋反応の制
御が難しく、満足なポリエステル樹脂が得られない可能
性がある。使用される不飽和ジカルボン酸の例として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコン酸
等が挙げられる。また、マレイン酸、イタコン酸、グル
タコン酸の無水物等や、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、グルタコン酸のエステル形成誘導体等が挙げられ
る。
【0010】本発明のポリエステル樹脂は、280℃、
せん断速度100[sec.-1]、L/D=10で測定した
溶融粘度が50〜5000[Pa・s]である必要があ
り、より好ましくは100〜4000[Pa・s]、さら
には100〜2000[Pa・s]が好ましい。50[Pa
・s]未満では、耐衝撃性等、機械強度が不十分となる
可能性があり、5000[Pa・s]を超えると、曲げ加
工や絞り加工等の成形加工性が低い傾向にある。なお、
ここでL/Dとはキャピラリーのノズルの長さLと直径
Dの比である。また、本発明のポリエステル樹脂は、2
5℃のフェノール/テトラクロロエタン等重量混合溶媒
中で測定される固有粘度[η]が、0.5〜1.2[dl/g]
である必要があり、好ましくは0.6〜1.0[dl/g]で
ある。0.5[dl/g]未満では、耐衝撃性等、機械強度が
不十分となる可能性があり、1.2[dl/g]を超えると、
曲げ加工や絞り加工等の成形加工性が低い傾向にある。
さらに、本発明のポリエステル樹脂は、ガラス転移温度
(以下Tgと略することがある。)が60℃以上である
必要があり、より好ましくは65℃以上である。60℃
未満では、十分な耐候性、機械特性が得られない傾向に
ある。ここでポリエステル樹脂のTgは、示差走査熱量
計(以下DSCと略することがある。)を用いて求めら
れる。具体的には、DSC測定用パンに10mgのサン
プルを入れ、280℃加熱ステージ上で5分間加熱溶融
後、すばやく試料パンをドライアイスの上に敷いたアル
ミ箔上で急冷固化し、昇温速度10℃/分でTgを求め
る方法による。
【0011】本発明のポリエステル樹脂は、公知の直接
重合法やエステル交換法等により製造することができ
る。また、ポリエステル樹脂に使用される不飽和ジカル
ボン酸は、ポリエステルを製造する際のエステル化前、
重縮合反応前、重縮合反応末期に添加されても、ラミネ
ート時の押し出し前等に添加されてもよく、その添加時
期は特に限定されるものではない。
【0012】本発明のポリエステル樹脂には、良好な外
観等を付与するため酸化チタンを配合し、ポリエステル
樹脂組成物とすることができる。ポリエステル樹脂組成
物中、酸化チタンは5〜35重量%の範囲で使用でき
る。好ましくは10〜30重量%で、さらには15〜2
5重量%が好ましい。5重量%未満では、白色隠蔽性が
十分でなく、35重量%を超えると、脆くなり、十分な
成形加工性が保てない。本発明で用いる酸化チタンは、
白色原料として用いられている二酸化チタンで、結晶型
はルチル型が好ましく、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、酸化亜鉛、有機シロキサン、有機カルボン酸、有機
アミン、ポリオール等で表面処理されているのが好まし
い。より好ましくは、アルミナ、シリカ、ジルコニア、
酸化亜鉛等の無機物である。ポリエステル樹脂に酸化チ
タンを配合させる方法としては、ポリエステル合成時
のエステル交換もしくはエステル化反応の終了前に添
加、もしくは重縮合反応開始前に添加する方法。ポリ
エステルに添加し、二軸押出機等で溶融混練する方法。
上記、の方法において、45〜65重量%の酸化
チタンを多量に添加したマスターバッチを製造し、酸化
チタンを含有しないポリエステルと混練し、所定量の酸
化チタンを含有させる方法等がある。なお、のポリエ
ステル合成時に酸化チタンを添加する方法を用いる場合
には、酸化チタンをグリコールに分散したスラリーとし
て、反応系に添加することが好ましい。また、ポリエス
テル樹脂を押出機にかける場合、加水分解による劣化を
避けるために真空乾燥、除湿乾燥等により水分を除去し
た後、従来公知の押出機にて押し出すか、あるいはベン
ト式押出機にて水分を除きながら押し出す方法がある。
【0013】得られたポリエステル樹脂は、例えば以下
の方法によって金属ラミネート用とすることが可能であ
る。溶融樹脂をTダイから金属板上に連続的に押し出
し、直後冷水等で急冷してラミネートする方法。溶融
樹脂をTダイから冷却ロール上にシート状に押し出し、
これを熱圧着等によりラミネートする方法。溶融樹脂
をTダイから冷却ロール上に押し出した後、延伸して金
属板に熱圧着等によりラミネートする方法等がある。こ
の押し出した溶融物は急冷することにより、透明性の良
好な無配向物が得られる。無配向フィルムとして使用す
る場合は、冷却ロール上に押し出すことでフィルムが得
られる。延伸フィルムとする場合には、この無配向フィ
ルムを樹脂のTgより3℃以上高い温度で縦方向、ある
いは横方向、または両方向に1.0〜5.0倍、好まし
くは1.5〜4.8倍に延伸する。フィルムの延伸は、
同時二軸延伸、逐次二軸延伸、一軸延伸等の方法により
行われ、横方向の延伸と、縦方向の延伸はどちらを先に
実施しても良い。延伸されたフィルムは、そのまま製品
として使用することも可能であるが、寸法安定性等の点
から100℃〜250℃の温度で数秒から数十秒の熱処
理を行っても良い。得られたフィルムは、直接フィルム
を金属板に熱圧着することも可能であり、接着剤層を介
してラミネートしても良い。また、フィルムは金属板の
片面に積層しても、必要に応じて両面に積層してもよ
い。
【0014】本発明のラミネート金属板を構成するポリ
エステル層の厚さは、特に限定されるものではないが、
1〜600μmの範囲のものが実用的に使われる。好ま
しくは4〜300μm、特に6〜100μmの範囲が実
用的である。本発明においては、さらに特定の性能を付
与するために従来公知の各種の加工処理をしたり、適当
な添加剤を配合したりできる。加工処理の例としては紫
外線、α線、β線、γ線、あるいは電子線等の照射、コ
ロナ処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化
ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ
オレフィン等の樹脂の塗布、ラミネート、あるいは金属
の蒸着等が挙げられる。添加剤の例としては、ポリエー
テル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタク
リレート、ポリカーボネート等の樹脂、シリカ、タル
ク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、カーボン
ブラック等の顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、耐光剤等が挙げら
れる。このようなポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂
組成物およびポリエステルフィルムは、成形時の加工
性、外観、耐候性等を必要とする家電品、内外装建材等
の用途に好適に使用することができる。そして、特に金
属板へのラミネート用として使用するのに最適である。
【0015】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳しく説明する。実施例および比較例中の物性の評
価は以下に示す方法で行った。 (1) 固有粘度の測定 JIS Z−8803に従い、25℃のフェノ−ル/テ
トラクロロエタン等重量混合溶媒中で測定した。 (2) ガラス転移温度(Tg)の測定 DSC測定用パンに10mgのサンプルを入れ、280
℃加熱ステージ上で5分間加熱溶融後、すばやく試料サ
ンプルをドライアイスの上に敷いたアルミ箔上で急冷固
化した後、DSCを用い、昇温速度10℃/分でTgを
求めた。 (3)溶融粘度の測定 キャピログラフ(東洋精機製作所製)を使用して280
℃、せん断速度100[sec.-1]、L/D=10で押し
出した際の粘度を測定した。 (4)耐擦傷性 フィルムを1.2cm幅にスリットしたものを10本用
意し、摩擦堅牢度試験機(HEIDON製)を使用し
て、該フィルム同士をストローク5cm、50往復/1
min、荷重50gで1分間、耐擦傷性試験を行った。
このときフィルムに入った傷を顕微鏡で観察し、耐擦傷
性を判定した。幅2.5μm以上の傷が平均としてテー
プ幅あたり5本未満は◎、5本以上10本未満は○、1
0本以上15本未満は△、15以上は×と判定した。
【0016】(5)ラミネート接着性 ラミネート金属板を幅18mmの短冊状の試験片(ラミ
ネート金属板の端部はラミネートせず、ラミネートされ
た部分が8cm以上確保されるようにする)に切り出し
た。この試験片のフィルム面に、JIS Z−1522
に規定された粘着テープを貼り付け、島津製作所製オー
トグラフで、10mm/minで180°剥離試験を行い、剥
離強力をラミネート接着性の指標とした。 ○ :11枚のうち10枚以上の試験片の剥離強力が3
N以上か、3N以上でフィルムが破断。 △ :11枚のうち5枚以上の試験片の剥離強力が3N
以上か、3N以上でフィルムが破断。 ×:剥離強力が3N未満の試験片が7枚以上。 (6) 耐薬品性(耐汚染性) ラミネート金属板のフィルム被覆面に油性マーカーを塗
布し、24時間放置した後でエタノール20%水溶液に
より拭き取った。拭き取り後のラミネート金属板の汚れ
の有無により評価した。 ○ :汚れが残らない。 △:若干汚れが残る。 ×:汚れが激しく残る。 (7)加工性 JIS−Z−2248に準じて、同じ厚みの金属板を挟
み物として用いて、ラミネート金属板を180°折り曲
げ、屈曲部のクラックを20倍ルーペにより観察し、下
記の基準に従って評価した。 ◎:クラックが無く、良好。 ○:クラックが若干見られるが、実用レベルである。 ×:クラックが多く見られ、実用レベルに無い。
【0017】(8)耐候性 ラミネート金属板をデューパネル光コントロールウェザ
ーメーター(スガ試験機製)で紫外線蛍光ランプの照射
を70℃で8時間行い、次に無照射で湿潤状態を50℃
で4時間行う12時間毎のサイクルで促進耐候性試験を
行った。300時間経過後にラミネート金属板の外観を
以下の項目で評価した。 変色 JIS−Z−8730に準じて、側色色差計Z−100
1DP(日本電色工業(株)製)でb値を測定し、下記
式からΔbを求めた。 b0=促進耐候性試験前のフィルムのb値 b1=促進耐候性試験後のフィルムのb値
【数1】 ◎:100>Δb ○:200>Δb≧100 ×: Δb≧200 チョーキング 促進耐候性試験後のフィルム表面の状態を目視で観察
し、下記の基準に従って評価した。 ◎:チョーキングが無く、良好。 ○:チョーキングが若干見られるが、実用レベルであ
る。 ×:チョーキングが多く見られ、実用レベルに無い。
【0018】[実施例1〜7、9〜13、比較例1〜
5]表1に記載の原料を還流塔、攪拌装置を備えた反応
容器に入れ、反応温度200℃から240℃で副生する
水を留去しながら、水の留出量が理論量の90%になる
まで反応させエステル化物を得た。次いで、このエステ
ル化物に原料の重量に対して500ppmの三酸化アン
チモンを添加し、285℃で副生するグリコール成分を
600Pa以下の高真空で留去させつつ、目標の溶融粘
度になるまで溶融重合し、ポリエステル樹脂を得た。樹
脂は表2の組成であった。なお樹脂組成は、得られたポ
リエステル樹脂をヒドラジンで加水分解した後、液体ク
ロマトグラフィー、及びガスクロマトグラフィーにより
求めた。
【0019】[実施例8]表1に記載の原料を環流塔、
攪拌装置を備えた反応容器に入れ、原料に対して500
ppmの酢酸マンガン二水和物を添加し、反応温度14
0℃から240℃で副生するメタノールを留去しなが
ら、メタノール留出量が理論量の90%になるまで反応
させ、エステル化物を得た。次いで、このエステル化物
に原料の重量に対して500ppmの三酸化アンチモン
を添加し、285℃で副生するグリコール成分を600
Pa以下の高真空で留去させつつ、目標の溶融粘度にな
るまで溶融重合し、ポリエステル樹脂を得た。樹脂は表
2の組成であった。なお樹脂組成は、得られたポリエス
テル樹脂をヒドラジンで加水分解した後、液体クロマト
グラフィー、及びガスクロマトグラフィーにより求め
た。
【0020】[ラミネート金属板の作成(実施例1〜
3、5〜12、比較例1〜5)]これらの樹脂とルチル
型酸化チタン(石原産業(株)PF691)を真空乾燥
により水分率が100ppm以下になるまで乾燥し、真
空ベント付きの二軸押出機(池貝鉄工所(株)PCM3
0)で溶融混練した。得られたチップを280℃でTダ
イより溶融押し出し、冷却ロール上で急冷してフィルム
を得た。このフィルムを該フィルムの融点以上に加熱し
た板厚0.25mmのティンフリースチール板と貼り合
わせた後、冷却してラミネート金属板を得た。 [ラミネート金属板の作成(実施例4)]この樹脂を真
空乾燥により水分率が100ppm以下になるまで乾燥
し、280℃でTダイより溶融押し出し、冷却ロール上
で急冷してフィルムを得た。このフィルムを該フィルム
の融点以上に加熱した板厚0.25mmのティンフリー
スチール板と貼り合わせた後、冷却してラミネート金属
板を得た。 [ラミネート金属板の作成(実施例13)]この樹脂と
ルチル型酸化チタン(石原産業(株)PF691)を真
空乾燥により水分率が100ppm以下になるまで乾燥
し、真空ベント付きの二軸押出機(池貝鉄工所(株)P
CM30)で溶融混練した。得られたチップを280℃
でTダイより溶融押し出し、冷却ロール上で急冷して未
延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをバッチ式の
延伸機により90℃で、縦方向、横方向にそれぞれ3.
5倍に延伸し、190℃の温度で熱処理を行い、厚さ2
5μmの二軸延伸フィルムを得た。この二軸延伸フィル
ムを該フィルムの融点以上に加熱した板厚0.25mm
のティンフリースチール板と貼り合わせた後、冷却して
ラミネート金属板を得た。 [評価試験]得られたラミネート金属板を用いて、ラミ
ネート接着性、耐汚染性、加工性、耐候性について試験
した結果を表3に示した。なお、ポリエステル樹脂の物
性、フィルム中のポリエステルと酸化チタンの割合、フ
ィルムの耐擦傷性についても表3に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】 表1および表2中、略号は以下を示す。 TPA:テレフタル酸 M A:無水マレイン酸 F A:フマル酸 ITA:イタコン酸 DMT:ジメチルテレフタレート IPA:イソフタル酸 NDC:2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエス
テル ADA:アジピン酸 SBA:セバシン酸 E G:エチレングリコール CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール BPE:ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物 NPG:ネオペンチルグリコール
【0023】
【表3】
【0024】このように実施例で得られたポリエステル
フィルムおよびラミネート金属板は、耐擦傷性、ラミネ
ート接着性、耐汚染性、加工性に優れ、かつ、耐候性に
も優れていた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明のポリエステ
ル樹脂、ポリエステル樹脂組成物およびフィルムは、ラ
ミネート時の密着性や、加工性に優れ、屋外等で紫外線
にさらされても変色、チョーキングが少ない優れた耐候
性を有する。よって、家電品の他、内外装建材等に用い
られるラミネート金属板への適用に極めて有効である。
また、ポリエステル樹脂にさらに酸化チタンを含有させ
ることにより、得られるフィルム等の外観性がより向上
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA49X AA86X AA88X AB18 AE17 AF13 AF53 AF57 AF58 BA01 BB06 BB07 BB08 BC01 4F100 AA21A AA21C AA21G AB01B AB02 AK41A AK41C AL01A AL01C AL05A AL05C BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10C EC18 EC183 EH17 EH172 EJ38 EJ382 GB07 JA05A JA05C JA06A JA06C JL01 JL09 YY00A YY00C 4J002 CF221 DE136 FD016 4J029 AA07 AB01 AC02 AD01 AD07 AE03 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 BB13A BD03A BD04A BF09 BF18 BF21 BF25 BF27 BF28 BH02 CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A CB05B CB06A CB10A CC04A CC06A CC09 CD03 CF08 DB07 DB12 GA12 GA13 GA14 GA17 HA01 HA02 HB01 HB02 JA093 JF323

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸を有する酸成分と、エチレ
    ングリコールを有するアルコール成分と、不飽和ジカル
    ボン酸0.05〜10モル%とを含有するポリエステル
    樹脂であって、 280℃、せん断速度100[sec.-1]、L/D=10
    で測定した溶融粘度が50〜5000[Pa・s]で、2
    5℃のフェノール/テトラクロロエタン等重量混合溶媒
    中で測定される固有粘度[η]が0.5〜1.2[dl/g]で
    あり、 さらに、ガラス転移温度が60℃以上であることを特徴
    とするポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 不飽和ジカルボン酸が、マレイン酸、フ
    マル酸、イタコン酸から選ばれた1種以上を含むことを
    特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリエステル
    樹脂からなることを特徴とするポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のポリエステル
    樹脂95〜65重量%と、酸化チタン5〜35重量%と
    を有することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のポリエステル樹脂組成
    物からなることを特徴とするポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項3または5に記載のポリエステル
    フィルムが、金属板の少なくとも片面に積層されている
    ことを特徴とするラミネート金属板。
JP2000166704A 2000-06-02 2000-06-02 ポリエステル樹脂、ポリエステルフィルムおよびこれを用いたラミネート金属板 Withdrawn JP2001342246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000166704A JP2001342246A (ja) 2000-06-02 2000-06-02 ポリエステル樹脂、ポリエステルフィルムおよびこれを用いたラミネート金属板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000166704A JP2001342246A (ja) 2000-06-02 2000-06-02 ポリエステル樹脂、ポリエステルフィルムおよびこれを用いたラミネート金属板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001342246A true JP2001342246A (ja) 2001-12-11

Family

ID=18669982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000166704A Withdrawn JP2001342246A (ja) 2000-06-02 2000-06-02 ポリエステル樹脂、ポリエステルフィルムおよびこれを用いたラミネート金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001342246A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102286197A (zh) * 2011-06-23 2011-12-21 北京化工大学 一种聚酯介电弹性体复合材料及其制备方法
CN102408686A (zh) * 2011-09-02 2012-04-11 奥瑞金包装股份有限公司 一种流延聚酯薄膜及其制备方法
CN102432984A (zh) * 2011-09-02 2012-05-02 奥瑞金包装股份有限公司 聚酯薄膜、其制备方法及用途

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102286197A (zh) * 2011-06-23 2011-12-21 北京化工大学 一种聚酯介电弹性体复合材料及其制备方法
CN102408686A (zh) * 2011-09-02 2012-04-11 奥瑞金包装股份有限公司 一种流延聚酯薄膜及其制备方法
CN102432984A (zh) * 2011-09-02 2012-05-02 奥瑞金包装股份有限公司 聚酯薄膜、其制备方法及用途
CN102408686B (zh) * 2011-09-02 2013-09-18 奥瑞金包装股份有限公司 一种流延聚酯薄膜及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004196930A (ja) 芳香族液晶ポリエステルおよびそのフィルム
JP4631583B2 (ja) ラミネート用積層ポリエステルフィルムおよびポリエステル樹脂ラミネート金属板
JP2004500259A (ja) 耐紫外線性共押出艶消しポリエステルフィルム及びその使用ならびにその製造方法
JP3245994B2 (ja) 金属板貼合わせ用共重合ポリエステル及びフィルム
JP2001342246A (ja) ポリエステル樹脂、ポリエステルフィルムおよびこれを用いたラミネート金属板
JP2001151908A (ja) 熱収縮性ポリエステルフィルム
JPH05208447A (ja) ポリエステル系シュリンクフィルム
JP2000302888A (ja) ポリエステルシート
JPH1060135A (ja) 金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムとその製造法
JP2001200039A (ja) 耐候性金属ラミネート用ポリエステル樹脂、及びそれを用いたフィルム
JP2001354842A (ja) カレンダー成形用ポリエステル組成物
JP2000063537A (ja) ポリエステルフィルム
JP2006265325A (ja) ラミネート用ポリエステルフィルムおよびポリエステル樹脂ラミネート金属板
JP5283102B2 (ja) ポリエステルシート
JP4068345B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびそのシート状成形体
JP2001181382A (ja) 金属ラミネート用ポリエステル樹脂、およびそれを用いたフィルム
JP2001316458A (ja) 金属ラミネート用ポリエステル樹脂及びフィルム
JPH11263854A (ja) 金属ラミネート用白色フィルム
JP3269132B2 (ja) 金属板貼合わせ用共重合ポリエステル及びフィルム
JP2004359945A (ja) 共重合ポリエステルおよびその製造方法、並びにポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルム
JP2000103878A (ja) 化粧金属板用ポリエステルフィルム
JPS61108625A (ja) 共重合ポリエステルの製造方法
JP2006193547A (ja) 改質ポリエチレンナフタレート樹脂組成物およびそれを用いたフィルム
JPH11106627A (ja) 化粧鋼板用ポリエステル樹脂組成物
JP2000212262A (ja) 金属ラミネ―ト用ポリエステル樹脂及びそれを用いたフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807